説明

ナビゲーション装置及びナビゲーション方法

【課題】自立航法を主とするハイブリッド航法による経路誘導中に、自車がフェリーなどに乗船して移動し、降船したとき、より簡便で、かつ迅速に正しい自車位置や自車方位に更新することができる「ナビゲーション装置及びナビゲーション方法」を提供すること。
【解決手段】制御手段12は、自立航法を主とするハイブリッド航法により経路誘導中に、第1の測位手段4により検出される位置及び方位を更新して記憶させる。そして、自車が移動物体に乗ったときに、衛星航法に切り換えて、記憶した方位の更新を停止するとともに、第2の測位手段3により検出される位置及び方位を取得し、自車が移動物体から降りたときに、自立航法を主とするハイブリッド航法に切り換えて、最後に取得した衛星航法に基づく位置及び方位を用いて記憶した位置及び方位を更新する。以降は、更新した位置及び方位を基礎として経路誘導を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置及びナビゲーション方法に関し、より詳細には、フェリー(移動物体)に乗って移動する経路を含む誘導経路について自立航法を主とするハイブリッド航法によりナビゲーションを行うナビゲーション装置及びナビゲーション方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車載用ナビゲーション装置においては、GPS(Global Positioning System)等による衛星航法と、ジャイロ(角度センサ)、車速センサ(車速パルスの発生/検出手段)、及び加速度センサなどを用いた自立航法とを組み合わせたハイブリッド航法により、高精度なナビゲーションが行われている。
【0003】
この場合、GPS等による衛星航法を主とし、自立航法を補助的に用いるハイブリッド航法と、逆に、自立航法を主とし、GPS等による衛星航法を補助的に用いるハイブリッド航法とがある。特に、製品コストを抑制する用途に用いる場合や、ビルやトンネルが多い地域で用いる場合などに、自立航法を主とするハイブリッド航法が有効である。
【0004】
何れの場合も、高精度なナビゲーションを達成するためにはマップマッチングなどの補正処理が必要である。
【0005】
GPS等による衛星航法を主とする航法の場合、車両がトンネル内を通過するときには衛星航法を使えないため、自立航法によりナビゲーションが行われるが、この場合には、車両がトンネルから出て再び衛星航法に切り替わったときに、例えば、特許文献1のように、自立航法により得られた位置および方位に対してGPSの位置情報(GPS位置)や方位情報(GPS方位)を用いてマップマッチングが行われる。
【0006】
一方、自立航法を主とする航法の場合は、ディスプレイ上の自車位置が走行道路から外れたときに、GPSの位置情報(GPS位置)や方位情報(GPS方位)を用いて自車位置及び走行方位とが修正される。
【0007】
また、自立航法を主とする航法の場合で、自車をフェリーなどに乗せて移動させる場合、エンジンをかけたままにしたり、アクセサリスイッチをオン(Acc ON)にしたりしてナビゲーション装置を動作させた場合、自車自体が移動しないので、車速パルスが発生されず、GPSによる位置が移動していく状態となる。この状態は、マルチパスに類似した状況と判断され、自車位置が更新されないことになる。しかも、降船してしばらくはGPSによる位置や方位の修正も行われない。このため、降船して、GPSにより位置及び方位が検出され、それらが修正されるまで、更新されずに保持されていた乗船場の位置に基づいて位置及び方位が更新されるため、この間は正しい経路誘導が行われない。
【0008】
これを解決するため、例えば特許文献2のように、フェリー乗降場位置データ、フェリーデータ及びフェリー航路データを予め地図データとして記憶させておき、降船したときにそれらのデータを対照して降船地点を推定することが行われている。
【特許文献1】特開平10−332399号公報
【特許文献2】特開2004−286518号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献2による方法によれば、フェリーに関する情報を逐次更新する必要があり、情報の取得や地図データの更新に手間がかかる。また、地図データが適正に更新されているとしても、得られる位置情報や方位情報はあくまでも推定であり、絶対的に正しい位置情報や方位情報が得られるとは限らない。
【0010】
本発明は、かかる従来技術における課題に鑑み創作されたもので、自車がフェリーなどに乗船して移動し、降船したとき、より簡便で、かつ迅速に正しい自車位置や自車方位に更新することができるナビゲーション装置及びナビゲーション方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した従来技術の課題を解決するため、本発明の一形態によれば、自立航法に用いる第1の測位手段と、衛星航法に用いる第2の測位手段と、前記第1及び第2の測位手段と協働して経路誘導に係る処理を制御する制御手段とを具備し、前記制御手段は、前記自立航法を主とするハイブリッド航法により経路誘導中に、前記第1の測位手段により検出される位置及び方位を更新して記憶させ、自車が移動物体に乗ったときに、前記衛星航法に切り換えて、前記記憶した方位の更新を停止するとともに、前記第2の測位手段により検出される位置及び方位を取得し、前記自車が前記移動物体から降りたときに、前記自立航法を主とするハイブリッド航法に切り換えて、最後に取得した衛星航法に基づく位置及び方位を用いて前記記憶した位置及び方位を更新し、該更新した位置及び方位を基礎として経路誘導を行うことを特徴とするナビゲーション装置が提供される。
