説明

ハイブリッドエネルギ貯蔵デバイスの陰極

集電装置と、集電装置の少なくとも1つの面に固定した導電性の腐食防止コーティングと、導電性の腐食防止コートに付着した活性炭を含むシートと、陰極の側部から伸びているタブ部と、タブ部の少なくとも1部を包囲する鉛又は鉛合金を含むラグを含むハイブリッドエネルギ貯蔵装置の陰極。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッドエネルギ貯蔵デバイスの陰極に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッドエネルギ貯蔵デバイスは、非対称の電気二重層コンデンサ、又は、ハイブリッドバッテリ/電気二重層コンデンサとしても知られている。ハイブリッドエネルギ貯蔵デバイスは、サイクル寿命、パワー密度、エネルギ量、再充電速度、そして広い動作温度範囲の特性に特徴を持つデバイスになるようにバッテリ電極と電気二重層コンデンサ電極を組み合わせる。鉛−カーボンハイブリッドエネルギ貯蔵デバイスは、鉛蓄電池の陽極と電気二重層コンデンサ電極の陰極とを利用している。U.S. Patent Nos. 6,466,429、6,628,504、6,706,079、7,006,346、7,110,242参照。
【0003】
従来の発想は、いかなる新しいバッテリ技術にしても、電気二重層コンデンサ技術にしても、構成要素を組み合わせて、その技術分野に特有の手法を利用しているにすぎない。さらに、従来の発想では、鉛−カーボンエネルギ貯蔵デバイスは、デバイス内の一つのセルもしくは複数のセルの比較的大きい圧縮力を利用して組み立てることが求められる。大きい圧縮力は、活性炭素活性材と陰極の集電装置との間に大きな接触抵抗が存在しているからである。従来の発想では、製造装置は、通常、既存の鉛蓄電池の製造に使われている。そして、従来の発想では、製造装置は、自動車産業、動力源、静的な用途、そして、その他のエネルギ貯蔵用途に一般に用いられてきており、ハイブリッドエネルギ貯蔵デバイスの製造工程に利用できなかった。
【0004】
本発明の目的は、既存の利用可能な鉛蓄電池製造装置を使用して製造することができるハイブリッドエネルギ貯蔵デバイスの陰極を提供することである。発明者は、シングルセルとマルチセルのハイブリッドエネルギ貯蔵デバイスは、改良を加えた従来型の鉛蓄電池製造装置を使用して製造しても良いことを証明した。キャストオン装置は、活性化されたカーボンベースの陰極を、従来の鉛蓄電池の鉛ベースの陰極を扱うのと同じような方法で扱えるように適応される。
【0005】
本発明の目的は、簡単に利用できて、比較的安価な従来の鉛蓄電池製造装置を利用して製造されるハイブリッドエネルギ貯蔵デバイスの陰極を提供することである。これらの陰極は、大きなスタック圧の必要性を減少させて、許容可能な電気化学特性を持つための設計変更を含んでいる。従って、陰極は既存の鉛蓄電池製造装置を使った手法を適用する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、ハイブリッドエネルギ貯蔵デバイスの陰極を提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、既存の鉛蓄電池製造装置を利用して製造することが可能なハイブリッドエネルギ貯蔵デバイスの陰極を提供することである。
【0008】
本発明の利点は、陰極の活性材料は膨張黒鉛材料の上にラミネートされているため、高いスタック圧の必要性を取り除いても、良好な接触抵抗特性を達成できる。
【0009】
上述の目的と利点は、集電装置と、集電装置の少なくとも1つの面に固定させた導電性の腐食防止コーティングと、導電性の腐食防止コーティングに付着して電気的に接続する活性炭を含んだシートとを有するハイブリッドエネルギ貯蔵デバイスの陰極によって実現される。タブ部は集電装置の側部から伸びている。鉛か鉛合金を含んだラグは、少なくともタブ部の一部を包囲する。
【0010】
