説明

ピリミド−ジアゼピノンキナーゼ骨格化合物及び疾患を治療する方法

本発明は、新規なピリミド−ジアゼピノン化合物、MPS1(TTK)、ERK5(BMK1、MAPK7)、ポロキナーゼ1、2、3、又は4、Ack1、Ack2、AbI、DCAMKL1、ABL1、AbI突然変異体、DCAMKL2、ARK5、BRK、MKNK2、FGFR4、TNK1、PLK1、ULK2、PLK4、PRKD1、PRKD2、PRKD3、ROS1、RPS6KA6、TAOK1、TAOK3、TNK2、Bcr−Abl、GAK、cSrc、TPR−Met、Tie2、MET、FGFR3、Aurora、AxI、Bmx、BTK、c−kit、CHK2、Flt3、MST2、p70S6K、PDGFR、PKB、PKC、Raf、ROCK−H、Rsk1、SGK、TrkA、TrkB及びTrkCを包含する、タンパク質キナーゼを調節する方法、及び多種の病気、疾患又は障害の治療におけるこのような化合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2009年1月6日に出願された、米国仮特許出願61/193,901号の優先権を主張する。上記出願の全てが参照により本明細書に取り込まれている。
【0002】
(技術分野)
本発明は、MPS1(TTK)、ERK5(BMK1、MAPK7)、ポロキナーゼ1、2、3、又は4、Ack1、Ack2、Abl、DCAMKL1、ABL1、Abl突然変異体、DCAMKL2、ARK5、BRK、MKNK2、FGFR4、TNK1、PLK1、ULK2、PLK4、PRKD1、PRKD2、PRKD3、ROS1、RPS6KA6、TAOK1、TAOK3、TNK2、Bcr−Abl、GAK、cSrc、TPR−Met、Tie2、MET、FGFR3、Aurora、Axl、Bmx、BTK、c−kit、CHK2、Flt3、MST2、p70S6K、PDGFR、PKB、PKC、Raf、ROCK−H、Rsk1、SGK、TrkA、TrkB及びTrkCを包含する、タンパク質キナーゼを調節することができる、新規なピリミド−ジアゼピノン化合物、並びに多種の疾患、障害及び病気の治療におけるこのような化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
タンパク質キナーゼはタンパク質の大きなファミリーを表し、これは多種の細胞過程の調整及び細胞機能に関する制御の維持において中心的な役割を果たしている。タンパク質キナーゼは、細胞内の多種のシグナル伝達過程の制御に関与している構造的に関連している酵素の大きなファミリーを構成している(Hardie, G and Hanks, S. The Protein Kinase Facts Book, I and II, Academic Press, San Diego, CA: 1995 を参照されたい)。タンパク質キナーゼは、それらの構造及び触媒機能の保持によって共通の先祖遺伝子から進化したと考えられている。殆ど全てのキナーゼは類似の250〜300アミノ酸の触媒ドメインを含有している。キナーゼを、それらがリン酸化する基質によってファミリーに分類することができる(例えば、タンパク質−チロシン、タンパク質−セリン/スレオニン、脂質等)。
【0004】
一般に、タンパク質キナーゼは、ヌクレオシド三リン酸からシグナル経路に関与しているタンパク質受容体へのリン酸転移を触媒して、細胞内シグナル伝達に介在する。これらのリン酸化事象は、標的タンパク質の生物学的機能を調節又は制御することのできる、分子のオン/オフスイッチとして機能する。これらのリン酸化事象は最終的に、多種の細胞外及びその他の刺激に応答して誘発される。このような刺激の例は、環境及び化学ストレスシグナル(例えば、ショック、心臓ショック、紫外線照射、細胞内毒素、H)、サイトカイン(例えば、インターロイキン−1(IL−1)及び腫瘍壊死因子アルファ(TNF−a))、及び成長因子(例えば、顆粒球マクロファージ−コロニー刺激因子(GM−CSF)、及び繊維芽細胞増殖因子(FGF))を包含する。細胞外刺激は、細胞生育、遊走、分化、ホルモンの分泌、転写因子の活性化、筋収縮、グルコース代謝、タンパク質合成の制御、生存及び細胞周期の制御に関連する、1つ又はそれ以上の細胞応答に影響を及ぼす。
【0005】
これらのキナーゼの、これに限定されない、部分的なリストは、血小板由来成長因子受容体キナーゼ(PDGF−R)、神経成長因子受容体、Trk−A、−B及び−C、並びに繊維芽細胞増殖因子受容体(FGFR3)などの受容体チロシンキナーゼ;Abl並びに融合キナーゼBCR−Abl、Lck、Csk、Fes、BTK、Bmx及びc−srcなどの非受容体チロシンキナーゼ;及びAurora、c−RAF、SGK、MAPキナーゼ(例えば、MKK4、MKK6等)及びSAPK2αとSAPK2βなどのセリン/スレオニンキナーゼを包含する。異常なキナーゼ活性が、良性及び悪性の増殖性疾患、さらに免疫及び神経系の異常な活性化による疾患を含む多くの病態で観察されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の新規な化合物は、1つ又はそれ以上のタンパク質キナーゼの活性を阻害して、それによって、キナーゼ関連疾患の治療に有用であると期待される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様では、本発明は式Aの化合物又はそれらの薬学的に許容される塩、エステル或いはプロドラッグを提供する。
【0008】
【化1】