【0012】
この形態に係るナビゲーション装置によれば、制御手段は、自立航法を主とするハイブリッド航法で経路誘導中、すなわち自車が道路を移動中、第1の測位手段により検出される位置及び方位(自立航法に基づく位置及び方位)を更新し、記憶させておき、自車が移動物体に乗ったときに、衛星航法に切り換えて、自車が移動物体に乗って移動中、記憶した自立航法に基づく方位を更新しない。その間、代わりに、第2の測位手段により検出される位置及び方位(衛星航法に基づく位置及び方位)を逐次取得する。なお、自車が移動物体に乗って移動中、自立航法に基づく方位を更新しないようにしたのは、自車が移動物体に乗って移動中、自車が停車し車速パルスが発生しないため自立航法に基づく位置は変化しないが、移動物体が移動するため自立航法に基づく方位は変化するからである。自立航法に基づく方位を更新しないことで、自車位置及び方位が乗船場に正しく固定される。
【0013】
そして、制御手段は、自車が移動物体を降りてから、最後に取得した衛星航法に基づく位置及び方位を用いて、自車が移動物体に乗る前に取得し、記憶させておいた自立航法に基づく位置及び方位を更新し、その位置及び方位を基礎として、自立航法を主とするハイブリッド航法により経路誘導を行う。
【0014】
したがって、本発明に係るナビゲーション装置によれば、自車が移動物体から降りたときに、迅速に正しい自車位置及び自車方位に更新して、自立航法を主とするハイブリッド航法により経路誘導を行うことができる。
【0015】
また、制御手段は、自車が移動物体に乗って移動する経路を含む場合に正しい自車位置及び自車方位に更新するために、移動物体及びそれに関連するデータを予め地図データとしてメモリに記憶させておく必要もまく、移動物体から降りたときにそれらのデータを対照してその地点を推定する必要もない。したがって、本発明に係るナビゲーション装置によれば、多くのメモリを必要としないし、位置及び方位の間違いが少なくなる。
【0016】
また、本発明の他の形態によれば、自立航法と衛星航法とを用いたハイブリッド航法により経路誘導を行うナビゲーション方法において、前記自立航法を主とするハイブリッド航法により経路誘導中に、前記自立航法に基づく位置及び方位を更新して記憶し、次いで、前記衛星航法に移行し、前記記憶した自立航法に基づく方位の更新を停止するとともに、前記衛星航法に基づく位置及び方位を取得し、次いで、前記自立航法を主とするハイブリッド航法に移行し、最後に取得した衛星航法に基づく位置及び方位を用いて前記記憶した自立航法に基づく位置及び方位を更新し、該更新した自立航法に基づく位置及び方位を基礎として経路誘導を行うことを特徴とするナビゲーション方法が提供される。
【0017】
この形態に係るナビゲーション方法によれば、自立航法を主とするハイブリッド航法で経路誘導中、例えば自車が道路を移動中、自立航法に基づく位置及び方位を更新し、記憶しておき、衛星航法への移行後、例えば自車が移動物体に乗って移動中、自立航法に基づく方位を更新しない。その間、代わりに、衛星航法に基づく位置及び方位を逐次取得する。
【0018】
そして、自車が移動物体を降りてから、最後に取得した衛星航法に基づく位置及び方位を用いて、移動物体に乗る前に取得し、記憶させておいた自立航法に基づく位置及び方位を更新し、その位置及び方位を基礎として、自立航法を主とするハイブリッド航法により経路誘導を行っている。
【0019】
したがって、自車が移動物体から降りたときに、迅速に正しい自車位置及び自車方位に更新して、自立航法を主とするハイブリッド航法により経路誘導を行うことができる。
【0020】
また、本発明に係るナビゲーション方法によれば、自車が移動物体に乗って移動する経路を含む場合に正しい自車位置及び自車方位に更新するため、移動物体及びそれに関連するデータを予め地図データとして記憶させておく必要も、移動物体から降りたときにそれらのデータを対照してその地点を推定する必要もない。したがって、より簡便である。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明によれば、自立航法を主とするハイブリッド航法により経路誘導が行われるときに、誘導経路に、自車が移動物体に乗って移動する経路を含む場合でも、より簡便に、かつ迅速に正しい位置及び方位に更新していつも正しい経路誘導が行われる。
【0022】
本発明は、衛星航法が妨げられる障害物などが周囲にないような移動物体に、短時間、ナビゲーション装置のスイッチが切られない状態で、自車が乗っているときに特に有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について添付の図面を参照しながら説明する。