ここで使われる、“実質的”,“一般的”,“相対的”,“概算で”,“約”の語 は、特定された特性から、許容幅を示すことを意図した相対的な修飾語である。この修飾語は、絶対値や決まった特性を制限することを意図しておらず、物理的又は機能的な特性のようなものを具体化したり近似したりすることを意図している。
【0011】
“一実施例”,“実施例”,“実施例中”の言及は、言及されている特長は、発明の少なくとも1つの実施例に含まれていることを意味する。更に、“一実施例”,“実施例”,“実施例中”のそれぞれの言及は、同じ実施例を参照する必要はないが、何れかが互いに排他的で、言及がなければ、当業者が自明の範囲で除外する。したがって、発明は、ここで記載されている実施例の様々な組み合わせ及び/又は融合を含む。
【0012】
以下の説明では、リファレンスは添付図にあわせられている。添付図は発明が実施される程度に特定の実施例を説明する方法により示される。以下に説明する実施例は、当業者が発明を実施できる程度に、十分詳細に述べられている。他の実施形態は利用されるかも知れず、そして、公知の構造及び/または機能的な同等品は本発明の範囲からでなくても作られるかも知れないと理解する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の一実施例に係る陰極の断面図である。
【図2】図2は、図1の陰極の膨張黒鉛シート又は膨張黒鉛フォイルの図である。
【図3】図3は、パラフィンで含浸された膨張黒鉛シート又は膨張黒鉛フォイルによって酸が漏出することを示す図である。
【図4】図4は、パラフィンとロジンで含浸された膨張黒鉛シート又は膨張黒鉛フォイルによって酸が漏出しないことを示す図である。
【図5】図5は、フルフラールで含浸された膨張黒鉛シート又は膨張黒鉛フォイルによって酸が漏出することを示す図である。
【図6】図6は、既存技術によるタブ部の腐食を示す図である。
【図7A】図7Aは、既存技術によるタブ部の上の鉛−錫コーティングを示す図である。
【図7B】図7Bは、本願によるタブ部の少なくとも一部分を封じているラグを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1〜7Bは、本願に係るハイブリッドエネルギ貯蔵デバイスの陰極を表す。
【0015】
図1は本発明の一実施形態に係る陰極10を表す。陰極10は集電装置20を有する。集電装置20は、効率の良い幾何学的な形状であれば何でも良いが、好ましくは平面状でシート状、フォイル状、メッシュ状の形状が良い。集電装置20の少なくとも1つの面の表面の少なくともかなりの部分、または全ては、集電装置に固定した導電性の腐食防止コーティング22を有して腐食から守られている。
【0016】
陰極は、腐食防止コーティング22に付着して電気的に接続する電気化学的な活性材24を有する。ある特定の実施形態では、導電性の腐食防止コーティング22は、集電装置20の下端付近で包まれている。
【0017】
集電装置
集電装置20は導電性の材料から構成される。例えば、集電装置20は、ベリリウム、青銅、市販の鉛含有青銅、銅、銅合金、銀、金、チタニウム、アルミニウム、アルミ合金、鉄、鉄鋼、マグネシウム、ステンレス、ニッケル、これら金属材料の混合物、または、これら金属材料の合金のような金属材料であっても良い。好ましくは、集電装置は、銅か銅合金を含む。集電装置20の材料は、コーティング22の表面のメッシュの材料(例えば銅のメッシュ)であっても良い。コーティング22は集電装置の防食コーティングをなすために加圧されている。
【0018】
集電装置は、約1.0×10siemens/mより高い導電率を有した導電性の材料であれば良い。もし、その導電性の材料が異方導電性を持っていれば、どの方向に対しても、約1.0×10siemens/mより高い導電率を示すはずである。
【0019】
腐食防止コーティング
