説明

ナビゲーション装置とその経路探索方法

【課題】 第三国を経由する経路をなるべく避けて誘導するナビゲーション技術を提供する。
【解決手段】
本発明のナビゲーション装置は、道路を構成するリンクのコストに基づいて、所定の出発地から指定された目的地へ到る経路を探索する経路探索手段と、前記経路探索手段により経路を探索する処理において、前記出発地が属する国または地域と、前記目的地が属する国または地域と、を除く他の国または地域である第三国へ進入するリンクのコストを、所定の基準に従い重み付けするコスト調整手段と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置では、ユーザからの目的地の指定を受け付けて、当該目的地へ到る経路を探索して案内する技術が用いられている。特許文献1には、このようなナビゲーション装置についての技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−185455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のようなナビゲーション装置では、地形によっては、必要以上に、出発地が属する国および目的地が属する国以外の第三国を経由する経路を探索し誘導することがある。しかし実際には、国を跨ぐ経路を走行すると、パスポート提示が必要な検問等があり、煩わしく無駄に時間を費やしてしまう場合がある。
【0005】
本発明の目的は、第三国を経由する経路をなるべく避けて誘導するナビゲーション技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、本発明に係るナビゲーション装置は、道路を構成するリンクのコストに基づいて、所定の出発地から指定された目的地へ到る経路を探索する経路探索手段と、前記経路探索手段により経路を探索する処理において、前記出発地が属する国または地域と、前記目的地が属する国または地域と、を除く他の国または地域である第三国へ進入するリンクのコストを、所定の基準に従い重み付けするコスト調整手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るナビゲーション装置の経路探索方法では、前記ナビゲーション装置は、道路を構成するリンクのコストに基づいて、所定の出発地から指定された目的地へ到る経路を探索する経路探索ステップと、前記経路探索ステップにより経路を探索する処理において、前記出発地が属する国または地域と、前記目的地が属する国または地域と、を除く他の国または地域である第三国へ進入するリンクのコストを、所定の基準に従い重み付けするコスト調整ステップと、を実施することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、第三国を経由する経路をなるべく避けて誘導するナビゲーション技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、ナビゲーション装置の概略構成図である。
【図2】図2は、リンクテーブルの構成を示す図である。
【図3】図3は、入国制限情報テーブルの構成を示す図である。
【図4】図4は、演算処理部の機能構成図である。
【図5】図5は、国跨ぎ経路調整処理のフロー図である。
【図6】図6は、入国注意報知処理の画面表示例を示す図である。
【図7】図7は、国跨ぎ経路調整処理において表示される画面例を示す図である。
【図8】図8は、国跨ぎ経路調整処理において表示される画面例を示す図である。
【図9】図9は、国跨ぎコスト調整処理のフロー図である。
【図10】図10は、経路表示警告処理のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の第一の実施形態を適用した車載装置であるナビゲーション装置100について、図面を参照して説明する。
【0011】
図1に、ナビゲーション装置100の構成図を示す。ナビゲーション装置100は、演算処理部1と、ディスプレイ2と、記憶装置3と、音声入出力装置4(音声入力装置としてマイクロフォン41、音声出力装置としてスピーカ42を備える)と、入力装置5と、ROM装置6と、車速センサ7と、ジャイロセンサ8と、GPS(Global Positioning System)受信装置9と、FM多重放送受信装置10と、ビーコン受信装置11と、衛星ラジオ受信装置12と、を備えている。
【0012】
演算処理部1は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば各種センサ7,8やGPS受信装置9、FM多重放送受信装置10等から出力される情報を基にして現在地を検出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データを記憶装置3あるいはROM装置6から読み出す。
【0013】
また、演算処理部1は、読み出した地図データをグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ2へ表示する。また、記憶装置3あるいはROM装置6に記憶されている地図データ等を用いて、ユーザから指示された出発地と、目的地(または、経由地や立ち寄り地)と、を結ぶ最適な経路(推奨経路という)を探索する。また、スピーカ42やディスプレイ2を用いてユーザを誘導する。
【0014】
また、演算処理部1は、後述するように、第三国を経由する経路をなるべく避けるように経路を探索する処理と、当該経路を案内する処理と、を行う。例えば、演算処理部1は、経路を探索する処理において、出発地が属する国である出発国と、目的地または経由地が属する目的国と、を除くその他の国である第三国を経由する経路のコストを、そうでない経路よりも高く設定して計算し、経路探索を行う。
【0015】
また、演算処理部1は、図示しない衛星ラジオ局等から所定のタイミングで配信される入国制限の情報を含む情報(例えば、SIRIUS(登録商標)による配信情報)を受信し、受信した情報を後述する入国制限情報テーブル300に格納する。
