説明

フォトレジスト用樹脂の製造方法およびフォトレジスト樹脂組成物の製造方法

【課題】
本発明の目的は、超微細化工が可能なフォトレジスト樹脂組成物を達成するために、分子量が均一な樹脂とすべく、重合温度を効果的に制御する方法を提供することにある。
【解決手段】
本発明は、酸によりその一部が脱離してアルカリ可溶性となるモノマー(Am)と極性基を有する脂環式骨格を含むモノマー(Bm)を少なくとも含むモノマー溶液を重合開始剤溶液とともに重合温度に昇温された溶媒中に添加し重合してフォトレジスト用樹脂を製造する方法において、重合の温度を制御する熱媒が水であり、その熱媒系に直接加圧蒸気および冷水を制御弁を介して導入することによって重合温度を制御することを特徴とするフォトレジスト用樹脂の製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸によりその一部が脱離してアルカリ可溶性となるモノマーと極性基を有する脂環式骨格を含むモノマーとを重合開始剤とともに添加しながら重合する時の重合温度を制御する方法に関する。更に、重合温度が制御された樹脂を使用したフォトレジスト樹脂組成物の製造方法とそのフォトレジスト組成物の半導体基板への塗布方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程で用いられるポジ型フォトレジストは、光照射により照射部がアルカリ可溶性に変化する性質、シリコンウエハへの密着性、プラズマエッチング耐性、用いる光に対する透明性等の特性を兼ね備えていなくてはならない。該ポジ型フォトレジストは、一般に、主剤であるポリマーと、光酸化剤と、上記特性を調整するための数種の添加剤を含む溶液として用いられる。一方、半導体の製造に用いられるリソグラフィの露光光源は、年々短波長になってきており、次世代の露光光源として、波長193nmのArFエキシマレーザーが有望視されている。このArFエキシマレーザー露光機に用いられるレジスト用ポリマーとして、基板に対する密着性の高いラクトン骨格を含む繰り返し単位や、エッチング耐性に優れる脂環式炭化水素骨格を含む繰り返し単位を有するポリマーが種々提案されている。
【0003】
しかし近年リソグラフィーの微細化について極限状態のものが要求されるようになると、使用されるフォトレジスト用樹脂も分子量などが均一なものが要求されている。低分子量の部分は沈殿精製により除去することが可能であるが、高分子量の部分は樹脂から除くことができないために重合で生成しないようにすることが大変重要な技術課題である。しかし、この要求を充分に満足する樹脂の製造方法については提案が少ない。特許文献1に高分子量成分の生成を抑制する方法が提案されているが、更にその要求精度は増大している。
【特許文献1】特開2005−120157号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の目的は、超微細化工が可能なフォトレジスト樹脂組成物を達成するために、分子量が均一な樹脂とすべく、重合温度を効果的に制御する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、重合温度を制御する方法として、重合缶の熱媒系に直接加圧蒸気および冷水を制御弁を介して導入することによって均一な重合温度を実現することができ、さらにそれにより均一な分子量の樹脂の製造方法を見出すことにより本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明は、酸によりその一部が脱離してアルカリ可溶性となるモノマー(Am)と極性基を有する脂環式骨格を含むモノマー(Bm)を少なくとも含むモノマー溶液を重合開始剤溶液とともに重合温度に昇温された溶媒中に添加し重合してフォトレジスト用樹脂を製造する方法において、重合の温度を制御する熱媒が水であり、その熱媒系に直接加圧蒸気および冷水を制御弁を介して導入することによって重合温度を制御することを特徴とするフォトレジスト用樹脂の製造方法を提供する。
【0007】
また本発明は、制御される重合温度が50〜150℃であることを特徴とする前記記載のフォトレジスト用樹脂の製造方法を提供する。
【0008】
更に本発明は、酸によりその一部が脱離してアルカリ可溶性となるモノマー(Am)に相当する繰り返し単位Aが下記式(Ia)〜(Id)
【0009】
【化1】

【0010】
(式中、環Zは置換基を有していてもよい炭素数6〜20の脂環式炭化水素環を示す。Rは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す。R1〜R3は、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す。R4は環Zに結合している置換基であって、同一又は異なって、オキソ基、アルキル基、保
護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、又は保護基で保護されていてもよいカルボキシル基を示す。但し、n個のR4のうち少なくとも1つは、−COORa基を示す。前記Raは置換基を有していてもよい
第3級炭化水素基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、又はオキセパニル基を示す。nは1〜3の整数を示す。R5、R6は、同一又は異なって、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す。R7は水素原子又は有機基を
示す。R5、R6、R7のうち少なくとも2つが互いに結合して隣接する原子とともに環を
形成していてもよい)から選択された少なくとも1種の繰り返し単位である前記記載のフォトレジスト樹脂の製造方法を提供する。
【0011】
更にまた本発明は、極性基を有する脂環式骨格を含むモノマー(Bm)に相当する繰り返し単位Bが、下記式(IIa)〜(IIe)
【0012】
【化2】

【0013】
(式中、Rは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す。R8〜R10は、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、保護基で保護されていても
よいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、又は保護基で保護されていてもよいカルボキシル基を示し、V1〜V3は、同一又は異なって、−CH2−、−CO−又は−COO−を示す。但し、(i)V1〜V3のうち少なくとも1つは−
CO−若しくは−COO−であるか、又は(ii)R8〜R10のうち少なくとも1つは、保
護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、又は保護基で保護されていてもよいカルボキシル基である。R11〜R15は、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基を示す。R16〜R24は、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基を示す。R25〜R33は、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基を示す。pは0又は1、qは1又は2を示す)から選択された少なくとも1種の繰り返し単位である前記記載のフォトレジスト樹脂の製造方法を提供する。
【0014】
本発明はまた、重合温度を温度センサーにより検知して、加圧蒸気又は冷水が制御弁の作動により熱媒系に直接導入されて重合温度を制御する前記記載のフォトレジスト樹脂の製造方法を提供する。
【0015】
本発明は更に、前記のいずれかに記載の重合方法により製造されたフォトレジスト用樹脂と光酸発生剤とを少なくとも含むフォトレジスト樹脂組成物の製造方法を提供する。
【0016】
前記に記載されたフォトレジスト樹脂組成物を半導体用基板に塗布することを特徴としたフォトレジスト樹脂の塗布方法を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明のフォトレジスト用樹脂によれば、分子量分布が均一はポリマーであり、半導体基盤への塗布性能もよく、リソグラフィーにより微細なパターンを形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
なお、本明細書では、「アクリル」と「メタクリル」とを「(メタ)アクリル」、「アクリロイル」と「メタクリロイル」とを「(メタ)アクリロイル」等と総称する場合がある。
【0019】
本発明の重合方法は、一般的なビニル重合に適用できる。なかでもラジカル重合、イオン重合、更にはラジカルリビング重合などに応用可能である。特に、重合温度の変動に対して開始剤の分解の敏感なラジカル重合への適用が好ましい。ラジカル重合の重合形態としては、溶液重合、乳化重合、塊状重合そして件抱く重合などに適用できるが、なかでも溶液重合への適用が好ましい。

重合の温度制御つまり重合缶内の温度制御は重合缶に付随しているジャケットや内部のコイルに熱媒を通液することで実施される。熱媒は100℃を超えると通常オイルを使うことが多いが、熱媒系を加圧として水を使用して、100℃以上でも加圧することで水の沸点を上昇させ熱媒として使用することが可能となる。また、オイルを熱媒とするとオイルの加熱は熱交換器を介して熱交換をすることが必要である。
【0020】
本発明は、熱媒系に直接加圧蒸気および冷水を制御弁を介して導入することによって重合温度を制御することであり、熱媒に水を使用することは必須の条件となる。熱媒系に直接加圧蒸気や冷水を導入することによって、温度の変更を極短時間で行うことができ、しかも目標の温度になった時点で蒸気や冷水の導入を自動弁によって、即時に停止することができる。熱媒系をオイルとして熱交換器を使用すると、それぞれタイムラグが発生して重合温度の均一化は難しくなる。
【0021】
制御される重合温度は特に限定されるものではないが、通常50〜150℃で行われる。熱媒系が加圧なので使用される蒸気は加圧となるが熱媒系の圧力よりも高ければ使用は可能である。冷水は通常ポンプにより導入されるが、ポンプの出口圧力を熱媒系の圧力より高く維持しておけば導入は可能である。
【0022】
