説明

ナビゲーション装置

【課題】
探索経路上の所定区間の交通情報を選択して地図画面上に表示させることができるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】
タッチパネル18に、経路探索で探索された探索経路23上で、誘導交差点の名称33〜35が表示された誘導交差点名称表示部36〜38が表示される。そして、誘導交差点名称表示部36〜38の上下の位置に詳細表示ボタン315〜318が表示される。詳細表示ボタン315〜318のうちの一つのボタンを押圧すると、対応する区間の詳細地図が、VICS情報受信部110によって受信された交通情報とともに表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図の表示画面に交通情報を表示するナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
道路をできるだけ簡単に表現した簡易図形に道路交通情報をオーバレイ表示した車載機が知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2001−133274号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載されている車載機では、簡易図形の所定の位置の道路交通情報を詳しく見たい場合は、道路地図に道路交通情報をオーバレイ表示する地図表示型に切り換え、そして、所定の位置まで道路地図をスクロールしなくてはならず、すぐに所定の位置の道路交通情報を詳しく見ることができないという問題点がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(1)請求項1の発明によるナビゲーション装置は、外部から送られてくる交通情報を受信する交通情報受信手段と、自車位置から目的地までの経路を探索する経路探索手段と、経路探索手段によって探索された経路上の誘導交差点を抽出する誘導交差点抽出手段と、交通情報受信手段によって受信した交通情報から、少なくとも経路上の自車位置から誘導交差点まで、および誘導交差点から目的地までの各区間の交通情報を抽出する交通情報抽出手段と、少なくとも経路上の自車位置から誘導交差点までの区間の第1区間ボタン、および誘導交差点から目的地までの区間の第2区間ボタンを、誘導交差点の名称を挟むようにそれぞれ表示するとともに、各ボタンには対応する区間の交通情報を表示する表示手段と、第1及び第2区間ボタンのいずれかのボタンの押圧によって、経路上の自車位置から誘導交差点までの区間、または誘導交差点から目的地までの区間が含まれる範囲の道路地図を、交通情報抽出手段によって抽出された交通情報とともに表示手段に表示する表示制御手段とを備えることを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、誘導交差点抽出手段により少なくとも2つの誘導交差点が抽出された場合、交通情報抽出手段は2つの誘導交差点間の第3区間交通情報を抽出し、表示制御手段は、
(a)それら2つの誘導交差点の名称を表示手段にそれぞれ表示し、
(b)第1及び第2の区間ボタンに加えて、2つの誘導交差点間の区間の第3区間ボタンも表示手段に表示し、
(c)第3区間交通情報を第3区間ボタンに表示し、
(d)第3区間ボタンの押圧により、2つの誘導交差点間の区間が含まれる範囲の道路地図を、交通情報抽出手段によって抽出された第3区間交通情報とともに表示手段に表示することを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、請求項1または2に記載のナビゲーション装置において、区間ボタンに表示される交通情報および地図上に表示される交通情報は所定の色彩によって表され、区間ボタンに表示される交通情報の色彩と、区間ボタンの押圧により選択された区間の道路に沿って表示される交通情報の色彩とが同じであることを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、誘導交差点の名称を矩形の枠内に表示し、枠の端部に細長い線状部を突出して表示し、線状部の上下に区間ボタンを表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、自車位置と誘導交差点の区間および誘導交差点から目的地までの区間に対応する第1及び第2区間ボタンを表示し、それらの区間ボタンに各区間の交通情報の概要を表示するようにしたので、経路上の各区間の交通情報を容易に把握することができる。また、それら区間ボタンを押圧するだけで、それら区間の道路地図と詳細な交通情報を表示することができ、従来のように、画面スクロールにより所望のする域の地図を表示して交通情報を確認する必要がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の一実施形態によるナビゲーション装置の構成を図1に示す。図1のナビゲーション装置1は、地図表示などの通常のナビゲーション機能を備え、入力装置17のほかにタッチパネル18による入力操作も行えるようにしている。ナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、表示モニタ16、入力装置17、タッチパネル18、VICS(道路交通情報システム)情報受信部110およびディスクドライブ111を有している。