【0016】
ナビゲーション装置100の演算処理部1は、各デバイス間をバス25で接続した構成である。演算処理部1は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)21と、記憶装置3から読み出した地図データ、演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)22と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)23と、各種ハードウェアを演算処理部1と接続するためのI/F(インターフェイス)24と、を有する。
【0017】
ディスプレイ2は、演算処理部1等で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットである。ディスプレイ2は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどで構成される。
【0018】
記憶装置3は、情報を記憶するための装置である。記憶装置3は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリカードといった、少なくとも読み書きが可能な記憶媒体で構成される。
【0019】
この記憶媒体には、通常の経路探索装置に必要な地図データ(地図上の道路を構成するリンクのリンクデータを含む)であるリンクテーブル200と、入国制限情報テーブル300と、が記憶されている。
【0020】
図2は、リンクテーブル200の構成を示す図である。リンクテーブル200は、リンクに関する情報を格納するテーブルである。リンクテーブル200は、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード(メッシュID)201ごとに、そのメッシュ領域に含まれる道路を構成する各リンクのリンクデータ202を含んでいる。
【0021】
リンクデータ202は、リンクの識別子であるリンクID211ごとに、リンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報222、リンクを含む道路の種別を示す道路種別223、リンクの長さを示すリンク長224、予め記憶されたリンク旅行時間225、当該リンクの開始ノードに接続するリンクである開始接続リンクと、当該リンクの終了ノードに接続するリンクである終了接続リンクと、を特定する開始接続リンク、終了接続リンク226、リンクを含む道路の属する国を示す所属国227、などを含んでいる。
【0022】
なお、ここでは、リンクを構成する2つのノードについて開始ノードと終了ノードとを区別することで、同じ道路の上り方向と下り方向とを、それぞれ別のリンクとして管理するようにしている。また、図示しないが、リンク同士の接点となるノードについても、リンクテーブル200には、座標情報、接続するリンク、ノードが属する国(国境上に位置するノードは、国境上であることを示す情報)を示す所属国等の情報が含まれる。
【0023】
図3は、入国制限情報テーブル300の構成を示す図である。入国制限情報テーブル300は、国又は地域への進入の制限に関する情報を格納するテーブルである。入国制限情報テーブル300には、入国対象となる国を識別する情報である対象国301ごとに、その国への入国元となる国を識別する情報である入国元302と、当該国又は地域への進入に際しての制限となる内容を特定する情報である制限内容303と、が格納される。
【0024】
対象国301には、国を特定する情報、例えば国の名称や略称等が格納される。また、入国元302には、当該対象国301へ入国することができる国を特定する情報、例えば隣接国の名称や略称等が格納される。
【0025】
制限内容303には、入国元302から対象国301へ進入する際にかけられる制限を特定する情報が格納される。制限内容には、例えば、パスポートの提示、入国審査、税関等の制限、入国拒絶、等の種々の制限についての内容が含まれる。
【0026】
通常、入国制限情報テーブル300に格納される情報は、予めナビゲーション装置100に記憶された情報であるが、これに限られない。例えば、衛星ラジオ等により所定のタイミングで(例えば1日ごと)配信されるものであってもよいし、その他図示しない携帯電話等によるデータ通信を介して配信されるものであってもよい。
【0027】
図1に戻って説明する。音声入出力装置4は、音声に関する情報の入出力を制御する装置である。音声入出力装置4は、音声入力装置としてマイクロフォン41と、音声出力装置としてスピーカ42と、を備える。マイクロフォン41は、使用者やその他の搭乗者が発した声などのナビゲーション装置100の外部の音声を取得する装置である。
【0028】
スピーカ42は、演算処理部1で生成された使用者へのメッセージを音声として出力する装置である。マイクロフォン41とスピーカ42は、車両の所定の部位に、別個に配されている。ただし、一体の筐体に収納されていても良い。ナビゲーション装置100は、マイクロフォン41及びスピーカ42を、それぞれ複数備えることができる。
【0029】
入力装置5は、使用者からの指示を使用者による操作を介して受け付ける装置である。入力装置5は、タッチパネル51と、ダイヤルスイッチ52と、その他のハードスイッチ(図示しない)であるスクロールキー、縮尺変更キーなどで構成される。
【0030】
タッチパネル51は、タッチされた位置を特定することが可能な装置である。タッチパネル51は、ディスプレイ2の表示面側に搭載され、表示画面を透視可能である。タッチパネル51は、ディスプレイ2に表示された画像のXY座標と対応したタッチ位置を特定し、タッチ位置を座標に変換して出力する。タッチパネル51は、感圧式または静電式の入力検出素子などにより構成される。
【0031】
ダイヤルスイッチ52は、時計回り及び反時計回りに回転可能に構成され、所定の角度の回転ごとにパルス信号を発生し、演算処理部1に出力する装置である。演算処理部1では、パルス信号の数から、回転角度を求める。
