ハイブリッド車両
【課題】空燃比センサの異常判定を行う。
【解決手段】
気体燃料が供給されるエンジン6と、エンジン6によって駆動されて発電を行うジェネレータ7と、ジェネレータ7での発電電力を蓄電するバッテリ9と、バッテリ9とジェネレータ7との少なくとも一方から電力を受けて駆動される走行用モータ4とを備えている。ジェネレータ7の出力と気体燃料の消費量とから決定される実際の燃費率を、目標燃費率と比較することにより、前記空燃比センサの異常判定が行われる。空燃比センサが異常と判定されたときは、空燃比センサの出力特性を補正したり、エンジン回転数の増減補正等が行われる。
【解決手段】
気体燃料が供給されるエンジン6と、エンジン6によって駆動されて発電を行うジェネレータ7と、ジェネレータ7での発電電力を蓄電するバッテリ9と、バッテリ9とジェネレータ7との少なくとも一方から電力を受けて駆動される走行用モータ4とを備えている。ジェネレータ7の出力と気体燃料の消費量とから決定される実際の燃費率を、目標燃費率と比較することにより、前記空燃比センサの異常判定が行われる。空燃比センサが異常と判定されたときは、空燃比センサの出力特性を補正したり、エンジン回転数の増減補正等が行われる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エンジンとして、水素やLPG等の気体燃料が供給されて、点火プラグによって着火される火花点火式気体燃料エンジンが実用化されている。また、エンジンと走行用モータとを備えたハイブリッド車が増加する傾向にある。特許文献1には、ハイブリッド車用のエンジンとして。火花点火式気体燃料エンジンを用いるものが開示されている。特許文献2には、ハイブリッド車において、エンジン回転を高効率の範囲内でもって稼働させることが開示されている。
【0003】
気体燃料が供給されて燃焼が行われる気体燃料エンジンにおいては、液体燃料が供給される液体燃料エンジンと同様に、排気通路にリニア酸素センサ等の空燃比センサが設けられて、この空燃比センサによって検出される実際の空燃比が目標空燃比となるように、燃料噴射量がフィードバック制御することも行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−250024号公報
【特許文献2】特開2007−195334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、気体燃料エンジンにあっては、燃焼によって水蒸気が多く発生するため、特に冷機時には、水蒸気が排気通路内で液化して空燃比センサが被水し、空燃比センサに異常を生じさせる原因となる。この被水に起因する空燃比センサの異常は、実際の空燃比が例えば目標空燃比であったとしても目標空燃比よりもリーンであると誤検出したり(検出値がリーン側にずれるリーンずれ)、逆に、実際の空燃比が例えば目標空燃比であったとしても目標空燃比よりもリッチであると誤検出することになる(検出値がリッチ側にずれるリッチずれ)。そして、このようなリーンずれやリッチずれという空燃比センサの出力特性の好ましくない異常状態は、そのまま持続してしまうことになる。
【0006】
異常となった空燃比センサの出力をそのまま用いてエンジン制御を続行すると、エンジン出力が所望状態(目標値)と相違することとなって、例えばジェネレータの発電量に過不足を生じたり、バッテリの充放電量に過不足を生じる等、ハイブリッド車両のシステム全体として好ましくない事態を生じることになる。また、エンジン単体としてみたときは、空燃比センサがリーンずれすると、空燃比をリッチにすべく燃料噴射量が増量されて、燃費悪化や異常燃焼(バックファイア)が生じ易くなる。また、空燃比センサがリッチ側にずれると、空燃比をリーンにすべく燃料噴射量が減量されて出力不足となる。このような空燃比センサの異常発生を防止するために、空燃比センサを防水カバー等で保護することも行われているが、必ずしも十分でなく、空燃比センサの異常発生を完全に避けることが難しいというのが実情である。
【0007】
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、空燃比センサの異常を検出できるようにしたハイブリッド車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載のように、
気体燃料が供給されるエンジンと、該エンジンによって駆動されて発電を行うジェネレータと、該ジェネレータでの発電電力を蓄電するバッテリと、該バッテリと該ジェネレータとの少なくとも一方から電力を受けて駆動される走行用モータと、を備えたハイブリッド車両であって、
エンジンの排気通路に設けられた空燃比センサと、
前記ジェネレータの出力と気体燃料の消費量とから実際の燃費率を決定する実燃費率決定手段と、
前記実燃費率決定手段で決定された実燃費率を目標燃費率と比較することにより、前記空燃比センサの出力にずれを生じた異常を判定する異常判定手段と、
を備えているようにしてある。
【0009】
上記解決手法によれば、ジェネレータの出力(トルクあるいは発電量に相当)はエンジン出力を反映したものとなるので、気体燃料の消費量とジェネレータの出力とから、エンジンの実際の燃費率を決定することができる。そして、実際の燃費率と目標燃費率と比較することにより、空燃比センサの出力に基づいて供給されている燃料量が適正であるか否か、つまり空燃比センサが正常であるのか異常であるのかを判断することが可能となる。
【0010】
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2以下に記載のとおりである。すなわち、
少なくともエンジンの冷機状態において前記異常判定手段による異常判定が行われる、ようにしてある(請求項2対応)。この場合、冷機状態というエンジン始動からの早い段階で空燃比センサの異常判定を行うことができる。また、冷機時は、空燃比センサが被水しやすいときで空燃比センサに異常発生しやすい環境ともなるので、空燃比センサの異常判定時期として極めて適切な時期とされる。
【0011】
前記異常判定手段により異常と判定されたとき、前記空燃比センサの出力のずれを補償するように補正を行う補正手段をさらに備えている、ようにしてある(請求項3対応)。この場合、補正手段での補正によって、ハイブリッド車両のシステムを適正に作動させることができる。
【0012】
前記補正手段は、空燃比のずれに応じて前記空燃比センサの出力特性を補正するように設定されている、ようにしてある(請求項4対応)。この場合、空燃比センサの出力特性そのものを補正するので、つまり空燃比センサが正常に作動しているのと同じ状態となるように補正して、空燃比センサの異常を根本的に解消する上で好ましいものとなる。特に、エンジンの定常運転時に補正するようにして、この補正後の出力特性をそのままその後のエンジン制御等に有効に利用する上でも好ましいものとなる。
【0013】
前記補正手段は、空燃比のずれに応じてエンジン出力を増減補正するように設定されている、ようにしてある(請求項5対応)。この場合、空燃比センサの出力に基づいて変化されるエンジン出力を補正することにより、請求項4に対応した効果とほぼ同様の効果を得ることができる。特に、エンジンの加速時等の過渡時の補正として好ましいものとなる。
【0014】