【0024】
(車載用ナビゲーション装置の構成の説明)
図1は、本発明の一実施形態に係る車載用ナビゲーション装置の構成を概略的に示したものである。
【0025】
図示の車載用ナビゲーション装置20において、符号1は、DVD−ROMドライブを示し、このDVD−ROMドライブ1によって駆動されるDVD−ROM1aには、縮尺レベル(1/12500、1/25000、1/50000等)に応じて適当な大きさの経度幅及び緯度幅に区切られた地図データが予め格納されている。この地図データは、経緯度で表現された点(ノード)の座標集合で表されている。ノードは道路の分岐点を示し、2つのノードを連結した道路部分をリンクと称する。道路はノード及びリンクの集合で表され、そのうち特定のノード及びリンクの集合が特定のストリートとして定義されている。
【0026】
地図データは、マップマッチング用及び経路探索用の道路レイヤ、地図図面上に道路、公園、河川、目印となる建物や施設等の各種物件を表示するための背景レイヤ、市町村名などの行政区画名、道路名(ストリート名)、建物の名前等の文字や地図記号等を表示するための文字・記号レイヤなどから構成されている。この発明に関しては、背景レイヤにはフェリー(移動物体)が走行する海ポリゴン(海の図形)等を含み、文字・記号レイヤには、フェリー乗降場、フェリー乗船中等の文字や地図記号等も含む。
【0027】
道路レイヤには、道路リスト、ノードテーブルが含まれる。このうち、道路リストは、道路(ストリート)別に、道路の種別、道路を構成する全ノード数、道路を構成するノードのノードテーブル上での位置と次のノードまでの幅員等のデータから構成されている。また、ノードテーブルは、地図上の全ノードのリストであり、ノード毎に、位置情報(経度、緯度)、道路リスト上での当該ノードが属する道路の位置を示すポインタ等によって構成されている。この発明に関しては、フェリー乗降場もそれぞれ一つのノードに対応させて表示される。
【0028】
符号2は、後述するナビゲーション装置本体10を操作するための操作部を示す。例えば、リモコン送信機の形態を有している。特に図示はしないが、かかるリモコン送信機には、ディスプレイ装置(後述)の画面上の各種メニュー、各種項目等を選択したり、選択したメニュー等を実行させるための各種操作ボタン、ジョイスティック等が適宜設けられている。
【0029】
符号3は、GPS(Global Positioning System)衛星から送られてくるGPS信号を受信して自車の現在位置の経度並びに緯度を検出するGPS受信機(第2の測位手段)を示す。
【0030】
符号4は自立航法センサ(第1の測位手段)を示す。その自立航法センサ4は、自車の進行方向を検出するためのジャイロ等の角度センサ(方位検出手段)、一定の走行距離毎にパルス(車速パルスと称する。)を発生する距離センサ(車速パルスの発生手段)、自車が加速中か減速中かを検出する加速度センサ(加速度検出手段)等を有しており、自車の走行速度及び移動距離を検出し、さらにこれらの情報から位置を検出するのに用いられる。
【0031】
符号5は、電波ビーコン又は光ビーコンから送られてくるVICS(道路交通情報通信システム)情報を受信するVICS受信機を示す。符号6は、各種のサービスセンタと通信するための車載電話機等の通信機を示す。
【0032】
符号7はLCD等の表示装置を示し、その表示装置7は後述するナビゲーション装置本体10からの制御に基づいて、基本的にはナビゲーションに係る案内情報(自車の現在位置(車両位置マーク)及びその周囲の地図、出発地から目的地までの誘導経路、その他フェリー乗降場などの案内情報等)を画面上でユーザ(特に運転者)に提供するものである。さらに、その表示装置7は、後述するように車載用ナビゲーション装置20が行う演算及び表示処理に関する情報を画面上に表示するものである。
【0033】
符号8は、スピーカを示し、そのスピーカ8は後述するナビゲーション装置本体10からの制御に基づいて、上記のナビゲーションに係る案内情報を音声によりユーザに提供するものである。
【0034】
また、ナビゲーション装置本体10において、符号11はDVD−ROMドライブ1を介してDVD−ROM1aから読み出された地図データを一時的に格納するバッファメモリである。
【0035】
また、符号12はマイクロコンピュータ等により構成される制御部を示し、その制御部12は、ナビゲーション用のプログラム(経路探索の処理やそれに基づく経路案内に必要な表示出力制御等を行うためのプログラム)に従い、自立航法センサ4から出力される信号に基づいて自車の走行速度(車速)、移動距離、現在位置及び方位を算出したり、GPS受信機3から出力される信号に基づいて自車の現在位置及び方位を検出したり、表示させたい地図のデータをDVD−ROMドライブ1を介してDVD−ROM1aからバッファメモリ11に読み出したり、バッファメモリ11に読み出された地図データを用いて設定された探索条件で出発地(自車の現在位置)から目的地までの誘導経路を探索するなど、ナビゲーションに係る種々の処理を実行する。
【0036】
さらに、制御部12は、車載用ナビゲーション装置20が行う、以下に説明する機能を有している。
【0037】
