説明

ビフェニルエーテル誘導体又はその塩、及び外用剤組成物

【課題】皮膚や毛髪の感触を良くし、タンパク質、特に皮膚や毛髪の主たる構成タンパク質であるケラチンタンパク質に対して高い吸着性を有する成分を提供することを目的とする。また、この成分を含有し、対象物の感触を良くする外用剤組成物、併用する有用成分の効果が持続する外用剤組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】下記一般式(1)で表されるビフェニルエーテル誘導体又はその塩、及びこれを含有する外用剤組成物。


(式中、R1,R2はそれぞれ独立に、炭素数1〜3のアルキレン基又は炭素数2〜3のアルケニレン基を示し、X1,X2はそれぞれ独立にアニオン性基を示す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンパク質、特にケラチンタンパクとの吸着性が高いビフェニルエーテル誘導体又はその塩、及びこれを含有する外用剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
これまで、外用剤組成物中の有効成分の効果を最大限発揮する工夫が種々なされてきた。皮膚においては、ドラッグデリバリーシステムにより、持続的に薬剤を投与することによって、薬剤の有効性を向上させる試みがなされている。具体的には、薬剤を含む貼付剤、プラスター剤、クリーム製剤又はジェル製剤等を、皮膚に貼付又は塗布する方法が用いられている。しかしながら、貼付剤やプラスター剤は皮膚表面の動きに対する伸縮が不十分で、容易に剥がれてしまうという問題があった。これに対して、粘着性を強くすると、皮膚にかぶれをもたらすおそれがあり、クリーム製剤やジェル製剤では水や石鹸等によって洗浄すると容易に洗い流されてしまい、持続的に薬剤を投与することができなかった。
【0003】
一方、毛髪については、各人の嗜好に合わせて色や形を変えることが一般的となっており、パーマ処理や染毛処理等の化学処理による損傷や、日光等による損傷が知られている。これにも関わらず、そのような処理が続けられ、毛髪の損傷は以前に比べ増加している。しかし、毛髪は皮膚と異なり自己回復力を持たないことから、損傷部位の感触や外観を改善させるため、各種ヘアケア剤が使用されてきている。しかしながら、従来のヘアケア剤は塗布時には良好な感触や外観が得られるものの、シャンプー等の洗浄によって容易に除去され、十分な塗布持続性を有しているとはいえないのが現状である。
【0004】
さらに、シャンプーやボディーソープ等の外用洗浄剤組成物においては、洗い流したときに毛髪や皮膚への有効成分の滞留性を高めるために、すすぎ後に毛髪や皮膚に膜の形成性を有する高分子化合物等を組成物中に配合する技術が提案されている。また、にきび防止成分を含む洗顔剤では、にきび防止成分の皮膚への残留性を向上させるために、残留性を低下させる洗浄基剤の配合量を必要最低量に抑制する必要があった。しかしながら、このような施策によっても満足する塗布持続性が得られず、さらに塗布持続性に優れる技術が望まれていた。
【0005】
そこで、洗浄しても効果が持続するための方法として、タンパク質、特にケラチンタンパク質と高い吸着性を有し、洗浄によっても容易には除去されず、それ自身の効果が長期に持続する、又は有用物質と相互作用することにより有用物質の効果を長期に持続することができる化合物が求められていた。
【0006】
このようなケラチンタンパク質に結合し、効果が持続する方法としては、抗体を含有する毛髪化粧料(特許文献1:特開平5−163123号公報参照、特許文献2:特開平5−155740号公報、特許文献3:特開平5−155741号公報、特許文献4:特開平5−279231号公報参照)、光活性化可能ジアジリン化合物を用いる方法(特許文献5:特開2003−335638号公報参照)、錯化剤を含有する化粧組成物(特許文献6:特開2004−115518号公報参照)、ビオチン化合物と特定の解離定数を有する錯化剤を含有する化粧組成物(特許文献7:特開2004−2398号公報、特許文献8:特開2005−23016号公報参照)等が提案されている。しかしながら、抗体を用いる方法では抗体の製造が難しく、実用化は困難である。また、光活性化可能ジアジリン化合物や錯化剤を用いる方法ではケラチンと共有結合を形成することから、その共有結合によりケラチンタンパク質自身の損傷等の不可逆的変化を伴うという課題があった。
【0007】
【特許文献1】特開平5−163123号公報
【特許文献2】特開平5−155740号公報
【特許文献3】特開平5−155741号公報
【特許文献4】特開平5−279231号公報
【特許文献5】特開2003−335638号公報
【特許文献6】特開2004−115518号公報
【特許文献7】特開2004−2398号公報
【特許文献8】特開2005−23016号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、皮膚や毛髪の感触を良くし、タンパク質、特に皮膚や毛髪の主たる構成タンパク質であるケラチンタンパク質に対して高い吸着性を有する成分を提供することを目的とする。また、この成分を含有し、対象物の感触を良くする外用剤組成物、併用する有効成分の効果が持続する外用剤組成物を提供することを目的とする。本発明は前記課題の少なくとも一つを解決する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、特定構造のビフェニルエーテル誘導体がタンパク質、特にケラチンタンパク質と高い吸着性を有すること、皮膚や毛髪の感触を良くすることを知見した。さらに、このビフェニルエーテル誘導体又はその塩を含有する外用剤組成物は、上記作用により、ビフェニルエーテル誘導体又はその塩そのものや、併用する薬剤やコンディショニング剤等の有効成分の効果を長期維持できることを知見し、本発明をなすに至った。
【0010】
従って、本発明は、下記一般式(1)で表されるビフェニルエーテル誘導体又はその塩、及びこれを含有する外用剤組成物を提供する。
【0011】
【化1】