前記補正手段は、空燃比のずれに応じて前記バッテリの充放電量を補正するように設定されている、ようにしてある(請求項6対応)。この場合、バッテリの充放電量の補正によって、エンジン出力の所望状態からのずれを解消して、ハイブリッド車両のシステムを適正に作動させることができる。
【0015】
吸入空気量と燃料噴射量とから実際の空気過剰率を決定する実空気過剰率決定手段を備え、
前記実空気過剰率決定手段で決定された実空気過剰率と目標空気過剰率とを比較することにより、前記空燃比センサで検出される空燃比のずれの大きさが判定される、
ようにしてある(請求項7対応)。この場合、空燃比のずれの大きさを精度よく決定することができる。
【0016】
前記ジェネレータの出力が目標出力に対してあらかじめ設定された所定値以上ずれていることを前提として、前記異常判定手段による異常判定が実行される、ようにしてある(請求項8対応)。この場合、空燃比センサの異常判定を不必要に行わないようにする上で好ましいものとなる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、空燃比センサの異常を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明をハイブリッド車に適用した場合の一例を示す簡略平面図。
【図2】火花点火式気体燃料エンジンの一例を示す系統図。
【図3】バッテリ電力のみを利用した走行とエンジンにより発電を行いつつ走行するときの一例を示す図。
【図4】本発明の制御系統例をブロック図的に示す図。
【図5】空燃比とエンジン燃費率との関係を示す特性図。
【図6】エンジン回転数と燃費率との関係を示す特性図。
【図7】エンジンの定常運転時において、空燃比センサの出力特性を補正することによる各種制御値が変化する様子を示すタイムチャート。
【図8】エンジンの加速時において、エンジン出力を補正することによる各種制御値が変化する様子を示すタイムチャート。
【図9】空燃比のずれに応じて空燃比センサの出力特性を補正する具体例を示す特性図。
【図10】空燃比のずれに応じてエンジン出力を補正する具体例を示す特性図。
【図11】本発明の制御例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1において、車両としての自動車Vは、そのボディ(車体)が符合1で示され、左右前輪が符合2で示され、左右後輪が符合3で示される。4は、走行用モータで、この走行用モータ4が、デファレンシャルギア5A、ドライブシャフト5Bを介して左右の前輪2に連結されている。すなわち、実施形態では、左右前輪2のみが駆動される前輪駆動車とされている。
【0020】
ボディ1の前部には、走行用モータ4の他に、エンジン6,ジェネレータ7、インバータ8が配設されている。また、ボディ1の前後方向中間部から後部に渡っての床面下には、バッテリ9,燃料タンク10が配設されている。エンジン6は、火花点火式気体燃料エンジンとされて、燃料タンク10内に貯溜された気体燃料としての水素が供給されるようになっている。
【0021】
ジェネレータ7は、エンジン6によって駆動されて発電を行うと共に、バッテリ9からの電力を受けてエンジン6を始動するための始動用モータとしても機能される。バッテリ9は、例えばリチウムイオン電池によって構成されて、高電圧(例えば300〜500V)かつ大容量となっている。バッテリ9の蓄電電力が走行用モータ4に供給されて走行され、最大蓄電量状態にあるバッテリ9のみの蓄電電力によって数十km(例えば30〜60km)走行可能とされている。さらに、ボディ1の後端部には、低電圧(例えば12V)のバッテリ11が搭載され、このバッテリ11によって、点火プラグ、燃料噴射弁、ヘッドライト、ワイパ、オーディオ等の各種車載電気機器類に給電されるようになっている。
【0022】
図2は、エンジン6とその吸・排気系の一例を示す。実施形態では、エンジン6は、バンケル式のロータリピストンエンジンとされて、直列に第1気筒RAと第2気筒RBとの2つの気筒を有する。各気筒RA、RBの吸気ポートに個々独立して連なる分岐吸気通路21A、21Bが1本の共通吸気通路22に連なっている。この共通吸気通路22には、スロットル弁23が配設されている。また、各分岐吸気通路21A、21Bには、ポート噴射用の第1燃料噴射弁24A、24Bが配設されている。燃料噴射弁としては、さらに、気筒(作動室)内に直接燃料噴射を行う第2燃料噴射弁25A、25Bが設けられている。
【0023】
各気筒RA、RBの排気ポートに個々独立して連なる分岐排気通路26A、26Bが、1本の共通排気通路27に連なっている。この共通排気通路27には、空燃比センサ28が配設されると共に、空燃比センサ28の下流側において、排気ガス浄化触媒(実施形態ではNOx触媒)29が配設されている。
【0024】
共通吸気通路22と共通排気通路27とが、EGR通路30によって接続され、このEGR通路30には、EGR弁31が接続されている。なお、EGR通路30は、スロットル弁23の下流側において共通吸気通路22に開口され、空燃比センサ28の上流側において共通排気通路27に開口されている。
【0025】
各気筒RA、RBは、2つの点火プラグ33A、33Bを有している。第1燃料噴射弁24A、24Bからの燃料噴射は、相対的に低回転・低負荷時に実行される。第2燃料噴射弁25A、25Bからの燃料噴射は、相対的に高回転または高負荷時において行われる。空気と燃料噴射弁から噴射される燃料としての水素との混合気が、点火プラグ33A、33Bによって着火される。混合気への着火によって燃焼が行われる。
【0026】
図3は、バッテリ9の蓄電量に応じて車両Vの走行状況が変化される様子を示す。すなわち、バッテリ9の蓄電量が大きいとき(例えば蓄電量が40%に低下するまで)は、エンジン6は停止(自動停止)されていて、バッテリ9からの電力供給のみによって走行用モータ4が駆動される(いわゆるプラグイン走行)。一方、バッテリ9の蓄電量が小さくなると(例えば蓄電量が40%未満となったとき)は、エンジン6が起動されて(自動起動)、ジェネレータ7での発電が行われ、このジェネレータ7の発電電力が走行用モータ4に供給されると共に、余剰電力がバッテリ9へ供給される。ジェネレータ7の発電電力によってバッテリ9の蓄電量が増大されたとき(例えば蓄電量が70%となったとき)は、エンジン4が自動停止される(プラグイン走行の再開)。このように、バッテリ9の蓄電量に応じて、エンジン6が自動的に停止と起動とを繰り返して、エンジン6が起動されているときには、ジェネレータ7によって発電しつつ、走行とバッテリ9への蓄電が行われる。なお、車両Vの減速時には、走行用モータ4による回生が行われて、回生による電力がバッテリ9に蓄電される。
【0027】
図4は、本発明の制御系統例をブロック図的に示すものである。図中Uは、マイクロコンピュータを利用して構成されたコントローラ(制御ユニット)である。このコントローラUは、走行用モータ4,エンジン6(特に燃料噴射弁)、ジェネレータ7、インバータ8を制御する。インバータ8を介して、バッテリ9と走行用モータ4との間での電力授受、ジェネレータ7とバッテリ9との間での電力授受、ジェネレータ7から走行用モータ4への電力供給、バッテリ9からバッテリ11への電力供給等が行われる。
【0028】