その一つとして、制御部12は、通常ナビモードからフェリー移動モードへの移行を判定して、制御信号に付加されたフェリー移動モードフラグをオンにする。通常ナビモードのときはフェリー移動モードフラグはオフに設定されている。
【0038】
通常ナビモードとは、自車位置及び方位の検出において、自立航法による情報を主に用い、GPS衛星航法による情報を補助的に用いるモードをいう。フェリー移動モードとは、自車がフェリーに乗船中で、自車自体は停車中であるがフェリーの移動に伴い自車の位置及び方位が変化しているときに、GPSのみを働かせて自車の位置情報及び方位情報を取得するナビモードをいう。
【0039】
通常ナビモードからフェリー移動モードへの移行条件として、(i)表示画面に「フェリー」などの文字が表示されたこと、(ii)車速パルスが例えば2秒以上の間(しきい値時間と称する。)検出されなかったこと(この場合、車速パルスの検出手段には制御部12が該当する。)、(iii)GPS位置、方位及び車速が滑らかに変化していること、(iv)加速度センサの出力変化とGPSの出力変化とが類似していること、及び(v)ジャイロの出力変化とGPSの出力変化とが類似していることを適宜組み合わせて用いることができる。なお、上記(ii)の条件は自車が停車状態にあることを必要とする条件である。この場合、自車が道路に停車している場合、及び、フェリーなどに乗って移動中であるが、自車自体は停車状態にある場合の両方を含む。(iii)の条件は自車が道路に停車している場合を除くための条件である。すなわち、フェリーに乗船中は自車が停車状態でもフェリーの移動に伴い、GPS位置、方位及び車速は変化する。(iv)の条件も自車が道路に停車している場合を除くための条件である。すなわち、フェリーに乗船中は自車が停車状態でもフェリーの移動に伴い、GPS出力と、加速度センサの出力とは同じように変化する。(v)の条件も自車が道路に停車している場合を除くための条件である。すなわち、フェリーに乗船中は自車が停車状態でもフェリーの移動に伴い、GPS出力と、ジャイロの出力とは同じように変化する。
【0040】
さらに、フェリー移動モードへの移行の直前までの通常ナビモードにおいて、自車が停車状態のときであってジャイロ出力値があまり変化せず安定しているときに、自車位置及び自車方位(ジャイロゼロ点)を取得し、制御部12に内蔵されたレジスタの情報を更新して記憶させる。ジャイロ出力値があまり変化せず安定している条件として、例えば、過去2秒間の角速度の最大値と最小値の差が0.2deg/sec未満のときとする。また、ジャイロゼロ点として、例えばジャイロ出力の2秒間の平均値を用いる。そのジャイロゼロ点の検出条件を満たすか否かの判定は、一定時間ごと、例えば1秒ごとに実施される。
【0041】
一方で、フェリー移動モードに移行し、フェリー移動モードフラグをオンにして以降は、自立航法に基づく方位(ジャイロゼロ点)を更新しないようにするとともに、GPS航法に基づく自車位置及び方位を取得する。さらに、GPSにより取得された自車位置及び方位を用いて自車位置及び方位を逐次更新し、表示画面に自車位置及び自車方位を表示させる。なお、自車がフェリーに乗って移動中、自立航法に基づくジャイロゼロ点(方位)のみを更新しないようにしたのは、自車がフェリーに乗って移動中、車速パルスは発生しないため自立航法に基づく位置は変化しないが、フェリーが移動するため、自立航法に基づく方位(ジャイロゼロ点)は変化するからである。
【0042】
さらに、制御部12は、車速パルスを検出したときにフェリー移動モードフラグをオフにして、フェリー移動モードから通常ナビモードに移行させる。そして、フェリー乗船中GPS情報に基づき最後に更新された自車位置及び方位を用いて、自立航法に基づく位置及び方位(ジャイロゼロ点)を更新する。以降、その更新された自立航法に基づく位置及び方位を基礎にして、通常ナビモードにより自車位置及び方位が逐次更新されることになる。
【0043】
符号13は、ナビゲーション用のプログラム(経路探索の処理やそれに基づく経路案内に必要な表示出力制御等を行うためのプログラム)を格納するメモリである。
【0044】
符号14は、バッファメモリ11に読み出された地図データを用いて地図画像の描画処理を行う地図描画部を示し、符号15は動作状況に応じて各種メニュー画面(操作画面)及び車両位置マーク、カーソル等の各種マークを生成する操作画面・マーク発生部を示し、符号16は誘導経路に関するデータを格納しておくための誘導経路記憶部を示す。この誘導経路記憶部16には、制御部12によって探索された誘導経路の出発地から目的地までの道路を構成する全てのノード(経緯度で表現された点の座標)に関するデータが記憶される。また、符号17は誘導経路描画部を示し、誘導経路記憶部16から誘導経路のデータを読み出して、当該誘導経路を他の道路とは異なる表示態様(色を変える、線幅を太くするなど)で描画する機能を有している。
【0045】
また、符号18は画像合成部を示し、制御部12からの制御に基づいて、基本的には地図描画部14で描画された地図画像に、誘導経路描画部17で描画された誘導経路、操作画面・マーク発生部15で生成された操作画面及び各種マーク等を重ね合わせて、表示装置7の画面上に表示させる機能を有している。さらに、画像合成部18は、後述するように車載用ナビゲーション装置20が行う演算及び表示処理に関する情報を表示装置7の画面上に表示させる機能も有している。符号19は音声出力部を示し、制御部12からの制御に基づいて音声信号(ナビゲーションに係る案内情報)をスピーカ8に出力する。