(式中、R1,R2はそれぞれ独立に、炭素数1〜3のアルキレン基又は炭素数2〜3のアルケニレン基を示し、X1,X2はそれぞれ独立にアニオン性基を示す。)
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、皮膚や毛髪の感触を良くし、タンパク質、特にケラチンタンパク質に対して高い吸着性を有するビフェニルエーテル誘導体又はその塩、及びこれを含有する外用剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明のビフェニルエーテル誘導体は下記一般式(1)で表され、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【化2】

(式中、R1,R2はそれぞれ独立に、炭素数1〜3のアルキレン基又は炭素数2〜3のアルケニレン基を示し、X1,X2はそれぞれ独立にアニオン性基を示す。)
【0014】
一般式(1)中、R1,R2はそれぞれ独立に、炭素数1〜3のアルキレン基又は炭素数1〜3のアルケニレン基を示す。炭素数1〜3のアルキレン基としては、炭素数1のメチレン基、炭素数2のエチレン基、炭素数3のプロピレン基が挙げられる。X1,X2はそれぞれ独立にアニオン性基である。アニオン性基とはアニオン性を示すことのできる基であり、ヒドロキシ基、スルホン酸基、カルボシキル基、ホスホン酸基、リン酸基等が挙げられ、ヒドロキシ基、スルホン酸基、カルボシキル基が好ましい。本発明のビフェニルエーテル誘導体の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩等が挙げられる。
【0015】
本発明のビフェニルエーテル誘導体としては、
1)R1がメチレン基、R2がエチレン基、X1がカルボキシル基、X2がヒドロキシル基である(2−カルボキシメチル、2’−ヒドロキシエチル)ビフェニルエーテル
2)R1がメチレン基、R2がエチレン基、X1,X2がスルホン酸基である(2−スルホメチル、2’−スルホエチル)ビフェニルエーテル
3)R1,R2がメチレン基、X1,X2がカルボキシル基である(2,2’−ジカルボキシメチルビフェニルエーテル[=(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジ酢酸])
4)R1,R2がエチレン基、X1がスルホン酸基、X2がカルボキシル基である(2−スルホエチル、2−カルボキシエチル)ビフェニルエーテル
5)R1,R2がエチレン基、X1,X2がカルボキシル基である2,2’−ジカルボキシエチルビフェニルエーテル[=(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジプロピオン酸]
6)R1,R2がプロピレン基、X1,X2がカルボキシル基である2,2’−ジカルボキシプロピルビフェニルエーテル[=(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジ酪酸]
7)R1,R2がメチレン基、X1,X2がスルホン酸基である2,2’−ジスルホメチルビフェニルエーテル[=(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジメチルスルホン酸]
8)R1,R2がエチレン基、X1,X2がスルホン酸基である2,2’−ジスルホエチルビフェニルエーテル[=(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジエチルスルホン酸]
9)R1,R2がプロピレン基、X1,X2がスルホン酸基である2,2’−ジスルホプロピルビフェニルエーテル[=(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジプロピルスルホン酸]
10)R1,R2がメチレン基、X1,X2がヒドロキシル基である2,2’−ジヒドロキシメチルビフェニルエーテル
11)R1,R2がエチレン基、X1,X2がヒドロキシル基である2,2’−ジヒドロキシエチルビフェニルエーテル
12)R1,R2がプロピレン基、X1,X2がヒドロキシル基である2,2’−ジヒドロキシプロピルビフェニルエーテル
13)R1がメチレン基、R2がエチレン基、X1,X2がヒドロキシル基である(2−ヒドロキシメチル、2’−ヒドロキシエチル)ビフェニルエーテル
14)R1がメチレン基、R2がエチレン基、X1,X2がカルボキシル基である(2−カルボキシメチル、2’−カルボキシエチル)ビフェニルエーテルが挙げられる。ならびにビフェニルエーテル誘導体の塩としては、これらの各ナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩等が挙げられる。
【0016】
