説明

ナビゲーション装置及びナビゲーション方法

【課題】ユーザの操作労力を大きく低減し、利便性を向上することができるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】操作メニューデータが、各階層ごとに所定の操作ボタンを割り当てたデータ構造となっている。状態量検出部43により車両1の現在地、現在時刻、及びガソリン残量等を検出し、その状態量の検出結果に応じて操作メニューデータを更新し、階層割り当ての内容を変更する。このとき、当該検出結果から推測される状況に応じて、操作される可能性が高い操作ボタンほどより上位階層へと割り当てを変更し、操作される可能性が低い操作ボタンほど下位階層へと割り当てを変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図データを用いて車両の誘導を行うナビゲーション装置及びナビゲーション方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、地図データを用いて車両の誘導(ナビゲーション)を行うナビゲーション装置が広く用いられている。このようなナビゲーション装置では、現在地から目的地までの経路が探索されると、表示手段にその経路が地図と重ねられて表示され、この誘導表示によって誘導手段による当該車両の誘導が行われる。
【0003】
このとき、通常、上記表示手段における誘導表示にさらに重ねるようにして、当該誘導に関連した種々の処理(たとえば、駐車場検索、ショップ検索、ガソリンスタンド検索等)を行うための操作メニューが設けられる。操作メニューには多数の操作ボタンが予め用意されており、通常、それらのうち代表的な操作ボタンを表示する初期のメインメニューや、そのメインメニューに表示されたいずれかの操作ボタンを操作することで遷移するサブメニューなどを含む、階層的なデータ構造になっている。ユーザは、こうした操作メニューを見ながら実行したい機能を選択操作し、快適なナビゲーションを実行することができる。
【0004】
従来、上記のような階層的な操作メニューのデータ構造において、操作ボタンの操作履歴に基づいて操作メニューを更新し、過去の操作履歴が多い操作ボタンほど上位階層のメニューで表示するように制御する技術が知られている(たとえば、特許文献1)。この従来技術では、上記のような操作履歴を反映した階層にて操作ボタンを表示することにより、操作者(ユーザ)の使用傾向を反映して操作メニュー表示が制御され、使い勝手を向上できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−221644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、車両運行時に操作者が優先的に操作したい操作ボタンは、走行時の種々の状況によって異なる。たとえば、ナビゲーションに基づいて走行し、目的地に近づいた状況では駐車場検索ボタンの操作ニーズは高くなるが、目的地へ向けて出発したばかりの状況では駐車場検索ボタンの操作ニーズは低い。同様に、ガソリンタンクが満杯のときは、ガソリンスタンド検索ボタンの操作ニーズは低いが、ガソリンの残りが少なくなってきたら操作ニーズは高くなる。
【0007】
上記従来技術では、単に各操作ボタンにおける過去の操作回数に基づき、操作ボタンを表示する操作メニューの階層を制御しているに過ぎず、上記のような車両運行時の種々の状況における操作ニーズの変化についてはあまり配慮されていない。
【0008】
本発明が解決しようとする課題には、上記した問題が一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0009】

上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、現在地を取得する取得手段と、所定の施設を選択するための操作コマンドを実行するための少なくとも1つの操作ボタンを、表示手段に表示させる表示制御手段と、を有するナビゲーション装置であって、現在地の道路を検出する検出手段を有し、前記表示制御手段は、前記検出手段による検出結果に基づいて前記操作ボタンを表示する。
上記課題を解決するために、請求項2記載の発明は、現在地を取得する取得手段と、所定の施設を選択するための操作コマンドを実行するための少なくとも1つの操作ボタンを、表示手段に表示させる表示制御手段と、を有するナビゲーション装置のナビゲーション方法であって、現在地の道路を検出する検出工程と、前記検出工程による検出結果に基づいて前記操作ボタンを表示する表示工程とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態のナビゲーション装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図2】ナビゲーション装置において動作するソフトウェア構成例を示す機能ブロック図である。
【図3】デフォルト状態の操作メニューデータの内容の一例を表す図である。
【図4】表示制御部がデフォルト状態の操作メニューデータを読み出したときのディスプレイの表示の一例を表す図である。
【図5】ナビゲーション装置による誘導表示処理の手順例を示すフローチャートである。
【図6】目的地に近づいた場合の更新された操作メニューデータの内容の一例を表す図である。
【図7】目的地に近づいた場合のディスプレイの表示の一例を表す図である。
【図8】「駐車場」ボタンが操作されたときのディスプレイの表示の一例を表す図である。
【図9】ナビゲーション装置による誘導表示処理の手順例を示すフローチャートである。
【図10】デフォルト状態の操作メニューデータの内容の一例を表す図である。
【図11】現在時刻が食事時間帯に該当する場合の更新された操作メニューデータの内容の一例を表す図である。
【図12】現在時刻が食事時間帯に該当する場合のディスプレイの表示の一例を表す図である。
【図13】「ファミリーレストラン」ボタンが操作されたときのディスプレイの表示の一例を表す図である。
【図14】ナビゲーション装置による誘導表示処理の手順例を示すフローチャートである。
【図15】燃料残量が不足した場合の更新された操作メニューデータの内容の一例を表す図である。
【図16】燃料残量が不足した場合のディスプレイの表示の一例を表す図である。
【図17】「ガソリンスタンド」ボタンが操作されたときのディスプレイの表示の一例を表す図である。
【図18】デフォルト状態の操作メニューデータの内容の一例を表す図である。
【図19】走行中の道路種別が高速道路である場合の更新された操作メニューデータの内容の一例を表す図である。
【図20】走行中の道路種別が高速道路である場合のディスプレイの表示の一例を表す図である。
【図21】ナビゲーション装置による誘導表示処理の手順例を示すフローチャートである。
【図22】デフォルト状態の操作メニューデータの内容の一例を表す図である。
【図23】現在時刻が休憩時間帯に該当する場合の更新された操作メニューデータの内容の一例を表す図である。
【図24】現在時刻が休憩時間帯に該当する場合のディスプレイの表示の一例を表す図である。
【図25】「公園」ボタンが操作されたときのディスプレイの表示の一例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態のナビゲーション装置100のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【0012】
ナビゲーション装置100は、車両1に搭載されている。このナビゲーション装置100は、現在地検出センサ22の検出結果に基づいて現在地を検出し、現在地から設定された目的地または経由地までの経路を探索するナビゲーション機能を有する。また、CD(Compact Disk)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等の記憶媒体16に書き込まれた楽曲データを再生する楽曲再生機能も有している。
【0013】
図1に示す例では、ナビゲーション装置100は、記憶装置18、演算装置20、表示制御回路14、時計回路10及びインターフェース6を有しており、これらはバス12により接続されている。したがって、演算装置20は、これら記憶装置18、インターフェース6、時計回路10及び表示制御回路14との間でデータの授受が可能な構成となっている。
【0014】
