説明

バイアル瓶搬送装置およびそのアーム

【課題】 簡単な構成でバイアル瓶を搬送することができるバイアル瓶搬送装置を提供する。
【解決手段】
バイアル瓶2を保持し解放するように開閉可能な少なくとも2つのアーム26と、バイアル瓶2を保持する方向にアーム26を付勢する付勢部材31と、バイアル瓶2の搬送方向と平行に往復移動してアーム26を開閉する枠体27と、アーム26がバイアル瓶2を解放する状態に枠体27を停止する枠体ストッパ26aと、アーム26をバイアル瓶2の受取り位置と受渡し位置に移動させるアーム移動装置18,19と、アーム26が受取り位置に移動したときに枠体27に突き当たって枠体27を枠体ストッパ26aから解除し、アーム26でバイアル瓶2を保持する第1突当部材2と、アーム26が受渡し位置に移動したときに、枠体27に突き当たって枠体27を枠体ストッパ26aに係合し、アーム26をバイアル瓶2から解放する第2突当部材29とから構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、錠剤充填装置において錠剤が充填されるバイアル瓶を搬送するバイアル瓶搬送装置およびそのアームに関する。
【背景技術】
【0002】
バイアル瓶に錠剤を充填する錠剤充填装置などは、バイアル瓶を所定位置から他の位置に搬送するバイアル瓶搬送装置がその構成要素となっている場合が多い。バイアル瓶搬送装置には、コンベアや昇降テーブルの他、特に、高速で正確な位置決めを要する場合には、特許文献1に記述されているように、移動可能なベースにモータなどで開閉可能な把持片の対を設けたロボットアームが用いられている。
【特許文献1】特開平11−70901号公報
【特許文献2】米国特許第5798020号
【特許文献3】米国特許第5337919号
【特許文献4】米国特許第5208762号
【0003】
しかしながら、そのようなロボットアームは、複数の駆動機構からなっているため、構造が複雑で重く、大きなエネルギーを消費し、複雑な制御を必要とするという欠点を有し、結果として高価でもある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、前記問題点に鑑みて、簡単な構成でバイアル瓶を搬送することができるバイアル瓶搬送装置およびそのアームを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、本発明に係るバイアル瓶搬送装置は、
バイアル瓶を受取り位置から受渡し位置まで搬送するバイアル瓶搬送装置において、
前記バイアル瓶を保持し解放するように開閉可能な少なくとも2つのアームと、
前記バイアル瓶を保持する方向に前記アームを付勢する付勢部材と、
前記バイアル瓶の搬送方向と平行に往復移動して前記アームを開閉する枠体と、
前記アームが前記バイアル瓶を解放する状態に前記枠体を停止する枠体ストッパと、
前記アームをバイアル瓶の受取り位置と受渡し位置に移動させるアーム移動装置と、
前記アームが受取り位置に移動したときに、前記枠体に突き当たって前記枠体を前記枠体ストッパから解除し、前記アームでバイアル瓶を保持する第1突当部材と、
前記アームが受渡し位置に移動したときに、前記枠体に突き当たって前記枠体を前記枠体ストッパに係合し、前記アームをバイアル瓶から解放する第2突当部材と、
から構成したものである。
【0006】
前記受取り位置は、他の装置からバイアル瓶を本発明のバイアル瓶搬送装置に受け取る位置であり、前記受渡し位置は、本発明のバイアル瓶搬送装置で搬送したバイアル瓶を他の装置に受け渡す位置であり、垂直方向又は水平方向のいずれに配置されていてもよい。前記アームは、構造を簡単にするために2つ(1対)が好ましいが、安定性を考慮すると3つ又は4つ(2対)でもよい。2つのアームの場合、1つの回転軸で交差するように支持してもよいし、2つの回転軸で別個に支持してもよい。前記付勢部材は、バイアル瓶の内面を保持する方向、すなわちアームの先端を開く方向に付勢してもよいし、逆にバイアル瓶の外面を保持する方向、すなわちアームの先端を閉じる方向に付勢してもよい。また、前記付勢部材は、コイルばね、板ばね等各種のばね手段を使用することができるが、アーム自身がバネ性を有していてもよい。前記枠体は、前記アームを囲む四角形とすることができるが、これに限らず、四角形の1辺を除いたU字形や、円形その他任意の形にすることができる。
