説明

ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、ナビゲーションプログラムおよびコンピュータに読み取り可能な記録媒体

【課題】交通状況および現在地点に応じて待ち合わせに最適な地点までの経路誘導をおこなうこと。
【解決手段】ナビゲーション装置100は、入力部110と、取得部120と、探索部130と、誘導部140と、を備え、探索部130は、時間差算出部131と、新目的地点検出部132と、を備える。入力部110は、複数の移動体が合流する目的地点を入力する。取得部120は、それぞれの位置情報および交通状況に関する情報を取得する。探索部130は、入力された目的地点と、取得されたそれぞれの位置情報および交通状況に関する情報と、に基づいて、目的地点までの経路を探索する。誘導部140は、探索された経路に基づいた経路誘導をおこなう。時間差算出部131は、探索された目的地点までのそれぞれの経路に基づいて、目的地点に到着する予定時刻の時間差を算出する。新目的地点検出部132は、算出された時間差に応じて新目的地点を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、ナビゲーションプログラムおよびコンピュータに読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえば、車両などの移動体に搭載され、ユーザが所望の地点を目的地点として設定することにより、移動体の現在地点から目的地点に至るまでの経路を誘導するナビゲーション装置がある。また、従来、たとえば、複数の移動体において、それぞれの移動体の現在地点に応じて待ち合わせ地点を設定し、その待ち合わせ地点までの誘導をおこなう移動体待ち合わせ支援システムがある(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−227168号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に記載された従来技術では、各移動体の現在地点のみに応じて待ち合わせ地点を設定するために、待ち合わせ地点までの距離以外の要因は考慮されず、最適な待ち合わせ地点の設定ができていない場合があったという問題が一例として挙げられる。
【0005】
たとえば、移動体Aおよび移動体Bが待ち合わせ地点Cまで向かっていたとする。このとき、移動体Aの方が移動体Bに比べ、待ち合わせ地点Cまでの距離は近いにもかかわらず、渋滞に巻き込まれ、移動体Bよりも到着が遅れてしまう場合も起こりえる。このような場合には、待ち合わせ地点Cに先に着いた移動体Bは、移動体Aが到着するまで待たされることになる。
【0006】
また、このような場合、移動体Bが先に待ち合わせ地点Cに到着した時点で、移動体Aの現在地点に合わせ、再度、新たな待ち合わせ地点を再設定する方法もあるが、移動体Aが大幅に遅れる場合には、幾度も待ち合わせ地点が変更されることになり、移動体Bはその都度、新たな待ち合わせ地点に向かわなければならず、煩わしいという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1に記載のナビゲーション装置は、複数の移動体のそれぞれの現在地点から所定の同一地点までの経路を誘導するナビゲーション装置であって、前記複数の移動体が合流する目的地点を入力する入力手段と、前記複数の移動体のそれぞれの位置情報、および交通状況に関する情報を取得する取得手段と、前記入力手段によって入力された目的地点と、前記取得手段によって取得された前記複数の移動体のそれぞれの位置情報および交通状況に関する情報と、に基づいて、前記目的地点までのそれぞれの経路を探索する探索手段と、前記探索手段によって探索された前記経路に基づいた経路誘導をおこなう誘導手段と、を備え、前記探索手段は、探索された前記目的地点までのそれぞれの経路に基づいて、前記複数の移動体の前記目的地点に到着する予定時刻の時間差を算出する時間差算出手段と、前記時間差算出手段によって算出された時間差に応じて、新たな目的地点(以下、「新目的地点」という)を検出する新目的地点検出手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項9に記載のナビゲーション方法は、複数の移動体のそれぞれの現在地点から所定の同一地点までの経路を誘導するナビゲーション方法であって、前記複数の移動体が合流する目的地点を入力する入力工程と、前記複数の移動体のそれぞれの位置情報、および交通状況に関する情報を取得する取得工程と、前記入力工程によって入力された目的地点と、前記取得工程によって取得された前記複数の移動体のそれぞれの位置情報および交通状況に関する情報と、に基づいて、前記目的地点までのそれぞれの経路を探索する探索工程と、前記探索工程によって探索された前記経路に基づいた経路誘導をおこなう誘導工程と、を含み、前記探索工程は、探索された前記目的地点までのそれぞれの経路に基づいて、前記複数の移動体の前記目的地点に到着する予定時刻の時間差を算出する時間差算出工程と、前記時間差算出工程によって算出された時間差に応じて、新たな目的地点(以下、「新目的地点」という)を検出する新目的地点検出工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
また、請求項10に記載のナビゲーションプログラムは、請求項9に記載のナビゲーション方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0010】
また、請求項11に記載のコンピュータに読み取り可能な記録媒体は、請求項10に記載のナビゲーションプログラムを記録したことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかるナビゲーション装置、ナビゲーション方法、ナビゲーションプログラムおよびコンピュータに読み取り可能な記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
(ナビゲーション装置の機能的構成)
まず、本発明の実施の形態にかかるナビゲーション装置の機能的構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかるナビゲーション装置の機能的構成を示すブロック図である。図1に示すように、この発明の実施の形態にかかるナビゲーション装置100は、入力部110と、取得部120と、探索部130と、誘導部140と、を備える。
【0013】
入力部110は、複数の移動体が合流する目的地点を入力する機能を有する。入力部110は、たとえば、図示しない受付部を備え、受付部によってユーザの操作を受け付けることにより、目的地点を入力する。目的地点は、たとえば、地点の名称、住所、または電話番号などによって地図情報上の一点が特定されることにより入力される。入力部110は、たとえば、キーボードなどの入力デバイスの利用者によって選択されたキーに対応するデータを装置内部へ入力することにより実現される。
【0014】