【0007】
タッチパネル18は、表示モニタ16の表面に積層される透明のタッチスイッチである。この明細書では、表示モニタ16に画像が表示されるが、説明の便宜上、「タッチパネル18に画像が表示される」のように表現することとする。タッチパネル18には、タッチパネル18からの信号によりタッチパネル18の押圧位置を算出するタッチパネルコントロール部19が接続されている。ディスクドライブ111には、地図データが記録されたDVD−ROM112が装填される。地図データは、地図表示用データ、経路探索用データなどを含む。地図表示用データは、広域から詳細まで複数の縮尺の地図データを有し、操作者の要求にしたがって、表示地図の縮尺を変更することができる。
【0008】
制御回路11は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行して各種の制御を行う。この制御回路11がDVD−ROM112に記憶された地図データに基づいて所定の経路探索処理を行うと、その処理結果が探索経路としてタッチパネル18に表示される。また、制御回路11は、誘導交差点抽出部11aと交通情報抽出部11bとを備えている。誘導交差点抽出部11aは、探索経路が通過するノードおよびリンクの情報に基づいて、探索経路上で車両が右左折したり通過する交差点(以下、誘導交差点と呼ぶ)を抽出する。交通情報抽出部は、VICS情報受信部110が受信した交通情報から、所定の区間の交通情報を抽出する。
【0009】
現在地検出装置14は、車両の現在地を検出する装置であり、たとえば、車両の進行方位を検出する振動ジャイロ14a、車速を検出する車速センサ14b、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号を検出するGPSセンサ14cなどからなる。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出された車両の現在地に基づいて、地図の表示範囲や経路探索開始点などを決定するとともに、地図上にその現在地を表示する。
【0010】
画像メモリ15は、タッチパネル18に表示するための画像データを格納する。この画像データは道路地図描画用データや各種の図形データからなり、それらはディスクドライブ111によって読み込まれるDVD−ROM112に記憶された地図データに基づいて、適宜生成される。ナビゲーション装置1は、このようにして生成された画像データを用いることによって地図表示などを行うことができる。
【0011】
表示モニタ16は、地図データなどの各種情報に基づいて、自車位置付近の道路地図などの各種情報を画面表示として運転者に提供する。入力装置17は、操作者が各種コマンドを設定するための入力スイッチを有し、これは操作パネルやリモコンなどによって実現される。操作者は、タッチパネル18の表示画面の指示に従って入力装置17を手動で操作することにより、目的地を選択して目的地を設定する。
【0012】
上述したとおり、タッチパネル18は表示モニタ16のモニタ画面上に設けられた透明パネルであり、表示モニタ16に表示したモニタ画面はタッチパネル18を通して表示される。タッチパネル18は入力装置17と同様に入力機能を有し、タッチパネル18に表示された地図画面や各種ボタン、表示メニューなどを指で押圧すると、タッチパネルコントロール部19によって押圧位置が算出され、算出された押圧位置は制御回路11に入力され、目的地を設定したり、各種ボタンや表示メニューに対応する機能を実行させたりする。たとえば、タッチパネル18に表示されたスクロールボタンを押圧すると地図画面や選択メニューなどの表示をスクロールすることができる。
【0013】
目的地が操作者により設定されると、ナビゲーション装置1はGPSセンサ14cにより検出された現在地を出発地として目的地までの経路演算を制御回路11において所定のアルゴリズムに基づいて行う。このようにして探索された経路(以下、探索経路という)は、表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、ほかの道路とは区別して画面表示される。これにより、操作者は地図上の探索経路を画面上で認識することができる。また、ナビゲーション装置1は、探索経路に従って車両が走行できるように、操作者に対して画面や音声などによる進行方向指示を行い、車両を誘導する。探索経路のノードやリンクなどについての情報はRAM13に記憶される。