【0007】
前記構成からなるバイアル瓶搬送装置において、枠体が枠体ストッパに係合している状態で、アーム移動装置によりアームを受取り位置に移動すると、第1突当部材が枠体に突き当たって枠体を枠体ストッパから解除するので、アームがバイアル瓶を保持し、バイアル瓶を受け取ることができる。そして、アーム移動装置によりアームを受取り位置に移動すると、第2突当部材が枠体に突き当たって枠体を枠体ストッパに係合するので、アームがバイアル瓶を解放し、バイアル瓶を受け渡すことができる。
【0008】
前記アームに前記枠体の移動方向に沿って案内溝を設け、前記枠体に前記案内溝内を転動するローラを設けることが好ましい。この場合、前記枠体ストッパは、前記案内溝に形成され、前記ローラが係合する凹部であることが好ましい。
【0009】
前記アーム移動装置は、前記アームの先端を下方に向けて搬送することが好ましい。
【0010】
前記第1突当部材は、前記受取り位置にあるバイアル瓶の開口縁部であることが好ましい。
【0011】
また、本発明に係るバイアル瓶搬送装置のアームの1つの態様は、
バイアル瓶を受取り位置から受渡し位置まで搬送するバイアル瓶搬送装置のアームにおいて、
前記バイアル瓶を保持し解放するように開閉可能な少なくとも2つのアームと、
前記バイアル瓶を保持する方向に前記アームを付勢する付勢部材と、
前記バイアル瓶の搬送方向と平行に往復移動して前記アームを開閉する枠体と、
前記アームが前記バイアル瓶を解放する状態に前記枠体を停止する枠体ストッパとからなり、
前記枠体を突当部材に突き当てることにより往復移動させ、前記アームを開閉するようにしたものである。
【0012】
さらに、本発明に係るバイアル瓶搬送装置のアームの他の態様は、
バイアル瓶を受取り位置から受渡し位置まで搬送するバイアル瓶搬送装置のアームにおいて、
前記バイアル瓶を保持し解放するように開閉可能な少なくとも2つのアームと、
前記バイアル瓶を保持する方向に前記アームを付勢する付勢部材と、
前記バイアル瓶の搬送方向と平行に往復移動して前記アームを開閉する枠体と、
前記アームが前記バイアル瓶を解放する状態に前記枠体を停止する枠体ストッパとからなり、
前記アームが受取り位置と受渡し位置に移動したときに、前記枠体を突当部材に突き当てることにより往復移動させ、前記アームを開閉するようにしたものである。
【0013】
前記アームに前記枠体の移動方向に沿って案内溝を設け、前記枠体に前記案内溝内を転動するローラを設けることが好ましい。この場合、前記枠体ストッパは、前記案内溝に形成され、前記ローラが係合する凹部であることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明のバイアル瓶搬送装置によれば、アーム移動装置によりアームを移動させて、第1突当部材と第2突当部材により枠体を枠体ストッパに係合し又はその係合を解除することにより、バイアル瓶を受取り位置から受渡し位置に搬送することができる。このように、アームを開閉する駆動源を設けなくてもよいため、装置の構造や制御が簡単になり、また、移動部分の重量が小さくなるので、その駆動源の容量も小さくて済む。
【0015】
また、本発明のバイアル瓶搬送装置のアームによれば、枠体を突当部材に突き当てるだけでアームを開閉することができ、アームを開閉する駆動源を設けなくてもよいため、装置の構造や制御が簡単になり、また、移動部分の重量が小さくなるので、その駆動源の容量も小さくて済む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明のバイアル瓶供給装置を備える錠剤充填装置1を示す。錠剤充填装置1は、処方データに基づいてバイアル瓶2に錠剤を充填するもので、3つのバイアル瓶供給装置3と、第1搬送装置4と、フォーク支持装置5と、ラベリング装置5Aと、第2搬送装置6と、第3搬送装置7と、規則正しく配列された多数の錠剤カセット8と、第4搬送装置9と、キャッピング装置10と、3段に配設された取出口11とを備えている。
