説明

ネットワークシステム及び通信制御方法

【課題】消費電力を低減可能なネットワークシステム及び通信制御方法を提供する。
【解決手段】スマートメータ20は、宅外コンピュータ2からPHS網4を介して送信される通信コマンドを受信したことに応答して、インターネット網3を介した宅外コンピュータ2とホームゲートウェイ10との通信を再度可能とすることができるため、ホームゲートウェイ10は、かかる通信が所定期間以上行われなかった場合に、スリープモードに移行することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、消費電力を低減可能なネットワークシステム及び通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータやテレビジョンといった情報家電を、「ホームゲートウェイ」を介したADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)や光通信といったブロードバンドインターネット接続が各家庭に既に普及している(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
また、電力網に通信機能を持たせることにより、電力需給を最適かつ安定に自動調整するしくみ「スマートグリッド」の取組が活発化している。各家庭の電力メータに宅外(インターネット)との通信機能を付加した「スマートメータ」により、時間毎の使用電力量を遠隔で計測したり、家庭内の家電機器制御を行ったりすることが可能となる(例えば、非特許文献2参照。)。
【0004】
かかる「スマートグリッド」の普及により、各家庭は、「ホームゲートウェイ」と「スマートメータ」といった二台の機器によって宅外と接続されるようになってきている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「標準技術集 Webベースのインターネット家電 1−1−3−5 ホームネットワーク・セキュリティ」、特許庁、図1
【非特許文献2】「標準技術集 Webベースのインターネット家電 1−1−2−16 電力量計ホームサーバ」、特許庁、図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の「ホームゲートウェイ」は、宅内居住者により設置されるものであるのに対し、課金用の通信機能付き電力メータである「スマートメータ」は、電力会社により設置されるものであるため、この二つを一体化することは困難である。すなわち、「ホームゲートウェイ」と「スマートメータ」とは、それぞれ独立で稼動し、それぞれが宅外との接続口を持っているため、以下のような問題があった。
【0007】
まず、通信機能といった同じ機能を有する「ホームゲートウェイ」と「スマートメータ」とを二重に設置することで、システムコストが高くなってしまうという問題があった。
【0008】
また、宅外への接続口となる「ホームゲートウェイ」と「スマートメータ」との両者が常に通電されているため、エネルギの消費が大きくなってしまうといった問題もあった。
【0009】
さらに、宅外から見た場合、「ホームゲートウェイ」と「スマートメータ」との何れに如何なる機能があるのかといった宅内システムの構成が不明確であるといった問題もあった。
【0010】
この発明は、上記実情に鑑みてなされたもので、消費電力を低減可能なネットワークシステム及び通信制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、この発明に係るネットワークシステムは、第1通信網を介して外部コンピュータに接続された第1通信装置と、前記第1通信網よりも通信速度が遅い第2通信網を介して外部コンピュータに接続された第2通信装置と、をネットワークを介して相互に通信可能に接続したネットワークシステムであって、前記第1通信装置は、前記第1通信網を介した前記外部コンピュータとの通信が所定期間以上行われなかった場合、該外部コンピュータとの通信を不能とし、該外部コンピュータとの通信が可能なときよりも消費電力が少ないスリープモードに移行するスリープモード移行手段と、前記第2通信装置から前記ネットワークを介して解除要求を受信したことに応答して、前記スリープモード移行手段によって移行された前記スリープモードを解除するスリープモード解除手段と、を備え、前記第2通信装置は、前記外部コンピュータから前記第2通信網を介して前記スリープモードの解除を要求する通信コマンドを受信したことに応答して、前記解除要求を前記ネットワークを介して前記第1通信装置に送信する解除要求送信手段を備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、第2通信装置は、外部コンピュータから第2通信網を介して送信される通信コマンドを受信したことに応答して、第1通信網を介した外部コンピュータと第1通信装置との通信を再度可能とすることができるため、第1通信装置は、かかる通信が所定期間以上行われなかった場合に、スリープモードに移行することができる。ここで、第1通信網よりも通信速度が遅い第2通信網を介して外部コンピュータとの通信を行う第2通信装置では、その消費電力が第1通信装置よりも低くなる。このように、第1通信網よりも少ない消費電力で通信可能である第2通信網を介した外部コンピュータと第2通信装置との通信を可能なままにしておく一方で、第1通信網を介した外部コンピュータと第1通信装置との通信が所定期間以上行われない場合、第1通信装置を消費電力が少ないスリープモードに移行させることで、ネットワークシステムにおける消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この実施の形態に係る通信システムの全体構成を示す図である。