【0014】
VICS情報受信部110は、図示しないVICS情報センターから供給される渋滞情報などの交通情報を受信し、制御回路11に出力する。この交通情報は主に高速道路上に設置されている電波ビーコンや、主に一般道路上に設置されている光ビーコン、またはFM多重放送によって送信される。電波ビーコンや光ビーコンは設置地付近を通過する車両に対して交通情報を送信し、FM多重放送はそれらよりも広域の通信エリアをカバーする。ナビゲーション装置1は、これらによって送信された交通情報をVICS情報受信部110により受信する。受信された交通情報はRAM13に記憶される。記憶された交通情報はVICS情報受信部110に交通情報が受信されるごとに更新される。
【0015】
ディスクドライブ111は、装填されたDVD−ROM112から、表示モニタ16、すなわちタッチパネル18へ地図を表示するための地図データを読み出す。なお、DVD−ROM112以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどより地図データを読み出してもよい。
【0016】
次に、本発明の実施形態のナビゲーション装置1における操作者の操作を図2〜7を参照して説明する。
【0017】
図2は、車両が走行中に表示されるタッチパネル18の表示画面であり、自車位置22周辺の地図21が表示され、地図21には、自車位置22と、経路探索によって探索された探索経路23とが表示される。そして、渋滞情報などの交通情報を表示させるための交通情報表示ボタン24が地図21の右隅側に表示される。交通情報表示ボタン24を押圧すると交通情報が表示される。
【0018】
交通情報表示ボタン24を押圧すると、図3の表示画面がタッチパネル18に表示される。自車位置22を表示した地図21は、タッチパネル18の表示画面の地図表示領域31に縮尺が変更されずに表示される。
【0019】
タッチパネル18の交通情報表示領域32には、経路探索で探索された探索経路23上の誘導交差点の名称33〜35が、矩形の枠内に表示される。この矩形の枠の端部には細長い線状部が突出している。以下、この矩形の枠を誘導交差点名称表示部36〜38と呼ぶ。誘導交差点名称表示部36〜38に表示される誘導交差点の名称33〜35は、次のように表示される。経路探索で探索された探索経路23上の誘導交差点のうち、自車位置から目的までの間で3つ以上分岐している(十字路以上の)誘導交差点を誘導交差点抽出部11aによって抽出する。そして、その誘導交差点の名称をDVD−ROM112に記憶されている地図データより取得して、タッチパネル18に表示される。なお、以下の説明において、各誘導交差点の名称に付されている符号33〜35は、各誘導交差点の名称33〜35に対応する誘導交差点の符号としても用いる。誘導交差点名称表示部36〜38には、誘導交差点の名称33〜35のほかに誘導交差点で進行する方向39,310,311、自車位置から誘導交差点までの距離312〜314が表示される。
【0020】
誘導交差点名称表示部36〜38の細長い線状部の上下の位置に、詳細表示ボタン315〜318が表示される。また、VICS情報に事象規制マークに関する情報が含まれている場合には、誘導交差点名称表示部36〜38の上または下の位置に事象規制マーク319〜321が表示される。そして、交通情報表示領域の上部には目的地到着予想時刻322および目的地までの距離323が表示される。
【0021】
詳細表示ボタン315は、自車位置22と誘導交差点抽出部11aによって抽出された誘導交差点との区間を選択するボタンであり、詳細表示ボタン318は、誘導交差点抽出部11aによって抽出された誘導交差点と目的地との区間を選択するボタンである。また、詳細表示ボタン316,317は、誘導交差点抽出部11aによって少なくとも2つの誘導交差点が抽出された場合に、抽出された誘導交差点のうちの2つの誘導交差点による誘導交差点の区間を選択するボタンである。ここで、詳細表示ボタン315と詳細表示ボタン318とは、誘導交差点の名称33〜35を挟むように表示される。
【0022】
この詳細表示ボタン315〜318のうちの一つのボタンを押圧すると、選択された区間が表示された詳細地図が表示される。そして、この詳細地図には、VICS情報受信部110によって受信された交通情報が表示される。たとえば、詳細表示ボタン315を押圧すると、交通情報を表示した自車位置22から□□交差点33を含む詳細地図が表示される。詳細表示ボタン316を押圧すると、交通情報を表示した□□交差点33から○○二丁目34を含む詳細地図が表示される。詳細表示ボタン317を押圧すると、交通情報を表示した○○二丁目34から△△十字路35を含む詳細地図が表示される。詳細表示ボタン318を押圧すると、交通情報を表示した△△十字路35から目的地を含む詳細地図が表示される。