【0032】
ROM装置6は、読み取り可能な記憶媒体を読み出す装置である。ROM装置6は、CD-ROMやDVD-ROM等のROM(Read Only Memory)や、IC(Integrated Circuit)カードといった、少なくとも読み取りが可能な記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、例えば、動画データや、音声データなどが記憶されている。
【0033】
車速センサ7,ジャイロセンサ8およびGPS受信装置9は、ナビゲーション装置100で現在地(自車位置)を検出するために使用される装置である。車速センサ7は、車速を算出するのに用いる値を出力するセンサである。
【0034】
ジャイロセンサ8は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体の回転による角速度を検出する装置である。
【0035】
GPS受信装置9は、GPS衛星からの信号を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率とを3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在地、進行速度および進行方位を測定する装置である。
【0036】
FM多重放送受信装置10は、FM放送局から送られてくるFM多重放送信号を受信する装置である。FM多重放送には、VICS(Vehicle Information Communication System:登録商標)情報の概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報などやFM多重一般情報としてラジオ局が提供する文字情報などがある。
【0037】
ビーコン受信装置11は、VICS情報などの概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報や緊急警報などを受信する装置である。例えば、光により通信する光ビーコン、電波により通信する電波ビーコン等の受信装置である。
【0038】
衛星ラジオ受信装置12は、衛星から送られてくる電磁波を受信する装置である。このような電磁波には、様々な情報が重畳されており、衛星ラジオ受信装置12は、このような情報を取得することができる。本実施形態における上映情報は、衛星ラジオ受信装置12によって受信した情報から取得するものとする。
【0039】
図4は、演算処理部1の機能ブロック図である。図示するように、演算処理部1は、基本制御部101と、入力受付部102と、出力処理部103と、経路探索部104と、経路コスト調整部105と、入国注意報知部106と、を有する。
【0040】
基本制御部101は、ナビゲーション装置100の様々な処理を行う基本的な機能部であり、処理内容に応じて、他の処理部を制御する処理部である。また、基本制御部101は、各種センサ7、8、GPS受信装置9等の情報を取得し、マップマッチング処理等を行って現在地を特定する。また、基本制御部101は、随時、走行した日付および時刻と、位置と、を対応付けて、リンクごとに走行履歴を記憶装置3に記憶する。さらに、基本制御部101は、各処理部からの要求に応じて、GPS受信装置9で取得したGPS情報に含まれる現在時刻を出力する。また、基本制御部101は、推奨経路から逸脱しないよう、誘導情報を生成し、出力処理部103へ出力する。また、基本制御部101は、衛星ラジオ受信装置12により受信した入国制限に関する情報に基づき、入国制限情報テーブル300に情報を格納する。
【0041】
入力受付部102は、入力装置5またはマイクロフォン41を介して入力された使用者からの指示を受け付け、その要求内容に対応する処理が実行されるように、受け付けた要求内容を基本制御部101に通知する処理部である。例えば、入力受付部102は、使用者が推奨経路の探索を要求したときは、受け付けた推奨経路の探索要求を基本制御部101へ通知する。
【0042】
出力処理部103は、表示させる画面情報を受け取り、ディスプレイ2に描画するためのグラフィックス情報に変換して、ディスプレイ2に対して描画する指示を行う処理部である。また、出力処理部103は、処理内容に応じて、音声による出力を行う場合には、スピーカ42から出力するようスピーカ42に指示を行う。
【0043】
経路探索部104は、ユーザから指示された出発地と、目的地と、を結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索する処理部である。例えば、経路探索部104は、現在地を出発地として設定し、当該出発地から入力受付部102を介して受け付けた目的地へと到る経路を、ダイクストラ法等のアルゴリズムによって探索する。なお、経路探索部104は、出発地から目的地へ到る経路を、所定の条件に応じて複数探索することができる。
【0044】
経路コスト調整部105は、経路探索部104が探索した経路について、種々の調整を行う処理部である。例えば、経路コスト調整部105は、経路探索部104が探索した経路のそれぞれについて、第三国を経由する経路か否かを判定し、第三国を経由する経路であれば、当該経路のコストを所定の基準に従い重み付けする。また、経路コスト調整部105は、それぞれの経路について、入国が不可能な経路であれば、当該経路を除外し、入国に制限のある経路であれば、当該経路のコストを高く設定して経路のコストを算出する。具体的には、経路コスト調整部105は、入国不可能な国を経由する経路であれば、当該経路を推奨経路の候補から外す。また、経路コスト調整部105は、入国に制限のある経路であれば、当該経路を構成する道路のコストを所定の基準に従って重み付けする。また、経路コスト調整部105は、基本制御部101に、当該推奨経路のうち利用者に適した経路を誘導するよう依頼する。
【0045】
