パネル接続構造
【課題】隣接するパネルの接続部分の耐火性を向上させることができるパネル接続構造を提供する。
【解決手段】隣接するパネル1、1の端部同士を接続するパネル接続構造に関する。火災時の加熱により膨張する遮蔽部材4をパネル1、1の端部間に介在させる。火災によりパネル1に変形が生じて端部間に隙間11が生じても、膨張した遮蔽部材4がこの隙間11を充填(又は充満)して閉塞することによって炎が隙間11を通らないようにすることができる。
【解決手段】隣接するパネル1、1の端部同士を接続するパネル接続構造に関する。火災時の加熱により膨張する遮蔽部材4をパネル1、1の端部間に介在させる。火災によりパネル1に変形が生じて端部間に隙間11が生じても、膨張した遮蔽部材4がこの隙間11を充填(又は充満)して閉塞することによって炎が隙間11を通らないようにすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数枚のパネルを敷設することによって、壁や屋根や床などを形成するにあたって、隣接するパネルを接続するためのパネル接続構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図20(a)に隣接するパネル1、1の接続構造の一例を示す。この例で使用されているパネル1は断熱パネルであって、フェノールフォームなどの断熱材で形成される断熱材5の両面にステンレス鋼板などの金属外皮6、7を設けたものである。また、パネル1の一端部には嵌合凸部2が設けられていると共にパネル1の他端部には嵌合凹部3が設けられている。そして、パネル1の嵌合凸部2を他のパネル1の嵌合凹部3に差し込んで嵌合することによって、隣接するパネル1、1同士を接続するようにしている。ここで、嵌合凸部2の先端面と嵌合凹部3の底面との間には防水パッキン10を介在させており、これにより、嵌合凸部2と嵌合凹部3との嵌合部分(隣接するパネル1、1の接続部分)の防水性を確保している。
【0003】
このようなパネル接続構造において、通常の火災では特に問題は発生しないが、嵌合凸部2と嵌合凹部3との嵌合部分に荷重がかかった状態などの過酷な条件で火災が発生した場合では、上記嵌合部分で貫炎が生じる恐れがあった。すなわち、過酷な条件下で火災が発生した場合、パネル1が加熱により伸張したりして変形することがあり、この結果、図20(b)のように、嵌合凸部2と嵌合凹部3の嵌合部分に隙間11が生じ、この隙間11を炎が通って貫炎となるのである。尚、図20(b)においては、パネルの一方の表面側から他方の表面側へと炎が通過した状態、すなわち、屋内側から屋外側へと炎が通過した状態の貫炎を矢印により示す。
【0004】
特に、特許文献1のように、パネルを屋根下地に用いた場合では、屋根下地の上に敷設される屋根材の重量が嵌合凸部2と嵌合凹部3との嵌合部分に上側からかかり、この嵌合部分が図20(b)のように下側に折れ曲がって隙間11が生じやすくなるために、上記貫炎への対策が望まれていた。
【特許文献1】特開2004−108068号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、隣接するパネルの接続部分の耐火性を向上させることができるパネル接続構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のパネル接続構造は、隣接するパネル1、1の端部同士を接続するパネル接続構造において、火災時の加熱により膨張する遮蔽部材4をパネル1、1の端部間に介在させて成ることを特徴とするものである。
【0007】
本発明にあっては、パネル1の一端部に嵌合凸部2を設けると共に他端部に嵌合凹部3を設け、隣接するパネル1、1の嵌合凸部2と嵌合凹部3とを嵌合して接続すると共に遮蔽部材4を嵌合凸部2と嵌合凹部3との間に設けることができる。
【0008】
また、本発明にあっては、隣接するパネル1、1の接続部分に防水処理を施すことができる。
【0009】
また、本発明にあっては、パネル1として二枚の金属外皮6、7の間に断熱材5を充填して形成される断熱パネルを用い、隣接するパネル1、1の接続部分で金属外皮6、6同士を固定具8で連結するのが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
火災時の加熱により膨張する遮蔽部材4を隣接するパネル1、1の端部間に介在させることで、火災によりパネル1に変形が生じて端部間に隙間11が生じても、膨張した遮蔽部材4がこの隙間11を充填(又は充満)して閉塞することによって炎が隙間11を通らないようにすることができ、隣接するパネルの接続部分の耐火性を向上させることができるものである。
【0011】
また、遮蔽部材4を嵌合凸部2と嵌合凹部3との間に設けることによって、火災によりパネル1に変形が生じて嵌合凸部2と嵌合凹部3の嵌合部分に少しの隙間11が生じても、この隙間11に膨張した遮蔽部材4を充填して隙間11を閉塞することができ、この遮蔽部材4で炎が隙間11を通らないようにすることによって、隣接するパネルの接続部分の耐火性を向上させることができるものである。しかも、膨張した遮蔽部材4が嵌合凸部2と嵌合凹部3との間で挟持されて隣接するパネル1、1の間から脱落しにくくなって、耐火性の低下を防止することができるものである。
【0012】
また、隣接するパネル1、1の接続部分に防水処理を施すことによって、隣接するパネル1、1の接続部分の耐火性を向上させるだけでなく、隣接するパネル1、1の接続部分の防水性も向上させることができるものである。
【0013】
また、隣接するパネル1、1の接続部分で金属外皮6、6同士を固定具8で連結することによって、金属外皮6、6の火災による変形を抑えることができ、嵌合凸部2と嵌合凹部3の嵌合部分に隙間11が生じにくくなって、耐火性をさらに向上させることができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0015】
図2に本発明で用いるパネル1を示す。パネル1は二枚の金属外皮6、7の間に断熱材5を充填して形成される断熱パネルなどを用いることができるが、これに限定されるものではない。金属外皮6、7は既知の金属板をロール加工するなどして形成されるものであり、金属板としてはステンレス鋼板、亜鉛めっき鋼板、塗装鋼板、ガルバリウム鋼板(登録商標)などを用いることができる。断熱材5としては、例えば、ロックウールやグラスウールなどの無機繊維板あるいはフェノールフォームやウレタンフォームやイソシアヌレートフォームなどの樹脂発泡体などを用いることができる。
【0016】
また、パネル1は平板状に形成されるパネル本体部20と、パネル1の一端部に突設される嵌合凸部2と、パネル1の他端部に凹設される嵌合凹部3とを備えて形成されている。嵌合凸部2はパネル本体部20の厚みよりも薄く形成されるものであって、パネル本体部20の端面から突出してパネル1の一端部の略全長に亘って形成されている。また、嵌合凸部2の表面(外面)は先端面を除いて金属外皮6、7で覆われていると共に嵌合凸部2の先端面には断熱材5が露出している。尚、嵌合凸部2の先端面は金属外皮6、7で覆われて露出してなくてもよい。
【0017】
嵌合凹部3は、嵌合凸部2と反対側のパネル本体部20の端面に凹設されるものであって、嵌合凸部2を差し込んで嵌合できるように、パネル1の一端部の略全長に亘って形成されている。また、嵌合凹部3の表面(内面)は底面を除いて金属外皮6、7で覆われていると共に嵌合凹部3の底面には断熱材5が露出している。尚、嵌合凹部3の底面は金属外皮6、7で形成されて断熱材5が露出してなくてもよい。
