説明

バルブおよびこれを備えた基板処理装置

【課題】パーティクルの排出を制御できるバルブを提供すること。
【解決手段】バルブ11は、流入口15、排出口16、および吐出口17を含む。排出口16は、第1流路18、20によって流入口15に接続されている。吐出口17は、第2流路19によって第1流路18、20に接続されている。第2流路19は、流入口15と排出口16との間に設けられた接続位置CP1において第1流路18、20に接続されている。第2流路19は、第1弁体25が第1アクチュエータ24によって移動されることにより開閉される。また、絞り部37は、接続位置CP1よりも排出口16側において第1流路18、20に設けられている。絞り部37は、吐出口17および第2流路19の流路面積よりも小さい流路面積を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、バルブおよびこれを備えた基板処理装置に関する。基板処理装置によって処理される基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などが含まれる。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程では、たとえば、半導体ウエハなどの基板に対して処理液を用いた処理が行われる。基板を1枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置は、たとえば、基板を水平に保持して回転させるスピンチャックと、スピンチャックに保持された基板に処理液を供給する処理液供給機構とを備えている。処理液供給機構は、処理液を吐出するノズルと、ノズルに処理液を供給する供給配管と、供給配管に介装されたバルブとを含む。供給配管を流れる処理液は、バルブが開かれることによってノズルに供給される。これにより、処理液がノズルから吐出され、吐出された処理液が基板に供給される。バルブは、弁体が弁座に接触することにより閉じられ、弁体が弁座から離れることにより開かれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−222189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バルブが閉じられるときには、弁体が弁座に接触する。しかしながら、弁体と弁座との接触によって、バルブ内にパーティクルが発生する場合がある。バルブが閉じられている状態では、処理液がバルブ内に留まるから、パーティクルが排出されない。そのため、このパーティクルは、バルブが開かれたときに、処理液と共にノズルに供給される。そして、パーティクルを含む処理液がノズルから吐出され、基板に供給される。したがって、基板の清浄度が低下する。
【0005】
そこで、この発明の目的は、パーティクルの排出を制御できるバルブを提供することである。
また、この発明の他の目的は、基板の清浄度を高めることができる基板処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するための請求項1記載の発明は、液体が供給される流入口(15、515)と、前記流入口に供給された液体を排出する排出口(16、216、516)と、前記流入口に供給された液体を吐出する吐出口(17、517、717)と、前記流入口と前記排出口とを接続する第1流路(18、20、218、220、318、320、418、440、518、520、618、918)と、前記流入口と前記排出口との間に設けられた接続位置(CP1)において前記第1流路に接続され、前記第1流路と前記吐出口とを接続する第2流路(19、519、619、719)と、前記第2流路が閉じる閉位置と、前記第2流路が開く開位置とに移動できるように構成された第1弁体(25、525、725)と、前記閉位置と前記開位置との間で前記第1弁体を移動させる第1アクチュエータ(24)と、前記吐出口および第2流路の流路面積よりも小さい流路面積を有し、前記接続位置よりも前記排出口側において前記第1流路に設けられた絞り部(37、220、320、545)とを含む、バルブ(11、211、311、411、511、611、711、911)である。なお、この項において、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
【0007】
この構成によれば、複数の開口(流入口、排出口、吐出口)がバルブに設けられている。排出口は、第1流路によって流入口に接続されている。吐出口は、第2流路によって第1流路に接続されている。第2流路は、流入口と排出口との間に設けられた接続位置において第1流路に接続されている。第2流路は、第1弁体が第1アクチュエータによって移動されることにより開閉される。また、絞り部は、接続位置よりも排出口側において第1流路に設けられている。絞り部は、吐出口および第2流路の流路面積よりも小さい流路面積を有している。
【0008】
第1弁体が開位置に配置され、第2流路が開かれると、流入口に供給された液体が、第1流路および第2流路を通って吐出口および排出口から吐出される。絞り部が、吐出口および第2流路の流路面積よりも小さい流路面積を有しているので、接続位置から排出口に向かう液体には、吐出口に向かう液体に加わる抵抗よりも大きな抵抗が加わる。そのため、吐出口に供給される液体の流量は、排出口に供給される液体の流量よりも大きい。これにより、吐出口から吐出される液体の流量(吐出流量)が確保される。
【0009】
一方、第1弁体が閉位置に配置され、第2流路が閉じられると、流入口に供給された液体が、第1流路を通って排出口から吐出される。そのため、第2流路が閉じられることによって発生したパーティクルや、第2流路が閉じられているときにバルブ内に進入したパーティクルは、液体とともに排出口から排出される。このように、第2流路が閉じられている状態では、バルブ内で発生したパーティクルや、バルブ内に進入したパーティクルが、排出口から吐出され、吐出口から吐出されることが抑制または防止される。これにより、パーティクルの排出が制御される。
【0010】
請求項2記載の発明は、前記絞り部の流路面積を変更させる第2弁体(32、732)と、前記第2弁体を移動させる第2アクチュエータ(31)とをさらに含み、前記第2弁体は、前記絞り部の流路面積が前記吐出口および第2流路の流路面積よりも小さい第1流路面積になる第1開位置と、前記絞り部の流路面積が前記第1流路面積よりも大きい第2流路面積になる第2開位置とに移動できるように構成されており、前記第2アクチュエータは、前記第1弁体が前記開位置に位置する状態で前記第2弁体を前記第1開位置に位置させ、前記第1弁体が前記閉位置に位置する状態で前記第2弁体を前記第2開位置に位置させる、請求項1記載のバルブである。
【0011】
この構成によれば、第2弁体が第2アクチュエータによって移動されることにより、絞り部の流路面積が変更される。具体的には、第2アクチュエータは、第1弁体が開位置に位置する状態で、絞り部の流路面積が吐出口および第2流路の流路面積よりも小さい第1流路面積になる第1開位置に第2弁体を移動させる。すなわち、第2流路が開かれている状態では、絞り部が閉じられずに開いた状態に維持される。そのため、第2弁体と他の部材との接触によってパーティクルが発生し、このパーティクルが吐出口から吐出されることが抑制または防止される。また、第2弁体が第1開位置に位置する状態では、絞り部の流路面積が吐出口および第2流路の流路面積よりも小さい。そのため、第1弁体が開位置に位置し、第2弁体が第1開位置に位置する状態では、吐出口に向かう液体に加わる抵抗よりも大きな抵抗が、排出口に向かう液体に加わる。これにより、吐出口からの吐出流量が確保される。
【0012】
また、第2アクチュエータは、第1弁体が閉位置に位置する状態で、絞り部の流路面積が第1流路面積よりも大きい第2流路面積になる第2開位置に第2弁体を移動させる。第2弁体が第2開位置に位置する状態では、第2弁体が第1開位置に位置するときよりも絞り部の流路面積が大きい。そのため、第2弁体が第1開位置に位置するときよりも排出口に向かう液体の流れが速い。したがって、第1弁体が閉位置に位置する状態で、第2弁体が第2開位置に配置されることにより、パーティクルが、排出口から確実にかつ速やかに排出される。これにより、パーティクルを含む液体が吐出口から吐出されることが抑制または防止される。
【0013】
請求項3記載の発明は、前記第2アクチュエータは、前記第1弁体が前記閉位置に位置する状態で前記第2弁体を前記第2開位置に位置させた後、前記第1弁体が前記閉位置に位置する状態で前記第2弁体を前記第1開位置に位置させる、請求項2記載のバルブである。
この構成によれば、第2流路が閉じられている状態で、第2弁体が第2開位置から第1開位置に移動される。すなわち、第2流路が閉じられている状態で、絞り部の流路面積が減少される。そのため、排出口から吐出される液体の流量が減少される。これにより、液体の排出量(排出口から吐出される液体の量)が抑制される。また、第2弁体が第2開位置に配置された後に第1開位置に配置されるので、第2弁体は、パーティクルが排出口から確実に排出された後に第1開位置に配置される。これにより、バルブ内部でのパーティクルの残留が抑制または防止される。
【0014】
請求項4記載の発明は、前記第1弁体および絞り部は、前記絞り部の流路面積が前記第1弁体の位置によって変化するように構成されており、前記第1弁体が前記開位置に位置するときの前記絞り部の流路面積は、前記吐出口および第2流路の流路面積よりも小さく、前記第1弁体が前記閉位置に位置するときの前記絞り部の流路面積は、前記第1弁体が前記開位置に位置するときよりも大きい、請求項1記載のバルブである。
