説明

パネルスピーカ付携帯電話機およびパネルスピーカ付携帯電話機による通信方法

【課題】バイブレータとスピーカを供用化し、且つ複数個のバイブレータの共振振動を用いて新たな手順による通信を可能とする。
【解決手段】少なくとも2種類の入力信号に呼応して振動動作する振動部10、11と、これらの振動部10、11が所定の間隔距離をおいて取り付けられたフラットパネル15とを有する。さらに、供給信号を増幅する信号増幅部と、信号の夫々の位相を相互に関連付けて制御する位相制御部を備えて構成される。振動部10、11が、フラットパネル15を所定の間隔距離をおいて振動駆動することにより、可聴音および体感振動の振動部として駆動可能とされる。この体感振動を体の一部で受感することにより、送受信者間の相互の意思疎通手段としての利用を可能としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネルスピーカ付携帯電話機およびパネルスピーカ付携帯電話機による通信方法に係り、パネルスピーカの機能を有効に活用したパネルスピーカ付携帯電話機およびパネルスピーカ付携帯電話機による通信方法に関する。
より詳細には本発明は、フラットスピーカの従来公知の音発生機能の外に、携帯電話機特有のバイブレータ代替機能、共振点の作成、共振点の移動制御、スピーカの余分な振動を低減化する機能及び該低減化制御等の付加機能を有効活用化したパネルスピーカ付携帯電話機およびパネルスピーカ付携帯電話機による通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の携帯電話機の音声再生装置としてのスピーカの形態や機能の様々な改善策が提案されている。
例えば、互いに非常に近接した位置に複数のスピーカを適切に駆動することを可能とした(特許文献1)。多機能振動アクチュエータを有し、且つ駆動する回路部品点数を少なくした(特許文献2)。周囲雑音をキャンセルし、話し手と聞き手双方の聞き取り易さを向上させた(特許文献3)、等がある。これら、従来の各技術が公開されている。
また、フラットスピーカに関しては、従来一般的に、携帯電話機の表示画面の保護パネルや、筐体等の構造部品にスピーカ駆動部を取り付けて、これらの構造部品の共鳴を利用して音を鳴らす等、マグネットに振動部を取り付けたダイナミック型スピーカの置き換えとして用いられている。
【特許文献1】特開2003−153373号公報
【特許文献2】特開2001−46969号公報
【特許文献3】特開平9−331377号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、フラットスピーカを、例えば、単純に従来標準のスピーカと置き換えただけの使用では、フラットスピーカの振動部品のサイズが大きい等のデメリットが顕在化し、あえて特殊な構造のフラットスピーカを利用するメリットが、得られ難いという問題点を有している。
また、従来の携帯電話機の、表示画面の保護パネルや筺体等の構造部品にスピーカ駆動部を取り付けて音を鳴らすフラットパネルタイプのスピーカでは、スピーカとして音を鳴らす以外の目的で使われることが現実的に殆どなかった。さらに、このフラットパネルタイプのスピーカは、振動部のサイズが大きくコストも高価であることから、ボイスコイルと振動部で構成したダイナミック型スピーカの単純な代用として用い難い、という課題がある。
【0004】
本発明の目的は、パネルスピーカの特異な取り付け構造とオーディオ再生の原理とを利用して、その持てる潜在的機能の有効活用化技術を提供することにある。
また、本発明では、パネルスピーカのスピーカ以外の機能として付加価値を顕在化させると共に、従来から携帯電話機が有する別部品の代用化も行うことで、部品削減とトータルコストの低減化する。携帯電話機として利便性の高い、新たな機能の付加も図っている。
さらに、振動の種別を符号化及び意味付けし言葉として置換えることにより、聾唖者、難聴者、体の不自由者等との間の、相互の意思疎通手段としての利用が可能となる。なお、これらの利用において本電話機は、長距離での利用も可能である。さらに特殊な環境下・用途、例えば騒音が大きい場所での通信、他人に気付かれなく特定の要件を着信する、等が可能となる。