【0018】
そして、本発明は、図3に示すように、嵌合凹部3に嵌合凸部2を差し込んで嵌合することによって、隣接するパネル1、1の端部同士を接続するものであるが、この嵌合凹部3と嵌合凸部2の嵌合状態において、嵌合凸部2の先端面と嵌合凹部3の底面との間に遮蔽部材4を設けたものである。ここで、遮蔽部材4はシート状あるいは板状に形成されており、嵌合凹部3と嵌合凸部2の嵌合部分の全長に亘って設けられている。また、遮蔽部材4は嵌合凸部2の先端面と嵌合凹部3の底面とに挟まれており、嵌合凸部2と嵌合凹部3の間から容易に脱落しないように挟持されている。
【0019】
遮蔽部材4は火災時の熱で発泡して膨張するものであって、厚み1〜6mmのシート状の膨張フェルトで形成することができる。膨張フェルトは一般名称が「グラファイト配合型加熱膨張・不燃性ロックウールフェルト」と称されるものであって、例えば、商品名が「BLGR(ブルーライトグラファイト)」などを称されるものを用いることができる(BLはロックウールフェルトの商品名)。また、膨張フェルトとしては、その組成がロックウール:83%、バインダー:7%、グラファイト:10%のものを用いることができるが、これに限定されるものではない。また、膨張フェルトとしては、膨張開始温度が200〜250℃、膨張終了温度が500〜550℃であり、加熱発泡倍率が厚み方向において300℃で250〜300%、400℃で300〜350%、500℃で350〜400%、600℃で450〜500%のものを使用することができる。さらに、膨張フェルトはロックウールフェルトと同等の不燃性を有するものである。
【0020】
本発明のパネル接続構造では、火災時の加熱により、図1(a)に示す施工状態から図1(b)に示すように遮蔽部材4が膨張するので、嵌合凸部2と嵌合凹部3の嵌合部分に火災の加熱により隙間11が生じても、この隙間11を膨張した遮蔽部材4が充填(又は充満)して隙間11を閉塞することができる。従って、遮蔽部材4による隙間11の閉塞によって、パネル1の一方の表面側で生じた火災の炎が、パネル1の他方の表面側に通り抜けないようにすることができ、隣接するパネル1、1の接続部分の耐火性を向上させることができるものである。
【0021】
図4に他の実施の形態を示す。上記の図3に示す実施の形態は、特に、防水処理を施していないために、間仕切り壁や床や天井などの屋内で使用するパネル接続構造であるが、図4に示すパネル接続構造は、隣接するパネル1、1の屋外側の表面に防水層12を設けて防水処理をしたものである。すなわち、図4に示す実施の形態は図1の実施の形態に加えて、嵌合凸部2と嵌合凹部3の嵌合部分を覆うように防水層12を設けて防水処理を施したものであり、これにより、隣接するパネル1、1の接続部分の耐火性を向上させるだけでなく、隣接するパネル1、1の接続部分の防水性も向上させることができるものである。上記の防水層12としては合成樹脂シートを敷設するなどして形成することができ、合成樹脂シートとしては厚み0.5〜5mmの塩化ビニル樹脂シートなどを用いることができる。また、図4では、防水層12を隣接するパネル1、1の片面全面に形成している例を示しているが、これに限らず、嵌合凸部2と嵌合凹部3の嵌合部分のみの片面に防水層12を形成するようにしても良い。そして、図4のパネル接続構造は、防水層12で防水性を確保することができるために、屋根や屋根下地あるいは外壁などの屋外で好適に使用することができるものである。
【0022】
図5は、本発明のパネル接続構造を用いた耐火性能を有する屋根の一部を示すものである。この屋根では、C型鋼などの型鋼材を母屋などの構造材21として用いており、複数本の構造材21が1000mm程度の間隔をあけて屋根の傾斜方向(軒棟方向)に並設されている。構造材21の外面には1時間耐火被膜27としてケイ酸カルシウム板などの無機質板が取り付けられている。また、パネル1は屋根材として用いられており、複数の構造材21の上に架け渡されて載置されている。各パネル1は屋根の傾斜方向に長く配置されて構造材21にテクスや釘などの固定具18により固定されている。そして、複数のパネル1を屋根の傾斜方向と直交する方向に並べ、この方向に隣接するパネル1、1を上記と同様に接続し、さらにこの上に上記防水層12を設けることによって、屋根を形成することができる。尚、図5には屋根の縦葺きの場合を例示するが、これに限らず、本発明を屋根の横葺きに適用することができる。
【0023】
図6は、本発明のパネル接続構造を用いた耐火性能を有する外壁の一部を示すものである。この外壁は、H型鋼などの型鋼材を柱などの構造材21として用いており、また、柱の屋外側には複数本の縦胴縁28が土台29の上に立設されている。構造材21の外面には1時間耐火被膜27としてケイ酸カルシウム板などの無機質板が取り付けられている。また、パネル1は外壁材として用いられており、複数の縦胴縁28の屋外側に架け渡されて載置されている。各パネル1は外壁の横方向(水平方向)に長く配置されて構造材21にテクスや釘などの固定具により固定されている。そして、複数のパネル1を縦方向(鉛直方向)に並べ、この方向に隣接するパネル1、1を上記と同様に接続し、さらにこの屋外側面に上記防水層12を設けることによって、外壁を形成することができる。尚、図6には壁の横葺きの場合を例示するが、これに限らず、本発明を壁の縦葺きに適用することができる。
【0024】
図7に他の実施の形態を示す。このパネル接続構造では、隣接するパネル1、1の接続部分の屋外側の防水処理をしたものである。すなわち、図7に示す実施の形態は図3の実施の形態に加えて、嵌合凸部2と嵌合凹部3の嵌合部分に形成される目地14にシーリング材13を全長に亘って隙間なく充填して設けるようにして防水処理を施したものであり、これにより、遮蔽部材4で隣接するパネル1、1の接続部分の耐火性を向上させるだけでなく、シーリング材13で隣接するパネル1、1の接続部分の防水性も向上させることができるものである。上記のシーリング材13としては、シリコン樹脂などの合成樹脂を用いることができる。そして、図7のパネル接続構造は、シーリング材13で防水性を確保することができるために、図5、6に示す場合と同様に、屋根や屋根下地あるいは外壁などの屋外で好適に使用することができるものである。
【0025】
図8に他の実施の形態を示す。このパネル接続構造では、隣接するパネル1、1の接続部分の屋外側の防水処理をしたものである。すなわち、このパネル接続構造は、嵌合凸部2と嵌合凹部3の嵌合部分の屋内側寄りにおいて、嵌合凸部2の先端面と嵌合凹部3の底面との間に、上記と同様の遮蔽部材4を全長に亘って充填して設けると共に、嵌合凸部2と嵌合凹部3の嵌合部分の屋外側寄りにおいて、嵌合凸部2の先端面と嵌合凹部3の底面との間に、防水パッキン15を全長に亘って隙間なく充填して設けるようにして防水処理を施したものであり、これにより、隣接するパネル1、1の接続部分の耐火性を向上させるだけでなく、隣接するパネル1、1の接続部分の防水性も向上させることができるものである。上記の防水パッキン15としては、塩化ビニル樹脂などの合成樹脂の成形品を用いることができる。そして、図8のパネル接続構造は、防水パッキン15で防水性を確保することができるために、図5、6に示す場合と同様に、屋根や屋根下地あるいは外壁などの屋外で好適に使用することができるものである。
【0026】
