説明

ピロリルトリアジンの新規誘導体とそれらの取得方法および紫外線に対する保護剤としてのそれらの使用

本発明は、一般式(I)のピロリルトリアジンの新規誘導体と共にそれらの取得方法に関する。該化合物は、その物理化学的特性により紫外線の吸収剤として使用できる。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、化粧品、皮膚科および医薬分野に関する。本発明は、特に、ピロリルトリアジンの新規誘導体に関するものであって、それらの物理化学的特性により、紫外線からの保護剤として有効である、また皮膚、唇、爪および髪を紫外線から保護する化粧品、皮膚科および医薬の製剤を製造するためのそれらの使用に関する。
(発明の背景)
【0002】
日光、特に紫外線は、特定の状況下で、とりわけ日焼け、光線性皮膚症および光老化のような病理学的徴候を引き起こして、皮膚の有害な影響を誘発する。
【0003】
上記病理学的徴候の原因となる主要因は、紫外線であって、そのエネルギーがその波長に反比例する。つまり、より短い波長ほど、より高い放射エネルギーを持つ。紫外線はUV-C、UV-BおよびUV-Aに分類され、UV-Cが最も有害であるがそれはオゾン層によって吸収される。
【0004】
UV-AおよびUV-Bが引き起こすダメージを阻止するために、人々の皮膚は、例えばメラニン、髪、皮膚の脂肪層などのように、放射線を吸収するかまたは曲折させるさまざまな自然の保護システムを有する。
【0005】
この点に関して、日光遮蔽剤が日射の影響を減らすために現在用いられている。該日光遮蔽剤は皮膚、唇、爪または髪に塗布される。該日光遮蔽剤は、日射から保護するために、化粧品、皮膚科および医薬の製剤および他の化粧用製品に含まれている化合物であり、日光に影響されやすい活性物質または構成要素の分解を予防する。
【0006】
研究は、近年、化合物の物理化学的特性を日光遮蔽剤または日焼け止めとして、より有効にする方向へ行われている。
【0007】
一例はWO03/075875に見出され、それは一般式(1):
【化1】

[上式中、R、RおよびRはそれぞれC1-18アルキル、C2-10アルケニルまたはC1-4フェニルアルキルであり、Rは水素またはC-Cアルキルである]
のヒドロキシフェニルトリアジン化合物を含む紫外線を吸収する組成物を開示している。
【0008】
日光遮蔽剤または日焼け止めが幅広く種々あるにもかかわらず、物理化学特性よってUV-AおよびUV-Bから同時に保護することに適した太陽遮蔽剤となる新化合物に対する需要がある。
【0009】
(発明の概要)
本発明の第1態様は、一般式(I):
【化2】

[上式中、
n=0、1、2、3または4であり;
は、水素原子;1〜3の原子を有する置換されていてもよい直鎖状または分枝状鎖アルキル基;または置換R’、R’フェニル基を表し;
、R’、RおよびR’は互いに同一でも異なっていてもよく、水素;1〜3の炭素原子を有する置換されていてもよい直鎖状または分枝状アルキル基;1〜3の炭素原子を有するアルコキシ基;アリール基;n=0の時、RまたはRがアクリル誘導体ではない条件下で、ハロゲンまたはヒドロキシルを表し;あるいは、
およびRは、フェニルと置換されていてもよいナフタレン環を形成し;
およびRは、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子;1〜4の炭素原子を有する置換されていてもよい直鎖状または分枝状鎖アルキル基;または置換されていてもよいアリール基を表し;
は、一般式(II)、(III)または(IV)
【化3】

の基であり、
は、一般式(II)または(V)
【化4】

の基であり、
は、水素原子;1〜6の炭素原子を含む直鎖状または分枝状鎖で、置換されていてもよい飽和または不飽和のアルキル基;またはヒドロキシル基を表し;
は、水素原子;置換されていてもよいアリール基;置換されていてもよい飽和、不飽和、または芳香族の複素環基で、O、N,およびSから選択される1、2、3のヘテロ原子を含み得る5〜10の原子を有するもの;-COOR11基;−CONR1213基;1〜18の炭素原子を有する置換されていてもよいアルコキシ基;置換されていてもよいアリールオキシ基;置換されていてもよい-COR14基;C-Cシクロアルキル基;1〜18の炭素原子を含む直鎖状または分枝状で、飽和または不飽和のアルキル基であって、少なくとも一つのヒドロキシル基、SOMまたは-N(R15)+基あるいは一般式(VI)
【化5】

{上式中、
m=0または1;
p=0、1、2、3または4であり;
16、R17、R18、R19およびR20は、互いに同一でも異なっていてもよく、1〜6の炭素原子を有する置換されていてもよいアルキル基;1〜6の炭素原子のアルコキシ基;置換されていてもよいアリール基または-OSi(R21)基を表す}
の基によって置換されていてもよいものを表し;
21は、1〜6の炭素原子を有するアルキル基、1〜6の炭素原子を有するアルコキシ基または置換されていてもよいアリール基を表し;
11、R12およびR13は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子または1〜18の炭素原子を有する置換されていてもよい直鎖状または分枝状鎖アルキル基;C-Cシクロアルキル基を表し;あるいは、
12およびR13は、窒素原子と、O、NおよびSから選択される1、2、または3のヘテロ原子を含み得る5つから7つの炭素原子を有する置換されていてもよい飽和複素環化合物を形成し;
14は、置換されていてもよいアルキル基または置換されていてもよいアリール基であり;
15は、置換されていてもよいアルキル基であり;
Mは、H、NaまたはKであり;
およびRまたは、RおよびR14は、フェニルと9〜15の原子を有する多環系を形成する置換されていてもよい縮合体であり;
およびRは、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子;1〜18の炭素原子を有する置換されていてもよいアシル基;1〜18の炭素原子を含む直鎖状または分枝状鎖で、飽和または不飽和アルキル基であって、少なくとも一つのヒドロキシル基、SOMまたは-N(R15)+基または上記定義の一般式(VI)の基によって置換されていてもよいものを表し;
10は、水素原子または上記定義のMを有するSOM基を表す]
のピロリルトリアジン誘導体である。
【0010】
別の態様においては、本発明は、式(I)の化合物に関する。
式(I)中、
n=1、2、3 または4, 特に n=1であり;
は、水素原子;1〜3の原子を有する置換されていてもよい直鎖状または分枝状アルキル基;または置換R’、R’フェニル基を表し;
、R’、RおよびR’は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子;1〜3の炭素原子を有する置換されていてもよい直鎖状または分枝状アルキル基;1〜3の炭素原子を有するアルコキシ基;アリール基;ハロゲンまたはヒドロキシル基を表し;あるいは、
およびRは、フェニルとナフタレン環を形成する置換されていてもよい縮合体であり;
およびRは、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子;1〜4の炭素原子を有する置換されていてもよい直鎖状または分枝状アルキル基;または置換されていてもよいアリール基であり;
は、一般式(II)、(III)または(IV)
【化6】

の基であり、
は、一般式(II)または(V)
【化7】

の基であり、
は、水素原子;1〜6の炭素原子を含む置換されていてもよい直鎖状または分枝状、飽和または不飽和アルキル基;またはヒドロキシル基を表し;
は、水素原子;置換されていてもよいアリール基;O、N,およびSから選択される1、2、または3のヘテロ原子を含み得る5〜10の原子を有する飽和、不飽和、または芳香族の置換されていてもよい複素環基;-COOR11基;−CONR1213基;1〜18の炭素原子を有する置換されていてもよいアルコキシ基;置換されていてもよいアリールオキシ基;置換されていてもよい-COR14基;C-Cシクロアルキル基;直鎖状または分枝状鎖で、飽和または不飽和のアルキル基で、1〜18の炭素原子を含む、少なくとも一つのヒドロキシル基、SOMまたは -N(R15)+基あるいは一般式(VI)
【化8】