熱媒系は熱媒である水の貯槽を設けることが好ましい。温度制御のために導入された蒸気や冷却水によって貯槽の保持量が増加するが、水の貯槽には液面計を設置し、そして貯槽底部に排出口を設け、更に自動弁(排水のための自動弁)を取り付けて、貯槽液面を自動制御することが好ましい。方法としては人が液面計をみて適宜排水してもよいし、液面計と排水の自動弁を自動で連動させて排水することも好ましい。
【0023】
熱媒の水の貯槽にはポンプを設置して、そのポンプにより重合缶のジャケットや内部コイルに熱媒を送液して、ジャケットを出た熱媒は熱媒(水)の貯槽に戻すことが合理的である。一連の物質の流れは1例として図1にプロセスを示した。
【0024】
本発明におけるフォトレジスト用樹脂は、酸によりその一部が脱離してアルカリ可溶性となる基を含む繰り返し単位Aと、極性基を有する脂環式骨格を含む繰り返し単位Bとを少なくとも含有している。
【0025】
酸によりその一部が脱離してアルカリ可溶性となる基を含む繰り返し単位Aとしては、露光によって光酸発生剤から発生する酸の作用により一部分が脱離してアルカリ現像液に対して可溶性を示すもの(酸脱離性基を有する繰り返し単位)であれば特に限定されず、例えば、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を含有し且つ酸の作用により脱離可能な基を有している(メタ)アクリル酸エステルに対応する繰り返し単位(炭素−炭素二重結合部位で重合した場合の繰り返し単位)などが挙げられる。「炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を含有し且つ酸の作用により脱離可能な基を有している(メタ)アクリル酸エステル」には、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を有すると共に、(メタ)アクリル酸エステルのエステル結合を構成する酸素原子との結合部位に第3級炭素原子を有する(メタ)アクリル酸エステルが含まれる。前記脂環式炭化水素基は、(メタ)アクリル酸エステルのエステル結合を構成する酸素原子と直接結合していてもよく、アルキレン基等の連結基を介して結合していてもよい。前記炭素数6〜20の脂環式炭化水素基は単環式炭化水素基であってもよく、多環式(橋かけ環式)炭化水素基であってもよい。このような(メタ)アクリル酸エステルに対応する単位の代表的な例として、前記式(Ia)、(Ib)で表される単位が例示される。
【0026】
また、「炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を含有し且つ酸の作用により脱離可能な基を有している(メタ)アクリル酸エステル」には、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を有すると共に、該脂環式炭化水素基に−COORa基(Raは置換基を有していてもよい第3級炭化水素基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、又はオキセパニル基を示す)が直接又は連結基を介して結合している(メタ)アクリル酸エステルも含まれる。−COORa基のRaにおける第3級炭化水素基としては、例えば、t−ブチル、t−アミル、2−メチル−2−アダマンチル、(1−メチル−1−アダマンチル)エチル基などが挙げられる。この第3級炭化水素基が有していてもよい置換基として、例えば、ハロゲン原子、アルキル基(例えば、C1-4アルキル基など)、保護基で保護されていてもよ
いヒドロキシル基、オキソ基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基などが挙げられる。また、Raにおけるテトラヒドロフラニル基には2−テトラヒドロフラニル基が
、テトラヒドロピラニル基には2−テトラヒドロピラニル基が、オキセパニル基には2−オキセパニル基が含まれる。前記連結基としては、アルキレン基(例えば、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基等)などが挙げられる。前記脂環式炭化水素基は、(メタ)アクリル酸エステルのエステル結合を構成する酸素原子と直接結合していてもよく、アルキレン基等の連結基を介して結合していてもよい。前記炭素数6〜20の脂環式炭化水素基は単環式炭化水素基であってもよく、多環式(橋かけ環式)炭化水素基であってもよい。このような(メタ)アクリル酸エステルに対応する単位の代表的な例として、前記式(Ic)で表される単位が例示される。
【0027】
また、酸によりその一部が脱離してアルカリ可溶性となる基を含む繰り返し単位Aとして、(メタ)アクリル酸ヘミアセタールエステルに対応するモノマー単位が挙げられる。具体的には、前記式(Id)で表される単位が例示される。
【0028】
また、酸によりその一部が脱離してアルカリ可溶性となる基を含む繰り返し単位Aとして、エステル結合を構成する酸素原子がラクトン環のβ位に結合し且つラクトン環のα位に少なくとも1つの水素原子を有する、ラクトン環を含む(メタ)アクリル酸エステルに対応する繰り返し単位(炭素−炭素二重結合部位で重合した場合の繰り返し単位)などを用いることも可能である。前記繰り返し単位Aは1種のみであってもよく、2種以上の組み合わせであってもよい。
【0029】
繰り返し単位Aとしては、前記式(Ia)〜(Id)から選択された少なくとも1種の繰り返し単位であるのが好ましい。式(Ia)〜(Id)中、環Zにおける炭素数6〜20の脂環式炭化水素環は単環であっても、縮合環や橋かけ環等の多環であってもよい。代表的な脂環式炭化水素環として、例えば、シクロヘキサン環、シクロオクタン環、シクロデカン環、アダマンタン環、ノルボルナン環、ノルボルネン環、ボルナン環、イソボルナン環、パーヒドロインデン環、デカリン環、パーヒドロフルオレン環(トリシクロ[7.4.0.03,8]トリデカン環)、パーヒドロアントラセン環、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環、トリシクロ[4.2.2.12,5]ウンデカン環、テトラシクロ[4.4.0
.12,5.17,10]ドデカン環などが挙げられる。脂環式炭化水素環には、メチル基等の
アルキル基(例えば、C1-4アルキル基など)、塩素原子等のハロゲン原子、保護基で保
護されていてもよいヒドロキシル基、オキソ基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基などの置換基を有していてもよい。環Zは例えばアダマンタン環等の多環の脂環式炭化水素環(橋かけ環式炭化水素環)であるのが好ましい。
【0030】
式(Ia)〜(Id)中のR、並びに式(Ia)、(Ib)、(Id)中のR1〜R3、R5、R6における置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル基などの直鎖状又は分岐鎖状の炭素1〜6のアルキル基;トリフルオロメチル基等の炭素1〜6のハロアルキル基などが挙げられる。Rとしては、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、特に水素原子又はメチル基が好ましい。式(Ic)中、R4にお
けるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル基などの直鎖状又は分岐鎖状の炭素1〜20程度のアルキル基が挙げられる。R4における保護基
で保護されていてもよいヒドロキシル基としては、例えば、ヒドロキシル基、置換オキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ基等のC1-4アルコキシ基など)などが挙
げられる。保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基としては、前記保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基が炭素数1〜6のアルキレン基を介して結合している基などが挙げられる。保護基で保護されていてもよいカルボキシル基としては、−COORb基などが挙げられる。前記Rbは水素原子又はアルキル基を示し、アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル基などの直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜6のアルキル基などが挙げられる。R4において、−COORa基のRaは前記と同様である。
【0031】
7における有機基としては、炭化水素基及び/又は複素環式基を含有する基が挙げら
れる。炭化水素基には脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらが2以上結合した基が含まれる。脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル基等の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基(C1-8アルキル基等);アリル基等
の直鎖状または分岐鎖状のアルケニル基(C2-8アルケニル基等);プロピニル基等の直
鎖状または分岐鎖状のアルキニル基(C2-8アルキニル基等)などが挙げられる。脂環式
炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基(3〜8員シクロアルキル基等);シクロペンテニル、シクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基(3〜8員シクロアルケニル基等);アダマンチル、ノルボルニル基等の橋架け炭素環式基(C4-20橋架け炭素環式基等)などが挙げられる。芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル、ナフチル基等のC6-14芳香族炭化水素基などが挙げられる。脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基とが結合した基としては、ベンジル、2−フェニルエチル基などが挙げられる。これらの炭化水素基は、アルキル基(C1-4
ルキル基等)、ハロアルキル基(C1-4ハロアルキル基等)、ハロゲン原子、保護基で保
護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシメチル基
、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、オキソ基などの置換基を有していてもよい。保護基としては有機合成の分野で慣用の保護基を使用できる。