コントローラUは、燃料噴射量制御や点火時期制御等の通常のエンジン制御を行う他、空燃比センサ28の異常判定の制御と、異常と判定されたときの補正制御をも行う。このコントローラUには、空燃比センサ28からの信号が入力されるが、空燃比センサ28はリニアセンサとされて、空燃比としての空気過剰率λを検出するためのものとなる。コントローラUには、この他、各種センサあるいはスイッチS1〜S8からの信号が入力される。センサS1は、車速を検出するものである。センサS2は、アクセル開度を検出するものである。センサS3は、エンジン冷却水温度を検出するものである。センサS4は、エンジン回転数を検出するものである。スイッチS5は、ブレーキペダルが踏み込み操作されたことを検出するものである。センサS6は、吸入空気量を検出するものである。センサS7は、気体燃料消費量を検出するものであるが、実際に噴射された燃料噴射量(に対応した燃料噴射量信号)に基づいて算出するようにしてもよい。センサS8は、ジェネレータ7の出力を検出するものである(発電量でもってセンサの機能を兼用することもできる)。
【0029】
コントローラUによるエンジン6の自動停止と自動起動は、例えば次のような条件にしたがって行われる。まず、前述したように、バッテリ9の蓄電量に応じた自動停止と自動起動とが行われる。また、バッテリ9の蓄電量に応じてエンジンが自動起動されている条件下でも、アイドルストップによる自動停止と自動起動が行われる。すなわち、例えばアクセル開度が0、車速が0でしかもブレーキスイッチS5がONのとき(ブレーキペダルが踏み込み操作されているとき)に、エンジン6が自動停止される。そして、自動停止状態からブレーキスイッチS5がOFFになると、エンジン6が自動起動される。
【0030】
ここで、エンジン6が運転されている状態において、このときの空燃比は、空気過剰率λでもって例えば2.2とされる(スロットル開度は、ポンピングロス低減のために例えば80%というように大きな開度とされる)。なお、エンジン運転時の空気過剰率λは、Raw・NOx低減のために、2.2〜2.5の範囲に設定するのが好ましいものであり、実施形態では、出力確保をも加味して、空気過剰率λを2.2に設定してある。なお、エンジン回転数は、定常運転時である場合において、低速時には例えば200rpmの定回転、中速時には例えば3000rpmの定回転、高速時には例えば4000rpmの定回転となるように、エンジン6は定回転でもって運転するようにしてある。勿論、燃料噴射量は、空燃比センサ28の出力に基づいて、目標空燃比(目標空気過剰率)となるようにフィードバック制御される。
【0031】
ここで、エンジン6は、目標出力となるように運転されるが、目標出力は、例えば、エンジン回転数とアクセル開度とに基づいて基本出力を決定し、この基本出力を、バッテリ9の充電量(蓄電量)に応じて補正することにより、最終的な目標出力が決定される。すなわち、基本出力は、ジェネレータ7の発電量のみで現在の走行を持続できるような出力とされ、バッテリ9の充電量が少ないときは、バッテリ9の充電を行うべく、充電量に見合った分だけエンジン出力が増大補正される。逆に、バッテリ9の充電量が多いときは、走行用モータ4への給電のためにバッテリ9から放電させて、この放電量に見合った分だけエンジン出力が減少補正される。上記のようにして決定された目標出力は、極力高熱効率でもってエンジン運転が行われるように目標燃費率が決定され、この目標燃費率に応じて目標空燃比が決定される。そして、空燃比センサ28で検出される空燃比が目標空燃比となるように、燃料噴射量がフィードバック制御される。
【0032】
図6は、エンジンの空燃比と熱効率との関係を示す特性図で、熱効率が最大となる空気過剰率に対して、空気過剰率が大きくなっても小さくなっても熱効率が減少されることを示している。また、図7は、エンジン回転数と熱効率との関係を示す特性図で、実線は空燃比センサ28の出力特性にずれを生じない正常時を示し、破線が出力特性がリッチ側にずれた場合を示し、一点鎖線が出力特性がリーン側にずれた場合を示す。この図6から明らかなように、リッチずれの場合は高熱効率点が低回転側に移行し、リーンずれの場合は高熱効率点が高回転側に移行される。
【0033】
図7は、空燃比センサ28の出力特性にずれを生じたときに、出力特性を補正する手法を示すものである。この図7において、空燃比センサ28の出力特性として、実線は正常時の場合を示し、破線は正常時の出力特性よりもリーン側にずれさせた(オフセットさせた)リーン特性を示し、一点鎖線は正常時の出力特性よりもリッチ側にずれさせた(オフセットさせた)リッチ特性を示す。空燃比センサ28に異常が生じて、検出する空燃比が実際の空燃比よりもリーン側を示すリーンずれの場合は、実際の燃料噴射量がリッチ側になるように増量されてしまうので、この場合は、出力特性が、一点鎖線で示すリッチ特性に補正される。逆に、空燃比センサ28に異常が生じて、検出する空燃比が実際の空燃比よりもリッチ側を示すリッチずれの場合は、実際の燃料噴射量がリーン側になるように減量されてしまうので、この場合は、出力特性が、破線で示すリーン特性に補正される。このような空燃比センサ28の出力特性の補正により、空燃比センサ28が正常なときと全く同様にして、その後の制御を行うことができる。このような出力特性そのものの補正は、エンジン運転状態が安定している定常運転時に行うのが好ましいものとなる。
【0034】
上記出力特性の補正において、補正度合は、空燃比センサ28の出力特性のずれ度合に応じたものとされる。空燃比センサ28の出力特性のずれの度合は、例えば、センサS6で検出される吸入空気量と気体燃料の消費量(燃料噴射量信号)とから実際の空気過剰率λを算出し、この算出された実際の空気過剰率と空燃比センサセンサ28で検出された空気過剰率とを比較することにより決定することができる。
【0035】
図9は、上述したような空燃比センサ28の出力特性の補正によって、空燃比センサ28が正常な場合と同じ制御状態に復帰される様子を示している。この図9において、2点鎖線が正常時の場合を示し、破線がリーンずれの場合を示し、実線がリッチずれの場合を示す。t1時点までは空燃比センサ28の出力にずれを生じた状態であり、このずれが検出された後のt1時点からt2時点の間に前述した空燃比センサ28の出力特性のずれ判定およびずれに応じた出力特性の補正が行われる。そして、t2時点以後は、補正された後の出力特性による制御が実行されて、空燃比センサ28が正常な場合と同様の制御状態に復帰される。
【0036】
図8は、空燃比センサ28に異常が生じて出力特性にずれを生じたときに、エンジン回転数(つまりエンジン出力)を増減補正する場合を示す。この図8において、目標出力が実線で示され、リッチずれの出力特性が一点鎖線で示され、リーンずれの出力特性が破線で示される。目標出力を得るには、リーンずれの場合はエンジン回転数を減少すればよいことが理解され、またリッチずれの場合はエンジン回転数を増大させればよいことが理解される。このように、空燃比センサ28の出力特性のずれに応じてエンジン回転数を増減補正することにより、エンジン出力を目標出力とすることができる。このようなエンジン回転数の補正は、加速時のようなエンジン過渡時に行うのが好ましいものとなる。
【0037】
図10は、上述した空燃比センサ28の出力特性のずれに応じて、エンジン回転数を補正して、エンジン出力が目標出力を維持できるようにした場合を示す。この図10において、t11時点が図9におけるt1時点に相当し、t12時点が図9におけるt2時点に相当する。t12時点までは、エンジン回転数の補正が行われていないために、エンジン出力が目標出力からずれたものとなるが、エンジン回転数の補正が実行されるt12時点以後は、エンジン出力が目標出力と一致することになる。