ナビゲーション装置100には、ディスプレイ15(表示手段に相当)が接続されている。また、ナビゲーション装置100には、インターフェース6を介し、現在地検出センサ22、スピーカ18、タッチパネル21、及び燃料残量計23が接続されている。これらディスプレイ15及び現在地検出センサ22は、ナビゲーション装置100の一部として構成してもよい。
【0015】
現在地検出センサ22(検出手段に相当)としては、加速度センサ5、ジャイロセンサ2、車速パルス検出器3、GPS(Global Positioning System)4及び地磁気センサ11のうち、少なくともいずれか又はこれらいずれかの組み合わせを例示することができる。
【0016】
加速度センサ5は、たとえば車両1の加速度及び傾斜角の少なくとも一方を検出する機能を有する。ジャイロセンサ2は、たとえば車両1の移動方位の検出を行う機能を有する。車速パルス検出器3は、たとえば車両1の移動量や加速度を検出する機能を有する。この車速パルス検出器3は、車両1が移動中であるか或いは停止中であるかを検出し、その検出状態を出力する。この車速パルス検出器3は、車両1が移動中である場合にはこの車両1の走行速度及び移動距離に関する走行状態データを出力する機能を有する。
【0017】
GPS4は、複数のGPS衛星からの電波を受信して演算を行い、測位を行う機能を有する。このGPS4は、たとえば緯度、経度、高度及び進行方位のいずれか又はこれらいずれかの組み合わせの測位データを生成する。具体的には、このGPS4は、たとえば同時に観測した4機の衛星までの疑似距離を測定し、これら4機の衛星までの疑似距離の差に基づいて、現在地の測位を行う機能を有する。またGPS4は、GPS衛星からの電波を受信して演算を行い、現在時刻を取得する機能も有する。時計回路10より出力される時刻は、このGPS4の取得結果に基づき補正される。これにより、演算装置20は時計回路10より正確な現在時刻を取得することができる。地磁気センサ11は、地磁気に基づいて車両の絶対方位を表す角度を検出する方位検出装置の一種である。このような角度としては、たとえば方位角を挙げることができる。
【0018】
記憶装置18は、ROM8、RAM9及び記憶媒体16を有する。ROM8は、後述する各種の処理プログラムやその他必要な情報が予め書き込まれた情報記憶媒体である。RAM9は、上記各種のプログラムを実行する上で必要な情報の書き込み及び読み出しが行われる情報記憶媒体である。このRAM9は、後述するプログラム、テーブル及びデータを揮発的に記憶可能なメモリである。記憶媒体16は、上述したように、たとえばCD、HDD、フラッシュメモリ等の情報記憶媒体である。この記憶媒体16は、地図データや操作メニューデータ、楽曲データ等を書き換え可能に記憶する。操作メニューデータの詳細については後述する。
【0019】
演算装置20は、CPU7及びグラフィックコントローラ13を有する。CPU7は、上記各種のプログラムに従って各種の演算、制御を行う機能を有する。グラフィックコントローラ13は、CPU7の制御によってビデオRAM(図示せず)などから画像データを取得し、この画像データに基づく画像を表示制御回路14によってディスプレイ15に表示させる機能を有する。
【0020】
具体的には、このグラフィックコントローラ13は、このCPU7の制御によって、たとえば上記地図データに基づく電子地図をディスプレイ15に表示させたり、その電子地図上に自らの車両の位置(現在地)を表すマークや探索した目的地または経由地までの経路を重ねてマッピングさせて誘導表示させる機能等を有する。さらに、車両1の誘導に係わる所定の操作コマンドを実行するための少なくとも1つの操作ボタン、たとえば、駐車場やガソリンスタンド等を検索する各種検索コマンドを実行するための「駐車場」ボタンや「ガソリンスタンド」ボタン、並びに、再生させる楽曲データを所定の表示態様で表示させる楽曲表示コマンドを実行するための「トラックリスト」や「グループリスト」ボタン等、各種ボタンを示す画像データに基づいて当該操作ボタンを表す画像を、ディスプレイ15上の所定位置に電子地図と重ね合わせて表示させる機能等も有する。なお、上記各種操作ボタンを示す画像データは、記憶媒体16に記憶されている。
【0021】
タッチパネル21は、ディスプレイ15の表示領域の表面に沿って設けられている。このタッチパネル21は、たとえばディスプレイ15の表示領域の表面における各種操作ボタンを表す画像の表示位置に対してユーザ(運転者や同乗者)による接触操作があった場合、その接触箇所に対応したシリアル信号が発生される。これにより、上記ディスプレイ15に表示された各種操作ボタンを表す画像に対してユーザにより接触操作されると、当該画像に対応する上記操作コマンドが実行される。なお、本実施形態では、タッチパネル21を用いて説明するが、このタッチパネル21に限ることなく、静電センサを用いた操作パネル、または、ディスプレイ21の表示領域に表示された各種操作ボタンを表す画像のうちの一つをカーソル等により指定して操作する操作パネル等、ディスプレイ15の表示領域の表面にて実現できる操作パネルであればいずれでも適用できる。
【0022】
スピーカ18は、CPU7の制御によって上記誘導表示に伴う誘導案内音声や、再生された楽曲音を出力する機能を有する。また燃料残量計23は、燃料タンク内の燃料(ガソリン)の残量を検出する機能を有する。
【0023】
図2は、図1に示すナビゲーション装置100において動作するソフトウェア構成例を示す機能ブロック図である。なお、図2に示すソフトウェアは、CPU7が動作を制御するプログラム及びデータの一例を示している。以下、図1を参照しつつソフトウェアの構成例について説明する。
【0024】
ナビゲーションプログラムは、その機能として経路探索部41、誘導部42、状態量検出部43及び表示制御部44を有し、上述した各機能や後述する各機能をナビゲーション装置100において発揮させる。
【0025】
経路探索部41は、自分の車両1の現在地から、ユーザにより設定された目的地または経由地までの経路を探索する機能を有する。誘導部42は、地図データベースMDより現在地周辺の地図データを取得し、当該地図データに基づきディスプレイ15に表示させた電子地図上に、上記経路探索部41により探索された経路を重ねて表示させつつ、車両1を誘導する機能を有する。
【0026】
状態量検出部43は、走行する車両1に係わる状態量、例えば、現在地検出センサ22の検出結果に基づく車両1の現在地や、時計回路10の出力に基づく現在時刻、燃料残量計23の検出結果に基づく燃料の残量等を検出する機能を有する。
【0027】
表示制御部44(表示制御手段に相当)は、操作メニュー情報データベースODに格納された操作メニューデータを用いて、上述した各種操作コマンドを実行するための複数の操作ボタンを含む操作メニューを、ディスプレイ15に表示させる機能を有する。この表示機能の詳細について、図3及び図4を用いて説明する。
【0028】
操作メニュー情報データベースODに格納された上記操作メニューデータは、どの階層においてどの操作ボタンを表示させるかを規定する情報である。また上記操作メニューは、上記操作メニューデータに基づいて複数の階層に対し割り当てが行われた複数の操作ボタン群である。図3は、表示制御部44により更新がなされていない状態(以下、デフォルト状態と称する)における、操作メニューデータの内容の一例を表す図である。なお、操作メニューデータの更新機能については後述する。
【0029】
図3に示すように、操作メニューデータは、複数の階層からなる操作メニューの各階層ごとに、少なくとも1つの操作コマンド(操作ボタンを示す画像データを含む)を割り当てたデータ構造を有している。なお図3では、理解を容易とするため、各階層に各操作コマンドに対応する操作ボタン自体を割り当てた構造として図示する(以後の図面でも同様)。表示制御部44は、ディスプレイ15に表示された操作ボタンを表す画像の表示位置に対し、ユーザによる接触操作がなされていない状態では、操作メニュー情報データベースODから読み出した操作メニューデータの最上位階層である第1階層の操作ボタンを示す画像データを取得し、当該画像データに基づいて当該第1階層の操作ボタンの各々を表す画像をディスプレイ15に表示させている。すなわち、この場合の操作メニューデータにおける表示対象となる階層(以下、表示対象階層と称する)は第1階層となる。
【0030】
たとえば図3に示す例では、第1階層に「メニュー」ボタンと「ビュー」ボタンが割り当てられている。図4は、表示制御部44が図3に示す操作メニューデータを読み出したときのディスプレイ15の表示の一例を表す図である。図4に示すように、ディスプレイ15には、車両1の現在地周辺の電子地図上に、自らの車両1の現在地を表すマークM及び探索した目的地または経由地までの経路RTがマッピングされて表示されると共に、上記第1階層に割り付けられた「メニュー」ボタンを表す画像と「ビュー」ボタンを表す画像が重ねて表示されている。