なお、本件は、従来、フラットパネルスピーカとして適用される場合が多い。しかし、本案では、フラットパネルスピーカとして限定せず、例えば、適用する携帯電話機の背面部のボディー面を駆動パネルとしてパネルスピーカを構成することも可能である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のパネルスピーカ付携帯電話機は、入力信号aに呼応して振動動作する振動部a及び入力信号bに呼応して振動動作する振動部bと、振動部aへ供給する信号aを増幅する信号増幅部a及び前記振動部bへ供給する信号bを増幅する信号増幅部bと、信号aの位相を制御する位相制御部a及び信号bの位相を制御する位相制御部bとを備え、振動部a及び振動部bが所定の間隔を有して固定され、信号aと信号bの夫々の位相を相互に有意に関連付けて制御し、この相互の位相差に呼応して固定された周辺部を被振動パネルとして構成したことを特徴としている。
【0006】
上記の振動動作の制御を司るCPUと、制御のためのプログラムを記憶した記憶部とをさらに備えて構成し、被振動パネルは、可聴音および体感振動の振動部として駆動可能とし、この体感振動を体の一部で受感することにより、聾唖者、難聴者等を含む送受信者間の、相互の意思疎通手段としての利用を可能とするとよい。
【0007】
さらに、被振動パネルは、当該パネルスピーカ付携帯電話機の筐体と一体的に構成され、体感振動の振動部は、信号aと信号bの夫々の位相を相互に関連付けた制御により、筐体の位置と関連した振幅の強弱を有する振動部として駆動可能として構成するとよい。
【0008】
本発明のパネルスピーカ付携帯電話機は、少なくとも3種類の入力信号に呼応して個々に振動駆動する振動部a、振動部b、振動部cと、振動部a、振動部b、振動部cの各々が所定の間隔を有して固定されたパネルと、振動部a、振動部b、振動部cの各々へ供給する信号a、信号b、信号cを夫々に増幅する信号増幅部a、信号増幅部b、信号増幅部cと、信号a、信号b、信号cの夫々の位相を相互に関連付けて制御する位相制御部a、位相制御部b、位相制御部cとを備え、パネルを筐体の一部として構成したことを特徴とする。
【0009】
さらに、上記の信号a、信号b、信号cの夫々の位相を相互に関連付けて制御する事により、振動部a、振動部b、振動部cの各々により駆動される振動が、パネルの位置により相乗または相殺効果を受け、パネルの所定部の振動動作の強弱を有意に制御可能とし、このパネルの所定部の強弱の振動動作に予め意味付することにより、有意な通信の伝送を可能としたことを特徴とする。
【0010】
本発明のパネルスピーカ付携帯電話機による通信方法は、少なくとも3種類の入力信号に呼応して個々に振動動作する少なくとも3つの振動部a、b、cと、該振動部a、b、cが所定の間隔をおいて取り付けられたパネルと、該振動部a、b、cへ供給する信号a、b、cを夫々に増幅する信号増幅部a、b、cと、該信号a、b、cの夫々の位相を相互に関連付けて制御する位相制御部a、b、cとを有して構成されたパネルスピーカ付携帯電話機による通信方法であり、3つの振動部a、b、cの個々の振動駆動によりパネルの所定部に共振点を構成し、共振点の振動動作の制御を可能とし、共振点の振動動作の形態を予め意味付けしておき、意味付けに基づく通信を可能としたことを特徴とする。
【0011】
なお、上記共振点を位置移動させ、該移動の形態に基づく振動動作を予め意味付けしておき、該意味付けに基づく通信を可能とし、共振点を通信の受信者が体感として受信することにより、意味付けに基づく通信を可能とし、パネルは背面パネルであり、当該パネルスピーカ付携帯電話機を身に付けた状態で共振点を通信の受信者が体感として受信することにより、意味付けに基づく通信を可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明においては、以下に記載するような効果を奏する。
第1の効果は、音声を用いずに体感可能な振動を用いて有意な要件の伝達が可能となる。このため、従来のバイブレータの装備が不要となるに加えて、大きな騒音環境下での通信や、聾唖者等との間の通信、人込みの中での通信、秘密内容の通信、等への適用も容易となる。
第2の効果は、バイブレータの代用が可能となる。このため、従来のバイブレータに必要であった実装エリアの削除が可能となる。また、バイブレータとの重複した実装の必要性が無くなり、コスト低減化が可能となる。
【0013】
第3の効果は、携帯電話機特有のバイブレータのオーディオ連動機能といった複雑な制御が簡略化できる。
第4の効果は、バイブレータの複雑な振動制御や、面的な振動位置制御等により、振動の種類を体感で識別が可能となり、これと関連付け発信者の識別が容易に可能となる。
第5の効果は、当該機器を身体の一部と接触させ、バイブレータの振動による共振点の位置移動により、あたかも指先で文字を描く様な体感を得て、本現象を用いた各種の情報伝達手法を構築することが可能となる。
【0014】