【0015】
この構成によれば、第2流路が第1弁体によって開閉されるとともに、絞り部の流路面積が第1弁体によって変更される。具体的には、第1弁体が第1アクチュエータによって閉位置から開位置に移動されると、第2流路が開かれるとともに、絞り部の流路面積が吐出口および第2流路の流路面積よりも小さくなる。これにより、吐出口からの吐出流量が確保される。また、第1弁体が第1アクチュエータによって開位置から閉位置に移動されると、第2流路が閉じられるとともに、絞り部の流路面積が大きくなる。そのため、排出口に向かう液体の流れが速くなり、排出口からパーティクルが確実に排出される。このように、1つの弁体(第1弁体)と、1つのアクチュエータ(第1アクチュエータ)とによって吐出口からの液体の吐出、および排出口からの液体の吐出流量が制御されるので、バルブの部品点数の増加が抑制される。
【0016】
請求項5記載の発明は、前記第1流路は、接続流路(544、644)および筒状流路(543、643)を含み、前記接続流路は、前記筒状流路と前記流入口とを接続しており、前記筒状流路は、前記第2流路と平行に延び、かつ前記第2流路および接続位置を取り囲んでおり、前記第1弁体の前記閉位置は、前記接続位置に設けられ、前記第1弁体は、前記接続位置で前記第2流路を閉じるように構成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のバルブである。
【0017】
この構成によれば、接続流路および筒状流路が、第1流路に設けられている。流入口と筒状流路とは、接続流路によって接続されている。したがって、流入口に供給された液体は、接続流路を通って筒状流路に供給される。また、筒状流路を満たす十分な流量で液体が流入口に供給されれば、筒状の流れが筒状流路に形成される。さらに、筒状流路が第2流路と平行に延び、第2流路および接続位置を取り囲んでいるから、このとき、第2流路および接続位置を取り囲む筒状の流れが形成される。さらに、第2流路は、接続位置において第1弁体によって閉じられるから、第2流路が閉じられている状態では、第1弁体を取り囲む筒状の流れが形成される。
【0018】
第1弁体を取り囲む筒状の流れが形成されるので、第2流路が閉じられているときに、第1弁体の周りで液体がよどむことが抑制または防止される。すなわち、液体が流れずに第1弁体の周りに留まることや、液体が第1弁体の周りで流れて第1弁体の周りから移動しないことが抑制または防止される。そのため、第2流路が閉じられているときに第1弁体の周りで漂うパーティクルは、第2流路が閉じられている間に排出口の方へ流されて、排出口から排出される。したがって、たとえば、第2流路を閉じることによって第1弁体の周りに発生したパーティクルは、第2流路が閉じられている間にバルブの内部から排出される。これにより、第1弁体の周りで漂うパーティクルが、第2流路が開かれたときに、吐出口から吐出されることが抑制または防止される。
【0019】
請求項6記載の発明は、前記筒状流路は、前記接続流路が接続された接続点(P1)を含み、前記接続流路は、前記筒状流路に直交し前記接続点を含む平面において、前記接続点と前記筒状流路の中心(C1)とを通る直線(L1)に対して交差する方向に延びる交差流路(544)を含む、請求項5記載のバルブである。
この構成によれば、接続流路が、交差流路を含む。交差流路は、筒状流路に設けられた接続点に接続されている。また、交差流路は、筒状流路に直交し前記接続点を含む平面において、前記接続点と筒状流路の中心とを通る直線に対して交差する方向に延びている。すなわち、たとえば筒状流路が円筒状であれば、交差流路は、筒状流路の半径を含む直線に対して交差する方向に延びている。そのため、交差流路から筒状流路に供給された液体は、一定の方向(筒状流路の周方向の一方)に回転しながら筒状流路の軸方向に移動する。すなわち、筒状流路に供給された液体が螺旋状に流れ、渦流が筒状流路に形成される。これにより、第2流路が第1弁体によって閉じられているときに、第1弁体の周りで液体がよどむことが抑制または防止される。したがって、第1弁体の周りで漂うパーティクルは、第2流路が閉じられている間に、液体と共に排出口から排出される。
【0020】
請求項7記載の発明は、前記絞り部は、前記吐出口および第2流路の流路面積よりも小さい流路面積を有し、前記第2流路が接続された接続位置よりも前記排出口側において前記第1流路に設けられたオリフィス(220、320)を含む、請求項1記載のバルブである。
この構成によれば、第2流路が閉じられているときには、パーティクルがオリフィスを通って排出口から排出される。また、オリフィスは、吐出口および第2流路の流路面積よりも小さい流路面積を有しているから、第2流路が開かれているときには、吐出口からの吐出流量が確保される。このように、複雑な機構を設けることなく、吐出口からの吐出流量を確保するとともに、パーティクルを排出口から排出することができる。
【0021】
前記バルブは、前記第1弁体および第1アクチュエータに連結されたダイヤフラム(26)をさらに含み、前記第2流路は、前記ダイヤフラムが前記第1アクチュエータによって往復運動されることにより、前記第1弁体によって開閉されてもよい。
請求項9記載の発明は、基板(W)を保持する基板保持機構(3、850)と、請求項1〜8のいずれか一項に記載のバルブを含み、前記基板保持機構に保持された基板に処理液を供給する処理液供給機構(4、804)と、前記バルブを制御する制御装置(5)とを含む、基板処理装置(1、801)である。
【0022】
この構成によれば、バルブが制御装置によって制御されることにより、処理液が、処理液供給機構から基板保持機構に保持された基板に供給される。前述のように、バルブは、吐出口からの吐出流量が確保されるとともに、パーティクルが排出口から排出されるように構成されている。したがって、バルブの吐出口から吐出された処理液を基板保持機構に保持された基板に供給すれば、パーティクルを含む処理液が基板に供給されることを抑制または防止することができる。これにより、基板の清浄度が高められる。
【0023】
請求項10記載の発明は、前記処理液供給機構は、処理液を貯留する容器(6)と、処理液を吐出する吐出部材(7、851)と、前記容器と前記バルブの前記流入口とを接続する第1供給配管(8)と、前記バルブの前記吐出口と前記吐出部材とを接続する第2供給配管(9)と、前記容器と前記バルブの前記排出口とを接続する循環配管(10)と、前記第1供給配管を介して前記容器から前記バルブに処理液を送る送液手段(12)と、前記第1供給配管および循環配管の少なくとも一方に設けられ、処理液をろ過するフィルタ(13)とを含む、請求項9記載の基板処理装置である。
【0024】
この構成によれば、容器とバルブの流入口とが、第1供給配管によって接続されている。また、バルブの吐出口と吐出部材とが、第2供給配管によって接続されている。また、容器とバルブの排出口とが、循環配管によって接続されている。処理液をろ過するフィルタは、第1供給配管および循環配管の少なくとも一方に設けられている。容器に貯留された処理液は、送液手段によって第1供給配管を介してバルブの流入口に供給される。そして、バルブに供給された処理液は、吐出口および排出口の少なくとも一方から吐出される。
【0025】
具体的には、バルブの第2流路が開かれている状態では、送液手段によって流入口に供給された処理液が、吐出口および排出口から吐出される。吐出口から吐出された処理液は、第2供給配管を介して吐出部材に供給され、基板保持機構に保持された基板に供給される。前述のように、バルブは、パーティクルが吐出口から吐出されることが抑制または防止されている。これにより、パーティクルを含む処理液が基板に供給されることが抑制または防止される。したがって、基板の清浄度が高められる。
【0026】
一方、バルブの第2流路が閉じられている状態では、送液手段によって流入口に供給された処理液が、排出口から吐出される。排出口から吐出された処理液は、循環配管を通って容器に戻る。そして、この処理液は、送液手段によって再びバルブに供給され、吐出口および排出口の少なくとも一方から吐出される。これにより、排出口から吐出された処理液が有効に利用され、処理液の消費量が低減される。また、排出口から吐出された処理液に含まれるパーティクルは、第1供給配管および循環配管の少なくとも一方に設けられたフィルタによって捕獲される。したがって、パーティクルを含む処理液がバルブに供給されることが抑制または防止される。なお、送液手段としては、ポンプであってもよいし、容器内を加圧する機構であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施形態に係る基板処理装置の概略構成を示す模式図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るバルブの内部構造を説明するための概略図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るバルブの内部構造を説明するための概略図である。
【図4】第1弁体および第2弁体の第1動作例を説明するためのタイミングチャートである。
【図5】第1弁体および第2弁体の第2動作例を説明するためのタイミングチャートである。
【図6】第2動作例が行われているときのパーティクルの流れについて説明するための図である。