【0038】
図11は、空燃比センサ28の出力特性のずれに対応してコントローラUが行う制御例を示すフローチャートであり、以下このフローチャートについて説明する。なお、以下の説明でQはステップを示す。また、図11の制御は、エンジン始動後からただちに実行されるようになっている(冷機時から実行)。まず、Q1において、各種センサやスイッチ28、S1〜S8からの信号が読み込まれる。この後、Q2において、ジェネレータ7の出力と目標出力とのずれが許容範囲以上の大きいものであるか否か(例えば2%以上の偏差があるか否か)が判別される。このQ2の判別でNOのときは、空燃比センサ28は正常であるとして、Q1に戻る。
【0039】
Q2の判別でYESのときは、空燃比センサ28の異常が考えられるときである。このときは、Q3において、ジェネレータ7の出力と気体燃料の消費量とから実際の燃費率が算出される。この後、Q4において、実際の燃費率が目標燃費率よりも大きいか否か(目標燃料量よりも実際の消費量の方が多いか否か)が判別される。このQ4の判別でNOのときは、燃費率が悪化していないときであり、このときは空燃比センサ28は正常であるとしてQ1にリターンされる。なお、Q4の判別においては、目標燃費率に所定の許容燃費率(例えば2%)を減算した値を、実際の燃費率との比較値としてもよい。
【0040】
Q4の判別でYESのときは、空燃比センサ28の出力にずれを生じている異常時であると判定された場合となる。このときは、Q5において、吸入空気量と気体燃料消費量(燃料噴射量)とから、実際の空気過剰率λが算出される。この後Q6において、実際の空気過剰率が、目標空気過剰率よりも小さいか否かが判別される。このQ6の判別でYESのときは、実際の空気過剰率が目標空気過剰率よりもリッチになっているときであり(リーンずれ発生)、このときは、Q8〜Q10の補正処理が行われる。すなわち、Q7において、空気過剰率のリッチの度合が判定された後、Q8において、エンジン回転数が一定(ほぼ一定)の定常運転状態であるか否かが判別される。このQ8の判別でYESのときは、Q9において、Q7で判定されたリッチ度合分に応じて、空燃比センサ28の出力特性の補正が行われる(図7、図9で説明した補正の実行)。この後、Q10において、実際の燃費率が目標燃費率よりも大きいか否かが判別される。このQ10の判別でYESのときは、Q6に戻る。また、Q10の判別でYESのときは、Q1にリターンされる。
【0041】
前記Q8の判別でNOのとき、つまり加速時は、Q11において、Q7で判定されたリッチ度合分に応じて、エンジン回転数が減少補正される(図8、図10で説明した補正)。この後、Q12において、ジェネレータ7の出力と目標エンジン出力とが一致したか否かが判別される。このQ12の判別でNOのときは、Q11へ戻る。また、Q12の判別でYESのときは、Q10へ移行される。
【0042】
前記Q6の判別でNOのときは、Q13において、実際の空気過剰率が目標空気過剰率よりも大きいか否かが判別される。このQ13の判別でYESのときは、Q14〜Q18の処理によって、空燃比センサ28のリッチずれに応じた補正が行われる。なお、このQ14〜Q18の処理は、Q7〜Q12の処理に対応しているので、その重複した説明は省略する。
【0043】
前記Q13の判別でNOのときは、経年変化による燃費率の悪化に起因するものであり、空燃比センサ28は正常であるとして、そのままリターンされる。なお、Q2のステップを無くして、Q1からただちにQ3へと移行するように設定してもよい。ただし、Q2のステップを設けておくことにより、処理負担の大きくなる空燃比センサ28の異常判定を行う機会を低減する上で好ましいものとなる。
【0044】
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能であり、例えば次のような場合をも含むものである。まず、空燃比センサ28の出力のずれに応じて、バッテリ9の充放電量を補正するようにしてもよい。すなわち、リッチずれの場合はエンジン出力が不足のときなので、このときは、不足分を出力をバッテリ9からの放電によって補うようにすればよい。逆に、リーンずれの場合は、エンジン出力が過大なので、このときは、過大分の出力を吸収すべく、バッテリ9の充電を行うようにすればよい。エンジン6によって車輪駆動を行うものであってもよく、この場合、エンジン6のみによる車輪駆動と、走行用モータ4のみによる車輪駆動と、エンジン6と走行用モータ4の両方による車輪駆動との態様を適宜切換えるものであってもよい。エンジン6は、往復動型エンジンであってもよい。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、例えば水素を燃料とするハイブリッド車両に適用して好適である。
【符号の説明】
【0046】
V:車両
4:走行用モータ
6:エンジン
7:ジェネレータ
9:バッテリ
10:燃料タンク
24A、24B:燃料噴射弁(ポイント噴射用)
25A、25B:燃料噴射弁(直噴用)
28:空燃比センサ
33A、33B:点火プラグ
U:コントローラ
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エンジンとして、水素やLPG等の気体燃料が供給されて、点火プラグによって着火される火花点火式気体燃料エンジンが実用化されている。また、エンジンと走行用モータとを備えたハイブリッド車が増加する傾向にある。特許文献1には、ハイブリッド車用のエンジンとして。火花点火式気体燃料エンジンを用いるものが開示されている。特許文献2には、ハイブリッド車において、エンジン回転を高効率の範囲内でもって稼働させることが開示されている。
【0003】
気体燃料が供給されて燃焼が行われる気体燃料エンジンにおいては、液体燃料が供給される液体燃料エンジンと同様に、排気通路にリニア酸素センサ等の空燃比センサが設けられて、この空燃比センサによって検出される実際の空燃比が目標空燃比となるように、燃料噴射量がフィードバック制御することも行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−250024号公報
【特許文献2】特開2007−195334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、気体燃料エンジンにあっては、燃焼によって水蒸気が多く発生するため、特に冷機時には、水蒸気が排気通路内で液化して空燃比センサが被水し、空燃比センサに異常を生じさせる原因となる。この被水に起因する空燃比センサの異常は、実際の空燃比が例えば目標空燃比であったとしても目標空燃比よりもリーンであると誤検出したり(検出値がリーン側にずれるリーンずれ)、逆に、実際の空燃比が例えば目標空燃比であったとしても目標空燃比よりもリッチであると誤検出することになる(検出値がリッチ側にずれるリッチずれ)。そして、このようなリーンずれやリッチずれという空燃比センサの出力特性の好ましくない異常状態は、そのまま持続してしまうことになる。
【0006】