取得部120は、複数の移動体のそれぞれの位置情報、および交通状況に関する情報を取得する機能を有する。ここで、位置情報とは、移動体の現在地点をあらわす情報である。また、ここで、交通状況に関する情報とは、たとえば、渋滞の状況や、公共交通機関の運転状況に関する情報などである。具体的に、たとえば、公共交通機関の運転状況に関する情報は、『△△線、○○駅〜××駅間で10分の遅れ』といった、電車や路線バスといった公共交通機関の遅延の状況などを含んだ情報である。また、取得部120は、抽出部121を備え、抽出部121によって、目的地点までのそれぞれの経路上の渋滞の状況または公共交通機関の運転状況のみを抽出するように構成してもよい。
【0015】
取得部120は、たとえば、公知の技術のため詳細な説明は省略するが、GPS(Global Positioning System)ユニットおよび図示しない受信部などによって実現される。ここで、受信部は、たとえば、インターネットなどのネットワークに接続され、ネットワークを介して受信したデータを装置内部へ入力する機能を有する。
【0016】
探索部130は、入力部110によって入力された目的地点、および取得部120によって取得された交通状況に関する情報から、複数の移動体の現在地点から目的地点までのそれぞれの経路を探索する機能を有する。探索部130は、公知の技術のため詳細な説明は省略するが、たとえば、ダイクストラ法などを用いて、目的地点までの経路を探索する。また、ダイクストラ法では、現在地点から目的地点までの最短経路だけでなく、その他の全ての地点への最短経路を求めることが可能である。
【0017】
また、探索部130は、時間差算出部131と、新目的地点検出部132と、を備える。時間差算出部131は、探索された目的地点までのそれぞれの経路に基づいて、複数の移動体の目的地点に到着する予定時刻の時間差を算出する機能を有する。また、新目的地点検出部132は、時間差算出部131によって算出された時間差に応じて、新目的地点を検出する機能を有する。
【0018】
すなわち、本発明の実施の形態にかかるナビゲーション装置100の探索部130は、入力部110によって入力された目的地点までの経路の探索に加え、探索された経路に基づいて、時間差算出部131によってそれぞれの到着する予定時刻の時間差の算出し、新目的地点検出部132によって時間差に応じた新目的地点の検出をおこなう。
【0019】
ここで、新目的地点とは、新たな目的地点となる地点である。新目的地点は、たとえば、複数の移動体が到着するそれぞれの予定時刻の時間差が所定値未満となる地点である。また、新目的地点は、目的地点周辺(たとえば、半径5km以内)であり、目的地点と同一の属性を有する地点としてもよい。また、目的地点周辺であり、停車可能な施設の属性を有する地点でもよい。なお、属性とは、地点の種類をあらわす情報である。すなわち、目的地点と同一の属性を有する地点とは、たとえば、目的地点として駅が入力された場合には駅となる。また、停車可能な施設の属性を有する地点とは、たとえば、駐車場や、スーパーマーケットなどが挙げられる。
【0020】
また、新目的地点は、目的地点周辺に限らず、複数の移動体のうち、移動が困難である移動体周辺の地点であってもよい。たとえば、一方の移動体が電車で移動中に、当該電車に遅延が発生した場合、当該一方の移動体周辺の地点を検出してもよい。同様に、たとえば、一方の移動体が車両で移動中に、渋滞に巻き込まれた場合、当該一方の移動体周辺の地点を検出してもよい。探索部130は、たとえば、あらかじめ用意されたプログラムをコンピュータに実行させることにより実現される。
【0021】
誘導部140は、探索部130によって探索された経路に基づいた経路誘導をおこなう機能を有する。誘導部140は、たとえば、図示を省略するが、表示部や報知部などを介して探索部130によって探索された経路に基づいて、画像や音声を出力することにより経路誘導をおこなう。また、誘導部140は、送信部141を備え、送信部141を介して、複数の移動体の経路誘導をおこなうこととしてもよい。誘導部140は、たとえば、あらかじめ用意されたプログラムをコンピュータに実行させ、生成された経路誘導情報をディスプレイやスピーカによって出力するにより実現される。
【0022】
(ナビゲーション装置の処理の手順)
つぎに、本発明の実施の形態にかかるナビゲーション装置における処理の手順について説明する。図2は、本発明の実施の形態にかかるナビゲーション装置の処理の手順を示すフローチャートである。図2に示すフローチャートは、たとえば、ユーザによって、自移動体および他移動体のそれぞれの現在地点から目的地点までの誘導をおこなう旨の指示を受けた場合に開始される。ここで、自移動体とは、たとえば、本発明の実施の形態にかかるナビゲーション装置が搭載された移動体である。また、他移動体とは、複数の移動体のうち、自移動体以外の移動体である。図2に示すフローチャートにおいて、まず、ナビゲーション装置100は、目的地点が設定されるまで待機する(ステップS201:Noのループ)。
【0023】
ステップS201において、ナビゲーション装置100は、目的地点が設定された場合(ステップS201:Yes)には、設定された目的地点までの経路誘導をおこなう(ステップS202)。具体的には、たとえば、ナビゲーション装置100は、設定された目的地点、自移動体および他移動体の位置情報、および交通状況に関する情報に基づいて、目的地点までのそれぞれの経路を探索し、探索された経路に基づいて経路誘導をおこなう。
【0024】
ステップS202において、ナビゲーション装置100は経路誘導をおこない、自移動体および他移動体が目的地点に到着したか否かを判定する(ステップS203)。自移動体および他移動体が目的地点に到着したと判定された場合(ステップS203:Yes)には、そのまま一連の処理を終了する。目的地点に到着していない移動体が存在すると判定された場合(ステップS203:No)には、ステップS204へ進む。
【0025】
ステップS203において、目的地点に到着していない移動体が存在すると判定された場合には、ナビゲーション装置100は、交通状況に関する情報を取得する(ステップS204)。交通状況に関する情報は、たとえば、インターネットなどのネットワークを介して所定の時間間隔で定期的に配信され、ナビゲーション装置100は配信された交通状況に関する情報を受信することにより取得する。
【0026】
ステップS204において、交通状況に関する情報を取得したのち、目的地点までのそれぞれの経路に基づいて、自移動体および他移動体の目的地点へ到着する予定時刻およびそれらの時間差を算出する(ステップS205)。
【0027】
ステップS205において、自移動体および他移動体の目的地点へ到着する予定時刻およびそれらの時間差を算出したのち、時間差が所定値以上であるか否かを判定する(ステップS206)。時間差が所定値以上であると判定された場合(ステップS206:Yes)にはステップS207へ進み、時間差が所定値未満であると判定された場合(ステップS206:No)にはステップS202へ戻り設定された目的地点までの経路誘導を続行する。なお、所定値は、たとえば、ユーザの任意で設定されてもよく、ナビゲーション装置100の製造側によって設定されてもよい。
【0028】
ステップS206において、時間差が所定値以上であると判定された場合には、上述した新目的地点を検出する(ステップS207)。ステップS207において、新目的地点が検出されたのち、新目的地点を新たな目的地点として設定する(ステップS208)。新目的地点を新たな目的地点として設定したのち、ステップS202へ戻り、目的地点として設定された新目的地点までの経路誘導をおこなう。
【0029】