【図7】第2動作例が行われているときのパーティクルの流れについて説明するための図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係るバルブの内部構造を説明するための概略図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係るバルブの内部構造を説明するための概略図である。
【図10】図9におけるX−X線に沿うバルブの断面図である。
【図11】本発明の第4実施形態に係るバルブの内部構造を説明するための概略図である。
【図12】本発明の第5実施形態に係るバルブの内部構造を説明するための概略図である。
【図13】本発明の第5実施形態に係るバルブの内部構造を説明するための概略図である。
【図14】図12におけるXIV−XIV線に沿うバルブの断面図である。
【図15】図12におけるXV−XV線に沿うバルブの断面図である。
【図16】本発明の第6実施形態に係るバルブの内部構造を説明するための概略図である。
【図17】図16におけるXVII−XVII線に沿うバルブの断面図である。
【図18】本発明の第7実施形態に係るバルブの内部構造を説明するための概略図である。
【図19】本発明の第8実施形態に係る基板処理装置の概略構成を示す模式図である。
【図20】本発明の第9実施形態に係るバルブの内部構造を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る基板処理装置1の概略構成を示す模式図である。
基板処理装置1は、薬液やリンス液などの処理液によって半導体ウエハ等の基板Wを1枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置である。基板処理装置1は、処理室2に配置されたスピンチャック3(基板保持機構)と、スピンチャック3に保持された基板Wに処理液を供給する処理液供給機構4と、スピンチャック3などを制御する制御装置5とを含む。
【0029】
スピンチャック3は、1枚の基板Wを水平に保持して基板Wの中央部を通る鉛直軸線まわりに回転させるように構成されている。図1に示すように、スピンチャック3は、たとえば、基板Wを周囲から挟んで当該基板Wを水平に保持する挟持式のチャックである。スピンチャック3は、挟持式のチャックに限らず、たとえば、基板Wの下面(裏面)を吸着して当該基板Wを保持するバキューム式のチャックであってもよい。
【0030】
また、処理液供給機構4は、処理液を貯留するタンク6(容器)と、処理室2に配置されたノズル7(吐出部材)と、複数の配管(第1供給配管8、第2供給配管9、循環配管10)と、バルブ11とを含む。また、処理液供給機構4は、第1供給配管8に取り付けられたポンプ12(送液手段)、フィルタ13、およびヒータ14を含む。タンク6は、第1供給配管8によってバルブ11に接続されている。バルブ11は、第2供給配管9によってノズル7に接続されている。さらに、バルブ11は、循環配管10によってタンク6に接続されている。タンク6に貯留された処理液は、ポンプ12によってバルブ11に供給される。また、バルブ11に供給される処理液に含まれるパーティクルは、フィルタ13によって除去される。さらに、バルブ11に供給される処理液は、ヒータ14によって加熱される。
【0031】
バルブ11は、たとえば、三方弁である。バルブ11は、制御装置5によって制御される。バルブ11に供給された処理液が第2供給配管9に供給されると、この処理液は、ノズル7から吐出され、スピンチャック3に保持された基板Wに供給される。これにより、基板Wが処理液によって処理される。また、バルブ11に供給された処理液が循環配管10に供給されると、この処理液は、タンク6に戻る。したがって、タンク6内の処理液は、第1供給配管8、バルブ11、循環配管10、およびタンク6を循環する。タンク6内の処理液は、この循環経路を循環することによりヒータ14によって均一に加熱される。
【0032】
図2および図3は、それぞれ、本発明の第1実施形態に係るバルブ11の内部構造を説明するための概略図である。図2では、第1弁体25が開位置に位置し、第2弁体32が小開位置に位置する状態が示されている。また、図3では、第1弁体25が閉位置に位置し、第2弁体32が大開位置に位置する状態が示されている。
バルブ11は、複数の開口(流入口15、排出口16、吐出口17)と、複数の流路(メイン流路18、吐出流路19、排出流路20)とを含む。また、バルブ11は、ハウジング21と、開閉機構22と、排出流量調整機構23とを含む。メイン流路18および排出流路20は、本発明の第1実施形態に係る第1流路である。また、吐出流路19は、本発明の第1実施形態に係る第2流路である。流入口15、排出口16、吐出口17、メイン流路18、吐出流路19、および排出流路20は、ハウジング21に設けられている。ハウジング21は、たとえば、耐薬性(薬液に対する耐性)を有する合成樹脂によって形成されている。第1供給配管8、第2供給配管9、および循環配管10は、ハウジング21に連結されている。第1供給配管8、第2供給配管9、および循環配管10は、それぞれ、流入口15、吐出口17、および排出口16に接続されている。第1供給配管8から流入口15に供給された処理液は、メイン流路18を通って、吐出流路19および排出流路20に供給される。
【0033】
メイン流路18は、たとえば、直線状に延びている。吐出流路19および排出流路20は、それぞれ、メイン流路18に接続されている。吐出流路19および排出流路20は、メイン流路18に直交する方向に延びている。吐出流路19および排出流路20は、平行に配置されている。メイン流路18は、吐出流路19および排出流路20の流路面積よりも大きい流路面積を有している。また、吐出流路19および排出流路20は、たとえば、互いに等しい大きさの流路面積を有している。流入口15は、メイン流路18の一端に設けられている。また、排出口16は、排出流路20によってメイン流路18に接続されている。また、吐出口17は、吐出流路19によってメイン流路18に接続されている。吐出流路19は、流入口15と排出口16との間に設けられた接続位置CP1においてメイン流路18に接続されている。
【0034】
また、開閉機構22は、第1アクチュエータ24と、第1弁体25と、第1ダイヤフラム26(ダイヤフラム)とを含む。第1アクチュエータ24は、たとえば、電力によって駆動される。第1アクチュエータ24は、たとえば、ソレノイドを含む。第1アクチュエータ24は、ハウジング21に連結されている。第1アクチュエータ24は、メイン流路18に対して吐出流路19および排出流路20とは反対側に配置されている。第1アクチュエータ24は、第1本体27と、第1本体27から突出する第1出力軸28とを含む。第1出力軸28は、メイン流路18に直交する方向に延びている。第1出力軸28は、ハウジング21に設けられた第1貫通孔29に挿入されている。第1出力軸28は、第1本体27に対して、メイン流路18に直交する方向に往復するように構成されている。
【0035】
また、第1弁体25および第1ダイヤフラム26は、メイン流路18に配置されている。第1ダイヤフラム26は、第1弁体25と第1出力軸28との間に配置されている。第1ダイヤフラム26は、第1弁体25と第1出力軸28とに連結されている。第1ダイヤフラム26は、第1出力軸28によって、メイン流路18に直交する方向に往復運動される。第1弁体25は、第1ダイヤフラム26の往復運動に伴って、閉位置(図3に示す位置)と開位置(図2に示す位置)との間で移動される。第1弁体25が閉位置に配置されると、図3に示すように、第1弁体25が、ハウジング21に設けられた第1弁座30に押し付けられる。これにより、吐出流路19が閉じられる。また、第1弁体25が閉位置から開位置に移動されると、図2に示すように、第1弁体25が第1弁座30から離れる。これにより、吐出流路19が開かれる。
【0036】
また、排出流量調整機構23は、たとえば、開閉機構22と同様の構成を含む。すなわち、排出流量調整機構23は、第2アクチュエータ31と、第2弁体32と、第2ダイヤフラム33とを含む。第2アクチュエータ31は、たとえば、電力によって駆動される。第2アクチュエータ31は、たとえば、ソレノイドを含む。第2アクチュエータ31は、ハウジング21に連結されている。第2アクチュエータ31は、メイン流路18に対して吐出流路19および排出流路20とは反対側に配置されている。第2アクチュエータ31は、第2本体34と、第2本体34から突出する第2出力軸35とを含む。第2出力軸35は、メイン流路18に直交する方向に延びている。第2出力軸35は、ハウジング21に設けられた第2貫通孔36に挿入されている。第2出力軸35は、第2本体34に対して、メイン流路18に直交する方向に往復するように構成されている。
【0037】
また、第2弁体32および第2ダイヤフラム33は、メイン流路18に配置されている。第2ダイヤフラム33は、第2弁体32と第2出力軸35との間に配置されている。第2ダイヤフラム33は、第2弁体32と第2出力軸35とに連結されている。第2ダイヤフラム33は、第2出力軸35によって、メイン流路18に直交する方向に往復運動される。第2弁体32は、第2ダイヤフラム33の往復運動に伴って、小開位置(図2に示す位置)と大開位置(図3に示す位置)との間で移動される。小開位置および大開位置は、それぞれ、本発明の第1実施形態に係る第1開位置および第2開位置である。
【0038】