図9に他の実施の形態を示す。このパネル接続構造は、嵌合凸部2に上記と同様の遮蔽部材4を全長に亘って埋設することによって、嵌合凸部2の先端面をこの遮蔽部材4の表面で形成し、嵌合凹部3の底面の全長に沿ってシート状の防水パッキン15を設け、この嵌合凹部3に嵌合凸部2を差し込んで嵌合することによって、隣接するパネル1、1を接続するようにしたものである。そして、嵌合凹部3と嵌合凸部2の嵌合状態において、嵌合凸部2の先端面の遮蔽部材4と嵌合凹部3の底面に設けた防水パッキン15とを隙間なく密着して形成したものである。ここで、遮蔽部材4と防水パッキン15としては上記と同様のものを用いることができる。このパネル接続構造では、隣接するパネル1、1の接続部分の両側(例えば、屋内側と屋外側の両方)の防水処理をしたものである。従って、遮蔽部材4により隣接するパネル1、1の接続部分の耐火性を向上させるだけでなく、隣接するパネル1、1の接続部分の防水性もさらに向上させることができるものである。そして、図9のパネル接続構造は、防水パッキン15で防水性を確保することができるために、図5、6に示す場合と同様に、屋根や屋根下地あるいは外壁などの屋外で好適に使用することができるものである。また、工場などにおけるパネル製造工程で、嵌合凸部2に遮蔽部材4を、嵌合凹部3に防水パッキン15をそれぞれ設けることができ、遮蔽部材4と防水パッキン15とを設けたパネル1の量産化が容易になると共に施工現場での作業が少なくなって施工効率を向上させることができるものである。
【0027】
図10に他の実施の形態を示す。このパネル接続構造は、嵌合凹部3に上記と同様の遮蔽部材4を全長に亘って埋設することによって、嵌合凹部3の底面をこの遮蔽部材4の表面で形成し、この嵌合凹部3の底面の全長に沿ってシート状の防水パッキン15を設け、この嵌合凹部3に嵌合凸部2を差し込んで嵌合することによって、隣接するパネル1、1を接続するようにしたものである。そして、嵌合凹部3と嵌合凸部2の嵌合状態において、嵌合凸部2の先端面と嵌合凹部3の底面に設けた防水パッキン15とを隙間なく密着して形成したものである。ここで、遮蔽部材4と防水パッキン15としては上記と同様のものを用いることができる。このパネル接続構造では、隣接するパネル1、1の接続部分の両側(例えば、屋内側と屋外側の両方)の防水処理をしたものである。従って、遮蔽部材4により隣接するパネル1、1の接続部分の耐火性を向上させるだけでなく、隣接するパネル1、1の接続部分の防水性もさらに向上させることができるものである。そして、図10のパネル接続構造は、防水パッキン15で防水性を確保することができるために、図5、6に示す場合と同様に、屋根や屋根下地あるいは外壁などの屋外で好適に使用することができるものである。また、工場などにおけるパネル製造工程で遮蔽部材4と防水パッキン15をパネル1に設けることができ、施工現場での作業が少なくなって施工効率を向上させることができるものである。
【0028】
図11に他の実施の形態を示す。このパネル接続構造は、嵌合凹部3の底面に上記と同様の遮蔽部材4を全長に亘って設けると共にこの遮蔽部材4の両側において嵌合凹部3の底面の全長に沿って防水パッキン15を設け、この嵌合凹部3に嵌合凸部2を差し込んで嵌合することによって、隣接するパネル1、1を接続するようにしたものである。そして、嵌合凹部3と嵌合凸部2の嵌合状態において、嵌合凸部2の先端面と嵌合凹部3の底面に設けた遮蔽部材4及び防水パッキン15とを隙間なく密着して形成したものである。ここで、遮蔽部材4と防水パッキン15としては上記と同様のものを用いることができる。このパネル接続構造では、隣接するパネル1、1の接続部分の両側(例えば、屋内側と屋外側の両方)の防水処理をしたものである。従って、遮蔽部材4により隣接するパネル1、1の接続部分の耐火性を向上させるだけでなく、隣接するパネル1、1の接続部分の防水性もさらに向上させることができるものである。そして、図11のパネル接続構造は、防水パッキン15で防水性を確保することができるために、図5、6に示す場合と同様に、屋根や屋根下地あるいは外壁などの屋外で好適に使用することができるものである。また、工場などにおけるパネル製造工程で遮蔽部材4と防水パッキン15をパネル1に設けることができ、施工現場での作業が少なくなって施工効率を向上させることができるものである。
【0029】
図12に他の実施の形態を示す。このパネル接続構造は、パネル1を母屋などの建物の構造材に取り付ける際に使用する釘やテクスなどの固定具18を外部から見えないようにする、いわゆるボルトレスタイプのパネル1を用いたものである。すなわち、パネル1の嵌合凹部3側の端部において、パネル1の屋外側表面に凹溝16をパネル1の全長に亘って設けると共に、パネル1の嵌合凸部2側の端部において、パネル1の屋外側表面に突片17をパネル1の全長に亘って設けることによって、パネル1が形成されている。そして、嵌合凹部3に嵌合凸部2を差し込んで嵌合すると共に凹溝16に打ち込んだ固定具18の表面側を覆うようにして突片17を凹溝16の屋外側に配置することによって、隣接するパネル1、1を接続するようにしたものである。そして、嵌合凹部3と嵌合凸部2の嵌合状態において、嵌合凸部2の先端面と嵌合凹部3の底面に設けた遮蔽部材4を隙間なく密着すると共に嵌合凸部2と突片17の間の凹部と嵌合凹部3の側壁の先端との間に防水パッキン15を充填するようにして形成したものである。ここで、遮蔽部材4と防水パッキン15としては上記と同様のものを用いることができる。そして、図12のパネル接続構造は、防水パッキン15で防水性を確保することができるために、図5、6に示す場合と同様に、屋根や屋根下地あるいは外壁などの屋外で好適に使用することができるものである。
【0030】
図13に他の実施の形態を示す。このパネル接続構造では、図3に示すような嵌合凹部3と嵌合凸部2の嵌合状態において、隣接するパネル1、1の屋外側の金属外皮6、6同士をビスなどの固定具8で連結したものである。すなわち、嵌合凹部3の側壁の屋外側から嵌合凸部2の側面へと固定具8を螺入することによって、嵌合凹部3の側壁を構成する金属外皮6と嵌合凸部2の側面を構成する金属外皮6とを連結することができる。そして、この実施の形態では、金属外皮6、6同士の連結によって、金属外皮6、6の火災による変形を抑えることができて目地開きなどを防止することができ、嵌合凸部2と嵌合凹部3の嵌合部分に隙間11が生じにくくなって、耐火性をさらに向上させることができるものである。尚、図中の符号22は、ガラス繊維入りアルミニウムテープであって、耐火性向上などのために、目地14に沿ってガラス繊維入りアルミニウムテープ22を貼着することができる。また、屋外側の金属外皮6、6同士だけでなく、屋内側の金属外皮7、7同士を固定具で連結してもよい。
【0031】
上記では、平板状のパネル1について説明したが、これに限らず、図14に示すように、複数本の山部30を有するパネル(屋根パネル)1を用いてもよく、この場合も、図15に示すように、隣接するパネル1、1の側端部の間に遮蔽部材4を介在させてパネル1、1の側端部同士を突き合わせて接続するものである。ここで、パネル1の一側端部の端面にはシート状の遮蔽部材4を設け、パネル1の他側端部には表面側の金属外皮6の端部を延長して被せ片31が設けられていると共に被せ片31の裏面にシーリングテープ32が貼着されている。そして、被せ片31をパネル1の一側端部に被せた後、これを貫通するように固定具18を打ち込むことによって、隣接するパネル1、1の側端部を接続するものであり、これにより、被せ片31とシーリングテープ32とで防水処理を施すことができ、図16に示すような耐火性と防水性を有する屋根を形成することができるものである。
【実施例】
【0032】