【0046】
以上のように、本発明の実施の形態のナビゲーション方法に用いられる車載用ナビゲーション装置によれば、制御部12は、フェリー(移動物体)に乗って移動する前の通常ナビモードにおいて、方位が安定している(停車状態)ときに自立航法に基づく方位を逐次取得して更新し、記憶させておき、自車が停車状態でフェリーに乗って移動中はフェリー移動モードフラグをオンにしてそれを更新しない。その間、代わりに、GPS航法のみに基づく位置及び方位を逐次取得し、更新する。
【0047】
さらに、制御部12は、車速パルスを検出したときにフェリー移動モードフラグをオフにしてフェリー移動モードから通常ナビモードに移行させる。そして、最後に取得したGPS航法のみに基づく位置及び方位を用いて、フェリーに乗って移動する前に取得し、記憶させておいた自立航法に基づく位置及び方位を更新する。これにより、以降は、その位置及び方位を基礎として通常ナビモードにより何の支障もなく経路誘導を行うことができる。
【0048】
以上により、自立航法を主とするハイブリッド航法により経路誘導を行う誘導経路中に、自車がフェリーに乗って移動する経路を含む場合でも、より簡便に、かつ迅速に正しい自車位置及び自車方位に更新して自立航法を主とするハイブリッド航法により経路誘導を行うことができる。
【0049】
(ナビゲーション方法の説明)
次に、本発明の実施の形態に係る、上記した車載用ナビゲーション装置による経路誘導中に自車がフェリー(移動物体)に乗船して移動する場合におけるナビゲーション方法について図1乃至5を参照して説明する。このナビゲーション方法は、衛星航法が妨げられるような屋根など障害物のない、比較的小型のフェリーに、短時間、車のエンジン又はアクセサリスイッチをつけたまま、即ちナビゲーション装置のスイッチが入ったままの状態で、自車が乗っているときに、特に有効である。
【0050】
図2は、フェリーに乗船直後の自車位置及び自車方位(ジャイロゼロ点)を制御部12に内蔵されたレジスタに記憶させる処理を示すフローチャートである。図3は、フェリー移動モードの判定処理を示すフローチャートである。図4は、フェリー移動モード中の更新処理、及びフェリー移動モードの解除処理を示すフローチャートである。図5は、フェリー乗船場から降船場に自車を乗せたフェリーが移動する様子を示す模式図である。
【0051】
その更新方法において、車載用ナビゲーション装置に出発地と目的地を設定して探索された誘導経路には、図5に示すように、フェリー乗降船場23a、23bが含まれており、実際に自車21がフェリー22に乗船して移動するものとする。
【0052】
まず、通常ナビモードで自車21が道路を経路誘導されてフェリー乗船場23aに到着したとする。このとき、表示装置に「フェリー乗場」の文字及び周囲の情景が表示される。
【0053】
さらに、図5に示すように、自車21をフェリー22内に移動させて格納場で停車させる。このとき、表示装置に、「フェリー乗船中」の文字及び周囲の情景が表示される。なお、フェリー22は停船中であり、表示装置の海ポリゴン24の上には自車位置が表示されていないとする。
【0054】
ところで、自車21をフェリー22内に移動させて車両格納場に停車させるまでに、制御部12は、図2に示すフローチャートに基づき、以下のようにして、自立航法による自車位置及び自車方位(ジャイロゼロ点)を取得し、制御部12に内蔵されたレジスタの情報を更新し、記憶させる処理を行っている。この処理は、例えば1秒間隔で繰り返し行われる。
【0055】
その処理によれば、図2に示すように、制御部12は、まず、フェリー移動モードフラグがオンとなっているかオフとなっているかを確認する(S1)。この場合、自車21がフェリー22に乗船直後で、フェリー22が移動する前であり、そのフラグはオフとなっている。したがって、次に、自車21が停車状態か否か判定する(S2)。この場合、しきい値時間(2秒)以上車速パルスが出ていない場合に停車状態と判定する。なお、フェリー移動モードフラグがオンとなっている場合は、自車21がフェリー22に乗船し、フェリー22が移動中であることを示しており、ジャイロゼロ点等の更新処理は行われず、ジャイロゼロ点等はフェリー22が移動する前において最後に更新された値が保持されることになる。ジャイロゼロ点等を更新しないことで、自車位置及び方位が乗船場23aに正しく保持される。
【0056】
次いで、自車21が停車状態か否かの判定の結果、停車状態と判定されれば、次に、ジャイロ出力値が安定しているか否か判定する(S3)。例えば、過去2秒間の角速度の最大値と最小値の差が0.2deg/sec未満の場合、ジャイロ出力値が安定していると判定する。なお、停車状態と判定されない場合は、自車21が通常ナビモードで移動していることを示しており、この処理は行われず、ジャイロゼロ点等は更新されない。
【0057】