【0032】
前記複素環式基としては、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選択された少なくとも1種のヘテロ原子を含む複素環式基が挙げられる。
【0033】
好ましい有機基として、C1-8アルキル基、環式骨格を含む有機基等が挙げられる。前
記環式骨格を構成する「環」には、単環又は多環の非芳香族性又は芳香族性の炭素環又は複素環が含まれる。なかでも、単環又は多環の非芳香族性炭素環、ラクトン環(非芳香族性炭素環が縮合していてもよい)が特に好ましい。単環の非芳香族性炭素環として、例えば、シクロペンタン環、シクロヘキサン環などの3〜15員程度のシクロアルカン環などが挙げられる。
【0034】
多環の非芳香族性炭素環(橋架け炭素環)として、例えば、アダマンタン環、ノルボルナン環、ノルボルンネン環、ボルナン環、イソボルナン環、アダマンタン環;ノルボルナン環、ノルボルネン環、ボルナン環、イソボルナン環、トリシクロ[5.2.1.02,6
]デカン環、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン環等のノルボルナン
環又はノルボルネン環を含む環;パーヒドロインデン環、デカリン環(パーヒドロナフタレン環)、パーヒドロフルオレン環(トリシクロ[7.4.0.03,8]トリデカン環)
、パーヒドロアントラセン環などの多環の芳香族縮合環が水素添加された環(好ましくは完全水素添加された環);トリシクロ[4.2.2.12,5]ウンデカン環などの2環系
、3環系、4環系などの橋架け炭素環(例えば、炭素数6〜20程度の橋架け炭素環)などが挙げられる。前記ラクトン環として、例えば、γ−ブチロラクトン環、4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン環、4−オキサトリシクロ[4.
2.1.03,7]ノナン−5−オン環、4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−5−オン環などが挙げられる。
【0035】
前記環式骨格を構成する環は、メチル基等のアルキル基(例えば、C1-4アルキル基な
ど)、トリフルオロメチル基などのハロアルキル基(例えば、C1-4ハロアルキル基など
)、塩素原子やフッ素原子等のハロゲン原子、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、保護基で保護されていてもよいメルカプト基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、保護基で保護されていてもよいアミノ基、保護基で保護されていてもよいスルホン酸基などの置換基を有していてもよい。保護基としては有機合成の分野で慣用の保護基を使用できる。
【0036】
前記環式骨格を構成する環は、式(Id)中に示される酸素原子(R7の隣接位の酸素原
子)と直接結合していてもよく、連結基を介して結合していてもよい。連結基としては、メチレン、メチルメチレン、ジメチルメチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン基などの直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基;カルボニル基;酸素原子(エーテル結合;−O−);オキシカルボニル基(エステル結合;−COO−);アミノカルボニル基(アミド結合;−CONH−);及びこれらが複数個結合した基などが挙げられる。
【0037】
5、R6、R7のうち少なくとも2つは、互いに結合して隣接する原子とともに環を形
成していてもよい。該環としては、例えば、シクロプロパン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環などのシクロアルカン環;テトラヒドロフラン環、テトラヒドロピラン環、オキセパン環などの含酸素環;橋架け環などが挙げられる。
【0038】
前記極性基を有する脂環式骨格を含む繰り返し単位Bには、(1)ラクトン環を含有する炭素数6〜20の脂環式炭化水素基[ラクトン環と単環又は多環(橋かけ環)の脂環式炭素環とが縮合した構造を有する基等]がエステル結合を構成する酸素原子に結合してい
る(メタ)アクリル酸エステルに対応するモノマー単位B1(炭素−炭素二重結合部位で重合した場合の繰り返し単位)が含まれる。このような繰り返し単位B1の代表的な例として、前記式(IIa)のうちV1〜V3の少なくとも1つが−COO−である単位、及び(IIb)、(IIc)、(IId)、(IIe)で表される単位が例示される。
【0039】
また、極性基を有する脂環式骨格を含む繰り返し単位Bには、(2)ヒドロキシル基、カルボキシル基、オキソ基などの極性基を有する炭素数6〜20の脂環式炭化水素基(特に、橋かけ環式炭化水素基)がエステル結合を構成する酸素原子に結合している(メタ)アクリル酸エステルに対応するモノマー単位B2(炭素−炭素二重結合部位で重合した場合の繰り返し単位)も含まれる。このような繰り返し単位B2の代表的な例として、前記式(IIa)のうちV1〜V3の少なくとも1つが−CO−であるか、又はR8〜R10のうち少な
くとも1つが、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、又は保護基で保護されていてもよいカルボキシル基である単位が例示される。
【0040】
繰り返し単位Bは、極性基によりシリコンウエハーなどの基板に対する密着性を付与すると共に、脂環式骨格によりドライエッチング耐性を付与する。繰り返し単位Bは1種のみであってもよく、2種以上の組み合わせであってもよい。繰り返し単位Bとしては、前記式(IIa)〜(IIe)から選択された少なくとも1種の繰り返し単位であるのが好ましい。また、繰り返し単位Bとして繰り返し単位B1と繰り返し単位B2とを組み合わせると、基板密着性、ドライエッチング耐性、レジスト溶剤に対する溶解性等の特性をバランスよく具備するだけでなく、重合時における均質反応性にも優れる(分子量や分子構造において均一性の高いポリマーが生成する)という大きな利点が得られる。
【0041】
式(IIa)〜(IIe)中のRは前記(Ia)〜(Id)中のRと同様である。式(IIa)〜(IIe)中、R8〜R33におけるアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル基などの直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜13のアルキル基等が挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基としては、例えば、ヒドロキシル基、置換オキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ基等のC1-4アルコキシ基など)などが挙げられる。保護基で保護
されていてもよいヒドロキシアルキル基としては、前記保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基が炭素数1〜6のアルキレン基を介して結合している基などが挙げられる。保護基で保護されていてもよいカルボキシル基としては、−COORb基などが挙げられ
る。Rbは前記と同様である。
【0042】
本発明におけるフォトレジスト用樹脂は、アルカリ可溶性(酸脱離性)、基板密着性、ドライエッチング耐性、レジスト溶剤への溶解性などの特性を損なわない範囲で、前記繰り返し単位A及びB以外の繰り返し単位を含んでいてもよい。このような繰り返し単位としては、繰り返し単位Aに対応する単量体及び繰り返し単位Bに対応する単量体と共重合可能な単量体に対応する単位であって、且つレジスト特性を損なわないようなものであれば特に限定されない。例えば、(メタ)アクリル酸又はその誘導体、マレイン酸又はその誘導体、フマル酸又はその誘導体、環状オレフィン類などに対応する単位が挙げられる。前記(メタ)アクリル酸又はその誘導体としては、例えば、α−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリロイルオキシ−α−メチル−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリロイルオキシ−γ,γ−ジメチル−γ−ブチロラクトン等の、ラクトン環(γ−ブチロラクトン環、δ−バレロラクトン環など)を有する(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。このラクトン環を有する(メタ)アクリル酸エステルは、ポリマーに基板密着性を付与しうる。
【0043】
フォトレジスト用樹脂における前記繰り返し単位Aの含有量は、例えば5〜90モル%、好ましくは10〜80モル%、さらに好ましくは20〜70モル%である。繰り返し単位Aの含有量が5モル%未満の場合には、アルカリ現像の際のレジスト膜の溶解性が不十分となり、解像度が低下し、微細なパターンを精度よく形成することが困難となる。また、繰り返し単位Aの含有量が90モル%を超える場合には、基板密着性やドライエッチング耐性が低下し、現像によりパターンが剥がれて残らないという問題が起こりやすい。
【0044】
フォトレジスト用樹脂における前記繰り返し単位Bの含有量は、例えば10〜95モル%、好ましくは20〜90モル%、さらに好ましくは30〜80モル%である。繰り返し単位Bの含有量が10モル%未満の場合には基板密着性やドライエッチング耐性が低下しやすくなり、95モル%を超えるとアルカリ可溶性単位の導入量が少なくなることから、アルカリ現像の際のレジスト膜の溶解性が不十分になりやすい。繰り返し単位Bとして繰り返し単位B1と繰り返し単位B2とを組み合わせる場合、両者の割合は特に限定されないが、一般には前者/後者(モル比)=5/95〜95/5、好ましくは10/90〜90/10、さらに好ましくは30/70〜70/30程度である。
【0045】
フォトレジスト用樹脂の重量平均分子量(Mw)は、例えば3000〜15000の範囲であり、好ましくは4000〜14000であり、さらに好ましくは5000〜13000程度である。フォトレジスト用樹脂の分子量分布(Mw/Mn)は、例えば1.1〜3.5、好ましくは1.3〜3.0、特に好ましくは1.5〜2.5程度である。なお、前記Mnは数平均分子量を示し、Mn、Mwともにポリスチレン換算の値である。樹脂の重量平均分子量、分子量分布はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定できる。