【図2】ホームゲートウェイの論理的構成を示す機能ブロック図である。
【図3】スマートメータの論理的構成を示す機能ブロック図である。
【図4】宅外コンピュータとスマートメータ間の通信コマンドの構成を示す図である。
【図5】宅外コンピュータの論理的構成を示す機能ブロック図である。
【図6】アクセス先通知処理の詳細を示すフローチャートである。
【図7】宅内ウェイクアップ処理の詳細を示すフローチャートである。
【図8】宅外ウェイクアップ処理の詳細を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
この発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1には、この実施の形態に係る通信システムの全体構成が示す図である。通信システム100は、図1に示すように、宅内に設置されるホームネットワークシステム1と、電力会社など宅外に設置される宅外コンピュータ2と、から構成され、インターネット網3及びPHS(Personal Handyphone System)網4を介して相互に通信可能に接続されている。
【0016】
ここで、インターネット網3は、例えば光ファイバ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)などのマルチメディアデータを転送可能な高速通信網であり、PHS網4は、遠隔検針、遠隔制御が可能な低速通信網である。
【0017】
ホームネットワークシステム1は、ホームゲートウェイ10と、スマートメータ20と、家電機器30と、から構成され、これらは、例えばLAN(Local Area Network)などからなるホームネットワーク40を介して相互に通信可能に接続されている。なお、この実施の形態におけるホームゲートウェイ10とスマートメータ20とは、ホームネットワーク40を介して通信可能に接続されているが、専用線などにより直接接続されていてもよい。
【0018】
ホームゲートウェイ10は、宅内に設置された家電機器30の宅外コンピュータ2への接続口として機能するもので、インターネット網3を介して宅外コンピュータ2に接続されている。
【0019】
図2は、ホームゲートウェイの論理的構成を示す機能ブロック図である。ホームゲートウェイ10は、図2に示すように、ゲートウェイ処理部11と、ホームネットワーク通信部12と、インターネット通信部13と、を備えている。
【0020】
ゲートウェイ処理部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)などから構成され、CPUが、RAMをワークメモリとして用い、ROMなどに記憶されている各種プログラムを適宜実行することによって、ホームネットワーク40とインターネット間のゲートウェイ機能や、インターネットアクセスからのセキュリティ機能などを実現する。
【0021】
ゲートウェイ処理部11は、宅外コンピュータ2及び家電機器30からの通信が所定期間以上途絶えた場合に、ホームゲートウェイ10を、消費電力を抑える低消費電力モード(スリープモード)に移行させるスリープ機能を有している。この実施の形態におけるスリープモードでは、ホームゲートウェイ10の全機能が停止されるが、ホームネットワーク40の側のみ転送速度を下げて機能を停止しないようにしてもよい。ホームゲートウェイ10は、スリープモードに移行すると、宅外コンピュータ2や家電機器30からの通信を受け付けなくなる。
【0022】
ホームネットワーク通信部12は、例えばNIC(Network Interface Card)などの通信装置を含んで構成され、スマートメータ20から送信される通知要求を受信する。通知要求は、宅外コンピュータ2へアクセス先(ここでは、ホームゲートウェイ10のインターネット側のIP(Internet Protocol)アドレス(例えばhttp://[HomeGatewayアドレス]/[機能名]など))を通知することを、ホームゲートウェイ10に要求するもので、要求元(ここでは、スマートメータ20のインターネット側のIPアドレス)と、通知先(ここでは、宅外コンピュータ2のIPアドレス)と、を含んでいる。
【0023】