以下本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0033】
(実施例1)
パネル1は図2に示すものと同様であって、屋根材などとして用いられている断熱パネル(日鉄鋼板(株)製の「ニクスボードR」)を使用した。この断熱パネルは2050mm×500mm×厚み35mmであって、屋外側に向けられる金属外皮6は厚み0.35mmの塗装ガルバリウム鋼板を用い、屋内側に向けられる金属外皮7は厚み0.35mmのガルバリウム鋼板を用いた。また、断熱材5としてはポリイソシアヌレートフォームを用いた。また、パネル1の上端部にはパネル本体部20からの突出寸法が27mmの嵌合凸部2を設けると共にパネル1の下端部には深さ20mmの嵌合凹部3を設けた。
【0034】
次に、図17(a)乃至(c)に示すように、四枚のパネル1を上下に接続して屋根に相当する2000mm×2000mm角の耐火試験体を形成した。各パネル1は母屋に相当する構造材21に取り付けた。構造材21は100mm×50mm×20mm×厚み2.3mmの複数本のC型鋼を用いて形成されており、三本の構造材21を上下に長く、且つ互いに平行になるように横方向に並べて配置したものである。そして、この三本の構造材21に架け渡すようにして横長にパネル1を配置し、パネル1の両端部と中央部においてパネル1の表面から構造材21に向って固定具(屋根材留付けねじ)18を打ち込んで取り付けた。また、図18に示すように、各構造材21の外面には1時間耐火被覆27としてケイ酸カルシウム板(厚み25mm)を取り付けた。また、図13に示すように、上下に隣接するパネル1、1は嵌合凸部2と嵌合凹部3の嵌合によって接続した。
【0035】
このようにして嵌合した嵌合凸部2の先端面と嵌合凹部3の底面との間には遮蔽部材4を全長に亘って設けて挟持した。遮蔽部材4は厚み4mmのシート状の膨張フェルト(丸三製紙(株)製の品番BLGR4mm)を用いた。また、嵌合凸部2と嵌合凹部3の嵌合部分において、パネル1の屋外側に相当する側の表面(構造材21と反対側の表面)を構成する金属外皮6、6同士を固定具(鋼板留付けねじ)8で連結した。さらに、嵌合凸部2と嵌合凹部3の嵌合部分において形成される目地14を覆うようにしてガラス繊維入りアルミニウムテープ22を目地14に沿って貼着した。
【0036】
(実施例2)
固定具8で金属外皮6、6を連結しなかった以外は、実施例1と同様にして耐火試験体を形成した。
【0037】
(比較例)
遮蔽部材4を用いなかった以外は、実施例1と同様にして耐火試験体を形成した。
【0038】
上記の実施例1、2及び比較例で作製した耐火試験体を耐火性能試験に供して試験した。耐火性能試験は(財)日本建築総合試験所が発行する「防耐火性能試験・評価業務方法書」の「4.1耐火性能試験・評価方法」に準拠して行った。尚、この耐火性能試験は建築基準法第2条第7号の規定に区分されるものである。また、試験条件のうち、平均炉内温度(℃)T=345log10(8t+1)+20(tは試験時間(分)を示す)とし、また、屋根面1m2ごとに区分してその区分された部分の中央部に、65kgの重りを載荷した。また、要求耐火時間に等しい時間の加熱が終了してから要求耐火時間の3倍の時間が経過した時を試験終了時とした。
【0039】
結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
表1から明らかなように、実施例1、2では最大たわみ量が規定値(71.4mm)よりも小さく、また、加熱により膨張した遮蔽部材4が隣接するパネル1、1の接続部分(嵌合凸部2と嵌合凹部3の嵌合部分)の隙間を閉塞して貫炎が見られなかったために、耐火性能試験に合格するが、比較例では、耐火性能試験中のパネル1の変形により、隣接するパネル1、1の接続部分に隙間が生じて貫炎が見られたために、耐火性能試験に不合格となった。
【0042】
また、図19は、実施例1に相当する二つのサンプルについて、上記と同様の耐火性能試験を行ったときのグラフである。尚、この試験は、日本建築総合試験所の条件に準拠して、日鉄鋼板(株)で社内実施した。図19(a)は試験開始から試験終了までの時間経過と加熱温度とを示すグラフである。また、図19(b)は試験開始から試験終了までの時間経過と耐火試験体の各部分のたわみ量とを示すグラフである。曲線イ、ロ、ハ、ニは図17(a)に示すイ、ロ、ハ、ニに対応する部分である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示し、(a)(b)は断面図である。
【図2】同上のパネルを示す断面図である。
【図3】同上の断面図である。
【図4】同上の他の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図5】同上の屋根の一例を示す一部の斜視図である。
【図6】同上の外壁の一例を示す一部の斜視図である。
【図7】同上の他の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図8】同上の他の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図9】同上の他の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図10】同上の他の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図11】同上の他の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図12】同上の他の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図13】同上の他の実施の形態の一例(図17(b)のA部)を示す断面図である。
【図14】同上のパネルの他例を示す断面図である。
【図15】同上の他の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図16】同上の屋根の他例を示す一部の斜視図である。
【図17】同上の耐火試験体を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。
【図18】同上の図17(c)のB部を示す断面図である。
【図19】同上の実施例1の耐火試験体の耐火試験結果を示し、(a)(b)はグラフである。
【図20】従来例を示し、(a)(b)は断面図である。
【符号の説明】
【0044】
1 パネル
2 嵌合凸部
3 嵌合凹部
4 遮蔽部材
5 断熱材
6 金属外皮
7 金属外皮
8 固定具
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数枚のパネルを敷設することによって、壁や屋根や床などを形成するにあたって、隣接するパネルを接続するためのパネル接続構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図20(a)に隣接するパネル1、1の接続構造の一例を示す。この例で使用されているパネル1は断熱パネルであって、フェノールフォームなどの断熱材で形成される断熱材5の両面にステンレス鋼板などの金属外皮6、7を設けたものである。また、パネル1の一端部には嵌合凸部2が設けられていると共にパネル1の他端部には嵌合凹部3が設けられている。そして、パネル1の嵌合凸部2を他のパネル1の嵌合凹部3に差し込んで嵌合することによって、隣接するパネル1、1同士を接続するようにしている。ここで、嵌合凸部2の先端面と嵌合凹部3の底面との間には防水パッキン10を介在させており、これにより、嵌合凸部2と嵌合凹部3との嵌合部分(隣接するパネル1、1の接続部分)の防水性を確保している。