【0017】
錠剤充填装置1において、バイアル瓶供給装置3は、多数のバイアル瓶2を収容でき、図示しないリフターにより必要に応じてバイアル瓶2を第1搬送装置4に供給する。第1搬送装置4は、各バイアル瓶供給装置3から供給されるバイアル瓶2を受け止めて搬送する小ベルトコンベヤ4aと、各小ベルトコンベヤ4aから搬送されるバイアル瓶2を受け止めて搬送する大ベルトコンベヤ4bとからなっている。第1搬送装置4は、各バイアルバイアル瓶供給装置3から排出されたバイアル瓶2をフォーク支持装置5に供給する。フォーク支持装置5は、図3(B)に示すように、大小異なるサイズのバイアル瓶2のネック部を支持するフォーク状の可動枠5aで構成され、第1搬送装置4から搬送されてくるバイアル瓶2を受け取る受取り位置と、受け取ったバイアル瓶2をラベリング装置5Aと対向させるラベリング位置と、ラベリングしたバイアル瓶2を第2搬送装置6に受け渡す受渡し位置に水平移動可能になっている。可動枠5aの下方には、可動枠5aが受取り位置からラベリング位置まで移動する際にバイアル瓶2をフォーク先端に移動させる案内板5bが設けられている。ラベリング装置5Aは、フォーク支持装置5に支持されたバイアル瓶2を回転させながら、その周囲にラベルを貼着する。
【0018】
第2搬送装置6は、本発明のバイアル瓶搬送装置であり、後に詳細に説明するが、ラベルが貼られたバイアル瓶2を受渡し位置にあるフォーク支持装置5から受け取って垂直に持ち上げ、第3搬送装置7に受け渡す。第3搬送装置7は、バイアル瓶2を指定された錠剤カセット8に移動させ、錠剤カセット8から排出される指定された数量の錠剤をバイアル瓶2で受け取る。第4搬送装置9は、第3搬送装置7から錠剤が入ったバイアル瓶2を受け取り、キャッピング装置10に移動させる。キャッピング装置10は、バイアル瓶2にキャップを螺合させて封止する。さらに第4搬送装置は、キャップが締め付けられたバイアル瓶2をいずれかの取出口11に載置して、患者またはオペレータが錠剤が充填されたバイアル瓶2を取り出せるようにする。
【0019】
続いて、本発明の実施形態である第4搬送装置6について詳細に説明する。
図4および図5は、それぞれ、第4のバイアル瓶搬送装置6の正面図および側面図である。本実施形態は、互いに直行する2枚の直立した板とその上下端に接続した水平な板とからなるフレーム12からなり、垂直な第1レール13および第2レール14がフレーム12の直立な板にそれぞれ取り付けられ、第1レール13および第2レール14に沿ってそれぞれ移動可能に取り付けられた第1スライダ15および第2スライダ16に水平な昇降アーム17が取り付けられている。フレーム12の上部に設けたモータ18に回転させられる直立した送りねじ19によって上下方向に移動させられるナット20が昇降アーム17に取り付けられており、昇降アーム17は、垂直方向上下に移動させられるようになっている。昇降アーム17の先端には、水平に張り出すように取付板21が固定され、取付板21を貫通する取付部材22により箱体23が垂下されている。箱体23にはベースとなるベースプレート24が固定され、ベースプレート24に設けた水平な回転軸25に、一対のアーム26が互いの下端を接近または離反させて開閉できるように枢支されている。両アーム26を囲むように枠体27が設けられており、両アーム26の下端をバイアル瓶2の中で離反させるように開放して、両アーム26でバイアル瓶2を二点差線で示すように保持することができる。また、フレーム12の上部に設けた垂下部材28に2本の突当部材29が垂下されている。ベースプレート24は、昇降アーム17の上下移動によってバイアル瓶受取り位置P1からバイアル瓶受渡し位置P2の間を昇降させられる。