次いで、ジャイロ出力値が安定しているか否かの判定の結果、ジャイロ出力値が安定していると判定された場合、次に、自車位置及び自車方位(ジャイロゼロ点)を取得し、制御部12に内蔵されたレジスタの情報を更新し記憶させる(S4)。ジャイロゼロ点として、例えば、ジャイロ出力の2秒間の平均値を用いる。なお、ジャイロ出力値が安定していないと判定された場合、自車21が通常ナビモードで移動していること、又はフェリー22に乗船して移動中であることを示しており、この処理は行われず、ジャイロゼロ点等は更新されない。
【0058】
上記のようにしてジャイロゼロ点等が更新され、記憶される。次に、制御部12は、図3に示すフェリー移動モードの判定処理を行う。
【0059】
その処理によれば、図3に示すように、制御部12は、まず、フェリー移動モードフラグがオンになっているかオフになっているかを確認する(S11)。
【0060】
その結果、フェリー移動モードフラグがオフの場合、次に、表示装置を基に、自車位置の周辺、例えば300m以内に「フェリー」に関連する文字列があるか否か確認する(S12)。
【0061】
一方で、そのフラグがオンの場合は、自車21がフェリー22に乗船し、移動中であることを示しており、既にフェリー移動モードフラグがオンとなっているため、以降の処理は行われず、そのフラグはオンのまま保持されることになる。
【0062】
次いで、自車位置の周辺、例えば300m以内に「フェリー」に関連する文字列があるか否か確認の結果、「フェリー」に関連する文字列がある場合、次に自車位置が海(表示装置の画面で海ポリゴン24)の上にあるか否かを判定する(S13)。一方、「フェリー」に関連する文字列がない場合には、次に、自車21が停車状態か否かを判定する。
【0063】
次いで、自車位置が表示装置の海の上にあるか否か判定の結果、自車21が海の上にない場合、次に、自車21が停車状態か否か判定する(S14)。この場合、上記の停車判定基準を用いる。この実施の形態では、フェリーの移動前であり、自車21が表示装置の海ポリゴン24の上にないので、この場合に相当する。なお、自車位置が表示装置の海ポリゴン24の上にある場合は、既に自車21がフェリー22に乗船して移動中であることを示しており、フェリー移動モードフラグはオフからオンにされる(S18)。
【0064】
次いで、自車21が停車状態か否かの判定の結果、自車21が停車状態であれば、次に、GPS位置、方位、及び速度が滑らかに変化しているか否か判定する(S15)。この実施の形態では、フェリー22に乗船中であり、自車21が停車状態であるので、この場合に相当する。なお、自車21が停車状態でないと判定された場合は、フェリー移動モードフラグはオフで、自車が通常ナビモードで移動していることを示しており、以降の処理は行われず、フェリー移動モードフラグはオフのまま保持される。
【0065】
次いで、GPS位置、方位、速度が滑らかに変化しているか否か判定の結果、GPS位置、方位、速度が滑らかに変化していると判定された場合、次に、加速度センサの出力変化とGPS出力変化に類似性があるか否かを判定する(S16)。この実施の形態では、フェリー22が移動しているときがこの場合に相当する。なお、GPS位置、方位、速度が滑らかに変化していないと判定された場合は、フェリー22がまだ移動していないことを示しており、以降の処理は行われず、フェリー移動モードフラグはオフのまま保持される。
【0066】
次いで、加速度センサの出力変化とGPS出力変化に類似性があるか否か判定の結果、その類似性があると判定された場合、次に、ジャイロ出力変化とGPS出力変化に類似性があるか否かを判定する(S17)。この実施の形態では、フェリー22が移動しているときがこの場合に相当する。なお、加速度センサの出力変化とGPS出力変化に類似性がないと判定された場合は、フェリー22がまだ移動していないことを示しており、以降の処理は行われず、フェリー移動モードフラグはオフのまま保持される。
【0067】
次いで、ジャイロ出力変化とGPS出力変化に類似性があるか否か判定の結果、その類似性があると判定された場合、フェリー移動モードフラグをオンにする(S18)。この実施の形態では、フェリー22が移動しているときがこの場合に相当する。なお、ジャイロ出力変化とGPS出力変化に類似性がないと判定された場合は、フェリー22がまだ移動していないことを示しており、以降の処理は行われず、フェリー移動モードフラグはオフのまま保持される。
【0068】
なお、上記ナビゲーション方法において、自車21が加速度センサを備えていない場合は、GPS位置、方位、速度が滑らかに変化していないと判定された場合、直ちに、ジャイロ出力変化とGPS出力変化に類似性があるか否かが判定される。
【0069】
以上のようにしてフェリー移動モードをオンにしてフェリー移動モードへの移行を行った後、図5に示すように、自車21を乗せたフェリー22は降船場23bに向かって移動する。
【0070】
この間、制御部12は図4に示す制御を行う。すなわち、フェリー移動モードをオンにしたらGPS航法のみに移行する(S21)。フェリー22が移動中、車速パルスが発生しているか否かを検出し(S22)、車速パルスを検出しないとき、自車21は連続してGPSのみを働かせて自車位置及び自車方位を取得し、レジスタの自車位置及び自車方位を逐次更新する(S23)。そして、表示画面には更新された自車位置及び自車方位を逐次表示させる。