【0009】
式中の、Xは、CHR、CR、NH、NR又はNである。
Yは、NR、N、S、SO、SO、O、CHR、又はCRである。
ここで、少なくとも1つのX及びYは、NH、NR、NR、N、S、SO、SO、又はOである。
Aは、単結合又は二重結合である。
Bは、単結合又は二重結合である。
ここでAとBの両方が二重結合である場合はない。
R’はH又はアルキルである。
Lは、存在しないか、或いはS、SO、SO、又はCOである。
【0010】
は、それぞれがO、S又はNから選ばれる0、1、2又は3個のヘテロ原子を含有している、H、アルキル、アルケニル、アルキニルであるか;或いはRは、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環又は炭素環であって、ここで、Rは、置換されていてもよい。
は、水素又は置換されていてもよいアルキルである。
は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、又は炭素環であって、それぞれは置換されていてもよい。
は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、又は炭素環であって、それぞれは置換されていてもよい。
は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、又は炭素環であって、それぞれは置換されていてもよい。
或いはR及びXは、それらが結合している原子と共に、3〜8員の炭素環、アリール、複素環、又はヘテロアリールを形成し、それぞれは置換されていてもよい。
或いはX及びYは、それらが結合している原子と共に、3〜8員の炭素環、アリール、複素環、又はヘテロアリールを形成し、それぞれは置換されていてもよい。そして
は、水素又は置換されていてもよいアルキルである。
【0011】
別の態様では、本発明は、式Aの化合物、薬学的に許容される塩、エステル又はプロドラッグを対象に投与することを含有してなる、対象における疾患を治療する方法を提供する。
【0012】
別の態様では、本発明は、式Aの化合物、薬学的に許容される塩、エステル又はプロドラッグをそれを必要としていると確認された対象に投与することを含有してなる、対象におけるキナーゼが介在する疾患を治療する方法を提供する。
【0013】
別の態様では、本発明は、細胞を式Aのキナーゼ阻害性化合物と接触させることを含有してなる、キナーゼ依存性の細胞生育を減少する方法を提供する。
【0014】
別の態様では、本発明は、式Aの化合物を投与することを含有してなる、このような治療を必要としていると確認された患者におけるキナーゼを阻害する方法を提供する。
【0015】
別の態様では、本発明は、請求項1に記載の化合物の1つ又はそれ以上から選ばれたキナーゼ活性を阻害できる化合物、及び癌治療に使用するための使用説明書を含有してなる、キットを提供する。
【0016】
別の態様では、本発明は、式Aの化合物又はそれらの薬学的に許容されるエステル、塩或いはプロドラッグを、薬学的に許容される担体と共に含有してなる、医薬組成物を提供する。
【0017】
一態様では、本発明は式Aの化合物を合成する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】Mps1阻害剤I−10が有糸分裂からの回避を誘発することを示す。以下のプロトコールを用いて、Hela細胞を有糸分裂停止した。細胞をチミジン(2.5mM)で24時間処理した。細胞をノコダゾール(nocodazole、0.33μM)含有培地中へ放出した。16時間後に、細胞を、上で示した濃度範囲(0.25、0.5、1、2、5及び10μM)で、2時間I−10で処理した。細胞を採取してサイクリンB(cyclin B、有糸分裂のマーカー)のレベルを免疫ブロットによって測定した。高いサイクリンBレベルは有糸分裂細胞を示し、一方低いサイクリンBレベルは細胞がノコダゾール誘発有糸分裂停止から外れたことを示す。
【図2】図2は、Plk1阻害剤I−3及びI−12が有糸分裂停止を誘発することを示す。免疫蛍光顕微鏡検査法を用いて、細胞をそれらのDNA染色(Hoechst)によって位置づけ、次いでホスホH3陽性についてスコア化した。有糸分裂停止した細胞がホスホH3陽性である。Plk1の化学的阻害が、有糸分裂停止を引き起こして、ホスホH3シグナルを増大することが示されている。高いホスホH3陽性によって実証されるような有糸分裂停止表現型を示す細胞のパーセントに基づいて、化合物をそれらのPlk1活性についてランクづけた。
【図3】図3は、化合物I−3、I−4、I−5が、強い有糸分裂停止を誘発するのに対して、化合物I−6、I−7、I−8、及びI−12は誘発しないことを示す。結果は、図2に記載したような、Plk1有糸分裂停止アッセイから定量化した。
【図4】図4は、Mps1生化学的キナーゼアッセイにおける阻害剤に対する用量応答曲線を示す。結果は、Invitrogen社のMps1(TTK)Lantha Screen Activity Assayを用いて得られた。
【図5−1】図5−1は、Mps1キナーゼ活性の阻害についてのIC50値を示す。上記化合物についてのIC50値は、先の図における生データから算出した。スタウロスポリンを参照化合物として用いた(Mps1キナーゼ活性に対するIC50=1388nM)。
【図5−2】図5−2は、Mps1キナーゼ活性の阻害についてのIC50値を示す。上記化合物についてのIC50値は、先の図における生データから算出した。スタウロスポリンを参照化合物として用いた(Mps1キナーゼ活性に対するIC50=1388nM)。
【図6−1】図6−1は、インビトロPlk1結合アッセイを示す。境界K値はナノモル。化合物の濃度範囲にわたる境界結合アッセイによってK値を作出した。
【図6−2】図6−2は、インビトロPlk1結合アッセイを示す。境界K値はナノモル。化合物の濃度範囲にわたる境界結合アッセイによってK値を作出した。
【図7】図7は、インビトロErk5結合アッセイを示す。境界K値はナノモル。化合物の濃度範囲にわたる境界結合アッセイによってK値を作出した。
【発明を実施するための形態】
【0019】
定義
以下の記載は本発明を記載するために用いられている多種の用語の定義である。これらの定義は、この明細書及び特許請求の範囲を通して用いられる場合に、個々に又は大きなグループの一部としの何れかで、特定の場合において別段に限定されない限り、その用語に適用される。
【0020】
本明細書で用いられる用語「アルキル」は、飽和の、直鎖又は分岐鎖の炭化水素基であり、ある特定の実施態様では、それぞれに1〜6個、又は1〜8個の炭素原子を含有している。C〜Cアルキル基の例は、これに限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、n−ヘキシル基を包含し;C〜Cアルキル基の例は、これに限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、ヘプチル、オクチル基を包含する。
【0021】
本明細書で用いられる用語「アルケニル」は、炭化水素残基由来の1価の基を示し、ある特定の実施態様では、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する2〜6個、又は2〜8個の炭素原子を含有している。二重結合は、他の基への結合部位であってもなくてもよい。アルケニル基は、これに限定されないが、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、1−メチル−2−ブテン−1−イル、ヘプテニル、オクテニル等を包含する。
【0022】
本明細書で用いられる用語「アルキニル」は、炭化水素残基由来の1価の基を示し、ある特定の実施態様では、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する2〜6個、又は2〜8個の炭素原子を含有している。アルキニル基は他の基への結合部位であってもなくてもよい。代表的なアルキニル基は、これに限定されないが、例えば、エチニル、1−プロピニル、1−ブチニル、ヘプチニル、オクチニル等を包含する。
【0023】
用語「アルコキシ」は、−O−アルキル基を示す。
【0024】
本明細書で用いられる用語「アリール」は、縮合しているか又は非縮合である、1つ又はそれ以上の芳香族環を有している単環式又は多環式炭素環系を示し、これに限定されないが、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、インデニル等を包含する。
【0025】
本明細書で用いられる用語「アラルキル」は、アリール環に結合したアルキル残基を示す。例は、これに限定されないが、ベンジル、フェネチル等を包含する。
【0026】
本明細書で用いられる用語「シクロアルキル」は、単環式又は多環式の飽和又は部分飽和の炭素環化合物由来の1価の基を示す。C〜Cシクロアルキルの例は、これに限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、及びシクロオクチルを包含し;C〜C12シクロアルキルの例は、これに限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ビシクロ[2.2.1]へプチル、及びビシクロ[2.2.2]オクチルを包含する。1個の水素原子を除去することによる炭素−炭素二重結合を少なくとも1つ有する単環式又は多環式の炭素環化合物由来の1価の基も意図されている。このような基の例は、これに限定されないが、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル等を包含する。
【0027】
本明細書で用いられる用語「ヘテロアリール」は、少なくとも1つの芳香環を有している、単環式又は多環式(例えば2−、又は3−環又はそれ以上)の縮合又は非縮合の基又は環系を示し、1つの環原子がS、O及びNから選ばれ;0、1又は2個の環原子がS、O及びNから独立して選ばれる追加のヘテロ原子であり;そして残りの環原子が炭素である5〜10個の環原子を有している。ヘテロアリールは、これに限定されないが、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、フラニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、キノキサリニル等を包含する。
【0028】
本明細書で用いられる用語「ヘテロアラルキル」は、ヘテロアリール環に結合したアルキル残基を示す。例は、これに限定されないが、ピリジニルメチル、ピリミジニルエチル等を包含する。
【0029】
本明細書で用いられる用語「ヘテロシクロアルキル」は、非芳香族の3−、4−、5−、6−又は7−員の環又は2−又は3−環基の縮合又は非縮合系を示し、ここで、(i)それぞれの環が、酸素、硫黄及び窒素から独立して選ばれる1〜3個のヘテロ原子を含有し、(ii)それぞれの5員環は0〜1個の二重結合を有して、それぞれの6員環は0〜2個の二重結合を有し、(iii)窒素及び硫黄ヘテロ原子は酸化されていてもよく、(iv)窒素ヘテロ原子は4級化されていてもよく、そして(iv)上記の環の何れかがベンゼン環に縮合していてもよい。代表的なヘテロシクロアルキル基は、これに限定されないが、[1,3]ジオキソラン、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル及びテトラヒドロフリルを包含する。
【0030】
用語「アルキルアミノ」は、構造−−NH(C〜C12アルキル)を有する基を示し、ここでC〜C12アルキルは既に定義した通りである。
【0031】
用語「アシル」は、これに限定されないが、カルボン酸、カルバミン酸、炭酸、スルホン酸、及び亜リン酸を包含する、酸由来の残基を包含する。例は、脂肪族カルボニル、芳香族カルボニル、脂肪族スルホニル、芳香族スルフィニル、脂肪族スルフィニル、芳香族リン酸エステル及び脂肪族リン酸エステルを包含する。脂肪族カルボニルの例は、これに限定されないが、アセチル、プロピオニル、2−フルオロアセチル、ブチリル、2−ヒドロキシアセチル等を包含する。
【0032】
本発明に従い、本明細書に記載されているアリール、置換アリール、ヘテロアリール及び置換ヘテロアリールの何れも、何れかの芳香族基であってよい。芳香族基は置換されていても非置換であってもよい。
【0033】
本明細書で用いられる用語「ハロ」及び「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素から選ばれる原子を示す。
【0034】
本明細書に記載されているように、本発明の化合物は、上に一般的に説明されているような、又は本発明の特定のクラス、サブクラス又は種に例示されているような、1つ又はそれ以上の置換基で置換されていてもよい。当然のことながら、表現「置換されていてもよい」は表現「置換されているか又は非置換である」と同義である。一般に、用語「随意に(してもよい)」によって先行されようとなかろうと、用語「置換されている」は、所定の構造中の水素基の特定の置換基の基との置き換えを示す。特段指示されない限り、置換されていてもよい(随意に置換されている)基は、その基の置換可能な各位置に置換基を有していてもよく、所定の構造の何れかにある1つ以上の位置が特定の基から選ばれる1つ以上の置換基で置換できるときは、あらゆる位置における置換基は同一でも異なっていてもよい。
【0035】
本明細書で用いられる用語「置換されていてもよい」、「置換されていてもよいアルキル」、「置換されていてもよいアルケニル」、「置換されていてもよいアルキニル」、「置換されていてもよいシクロアルキル」、「置換されていてもよいシクロアルケニル」、「置換されていてもよいアリール」、「置換されていてもよいヘテロアリール」、「置換されていてもよいアラルキル」、「置換されていてもよいヘテロアラルキル」、「置換されていてもよいヘテロシクロアルキル」、及びその他の置換されていてもよい基は、1個、2個、又は3個或いはそれ以上のそれらの水素原子の、これに限定されないが、
−F、−Cl、−Br、−I、
−OH、保護されたヒドロキシ、
−NO、−CN、
−NH、保護されたアミノ、−NH−C〜C12アルキル、−NH−C〜C12アルケニル、−NH−C〜C12アルキニル、−NH−C〜C12シクロアルキル、−NH−アリール、−NH−ヘテロアリール、−NH−ヘテロシクロアルキル、ジアルキルアミノ、ジアリールアミノ、ジヘテロアリールアミノ、、
−O−C〜C12アルキル、−O−C〜C12アルケニル、−NH−C〜C12アルキニル、−O−C〜C12シクロアルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−O−ヘテロシクロアルキル、
−C(O)−C〜C12アルキル、−C(O)−C〜C12アルケニル、−NH−C〜C12アルキニル、−C(O)−C〜C12シクロアルキル、−C(O)−アリール、−C(O)−ヘテロアリール、−C(O)−ヘテロシクロアルキル、
−CONH、−CONH−C〜C12アルキル、−CONH−C〜C12アルケニル、−NH−C〜C12アルキニル、−CONH−C〜C12シクロアルキル、−CONH−アリール、−CONH−ヘテロアリール、−CONH−ヘテロシクロアルキル、
−OCO−C〜C12アルキル、−OCO−C〜C12アルケニル、−NH−C〜C12アルキニル、−OCO−C〜C12シクロアルキル、−OCO−アリール、−OCO−ヘテロアリール、−OCO−ヘテロシクロアルキル、
−OCONH、−OCONH−C〜C12アルキル、−OCONH−C〜C12アルケニル、−NH−C〜C12アルキニル、−OCONH−C〜C12シクロアルキル、−OCONH−アリール、−OCONH−ヘテロアリール、−OCONH−ヘテロシクロアルキル、
−NHC(O)−C〜C12アルキル、−NHC(O)−C〜C12アルケニル、−NH−C〜C12アルキニル、−NHC(O)−C〜C12シクロアルキル、−NHC(O)−アリール、−NHC(O)−ヘテロアリール、−NHC(O)−ヘテロシクロアルキル、
−NHCO−C〜C12アルキル、−NHCO−C〜C12アルケニル、−NH−C〜C12アルキニル、−NHCO−C〜C12シクロアルキル、−NHCO−アリール、−NHCO−ヘテロアリール、−NHCO−ヘテロシクロアルキル、
−NHC(O)NH、−NHC(O)NH−C〜C12アルキル、−NHC(O)NH−C〜C12アルケニル、−NH−C〜C12アルキニル、−NHC(O)NH−C〜C12シクロアルキル、−NHC(O)NH−アリール、−NHC(O)NH−ヘテロアリール、−NHC(O)NH−ヘテロシクロアルキル、
−NHC(S)NH、−NHC(S)NH−C〜C12アルキル、−NHC(S)NH−C〜C12アルケニル、−NH−C〜C12アルキニル、−NHC(S)NH−C〜C12シクロアルキル、−NHC(S)NH−アリール、−NHC(S)NH−ヘテロアリール、−NHC(S)NH−ヘテロシクロアルキル、
−NHC(NH)NH、−NHC(NH)NH−C〜C12アルキル、−NHC(NH)NH−C〜C12アルケニル、−NH−C〜C12アルキニル、−NHC(NH)NH−C〜C12シクロアルキル、−NHC(NH)NH−アリール、−NHC(NH)NH−ヘテロアリール、−NHC(NH)NH−ヘテロシクロアルキル、
−NHC(NH)−C〜C12アルキル、−NHC(NH)−C〜C12アルケニル、−NH−C〜C12アルキニル、−NHC(NH)−C〜C12シクロアルキル、−NHC(NH)−アリール、−NHC(NH)−ヘテロアリール、−NHC(NH)−ヘテロシクロアルキル、
−C(NH)NH−C〜C12アルキル、−C(NH)NH−C〜C12アルケニル、−NH−C〜C12アルキニル、−C(NH)NH−C〜C12シクロアルキル、−C(NH)NH−アリール、−C(NH)NH−ヘテロアリール、−C(NH)NH−ヘテロシクロアルキル、
−S(O)−C〜C12アルキル、−S(O)−C〜C12アルケニル、−NH−C〜C12アルキニル、−S(O)−C〜C12シクロアルキル、−S(O)−アリール、−S(O)−ヘテロアリール、−S(O)−ヘテロシクロアルキル、
−SONH、−SONH−C〜C12アルキル、−SONH−C〜C12アルケニル、−NH−C〜C12アルキニル、−SONH−C〜C12シクロアルキル、−SONH−アリール、−SONH−ヘテロアリール、−SONH−ヘテロシクロアルキル、
−NHSO−C〜C12アルキル、−NHSO−C〜C12アルケニル、−NH−C〜C12アルキニル、−NHSO−C〜C12シクロアルキル、−NHSO−アリール、−NHSO−ヘテロアリール、−NHSO−ヘテロシクロアルキル、
−CHNH、−CHSOCH、−アリール、−アリールアルキル、−ヘテロアリール、−ヘテロアリールアルキル、−ヘテロシクロアルキル、C〜C12シクロアルキル、ポリアルコキシアルキル、ポリアルコキシ、−メトキシメトキシ、−メトキシエトキシ、
−SH、−S−C〜C12アルキル、−S−C〜C12アルケニル、−NH−C〜C12アルキニル、−S−C〜C12シクロアルキル、−S−アリール、−S−ヘテロアリール、−S−ヘテロシクロアルキル、又はメチルチオメチル、
を包含する置換基による独立した置換によって、置換されているか又は置換されていない基を示す。
【0036】
当然ながら、アリール、ヘテロアリール、アルキル等は更に置換することができる。
【0037】
用語「癌」は、これに限定されないが、以下の癌を包含する:扁平上皮口腔:口腔、口唇、舌、口、咽頭;心臓:肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫及び奇形腫;肺:気管支癌(扁平上皮細胞又は類表皮、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞(気管支)癌、気管支腺癌、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫;胃腸:食道(扁平上皮癌、喉頭、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(癌、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(導管腺癌、膵島細胞腫、グルカゴン産生腫瘍、ガストリン産生腫瘍、カルチノイド腫瘍、VIP産生腫瘍)、小腸(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポシ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫)、結腸、結腸−直腸、結腸直腸、直腸;泌尿生殖器:腎臓(腺癌、ウィルムス腫瘍(腎芽細胞腫)、リンパ腫、白血病)、膀胱及び尿道(扁平上皮癌、移行細胞癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、睾丸(精上皮癌、奇形種、胎生期癌、奇形癌、繊毛腫、肉腫、間質細胞腫、線維腫、線維線腫、線腫様腫瘍、脂肪腫);肝臓:肝臓癌(肝細胞腫)、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞線腫、血管種、胆汁道;骨:骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫、脊索腫、骨軟骨腫(骨軟骨腫)、良性脊索腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨骨腫及び巨細胞腫瘍;神経系:頭蓋骨(骨腫、血管種、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(骨髄腫、骨髄肉腫、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫、髄芽腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫(松果体腫)、多形性膠芽腫、乏突起膠腫、神経鞘腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄(神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫);婦人科:子宮(子宮内膜癌)、子宮頸部(子宮頸癌、前癌性子宮頸部形成異常)、卵巣(卵巣癌[漿液性嚢胞腺癌、ムチン性嚢胞腺癌、未分類癌]、顆粒−莢膜細胞腫、セルトリ−ライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形種)、外陰部(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫、胎児性横紋筋肉腫)、卵管(癌)、乳房;血液:血液(骨髄性白血病[急性及び慢性]、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫[悪性リンパ腫];毛様細胞;リンパ疾患;皮膚:悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポシ肉腫、角化棘細胞腫、ほくろ、異形成母斑、脂肪腫、血管種、皮膚線維腫、ケロイド、乾癬;甲状腺:甲状腺乳頭癌、濾胞性甲状腺癌、甲状腺髄様癌、未分化甲状腺癌、多発性内分泌腫瘍症2A型、多発性内分泌腫瘍症2B型、家族性甲状腺髄様癌、褐色細胞腫、傍神経節腫;及び副腎:神経芽細胞腫。
【0038】
従って、本明細書で提供される用語「癌細胞」は、上で特定した疾患の何れかに冒されている細胞を包含する。
【0039】
用語「キナーゼパネル」は以下のものを含有しているキナーゼのリストである:MPS1(TTK)、ERK5(BMK1、MAPK7)、ポロキナーゼ1、2、3、又は4、Ack1、Ack2、Abl、DCAMKL1、ABL1、Abl突然変異体、DCAMKL2、ARK5、BRK、MKNK2、FGFR4、TNK1、PLK1、ULK2、PLK4、PRKD1、PRKD2、PRKD3、ROS1、RPS6KA6、TAOK1、TAOK3、TNK2、Bcr−Abl、GAK、cSrc、TPR−Met、Tie2、MET、FGFR3、Aurora、Axl、Bmx、BTK、c−kit、CHK2、Flt3、MST2、p70S6K、PDGFR、PKB、PKC、Raf、ROCK−H、Rsk1、SGK、TrkA、TrkB、TrkC、AAK1、ABL1、ABL1(E255K)、ABL1(F317I)、ABL1(F317L)、ABL1(H396P)、ABL1(M351T)、ABL1(Q252H)、ABL1(T315I)、ABL1(Y253F)、ABL2、ACVR1、ACVR1B、ACVR2A、ACVR2B、ACVRL1、ADCK3、ADCK4、AKT1、AKT2、AKT3、ALK、AMPK−α1、AMPK−α2、ANKK1、ARK5、ASK1、ASK2、AURKA、AURKB、AURKC、AXL、BIKE、BLK、BMPR1A、BMPR1B、BMPR2、BMX、BRAF、BRAF(V600E)、BRK、BRSK1、BRSK2、BTK、CAMK1、CAMK1D、CAMK1G、CAMK2A、CAMK2D、CAMK2G、CAMK4、CAMKK1、CAMKK2、CDC2L1、CDC2L2、CDK11、CDK2、CDK3、CDK5、CDK7、CDK8、CDK9、CDKL2、CDKL3、CDKL5、CHECK1、CHEK2、CIT、CLK1、CLK2、CLK3、CLK4、CSF1R、CSK、CSNK1A1L、CSNK1D、CSNK1E、CSNK1G1、CSNK1G3、CSNK2A1、CSNK2A2、CTK、DAPK1、DAPK2、DAPK3、DCAMKL1、DCAMKL2、DCAMKL3、DDR1、DDR2、DLK、DMPK、DMPK2、DRAK1、DRAK2、DYRK1A、DYRK1B、DYRK2、EGFR、EGFR(E746−A750DEL)、EGFR(G719C)、EGFR(G719S)、EGFR(L747−E749del、A750P)、EGFR(L747−S752del、P753S)、EGFR(L747−T751del、Sins)、EGFR(L858R)、EGFR(L858R、T790M)、EGFR(L861Q)、EGFR(S752−I759del)、EPHA1、EPHA2、EPHA3、EPHA4、EPHA5、EPHA6、EPHA7、EPHA8、EPHB1、EPHB2、EPHB3、EPHB4、EPHB6、ERBB2、ERBB3、ERBB4、ERK1、ERK2、ERK3、ERK4、ERK5、ERK8、ERN1、FAK、FER、FES、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR3(G697C)、FGFR4、FGR、FLT1、FLT3、FLT3(D835H)、FLT3(D835Y)、FLT3(ITD)、FLT3(K663Q)、FLT3(N841I)、FLT4、FRK、FYN、GAK、GCN2(Kin.Dom.2,S808G)、GRK1、GRK4、GRK7、GSK3A、GSK3B、HCK、HIPK1、HIPK2、HIPK3、HIPK4、HPK1、HUNK、ICK、IGF1R、IKK−ALPHA、IKK−BETA、IKK−EPSILON、INSR、INSRR、IRAK1、IRAK3、ITK、JAK1(JH1ドメイン−触媒的)、JAK1(JH2ドメイン−偽キナーゼ)、JAK2(JH1ドメイン−触媒的)、JAK3(JH1ドメイン−触媒的)、JNK1、JNK2、JNK3、KIT、KIT(D816V)、KIT(L576P)、KIT(V559D)、KIT(V559D、T670I)、KIT(V559D、V654A)、LATS1、LATS2、LCK、LIMK1、LIMK2、LKB1、LOK、LTK、LYN、LZK、MAK、MAP3K1、MAP2K15、MAP3K2、MAP3K3、MAP3K4、MAP4K2、MAP4K3、MAP4K5、MAPKAPK2、MAPKAPK5、MARK1、MARK2、MARK3、MARK4、MAST1、MEK1、MEK2、MEK3、MEK4、MEK6、MELK、MERTK、MET、MET(M1250T)、MET(Y1235D)、MINK、MKNK1、MKNK2、MLCK、MLK1、MLK2、MLK3、MRCKA、MRCKB、MST1、MST1R、MST2、MST3、MST4、MUSK、MYLK、MYLK2、MYO3A、MYO3B、NDR1、NDR2、NEK1、NEK2、NEK5、NEK6、NEK7、NEK9、NIM1、NLK、OSR1、p38−α、p38−β、p38−δ、p38−γ、PAK1、PAK2、PAK3、PAK4、PAK6、PAK7、PCTK1、PCTK2、PCTK3、PDGFRA、PDGFRB、PDPK1、PFTAIRE2、PFTK1、PHKG1、PHKG2、PIK3C2B、PIK3C2G、PIK3CA、PIK3CA(C420R)、PIK3CA(E542K)、PIK3CA(E545A)、PIK3CA(E545K)、PIK3CA(H1047L)、PIK3CA(H1047Y)、PIK3CA(M1043I)、PIK3CA(Q546K)、PIK3CB、PIK3CD、PIK3CG、PIK4CB、PIM1、PIM2、PIM3、PIP5K1A、PIP5K2B、PKAC−ALPHA、PKAC−BETA、PKMYT1、PKN1、PKN2、PLK1、PLK2、PLK3、PLK4、PRKCD、PRKCE、PRKCH、PRKCQ、PRKD1、PRKD3、PRKG1、PRKG2、PRKR、PRKX、PRP4、PYK2、QSK、RAF1、RET、RET(M918T)、RET(V804L)、RET(V804M)、RIOK1、RIOK2、RIOK3、RIPK1、RIPK2、RIPK4、ROCK1、ROCK2、ROS1、RPS6KA1(Kin.Dom.1−N−末端)、RPS6KA1(Kin.Dom.2−C−末端)、RPS6KA2(Kin.Dom.1−N−末端)、RPS6KA2(Kin.Dom.2−C−末端)、RPS6KA3(Kin.Dom.1−N−末端)、RPS6KA4(Kin.Dom.1−N−末端)、RPS6KA4(Kin.Dom.2−C−末端)、RPS6KA5(Kin.Dom.1−N−末端)、RPS6KA5(Kin.Dom.2−C−末端)、RPS6KA6(Kin.Dom.1−N−末端)、RPS6KA6(Kin.Dom.2−C−末端)、SBK1、SgK085、SgK110、SIK、SIK2、SLK、SNARK、SRC、SRMS、SRPK1、SRPK2、SRPK3、STK16、STK33、STK39、SYK、TAK1、TAO1、TAOK2、TAOK3、TBK1、TEC、TESK1、TGFBR1、TGFBR2、TIE1、TIE2、TLK1、TLK2、TNIK、TNK1、TNK2、TNNI3K、TRKA、TRKB、TRKC、TSSK1B、TTK、TXK、TYK2(JH1ドメイン−触媒的)、TYK2(JH2ドメイン−偽キナーゼ)、TYRO3、ULK1、ULK2、ULK3、VEGFR2、WEE1、WEE2、YANK2、YANK3、YES、YSK1、YSK4、ZAK及びZAP70。
【0040】
本発明の化合物はこのキナーゼパネル(野生型及び/又はこれらの突然変異体)に対してスクリーニングされて、当該パネルメンバーの少なくとも1つの活性を阻害する。
【0041】
キナーゼの突然変異形態は、野生型配列からの単一又は複数のアミノ酸変更を意味する。
【0042】
本明細書で用いられる用語「対象」は哺乳動物を示す。従って、対象は、例えば、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、モルモット等を示す。好ましくは、対象はヒトである。対象がヒトの場合は、対象は本明細書で患者として示すことができる。
【0043】
「治療する」、「治療すること」及び「治療」は、疾患及び/又はそれに付随する症状を緩和又は除去する方法を示す。
【0044】
本明細書で用いられる用語「薬学的に許容される塩」は、適切な医学的判断の範囲内にある、過度な毒性、刺激、アレルギー反応等なしで、ヒト及び下等動物の組織に接触させて用いるのに適していて、そして合理的な便益/リスクの比と釣り合っている、本発明の方法で形成される化合物の塩を示す。
薬学的に許容される塩は当該技術分野において周知である。例えば、S.M. Berge, et al. は J. Pharmaceutical Sciences, 66: 1-19 (1977) で薬学的に許容される塩を詳細に記載している。
これらの塩は、本発明の化合物の最終の単離及び精製の間にその場に(in situ)、或いは別に遊離の塩基性官能基を適切な有機酸と反応させることによって製造できる。
薬学的に許容される非毒性酸付加塩の例は、これに限定されないが、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、過塩素酸などの無機酸、或いは酢酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸又はマロン酸などの有機酸を用いて、或いはイオン交換などの当該技術分野で用いられる別の方法を用いて、形成されたアミノ基の塩である。
その他の薬学的に許容される塩は、これに限定されないが、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、カンファー酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩等を包含する。
代表的なアルカリ又はアルカリ土類金属塩は、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等の塩を包含する。
適切な場合には、薬学的に許容される塩は更に、ハライド、ヒドロキシド、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、1〜6個の炭素原子を有しているアルキル、スルホン酸塩、アリールスルホン酸塩などの対イオンを用いて形成される、非毒性のアンモニウム塩、4級アンモニウム塩、及びアミンカチオンを包含する。
【0045】
本明細書用いられる用語「薬学的に許容されるエステル」は、インビボで加水分解されて、人体内で容易に分解されて親化合物又はそれらの塩を残すものを含む、本発明の方法で形成される化合物のエステルを示す。適切なエステル基は、例えば、薬学的に許容される脂肪族カルボン酸、特にアルカン酸、アルケン酸、シクロアルカン酸及びアルカン二酸(ここで、それぞれのアルキル又はアルケニル部分が6個を越えない炭素原子を有していることが有利である)に由来するようなものを包含する。特定のエステルの例は、これに限定されないが、ギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、アクリル酸エステル及びエチルコハク酸エステルを包含する。
【0046】
本明細書用いられる用語「薬学的に許容されるプロドラッグ」は、適切な医学的判断の範囲内にある、過度な毒性、刺激、アレルギー反応等なしで、ヒト及び下等動物の組織に接触させて用いるのに適していて、合理的な便益/リスクの比と釣り合っていて、そしてそれらの意図としている用途に効果があり、更に、可能ならば、本発明の化合物の両性イオン形態である、本発明の方法で形成される化合物のプロドラッグを示す。本明細書で用いられる「プロドラッグ」は、代謝手段によって(例えば加水分解によって)本発明の式で表される何れかの化合物をもたらすようにインビボで変換可能である化合物を意味する。プロドラッグの多くの形態は、例えば、Bundgaard, (ed.), Design of Prodrugs, Elsevier (1985); Widder, et al. (ed.), Methods in Enzymology, vol. 4, Academic Press (1985); Krogsgaard-Larsen, et al., (ed). "Design and Application of Prodrugs, Textbook of Drug Design and Development, Chapter 5, 113-191 (1991); Bundgaard, et al., Journal of Drug Deliver Reviews, 8:1-38(1992); Bundgaard, J. of Pharmaceutical Sciences, 77:285 et seq. (1988); Higuchi and Stella (eds.) Prodrugs as Novel Drug Delivery Systems, American Chemical Society (1975); and Bernard Testa & Joachim Mayer, “Hydrolysis In Drug And Prodrug Metabolism: Chemistry, Biochemistry And Enzymology,” John Wiley and Sons, Ltd. (2002) で説明されているように、当該技術分野でよく知られている。
【0047】
本発明は、本発明の化合物の医薬的に許容されるプロドラッグを含有している医薬組成物、及びこれを投与することによって疾患を治療する方法も包含している。
例えば、遊離のアミノ、アミド、ヒドロキシ又はカルボン酸基を有している本発明の化合物をプロドラッグに変換することができる。
プロドラッグは、アミノ酸残基、又は2つ以上の(例えば、2個、3個又は4個の)アミノ酸残基のポリペプチド鎖がアミド又はエステル結合を介して、本発明の化合物の遊離のアミノ、ヒドロキシ又はカルボン酸基に共有結合している、化合物を包含する。
このアミノ酸残基は、これに限定されないが、通常3文字記号で表される20の天然由来アミノ酸を包含し、そして4−ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、デモシン、イソデモシン、3−メチルヒスチジン、ノルバリン、ベータ−アラニン、ガンマ−アミノ酪酸、シトルリン、ホモシステイン、オルニチン及びメチオニンスルホンも包含する。
プロドラッグの更なる種類も包含する。例えば、遊離のカルボキシル基をアミド又はアルキルエステルとして誘導体化することができる。遊離のヒドロキシ基を、Advanced Drug Delivery Reviews, 1996, 19, 1 15 に概説されているように、これに限定されないが、ヘミコハク酸エステル、リン酸エステル、ジメチルアミノ酢酸エステル、及びホスホリルオキシメチルオキシカルボニルを包含する基を用いて誘導体化することができる。
ヒドロキシ及びアミノ基のカルバミン酸エステルプロドラッグも、ヒドロキシ基のスルホン酸エステル及び硫酸エステルの炭酸エステルプロドラッグと同様に、包含される。アシル基がアルキルエステルであり、これに限定されないが、エーテル、アミン及びカルボン酸官能基を包含する基で置換されていてもよい場合、或いはアシル基が上記のようなアミノ酸エステルである場合の(アシルオキシ)メチル及び(アシルオキシ)エチルエーテルとしてのヒドロキシ基の誘導体化も包含される。このタイプのプロドラッグは、J. Med. Chem. 1996, 39, 10 に記載されている。遊離のアミンもアミド、スルホンアミド又はホスホンアミドとして誘導体化できる。これらのプロドラッグ部分の全ては、これに限定されないが、エーテル、アミン及びカルボン酸官能基を含有する基を組み込んでいてもよい。
【0048】
本発明が想定している置換基及び可変基の組み合わせは、安定な化合物の形成をもたらすようなものだけである。本明細書で用いられる用語「安定な」は、製造を可能にするのに十分な安定性を保有し、そして十分な期間に渡って本明細書に詳述されている目的(例えば、対象への治療的又は予防的な投与)に有用であるように化合物の信頼性を保持する、化合物を示す。
【0049】
本発明の化合物
一態様では、本発明は、式Aの化合物又はそれらの薬学的に許容される塩、エステル又はプロドラッグを提供する。
【0050】
【化2】