ホームネットワーク通信部12は、スマートメータ20や家電機器30からホームネットワーク40を介して送信されるホームゲートウェイ10のウェイクアップ(復帰)要求を受信する。この実施の形態では、例えばLAN経由で電源を投入するWOL(Wake On LAN)機能を用いてホームゲートウェイ10をウェイクアップする。具体的には、ゲートウェイ処理部11が、ホームネットワーク通信部12にてウェイクアップ要求を受信したことに応答して、スリープモードを解除する。ウェイクアップ要求は、WOL機能に合わせて送信される。ウェイクアップ後は、宅外コンピュータ2から家電機器30へのアクセスや、家電機器30から宅外コンピュータ30へのアクセスが可能となる。
【0024】
インターネット通信部13は、例えばNICなどの通信装置を含んで構成され、宅外コンピュータ2からホームネットワーク40へアクセスする際や、家電機器30からインターネットへアクセスする際に用いられる。
【0025】
インターネット通信部13は、ホームネットワーク通信部12にて通知要求を受信したことに応答して、ホームゲートウェイ10のインターネット側のIPアドレスを、通知要求に含まれるスマートメータ20のインターネット側のIPアドレスとともに、通知要求に含まれる宅外コンピュータ2のIPアドレスに宛てて送信する。
【0026】
図1に示すスマートメータ20は、PHS網4を介して宅外コンピュータ2に接続されている。
【0027】
図3は、スマートメータの論理的構成を示す機能ブロック図である。スマートメータ20は、図3に示すように、スマートメータ処理部21と、インターネット通信部22と、ホームゲートウェイ通信部23と、を備えている。
【0028】
スマートメータ処理部21は、例えばCPU、ROM、及びRAMなどから構成され、CPUが、RAMをワークメモリとして用い、ROMなどに記憶されている各種プログラムを適宜実行することによって、電力メータとしての計量機能を実現する。
【0029】
スマートメータ処理部21は、スマートメータ20の起動時に、例えばUPnP(Universal Plug and Play)などによってホームゲートウェイ10の存在を検出する。
【0030】
スマートメータ処理部21は、ゲートウェイ処理部11と異なり、スマートメータ20の機能を停止させるスリープモードに移行することはなく、スマートメータ20は、起動後、常時電源が投入された状態となっている。
【0031】
インターネット通信部22は、例えばNICなどの通信装置を含んで構成され、宅外コンピュータ2から送信されるホームゲートウェイ10のウェイクアップを要求する通信コマンドなどを受信する。
【0032】
図4は、宅外コンピュータとスマートメータ間の通信コマンドの構成を示す図である。通信コマンドは、図4に示すように、全1バイト構成で、上位4ビットが対スマートメータ20宛、下位4ビットが対ホームゲートウェイ10宛のコマンドとなっている。
【0033】
最上位のビットは、スマートメータ20のリセットを要求するもので、これが“1”であれば、スマートメータ20のリセットが実現される。上位5番目のビットは、ホームゲートウェイ10のリセットを要求するもので、これが“1”であれば、ホームゲートウェイ10のリセットが実現される。最下位ビットは、ホームゲートウェイ10のウェイクアップを要求するもので、これが“1”であれば、ホームゲートウェイ10のウェイクアップが実現される。
【0034】
図3に示すホームゲートウェイ通信部23は、例えばNICなどの通信装置を含んで構成され、物理的にはホームネットワーク40との通信が存在するが、論理的にはホームゲートウェイ10との通信のみが可能となっている。すなわち、スマートメータ20は、ホームネットワーク40との通信機能を有しておらず、宅外コンピュータ2とホームネットワーク40との間の通信は、全て高速で通信可能なホームゲートウェイ10経由で行われる。
【0035】
ホームゲートウェイ通信部23は、スマートメータ処理部21にてホームゲートウェイ10を検出すると、検出したホームゲートウェイ10に、宅外コンピュータ2へホームゲートウェイ10のインターネット側のIPアドレスを通知することを要求する通知要求を送信する。
【0036】
ホームゲートウェイ通信部23は、宅外コンピュータ2からホームゲートウェイ10を介して送信される検針要求を受信し、これに応答して、スマートメータ処理部21にて計量した電気量をホームゲートウェイ10を介して宅外コンピュータ2に返信する。
【0037】
ホームゲートウェイ通信部23は、インターネット通信部22にてホームゲートウェイ10のウェイクアップを要求する通信コマンド(図4に示す例では、16進数で“0x01”の通信コマンド)を受信したことに応答して、ウェイクアップ要求をホームゲートウェイ10に送信する。
【0038】
図1に示す家電機器30は、宅内に設置されるもので、例えばマイクロコンピュータなどを含んで構成されている。家電機器30は、家電機器制御を行う場合、ホームゲートウェイ10を介してインターネットにアクセスする。
【0039】
家電機器30は、ホームゲートウェイ10がスリープモード中でアクセスできない場合、ウェイクアップ要求をホームゲートウェイ10に送信する。
【0040】
宅外コンピュータ2は、例えばフレームワークやワークステーションなどから構成されている。
【0041】