小開位置および大開位置は、それぞれ、ハウジング21に設けられた第2弁座37(絞り部)から第2弁体32が離れている位置である。前述のように、第2弁体32は、第2アクチュエータ31によって小開位置と大開位置との間で移動される。したがって、第2弁体32は、第2弁体32が第2弁座37に接触しない範囲で移動される。また、小開位置は、大開位置よりも第2弁座37に近い。したがって、第2弁体32が大開位置から小開位置に移動されると、第2弁座37の流路面積が減少する。第2弁体32が小開位置に位置する状態での第2弁座37の流路面積は、吐出流路19および吐出口17の流路面積よりも小さい。
【0039】
図4は、第1弁体25および第2弁体32の第1動作例を説明するためのタイミングチャートである。
制御装置5は、第1アクチュエータ24および第2アクチュエータ31を制御する。制御装置5は、第1弁体25を閉位置に向けて移動させるのと同時に第2弁体32を大開位置に向けて移動させる(T1参照)。その後、制御装置5は、第1弁体25を開位置に向けて移動させるのと同時に第2弁体32を小開位置に向けて移動させる(T2参照)。すなわち、制御装置5は、第1アクチュエータ24および第2アクチュエータ31を同期させて、第1弁体25および第2弁体32を同時に反対方向に移動させる。
【0040】
図5は、第1弁体25および第2弁体32の第2動作例を説明するためのタイミングチャートである。また、図6および図7は、それぞれ、第2動作例が行われているときのパーティクルの流れについて説明するための図である。
図5に示すように、制御装置5は、第1弁体25が閉位置に向けて移動されるのと同時に第2弁体32を大開位置に向けて移動させる(T3参照)。そして、制御装置5は、第2弁体32を大開位置に位置させた後、第1弁体25を閉位置に位置させた状態で第2弁体32を小開位置に移動させる(T4参照)。その後、制御装置5は、第2弁体32を小開位置に位置させた状態で第1弁体25を開位置に移動させる(T5参照)。すなわち、この第2動作例では、吐出流路19が閉じられるのと同時に第2弁座37の流路面積が増加され、それから一定時間が経過すると、吐出流路19が閉じられた状態で第2弁座37の流路面積が減少される。
【0041】
図6に示すように、第1弁体25が閉位置に配置されると、吐出流路19が閉じられる。また、第1弁体25が閉位置に配置されると、第1弁体25が第1弁座30に接触し、メイン流路18内にパーティクルが発生する場合がある。しかし、このとき第2弁体32が大開位置に位置し、第2弁座37が開かれているので、図7に示すように、このパーティクルは、処理液とともに、排出口16から排出される。したがって、第1弁体25が再び開位置に配置され、吐出流路19が開かれたときに、このパーティクルが、処理液と共に吐出口17から吐出されることが抑制または防止される。
【0042】
以上のように第1実施形態では、第1弁体25が開位置に位置する状態で、第2弁体32が小開位置に配置される。すなわち、吐出流路19が開かれている状態では、排出流路20は、閉じられずに開いた状態に維持される。そのため、第2弁体32と第2弁座37との接触によってパーティクルが発生し、このパーティクルが吐出口17から吐出されることが抑制または防止される。また、第2弁体32が小開位置に位置する状態では、第2弁座37の流路面積が、吐出口17および吐出流路19の流路面積よりも小さい。したがって、第1弁体25が開位置に位置し、第2弁体32が小開位置に位置する状態では、吐出口17に向かう処理液に加わる抵抗よりも大きな抵抗が、排出口16に向かう処理液に加わる。そのため、吐出口17に供給される処理液の流量は、排出口16に供給される処理液の流量よりも大きい。これにより、吐出口17から吐出される処理液の流量(吐出流量)が確保され、十分な流量で処理液が吐出口17から吐出される。
【0043】
また、第2弁体32は、第1弁体25が閉位置に位置する状態で、小開位置または大開位置に配置される。すなわち、吐出流路19が閉じられている状態では、排出流路20は、閉じられずに開いた状態に維持される。したがって、このときバルブ11の流入口15に供給された処理液は、排出口16から吐出される。そのため、吐出流路19が閉じられている状態でも、処理液が、バルブ11の内部を流れる。よって、第1弁体25と第1弁座30との接触によって発生したパーティクルや、吐出流路19が閉じられているときにバルブ11内に進入したパーティクルは、バルブ11内に留まらずに排出される。これにより、パーティクルを含む処理液が吐出口17から吐出されることが抑制または防止される。したがって、パーティクルを含む処理液が基板Wに供給されることが抑制または防止される。そのため、基板Wの清浄度が高められる。
【0044】
また、第1実施形態では、第1弁体25が、メイン流路18に設けられた接続位置CP1に配置されている。したがって、第1弁体25と第1弁座30との接触によって発生したパーティクルが排出口16から確実に排出される。具体的には、たとえば、図3において、吐出流路19およびこれに関連する構成と、排出流路20およびこれに関連する構成の配置が左右逆である場合を考える。この場合、吐出流路19が閉じられると、第1弁体25の周りでの処理液の流れが悪くなる。すなわち、第1弁体25の周りで処理液が停滞したり、第1弁体25の周りでの処理液の流れが遅くなったりする。そのため、第1弁体25と第1弁座30との接触によって発生したパーティクルが排出口16の方に流され難い。一方、第1実施形態に係るバルブ11では、第1弁体25が、排出口16に向かう処理液の流れの中に配置されている。したがって、第1弁体25と第1弁座30との接触によって発生したパーティクルは、排出口16に向かう処理液の流れによって排出口16の方に流される。そのため、このパーティクルが排出口16から確実に排出される。
【0045】
また、第1動作例において説明したように、第1弁体25は、第2弁体32が第2弁座37に近づく方向に移動されるのと同時に、第1弁座30から遠ざかる方向に移動される。さらに、第1弁体25は、第2弁体32が第2弁座37から遠ざかる方向に移動されるのと同時に、第1弁座30に近づく方向に移動される。すなわち、第1弁体25および第2弁体32の動作が同期され、第1弁体25および第2弁体32が互いに反対の方向に同時に移動される。したがって、第1アクチュエータ24および第2アクチュエータ31を制御するための複雑なプログラムが不要である。
【0046】
また、第2動作例において説明したように、第2弁体32は、第1弁体25が閉位置に位置する状態で、大開位置から小開位置に移動される。第2弁体32が大開位置に位置する状態では、第2弁体32が小開位置に位置するときよりも第2弁座37の流路面積が大きい。そのため、第2弁体32が小開位置に位置するときよりも、排出口16に向かう処理液の流れが速い。したがって、吐出流路19が閉じられることにより発生したパーティクルは、第2弁体32が大開位置に位置する間にバルブ11内から確実にかつ速やかに排出される。一方、第2弁体32が小開位置に配置されると、第2弁座37の流路面積が減少する。そのため、排出口16から吐出される処理液の流量が減少する。したがって、たとえば、排出口16から吐出された処理液が廃棄される場合には、処理液の廃棄量が低減される。
【0047】
また、第1実施形態では、流入口15に供給された処理液の全部または一部が、排出口16から吐出され、循環配管10を通ってタンク6に戻る。そして、この処理液は、再びバルブ11に供給され、吐出口17および排出口16の少なくとも一方から吐出される。これにより、排出口16から吐出された処理液が有効に利用され、処理液の消費量が低減される。また、フィルタ13が循環配管10に取り付けられているので、排出口16から吐出された処理液に含まれるパーティクルは、フィルタ13によって捕獲される。これにより、パーティクルを含む処理液がバルブ11に供給されることが抑制または防止される。したがって、パーティクルを含む処理液が基板Wに供給されることが抑制または防止される。
【0048】
第2実施形態
図8は、本発明の第2実施形態に係るバルブ211の内部構造を説明するための概略図である。この図8において、前述の図1〜図7に示された各部と同等の構成部分については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
この第2実施形態と前述の第1実施形態との主要な相違点は、バルブ211が、オリフィス(orifice)を含むことである。
【0049】
バルブ211は、複数の開口(流入口15、排出口216、および吐出口17)と、複数の流路(メイン流路218、吐出流路19、および排出流路220)とを含む。また、バルブ211は、ハウジング221と、開閉機構22とを含む。メイン流路218および排出流路220は、本発明の第2実施形態に係る第1流路である。また、排出流路220は、本発明の第2実施形態に係る絞り部である。流入口15、排出口216、吐出口17、メイン流路218、吐出流路19、および排出流路220は、ハウジング221に設けられている。ハウジング221は、たとえば、耐薬性を有する合成樹脂によって形成されている。第1供給配管8、第2供給配管9、および循環配管10は、それぞれ、流入口15、吐出口17、および排出口216に接続されている。第1供給配管8から流入口15に供給された処理液は、メイン流路218を通って、吐出流路19および排出流路220に供給される。
【0050】