中でも、製造容易性、安定性等から、R1=R2かつX1=X2である(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジプロピオン酸、(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジ酢酸、(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジプロピオン酸ナトリウム、(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジ酢酸ナトリウム、(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジ酢酸カリウム、(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジ酢酸トリエタノールアミン、(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジメチルスルホン酸、(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジエチルスルホン酸、(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジメチルスルホン酸ナトリウム、(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジエチルスルホン酸ナトリウム、2,2’−ジヒドロキシメチルビフェニルエーテル、2,2’−ジヒドロキシエチルビフェニルエーテル、2,2’−ジヒドロキシプロピルビフェニルエーテル、(2−カルボキシメチル、2’−ヒドロキシエチル)ビフェニルエーテルが好適であり、また、外用剤等への配合容易性等から、(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジ酢酸、(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジプロピオン酸、(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジメチルスルホン酸、(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジエチルスルホン酸、(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジメチルスルホン酸ナトリウム、(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジ酢酸ナトリウムがさらに好適である。
【0017】
本発明の(末端に親水基を有する)ビフェニルエーテル誘導体又はその塩は、例えば、ビフェノールをモノクロロカルボン酸エステル等と反応させた後、加水分解及び還元反応を行う等の方法により製造することができる。詳細には後述する製造例で記載する。
【0018】
本発明の外用剤組成物は、一般式(1)で表されるビフェニルエーテル誘導体及びその塩から選ばれる1種又は2種以上を含有する。このビフェニルエーテル誘導体又はその塩は、皮膚や毛髪の感触を良くし、かつタンパク質、特に皮膚や毛髪の主たる構成タンパク質であるケラチンタンパク質に対して、高い吸着性を有することから、このビフェニルエーテル誘導体又はその塩を含有する外用剤組成物は、ビフェニルエーテル誘導体又はその塩そのものや、併用する有効成分の効果が持続する。この効果は特に損傷した髪で顕著である。
【0019】
ビフェニルエーテル誘導体又はその塩の配合量は特に限定されるものではないが、外用剤組成物全量に対し、通常0.0001質量%以上、好ましくは0.001〜20質量%、さらに好ましくは0.01〜5質量%である。上記効果の点から、配合量は0.0001質量%以上が好ましく、経済的な点から20質量%以下が好ましい。
【0020】
本発明の外用剤組成物は、例えば、液状、クリーム状、フォーム状、スプレー状、ジェル状、粉末状、固形状等の多くの製品形態で広く利用でき、毛髪化粧料等の化粧料、皮膚外用剤等に好適に使用することができる。
【0021】
毛髪化粧料として用いる場合は、一般式(1)で示されるビフェニルエーテル誘導体又はその塩と、第4級アンモニウム塩、アミドアミン及びその塩から選ばれる1種又は2種以上とを併用することにより、毛髪、特に損傷毛髪に対してコンディショニング効果の持続性に優れた毛髪化粧料を得ることができる。第4級アンモニウム塩としては、下記一般式(2)で表されるアルキル第4級アンモニウム塩、下記一般式(3)〜(8)で表される分子内にエステル基を1〜3つ含む第4級アンモニウム塩が挙げられ、アミドアミン又はその塩としては、下記一般式(9)で表されるアミドアミン又はその塩が挙げられる。
【0022】
【化3】

