フラットベッド・スキャン・モジュール、フラットベッド・スキャン・システム、フラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定用ジグ及びこれを用いたフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法
【課題】平板の形状を自動的にスキャンして計測誤差を低減することができるフラットベッド・スキャン・モジュール、フラットベッド・スキャン・システム、フラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定用ジグ及びこれを用いたフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るフラットベッド・スキャン・モジュールは平板の形状をスキャンするためのスキャンモジュールであって、仮想の四角形の一辺の両端部にそれぞれ位置し、平板に線状のレーザビームを出射する第1レーザ発振部及び第2レーザ発振部と、四角形の一辺に隣接した他辺の両端部にそれぞれ位置し、平板に線状のレーザビームを出射する第3レーザ発振部及び第4レーザ発振部と、四角形の中央部に位置し、平板から反射されたレーザビームを撮影するカメラと、第1ないし第4レーザ発振部及びカメラを支持するフレームと、を含むことを特徴とする。
【解決手段】本発明に係るフラットベッド・スキャン・モジュールは平板の形状をスキャンするためのスキャンモジュールであって、仮想の四角形の一辺の両端部にそれぞれ位置し、平板に線状のレーザビームを出射する第1レーザ発振部及び第2レーザ発振部と、四角形の一辺に隣接した他辺の両端部にそれぞれ位置し、平板に線状のレーザビームを出射する第3レーザ発振部及び第4レーザ発振部と、四角形の中央部に位置し、平板から反射されたレーザビームを撮影するカメラと、第1ないし第4レーザ発振部及びカメラを支持するフレームと、を含むことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラットベッド・スキャン・モジュール、フラットベッド・スキャン・システム、フラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定用ジグ及びこれを用いたフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法に関する。より詳細には、平板の形状を自動的にスキャンして計測誤差を低減することができ、これにより、NCマーキングをすることにより作業時間を短縮することができるフラットベッド・スキャン・モジュール、フラットベッド・スキャン・システム、フラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定用ジグ及びこれを用いたフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
船体構造部材は、平面板、曲面板、直線型鋼及び曲線型鋼などの部材を加工組立して形成することになる。
【0003】
このような船体加工作業の正確性や効率性を高めるために、加工される鋼材表面に予め線や記号で加工情報を表示する作業であるマーキング(Marking)をし、マーキングされた情報に従って加工作業を行う。
【0004】
従来、巻き尺や墨壺などの道具を用いて直接人の手でマーキングをしたが、近年、電算装備によりマーキング資料が処理され、NC(Numerical Control)マーキング機により自動的にマーキング作業が行われている。
【0005】
しかし、このようなNCマーキングも人が直接巻き尺などを用いて基準点をマーキングし、これをティーチング(teaching)することになるため、手作業による計測誤差が生じることがあり、さらに手作業による基準点計測に多くの作業時間が必要となる問題点があった。
【0006】
このような問題点に対応してレーザビジョンシステムが開発されている。レーザビジョンシステムとは、例えば溶接装置の溶接トーチの前端に装着されて加工対象物を測定する装置であって、溶接しようとする溶接線に溶接トーチをアライメントさせるために用いられることがある。
【0007】
このようなレーザビジョンシステムは、溶接装置などの加工装備とアライメントされて装着される。しかし、溶接などの作業により発生する振動または荷重などの外部要人により、レーザビジョンシステムの装着角度または位置が変わり、レーザビジョンシステムと加工装備との間にアライメント誤差が生じ得る。
【0008】
また、レーザビジョンシステムは、レーザビームを発射するレーザダイオードを含むレーザ発生器及び発射されたレーザビームを撮影するカメラで構成され、このようなレーザダイオードとカメラとは互いにアライメントされて設けられる。しかし、上述したように、実際の作業時には振動などの外部荷重が作用し、このレーザダイオードとカメラとの間にもアライメント誤差が生じ得る。
【0009】
このようなレーザビジョンシステムと加工装備との間のアライメント誤差、及びレーザビジョンシステム内部の構成部品間のアライメント誤差が生じる場合、測定対象物の実際の情報とレーザビジョンシステムにより測定された測定情報との間に誤差が生じることになる。 これにより、レーザビジョンシステムの信頼性を確保しにくいという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、平板の形状を自動的にスキャンして計測誤差を低減することができ、これにより、NCマーキングをすることにより作業時間を短縮することができるフラットベッド・スキャン・モジュール及びフラットベッド・スキャン・システムを提供することを目的とする。
【0011】