[上式中
m=0または1;
p=0,1,2,3、または4である;
16、R17、R18、R19およびR20は、互いに同一でも異なっていてもよく、1〜6の炭素原子有する置換されていてもよいアルキル基;1〜6の炭素原子を有するアルコキシ基;置換されていてもよいアリール基または-OSi(R21)基を表す]
の基によって置換されていてもよいものを表し;
21は、1〜6の炭素原子のアルキル基、1〜6の炭素原子のアルコキシ基または置換されていてもよいアリール基を表し;
11、R12およびR13は、互いに同一でも異なっていてもよく、および水素原子;1〜18の炭素原子を有する、置換されていてもよい、直鎖状または分枝状鎖アルキル基;C-Cシクロアルキル基を表し;あるいは、
12およびR13は、窒素原子で、O、NおよびSから選択される1、2、または3のヘテロ原子を含み得る5〜7の炭素原子を有する、飽和複素環化合物を形成し;
14は、置換されていてもよいアルキル基または置換されていてもよいアリール基であり;
15は、置換されていてもよいアルキル基であり;
Mは、H、NaまたはKであり;
およびRまたは、RおよびR14は、フェニルと9〜15の原子を有する多環系を形成する置換されていてもよい縮合体であり;
およびRは、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子;1〜18の炭素原子を有する置換されていてもよいアシル基;直鎖状または分枝状、飽和または不飽和のアルキル基で1〜18の炭素原子を含む、少なくとも一つのヒドロキシル基、SOMまたは -N(R15)+基あるいは上記定義の一般式(VI)の基によって置換されていてもよいものを表し;
10は、水素原子または上記定義通りのMを有するSOM基を表す。
【0011】
別の態様においては、本発明は一般式(I)の化合物に関する[式(I)中、n=1であり、その他の基が上記定義の通りある]。
【0012】
本発明において、「置換されていてもよい」なる用語は、(もし他で定義されていないならば)少なくとも一つの位置で置換されることができる基を意味し、その置換基はC-Cアルキル基;C-Cアルケニル;アリール;O、NおよびSから選択される1、2、または3のヘテロ原子を含み得る5〜10の原子を有する飽和、不飽和または芳香族ヘテロ環;ヒドロキシル基;C-Cアルコキシド;または例えば塩素またはフッ素のようなハロゲンである。
【0013】
本発明の第1態様の好ましい実施態様において、AおよびAは同一であって、一般式(II)基または一般式(V)
【化9】

[上式中、R、R、RおよびR10は上記定義の通りである]
の基を表す。
【0014】
本発明の第1態様の他の好ましい実施態様において、ピロリルトリアジン誘導体は、一般式(IA):
【化10】

[上式中、R-R、R-Rおよびnは上記定義の通りである]
に対応する。
【0015】
本発明の第1態様の他の好ましい実施態様において、ピロリルトリアジン誘導体は、一般式(IB):
【化11】

[上式中、R-Rおよびnは上記定義の通りである]
に対応する。
【0016】
本発明の第1態様の他の好ましい実施態様において、Rが水素、アルキル、フェニルおよびフェニルアルキルであって、少なくとも一つの位置においてフェニル基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、アルコキシ基、またはアルキル基によって置換されていてもよいものを表す。
【0017】
他の好ましい実施態様において、RおよびR’は、水素、フェニル、メチルまたはエチルを表す。
さらに別の実施態様において、RおよびR’は水素、フェニル、メチルまたはエチルを表す。
他の好ましい実施態様において、RおよびRはナフタレン基を形成する。
他の好ましい実施態様において、RおよびRは、互いに同じであるか異なっていて、および水素、メチルまたはフェニルを表す。
他の好ましい実施態様において、Rは、水素、ヒドロキシル、メチルまたはエチルを表す。
他の好ましい実施態様において、Rは、水素、ヒドロキシル、メチル、エチル、tert-ブチル、ベンジル、シクロヘキシル、メトキシフェニル、ビフェニル、-COOR11、-CONR1213、-COR14または一般式(VI)
【化12】

の基を表す。
【0018】
他の好ましい実施態様において、RおよびRは、互いに同一でも異なっていてもよく、エチルヘキシルまたは直鎖状または分枝状、飽和または不飽和アルキル基で、1〜18の炭素原子を含む、少なくとも-SOMまたは-N(R15)+基の一つと任意に置換するものを表す。
他の好ましい実施態様において、R11は、水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルまたは2-エチルヘキシルを表す。
他の好ましい実施態様において、R12は、水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルまたは2-エチルヘキシルを表す。
他の好ましい実施態様において、R13は、水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルまたは2-エチルヘキシルを表す。
他の好ましい実施態様において、R14は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、tert-ブチルまたはフェニルを表す。
さらに別の好ましい実施態様において、R16からR20は、メチル、エチル、メトキシ、エトキシまたはフェニルを表す。
さらに他の実施態様において、R21は、メチル、エチル、メトキシ、エトキシまたはフェニルを表す。
およびAは、上記定義のいずれかに従って選ばれる。
【0019】
好適には、本発明の第1態様による一般式(I)の上記誘導体は、以下を含む群から選択される:
- 2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ビス(2,4-ジヒドロキシフェニル)-1,3,5-トリアジン;
- 2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ビス[4-(2-エチルヘキシロキシ)-2-ヒドロキシフェニル]-1,3,5-トリアジン;
- 2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ビス[4-(ブトキシカルボニル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン;
- 2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ビス(ビフェニル-4-イルアミノ)-1,3,5-トリアジン;
- 2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ビス(4-ベンゾイルフェニルアミノ)-1,3,5-トリアジン;
- 2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ビス(9-オキソ-9H-フルオレン-3-イルアミノ)-1,3,5-トリアジン;
- 2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ビス[4-(イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン;
- 2-(1-ベンジドリル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ビス[4-(ブトキシカルボニル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン。
【0020】
驚くべきことに、本発明の発明者は、一般式(I)のピロリルトリアジン誘導体がA波およびB波の両方の紫外線に吸収すること、従って上記誘導体がUV照射吸着剤として有効であり、同時にUV-AおよびUV-B放射線に対する保護に効果的であることを発見した。
【0021】
本発明の別の態様は、本発明の第1態様に従ってピロリルトリアジン誘導体を調整する方法である。
特に、一般式(I)のピロリルトリアジン誘導体であって、上記定義の通り、該式中Aが一般式(III)の基およびAが一般式(V)の基であり、R10が水素である一般式(I)のピロリルトリアジン誘導体:
【化13】

[上式中、R、R、R、R、R、R、Rおよびnが上記定義のとおりである]
は反応スキーム1において示す通りに調整することができる。
反応スキーム1に記載されている方法は、化合物の工業量を得る目的に非常に十分な可能性を示し、また誘導される一般式(IA)の化合物は非常に良好な安定性を示し、UV-AおよびUV-B照射、特にUV-A照射に対する非常に良好な保護を与えることができる。
【0022】
【化14】