(式中、R3、R4、R5及びR6のうち1〜2個は、炭素数8〜24のアルキル基、アルケニル基又はヒドロキシアルキル基を示し、残りは炭素数3以下のアルキル基を示し、Zはハロゲン原子を示す。)
【0023】
一般式(2)で表される4級アンモニウム塩としては、具体的には、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。
【0024】
分子内にエステル基を1つ含む第4級アンモニウム塩としては、一般式(3)で表わされる化合物が挙げられる。
【0025】
【化4】

【0026】
一般式(3)中、R7は炭素数12〜26で、エステル基を1つ含む直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、R8はメチル基、エチル基又は炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を示す。X-はアニオンを示し、例えば、CH3SO4−、C25SO4-、Cl-、Br-等が挙げられる。R8は、互いに同一であっても異なっていてもよい。分子内にエステル基を1つ含む第4級アンモニウム塩としては、下記一般式(4)で表される化合物が好ましい。
【0027】
【化5】

【0028】
一般式(4)中、R9は直鎖又は分岐鎖の炭素数9〜23のアルキル基又はアルケニル基を示す。R9としては、直鎖の炭素数13〜21のアルキル基又はアルケニル基が好ましい。具体的には、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸及びエライジン酸等の脂肪酸からカルボキシル基を除いた残基であることが好ましい。
【0029】
分子内にエステル基を2つ含む第4級アンモニウム塩としては、下記一般式(5)で表わされる化合物が挙げられる。
【0030】
【化6】

【0031】
一般式(5)中、R7、R8及びX-は一般式(3)中と同じ意味を示す。R7及びR8はそれぞれ互いに同一であっても異なっていてもよい。分子内にエステル基を2つ含む第4級アンモニウム塩としては、下記一般式(6)で表される化合物が好ましい。
【0032】
【化7】

【0033】
一般式(6)中、R9は一般式(4)中と同じ意味を示す。R9は互いに同一であっても異なっていてもよい。一般式(6)中、R9は直鎖の炭素数13〜21のアルキル基又はアルケニル基が好ましい。具体的には、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸及びエライジン酸等の脂肪酸からカルボキシル基を除いた残基であることが好ましい。
【0034】
分子内にエステル基を3つ含む第4級アンモニウム塩としては、下記一般式(7)で示される化合物が挙げられる。
【0035】
【化8】

【0036】
一般式(7)中、R7、R8及びX-は一般式(3)中と同じ意味を示す。R7は互いに同一であっても異なっていてもよい。分子内にエステル基を3つ含む第4級アンモニウム塩としては、下記一般式(8)で表される化合物が好ましい。
【0037】
【化9】

【0038】
一般式(8)中、R9は一般式(4)中と同じ意味を示す。R9は互いに同一であっても異なっていてもよい。一般式(8)中、R9は直鎖の炭素数13〜21のアルキル基又はアルケニル基が好ましい。具体的には、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸及びエライジン酸等の脂肪酸からカルボキシル基を除いた残基であることが好ましい。なお、各式中のR7、R8、R9及びX-は、他の式中のR7、R8、R9及びX-とはそれぞれ独立である。
【0039】
上記R9は、炭素数10〜24の脂肪酸からカルボキシル基を除いた残基であり、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、直鎖脂肪酸、分岐脂肪酸のいずれから誘導される基である。不飽和脂肪酸の場合、シス体とトランス体が存在するが、その質量比率はシス/トランス=25/75〜80/20が好ましく、より好ましくは40/60〜80/20である。R9のもととなる脂肪酸は以下のものが例示できる。ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、部分水添パーム油脂肪酸(ヨウ素化10〜60)、部分水添牛脂脂肪酸(ヨウ素化10〜60)等が挙げられる。この中でも、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、ステアリン酸が好ましい。特に好ましいのは、植物由来のステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、エライジン酸を所定量組み合わせ、飽和/不飽和比率が95/5〜50/50(質量/質量)、シス/トランス体の質量比が40/60〜80/20、炭素数18の比率が60質量%以上であり、炭素数20脂肪酸を2質量%以下、炭素数22脂肪酸を1質量%以下となるように調整した脂肪酸組成を用いることが好ましい。
分子内にエステル基を1〜3つ含む第4級アンモニウム塩は、上記脂肪酸組成物又は脂肪酸メチルエステル組成物と、トリエタノールアミンとの縮合反応、続いてジメチル硫酸等の4級化試薬による4級化反応により合成することができる。
【0040】
【化10】