【0051】
式中の、Xは、CHR、CR、NH、NR、又はNである。
Yは、NR、N、S、SO、SO、O、CHR、又はCRである。
ここで、X及びYの少なくとも1つは、NH、NR、NR、N、S、SO、SO、又はOである。
Aは、単結合又は二重結合である。
Bは、単結合又は二重結合である。
ここで、A及びBの両方が二重結合である場合はない。
R’はH又はアルキルである。
Lは、存在しないか、S、SO、SO、又はCOである。
は、それぞれがO、S、又はNから選ばれる0、1、2、又は3個のへテロ原子を含有している、H、アルキル、アルケニル、アルキニルであるか、又はRは、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、又は炭素環である。
ここで、Rは置換されていてもよい。
は、水素又は置換されていてもよいアルキルである。
は、それぞれが置換されていてもよい、水素、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、又は炭素環である。
は、それぞれが置換されていてもよい、水素、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、又は炭素環である。
は、それぞれが置換されていてもよい、水素、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、又は炭素環である。
或いは、R及びXは、それらが結合している原子と共に、それぞれが置換されていてもよい、3〜8員の炭素環、複素環、アリール、又はヘテロアリールを形成する。
或いは、X及びYは、それらが結合している原子と共に、それぞれが置換されていてもよい、3〜8員の炭素環、複素環、アリール、又はヘテロアリールを形成する。
は、水素又は置換されていてもよいアルキルである。
【0052】
ある特定の実施態様では、本発明は、XがCR又はCHRであり、そしてYがNRである化合物を提供する。
【0053】
別の実施態様では、本発明は、Rがそれぞれが置換されていてもよい、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、又は炭素環であり、そしてRがそれぞれが置換されていてもよい、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、又は炭素環である化合物を提供する。
【0054】
ある特定の実施態様では、本発明は、X及びYが、それらが結合している原子と共に、それぞれが置換されていてもよい、3〜8員のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル又はヘテロアリールを形成する化合物を提供する。
【0055】
別の実施態様では、本発明は、R及びXが、それらが結合している原子と共に、それぞれが置換されていてもよい、3〜8員のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル又はヘテロアリールを形成する化合物を提供する。
【0056】
ある実施態様では、本発明は、XがNであり、そしてYがCRである化合物を提供する。
【0057】
更なる実施態様では、Rが、それぞれが置換されていてもよい、アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、又は炭素環である。
【0058】
第1実施態様では、本発明は、式Bの化合物又はそれらの薬学的に許容される塩、エステル又はプロドラッグを提供する。
【0059】
【化3】

【0060】
式中の、Rは、アリール又はヘテロアリールであり、ここでRは置換されていてもよい。
は、水素又は置換されていてもよいアルキルである。
は、水素又はメチルである。
は、水素又はメチルである。そして、
は、水素である。
【0061】
一実施態様では、Rが、それぞれが置換されていてもよい、フェニル又はピリジルである。
【0062】
更なる実施態様では、Rは、N(R)(R)、C(O)NH(R)、アルコキシ、及び複素環から選ばれる、0〜4個の置換基で置換されていて、それぞれは更に置換されていてもよく、ここでRは、アルキル、及び複素環から独立して選ばれる。
【0063】
別の更なる実施態様では、Rは、アルコキシ、
【0064】
【化4】

【0065】
から選ばれる、0〜4個の置換基で置換されている。
第2実施態様では、本発明は、式Cの化合物又はそれらの薬学的に許容される塩、エステル又はプロドラッグを提供する。
【0066】
【化5】

【0067】
式中の、Rは、置換されていてもよい、アリール又はヘテロアリールである。
は、水素又はメチルである。
は、水素である。
は、水素である。そして、
は、水素である。
【0068】
ある特定の実施態様では、Rが、それぞれが置換されていてもよい、フェニル又はピリジルである。
【0069】
更なる実施態様では、Rは、アルコキシ、又は複素環から選ばれる、0〜4個の置換基で置換されていて、これらは更に置換されていてもよい。
【0070】
ある特定の実施態様では、Rは、アルコキシ、
【0071】
【化6】

【0072】
から選ばれる、0〜4個の置換基で置換されている。
第3実施態様では、本発明は、式Dの化合物又はそれらの薬学的に許容される塩、エステル又はプロドラッグを提供する。
【0073】
【化7】

【0074】
式中の、Rは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、又は炭素環であり、ここでRは置換されていてもよい。
は、水素又は置換されていてもよいアルキルである。
は、水素又は置換されていてもよいアルキルである。
それぞれのRは、(それぞれ)独立して、それぞれが置換されていてもよい、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、炭素環、アルコキシ、NH(アルキル)、NH(アリール)、N(アルキル)(アルキル)又はN(アリール)(アリール);ハロ、ニトロ又はシアノである。
pは、0〜6である。
【0075】
一実施態様では、Rが、それぞれが置換されていてもよい、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ピペリジニル、ピロリジノ、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジジニル、キノリニル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、ピロリル、フラニル、イソキノリニル、イミダゾリル、又はトリアゾリルである。
【0076】
更なる実施態様では、Rが、それぞれが置換されていてもよい、アルキル、フェニル、シクロヘキシル、ピペリジニル、キノリニル、又はピリジルである。
【0077】
ある特定の実施多様では、Rは、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、NH(R)、N(R)(R)、COH、C(O)R、C(O)OR、C(O)NH、C(O)NH(R)、C(O)N(R)(R)、アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシ、ヘテロアリール、複素環、及び炭素環から選ばれる0〜4個の置換基で置換されていて、これらはそれぞれ更に置換されていてもよく、それぞれのRは、独立して、アルキル、炭素環、アリール、ヘテロアリール、及び複素環から選ばれる。
【0078】
ある特定の態様では、Rは、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、
【0079】
【化8】

【0080】
から選ばれる、0〜4個の置換基で置換されている。
第4実施態様では、本発明は、式Eの化合物又はそれらの薬学的に許容される塩、エステル又はプロドラッグを提供する。
【0081】
【化9】

【0082】
式中の、Rは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、又は炭素環であり、ここでRは置換されていてもよい。
は、水素又は置換されていてもよいアルキルである。
は、水素又は置換されていてもよいアルキルである。
は、水素又は置換されていてもよいアルキルである。
それぞれのRは、独立して、それぞれが置換されていてもよい、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、炭素環、アルコキシ、NH(アルキル)、NH(アリール)、N(アルキル)(アルキル)又はN(アルキル)(アリール);ハロ、ニトロ又はシアノである。
pは、0〜6である。
【0083】
ある特定の実施態様では、Rが、それぞれが置換されていてもよい、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ピペリジニル、ピロリジノ、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジジニル、キノリニル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、ピロリル、フラニル、イソキノリニル、イミダゾリル、又はトリアゾリルである。
【0084】
更なる実施態様では、Rが、それぞれが置換されていてもよい、フェニル又はピリジルである。
【0085】
別の更なる実施態様では、Rは、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、NH(R)、N(R)(R)、COH、C(O)R、C(O)OR、C(O)NH、C(O)NH(R)、C(O)N(R)(R)、アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシ、ヘテロアリール、複素環、及び炭素環から選ばれる0〜4個の置換基で置換されていて、これらはそれぞれ更に置換されていてもよく、それぞれのRは、独立して、アルキル、炭素環、アリール、ヘテロアリール、及び複素環から選ばれる。
【0086】
ある特定の実施態様では、Rは、アルコキシ、
【0087】
【化10】

【0088】
から選ばれる0〜4個の置換基で置換されている。
第5実施態様では、本発明は、式Fの化合物又はそれらの薬学的に許容される塩、エステル又はプロドラッグを提供する。
【0089】
【化11】

【0090】
式中の、Rは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、又は炭素環であり、ここでRは置換されていてもよい。
は、水素又は置換されていてもよいアルキルである。
は、水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアラルキル、又は置換されていてもよい炭素環である。
は、水素又は置換されていてもよいアルキルである。
それぞれのRは、独立して、それぞれが置換されていてもよい、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、炭素環、アルコキシ、NH(アルキル)、NH(アリール)、N(アルキル)(アルキル)又はN(アルキル)(アリール);ハロ、ニトロ又はシアノである。
pは、0〜4である。
【0091】
ある特定の実施態様では、Rが、それぞれが置換されていてもよい、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ピペリジニル、ピロリジノ、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジジニル、キノリニル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、ピロリル、フラニル、イソキノリニル、イミダゾリル、又はトリアゾリルである。
【0092】
更なる実施態様では、Rが、それぞれが置換されていてもよい、フェニル又はピリジルである。
【0093】
別の実施態様では、Rは、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、NH(R)、N(R)(R)、COH、C(O)R、C(O)OR、C(O)NH、C(O)NH(R)、C(O)N(R)(R)、アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシ、ヘテロアリール、複素環、及び炭素環から選ばれる0〜4個の置換基で置換されていて、これらはそれぞれ更に置換されていてもよく、それぞれのRは、独立して、アルキル、炭素環、アリール、ヘテロアリール、及び複素環から選ばれる。
【0094】
ある特定の実施態様では、Rは、アルコキシ、COMe、
【0095】
【化12】

【0096】
から選ばれる0〜4個の置換基で置換されている。
第6実施態様では、本発明は、式F−Iの化合物又はそれらの薬学的に許容される塩、エステル又はプロドラッグを提供する。
【0097】
【化13】

【0098】
式中の、Yは、S、SO、SO、又はOである。
は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、又は炭素環であり、ここでRは置換されていてもよい。
は、水素又は置換されていてもよいアルキルである。
は、水素又は置換されていてもよいアルキルである。
それぞれのRは、独立して、それぞれが置換されていてもよい、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、炭素環、アルコキシ、NH(アルキル)、NH(アリール)、N(アルキル)(アルキル)又はN(アルキル)(アリール);ハロ、ニトロ又はシアノである。
pは、0〜4である。
【0099】
ある実施態様では、Rが、それぞれが置換されていてもよい、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ピペリジニル、ピロリジノ、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジジニル、キノリニル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、ピロリル、フラニル、イソキノリニル、イミダゾリル、又はトリアゾリルである。
【0100】
更なる実施態様では、Rが、それぞれが置換されていてもよい、フェニル又はピリジルである。
【0101】
別の実施態様では、Rは、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、NH(R)、N(R)(R)、COH、C(O)R、C(O)OR、C(O)NH、C(O)NH(R)、C(O)N(R)(R)、アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシ、ヘテロアリール、複素環、及び炭素環から選ばれる0〜4個の置換基で置換されていて、これらはそれぞれ更に置換されていてもよく、それぞれのRは、独立して、アルキル、炭素環、アリール、ヘテロアリール、及び複素環から選ばれる。
【0102】
更なる実施態様では、Rは、アルコキシ、COMe、
【0103】
【化14】

【0104】
から選ばれる0〜4個の置換基で置換されている。
第7実施態様では、本発明は、式Gの化合物又はそれらの薬学的に許容される塩、エステル又はプロドラッグを提供する。
【0105】
【化15】

【0106】
式中の、Rは、それぞれがO、S、又はNから選ばれる0、1、2、又は3個のへテロ原子を含有している、アルキル、アルケニル、アルキニルであるか、又はRは、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、又は炭素環であり、Rは置換されていてもよい。
は、水素又は置換されていてもよいアルキルである。
は、それぞれが置換されていてもよい、水素、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、又は炭素環である。
は、それぞれが置換されていてもよい、水素、アルキル、アルケニル、、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、又は炭素環である。
は、水素又は置換されていてもよいアルキルである。
【0107】
一実施態様では、Rが、それぞれが置換されていてもよい、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ピペリジニル、ピロリジノ、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジジニル、キノリニル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、ピロリル、フラニル、イソキノリニル、イミダゾリル、又はトリアゾリルである。
【0108】
更なる実施態様では、Rが置換されていてもよいフェニルである。
【0109】
別の実施態様では、Rは、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、NH(R)、N(R)(R)、COH、C(O)R、C(O)OR、C(O)NH、C(O)NH(R)、C(O)N(R)(R)、アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシ、ヘテロアリール、複素環、及び炭素環から選ばれる0〜4個の置換基で置換されていて、これらはそれぞれ更に置換されていてもよく、それぞれのRは、独立して、アルキル、炭素環、アリール、ヘテロアリール、及び複素環から選ばれる。
【0110】
ある特定の実施態様では、Rは、アルコキシ、ヒドロキシル、
【0111】
【化16】