上述したように、この発明の実施の形態にかかるナビゲーション装置100によれば、位置情報および交通状況に関する情報に基づいて、目的地点までの経路を探索し、目的地点に到着する予定時刻の時間差に応じて、合流に適する新目的地点を検出することができる。すなわち、複数の移動体のそれぞれの現在地点のみでなく、渋滞の状況や公共交通機関の運転の状況から、目的地点に到着する予定時刻およびその時間差を算出して、必要に応じて合流に適する新目的地点を検出するので、効率的な待ち合わせを実現することができる。
【0030】
また、上述したナビゲーション装置100によれば、時間差が所定の値以上となる場合に、時間差が所定の値未満となる新目的地点を検出することができる。これにより、待ち時間が所定値未満となるので、長時間待たされることなく、効率的な待ち合わせを実現することができる。
【0031】
また、上述したナビゲーション装置100によれば、目的地点周辺であり、目的地点と同一の属性を有する新目的地点を検出することができる。これにより、ユーザは、最初に目的地点として設定した地点の属性と同一の属性を有する新目的地点で待ち合わせることができ、効率的な待ち合わせを実現することができる。
【0032】
また、上述したナビゲーション装置100によれば、目的地点周辺であり、停車可能な施設の属性を有する新目的地点を検出することができる。これにより、移動体が車両である場合にも、他移動体が到着するまでの間、停車して待つことができる。
【0033】
また、上述したナビゲーション装置100によれば、新目的地点に関する情報を他の移動体に送信することができる。これにより、複数の移動体の新目的地点で待ち合わせをすることができる。
【0034】
なお、実施の形態のナビゲーション装置100では、すべての構成部が一体として設けられている場合を例にとって説明したが、たとえば、それぞれの構成部がインターネットなどの通信回線網を介して通信可能な状態で別体として設けられていてもよい。
【0035】
また、実施の形態のナビゲーション装置100は、複数の移動体のうち、それぞれの移動体が個々に備えてもよいし、少なくとも1つの移動体が備えればよい。1つの移動体が備えた場合には、ナビゲーション装置100は、インターネットなどのネットワークを介して、他の移動体に経路を送信することにより、他の移動体の経路誘導をおこなう。
【0036】
また、ナビゲーション装置100の機能をサーバによって実現してもよい。この場合、たとえば、移動体側は、自らの位置情報をサーバへ送信する。サーバは、受信したそれぞれの移動体の位置情報と、交通状況に関する情報とから、経路を探索し、探索された経路を移動体に送信することにより、それぞれの移動体に対して経路誘導をおこなう。
【実施例1】
【0037】
つぎに、上述した実施の形態にかかるナビゲーション装置100の実施例1について説明する。本実施例1は、上述した実施の形態にかかるナビゲーション装置100を、インターネットに接続されたサーバおよび車両に搭載されたナビゲーション装置によって構成されるネットワークシステムに適用した例である。すなわち、実施の形態の自移動体は実施例1の自車両に該当し、実施の形態の他移動体は実施例1の他車両に該当する。
【0038】
(ネットワークシステムの概略構成)
まず、図3を用いて、本実施例1のネットワークシステムの概略構成について説明する。図3は、本実施例1のネットワークシステムの概略構成を示す説明図である。図3に示すように、実施例1のネットワークシステム300は、情報配信会社310に設置された情報配信用サーバ311と、車両320に搭載されたナビゲーション装置321と、車両330に搭載されたナビゲーション装置331と、がインターネットなどの通信回線網340を介して相互に通信可能に構成される。
【0039】
情報配信用サーバ311は、情報配信会社310によって管理され、交通状況に関する情報をナビゲーション装置321、331に配信する。交通状況に関する情報は、たとえば、5分毎などの一定のタイミングで配信してもよいし、交通状況に関する情報が更新されたタイミングで配信してもよい。また、ナビゲーション装置321、331が、交通状況に関する情報の配信を要求する配信要求情報を生成することとし、配信要求情報を受信したタイミングで配信してもよい。
【0040】
ナビゲーション装置321、331は、たとえば、ユーザによって設定された目的地点までの経路を探索し、探索された経路に基づく経路誘導をおこなう。また、ナビゲーション装置321、331は、情報配信用サーバ311から配信された交通状況に関する情報などを受信し、当該交通状況に関する情報に基づく経路を探索する。また、ナビゲーション装置321、331は、相互に通信をおこなって、同一地点までの経路誘導をおこなう。
【0041】
(情報配信用サーバのハードウェア構成)
つぎに、図4を用いて、本実施例1の情報配信用サーバのハードウェア構成について説明する。図4は、本実施例1の情報配信用サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。図4に示すように、情報配信用サーバ311は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、磁気ディスクドライブ404と、磁気ディスク405と、光ディスクドライブ406と、光ディスク407と、入力デバイス408と、映像I/F409と、ディスプレイ410と、通信I/F411と、を備えている。また、各構成部401〜411はバス420によってそれぞれ接続されている。
【0042】
まず、CPU401は、情報配信用サーバ311の全体の制御を司る。ROM402には、ブートプログラム、データ解析プログラムなどのプログラムが記録されている。また、RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。すなわち、CPU401は、RAM403をワークエリアとして使用しながら、ROM402に記録された各種プログラムを実行することによって、情報配信用サーバ311の全体の制御を司る。
【0043】
磁気ディスクドライブ404は、CPU401の制御にしたがって磁気ディスク405に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク405には、磁気ディスクドライブ404の制御で書き込まれたデータが記録される。磁気ディスク405としては、たとえば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
【0044】
光ディスクドライブ406は、CPU401の制御にしたがって光ディスク407に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク407は、光ディスクドライブ406の制御にしたがってデータの読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク407は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。また、この着脱可能な記録媒体として、光ディスク407のほか、MO、メモリカードなどであってもよい。
【0045】
磁気ディスク405または光ディスク407に記録される情報の一例として、上述した交通状況に関する情報などが挙げられる。すなわち、情報配信用サーバ311の磁気ディスク405または光ディスク407には、情報配信会社310によって管理される交通状況に関する情報が記録される。