メイン流路218は、たとえば、直線状に延びている。流入口15は、メイン流路218の一端に設けられている。排出流路220は、メイン流路218の他端からメイン流路218と平行な方向に延びている。吐出流路19は、メイン流路218の他端近傍からメイン流路218に直交する方向に延びている。吐出口17は、吐出流路19によってメイン流路218に接続されている。また、排出口216は、排出流路220によってメイン流路218に接続されている。メイン流路218は、吐出流路19および排出流路220の流路面積よりも大きい流路面積を有している。また、吐出流路19は、排出流路220の流路面積よりも大きい流路面積を有している。排出流路220は、吐出流路19および吐出口17の流路面積よりも小さい流路面積を有するオリフィスである。
【0051】
また、第1アクチュエータ24は、ハウジング221に連結されている。第1アクチュエータ24は、メイン流路218に対して吐出流路19とは反対側に配置されている。第1出力軸28は、メイン流路218に直交する方向に延びている。第1出力軸28は、ハウジング221に設けられた第1貫通孔29に挿入されている。第1出力軸28は、第1本体27に対して、メイン流路218に直交する方向に往復するように構成されている。
【0052】
また、第1弁体25および第1ダイヤフラム26は、メイン流路218に配置されている。第1ダイヤフラム26は、第1出力軸28によって、メイン流路218に直交する方向に往復運動される。第1弁体25は、第1ダイヤフラム26の往復運動に伴って、閉位置(図8に示す位置)と開位置との間で移動される。吐出流路19は、第1弁体25の移動に伴って開閉される。吐出流路19が閉じられているときには、流入口15に供給された処理液が、メイン流路218および排出流路220を通って、排出口216から排出される。
【0053】
以上のように第2実施形態では、吐出流路19が閉じられているときには、パーティクルが、処理液と共にオリフィス(排出流路220)を通って排出口216から排出される。また、吐出流路19が開かれているときには、流入口15に供給された処理液が、吐出口17および排出口216から吐出される。オリフィス(排出流路220)は、吐出口17および吐出流路19の流路面積よりも小さい流路面積を有しているから、排出口216に向かう処理液には、吐出口17に向かう処理液に加わる抵抗よりも大きな抵抗が加わる。そのため、十分な流量で吐出口17から処理液が吐出される。このように、オリフィス(排出流路220)を設けることにより、吐出口17からの吐出流量を確保するとともに、パーティクルを排出口216から排出することができる。したがって、たとえば、排出流量調整機構23(たとえば図2参照)が設けられている場合よりもバルブ211の構成が簡単である。また、排出流量調整機構23が設けられている場合よりもバルブ211の部品点数が低減される。
【0054】
第3実施形態
図9は、本発明の第3実施形態に係るバルブ311の内部構造を説明するための概略図である。図10は、図9におけるX−X線に沿うバルブ311の断面図である。この図9および図10において、前述の図1〜図8に示された各部と同等の構成部分については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0055】
この第3実施形態と前述の第2実施形態との主要な相違点は、メイン流路318の流路面積が、排出口216に向かうに従って連続的に減少していることである。
バルブ311は、メイン流路318および排出流路320を含む。メイン流路318および排出流路320は、本発明の第3実施形態に係る第1流路である。また、排出流路320は、本発明の第2実施形態に係る絞り部である。流入口15、排出口216、吐出口17、メイン流路318、吐出流路19、および排出流路320は、ハウジング321に設けられている。ハウジング321は、たとえば、耐薬性を有する合成樹脂によって形成されている。第1供給配管8、第2供給配管9、および循環配管10は、それぞれ、流入口15、吐出口17、および排出口216に接続されている。流入口15は、メイン流路318の一端に設けられている。排出流路320は、メイン流路318の他端からメイン流路318と平行な方向に延びている。排出口216は、排出流路320によってメイン流路318に接続されている。
【0056】
また、メイン流路318は、接続位置CP1よりも排出口216側に配置された円錐部318aを含む。排出流路320は、円錐部318aの頂部に接続されている。したがって、円錐部318aの直径は、排出口216に向かうに従って連続的に減少している。すなわち、円錐部318aの流路面積は、排出口216に向かうに従って連続的に減少している。円錐部318aの最小流路面積は、たとえば、排出流路320の流路面積と等しい。排出流路320は、吐出流路19および吐出口17の流路面積よりも小さい流路面積を有するオリフィスである。図10に示すように、円錐部318a、排出流路320、および排出口216は、同軸上に配置されている。
【0057】
以上のように第3実施形態では、メイン流路318が、接続位置CP1よりも排出口216側に配置された円錐部318aを含む。円錐部318aの流路面積は、排出口216に向かうに従って連続的に減少している。したがって、処理液は、接続位置CP1から排出口216に向かってスムーズに流れていく。これにより、接続位置CP1と排出口216との間での処理液のよどみの発生が抑制または防止される。すなわち、処理液が流れずに接続位置CP1と排出口216との間に留まることや、処理液が接続位置CP1と排出口216との間で流れて接続位置CP1と排出口216との間から移動しないことが抑制または防止される。したがって、たとえば、吐出流路19が閉じられることにより発生したパーティクルは、処理液がよどんでいる位置に溜まることが抑制または防止される。そのため、処理液がよどんでいる位置に溜まったパーティクルが、吐出流路19が開かれたときに吐出口17から吐出されることが抑制または防止される。したがって、パーティクルを含む処理液が基板Wに供給されることが抑制または防止される。これにより、基板Wの清浄度が高められる。
【0058】
第4実施形態
図11は、本発明の第4実施形態に係るバルブ411の内部構造を説明するための概略図である。この図11において、前述の図1〜図10に示された各部と同等の構成部分については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
この第4実施形態と前述の第1実施形態との主要な相違点は、バルブ411が、距離を隔てて配置された複数の部分に分割されていることである。
【0059】
バルブ411は、メイン流路418と、ハウジング421と、接続配管440とを含む。メイン流路418、排出流路20、および接続配管440は、本発明の第4実施形態に係る第1流路である。ハウジング421は、第1ハウジング438と、第2ハウジング439とを含む。第1ハウジング438および第2ハウジング439は、それぞれ、たとえば、耐薬性を有する合成樹脂によって形成されている。メイン流路418は、第1ハウジング438に設けられた第1メイン流路441と、第2ハウジング439に設けられた第2メイン流路442とを含む。第1メイン流路441および第2メイン流路442は、それぞれ、直線状に延びている。第1メイン流路441は、第1ハウジング438を貫通している。流入口15は、第1メイン流路441の一端に設けられている。また、接続配管440は、第1メイン流路441の他端に接続されている。さらに、接続配管440は、第2メイン流路442の一端に接続されている。第1メイン流路441および第2メイン流路442は、接続配管440によって互いに接続されている。流入口15に供給された処理液は、第1メイン流路441および接続配管440を通って、第2メイン流路442に供給される。
【0060】
また、吐出流路19および排出流路20は、それぞれ、第1ハウジング438および第2ハウジング439に設けられている。また、開閉機構22および排出流量調整機構23は、それぞれ、第1ハウジング438および第2ハウジング439に連結されている。吐出流路19は、第1メイン流路441に直交する方向に延びている。吐出口17は、吐出流路19によって第1メイン流路441に接続されている。また、排出流路20は、第2メイン流路442に直交する方向に延びている。排出口16は、排出流路20によって第2メイン流路442に接続されている。第1供給配管8および第2供給配管9は、第1ハウジング438に連結されている。第1供給配管8および第2供給配管9は、それぞれ、流入口15および吐出口17に接続されている。また、循環配管10は、第2ハウジング439に連結されている。循環配管10は、排出口16に接続されている。
【0061】
第5実施形態
図12および図13は、それぞれ、本発明の第5実施形態に係るバルブ511の内部構造を説明するための概略図である。図14は、図12におけるXIV−XIV線に沿うバルブ511の断面図である。また、図15は、図12におけるXV−XV線に沿うバルブ511の断面図である。図12では、第1弁体525が閉位置に位置する状態が示されている。また、図13では、第1弁体525が開位置に位置する状態が示されている。この図12〜図15において、前述の図1〜図11に示された各部と同等の構成部分については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0062】
この第5実施形態と前述の第1実施形態との主要な相違点は、吐出口517からの処理液の吐出、および排出口516からの処理液の吐出流量が、1つの弁体(第1弁体525)と、1つのアクチュエータ(第1アクチュエータ24)とによって制御されることである。