【0003】
このようなパネル接続構造において、通常の火災では特に問題は発生しないが、嵌合凸部2と嵌合凹部3との嵌合部分に荷重がかかった状態などの過酷な条件で火災が発生した場合では、上記嵌合部分で貫炎が生じる恐れがあった。すなわち、過酷な条件下で火災が発生した場合、パネル1が加熱により伸張したりして変形することがあり、この結果、図20(b)のように、嵌合凸部2と嵌合凹部3の嵌合部分に隙間11が生じ、この隙間11を炎が通って貫炎となるのである。尚、図20(b)においては、パネルの一方の表面側から他方の表面側へと炎が通過した状態、すなわち、屋内側から屋外側へと炎が通過した状態の貫炎を矢印により示す。
【0004】
特に、特許文献1のように、パネルを屋根下地に用いた場合では、屋根下地の上に敷設される屋根材の重量が嵌合凸部2と嵌合凹部3との嵌合部分に上側からかかり、この嵌合部分が図20(b)のように下側に折れ曲がって隙間11が生じやすくなるために、上記貫炎への対策が望まれていた。
【特許文献1】特開2004−108068号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、隣接するパネルの接続部分の耐火性を向上させることができるパネル接続構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のパネル接続構造は、隣接するパネル1、1の端部同士を接続するパネル接続構造において、火災時の加熱により膨張する遮蔽部材4をパネル1、1の端部間に介在させて成ることを特徴とするものである。
【0007】
本発明にあっては、パネル1の一端部に嵌合凸部2を設けると共に他端部に嵌合凹部3を設け、隣接するパネル1、1の嵌合凸部2と嵌合凹部3とを嵌合して接続すると共に遮蔽部材4を嵌合凸部2と嵌合凹部3との間に設けることができる。
【0008】
また、本発明にあっては、隣接するパネル1、1の接続部分に防水処理を施すことができる。
【0009】
また、本発明にあっては、パネル1として二枚の金属外皮6、7の間に断熱材5を充填して形成される断熱パネルを用い、隣接するパネル1、1の接続部分で金属外皮6、6同士を固定具8で連結するのが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
火災時の加熱により膨張する遮蔽部材4を隣接するパネル1、1の端部間に介在させることで、火災によりパネル1に変形が生じて端部間に隙間11が生じても、膨張した遮蔽部材4がこの隙間11を充填(又は充満)して閉塞することによって炎が隙間11を通らないようにすることができ、隣接するパネルの接続部分の耐火性を向上させることができるものである。
【0011】
また、遮蔽部材4を嵌合凸部2と嵌合凹部3との間に設けることによって、火災によりパネル1に変形が生じて嵌合凸部2と嵌合凹部3の嵌合部分に少しの隙間11が生じても、この隙間11に膨張した遮蔽部材4を充填して隙間11を閉塞することができ、この遮蔽部材4で炎が隙間11を通らないようにすることによって、隣接するパネルの接続部分の耐火性を向上させることができるものである。しかも、膨張した遮蔽部材4が嵌合凸部2と嵌合凹部3との間で挟持されて隣接するパネル1、1の間から脱落しにくくなって、耐火性の低下を防止することができるものである。
【0012】
また、隣接するパネル1、1の接続部分に防水処理を施すことによって、隣接するパネル1、1の接続部分の耐火性を向上させるだけでなく、隣接するパネル1、1の接続部分の防水性も向上させることができるものである。
【0013】
また、隣接するパネル1、1の接続部分で金属外皮6、6同士を固定具8で連結することによって、金属外皮6、6の火災による変形を抑えることができ、嵌合凸部2と嵌合凹部3の嵌合部分に隙間11が生じにくくなって、耐火性をさらに向上させることができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0015】
図2に本発明で用いるパネル1を示す。パネル1は二枚の金属外皮6、7の間に断熱材5を充填して形成される断熱パネルなどを用いることができるが、これに限定されるものではない。金属外皮6、7は既知の金属板をロール加工するなどして形成されるものであり、金属板としてはステンレス鋼板、亜鉛めっき鋼板、塗装鋼板、ガルバリウム鋼板(登録商標)などを用いることができる。断熱材5としては、例えば、ロックウールやグラスウールなどの無機繊維板あるいはフェノールフォームやウレタンフォームやイソシアヌレートフォームなどの樹脂発泡体などを用いることができる。
【0016】
また、パネル1は平板状に形成されるパネル本体部20と、パネル1の一端部に突設される嵌合凸部2と、パネル1の他端部に凹設される嵌合凹部3とを備えて形成されている。嵌合凸部2はパネル本体部20の厚みよりも薄く形成されるものであって、パネル本体部20の端面から突出してパネル1の一端部の略全長に亘って形成されている。また、嵌合凸部2の表面(外面)は先端面を除いて金属外皮6、7で覆われていると共に嵌合凸部2の先端面には断熱材5が露出している。尚、嵌合凸部2の先端面は金属外皮6、7で覆われて露出してなくてもよい。
【0017】
嵌合凹部3は、嵌合凸部2と反対側のパネル本体部20の端面に凹設されるものであって、嵌合凸部2を差し込んで嵌合できるように、パネル1の一端部の略全長に亘って形成されている。また、嵌合凹部3の表面(内面)は底面を除いて金属外皮6、7で覆われていると共に嵌合凹部3の底面には断熱材5が露出している。尚、嵌合凹部3の底面は金属外皮6、7で形成されて断熱材5が露出してなくてもよい。
【0018】
そして、本発明は、図3に示すように、嵌合凹部3に嵌合凸部2を差し込んで嵌合することによって、隣接するパネル1、1の端部同士を接続するものであるが、この嵌合凹部3と嵌合凸部2の嵌合状態において、嵌合凸部2の先端面と嵌合凹部3の底面との間に遮蔽部材4を設けたものである。ここで、遮蔽部材4はシート状あるいは板状に形成されており、嵌合凹部3と嵌合凸部2の嵌合部分の全長に亘って設けられている。また、遮蔽部材4は嵌合凸部2の先端面と嵌合凹部3の底面とに挟まれており、嵌合凸部2と嵌合凹部3の間から容易に脱落しないように挟持されている。
【0019】
遮蔽部材4は火災時の熱で発泡して膨張するものであって、厚み1〜6mmのシート状の膨張フェルトで形成することができる。膨張フェルトは一般名称が「グラファイト配合型加熱膨張・不燃性ロックウールフェルト」と称されるものであって、例えば、商品名が「BLGR(ブルーライトグラファイト)」などを称されるものを用いることができる(BLはロックウールフェルトの商品名)。また、膨張フェルトとしては、その組成がロックウール:83%、バインダー:7%、グラファイト:10%のものを用いることができるが、これに限定されるものではない。また、膨張フェルトとしては、膨張開始温度が200〜250℃、膨張終了温度が500〜550℃であり、加熱発泡倍率が厚み方向において300℃で250〜300%、400℃で300〜350%、500℃で350〜400%、600℃で450〜500%のものを使用することができる。さらに、膨張フェルトはロックウールフェルトと同等の不燃性を有するものである。
【0020】