異常となった空燃比センサの出力をそのまま用いてエンジン制御を続行すると、エンジン出力が所望状態(目標値)と相違することとなって、例えばジェネレータの発電量に過不足を生じたり、バッテリの充放電量に過不足を生じる等、ハイブリッド車両のシステム全体として好ましくない事態を生じることになる。また、エンジン単体としてみたときは、空燃比センサがリーンずれすると、空燃比をリッチにすべく燃料噴射量が増量されて、燃費悪化や異常燃焼(バックファイア)が生じ易くなる。また、空燃比センサがリッチ側にずれると、空燃比をリーンにすべく燃料噴射量が減量されて出力不足となる。このような空燃比センサの異常発生を防止するために、空燃比センサを防水カバー等で保護することも行われているが、必ずしも十分でなく、空燃比センサの異常発生を完全に避けることが難しいというのが実情である。
【0007】
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、空燃比センサの異常を検出できるようにしたハイブリッド車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載のように、
気体燃料が供給されるエンジンと、該エンジンによって駆動されて発電を行うジェネレータと、該ジェネレータでの発電電力を蓄電するバッテリと、該バッテリと該ジェネレータとの少なくとも一方から電力を受けて駆動される走行用モータと、を備えたハイブリッド車両であって、
エンジンの排気通路に設けられた空燃比センサと、
前記ジェネレータの出力と気体燃料の消費量とから実際の燃費率を決定する実燃費率決定手段と、
前記実燃費率決定手段で決定された実燃費率を目標燃費率と比較することにより、前記空燃比センサの出力にずれを生じた異常を判定する異常判定手段と、
を備えているようにしてある。
【0009】
上記解決手法によれば、ジェネレータの出力(トルクあるいは発電量に相当)はエンジン出力を反映したものとなるので、気体燃料の消費量とジェネレータの出力とから、エンジンの実際の燃費率を決定することができる。そして、実際の燃費率と目標燃費率と比較することにより、空燃比センサの出力に基づいて供給されている燃料量が適正であるか否か、つまり空燃比センサが正常であるのか異常であるのかを判断することが可能となる。
【0010】
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2以下に記載のとおりである。すなわち、
少なくともエンジンの冷機状態において前記異常判定手段による異常判定が行われる、ようにしてある(請求項2対応)。この場合、冷機状態というエンジン始動からの早い段階で空燃比センサの異常判定を行うことができる。また、冷機時は、空燃比センサが被水しやすいときで空燃比センサに異常発生しやすい環境ともなるので、空燃比センサの異常判定時期として極めて適切な時期とされる。
【0011】
前記異常判定手段により異常と判定されたとき、前記空燃比センサの出力のずれを補償するように補正を行う補正手段をさらに備えている、ようにしてある(請求項3対応)。この場合、補正手段での補正によって、ハイブリッド車両のシステムを適正に作動させることができる。
【0012】
前記補正手段は、空燃比のずれに応じて前記空燃比センサの出力特性を補正するように設定されている、ようにしてある(請求項4対応)。この場合、空燃比センサの出力特性そのものを補正するので、つまり空燃比センサが正常に作動しているのと同じ状態となるように補正して、空燃比センサの異常を根本的に解消する上で好ましいものとなる。特に、エンジンの定常運転時に補正するようにして、この補正後の出力特性をそのままその後のエンジン制御等に有効に利用する上でも好ましいものとなる。
【0013】
前記補正手段は、空燃比のずれに応じてエンジン出力を増減補正するように設定されている、ようにしてある(請求項5対応)。この場合、空燃比センサの出力に基づいて変化されるエンジン出力を補正することにより、請求項4に対応した効果とほぼ同様の効果を得ることができる。特に、エンジンの加速時等の過渡時の補正として好ましいものとなる。
【0014】
前記補正手段は、空燃比のずれに応じて前記バッテリの充放電量を補正するように設定されている、ようにしてある(請求項6対応)。この場合、バッテリの充放電量の補正によって、エンジン出力の所望状態からのずれを解消して、ハイブリッド車両のシステムを適正に作動させることができる。
【0015】
吸入空気量と燃料噴射量とから実際の空気過剰率を決定する実空気過剰率決定手段を備え、
前記実空気過剰率決定手段で決定された実空気過剰率と目標空気過剰率とを比較することにより、前記空燃比センサで検出される空燃比のずれの大きさが判定される、
ようにしてある(請求項7対応)。この場合、空燃比のずれの大きさを精度よく決定することができる。
【0016】
前記ジェネレータの出力が目標出力に対してあらかじめ設定された所定値以上ずれていることを前提として、前記異常判定手段による異常判定が実行される、ようにしてある(請求項8対応)。この場合、空燃比センサの異常判定を不必要に行わないようにする上で好ましいものとなる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、空燃比センサの異常を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明をハイブリッド車に適用した場合の一例を示す簡略平面図。
【図2】火花点火式気体燃料エンジンの一例を示す系統図。
【図3】バッテリ電力のみを利用した走行とエンジンにより発電を行いつつ走行するときの一例を示す図。
【図4】本発明の制御系統例をブロック図的に示す図。
【図5】空燃比とエンジン燃費率との関係を示す特性図。
【図6】エンジン回転数と燃費率との関係を示す特性図。
【図7】エンジンの定常運転時において、空燃比センサの出力特性を補正することによる各種制御値が変化する様子を示すタイムチャート。
【図8】エンジンの加速時において、エンジン出力を補正することによる各種制御値が変化する様子を示すタイムチャート。
【図9】空燃比のずれに応じて空燃比センサの出力特性を補正する具体例を示す特性図。
【図10】空燃比のずれに応じてエンジン出力を補正する具体例を示す特性図。
【図11】本発明の制御例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1において、車両としての自動車Vは、そのボディ(車体)が符合1で示され、左右前輪が符合2で示され、左右後輪が符合3で示される。4は、走行用モータで、この走行用モータ4が、デファレンシャルギア5A、ドライブシャフト5Bを介して左右の前輪2に連結されている。すなわち、実施形態では、左右前輪2のみが駆動される前輪駆動車とされている。
【0020】
ボディ1の前部には、走行用モータ4の他に、エンジン6,ジェネレータ7、インバータ8が配設されている。また、ボディ1の前後方向中間部から後部に渡っての床面下には、バッテリ9,燃料タンク10が配設されている。エンジン6は、火花点火式気体燃料エンジンとされて、燃料タンク10内に貯溜された気体燃料としての水素が供給されるようになっている。
【0021】
ジェネレータ7は、エンジン6によって駆動されて発電を行うと共に、バッテリ9からの電力を受けてエンジン6を始動するための始動用モータとしても機能される。バッテリ9は、例えばリチウムイオン電池によって構成されて、高電圧(例えば300〜500V)かつ大容量となっている。バッテリ9の蓄電電力が走行用モータ4に供給されて走行され、最大蓄電量状態にあるバッテリ9のみの蓄電電力によって数十km(例えば30〜60km)走行可能とされている。さらに、ボディ1の後端部には、低電圧(例えば12V)のバッテリ11が搭載され、このバッテリ11によって、点火プラグ、燃料噴射弁、ヘッドライト、ワイパ、オーディオ等の各種車載電気機器類に給電されるようになっている。