【0023】
詳細表示ボタン315の枠内には、自車位置22と誘導交差点との区間の探索経路上の交通情報が表示され、詳細表示ボタン318の枠内には、誘導交差点と目的地との区間の探索経路上の交通情報が表示される。また、詳細表示ボタン316,317の枠内には、誘導交差点間の区間に対応する区間の探索経路上の交通情報が表示される。このように、詳細表示ボタン315〜318の枠内には、詳細表示ボタン315〜318に対応する区間の交通情報が表示される。詳細表示ボタン315〜318枠内に表示される交通情報について、図4を参照して説明する。図4は詳細表示ボタン316を拡大した図である。
【0024】
□□交差点33から○○二丁目34までの区間の交通情報が表示される詳細表示ボタン316には、交通情報表示インジケータ41a〜41lが表示される。交通情報インジケータ41a〜41lは、□□交差点33から○○二丁目34までの区間の交通情報によって表示される色が変わる。たとえば、□□交差点33から○○二丁目34までの間で、渋滞している箇所に対応するインジケータは赤色に、混雑している箇所に対応するインジケータは黄色に、事故が発生している区間に対応するインジケータは紫色に、チェーン規制中の区間に対応するインジケータは水色に、そのほかの規制が行われている箇所に対応するインジケータは黄緑色に表示される。
【0025】
本例の場合、探索経路23上の□□交差点33から○○二丁目34までの区間では、渋滞及び混雑が発生しているので、詳細表示ボタン316のインジケータ41a〜41fは赤色に、インジケータ41g〜41lは黄色に表示される。また、探索経路23上の自車位置22から□□交差点33までの区間では、混雑が発生しているので、詳細表示ボタン315のインジケータは黄色で表示される。また、探索経路23上の○○二丁目34から△△十字路35までの区間では、渋滞とチェーン規制と事故とが発生しているので、詳細表示ボタン317のインジケータは赤色と水色と紫色で表示される。
【0026】
次に詳細表示ボタン315〜318を押圧したときに表示される交通情報を表示した詳細地図について、図5〜7を参照して説明する。
【0027】
図5は、詳細表示ボタン315を押圧したときに表示される詳細地図51を表示したタッチパネル18の表示画面である。詳細地図51は、自車位置22と詳細表示ボタン315の上に表示された誘導交差点とが一画面に表示できる縮尺の地図である。ここでは、自車位置22が詳細地図51の左側に、□□交差点33が詳細地図51の右側に表示される。つまり、詳細表示ボタン315の押圧によって選択された自車位置22と□□交差点33とが、地図の右側および左側に表示される縮尺で詳細地図51は表示される。詳細地図51には、探索経路23が表示され、さらに自車位置22と□□交差点33との区間の探索経路23上の交通情報52が表示される。
【0028】
詳細地図51に表示される交通情報は、自車位置22と□□交差点33との間の区間で、探索経路23上に混雑している箇所がある場合は、次のように表示される。渋滞している箇所は、探索経路23に沿った矢印52で表示される。矢印52は、詳細表示ボタン315に表示される交通情報の混雑の色と同じ黄色で表示される。
【0029】
図6は、詳細表示ボタン316を押圧したときに表示される詳細地図61を表示したタッチパネル18の表示画面である。詳細地図61は、詳細表示ボタン316の上下に表示された2つの誘導交差点が一画面に表示できる縮尺の地図である。ここでは、□□交差点33が詳細地図61の下部に、○○二丁目34が詳細地図61の上部に表示される。つまり、詳細表示ボタン316の押圧によって選択された誘導交差点区間の端に位置する2つの誘導交差点、□□交差点33と○○二丁目34とが、地図の上部および下部に表示される縮尺で詳細地図61は表示される。詳細地図61には、探索経路23が表示され、さらに□□交差点33と○○二丁目34との区間の探索経路23上の交通情報62,63が表示される。
【0030】
詳細地図61に表示される交通情報は、□□交差点33と○○二丁目34との間の区間で、探索経路23上に渋滞している箇所と混雑している箇所がある場合は、次のように表示される。渋滞している箇所は、探索経路23に沿った矢印63で表示される。矢印63は、詳細表示ボタン316に表示される交通情報の渋滞の色と同じ赤色で表示される。また、混雑している箇所は、探索経路23に沿った矢印62で表示される。矢印62は詳細表示ボタン316に表示される交通情報の混雑の色と同じ黄色で表示される。