簡潔には、一般式(VIII)の化合物は、米国特許第5,955,060号およびChakrabarti,J. K. と Tupper, D.E. (J.Het. Chem. 1974, 11 (3), 417-421)に記載の通りに調整される。
一般式(IX)の化合物は、米国特許第5,955,060号に記載されている方法に従って、温度60℃から100℃の間で、キシレン(異性体の混合物)のような不活性溶媒において、ルイス酸、特に塩化アルミニウムの存在下で、一般式(VIII)の化合物とレゾルシノールのフリーデル・クラフツ反応のアシル化によって得られる。
【0023】
一般式(XI)の化合物を導くp-ヒドロキシル基のエステル化は、一般式(X)(該式中、Rが上記定義の通りであり、およびXはクロロ、ブロモ、トシルまたはメシルのような脱離基である)の化合物で一般式(IX)の化合物のアルキル化によって、80℃から120℃の間にわたる温度において、水酸化ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸カリウム、ナトリウム-tert-ブトキシドおよびカリウム-tert-ブトキシドのような塩基の存在下で、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミドおよびエタノールのような適切な極性溶媒中で実行される。
【0024】
一般式(IA)のトリアルキル化された化合物は、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウム-tert-ブトキシドおよびカリウム-tert-ブトキシドのような塩基の存在下で、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミドおよびエタノールのような極性溶媒で、および120℃から該溶媒の沸点の間の範囲の温度において、一般式(XII)の化合物(該式中、RおよびXが上記定義の通りある)で一般式(XI)の化合物をアルキル化することによって得られる。
とR基が同一のときに、一般式(IA)の対応する化合物は一般式(IX)の化合物から直接得られる。
【0025】
一般式(I)の化合物で、該式中R10が上記定義通りのMを有する-SOMであるものは、例えば米国特許第6,090,370号、特に第5列59行から第6列8行に記載されている手順に従って得ることができる。
一般式(I)の化合物で、アルキル鎖に-SOM基を有し、該Mが上記定義の通りであるものは、例えばLewin,G. 等(J. Nat. Prod.,58 (1995) 12, 1840-1847)に記載されている手順に従って得ることができる。
一般式(I)の化合物で、アルキル鎖に -N(R15)+基を有し、R15が上記定義の通りであるものは、例えばSharma,M.L. 等(J. Indian Chem. Soc, 74 (1977) 4, 343-344)に記載されている手順に従って得ることができる。
【0026】
方法の別の実施態様において、一般式(I)のトリアジン誘導体で、AおよびAが同一で、一般式(II)の基に対応するもの
【化15】

[上式中R、R、R、R、R、R、Rおよびnが上記通りである]
は、反応スキーム2に示すように調整することができる。
この反応スキーム2に記載されている方法は、また、一般式(IB)の化合物の工業量を得る目的に、非常に十分な可能性を示した。
【化16】

【0027】
簡潔には、上記定義の通り調整される一般式(VIII)の化合物は、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムのような塩基の存在下で、ジオキサン、トルエン、キシレン(異性体の混合物)、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドンまたはアセトンのような溶媒で、0℃と該溶媒の沸点の間にわたる温度で、好ましくは外界温度と該溶媒の沸点の間で、およびより好ましくは、50℃と該溶媒の沸点の間で、少なくとも一般式(XIII)のアニリンの2当量によって反応する。
上記のように、本発明の第1態様による一般式(I)のピロリルトリアジン誘導体は、紫外線から保護するために使用することができる、紫外線の吸収のような物理化学的特性を有する。
【0028】
また、本発明の目的は、従って、本発明の第1態様の通り、1つ以上の一般式(I)の誘導体と少なくとも1つの化粧品の、皮膚科のまたは医薬の担体または賦形剤を含む、化粧品、皮膚科および医薬の製剤である。
【0029】
好ましい実施態様において、上記化粧品、皮膚科および医薬の製剤も、また日射に対する少なくとも一つの有機の、微粒子化された有機の、または無機の遮蔽剤を含む。
他の好ましい実施態様において、上記製剤も少なくとも一つの活性物質を含む。
【0030】
上記化粧品、皮膚科および医薬の製剤は、とりわけ、非イオン性小胞のディスパージョン、エマルジョン、クリーム、ローション剤、ゲル、エアゾール、クリーム-ゲル、ゲル-クリーム、懸濁液、ディスパージョン、粉、固体スティック、泡、スプレー、油、軟膏または液体の形態で、皮膚および唇に塗布することに適している。
【0031】
同様に、上記製剤は、とりわけシャンプー、ローション、ゲル、液体、ラッカー、泡、染料、エマルジョン、クリームまたはスプレーの形態で、皮膚に塗布することに適しており、爪にはとりわけマニキュア液、油またはゲルの形態が適している。
さらに、有機の、微粒子化された有機の、または無機の遮蔽剤は、国の法律のもとで許容可能なものから選択される。
【0032】
例えば、有機遮蔽剤は、欧州共同体の会議によって承認されたもの(2003年10月15日発行の欧州指令76/768/EECアネックス-7の76-81ページ)、およびアメリカ食品医薬品局によって承認されたもの(例えば2004年4月1日改訂版「Food and Drugs, Sunscreen drug products for over-the-counterhuman use」連邦規則の第5巻、タイトル21を参照)、例えば、アントラニル酸;ショウノウ誘導体;ジベンゾイルメタン誘導体;ベンゾトリアゾール誘導体;ジフェニルアクリレート誘導体;ケイ皮誘導体;サリチル酸誘導体;欧州特許第863145号、EP-517104、EP-570838、EP-796851、EP-775698およびEP-878469に記載されているようなトリアジン誘導体;ベンゾフェノン誘導体;ベンザルマロネート誘導体;ベンゾイミダゾール;イミダゾリン誘導体;p‐アミノ安息香酸誘導体;ポリマーおよびシリコーン・フィルターから選択できる。
【0033】
無機の遮蔽剤は、以下のものを含む群から選択することができる:例えば、酸化チタン(IV)(非晶質または結晶質)、酸化鉄、亜鉛、ジルコニウムまたはセリウムのような色素、ナノ色素で処理または未処理の金属酸化物。加えて、アルミナおよび/またはアルミニウム・ステアラートは、従来のコーティング剤である。(非被覆)無機の遮蔽剤としての未処理の金属酸化物の例は、特許出願EP518772およびEP518773に記載されているものである。
【0034】
本発明の化粧品、皮膚科および医薬の製剤は、脂肪酸、有機溶剤、増粘剤、柔軟剤、抗酸化剤、乳白剤、安定剤、軟化剤、ヒドロキシ酸、消泡剤、保湿剤、ビタミン、香料、防腐剤、界面活性剤、金属イオン封鎖剤、ポリマー、噴霧剤、酸性化剤または塩基化剤、着色剤、染料、ジヒドロキシアセトン、昆虫忌避物質、または化粧品製剤、特に光線保護用組成物の製品で一般に使用される他の成分から選択できる添加物およびアジュバントも追加して含んでもよい。
【0035】
(物質)脂肪酸の例は、とりわけ油またはワックスまたはそれらの混合物を含み、それらは脂肪酸、脂肪族アルコールおよび脂肪酸エステルを含んでもよい。油は、好適には、動物性油、植物性油または合成油から選択される、および鉱油、流動パラフィン、揮発性または不揮発性シリコン油、イソパラフィン、ポリアルファオレフィンまたはフッ化または過フッ化油から特に選択される。同様に、ワックスは、好適には、熟練の当業者にとって公知の動物性ワックス、植物性ワックス、鉱物ワックス、合成ワックスから選択される。
【0036】
有機溶媒の例は、低級アルコール類とポリオールを含む。
増粘剤は、好適には、アクリル酸架橋ポリマー、変性または非変性ローカストビーンガム、セルロースおよびキサンタンガム(例えばヒドロキシプロピル化されたローカストビーンガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはヒドロキシセルロース)から選択される。
賦形剤、アジュバントなどを選ぶときに、熟練の当業者は、それらが本発明による一般式(I)のピロリルトリアジン誘導体の活性に影響を及ぼさないことを確実にする。
【0037】
本発明の第4態様は、紫外線遮蔽剤として、化粧品、皮膚科および医薬の製剤においての、本発明の第1態様によるピロリルトリアジン誘導体の用途に関する。
【0038】
本発明の第5態様は、日射から哺乳類の皮膚、唇および/または関連した組織の保護のための製剤を製造するための、本発明の第1態様によるピロリルトリアジン誘導体の用途に関する。
【0039】
本発明の第6態様は、哺乳類の皮膚、唇および/または関連した組織上の紫外線によって生じる病状、例えば多形日光疹、光老化、光化学作用角膜症、白斑、太陽蕁麻疹、慢性光化学作用皮膚炎および色素性乾皮症の治療の佐剤として、予防的用途のための製剤を製造するための、本発明の第1態様による少なくとも一つのピロリルトリアジン誘導体の用途に関する。好ましくは、上記製剤は局所的に塗布される。
好適な実施例において、上記哺乳類は人間である。
【0040】
一般式(I)のピロリルトリアジン誘導体の特性により、これらの化合物は合成ポリマーのフォト・スタビライザーとして、そして、織物繊維のための日光遮蔽剤として有効である。
本発明の非限定的な具体例としていくつかの実施例を後述する。
【実施例】
【0041】
(実施例1)
2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ビス[4-(2-エチルヘキシロキシ)-2-ヒドロキシフェニル]-1,3,5-トリアジンの合成
a) 2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンの合成
【化17】