【0022】
図2は、エンジン6とその吸・排気系の一例を示す。実施形態では、エンジン6は、バンケル式のロータリピストンエンジンとされて、直列に第1気筒RAと第2気筒RBとの2つの気筒を有する。各気筒RA、RBの吸気ポートに個々独立して連なる分岐吸気通路21A、21Bが1本の共通吸気通路22に連なっている。この共通吸気通路22には、スロットル弁23が配設されている。また、各分岐吸気通路21A、21Bには、ポート噴射用の第1燃料噴射弁24A、24Bが配設されている。燃料噴射弁としては、さらに、気筒(作動室)内に直接燃料噴射を行う第2燃料噴射弁25A、25Bが設けられている。
【0023】
各気筒RA、RBの排気ポートに個々独立して連なる分岐排気通路26A、26Bが、1本の共通排気通路27に連なっている。この共通排気通路27には、空燃比センサ28が配設されると共に、空燃比センサ28の下流側において、排気ガス浄化触媒(実施形態ではNOx触媒)29が配設されている。
【0024】
共通吸気通路22と共通排気通路27とが、EGR通路30によって接続され、このEGR通路30には、EGR弁31が接続されている。なお、EGR通路30は、スロットル弁23の下流側において共通吸気通路22に開口され、空燃比センサ28の上流側において共通排気通路27に開口されている。
【0025】
各気筒RA、RBは、2つの点火プラグ33A、33Bを有している。第1燃料噴射弁24A、24Bからの燃料噴射は、相対的に低回転・低負荷時に実行される。第2燃料噴射弁25A、25Bからの燃料噴射は、相対的に高回転または高負荷時において行われる。空気と燃料噴射弁から噴射される燃料としての水素との混合気が、点火プラグ33A、33Bによって着火される。混合気への着火によって燃焼が行われる。
【0026】
図3は、バッテリ9の蓄電量に応じて車両Vの走行状況が変化される様子を示す。すなわち、バッテリ9の蓄電量が大きいとき(例えば蓄電量が40%に低下するまで)は、エンジン6は停止(自動停止)されていて、バッテリ9からの電力供給のみによって走行用モータ4が駆動される(いわゆるプラグイン走行)。一方、バッテリ9の蓄電量が小さくなると(例えば蓄電量が40%未満となったとき)は、エンジン6が起動されて(自動起動)、ジェネレータ7での発電が行われ、このジェネレータ7の発電電力が走行用モータ4に供給されると共に、余剰電力がバッテリ9へ供給される。ジェネレータ7の発電電力によってバッテリ9の蓄電量が増大されたとき(例えば蓄電量が70%となったとき)は、エンジン4が自動停止される(プラグイン走行の再開)。このように、バッテリ9の蓄電量に応じて、エンジン6が自動的に停止と起動とを繰り返して、エンジン6が起動されているときには、ジェネレータ7によって発電しつつ、走行とバッテリ9への蓄電が行われる。なお、車両Vの減速時には、走行用モータ4による回生が行われて、回生による電力がバッテリ9に蓄電される。
【0027】
図4は、本発明の制御系統例をブロック図的に示すものである。図中Uは、マイクロコンピュータを利用して構成されたコントローラ(制御ユニット)である。このコントローラUは、走行用モータ4,エンジン6(特に燃料噴射弁)、ジェネレータ7、インバータ8を制御する。インバータ8を介して、バッテリ9と走行用モータ4との間での電力授受、ジェネレータ7とバッテリ9との間での電力授受、ジェネレータ7から走行用モータ4への電力供給、バッテリ9からバッテリ11への電力供給等が行われる。
【0028】
コントローラUは、燃料噴射量制御や点火時期制御等の通常のエンジン制御を行う他、空燃比センサ28の異常判定の制御と、異常と判定されたときの補正制御をも行う。このコントローラUには、空燃比センサ28からの信号が入力されるが、空燃比センサ28はリニアセンサとされて、空燃比としての空気過剰率λを検出するためのものとなる。コントローラUには、この他、各種センサあるいはスイッチS1〜S8からの信号が入力される。センサS1は、車速を検出するものである。センサS2は、アクセル開度を検出するものである。センサS3は、エンジン冷却水温度を検出するものである。センサS4は、エンジン回転数を検出するものである。スイッチS5は、ブレーキペダルが踏み込み操作されたことを検出するものである。センサS6は、吸入空気量を検出するものである。センサS7は、気体燃料消費量を検出するものであるが、実際に噴射された燃料噴射量(に対応した燃料噴射量信号)に基づいて算出するようにしてもよい。センサS8は、ジェネレータ7の出力を検出するものである(発電量でもってセンサの機能を兼用することもできる)。
【0029】
コントローラUによるエンジン6の自動停止と自動起動は、例えば次のような条件にしたがって行われる。まず、前述したように、バッテリ9の蓄電量に応じた自動停止と自動起動とが行われる。また、バッテリ9の蓄電量に応じてエンジンが自動起動されている条件下でも、アイドルストップによる自動停止と自動起動が行われる。すなわち、例えばアクセル開度が0、車速が0でしかもブレーキスイッチS5がONのとき(ブレーキペダルが踏み込み操作されているとき)に、エンジン6が自動停止される。そして、自動停止状態からブレーキスイッチS5がOFFになると、エンジン6が自動起動される。
【0030】
ここで、エンジン6が運転されている状態において、このときの空燃比は、空気過剰率λでもって例えば2.2とされる(スロットル開度は、ポンピングロス低減のために例えば80%というように大きな開度とされる)。なお、エンジン運転時の空気過剰率λは、Raw・NOx低減のために、2.2〜2.5の範囲に設定するのが好ましいものであり、実施形態では、出力確保をも加味して、空気過剰率λを2.2に設定してある。なお、エンジン回転数は、定常運転時である場合において、低速時には例えば200rpmの定回転、中速時には例えば3000rpmの定回転、高速時には例えば4000rpmの定回転となるように、エンジン6は定回転でもって運転するようにしてある。勿論、燃料噴射量は、空燃比センサ28の出力に基づいて、目標空燃比(目標空気過剰率)となるようにフィードバック制御される。
【0031】
ここで、エンジン6は、目標出力となるように運転されるが、目標出力は、例えば、エンジン回転数とアクセル開度とに基づいて基本出力を決定し、この基本出力を、バッテリ9の充電量(蓄電量)に応じて補正することにより、最終的な目標出力が決定される。すなわち、基本出力は、ジェネレータ7の発電量のみで現在の走行を持続できるような出力とされ、バッテリ9の充電量が少ないときは、バッテリ9の充電を行うべく、充電量に見合った分だけエンジン出力が増大補正される。逆に、バッテリ9の充電量が多いときは、走行用モータ4への給電のためにバッテリ9から放電させて、この放電量に見合った分だけエンジン出力が減少補正される。上記のようにして決定された目標出力は、極力高熱効率でもってエンジン運転が行われるように目標燃費率が決定され、この目標燃費率に応じて目標空燃比が決定される。そして、空燃比センサ28で検出される空燃比が目標空燃比となるように、燃料噴射量がフィードバック制御される。
【0032】