図5は、宅外コンピュータの論理的構成を示す機能ブロック図である。宅外コンピュータ2は、図5に示すように、インターネット通信部31と、IPアドレス記憶部32と、を備えている。
【0042】
インターネット通信部31は、例えばNICなどの通信装置を含んで構成され、ホームゲートウェイ10から送信されるホームゲートウェイ10のインターネット側のIPアドレス(アクセス先)とスマートメータ20のインターネット側のIPアドレスとを受信する。インターネット通信部31にてアクセス先を受信した後、宅外コンピュータ2は、高速なホームゲートウェイ10を用いて宅内のスマートメータ20やホームネットワーク40にアクセスする。
【0043】
インターネット通信部31は、所定の検針タイミングになると、検針要求をホームゲートウェイ10を介してスマートメータ20に送信し、これに応答して、スマートメータ20からホームゲートウェイ10を介して返信される電気量を受信する。
【0044】
インターネット通信部31は、ホームゲートウェイ10がスリープモード中でアクセスできない場合、ウェイクアップを要求する通信コマンドを、常時電源が投入されているスマートメータ20に送信する。
【0045】
IPアドレス記憶部32は、例えばハードディスクドライブなどから構成され、インターネット通信部31にて受信したホームゲートウェイ10のインターネット側のIPアドレスとスマートメータ20のインターネット側のIPアドレスとを対応付けて記憶する。
【0046】
次に、通信システム100の動作について説明する。通信システム100によって行われる処理は、以下の3つの処理、すなわちアクセス先通知処理、宅内ウェイクアップ処理、及び宅外ウェイクアップ処理に大別される。
【0047】
(アクセス先通知処理)
まず、アクセス先通知処理について説明する。スマートメータ20は、起動されると、アクセス先通知処理を開始する。
【0048】
図6は、アクセス先通知処理の詳細を示すフローチャートである。スマートメータ20は、まず、図6に示すように、スマートメータ処理部21にてホームゲートウェイ10の存在を検出する(ステップS101)。
【0049】
ホームゲートウェイ10を検出すると、スマートメータ20は、ホームゲートウェイ通信部23から、スマートメータ20のインターネット側のIPアドレスと、宅外コンピュータ2のIPアドレスと、を含む通知要求を、ステップS101の処理にて検出したホームゲートウェイ10に送信する(ステップS102)。
【0050】
ホームゲートウェイ10は、スマートメータ20から送信された通知要求をホームネットワーク通信部12にて受信する(ステップS103)。
【0051】
続いて、ホームゲートウェイ10は、自己のインターネット側のIPアドレスを、通知要求に含まれるスマートメータ20のインターネット側のIPアドレスとともに、通知要求に含まれる宅外コンピュータ2のIPアドレスに宛てて送信することにより、アクセス先を宅外コンピュータ2に通知する(ステップS104)。
【0052】
宅外コンピュータ2は、ホームゲートウェイ10から送信されたホームゲートウェイ10及びスマートメータ20のインターネット側のIPアドレスを、インターネット通信部31にて受信する(ステップS105)。
【0053】
そして、宅外コンピュータ2は、ステップS105の処理にて受信したホームゲートウェイ10のインターネット側のIPアドレスと、スマートメータ20のインターネット側のIPアドレスと、を対応付けてIPアドレス記憶部32に登録する(ステップS106)。これ以降、宅外コンピュータ2は、ホームゲートウェイ10を介して宅内のスマートメータ20やホームネットワーク40にアクセスする。
【0054】
(宅内ウェイクアップ処理)
まず、宅内ウェイクアップ処理について説明する。家電機器30は、ホームゲートウェイ10がスリープモード中でアクセスできない場合、宅内ウェイクアップ処理を開始する。
【0055】
図7は、宅内ウェイクアップ処理の詳細を示すフローチャートである。家電機器3は、まず、図7に示すように、ウェイクアップ要求をホームゲートウェイ10に送信する(ステップS201)。
【0056】
ホームゲートウェイ10は、ホームネットワーク通信部12にてウェイクアップ要求を受信し(ステップS202)、これに応答して、ゲートウェイ処理部11にてスリープモードを解除することにより、ウェイクアップする(ステップS203)。これ以降、家電機器30から宅外コンピュータ2へのアクセスが可能となる。
【0057】
(宅外ウェイクアップ処理)
まず、宅外ウェイクアップ処理について説明する。宅外コンピュータ2は、ホームゲートウェイ10がスリープモード中でアクセスできない場合、宅外ウェイクアップ処理を開始する。
【0058】
図8は、宅内ウェイクアップ処理の詳細を示すフローチャートである。宅外コンピュータ2は、まず、図8に示すように、ホームゲートウェイ10のインターネット側のIPアドレスに対応するスマートメータ20のインターネット側のIPアドレスをIPアドレス記憶部32から検出する(ステップS301)。
【0059】
宅外コンピュータ2は、ウェイクアップを要求する通信コマンドをインターネット通信部31から、ステップS301の処理にて検出したスマートメータ20のインターネット側のIPアドレスに宛てて送信する(ステップS302)。