【0046】
入力デバイス408は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、マウス、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス408は、利用者によって選択されたキーに対応するデータを装置内部へ入力する。
【0047】
映像I/F409は、ディスプレイ410と接続される。映像I/F409は、具体的には、たとえば、ディスプレイ410全体の制御をおこなうグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいて、ディスプレイ410を表示制御する制御ICなどによって構成される。
【0048】
ディスプレイ410には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。ディスプレイ410としては、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどを用いることができる。
【0049】
通信I/F411は、無線を介してネットワークに接続され、情報配信用サーバ311とCPU401とのインターフェースとして機能する。通信I/F411は、さらに、無線を介してインターネットなどの通信網に接続され、この通信網とCPU401とのインターフェースとしても機能する。
【0050】
通信網には、LAN、WAN、公衆回線網や携帯電話網などがある。具体的には、通信I/F411は、たとえば、FMチューナー、VICS(Vehicle Information and Communication System)/ビーコンレシーバ、無線ナビゲーション装置、およびその他のナビゲーション装置によって構成され、VICSセンターから配信される渋滞や交通規制などの道路交通情報を取得する。なお、VICSは登録商標である。
【0051】
(ナビゲーション装置のハードウェア構成)
つぎに、図5を用いて、本実施例1のナビゲーション装置のハードウェア構成について説明する。図5は、本実施例1のナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図5に示すように、ナビゲーション装置321、331は、CPU501と、ROM502と、RAM503と、磁気ディスクドライブ504と、磁気ディスク505と、光ディスクドライブ506と、光ディスク507と、音声I/F(インターフェース)508と、マイク509と、スピーカ510と、入力デバイス511と、映像I/F512と、ディスプレイ513と、カメラ514と、通信I/F515と、GPSユニット516と、各種センサ517と、を備えている。また、各構成部501〜517はバス520によってそれぞれ接続されている。
【0052】
まず、CPU501は、ナビゲーション装置321、331の全体の制御を司る。ROM502には、ブートプログラム、現在地点特定プログラム、経路探索プログラム、経路誘導プログラム、音声生成プログラム、地図情報表示プログラム、通信プログラム、データベース作成プログラム、データ解析プログラムなどのプログラムが記録されている。また、RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。
【0053】
すなわち、CPU501は、RAM503をワークエリアとして使用しながら、ROM502に記録された各種プログラムを実行することによって、ナビゲーション装置321、331の全体の制御を司る。現在地点特定プログラムは、たとえば、後述するGPSユニット516および各種センサ517の出力情報に基づいて、車両の現在地点(ナビゲーション装置321、331の現在地点)を特定させる。
【0054】
経路探索プログラムは、後述する磁気ディスク505または光ディスク507に記録されている地図情報などを利用して、出発地点から目的地点までの最適な経路や、当該最適な経路を外れた場合の迂回経路を探索させる。ここで、最適な経路とは、目的地点までにかかるコストが最小の経路や利用者が指定した条件に最も合致する経路などである。
【0055】
経路誘導プログラムは、経路探索プログラムを実行することによって探索された誘導経路情報、現在地点特定プログラムを実行することによって特定された車両の現在地点情報、磁気ディスク505または光ディスク507から読み出された地図情報に基づいて、リアルタイムな経路誘導情報の生成をおこなわせる。経路誘導プログラムを実行することによって生成された経路誘導情報は、CPU501を介して音声I/F508や映像I/F512へ出力される。
【0056】
音声生成プログラムは、パターンに対応したトーンと音声の情報を生成させる。すなわち、経路誘導プログラムを実行することによって生成された経路誘導情報に基づいて、案内ポイントに対応した仮想音源の設定と音声ガイダンス情報の生成をおこなわせる。音声ガイダンス情報には、たとえば、右左折地点を経路通りに右左折すべき旨の警報、右左折地点の手前で減速すべき旨の警報、右左折し損なった場合の迂回経路についての情報や、右左折し損なった場合に引き返すべき旨の案内情報が含まれる。生成された音声ガイダンス情報は、CPU501を介して音声I/F508へ出力される。
【0057】
地図情報表示プログラムは、映像I/F512によって磁気ディスク505または光ディスク507から読み出された地図情報をディスプレイ513に表示させる。
【0058】
磁気ディスクドライブ504は、CPU501の制御にしたがって磁気ディスク505に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク505には、磁気ディスクドライブ504の制御で書き込まれたデータが記録される。磁気ディスク505としては、たとえば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
【0059】
光ディスクドライブ506は、CPU501の制御にしたがって光ディスク507に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク507は、光ディスクドライブ506の制御にしたがってデータの読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク507は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。また、この着脱可能な記録媒体として、光ディスク507のほか、MO、メモリカードなどであってもよい。
【0060】
磁気ディスク505または光ディスク507に記録される情報の一例として、経路探索・経路誘導などに用いる地図情報が挙げられる。地図情報は、建物、河川、地点表面などの地点物(フィーチャ)をあらわす背景データと、道路の形状を表す道路形状データとを有しており、ディスプレイ513の表示画面において2次元または3次元に描画される。
【0061】
道路形状データは、さらに交通条件データを有する。交通条件データには、たとえば、各ノードについて、信号や横断歩道などの有無、高速道路の出入口やジャンクションの有無、各リンクについての長さ(距離)、道幅、進行方向、道路種別(高速道路、有料道路、一般道路)などの情報が含まれている。