【0031】
上記「メニュー」ボタン及び「ビュー」ボタンは、上記表示対象階層を下位階層(この場合は第2階層)に遷移し、各々に関連付けられた所定の操作ボタン(第2階層に割り当てられている)を表す画像を表示させる表示操作コマンドを実行するための操作ボタンである。たとえば「メニュー」ボタンには、現在地周辺の各種施設を検索する周辺検索機能、渋滞情報を取得し表示させる渋滞情報機能、記憶部16に記憶された楽曲データを再生させる楽曲再生機能、及び表示対象階層を上位階層に遷移させて表示を1つ前に戻すための戻る機能を実行させるための「周辺検索」ボタン、「渋滞情報」ボタン、「楽曲再生」ボタン、及び「戻る」ボタンが各々関連付けられている。また「ビュー」ボタンには、ディスプレイ15における電子地図の表示態様(たとえば平面的か立体的か、表示方向、縮尺、表示色、文字サイズ等)を変更するための各種操作ボタン(図示省略)が関連付けられている。これら「メニュー」ボタン及び「ビュー」ボタンに各々関連付けられた上記複数の操作ボタンは、第2階層に割り当てられている。なお、図3の第2階層では煩雑防止のため「メニュー」ボタンに関連付けられた操作ボタンのみを図示している。
【0032】
したがって、たとえばディスプレイ15に表示された「メニュー」ボタンを表す画像の表示位置がユーザにより接触操作されると、当該画像(「メニュー」ボタン)に対応する上記表示操作コマンドが実行され、表示対象階層が第2階層に遷移し、「メニュー」ボタンに関連付けられた上記「周辺検索」ボタン、「渋滞情報」ボタン、「楽曲再生」ボタン、及び「戻る」ボタンの各々を表す画像がディスプレイ15に表示される。これらの操作ボタン(「戻る」ボタンを除く)も上記と同様に、表示対象階層を下位階層(この場合は第3階層)に遷移し、各々に関連付けられた所定の操作ボタン(第3階層に割り当てられている)を表す画像を表示させる表示操作コマンドを実行するための操作ボタンである。たとえば「周辺検索」ボタンには、現在地周辺の車関連施設の検索機能、飲食に係わる施設の検索機能、休憩場所に係わる施設の検索機能、及び遊戯に係わる施設の検索機能を実行させるための「車関連施設」ボタン、「食べる・飲む」ボタン、「休む」ボタン、及び「遊ぶ」ボタンと、上記「戻る」ボタンが各々関連付けられている。また「渋滞情報」ボタンには、渋滞情報を取得し、当該取得した渋滞情報をディスプレイ15に表示させるための各種操作ボタンが関連付けられており、「楽曲再生」ボタンには、再生する楽曲データを格納した記憶媒体を選択するための「CD」ボタンや「ハードディスク」ボタン、及び「フラッシュメモリ」ボタンが関連付けられている。これらの関連付けられた操作ボタンは、第3階層に割り当てられている。なお、図3の第3階層では煩雑防止のため「周辺施設」ボタンに関連付けられた操作ボタンのみを図示している。
【0033】
これにより、たとえばディスプレイ15に表示された「周辺検索」ボタンを表す画像の表示位置がユーザにより接触操作されると、当該画像(「周辺検索」ボタン)に対応する上記表示操作コマンドが実行され、表示対象階層が第3階層に遷移し、「周辺検索」ボタンに関連付けられた「車関連施設」ボタン、「食べる・飲む」ボタン、「休む」ボタン、「遊ぶ」ボタン、及び「戻る」ボタンの各々を表す画像がディスプレイ15に表示される。これらの操作ボタン(「戻る」ボタンを除く)も上記と同様に、表示対象階層を下位階層(この場合は第4階層)に遷移し、各々に関連付けられた所定の操作ボタン(第4階層に割り当てられている)を表す画像を表示させる表示操作コマンドを実行するための操作ボタンである。たとえば「車関連施設」ボタンには、現在地周辺の駐車場の検索機能、ガソリンスタンドの検索機能、及びディーラーの検索機能を実行させるための「駐車場」ボタン、「ガソリンスタンド」ボタン、及び「ディーラー」ボタンと、上記「戻る」ボタンが各々関連付けられている。また「食べる・飲む」ボタンには、飲食に係わる施設(たとえばファミリーレストラン、ファーストフード等)を検索し、当該検索結果をディスプレイ15に表示させるための各種操作ボタンが関連付けられており、「休む」ボタンには、休憩に係わる施設(たとえばコンビニエンスストア、公園等)を検索し、当該検索結果をディスプレイ15に表示させるための各種操作ボタンが関連付けられており、「遊ぶ」ボタンには、遊戯に係わる施設(たとえば遊園地、映画館等)を検索し、当該検索結果をディスプレイ15に表示させるための各種操作ボタンが関連付けられている。これらの関連付けられた操作ボタンは、第4階層に割り当てられている。なお、図3の第4階層では煩雑防止のため「車関連施設」ボタンに関連付けられた操作ボタンのみを図示している。
【0034】
これにより、たとえばディスプレイ15に表示された「車関連施設」ボタンを表す画像の表示位置がユーザにより接触操作されると、当該画像(「車関連施設」ボタン)に対応する上記表示操作コマンドが実行され、表示対象階層が最下位階層である第4階層に遷移し、「車関連施設」ボタンに関連付けられた「駐車場」ボタン、「ガソリンスタンド」ボタン、「ディーラー」ボタン、及び「戻る」ボタンの各々を表す画像がディスプレイ15に表示される。これらの操作ボタン(「戻る」ボタンを除く)は、現在地周辺の検索対象施設を検索し、その検索結果をディスプレイ15に表示させる検索コマンドを実行するための操作ボタンである。したがって、たとえばディスプレイ15に表示された「駐車場」ボタンがユーザにより操作されると、上記検索コマンドが実行され、現在地周辺の駐車場が検索されて、その検索結果がディスプレイ15に表示される。
【0035】
なお、上記第2階層以下のいずれの階層においても、ディスプレイ15に表示された「戻る」ボタンがユーザにより操作されると、「戻る」ボタンに対応する上記表示操作コマンドが実行され、表示対象階層が上位階層に遷移されて、当該上位階層に割り当てられた操作ボタンの各々を表す画像がディスプレイ15に表示される。
【0036】
また図3では、操作メニューデータが4つの階層からなるデータ構造を有する場合を例として説明したが、たとえば「駐車場」ボタンの下位階層に駐車場の種別(有料駐車場、無料駐車場等)ごとの操作ボタンを関連付ける等、さらに多数階層からなるデータ構造としてもよい。また各階層に対しさらに多数の操作コマンドに対応する多数の操作ボタンを割り当ててもよい。
【0037】
次に、表示制御部44による操作メニューデータの更新機能について説明する。表示制御部44は、上記状態量検出部43による検出結果に基づき、操作メニュー情報データベースODに更新可能に格納された操作メニューデータを更新し、操作コマンドの階層割り当て内容を変更する機能を有する。この更新機能の詳細について、以下、図5〜図25を用いて詳細に説明する。
【0038】
図5は、ナビゲーション装置100による誘導表示処理の手順例を示すフローチャートである。この誘導表示処理は、上記ナビゲーションプログラムがCPU7の制御によって動作することにより実現される手順を含んでいる。このフローチャートは、ナビゲーション装置100の電源がONにされた際に、CPU7の制御に基づき処理が開始される。
【0039】
ステップS1では、状態量検出部43は、現在地検出センサ22の検出結果に基づく車両1の現在地を取得する。
【0040】
ステップS2では、誘導部42は、地図データベースMDより上記ステップS1で取得した現在地周辺の地図データを取得する。
【0041】
ステップS3では、表示制御部44は、操作メニュー情報データベースODよりデフォルト状態の操作メニューデータ(たとえば図3に示す内容のデータ)を取得する。
【0042】
ステップS4では、表示制御部44は、上記ステップS2で取得した地図データに基づきディスプレイ15に現在地周辺の電子地図を表示させるとともに、その電子地図上に、上記ステップS1での取得結果に基づく車両1の現在地を表すマークMと、上記ステップS3で取得した操作メニューデータの最上位階層である第1階層に割り当てられた操作ボタンの各々を表す画像とを重ね合わせて、ディスプレイ15に表示させる。この結果、ディスプレイ15の表示はたとえば前述の図4に示す表示(但し経路RTを除く)となる。
【0043】
ステップS5では、経路探索部41は、ユーザにより目的地(または経由地でもよい。以下、本フローチャートにおいて同様)が設定されたか否かを判定する。目的地が設定されていないと判定した場合(ステップS5:NO)には、後述のステップS13(図9参照)に移行する。一方、目的地が設定されていると判定した場合(ステップS5:YES)には、ステップS6に移行する。