(式中、R10は炭素数8〜24のアルキル基、アルケニル基又はヒドロキシアルキル基を示し、R11は炭素数1〜3のアルキレン基、R12,R13はそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
【0041】
一般式(9)で表されるアミドアミン又はその塩としては、具体的には、ラウリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジヒドロキシエチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘン酸アミドプロピルジメチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミン、ならびにこれらのナトリウム塩及びトリエタノールアミン塩等が挙げられる。
【0042】
第4級アンモニウム塩、アミドアミン及びその塩から選ばれる1種又は2種以上の化合物の配合量は特に限定されないが、外用剤組成物全量に対し、0.0001〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%、さらに好ましくは0.3〜2質量%である。
【0043】
本発明の外用剤組成物には、有効成分の毛髪や皮膚への滞留性を高める点や、製剤化に有効な成分として、カチオン性高分子化合物、アニオン性高分子化合物、両性高分子化合物及びノニオン性高分子化合物等の高分子化合物等を併用することができる。
【0044】
本発明の外用剤組成物には、必須のビフェニルエーテル誘導体又はその塩、及び上記任意成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、外用剤組成物に通常用いられる成分を適当量配合することができる。外用剤組成物に通常用いられる成分としては、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、半極性界面活性剤、一般式(2)〜(8)で表されるカチオン性界面活性剤以外のカチオン性界面活性剤、一般式(9)で表される化合物以外のノニオン界面活性剤、固体又は液体油分、シリコーン類、高級アルコール類、エステル油、多価アルコール、防腐剤、ハイドロトロープ類、無機塩、増粘剤、香料、動植物の抽出物、薬効成分やフケ防止剤、乳濁剤、パール化剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、トニック剤、pH調整剤、色素、酸化防止剤、低級アルコール、ビタミン類、揮発性油分、疎水性溶媒、希釈性溶媒等が挙げられる。これらの添加成分については、目的に応じて配合することができ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【実施例】
【0045】
以下、製造例、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、特に明記のない場合、組成の%は質量%である。
【0046】
[製造例1:(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジ酢酸]
2,2’−ビフェノール17.4g、モノクロロ酢酸メチル22.4g、炭酸カリウム38.7g、テトラブチルアンモニウムブロマイド0.1g、アセトン200mLの混合液を60℃で6時間反応させた後、モノクロロ酢酸メチル17.4g、炭酸カリウム22.0gを追加して、さらに6時間反応させた。不溶物を濾別し、濃縮した後、得られた残渣に酢酸エチル、ヘキサンを用いて結晶化し、(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジ酢酸メチル24.3gを得た(収率77%)。このエステル中間体に、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液243mLを加え室温にて1日反応させた。反応液を氷冷し濃塩酸22mLを加え、析出した結晶を濾取、乾燥し、(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジ酢酸20.6gを得た(収率92%)。1H−NMR(δ,DMSO−d6):4.61(s,4H),6.93(d,2H),7.00(m,2H),7.26(m,2H),7.28(m,2H)。
【0047】
[製造例2:(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジプロピオン酸]
製造例1と同様の条件で、モノクロロ酢酸メチルの代わりにモノクロロプロピオン酸メチルを用いて、(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジプロピオン酸を得た(収率75%)。1H−NMR(δ,DMSO−d6):2.78(m,4H),4.18(m,4H),6.92(d,2H),6.99(m,2H),7.26(m,2H),7.28(m,2H)。
【0048】
[製造例3:(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジ酢酸ナトリウム]
製造例1で得られた(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジ酢酸1.02gをイオン交換水100mLに溶解し、0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液30mLを加え、十分に撹拌混合した後、凍結乾燥により水を除去し、(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジ酢酸ナトリウムの粉末1.09gを得た(収率100%)。