【0046】
フォトレジスト用樹脂は通常用いられる重合法により合成できるが、組成や分子量の均一なポリマーが得られやすい滴下重合法を用いて合成するのが好ましい。例えば、酸によりその一部が脱離してアルカリ可溶性となる基を含む単量体a(繰り返し単位Aに対応する単量体)と極性基を有する脂環式骨格を含む単量体b(繰り返し単位Bに対応する単量体)とを少なくとも含む単量体混合物と、重合開始剤とを含有する混合溶液を反応容器内に滴下しながら、60〜130℃の温度で重合させることにより製造することができる。また、単量体混合物を含有する単量体溶液と重合開始剤を含有する重合開始剤溶液とを、別々の容器から並行して反応容器内に滴下することも可能である。重合温度はできる限り振れ幅を少なくして一定の温度で制御することが好ましい。
【0047】
重合溶媒としては、例えば、グリコール系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、アミド系溶媒、スルホキシド系溶媒、1価アルコール系溶媒、炭化水素系溶媒、これらの混合溶媒などが挙げられる。グリコール系溶媒には、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのプロピレングリコール系溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどのエチレングリコール系溶媒などが含まれる。エステル系溶媒には、乳酸エチルなどの乳酸エステル系溶媒;3−メトキシプロピオン酸メチルなどのプロピオン酸エステル系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル系溶媒などが挙げられる。ケトン系溶媒には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノンなどが含まれる。エーテル系溶媒には、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどが含まれる。アミド系溶媒には、N,N−ジメチルホルムアミドなどが含まれる。スルホキシド系溶媒には、ジメチルスルホキシドなどが含まれる。1価アルコール系溶媒には、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノールなどが含まれる。炭化水素系溶媒には、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサンなどが含まれる。
【0048】
好ましい重合溶媒には、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのグリコール系溶媒、乳酸エチルなどのエステル系溶媒、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトンなどのケトン系溶媒及びこれらの混合溶媒が含まれる。特に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート単独溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとプロピレングリコールモノメチルエーテルとの混合溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと乳酸エチルとの混合溶媒などの、少なくともプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含む溶媒が好ましい。
【0049】
重合開始剤として公知の重合開始剤を使用できる。
【0050】
滴下重合において、予め仕込まれる溶媒の量と滴下する溶液(単量体溶液、重合開始剤溶液)の総量との比率は、生産性や経済性、作業性、操作性等を考慮しつつ、樹脂の品質を損なわない範囲で適宜設定できるが、一般には、前者/後者(重量比)=5/95〜90/10、好ましくは10/90〜70/30、さらに好ましくは20/80〜60/40の範囲である。使用する重合溶媒の総量(予め仕込まれる溶媒又は溶液中の溶媒の量+滴下する溶液中の溶媒の量)は、作業性、操作性、反応効率、生成するポリマーの溶解性等を考慮して適宜選択できるが、単量体の総量100重量部に対して、一般には100〜2000重量部、好ましくは200〜1000重量部、さらに好ましくは300〜700重量部程度である。
【0051】
単量体溶液及び重合開始剤溶液の全滴下時間は、重合温度及び単量体の種類等によって異なるが、一般には1〜10時間、好ましくは3〜8時間程度である。なお、滴下終了後、適宜な時間(例えば0.1〜10時間、好ましくは1〜6時間程度)、適宜な温度(例えば50〜150℃)下で熟成して重合を完結させてもよい。 熟成温度は重合温度と同
一の温度とすることが好ましい。同一温度であるほうが制御されている温度の乱れを防ぐことができる。
【0052】
前記式(Ia)〜(Id)、(IIa)〜(IIe)で表される各繰り返し単位を含む樹脂は、それぞれ対応する(メタ)アクリル酸エステル(Am)をコモノマーとして重合に付すことにより製造できる。
【0053】
[式(Ia)〜(Id)で表される繰り返し単位]
前記式(Ia)〜(Id)で表される繰り返し単位に対応するモノマー(Am)は、それぞれ下記式(1a)〜(1d)で表される。式(1a)〜(1d)で表される化合物には、それぞれ立体異性体が存在しうるが、それらは単独で又は2種以上の混合物として使用できる。
【0054】
【化3】

【0055】
(式中、環Zは置換基を有していてもよい炭素数6〜20の脂環式炭化水素環を示す。Rは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す。R1〜R3は、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す。R4
は環Zに結合している置換基であって、同一又は異なって、オキソ基、アルキル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、又は保護基で保護されていてもよいカルボキシル基を示す。但し、n個のR4
のうち少なくとも1つは、−COORa基を示す。前記Raは置換基を有していてもよい第3級炭化水素基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、又はオキセパニル基を示す。nは1〜3の整数を示す。R5、R6は、同一又は異なって、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す。R7は水素原子又は有機基を示
す。R5、R6、R7のうち少なくとも2つが互いに結合して隣接する原子とともに環を形
成していてもよい)
式(1a)で表される化合物の代表的な例として下記化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
[1-1]2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン(R=H又はCH3、R1=CH3、Z=アダマンタン環)
[1-2]1−ヒドロキシ−2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン(
R=H又はCH3、R1=CH3、Z=1位にヒドロキシル基を有するアダマンタン環)
[1-3]5−ヒドロキシ−2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン(
R=H又はCH3、R1=CH3、Z=5位にヒドロキシル基を有するアダマンタン環)
[1-4]1,3−ジヒドロキシ−2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン(R=H又はCH3、R1=CH3、Z=1位と3位にヒドロキシル基を有するアダマン
タン環)
[1-5]1,5−ジヒドロキシ−2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン(R=H又はCH3、R1=CH3、Z=1位と5位にヒドロキシル基を有するアダマン
タン環)
[1-6]1,3−ジヒドロキシ−6−(メタ)アクリロイルオキシ−6−メチルアダマンタン(R=H又はCH3、R1=CH3、Z=1位と3位にヒドロキシル基を有するアダマン
タン環)
[1-7]2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−エチルアダマンタン(R=H又はCH3、R1=CH2CH3、Z=アダマンタン環)
[1-8]1−ヒドロキシ−2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−エチルアダマンタン(
R=H又はCH3、R1=CH2CH3、Z=1位にヒドロキシル基を有するアダマンタン環

[1-9]5−ヒドロキシ−2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−エチルアダマンタン(
R=H又はCH3、R1=CH2CH3、Z=5位にヒドロキシル基を有するアダマンタン環)
[1-10]1,3−ジヒドロキシ−2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−エチルアダマン
タン(R=H又はCH3、R1=CH2CH3、Z=1位と3位にヒドロキシル基を有するアダマンタン環)
[1-11]1,5−ジヒドロキシ−2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−エチルアダマン
タン(R=H又はCH3、R1=CH2CH3、Z=1位と5位にヒドロキシル基を有するアダマンタン環)
[1-12]1,3−ジヒドロキシ−6−(メタ)アクリロイルオキシ−6−エチルアダマン
タン(R=H又はCH3、R1=CH2CH3、Z=1位と3位にヒドロキシル基を有するアダマンタン環)
上記式(1a)で表される化合物は、例えば、対応する環式アルコールと(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体とを、酸触媒やエステル交換触媒を用いた慣用のエステル化法に従って反応させることにより得ることができる。
【0056】
式(1b)で表される化合物の代表的な例として下記化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