導電性の腐食防止コーティング22は、例えば、硫酸のような酸性の電解液や、硫黄を含んだ他の電解液の中で、化学的な耐性と電気化学的な安定性を持つ。このようにして、電子伝導性が保たれながら、イオンの集電装置への流出や集電装置からの流入を防いでいる。
【0020】
腐食防止コーティング22は、好ましくは、含浸された黒鉛材料である。黒鉛は、黒鉛シート又は黒鉛フォイルを耐酸性にするような材料で含浸される。含浸材料は、パラフィンやフルフラールのような非ポリマー材料であっても良い。特定の実施例では、含浸材料は、熱可塑特性を示し、約25℃から約400度の範囲に融点を持っても良い。
【0021】
好ましくは、黒鉛はパラフィンとロジンで含浸される。実施例では、黒鉛は、混合物の重量に対して、約90から約99重量%のパラフィンと約1から約10重量%のロジンの混合物で含浸されても良い。ここで、好ましくは、ロジンは約2から約3重量%である。ロジンは、黒鉛の微細孔を完全にシールすることで、酸性の電解液を浸透させない効果がある。
【0022】
黒鉛は、高密度か低密度の膨張黒鉛からなるシート状又はフォイル状の形状であっても良い。好ましくは、以下に述べる理由から、腐食防止コーティングは、低密度の膨張黒鉛で構成される。
【0023】
電気の伝導の大部分は、電気化学的な活性材24から、腐食防止コーティング22を経て、集電装置20へ向かっており、腐食防止コーティング22のコーティング面に対して垂直方向である。図2に示すように、黒鉛は異方導電性を示す。膨張黒鉛シートのグラフェン層の向きは、グラフェン面がシートとが概ね平行な向きである。各グラフェン層は、6角の構造を有しているカーボン原子の単一な平面シートである。高密度の膨張黒鉛シートは、低密度の膨張黒鉛シートと比較して、より平行な傾向にある。高密度の黒鉛材料のシート又はフォイルに電流が流されたとき、電流は、シート又はフォイルの平面と平行な方向(すなわち、図2でスループレーンの方向(面を通過する方向))に層流する傾向にある。すなわち、高密度黒鉛材料は、シート又はフォイルの平面と垂直の方向(すなわち、図1でインプレーンの方向(平面に沿った方向))に電流の流れに対する抵抗性を示す。
【0024】
低密度の黒鉛に関して、導電性又は抵抗性は、低密度の黒鉛のシート又はフォイルの平面に対して、平行であっても垂直であってもおよそ同じ傾向にある。従って、電流の流れは、集電装置の1つの面又は複数の面に対して垂直方向(すなわち、図1でインプレーンの方向)でなければならないから、低密度の膨張黒鉛は好まれて用いられる。従って、膨張黒鉛シートの垂直方向に配置されたインプレーン方向の少なくとも複数の構成要素とグラフェン層を調和良く配置するために、低密度の膨張黒鉛の使用は利点がある。そして、そのようにすることによって、陰極の電気抵抗を下げることができる。
【0025】
膨張黒鉛シート又は黒鉛フォイルの密度は、約0.1から約2.0g/cmの範囲であっても良く、好ましくは、約0.2から約1.8g/cmで、さらに好ましくは、約0.5から約1.5g/cmである。
【0026】
他の実施形態では、腐食防止コーティング22は、カーボンブラックのような導電性の材料を含んだポリマーコーティングであっても良い。あるいは、腐食防止コーティング22は、例えばチタニウムサブオキサイドや導電性のダイアモンド材料のように、導電性であって腐食防止の材料であっても良い。実施例では、チタニウムサブオキサイドはTiX2X−1(ここでxは整数)であっても良く、例えば、TiかTiであっても良い。チタニウムサブオキサイドは、黒鉛と比較して、導電性と薄さに優れ、電気抵抗が小さい。実施例では、導電性のダイアモンド材料は、層や膜であっても良く、その層や膜は、熱フィラメントCVD法、マイクロ波プラズマCVD法、プラズマアークジェット法、PVD法で堆積されても良い。導電性のダイアモンドは、例えば、ボロンがドープされても良い。
【0027】
実施例では、腐食防止コーティング22は、腐食因子(例えば、硫酸のような強酸化材)の影響を受けて、腐食防止と酸不透過の層の形成する材料であっても良い。硫酸の場合、その層は、硫酸鉛を形成するように酸化されても良い。