【0112】
から選ばれる0〜4個の置換基で置換されている。
別の実施態様では、Rが置換されていてもよいフェニル又は置換されていてもよいシクロペンチルである。
【0113】
本発明の代表的な化合物は、これに限定されないが、実施例に続く、表1〜5の下記の化合物を包含する。
本発明の化合物の合成は下記の実施例に見出せる。
【0114】
別の実施態様は、本明細書で説明されている反応の何れか1つ、又はその組み合わせを用いる本明細書中の何れかの式の化合物を製造する方法である。方法は、本明細書で説明している1つ又はそれ以上の中間体又は化学試薬の使用を包含している。
【0115】
別の態様は、本明細書で説明している何れかの式の同位体標識した化合物である。このような化合物は、化合物に導入された放射性があってもなくてもよい1つ又はそれ以上の同位元素(例えば、H、H、14C、13C、35S、32P、125I、及び131I)を有している。このような化合物は、薬物代謝検討及び診断に、更には治療適用にも有用である。
【0116】
本発明の化合物は、化合物の遊離塩基形態を薬学的に許容される無機又は有機の酸と反応させて、薬学的に許容される酸付加塩として製造することができる。
あるいは、本発明の薬学的に許容される塩基付加塩は、化合物の遊離酸形態を薬学的に許容される無機又は有機の塩基と反応させて、製造することができる。
【0117】
また、本発明の化合物の塩形態は、出発物質又は中間体の塩を用いて製造することができる。
【0118】
本発明の化合物の遊離酸又は遊離塩基形態は、対応する塩基付加塩又は酸付加塩形態から、それぞれ、製造することができる。例えば、酸付加塩形態の本発明化合物は、適切な塩基(例えば、水酸化アンモニウム溶液、水酸化ナトリウム等)で処理して、対応する遊離塩基に変換することができる。塩基付加塩形態の本発明化合物は、適切な酸(例えば、塩酸等)で処理することによって、対応する遊離酸に変換することができる。
【0119】
本発明化合物のプロドラッグ誘導体は、当業者に公知の方法で製造することができる(例えば、さらに詳細については Saulnier et al., (1994), Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters, Vol. 4, p. 1985 を参照されたい)。例えば、本発明の非誘導体化化合物を適切なカルバミル化剤(例えば、1,1−アシルオキシアルキルカルバノクロリダート、パラ−ニトロフェニルカルボネート等)と反応させることによって適切なプロドラッグを製造することができる。
【0120】
本発明化合物の保護化誘導体は、当業者に公知の手段によって作成することができる。保護基の作成及びそれらの除去に適用可能な技術の詳細な記述は、T. W. Greene, "Protecting Groups in Organic Chemistry", 3rd edition, John Wiley and Sons, Inc., 1999 に見られる。
【0121】
本発明の化合物は、溶媒和物(例えば、水和物)として、本発明の工程中で、都合良く製造、又は形成することができる。本発明化合物の水和物は、ダイオキシン、テトラヒドロフラン又はメタノールなどの有機溶媒を用いる、水性/有機溶媒混合物から再結晶して都合良く製造できる。
【0122】
本明細書の方法で有用な酸及び塩基は当該技術分野で公知である。酸触媒は、何れかの酸性化学物質であって、天然の無機物(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、三塩化アルミニウム)又は有機物(例えば、カンファースルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、イッテルビウムトリフラート)であってよい。酸は、化学反応を促進するための触媒量又は化学両論量の何れかで、有用である。塩基は、塩基性化学物質であって、天然の無機物(例えば、重炭酸ナトリウム、水酸化カリウム)又は有機物(例えば、トリエチルアミン、ピリジン)であってよい。塩基は、化学反応を促進するための触媒量又は化学両論量の何れかで、有用である。
【0123】
加えて、本発明の幾つかの化合物は、1つ又はそれ以上の二重結合、又は1つ又はそれ以上の不斉中心を有している。このような化合物は、ラセミ化合物、ラセミ混合物、単一のエナンチオマー、個々のジアステレオマー、ジアステレオマー混合物、及びシス−又はトランス−或いはE−又はZ−の二重異性体、及び絶対立体化学の観点から、(R)−又は(S)−、又はアミノ酸に対する(D)−又は(L)−と定義できるその他の立体異性形態として生じてよい。これらの化合物のこのような異性体の全ては本発明内に明確に含まれる。
光学異性体を、それらそれぞれの光学活性前駆物質から上記の手順によって、或いはラセミ混合物を分割することによって調製することができる。分割は、分割剤の存在下に、クロマトグラフィーによって又は反復再結晶によって又は当業者に公知のこれらの技術の幾つかの組み合わせによって実施することができる。分割に関する更なる詳細は、 Jacques, et al., Enantiomers, Racemates, and Resolutions (John Wiley & Sons, 1981) に見出すことができる。
本発明の化合物は複数の互変異性型で表すこともでき、そのような場合には、本発明は、本明細書に記載されている化合物の全ての互変異性型を明確に包含する(例えば、環系のアルキル化は複数部位のアルキル化をもたらし、本発明はそのような反応産物の全てを明確に包含する)。
本明細書に記載されている化合物がオレフィン二重結合又はその他の幾何学的不斉中心を含有していて、他に特に規定されない場合には、化合物はE及びZの幾何異性体の両方を包含することが意図されている。同様に、全ての互変異性体を包含することが意図されている。
本明細書に現れる何れの炭素−炭素二重結合の配座も便宜的にのみ選択されていて、文脈上そのように記されていない限り、特定の配座を示すことを意図していない;従って、本明細書で任意にトランスと表された炭素−炭素二重結合は、シス、トランス、或いは何れかの比率のその2つの混合物であってよい。このような化合物のこのような異性体の全ては、本発明に明確に包含される。本明細書に記載されている化合物の全ての結晶形態は本発明に明確に包含される。
【0124】
合成された化合物は、反応混合物から分離されて、クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、又は再結晶などの方法によって更に精製することができる。当業者には認識されるように、本明細書の式の化合物を合成する更なる方法は当業者に明白であろう。また、多様な合成工程を別の順序又は順番で実施して所望の化合物を得ることができる。
更に、本明細書で詳述している溶媒、温度、反応時間等は説明のみを目的としていて、反応条件を変えると、所望の本発明の架橋された多環式産生物を生産することができるということを当業者認識するだろう。本明細書に記載されている化合物を合成するのに有用な合成化学変換及び保護基手法(保護及び脱保護)は当該技術分野で公知であって、例えば、R. Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers (1989); T.W. Greene and P.G.M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 2d. Ed., John Wiley and Sons (1991); L. Fieser and M. Fieser, Fieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis, John Wiley and Sons (1994); and L. Paquette, ed., Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis, John Wiley and Sons (1995) 及びこれらの続刊に記載されているようなものを包含する。
【0125】
本発明の化合物は、本明細書で詳述している合成手段の何れかを用いて、多種の機能性を付加することにより修正して、選択的生物学的特性を増強することができる。このような修正は、当該技術分野で公知であって、所定の生体系(例えば、血液、リンパ系、中枢神経系)内への生物学的な浸透を増大し、経口利用性を増大し、注射による投与を可能にするように溶解性を増大し、代謝を改善し、そして排泄速度を改善するようなものを包含する。
【0126】
本発明の化合物は、それらの化学構造及び化学名によって本明細書中に定義される。化合物が化学構造及び化学名の両方で示され、化学構造と化学名が矛盾している場合は、化学構造が化合物の同定に決定力がある。
【0127】
本明細書の可変基の何れかの定義における化学基のリストの列挙は、あらゆる単一の基又は挙げられた基の組み合わせとしての可変基の定義を包含している。本明細書の可変基に対する実施態様の列挙は、何れかの単一の実施態様又は別の何れかの実施態様或いはその部分との組み合わせとしての実施態様を包含している。
【0128】
本発明の方法
別の態様では、本発明は、式Aの化合物、薬学的に許容される塩、エステル又はプロドラッグを対象に投与することを含有してなる、対象における疾患を治療する方法を提供する。
【0129】
一実施態様では、本発明は、疾患が、MAPキナーゼ、有糸分裂紡錘体キナーゼ、及びポロキナーゼから選ばれるキナーゼに介在されるものである、方法を提供する。
【0130】
別の実施態様では、本発明は、疾患が、MPS1、ERK5、BMK1、MAPK7、ポロキナーゼ1、2、3、又は4、Ack1、Ack2、Abl、DCAMKL1、ABL1、Abl突然変異体、DCAMKL2、ARK5、BRK、MKNK2、FGFR4、TNK1、PLK1、ULK2、PLK4、PRKD1、PRKD2、PRKD3、ROS1、RPS6KA6、TAOK1、TAOK3、TNK2、Bcr−Abl、GAK、cSrc、TPR−Met、Tie2、MET、FGFR3、Aurora、Axl、Bmx、BTK、c−kit、CHK2、Flt3、MST2、p70S6K、PDGFR、PKB、PKC、Raf、ROCK−H、Rsk1、SGK、TrkA、TrkB及びTrkCから選ばれるキナーゼに介在されるものである、方法を提供する。更なる実施態様では、キナーゼは、ERK−5、MPS1、又はBMK−1である。
【0131】
別の実施態様では、本発明は、疾患が癌又は増殖性疾患である、方法を提供する。
【0132】
更なる実施態様では、疾患が、肺、結腸、乳房、前立腺、肝臓、膵臓、脳、腎臓、卵巣、胃、皮膚、及び骨の癌;胃腸、乳房、膵臓の癌;神経膠腫、及び肝細胞癌、乳頭状腎細胞癌、頭頸部扁平上皮癌、白血病、リンパ腫、骨髄腫、及び固形癌である。
【0133】
別の実施態様では、疾患が、炎症、関節炎、関節リウマチ、脊椎関節症、痛風性関節炎、変形性関節症、若年性関節炎、及びその他の関節炎疾患、全身性エリテマトーデス(SLE)、皮膚関連疾患、乾癬、皮膚炎、熱傷、皮膚炎、神経炎症、アレルギー、疼痛、神経因性疼痛、発熱、肺疾患、肺の炎症、成人呼吸窮迫症候群、肺サルコイドーシス、喘息、珪肺、慢性炎症性肺疾患、及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)、心臓血管疾患、動脈硬化症、心筋梗塞(心筋梗塞後症を包含する)、血栓症、鬱血性心不全、心臓再環流傷害(更に血管臓器損傷などの高血圧及び/又は心不全に関連する合併症も)、再狭窄、心筋症、虚血及び脳出血を含む卒中、再環流傷害、腎臓再環流傷害、卒中及び脳虚血を含む虚血、及び心臓/環血管バイパスに由来する虚血、神経変性疾患、肝疾患及び腎炎、胃腸疾患、炎症性大腸炎、クローン病、胃炎、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎、潰瘍性疾患、胃潰瘍、ウィルス及び細菌感染症、敗血症、敗血性ショック、グラム陰性菌敗血症、マラリア、髄膜炎、HIV感染症、日和見感染症、感染症又は悪性腫瘍に続発する悪液質、後天性免疫不全症候群(AIDS)に続発する悪液質、ARC(AIDS関連症候群)、肺炎、ヘルペスウィルス、感染に起因する筋肉痛、インフルエンザ、自己免疫疾患、移植片対宿主反応及び同種移植拒絶、骨吸収疾患の治療、骨粗しょう症、多発性硬化症、癌、白血病、リンパ腫、結腸直腸癌、脳の癌、骨の癌、上皮細胞由来新生物(上皮癌)、基底細胞癌、腺癌、消化器癌、口唇癌、口腔癌、食道癌、小腸癌、胃癌、結腸癌、肝臓癌、膀胱癌、膵臓癌、卵巣癌、子宮頸癌、肺癌、乳癌、皮膚癌、扁平上皮細胞及び/又は基底細胞癌、前立腺癌、腎細胞癌、及び体内の上皮細胞に影響を及ぼすその他の公知の癌、慢性骨髄性白血病(CML)、急性骨髄性白血病(AML)及び急性前骨髄球性白血病(APL)、新生物を含む血管形成、転移、中枢神経系疾患、炎症及びアポトーシス成分を有する中枢神経系疾患、アルツハイマー病、パーキンソン病、ホジキン病、筋萎縮性側索硬化症、脊髄損傷、及び末梢神経障害、イヌB−細胞リンパ腫である。
【0134】
更なる実施態様では、疾患は、炎症、関節炎、関節リウマチ、脊椎関節症、痛風性関節炎、変形性関節症、若年性関節炎、及びその他の関節炎状態、全身性エリテマトーデス(SLE)、皮膚関連疾患、乾癬、湿疹、皮膚炎、疼痛、肺疾患、肺の炎症、成人呼吸窮迫症候群、肺サルコイドーシス、喘息、慢性炎症性肺疾患、及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)、心臓血管疾患、動脈硬化症、心筋梗塞(心筋梗塞後症を包含する)、鬱血性心不全、心臓再環流傷害、炎症性大腸炎、クローン病、胃炎、過敏性腸症候群、白血病、リンパ腫である。
【0135】
別の態様では、本発明は、その化合物を必要としていると確認されている対象に式Aの化合物、薬学的に許容される塩、エステル又はプロドラッグを投与することを含有してなる、対象におけるキナーゼが介在する疾患を治療する方法を提供する。
【0136】
一実施態様では、化合物は、MPS1、ERK5、BMK1、MAPK7、ポロキナーゼ1、2、3、又は4、Ack1、Ack2、Abl、DCAMKL1、ABL1、Abl突然変異体、DCAMKL2、ARK5、BRK、MKNK2、FGFR4、TNK1、PLK1、ULK2、PLK4、PRKD1、PRKD2、PRKD3、ROS1、RPS6KA6、TAOK1、TAOK3、TNK2、Bcr−Abl、GAK、cSrc、TPR−Met、Tie2、MET、FGFR3、Aurora、Axl、Bmx、BTK、c−kit、CHK2、Flt3、MST2、p70S6K、PDGFR、PKB、PKC、Raf、ROCK−H、Rsk1、SGK、TrkA、TrkB又はTrkCの阻害剤である。更なる実施態様では、化合物は、ERK−5、MPS1、又はBMK−1の阻害剤である。
【0137】
ある特定の実施態様では、対象に追加の治療薬剤を投与する。
【0138】
更なる実施態様では、化合物及び追加の治療薬剤を同時に又は別々に投与する。
【0139】
別の態様では、本発明は、細胞を式Aのキナーゼ阻害性化合物と接触させることを含有してなる、キナーゼ依存性の細胞生育を減少する方法を提供する。
【0140】
その他の態様では、本発明は、式Aの化合物を投与することを含有してなる、そのような治療を必要とすることが確認されている対象におけるキナーゼを阻害する方法を提供する。
【0141】
ある特定の実施態様では、本発明は、対象がヒトである、方法を提供する。
【0142】
別の実施態様では、本発明は、キナーゼ阻害剤が、約1マイクロモル未満のキナーゼの阻害についてのKiを有している、方法を提供する。
【0143】
一実施態様では、本発明は、式Aの化合物を合成する方法を提供する。
【0144】
本発明の別の態様は、タンパク質キナーゼの阻害剤であって、それによって疾患、障害、及び病気の治療に、それに加えて本明細書に記載されているその他の用途に有用である、化合物又は組成物を提供する。ある特定の実施態様では、これらの組成物は、更に1つ又はそれ以上の追加治療薬剤を含有していてもよい。
【0145】
本発明は、タンパク質キナーゼの阻害剤として有用な化合物及び組成物を提供する。ある特定の実施態様では、本発明は、AAK1、ABL1、ABL1(E255K)、ABL1(F317I)、ABL1(F317L)、ABL1(H396P)、ABL1(M351T)、ABL1(Q252H)、ABL1(T315I)、ABL1(Y253F)、ABL2、ACVR1、ACVR1B、ACVR2A、ACVR2B、ACVRL1、ADCK3、ADCK4、AKT1、AKT2、AKT3、ALK、AMPK−αl、AMPK−α2、ANKK1、ARK5、ASK1、ASK2、AURKA、AURKB、AURKC、AXL、BIKE、BLK、BMPR1A、BMPR1B、BMPR2、BMX、BRAF、BRAF(V600E)、BRK、BRSK1、BRSK2、BTK、CAMK1、CAMK1D、CAMK1G、CAMK2A、CAMK2D、CAMK2G、CAMK4、CAMKK1、CAMKK2、CDC2L1、CDC2L2、CDK11、CDK2、CDK3、CDK5、CDK7、CDK8、CDK9、CDKL2、CDKL3、CDKL5、CHECK1、CHEK2、CIT、CLK1、CLK2、CLK3、CLK4、CSF1R、CSK、CSNK1A1L、CSNK1D、CSNK1E、CSNK1G1、CSNK1G3、CSNK2A1、CSNK2A2、CTK、DAPK1、DAPK2、DAPK3、DCAMKL1、DCAMKL2、DCAMKL3、DDR1、DDR2、DLK、DMPK、DMPK2、DRAK1、DRAK2、DYRK1A、DYRK1B、DYRK2、EGFR、EGFR(E746−A750DEL)、EGFR(G719C)、EGFR(G719S)、EGFR(L747−E749del、A750P)、EGFR(L747−S752del、P753S)、EGFR(L747−T751del、Sins)、EGFR(L858R)、EGFR(L858R、T790M)、EGFR(L861Q)、EGFR(S752−I759del)、EPHA1、EPHA2、EPHA3、EPHA4、EPHA5、EPHA6、EPHA7、EPHA8、EPHB1、EPHB2、EPHB3、EPHB4、EPHB6、ERBB2、ERBB3、ERBB4、ERK1、ERK2、ERK3、ERK4、ERK5、ERK8、ERN1、FAK、FER、FES、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR3(G697C)、FGFR4、FGR、FLT1、FLT3、FLT3(D835H)、FLT3(D835Y)、FLT3(ITD)、FLT3(K663Q)、FLT3(N841I)、FLT4、FRK、FYN、GAK、GCN2(Kin.Dom.2,S808G)、GRK1、GRK4、GRK7、GSK3A、GSK3B、HCK、HIPK1、HIPK2、HIPK3、HIPK4、HPK1、HUNK、ICK、IGF1R、IKK−ALPHA、IKK−BETA、IKK−EPSILON、INSR、INSRR、IRAK1、IRAK3、ITK、JAK1(JH1ドメイン−触媒的)、JAK1(JH2ドメイン−偽キナーゼ)、JAK2(JH1ドメイン−触媒的)、JAK3(JH1ドメイン−触媒的)、JNK1、JNK2、JNK3、KIT、KIT(D816V)、KIT(L576P)、KIT(V559D)、KIT(V559D、T670I)、KIT(V559D、V654A)、LATS1、LATS2、LCK、LIMK1、LIMK2、LKB1、LOK、LTK、LYN、LZK、MAK、MAP3K1、MAP2K15、MAP3K2、MAP3K3、MAP3K4、MAP4K2、MAP4K3、MAP4K5、MAPKAPK2、MAPKAPK5、MARK1、MARK2、MARK3、MARK4、MAST1、MEK1、MEK2、MEK3、MEK4、MEK6、MELK、MERTK、MET、MET(M1250T)、MET(Y1235D)、MINK、MKNK1、MKNK2、MLCK、MLK1、MLK2、MLK3、MRCKA、MRCKB、MST1、MST1R、MST2、MST3、MST4、MUSK、MYLK、MYLK2、MYO3A、MYO3B、NDR1、NDR2、NEK1、NEK2、NEK5、NEK6、NEK7、NEK9、NIM1、NLK、OSR1、p38−α、p38−β、p38−δ、p38−γ、PAK1、PAK2、PAK3、PAK4、PAK6、PAK7、PCTK1、PCTK2、PCTK3、PDGFRA、PDGFRB、PDPK1、PFTAIRE2、PFTK1、PHKG1、PHKG2、PIK3C2B、PIK3C2G、PIK3CA、PIK3CA(C420R)、PIK3CA(E542K)、PIK3CA(E545A)、PIK3CA(E545K)、PIK3CA(H1047L)、PIK3CA(H1047Y)、PIK3CA(M1043I)、PIK3CA(Q546K)、PIK3CB、PIK3CD、PIK3CG、PIK4CB、PIM1、PIM2、PIM3、PIP5K1A、PIP5K2B、PKAC−ALPHA、PKAC−BETA、PKMYT1、PKN1、PKN2、PLK1、PLK2、PLK3、PLK4、PRKCD、PRKCE、PRKCH、PRKCQ、PRKD1、PRKD3、PRKG1、PRKG2、PRKR、PRKX、PRP4、PYK2、QSK、RAF1、RET、RET(M918T)、RET(V804L)、RET(V804M)、RIOK1、RIOK2、RIOK3、RIPK1、RIPK2、RIPK4、ROCK1、ROCK2、ROS1、RPS6KA1(Kin.Dom.1−N−末端)、RPS6KA1(Kin.Dom.2−C−末端)、RPS6KA2(Kin.Dom.1−N−末端)、RPS6KA2(Kin.Dom.2−C−末端)、RPS6KA3(Kin.Dom.1−N−末端)、RPS6KA4(Kin.Dom.1−N−末端)、RPS6KA4(Kin.Dom.2−C−末端)、RPS6KA5(Kin.Dom.1−N−末端)、RPS6KA5(Kin.Dom.2−C−末端)、RPS6KA6(Kin.Dom.1−N−末端)、RPS6KA6(Kin.Dom.2−C−末端)、SBK1、SgK085、SgK110、SIK、SIK2、SLK、SNARK、SRC、SRMS、SRPK1、SRPK2、SRPK3、STK16、STK33、STK39、SYK、TAK1、TAO1、TAOK2、TAOK3、TBK1、TEC、TESK1、TGFBR1、TGFBR2、TIE1、TIE2、TLK1、TLK2、TNIK、TNK1、TNK2、TNNI3K、TRKA、TRKB、TRKC、TSSK1B、TTK、TXK、TYK2(JH1ドメイン−触媒的)、TYK2(JH2ドメイン−偽キナーゼ)、TYRO3、ULK1、ULK2、ULK3、VEGFR2、WEE1、WEE2、YANK2、YANK3、YES、YSK1、YSK4、ZAK及びZAP70から選ばれるタンパク質キナーゼの阻害剤として有用な化合物及び組成物を提供する。
【0146】
ある実施態様では、本発明は、MPS1、ERK5、BMK1、MAPK7、ポロキナーゼ1、2、3、又は4、Ack1、Ack2、Abl、DCAMKL1、ABL1、Abl突然変異体、DCAMKL2、ARK5、BRK、MKNK2、FGFR4、TNK1、PLK1、ULK2、PLK4、PRKD1、PRKD2、PRKD3、ROS1、RPS6KA6、TAOK1、TAOK3、TNK2、Bcr−Abl、GAK、cSrc、TPR−Met、Tie2、MET、FGFR3、Aurora、Axl、Bmx、BTK、c−kit、CHK2、Flt3、MST2、p70S6K、PDGFR、PKB、PKC、Raf、ROCK−H、Rsk1、SGK、TrkA、TrkB及びTrkCから選ばれるタンパク質キナーゼの阻害剤として有用な化合物及び組成物を提供する。
【0147】
タンパク質キナーゼの阻害剤として、本発明の化合物及び組成物は、病気、疾患、又は障害にタンパク質キナーゼが関わっている場合の、病気、疾患、又は障害の重症度を治療又は減少するために特に有用である。
一態様では、本発明は、病気、疾患、又は障害にタンパク質キナーゼが関わっている場合の、病気、疾患、又は障害の重症度を治療又は減少する方法を提供する。
別の態様では、本発明は、酵素活性の阻害が病気の治療に関わっている場合の、キナーゼの疾患、病気又は障害の重症度を治療又は減少する方法を提供する。
その他の態様では、本発明は、タンパク質キナーゼと結合して酵素活性を阻害する化合物を用いて、病気、疾患、又は障害の重症度を治療又は減少する方法を提供する。
その他の態様は、タンパク質キナーゼ阻害剤を用いてキナーゼの酵素活性を阻害することによって、キナーゼの疾患、病気又は障害の重症度を治療又は減少する方法を提供する。
【0148】
幾つかの実施態様では、当該方法は、自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性及び過剰増殖性疾患、免疫介在性疾患、骨疾患、代謝性疾患、神経−神経変性疾患、心臓血管疾患、ホルモン関連疾患、アレルギー、喘息及びアルツハイマー病から選ばれる疾患を治療又は予防するために用いられる。
別の実施態様では、当該疾患は増殖性疾患及び神経変性疾患から選ばれる。
【0149】
本発明の一態様は、過剰な又は異常な細胞増殖を特徴とする病気、疾患、及び障害の治療に有用である化合物を提供する。このような疾患は、増殖性又は過剰増殖性疾患、及び神経変性疾患を包含する。増殖性及び過剰増殖性疾患の例は、これに限定されないが、癌を包含する。用語「癌」は、これに限定されないが、以下の癌を包含する:乳房、卵巣、子宮頸部、前立腺;睾丸、尿生殖路;食道;喉頭、膠芽腫;神経芽細胞腫;胃;皮膚、角化棘細胞腫;肺、扁平上皮癌、大細胞癌、小細胞癌、肺腺癌;骨;結腸;結腸直腸;線腫;膵臓、腺癌;甲状腺、濾胞腺癌、未分化癌、乳頭癌;精上皮腫;黒色種;肉腫;膀胱癌;肝臓癌及び胆汁道;腎臓癌;骨髄疾患;リンパ疾患、ホジキン、毛様細胞;口腔及び咽頭(口腔)、口唇、舌、口、咽頭;小腸;結腸−直腸、大腸、直腸、脳及び中枢神経系;慢性骨髄性白血病(CML)、及び白血病。
用語「癌」は、これに限定されないが、以下の癌を包含する:骨髄腫、リンパ腫、又は胃、腎臓から選ばれる癌、及び/又は以下の癌:頭頸部、口腔咽頭、非小細胞肺癌(NSCLC)、子宮内膜、肝細胞癌、非ホジキンリンパ腫、及び肺。
【0150】
幾つかの実施態様では、本発明の化合物は、結腸直腸、甲状腺、乳房、及び肺癌などの癌;及び真正赤血球増加症、血小板血症、骨髄線維症を伴う骨髄様化生症、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄単球性白血病、好酸球増加症候群、若年性骨髄単球性白血病、及び全身性肥満細胞症などの骨髄増殖性疾患の治療に有用である。
【0151】
幾つかの実施態様では、本発明の化合物は、造血障害、特に、急性骨髄性白血病(AMLi)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性前骨髄球性白血病、及び急性リンパ性白血病(ALL)を治療するために有用である。
【0152】
神経変性疾患の例は、これに限定されないが、アルツハイマー病を包含する。
【0153】
本発明の別の態様は、化合物、又は化合物を含有する薬学的に許容される組成物の有効量をそれを必要としている対象に投与することを含有してなる、増殖性又は過剰増殖性の疾患又は神経変性疾患から選ばれる疾患の重症度を治療又は減少する方法を提供する。
【0154】
本発明は、キナーゼ関連疾患、特に、MPS1、ERK5、BMK1、MAPK7、ポロキナーゼ1、2、3、又は4、Ack1、Ack2、Abl、DCAMKL1、ABL1、Abl突然変異体、DCAMKL2、ARK5、BRK、MKNK2、FGFR4、TNK1、PLK1、ULK2、PLK4、PRKD1、PRKD2、PRKD3、ROS1、RPS6KA6、TAOK1、TAOK3、TNK2、Bcr−Abl、GAK、cSrc、TPR−Met、Tie2、MET、FGFR3、Aurora、Axl、Bmx、BTK、c−kit、CHK2、Flt3、MST2、p70S6K、PDGFR、PKB、PKC、Raf、ROCK−H、Rsk1、SGK、TrkA、TrkB及びTrkCキナーゼ関連疾患の治療のための、化合物、組成物及び方法を提供する。
【0155】
本発明の化合物は、キナーゼの活性を調節して、そのようなものとして、キナーゼが疾患の病状及び/又は兆候の原因となっている、疾患又は障害を治療するために有用である。
本明細書に記載されている化合物及び組成物によって阻害され、そしてそれに対して本明細書に記載されている方法が有用である、キナーゼの例は、これに限定されないが、MPS1、ERK5、BMK1、MAPK7、ポロキナーゼ1、2、3、又は4、Ack1、Ack2、Abl、DCAMKL1、ABL1、Abl突然変異体、DCAMKL2、ARK5、BRK、MKNK2、FGFR4、TNK1、PLK1、ULK2、PLK4、PRKD1、PRKD2、PRKD3、ROS1、RPS6KA6、TAOK1、TAOK3、TNK2、Bcr−Abl、GAK、cSrc、TPR−Met、Tie2、MET、FGFR3、Aurora、Axl、Bmx、BTK、c−kit、CHK2、Flt3、MST2、p70S6K、PDGFR、PKB、PKC、Raf、ROCK−H、Rsk1、SGK、TrkA、TrkB及びTrkCキナーゼを包含する。
【0156】
タンパク質キナーゼの阻害剤として、本発明の化合物及び組成物は生体試料にも有用である。本発明の一態様は、生体試料においてタンパク質キナーゼ活性を阻害することに関していて、その方法は、当該生体試料を本発明の化合物又は当該化合物を含有している組成物と接触させることを含んでいる。
本明細書で用いられる用語「生体試料」は、これに限定されないが、細胞培養物又はその抽出物;哺乳動物から得られた生検物質又はその抽出物;及び血液、唾液、尿、糞便、精液、涙液又はその他の体液又はその抽出物を包含する、インビトロ又はエクスビボのサンプルを意味する。生体試料におけるタンパク質キナーゼ活性の阻害は、当業者に公知である多種の目的に対して有用である。このような目的の例は、これに限定されないが、輸血、臓器移植、及び生物試料の保管を包含する。
【0157】
本発明の別の態様は、生物学的及び病理学的な事象におけるタンパク質キナーゼの検討;このようなタンパク質キナーゼに介在される細胞内信号伝達経路の検討;及び新規なタンパク質キナーゼ阻害剤の比較評価;に関している。このような使用の例は、これに限定されないが、酵素アッセイ及び細胞に基づいたアッセイなどの生物学的アッセイを包含する。
【0158】
タンパク質キナーゼ阻害剤としての化合物の活性は、インビトロ、インビボ又は細胞株においてアッセイできる。インビトロアッセイは、キナーゼ活性又は活性化キナーゼのATPアーゼ活性の何れかの阻害を確認するアッセイを包含する。或いは、インビトロアッセイは、阻害剤のタンパク質キナーゼに結合する能力を定量する。これは、阻害剤を結合前に放射標識し、阻害剤/キナーゼ複合体を単離して、結合した放射標識の量を測定することによるか、或いは新規な阻害剤を公知の放射性リガンドと結合しているキナーゼと共に培養するような競合実験を行うことの何れかによって測定できる。多種のキナーゼの阻害剤として本発明で用いられる化合物をアッセイするための詳細な条件は、下記の実施例に記載されている。
【0159】
前記に従い、本発明は更に、そのような治療を必要としている対象における、上記の病気又は疾患を予防又は治療する方法を提供し、この方法は、当該対象に本発明の化合物又はそれらの薬学的に許容される塩の治療有効量を投与することを含有している。上記使用の何れに対しても、その必要用量は、投与方法、治療される特定の症状及び望まれる効果によって変化するだろう。
【0160】
医薬組成物
別の態様では、本発明は、式Aの化合物、又はそれらの薬学的に許容されるエステル、塩、又はプロドラッグを、薬学的に許容される担体と共に含有している医薬組成物を提供する。
【0161】
本発明の化合物は、医薬組成物として、何れかの通常の経路で、特に経腸的に、例えば、経口で、例えば、錠剤又はカプセルの形態で、或いは非経口的に、例えば、注射溶液又は懸濁液の形態で、局所的に、例えば、ローション、ゲル、軟膏又はクリームの形態で、或いは経鼻的に又は坐薬形態で、投与することができる。遊離の形態又は薬学的に許容される塩の形態の本発明の化合物を少なくとも1つの薬学的に許容される担体又は希釈剤と共に含有している医薬組成物は、混合、顆粒又はコーティングの方法により従来通りに製造することができる。
例えば、経口用組成物は、活性成分をa)希釈剤、例えば、乳糖、ブドウ糖、蔗糖、マンニトール、ソルビトール、セルロース及び/又はグリシン;b)滑沢剤、例えば、シリカ、タルカン、ステアリン酸、そのマグネシウム又はカルシウム塩及び/又はポリエチレングリコール;錠剤にはc)結合剤、例えば、ケイ酸アルミニウム・マグネシウム、澱粉糊、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース・ナトリウム及び/又はポリビニルピロリドンも;所望によりd)崩壊剤、例えば、澱粉、寒天、アルギン酸又はそのナトリウム塩、又は発泡性混合物;及び/又はe)吸収剤、着色剤、着香剤及び甘味剤と共に含有している、錠剤又はゼラチンカプセルであってよい。
注射用組成物は、水性等張溶液又は懸濁液であってよく、そして坐薬は、脂肪乳剤又は懸濁液から調製できる。組成物は滅菌することができ、そして/又は保存剤、安定化剤、湿潤又は乳化剤、溶解促進剤、浸透圧を調節する塩及び/又は緩衝剤などの補助剤を含有することができる。さらに、これらはその他の治療に役立つ物質も含有することができる。
経皮投与に適している製剤は、本発明の化合物の有効量を担体と共に含有する。担体は、宿主の皮膚を介する浸透を補助する吸収性の薬学的に許容される溶媒を含有できる。
【0162】
例えば、経皮用のデバイスは、裏打ち材、随意に担体と共に化合物を含有する貯留層、宿主の皮膚へ長期間に渡って制御された所定の速度で化合物を送達する速度制御バリアーを随意に、そしてデバイスを皮膚に固定する手段を含有している包帯の形態にある。マトリクス経皮用製剤を用いることもできる。
局所投与、例えば皮膚及び目への投与に適している製剤は、当該技術分野で周知である、水溶液、軟膏、クリーム又はゲルが好ましい。このようなものは、可溶化剤、安定化剤、等張化増強剤、緩衝剤及び保存剤を含有できる。
【0163】
本発明の化合物は、治療有効量で、1つ又はそれ以上の治療薬剤と組み合わせて(併用して)投与することができる。例えば、別の免疫調節又は抗炎症物質を用いて相乗効果を生じることができる。例えば、シクロスポリン、ラパマイシン、又はアスコマイシン、又はこれらの免疫抑制類縁体、例えば、シクロスポリンA(CsA)、シクロスポリンG、FK−506、ラパマイシン、又は同等化合物、コルチコステロイド、シクロホスファミド、アザチオプリン、メトトレキセート、ブレキナル、レフルノミド、ミゾリビン、ミコフェノール酸、ミコフェノール酸モフェチル、15−デオキシスペルグアリン、免疫抑制抗体、特に白血球受容体に対するモノクローナル抗体、例えば、MHC、CD2、CD3、CD4、CD7、CD25、CD28、B7、CD45、CD58又はそれらのリガンド、又はその他の免疫調節化合物、例えばCTLA41gと併用する場合。
本発明の化合物を他の治療剤と併用して投与する場合、併用投与する化合物の用量は勿論、用いられる併用薬のタイプによって、用いられる特定の薬剤によって、治療される症状等によって変化するだろう。
【0164】
本発明の医薬組成物は、1つ又はそれ以上の薬学的に許容される担体と共に製剤化された本発明の化合物の治療有効量を含有している。
本明細書で用いられる用語「薬学的に許容される担体」は、非毒性で不活性な、固体、半固体又は液体の、充填剤、希釈剤、封入剤又は何れかのタイプの製剤補助剤を意味する。
本発明の医薬組成物は、ヒト及びその他の動物に、経口で、直腸内に、非経口で、嚢内に、膣内に、腹腔内に、局所に(粉末、軟膏、又は滴下で)、口腔に、又は経口或いは経鼻スプレーとして投与することができる。
【0165】
経口投与用の液体剤形は、薬学的に許容されるエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ及びエリキシルを包含する。活性化合物に加えて、液体の剤形は、例えば、水或いははその他の溶媒、可溶化剤及びエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油類(特に、綿実、ラッカセイ、トウモロコシ、胚芽、オリーブ、キャスター、及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール類及びソルビタンの脂肪酸エステルなどの乳化剤、及びこれらの混合物のような、当該技術分野で従来用いられている不活性希釈剤を含有することができる。不活性希釈剤に加えて、経口用組成物は、湿潤剤、乳化及び懸濁剤、甘味剤、着香剤、及び芳香剤などの補助剤も含有することができる。
【0166】
注射製剤、例えば、滅菌注射用水性液又は油性懸濁液は、適切な分散又は湿潤剤及び懸濁化剤を用いて公知技術に従って製剤化できる。滅菌注射用製剤は、非毒性で注射用に許容される希釈剤又は溶媒中の滅菌注射用溶液、懸濁液、又はエマルジョン、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液であってよい。使用してもよい許容される賦形剤及び溶媒には、水、リンゲル溶液、U.S.P.及び等張塩化ナトリウム溶液がある。更に、滅菌、固定油は溶媒又は懸濁化媒体として一般に用いられている。この目的のために、合成モノ−又はジグリセリドを包含する、あらゆる無刺激性の固定油を用いることができる。また、オレイン酸などの脂肪酸を注射剤の調製に使用することができる。
【0167】
薬剤の効果を長期化するために、皮下又は筋肉内注射からの薬剤の吸収を遅くすることが望ましい場合が多い。これは、難水溶性の結晶又は非晶質物質の液体懸濁液を用いて達成できる。その際、薬剤の吸収速度はその解離速度によって決まり、これは今度は、結晶サイズ及び結晶形によって決まる。あるいは、非経口で投与された薬剤形態の遅延吸収は、薬剤を油性賦形剤に溶解又は懸濁することによって達成される。
【0168】
直腸又は膣内投与するための組成物は、本発明の化合物を、常温では固体であるが体温では液体であるので直腸又は膣腔内で溶解して活性化合物を放出する、ココアバター、ポリエチレングリコール又は坐薬用ワックスなどの適切な非刺激性賦形剤又は担体と混合することにより調製できる坐薬が好ましい。
【0169】
同じタイプの固形組成物は、ラクトース又は乳糖、更に高分子量のポリエチレングリコール等のような賦形剤を用いる、軟及び硬ゼラチンカプセルに充填剤としても用いることができる。
【0170】
活性化合物は、上記のような1つ又はそれ以上の賦形剤と共にマイクロカプセル化形態にすることもできる。錠剤、糖衣錠、カプセル、ピル、及び顆粒の固体剤形は、腸溶性コーティング、放出制御コーティング及び医薬製剤技術分野において周知のその他のコーティングなどのコーティング及びシェルを用いて調製することができる。このような固体剤形では、活性化合物は、蔗糖、乳糖又は澱粉などの少なくとも1つの不活性充填剤と混合することができる。このような剤形は、通常実施するように、不活性充填剤以外の追加の物質、例えば、錠剤用滑沢剤、及びステアリン酸マグネシウム及び微結晶性セルロースなどのその他の錠剤化助剤も含有することができる。カプセル、錠剤及びピルの場合は、剤形は緩衝剤を含有することもできる。
【0171】
本発明の化合物の局所又は経皮投与のための剤形は、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、スプレー、吸入剤又はパッチを包含する。活性成分は滅菌条件下で薬学的に許容される担体及び必要な保存剤又は必要に応じて緩衝剤と混合する。
眼科用製剤、点耳薬、眼軟膏、粉末及び溶液も本発明の範囲内にあることが意図されている。
【0172】
軟膏、ペースト、クリーム及びゲルは、本発明の活性化合物に加えて、動物性及び植物性の脂肪、油、ワックス、パラフィン、澱粉、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイト、ケイ酸、タルク及び酸化亜鉛、又はこれらの組み合わせなどの賦形剤を含有してもよい。
【0173】
粉末及びスプレーは、本発明の化合物に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム及びポリアミド粉末、又はこれらの物質の混合物などの賦形剤を含有してもよい。スプレーは更に、クロロフルオロ炭化水素などの、通常の高圧ガスを含有してもよい。
【0174】
経皮パッチは、化合物の身体への制御された送達をもたらす更なる利点を有している。このような剤形は、化合物を適切な媒体に溶解又は懸濁させて作成することができる。吸収促進剤も皮膚を通る化合物の流動を増大するために用いることができる。速度制御膜を備えるか、或いは化合物をポリマーマトリックス又はゲルに分散させるかして、速度を制御することができる。
【0175】
本発明の治療方法に従って、対象に本発明の化合物の治療有効量を、所定の結果をもたらすのに必要な量及びそのような期間、投与することによって、ヒト又はその他の動物などの、対象において、疾患を治療又は予防する。
本明細書で用いられる用語、本発明の化合物の「治療有効量」は、対象における疾患の症状を減少するために十分な化合物の量を意味する。医学の分野で十分に理解されているように、本発明化合物の治療有効量は何れの薬物療法にも適用可能な妥当な便益/リスクの比にあるだろう。
【0176】
一般に、本発明の化合物は、単独であるいは1つ又はそれ以上の他の治療薬剤と併用して、当該技術分野で公知の通常の、そして許容される方法によって、治療有効量を投与されるだろう。治療有効量は、疾患の重症度、対象の年齢及び相対的な健康、用いられる化合物の有効性、及びその他の因子によって大きく変化してよい。一般に、1日当たり約0.03〜2.5mg/体重kgの用量で満足な結果が全身に得られることが示されている。より大きい哺乳動物、例えばヒトにおける示される1日用量は、約0.5mg〜約100mgの範囲で、例えば、1日に4回までの分割用量で又は遅延形態で都合良く投与される。経口投与用の適切な単位剤形は約1〜50mgの活性成分を含有している。
【0177】
ある特定の実施態様では、本発明化合物の治療量又は用量は、約0.1mg/Kg〜約500mg/Kg、あるいは約1〜約50mg/Kgの範囲でよい。一般に、本発明による治療レジメンは、1日当たり、本発明化合物(複数も)の約10mg〜約1000mgを単一又は複数用量で、このような治療を必要としている患者に投与することを含有している。治療量又は用量は、投与経路によって、更には併用する他の薬剤の可能性によっても変化するだろう。
【0178】
対象の状態が改善されると、必要により、本発明の化合物、組成物又は組合せの維持用量を投与することができる。その後、用量又は投与頻度、或いは両方を、症状に応じて、改善された状態が維持されるレベルまで減少でき、症状が所望のレベルまで軽減されたら、治療を中止すべきである。しかしながら、対象は、何れかの病状の再発に基づいて長期に渡る間欠治療が必要であってよい。
【0179】
しかし、当然のことながら、本発明の化合物及び組成物の1日の総使用量は、主治医によって正しい医学判断の範囲内で決定されるべきである。あらゆる特定の患者に対する特定の阻害用量は、治療する疾患及び疾患の重症度;用いる特定化合物の活性;用いる特定組成物;患者の年齢、体重、一般的な健康状態、性別及び食生活;用いる特定化合物の投与時間、投与経路、及び排泄速度;治療期間;用いる特定化合物と組合せて又は同時に存在して使用される薬剤;及び医薬分野において周知の同様な因子によって決まるだろう。
【0180】
本発明は、a)遊離の形態又は薬学的に許容される塩の形態にある、本明細書に開示されている本発明の化合物である、第1薬剤、及びb)少なくとも1つの併用薬剤を含有してなる、医薬コンビネーション、例えば、キットも提供する。キットはその投与に関する使用説明書を含有することができる。
【0181】
本明細書で用いられるような用語「同時投与」又は「併用投与」等は、選択された治療薬剤を単一の患者に投与することを包含することを示していて、及びその薬剤を必ずしも同じ投与経路で或いは同時に投与する必要はないような治療レジメンを包含するように意図されている。
【0182】
本明細書で用いられる用語「医薬コンビネーション」は、1つ以上の活性成分を混合又は組合せて生じる産物を意味して、活性成分の固定及び非固定コンビネーションの両方を包含する。用語「固定コンビネーション」は、活性成分、例えば、本発明化合物及び併用薬剤、の両方を患者に単一体又は単一用量の形態で同時に投与することを意味する。用語「非固定コンビネーション」は、活性成分、例えば、本発明化合物及び併用薬剤、の両方を患者に別個の形態として、同時に、並行して、又は特定の時間制限なしで連続して、投与することを意味して、このような投与は患者の体内で2つの化合物の治療効果的なレベルをもたらす。後者はカクテル療法、例えば、3つ又はそれ以上の活性成分の投与、にも適用される。
【0183】
ある特定の実施態様では、これらの組成物は更に、1つ又はそれ以上の追加の治療薬剤を含有していてもよい。例えば、増殖性疾患及び癌を治療するために、化学療法剤又はその他の抗増殖性の薬剤を本発明の化合物と併用することができる。公知の化学療法剤の例は、これに限定されないが、Gleevec(登録商標)、アドリアマイシン、デキサメタゾン、ビンクリスチン、シクロホスファミド、フルオロウラシル、トポテカン、タクソール、インターフェロン、及び白金誘導体を包含する。
【0184】
本発明の化合物と併用できる薬剤のその他の例は、これに限定されないが、Aricept18及びExcelon(R)などのアルツハイマー病の治療薬;L−DOPA/カルビドバ(carbidopa)、エンタカポン(entacapone)、ロピニロール(ropinirole)、プラミペクソール(pramipexole)、ブロモクリプチン(bromocriptine)、ペルゴリド(pergolide)、トリヘキシフェンジル(trihexyphendyl)、及びアマンタジンなどのパーキンソン病治療薬;βインターフェロン(例えば、Avonex(R)及びRebif(R))、Copaxone(R)、及びミトキサントロン(mitoxantorone)などの多発性硬化症(MS)の治療薬;アルブテロール及びSingulair(R)などの喘息治療薬;ジプレキサ、リスパダール(risperdal)、セロクエル、及びハロペリドールなどの総合失調症の治療薬;コルチコステロイド、TNF遮断薬、IL−IRA、アザチオプリン、シクロホスファミド及びスルファサラジンなどの抗炎症剤;シクロスポリン、タクロリムス、ラパマイシン、ミコフェノール酸モフェチル、インターフェロン、コルチコステロイド、シクロホスファミド、アザチオプリン、及びスルファサラジンなどの免疫調節及び免疫抑制剤;アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、MAO阻害剤、インターフェロン、抗痙攣剤、イオン・チャネル遮断剤、リルゾール(riluzole)、及び抗パーキンソン病薬などの神経栄養因子;β遮断薬、ACE阻害剤、利尿剤、硝酸塩、カルシウムチャンネル遮断薬、及びスタチン類などの心臓血管疾患の治療薬;コルチコステロイド、コレスチラミン、インターフェロン、及び抗ウィルス剤などの肝臓疾患の治療薬;コルチコステロイド、抗白血病薬、及び成長因子などの血液疾患の治療薬;及びガンマグロブリンなどの免疫不全疾患の治療薬を包含する。
【0185】
薬学的に許容される担体として働く物質の幾つかの例は、これに限定されないが、イオン交換体;アルミナ;ステアリン酸アルミニウム;レクチン;ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質;リン酸塩、グリシン、ソルビン酸、又はソルビン酸カリウムなどの緩衝物質;飽和植物脂肪酸の部分的グリセリド混合物;水;硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩などの塩又は電解質;コロイド状シリカ;三ケイ酸マグネシウム;ポリビニルピロリドン;ポリアクリル酸塩;ワックス;ポリエチレン−ポリオキシプロピレンブロック重合体;羊毛脂;乳糖、ブドウ糖及び蔗糖などの糖類;トウモロコシ澱粉及び馬鈴薯澱粉などの澱粉類;カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロースなどのセルロース及びその誘導体;粉末化トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;ココアバター及び坐薬用ワックスなどの賦形剤;落花生油及び綿実油、サフラワー油、ごま油、オリーブ油、トウモロコシ油及び大豆油などの油類;プロピレングリコール又はポリエチレングリコールなどのグリコール類;オレイン酸エチル及びラウリン酸エチルなどのエステル類;寒天;水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;アルギン酸;発熱物質が含まれていない水(パイロジェンフリー水);等張食塩液;リンゲル溶液;エチルアルコール、及びリン酸緩衝溶液を包含し、更にラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムなどのその他の非性毒性適合性の滑沢剤、更に着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、着香剤及び芳香剤、保存剤、抗酸化剤も、製剤者の判断に従って、組成物中に存在させることができる。
【0186】
タンパク質キナーゼ阻害剤又はそれらの薬学的塩は、動物又はヒトへ投与するための医薬組成物中に製剤化することができる。タンパク質キナーゼが介在する疾患を治療又は予防するのに有効なタンパク質阻害剤の量及び薬学的に許容される担体を含有している、これらの医薬組成物は、本発明のまた別の実施態様である。
【0187】
別の態様では、本発明は、式Aの1つ又はそれ以上の化合物から選ばれたキナーゼ活性を阻害できる化合物、及び癌を治療に使用するための説明書を含有しているキットを提供する。
【実施例】
【0188】
本発明の化合物及び製造方法は、以下の実施例に関連させてより良く理解できるだろう。これらは説明することのみを意図していて、本発明の範囲を限定するものではない。開示されている実施態様に対する多様な変更及び修正は当業者に明らかであって、このような変更及び修正は、これに限定されないが、本発明の化学構造、置換基、誘導体、製剤及び/又は方法に関するものを包含していて、本発明の精神及び添付されている特許請求の範囲から逸脱することなく行うことができる。
【0189】
実施例1:式Iの化合物の合成
【0190】
【化17】