[1-13]1−(1−(メタ)アクリロイルオキシ−1−メチルエチル)アダマンタン(R=H又はCH3、R2=R3=CH3、Z=アダマンタン環)
[1-14]1−ヒドロキシ−3−(1−(メタ)アクリロイルオキシ−1−メチルエチル)アダマンタン(R=H又はCH3、R2=R3=CH3、Z=1位にヒドロキシル基を有するアダマンタン環)
[1-15]1−(1−エチル−1−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)アダマンタン(R=H又はCH3、R2=R3=CH2CH3、Z=アダマンタン環)
[1-16]1−ヒドロキシ−3−(1−エチル−1−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)アダマンタン(R=H又はCH3、R2=R3=CH2CH3、Z=1位にヒドロキシル基
を有するアダマンタン環)
[1-17]1−(1−(メタ)アクリロイルオキシ−1−メチルプロピル)アダマンタン(R=H又はCH3、R2=CH3、R3=CH2CH3、Z=アダマンタン環)
[1-18]1−ヒドロキシ−3−(1−(メタ)アクリロイルオキシ−1−メチルプロピル)アダマンタン(R=H又はCH3、R2=CH3、R3=CH2CH3、Z=1位にヒドロキシル基を有するアダマンタン環)
[1-19]1−(1−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2−ジメチルプロピル)アダマンタン(R=H又はCH3、R2=CH3、R3=CH(CH32、Z=アダマンタン環)
[1-20]1−ヒドロキシ−3−(1−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2−ジメチルプロピル)アダマンタン(R=H又はCH3、R2=CH3、R3=CH(CH32、Z=1位にヒドロキシル基を有するアダマンタン環)
[1-21]1,3−ジヒドロキシ−5−(1−(メタ)アクリロイルオキシ−1−メチルエチル)アダマンタン(R=H又はCH3、R2=R3=CH3、Z=1位と3位にヒドロキシル基を有するアダマンタン環)
[1-22]1−(1−エチル−1−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)−3,5−ジヒドロキシアダマンタン(R=H又はCH3、R2=R3=CH2CH3、Z=3位と5位にヒ
ドロキシル基を有するアダマンタン環)
[1-23]1,3−ジヒドロキシ−5−(1−(メタ)アクリロイルオキシ−1−メチルプロピル)アダマンタン(R=H又はCH3、R2=CH3、R3=CH2CH3、Z=1位と3位にヒドロキシル基を有するアダマンタン環)
[1-24]1,3−ジヒドロキシ−5−(1−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2−ジメチルプロピル)アダマンタン(R=H又はCH3、R2=CH3、R3=CH(CH32、Z
=1位と3位にヒドロキシル基を有するアダマンタン環)
上記式(1b)で表される化合物は、例えば、対応する1位に脂環式基を有するメタノール誘導体と(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体とを、酸触媒やエステル交換触媒を用いた慣用のエステル化法に従って反応させることにより得ることができる。
【0057】
式(1c)で表される化合物の代表的な例として下記化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
[1-25]1−t−ブトキシカルボニル−3−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン(R=H又はCH3、R4=t−ブトキシカルボニル基、n=1、Z=アダマンタン環)
[1-26]1,3−ビス(t−ブトキシカルボニル)−5−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン[R=H又はCH3、R4=t−ブトキシカルボニル基、n=2、Z=アダマンタン環]
[1-27]1−t−ブトキシカルボニル−3−ヒドロキシ−5−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン(R=H又はCH3、R4=OH,t−ブトキシカルボニル基、n=2、Z=アダマンタン環)
[1-28]1−(2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニル)−3−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン(R=H又はCH3、R4=2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニル基、n=1、Z=アダマンタン環)
[1-29]1,3−ビス(2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニル)−5−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン(R=H又はCH3、R4=2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニル基、n=2、Z=アダマンタン環)
[1-30]1−ヒドロキシ−3−(2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニル)−5−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン(R=H又はCH3、R4=OH,2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニル基、n=2、Z=アダマンタン環)
上記式(1c)で表される化合物は、例えば、対応する環式アルコールと(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体とを、酸触媒やエステル交換触媒を用いた慣用のエステル化法に従って反応させることにより得ることができる。
【0058】
式(1d)で表される化合物の代表的な例として下記化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
[1-31]1−アダマンチルオキシ−1−エチル(メタ)アクリレート(R=H又はCH3
、R5=CH3、R6=H、R7=1−アダマンチル基)
[1-32]1−アダマンチルメチルオキシ−1−エチル(メタ)アクリレート(R=H又はCH3、R5=CH3、R6=H、R7=1−アダマンチルメチル基)
[1-33]2−(1−アダマンチルエチル)オキシ−1−エチル(メタ)アクリレート(R=H又はCH3、R5=CH3、R6=H、R7=1−アダマンチルエチル基)
[1-34]1−ボルニルオキシ−1−エチル(メタ)アクリレート(R=H又はCH3、R5=CH3、R6=H、R7=1−ボルニル基)
[1-35]2−ノルボルニルオキシ−1−エチル(メタ)アクリレート(R=H又はCH3
、R5=CH3、R6=H、R7=2−ノルボルニル基)
[1-36]2−テトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート(R=H又はCH3、R5とR7
が結合して式中の炭素原子及び酸素原子とともに6員環を形成、R6=H)
[1-37]2−テトラヒドロフラニル(メタ)アクリレート(R=H又はCH3、R5とR7
が結合して式中の炭素原子及び酸素原子とともに5員環を形成、R6=H)
上記式(1d)で表される化合物は、例えば、対応するビニルエーテル化合物と(メタ)アクリル酸とを酸触媒を用いた慣用の方法で反応させることにより得ることができる。例えば、1−アダマンチルオキシ−1−エチル(メタ)アクリレートは、1−アダマンチル−ビニル−エーテルと(メタ)アクリル酸とを酸触媒の存在下で反応させることにより製造できる。
【0059】
[式(IIa)〜(IIe)で表される繰り返し単位]
前記式(IIa)〜(IIe)で表される繰り返し単位に対応するモノマー(Bm)は、それぞれ下記式(2a)〜(2e)で表される。式(2a)〜(2e)で表される化合物には、それぞれ立体異性体が存在しうるが、それらは単独で又は2種以上の混合物として使用できる。
【0060】
【化4】

【0061】
(式中、Rは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す。R8〜R10は、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、保護基で保護されていてもよ
いヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、又は保護基で保護されていてもよいカルボキシル基を示し、V1〜V3は、同一又は異なって、−CH2
−、−CO−又は−COO−を示す。但し、(i)V1〜V3のうち少なくとも1つは−CO−若しくは−COO−であるか、又は(ii)R8〜R10のうち少なくとも1つは、保護
基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、又は保護基で保護されていてもよいカルボキシル基である。R11〜R15は、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基を示す。R16〜R24は、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基を示す。R25〜R33は、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基を示す。pは0又は1、qは1又は2を示す)
式(2a)で表される化合物の代表的な例として下記化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
[2-1]1−(メタ)アクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8
ウンデカン−5−オン(R=H又はCH3、R8=R9=R10=H、V2=−CO−O−(左側がR9の結合している炭素原子側)、V1=V3=−CH2−)
[2-2]1−(メタ)アクリロイルオキシ−4,7−ジオキサトリシクロ[4.4.1.