【0044】
ステップS6では、経路探索部41は、上記ステップS1で取得した車両1の現在地から、上記ステップS5で設定された目的地までの経路を探索する。
【0045】
ステップS7では、誘導部42は、上記ステップS4において表示制御部44によりディスプレイ15に表示された現在地周辺の電子地図上に、上記ステップS6で経路探索部41により探索された経路をマッピングさせて誘導表示を行いつつ、車両1の案内を行う。このときのディスプレイ15の表示はたとえば前述の図4に示す表示となる。なお、フローチャートでは図示を省略しているが、この経路案内中にも、上記ステップS1と同様に、状態量検出部43による車両1の現在地の取得処理が所定時間毎に行われる。
【0046】
ステップS8では、表示制御部44は、状態量検出部43により取得された車両1の現在地と、上記ステップS5で設定された目的地との距離が予め設定された所定距離(例えば1km)以内となったか否かを判定する。現在地と目的地との距離が所定距離より大きいと判定した場合(ステップS8:NO)には、上記ステップS7に戻る。一方、現在地と目的地との距離が所定距離以内であると判定した場合(ステップS8:YES)には、ステップS9に移行する。
【0047】
ステップS9では、表示制御部44は、操作メニューデータの最下位階層である第4階層の「駐車場」ボタンが最上位階層である第1階層となるように階層割り当て内容を変更し、操作メニューデータを更新する。そして、当該更新した操作メニューデータの第1階層に割り当てられた「駐車場」ボタンを表す画像を現在地周辺の電子地図上に重ね合わせて、ディスプレイ15に表示させる。
【0048】
図6はこのときの更新された操作メニューデータの内容の一例を表す図であり、図7はこのときのディスプレイ15の表示の一例を表す図である。図6に示すように、表示制御部44は、デフォルト状態において操作メニューデータの第4階層に割り当てられた「駐車場」ボタンを第1階層にするとともに、それ以外の操作ボタンについては各々の階層が1つずつ下位の階層となるように、階層割り当て内容を変更する。この結果、更新後の操作メニューデータは5つの階層からなるデータ構造を有している。また第1階層には、上記「駐車場」ボタンとともに「戻る」ボタンを割り当てる。これにより、図7に示すように、ディスプレイ15では、第2階層に変更された「メニュー」ボタンと「ビュー」ボタンの各々を表す画像が表示されなくなるとともに、第1階層に変更された「駐車場」ボタン及び「戻る」ボタンの各々を表す画像が電子地図上に重ねて表示される。
【0049】
なお、上記第1階層に割り当てられた「戻る」ボタンは、表示対象階層を下位階層(この場合は第2階層)に遷移し、関連付けられた操作ボタン(この場合はデフォルト状態で第1階層に存在した「メニュー」ボタンと「ビュー」ボタン)の各々を表す画像を表示させる表示操作コマンドを実行するための操作ボタンである。これにより、操作メニューデータが更新され、図7に示すように「駐車場」ボタンと「戻る」ボタンを表す画像が表示された状態となっても、ユーザが「戻る」ボタンを操作することにより、表示対象階層が第2階層に遷移されて、デフォルト状態に対応した初期表示(たとえば図4に示す表示)に戻すことが可能となっている。
【0050】
なお、図6に示す例では、「駐車場」ボタンを第1階層に変更した後も元の階層(変更後の第5階層)の「駐車場」ボタンをそのまま残すようにしたが、元の階層のボタンを削除してもよい。これにより、異なる階層に同じ操作ボタンが重複して割り当てられることを防止できる。
【0051】
図5に戻り、ステップS10では、表示制御部44は、上記ステップS9でディスプレイ15に表示された「駐車場」ボタンを表す画像の表示位置がユーザにより接触操作されたか否かを判定する。「駐車場」ボタンが接触操作されたと判定した場合(ステップS10:YES)には、ステップS11に移行する。
【0052】
ステップS11では、表示制御部44は、当該画像(「駐車場」ボタン)に対応する検索コマンドを実行し、地図データに含まれる施設情報に基づいて現在地周辺の駐車場を検索して、その検索結果をディスプレイ15において電子地図上に重ねて表示する。以上により、処理を終了する。
【0053】
図8は、このときのディスプレイ15の表示の一例を表す図である。この図8に示すように、ディスプレイ15には現在地周辺で抽出された駐車場を表す駐車場マークPが表示されている。また、この検索結果の表示時には「駐車場」ボタンを表す画像の表示は消え、操作ボタンは「戻る」ボタンを表す画像のみ表示される。この「戻る」ボタンが接触操作されると、たとえばデフォルト状態に対応した初期表示(たとえば図4に示す表示)に戻るようになっている。なお、図8に示す例では単に駐車場の位置のみ表示するようにしたが、併せて詳細情報(駐車台数、有料か無料か等)を表示してもよい。また、ユーザが表示された駐車場のうち所望の駐車場マークPを操作すると、当該駐車場までの経路案内が開始されるようにしてもよい。
【0054】
図5に戻り、上記ステップS10において、「駐車場」ボタンを表す画像の表示位置が接触操作されていないと判定した場合(ステップS10:NO)には、ステップS12に移行する。
【0055】
ステップS12では、表示制御部44は、上記ステップS9における「駐車場」ボタンを表す画像の表示後の経過時間を、表示開始時に時計回路10より取得した時刻情報と現在時刻との差から算出し、当該経過時間が所定時間(例えば30秒)以上であるか否かを判定する。経過時間が所定時間未満であると判定した場合(ステップS12:NO)には、上記ステップS10に戻る。一方、経過時間が所定時間以上であると判定した場合(ステップS12:YES)には、後述のステップS13(図9参照)に移行する。
【0056】
図9に移り、ステップS13では、表示制御部44は、時計回路10より現在時刻を取得する。
【0057】
ステップS14では、表示制御部44は、上記ステップS13で取得した現在時刻が、ユーザに操作を促す時間帯に該当するか否かを判定する。ここでユーザに操作を促す時間帯とは、後述する食事時間帯(例えば7:00〜8:00、11:30〜13:00、17:30〜19:30)や、運転開始後の経過時間が予め定められた所定時間幅(例えば2〜3時間)となる休憩時間帯のことを指す。現在時刻が上記時間帯に該当しない場合(ステップS14:NO)には、後述のステップS21(図14参照)に移行する。一方、現在時刻が上記時間帯に該当する場合(ステップS14:YES)には、ステップS15に移行する。
【0058】
ステップS15では、表示制御部44は、上記ステップS13で取得した現在時刻が上記食事時間帯と上記休憩時間帯のいずれの種別の時間帯に該当するかを認識し、次のステップS16で、その認識結果に基づき、現在時刻が上記食事時間帯に該当するか否かを判定する。現在時刻が食事時間帯に該当しない場合、すなわち休憩時間帯に該当する場合(ステップS16:NO)には、後述のステップS33(図21参照)に移行する。一方、現在時刻が食事時間帯に該当する場合(ステップS16:YES)には、ステップS17に移行する。
【0059】
なお、上記ステップS16において現在時刻が食事時間帯に該当する場合(ステップS16:YES)は、特許請求の範囲に記載の、検出された現在時刻と予め定めた食事時間帯との間の残余時間がしきい値としての所定時間(上記の例では0)より短くなったとき、に相当する。
【0060】
ステップS17では、表示制御部44は、操作メニューデータの最下位階層である第4階層の飲食店検索に係わる操作ボタン(例えば後述する「ファミリーレストラン」ボタン、「ファーストフード」ボタン、「中華」ボタン、「和食」ボタン)が最上位階層である第1階層となるように階層割り当て内容を変更し、操作メニューデータを更新する。そして、当該更新した操作メニューデータの第1階層に割り当てられた飲食店検索に係わる各種操作ボタンの各々を表す画像を現在地周辺の電子地図上に重ね合わせて、ディスプレイ15に表示させる。
【0061】
図10はデフォルト状態における操作メニューデータの内容の一例を表す図であり、前述した図3と異なり、第4階層に「食べる・飲む」ボタンに関連付けられた操作ボタンを図示している。また図11は上記ステップS17において更新された操作メニューデータの内容の一例を表す図であり、図12はこのときのディスプレイ15の表示の一例を表す図である。
【0062】