【0031】
図7は、詳細表示ボタン317を押圧したときに表示される詳細地図71を表示したタッチパネル18の表示画面である。詳細地図71も図6と同様に設定した縮尺の地図である。図7の場合、○○二丁目34が詳細地図71の下部に、△△十字路35が詳細地図71の上部に表示される。詳細地図71には、探索経路23が表示され、さらに○○二丁目34と△△十字路35との区間の探索経路23上の交通情報が表示される。
【0032】
詳細地図71に表示される交通情報は、○○二丁目34と△△十字路35との区間で、探索経路23上に渋滞している箇所とチェーン規制している箇所と事故が発生した箇所とがある場合は、次のように表示される。渋滞している箇所は、探索経路23に沿った矢印73で表示される。矢印73は、詳細表示ボタン317に表示される交通情報の渋滞の色と同じ赤色で表示される。また、チェーン規制している箇所は、探索経路23に沿った矢印72で表示される。矢印72は詳細表示ボタン317に表示される交通情報のチェーン規制の色と同じ水色で表示される。また、事故が発生した箇所には、ばつ印74が探索経路23上に表示される。ばつ印74は、詳細表示ボタン317に表示される交通情報の事故の色と同じ紫色で表示される。
【0033】
そのほか、詳細地図では、通行止めは黒色の矢印で、そのほかの規制は黄緑色の矢印で表示され、詳細表示ボタン315〜318に表示される交通情報と同じ色で表示される。
【0034】
次に誘導交差点名称表示部36〜38、詳細表示ボタン315〜318および事象規制マーク319〜321をタッチパネル18の交通情報表示領域32に表示させるための表示処理を図8のフローチャートを参照して説明する。図8の処理は、交通情報表示ボタン24を押圧するとスタートするプログラムを制御回路11で実行して行われる。
【0035】
ステップS801では、RAM13に記憶されている探索経路のリンク情報やノード情報より、探索経路上の3つ以上分岐している誘導交差点が誘導交差点抽出部11aにおいて抽出される。3つ以上分岐しているか否かは誘導交差点に相当するノードが4つ以上のリンクに接続されているか否かにより判断される。
【0036】
ステップS802では、誘導交差点で進行する方向がRAM13に記憶されている探索経路のリンク情報やノード情報から取得される。ステップS803では、抽出した誘導交差点の名称がDVD−ROM112に記憶されている地図データより取得される。
【0037】
ステップS804では、現在地検出装置14から検出した自車位置とステップS801で抽出した誘導交差点との距離が、RAM13に記憶されている探索経路のリンク情報に基づいて算出される。S805では、VICS情報受信部20で受信して、RAM13に記憶された交通情報から、ステップS801で抽出した誘導交差点間、自車位置−誘導交差点間および誘導交差点−目的地間の交通情報が交通情報抽出部11bにおいて抽出される。ここでは、VICS情報の交通情報を有するリンクと、誘導交差点間、自車位置−誘導交差点間および誘導交差点−目的地間の道路のリンクとの対応から交通情報を抽出する。
【0038】
ステップS806では、タッチパネル18に誘導交差点名称表示部36〜38、詳細表示ボタン315〜318および事象規制マーク319〜321が表示される。誘導交差点名称表示部36〜38には、ステップS802で取得された誘導交差点で進行する方向、ステップS803で取得された誘導交差点の名称およびステップS804で算出された自車位置から誘導交差点までの距離が表示される。詳細表示ボタン315〜318には、ステップS805で抽出した交通情報がインジケータ41a〜41lの色として表示される。事象規制マーク319〜321は、ステップS805で抽出した交通情報に対応するものが表示される。
【0039】
次に詳細表示ボタン315〜318を押圧して詳細地図51,61,71を表示させる詳細地図表示処理について図9のフローチャートを参照して説明する。図9の処理は、タッチパネル18に詳細表示ボタン315〜318が表示されるとスタートするプログラムを制御回路11で実行して行われる。
【0040】
ステップS901では、詳細表示ボタン315〜318が押圧されたか否かが判定される。肯定判定の場合はステップS902に進み、否定判定の場合はステップS901に戻る。ステップS902では、タッチパネル18に表示する地図の範囲(縮尺)が設定される。表示モニタ16に表示する地図の範囲は、押圧した詳細表示ボタンの上に位置する誘導交差点名称表示部36〜38に表示されている誘導交差点、または目的地が、地図の上部または右側に、そして押圧した詳細表示ボタンの下に位置する誘導交差点名称表示部36〜38に表示されている誘導交差点、または自車位置22が、地図の下部または左側に表示されるように設定される。つまり、詳細表示ボタン315〜318のうちのひとつのボタンを押圧することによって選択、確定した誘導交差点区間を定める誘導交差点、目的地、自車位置が一つの地図画面内の下部、上部または左側、右側に表示されるような縮尺で地図が表示される。