3,9]ドデカン−5,8−ジオン(R=H又はCH3、R8=R9=R10=H、V1=−C
O−O−(左側がR8の結合している炭素原子側)、V2=−CO−O−(左側がR9の結
合している炭素原子側)、V3=−CH2−)
[2-3]1−(メタ)アクリロイルオキシ−4,8−ジオキサトリシクロ[4.4.1.
3,9]ドデカン−5,7−ジオン(R=H又はCH3、R8=R9=R10=H、V1=−O
−CO−(左側がR8の結合している炭素原子側)、V2=−CO−O−(左側がR9の結
合している炭素原子側)、V3=−CH2−)
[2-4]1−(メタ)アクリロイルオキシ−5,7−ジオキサトリシクロ[4.4.1.
3,9]ドデカン−4,8−ジオン(R=H又はCH3、R8=R9=R10=H、V1=−C
O−O−(左側がR8の結合している炭素原子側)、V2=−O−CO−(左側がR9の結
合している炭素原子側)、V3=−CH2−)
[2-5]1−(メタ)アクリロイルオキシ−3−ヒドロキシアダマンタン(R=H又はC
3、R8=OH、R9=R10=H、V1=V2=V3=−CH2−)
[2-6]1−(メタ)アクリロイルオキシ−3,5−ジヒドロキシアダマンタン(R=H
又はCH3、R8=R9=OH、R10=H、V1=V2=V3=−CH2−)
[2-7]1−(メタ)アクリロイルオキシ−3,5,7−トリヒドロキシアダマンタン(
R=H又はCH3、R8=R9=R10=OH、V1=V2=V3=−CH2−)
[2-8]1−(メタ)アクリロイルオキシ−3−ヒドロキシ−5,7−ジメチルアダマン
タン(R=H又はCH3、R8=OH、R9=R10=CH3、V1=V2=V3=−CH2−)
[2-9]1−(メタ)アクリロイルオキシ−3−カルボキシアダマンタン(R=H又はC
3、R8=COOH、R9=R10=H、V1=V2=V3=−CH2−)
上記式(2a)で表される化合物は、対応する環式アルコール誘導体と(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体とを、酸触媒やエステル交換触媒、塩基等を用いた慣用のエステル化法に従って反応させることにより得ることができる。
【0062】
式(2b)で表される化合物の代表的な例として下記化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
[2-10]5−(メタ)アクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8
]ノナン−2−オン(=5−(メタ)アクリロイルオキシ−2,6−ノルボルナンカルボラクトン)(R=H又はCH3、R11=R12=R13=R14=R15=H)
[2-11]5−(メタ)アクリロイルオキシ−5−メチル−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン(R=H又はCH3、R11=CH3、R12=R13=R14
15=H)
[2-12]5−(メタ)アクリロイルオキシ−1−メチル−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン(R=H又はCH3、R12=CH3、R11=R13=R14
15=H)
[2-13]5−(メタ)アクリロイルオキシ−9−メチル−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン(R=H又はCH3、R13=CH3、R11=R12=R14
15=H)
[2-14]5−(メタ)アクリロイルオキシ−9−カルボキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン(R=H又はCH3、R11=R12=R14=R15=H、R13=COOH)
[2-15]5−(メタ)アクリロイルオキシ−9−メトキシカルボニル−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン(R=H又はCH3、R11=R12=R14=R15=H、R13=メトキシカルボニル基)
[2-16]5−(メタ)アクリロイルオキシ−9−エトキシカルボニル−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン(R=H又はCH3、R11=R12=R14=R
15=H、R13=エトキシカルボニル基)
[2-17]5−(メタ)アクリロイルオキシ−9−t−ブトキシカルボニル−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン(R=H又はCH3、R11=R12=R14=R15=H、R13=t−ブトキシカルボニル基)
上記式(2b)で表される化合物は、対応する環式アルコール誘導体と(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体とを、酸触媒やエステル交換触媒、塩基等を用いた慣用のエステル化法に従って、反応させることにより得ることができる。なお、その際に原料として用いる環式アルコール誘導体は、例えば、対応する5−ノルボルネン−2−カルボン酸誘導体又はそのエステルを過酸(過酢酸、m−クロロ過安息香酸など)又は過酸化物(過酸化水素、過酸化水素+酸化タングステンやタングステン酸などの金属化合物)と反応(エポキシ化及び環化反応)させることにより得ることができる。
【0063】
式(2c)で表される化合物の代表的な例として下記化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
[2-18]8−(メタ)アクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6
]デカン−5−オン(R=H又はCH3
[2-19]9−(メタ)アクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6
]デカン−5−オン(R=H又はCH3
上記式(2c)で表される化合物は、対応する環式アルコール誘導体と(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体とを、酸触媒やエステル交換触媒、塩基等を用いた慣用のエステル化法に従って反応させることにより得ることができる。
【0064】
式(2d)で表される化合物の代表的な例として下記化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
[2-20]4−(メタ)アクリロイルオキシ−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−7−オン(R=H又はCH3、R16=R17=R18=R19=R20=R21=R22=R23=R24=H)
[2-21]4−(メタ)アクリロイルオキシ−4−メチル−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−7−オン(R=H又はCH3、R17=R18=R19=R20=R21=R22=R23=R24=H、R16=CH3
[2-22]4−(メタ)アクリロイルオキシ−5−メチル−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−7−オン(R=H又はCH3、R16=R18=R19=R20=R21=R22=R23=R24=H、R17=CH3
[2-23]4−(メタ)アクリロイルオキシ−4,5−ジメチル−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−7−オン(R=H又はCH3、R18=R19=R20=R21=R22=R23=R24=H、R16=R17=CH3
式(2e)で表される化合物の代表的な例として下記化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
[2-24]6−(メタ)アクリロイルオキシ−2−オキサビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オン(R=H又はCH3、R25=R26=R27=R28=R29=R30=R31=R32=R33=H)
[2-25]6−(メタ)アクリロイルオキシ−6−メチル−2−オキサビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オン(R=H又はCH3、R25=R27=R28=R29=R30=R31=R32=R33=H、R26=CH3
[2-26]6−(メタ)アクリロイルオキシ−1−メチル−2−オキサビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オン(R=H又はCH3、R26=R27=R28=R29=R30=R31=R32=R33=H、R25=CH3
[2-27]6−(メタ)アクリロイルオキシ−1,6−ジメチル−2−オキサビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オン(R=H又はCH3、R27=R28=R29=R30=R31=R32=R33=H、R25=R26=CH3
上記式(2d)及び(2e)で表される化合物は、対応する環式アルコール誘導体と(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体とを、酸触媒やエステル交換触媒、塩基等を用いた慣用のエステル化法に従って反応させることにより得ることができる。
【0065】