【0062】
また、交通条件データには、過去の渋滞情報を、季節・曜日・大型連休・時刻などを基準に統計処理した過去渋滞情報を記録している。ナビゲーション装置321、331は、後述する通信I/F515によって受信される道路交通情報によって現在発生している渋滞の情報を得るが、過去渋滞情報により、指定した時刻における渋滞状況の予想をおこなうことが可能となる。
【0063】
なお、本実施例1では地図情報を磁気ディスク505または光ディスク507に記録するようにしたが、これらに限るものではない。地図情報は、ナビゲーション装置321、331のハードウェアと一体に設けられているものに限って記録されているものではなく、ナビゲーション装置321、331の外部に設けられていてもよい。この場合、ナビゲーション装置321、331は、たとえば、通信I/F515を通じて、ネットワークを介して地図情報を取得する。取得された地図情報はRAM503などに一時的に記録され、必要に応じて読み出される。
【0064】
音声I/F508は、音声入力用のマイク509および音声出力用のスピーカ510に接続される。マイク509に受音された音声は、音声I/F508内でA/D変換される。また、スピーカ510からは音声が出力される。なお、マイク509から入力された音声は、音声データとして磁気ディスク505あるいは光ディスク507に記録可能である。
【0065】
入力デバイス511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、マウス、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス511は、利用者によって選択されたキーに対応するデータを装置内部へ入力する。
【0066】
映像I/F512は、ディスプレイ513およびカメラ514と接続される。映像I/F512は、具体的には、たとえば、ディスプレイ513全体の制御をおこなうグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video
RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいて、ディスプレイ513を表示制御する制御ICなどによって構成される。
【0067】
ディスプレイ513には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。ディスプレイ513としては、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどを用いることができる。ディスプレイ513は、車両に複数備えられていてもよく、たとえば、運転者に対するものと後部座席に着座する搭乗者に対するものなどである。
【0068】
カメラ514は、車両内部あるいは外部の映像を撮影する。映像は静止画あるいは動画のどちらでもよく、たとえば、カメラ514によって車両内部の搭乗者の挙動を撮影し、撮影した映像を映像I/F512を介してCPU501あるいは磁気ディスク505や光ディスク507などの記録媒体に出力する。
【0069】
また、カメラ514によって車両外部の状況を撮影し、撮影した映像を映像I/F512を介して磁気ディスク505や光ディスク507などの記録媒体に出力する。CPU501に出力された映像は、たとえば、搭乗者の特定挙動の決定に用いられる。また、記録媒体に出力された映像は、ドライブレコーダ用画像として上書き記録や保存がおこなわれる。
【0070】
通信I/F515は、無線を介してネットワークに接続され、ナビゲーション装置321、331とCPU501とのインターフェースとして機能する。通信I/F515は、さらに、無線を介してインターネットなどの通信網に接続され、この通信網とCPU501とのインターフェースとしても機能する。また、通信I/F515は、テレビ放送やラジオ放送を受信する。
【0071】
通信網には、LAN、WAN、公衆回線網や携帯電話網などがある。具体的には、通信I/F515は、たとえば、FMチューナー、VICS(Vehicle Information and Communication System)/ビーコンレシーバ、無線ナビゲーション装置、およびその他のナビゲーション装置によって構成され、VICSセンターから配信される渋滞や交通規制などの道路交通情報を取得する。なお、VICSは登録商標である。また、通信I/F515は、上述した情報配信用サーバ311から配信された交通状況に関する情報も受信する。
【0072】
GPSユニット516は、GPS衛星からの電波を受信し、車両の現在地点を示す情報を算出する。GPSユニット516の出力情報は、後述する各種センサ517の出力値とともに、CPU501による車両の現在地点の特定に際して利用される。現在地点を示す情報は、たとえば緯度・経度、高度などの、地図情報上の1点を特定する情報である。
【0073】
各種センサ517は、車速センサや加速度センサ、角速度センサなどの、車両の位置や挙動を決定することが可能な情報を出力する。各種センサ517の出力値は、CPU501による車両の現在地点の特定や、速度や方位の変化量の測定などに用いられる。
【0074】
なお、図1に示した実施の形態にかかるナビゲーション装置100の入力部110はCPU501と入力デバイス511によって、取得部120はCPU501と通信I/F515とGPSユニット516によって、探索部130はCPU501とRAM503によって、誘導部140はCPU501と音声I/F508と映像I/F512によって、それぞれの機能を実現できる。
【0075】
(ナビゲーション装置による経路誘導)
つぎに、本実施例1のナビゲーション装置による経路誘導について説明する。図6は、本実施例1のナビゲーション装置による経路誘導を説明する説明図(その1)である。図6に示す一例は、車両320に搭載されたナビゲーション装置321のディスプレイ513に表示される経路誘導の例である。なお、図6に示す一例は、自車両320のユーザが他車両330のユーザと待ち合わせるために、ナビゲーション装置321に目的地点として『○○駅』を設定し、ナビゲーション装置321は設定された『○○駅』までのそれぞれの経路に沿って、車両320および車両330を誘導する場合の例である。
【0076】
図6において、ナビゲーション装置321のディスプレイ513には、自車両(すなわち、車両320)の現在地点付近の地図情報MPが表示される。また、ディスプレイ513には、自車両の現在地点をあらわす自車アイコン601と、目的地点をあらわす目的地点アイコン602と、他車両(すなわち、車両330)の現在地点をあらわす他車アイコン603と、が表示される。自車アイコン601と目的地点アイコン602とは誘導経路604によって結ばれ、同様に、他車アイコン603と目的地点アイコン602とも誘導経路605によって結ばれる。なお、上述したように、図6においては、目的地点アイコン602は、目的地点として設定された○○駅610付近に表示される。
【0077】
また、ディスプレイ513には、目的地点の名称、目的地点までの距離、および目的地点に到着する予定時刻などの情報を表示する経路情報ウインドウ620が表示される。図6において、経路情報ウインドウ620には、目的地点の名称として『○○駅』、それぞれの車両の目的地点までの距離として『自車両2.5km 他車両2.5km』、それぞれの車両の到着する予定時刻として『自車両11:34 他車両11:35』が表示される。