【0191】
3−(シクロペンチルアミノ)プロピオン酸メチル(6.0g、35.0ミリモル)及び炭酸カリウム(7.3g、52.6ミリモル)のアセトン(150mL)溶液を撹拌して、これに0℃で2,4−ジクロロ−5−ニトロピリミジン(6.8g、35.0ミリモル、50mLのアセトンに溶解して)をゆっくり加えた。反応混合物を撹拌して12〜16時間をかけて室温に近づけた。逆相分析用液体クロマトグラフィーエレクトロスプレー質量分析(LC−MS)でモニタリングして反応を終結させた後、溶媒を真空下で除去した。次いで、得られたスラリーを水及び食塩水で希釈してジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して濃縮した。残渣を、ジクロロメタン:メタノル(100:1、v/v)を用いるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、標題化合物I−1−a(8.0g、収率69%)を得た。
MS(ESI)m/z:329(M+H)
【0192】
酢酸(200mL)中の化合物I−1−a(7.2g、21.9ミリモル)及び鉄粉(iron power)(2.5g、43.8ミリモル)の混合物を50℃で加熱した。LC−MSでモニタリングして反応を終結させた後、溶媒を真空下で除去した。次いで、残渣をジクロロメタン:メタノール(20:1、v/v)を用いるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、標題化合物I−1−b(2.5g、収率42%)を得た。
MS(ESI)m/z:267(M+H)
【0193】
化合物I−1−b(276mg、1.0ミリモル)及びMeI(71μL、1.1ミリモル)のジメチルアセトアミド(DMA)(10mL)溶液を撹拌して、これに−10℃で、NaH(50mg、鉱油中の60%懸濁液)を加えて、反応液を徐々に0℃まで温めた。LC−MSでモニタリングして反応を終結させた後、溶液を氷水に注下して酢酸エチルで抽出した。合せた有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、真空下で濃縮した。残渣をジクロロメタン:メタノール(50:1、v/v)を用いるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、標題化合物I−1−c(252mg、収率90%)を得た。
MS(ESI)m/z:281(M+H)
【0194】
t−BuOH(1.5mL)中の、I−1−c(26mg、0.09ミリモル)、1−(6−アミノピリジン−3−イル)ピペリジン−4−オール(22mg、0.12ミリモル)、X−Phos(4.0mg)Pd(dba)(5.0mg)及びKCO(38.4mg、0.28ミリモル)の混合物を封管中で8時間100℃で加熱した。次いで、反応液をセライトでろ過し、ジクロロメタンで溶出して、真空下で濃縮した。次いで、残渣を水(0.05%のTFA)/アセトニトリル(0.05%のTFA)の濃度勾配を用いる逆相分取HPLCで精製して、標題化合物I−1をTFA塩として得た(37mg、収率70%)。
【0195】
H NMR(600MHz、DMSO−d)δ:9.00(s、br、1H)、8.03(s、1H)、7.97(d、J= 9.02Hz、1H)、7.94(d、J=2.95Hz、1H)、7.38(dd、J=9.09、2.87Hz、1H)、4.77(p、J=8.34、8.34、8.32、8.32Hz、1H)、4.67(d、J=4.20Hz、1H)、3.63〜3.58(m、3H)、3.44(td、J=9.91、4.15、4.15Hz、2H)、3.16(s、3H)、2.79(ddd、J=12.57、10.08、2.89Hz、2H)、2.58〜2.55(m、2H)、1.97〜1.89(m、2H)、1.86〜1.80(m、2H)、1.73〜1.64(m、2H)、1.62〜1.55(m、4H)、1.53〜1.46(m、2H)。
MS(ESI)m/z:438 (M+H)
【0196】
化合物(I−2〜I−40)を上記の手順を用いて合成した。
I−20:H NMR(400MHz、CDCl)δ:1.57〜2.01(m、6H)、2.10〜2.30(m、2H)、2.41(t、J=12Hz、2H)、3.10〜3.20(m、3H)、3.34(s、3H)、3.93〜3.97(m、2H)、4.63(t、J=8Hz、2H)、7.73(s、1H)、7.77〜7.80(m、1H)、8.14(s、1H)、8.36(d、J=8Hz、1H)、8.48(d、J=12Hz、1H)、8.60(d、J=8Hz、1H)、9.13(d、J=8Hz、1H)、12.36(bs、1H)。
【0197】
I−21:H NMR(400MHz、DMSO)δ:1.00〜1.10(m、4H)、1.20〜1.25(m、2H)、1.30〜1.56(m、7H)、1.90〜2.00(m、3H)、2.90〜3.00(m、1H)、3.16(s、3H)、7.48〜7.50(m、1H)、7.65〜7.73(m、2H)、7.82(d、J=8Hz、1H)、8.18(s、1H)、8.40(d、J=8Hz、1H)、8.88(bs、1H)、9.35(s、1H)。
【0198】
I−22:H NMR(400MHz、CDCl)δ:1.43〜1.49(m、4H)、1.57〜1.66(m、4H)、1.76〜1.90(m、4H)、2.10〜2.20(m、2H)、2.34(t、J=12Hz、2H)、2.60〜2.80(m、2H)、2.85(s、3H)、3.08〜3.10(m、2H)、3.29(s、3H)、3.49(s、1H)、3.50〜3.60(m、2H)、3.85〜3.87(m、1H)、3.90、(s、3H)、4.11〜4.16(m、1H)、6.98(d、J=8Hz、1H)、7.04(s、1H)、7.72〜7.75(m、2H)、10.41(bs、1H)。
【0199】
I−23:H NMR(400MHz、CDOD)δ:1.53〜1.67(m、8H)、1.75〜1.79(m、2H)、1.87〜1.96(m、4H)、2.17−2.21(m、2H)、3.10〜3.20(m、1H)、3.30(s、3H)、3.97(s、3H)、4.02〜4.06(m、1H)、7.67〜7.69(m、2H)、7.99〜8.01(m、1H)、8.05(s、1H)。
【0200】
I−24:H NMR(400MHz、CDCl)δ:1.59〜1.98(m、11H)、2.10〜2.20(m、2H)、2.36(t、J=12Hz、1H)、3.09〜3.15(m、1H)、3.29(s、3H)、3.89〜3.92(m、1H)、4.50〜4.60(m、1H)、6.00(bs、2H)、7.65(s、1H)、7.69(d、J=8Hz、2H)、7.80(d、J=8Hz、2H)、11.7(bs、1H)。
【0201】
I−26:H NMR(400MHz、CDCl)δ:1.51〜2.13(m、14H)、2.95〜3.01(m、1H)、3.24(s、3H)、3.50〜3.58 (m、2H)、3.81〜3.84(m、2H)、3.89〜4.03(m、2H)、5.23(bs、1H)、5.30(bs、1H)、7.87(s、1H)。
【0202】
I−27:H NMR(400MHz、CDCl)δ:1.15〜1.25(m、1H)、1.43〜1.67(m、7H)、1.77〜1.91(m、4H)、2.10〜2.20(m、1H)、2.36(t、J=12Hz、1H)、3.10〜3.11(m、1H)、3.29(s、3H)、3.83〜3.89(m、1H)、3.92(s、3H)、4.16〜4.21(m、1H)、7.30(d、J=8Hz、1H)、7.73(s、1H)、7.46(s、1H)、7.71(d、J=8Hz、1H)、10.37(bs、1H)。
【0203】
I−30:H NMR(400MHz、CDCl)δ:0.86〜0.88(m、1H)、1.25〜1.29(m、3H)、1.54〜1.70(m、7H)、1.81〜1.99(m、10H)、2.17〜2.22(m、3H)、2.36(t、J=12Hz、3H)、3.10(m、1H)、3.27(s、3H)、3.85〜3.91(m、1H)、4.30〜4.34(m、1H)、5.30(s、1H)、7.48(s、1H)。
【0204】
I−34:H NMR(400MHz、CDCl)δ:1.19〜1.27(m、4H)、1.50〜1.92(m、8H)、2.10〜2.17(m、1H)、2.30〜2.40(m、1H)、2.88(s、3H)、3.08〜3.10(m、3H)、3.26(s、3H)、3.32〜3.44(m、2H)、3.59〜3.75(m、4H)、3.81(s、3H)、3.88〜3.92(m、2H)、6.47(s、1H)、6.48(d、J=12Hz、1H)、7.31(d、1H)、7.60(s、1H)、10.51(bs 1H)。
【0205】
I−35:H NMR(400MHz、CDCl)δ:1.39〜1.44(m、4H)、1.56〜1.92(m、7H)、2.10〜2.20(m、1H)、2.37( t、J=12Hz、1H)、3.04(d、J=4Hz、3H)、3.10(t、J=4Hz、1H)、3.29(s、3H)、3.82〜3.84(m、1H)、3.91(s、3H)、4.12〜4.19(m、1H)、6.26(bs、1H)、7.25(d、J=8Hz、1H)、7.43(s、1H)、7.62(d、J=8Hz、1H)、7.71(s、1H)、10.47(bs、1H)。
【0206】
I−37:H NMR(400MHz、CDCl)δ:1.50〜1.70(m、6H)、1.80〜2.01(m、6H)、2.10〜2.30(m、1H)、2.39(t、J=12Hz、1H)、2.90(s、3H)、2.20〜2.30(m、1H)、3.39(s、3H)、3.90〜4.00(m、1H)、4.30〜4.50(m、1H)、7.40(bs、2H)、7.78(d、J=8Hz、1H)、7.82(s、1H)、8.10(d、J=8Hz、1H)、8.70(s、1H)。
【0207】
実施例2:式IIの化合物の合成
【0208】
【化18】