本発明のパネル接続構造では、火災時の加熱により、図1(a)に示す施工状態から図1(b)に示すように遮蔽部材4が膨張するので、嵌合凸部2と嵌合凹部3の嵌合部分に火災の加熱により隙間11が生じても、この隙間11を膨張した遮蔽部材4が充填(又は充満)して隙間11を閉塞することができる。従って、遮蔽部材4による隙間11の閉塞によって、パネル1の一方の表面側で生じた火災の炎が、パネル1の他方の表面側に通り抜けないようにすることができ、隣接するパネル1、1の接続部分の耐火性を向上させることができるものである。
【0021】
図4に他の実施の形態を示す。上記の図3に示す実施の形態は、特に、防水処理を施していないために、間仕切り壁や床や天井などの屋内で使用するパネル接続構造であるが、図4に示すパネル接続構造は、隣接するパネル1、1の屋外側の表面に防水層12を設けて防水処理をしたものである。すなわち、図4に示す実施の形態は図1の実施の形態に加えて、嵌合凸部2と嵌合凹部3の嵌合部分を覆うように防水層12を設けて防水処理を施したものであり、これにより、隣接するパネル1、1の接続部分の耐火性を向上させるだけでなく、隣接するパネル1、1の接続部分の防水性も向上させることができるものである。上記の防水層12としては合成樹脂シートを敷設するなどして形成することができ、合成樹脂シートとしては厚み0.5〜5mmの塩化ビニル樹脂シートなどを用いることができる。また、図4では、防水層12を隣接するパネル1、1の片面全面に形成している例を示しているが、これに限らず、嵌合凸部2と嵌合凹部3の嵌合部分のみの片面に防水層12を形成するようにしても良い。そして、図4のパネル接続構造は、防水層12で防水性を確保することができるために、屋根や屋根下地あるいは外壁などの屋外で好適に使用することができるものである。
【0022】
図5は、本発明のパネル接続構造を用いた耐火性能を有する屋根の一部を示すものである。この屋根では、C型鋼などの型鋼材を母屋などの構造材21として用いており、複数本の構造材21が1000mm程度の間隔をあけて屋根の傾斜方向(軒棟方向)に並設されている。構造材21の外面には1時間耐火被膜27としてケイ酸カルシウム板などの無機質板が取り付けられている。また、パネル1は屋根材として用いられており、複数の構造材21の上に架け渡されて載置されている。各パネル1は屋根の傾斜方向に長く配置されて構造材21にテクスや釘などの固定具18により固定されている。そして、複数のパネル1を屋根の傾斜方向と直交する方向に並べ、この方向に隣接するパネル1、1を上記と同様に接続し、さらにこの上に上記防水層12を設けることによって、屋根を形成することができる。尚、図5には屋根の縦葺きの場合を例示するが、これに限らず、本発明を屋根の横葺きに適用することができる。
【0023】
図6は、本発明のパネル接続構造を用いた耐火性能を有する外壁の一部を示すものである。この外壁は、H型鋼などの型鋼材を柱などの構造材21として用いており、また、柱の屋外側には複数本の縦胴縁28が土台29の上に立設されている。構造材21の外面には1時間耐火被膜27としてケイ酸カルシウム板などの無機質板が取り付けられている。また、パネル1は外壁材として用いられており、複数の縦胴縁28の屋外側に架け渡されて載置されている。各パネル1は外壁の横方向(水平方向)に長く配置されて構造材21にテクスや釘などの固定具により固定されている。そして、複数のパネル1を縦方向(鉛直方向)に並べ、この方向に隣接するパネル1、1を上記と同様に接続し、さらにこの屋外側面に上記防水層12を設けることによって、外壁を形成することができる。尚、図6には壁の横葺きの場合を例示するが、これに限らず、本発明を壁の縦葺きに適用することができる。
【0024】
図7に他の実施の形態を示す。このパネル接続構造では、隣接するパネル1、1の接続部分の屋外側の防水処理をしたものである。すなわち、図7に示す実施の形態は図3の実施の形態に加えて、嵌合凸部2と嵌合凹部3の嵌合部分に形成される目地14にシーリング材13を全長に亘って隙間なく充填して設けるようにして防水処理を施したものであり、これにより、遮蔽部材4で隣接するパネル1、1の接続部分の耐火性を向上させるだけでなく、シーリング材13で隣接するパネル1、1の接続部分の防水性も向上させることができるものである。上記のシーリング材13としては、シリコン樹脂などの合成樹脂を用いることができる。そして、図7のパネル接続構造は、シーリング材13で防水性を確保することができるために、図5、6に示す場合と同様に、屋根や屋根下地あるいは外壁などの屋外で好適に使用することができるものである。
【0025】
図8に他の実施の形態を示す。このパネル接続構造では、隣接するパネル1、1の接続部分の屋外側の防水処理をしたものである。すなわち、このパネル接続構造は、嵌合凸部2と嵌合凹部3の嵌合部分の屋内側寄りにおいて、嵌合凸部2の先端面と嵌合凹部3の底面との間に、上記と同様の遮蔽部材4を全長に亘って充填して設けると共に、嵌合凸部2と嵌合凹部3の嵌合部分の屋外側寄りにおいて、嵌合凸部2の先端面と嵌合凹部3の底面との間に、防水パッキン15を全長に亘って隙間なく充填して設けるようにして防水処理を施したものであり、これにより、隣接するパネル1、1の接続部分の耐火性を向上させるだけでなく、隣接するパネル1、1の接続部分の防水性も向上させることができるものである。上記の防水パッキン15としては、塩化ビニル樹脂などの合成樹脂の成形品を用いることができる。そして、図8のパネル接続構造は、防水パッキン15で防水性を確保することができるために、図5、6に示す場合と同様に、屋根や屋根下地あるいは外壁などの屋外で好適に使用することができるものである。
【0026】
図9に他の実施の形態を示す。このパネル接続構造は、嵌合凸部2に上記と同様の遮蔽部材4を全長に亘って埋設することによって、嵌合凸部2の先端面をこの遮蔽部材4の表面で形成し、嵌合凹部3の底面の全長に沿ってシート状の防水パッキン15を設け、この嵌合凹部3に嵌合凸部2を差し込んで嵌合することによって、隣接するパネル1、1を接続するようにしたものである。そして、嵌合凹部3と嵌合凸部2の嵌合状態において、嵌合凸部2の先端面の遮蔽部材4と嵌合凹部3の底面に設けた防水パッキン15とを隙間なく密着して形成したものである。ここで、遮蔽部材4と防水パッキン15としては上記と同様のものを用いることができる。このパネル接続構造では、隣接するパネル1、1の接続部分の両側(例えば、屋内側と屋外側の両方)の防水処理をしたものである。従って、遮蔽部材4により隣接するパネル1、1の接続部分の耐火性を向上させるだけでなく、隣接するパネル1、1の接続部分の防水性もさらに向上させることができるものである。そして、図9のパネル接続構造は、防水パッキン15で防水性を確保することができるために、図5、6に示す場合と同様に、屋根や屋根下地あるいは外壁などの屋外で好適に使用することができるものである。また、工場などにおけるパネル製造工程で、嵌合凸部2に遮蔽部材4を、嵌合凹部3に防水パッキン15をそれぞれ設けることができ、遮蔽部材4と防水パッキン15とを設けたパネル1の量産化が容易になると共に施工現場での作業が少なくなって施工効率を向上させることができるものである。
【0027】