【0078】
図7は、本実施例1のナビゲーション装置による経路誘導を説明する説明図(その2)である。図7に示す図は、図6に示した図から、車両320および車両330が誘導経路604、605に沿って目的地点である○○駅610へ向かって移動中に、ナビゲーション装置321が情報配信用サーバ311から交通状況に関する情報を受信した場合の図である。なお、図7に示す一例は、目的地点として設定された○○駅周辺で、突然の渋滞が発生した場合の例である。
【0079】
たとえば、情報配信会社310は渋滞の存在を知ると、新たな交通状況に関する情報を作成し、情報配信用サーバ311を介して、ナビゲーション装置321に配信する。ナビゲーション装置321は、情報配信用サーバ311から交通状況に関する情報を受信すると、それをディスプレイ513上に反映させ、ディスプレイ513に渋滞701が表示される。
【0080】
また、ナビゲーション装置321は、渋滞701の渋滞情報を参照して、車両320および車両330の予定時刻をそれぞれ算出する。車両320および車両330の予定時刻をそれぞれ算出したのち、車両320および車両330の予定時刻の時間差を算出する。このとき、車両320および車両330の予定時刻の時間差が所定値以上(たとえば、15分以上)の場合、ナビゲーション装置321は、新目的地点を検出する。なお、新目的地点を検出する前に、目的地点までの他の経路の探索をおこなって、目的地点を変更しないとすれば、いずれの経路でも所定値以上の時間差が発生すると判断したのちでもよい。
【0081】
図7においては、新目的地点として××駅710が検出される。××駅710が検出された場合、目的地点アイコン702が××駅710付近に表示され、自車アイコン601と目的地点アイコンとは誘導経路703で結ばれ、同様に、他車アイコン602と目的地点アイコン702とも誘導経路704によって結ばれる。
【0082】
ここで、検出される新目的地点は、たとえば、それぞれの移動体の現在地点を始点ノードとして、始点ノードから順次隣り合うノードへリンクを伸ばしていき、それぞれの移動体の現在地点から伸ばされたリンクが重複する地点である。ここで、ノードは、たとえば、信号機や交差点であり、リンクはノード間を結ぶ道路である。つぎに、重複したノードにおけるそれぞれの移動体の到着する予定時刻を算出し、その時間差が所定値以下となるノードに該当する地点を新目的地点として検出する。なお、さらに条件を設け、新目的地点は、上述したように、新目的地点として、入力された目的地点周辺の、当該目的地点と同一の属性を有する新目的地点を検出することとしてもよい。また、入力された目的地点周辺の、停車可能な施設の属性を有する地点でもよい。
【0083】
さらに、経路情報ウインドウ620に表示される情報も更新され、目的地点の名称として『××駅』、それぞれの車両の目的地点までの距離として『自車両3.1km 他車両2.0km』、それぞれの車両の到着する予定時刻として『自車両11:40 他車両11:36』が表示される。また、目的地点を変更するか否かを受け付ける選択ウインドウ720をディスプレイ513に表示し、ユーザの操作を受け付ける。ユーザは、経路情報ウインドウ620に表示された情報を参考にして、選択ウインドウ720から『はい/いいえ』を選択する。
【0084】
また、目的地点を変更する際には、他車両のユーザの許可を得ることとしてもよい。たとえば、ナビゲーション装置321が新目的地点を検出し、車両320のユーザが新目的地点に目的地点の変更を希望する場合、まず、ユーザは、選択ウインドウ720から『はい』を選択する。選択ウインドウ720から『はい』が選択されると、ナビゲーション装置321は、新目的地点の住所や名称をあらわす情報をナビゲーション装置331へ送信する。
【0085】
ナビゲーション装置331は、受信した情報から、新目的地点の住所や名称をナビゲーション装置331のディスプレイ513に表示するとともに、『目的地点の変更を希望しています。目的地点の変更を許可しますか?』と表示し、車両330のユーザの選択を受け付けて、その結果をナビゲーション装置321に送信する。これにより、双方の合意を得た場合のみ、目的地点が新目的地点に変更されることとしてもよい。
【0086】
(ナビゲーション装置の処理の手順)
つぎに、本実施例1のナビゲーション装置の処理の手順について説明する。図8は、本実施例1のナビゲーション装置の処理の手順を示すフローチャートである。図8に示すフローチャートは、たとえば、ユーザによって、複数の車両の待ち合わせをおこなう旨の操作を受け付けた場合に開始される。
【0087】
まず、他車両を選択する(ステップS801)。具体的には、たとえば、ユーザの操作によって他車両が搭載するナビゲーション装置の固有のIDなどから他車両が選択される。選択された他車両が搭載するナビゲーション装置には、選択した自車両のナビゲーション装置の固有のIDが通知される。
【0088】
ステップS801において、他車両を選択したのち、他車両の位置情報を受信する(ステップS802)。他車両の位置情報は、たとえば、他車両に搭載されたナビゲーション装置のGPSユニット516によって取得され、その位置情報を受信する。
【0089】
ステップS802において、他車両の位置情報を受信したのち、目的地点が入力されるまで待機する(ステップS803:Noのループ)。目的地点は、たとえば、ユーザが入力デバイス511などを操作して、目的地点の名称、住所、または電話番号などを入力し、それによって特定される地点が目的地点として入力される。
【0090】
ステップS803において、目的地点が入力された場合(ステップS803:Yes)には、目的地点を設定する(ステップS804)。すなわち、入力された目的地点を自車両および他車両が待ち合わせをおこなう目的地点として設定する。
【0091】
ステップS804において、設定された目的地点を他車両に送信する(ステップS805)。具体的には、たとえば、目的地点の名称をあらわす情報を送信してもよいし、目的地点の座標をあらわす情報を送信することとしてもよい。
【0092】
ステップS805において、設定された目的地点を他車両に送信したのち、設定された目的地点までの経路誘導をおこなう(ステップS806)。具体的には、たとえば、CPU501がROM502に記録された各種プログラムを実行することにより、目的地点までの経路を探索し、探索された経路を誘導する。なお、経路を探索した際に、目的地点に到着する予定時刻も算出される。
【0093】
ステップS806において、経路誘導をおこない、自車両および他車両が目的地点に到着したか否かを判定する(ステップS807)。自車両および他車両が目的地点に到着したと判定された場合(ステップS807:Yes)には、そのまま一連の処理を終了し、自車両および他車両の双方または片方が目的地点に到着していないと判定された場合(ステップS807:No)にはステップS808へ進む。
【0094】
ステップS807において、自車両および他車両が双方または片方が目的地点に到着していないと判定された場合には、交通状況に関する情報を受信する(ステップS808)。たとえば、ナビゲーション装置321は、定期的なタイミングで、交通状況に関する情報を受信する。
【0095】