【0209】
(S)−2−(ピロリジン−2−イル)酢酸メチル塩酸塩(467mg、2.6ミリモル)及びDIEA(1.36mL、7.8ミリモル)の2−PrOH(12mL)溶液を撹拌して、これに2,4−ジクロロ−5−ニトロピリミジン(756.5mg、3.9ミリモル)を室温で一度に加えた。次いで、反応液を室温で撹拌した。LC−MSでモニタリングして反応を終結させた後、得られた混合物を酢酸エチルで希釈して水及び食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して真空下で濃縮した。残渣を酢酸エチル及びヘキサン(1/10、v/v)を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、標題化合物II−1−a(391mg、収率50%)を得た。
MS(ESI)m/z:301(M+H)
【0210】
酢酸(18mL)中の化合物II−1−a(390mg、1.3ミリモル)及び鉄粉(728mg、13.0ミリモル)の混合物を50℃で加熱した。反応終結後に混合物を真空下で濃縮した。次いで、残渣を、メタノール及びジクロロメタン(1/25、v/v)を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、標題化合物II−1−b(212mg、収率68%)を得た。
MS(ESI)m/z:239(M+H)
【0211】
化合物II−1−b(95mg、0.4ミリモル)及びMeI(37μL、0.6ミリモル)のジメチルアセトアミド(DMA、4.0mL)溶液を撹拌して、これに−10℃でNaH(32mg、60%鉱油懸濁液)を加えて、反応液を徐々に0℃まで温めた。LC−MSでモニタリングして反応を終結させた後、溶液を氷水に注下して、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を真空下で除去して、粗製の生成物II−1−cを更に精製せずに次の工程で用いた。
MS(ESI)m/z:253(M+H)
【0212】
t−BuOH(1.5mL)中の、II−1−c(30mg、0.12ミリモル)、2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンゼンアミン(26.5mg、0.12ミリモル)、X−Phos(5.1mg)、Pd(dba)(6.6mg)及びKCO(49.8mg、0.36ミリモル)の混合物を封管中で100℃で4時間加熱した。次いで、反応液をセライトでろ過してジクロロメタンで溶出した。溶媒を真空下で除去して、残渣を、水(0.05%のTFA)/アセトニトリル(0.05%のTFA)の濃度勾配を用いる逆相分取HPLCで精製して、標題化合物をTFA塩として得た(19mg)。
【0213】
H NMR(600MHz、CDOD)δ:7.76(s、1H)、7.62、(s、br、1H)、6.77(d、J=2.4Hz、1H)、6.67(dd、J=2.4、8.4Hz、1H)、4.08〜4.06(m、1H)、3.95〜3.85(m、6H)、3.77(dd、J=8.4、12.6Hz、1H)、3.65〜3.60(m、2H)、3.40〜3.25(m、5H)、3.15〜3.05(m、2H)、2.98(s、3H)、2.90(dd、J=10.8、14.4Hz、1H)、2.75(d、J=15Hz、1H)、2.31〜2.27(m、1H)、2.09〜2.06(m、1H)、1.98〜1.93(m、1H)、1.75〜1.72(m、1H)。
MS(ESI)m/z:438(M+H)
【0214】
化合物(II−2〜II−7)を上記の手順を用いて合成した。
【0215】
実施例3:式IIIの化合物の合成
【0216】
【化19】

【0217】
ジオキサン(40mL)中の、3−(フェニルアミノ)プロピオン酸メチル(1.42g、7.93ミリモル)、DIEA(2.76mL、15.86ミリモル)及び2,4−ジクロロ−5−ニトロピリミジン(2.30g、11.90ミリモル)の混合物を50℃で1時間加熱した。TLCでモニタリングして反応を終結させた後、反応溶液を真空下で濃縮して、残渣を、酢酸エチル及びヘキサン(1/20、v/v)を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、標題化合物III−1−a(2.5g、収率91%)を得た。
MS(ESI)m/z:337(M+H)
【0218】
酢酸(100mL)中の、化合物III−1−a(2.5g、7.4ミリモル)及び鉄粉(4.16g、74.0ミリモル)の混合物を50℃で12時間加熱した。LC−MSでモニタリングして反応を終結させた後、混合物を真空下で濃縮した。次いで、残渣を氷水に注下すると固体が沈殿した。沈殿物を濾過し、水で洗浄して、風乾すると、標題化合物III−1−b(1.75g、収率86%)を得た。
MS(ESI)m/z:275(M+H)
【0219】
化合物III−1−b(549.4mg、2.0ミリモル)及びMeI(0.19mL、3.0ミリモル)のジメチルアセトアミド(25.0mL)懸濁液を撹拌して、そこにNaH(240mg、60%の鉱油懸濁液)を−10℃で加えて、反応液を徐々に0℃まで温めた。反応が終結した後、溶液を氷水に注下して酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濃縮して、粗生成物III−1−cを更に精製せずに次の工程で用いた。
MS(ESI)m/z:289(M+H)
【0220】
t−BuOH(1.2mL)中の、III−1−c(29mg、0.1ミリモル)、2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンゼンアミン(22mg、0.1ミリモル)、X−Phos(4.3mg)、Pd(dba)(5.5mg)及びKCO(41.5mg、0.3ミリモル)の混合物を封管中で4時間100℃で加熱した。次いで、反応液をセライトでろ過してジクロロメタンで溶出した。濃縮して、残渣を水(0.05%のTFA)/アセトニトリル(0.05%のTFA)の濃度勾配を用いる逆相分取HPLCで精製して、標題化合物III−1をTFA塩として得た(14mg)。
【0221】
H NMR(600MHz、CDOD)δ:8.03(s、br、1H)、7.56〜7.53(m、2H)、7.50〜7.47(m、1H)、7.36、(d、J=7.2Hz、2H)、6.94(d、J=8.4Hz、1H)、6.62(s、1H)、6.08(s、br、1H)、4.17(t、J=5.4Hz、2H)、3.84(s、3H)、3.78〜3.72(m、2H)、3.63〜3.58(m、2H)、3.35(s、3H)、3.28〜3.22(m、2H)、3.06(t、J=4.8Hz、2H)、3.04〜2.98(m,、2H)、2.97(s、3H)。
【0222】
化合物(III−2〜III〜5を上記の手順を用いて合成した。
【0223】
実施例4:式IVの化合物の合成
【0224】
【化20】

【0225】
2−(メチルアミノ)安息香酸エチル(1.44g、8.0ミリモル)、DIEA(2.8mL、16.0ミリモル)及び2,4−ジクロロ−5−ニトロピリミジン(2.30g、12.0ミリモル)の混合物をジオキサン(40mL)中で50℃で6時間加熱した。TLCでモニタリングして、反応を終結させた後、反応溶液を濃縮して、残渣を酢酸エチルとヘキサン(1/20、v/v)を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、標題化合物IV−1−a(2.51g、収率93%)を得た。
MS(ESI)m/z:337(M+H)
【0226】
化合物IV−1−a(2.35g、6.98ミリモル)及び鉄粉(3.9g、69.8ミリモル)の混合物を酢酸(100mL)中で、50℃で9時間加熱した。LC−MSでモニタリングして、反応を終結させた後、混合物を濃縮した。次いで、残渣を氷水に注下して、固体を沈殿させた。沈殿物をろ過し、水で洗浄して、風乾して、標題化合物IV−1−b(1.55g、収率85%)を得た。
MS(ESI)m/z:261(M+H)
【0227】
化合物IV−1−b(688mg、2.64ミリモル)及びMeI(0.25mL、4.0ミリモル)のジメチルアセトアミド(DMA、40.0mL)懸濁液を撹拌して、これにNaH(360mg、60%鉱油懸濁液)を−10℃で加えて、反応液を0℃まで徐々に温めた。LC−MSでモニタリングして、反応を終結させた後、溶液を氷水に注下して、固体を沈殿させた。沈殿物をろ過し、水で洗浄して、風乾して、標題の化合物IV−1−c(563mg、収率77%)を得た。
MS(ESI)m/z:275(M+H)
【0228】
t−BuOH(1.2mL)中の、IV−1−c(28mg、0.1ミリモル)、2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンゼンアミン(22mg、0.1ミリモル)、X−Phos(4.3mg)、Pd(dba)(5.5mg)及びKCO(41.5mg、0.3ミリモル)の混合物を封管中で4時間100℃で加熱した。次いで、反応液をセライトでろ過してジクロロメタンで溶出した。真空下でジクロロメタンを除去し、得られた粗生成物を水(0.05%のTFA)/アセトニトリル(0.05%のTFA)の濃度勾配を用いる逆相分取HPLCで精製して、標題化合物IV−1をTFA塩として得た(20mg)。
【0229】
H NMR(600MHz、CDOD)δ:8.1(s、1H)、7.78(dd、J=1.2、7.8Hz、1H)、7.71(d、J=7.2Hz、1H)、7.57〜7.54(m、1H)、7.28〜7.23(m、2H)、6.76(d、J=2.4Hz、1H)、6.67(dd、J=1.2、8.4Hz、1H)、3.92〜3.86(m、5H)、3.66〜3.60(m、2H)、3.46(s、3H)、3.45(s、3H)、3.28〜3.24(m、2H)、3.14〜3.06(m、2H)、2.97(s、3H)。
MS(ESI)m/z:460(M+H)
【0230】
化合物(IV−2〜IV−30)を上記の手順を用いて合成した。
【0231】
実施例4.2:式IV−IIの化合物の合成
【0232】
【化21】

【0233】
化合物IV−II−1の合成例
【0234】
【化22】

【0235】
2,4−ジクロロ−5−ニトロピリミジン(2.91g、15.0ミリモル)及びDIEA(3.5mL、20.0ミリモル)のジオキサン(45mL)溶液を撹拌して、そこにジオキサン(15mL)中の2−メルカプト安息香酸メチル(1.68g、10.0ミリモル)を室温で加えた。TLCでモニタリングして、反応を終結させた後、反応液を酢酸エチルで希釈して食塩水で洗浄した。有機層を無水NaSOで乾燥し、次いで溶媒を真空下で除去した。残渣を酢酸(120mL)に溶解して鉄粉(5.6g)を加えた。得られた混合物を60℃で7時間加熱した。LC−MSでモニタリングして、反応を終結させた後、混合物を濃縮した。次いで、残渣を氷水に注下して固体を沈殿させた。沈殿物を濾過し、水で洗浄して、風乾して、標題化合物IV−II−1−aを得た(2.51g、収率85%)。
MS(ESI)m/z:297(M+H)
【0236】
【化23】

【0237】
化合物IV−II−1−a(2.22g、7.5ミリモル)のジクロロメタン(75mL)溶液を撹拌して、そこにトリメチルアルミニウム溶液(2.0Mトルエン溶液、6.0mL)を0℃で加えた。15分後に、氷浴を除去して反応液を室温で1時間撹拌した。次いで、LC−MSでモニタリングして、反応を終結させるまで、混合物を45℃で環流した。反応液を冷却して1NのHCl水溶液により0℃でクエンチした。有機溶媒を除去した後、残渣を氷水に注下して固体を沈殿させた。沈殿物を濾過し、水で洗浄して、風乾して、標題化合物IV−II−1−bを得た(1.74g、収率88%)。
MS(ESI)m/z:264(M+H)
【0238】
【化24】

【0239】
化合物IV−II−1−b(394.5mg、1.5ミリモル)及びMeI(0.11mL、1.8ミリモル)のジメチルアセトアミド(DMA:15.0mL)懸濁液を撹拌して、そこにNaH(120mg、60%鉱油懸濁液)を−10℃で加えて、徐々に0℃まで反応液を温めた。LC−MSでモニタリングして、反応を終結させた後、溶液を氷水に注下して固体を沈殿させた。沈殿物を濾過し、水で洗浄して、風乾して、標題化合物IV−II−1−cを得た(321mg、収率77%)。
MS(ESI)m/z:278(M+H)
【0240】
【化25】