1-ベンジルピロル(5.0g、31.8mmol)および2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジン(6.8g、36.9mmol)の混合物を、キシレン(35mL)で26時間還流する。溶媒は乾燥するまで蒸発させ、粗生成物を冷やし、メタノール(35mL)を室温で加え、混合液は25分間攪拌したままにする。得られた固体を濾過し、メタノールで洗い、2-(1-ベンジル-1H-ピロル2-イル)-4,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジン(8.35g、27.4mmol、86%、m.p.=150-151℃)を得るまで乾燥する。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 5.72 (s, 2H), 6.36 (dd, J= 4.1 Hz, J' = 2.5 Hz, 1H), 7.09 (d, J= 6.7 Hz, 2H), 7.15 (m, 1H), 7.23-7.33 (m, 3H), 7.59 (dd, J= 4,1 Hz, J'= 1.8 Hz, 1H)。
【0042】
b) 2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ビス(2,4-ジヒドロキシフェニル)-1,3,5-トリアジンの合成
【化18】

50℃に加熱したキシレン(50mL)中のレソルシノール(2,2 g、20mmol)の混合液に、2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジン(3g、9.8mmol)と三塩化アルミニウム(2,6g、19.5mmol)を加え、80−85℃で3時間保つ。混合液を冷やし、キシレンは別の容器に移し、2N 塩酸(50mL)を加えて攪拌したままにする。得られた固体は濾過し、2N塩酸、および水で洗い、乾燥する。結果として生じる粗生成物は、アセトンによって処理し、固体を濾過し、2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ビス(2,4-ジヒドロキシフェニル)-1,3,5-トリアジン(4,6g、定量的収率、m.p.>275℃)を得るまで乾燥する。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 5.95 (s, 2H), 6.30-6-46 (m, 5H), 7.03 (d, J= 6.5 Hz, 2H), 7.18 (m, 1H), 7.23 (m, 3H), 7.42 (s, 1H), 7.83 (d, J= 8.7 Hz, 2H)。
【0043】
c) 2-(1-ベンジル-lH-ピロル-2-イル)-4,6-ビス[4-(2-エチルヘキシロキシ)-2-ヒドロキシフェニル]-1,3,5-トリアジンの合成
【化19】

80℃まで熱した2-メトキシエタノール(40mL)中の2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ビス(2,4-ジヒドロキシフェニル)-1,3,5-トリアジン(2,3g、5,1mmol)および30%水酸化ナトリウム溶液の混合液に、2-メトキシエタノール(8mL)中の3-(ブロモメチル)ヘプタン(2.1g、10.8mmol)をゆっくりと加える。一旦が付加が終わると、TLCによる反応に続いて16時間、110−115℃で加熱する。混合液は70−80℃に冷やされ、2-メトキシエタノール(8mL)中の30%水酸化ナトリウム溶液(1.5g、11.2mmol)および3(ブロモメチル)ヘプタン(2.1g、10.8mmol)を再度加えて、110−115℃で8時間加熱する。溶媒は換算圧力で蒸発させ、残りはジエチルエーテルにおいて希釈する。有機相は、酢酸の希薄溶液および炭酸水素ナトリウムの希薄溶液によって洗い、換算圧力で蒸発させる。結果として生じる粗生成物は、2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ビス[4-(2-エチルヘキシロキシ)-2-ヒドロキシフェニル]-1,3,5-トリアジン(1.2g、1.77mmol、35%、m.p.=66-68℃、白色固体)を得るために、シリカゲルカラムクロマトグラフィによって精製する。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) : δ 0.93 (m, 12H), 1.28-1.66 (m, 16H), 1.75 (m, 2H), 3.90 (d, J= 5.7 Hz, 4H), 5.94 (s, 2H), 6.38 (dd, J= 4.0 Hz, J'= 2,6 Hz, 1H), 6.42-6.54 (m, 4H), 7.03 (m, 1H), 7.09 (d, J= 6.9 Hz, 2H), 7.20-7.34 (m, 3H), 7.40 (m, 1H), 7.93 (d, J= 7.6 Hz, 2H), 13.56 (m, 2H)。
λmax = 350-352 nm εmax = 66000 M-1cm-1(クロロホルム)
【0044】
(実施例2)
2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ビス[4-(ブトキシカルボニル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジンの合成
【化20】

TLCによる反応に続いて、2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジン(150mg、0.49mmol)、ブチル4-アミノ安息香酸エステル(190mg、0.98mmol)、およびのカリウム炭酸塩(136mg、0.98mmol)をオキサン(10mL)中で5時間還流する。溶媒は換算圧力で蒸発させ、残りは酢酸エチルおよびエチルエーテルの混成液で希釈し、水で洗う。有機相を分離し、乾燥して、蒸発させる。結果として生じる粗生成物は、2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ビス[4(ブトキシカルボニル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン(98mg、0.16mmol、32%、m.p.=173-174℃)を得るためにシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製する。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 0.99 (t, J= 7.3 Hz, 3H), 1.49 (m, 2H), 1.78 (m, 2H), 4.32 (t, J= 6.6 Hz, 2H), 5.82 (s, 2H), 6.32 (m, 1H), 6.93 (s, 1H), 6.95 (m, 2H), 7.29 (m, 3H), 7.49 (m, 1H), 7.63 (d, J= 8.5 Hz, 4H), 7.99 (d, J= 8.5 Hz, 4H).。
UV λmax = 312 nm;εmax= 64000 M-1cm-1 (クロロホルム)
【0045】
(実施例3)
2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ビス(ビフェニル-4-イルアミノ)-1,3,5トリアジンの合成
【化21】

TLCによる反応に続いて、2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ジクロロ1,3,5-トリアジン(92mg、0.30mmol)、4-アミノビフェニル(110mg、0.65mmol)、炭酸カリウム(100mg、0.72mmol)をジオキサン(4mL)中で、4時間還流する。溶媒を換算圧力で蒸発し、水を残留物に加えて、沈殿物を濾過する。得られた固体は、熱いメタノールで消化し、冷やして、2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ビス(ビフェニル-4-イルアミノ)-1,3,5-トリアジン(97mg、0.17mmol、57%、m.p.=185-186℃)を得るために濾過する。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) : δ5.97 (br s, 2H), 6.22 (m, 1H), 7.02 (m, 2H), 7.14-7.34 (m, 7H), 7.44 (m, 4H), 7.63 (m, 8H), 7.82 (m, 4H), 9.69 (br s, 2H)。
UV λmax = 309 nm;εmax = 73000 M-1cm-1 (エタノール)
【0046】
(実施例4)
2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ビス(4-ベンゾイル・フェニルアミノ)-1,3,5-トリアジンの合成
【化22】