【0071】
次に、図5に示すように、フェリー22が目的地に着き、自車21を動かしてフェリー22内からフェリー降船場23bに移動させる。このとき、車速パルスが発生するので、制御部12は、図4に示すように、車速パルスを検出したときに(S22)、最後に更新されたGPS位置及び方位を用いて、自立航法による位置及び方位(ジャイロゼロ点)を更新する(S24)。また、フェリー移動モードフラグをオフにして、フェリー移動モードから通常ナビモードに移行させる(S25)。そして、その旨を表示装置に表示させる。
【0072】
このようにして、以降、自立航法を主とし、GPSによる航法を補助とするハイブリッド航法による通常ナビモードにより、自車位置及び方位を取得し、更新する。このとき、自車の位置及び方位はフェリー乗船中に逐次更新されているので、自車が降船した後、車載用ナビゲーション装置は通常ナビモードにより直ちに自車を誘導可能である。
【0073】
その後、車載用ナビゲーション装置は、表示装置の道路上に自車位置を表示させつつ、通常ナビモードにより、誘導経路にしたがって、自車21を目的地に誘導する。
【0074】
以上のように、本発明の実施の形態に係るナビゲーション方法によれば、フェリー(移動物体)22に乗って移動する前の通常ナビモードにおいて、方位が安定しているときに自立航法に基づく方位を逐次取得して更新し、記憶させておき、自車が停車状態でフェリー22に乗って移動中はフェリー移動モードフラグをオンにしてそれを更新しない。その間、代わりに、衛星航法のみに基づく位置及び方位を逐次取得する。
【0075】
さらに、車速パルスを検出したときにフェリー移動モードフラグをオフにしてフェリー移動モードから通常ナビモードに移行させる。そして、最後に取得したGPS航法のみに基づく位置及び方位を用いて、フェリー22に乗って移動する前に取得し、記憶させておいた自立航法に基づく位置及び方位を更新する。これにより、以降は、その位置及び方位を基礎として通常ナビモードにより何の支障もなく経路誘導を行うことができる。
【0076】
以上のように、この実施の形態のナビゲーション方法によれば、自立航法を主とするハイブリッド航法により経路誘導を行う誘導経路中に、自車21がフェリー22に乗って移動する経路を含む場合でも、迅速に正しい自車位置及び自車方位に更新して自立航法を主とするハイブリッド航法により経路誘導を行うことができる。
【0077】
また、フェリー22及びそれに関連するデータを予め地図データとして記憶させておく必要も、移動物体から降りたときにそれらのデータを対照してその地点を推定する必要もない。したがって、自車21がフェリー22に乗って移動する場合でも、より簡便に正しい自車位置及び自車方位に更新することができる。
【0078】
以上、実施の形態によりこの発明を詳細に説明したが、この発明の範囲は上記実施の形態に具体的に示した例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の上記実施の形態の変更はこの発明の範囲に含まれる。
【0079】
例えば、上記実施例では、本発明のナビゲーション方法を自車21がフェリー22に乗る場合に適用しているが、これに限られない。自車が停車状態でフェリー以外の乗り物(移動物体)に乗る場合にも適用することができる。
【0080】
また、自立航法を主とする航法から衛星航法に切り替えるタイミングとして、図3に示す条件を満たしたときとしているが、それらに加えて、衛星航法に基づく方位の更新が検出されたときとすることも可能である。また、表示装置に移動物体に関する文字列が表示され、かつ車速パルスが所定時間出ていない時間が所定の間続いたときとしてもよいし、さらにそれらに加えて、衛星航法に基づく方位の更新が検出されたときとすることも可能である。
【0081】
また、通常ナビモードからフェリー移動モードへの移行条件の一つとして、車速パルスが検出されないしきい値時間を2秒以上の間としているが、適宜変更することができる。
【0082】
また、ジャイロ出力値があまり変化せず安定している条件として、過去2秒間の角速度の最大値と最小値の差が0.2deg/sec未満のときとしているが、これに限られず、適宜変更することができる。さらに、ジャイロゼロ点として、ジャイロ出力の2秒間の平均値を用いているが、これに限られず、適宜変更することができる。
【0083】
また、経路誘導中の位置、方位などの情報は、制御部12内のレジスタの代わりに、バッファ11やメモリ13に記憶させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の実施の形態である車載用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態であるナビゲーション方法において、フェリーに乗船直後の自車位置及び自車方位(ジャイロゼロ点)を記憶させる処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態であるナビゲーション方法において、フェリー移動モードの判定処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態であるナビゲーション方法において、フェリー移動モード中の更新処理、及びフェリー移動モードの解除処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態である自車の位置及び方位の更新方法を説明するための、フェリー乗船場から降船場に自車を乗せたフェリーが移動する様子を示す模式図である。