図10に示すように、デフォルト状態の操作メニューデータにおいては、「食べる・飲む」ボタンには、現在地周辺のファミリーレストランの検索機能、ファーストフード店の検索機能、中華料理店の検索機能、及び和食料理店の検索機能を実行させるための「ファミリーレストラン」ボタン、「ファーストフード」ボタン、「中華」ボタン、及び「和食」ボタンと、「戻る」ボタンが各々関連付けられている。これらの関連付けられた操作ボタンは、最下位階層である第4階層に割り当てられている。
【0063】
そして、図11に示すように、表示制御部44は、上記した図10に示すデフォルト状態において操作メニューデータの第4階層に割り当てられた「ファミリーレストラン」ボタン、「ファーストフード」ボタン、「中華」ボタン、及び「和食」ボタンを第1階層にするとともに、それ以外の操作ボタンについては各々の階層が1つずつ下位の階層となるように、階層割り当て内容を変更する。また前述と同様に、第1階層には「戻る」ボタンを割り当てる。これにより、図12に示すように、ディスプレイ15では、第2階層に変更された「メニュー」ボタンと「ビュー」ボタンを表す画像が表示されなくなるとともに、第1階層に変更された「ファミリーレストラン」ボタン、「ファーストフード」ボタン、「中華」ボタン、「和食」ボタン、及び「戻る」ボタンの各々を表す画像が電子地図上に重ねて表示される。
【0064】
図9に戻り、ステップS18では、表示制御部44は、上記ステップS17でディスプレイ15に表示された「ファミリーレストラン」ボタン、「ファーストフード」ボタン、「中華」ボタン、及び「和食」ボタンの各々を表す画像のうち、いずれかの飲食店検索に係わる操作ボタンを表す画像の表示位置がユーザにより接触操作されたか否かを判定する。いずれかの操作ボタンが接触操作されたと判定した場合(ステップS18:YES)には、ステップS19に移行する。
【0065】
ステップS19では、表示制御部44は、当該画像(飲食店検索に係わる操作ボタン)に対応する検索コマンドを実行し、地図データに含まれる施設情報に基づいて現在地周辺の飲食店を検索して、その検索結果をディスプレイ15において電子地図上に重ねて表示する。以上により、処理を終了する。
【0066】
図13は、上記ステップS18において「ファミリーレストラン」ボタンが操作された場合における、上記ステップS19でのディスプレイ15の表示の一例を表す図である。この図13に示すように、ディスプレイ15には現在地周辺で抽出されたファミリーレストランを表すファミレスマークFRが表示されている。また、この検索結果の表示時には、前述と同様に「ファミリーレストラン」ボタン、「ファーストフード」ボタン、「中華」ボタン、及び「和食」ボタンを表す画像の表示は消え、操作ボタンは「戻る」ボタンを表す画像のみ表示される。なお、この図13に示す例でも、前述と同様に、単にファミリーレストランの位置のみ表示するのではなく、併せて詳細情報(ファミリーレストラン名、メニュー一覧等)を表示してもよい。また、ユーザが表示されたファミリーレストランのうち所望のファミレスマークFRを操作すると、当該ファミリーレストランまでの経路案内が開始されるようにしてもよい。
【0067】
図9に戻り、上記ステップS18において、「ファミリーレストラン」ボタン、「ファーストフード」ボタン、「中華」ボタン及び「和食」ボタンのうち、いずれの操作ボタンを表す画像の表示位置も接触操作されていないと判定した場合(ステップS18:NO)には、ステップS20に移行する。
【0068】
ステップS20では、表示制御部44は、上記ステップS18における飲食店検索に係わる操作ボタンを表す画像の表示後の経過時間を算出し、当該経過時間が所定時間(例えば30秒)以上であるか否かを判定する。経過時間が所定時間未満であると判定した場合(ステップS20:NO)には、上記ステップS18に戻る。一方、経過時間が所定時間以上であると判定した場合(ステップS20:YES)には、前述のステップS3に戻り、上記ステップS17で更新された操作メニューデータをデフォルト状態の操作メニューデータに戻し、再び同様の手順を繰り返す。
【0069】
図14に移り、ステップS21では、状態量検出部43は、燃料残量計23の検出結果に基づく車両1の燃料タンク内の燃料残量を取得する。
【0070】
ステップS22では、表示制御部44は、上記ステップS21において状態量検出部43により取得された燃料残量に基づき、燃料残量が不足か否かを判定する。この判定は、燃料残量と所定のしきい値とを比較することにより行われる。このしきい値は、たとえば、目的地が設定されていない場合には車両1の燃費等を考慮して予め設定された値(例えば5リットル)であり、目的地が設定されている場合には当該目的地までの走行に必要な燃料必要量として算出された値である。なおこの燃料必要量の算出は、車両1の燃費や現在の渋滞状況等を加味して行ってもよい。燃料残量が上記しきい値より多い場合には足りていると判定し、しきい値以下となった場合には不足と判定する。燃料残量が不足していると判定した場合(ステップS22:YES)には、ステップS23に移行する。
【0071】
なお、上記ステップS22において燃料残量が不足している場合(ステップS22:YES)は、特許請求の範囲に記載の、検出された燃料残量と予め定めた燃料限界量との間の差が、しきい値としての所定量(この場合は0)より小さくなったときに相当する。
【0072】
ステップS23では、表示制御部44は、エコルート表示を行うか否かを判定する。エコルートとは、たとえば渋滞の少ない経路や起伏の少ない経路等、燃料の消費量が比較的少ないと考えられる経路のことである。エコルート表示を行うか否かは、たとえばユーザが予めエコルート表示の有無を設定するようにしてもよいし、燃料が不足する度に表示の実行の有無の入力をユーザに促す表示をディスプレイ15で行い、当該ユーザの入力に基づいて判定してもよい。エコルート表示を行わないと判定した場合(ステップS23:NO)には、後述のステップS26に移行する。一方、エコルート表示を行うと判定した場合(ステップS23:YES)には、ステップS24に移行する。
【0073】
ステップS24では、経路探索部41は、状態量検出部43により取得された車両1の現在地と、現在地周辺の渋滞情報や地図データに含まれる現在地周辺の高度情報等に基づき、燃料の消費量が比較的少ないと考えられるエコルートを探索する。
【0074】
ステップS25では、誘導部42は、ディスプレイ15に表示された現在地周辺の電子地図上に、上記ステップS24で経路探索部41により探索されたエコルートをマッピングさせて誘導表示を行いつつ、車両1の案内を行う。
【0075】
ステップS26では、表示制御部44は、操作メニューデータの最下位階層である第4階層の「ガソリンスタンド」ボタン(図3参照)が最上位階層である第1階層となるように階層割り当て内容を変更し、操作メニューデータを更新する。そして、当該更新した操作メニューデータの第1階層に割り当てられた「ガソリンスタンド」ボタンを表す画像を現在地周辺の電子地図上に重ね合わせて、ディスプレイ15に表示させる。
【0076】
図15はこのときの更新された操作メニューデータの内容の一例を表す図であり、図16はこのときのディスプレイ15の表示の一例を表す図である。図15に示すように、表示制御部44は、デフォルト状態において操作メニューデータの第4階層に割り当てられた「ガソリンスタンド」ボタンを第1階層にするとともに、それ以外の操作ボタンについては各々の階層が1つずつ下位の階層となるように、階層割り当て内容を変更する。また第1階層には、前述と同様に「戻る」ボタンを割り当てる。これにより、図16に示すように、ディスプレイ15では、第2階層に変更された「メニュー」ボタンと「ビュー」ボタンの各々を表す画像が表示されなくなるとともに、第1階層に変更された「ガソリンスタンド」ボタン及び「戻る」ボタンの各々を表す画像が電子地図上に重ねて表示される。
【0077】
図14に戻り、ステップS27では、表示制御部44は、上記ステップS26でディスプレイ15に表示された「ガソリンスタンド」ボタンを表す画像の表示位置がユーザにより接触操作されたか否かを判定する。「ガソリンスタンド」ボタンが接触操作されたと判定した場合(ステップS27:YES)には、ステップS28に移行する。
【0078】
ステップS28では、表示制御部44は、当該画像(「ガソリンスタンド」ボタン)に対応する検索コマンドを実行し、地図データに含まれる施設情報に基づいて現在地周辺のガソリンスタンドを検索して、その検索結果をディスプレイ15において電子地図上に重ねて表示する。以上により、処理を終了する。
【0079】