【0049】
[製造例4:2,2’−ジヒドロキシエチルビフェニルエーテル]
製造例1で得られた(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジ酢酸4.0gを無水ジエチルエーテル中でリチウムアルミニウムハイドライド0.50gにより還元し、2,2’−ジヒドロキシエチルビフェニルエーテル3.3gを得た。収率90%、1H−NMR(δ,DMSO−d6):3.9〜4.0(br.m,8H),6.91(d,2H),6.99(m,2H),7.26(m,2H),7.28(m,2H)。
【0050】
[製造例5:(2−カルボキシメチル、2’−ヒドロキシエチル)ビフェニルエーテル]
製造例1で得られた(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジ酢酸4.1gをTLCにて反応を確認しながら無水ジエチルエーテル中でリチウムアルミニウムハイドライド0.41gと反応させ、(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジ酢酸と(2−カルボキシメチル、2’−ヒドロキシエチル)ビフェニルエーテルと2、2’−ジヒドロキシエチルビフェニルエーテルとの混合物を得た。これに水酸化ナトリウム水溶液を入れ、有機層を分離後、ジエチルエーテルで洗った。濃硫酸処理後、カラム精製し、(2−カルボキシメチル、2’−ヒドロキシエチル)ビフェニルエーテル3.3gを得た。収率90%、1H−NMR(δ,DMSO−d6):3.9〜4.0(br.m,4H),4.62(s,2H),6.91(d,1H),6.93(d,1H)、6.99〜7.01(m,2H),7.26〜7.28(m,4H)。
【0051】
[製造例6:(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジエチルスルホン酸]
製造例5と同様にして合成した2,2’−ジヒドロキシエチルビフェニルエーテル3.3gに塩化チオニル1.4gを反応させ、ジ(2−クロロエチル)ビフェニルエーテルを得た。これを亜硫酸ナトリウム水溶液4.6gに添加し、激しく撹拌した後、21時間還流した。これを室温で冷却し、生じた沈殿をジエチルエーテルで洗い、(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジエチルスルホン酸ナトリウムを得た。これをカチオン交換カラムにかけ、(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジエチルスルホン酸1.1gを得た。収率40%、1H−NMR(δ,D2O):3.31(m,4H),4.30(m,4H),6.93(d,2H),7.00(d,2H)、7.26(d,2H),7.28(d,2H)。
【0052】
[製造例7:(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジエチルスルホン酸ナトリウム]
製造例6の方法で得られた(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジエチルスルホン酸の粉末0.68gをイオン交換水50mLに溶解し、0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液20mLを加え、充分に撹拌混合した後、凍結乾燥により水を除去し、(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジエチルスルホン酸ナトリウム0.75gを得た。
【0053】
[実施例1〜7、比較例1〜2]
表1に示す試料溶液(ビフェニルエーテル誘導体が同モルの溶液)を調製し、下記方法でタンパク質への吸着性を評価した。
【0054】
[タンパク質への吸着性及び感触、接触角の評価方法]
タンパク質への吸着性の評価方法は次の通りである。
毛髪は80%以上がケラチンと総称されるタンパク質からなっていることから、次のように調製した毛髪試料を用いてタンパク質への吸着性を評価した。
(1)吸着試験用毛髪試料の調製
長さ30cm、質量10gのアジア人毛束(未損傷毛髪)を、10倍量(100mL)の下記組成1で示したモデルブリーチ溶液中に室温で30分間浸漬した。その後、人毛束を水道水で十分に洗浄し、乾燥した。この人毛束を約1mmの長さに細断し、吸着試験用毛髪試料とした。
(組成1)モデルブリーチ溶液
過酸化水素 6
アンモニア 3
塩化ナトリウム 5
水酸化ナトリウム 適量(pH10.8に調整)
精製水 残部
合 計 100%
【0055】
(2)吸着試験
25℃の試料溶液20mL中に吸着試験用毛髪試料2.0gを加えて分散させ、温度を25℃に保持したまま5分間十分に撹拌した。これを濾過し、濾液を得た。毛髪試料を加える前の試料溶液と前記濾液をそれぞれ水で同じ希釈倍率に適宜希釈した後、260nmの吸光度を分光光度計(日本分光(株)製V−560)にて測定し、次式より吸着率を求めた。
吸着率(%)=(A0−A1)×100/A0
0:吸着試験用毛髪試料を加える前の試料溶液の260nmにおける吸光度
1:濾液の260nmにおける吸光度
【0056】
【表1】