図1〜図4において、実施例の携帯電話機内部にオーディオ信号の位相を変化させる位相制御部を有し、予め調整して携帯電話機の各種機能に対応させたオーディオch1の位相、オーディオch2の位相と信号増幅レベル(以下、ボリューム値と記す)をCPUの制御で使い分け、オーディオch1とオーディオch2それぞれの振動部の振動量を制御して目的の機能を果たす。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施の形態について図1ないし図4を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態の携帯電話機の機能構成ブロック図である。図2は、本発明の実施形態の携帯電話機を概念的に示した外観図である。図3および図4は、本実施形態を2チャンネル駆動で適用した場合の、動作機能を説明するための駆動信号を示した図である。
【0016】
図1において、実施形態の携帯電話機は、CPU20、メモリ21、ニチャンネルの一方のオーディオch1の信号を取り扱う位相制御部a(30)、信号増幅部a(40)、振動部a(50)と、他方のオーディオch2の信号を取り扱う位相制御部b(31)、信号増幅部b(41)、振動部b(51)と、を有して構成される。なお、図1中では、本実施形態の説明で必用な構成部のみを表し、その他の構成部は表記を省略している。例えば、オーディオch1、オーディオch2の各信号の生成部以前の構成部は、表記を省略している。なお、これらの省略部へは、従前の公知の技術を用いた構成部が適用可能である。
【0017】
上記構成部のCPU20は、構成各部の動作を統括的に制御し、携帯電話機の機能を確保する制御部である。メモリ21は、前記動作を実行するためのプログラムを、予め記憶しておく記憶部である。位相制御部a(30)及び位相制御部b(31)は、振動部a(50)と振動部b(51)の振動動作とを夫々に、同相または所定の位相差を持って、相互に関連付けた動作を制御するための制御部である。信号増幅部a(40)と信号増幅部b(41)は、位相制御部a(30)及び位相制御部b(31)により関連付けられた動作信号を増幅する増幅器である。振動部a(50)と振動部b(51)は、前記動作信号に基づき振動動作を行う振動部である。
【0018】
上記の各構成部に成る本実施形態の携帯電話機100において、位相制御部a30と位相制御部b31に入力した音楽信号は、CPU20によって目的の機能毎の位相調節と信号増幅レベル(ボリューム)調節を制御される。CPU20は、予め設定したメモリ21の値を参照して制御する。
【0019】
上記構成に成る本実施形態の携帯電話機100では、表示画面の保護パネルや筐体等の構造部品にスピーカ駆動部を取り付けて、本構造部品の共鳴を利用して音を鳴らすフラットスピーカ機能の外に、体感を目的とした振動板としての機能を持たせることが可能と成る。
【0020】
図2は、携帯電話機100にスピーカの振動部2個を筺体側面に取り付けた構成例を示している。図2の振動部10と振動部11は、図1の振動部a(50)と振動部b(51)に該当する。なお、これらの振動部10および振動部11の取り付け位置は、筺体上であり、ある程度の面積を有する略平面の振動面(フラットパネル)15であればどこでも良い。
【0021】
図1は、既述の様に、携帯電話機100に内蔵する回路構成の要部を表したものである。本実施形態の携帯電話機100は、CPU20を有しており、制御回路の設定値を保持しているメモリ21と接続されている。メモリ21には、装置機能に合わせ込んだ2つの振動部分の位相制御値、並びにボリューム値が保存されている。位相制御部a(30)と位相制御部b(31)は、CPU20がメモリ21から読み込んだ値に併せて、オーディオ信号の位相を変更する。さらに、信号増幅部a(40)と信号増幅部b(41)は、このCPU20がメモリ21から読み込んだ値に合わせてボリューム調整を行う。
【0022】
図2の携帯電話機100を例として動作例を説明する。以下の説明において、携帯電話機100の筺体上の任意の位置を、ポイント12とする。この任意のポイント12の振動量を制御するための回路動作を、図1を用いて説明する。また、説明の便宜上、図1のオーディオch1とオーディオch2に入力される信号は、モノラル信号とする。
【0023】
メモリ21に保持されているデータとして、図2の任意のポイント12にch1から出力される信号と位相差ゼロの同位相信号となる設定値、並びに逆位相となる設定値を書き込んでおく。また、信号増幅部の調節値は、携帯電話機100のスピーカ調節レベル値に必要な段数分を書き込んでおく。
【0024】