図17は、このときのディスプレイ15の表示の一例を表す図である。この図17に示すように、ディスプレイ15には現在地周辺で抽出されたガソリンスタンドを表す給油所マークGSが表示されている。また前述と同様に、この検索結果の表示時には「ガソリンスタンド」ボタンを表す画像の表示は消え、操作ボタンは「戻る」ボタンを表す画像のみ表示される。なお、前述と同様に、単にガソリンスタンドの位置のみ表示するのではなく、併せて詳細情報(石油会社名、価格等)を表示してもよい。また、ユーザが表示されたガソリンスタンドのうち所望の給油所マークGSを操作すると、当該ガソリンスタンドまでの経路案内が開始されるようにしてもよい。
【0080】
図14に戻り、上記ステップS27において、「ガソリンスタンド」ボタンを表す画像の表示位置が接触操作されていないと判定した場合(ステップS27:NO)には、ステップS29に移行する。
【0081】
ステップS29では、表示制御部44は、上記ステップS26におけるガソリンスタンドボタンを表す画像の表示後の経過時間を算出し、当該経過時間が所定時間(例えば30秒)以上であるか否かを判定する。経過時間が所定時間未満であると判定した場合(ステップS29:NO)には、上記ステップS27に戻る。一方、経過時間が所定時間以上であると判定した場合(ステップS29:YES)には、前述のステップS3に戻り、上記ステップS26で更新された操作メニューデータをデフォルト状態の操作メニューデータに戻し、再び同様の手順を繰り返す。
【0082】
一方、前述のステップS22において、燃料残量が足りていると判定した場合(ステップS22:NO)には、ステップS30に移行する。ステップS30では、表示制御部44は、状態量検出部43により取得された車両1の現在地と、この現在地に対応する地図データに含まれる道路種別情報に基づき、現在走行中の走行道路の種別情報を取得する。なお、このステップS30の手順が、各請求項記載の検出手段及び検出工程に相当する。
【0083】
ステップS31では、表示制御部44は、上記ステップS30で取得した種別情報に基づき、走行道路が高速道路であるか否かを判定する。走行道路が高速道路でないと判定した場合(ステップS31:NO)には、前述のステップS3に戻り、後述するステップS32で操作メニューデータを更新している場合には、デフォルト状態の操作メニューデータに戻し、再び同様の手順を繰り返す。一方、走行道路が高速道路であると判定した場合(ステップS31:YES)には、ステップS32に移行する。
【0084】
ステップS32では、表示制御部44は、操作メニューデータの最下位階層である第4階層の楽曲再生に係わる操作ボタン(例えば後述する「トラックリスト」ボタン、「グループリスト」ボタン)が最上位階層である第1階層となるように階層割り当て内容を変更し、操作メニューデータを更新する。そして、当該更新した操作メニューデータの第1階層に割り当てられた楽曲再生に係わる操作ボタンを表す画像を現在地周辺の電子地図上に重ね合わせて、ディスプレイ15に表示させる。その後、上記ステップS30に戻る。なお、このステップS32の手順が、各請求項記載の表示工程に相当する。
【0085】
図18はデフォルト状態における操作メニューデータの内容の一例を表す図であり、前述した図3と異なり、第3階層に「楽曲再生」ボタンに関連付けられた「CD」ボタン、「ハードディスク」ボタン、及び「フラッシュメモリ」ボタン等を図示し、さらに第4階層に上記「ハードディスク」ボタンに関連付けられた「トラックリスト」ボタン及び「グループリスト」ボタン等を図示している。また図19は上記ステップS32において更新された操作メニューデータの内容の一例を表す図であり、図20はこのときのディスプレイ15の表示の一例を表す図である。
【0086】
図18に示すように、デフォルト状態の操作メニューデータにおいては、「楽曲再生」ボタンには、再生する楽曲データを格納した記憶媒体を選択するための「CD」ボタン、「ハードディスク」ボタン、及び「フラッシュメモリ」ボタンと、「戻る」ボタンが各々関連付けられている。これらの関連付けられた操作ボタンは、第3階層に割り当てられている。さらに、上記「ハードディスク」ボタンには、再生させる楽曲データを楽曲名の一覧リストとして表示させるための「トラックリスト」ボタン、及び再生させる楽曲データをアーティストごとにグルーピングしたグルーピング名の一覧リストとして表示させるための「グループリスト」ボタンと、「戻る」ボタンが各々関連付けられている。これらの関連付けられた操作ボタンは、最下位階層である第4階層に割り当てられている。
【0087】
そして、図19に示すように、表示制御部44は、上記した図18に示すデフォルト状態において操作メニューデータの第4階層に割り当てられた「トラックリスト」ボタン及び「グループリスト」ボタンを第1階層にするとともに、それ以外の操作ボタンについては各々の階層が1つずつ下位の階層となるように、階層割り当て内容を変更する。また前述と同様に、第1階層には「戻る」ボタンを割り当てる。これにより、図20に示すように、ディスプレイ15では、第2階層に変更された「メニュー」ボタンと「ビュー」ボタンを表す画像が表示されなくなるとともに、第1階層に変更された「トラックリスト」ボタン及び「グループリスト」ボタンの各々を表す画像が電子地図上に重ねて表示される。なお、この図20に示す例では、電子地図上に、次のサービスエリア情報やインターチェンジ情報等を表す高速道路走行表示HWが表示されており、上記第1階層に変更された「トラックリスト」ボタン及び「グループリスト」ボタンを上記高速道路走行表示HW上ではない電子地図上に表示するようにしたが、高速道路走行表示HW上に表示してもよい。
【0088】
図14に戻り、車両1が高速道路を走行中は、表示制御部44はステップS30〜ステップS32を繰り返しつつ、上記図20に示すように「トラックリスト」ボタン及び「グループリスト」ボタンを表す画像を電子地図上に重ねて表示させる。そして、車両1が高速道路から下りた場合には、上述したように表示制御部44は走行道路が高速道路でないと判定し(ステップS31:NO)、前述のステップS3に戻る。これにより、ステップS32で更新された操作メニューデータがデフォルト状態の操作メニューデータに戻されるため、「トラックリスト」ボタン及び「グループリスト」ボタンの各々を表す画像は表示されなくなる。
【0089】
なお、高速道路走行中に、たとえばディスプレイ15に表示された「トラックリスト」ボタンを表す画像の表示位置がユーザにより接触操作されると、当該ナビゲーションプログラムとは別の楽曲再生ソフトウェアがCPU7によって起動され、動作する。これにより、再生させる楽曲データをアーティストごとにグルーピングしたグルーピング名の一覧リストがディスプレイ15に表示される。
【0090】
図21に移り、ステップS33では、表示制御部44は、操作メニューデータの最下位階層である第4階層の休憩所検索に係わる操作ボタン(例えば後述する「コンビニエンスストア」ボタン、「公園」ボタン、「道の駅」ボタン)が最上位階層である第1階層となるように階層割り当て内容を変更し、操作メニューデータを更新する。そして、当該更新した操作メニューデータの第1階層に割り当てられた休憩所検索に係わる各種操作ボタンの各々を表す画像を現在地周辺の電子地図上に重ね合わせて、ディスプレイ15に表示させる。
【0091】
図22はデフォルト状態における操作メニューデータの内容の一例を表す図であり、前述した図3と異なり、第4階層に「休む」ボタンに関連付けられた操作ボタンを図示している。また図23は上記ステップS33において更新された操作メニューデータの内容の一例を表す図であり、図24はこのときのディスプレイ15の表示の一例を表す図である。
【0092】
図22に示すように、デフォルト状態の操作メニューデータにおいては、「休む」ボタンには、現在地周辺のコンビニエンスストアの検索機能、公園の検索機能、及び道の駅の検索機能を実行させるための「コンビニエンスストア」ボタン、「公園」ボタン、及び「道の駅」ボタンと、「戻る」ボタンが各々関連付けられている。これらの関連付けられた操作ボタンは、最下位階層である第4階層に割り当てられている。
【0093】
そして、図23に示すように、表示制御部44は、上記した図22に示すデフォルト状態において操作メニューデータの第4階層に割り当てられた「コンビニエンスストア」ボタン、「公園」ボタン、及び「道の駅」ボタンを第1階層にするとともに、それ以外の操作ボタンについては各々の階層が1つずつ下位の階層となるように、階層割り当て内容を変更する。また前述と同様に、第1階層には「戻る」ボタンを割り当てる。これにより、図24に示すように、ディスプレイ15では、第2階層に変更された「メニュー」ボタンと「ビュー」ボタンを表す画像が表示されなくなるとともに、第1階層に変更された「コンビニエンスストア」ボタン、「公園」ボタン、「道の駅」ボタン、及び「戻る」ボタンの各々を表す画像が電子地図上に重ねて表示される。