【0057】
[実施例8〜24、比較例3〜5]
表2〜4に示す組成の毛髪用外用剤組成物を調製し、下記方法で感触改善効果、感触改善効果の持続性を評価し、接触角を測定した。結果を表中に併記する。なお、実施例8及び15はシャンプー組成物として調製し、その他は頭髪用アウトバス組成物として調製した。
【0058】
[感触改善効果評価]
長さ30cm、質量10gのアジア人毛束(未損傷毛髪)を、10倍量(100mL)の上記組成1で示したモデルブリーチ溶液中に室温で30分間浸漬した。その後、水道水で十分に洗浄し、乾燥し、損傷毛束を得た。この損傷毛束に毛髪用外用剤組成物1.5gを塗布し、櫛を用いて毛束全体になじませ、そのまま自然乾燥して処理毛束を得た。
評価者10名が、処理毛束と未処理毛束(損傷毛束)を触り、「きしみのなさ」を比較評価した。表中には以下の基準に従って4段階で示した。
なお、実施例8及び15のシャンプー組成物の評価は、試料塗布1.5gを1分間行い、自然乾燥させずに、続いて40℃の温湯にて30秒間流水すすぎして自然乾燥させた毛束を用いた。
◎:処理毛束の方が良いとした評価者の人数が9名以上の場合
○:処理毛束の方が良いとした評価者の人数が6〜8名の場合
△:処理毛束の方が良いとした評価者の人数が3〜5名の場合
×:処理毛束の方が良いとした評価者の人数が2名以下の場合
【0059】
[感触改善効果の持続性評価]
感触改善効果を評価するのに用いた処理毛束に、下記組成2のモデルシャンプー溶液を1g塗布し、直ちに指でもみ洗いをして泡立て、1分後に水道水で1分間すすいだ後、自然乾燥した。この操作を5回繰り返した後の毛束を用いて再度上記と同様の基準で感触改善効果を判定した。比較対照は未処理毛束(損傷毛束)を上記と同様の操作を繰り返したものを用いた。
(組成2)モデルシャンプー溶液
ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 6
テトラデセンスルホン酸ナトリウム 3
ラウリン酸アミドプロピルベタイン 3
ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油 2
安息香酸ナトリウム 0.4
クエン酸 0.5
精製水 残部
合 計 100%
【0060】
また、試料の効果の評価指標として毛髪に対する水の接触角を次の方法を用いて測定した。
[接触角の測定]
感触改善効果の持続性評価に用いた毛束(毛髪)の中から毛髪1本を取り出し、この上に蒸留水を1μL滴下し、自動接触角計CA−Z(協和界面科学(株)製)を用いて測定した。この方法で測定すると、未損傷毛髪の接触角は108°であるのに対して、損傷毛髪では54°であった。
【0061】
【表2】