TLCによる反応に続いて、2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジン(153mg、0.50mmol)、4-アミノベンゾフェノン(200mg、1.01mmol)および炭酸カリウム(200mg、1.45mmol)を、ジオキサン(8mL)中で6時間還流する。溶媒を換算圧力で蒸発し、残留物をエチルエーテルで希釈し、希釈した塩酸で洗う。有機相は乾燥するまで蒸発させ、残留物はメタノールで結晶化させて、2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ビス(4-ベンゾイル・フェニルアミノ)-1,3,5-トリアジン(40mg、0.06mmol、12%、m.p.=115-118℃)を得る。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ5.86 (s, 2H), 6.32 (m, 1H), 6.93 (s, 1H), 7.02 (m, 2H), 7.18-7.30 (m, 3H), 7.40-7.53 (m, 5H), 7.59 (m, 2H), 7.66-7.82 (m, 12H)。
UVλmax = 330 nm;εmax = 80000 M-1cm-1(エタノール)
【0047】
(実施例5)
2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ビス(9-オキソ-9H-フルオレン-3-イルアミノ)-1,3,5-トリアジンの合成
【化23】

TLCによる反応に続いて、2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジン(153mg、0.50mmol)、3-アミノ-9H-フルオレン-9-ワン(200mg、1.02mmol)および炭酸カリウム(200mg、1,45mmol)をジオキサン(8mL)中で6時間還流する。反応物を冷やし、沈殿物は濾過し、酢酸エチルで洗う。得られた固体は、エタノールから再結晶化して、2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ビス(9-オキソ-9H-フルオレン-3-イルアミノ)-1,3,5-トリアジン(160mg、0.26mmol、52%、m.p.=140-142℃)を得る。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 5.80 (s, 2H), 6.30 (m, 1H), 6.89 (m, 1H), 6.96 (m, 2H), 7.10-7.70 (m, 16H), 7.95 (m, 2H)。
UV λmax = 292 nm;εmax = 77000 M-1cm-1 (エタノール).
【0048】
(実施例6)
2-(1-ベンジル-1H-ピロル2-イル)4,6-ビス[4-(イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジンの合成
【化24】

TLCによる反応に続いて、2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ジクロロ1,3,5-トリアジン(150mg、0.49mmol)4-(イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)フェニルアミン(210mg、1.0mmol)およびN、N-ジイソプロピルエチルアミン(130mg、1.0mmol)をN-メチルピロリドン(3mL)中で、115−120℃で5時間加熱する。混合液を冷却し、その後、水上に滴状に注入する。沈殿物を濾過し、水で洗い、シリカゲルクロマトグラフィによって精製する。分画の蒸散により得られた残留物は、エタノール(4mL)およびアセトン(3mL)で処理し、2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ビス[4-(イミダゾ[1,2-ピリジン-2-イル]フェニルアミノ)-1,3,5-トリアジン(115mg、0.18mmol、37%、m.p.=147-148℃)を結晶化させる。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) : δ 5.98 (br s, 2H), 6.23 (m, 1H), 6.87 (m, 2H), 7.03 (m, 2H), 7.12-7.29 (m, 7H), 7.56 (d, J= 9.1 Hz, 2H), 7.72-7.94 (m, 8H), 8.32 (s, 2H), 8.50 (d, J= 6.7 Hz, 2H), 9.67 (br s, 2H).
UV λmax = 332 nm ε = 71000 M-1cm-1(エタノール)
【0049】
(実施例7)
2-(1-ベンジドリル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ビス[4-(ブトキシカルボニル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジンの合成
a) 2-(1-ベンジドリル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンの合成
【化25】

TLCによる反応に続いて、キシレン(50mL)中の1-ベンジドリル-1H-ピロル(1.8g、7.7mmol)および2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジン(1.7g、9.2mmol)の混合物を14時間還流する。溶媒は乾燥するまで蒸発させ、石油エーテルを加え、および得られた固体を濾過し、石油エーテルとメタノールによって洗い、2-(1-ベンジドリル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジン(1.5g、3.9mmol、51%、m.p.=127-129℃、黄色がかった固体)を得る。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 6.29 (dd, J= 4.1 Hz, J' = 2.6 Hz, 1H), 6.82 (m, 1H), 7.07 (m, 4H), 7.29-7.37 (m, 6H), 7.65 (dd, J= 4,1 Hz, J'= 1.8 Hz, 1H), 8.01 (s, 1H)。
b) 2-(1-ベンジドリル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ビス[4-(ブトキシカルボニル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジンの合成
【化26】

TLCによる反応に続いて、2-(1-ベンジドリル-1H-ピロル2-イル)-4,6-ジクロロ1,3,5-トリアジン(100mg、0.26mmol)、ブチル4-アミノ安息香酸エステル(101mg、0.52mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(135μL、0.78mmol)をジオキサン(5mL)中で16時間還流する。溶媒を換算圧力で蒸発させ、残留物を酢酸エチルに溶解し、塩化ナトリウム飽和溶液によって洗う。有機相は分離し、乾燥させ、蒸発させる。結果として生じる粗生成物は、シリカゲルカラムクロマトグラフィによって精製され、2-(1-ベンジドリル-1H-ピロル2-イル)-4,6-ビス[4-(ブトキシカルボニル)フェニルアミノ]−1,3,5-トリアジン(150mg、0.22mmol、83%、m.p.=80-82℃、白色固体)を得る。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 0.98 (t, J= 7.4 Hz, 6H), 1,48 (m, 4H), 1.72 (m, 4H), 4.30 (t, J= 6.6 Hz, 4H), 6.25 (m, 1H), 6.71 (m, 1H), 7.00 (m, 4H), 7.18 (m, 2H), 7.28 (m, 6H), 7.42 (m, 1H), 7.65 (d, J= 8.7 Hz, 4H), 8.00 (d, J= 8.7 Hz, 4H), 8.33 (s, 1H)。
UV λmax = 315 nmεmax= 81000 M-1cm-1(エタノール)
【0050】
(実施例8)
2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ビス[4-(6,6-ジメチル-4-オクソ-4,5,6,7-テトラヒドロインドール-1-イル)フェニルアミノ]1,3,5-トリアジンの合成
【化27】

収率:44%
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 1,05 (s, 12H), 2,05 (s, 6H), 2,38 (m, 8H), 5,86 (s, 2H), 6,37 (s, 2H), 7,00 (m, 2H), 7,11 (d, J = 8,4 Hz, 4H), 7,25 (m, 3H), 7,74 (d, J = 8,4 Hz, 4H). MS-EI (m/z): 769 (M+1)。
【0051】
(実施例9)
2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ビス[4-((2-エチルヘキシロキシ)カルボニル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジンの合成
【化28】

収率:44%
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 0,95 (m, 12H), 1,40 (m, 16H), 1,72(m, 2H), 4,23 (m, 4H), 5,83 (s, 2H), 6,32 (s, IH), 6,93 (m,1H), 6,98 (d, J = 7 Hz, 2H), 7,26 (m, 3H), 7,48 (m, 1H), 7,63 (d, J = 8,4 Hz, 4H), 7,97 (d, J = 8,4 Hz, 4H). MS-EI (m/z): 731 (M+1)。
UV:λmax = 315 nm, εmax = 76000 M-1cm-1 (クロロホルム/メタノール)。
【0052】
(実施例10)
2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)−4,6-ビス[4-(H-イミダゾ[1,2-a]ピリジン−2-イル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジンの合成
【化29】

収率:14%
MS-EI (m/z) : 727 (M+1) 。
UV:λmax = 338 nm, εmax = 55000 M-1 cm-1(DMSO) 。
【0053】
(実施例11)
2-(-1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ビス[4-(1H-ベンゾ[d]イミダゾル-2-イル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン
【化30】

収率:65%
1H NMR (300 MHz, CDCl3) : δ 5,99 (s, 2H), 6,25 (m, 1H), 7,07 (m, 1H), 7,23 (m, 9H), 7,62 (m, 4H), 8,00 (m, 4H), 8,17 (m, 4H), 9,99 (s, 2H). MS-EI (m/z): 651 (M+1)。
UV:λmax = 327 nm, εmax = 100000 M-1 cm-1(クロロホルム/メタノール)。
【0054】
(実施例12)
2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ビス[4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジンの合成
【化31】