図6は、エンジンの空燃比と熱効率との関係を示す特性図で、熱効率が最大となる空気過剰率に対して、空気過剰率が大きくなっても小さくなっても熱効率が減少されることを示している。また、図7は、エンジン回転数と熱効率との関係を示す特性図で、実線は空燃比センサ28の出力特性にずれを生じない正常時を示し、破線が出力特性がリッチ側にずれた場合を示し、一点鎖線が出力特性がリーン側にずれた場合を示す。この図6から明らかなように、リッチずれの場合は高熱効率点が低回転側に移行し、リーンずれの場合は高熱効率点が高回転側に移行される。
【0033】
図7は、空燃比センサ28の出力特性にずれを生じたときに、出力特性を補正する手法を示すものである。この図7において、空燃比センサ28の出力特性として、実線は正常時の場合を示し、破線は正常時の出力特性よりもリーン側にずれさせた(オフセットさせた)リーン特性を示し、一点鎖線は正常時の出力特性よりもリッチ側にずれさせた(オフセットさせた)リッチ特性を示す。空燃比センサ28に異常が生じて、検出する空燃比が実際の空燃比よりもリーン側を示すリーンずれの場合は、実際の燃料噴射量がリッチ側になるように増量されてしまうので、この場合は、出力特性が、一点鎖線で示すリッチ特性に補正される。逆に、空燃比センサ28に異常が生じて、検出する空燃比が実際の空燃比よりもリッチ側を示すリッチずれの場合は、実際の燃料噴射量がリーン側になるように減量されてしまうので、この場合は、出力特性が、破線で示すリーン特性に補正される。このような空燃比センサ28の出力特性の補正により、空燃比センサ28が正常なときと全く同様にして、その後の制御を行うことができる。このような出力特性そのものの補正は、エンジン運転状態が安定している定常運転時に行うのが好ましいものとなる。
【0034】
上記出力特性の補正において、補正度合は、空燃比センサ28の出力特性のずれ度合に応じたものとされる。空燃比センサ28の出力特性のずれの度合は、例えば、センサS6で検出される吸入空気量と気体燃料の消費量(燃料噴射量信号)とから実際の空気過剰率λを算出し、この算出された実際の空気過剰率と空燃比センサセンサ28で検出された空気過剰率とを比較することにより決定することができる。
【0035】
図9は、上述したような空燃比センサ28の出力特性の補正によって、空燃比センサ28が正常な場合と同じ制御状態に復帰される様子を示している。この図9において、2点鎖線が正常時の場合を示し、破線がリーンずれの場合を示し、実線がリッチずれの場合を示す。t1時点までは空燃比センサ28の出力にずれを生じた状態であり、このずれが検出された後のt1時点からt2時点の間に前述した空燃比センサ28の出力特性のずれ判定およびずれに応じた出力特性の補正が行われる。そして、t2時点以後は、補正された後の出力特性による制御が実行されて、空燃比センサ28が正常な場合と同様の制御状態に復帰される。
【0036】
図8は、空燃比センサ28に異常が生じて出力特性にずれを生じたときに、エンジン回転数(つまりエンジン出力)を増減補正する場合を示す。この図8において、目標出力が実線で示され、リッチずれの出力特性が一点鎖線で示され、リーンずれの出力特性が破線で示される。目標出力を得るには、リーンずれの場合はエンジン回転数を減少すればよいことが理解され、またリッチずれの場合はエンジン回転数を増大させればよいことが理解される。このように、空燃比センサ28の出力特性のずれに応じてエンジン回転数を増減補正することにより、エンジン出力を目標出力とすることができる。このようなエンジン回転数の補正は、加速時のようなエンジン過渡時に行うのが好ましいものとなる。
【0037】
図10は、上述した空燃比センサ28の出力特性のずれに応じて、エンジン回転数を補正して、エンジン出力が目標出力を維持できるようにした場合を示す。この図10において、t11時点が図9におけるt1時点に相当し、t12時点が図9におけるt2時点に相当する。t12時点までは、エンジン回転数の補正が行われていないために、エンジン出力が目標出力からずれたものとなるが、エンジン回転数の補正が実行されるt12時点以後は、エンジン出力が目標出力と一致することになる。
【0038】
図11は、空燃比センサ28の出力特性のずれに対応してコントローラUが行う制御例を示すフローチャートであり、以下このフローチャートについて説明する。なお、以下の説明でQはステップを示す。また、図11の制御は、エンジン始動後からただちに実行されるようになっている(冷機時から実行)。まず、Q1において、各種センサやスイッチ28、S1〜S8からの信号が読み込まれる。この後、Q2において、ジェネレータ7の出力と目標出力とのずれが許容範囲以上の大きいものであるか否か(例えば2%以上の偏差があるか否か)が判別される。このQ2の判別でNOのときは、空燃比センサ28は正常であるとして、Q1に戻る。
【0039】
Q2の判別でYESのときは、空燃比センサ28の異常が考えられるときである。このときは、Q3において、ジェネレータ7の出力と気体燃料の消費量とから実際の燃費率が算出される。この後、Q4において、実際の燃費率が目標燃費率よりも大きいか否か(目標燃料量よりも実際の消費量の方が多いか否か)が判別される。このQ4の判別でNOのときは、燃費率が悪化していないときであり、このときは空燃比センサ28は正常であるとしてQ1にリターンされる。なお、Q4の判別においては、目標燃費率に所定の許容燃費率(例えば2%)を減算した値を、実際の燃費率との比較値としてもよい。
【0040】
Q4の判別でYESのときは、空燃比センサ28の出力にずれを生じている異常時であると判定された場合となる。このときは、Q5において、吸入空気量と気体燃料消費量(燃料噴射量)とから、実際の空気過剰率λが算出される。この後Q6において、実際の空気過剰率が、目標空気過剰率よりも小さいか否かが判別される。このQ6の判別でYESのときは、実際の空気過剰率が目標空気過剰率よりもリッチになっているときであり(リーンずれ発生)、このときは、Q8〜Q10の補正処理が行われる。すなわち、Q7において、空気過剰率のリッチの度合が判定された後、Q8において、エンジン回転数が一定(ほぼ一定)の定常運転状態であるか否かが判別される。このQ8の判別でYESのときは、Q9において、Q7で判定されたリッチ度合分に応じて、空燃比センサ28の出力特性の補正が行われる(図7、図9で説明した補正の実行)。この後、Q10において、実際の燃費率が目標燃費率よりも大きいか否かが判別される。このQ10の判別でYESのときは、Q6に戻る。また、Q10の判別でYESのときは、Q1にリターンされる。
【0041】
前記Q8の判別でNOのとき、つまり加速時は、Q11において、Q7で判定されたリッチ度合分に応じて、エンジン回転数が減少補正される(図8、図10で説明した補正)。この後、Q12において、ジェネレータ7の出力と目標エンジン出力とが一致したか否かが判別される。このQ12の判別でNOのときは、Q11へ戻る。また、Q12の判別でYESのときは、Q10へ移行される。
【0042】
前記Q6の判別でNOのときは、Q13において、実際の空気過剰率が目標空気過剰率よりも大きいか否かが判別される。このQ13の判別でYESのときは、Q14〜Q18の処理によって、空燃比センサ28のリッチずれに応じた補正が行われる。なお、このQ14〜Q18の処理は、Q7〜Q12の処理に対応しているので、その重複した説明は省略する。