【0028】
電気化学的活性材
陰極の活性材24は活性炭を含む。活性炭は主なカーボンベースの材料を指している。このカーボンベースの材料としては、約100m/gより大きな比表面積を示す材料で、例えば、約100m/gから約2500m/gの比表面積を示す材料であれば良い。比表面積は、既存のシングルポイントBET法を使用(例えば、Micromeritics FlowSorb III 2305/2310の装置を使用)して測定する。特定の実施例では、活性材は活性炭と鉛そして導電性のカーボンで構成されても良い。例えば、活性材は、5〜95重量%の活性炭、95〜5重量%の鉛、そして5〜20重量%の導電性のカーボンで構成されても良い。
【0029】
活性材24は、シート状であっても良い。このシート状の活性剤24は、導電性の腐食防止コーティング材22に付着して電気的に接続している。実施例では、活性材は、ホットメルト材を使用することで、腐食防止コーティングに付着されても良い。
【0030】
活性炭を、導電性の腐食防止コーティングに付着させて電気的に接続するために、活性炭粒子は適した結合材と混ぜられても良い。この結合材としては、PTFEや超高分子量ポリエチレン(例えば、数百万の分子量を持っている。通常は約200万から600万の分子量)のような材料であっても良い。実施例では、活性材と結合材の重量に対する結合材の量は、約3〜約25重量%で、好ましくは約5〜約15重量%(例えば10重量%)であっても良い。結合材は、熱可塑特性が無いものや熱可塑特性が小さいものが好ましい。
【0031】
活性炭と、PTFE又は超高分子量ポリエチレンの結合材は、活性材と導電性の腐食防止コーティングとの間の導電率を良好にするために必要な圧力を、約5psi未満、好ましくは3psi未満まで低減させる。対照的に、ポリエチレン、又は、ポリプロピレン結合材、アクリルでスラリーコートされた電極、ブタジエン結合材の使用は、活性材と導電性の腐食防止コーティングとの間で良い導通を得るためには5psiより高い圧力が必要とされる。
【0032】
タブ部
タブ部26は陰極の側部から伸びていて、例えば、集電装置20から伸びている。実施例では、タブ部は集電装置の延長である。
【0033】
鉛又は鉛合金を含むラグ28は、鋳造されて、タブ部26の少なくとも一部分、好ましくは全体を包囲している。ラグ28は、酸化防止コーティング22と活性材24が集電装置20に固定される前に供給されても良い。そうすることによって、これら材料の危険性を、鉛を溶融する際に必要とされる高温のみに限定する。導電性の腐食防止コーティング22と活性材24の前にラグ28を供給することは、ホットメルト材41がラグ28まで確実に施されることをも可能にする。このとき、ラグ28は導電性の腐食防止コーティングと活性材とを固定している。実施例では、ラグはモールドによってタブに供給されている。
【0034】
実施例では、ラグは、約0.5mmから約10mmの厚みであっても良い。ラグ28の厚みは、タブ部26と腐食防止コーティング22へのシールを確実にするために決まり、キャストオンストラップ(COS)工程の際に発生する熱処理に影響されない。本実施例によると、鉛もしくは鉛合金のキャストオンストラップ30は、ラグ28の少なくとも1部分に鋳造されても良い。
【0035】
ラグ28は、集電装置20が電解液に侵食されないことを確実にする。特定の実施例では、ラグの内部の鉛は、硫酸の電解液と反応して硫酸鉛(PbSO)を形成して、腐食を防止する隔壁を形成している。加速試験によると、ラグは、約5年から約10年に渡って、集電装置を侵食から保護している。対照的に、タブ部と集電装置を保護するためにプラスチックスリーブを使用すると、酸性の電解溶液がプラスチックとタブ部の間に短時間で入り込んでしまうため、集電装置はすぐに破壊される。
【0036】
例示
例1:含浸された黒鉛の腐食防止コーティング