収率:33%
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 5,95 (s, 2H), 6,21 (m, 1H), 6,51 (m, 2H), 7,02 (m, 2H), 7,23 (m, 5H), 7,75 (m, 8H), 7,82 (m, 2H), 8,42 (m, 2H), 9,70 (s, 2H). MS-EI (m/z): 551 (M+1)。
UV:λmax = 307 nm, εmax = 67000 M-1cm-1 (メタノール) 。
【0055】
(実施例13)
2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ビス[ナフタレン-2-イルアミノ]-1,3,5トリアジンの合成
【化32】

収率:65%
1H NMR (300 MHz, CDCl3) : δ 5,87 (s, 2H), 6,31 (m, 1H), 6,90 (m, 1H), 6,96 (m, IH), 7,24 (m, 5H), 7,41 (m, 6H), 7,58 (m, 4H), 7,79 (m, 4H), 8,16 (s, 2H). HPLC-MS/ES (m/z): 519 (M+1)。
UV:λmax = 263 nm, εmax = 54000 M-1cm-1, λmax = 308 nm, εmax = 52000 M-1cm-1 (メタノール)。
【0056】
(実施例14)
2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ビス[4-((E)-3-エトキシ-3-オキソプロプ-1-エニル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジンの合成
【化33】

収率:16%
1H NMR (300 MHz, CDCl3) : δ 1,22 (m, 6H), 4,17 (m, 4H), 5,80 (m, 4H), 6,30 (m, IH), 6,55 (m, 1H), 6,93 (m, 2H), 7,20 (m, 5H), 7,35 (m, 1H), 7,58 (m, 8H), 10,60 (s, 2H). HPLC-MS/ES (m/z): 615 (M+1)。
UV:λmax = 336 nm,εmax = 57000 M-1 cm-1(メタノール)
【0057】
(実施例15)
2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ビス[4-(E)スチリルフェニルアミノ]-1,3,5-トリアジンの合成
【化34】

収率:50%
1H NMR (300 MHz, CDCl3) : δ 5,97 (m, 2H), 6,27 (m, 1H), 7,15 (m,1H), 7,24 (m, 12H), 7,36 (m, 4H), 7,59 (m, 8H), 7,75 (m, 4H), 9,95 (s, 2H)。
UV λmax = 336 nm, εmax = 102000 M-1 cm-1(クロロホルム)
【0058】
(実施例16):油の製剤
% w/w
鉱油(流動パラフィン) 59.85
Arlamol HD(ユニケマ)(イソヘキサデカン) 16.00
Arlamol S7(ユニケマ)(シクロメチコン、PPG-15 ステアリルエステル) 16.00

% w/w

ParsolMCX(DSM)(エチルヘキシル メトキシケイ皮酸) 5.00
香料 0.15
【化35】

3.00
(実施例17):水中油型クリームの形態の製剤
重量%
A)PEG-100ステアレート(Simulsol M59(セピック)) 2.00
グリセリルステアレート(Cutina MS(ヘンケル)) 1.00
セテアリルアルコール(Lanette O(ヘンケル)) 2.50
ステアリン酸 5.00
プロピレングリコール
ジカプリレート/ジカプレート(Estol 1526 PDCC) 7.50
トリグリセリド(Myritol 318(ヘンケル)
カプリル酸/カプリック酸 3.00
ジメチコン(SF 18-350(ジェネラル・エレクトリック) 0.50
トコフェリル酢酸 0.50
【化36】

6.00
B) 酸化チタン(IV)(y)
水酸化アルミニウム(y)
ステアリン酸(MT-T100 TV(タイカ)) 4.00
イソヘキサデカン(Permethyl 101A(Presperse) 5.00
シクロメチコン(SF1204(ジェネラル・エレクトリック) 2.50
C) 水 100 まで

セチルリン酸カリウム(Amphisol K(ロシュ)) 0.50
D) PNC 30(アクリル酸ナトリウム/架橋ポリーマー 0.15
ビニルイソデカン酸塩)
E) ブチレングリコール 1.50
尿素イミダゾリジニル 0.30
メチルパラベン 0.20
プロピルパラベン 0.10
F) 香水 0.30
【0059】
(実施例18):ゲル形態の製剤
重量%
A) エタノール(95°)(CTFA:SD アルコール) 50.00
Klucel Hf(CTFA:ヒドロキシプロピルセルロース) 2.00
B) エタノール(95°)(CTFA:SD アルコール) 27.50
【化37】

1.00
PARSOL(R)MCX(CTFA:オクチルメトキシケイ皮酸) 7.50
Uvinul M-40(CTFA:3-ベンゾフェノン) 4.00
Finsolv TN(CTFA:C12-15 アルキルベンゾエイト) 5.00
流動シリコーン556(CTFA:フェニルジメチコン) 1.00
C) 香水、防腐剤、脱イオン化水 総量100まで
【0060】
(実施例19):固形のスティックの形態の製剤
重量%
A)
【化38】

2.00
PARSOL MCX(CTFA:オクチルメトキシケイ皮酸) 7.50
RICINOL(CTFA:ヒマシ油) 7.50
Cuina HR(CTFA:水素化ヒマシ油) 7.50
SATOL(CTFA:オレイルアルコール)精製、安定化 20.00
マルチワックスMH180(CTFA:マイクロクリスタリンワックス) 30.00
鉱油(30-40 ce)(CTFA) 7.35
ワセリン(CTFA:ペトロラタム) 8.53
流動シリコーン200(200 cs)(CTFA:ジメチコン) 3.50
ブチル・ヒドロキシトルエン(CTFA:BHT) 0.02
ベータカロテン(1%溶液) 0.30
B) d-パンテノール(CTFA:パンテノール) 0.80
プロピレングリコール(CTFA:プロピレングリコール) 3.00
C) 香水、防腐剤、ワセリン 総量100まで
【0061】
(実施例20):液体の製剤
重量%
A)
【化39】

1.00
PARSOL(R)MCX(CTFA:オクチルメトキシケイ皮酸エステル) 6.00
Uvinul M-40(CTFA:3-ベンゾフェノン) 0.50
流動シリコーン344(CTFA:シクロメチコン) 45.00
シリコーンQ2-1401(CTFA:シクロメチコン(y)ジメチコン) 20.00
Finsolv TN(CTFA:安息香酸C12-C15アルコール ) 10.00
Crodamol DA(CTFA:アジピン酸ジイソプロピル) 15.50
B) 香水, Finsolv TN 総量100まで
【0062】
(実施例21):油中水型エマルジョンの形態の製剤
重量%
A)Arlacel P135(PEG-30 ジポリヒドロキシエステレート) 4.00
Arlamol HD(イソヘキサデカン) 6.00
鉱油(流体パラフィン) 3.00
Tioveil 50 FCM(二酸化チタン、安息香酸C12-C15アルキル、シクロメチコン、ポリヒドロキシステアリン、アルミニウム・ステアラート、アルミナ) 12.00
【化40】

6.00
B) 水 100.00 まで
Pricerine 9091(グリセリン) 3.00
MgSO・7HO(硫酸マグネシウム) 0.70
Alpantha(パンテノール、アラントイン) 0.30
C) Kemaben 2(プロピレングリコール、ディアゾリジニル尿素、
メチルパラベン、プロピルパラベン) 1.00
D) 香水 適量.
【0063】
(実施例22):肝斑の予防および/または治療の佐剤としてのクリームの製剤:
重量%
【化41】

10.00
Parsol MCX(エチルヘキシルメトキシケイ皮酸エステル) 6.00
ヒドロキノン 4.00
Uvinul M-40(ベンゾフェノン-3) 2.00
Parsol 1789(ブチルメトキシジベンゾイルメタン) 1.50
エヴァネッセンスファンデーションクリーム 総量100まで