【0062】
【表3】

【0063】
【表4】

【0064】
下記試料溶液(皮膚外用剤組成物)を調製し、感触改善効果及びその持続性を評価した。
【0065】
[実施例25]
下記ボディーソープは、クリーミィーな泡立ちで、使用後の肌がすべすべした。
組成 %
ラウリン酸カリウム 8
ミリスチン酸カリウム 7
N−ラウロイル−N−メチル−β−アラニンカリウム 2
N−ラウロイル−グルタミン酸ナトリウム 2
(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジ酢酸 5
ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド 3
ラウリルジメチルアミンオキサイド 1
プロピレングリコール 6
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.5
ジステアリン酸エチレングリコール 1
塩化ジメチルジアリルアンモニウム/アクリルアミド共重合体 0.3
ポリスチレン重合体(n=300) 0.1
エデト酸四ナトリウム四水塩 0.2
植物性スクワラン 1
ジメチルポリシロキサン(100cs) 0.5
塩化カリウム 0.1
ピロクトンオラミン 0.2
水酸化カリウム 5
香料A 0.7
精製水 残部
合計 100.0
【0066】
[実施例26]
下記ハンドソープ組成物は、起泡性および泡質が良く、使用後の手の感触も良好でその効果が持続した。
組成 %
ラウリン酸カリウム 5
ミリスチン酸カリウム 5
N−ラウロイル−N−メチル−β−アラニンカリウム 2
N−ラウロイル−グルタミン酸モノカリウム 2
(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジ酪酸 3
ラウリン酸ポリオキシエチレンモノエタノールアミド 4
ラウリルジメチルアミンオキサイド 2
グリセリン 5
プロピレングリコール 6
ヒドロキシプロピルセルロース 0.5
ジステアリン酸エチレングリコール 1
メタアクリル酸/アクリル酸ブチル/メタクリル酸メチル共重合体 1.5
ヒドロキシエタンジホスホン酸 0.1
エデト酸四ナトリウム四水塩 0.2
植物性スクワラン 0.5
塩化カリウム 0.1
イソプロピルメチルフェノール 0.2
トリクロサン 0.2
水酸化カリウム 5
香料B 0.2
精製水 残部
合計 100.0
【0067】
[実施例27]
下記ハンドソープ組成物は、起泡性及び泡質が良く、使用後の手における静菌効果の持続性が良好であった。
組成 %
ラウリン酸カリウム 8
ミリスチン酸カリウム 6
(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジ酢酸Na 3
ラウリン酸モノエタノールアミド 4
ラウリルジメチルアミンオキサイド 2
グリセリン 5
プロピレングリコール 6
ヒドロキシプロピルセルロース 0.5
ジステアリン酸エチレングリコール 1
ヒドロキシエタンジホスホン酸 0.1
エデト酸四ナトリウム四水塩 0.2
植物性スクワラン 0.5
塩化カリウム 0.1
イソプロピルメチルフェノール 0.2
トリクロサン 0.2
水酸化カリウム 4
香料C 0.3
精製水 残部
合計 100.0
【0068】
[実施例28]
下記Aの油相部とBの水相部とをそれぞれ調製した後、油相部と水相部とを配合して化粧用クリームを調製した。このクリーム組成物は、使用感がよく、使用後の皮膚の感触も良好であった。
組成 %
A:油相部
流動パラフィン 5
スクワラン 15
セトステアリルアルコール 5
ミツロウ 2
モノステアリン酸グリセリン 2
POE(20)ソルビタンモノラウレート 2
プロピルパラベン 0.1
ラウリン酸ポリオキシエチレンモノエタノールアミド 4
ジブチルヒドロキシトルエン 0.1
メトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 0.5
B:水相部
(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジ酢酸 2
グリセリン 2
カルボキシビニルポリマー 0.5
イソプロパノールアミド 0.1
エデト酸四ナトリウム四水塩 0.2
メチルパラベン 0.2
香料D 0.05
精製水 残部
合計 100.0
【0069】
[実施例29]
下記に示す乳液組成物は、使用感が良好で、使用後の皮膚の感触もなめらかであった。
組成 %
(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジ酢酸 4
ステアリン酸 1
セタノール 2
ワセリン 2.5
スクワラン 4
ジメチルポリシロキサン(30cst) 1
エラグ酸 0.6
L−アルギニン 1
親油型モノステアリン酸グリセリン 1
グリセリン 2
キサンタンガム 0.3
香料E 0.1
メチルパラベン 0.1
ブチルパラベン 0.05
精製水 残部
合計 100.0
【0070】
[実施例30]
下記に示す化粧水組成物は、使用感が良好で、使用後の皮膚の感触もなめらかでしっとり感があった。
組成 %
(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジプロピオン酸 4
グリセリン 7
ジプロピレングリコール 5
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(20E.O.) 0.5
ローズ水 0.1
1,3−ブチレングリコール 1
クレアチニン 0.3
ダービリア 0.5
ピロリドンカルボン酸ナトリウム 1
カラギーナン 0.2
アクリル酸・メタクリル酸・アルキル共重合体 0.05
イソプロパノールアミド 0.1
ピロクトンオラミン 0.01
メチルパラベン 0.1
エタノール 5
精製水 残部
合計 100.0
【0071】
[実施例31]
下記に示す制汗剤組成物は、使用感が良好で、使用後の肌におけるサラサラ感の持続性が良好であった。

組成 %
(2,2’−ビフェニレンジオキシ)ジ酢酸 2
クロルヒドロキシアルミニウム 4
マグネシアシリカ 3
無水珪酸 4
ミリスチン酸イソプロピル 3
メチルシクロポリシロキサン 1.5
デカメチルポリシロキサン 3
ソルビタンオレエート 0.5
グリチルレチン酸ステアリル 0.02
植物性スクワラン 0.1
クワエキス 0.3
香料B 0.2
エタノール 2
液化石油ガス 残部
合計 100.0
【0072】
上記各例で使用した香料組成物A、B、C、D、Eは、特開2003−95895号公報の表5〜19に記載した香料組成物A〜Eに準ずる。上記例で使用した原料を下記に示す。
【0073】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表されるビフェニルエーテル誘導体又はその塩。
【化1】

(式中、R1,R2はそれぞれ独立に、炭素数1〜3のアルキレン基又は炭素数2〜3のアルケニレン基を示し、X1,X2はそれぞれ独立にアニオン性基を示す。)
【請求項2】
請求項1記載のビフェニルエーテル誘導体又はその塩を含有する外用剤組成物。

【公開番号】特開2007−169175(P2007−169175A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−365720(P2005−365720)
【出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】