ステップS808において、受信した交通状況に関する情報が経路と関連があるか否かを判定する(ステップS809)。すなわち、目的地点へ到着する予定時刻を変化させる要因が経路上にあるか否かを判定する。具体的には、たとえば、交通状況に関する情報に含まれる渋滞の状況から、経路上に渋滞があるか否かを判定する。受信した交通状況に関する情報が経路と関連があると判定された場合(ステップS809:Yes)にはステップS809へ進み、関連がないと判定された場合(ステップS809:No)にはステップS806へ戻り、経路誘導を続行する。
【0096】
ステップS809において、経路に関連があると判定された場合には、関連する経路を通る車両の目的地点へ到着する予定時刻を算出する(ステップS810)。たとえば、自車両の経路上に渋滞がある場合には、交通状況に関する情報に基づいて自車両の到着する予定時刻を算出し、他車両の経路上に渋滞がある場合には、交通状況に関する情報に基づいて他車両の到着する予定時刻を算出する。また、双方の経路上に渋滞がある場合には、交通状況に関する情報に基づいて自車両および他車両の到着する予定時刻を算出する。
【0097】
ステップS810において、関連する経路を通る車両が目的地点へ到着する予定時刻を算出したのち、それぞれの予定時刻の時間差を算出する(ステップS811)。ステップS811において、時間差を算出したのち、算出された時間差が所定値以上であるか否かを判定する(ステップS812)。ここで、所定値は、たとえば、ユーザの任意によって設定された値である。
【0098】
ステップS812において、所定値以上であると判定された場合(ステップS812:Yes)にはステップS813へ進み、所定値未満であると判定された場合(ステップS812:No)にはステップS806へ戻り、経路誘導を続行する。
【0099】
ステップS812において、所定値以上であると判定された場合には、新目的地点を検出する(ステップS813)。ステップS813において、新目的地点が検出されると、検出された新目的地点を新たな目的地点として設定(ステップS814)し、ステップS805へ戻り、新たな目的地点を他車両に送信し、新たな目的地点までの経路誘導をおこなう。
【0100】
以上説明したように、本実施例1のナビゲーション装置321、331によれば、位置情報および交通状況に関する情報に基づいて、目的地点までの経路を探索し、目的地点に到着する予定時刻の時間差に応じて、合流に適する新目的地点を検出することができる。すなわち、自車両および他車両のそれぞれの現在地点のみでなく、渋滞の状況や公共交通機関の運転の状況から、目的地点に到着する予定時刻およびその時間差を算出して、必要に応じて合流に適する新目的地点を検出するので、効率的な待ち合わせを実現することができる。
【0101】
また、上述したナビゲーション装置321、331によれば、目的地点へ到着する予定時刻の時間差が所定値以上となる場合に、時間差が所定値未満となる新目的地点を検出することができる。これにより、待ち時間が所定値未満となるので、長時間待たされることなく、効率的な待ち合わせを実現することができる。
【0102】
また、上述したナビゲーション装置321、331によれば、入力された目的地点周辺であり、目的地点と同一の属性を有する新目的地点を検出することができる。これにより、ユーザは、最初に目的地点として設定した地点の属性と同一の属性を有する新目的地点で待ち合わせることができ、効率的な待ち合わせを実現することができる。
【0103】
また、上述したナビゲーション装置321、331によれば、入力された目的地点周辺であり、停車可能な施設の属性を有する新目的地点を検出することができる。これにより、移動体が車両である場合にも、他移動体が到着するまでの間、停車して待つことが可能となる。
【実施例2】
【0104】
つぎに、実施例2について説明する。実施例2では、インターネットに接続されたサーバ、車両に搭載されたナビゲーション装置、および携帯電話などの通信端末によって構成されるネットワークシステムに適用した例である。なお、実施例2のおいては、実施例1と同一の構成は同符号とし、説明を省略する。また、実施例2において、携帯電話は、公知の技術のため詳細な説明は省略するが、ディスプレイやスピーカなどの各種の出力装置、各種のデータの送受信をおこなう通信装置(GPSを含む)、および各種のユーザ操作を受け付ける入力装置などを備えている。
【0105】
実施例2においては、たとえば、車両で移動するユーザと、上述した携帯電話を所持し、電車で移動する他のユーザ(以下、「他のユーザ」という)とが待ち合わせをおこなう場合の例である。自車両320のユーザが、他のユーザと待ち合わせるために、ナビゲーション装置321に目的地点として『○○駅』を設定し、ナビゲーション装置321は設定された『○○駅』までのそれぞれの経路に沿って、車両320および図示しない他のユーザを誘導する。
【0106】
実施例2において、図6に示すように、ナビゲーション装置321のディスプレイ513には、自車両の現在地点付近の地図情報MPが表示され、自車アイコン601と、目的地点アイコン602が表示される。また、実施例2においては、図示を省略するが、ディスプレイ513には、『○○駅』に対して、『××駅』と反対の方面から、『○○駅』に向かっている他のユーザの現在地点をあらわすアイコンが表示される。
【0107】
また、実施例2においても、経路情報ウインドウ620が表示され、実施例1と同様に、目的地点の名称、目的地点までの距離、および目的地点に到着する予定時刻などの情報が表示される。
【0108】
ナビゲーション装置321は、情報配信用サーバ311から交通状況に関する情報を受信する。そして、交通状況に関する情報を受信した結果、○○駅周辺での渋滞を検知して、渋滞701をディスプレイ513に表示する。ナビゲーション装置321は、渋滞701の渋滞情報を参照して、車両320および他のユーザの予定時刻をそれぞれ算出する。
【0109】
算出されたそれぞれの予定時刻から、時間差を算出し、時間差が所定値以上の場合、ナビゲーション装置321は、新目的地点として、××駅710を検出し、車両320および他のユーザを××駅710まで誘導する。すなわち、ナビゲーション装置321は、車両320に、××駅710に至る経路703を誘導するとともに、他のユーザに、○○駅610を通過して1つ先の××駅に至る経路を誘導する。
【0110】
また、たとえば、目的地点として設定された○○駅の東口の周辺が混雑しており、○○駅の東口までには時間がかかるが、混雑していない西口には時間があまりかかることなく到着できる場合には、新目的地点を○○駅の西口とするなどしてもよい。すなわち、駅の出口(たとえば、東口、西口、など)が目的地点として設定されている場合に、交通状況に応じて、当該駅の他の出口を新目的地点として検出する。
【0111】
また、図示および詳細な説明は省略するが、他のユーザが乗車する電車に遅延が発生した場合には、○○駅よりも手前の駅(たとえば、図示しない○○駅の一つ手前の△△駅)を新目的地点として検出し、車両320および他のユーザを△△駅まで誘導してもよい。このように、移動が困難となった(または移動に著しく時間がかかる)移動体周辺の地点を新目的地点として検出することにより、より効率的な待ち合わせを実現することができる。
【0112】