また、フラットベッド・スキャン・モジュールと対象装備との間のアライメント誤差、及びフラットベッド・スキャン・モジュールのカメラとレーザ発振部との間のアライメント誤差を確認し、その程度を測定することができる、アライメント誤差測定用ジグ及びこれを用いたアライメント誤差測定方法を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一側面によれば、平板の形状をスキャンするためのフラットベッド・スキャン・モジュールであって、仮想の四角形の一辺の両端部にそれぞれ位置し、平板に線状のレーザビームを出射する第1レーザ発振部及び第2レーザ発振部と、四角形の一辺に隣接した他辺の両端部にそれぞれ位置し、平板に線状のレーザビームを出射する第3レーザ発振部及び第4レーザ発振部と、四角形の中央部に位置し、平板から反射されたレーザビームを撮影するカメラと、第1ないし第4レーザ発振部及びカメラを支持するフレームと、を含むフラットベッド・スキャン・モジュールが提供される。
【0013】
第1ないし第4レーザ発振部から出射される線状のレーザビームは、カメラの下部の平板に向けて出射されることが可能である。
【0014】
カメラの光軸(optic axis)に対してチルトするレーザビームの主軸のチルト角は調整可能である。
【0015】
第1ないし第4レーザ発振部から出射される線状のレーザビームは、平板の外周辺と交差するように出射されることが可能である。
【0016】
平板が直線の外周辺を有する場合、線状のレーザビームは直線の外周辺と直交してもよい。
【0017】
本発明の他の側面によれば、平板の形状をスキャンするためのフラットベッド・スキャン・システムであって、レールに沿って移動するガントリ(gantry)と、ガントリに沿って移動するトロリー(trolley)と、仮想の四角形の一辺の両端部にそれぞれ位置し、平板に線状のレーザビームを出射する第1レーザ発振部及び第2レーザ発振部と、四角形の一辺に隣接した他辺の両端部にそれぞれ位置し、平板に線状のレーザビームを出射する第3レーザ発振部及び第4レーザ発振部と、四角形の中央部に位置し、平板から反射されたレーザビームを撮影するカメラと、第1ないし第4レーザ発振部及びカメラを支持し、トロリーに連結されるフレームと、を含むフラットベッド・スキャン・システムが提供される。
【0018】
第1ないし第4レーザ発振部から出射される線状のレーザビームは、カメラの下部の平板に向けて出射されることが可能である。
【0019】
カメラの光軸(optic axis)に対してチルトするレーザビームの主軸のチルト角は調整可能である。
【0020】
第1ないし第4レーザ発振部から出射される線状のレーザビームは、平板の外周辺と交差するように出射されてもよい。平板が直線の外周辺を有する場合、線状のレーザビームは直線の外周辺と直交してもよい。
【0021】
トロリーに連結され、平板に特定形状をマーキングするマーキング部をさらに含むことができる。
【0022】
本発明のまた他の側面によれば、上記のフラットベッド・スキャン・モジュールの第1レーザ発振部、第2レーザ発振部、第3レーザ発振部及び第4レーザ発振部から選択された一対のレーザ発振部から線状のレーザビームを出射して十字ビームを形成する一対のレーザ発振部とカメラとの間のアライメント誤差及びフラットベッド・スキャン・モジュールとフラットベッド・スキャン・モジュールが設けられた対象装備との間のアライメント誤差を測定するためのフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定用ジグであって、十字ビームが走査される平面を有する平面部と、平面部を取り囲み、平面と接する傾斜面を有する傾斜部と、を含むフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定用ジグが提供される。
【0023】
上記平面は正四角形であり、上記傾斜面は上記平面の辺にそれぞれ接する4つの台形面を含むことができる。
【0024】
上記平面に対する上記4つの台形面の傾斜度は同一であってもよい。
【0025】
また、本発明のまた他の側面によれば、上記アライメント誤差測定用ジグを用いて、十字ビームを形成する上記一対のレーザ発振部と上記カメラとの間のアライメント誤差、及び上記フラットベッド・スキャン・モジュールと上記フラットベッド・スキャン・モジュールが設けられた対象装備との間のアライメント誤差を測定するための方法であって、上記一対のレーザ発振部と上記カメラ、及び上記フラットベッド・スキャン・モジュールと上記対象装備とのアライメント時、上記十字ビームが上記平面部に走査されて形成される一対の基準ラインを上記カメラで撮影して基準データを得るステップと、上記一対のレーザ発振部と上記カメラとの間、及び上記フラットベッド・スキャン・モジュールと上記対象装備との間のうち少なくともいずれか一方にアライメント誤差が生じた場合、上記十字ビームが上記平面部に走査されて形成される一対の測定ラインを上記カメラで撮影して測定データを得るステップと、上記基準データと上記測定データとを比べて、上記基準データに対する上記測定データの誤差を算出するステップと、を含むフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法が提供される。
【0026】
上記基準データは、上記一対の基準ラインそれぞれの両端点に対する第1基準座標値を含み、上記測定データは上記一対の測定ラインそれぞれの両端点に対する第1測定座標値を含むことができる。
【0027】
上記基準データは、上記一対の基準ラインそれぞれの中心点に対する第2基準座標値をさらに含み、上記測定データは、上記一対の測定ラインそれぞれの中心点に対する第2測定座標値をさらに含むことができる。
【0028】
上記基準データは、上記一対の基準ラインそれぞれの長さをさらに含むことができ、上記測定データは、上記一対の測定ラインそれぞれの長さをさらに含むことができる。
【0029】
上記基準データは、上記一対の基準ラインのうちの一つの基準ラインに対する残りの基準ラインの傾きをさらに含むことができ、上記測定データは上記一対の測定ラインのうちの一つの測定ラインに対する残りの測定ラインの傾きをさらに含むことができる。
【0030】