【0020】
次に、図6に、昇降アーム17の先端部を拡大して示す。取付部材22は、取付板21を貫通して上下に移動可能であり、取付部材22の周囲には緩衝ばね30が取り付けられており、取付板21と箱体23とが離反するように付勢している。箱体23は、緩衝ばね30を押し縮めるようにして取付板21に接近することができ、この構成により、アーム26を通じて加えられる外力を吸収して昇降アーム17に大きな衝撃が加わらないようにしている。ベースプレート24に回転軸25で枢支された2つのアーム26は、上端が箱体23の中に延伸し、それぞれ上端に取り付けられた付勢部材である開放ばね31で互いに下端が離反し合い開放するように付勢されている。枠体27は、2つのローラ32が、ピン33で回転可能に取り付けられており、両アーム26を挟み込んでいる。アーム26の側面には、やや深い凹部として設けたストッパ部26aと、ストッパ部26aから上方にアーム26に沿って延伸する浅い溝である案内溝26bとを有し、ローラ32は、案内溝26b沿ってストッパ部26aにまで移動することができる。また、アーム26の先端には、それぞれゴム製の摩擦部材34が取り付けられており、摩擦部材34は、開放ばね31の付勢力によってアーム26を開放してアーム26の先端をバイアル瓶2の内壁に当接させたときにアーム26とバイアル瓶2との間の摩擦を増大させて、アーム26が確実にバイアル瓶2を保持できるようにしている。図6では、枠体27は、バイアル瓶2の開口縁部2aに当接して、ローラ32が案内溝26bの上端近くに当接した解除位置にあり、開放ばね31の付勢力によってアーム26を開放することでバイアル瓶2を保持しているが、図7では、枠体27は、ローラ32がストッパ部26aに係合した係合位置にあり、開放ばね31の付勢力に抗してアーム26を閉塞している。このとき、相対する案内溝26bは、ストッパ部26aから遠く回転軸25に近いほど互いの距離が近くなるように形成されている。さらに、図7のVIII−VIII断面を図8に示す。枠体27は、対になったアーム26を取り囲んでいる。ピン33に枢支されたローラ32は、アーム26のおよそ3分の1の厚みを有し、アーム26の側面に設けたストッパ部26aに嵌入するように係合している。これにより、アーム26と枠体27は、直接接触しないようになっている。
【0021】
続いて、以上の構成からなるバイアル瓶搬送装置6の動作を説明する。
図4から図6に示したように、バイアル瓶受取り位置P1で、バイアル瓶2は図3のフォーク支持装置5に支持されている。バイアル瓶2の中でアーム26を開放してバイアル瓶2を保持した状態で、モータ18で送りねじ19を回転させると、昇降アーム17とベースプレート24が上昇し、バイアル瓶2をアーム26で保持したまま垂直に持ち上げることができる。バイアル瓶受渡し位置P2の手前で枠体27が突当部材29に当接するまで昇降アーム17を上昇させて、図2の第3搬送装置7の保持装置でバイアル瓶2を保持した後、さらに昇降アーム17を上昇させると、アーム26は上昇するが枠体27はそれ以上上昇できないので、ローラ32が案内溝26bに沿ってアーム26に対して下降し、枠体27に規制された両アーム26は、開放ばね31の付勢力に抗して回転軸25を中心にして回動し、先端が接近し合うように閉塞する。こうして、アーム26の摩擦部材24は、バイアル瓶2の内壁から離れ、バイアル瓶2を解放して、図2の第3搬送装置7の保持装置に受け渡す。
【0022】