【符号の説明】
【0085】
1 DVDドライブ
1a DVD−ROM
2 操作部
3 GPS受信機(第2の測位手段)
4 自立航法センサ(第1の測位手段)
5 VICS受信機
6 通信機
7 表示装置
8 スピーカ
10 車載用ナビゲーション装置本体
11 バッファメモリ
12 制御部
13 メモリ(プログラム格納用)
14 地図描画部
15 操作画面・マーク発生部
16 誘導経路記憶部
17 誘導経路描画部
18 画像合成部
19 音声出力部
20 車載用ナビゲーション装置
21 自車
22 フェリー(移動物体)
23a 乗船場
23b 降船場
24 海ポリゴン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自立航法に用いる第1の測位手段と、
衛星航法に用いる第2の測位手段と、
前記第1及び第2の測位手段と協働して経路誘導に係る処理を制御する制御手段とを具備し、
前記制御手段は、前記自立航法を主とするハイブリッド航法により経路誘導中に、前記第1の測位手段により検出される位置及び方位を更新して記憶させ、自車が移動物体に乗ったときに、前記衛星航法に切り換えて、前記記憶した方位の更新を停止するとともに、前記第2の測位手段により検出される位置及び方位を取得し、前記自車が前記移動物体から降りたときに、前記自立航法を主とするハイブリッド航法に切り換えて、最後に取得した衛星航法に基づく位置及び方位を用いて前記記憶した位置及び方位を更新し、該更新した位置及び方位を基礎として経路誘導を行うことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記第1の測位手段は、少なくともジャイロセンサ及び車速センサを含み、前記第2の測位手段は、GPS受信機を含むことを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記第1の測位手段は、さらに加速度センサを含むことを特徴とする請求項2記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
自立航法と衛星航法とを用いたハイブリッド航法により経路誘導を行うナビゲーション方法において、
前記自立航法を主とするハイブリッド航法により経路誘導中に、前記自立航法に基づく位置及び方位を更新して記憶し、
次いで、前記衛星航法に移行し、前記記憶した自立航法に基づく方位の更新を停止するとともに、前記衛星航法に基づく位置及び方位を取得し、
次いで、前記自立航法を主とするハイブリッド航法に移行し、最後に取得した衛星航法に基づく位置及び方位を用いて前記記憶した自立航法に基づく位置及び方位を更新し、該更新した自立航法に基づく位置及び方位を基礎として経路誘導を行うことを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項5】
前記ナビゲーション方法は車の経路誘導に適用され、前記衛星航法への移行から前記自立航法を主とするハイブリッド航法への移行までの間は、前記車が停車状態で移動物体に乗って移動している場合に該当することを特徴とする請求項4記載のナビゲーション方法。
【請求項6】
前記衛星航法に移行するタイミングは、前記車が停車している時間が所定の間続いたとき、かつ前記衛星航法により検出される位置、方位及び速度が滑らかに変化しているとき、かつ前記衛星航法により検出される方位とこれに対応する前記自立航法により検出される方位とが類似して変化しているときであることを特徴とする請求項5記載のナビゲーション方法。
【請求項7】
前記衛星航法に移行するタイミングは、前記車が停車している時間が所定の間続いたとき、かつ前記衛星航法により検出される位置、方位及び速度が滑らかに変化しているとき、かつ前記衛星航法により検出される方位と前記自立航法により検出される方位とが類似して変化しているときに加えて、さらに表示装置に前記移動物体に関する文字列が表示されたときであることを特徴とする請求項6記載のナビゲーション方法。
【請求項8】
前記衛星航法に移行してから前記自立航法を主とするハイブリッド航法に移行するタイミングは、前記車が動き始めたときであることを特徴とする請求項6又は7のいずれか一項に記載のナビゲーション方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−2826(P2009−2826A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−164826(P2007−164826)
【出願日】平成19年6月22日(2007.6.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】