9つの電極は、活性材を使用しないで作られており、3種類の異なる黒鉛フォイル(グラフォイル)で作られている。表示する紙は、銅の集電装置の両幅に合わせて(包み込まれるように)カットされている。4つの電極は自動接着器を使って作られており、5つの電極は同一の接着剤を使ったが手作業で施して作られている。したがって、仮に接着部からリークがあった場合、接着工程に問題があるのか、接着剤に問題があるのかを判断することができる。
【0037】
電極は硫酸で浸されて、バッテリケース内できつく圧力を加えられた状態で、その後30分間、35psiの圧力を加えられる。減圧された後、電極を入念に濯いで、リークの形跡を確認するために、銅の集電装置からグラフォイルが剥がされる。
【0038】
図3に示す3つの電極は、100%のパラフィンワックス含浸物のグラフォイルで作られた電極である。この3つの電極は、図3に示すように、全て中央からリークしているため、グラフォイルの欠陥であって、接着剤の問題でないことを示している。図4に示す3つの電極は、98%のパラフィンと2%のガムロジンとの含浸物のグラフォイルで作られており、図4に示すように、酸のリークの形跡が全くない。図5に示す2つの電極は、フルフラールで含浸されたグラフォイルで、図5に示すようにリークがない。しかし、図5に示す3つ目の電極は、下端付近でリークしていて、これは、グラフォイルに対する接着剤の接着が不十分であったために発生したと思われる。
【0039】
例2:含浸された黒鉛の腐食防止コーティング
図7Aに示すように、鉛−錫コーティングは、銅のタブを腐食から守るために使用されている。鉛−錫の材料は腐食反応して、硫酸鉛の腐食防止層を形成している。しかしながら、キャストオンストラップ工程は、コーティングの著しい減少を引き起こす。COS工程中、タブは溶融した鉛と接触して位置される。熱せられた鉛は、タブに大きな発熱を引き起こし、鉛のストラップに吸収された鉛−錫の保護コーティングを溶かして、銅のタブにはとても薄い保護膜しか残らない。以上のことから、図6に示すように、銅のタブは、硫酸電解液によって侵食した。
【0040】
図7Bに示すように、銅のタブの上には、鉛−錫コーティングの代わりに鉛のラグがモールドされる。鉛のラグはCOS工程で溶融しないため保護コーティングを保持する。
【0041】
産業用途
陰極は、上述のように、集電装置と、集電装置の少なくとも1つの面に固定した導電性の腐食防止コーティングと、導電性の腐食防止コーティングに付着した活性炭を有するシートと、陰極の側部から伸びているタブ部とを有する。この陰極は、ハイブリッドエネルギ貯蔵デバイスに特に適している。
【0042】
ここでは、本発明の特定の実施例を記載したが、当業者によって、本発明の多くの改良や実施例が、前述の記載や関連図面に開示された内容に利点を持たせた発明パターンとして、想像できると理解する。
【0043】
したがって、本発明はここで開示した特定の実施例に限定されないと理解する。そして、本発明に係る多くの改良やその他の実施例は、本発明の範囲に含まれることを意図する。さらに、特定の用語がここで使用されているが、これらの用語は、一般的に、そして表現のために用いられており、記載した発明を制限する目的ではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイブリッドエネルギ貯蓄装置の陰極であって、
集電装置と、
前記集電装置の少なくとも1つの面に固定した導電性の腐食防止コーティングと、
前記導電性の腐食防止コーティングに付着した活性炭を含むシートと、
前記陰極の側部から伸びているタブ部と、
鉛又は鉛合金を含むタブ部を包囲しているラグとを有することを特徴とするハイブリッドエネルギ貯蔵デバイスの陰極。
【請求項2】
請求項1の陰極であって、前記シートが、
5〜95重量%の活性炭と、
5〜95重量%の鉛と、
5〜20重量%の導電性カーボンとを有することを特徴とする陰極。
【請求項3】
請求項1又は請求項2の陰極であって、前記導電性の腐食防止コーティングは、前記集電装置の両面に固定されていて、活性炭を含むシートは、前記集電装置の両面の前記導電性の腐食防止コーティングに付着して電気的に接続することを特徴とする陰極。