さらに、図7に示すように、昇降アーム17はバイアル瓶受渡し位置P2まで上昇して、枠体27のローラ32が、係合位置に達してアーム26のストッパ部26aに係合するまでベースプレート24を引き上げる。このように、一度、ローラ32が深い溝であるストッパ部26aに係合した状態では、開放ばね31の付勢力に抗して、僅かにアーム26を閉塞させる力が加わらなければ枠体27がアーム26に対して移動することができない。このため、図2の第3搬送装置7の保持装置が引き上げたバイアル瓶2を取り除いた後、モータ18を逆回転して昇降アーム17を下降させると、アーム26は、枠体27によって閉塞させられたまま下降する。そして、アーム26の下降する先に新たなバイアル瓶2が供給されると、ベースプレート24がバイアル瓶受取り位置P1に達する直前に、アーム26の先端はバイアル瓶2の中に挿入されて、枠体27がバイアル瓶2上部の開口縁部2aに当接する。さらに、昇降アーム17が下降すると、ローラ32がアーム26のストッパ部26aから、案内溝26bに乗り上げるようにして、アーム26を僅かに閉塞させる。このようにして、ローラ32は、ストッパ部26aから離脱して案内溝26bに移動して案内溝26bに沿って容易に上昇し、枠体27が解除位置に移動することができるようになる。特に、回転軸25に近付くと、案内溝26bのローラ32に対する当接方向が、当接部分の回転軸周りの開放方向よりも上向きになり、ローラ32を押し上げる圧力角を構成する。こうして、ローラ32は、開放ばね31の付勢力により案内溝26bに沿って上昇し、ベースプレート24がバイアル瓶受取り位置P1まで下降したときに、枠体27は、図7に示したように案内溝26bの上端近くの解除位置まで移動する。この結果、アーム26は、摩擦部材24がバイアル瓶2の内面に当接するように開放され、バイアル瓶2を保持する。
【0023】
以上のように、本実施形態のバイアル瓶搬送装置6は、昇降アーム17上にアクチュエータなどの駆動装置を有しておらす、軽量であるのでモータ18も容量が小さくてよい。そして、昇降アーム17上に制御や動力供給のための配線が不要であるので可撓性ケーブルダクトのような付属設備も不要であり構造が簡単である。また、枠体27を係合位置または解除位置に移動、つまり、ストッパ部26aに係合または案内溝26bに離脱させるために、バイアル瓶2を上下に搬送するためのモータ18による昇降アーム17を介したベースプレート24の上下移動と、簡単な固定構造物である規制操作部材19および被搬送物であるバイアル瓶2の開口縁部2aとが利用されるため、バイアル瓶2を保持または解放するために特別な動力源や制御が不要である、これにより、バイアル瓶搬送装置6全体の構造が簡単で、制御装置の負担も軽い。
【0024】
尚、本実施形態では、アーム26は、開放ばね31で開放方向に付勢され、バイアル瓶2をその内面に当接することで摩擦保持するようになっているが、閉塞方向に付勢された一対のアームがバイアル瓶2を挟み込んで保持してもよく、一対のアームの内側に枠体が係合してもよい。
【0025】
また、前記実施形態では、突当部材29を固定し、アーム26が移動しているときに枠体27が突当部材29に突き当たるようにしたが、アーム29がバイアル瓶受取り位置P1又はバイアル瓶受渡し位置P2で静止しているときに突当部材29を移動させて枠体27に突き当てるようにしてもよい。このようにすれば、アーム26の移動方向に制約されずに枠体27を任意の方向に移動させることができるし、また、バイアル瓶2の搬送方向や経路およびアーム26や枠体27の形状設計にも自由度が増す。さらに、本実施形態では、アーム26先端の摩擦部材34とバイアル瓶2の壁面とが僅かに擦れ合うが、ベースプレート24がバイアル瓶受取り位置P1またはバイアル瓶受渡し位置P2に到達して静止しているときに、突当部材を動作させて枠体27を移動させれば、摩擦部材34とバイアル瓶2との擦れ合いがなくなる。
【0026】
また、前記実施形態では、第1突当部材としてバイアル瓶2の開口縁部2aを利用したが、図6中2点鎖線で示すように、バイアル瓶2の開口縁部2aと同じ高さに設けた固定突当部材としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明のバイアル瓶搬送装置を備える錠剤充填装置の斜視図。
【図2】図1の錠剤充填装置の立面断面図。
【図3】(A)は図2の錠剤充填装置のIIIA−IIIA線断面図、(B)は図2の錠剤充填装置のIIIB−IIIB線断面図.