バルブ511は、メイン流路518と、吐出流路519と、排出流路520とを含む。また、バルブ511は、ハウジング521と、開閉機構522とを含む。メイン流路518および排出流路520は、本発明の第5実施形態に係る第1流路である。また、吐出流路519は、本発明の第5実施形態に係る第2流路である。流入口515、排出口516、吐出口517、メイン流路518、吐出流路519、および排出流路520は、ハウジング521に設けられている。ハウジング521は、たとえば、耐薬性を有する合成樹脂によって形成されている。第1アクチュエータ24の第1本体27は、ハウジング521の下に配置されている。第1アクチュエータ24は、ハウジング521の下部に連結されている。また、第1供給配管8、第2供給配管9、および循環配管10は、それぞれ、流入口515、吐出口517、および排出口516に接続されている。第1供給配管8から流入口515に供給された処理液は、メイン流路518を通って、吐出流路519および排出流路520に供給される。
【0063】
メイン流路518は、たとえば、概ね円柱状である。バルブ511は、メイン流路518が上下に延びるように配置されている。吐出流路519は、ハウジング521の外面(図12および図13では上面)からハウジング521の内部に向かってメイン流路518と平行な方向に延びている。吐出流路519は、たとえば、円柱状である。メイン流路518および吐出流路519は、同軸上に配置されている。吐出流路519の一部(上端部以外)は、メイン流路518の内部に配置されている。メイン流路518および吐出流路519は、ハウジング521の円筒部521aによって同心状に仕切られている。吐出流路519は、流入口515と排出口516との間に設けられた接続位置CP1においてメイン流路518に接続されている。
【0064】
また、図12および図13に示すように、メイン流路518は、筒状流路543と、接続流路544(交差流路)と、絞り流路545(絞り部)と、収容流路546とを含む。筒状流路543、絞り流路545、および収容流路546は、上からこの順番で上下に配列されている。筒状流路543および収容流路546は、絞り流路545を介して互いに接続されている。筒状流路543は、接続流路544によって流入口515に接続されている。また、収容流路546は、排出流路520によって排出口516に接続されている。筒状流路543は、たとえば、円筒状である。筒状流路543は、ハウジング521の上部から接続位置CP1まで吐出流路519と平行な方向に延びている。筒状流路543は、吐出流路519の一部(上端部以外)および接続位置CP1を取り囲んでいる。
【0065】
また、筒状流路543の上端部は、流入口515と同じ高さに配置されている。筒状流路543の上端部は、接続流路544によって流入口515に接続されている。流入口515には、筒状流路543を満たす十分な流量で処理液が供給されている。図12および図13に示すように、接続流路544は、流入口515と同じ高さで筒状流路543に直交する方向に延びている。また、図14に示すように、接続流路544は、接続点P1を含み筒状流路543に直交する平面において、接続点P1と筒状流路543の中心C1とを通る直線L1に対して交差する方向に延びている。より具体的には、接続流路544は、たとえば、筒状流路543の接線に沿って延びている。接続点P1は、たとえば、筒状流路543と接続流路544との交線(円弧)の中心である。
【0066】
また、図15に示すように、絞り流路545は、たとえば、円柱状である。絞り流路545および筒状流路543は、同軸上に配置されている。絞り流路545の直径は、筒状流路543の外径よりも小さい。また、第1ダイヤフラム26は、収容流路546に収容されている。第1ダイヤフラム26は、接続位置CP1の真下に配置されている。第1ダイヤフラム26は、第1出力軸28によって、上下に往復運動される。また、第1弁体525は、円筒部521aと第1ダイヤフラム26との間に配置されている。第1ダイヤフラム26は、第1弁体525および第1出力軸28に連結されている。第1弁体525は、第1円柱部525aを含む。第1円柱部525a、円筒部521a、および絞り流路545は、同軸上に配置されている。第1円柱部525aの直径は、円筒部521aの外径と等しい。また、図15に示すように、第1円柱部525aの直径は、絞り流路545の直径よりも小さい。
【0067】
第1弁体525は、第1ダイヤフラム26の往復運動に伴って、閉位置(図12に示す位置)と開位置(図13に示す位置)との間で移動される。第1弁体525が閉位置に配置されると、第1円柱部525aの端面が接続位置CP1で円筒部521aの下端(第1弁座530に相当)に押し付けられる。これにより、吐出流路519が閉じられる。また、第1弁体525が閉位置から開位置に移動されると、第1円柱部525aが第1弁座530から離れる。これにより、吐出流路519が開かれる。また、第1弁体525が開位置に配置されると、第1円柱部525aが絞り流路545に配置される。これにより、絞り流路545の流路面積が減少される。第1弁体525が開位置に位置する状態での絞り流路545の流路面積は、吐出流路519および吐出口517の流路面積よりも小さい。
【0068】
以上のように第5実施形態では、吐出流路519が第1弁体525によって開閉されるとともに、絞り流路545の流路面積が第1弁体525によって変更される。第1弁体525が第1アクチュエータ24によって閉位置から開位置に移動されると、吐出流路519が開かれるとともに、絞り流路545の流路面積が吐出口517および吐出流路519の流路面積よりも小さくなる。これにより、吐出口517からの吐出流量が確保される。また、第1弁体525が第1アクチュエータ24によって開位置から閉位置に移動されると、吐出流路519が閉じられるとともに、絞り流路545の流路面積が大きくなる。そのため、排出口516に向かう処理液の流れが速くなり、バルブ511の内部からパーティクルが確実にかつ速やかに排出される。このように、1つの弁体(第1弁体525)と、1つのアクチュエータ(第1アクチュエータ24)とによって吐出口517からの処理液の吐出、および排出口516からの処理液の吐出流量が制御されるので、バルブ511の部品点数の増加が抑制される。
【0069】
また、第5実施形態では、接続流路544が、筒状流路543の半径を含む直線L1に対して交差する方向に延びている。そのため、図12および図13に示すように、接続流路544から筒状流路543に供給された処理液は、一定の方向(筒状流路543の周方向の一方)に回転しながら筒状流路543の軸方向に移動する。すなわち、筒状流路543に供給された処理液が螺旋状に流れ、渦流が筒状流路543に形成される。また、吐出流路519が第1弁体525によって閉じられているときには、第1弁体525を取り囲む渦流が筒状流路543に形成される。これにより、吐出流路519が第1弁体525によって閉じられているときに、第1弁体525の周りで処理液がよどむことが抑制または防止される。したがって、第1弁体525の周りで漂うパーティクルは、吐出流路519が閉じられている間に、処理液と共に排出口516から排出される。これにより、パーティクルを含む処理液が、吐出口517から吐出され、基板Wに供給されることが抑制または防止される。
【0070】
また、第5実施形態では、筒状流路543が上下に延びている。接続流路544は、接続位置CP1よりも上に配置されている。接続流路544から筒状流路543に供給された処理液は、接続位置CP1に向かって下に流れる。したがって、筒状流路543で漂うパーティクルは、処理液の流れに加えて、重力によって下に流される。そのため、第1弁体525の周りからパーティクルが確実に除去される。これにより、パーティクルを含む処理液が、吐出口517から吐出され、基板Wに供給されることが抑制または防止される。
【0071】
第6実施形態
図16は、本発明の第6実施形態に係るバルブ611の内部構造を説明するための概略図である。また、図17は、図16におけるXVII−XVII線に沿うバルブ611の断面図である。この図16および図17において、前述の図1〜図15に示された各部と同等の構成部分については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0072】
この第6実施形態と前述の第5実施形態との主要な相違点は、筒状流路643、吐出流路619、および円筒部621aが上下に延長されていることである。
バルブ611は、メイン流路618、吐出流路619、およびハウジング621を含む。メイン流路618および排出流路520は、本発明の第6実施形態に係る第1流路である。また、吐出流路619は、本発明の第6実施形態に係る第2流路である。メイン流路618は、筒状流路643と、接続流路644とを含む。筒状流路643の上端部は、接続流路644によって流入口515に接続されている。流入口515には、筒状流路643を満たす十分な流量で処理液が供給されている。また、ハウジング621は、たとえば、耐薬性を有する合成樹脂によって形成されている。ハウジング621は、筒状流路643および吐出流路619を同心状に仕切る円筒部621aを含む。
【0073】
図16に示すように、接続流路644は、筒状流路643に直交する方向に延びている。また、図17に示すように、接続流路644は、接続点P1を含み筒状流路643に直交する平面において、接続点P1と筒状流路643の中心C1とを通る直線L1に沿って延びている。すなわち、接続流路644は、筒状流路643の半径を含む直線L1に沿って延びている。図17に示すように、筒状流路643に向かって接続流路644を流れる処理液は、たとえば、接続点P1でほぼ均等に2つに分かれる。