入国注意報知部106は、推奨経路として設定された経路について、入国制限のある国へ入国する箇所がある場合には、当該制限内容を注意情報として報知する処理部である。具体的には、入国注意報知部106は、推奨経路として設定された経路が、入国制限のある国へ入国する箇所を含むか否かを判定し、当該箇所と、その入国制限の内容と、を表示する画面情報および音声情報を生成し、出力処理部103に受け渡す。
【0046】
上記した演算処理部1の各機能部、すなわち基本制御部101、入力受付部102、出力処理部103、経路探索部104、経路コスト調整部105、入国注意報知部106は、CPU21が所定のプログラムを読み込み、実行することにより構築される。そのため、RAM22には、各機能部の処理を実現するためのプログラムが記憶されている。
【0047】
なお、上記した各構成要素は、ナビゲーション装置100の構成を、理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。そのため、構成要素の分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。ナビゲーション装置100の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0048】
また、各機能部は、ハードウェア(ASIC、GPUなど)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が一つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
[動作の説明]
【0049】
次に、ナビゲーション装置100の動作について説明する。図5は、ユーザが目的地を指定することで、当該目的地へ到る経路の誘導を、なるべく第三国への無用な入国を減らす国跨ぎ経路調整処理のフロー図である。このフローは、ナビゲーション装置100が稼働している状態において、所定の操作、例えば操作メニュー上の起動指示および目的地の指定を受け付けることで開始される。
【0050】
まず、経路探索部104は、出発地から目的地までの経路の候補となる候補経路を複数探索する処理を行う(ステップS001)。具体的には、まず、経路探索部104は、出発地から、指定された目的地までの経路を複数探索する。なお、当該経路探索においては、従来から存在する様々な交通状況を反映させた経路探索処理を行う。例えば、統計的な交通情報や、リアルタイムでの渋滞情報の反映等である。そして、経路探索部104は、リンクテーブル200に格納されたリンクの情報からダイクストラ法等の経路探索処理を実施して複数の経路の情報を生成する。そして、基本制御部101は、入力受付部102、出力処理部103、経路探索部104、経路コスト調整部105、入国注意報知部106、に順次指示を出して、以下の処理を実行させる。
【0051】
まず、経路コスト調整部105は、候補経路のうち、第三国から目的地が属する国へ進入する箇所を備える第三国経路を抽出する(ステップS002)。具体的には、経路コスト調整部105は、ステップS001にて探索した候補経路のそれぞれについて、出発地が属する国でなく、かつ、目的地が属する国でない国すなわち第三国を経由する経路を特定する。そして、経路コスト調整部105は、特定した経路について、目的地が属する国へ入国する直前の国を特定し、当該特定した国が第三国であれば、当該経路を第三国経路であるとして、当該経路を抽出する。
【0052】
次に、経路コスト調整部105は、抽出した経路に第三国経路が一つ以上あったか否かを判定する(ステップS003)。具体的には、経路コスト調整部105は、ステップS002にて抽出した第三国経路が一つ以上あったか否かを判定する。第三国経路が一つ以上なかった場合(ステップS003にて「No」)、経路コスト調整部105は、後述するステップS006を実施する。
【0053】
第三国経路が一つ以上あった場合(ステップS003にて「Yes」)、経路コスト調整部105は、抽出した各第三国経路について、当該第三国から目的地が属する国への進入が不可であれば、当該第三国経路を候補経路から除外する(ステップS004)。すなわち、経路コスト調整部105は、候補経路のうち、入国が不可能である入国制限を有する第三国を経由する経路を、候補経路から除外する。なお、経路コスト調整部105は、各候補経路において入国する国の順に基づいて、入国制限情報テーブル300を参照して、目的地が属する国への入国が不可能であるか否かを判定する。
【0054】
次に、経路コスト調整部105は、抽出した各第三国経路について、当該第三国から目的地が属する国への入国に制限があれば、当該第三国経路のコストを増加させる(ステップS005)。具体的には、経路コスト調整部105は、ステップS004にて除外した第三国経路を除いた候補経路のうち、目的国へ入国するのにパスポートの検問等の入国制限がある経路について、その経路のコストを所定の基準に従って所定量増加させる。例えば、当該経路を構成する道路の全体のコストを一律3倍に設定する。または、経路コスト調整部105は、検問の箇所、数に応じて、コストの倍率を変更するようにしてもよい。例えば、検問箇所が1箇所ならば2倍、2箇所ならば3倍、3箇所ならば4倍、等とするようにしてもよい。もちろん、これに限らず、検問の設置されたリンクのコストを所定量増加させるようにしてもよい。
【0055】
次に、経路探索部104は、最適なコストの候補経路を推奨経路として設定する(ステップS006)。具体的には、経路探索部104は、ステップS004およびステップS005にて削除あるいは重み付けされた候補経路の情報を用いて、最適なコストの候補経路を推奨経路に設定する。例えば、経路探索部104は、コストが最も小さい候補経路を推奨経路としてもよいし、出力処理部103に複数の候補経路を表示させて、入力処理部102の入力により使用者からの候補経路の選択を受け付けて、選択された経路を推奨経路とするようにしてもよい。図7に、当該経路の選択画面400の例を示す。
【0056】