【0041】
ステップS903では、押圧した詳細表示ボタンの上に位置する誘導交差点名称表示部36〜38に表示されている誘導交差点、または目的地と、押圧した詳細表示ボタンの下に位置する誘導交差点名称表示部36〜38に表示されている誘導交差点、または自車位置22との間の交通情報が、交通情報抽出部において、VICS情報受信部110で受信されRAM13に記憶されている交通情報から抽出される。ここでは、VICS情報の交通情報を有するリンクと、誘導交差点間、自車位置−誘導交差点間および誘導交差点−目的地間の道路のリンクとの対応から交通情報を抽出する。ステップS904では、ステップS902で設定した範囲の地図の地図画像に、ステップS903で抽出した交通情報が合成されてタッチパネル18に表示される。ステップ903で抽出した交通情報は、所定の色の矢印、またはばつ印などの態様で表示される。
【0042】
以上の実施の形態によるナビゲーション装置は次のような作用効果を奏する。
(1)詳細表示ボタン315〜318を押圧することによって、探索経路上の所定区間の交通情報を選択して地図画面上に表示させることができるので、操作者が知りたい区間の交通情報を任意にしかも簡単に表示させることができ、操作者の利便性が向上する。
(2)詳細表示ボタン315〜318を押圧することによって表示される詳細地図51,61,71の縮尺は、交通情報を表示させたい誘導交差点間、自車位置−誘導交差点間および誘導交差点−目的地間において、誘導交差点、自車位置、目的地が詳細地図51,61,71の上部、下部または右側、左側に表示されるように決定されるので、ユーザがその都度、適切な縮尺を指示する必要がない。そして、交通情報が表示される区間が小さく表示されることがなく、また、誘導交差点間、自車位置−誘導交差点間、誘導交差点−目的地間において、どのような位置に交通情報が表示されているのかを確実に認識することができる。
【0043】
(3)誘導交差点名称表示部36〜38とともに表示される詳細表示ボタン315〜318に交通情報が表示されるので、自車位置から目的地までの探索経路上の交通状態の概要が容易に把握でき、操作者の利便性が向上する。
(4)誘導交差点名称表示部36〜38の線状部の上下の位置に詳細表示ボタン315〜318が表示される。よって、誘導交差点名称表示部36〜38の数が増えても詳細表示ボタン315〜318を押圧するための領域を確保することができる。
【0044】
以上の実施形態では、経路探索で探索された探索経路23上の誘導交差点のうち、自車位置から目的までの間で3つ以上分岐している(十字路以上の)誘導交差点を誘導交差点名称表示部36〜38に表示するものとしたが、表示される誘導交差点は3つ以上分岐している誘導交差点に限定されない。たとえば、全ての誘導交差点を表示してもよいし、また、主要道路(たとえば国道)における誘導交差点のみを表示してもよい。あるいは、周辺が渋滞や混雑している誘導交差点のみを表示してもよい。
【0045】
以上の実施形態では、誘導交差点名称表示部36〜38は、その左端に細長い線状部を設けており、そしてその線状部の上下の位置に詳細表示ボタン315〜318が表示されているが、誘導交差点名称表示部36〜38の右端に線状部を設け、その線状部の上下の位置に詳細表示ボタン315〜318を表示するようにしてもよい。
【0046】
以上の実施形態では、交通情報を表す色は、渋滞している箇所があれば赤色に、混雑している箇所があれば黄色に、事故があれば紫色に、チェーン規制があれば水色に、そのほかの規制があれば黄緑色であったが、交通情報を表す色は実施形態の色に限定されない。また、交通情報を表す態様は矢印や×印であったが、交通情報を表す態様に実施形態の態様に限定されない。
【0047】
特許請求の範囲の要素と実施の形態との対応関係を説明する。
本発明の交通情報受信手段はVICS情報受信部110に対応し、経路探索手段は制御回路11に対応する。誘導交差点抽出手段は誘導交差点抽出部11aに対応し、交通情報抽出手段は交通情報抽出部11bに対応する。第1区間ボタンは詳細表示ボタン315に対応し、第2区間ボタンは詳細表示ボタン318に対応する。表示手段および表示制御手段は、表示モニタ16またはタッチパネル18に対応し、第3区間ボタンは詳細表示ボタン316,317に対応する。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明の解釈上で、上記の実施形態の構成要素と本発明の構成要素の対応関係になんら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明のナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】操作者が走行中に表示させるナビゲーション装置の表示画面を示す図である。