【0043】
前記Q13の判別でNOのときは、経年変化による燃費率の悪化に起因するものであり、空燃比センサ28は正常であるとして、そのままリターンされる。なお、Q2のステップを無くして、Q1からただちにQ3へと移行するように設定してもよい。ただし、Q2のステップを設けておくことにより、処理負担の大きくなる空燃比センサ28の異常判定を行う機会を低減する上で好ましいものとなる。
【0044】
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能であり、例えば次のような場合をも含むものである。まず、空燃比センサ28の出力のずれに応じて、バッテリ9の充放電量を補正するようにしてもよい。すなわち、リッチずれの場合はエンジン出力が不足のときなので、このときは、不足分を出力をバッテリ9からの放電によって補うようにすればよい。逆に、リーンずれの場合は、エンジン出力が過大なので、このときは、過大分の出力を吸収すべく、バッテリ9の充電を行うようにすればよい。エンジン6によって車輪駆動を行うものであってもよく、この場合、エンジン6のみによる車輪駆動と、走行用モータ4のみによる車輪駆動と、エンジン6と走行用モータ4の両方による車輪駆動との態様を適宜切換えるものであってもよい。エンジン6は、往復動型エンジンであってもよい。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、例えば水素を燃料とするハイブリッド車両に適用して好適である。
【符号の説明】
【0046】
V:車両
4:走行用モータ
6:エンジン
7:ジェネレータ
9:バッテリ
10:燃料タンク
24A、24B:燃料噴射弁(ポイント噴射用)
25A、25B:燃料噴射弁(直噴用)
28:空燃比センサ
33A、33B:点火プラグ
U:コントローラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体燃料が供給されるエンジンと、該エンジンによって駆動されて発電を行うジェネレータと、該ジェネレータでの発電電力を蓄電するバッテリと、該バッテリと該ジェネレータとの少なくとも一方から電力を受けて駆動される走行用モータと、を備えたハイブリッド車両であって、
エンジンの排気通路に設けられた空燃比センサと、
前記ジェネレータの出力と気体燃料の消費量とから実際の燃費率を決定する実燃費率決定手段と、
前記実燃費率決定手段で決定された実燃費率を目標燃費率と比較することにより、前記空燃比センサの出力にずれを生じた異常を判定する異常判定手段と、
を備えていることを特徴とするハイブリッド車両。
【請求項2】
請求項1において、
少なくともエンジンの冷機状態において前記異常判定手段による異常判定が行われる、ことを特徴とするハイブリッド車両。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記異常判定手段により異常と判定されたとき、前記空燃比センサの出力のずれを補償するように補正を行う補正手段をさらに備えている、ことを特徴とするハイブリッド車両。
【請求項4】
請求項3において、
前記補正手段は、空燃比のずれに応じて前記空燃比センサの出力特性を補正するように設定されている、ことを特徴とするハイブリッド車両。
【請求項5】
請求項3において、
前記補正手段は、空燃比のずれに応じてエンジン出力を増減補正するように設定されている、ことを特徴とするハイブリッド車両。
【請求項6】
請求項3において、
前記補正手段は、空燃比のずれに応じて前記バッテリの充放電量を補正するように設定されている、ことを特徴とするハイブリッド車両。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、
吸入空気量と燃料噴射量とから実際の空気過剰率を決定する実空気過剰率決定手段を備え、
前記実空気過剰率決定手段で決定された実空気過剰率と目標空気過剰率とを比較することにより、前記空燃比センサで検出される空燃比のずれの大きさが判定される、
ことを特徴とするハイブリッド車両。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、
前記ジェネレータの出力が目標出力に対してあらかじめ設定された所定値以上ずれていることを前提として、前記異常判定手段による異常判定が実行される、ことを特徴とするハイブリッド車両。
【請求項1】
気体燃料が供給されるエンジンと、該エンジンによって駆動されて発電を行うジェネレータと、該ジェネレータでの発電電力を蓄電するバッテリと、該バッテリと該ジェネレータとの少なくとも一方から電力を受けて駆動される走行用モータと、を備えたハイブリッド車両であって、
エンジンの排気通路に設けられた空燃比センサと、
前記ジェネレータの出力と気体燃料の消費量とから実際の燃費率を決定する実燃費率決定手段と、
前記実燃費率決定手段で決定された実燃費率を目標燃費率と比較することにより、前記空燃比センサの出力にずれを生じた異常を判定する異常判定手段と、
を備えていることを特徴とするハイブリッド車両。
【請求項2】
請求項1において、
少なくともエンジンの冷機状態において前記異常判定手段による異常判定が行われる、ことを特徴とするハイブリッド車両。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記異常判定手段により異常と判定されたとき、前記空燃比センサの出力のずれを補償するように補正を行う補正手段をさらに備えている、ことを特徴とするハイブリッド車両。
【請求項4】
請求項3において、
前記補正手段は、空燃比のずれに応じて前記空燃比センサの出力特性を補正するように設定されている、ことを特徴とするハイブリッド車両。
【請求項5】
請求項3において、
前記補正手段は、空燃比のずれに応じてエンジン出力を増減補正するように設定されている、ことを特徴とするハイブリッド車両。
【請求項6】
請求項3において、
前記補正手段は、空燃比のずれに応じて前記バッテリの充放電量を補正するように設定されている、ことを特徴とするハイブリッド車両。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、
吸入空気量と燃料噴射量とから実際の空気過剰率を決定する実空気過剰率決定手段を備え、
前記実空気過剰率決定手段で決定された実空気過剰率と目標空気過剰率とを比較することにより、前記空燃比センサで検出される空燃比のずれの大きさが判定される、
ことを特徴とするハイブリッド車両。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、
前記ジェネレータの出力が目標出力に対してあらかじめ設定された所定値以上ずれていることを前提として、前記異常判定手段による異常判定が実行される、ことを特徴とするハイブリッド車両。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−218537(P2012−218537A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−85104(P2011−85104)
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
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