図7は、経路の選択画面400の例を示す図である。画面400には、背景に地図画像が表示されており、車両の現在地を示すカーマーク401が、当該地図上の対応する位置に表示される。なお、当該カーマーク401は、経路の出発地に相当する位置に表示される。また、出発地であるカーマーク401から目的地402へ到る候補経路として、第一の経路404と第二の経路405とが経路探索部104により探索されるものとする。
【0057】
第一の経路404は、出発国(A国とする)から、目的国(これもA国となる)へ到る経路の途中で、B国との国境線403を跨ぐ経路である。当該経路では、通常、B国への入国位置406に検問があり、入国手続きをしなければならないという制限がある。また、当該経路においては、B国へ入国した後、目的地が属するA国に、入国位置407において入国手続きをしなければならないという制限がある場合がある。これに対して、第二の経路405は、A国内の移動に留まるため、国跨ぎの検問等を受ける必然性はない。ただし、走行距離そのものは、第一の経路404を走行する方が、第二の経路405を走行するよりも若干短い。このような場合、通常は、使用者は、第二の経路の方が煩わしくないために第一の経路を避けたいと考えることが予想されるが、必ずそうとも限らない。したがって、経路の選択画面400においては、国跨ぎを行う必要がある経路である第一の経路404と、国跨ぎを避ける経路である第二の経路405と、のいずれかを選択できるように表示する。当該選択画面400では、両方の経路を表示するため、使用者はいずれかの経路を指定することが可能となる。
【0058】
以上が、国跨ぎ経路調整処理の処理内容である。上記の国跨ぎ経路調整処理を行う事によって、ナビゲーション装置100は、国跨ぎをなるべく避ける経路を使用者に提示することができる。
【0059】
図6は、推奨経路として設定された経路について、事前に入国注意情報を使用者に報知する入国注意報知処理のフロー図である。入国注意報知処理は、推奨経路が設定されると、開始される。
【0060】
入国注意報知部106は、設定された推奨経路について、入国制限のある国へ入国する箇所があるか否か判定する(ステップS101)。具体的には、入国注意報知部106は、推奨経路上を追って、入国制限情報テーブル300とのマッチングを行い、入国制限のある入国元と対象国との組合せが推奨経路に含まれるか否かを判定する。そのような箇所が推奨経路に無い場合(ステップS101にて「No」)、入国注意報知部106は、入国注意報知処理を終了する。
【0061】
入国制限のある国へ入国する箇所が推奨経路に含まれる場合(ステップS101にて「Yes」)、入国注意報知部106は、制限内容303を注意情報として報知する(ステップS102)。具体的には、入国注意報知部106は、入国制限情報テーブル300の制限内容303の内容に応じて、所定のメッセージを作成する。そして、入国注意報知部106は、入国を行う位置に応じた地図上の位置に対応付けて当該メッセージを表示させる画面の情報を生成するよう出力処理部103に指示し、出力処理部103は、指示に従って報知画面500をグラフィック情報として生成し、ディスプレイ2に描画させる。
【0062】
図8は、報知画面500の例を示す図である。報知画面500には、背景に地図画像が表示されており、車両の現在地を示すカーマーク501が、当該地図上の対応する位置に表示される。なお、当該カーマーク501は、経路の出発地に相当する位置に表示される。また、出発地であるカーマーク501から目的地502へ到る推奨経路503が設定されているものとする。カーマーク501の位置は、A国内であり、目的地502の位置は、F国505内であり、推奨経路の途中で、第三国であるG国504を経由するものとする。ここで、H国からG国への入国にはパスポートによる検問の制限があり、G国からF国への入国にはパスポートによる検問の制限があるものとする。入国注意報知部106は、H国からG国への入国位置に対応付けて、G国への入国にはパスポートが必要である旨のメッセージ506を表示し、G国からF国への入国位置に対応付けて、F国への入国にはパスポートが必要である旨のメッセージ507を表示する報知画面500を構成する。放置画面500を見た使用者は、早めにパスポートの携帯について注意することができるため、パスポートの不携帯による時間のロスを少なくすることが可能となる。
【0063】
以上が、入国注意報知処理の処理内容である。上記の入国注意報知処理を行う事によって、ナビゲーション装置100は、使用者に対して、国跨ぎのわずらわしさを減らすことができるといえる。
【0064】
以上、本発明の一実施形態について説明した。本発明の一実施形態によると、ナビゲーション装置100では、第三国を経由する経路を避けて誘導することができるといえる。また、使用者に対して、国跨ぎのわずらわしさを減らすことができるといえる。
【0065】
本発明は、上記第一の実施形態に制限されない。上記第一の実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。例えば、上記第一の実施形態においては、経路探索時に国跨ぎ経路調整処理を行っているが、これに限られない。例えば、出発時に現在地から見て目的地へ到達するためにパスポートが必要か否かを判定し、パスポートが必要でない場合にのみ国跨ぎ経路調整処理を実施するようにしてもよい。パスポートが必要となる目的地へ向う際には、使用者は、もともとパスポートを用意するであろうから、国跨ぎの検問等も特段煩わしいと感じない可能性があるからである。目的地がパスポートが必要でない場所である場合に、上記国跨ぎ経路調整処理を実施すればよい。
【0066】
また例えば、上記第一の実施形態においては、探索した経路が第三国を通るものである場合には、当該経路のコストを高めるものであるが、これに限られず、例えば、第三国へ入国するリンクについて、ダイクストラ法等の経路探索処理に用いるコストを、高めるものであってもよい。このようにすることで、第三国へ進入するリンクが、経路に含まれにくくなる。以下に、第二の実施形態として、図9、図10を用いてこのような実施形態を説明する。なお、第二の実施形態では、第一の実施形態と基本的に同様の構成を備えるため、その差異を中心に説明する。