【請求項4】
請求項1又は請求項2の陰極であって、前記集電装置は、金属製の材料を含んでいることを特徴とする陰極。
【請求項5】
請求項1又は請求項2の陰極であって、前記集電装置は、1.0×10siemens/mの導電率を持つ材料で構成してあることを特徴とする陰極。
【請求項6】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の陰極であって、前記集電装置は、銅又は銅合金を含んでいることを特徴とする陰極。
【請求項7】
請求項1又は請求項2の陰極であって、前記導電性の腐食防止コーティングは、パラフィンとロジンで含浸された、膨張黒鉛シート又は膨張黒鉛フォイルを含んでいることを特徴とする陰極。
【請求項8】
請求項7の陰極であって、膨張黒鉛シート又は膨張黒鉛フォイルは、約0.1g/cmから約2.0g/cmの範囲内に密度を持つ低密度の黒鉛で構成してあることを特徴とする陰極。
【請求項9】
請求項1の陰極であって、前記集電装置は、シート状、フォイル状、又はメッシュ状であることを特徴とする陰極。
【請求項10】
請求項9の陰極であって、前記集電装置は、メッシュ状であって、メッシュには導電性の腐食防止コーティングが施されてあることを特徴とする陰極。
【請求項11】
請求項1から請求項4のいずれかに記載された陰極であって、更に、活性炭の前記シートは、ポリテトラフルオルエチレン又は超高分子量ポリエチレンのうちの少なくとも1つを含んでいることを特徴とする陰極。
【請求項12】
請求項1又は請求項2の陰極であって、前記導電性の腐食防止コーティングは、式Ti2x−1(ここでxは整数)で表されるチタニウムサブオキサイドを含んでいることを特徴とする陰極。
【請求項13】
請求項1又は請求項2の陰極であって、前記導電性の腐食防止コーティングは、導電性のダイアモンド材料を含んでいることを特徴とする陰極。
【請求項14】
請求項1の陰極であって、前記ラグは、約0.05mmから約10mmの厚みを持っていることを特徴とする陰極。
【請求項15】
集電装置と、
前記集電装置の少なくとも1つの面に固定されていて、パラフィンとロジンで含浸された黒鉛シート又は黒鉛フォイルを含んでいる導電性の腐食防止コーティングと、
前記導電性の腐食防止コーティングに付着した活性炭を含むシートと、
前記陰極の側部から伸びているタブ部とを特徴とするハイブリッドエネルギ貯蔵デバイスの陰極。
【請求項16】
請求項15の陰極であって、更に、活性炭の前記シートは、ポリテトラフルオルエチレン又は超高分子量ポリエチレンのうち少なくとも1つを含んでいることを特徴とする陰極。
【請求項17】
請求項15の陰極で、前記集電装置は、銅又は銅合金を含んでいることを特徴とする陰極。
【請求項18】
添付図を参照して明細書で述べられている陰極。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【公表番号】特表2010−507901(P2010−507901A)
【公表日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−534792(P2009−534792)
【出願日】平成19年10月22日(2007.10.22)
【国際出願番号】PCT/US2007/082047
【国際公開番号】WO2008/051885
【国際公開日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(509116727)アクシオン パワー インターナショナル,インコーポレイテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】AXION POWER INTERNATIONAL,INC.
【住所又は居所原語表記】3601 Clover Lane,New Castle,Pennsylvania 16105(US)
【Fターム(参考)】