【0074】
以上のように第6実施形態では、接続流路644が、筒状流路643の半径を含む直線L1に沿って延びている。したがって、図16に示すように、接続流路644から筒状流路643に供給された処理液は、たとえば、渦を形成せずに、筒状流路643の軸方向に流れる。これにより、接続位置CP1に向かう筒状の流れが形成される。また、接続流路644から筒状流路643に処理液が供給される位置と、接続位置CP1とが十分に離されているので、筒状流路643の上流部で処理液のよどみが発生したとしても、接続位置CP1には安定した処理液の流れが形成される。すなわち、接続位置CP1を取り囲む筒状の層流が処理液によって形成される。
【0075】
接続位置CP1を取り囲む筒状の層流が筒状流路643に形成されるので、吐出流路619が第1弁体525によって閉じられている状態では、第1弁体525を取り囲む層流が処理液によって形成される。これにより、吐出流路619が第1弁体525によって閉じられているときに、第1弁体525の周りで処理液がよどむことが抑制または防止される。したがって、第1弁体525の周りで漂うパーティクルは、吐出流路619が閉じられている間に、処理液と共に排出口516から排出される。そのため、パーティクルを含む処理液が、吐出口517から吐出され、基板Wに供給されることが抑制または防止される。
【0076】
第7実施形態
図18は、本発明の第7実施形態に係るバルブ711の内部構造を説明するための概略図である。図18では、第1弁体725が閉位置に位置し、第2弁体732が大開位置に位置する状態が示されている。この図18において、前述の図1〜図17に示された各部と同等の構成部分については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0077】
この第7実施形態と前述の第5実施形態との主要な相違点は、吐出流路719を開閉する専用の開閉機構722と、排出口516からの処理液の吐出流量の変更を行う専用の排出流量調整機構723とが設けられていることである。
バルブ711は、吐出流路719(第2流路)を含む。また、バルブ711は、ハウジング721と、開閉機構722と、排出流量調整機構723とを含む。流入口515、排出口516、吐出口717、メイン流路518、吐出流路719、および排出流路520は、ハウジング721に設けられている。ハウジング721は、たとえば、耐薬性を有する合成樹脂によって形成されている。第1アクチュエータ24の第1本体27は、ハウジング721の上に配置されている。また、第2アクチュエータ31の第2本体34は、ハウジング721の下に配置されている。第1アクチュエータ24および第2アクチュエータ31は、それぞれ、ハウジング721の上部および下部に連結されている。また、第1供給配管8、第2供給配管9、および循環配管10は、それぞれ、流入口515、吐出口717、および排出口516に接続されている。第1供給配管8から流入口515に供給された処理液は、メイン流路518を通って、吐出流路719および排出流路520に供給される。
【0078】
また、吐出流路719は、収容流路747と、円柱流路748とを含む。収容流路747は、メイン流路518の上方に配置されている。収容流路747は、ハウジング721の外面からハウジング721の内部に向かって筒状流路543に直交する方向に延びている。収容流路747は、メイン流路518の上方において円柱流路748に接続されている。円柱流路748は、収容流路747から下に延びている。筒状流路543および円柱流路748は、同軸上に配置されている。円柱流路748の一部(上端部以外)は、筒状流路543によって取り囲まれている。筒状流路543および円柱流路748は、ハウジング721の円筒部521aによって同心状に仕切られている。円柱流路748は、接続位置CP1においてメイン流路518に接続されている。
【0079】
また、第1ダイヤフラム26は、収容流路747に収容されている。第1ダイヤフラム26は、第1アクチュエータ24の第1出力軸28によって、筒状流路543と平行な方向に往復運動される。また、第1弁体725は、第1ダイヤフラム26の下に配置されている。第1弁体725は、軸部725bと、第1円柱部725aとを含む。軸部725bは、円筒部521a内に挿入されている。軸部725bの上端部は、円筒部521aから突出している。軸部725bの上端部および下端部は、それぞれ、第1ダイヤフラム26および第1円柱部725aに連結されている。第1円柱部725aは、円筒部521aの下方に配置されている。第1円柱部725a、円筒部521a、および絞り流路545は、同軸上に配置されている。第1円柱部725aの外径は、円筒部521aの外径と等しい。
【0080】
第1弁体725は、第1ダイヤフラム26の往復運動に伴って、閉位置(図18に示す位置)と開位置との間で移動される。第1弁体725が閉位置に配置されると、第1円柱部725aの端面が接続位置CP1で円筒部521aの下端(第1弁座530に相当)に押し付けられる。これにより、吐出流路719が閉じられる。また、第1弁体725が閉位置から開位置に移動されると、第1円柱部725aが第1弁座530から離れる。これにより、吐出流路719が開かれる。
【0081】
また、第2ダイヤフラム33は、収容流路546に収容されている。第2ダイヤフラム33は、第2アクチュエータ31の第2出力軸35によって、筒状流路543と平行な方向に往復運動される。また、第2弁体732は、円筒部521aと第2ダイヤフラム33との間に配置されている。第2ダイヤフラム33は、第2弁体732および第2出力軸35に連結されている。第2弁体732は、第2円柱部732aを含む。第2円柱部732a、円筒部521a、および絞り流路545は、同軸上に配置されている。第2円柱部732aの外径は、円筒部521aの外径と等しい。また、第2円柱部732aの外径は、絞り流路545の直径よりも小さい。
【0082】
第2弁体732は、第2ダイヤフラム33の往復運動に伴って、小開位置と大開位置(図18に示す位置)との間で移動される。小開位置および大開位置は、それぞれ、本発明の第7実施形態に係る第1開位置および第2開位置である。小開位置は、第2円柱部732aが絞り流路545に配置される位置である。また、大開位置は、第2円柱部732aが絞り流路545の上方に配置される位置である。第2弁体732が小開位置に配置されると、第2円柱部732aが絞り流路545に配置される。これにより、絞り流路545の流路面積が減少する。第2弁体732が小開位置に位置する状態での絞り流路545の流路面積は、吐出流路719および吐出口717の流路面積よりも小さい。
【0083】
以上のように第7実施形態では、絞り流路545の流路面積を変更する排出流量調整機構723が設けられている。排出流量調整機構723は、第1弁体725とは独立して、第2弁体732を小開位置と大開位置との間で移動させることができる。したがって、排出流量調整機構723は、吐出流路719が閉じられている状態で、第2弁体732を大開位置から小開位置に移動させて、絞り流路545の流路面積を減少させることができる。これにより、吐出流路719が閉じられることによって発生したパーティクルを確実に排出することができるとともに、排出口516から吐出される処理液の量(排出量)を低減することができる。
【0084】
第8実施形態
図19は、本発明の第8実施形態に係る基板処理装置801の概略構成を示す模式図である。この図19において、前述の図1〜図18に示された各部と同等の構成部分については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
この第8実施形態と前述の第1実施形態との主要な相違点は、基板処理装置801が、複数枚の基板Wを処理液によって一括して処理するバッチ式の基板処理装置であることである。
【0085】
基板処理装置801は、処理液を貯留する処理槽849と、複数枚の基板Wを一括して保持する保持アーム850(基板保持機構)と、処理槽849に処理液を供給する処理液供給機構804とを含む。処理槽849は、複数枚の基板Wを収容できる大きさを有している。保持アーム850は、複数枚の基板Wを垂直姿勢で一括して保持することができるように構成されている。処理槽849の上端は開口している。保持アーム850は、保持アーム850に保持された複数枚の基板Wが処理槽849内の処理液に浸漬される処理位置と、保持アーム850が処理槽849の上方に退避する退避位置との間で昇降される。
【0086】
また、処理液供給機構804は、処理液を貯留するタンク6と、処理槽849に取り付けられた複数本の噴出管851(吐出部材)と、複数の配管(第1供給配管8、第2供給配管9、循環配管10)と、バルブ11とを含む。また、処理液供給機構804は、第1供給配管8に設けられたポンプ12、フィルタ13、およびヒータ14を含む。タンク6は、第1供給配管8によってバルブ11に接続されている。バルブ11は、第2供給配管9によって各噴出管851に接続されている。さらに、バルブ11は、循環配管10によってタンク6に接続されている。タンク6に貯留された処理液は、ポンプ12によってバルブ11に供給される。また、バルブ11に供給される処理液に含まれるパーティクルは、フィルタ13によって除去される。さらに、バルブ11に供給される処理液は、ヒータ14によって加熱される。
【0087】