【図3】交通情報表示ボタンを押圧したときに表示されるタッチパネルの表示画面である。
【図4】詳細表示ボタンの詳細を示した図である。
【図5】詳細表示ボタンを押圧したときに表示されるタッチパネルの表示画面である。
【図6】他の詳細表示ボタンを押圧したときに表示されるタッチパネルの表示画面である。
【図7】他の詳細表示ボタンを押圧したときに表示されるタッチパネルの表示画面である。
【図8】誘導交差点名称表示部、詳細表示ボタンおよび事象規制マークをタッチパネルに表示させるための表示処理を説明する図である。
【図9】詳細地図をタッチパネルに表示させるための表示処理を説明する図である。
【符号の説明】
【0049】
1 ナビゲーション装置
11 制御回路
11a 誘導交差点抽出部
11b 交通情報抽出部
14 現在地検出装置
21 地図
22 自車位置
23 探索経路
24 交通情報表示ボタン
31 地図表示領域
32 交通情報表示領域
33〜35 誘導交差点の名称
36〜38 誘導交差点名称表示部
315〜318 詳細表示ボタン
41a〜41l インジケータ
51,61,71 詳細地図
52,62 混雑している箇所
63,73 渋滞している箇所
72 チェーン規制している箇所
74 事故の発生した箇所

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から送られてくる交通情報を受信する交通情報受信手段と、
自車位置から目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段によって探索された経路上の誘導交差点を抽出する誘導交差点抽出手段と、
前記交通情報受信手段によって受信した交通情報から、少なくとも前記経路上の自車位置から誘導交差点まで、および誘導交差点から目的地までの各区間の交通情報を抽出する交通情報抽出手段と、
少なくとも前記経路上の自車位置から前記誘導交差点までの区間の第1区間ボタン、および前記誘導交差点から目的地までの区間の第2区間ボタンを、前記誘導交差点の名称を挟むようにそれぞれ表示するとともに、前記各ボタンには対応する区間の交通情報を表示する表示手段と、
前記第1及び第2区間ボタンのいずれかのボタンの押圧によって、前記経路上の自車位置から前記誘導交差点までの区間、または前記誘導交差点から目的地までの区間が含まれる範囲の道路地図を、前記交通情報抽出手段によって抽出された前記交通情報とともに前記表示手段に表示する表示制御手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記誘導交差点抽出手段により少なくとも2つの誘導交差点が抽出された場合、
前記交通情報抽出手段は前記2つの誘導交差点間の第3区間交通情報を抽出し、
前記表示制御手段は、
(a)それら2つの誘導交差点の名称を前記表示手段にそれぞれ表示し、
(b)前記第1及び第2の区間ボタンに加えて、前記2つの誘導交差点間の区間の第3区間ボタンも前記表示手段に表示し、
(c)前記第3区間交通情報を前記第3区間ボタンに表示し、
(d)前記第3区間ボタンの押圧により、前記2つの誘導交差点間の区間が含まれる範囲の道路地図を、前記交通情報抽出手段によって抽出された前記第3区間交通情報とともに前記表示手段に表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のナビゲーション装置において、
前記区間ボタンに表示される交通情報および前記地図上に表示される交通情報は所定の色彩によって表され、前記区間ボタンに表示される交通情報の色彩と、前記区間ボタンの押圧により選択された区間の道路に沿って表示される交通情報の色彩とが同じであることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、
前記誘導交差点の名称を矩形の枠内に表示し、前記枠の端部に細長い線状部を突出して表示し、前記線状部の上下に前記区間ボタンを表示することを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−220523(P2006−220523A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−33899(P2005−33899)
【出願日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】