図10に他の実施の形態を示す。このパネル接続構造は、嵌合凹部3に上記と同様の遮蔽部材4を全長に亘って埋設することによって、嵌合凹部3の底面をこの遮蔽部材4の表面で形成し、この嵌合凹部3の底面の全長に沿ってシート状の防水パッキン15を設け、この嵌合凹部3に嵌合凸部2を差し込んで嵌合することによって、隣接するパネル1、1を接続するようにしたものである。そして、嵌合凹部3と嵌合凸部2の嵌合状態において、嵌合凸部2の先端面と嵌合凹部3の底面に設けた防水パッキン15とを隙間なく密着して形成したものである。ここで、遮蔽部材4と防水パッキン15としては上記と同様のものを用いることができる。このパネル接続構造では、隣接するパネル1、1の接続部分の両側(例えば、屋内側と屋外側の両方)の防水処理をしたものである。従って、遮蔽部材4により隣接するパネル1、1の接続部分の耐火性を向上させるだけでなく、隣接するパネル1、1の接続部分の防水性もさらに向上させることができるものである。そして、図10のパネル接続構造は、防水パッキン15で防水性を確保することができるために、図5、6に示す場合と同様に、屋根や屋根下地あるいは外壁などの屋外で好適に使用することができるものである。また、工場などにおけるパネル製造工程で遮蔽部材4と防水パッキン15をパネル1に設けることができ、施工現場での作業が少なくなって施工効率を向上させることができるものである。
【0028】
図11に他の実施の形態を示す。このパネル接続構造は、嵌合凹部3の底面に上記と同様の遮蔽部材4を全長に亘って設けると共にこの遮蔽部材4の両側において嵌合凹部3の底面の全長に沿って防水パッキン15を設け、この嵌合凹部3に嵌合凸部2を差し込んで嵌合することによって、隣接するパネル1、1を接続するようにしたものである。そして、嵌合凹部3と嵌合凸部2の嵌合状態において、嵌合凸部2の先端面と嵌合凹部3の底面に設けた遮蔽部材4及び防水パッキン15とを隙間なく密着して形成したものである。ここで、遮蔽部材4と防水パッキン15としては上記と同様のものを用いることができる。このパネル接続構造では、隣接するパネル1、1の接続部分の両側(例えば、屋内側と屋外側の両方)の防水処理をしたものである。従って、遮蔽部材4により隣接するパネル1、1の接続部分の耐火性を向上させるだけでなく、隣接するパネル1、1の接続部分の防水性もさらに向上させることができるものである。そして、図11のパネル接続構造は、防水パッキン15で防水性を確保することができるために、図5、6に示す場合と同様に、屋根や屋根下地あるいは外壁などの屋外で好適に使用することができるものである。また、工場などにおけるパネル製造工程で遮蔽部材4と防水パッキン15をパネル1に設けることができ、施工現場での作業が少なくなって施工効率を向上させることができるものである。
【0029】
図12に他の実施の形態を示す。このパネル接続構造は、パネル1を母屋などの建物の構造材に取り付ける際に使用する釘やテクスなどの固定具18を外部から見えないようにする、いわゆるボルトレスタイプのパネル1を用いたものである。すなわち、パネル1の嵌合凹部3側の端部において、パネル1の屋外側表面に凹溝16をパネル1の全長に亘って設けると共に、パネル1の嵌合凸部2側の端部において、パネル1の屋外側表面に突片17をパネル1の全長に亘って設けることによって、パネル1が形成されている。そして、嵌合凹部3に嵌合凸部2を差し込んで嵌合すると共に凹溝16に打ち込んだ固定具18の表面側を覆うようにして突片17を凹溝16の屋外側に配置することによって、隣接するパネル1、1を接続するようにしたものである。そして、嵌合凹部3と嵌合凸部2の嵌合状態において、嵌合凸部2の先端面と嵌合凹部3の底面に設けた遮蔽部材4を隙間なく密着すると共に嵌合凸部2と突片17の間の凹部と嵌合凹部3の側壁の先端との間に防水パッキン15を充填するようにして形成したものである。ここで、遮蔽部材4と防水パッキン15としては上記と同様のものを用いることができる。そして、図12のパネル接続構造は、防水パッキン15で防水性を確保することができるために、図5、6に示す場合と同様に、屋根や屋根下地あるいは外壁などの屋外で好適に使用することができるものである。
【0030】
図13に他の実施の形態を示す。このパネル接続構造では、図3に示すような嵌合凹部3と嵌合凸部2の嵌合状態において、隣接するパネル1、1の屋外側の金属外皮6、6同士をビスなどの固定具8で連結したものである。すなわち、嵌合凹部3の側壁の屋外側から嵌合凸部2の側面へと固定具8を螺入することによって、嵌合凹部3の側壁を構成する金属外皮6と嵌合凸部2の側面を構成する金属外皮6とを連結することができる。そして、この実施の形態では、金属外皮6、6同士の連結によって、金属外皮6、6の火災による変形を抑えることができて目地開きなどを防止することができ、嵌合凸部2と嵌合凹部3の嵌合部分に隙間11が生じにくくなって、耐火性をさらに向上させることができるものである。尚、図中の符号22は、ガラス繊維入りアルミニウムテープであって、耐火性向上などのために、目地14に沿ってガラス繊維入りアルミニウムテープ22を貼着することができる。また、屋外側の金属外皮6、6同士だけでなく、屋内側の金属外皮7、7同士を固定具で連結してもよい。
【0031】
上記では、平板状のパネル1について説明したが、これに限らず、図14に示すように、複数本の山部30を有するパネル(屋根パネル)1を用いてもよく、この場合も、図15に示すように、隣接するパネル1、1の側端部の間に遮蔽部材4を介在させてパネル1、1の側端部同士を突き合わせて接続するものである。ここで、パネル1の一側端部の端面にはシート状の遮蔽部材4を設け、パネル1の他側端部には表面側の金属外皮6の端部を延長して被せ片31が設けられていると共に被せ片31の裏面にシーリングテープ32が貼着されている。そして、被せ片31をパネル1の一側端部に被せた後、これを貫通するように固定具18を打ち込むことによって、隣接するパネル1、1の側端部を接続するものであり、これにより、被せ片31とシーリングテープ32とで防水処理を施すことができ、図16に示すような耐火性と防水性を有する屋根を形成することができるものである。
【実施例】
【0032】
以下本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0033】
(実施例1)
パネル1は図2に示すものと同様であって、屋根材などとして用いられている断熱パネル(日鉄鋼板(株)製の「ニクスボードR」)を使用した。この断熱パネルは2050mm×500mm×厚み35mmであって、屋外側に向けられる金属外皮6は厚み0.35mmの塗装ガルバリウム鋼板を用い、屋内側に向けられる金属外皮7は厚み0.35mmのガルバリウム鋼板を用いた。また、断熱材5としてはポリイソシアヌレートフォームを用いた。また、パネル1の上端部にはパネル本体部20からの突出寸法が27mmの嵌合凸部2を設けると共にパネル1の下端部には深さ20mmの嵌合凹部3を設けた。
【0034】
次に、図17(a)乃至(c)に示すように、四枚のパネル1を上下に接続して屋根に相当する2000mm×2000mm角の耐火試験体を形成した。各パネル1は母屋に相当する構造材21に取り付けた。構造材21は100mm×50mm×20mm×厚み2.3mmの複数本のC型鋼を用いて形成されており、三本の構造材21を上下に長く、且つ互いに平行になるように横方向に並べて配置したものである。そして、この三本の構造材21に架け渡すようにして横長にパネル1を配置し、パネル1の両端部と中央部においてパネル1の表面から構造材21に向って固定具(屋根材留付けねじ)18を打ち込んで取り付けた。また、図18に示すように、各構造材21の外面には1時間耐火被覆27としてケイ酸カルシウム板(厚み25mm)を取り付けた。また、図13に示すように、上下に隣接するパネル1、1は嵌合凸部2と嵌合凹部3の嵌合によって接続した。
【0035】