【0060】
スマートメータ20は、インターネット通信部22にてウェイクアップを要求する通信コマンドを受信し(ステップS303)、これに応答して、ウェイクアップ要求をホームゲートウェイ通信部23からホームゲートウェイ10に送信する(ステップS304)。
【0061】
ホームゲートウェイ10は、ホームネットワーク通信部12にてウェイクアップ要求を受信し(ステップS305)、これに応答して、ゲートウェイ処理部11にてスリープモードを解除することにより、ウェイクアップする(ステップS306)。これ以降、宅外コンピュータ2から家電機器30へのアクセスが可能となる。
【0062】
以上詳細に説明したように、この実施の形態によれば、スマートメータ20は、宅外コンピュータ2からPHS網4を介して送信される通信コマンドを受信したことに応答して、インターネット網3を介した宅外コンピュータ2とホームゲートウェイ10との通信を再度可能とすることができるため、ホームゲートウェイ10は、かかる通信が所定期間以上行われなかった場合に、スリープモードに移行することができる。
【0063】
ここで、マルチメディア情報を扱い、インターネット網3を介した高速通信を実現するホームゲートウェイ10の方が、電力量のモニタリングや家電機器の遠隔制御に用い、PHS網4を介した低速通信でも構成可能なスマートメータ20よりも、消費電力が大きくなる。
【0064】
このように、インターネット網3よりも少ない消費電力で通信可能なPHS網4を介して宅外コンピュータ2と接続されたスマートメータ20を常時通電して通信を可能なままにしておく一方で、宅外コンピュータ2からの通信が所定期間以上途絶えた場合に、ホームゲートウェイ10を消費電力を抑える低消費電力モード(スリープモード)に移行させることで、ホームネットワークシステム1における消費電力を必要最小減まで抑えることができる。
【0065】
また、宅外コンピュータ2との通信として、ホームゲートウェイ10にはマルチメディアを扱える高速通信を、低速で十分なスマートメータ20には低コストの低速通信を採用することにより、システムコストを最小限まで低減するも可能となる。
【0066】
さらに、宅外コンピュータ2から見たホームネットワークシステム1の接続口を、高速通信が可能なホームゲートウェイ10に一本化することで、機能を単純化することができる。
【0067】
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されず、種々の変形、応用が可能である。以下、この発明に適用可能な上記実施の形態の変形態様について、説明する。
【0068】
上記実施の形態において、CPUが実行するプログラムは、予めROMなどに記憶されるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上述の処理を実行させるためのプログラムを、既存のホームゲートウェイ10やスマートメータ20に適用することで、上記実施の形態に係るホームゲートウェイ10やスマートメータ20として機能させてもよい。
【0069】
このようなプログラムの提供方法は任意であり、例えばコンピュータが読取可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)−ROM、DVD(Digital Versatile Disc)−ROM等)に格納して配布してもよいし、インターネット等のネットワーク上のストレージにプログラムを格納しておき、これをダウンロードさせることにより提供してもよい。
【0070】
さらに、上記の処理をOSとアプリケーションプログラムとの分担、又はOSとアプリケーションプログラムとの協働によって実行する場合には、アプリケーションプログラムのみを記録媒体やストレージに格納してもよい。また、搬送波にプログラムを重畳し、ネットワークを介して配信することも可能である。例えば、ネットワーク上の掲示板(BBS:Bulletin Board System)に上記プログラムを掲示し、ネットワークを介してプログラムを配信してもよい。そして、このプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上記の処理を実行できるように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0071】
この発明は、ホームゲートウェイとスマートメータとが併存するホームネットワークシステムに好適である。
【符号の説明】
【0072】
1 ホームネットワークシステム
2 宅外コンピュータ
3 インターネット網
4 PHS網
10 ホームゲートウェイ
11 ゲートウェイ処理部
12 ホームネットワーク通信部
13 インターネット通信部
20 スマートメータ
21 スマートメータ処理部
22 インターネット通信部
23 ホームゲートウェイ通信部
31 インターネット通信部
36 IPアドレス記憶部
40 ホームネットワーク