【図4】本発明の第1実施形態のバイアル瓶搬送装置の正面図。
【図5】図4のバイアル瓶搬送装置の側面図。
【図6】図4のバイアル瓶搬送装置の部分拡大図。
【図7】図4のバイアル瓶搬送装置のアーム上昇時の部分拡大図。
【図8】図7のバイアル瓶搬送装置のVIII−VIII線断面図。
【符号の説明】
【0028】
2 バイアル瓶
2a 開口縁部(第1突当部材)
6 第4搬送装置(バイアル瓶搬送装置)
18 モータ(アーム移動装置)
19 送りねじ(アーム移動装置)
26 アーム
26a ストッパ部
26b 案内溝
27 枠体
29 突当部材(第2突当部材)
31 開放ばね(付勢部材)
32 ローラ
P1 バイアル瓶受取り位置
P2 バイアル瓶受渡し位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイアル瓶を受取り位置から受渡し位置まで搬送するバイアル瓶搬送装置において、
前記バイアル瓶を保持し解放するように開閉可能な少なくとも2つのアームと、
前記バイアル瓶を保持する方向に前記アームを付勢する付勢部材と、
前記バイアル瓶の搬送方向と平行に往復移動して前記アームを開閉する枠体と、
前記アームが前記バイアル瓶を解放する状態に前記枠体を停止する枠体ストッパと、
前記アームをバイアル瓶の受取り位置と受渡し位置に移動させるアーム移動装置と、
前記アームが受取り位置に移動したときに、前記枠体に突き当たって前記枠体を前記枠体ストッパから解除し、前記アームでバイアル瓶を保持する第1突当部材と、
前記アームが受渡し位置に移動したときに、前記枠体に突き当たって前記枠体を前記枠体ストッパに係合し、前記アームをバイアル瓶から解放する第2突当部材と、
からなるバイアル瓶搬送装置。
【請求項2】
前記アームに前記枠体の移動方向に沿って案内溝を設け、前記枠体に前記案内溝内を転動するローラを設けたことを特徴とする請求項1に記載のバイアル瓶搬送装置。
【請求項3】
前記枠体ストッパは、前記案内溝に形成され、前記ローラが係合する凹部である請求項2に記載のバイアル瓶搬送装置。
【請求項4】
前記アーム移動装置は、前記アームの先端を下方に向けて搬送することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のバイアル瓶搬送装置。
【請求項5】
前記第1突当部材は、前記受取り位置にあるバイアル瓶の開口縁部であることを特徴とする請求項1に記載のバイアル瓶搬送装置。
【請求項6】
バイアル瓶を受取り位置から受渡し位置まで搬送するバイアル瓶搬送装置のアームにおいて、
前記バイアル瓶を保持し解放するように開閉可能な少なくとも2つのアームと、
前記バイアル瓶を保持する方向に前記アームを付勢する付勢部材と、
前記バイアル瓶の搬送方向と平行に往復移動して前記アームを開閉する枠体と、
前記アームが前記バイアル瓶を解放する状態に前記枠体を停止する枠体ストッパとからなり、
前記枠体を突当部材に突き当てることにより往復移動させ、前記アームを開閉するようにしたことを特徴とするバイアル瓶搬送装置のアーム。
【請求項7】
バイアル瓶を受取り位置から受渡し位置まで搬送するバイアル瓶搬送装置のアームにおいて、
前記バイアル瓶を保持し解放するように開閉可能な少なくとも2つのアームと、
前記バイアル瓶を保持する方向に前記アームを付勢する付勢部材と、
前記バイアル瓶の搬送方向と平行に往復移動して前記アームを開閉する枠体と、
前記アームが前記バイアル瓶を解放する状態に前記枠体を停止する枠体ストッパとからなり、
前記アームが受取り位置と受渡し位置に移動したときに、前記枠体を突当部材に突き当てることにより往復移動させ、前記アームを開閉するようにしたことを特徴とするバイアル瓶搬送装置のアーム。
【請求項8】
前記アームに前記枠体の移動方向に沿って案内溝を設け、前記枠体に前記案内溝内を転動するローラを設けたことを特徴とする請求項6又は7に記載のバイアル瓶搬送装置のアーム。
【請求項9】
前記枠体ストッパは、前記案内溝に形成され、前記ローラが係合する凹部である請求項8に記載のバイアル瓶搬送装置のアーム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−231459(P2006−231459A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−49314(P2005−49314)
【出願日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(592246705)株式会社湯山製作所 (202)
【Fターム(参考)】