【0067】
図9は、ユーザが指定した目的地へ到る経路をダイクストラ法等の経路探索アルゴリズムに基づいて探索する際に、経路探索に用いるコストの調整を行う国跨ぎコスト調整処理のフロー図である。このフローは、ナビゲーション装置100が稼働している状態において、一本の経路探索を行う中で、探索するリンクごとに開始される。なお、第二の実施形態においては、経路コスト調整部105は、経路探索部104から指示を受けて、指定されたリンクについてのコストを、国跨ぎコスト調整処理により調整する。また、入国注意報知部106は、経路探索終了後に探索された経路を表示する処理において、各経路について必要であれば入国の注意を報知する。
【0068】
まず、経路コスト調整部105は、リンクが、第三国(出発地又は目的地が属する国、を除く国)へ進入するリンクであるか否かを判定する(ステップS201)。具体的には、経路コスト調整部105は、指定されたリンクが、第三国との国境を跨ぐか否かを判定する。指定されたリンクが第三国へ進入するリンクでない場合(ステップS201にて「No」の場合)には、経路コスト調整部105は、国跨ぎコスト調整処理を終了する。指定されたリンクが第三国へ進入するリンクである場合(ステップS201にて「Yes」の場合)には、基本制御部101は、入力受付部102、出力処理部103、経路探索部104、経路コスト調整部105、入国注意報知部106、に順次指示を出して、以下の処理を実行させる。
【0069】
なお、経路コスト調整部105は、ステップS201における、指定されたリンクが第三国との国境を跨ぐか否かを判定する処理においては、以下のように当該判定を行う。まず、経路コスト調整部105は、当該リンクの開始ノードが属する国と、終了ノードが属する国と、の相違を求め、相違する場合には、当該リンクが第三国を跨ぐと判定する。相違しない場合には、経路コスト調整部105は、当該リンクは第三国を跨がないと判定する。また、当該リンクの開始ノードが国境上にある場合(すなわち、リンクテーブル200において、ノードが属する国が国境上を示す情報である場合)には、経路コスト調整部105は、第三国を跨ぐと判定する。例えば、開始ノードが国境上に位置する場合には、当該リンクが国境を跨ぐ場合と同様に扱うことが可能であるためである。
【0070】
経路コスト調整部105は、指定されたリンクに通行禁止の規制があるか否かを判定する(ステップS202)。具体的には、経路コスト調整部105は、当該リンクにおいて入国する国の順に基づいて、入国制限情報テーブル300を参照して、第三国へ入国するリンクの通行禁止の規制の有無を判定する。通行禁止の規制がない場合(ステップS202にて、「No」の場合)には、経路コスト調整部105は、後述するステップS204へ処理を進める。
【0071】
通行禁止の規制がある場合(ステップS202にて「Yes」の場合)には、経路コスト調整部105は、当該リンクについて、経路探索に用いるコストを増加させる(ステップS203)。具体的には、経路コスト調整部105は、経路探索部104が探索に用いるための、時間や距離、平均速度等のコストを、所定の基準に従って所定量増加させる。例えば、当該リンクのコストを一律5倍に設定する。
【0072】
経路コスト調整部105は、指定されたリンクに検問の規制があるか否かを判定する(ステップS204)。具体的には、経路コスト調整部105は、当該リンクにおいて入国する国の順に基づいて、入国制限情報テーブル300を参照して、第三国へ入国するリンクの検問の規制の有無を判定する。検問の規制がない場合(ステップS204にて、「No」の場合)には、経路コスト調整部105は、国跨ぎコスト調整処理を終了する。
【0073】
検問の規制がある場合(ステップS204にて「Yes」の場合)には、経路コスト調整部105は、当該リンクについて、経路探索に用いるコストを増加させる(ステップS205)。具体的には、経路コスト調整部105は、経路探索部104が探索に用いるための、時間や距離、平均速度等のコストを、所定の基準に従って所定量増加させる。例えば、当該リンクのコストを一律3倍に設定する。または、経路コスト調整部105は、検問の箇所、数に応じて、コストの倍率を変更するようにしてもよい。例えば、検問箇所が1箇所ならば2倍、2箇所ならば3倍、3箇所ならば4倍、等とするようにしてもよい。もちろん、これに限らず、検問の設置されたリンクのコストを所定量増加させるようにしてもよい。
【0074】
以上が、国跨ぎコスト調整処理の処理内容である。上記の国跨ぎコスト調整処理を行う事によって、ナビゲーション装置100は、国跨ぎをなるべく避ける経路を使用者に提示することができる。
【0075】
図10は、推奨経路として探索された経路を提示する際に、入国注意情報を使用者に報知する経路表示警告処理のフロー図である。経路表示警告処理は、探索された経路が表示される際に、経路ごとに開始される。なお、第二の実施形態においては、入国注意報知部106は、表示対象の経路について、第三国へ進入するものか否かを判定し、進入するものである場合には、進入に際しての制限内容を注意情報として報知する。
【0076】
入国注意報知部106は、表示する経路について、第三国へ進入するか否か判定する(ステップS301)。具体的には、入国注意報知部106は、表示する対象の経路経路上を追って、第三国へ進入するか否かを判定する。第三国へ進入しない場合(ステップS301にて「No」の場合)には、入国注意報知部106は、経路表示警告処理を終了する。
【0077】
第三国へ進入する場合(ステップS301にて「Yes」の場合)には、入国注意報知部106は、第三国へ進入する箇所ごとに、進入に関する制限の内容を注意内容として報知する(ステップS302)。具体的には、入国注意報知部106は、第三国への進入箇所ごとに、該当する入国制限情報テーブル300の制限内容303を特定する。そして、入国注意報知部106は、アイコン等により視覚的に当該規制の情報を地図上に重畳させて表示するよう出力表示部103へ指示する。