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I):
【化1】

[上式中、
n=0、1、2、3または4であり;
は、水素原子;1〜3の原子を有する置換されていてもよい直鎖状または分枝状アルキル基;または置換R’、R’フェニル基を表し;
、R’、RおよびR’は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子;1〜3の炭素原子を有する置換されていてもよい直鎖状または分枝状アルキル基;1〜3の炭素原子を有するアルコキシ基;アリール基;n=0の時、RまたはRがアクリル誘導体でないという条件下で、ハロゲンまたはヒドロキシル基を表し;あるいは、
およびRは、フェニルとナフタレン環を形成する置換されていてもよい縮合体であり;
およびRは、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子;1〜4の炭素原子を有する置換されていてもよい直鎖状または分枝状アルキル基;または置換されていてもよいアリール基を表し;
は、一般式(II)、(III)または(IV)
【化2】

の基であり、
は、一般式(II)または(V)
【化3】

の基であって、
は、水素原子;1〜6の炭素原子を含む置換されていてもよい直鎖状または分枝状、飽和または不飽和のアルキル基;またはヒドロキシ基を表し;
は、水素原子;置換されていてもよいアリール基;O、N、およびSから選択される1、2、または3のヘテロ原子を含み得る5〜10の原子を有する置換されていてもよい飽和、不飽和、または芳香族の複素環基;-COOR11基;-CONR1213基;1〜18の炭素原子を有する置換されていてもよいアルコキシ基;置換されていてもよいアリールオキシ基;置換されていてもよい-COR14基;C-Cシクロアルキル基;1〜18の炭素原子を含む直鎖状または分枝状鎖で、飽和または不飽和のアルキル基であって、少なくとも一つのヒドロキシル基、SOMまたは-N(R15)+基あるいは一般式(VI)
【化4】

{上式中、
m=0または1;
p=0、1、2、3または4であり;
16、R17、R18、R19およびR20は、互いに同一でも異なっていてもよく、1〜6の炭素原子を有する置換されていてもよいアルキル基;1〜6の炭素原子を有するアルコキシ基;置換されていてもよいアリール基または-OSi(R21)基を表す}
の基によって置換されていてもよいものを表し、
21は、1〜6の炭素原子を有するアルキル基、1〜6の炭素原子のアルコキシ基または置換されていてもよいアリール基を表し;
11、R12およびR13は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子;1〜18の炭素原子を有する置換されていてもよい直鎖状または分枝状鎖アルキル基;C-Cシクロアルキル基を表し;あるいは、
12およびR13は、窒素原子と共に、O、NおよびSから選択される1、2または3のヘテロ原子を含み得る5〜7の炭素原子を有する飽和複素環化合物を形成し;
14は、置換されていてもよいアルキル基または置換されていてもよいアリール基であり;
15は、置換されていてもよいアルキル基であり;
Mは、H、NaまたはKであり;
およびRまたは、RおよびR14は、フェニルと9〜15の原子を有する多環系を形成する置換されていてもよい縮合体であり;
およびRは、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子;1〜18の炭素原子を有する置換されていてもよいアシル基;1〜18の炭素原子を含む直鎖状または分枝状、飽和または不飽和のアルキル基で、少なくとも一つのヒドロキシル基、SOMまたは-N(R15)+基または上記定義の一般式(VI)の基によって置換されていてもよいものを表し;
10は、水素原子または上記定義のMを有するSOM基を表す]
のピロリルトリアジン誘導体。
【請求項2】
n=1、2、3または4、特にn=1であり;
は、水素原子;1〜3の原子を有する置換されていてもよい直鎖状または分枝状アルキル基;または置換R’、R’フェニル基を表し;
、R’、RおよびR’は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子;1〜3の炭素原子を有する置換されていてもよい直鎖状または分枝状アルキル基;1〜3の炭素原子を有するアルコキシ基;アリール基;ハロゲンまたはヒドロキシル基を表し;あるいは、
およびRは、フェニルと共にナフタレン環を形成する置換されていてもよい縮合体であり;
およびRは、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子;1〜4の炭素原子を有する置換されていてもよい直鎖状または分枝状アルキル基;または置換されていてもよいアリール基であり;
は、一般式(II)、(III)または(IV)
【化5】

の基であり、
は、一般式(II)または(V)
【化6】

の基であり、
は、水素原子;1〜6の炭素原子を含む直鎖状または分枝状鎖、置換されていてもよい飽和または不飽和のアルキル基;またはヒドロキシル基を表し;
は、水素原子;置換されていてもよいアリール基;O、NおよびSから選択される1、2または3のヘテロ原子を含み得る5〜10の原子を有する置換されていてもよい飽和、不飽和または芳香族の複素環基;-COOR11基;-CONR1213基;1〜18の炭素原子を有する置換されていてもよいアルコキシ基;置換されていてもよいアリールオキシ基;置換されていてもよい-COR14基;C-Cシクロアルキル基;1〜18の炭素原子を含む直鎖状または分枝状鎖、飽和または不飽和のアルキル基であって、少なくとも一つのヒドロキシル基、SOMまたは -N(R15)+基あるいは一般式(VI)
【化7】

[上式中、
m=0または1;
p=0、1、2、3または4であり;
16、R17、R18、R19およびR20は、互いに同一でも異なっていてもよく、1〜6の炭素原子を有する置換されていてもよいアルキル基;1〜6の炭素原子を有するアルコキシ基;置換されていてもよいアリール基または-OSi(R21)基を表す]
の基によって置換されていてもよいものを表し;
21は、1〜6の炭素原子のアルキル基、1〜6の炭素原子のアルコキシ基または置換されていてもよいアリール基を表し;
11、R12およびR13は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子;1〜18の炭素原子を有する置換されていてもよい直鎖状または分枝状鎖アルキル基; C-Cシクロアルキル基であり;あるいは、
12およびR13は、窒素原子と共に、O、NおよびSから選択される1、2または3のヘテロ原子を含み得る5〜7の炭素原子を有する飽和複素環化合物を形成し;
14は、置換されていてもよいアルキル基または置換されていてもよいアリール基であり;
15は、置換されていてもよいアルキル基であり;
Mは、H、NaまたはKであり;
およびRまたは、RおよびR14は、フェニルと9〜15の原子を有する多環系を形成する置換されていてもよい縮合体であり;
およびRは、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子;1〜18の炭素原子を有する置換されていてもよいアシル基;1〜18の炭素原子を含む直鎖状または分枝状、飽和または不飽和のアルキル基であって、少なくとも一つのヒドロキシル基、SOMまたは-N(R15)+基または上記定義の一般式(VI)の基によって置換されていてもよいものを表し;
10は、水素原子または上記定義通りのMを有するSOM基を表す;
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
n=1であり、その他の基が請求項1の定義通りである請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
およびAが同一で、一般式(II)の基または一般式(V):
【化8】

[上式中、R、R、R および R10は請求項1に定義した通りである]
の基を表す請求項1に記載の誘導体。
【請求項5】
一般式(IA):
【化9】

[上式中、R、R、R、R、R、R、Rおよびnは請求項1に定義した通りである]
を持つ請求項1に記載の誘導体。
【請求項6】
一般式(IB):
【化10】

[上式中、R、R、R、R、R、R、Rおよびnは請求項1に定義した通りである]
を持つ請求項1に記載の誘導体。
【請求項7】
が水素、アルキル、フェニルまたはフェニルアルキルであって、少なくとも一つの位置においてフェニル基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、アルコキシ基またはアルキル基によって置換されていてもよいものを表す請求項1から6に記載の誘導体。
【請求項8】
およびR’が、水素、フェニル、メチルまたはエチルを表す請求項1から7のいずれか一項に記載の誘導体。
【請求項9】
およびR’が、水素、フェニル、メチルまたはエチルを表す請求項1から8のいずれか一項に記載の誘導体。
【請求項10】
およびRがナフタレン環を形成する請求項1から9のいずれか一項に記載の誘導体。
【請求項11】
およびRが互いに同一でも異なっていてもよく、水素、メチルまたはフェニルを表す請求項1から10のいずれか一項に記載の誘導体。
【請求項12】
が水素、ヒドロキシル、メチルまたはエチルを表す請求項1から11のいずれか一項に記載の誘導体。
【請求項13】
が、水素、ヒドロキシル、メチル、エチル、tert-ブチル、ベンジル、シクロヘキシル、メトキシフェニル、ビフェニル、COOR11、CONR1213または
【化11】