【0241】
t−BuOH(1.2mL)中の、IV−II−1−c(28mg、0.1ミリモル)、2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンゼンアミン(22mg、0.1ミリモル)、X−Phos(4.3mg)、Pd(dba)(5.5mg)及びKCO(41.5mg、0.3ミリモル)の混合物を封管中で4時間100℃で加熱した。次いで、反応液をセライトでろ過してジクロロメタンで溶出した。真空下でジクロロメタンを除去し、得られた粗生成物を3.5Nアンモニアメタノール溶液及びジクロロメタン(1/25、v/v)を用いる分取TLCで精製して、標題化合物IV−1を得た(8mg)。
【0242】
H NMR(600MHz、CDCl)δ:8.32(s、1H)、8.18、(d、J=8.4Hz、1H)、7.80(dd、J=1.8、7.8Hz、1H)、7.61(s、1H)、7.51(dd、J=1.8、7.8Hz、1H)、7.40〜7.34(m、2H)、6.54(dd、J=1.8、8.4Hz、1H)、6.52(d、J=1.8Hz、1H)、3.85(s、3H)、3.55(s、3H)、3.23(s、br、4H)、2.69(s、br、4H)、2.43(s、3H)。
MS(ESI)m/z:463(M+H)
【0243】
【表1−1】

【0244】
【表1−2】

【0245】
【表1−3】

【0246】
【表1−4】

【0247】
【表1−5】

【0248】
【表1−6】

【0249】
【表1−7】

【0250】
【表1−8】

【0251】
【表1−9】

【0252】
【表1−10】

【0253】
【表2−1】

【0254】
【表2−2】

【0255】
【表2−3】

【0256】
【表3−1】

【0257】
【表3−2】

【0258】
【表4−1】

【0259】
【表4−2】

【0260】
【表4−3】

【0261】
【表4−4】

【0262】
【表4−5】

【0263】
【表4−6】

【0264】
【表4−7】

【0265】
【表4−8】

【0266】
【表4−9】

【0267】
【表4−10】

【0268】
【表4−11】

【0269】
【表4−12】

【0270】
【表4−13】

【0271】
【表4−14】

【0272】
【表5−1】

【0273】
【表5−2】

【0274】
【表5−3】

【0275】
【表5−4】

【0276】
実施例7:Mps1(TTK)細胞アッセイ−有糸分裂回避アッセイ
Hela(又はU2OS)細胞をおおよそ30〜35%の細胞密度でプレートに蒔いた。24時間後に培地を除去して、2.5mMのチミジンを補完した新鮮な培地を加えて、細胞をG1/S移行期に停止した。チミジン遮断24時間後に、培地を除去し、細胞をPBSで3回洗浄して、330nMのノコダゾール(Noc)を補完した培地と交換した。細胞をノコダゾールと16〜18時間培養して有糸分裂停止を生じさせた。次いで、注意深く培地を除去して、330nMのノコダゾールと所望の濃度の試験化合物(DMSOの最終濃度は0.2%未満で)を補完した培地と交換した。2時間後に、細胞を採取し、RIPA緩衝液中で溶解して、ウェスタンブロッティングでサイクリンB又はリン酸化ヒストン3(Ser10)の濃度を測定した。あるいは、細胞をカバースリップ上で処理し、固定して、リン酸化ヒストン3濃度を免疫蛍光法で測定した。図1を参照されたい。
Hela/U2OS培地−ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM、Sigma)、10%ウシ胎仔血清、1%ペニシリン/ストレプトマイシン
【0277】
実施例8:Plk1細胞アッセイ−有糸分裂停止アッセイ
Hela細胞を、ポリリジンをコーティングしたガラスカバースリップ上におおよそ80%の細胞密度で蒔いた。24時間後に培地を除去して、試験化合物を補完した新鮮な培地を加えた。24時間処理した後、培地を除去して、カバースリップをリン酸緩衝食塩水(PBS、pH7.4)で1回洗浄して、細胞を室温で10分間、以下の固定液を用いて固定した:100mMのK−pipes、pH6.8、10mMのEGTA、1mMのMgCl、0.2%のトリトンX−100、3%のホルムアルデヒド。0.1%のトリトンX−100を含有しているトリス緩衝食塩溶液(50mMのトリスHCl、pH7.4、150mMのNaCl)(TBST)でカバースリップを3回洗浄した。2%ウシ血清アルブミン(BSA)を用いてサンプルをTBST中に遮断した。次いで、サンプルを、遮断溶液中で、リン酸化特異的抗ヒストン3(ホスホH3)セリン−10抗体(Upstate、1:500〜1:1000)と培養した。細胞を同様に適切な抗体を用いて随意にチューブリン染色することもできる。室温で2時間(又は4℃で1晩)培養した後、サンプルをTBSTで3回洗浄した。次いで、サンプルを遮断溶液中で適切な第2抗体と室温で1〜2時間(又は4℃で1晩)培養した。サンプルをTBSTで3回洗浄した後、TBST中でHoechst 33342染色剤(Invitrogen、1:1000〜1:2000)と室温で15分間培養した。サンプルをTBSTで3回洗浄して、Prolong Gold Antifade Reagent (Invitrogen)を用いてガラススライド上に載せた。図2及び3を参照のこと。
Hela/U2OS培地−ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM、Sigma)、10%ウシ胎仔血清、1%ペニシリン/ストレプトマイシン
【0278】
実施例9:インビトロMps1キナーゼアッセイ、Invitrogen Mps1(TTK)
LanthaScreen 活性アッセイ
キナーゼ反応を室温で以下の成分を用いて実施した:1Xキナーゼ反応緩衝液、5μg/mL(40nM)のMps1キナーゼ、200nMのAF−647E4Y基質、及び1μMのATP(Km,app<1μM)。1時間後に、TR−FRET希釈緩衝液中のEDTA(20mM)及びEu−PY20 Tb標識化抗体(4nM)の調合物を加えた。反応混合物中のEDTA及びEu−PY20の最終濃度は、それぞれ10mM及び2nMである。LanthaScreen(登録商標)TR−FRETに設定されているプレートリーダーで読み取る前に、反応混合物を室温で30分間培養した。阻害剤の多種の濃度に渡ってキナーゼ反応を行って、図4、5及び6に見られるような用量依存性の曲線を得た。
【0279】
参照による取り込み
本願を通して引用されている全ての参照文献(参考文献、登録特許、公開特許出願、及び同時継続特許出願を包含する)の内容は、ここに、参照によりその全てが本明細書に明確に取り込まれている。他に別段定義しない限り、本明細書で用いられている全ての技術及び化学用語は当業者に一般に知られている意味に一致している。
【0280】
均等物
当業者は、本明細書に記載されている本発明の特定の実施態様の様々な均等物を認識できるであろう、或いは通常程度の実験を用いて確認できるだろう。このような均等物は、以下の特許請求の範囲に包含されることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式A:
【化26】

(式中の、Xは、CHR、CR、NH、NR又はNであり;
Yは、NR、N、S、SO、SO、O、CHR、又はCRであり;
ここで、X及びYの少なくとも1つは、NH、NR、NR、N、S、SO、SO、又はOであり;
Aは、単結合又は二重結合であり;
Bは、単結合又は二重結合であり;
ここで、A及びBの両方が二重結合である場合はなく;
R’は、H又はアルキルであり;
Lは、不存在、S、SO、SO、又はCOであり;
は、それぞれがO、S,又はNから選ばれる0、1、2、又は3個のヘテロ原子を含有している、H、アルキル、アルケニル、アルキニルであるか;又はRは、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、又は炭素環であり;ここで、Rは置換されていてもよい;
は、水素又は置換されていてもよいアルキルであり;
は、それぞれが置換されていてもよい、水素、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、又は炭素環であり;
は、それぞれが置換されていてもよい、水素、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、又は炭素環であり;
は、それぞれが置換されていてもよい、水素、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、又は炭素環であり;
或いはR及びXは、それらが結合している原子と共に、それぞれが置換されていてもよい、3〜8員の炭素環、アリール、複素環又はヘテロアリールを形成し;
或いは、X及びYは、それらが結合している原子と共に、それぞれが置換されていてもよい、3〜8員の炭素環、アリール、複素環又はヘテロアリールを形成し;そして
は、水素又は置換されていてもよいアルキルである):
の化合物又はそれらの薬学的に許容される塩、エステル又はプロドラッグ。
【請求項2】
XがCR又はCHRであり、そしてYがNRである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が、それぞれが置換されていてもよい、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、又は炭素環であり、そしてRが、それぞれが置換されていてもよい、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、又は炭素環である、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
X及びYが、それらが結合している原子と共に、それぞれが置換されていてもよい、3〜8員のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、又はヘテロアリールを形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
及びXが、それらが結合している原子と共に、それぞれが置換されていてもよい、3〜8員のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、又はヘテロアリールを形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
XがNであり、そしてYがCRである、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
が、それぞれが置換されていてもよい、アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、又は炭素環である、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
式B:
【化27】

(式中の、Rは、アリール、又はヘテロアリールであり;
ここでRは、置換されていてもよく;
は、水素又は置換されていてもよいアルキルであり;
は、水素又はメチルであり;
は、水素又はメチルであり;そして
は、水素である):
の化合物又はそれらの薬学的に許容される塩、エステル又はプロドラッグである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
が、それぞれが置換されていてもよい、フェニル又はピリジルである、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
が、それぞれがさらに置換されていてもよい、N(R)(R)、C(O)NH(R)、アルコキシ、及び複素環から選ばれる、0〜4個の置換基で置換されている(ここでそれぞれのRは独立してアルキル及び複素環から選ばれる)、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
が、アルコキシ、
【化28】

から選ばれる0〜4個の置換基で置換されている、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
式C:
【化29】

(式中の、Rは、置換されていてもよい、アリール又はヘテロアリールであり;
は、水素又はメチルであり;
は、水素であり;
は、水素であり;そして
は、水素である):
の化合物又はそれらの薬学的に許容される塩、エステル又はプロドラッグである、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
が、それぞれが置換されていてもよい、フェニル又はピリジルである、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
が、それぞれがさらに置換されていてもよい、アルコキシ、又は複素環から選ばれる0〜4個の置換基で置換されている、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
が、アルコキシ、
【化30】

から選ばれる0〜4個の置換基で置換されている、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
式D:
【化31】

(式中の、Rは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、又は炭素環であり;
ここでRは、置換されていてもよく;
は、水素又は置換されていてもよいアルキルであり;
は、水素又は置換されていてもよいアルキルであり;
それぞれのRは、独立して、それぞれが置換されていてもよい、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、炭素環、アルコキシ、NH(アルキル)、NH(アリール)N(アルキル)(アルキル)、又はN(アルキル)(アリール);ハロ、ニトロ、又はシアノであり;そして
pは、0〜6である):
の化合物又はそれらの薬学的に許容される塩、エステル又はプロドラッグである、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
が、それぞれが置換されていてもよい、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ピペリジニル、ピロリジノ、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジジニル、キノリニル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、ピロリル、フラニル、イソキノリニル、イミダゾリル、又はトリアゾリルである、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
が、それぞれが置換されていてもよい、アルキル、フェニル、シクロヘキシル、ピペリジニル、キノリニル、又はピリジルである、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
が、それぞれが更に置換されていてもよい、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、NH(R)、N(R)(R)、COH、C(O)R、C(O)OR、C(O)NH、C(O)NH(R)、C(O)N(R)(R)、アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシ、ヘテロアリール、複素環、及び炭素環から選ばれる0〜4個の置換基で置換されている(ここで、それぞれのRは、独立して、アルキル、炭素環、アリール、ヘテロアリール、及び複素環から選ばれる)、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
が、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、
【化32】

から選ばれる、0〜4個の置換基で置換されている、請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
式E:
【化33】

(式中の、Rは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、又は炭素環であり;
ここでRは、置換されていてもよく;
は、水素又は置換されていてもよいアルキルであり;
は、水素又は置換されていてもよいアルキルであり;
は、水素又は置換されていてもよいアルキルであり;
それぞれのRは、独立して、それぞれが置換されていてもよい、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、炭素環、アルコキシ、NH(アルキル)、NH(アリール)、N(アルキル)(アルキル)、又はN(アルキル)(アリール);ハロ、ニトロ、又はシアノであり;そして
pは、0〜6である):
の化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩、エステル又はプロドラッグである、請求項1に記載の化合物。
【請求項22】
が、それぞれが置換されていてもよい、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ピペリジニル、ピロリジノ、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジジニル、キノリニル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、ピロリル、フラニル、イソキノリニル、イミダゾリル、又はトリアゾリルである、請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
が、それぞれが置換されていてもよい、フェニル又はピリジルである、請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
が、それぞれが更に置換されていてもよい、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、NH(R)、N(R)(R)、COH、C(O)R、C(O)OR、C(O)NH、C(O)NH(R)、C(O)N(R)(R)、アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシ、ヘテロアリール、複素環、及び炭素環から選ばれる0〜4個の置換基で置換されている(ここで、それぞれのRは、独立して、アルキル、炭素環、アリール、ヘテロアリール、及び複素環から選ばれる)、請求項23に記載の化合物。
【請求項25】
が、アルコキシ、
【化34】

から選ばれる、0〜4個の置換基で置換されている請求項24に記載の化合物。
【請求項26】
式F:
【化35】

(式中の、Rは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、又は炭素環であり;
ここでRは、置換されていてもよく;
は、水素又は置換されていてもよいアルキルであり;
は、水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアラルキル、又は置換されていてもよい炭素環であり;そして
は、水素又は置換されていてもよいアルキルであり;
それぞれのRは、独立して、それぞれが置換されていてもよい、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、炭素環、アルコキシ、NH(アルキル)、NH(アリール)、N(アルキル)(アルキル)、又はN(アルキル)(アリール);ハロ、ニトロ、又はシアノであり;そして
pは、0〜4である):
の化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩、エステル又はプロドラッグである、請求項1に記載の化合物。
【請求項27】
が、それぞれが置換されていてもよい、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ピペリジニル、ピロリジノ、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジジニル、キノリニル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、ピロリル、フラニル、イソキノリニル、イミダゾリル、又はトリアゾリルである、請求項26に記載の化合物。
【請求項28】
が、それぞれが置換されていてもよい、フェニル又はピリジルである、請求項27に記載の化合物。
【請求項29】
が、それぞれが更に置換されていてもよい、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、NH(R)、N(R)(R)、COH、C(O)R、C(O)OR、C(O)NH、C(O)NH(R)、C(O)N(R)(R)、アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシ、ヘテロアリール、複素環、及び炭素環から選ばれる0〜4個の置換基で置換されている(ここで、それぞれのRは、独立して、アルキル、炭素環、アリール、ヘテロアリール、及び複素環から選ばれる)、請求項28に記載の化合物。
【請求項30】
が、アルコキシ、COMe、
【化36】

から選ばれる、0〜4個の置換基で置換されている、請求項29に記載の化合物。
【請求項31】
式F−I:
【化37】

(式中の、Yは、S、SO、SO、又はOであり;
は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、又は炭素環であり;
ここでRは、置換されていてもよく;
は、水素又は置換されていてもよいアルキルであり;
は、水素又は置換されていてもよいアルキルであり;
それぞれのRは、独立して、それぞれが置換されていてもよい、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、炭素環、アルコキシ、NH(アルキル)、NH(アリール)、N(アルキル)(アルキル)、又はN(アルキル)(アリール);ハロ、ニトロ、又はシアノであり;そして
pは、0〜4である):
の化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩、エステル又はプロドラッグである、請求項1に記載の化合物。
【請求項32】
が、それぞれが置換されていてもよい、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ピペリジニル、ピロリジノ、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジジニル、キノリニル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、ピロリル、フラニル、イソキノリニル、イミダゾリル、又はトリアゾリルである、請求項31に記載の化合物。
【請求項33】
が、それぞれが置換されていてもよい、フェニル又はピリジルである、請求項32に記載の化合物。
【請求項34】
が、それぞれが更に置換されていてもよい、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、NH(R)、N(R)(R)、COH、C(O)R、C(O)OR、C(O)NH、C(O)NH(R)、C(O)N(R)(R)、アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシ、ヘテロアリール、複素環、及び炭素環から選ばれる0〜4個の置換基で置換されている(ここで、それぞれのRは、独立して、アルキル、炭素環、アリール、ヘテロアリール、及び複素環から選ばれる)、請求項33に記載の化合物。
【請求項35】
が、アルコキシ、COMe、
【化38】

から選ばれる、0〜4個の置換基で置換されている、請求項34に記載の化合物。
【請求項36】
式G:
【化39】

(式中の、Rは、それぞれがO、S、又はNから選ばれる0、1、2、又は3個のヘテロ原子を含有している、アルキル、アルケニル、アルキニルであるか;又はRは、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、又は炭素環であり;
ここでRは、置換されていてもよく;
は、水素又は置換されていてもよいアルキルであり;
は、それぞれが置換されていてもよい、水素、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、又は炭素環であり;
は、それぞれが置換されていてもよい、水素、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環、又は炭素環であり;そして
は、水素又は置換されていてもよいアルキルである):
の化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩、エステル又はプロドラッグである、請求項1に記載の化合物。
【請求項37】
が、それぞれが置換されていてもよい、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ピペリジニル、ピロリジノ、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジジニル、キノリニル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、ピロリル、フラニル、イソキノリニル、イミダゾリル、又はトリアゾリルである、請求項36に記載の化合物。
【請求項38】
が、置換されていてもよいフェニルである、請求項37に記載の化合物。
【請求項39】
が、それぞれが更に置換されていてもよい、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、NH(R)、N(R)(R)、COH、C(O)R、C(O)NH、C(O)NH(R)、C(O)N(R)(R)、アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシ、ヘテロアリール、複素環、及び炭素環から選ばれる0〜4個の置換基で置換されている(ここで、それぞれのRは、独立して、アルキル、炭素環、アリール、ヘテロアリール、及び複素環から選ばれる)、請求項38に記載の化合物。
【請求項40】
が、アルコキシ、ヒドロキシル、
【化40】