重合により生成したポリマーは貧溶媒へ添加して沈殿(再沈殿を含む)により単離できる。例えば、重合溶液(ポリマードープ)を貧溶媒(本明細書中で使用される貧溶媒とは溶解している樹脂を溶解性の劣る溶媒で樹脂を沈殿させる際のこの溶解性の劣る溶媒のことを示す。)中に添加してポリマーを沈殿させるか、又は該ポリマーを再度適当な溶媒に溶解させ、この溶液を溶媒(再沈殿溶媒)中に添加して再沈殿させることにより目的のポリマーを得ることができる。沈殿又は再沈殿溶媒は有機溶媒及び水の何れであってもよいが、混合溶媒を使用することは好ましい。混合溶媒は一方は比較的溶解性の高い溶媒であり、一方は比較的溶解性の劣る溶媒である。この溶解度差のある溶媒を適宜な比率で混合することで所望の溶解性を発揮することができて、必要な分子量のポリマーは溶解させずに、モノマーや低分子量のポリマーは溶解されることにより、低モノマー含有の樹脂が最適の収率で得られるので好ましいものである。沈殿又は再沈殿溶媒として用いる有機溶媒として、例えば、炭化水素(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素)、ハロゲン化炭化水素(塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化脂肪族炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素など)、ニトロ化合物(ニトロメタン、ニトロエタンなど)、ニトリル(アセトニトリル、ベンゾニトリルなど)、エーテル(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタンなどの鎖状エーテル;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトンなど)、エステル(酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、カーボネート(ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなど)、アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなど)、カルボン酸(酢酸など)などが挙げられ、そして、これらの溶媒を含む混合溶媒が好ましいものといえる。
【0066】
中でも、前記沈殿又は再沈殿溶媒として用いる有機溶媒として、少なくとも炭化水素(特に、ヘキサンやヘプタンなどの脂肪族炭化水素)又は水を含む溶媒が好ましい。このような少なくとも炭化水素や水を含む溶媒において、炭化水素(例えば、ヘキサンやヘプタンなどの脂肪族炭化水素)又は水と他の溶媒(例えば、酢酸エチルなどのエステル類又はメタノールなどのアルコール類等)との比率は、例えば前者/後者(体積比;25℃)=1/99〜90/10、好ましくは前者/後者(体積比;25℃)=5/70〜95/5、さらに好ましくは前者/後者(体積比;25℃)=10/90〜90/10程度である。
【0067】
本発明では、沈殿させて固液分離したフォトレジスト用樹脂の湿結晶を少なくとも1種の塗膜形成用溶媒(レジスト用溶媒)を含む溶媒に再溶解させ、得られた再溶解液を、蒸留缶の加熱用ジャケット及び/又はチューブに熱媒又は蒸気を流通させつつ蒸留して、前記フォトレジスト用樹脂の湿結晶中に含まれる低沸点不純物を減圧下に留去する。このようにすれば、フォトレジスト用樹脂の分解を極力抑えつつ、低沸点不純物を効率よく除去できる。
【0068】
塗膜形成用溶媒としては、樹脂を溶解し露光に使用される光に対して透明性が高いものが好ましく、例えば、前記重合溶媒として例示したグリコール系溶媒(プロピレングリコール系溶媒、エチレングリコール系溶媒など)、エステル系溶媒(乳酸エステル系溶媒など)、ケトン系溶媒(メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトンなど)、及びこれらの混合溶媒などを使用できる。また、好ましい塗膜形成用溶媒として、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノブチルエーテルプロピオネート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル;これらの混合物などが挙げられる。
【0069】
上記の溶媒の中でもプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)は塗膜形成時の蒸発速度等において、溶媒としての機能に優れ、しかも低毒性であるという利点がある。
【0070】
蒸留により低沸点不純物を除去した後、必要に応じて残液に塗膜形成用溶媒を足して、所望の濃度のフォトレジスト用樹脂溶液を調製する。最終的なフォトレジスト用樹脂溶液中の樹脂濃度は、例えば5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%である。
【0071】
上記のフォトレジスト用樹脂溶液に光酸発生剤を溶解させることによりフォトレジスト用樹脂組成物が得られる。光酸発生剤としては、露光により効率よく酸を生成する慣用乃至公知の化合物、例えば、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩(例えば、ジフェニルヨードヘキサフルオロホスフェートなど)、スルホニウム塩(例えば、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムメタンスルホネートなど)、スルホン酸エステル[例えば、1−フェニル−1−(4−メチルフェニル)スルホニルオキシ−1−ベンゾイルメタン、1,2,3−トリスルホニルオキシメチルベンゼン、1,3−ジニトロ−2−(4−フェニルスルホニルオキシメチル)ベンゼン、1−フェニル−1−(4−メチルフェニルスルホニルオキシメチル)−1−ヒドロキシ−1−ベンゾイルメタンなど]、オキサチアゾール誘導体、s−トリアジン誘導体、ジスルホン誘導体(ジフェニルジスルホンなど)、イミド化合物、オキシムスルホネート、ジアゾナフトキノン、ベンゾイントシレートなどを使用できる。これらの光酸発生剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0072】
光酸発生剤の使用量は、光照射により生成する酸の強度やポリマー(フォトレジスト用樹脂)における各繰り返し単位の比率などに応じて適宜選択でき、例えば、ポリマー100重量部に対して0.1〜30重量部、好ましくは1〜25重量部、さらに好ましくは2〜20重量部程度の範囲から選択できる。
【0073】
フォトレジスト用樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂(例えば、ノボラック樹脂、フェノール樹脂、イミド樹脂、カルボキシル基含有樹脂など)などのアルカリ可溶成分、着色剤(例えば、染料など)などを含んでいてもよい。
【0074】
こうして得られるフォトレジスト用樹脂組成物を基材又は基板上に塗布し、乾燥した後、所定のマスクを介して、塗膜(レジスト膜)に光線を露光して(又は、さらに露光後ベークを行い)潜像パターンを形成し、次いで現像することにより、微細なパターンを高い精度で形成できる。
【0075】
基材又は基板としては、シリコンウエハ、金属、プラスチック、ガラス、セラミックなどが挙げられる。フォトレジスト用樹脂組成物の塗布は、スピンコータ、ディップコータ、ローラコータなどの慣用の塗布手段を用いて行うことができる。塗膜の厚みは、例えば0.1〜20μm、好ましくは0.3〜2μm程度である。
【0076】
露光には、種々の波長の光線、例えば、紫外線、X線などが利用でき、半導体レジスト用では、通常、g線、i線、エキシマレーザー(例えば、XeCl、KrF、KrCl、ArF、ArClなど)などが使用される。露光エネルギーは、例えば1〜1000mJ/cm2、好ましくは10〜500mJ/cm2程度である。
【0077】
光照射により光酸発生剤から酸が生成し、この酸により、例えばフォトレジスト用樹脂の酸の作用によりアルカリ可溶となる繰り返し単位(酸脱離性基を有する繰り返し単位)のカルボキシル基等の保護基(脱離性基)が速やかに脱離して、可溶化に寄与するカルボキシル基等が生成する。そのため、水又はアルカリ現像液による現像により、所定のパターンを精度よく形成できる。
【実施例】
【0078】
以下に実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明は実施例により限定されるものではない。
【0079】
実施例1 下記構造の樹脂を含むフォトレジスト用樹脂溶液の製造
【0080】
【化5】

【0081】
撹拌機、温度計、還流冷却器、滴下用溶液タンク及び定量供給ポンプ、及び窒素導入管を備えた実容量200Lのジャケット付き重合缶を使用して、熱媒は水を使用して、その設備は図1に示したものを使用した。重合缶には温度計を設置して、その温度計と加圧蒸気および冷却水の自動弁は連動させて、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を33kg導入し、75℃になるように設定して、75℃で温度が安定してから、1−メタクリロイルオキシ−3−ヒドロキシアダマンタン(HMA)5kg(21モル)、5−メタクリロイルオキシ−2,6−ノルボルニルカルボラクトン(MNBL)5kg(22モル)、2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン(2MMA)5kg(21モル)と、ジメチル−2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(開始剤;和光純薬工業製、商品名「V−601」)0.93kgと、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)41kgの混合溶液を、滴下用溶液タンクから、定量ポンプを用いて、反応器内に4時間かけて滴下した。滴下後、同温度で2時間熟成した。得られた反応溶液(ポリマードープ)を冷却後、900kgのへプタン/酢酸エチル混合液(重量比75/25)に撹拌しながら添加し、添加終了後、さらに30分撹拌した。析出した沈殿を遠心分離機により遠心分離した。得られた湿結晶を300kgのプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)に添加し、撹拌して溶解