このようにして嵌合した嵌合凸部2の先端面と嵌合凹部3の底面との間には遮蔽部材4を全長に亘って設けて挟持した。遮蔽部材4は厚み4mmのシート状の膨張フェルト(丸三製紙(株)製の品番BLGR4mm)を用いた。また、嵌合凸部2と嵌合凹部3の嵌合部分において、パネル1の屋外側に相当する側の表面(構造材21と反対側の表面)を構成する金属外皮6、6同士を固定具(鋼板留付けねじ)8で連結した。さらに、嵌合凸部2と嵌合凹部3の嵌合部分において形成される目地14を覆うようにしてガラス繊維入りアルミニウムテープ22を目地14に沿って貼着した。
【0036】
(実施例2)
固定具8で金属外皮6、6を連結しなかった以外は、実施例1と同様にして耐火試験体を形成した。
【0037】
(比較例)
遮蔽部材4を用いなかった以外は、実施例1と同様にして耐火試験体を形成した。
【0038】
上記の実施例1、2及び比較例で作製した耐火試験体を耐火性能試験に供して試験した。耐火性能試験は(財)日本建築総合試験所が発行する「防耐火性能試験・評価業務方法書」の「4.1耐火性能試験・評価方法」に準拠して行った。尚、この耐火性能試験は建築基準法第2条第7号の規定に区分されるものである。また、試験条件のうち、平均炉内温度(℃)T=345log10(8t+1)+20(tは試験時間(分)を示す)とし、また、屋根面1m2ごとに区分してその区分された部分の中央部に、65kgの重りを載荷した。また、要求耐火時間に等しい時間の加熱が終了してから要求耐火時間の3倍の時間が経過した時を試験終了時とした。
【0039】
結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
表1から明らかなように、実施例1、2では最大たわみ量が規定値(71.4mm)よりも小さく、また、加熱により膨張した遮蔽部材4が隣接するパネル1、1の接続部分(嵌合凸部2と嵌合凹部3の嵌合部分)の隙間を閉塞して貫炎が見られなかったために、耐火性能試験に合格するが、比較例では、耐火性能試験中のパネル1の変形により、隣接するパネル1、1の接続部分に隙間が生じて貫炎が見られたために、耐火性能試験に不合格となった。
【0042】
また、図19は、実施例1に相当する二つのサンプルについて、上記と同様の耐火性能試験を行ったときのグラフである。尚、この試験は、日本建築総合試験所の条件に準拠して、日鉄鋼板(株)で社内実施した。図19(a)は試験開始から試験終了までの時間経過と加熱温度とを示すグラフである。また、図19(b)は試験開始から試験終了までの時間経過と耐火試験体の各部分のたわみ量とを示すグラフである。曲線イ、ロ、ハ、ニは図17(a)に示すイ、ロ、ハ、ニに対応する部分である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示し、(a)(b)は断面図である。
【図2】同上のパネルを示す断面図である。
【図3】同上の断面図である。
【図4】同上の他の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図5】同上の屋根の一例を示す一部の斜視図である。
【図6】同上の外壁の一例を示す一部の斜視図である。
【図7】同上の他の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図8】同上の他の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図9】同上の他の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図10】同上の他の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図11】同上の他の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図12】同上の他の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図13】同上の他の実施の形態の一例(図17(b)のA部)を示す断面図である。
【図14】同上のパネルの他例を示す断面図である。
【図15】同上の他の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図16】同上の屋根の他例を示す一部の斜視図である。
【図17】同上の耐火試験体を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。
【図18】同上の図17(c)のB部を示す断面図である。
【図19】同上の実施例1の耐火試験体の耐火試験結果を示し、(a)(b)はグラフである。
【図20】従来例を示し、(a)(b)は断面図である。
【符号の説明】
【0044】
1 パネル
2 嵌合凸部
3 嵌合凹部
4 遮蔽部材
5 断熱材
6 金属外皮
7 金属外皮
8 固定具
【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接するパネルの端部同士を接続するパネル接続構造において、火災時の加熱により膨張する遮蔽部材をパネルの端部間に介在させて成ることを特徴とするパネル接続構造。
【請求項2】
パネルの一端部に嵌合凸部を設けると共に他端部に嵌合凹部を設け、隣接するパネルの嵌合凸部と嵌合凹部とを嵌合して接続すると共に遮蔽部材を嵌合凸部と嵌合凹部との間に設けて成ることを特徴とする請求項1に記載のパネル接続構造。
【請求項3】
隣接するパネルの接続部分に防水処理を施して成ることを特徴とする請求項1又は2に記載のパネル接続構造。
【請求項4】
パネルとして二枚の金属外皮の間に断熱材を充填して形成される断熱パネルを用い、隣接するパネルの接続部分で金属外皮同士を固定具で連結して成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のパネル接続構造。
【請求項1】
隣接するパネルの端部同士を接続するパネル接続構造において、火災時の加熱により膨張する遮蔽部材をパネルの端部間に介在させて成ることを特徴とするパネル接続構造。
【請求項2】
パネルの一端部に嵌合凸部を設けると共に他端部に嵌合凹部を設け、隣接するパネルの嵌合凸部と嵌合凹部とを嵌合して接続すると共に遮蔽部材を嵌合凸部と嵌合凹部との間に設けて成ることを特徴とする請求項1に記載のパネル接続構造。
【請求項3】
隣接するパネルの接続部分に防水処理を施して成ることを特徴とする請求項1又は2に記載のパネル接続構造。
【請求項4】
パネルとして二枚の金属外皮の間に断熱材を充填して形成される断熱パネルを用い、隣接するパネルの接続部分で金属外皮同士を固定具で連結して成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のパネル接続構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2007−113286(P2007−113286A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−306272(P2005−306272)
【出願日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(000207436)日鉄住金鋼板株式会社 (178)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(000207436)日鉄住金鋼板株式会社 (178)
【Fターム(参考)】
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