【0078】
以上が、経路表示警告処理の処理内容である。上記の経路表示警告処理を行う事によって、ナビゲーション装置100は、使用者に対して、国跨ぎの注意を喚起することができるといえる。以上、本発明に係る第二の実施形態について説明した。
【0079】
また、上記の実施形態および上述した変形例のそれぞれの発明技術の全て、あるいはいくつかを組み合わせてもよい。
【0080】
以上、本発明について、実施形態を具体的に説明した。なお、上記の実施形態では、本発明を車載ナビゲーション装置に適用した例について説明したが、本発明は車載ナビゲーション装置に限らず、ナビゲーション装置全般に適用することができる。また、上記の実施形態では、国を基準としてコストの調整を行っているが、これに限られず、特定の地域、例えばパスポート等を必要としない地域を基準としてコストの調整を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0081】
1・・・演算処理部、2・・・ディスプレイ、3・・・記憶装置、4・・・音声出入力装置、5・・・入力装置、6・・・ROM装置、7・・・車速センサ、8・・・ジャイロセンサ、9・・・GPS受信装置、10・・・FM多重放送受信装置、11・・・ビーコン受信装置、12・・・衛星ラジオ受信装置、21・・・CPU、22・・・RAM、23・・・ROM、24・・・I/F、25・・・バス、41・・・マイクロフォン、42・・・スピーカ、51・・・タッチパネル、52・・・ダイヤルスイッチ、100・・・ナビゲーション装置、101・・・基本制御部、102・・・入力受付部、103・・・出力処理部、104・・・経路探索部、105・・・経路コスト調整部、106・・・入国注意報知部、200・・・リンクテーブル、300・・・入国制限情報テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路を構成するリンクのコストに基づいて、所定の出発地から指定された目的地へ到る経路を探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段により経路を探索する処理において、前記出発地が属する国または地域と、前記目的地が属する国または地域と、を除く他の国または地域である第三国へ進入するリンクのコストを、所定の基準に従い重み付けするコスト調整手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置であって、さらに、
国または地域ごとの進入制限に関する情報である入国制限情報を格納する情報格納手段を備え、
前記コスト調整手段は、
前記第三国へ進入するリンクについて、前記入国制限情報の制限の内容に応じて、前記所定の基準に従い重み付けする、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2に記載のナビゲーション装置であって、
前記コスト調整手段は、
前記第三国へ進入するリンクについて、前記入国制限情報の制限の内容が、前記目的地が属する国または地域への進入に制限がある旨を示す情報であれば、当該経路を構成する道路のコストを、前記所定の基準に従って重み付けする、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載のナビゲーション装置であって、さらに、
前記コスト調整手段により重み付けされた経路が前記進入制限を含む経路であれば、前記制限内容を表示する表示手段、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
ナビゲーション装置の経路探索方法であって、
前記ナビゲーション装置は、
道路を構成するリンクのコストに基づいて、所定の出発地から指定された目的地へ到る経路を探索する経路探索ステップと、
前記経路探索ステップにより経路を探索する処理において、前記出発地が属する国または地域と、前記目的地が属する国または地域と、を除く他の国または地域である第三国へ進入するリンクのコストを、所定の基準に従い重み付けするコスト調整ステップと、
を実施することを特徴とする経路探索方法。
【請求項6】
請求項5に記載の経路探索方法であって、
前記ナビゲーション装置は、さらに、
国または地域ごとの進入制限に関する情報である入国制限情報を格納する情報格納手段を備え、
前記コスト調整ステップにおいては、
前記第三国へ進入するリンクについて、前記入国制限情報の制限の内容に応じて、前記所定の基準に従い重み付けする、
ことを特徴とする経路探索方法。
【請求項7】
請求項6に記載の経路探索方法であって、
前記コスト調整ステップでは、
前記第三国へ進入するリンクについて、前記入国制限情報の制限の内容が、前記目的地が属する国または地域への進入に制限がある旨を示す情報であれば、当該経路を構成する道路のコストを、前記所定の基準に従って重み付けする、
ことを特徴とする経路探索方法。
【請求項8】
請求項6または7に記載の経路探索方法であって、
前記ナビゲーション装置は、さらに、
前記経路コスト調整ステップにより重み付けされた経路が前記進入制限を含む経路であれば、前記制限内容を表示する表示ステップ、
を実施することを特徴とする経路探索方法。
【請求項9】
所定の出発地から、指定された目的地へ到る経路を一つまたは複数探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段により探索された一つまたは複数の経路のうち、前記出発地が属する国または地域と、前記目的地が属する国または地域と、を除く他の国または地域である第三国を経由する経路を、第三国経路として特定する第三国経路特定手段と、
前記第三国経路特定手段により特定された前記第三国経路を構成する道路のコストを、所定の基準に従い重み付けする経路コスト調整手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項10】