から選ばれる、0〜4個の置換基で置換されている、請求項39に記載の化合物。
【請求項41】
が、置換されていてもよいフェニル又は置換されていてもよいシクロペンチルである、請求項36に記載の化合物。
【請求項42】
9−シクロペンチル−2−(5−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)ピリジン−2−イルアミノ)−5−メチル−8,9−ジヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,4]ジアゼピン−6(7H)−オン;
4−(9−シクロペンチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,4]ジアゼピン−2−イルアミノ)−3−メトキシ−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)ベンズアミド;
4−(9−シクロペンチル−5−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,4]ジアゼピン−2−イルアミノ)−3−メトキシ−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)ベンズアミド;
4−(9−シクロペンチル−5,8−ジメチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,4]ジアゼピン−2−イルアミノ)−3−メトキシ−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)ベンズアミド;
4−(9−シクロペンチル−5,7−ジメチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,4]ジアゼピン−2−イルアミノ)−3−メトキシ−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)ベンズアミド;
9−シクロペンチル−2−(4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−2−メトキシフェニルアミノ)−5−メチル−8,9−ジヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,4]ジアゼピン−6(7H)−オン;
9−シクロペンチル−2−(4−((2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ)−2−メトキシフェニルアミノ)−5−メチル−8,9−ジヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,4]ジアゼピン−6(7H)−オン;
9−シクロペンチル−2−(4−((3−ヒドロキシプロピル)(メチル)アミノ)−2−メトキシフェニルアミノ)−5−メチル−8,9−ジヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,4]ジアゼピン−6(7H)−オン;
9−シクロペンチル−2−(4−(4−ヒドロキシ−4−メチルピペリジン−1−イル)−2−メトキシフェニルアミノ)−5−メチル−8,9−ジヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,4]ジアゼピン−6(7H)−オン;
9−シクロペンチル−2−(2−エトキシ−4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)フェニルアミノ)−5−メチル−8,9−ジヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,4]ジアゼピン−6(7H)−オン;
9−シクロペンチル−2−(4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−2−イソプロポキシフェニルアミノ)−5−メチル−8,9−ジヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,4]ジアゼピン−6(7H)−オン;
9−シクロペンチル−2−(4−(4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)−2−メトキシフェニルアミノ)−5−メチル−8,9−ジヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,4]ジアゼピン−6(7H)−オン;
9−シクロペンチル−2−(2−エトキシ−4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)フェニルアミノ)−5−エチル−8,9−ジヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,4]ジアゼピン−6(7H)−オン;
9−シクロペンチル−5−エチル−2−(4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−2−イソプロポキシフェニルアミノ)−8,9−ジヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,4]ジアゼピン−6(7H)−オン;
9−シクロペンチル−5−エチル−2−(5−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)ピリジン−2−イルアミノ)−8,9−ジヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,4]ジアゼピン−6(7H)−オン;
9−シクロペンチル−2−(2−メトキシ−4−(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)フェニルアミノ)−5,8−ジメチル−8,9−ジヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,4]ジアゼピン−6(7H)−オン;
9−シクロペンチル−2−(2−メトキシ−4−(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)フェニルアミノ)−8−メチル−8,9−ジヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,4]ジアゼピン−6(7H)−オン;
9−シクロペンチル−2−(2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−5,8−ジメチル−8,9−ジヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,4]ジアゼピン−6(7H)−オン;
9−シクロペンチル−2−(2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−8−メチル−8,9−ジヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,4]ジアゼピン−6(7H)−オン;
10−シクロペンチル−5−メチル−(2−キノリン−6−イルアミノ)−6a、7,8,9,9a,10−ヘキサヒドロシクロペンタ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(5H)−オン;
10−シクロペンチル−5−メチル−(2−キノリン−5−イルアミノ)−6a、7,8,9,9a,10−ヘキサヒドロシクロペンタ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(5H)−オン;
10−シクロペンチル−2−(2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)フェニルアミノ)−5−メチル−6a、7,8,9,9a,10−ヘキサヒドロシクロペンタ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(5H)−オン;
4−(10−シクロペンチル−5−メチル−6−オキソ−5,6,6a、7,8,9,9a,10−オクタヒドロシクロペンタ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−2−イルアミノ)−3−メトキシ安息香酸;
4−(10−シクロペンチル−5−メチル−6−オキソ−5,6,6a、7,8,9,9a,10−オクタヒドロシクロペンタ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−2−イルアミノ)ベンズアミド;
10−シクロペンチル−2−(4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボニル)−2−メトキシフェニルアミノ)−5−メチル−6a、7,8,9,9a,10−ヘキサヒドロシクロペンタ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(5H)−オン;
10−シクロペンチル−2−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−5−メチル−6a、7,8,9,9a,10−ヘキサヒドロシクロペンタ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(5H)−オン;
4−(10−シクロペンチル−5−メチル−6−オキソ−5,6,6a、7,8,9,9a,10−オクタヒドロシクロペンタ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−2−イルアミノ)−3−メトキシベンズアミド;
4−(10−シクロペンチル−5−メチル−6−オキソ−5,6,6a、7,8,9,9a,10−オクタヒドロシクロペンタ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−2−イルアミノ)−N−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−メトキシベンズアミド;
4−(10−シクロペンチル−5−メチル−6−オキソ−5,6,6a、7,8,9,9a,10−オクタヒドロシクロペンタ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−2−イルアミノ)−3−メトキシ−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)ベンズアミド;
10−シクロペンチル−2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)−5−メチル−6a、7,8,9,9a,10−ヘキサヒドロシクロペンタ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(5H)−オン;
10−シクロペンチル−5−メチル−2−(1−メチルピペリジン−4−イルアミノ)−6a、7,8,9,9a,10−ヘキサヒドロシクロペンタ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(5H)−オン;
4−(10−シクロペンチル−5−メチル−6−オキソ−5,6,6a、7,8,9,9a,10−オクタヒドロシクロペンタ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−2−イルアミノ)−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−メトキシベンズアミド;
10−シクロペンチル−2−(4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−2−メトキシフェニルアミノ)−5−メチル−6a、7,8,9,9a,10−ヘキサヒドロシクロペンタ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(5H)−オン;
10−シクロペンチル−2−(2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−5−メチル−6a、7,8,9,9a,10−ヘキサヒドロシクロペンタ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(5H)−オン;
4−(10−シクロペンチル−5−メチル−6−オキソ−5,6,6a、7,8,9,9a,10−オクタヒドロシクロペンタ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−2−イルアミノ)−3−メトキシ−N−メチルベンズアミド;
10−シクロペンチル−2−(2−メトキシ−4−(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)フェニルアミノ)−5−メチル−6a、7,8,9,9a,10−ヘキサヒドロシクロペンタ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(5H)−オン;
6−(10−シクロペンチル−5−メチル−6−オキソ−5,6,6a、7,8,9,9a,10−オクタヒドロシクロペンタ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−2−イルアミノ)−N−メチルニコチンアミド;
1−(4−(10−シクロペンチル−5−メチル−6−オキソ−5,6,6a、7,8,9,9a,10−オクタヒドロシクロペンタ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−2−イルアミノ)−3−メトキシフェニル)ピペラジン−4−カルボキサミド;
10−シクロペンチル−2−(2−イソプロポキシ−4−(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)フェニルアミノ)−5−メチル−6a、7,8,9,9a,10−ヘキサヒドロシクロペンタ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(5H)−オン;
6−(10−シクロペンチル−5−メチル−6−オキソ−5,6,6a、7,8,9,9a,10−オクタヒドロシクロペンタ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−2−イルアミノ)−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)ニコチンアミド;
2−(2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−5−メチル−7a,8,9,10−テトラヒドロ−5H−ピリミド[5,4−b]ピロロ[1,2−d][1,4]ジアゼピン−6(7H)−オン;
2−(2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−7a,8,9,10−テトラヒドロ−5H−ピリミド[5,4−b]ピロロ[1,2−d][1,4]ジアゼピン−6(7H)−オン;
2−(2−メトキシ−4−(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)フェニルアミノ)−5−メチル−7a,8,9,10−テトラヒドロ−5H−ピリミド[5,4−b]ピロロ[1,2−d][1,4]ジアゼピン−6(7H)−オン;
2−(5−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)ピリジン−2−イルアミノ)−5−メチル−7a,8,9,10−テトラヒドロ−5H−ピリミド[5,4−b]ピロロ[1,2−d][1,4]ジアゼピン−6(7H)−オン;
2−(2−エトキシ−4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)フェニルアミノ)−5−メチル−7a,8,9,10−テトラヒドロ−5H−ピリミド[5,4−b]ピロロ[1,2−d][1,4]ジアゼピン−6(7H)−オン;
2−(4−(4−ジエチルアミノ)ピペリジン−1−イル)−2−イソプロポキシフェニルアミノ)−5−メチル−7a,8,9,10−テトラヒドロ−5H−ピリミド[5,4−b]ピロロ[1,2−d][1,4]ジアゼピン−6(7H)−オン;
4−(10−シクロペンチル−5−メチル−6−オキソ−5,6,6a、7,8,9,9a,10−オクタヒドロシクロペンタ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−2−イルアミノ)−3−メトキシ−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)ベンズアミド;
4−(10−シクロペンチル−5−メチル−6−オキソ−5,6,6a、7,8,9,9a,10−オクタヒドロシクロペンタ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−2−イルアミノ)−3−メトキシベンズアミド;
2−(4−(4−ジメチルアミノ)ピペリジン−1−イル)−2−イソプロポキシフェニルアミノ)−5−メチル−7a,8,9,10−テトラヒドロ−5H−ピリミド[5,4−b]ピロロ[1,2−d][1,4]ジアゼピン−6(7H)−オン;
2−(2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−5−メチル−9−フェニル−8,9−ジヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,4]ジアゼピン−6(H)−オン;
2−(2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−9−フェニル−8,9−ジヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,4]ジアゼピン−6(7H)−オン;
2−(5−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)ピリジン−2−イルアミノ)−5−メチル−9−フェニル−8,9−ジヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,4]ジアゼピン−6(7H)−オン;
2−(4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−2−イソプロポキシフェニルアミノ)−5−メチル−9−フェニル−8,9−ジヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,4]ジアゼピン−6(7H)−オン;
2−(2−エトキシ−4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)フェニルアミノ)−5−メチル−9−フェニル−8,9−ジヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,4]ジアゼピン−6(7H)−オン;
2−(2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−5,11−ジメチル−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
2−(2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−11−メチル−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
2−(4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−2−イソプロポキシフェニルアミノ)−5,11−ジメチル−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
2−(2−メトキシ−4−(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)フェニルアミノ)−5,11−ジメチル−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
2−(5−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)ピリジン−2−イルアミノ)−5,11−ジメチル−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
2−(2−エトキシ−4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)フェニルアミノ)−5,11−ジメチル−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
2−(4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−2−メトキシフェニルアミノ)−5,11−ジメチル−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
5−エチル−2−(5−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)ピリジン−2−イルアミノ)−11−メチル−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
5−エチル−2−(4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−2−メトキシフェニルアミノ)−11−メチル−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
2−(2−エトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−11−メチル−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
2−(2−イソプロポキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−11−メチル−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
11−エチル−2−(2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−5−メチル−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
11−エチル−2−(2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
2−(2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−4,5,11−トリメチル−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
2−(2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−4,11−ジメチル−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
11−イソプロピル−2−(2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
11−イソプロピル−2−(2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−5−メチル−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
11−シクロペンチル−2−(2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−5−メチル−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
11−シクロペンチル−2−(2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
9−フルオロ−2−(2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−5,11−ジメチル−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
9−フルオロ−2−(2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−11−メチル−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
8−クロロ−2−(2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−5,11−ジメチル−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
8−クロロ−2−(2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−11−メチル−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
2−(2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−8,11−ジメチル−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
2−(2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−5,8,11−トリメチル−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
2−(2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−5,11−ジメチル−5H−ピリド[3,4−e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
2−(2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−11−メチル−5H−ピリド[3,4−e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
4−(5,11−ジメチル−6−オキソ−6,11−ジヒドロ−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−2−イルアミノ)−3−メトキシ安息香酸メチル;
2−(2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)フェニルアミノ)−5,11−ジメチル−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
2−(2−メトキシ−4−(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)フェニルアミノ)−5,11−ジメチル−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
2−(5−(4−ヒドロキシピペリジン)−1−イル)ピリジン−2−イルアミノ)−5,11−ジメチル−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
2−(2−エトキシ−4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)フェニルアミノ)−5,11−ジメチル−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
2−(2−メトキシ−4−(4−メチルピペリジン−1−イル)フェニルアミノ)−5−メチル−9−フェニル−5H−ピリミド[5,4−e][1,4]ジアゼピン−6(7H)−オン;
3−メトキシ−4−(5−メチル−6−オキソ−9−フェニル−6,7−ジヒドロ−5H−ピリミド[5,4−e][1,4]ジアゼピン−2−イルアミノ)−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)ベンズアミド;
4−(9−シクロペンチル−7−エチル−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ピリミド[5,4−e][1,4]ジアゼピン−2−イルアミノ)−3−ヒドロキシ−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)ベンズアミド;
4−(7−エチル−5−メチル−6−オキソ−9−フェニル−6,7−ジヒドロ−5H−ピリミド[5,4−e][1,4]ジアゼピン−2−イルアミノ)−3−メトキシ−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)ベンズアミド;
4−(9−シクロペンチル−5−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ピリミド[5,4−e][1,4]ジアゼピン−2−イルアミノ)−3−メトキシ−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)ベンズアミド;
9−クロロ−2−(2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−5,11−ジメチル−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
11−ベンジル−2−(2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−5−メチル−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
11−ベンジル−2−(2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
4−(5,11−ジメチル−6−オキソ−6,11−ジヒドロ−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−2−イルアミノ)−3−メトキシ安息香酸;
4−(5,11−ジメチル−6−オキソ−6,11−ジヒドロ−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−2−イルアミノ)−3−メトキシ安息香酸メチル;
3−(5,11−ジメチル−6−オキソ−6,11−ジヒドロ−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−2−イルアミノ)−4−メトキシ安息香酸;
2−(2−メトキシ−4−(4−ピロリジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)フェニルアミノ)−5,11−ジメチル−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
2−(2−メトキシ−4−(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)フェニルアミノ)−5,11−ジメチル−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
2−(4−(3−ジメチルアミノ)ピロリジン−1−カルボニル)−2−メトキシフェニルアミノ)−5,11−ジメチル−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
4−(5,11−ジメチル−6−オキソ−6,11−ジヒドロ−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−2−イルアミノ)−3−メトキシ−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)ベンズアミド;
3−(5,11−ジメチル−6−オキソ−6,11−ジヒドロ−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−2−イルアミノ)−4−メトキシ−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)ベンズアミド;
2−(2−メトキシ−5−(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボニル)フェニルアミノ)−5,11−ジメチル−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
2−(5−(3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−カルボニル)−2−メトキシフェニルアミノ)−5,11−ジメチル−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
3−(5,11−ジメチル−6−オキソ−6,11−ジヒドロ−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−2−イルアミノ)−N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)−4−メトキシベンズアミド;
2−(4−(4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−カルボニル)−2−メトキシフェニルアミノ)−5,11−ジメチル−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
2−(2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−5−メチル−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
2−(2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−5H−ベンゾ[e]ピリミド[5,4−b][1,4]ジアゼピン−6(11H)−オン;
2−(2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−5−メチルベンゾ[f]ピリミド[4,5−b][1,4]チアゼピン−6(5H)−オン;
2−(2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)ベンゾ[f]ピリミド[4,5−b][1,4]チアゼピン−6(5H)−オン;
2−(2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)ベンゾ[f]ピリミド[4,5−b][1,4]オキサゼピン−6(5H)−オン;及び
2−(2−メトキシ−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−5−メチルベンゾ[f]ピリミド[4,5−b][1,4]オキサゼピン−6(5H)−オン:
から選ばれる、請求項1に記載の化合物。
【請求項43】
【化41】

【化42】

【化43】

【化44】

から選ばれる、請求項1に記載の化合物。
【請求項44】
請求項1に記載の化合物、又はそれらの薬学的に許容されるエステル、塩又はプロドラッグを、薬学的に許容される担体と共に含有してなる、医薬組成物。
【請求項45】
請求項1に記載の化合物、薬学的に許容される塩、エステル又はプロドラッグを対象に投与することを含有してなる、対象における疾患を治療する方法。
【請求項46】
疾患が、MAPキナーゼ、有糸分裂紡錘体キナーゼ、及びポロキナーゼから選ばれるキナーゼに介在される、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
疾患が、MPS1、ERK5、BMK1、MAPK7、ポロキナーゼ1、2、3、又は4、Ack1、Ack2、Abl、DCAMKL1、ABL1、Abl突然変異体、DCAMKL2、ARK5、BRK、MKNK2、FGFR4、TNK1、PLK1、ULK2、PLK4、PRKD1、PRKD2、PRKD3、ROS1、RPS6KA6、TAOK1、TAOK3、TNK2、Bcr−Abl、GAK、cSrc、TPR−Met、Tie2、MET、FGFR3、Aurora、Axl、Bmx、BTK、c−kit、CHK2、Flt3、MST2、p70S6K、PDGFR、PKB、PKC、Raf、ROCK−H、Rsk1、SGK、TrkA、TrkB及びTrkCから選ばれるキナーゼに介在される、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
キナーゼが、ERK−5、MPS1、又はBMK−1である、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
疾患が、癌又は増殖性疾患である、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
疾患が、肺、結腸、乳房、前立腺、肝臓、膵臓、脳、腎臓、卵巣、胃、皮膚及び骨の癌;胃、乳房、膵臓癌;神経膠腫、及び肝細胞癌;乳頭状腎細胞癌、頭頸部扁平上皮癌、白血病、リンパ腫、骨髄腫、及び固形腫瘍である、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
疾患が、炎症、関節炎、関節リウマチ、脊椎関節症、痛風性関節炎、変形性関節症、若年性関節炎、及びその他の関節炎疾患、全身性エリテマトーデス(SLE)、皮膚関連疾患、乾癬、皮膚炎、熱傷、皮膚炎、神経炎症、アレルギー、疼痛、神経因性疼痛、発熱、肺疾患、肺の炎症、成人呼吸窮迫症候群、肺サルコイドーシス、喘息、珪肺、慢性炎症性肺疾患、及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)、心臓血管疾患、動脈硬化症、心筋梗塞(心筋梗塞後症を包含する)、血栓症、鬱血性心不全、心臓再環流傷害(更に血管臓器損傷などの高血圧及び/又は心不全に関連する合併症も)、再狭窄、心筋症、虚血及び脳出血を含む卒中、再環流傷害、腎臓再環流傷害、卒中及び脳虚血を含む虚血、及び心臓/環血管バイパスに由来する虚血、神経変性疾患、肝疾患及び腎炎、胃腸疾患、炎症性大腸炎、クローン病、胃炎、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎、潰瘍性疾患、胃潰瘍、ウィルス及び細菌感染症、敗血症、敗血性ショック、グラム陰性菌敗血症、マラリア、髄膜炎、HIV感染症、日和見感染症、感染症又は悪性腫瘍に続発する悪液質、後天性免疫不全症候群(AIDS)に続発する悪液質、ARC(AIDS関連症候群)、肺炎、ヘルペスウィルス、感染に起因する筋肉痛、インフルエンザ、自己免疫疾患、移植片対宿主反応及び同種移植拒絶、骨吸収疾患の治療、骨粗しょう症、多発性硬化症、癌、白血病、リンパ腫、結腸直腸癌、脳の癌、骨の癌、上皮細胞由来新生物(上皮癌)、基底細胞癌、腺癌、消化器癌、口唇癌、口腔癌、食道癌、小腸癌、胃癌、結腸癌、肝臓癌、膀胱癌、膵臓癌、卵巣癌、子宮頸癌、肺癌、乳癌、皮膚癌、扁平上皮細胞及び/又は基底細胞癌、前立腺癌、腎細胞癌、及び体内の上皮細胞に影響を及ぼすその他の公知の癌、慢性骨髄性白血病(CML)、急性骨髄性白血病(AML)及び急性前骨髄球性白血病(APL)、新生物を含む血管形成、転移、中枢神経系疾患、炎症及びアポトーシス成分を有する中枢神経系疾患、アルツハイマー病、パーキンソン病、ホジキン病、筋萎縮性側索硬化症、脊髄損傷、及び末梢神経障害、イヌB−細胞リンパ腫である、請求項47に記載の方法。
【請求項52】
疾患が、炎症、関節炎、関節リウマチ、脊椎関節症、痛風性関節炎、変形性関節症、若年性関節炎、及びその他の関節炎状態、全身性エリテマトーデス(SLE)、皮膚関連疾患、乾癬、湿疹、皮膚炎、疼痛、肺疾患、肺の炎症、成人呼吸窮迫症候群、肺サルコイドーシス、喘息、慢性炎症性肺疾患、及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)、心臓血管疾患、動脈硬化症、心筋梗塞(心筋梗塞後症を包含する)、鬱血性心不全、心臓再環流傷害、炎症性大腸炎、クローン病、胃炎、過敏性腸症候群、白血病、リンパ腫である、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
治療が必要であると確認されている対象に、請求項1に記載の化合物、薬学的に許容される塩、エステル又はプロドラッグを投与することを含有してなる、対象におけるキナーゼが介在する疾患を治療する方法。
【請求項54】
化合物が、MPS1、ERK5、BMK1、MAPK7、ポロキナーゼ1、2、3、又は4、Ack1、Ack2、Abl、DCAMKL1、ABL1、Abl突然変異体、DCAMKL2、ARK5、BRK、MKNK2、FGFR4、TNK1、PLK1、ULK2、PLK4、PRKD1、PRKD2、PRKD3、ROS1、RPS6KA6、TAOK1、TAOK3、TNK2、Bcr−Abl、GAK、cSrc、TPR−Met、Tie2、MET、FGFR3、Aurora、Axl、Bmx、BTK、c−kit、CHK2、Flt3、MST2、p70S6K、PDGFR、PKB、PKC、Raf、ROCK−H、Rsk1、SGK、TrkA、TrkB又はTrkCの阻害剤である、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
化合物が、ERK5、MPS1、又はBMK1の阻害剤である、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
対象に更なる治療薬を投与する、請求項53に記載の方法。
【請求項57】
化合物及び更なる治療薬を、同時に又は連続して投与する、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
細胞を、請求項1に記載のキナーゼ阻害性化合物と接触させることを含有してなる、キナーゼ依存性細胞増殖を減少する方法。
【請求項59】
請求項1に記載の化合物を投与することを含有してなる、そのような治療を必要とすると確認されている対象におけるキナーゼを阻害する方法。
【請求項60】
対象がヒトである、請求項44〜59の何れか一項に記載の方法。
【請求項61】
キナーゼ阻害剤が約1マイクロモル未満のキナーゼを阻害することについてのKiを有している、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
請求項1に記載の化合物の1つ又はそれ以上から選ばれるキナーゼ活性を阻害できる化合物、及び癌の治療に用いるための使用説明書を含有してなる、キット。
【請求項63】
式Aの化合物を合成する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−514601(P2012−514601A)
【公表日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544638(P2011−544638)
【出願日】平成22年1月6日(2010.1.6)
【国際出願番号】PCT/US2010/000050
【国際公開番号】WO2010/080712
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(510084149)ダナ ファーバー キャンサー インスティテュート インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】