ここで、任意のポイント12を最大に振動させる制御例と、その動作例を説明する。図1の位相制御部a30と位相制御部b(31)のそれぞれに、図3に記したようなch1信号とch2信号の、位相差ゼロとなるオーディオ信号を、メモリ21の設定値を参照したCPUが呼び出し、オーディオ再生する。このときの信号増幅部a(40)の設定と信号増幅部b(41)の設定は、最大ボリューム値とする。振動部a(50)と振動部b(51)では、オーディオ再生とともに、取り付けた筺体面を振動させ、それぞれの筺体表面振動が、図1の任意のポイント12の振動をより大きく振動することが可能となる。
【0025】
このように、筺体上の任意のポイントを強く振動させることが可能となることを利用して、携帯電話機に必要なバイブレータの代用として機能を果たすことが可能になる。なお、上記の実施形態では、携帯電話機の表面パネルにポイント12を設けたが、その他の面、例えば、側面または背面パネルとしてもよい。
【0026】
本発明の他の実施形態として、その基本的構成は上記の通りであるが、ch1とch2に図4の様な信号を入力すると、振動部a(50)と振動部b(51)で作られた筺体の振動が打ち消し合い、振動を抑えることが可能となる。
また、細かな位相制御値とボリューム値をメモリ21に設定し、CPU20でコントロールすることで、筺体上の複数のポイントの振動制御も可能となる。これにより、動作の多様化が可能となる。本多様化の具体的な一例を、以下に列挙する。
【0027】
(1)共振点(複数の振動板の振動仕様の変化によって生じさせる共振点)の位置移動。
共振点の位置移動は、筐体面において、前後・左右・回転等の位置移動、振動の強弱、共振点の面積の大小、共振点位置の蛇行・前後移動、等々の各種の変動・変化を含むものとする。
【0028】
(2)振動(大きさ、周波数を含む振動)仕様の径時的変化。
共振点の振動値の変化、呼吸的な膨らみの大小変動、定期周期的な形態の変動、等である。
【0029】
(3)着信動作の仕様の多様化。
上記振動動作の多様化により、着信時の振動動作を体感・認識することにより、ディスプレーへの表示内容を見ることなく発信者の認識・識別や、連絡事項の要点等の識別が可能となる。
例えば、ポケット等の体に接触した状態であれば、電話機自体に触れることなく、上記の識別が可能となる。
上記条件によれば、両手が塞がっていても着信内容を識別可能であり、車の運転中や自転車を操作中であっても、上記の識別が可能となる。さらに、近隣に居る人に感付かれること無く、上記の識別が可能となる。
【0030】
なお、上記の実施形態では、2個の振動部10、振動部11の取り付け位置を、筺体上であり、ある程度の面積を有する平面の両端側とした。しかし、これらの振動部は2個と限定するものではなく、実装面積等の他との問題はあるが、3個以上とし、振動面に対して三角位置上の3点、四角位置上の4点等とすると良い。本構成により、共振点の位置を1次元から2次原へ、多様化することが可能となる。
また、これらの振動部10および振動部11の取り付け位置は、筺体上であり、ある程度の面積を有する平面であればどこでも良い。例えば、背面部の筐体パネルを利用する。
上記の実施形態では、振動部10および振動部11の取り付け位置は、筺体上であり、2点であるため、共振点を該2点間を結ぶ一直線上となる。これに対して、振動部の取り付け位置を3点以上とすると、共振点を面的に選択設定および移動させることが可能となる。これにより、共振点の移動を体感で認識・識別することが容易となり、予め、発信者と着信時のバイブレータの振動の形態とを関連付けておけば、表示画面の内容をチェックするまでもなく、発信者の識別が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明のパネルスピーカ付携帯電話機およびパネルスピーカ付携帯電話機による通信方法の実施形態の、回路構成の要部を示したブロック図である。
【図2】本発明のパネルスピーカ付携帯電話機の実施形態の構成を示す概念図であり、携帯電話機にスピーカの振動部2個を筺体側面に取り付けた構成例を示している。
【図3】ch1信号とch2信号とにより位相差ゼロとなるオーディオ信号例を説明するための図である。
【図4】ch1信号とch2信号により2つの振動部で作られた筺体の振動が打ち消しあい、振動を抑える手順例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0032】
12 携帯電話機の筺体上の任意のポイント
15 振動面(フラットパネル)
20 CPU
21 メモリ
30 位相制御部a
31 位相制御部b
40 信号増幅部a
41 信号増幅部b
50 振動部a
51 振動部b
100 携帯電話機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号aに呼応して振動動作する振動部a及び入力信号bに呼応して振動動作する振動部bと、