請求項9に記載のナビゲーション装置であって、さらに、
国または地域ごとの進入制限に関する情報である入国制限情報を格納する情報格納手段を備え、
前記経路コスト調整手段は、
前記第三国特定手段により特定された前記第三国経路について、前記入国制限情報の制限の内容に応じて、前記所定の基準に従い重み付けする、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項11】
請求項10に記載のナビゲーション装置であって、
前記経路コスト調整手段は、
前記第三国特定手段により特定された前記第三国経路について、前記入国制限情報の制限の内容が、前記目的地が属する国または地域への進入が不可能である旨を示す情報であれば、当該経路を探索結果から除外する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項12】
請求項10または11に記載のナビゲーション装置であって、
前記経路コスト調整手段は、
前記第三国特定手段により特定された前記第三国経路について、前記入国制限情報の制限の内容が、前記目的地が属する国または地域への進入に制限がある旨を示す情報であれば、当該経路を構成する道路のコストを、前記所定の基準に従って重み付けする、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項13】
請求項9〜12のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記経路コスト調整手段は、
前記第三国から前記目的地の属する国または地域へ進入する地点が属する道路のコストを、前記所定の基準に従って増加させる、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項14】
請求項10〜13のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記第三国経路特定手段および前記経路コスト調整手段は、前記現在地が属する国または地域から、前記目的地が属する国または地域へ入るために進入制限がない場合に限り、前記各処理を実施する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項15】
請求項10〜14のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、さらに、
前記経路コスト調整手段により重み付けされた経路が前記進入制限を含む経路であれば、前記制限内容を表示する表示手段、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項16】
ナビゲーション装置の経路探索方法であって、
前記ナビゲーション装置は、
所定の出発地から、指定された目的地へ到る経路を一つまたは複数探索する経路探索ステップと、
前記経路探索ステップにより探索された一つまたは複数の経路のうち、前記出発地が属する国または地域と、前記目的地が属する国または地域と、を除く他の国または地域である第三国を経由する経路を、第三国経路として特定する第三国経路特定ステップと、
前記第三国経路特定ステップにより特定された前記第三国経路を構成する道路のコストを、所定の基準に従い重み付けする経路コスト調整ステップと、
を実施することを特徴とする経路探索方法。
【請求項17】
請求項16に記載の経路探索方法であって、
前記ナビゲーション装置は、さらに、
国または地域ごとの進入制限に関する情報である入国制限情報を格納する情報格納手段を備え、
前記経路コスト調整ステップにおいては、
前記第三国特定ステップにより特定された前記第三国経路について、前記入国制限情報の制限の内容に応じて、前記所定の基準に従い重み付けする、
ことを特徴とする経路探索方法。
【請求項18】
請求項17に記載の経路探索方法であって、
前記経路コスト調整ステップでは、
前記第三国特定ステップにより特定された前記第三国経路について、前記入国制限情報の制限の内容が、前記目的地が属する国または地域への進入が不可能である旨を示す情報であれば、当該経路を探索結果から除外する、
ことを特徴とする経路探索方法。
【請求項19】
請求項17または18に記載の経路探索方法であって、
前記経路コスト調整ステップでは、
前記第三国特定ステップにより特定された前記第三国経路について、前記入国制限情報の制限の内容が、前記目的地が属する国または地域への進入に制限がある旨を示す情報であれば、当該経路を構成する道路のコストを、前記所定の基準に従って重み付けする、
ことを特徴とする経路探索方法。
【請求項20】
請求項16〜19のいずれか一項に記載の経路探索方法であって、
前記経路コスト調整ステップでは、
前記第三国から前記目的地の属する国または地域へ進入する地点が属する道路のコストを、前記所定の基準に従って増加させる、
ことを特徴とする経路探索方法。
【請求項21】
請求項17〜20のいずれか一項に記載の経路探索方法であって、
前記ナビゲーション装置は、
前記現在地が属する国または地域から、前記目的地が属する国または地域へ入るために進入制限がない場合に限り、前記第三国経路特定ステップおよび前記経路コスト調整ステップを実施する、
ことを特徴とする経路探索方法。
【請求項22】
請求項17〜21のいずれか一項に記載の経路探索方法であって、
前記ナビゲーション装置は、さらに、
前記経路コスト調整ステップにより重み付けされた経路が前記進入制限を含む経路であれば、前記制限内容を表示する表示ステップ、
を実施することを特徴とする経路探索方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−127708(P2012−127708A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−277561(P2010−277561)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】