バルブ11は、制御装置5によって制御される。バルブ11に供給された処理液が第2供給配管9に供給されると、この処理液は、各噴出管851から処理槽849内に噴出され、処理槽849内に配置された複数枚の基板Wに供給される。これにより、複数枚の基板Wが処理液によって処理される。また、バルブ11に供給された処理液が循環配管10に供給されると、この処理液は、タンク6に戻る。したがって、タンク6内の処理液は、第1供給配管8、バルブ11、循環配管10、およびタンク6を循環する。これにより、タンク6内の処理液がヒータ14によって均一に加熱される。
【0088】
この発明の実施の形態の説明は以上であるが、この発明は、前述の第1〜第8実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。たとえば、第1〜第8実施形態では、吐出流路が第1弁体によって開閉される場合について説明した。しかし、吐出流路は、第1ダイヤフラムによって開閉されてもよい。すなわち、図20に示す本発明の第9実施形態に係るバルブ911のように、第1ダイヤフラム26が、弁体として機能するように構成されていてもよい。同様に、第2ダイヤフラム33が、弁体として機能するように構成されてもよい。このバルブ911は、メイン流路918と、ハウジング921とを含む。メイン流路918および排出流路20は、本発明の第9実施形態に係る第1流路である。
【0089】
また、第1〜第9実施形態では、第1アクチュエータ24および第2アクチュエータ31が、それぞれ、電力によって駆動される場合について説明した。しかし、第1アクチュエータ24および第2アクチュエータ31は、電力に限らず、空気圧や油圧によって駆動されてもよい。すなわち、第1アクチュエータ24および第2アクチュエータ31は、エアーシリンダであってもよいし、油圧シリンダであってもよい。
【0090】
また、前述の第5および第6実施形態(図12および図16参照)では、吐出流路519、619が閉じられているときに、一定の流量で排出口516から処理液が吐出される場合について説明した。しかし、排出口516からの吐出流量を調整する流量調整バルブが、排出口516に接続されていてもよい。この流量調整バルブとしては、たとえば、ニードルバルブや、ボールバルブ、バタフライバルブが挙げられる。
【0091】
また、第1〜第9実施形態では、バルブが、ダイヤフラムを備える場合について説明した。しかし、第1〜第9実施形態に係るバルブは、ダイヤフラムを備えていなくもよい。具体的には、第1〜第9実施形態に係るバルブは、ニードルバルブや、ボールバルブ、バタフライバルブなどのダイヤフラムを備えていないバルブであってもよい。
また、第1および第8実施形態では、フィルタ13が循環配管10に取り付けられている場合について説明した。しかし、フィルタ13は、第1供給配管8に取り付けられていてもよいし、第1供給配管8および循環配管10の両方に取り付けられていてもよい。
【0092】
また、第1および第8実施形態では、基板処理装置1、801が、第1実施形態に係るバルブ11を備える場合について説明した。しかし、基板処理装置1、801は、他の実施形態に係るバルブを備えていてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0093】
1 基板処理装置
3 スピンチャック(基板保持機構)
4 処理液供給機構
5 制御装置
6 タンク(容器)
7 ノズル(吐出部材)
8 第1供給配管
9 第2供給配管
10 循環配管
11 バルブ
12 ポンプ(送液手段)
13 フィルタ
15 流入口
16 排出口
17 吐出口
18 メイン流路(第1流路)
19 吐出流路(第2流路)
20 排出流路(第1流路)
24 第1アクチュエータ
25 第1弁体
26 第1ダイヤフラム(ダイヤフラム)
31 第2アクチュエータ
32 第2弁体
37 第2弁座(絞り部)
211 バルブ
218 メイン流路(第1流路)
220 排出流路(第1流路、絞り部、オリフィス)
216 排出口
311 バルブ
318 メイン流路(第1流路)
320 排出流路(第1流路、絞り部、オリフィス)
411 バルブ
418 メイン流路(第1流路)
440 接続配管(第1流路)
511 バルブ
515 流入口
516 排出口
517 吐出口
518 メイン流路(第1流路)
519 吐出流路(第2流路)
520 排出流路(第1流路)
525 第1弁体
543 筒状流路
544 接続流路(交差流路)
545 絞り流路(絞り部)
611 バルブ
618 メイン流路(第1流路)
619 吐出流路(第2流路)
643 筒状流路
644 接続流路
711 バルブ
717 吐出口
719 吐出流路(第2流路)
725 第1弁体
732 第2弁体
801 基板処理装置
804 処理液供給機構
850 保持アーム(基板保持機構)
851 噴出管(吐出部材)
911 バルブ
918 メイン流路(第1流路)
C1 中心
CP1 接続位置
L1 直線
P1 接続点
W 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が供給される流入口と、
前記流入口に供給された液体を排出する排出口と、
前記流入口に供給された液体を吐出する吐出口と、
前記流入口と前記排出口とを接続する第1流路と、
前記流入口と前記排出口との間に設けられた接続位置において前記第1流路に接続され、前記第1流路と前記吐出口とを接続する第2流路と、
前記第2流路が閉じる閉位置と、前記第2流路が開く開位置とに移動できるように構成された第1弁体と、
前記閉位置と前記開位置との間で前記第1弁体を移動させる第1アクチュエータと、
前記吐出口および第2流路の流路面積よりも小さい流路面積を有し、前記接続位置よりも前記排出口側において前記第1流路に設けられた絞り部とを含む、バルブ。
【請求項2】
前記絞り部の流路面積を変更させる第2弁体と、前記第2弁体を移動させる第2アクチュエータとをさらに含み、
前記第2弁体は、前記絞り部の流路面積が前記吐出口および第2流路の流路面積よりも小さい第1流路面積になる第1開位置と、前記絞り部の流路面積が前記第1流路面積よりも大きい第2流路面積になる第2開位置とに移動できるように構成されており、
前記第2アクチュエータは、前記第1弁体が前記開位置に位置する状態で前記第2弁体を前記第1開位置に位置させ、前記第1弁体が前記閉位置に位置する状態で前記第2弁体を前記第2開位置に位置させる、請求項1記載のバルブ。
【請求項3】
前記第2アクチュエータは、前記第1弁体が前記閉位置に位置する状態で前記第2弁体を前記第2開位置に位置させた後、前記第1弁体が前記閉位置に位置する状態で前記第2弁体を前記第1開位置に位置させる、請求項2記載のバルブ。
【請求項4】
前記第1弁体および絞り部は、前記絞り部の流路面積が前記第1弁体の位置によって変化するように構成されており、
前記第1弁体が前記開位置に位置するときの前記絞り部の流路面積は、前記吐出口および第2流路の流路面積よりも小さく、
前記第1弁体が前記閉位置に位置するときの前記絞り部の流路面積は、前記第1弁体が前記開位置に位置するときよりも大きい、請求項1記載のバルブ。
【請求項5】
前記第1流路は、接続流路および筒状流路を含み、
前記接続流路は、前記筒状流路と前記流入口とを接続しており、
前記筒状流路は、前記第2流路と平行に延び、かつ前記第2流路および接続位置を取り囲んでおり、
前記第1弁体の前記閉位置は、前記接続位置に設けられ、前記第1弁体は、前記接続位置で前記第2流路を閉じるように構成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項6】
前記筒状流路は、前記接続流路が接続された接続点を含み、
前記接続流路は、前記筒状流路に直交し前記接続点を含む平面において、前記接続点と前記筒状流路の中心とを通る直線に対して交差する方向に延びる交差流路を含む、請求項5記載のバルブ。
【請求項7】
前記絞り部は、前記吐出口および第2流路の流路面積よりも小さい流路面積を有し、前記第2流路が接続された接続位置よりも前記排出口側において前記第1流路に設けられたオリフィスを含む、請求項1記載のバルブ。
【請求項8】
前記第1弁体および第1アクチュエータに連結されたダイヤフラムをさらに含み、
前記第2流路は、前記ダイヤフラムが前記第1アクチュエータによって往復運動されることにより、前記第1弁体によって開閉される、請求項1〜7のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項9】
基板を保持する基板保持機構と、
請求項1〜8のいずれか一項に記載のバルブを含み、前記基板保持機構に保持された基板に処理液を供給する処理液供給機構と、
前記バルブを制御する制御装置とを含む、基板処理装置。
【請求項10】
前記処理液供給機構は、
処理液を貯留する容器と、
処理液を吐出する吐出部材と、
前記容器と前記バルブの前記流入口とを接続する第1供給配管と、
前記バルブの前記吐出口と前記吐出部材とを接続する第2供給配管と、
前記容器と前記バルブの前記排出口とを接続する循環配管と、
前記第1供給配管を介して前記容器から前記バルブに処理液を送る送液手段と、
前記第1供給配管および循環配管の少なくとも一方に設けられ、処理液をろ過するフィルタとを含む、請求項9記載の基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−208786(P2011−208786A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−79528(P2010−79528)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】