前記振動部aへ供給する信号aを増幅する信号増幅部a及び前記振動部bへ供給する信号bを増幅する信号増幅部bと、
前記信号aの位相を制御する位相制御部a及び前記信号bの位相を制御する位相制御部bとを備え、
前記振動部a及び振動部bが所定の間隔を有して固定され、前記信号aと信号bの夫々の位相を相互に有意に関連付けて制御し、該相互の位相差に呼応して前記固定された周辺部を被振動パネルとして構成したことを特徴とするパネルスピーカ付携帯電話機。
【請求項2】
前記振動動作の制御を司るCPUと、前記制御のためのプログラムを記憶した記憶部とを、さらに備えて構成したことを特徴とする請求項1に記載のパネルスピーカ付携帯電話機。
【請求項3】
前記被振動パネルは、可聴音および体感振動の振動部として、駆動可能としたことを特徴とする請求項2に記載のパネルスピーカ付携帯電話機。
【請求項4】
前記体感振動を体の一部で受感することにより、聾唖者、難聴者等を含む送受信者間の、相互の意思疎通手段としての利用を可能としたことを特徴とする請求項3に記載のパネルスピーカ付携帯電話機。
【請求項5】
前記被振動パネルは、当該パネルスピーカ付携帯電話機の筐体と一体的に構成され、前記体感振動の振動部は、前記信号aと信号bの夫々の位相を相互に関連付けた制御により、前記筐体の位置と関連した振幅の強弱を有する振動部として駆動可能としたことを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載のパネルスピーカ付携帯電話機。
【請求項6】
少なくとも3種類の入力信号に呼応して個々に振動駆動する振動部a、振動部b、振動部cと、
前記振動部a、振動部b、振動部cの各々が所定の間隔を有して固定されたパネルと、
前記振動部a、振動部b、振動部cの各々へ供給する信号a、信号b、信号cを夫々に増幅する信号増幅部a、信号増幅部b、信号増幅部cと、
前記信号a、信号b、信号cの夫々の位相を相互に関連付けて制御する位相制御部a、位相制御部b、位相制御部cとを備え、
前記パネルを筐体の一部として構成したことを特徴とするパネルスピーカ付携帯電話機。
【請求項7】
前記信号a、信号b、信号cの夫々の位相を相互に関連付けて制御する事により、前記振動部a、振動部b、振動部cの各々により駆動される振動が、前記パネルの位置により相乗または相殺効果を受け、前記パネルの所定部の振動動作の強弱を有意に制御可能としたことを特徴とする請求項6に記載のパネルスピーカ付携帯電話機。
【請求項8】
前記パネルの所定部の強弱の振動動作に予め意味付することにより、有意な通信の伝送を可能としたことを特徴とする請求項7に記載のパネルスピーカ付携帯電話機。
【請求項9】
少なくとも3種類の入力信号に呼応して個々に振動動作する少なくとも3つの振動部a、b、cと、該振動部a、b、cが所定の間隔をおいて取り付けられたパネルと、該振動部a、b、cへ供給する信号a、b、cを夫々に増幅する信号増幅部a、b、cと、該信号a、b、cの夫々の位相を相互に関連付けて制御する位相制御部a、b、cとを有して構成されたパネルスピーカ付携帯電話機による通信方法であり、
前記3つの振動部a、b、cの個々の振動駆動により前記パネルの所定部に共振点を構成し、
前記共振点の振動動作の制御を可能とし、
前記共振点の振動動作の形態を予め意味付けしておき、
前記意味付けに基づく通信を可能としたことを特徴とするパネルスピーカ付携帯電話機による通信方法。
【請求項10】
前記共振点を位置移動させ、該移動の形態に基づく振動動作を予め意味付けしておき、該意味付けに基づく通信を可能としたことを特徴とする請求項9に記載のパネルスピーカ付携帯電話機による通信方法。
【請求項11】
前記共振点を前記通信の受信者が体感として受信することにより、前記意味付けに基づく通信を可能としたことを特徴とする請求項10に記載のパネルスピーカ付携帯電話機による通信方法。
【請求項12】
前記パネルは背面パネルであり、当該パネルスピーカ付携帯電話機を身に付けた状態で前記共振点を前記通信の受信者が体感として受信することにより、前記意味付けに基づく通信を可能としたことを特徴とする請求項10または11に記載のパネルスピーカ付携帯電話機による通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−108872(P2006−108872A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−290176(P2004−290176)
【出願日】平成16年10月1日(2004.10.1)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】