【0094】
図21に戻り、ステップS34では、表示制御部44は、上記ステップS33でディスプレイ15に表示された「コンビニエンスストア」ボタン、「公園」ボタン、及び「道の駅」ボタンの各々を表す画像のうち、いずれかの休憩所検索に係わる操作ボタンを表す画像の表示位置がユーザにより接触操作されたか否かを判定する。いずれかの操作ボタンが接触操作されたと判定した場合(ステップS34:YES)には、ステップS35に移行する。
【0095】
ステップS35では、表示制御部44は、当該画像(休憩所検索に係わる操作ボタン)に対応する検索コマンドを実行し、地図データに含まれる施設情報に基づいて現在地周辺の休憩所を検索して、その検索結果をディスプレイ15において電子地図上に重ねて表示する。以上により、処理を終了する。
【0096】
図25は、上記ステップS34において「公園」ボタンが操作された場合における、上記ステップS35でのディスプレイ15の表示の一例を表す図である。この図25に示すように、ディスプレイ15には現在地周辺で抽出された公園を表す公園マークPAが表示されるとともに、公園の敷地範囲が色付け表示されている。また、この検索結果の表示時には、前述と同様に「コンビニエンスストア」ボタン、「公園」ボタン、及び「道の駅」ボタンを表す画像の表示は消え、操作ボタンは「戻る」ボタンを表す画像のみ表示される。なお、この図25に示す例でも、前述と同様に、単に公園の位置のみ表示するのではなく、併せて詳細情報(公園名、公衆トイレの有無等)を表示してもよい。また、ユーザが表示された公園のうち所望の公園マークPAを操作すると、当該公園までの経路案内が開始されるようにしてもよい。
【0097】
図21に戻り、上記ステップS34において、「コンビニエンスストア」ボタン、「公園」ボタン、及び「道の駅」ボタンのうち、いずれの操作ボタンを表す画像の表示位置も接触操作されていないと判定した場合(ステップS34:NO)には、ステップS36に移行する。
【0098】
ステップS36では、表示制御部44は、上記ステップS33における休憩所検索に係わる操作ボタンを表す画像の表示後の経過時間を算出し、当該経過時間が所定時間(例えば30秒)以上であるか否かを判定する。経過時間が所定時間未満であると判定した場合(ステップS36:NO)には、上記ステップS34に戻る。一方、経過時間が所定時間以上であると判定した場合(ステップS36:YES)には、前述のステップS3に戻り、上記ステップS33で更新された操作メニューデータをデフォルト状態の操作メニューデータに戻し、再び同様の手順を繰り返す。
【0099】
なお、上記フローチャートでは、目的地(または経由地)を設定していない場合に、飲食店、ガソリンスタンド、休憩所検索に係わる各操作ボタンや楽曲再生に係わる操作ボタンの階層変更を行う場合を一例として説明したが、これに限られず、たとえば目的地(または経由地)が設定され、当該目的地(または経由地)までの経路案内を行っている最中にも、同様に時間帯の判定や燃料残量の判定、及び道路種別の判定を行い、飲食店、ガソリンスタンド、休憩所検索に係わる各操作ボタンや楽曲再生に係わる操作ボタンの階層変更を行うようにしてもよい。
【0100】
以上のように、上記実施形態におけるナビゲーション装置100は、現在地から目的地までの経路を探索する経路探索部41と、地図データに基づく地図上に経路RTを重ねてディスプレイ15(表示手段に相当)に誘導表示を行いつつ車両1を誘導する誘導部42と、更新可能な操作メニューデータを用いて、誘導に係わる所定の操作コマンドを実行するための少なくとも1つの操作ボタンを含む操作メニューを、ディスプレイ15に表示させる表示制御部44(表示制御手段に相当)と、を有するナビゲーション装置100であって、走行する車両1に係わる状態量、たとえば現在地、現在時刻、及びガソリン残量等を検出する状態量検出部43を有し、操作メニューデータは、複数の階層からなる操作メニューの各階層ごとに、少なくとも1つの操作コマンドを割り当てたデータ構造を有し、表示制御部44は、状態量検出部43による検出結果に基づいて操作メニューデータを更新し、操作コマンドの階層割り当て内容を変更する。
【0101】
このナビゲーション装置100においては、現在地から目的地までの経路が経路探索部41によって探索されると、ディスプレイ15にその経路RTが地図と重ねられて表示され、これによって誘導部42による当該車両1の誘導が行われる。このとき、表示制御部44の制御によって、操作メニューデータに基づき、少なくとも1つの操作ボタンを含む操作メニューがディスプレイ15に表示される。そして、ユーザがその表示された操作ボタンを表す画像の表示位置を接触操作することにより、当該画像(操作ボタン)に対応した、ナビゲーション装置100による誘導に係わる所定の操作コマンドが実行される。
【0102】
このとき、上記実施形態においては、操作メニューデータが、複数の階層からなる操作メニューをディスプレイ15に表示するようなデータ構造となっており、かつ、各階層ごとに、所定の操作コマンド(操作ボタン)を割り当てている。これにより、各階層に対応した操作メニューごとに、上記割り当てに対応した少なくとも1つの操作ボタンを表す画像がディスプレイ15に表示される。したがって、誘導部42による誘導中、ディスプレイ15において、ある階層の操作メニューでは所定の操作ボタンを表す画像が表示され、当該階層から所定の操作により遷移する別の階層の操作メニューでは、別の操作ボタンを表す画像が表示されるようになっている。そして、相対的に上位階層にある操作ボタンほど、階層遷移のための操作が少なくて済むことからユーザは迅速に操作を行うことができ、相対的に下位階層にある操作ボタンほど、階層遷移のために多数回の操作が必要になるためユーザが操作するのに時間を要する。
【0103】
このような、操作メニューの各階層にちりばめられた複数の操作ボタンに関し、上記実施形態においては、状態量検出部43を設けて車両1に係わる状態量、たとえば現在地、現在時刻、及びガソリン残量等を検出し、その状態量の検出結果に応じて操作メニューデータを更新し、上記階層割り当ての内容を変更する。これにより、当該検出結果から推測される状況に応じて、操作される可能性が高い操作ボタンほどより上位階層へと割り当てを変更し、操作される可能性が低い操作ボタンほど下位階層へと割り当てを変更することができる。したがって、車両運行時の種々の状況に臨機応変に対応し、ユーザが操作する可能性が高い操作ボタンを操作メニューデータの上位階層に位置させ、ディスプレイ15に表示させるので、ユーザは当該操作ボタンを表す画像の表示位置を迅速に接触操作することができる。この結果、ユーザの操作労力を大きく低減し、利便性を向上することができる。
【0104】
上記実施形態におけるナビゲーション装置100においては、表示制御部44は、車両1に係わる各状態量ごとに設定された所定のしきい値との比較結果に基づき、検出結果がしきい値に達した状態量に関連する操作ボタンを、それまでより上位の階層の操作メニューで表示するように、階層割り当て内容を変更する。これにより、車両運行時の種々の状況に臨機応変に対応しつつ、操作可能性が高い操作ボタンを確実に操作メニューデータの上位階層に位置させ、ディスプレイ15に表示させることができる。また、しきい値を用いることで、操作メニューデータの階層変更を円滑かつ高精度に行うことができる。さらに、しきい値設定を可変とすれば、ユーザカスタマイズや、初期設定に対する使用開始後の修正等も可能となる。
【0105】
上記実施形態におけるナビゲーション装置100においては、表示制御部44は、車両1に係わる各状態量ごとに設定された所定のしきい値との比較結果に基づき、検出結果がしきい値に達した状態量に関連しない操作ボタンを、それまでより下位の階層の操作メニューで表示するように、階層割り当て内容を変更する。これにより、車両運行時の種々の状況に臨機応変に対応しつつ、操作可能性が低い操作ボタンを操作メニューデータの下位階層に遷移させることで、ユーザが不要な操作ボタンを目にして迷う煩わしさを解消し、より上位の必要性の高い操作ボタンを迷わず円滑に操作するよう、導くことができる。
【0106】