[上式中、R11-R13、R16-R20、mおよびpは請求項1に定義した通りである]
を表す請求項1から12のいずれか一項に記載の誘導体。
【請求項14】
およびRが互いに同一でも異なっていてもよく、エチルヘキシル、または1〜18の炭素原子を含む直鎖状または分枝状鎖で、飽和または不飽和アルキル基であって、少なくとも1つの-SOMまたは-N(R15)+基によって置換されていてもよいものを表す請求項1から13のいずれか一項に記載の誘導体。
【請求項15】
11が水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルまたは2-エチルヘキシルを表す請求項1から14のいずれか一項に記載の誘導体。
【請求項16】
12が水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルまたは2-エチルヘキシルを表す請求項1から15のいずれか一項に記載の誘導体。
【請求項17】
13が水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルまたは2-エチルヘキシルを表す請求項1から16のいずれか一項に記載の誘導体。
【請求項18】
14がメチル、エチル、プロピル、ブチル、t-ブチルまたはフェニルを表す請求項1から17のいずれか一項に記載の誘導体。
【請求項19】
16からR20がメチル、エチル、メトキシ、エトキシまたはフェニルを表す請求項1から18のいずれか一項に記載の誘導体。
【請求項20】
21がメチル、エチル、メトキシ、エトキシまたはフェニルを表す請求項1から19のいずれか一項に記載の誘導体。
【請求項21】
- 2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ビス(2,4-ジヒドロキシフェニル)-1,3,5-トリアジン;
- 2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ビス[4-(2-エチルヘキシロキシ)-2-ヒドロキシフェニル]-1,3,5-トリアジン;
- 2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ビス[4-(ブトキシカルボニル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン;
- 2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ビス(ビフェニル-4-イルアミノ)-1,3,5-トリアジン;
- 2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ビス(4-ベンゾイルフェニルアミノ)-1,3,5-トリアジン;
- 2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ビス(9-オキソ-9H-フルオレン-3-イルアミノ)-1,3,5-トリアジン;
- 2-(1-ベンジル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ビス[4-(イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン;
- 2-(1-ベンジドリル-1H-ピロル-2-イル)-4,6-ビス[4-(ブトキシカルボニル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン
からなる群から選択される請求項1から20のいずれか一項に記載の誘導体。

【請求項22】
が一般式(III)
【化12】

の基であって、
が一般式(V)
【化13】

[上式中、R10=Hである]
の基である請求項1に記載の一般式(I)のピロリルトリアジン誘導体の調整方法であって、
極性溶媒を有する塩基性媒体中において、一般式(XII)の化合物で一般式(XI)の化合物をアルキル化することからなり、
【化14】

[上式中、R-R、R、R、およびnは請求項1に定義した通りであり、Xはクロロ、ブロモ、トシルまたはメシルのような脱離基である]
ここで、該塩基が好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸セシウム、炭酸カリウム、ナトリウム-tert-ブトキシドおよびカリウム-tert-ブトキシドから選択され、極性溶媒が2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、ジメチルホルムアミドまたはエタノールから選択される方法。
【請求項23】
一般式(XI)の化合物が、極性溶媒を有する塩基性媒体中において一般式(X)の化合物で一般式(IX)の化合物をアルキル化することによって得られ、
【化15】

[上式中、R-R、Rおよびnは請求項1に定義した通りであり、Xは請求項20に定義した通りである]
ここで、該塩基が水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸セシウム、炭酸カリウム、ナトリウ-tert-ブトキシドおよびカリウム-tert-ブトキシドから選択され、極性溶媒が2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、ジメチルホルムアミドおよびエタノールから選択される請求項22に記載の方法。
【請求項24】
が一般式(III)
【化16】

の基であり、
が一般式(V)
【化17】

[上式中、RおよびRが同一で、R10=Hである]
の基である請求項1に記載の一般式(I)の化合物を得るための方法であって、
極性溶媒を有する塩基性媒体中において、一般式(X)または(XII)の化合物で一般式(IX)の化合物をアルキル化することをからなり、
【化18】

[上式中、R-R、R、Rおよびnは請求項1に定義した通りであり、Xは請求項20に定義した通りであり、RおよびRが同一である]
ここで、該塩基が好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸セシウム、炭酸カリウム、およびカリウム-tert-ブトキシドから選択され、該極性溶媒が2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、ジメチルホルムアミドまたはエタノールから選択される方法。
【請求項25】
一般式(IX)の化合物が、ルイス酸の存在下、不活性溶媒中において、一般式(VIII)
【化19】

[上式中、R-Rおよびnは請求項1に定義した通りである]
の化合物で1,3-ジヒドロキシベンゼンをアシル化することによって得られ、
ここで、該ルイス酸は好ましくは三塩化アルミニウムであり、該不活性溶媒がキシレンである請求項23または24に記載の方法。
【請求項26】
とA
【化21】

[上式中、RおよびRは請求項1に定義した通りである]
である請求項1に記載の一般式(I)の化合物を合成する方法であって、
好ましくはN,N-ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウムおよびカリウムから選択される塩基;およびジオキサン、トルエン、キシレン(異性体の混合物)、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドンおよびアセトンから選択される極性溶媒の存在下において、0℃から溶媒の沸点の間、好ましくは室温から溶媒の沸点の範囲の温度で、
一般式(VIII)の化合物と一般式(XIII)の化合物
【化22】

[上式中、R-Rが請求項1の定義通りである]
の間の反応からなる方法。
【請求項27】
前記温度が50℃から溶媒の沸点の間の範囲である請求項26に記載の方法。
【請求項28】
紫外線吸収剤として使用するための請求項1から19のいずれか一項に記載のピロリルトリアジン誘導体。
【請求項29】
請求項1に記載の1つ以上の誘導体と少なくとも1種の化粧品的に許容可能な担体または賦形剤を含有する化粧品製剤。
【請求項30】
請求項1に記載の1つ以上の誘導体と少なくとも1種の皮膚科的に許容可能な担体または賦形剤を含有する皮膚科製剤。
【請求項31】
請求項1に記載の1つ以上の誘導体と少なくとも1種の製薬的に許容可能な担体または賦形剤を含有する医薬製剤。
【請求項32】
日射に対する少なくとも一つの有機、微粒子化された有機、または無機の遮蔽剤をさらに含有する請求項29から31のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項33】
少なくとも一つの活性物質をまた含有する請求項29から32のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項34】
紫外線遮蔽剤としての化粧品、皮膚科および医薬の製剤における請求項1から21のいずれか一項に記載のピロリルトリアジン誘導体の使用。
【請求項35】
日射から哺乳類の皮膚、唇および/または関連した組織を保護するための製剤を製造するための、請求項1から21のいずれか一項に記載のピロリルトリアジン誘導体の使用。
【請求項36】
哺乳類の皮膚、唇および/または関連した組織上に紫外線によって生じた病状の治療の佐剤として、予防的製剤を製造するための請求項1から21のいずれか一項に記載のピロリルトリアジン誘導体の使用。
【請求項37】
上記哺乳類が人間である請求項34から36のいずれか一項に記載の使用。
【請求項38】
合成ポリマーのフォトスタビライザーとしての請求項1から21のいずれか一項に記載の誘導体の使用。
【請求項39】
織物繊維中の紫外線遮蔽剤としての請求項1から21のいずれか一項に記載の誘導体の使用。

【公表番号】特表2008−542341(P2008−542341A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−514127(P2008−514127)
【出願日】平成18年6月6日(2006.6.6)
【国際出願番号】PCT/EP2006/062937
【国際公開番号】WO2006/128920
【国際公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(507397009)
【Fターム(参考)】