100 通信システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1通信網を介して外部コンピュータに接続された第1通信装置と、
前記第1通信網よりも通信速度が遅い第2通信網を介して外部コンピュータに接続された第2通信装置と、
をネットワークを介して相互に通信可能に接続したネットワークシステムであって、
前記第1通信装置は、
前記第1通信網を介した前記外部コンピュータとの通信が所定期間以上行われなかった場合、該外部コンピュータとの通信を不能とし、該外部コンピュータとの通信が可能なときよりも消費電力が少ないスリープモードに移行するスリープモード移行手段と、
前記第2通信装置から前記ネットワークを介して解除要求を受信したことに応答して、前記スリープモード移行手段によって移行された前記スリープモードを解除するスリープモード解除手段と、
を備え、
前記第2通信装置は、前記外部コンピュータから前記第2通信網を介して前記スリープモードの解除を要求する通信コマンドを受信したことに応答して、前記解除要求を前記ネットワークを介して前記第1通信装置に送信する解除要求送信手段を備える、
ことを特徴とするネットワークシステム。
【請求項2】
前記外部コンピュータは、
前記第1通信装置のアドレスと前記第2通信装置のアドレスとを対応付けて記憶するアドレス記憶手段と、
前記第1通信装置が前記スリープモードに移行している場合、該第1通信装置のアドレスに対応する前記第2通信装置のアドレスを前記アドレス記憶手段から検出するアドレス検出手段と、
前記アドレス検出手段によって検出されたアドレスの前記第2通信装置に、前記第2通信網を介して前記スリープモードの解除を要求する通信コマンドを送信する通信コマンド送信手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のネットワークシステム。
【請求項3】
前記第2通信装置は、前記第1通信装置のアドレスを前記外部コンピュータに通知することを要求する通知要求を、該第2通信装置のアドレスとともに前記ネットワークを介して該第1通信装置に送信する通知要求送信手段をさらに備え、
前記第1通信装置は、前記通知要求送信手段によって送信された前記通知要求を受信したことに応答して、該第1通信装置のアドレスを、該通知要求送信手段によって送信された前記第2通信装置のアドレスとともに、前記第2通信網を介して前記外部コンピュータに送信するアドレス送信手段をさらに備え、
前記外部コンピュータは、
前記アドレス送信手段によって送信された前記第1通信装置のアドレスと前記第2通信装置のアドレスとを受信するアドレス受信手段と、
前記アドレス受信手段によって受信された前記第1通信装置のアドレスと前記第2通信装置のアドレスとを前記アドレス記憶手段に対応付けて登録するアドレス登録手段と、
をさらに備える、
ことを特徴とする請求項2に記載のネットワークシステム。
【請求項4】
前記第1通信装置に前記ネットワークを介して相互に通信可能に接続され、該第1通信装置が前記スリープモードに移行している場合、前記解除要求を前記ネットワークを介して前記第1通信装置に送信して前記スリープモード解除手段に前記スリープモードを解除させることにより、該ネットワーク及び前記第1通信網を介した前記外部コンピュータとの通信を可能にする内部コンピュータをさらに備える、
ことを特徴とする請求項1、2、又は3に記載のネットワークシステム。
【請求項5】
第1通信網を介して外部コンピュータに接続された第1通信装置と、
前記第1通信網よりも通信速度が遅い第2通信網を介して外部コンピュータに接続された第2通信装置と、
をネットワークを介して相互に通信可能に接続したネットワークシステムにおける通信制御方法であって、
前記第1通信装置が、前記第1通信網を介した前記外部コンピュータとの通信が所定期間以上行われなかった場合、該外部コンピュータとの通信を不能とし、該外部コンピュータとの通信が可能なときよりも消費電力が少ないスリープモードに移行するスリープモード移行ステップと、
前記第1通信装置が、前記第2通信装置から前記ネットワークを介して解除要求を受信したことに応答して、前記スリープモード移行ステップによって移行された前記スリープモードを解除するスリープモード解除ステップと、
前記第2通信装置が、前記外部コンピュータから前記第2通信網を介して前記スリープモードの解除を要求する通信コマンドを受信したことに応答して、前記解除要求を前記ネットワークを介して前記第1通信装置に送信する解除要求送信ステップと、
を備えることを特徴とする通信制御方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図1】
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【公開番号】特開2011−228818(P2011−228818A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−94435(P2010−94435)
【出願日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】