上記実施形態におけるナビゲーション装置100においては、状態量検出部43は、車両1に係わる状態量としての現在地を検出し、表示制御部44は、検出された現在地と目的地(または経由地)との距離が、しきい値としての所定距離より近くなったときに、操作コマンドとしての駐車場検索に係わる「駐車場」ボタンを、それまでより上位の階層の操作メニューで表示するように、階層割り当て内容を変更する。すなわち、誘導部42によるナビゲーションにより走行し、目的地(または経由地)にある程度まで近づいたら、目的地(または経由地)で駐車するための駐車場を検索する可能性が高い。そこで、状態量検出部43で現在地を検出する一方、その検出した現在地から目的地までの距離がある程度近くなったら、表示制御部44が、駐車場検索に係わる「駐車場」ボタンを上位の階層で表示するように操作メニューデータの階層割り当て内容を変更する。これにより、ユーザは当該「駐車場」ボタンを表す画像の表示位置を容易に接触操作できるようになり、駐車場検索を迅速に行うことができるので、利便性が向上する。
【0107】
上記実施形態におけるナビゲーション装置100においては、状態量検出部43は、車両1に係わる状態量としての現在時刻を検出し、表示制御部44は、検出された現在時刻と予め定めた食事時間帯との間の残余時間が、しきい値としての所定時間より短くなったときに、操作コマンドとしての飲食店検索に係わる操作ボタンを、それまでより上位の階層の操作メニューで表示するように、階層割り当て内容を変更する。すなわち、誘導部42によるナビゲーションにより走行しているとき食事時間帯が近づいてきたら、食事をとるためのレストランを検索する可能性が高い。そこで、状態量検出部43で現在時刻を検出する一方、その検出した時刻がいわゆる食事時間帯に該当したら、表示制御部44が、レストラン検索に係わる操作ボタンを上位の階層で表示するように操作メニューデータの階層割り当て内容を変更する。これにより、ユーザは当該操作ボタンを表す画像の表示位置を容易に接触操作できるようになり、レストラン検索を迅速に行うことができるので、利便性が向上する。
【0108】
上記実施形態におけるナビゲーション装置100においては、状態量検出部43は、車両1に係わる状態量としての燃料残量を検出し、表示制御部44は、検出された燃料残量と予め定めた燃料限界量との間の差が、しきい値としての所定量より小さくなったときに、操作コマンドとしての給油所検索に係わる「ガソリンスタンド」ボタンを、それまでより上位の階層の操作メニューで表示するように、階層割り当て内容を変更する。すなわち、誘導部42によるナビゲーションにより走行しているとき燃料が少なくなってきたら、燃料補給をするためのガソリンスタンドを検索する可能性が高い。そこで、状態量検出部43で燃料残量を検出する一方、その検出した燃料残量が所定のしきい値以下となったら、表示制御部44が、給油所検索に係わる「ガソリンスタンド」ボタンを上位の階層で表示するように操作メニューデータの階層割り当て内容を変更する。これにより、ユーザは当該「ガソリンスタンド」ボタンを表す画像の表示位置を容易に接触操作できるようになり、給油所検索を迅速に行うことができるので、利便性が向上する。
【0109】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0110】
たとえば、上記実施形態では、車両1に係わる状態量の検出結果から推測される状況に応じて、操作される可能性が高い操作ボタンを操作メニューデータの最上位階層へと割り当てを変更する場合を説明したが、必ずしも最上位階層である必要はなく、たとえば第4階層の操作ボタンを第2階層に変更する等、最上位階層ではないより上位の階層に変更するようにしてもよい。この場合にも、階層を変更しない場合に比べて階層遷移のための操作回数を減少できるので、ユーザの操作労力を低減し、利便性を向上することができる。
【0111】
またたとえば、車両1に係わる状態量の検出結果から推測される状況に応じて、操作される可能性が低い操作ボタンを積極的に下位階層へと割り当てを変更してもよい。たとえば、現在時刻が食事時間帯の終わりの時刻(またはその時刻から所定時間経過した時刻)を経過した場合に、ユーザは既に食事を終えていると推測できるため、飲食店検索に係わる操作ボタンをより下位の階層に変更することにより、ユーザが不要な操作ボタンを目にする煩わしさを解消することができる。またこの際、単に下位の階層に変更するのではなく、当該操作される可能性が低い操作ボタンを最下位の階層に変更するか、若しくは、操作メニューでの表示を中止するように階層割り当て内容を変更してもよい。たとえば、走行中の道路種別が高速道路である場合に「駐車場」ボタンを最下位の階層に変更または非表示とすることにより、そのときの状況でまず操作される可能性のない操作ボタンを限りなく非表示に近い状態とするか非表示とすることができるので、ユーザにとって不要な操作ボタンが表示されることによる煩わしさを確実に解消することができる。
【0112】
またたとえば、上記実施形態では、状態量検出部43により車両1に係わる状態量を検出するようにしたが、これに限られず、運転者(または同乗者)に係わる状態量を検出し、当該検出結果から推測される状況に応じて、操作メニューデータの階層割り当て内容を変更するようにしてもよい。たとえば、運転者の体温、心拍数、発汗量等を所定のセンサにより検出し、当該検出結果に基づき運転者が居眠り状態または疲労状態にあると判定した場合に、休憩所検索に係わる操作ボタンをより上位の階層に変更することにより、ユーザの利便性を向上するとともに、居眠りや疲労を原因とする車両事故を防止し、安全性を向上することができる。
【0113】
またたとえば、飲食店や休憩所検索に係わる操作ボタンの階層変更を行う場合の判定時間帯を、現在地(道路種別等)により変更してもよい。たとえば、休憩時間帯について、高速道路を走行中である場合には一般道路を走行中である場合よりもより休憩回数がより頻繁となるように変更することにより、ユーザの利便性及び安全性を向上することができる。
【0114】
またたとえば、上記実施形態では、現在時刻が休憩時間帯に該当する場合に休憩所検索に係わる操作ボタンを上位階層へ変更する場合を説明したが、時間帯による判定ではなく、当該運転時の走行距離が所定の距離を超えた場合に休憩所検索に係わる操作ボタンを上位階層へ変更するようにしてもよい。
【0115】
またたとえば、操作される可能性が高い操作ボタンを表す画像を単に表示するのみでなく、そのときの状況に応じて操作ボタンを表す画像の表示態様(色、形、大きさ、動作等)を変化させてもよい。たとえば、休憩所検索に係わる操作ボタンを表す画像の表示後、時間が経過するにつれて操作ボタンを表す画像の色を強調または大きさを増大させる等することにより、運転者に対しより効果的に休憩を促すことができ、ユーザの利便性及び安全性をさらに向上することができる。
【符号の説明】
【0116】
1 車両
15 ディスプレイ(表示手段に相当)
43 状態量検出部(取得手段に相当)
44 表示制御部(表示制御手段に相当)
100 ナビゲーション装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在地を取得する取得手段と、
所定の施設を選択するための操作コマンドを実行するための少なくとも1つの操作ボタンを、表示手段に表示させる表示制御手段と、
を有するナビゲーション装置であって、
現在地の道路を検出する検出手段を有し、
前記表示制御手段は、
前記検出手段による検出結果に基づいて前記操作ボタンを表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
現在地を取得する取得手段と、
所定の施設を選択するための操作コマンドを実行するための少なくとも1つの操作ボタンを、表示手段に表示させる表示制御手段と、
を有するナビゲーション装置のナビゲーション方法であって、
現在地の道路を検出する検出工程と、
前記検出工程による検出結果に基づいて前記操作ボタンを表示する表示工程と、を備えることを特徴とするナビゲーション方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate


【公開番号】特開2012−108151(P2012−108151A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−30762(P2012−30762)
【出願日】平成24年2月15日(2012.2.15)
【分割の表示】特願2009−69892(P2009−69892)の分割
【原出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】