以上に説明したように、車両に搭載されたナビゲーション装置および携帯電話などを用いて実現してもよい。すなわち、すべてのナビゲーション装置が、ナビゲーション装置321の機能を備える必要はなく、少なくとも1つがナビゲーション装置321の機能を備え、当該ナビゲーション装置321とインターネットなどによって接続された携帯電話などを介して他のユーザを誘導することとしてもよい。
【0113】
なお、本実施の形態で説明したナビゲーション方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータ、ワークステーション、携帯端末装置(携帯電話)などのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の実施の形態にかかるナビゲーション装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態にかかるナビゲーション装置の処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】本実施例1のネットワークシステムの概略構成を示す説明図である。
【図4】本実施例1の情報配信用サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】本実施例1のナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図6】本実施例1のナビゲーション装置による経路誘導を説明する説明図(その1)である。
【図7】本実施例1のナビゲーション装置による経路誘導を説明する説明図(その2)である。
【図8】本実施例1のナビゲーション装置の処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0115】
100 ナビゲーション装置
110 入力部
120 取得部
121 抽出部
130 探索部
131 時間差算出部
132 新目的地点検出部
140 誘導部
141 送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の移動体のそれぞれの現在地点から所定の同一地点までの経路を誘導するナビゲーション装置であって、
前記複数の移動体が合流する目的地点を入力する入力手段と、
前記複数の移動体のそれぞれの位置情報および交通状況に関する情報を取得する取得手段と、
前記入力手段によって入力された目的地点と、前記取得手段によって取得された前記複数の移動体のそれぞれの位置情報および交通状況に関する情報と、に基づいて、前記目的地点までのそれぞれの経路を探索する探索手段と、
前記探索手段によって探索された前記経路に基づいた経路誘導をおこなう誘導手段と、
を備え、
前記探索手段は、
探索された前記目的地点までのそれぞれの経路に基づいて、前記複数の移動体の前記目的地点に到着する予定時刻の時間差を算出する時間差算出手段と、
前記時間差算出手段によって算出された時間差に応じて、新たな目的地点(以下、「新目的地点」という)を検出する新目的地点検出手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記新目的地点検出手段は、
前記時間差算出手段によって算出された時間差が所定の値以上となる場合に、前記時間差算出手段によって算出される時間差が所定の値未満となる前記新目的地点を検出することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記新目的地点検出手段は、
前記目的地点周辺であり、前記目的地点と同一の属性を有する前記新目的地点を検出することを特徴とする請求項1または2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記新目的地点検出手段は、
前記目的地点周辺であり、停車可能な施設の属性を有する前記新目的地点を検出することを特徴とする請求項3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記新目的地点検出手段は、
前記複数の移動体のうち、移動が困難となった移動体周辺の地点を前記新目的地点として検出することを特徴とする請求項1または2に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記取得手段は、
渋滞の状況または公共交通機関の運転状況のうち少なくとも一方を含む前記交通状況に関する情報を取得することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記取得手段は、
取得した前記交通状況に関する情報から、前記探索手段によって探索された目的地点までのそれぞれの経路上の渋滞の状況または公共交通機関の運転状況のうち少なくとも一方を含む前記交通状況に関する情報を抽出する抽出手段を備え、
前記時間差算出手段は、前記探索手段によって探索された目的地点までのそれぞれの経路と、前記抽出手段によって抽出された前記交通状況に関する情報と、に基づいて、前記時間差を算出することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
前記複数の移動体のうちの少なくとも一の移動体に前記新目的地点に関する情報を送信する送信手段を備え、
前記送信手段は、前記新目的地点検出手段によって検出された前記新目的地点に関する情報を送信することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
複数の移動体のそれぞれの現在地点から所定の同一地点までの経路を誘導するナビゲーション方法であって、
前記複数の移動体が合流する目的地点を入力する入力工程と、
前記複数の移動体のそれぞれの位置情報および交通状況に関する情報を取得する取得工程と、
前記入力工程によって入力された目的地点と、前記取得工程によって取得された前記複数の移動体のそれぞれの位置情報および交通状況に関する情報と、に基づいて、前記目的地点までのそれぞれの経路を探索する探索工程と、
前記探索工程によって探索された前記経路に基づいた経路誘導をおこなう誘導工程と、
を含み、
前記探索工程は、
探索された前記目的地点までのそれぞれの経路に基づいて、前記複数の移動体の前記目的地点に到着する予定時刻の時間差を算出する時間差算出工程と、
前記時間差算出工程によって算出された時間差に応じて、新たな目的地点(以下、「新目的地点」という)を検出する新目的地点検出工程と、
を含むことを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項10】
請求項9に記載のナビゲーション方法をコンピュータに実行させることを特徴とするナビゲーションプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のナビゲーションプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータに読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−103524(P2009−103524A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−274241(P2007−274241)
【出願日】平成19年10月22日(2007.10.22)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】