した。得られた溶液を、熱媒用ジャケット及び撹拌機付き単蒸留装置の蒸留缶に仕込み、蒸留缶内を撹拌しながら熱媒用ジャケットに100℃の熱水を流通しつつ、減圧下で濃縮を行った。蒸留缶内の液温を約75℃に制御した。液量がおよそ30Lになった時点で蒸留を停止した。濃縮されたポリマー濃度を測定したところ40重量%であった。PGMEA及びPGMEを添加して、ポリマー濃度20重量%のPGMEA/PGME(重量比6/4)溶液を調製した。この溶液はフォトレジスト用樹脂溶液として使用されるが、完全に透明な溶液が得られた。得られた樹脂の重量平均分子量は9000で、分子量分布は1.8であった。特に分子量分布の分子量が20000以上のものは0.5重量%であった。
【0082】
比較例1
熱媒としてオイルを使用して熱媒系の設備は図2に示したものを使用した以外は実施例1と同様な操作を実施した。得られた樹脂の重量平均分子量は9000で分子量分布は2.1であった。また、分子量分布の分子量が20000以上のものは3.0重量%であった。
【0083】
実施例2 下記構造の樹脂を含むフォトレジスト用樹脂溶液の製造
【0084】
【化6】

【0085】
撹拌機、温度計、還流冷却器、滴下用溶液タンク及び定量供給ポンプ、及び窒素導入管を備えた実容量200Lのジャケット付き重合缶を使用して、熱媒は水を使用して、その設備は図1に示したものを使用した。重合缶には温度計を設置して、その温度計と加圧蒸気および冷却水の自動弁は連動させて、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を33kg導入し、75℃になるように設定して、75℃で温度が安定してから、1−メタクリロイルオキシ−3−ヒドロキシアダマンタン(HMA)5kg(21モル)、8−メタクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6
]デカン−5−オンと9−メタクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−5−オンの混合物(化合物番号[2-18]と[2-19]の混合物)5kg(22
モル)、2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン(2MMA)5kg(21モル)と、ジメチル−2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(開始剤;和光純薬工業製、商品名「V−601」)0.93kgと、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)41kgの混合溶液を、滴下用溶液タンクから、定量ポンプを用いて、反応器内に4時間かけて滴下した。滴下後、同温度で2時間熟成した。得られた反応溶液(ポリマードープ)を冷却後、図1に示される3方向のノズル(内径4mmφ)を通して900kgのへプタン/酢酸エチル混合液(重量比75/25)に撹拌しながら添加し、添加終了後、さらに30分撹拌した。析出した沈殿を遠心分離機により遠心分離した。得られた湿結晶を300kgのプロピレングリコールモノメチルエーテル
(PGME)に添加し、撹拌して溶解した。得られた溶液を、熱媒用ジャケット及び撹拌機付き単蒸留装置の蒸留缶に仕込み、蒸留缶内を撹拌しながら熱媒用ジャケットに100℃の熱水を流通しつつ、減圧下で濃縮を行った。蒸留缶内の液温を約75℃に制御した。液量がおよそ30Lになった時点で蒸留を停止した。濃縮されたポリマー濃度を測定したところ40重量%であった。PGMEA及びPGMEを添加して、ポリマー濃度20重量%のPGMEA/PGME(重量比6/4)溶液を調製した。この溶液はフォトレジスト用樹脂溶液として使用されるが、完全に透明な溶液であった。得られた樹脂の重量平均分子量は9200で、分子量分布は1.9であった。特に分子量分布の分子量が20000以上のものは0.6重量%であった。
【0086】
比較例1
熱媒としてオイルを使用して熱媒系の設備は図2に示したものを使用した以外は実施例1と同様な操作を実施した。得られた樹脂の重量平均分子量は9300で分子量分布は2.2であった。また、分子量分布の分子量が20000以上のものは3.3重量%であった。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】重合缶の温度制御のためのジャケットに熱媒タンクから熱媒つまり熱水を循環し、重合温度を制御するための設備を示す。
【符号の説明】
【0088】
1 重合缶
2 熱媒タンク
3 熱媒循環ポンプ
4 温度指示計





【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸によりその一部が脱離してアルカリ可溶性となるモノマー(Am)と極性基を有する脂環式骨格を含むモノマー(Bm)を少なくとも含むモノマー溶液を重合開始剤溶液とともに重合温度に昇温された溶媒中に添加し重合してフォトレジスト用樹脂を製造する方法において、重合の温度を制御する熱媒が水であり、その熱媒系に直接加圧蒸気および冷水を制御弁を介して導入することによって重合温度を制御することを特徴とするフォトレジスト用樹脂の製造方法。
【請求項2】
制御される重合温度が50〜150℃であることを特徴とする請求項1記載のフォトレジスト用樹脂の製造方法。
【請求項3】
酸によりその一部が脱離してアルカリ可溶性となるモノマー(Am)に相当する繰り返し単位Aが下記式(Ia)〜(Id)
【化1】


(式中、環Zは置換基を有していてもよい炭素数6〜20の脂環式炭化水素環を示す。Rは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す。R1〜R3は、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す。R4は環Zに結合している置換基であって、同一又は異なって、オキソ基、アルキル基、保
護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、又は保護基で保護されていてもよいカルボキシル基を示す。但し、n個のR4のうち少なくとも1つは、−COORa基を示す。前記Raは置換基を有していてもよい
第3級炭化水素基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、又はオキセパニル基を示す。nは1〜3の整数を示す。R5、R6は、同一又は異なって、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す。R7は水素原子又は有機基を
示す。R5、R6、R7のうち少なくとも2つが互いに結合して隣接する原子とともに環を
形成していてもよい)から選択された少なくとも1種の繰り返し単位である請求項1記載のフォトレジスト樹脂の製造方法。
【請求項4】
極性基を有する脂環式骨格を含むモノマー(Bm)に相当する繰り返し単位Bが、下記式(IIa)〜(IIe)
【化2】


(式中、Rは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す。R8〜R10は、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、保護基で保護されていても
よいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、又は保護基で保護されていてもよいカルボキシル基を示し、V1〜V3は、同一又は異なって、−CH2−、−CO−又は−COO−を示す。但し、(i)V1〜V3のうち少なくとも1つは−
CO−若しくは−COO−であるか、又は(ii)R8〜R10のうち少なくとも1つは、保
護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、又は保護基で保護されていてもよいカルボキシル基である。R11〜R15は、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基を示す。R16〜R24は、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基を示す。R25〜R33は、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基を示す。pは0又は1、qは1又は2を示す)から選択された少なくとも1種の繰り返し単位である請求項1記載のフォトレジスト樹脂の製造方法。
【請求項5】
重合温度を温度センサーにより検知して、加圧蒸気又は冷水が制御弁の作動により熱媒系に直接導入されて重合温度を制御する請求項1記載のフォトレジスト樹脂の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の重合方法により製造されたフォトレジスト用樹脂と光
酸発生剤とを少なくとも含むフォトレジスト樹脂組成物の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載されたフォトレジスト樹脂組成物を半導体用基板に塗布することを特徴としたフォトレジスト樹脂の塗布方法。





【図1】
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【公開番号】特開2007−332285(P2007−332285A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−166349(P2006−166349)
【出願日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(000002901)ダイセル化学工業株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】