上記基準データは、上記一対の基準ラインそれぞれの厚さをさらに含むことができ、上記測定データは、上記一対の測定ラインそれぞれの厚さをさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0031】
平板の形状を自動的にスキャンして計測誤差を低減することができる。
【0032】
また、自動的に平板の形状をスキャンし、これにより平板上に特定形状のマーキングをすることにより作業時間を短縮することができる。
【0033】
また、フラットベッド・スキャン・モジュールと対象装備との間のアライメント誤差、及びフラットベッド・スキャン・モジュールのカメラとレーザ発振部との間のアライメント誤差を確認することができ、その誤差の程度を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールの分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールの結合斜視図である。
【図3】本発明の一実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールの平面図である。
【図4】本発明の他の実施例に係るフラットベッド・スキャン・システムの斜視図である。
【図5】本発明の他の実施例に係るフラットベッド・スキャン・システムの部分斜視図である。
【図6】本発明の他の実施例に係るフラットベッド・スキャン・システムを用いて平板をスキャンする方法を説明するための概略図である。
【図7】本発明の他の実施例に係るフラットベッド・スキャン・システムを用いて平板をスキャンする方法を説明するための概略図である。
【図8】本発明の他の実施例に係るフラットベッド・スキャン・システムを用いて平板をスキャンする方法を説明するための概略図である。
【図9】本発明の他の実施例に係るフラットベッド・スキャン・システムを用いて平板をスキャンする方法を説明するための概略図である。
【図10】本発明の一実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定用ジグを用いたアライメント誤差測定過程を示す概略図である。
【図11】本発明の一実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定用ジグを示す平面図である。
【図12】本発明の一実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定用ジグを示す正面図である。
【図13】本発明の他の実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法を示す順序図である。
【図14】本発明の他の実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法の基準データの獲得過程時の基準ラインを示す平面図である。
【図15】本発明の他の実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法の測定データの獲得過程時の測定ラインを示す平面図である。
【図16】本発明の他の実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法の測定データの獲得過程時の測定ラインを示す平面図である。
【図17】本発明の他の実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法の測定データの獲得過程時の測定ラインを示す平面図である。
【図18】本発明の他の実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法の測定データの獲得過程時の測定ラインを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明に係るフラットベッド・スキャン・モジュール、フラットベッド・スキャン・システム、フラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定用ジグ及びこれを用いたフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法の実施例を添付図面に基づいて詳細に説明し、添付図面を参照して説明するに当たって、同一または対応する構成要素は同一の図面番号を付し、これに関する重複説明は省略する。
【0036】
図1は、本発明の一実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールの分解斜視図であり、図2は、本発明の一実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールの結合斜視図であり、図3は本発明の一実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールの平面図である。図1ないし図3を参照すると、フラットベッド・スキャン・モジュール10、第1レーザ発振部12、第2レーザ発振部14、第3レーザ発振部16、第4レーザ発振部18、カメラ20、ブラケット22、フレーム24、下部ケース26、サポート28、32、開口部30、36、上部ケース34が示されている。
【0037】
本実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュール10は、平板の形状をスキャンするためのフラットベッド・スキャン・モジュールであって、仮想の四角形の一辺の両端部にそれぞれ位置し、平板に線状のレーザビームを出射する第1レーザ発振部12及び第2レーザ発振部14と、四角形の一辺に隣接した他辺の両端部にそれぞれ位置し、平板に線状のレーザビームを出射する第3レーザ発振部16及び第4レーザ発振部18と、四角形の中央部に位置し、平板から反射されたレーザビームを撮影するカメラ20と、第1ないし第4レーザ発振部12、14、16、18及びカメラ20を支持するフレーム24と、を含み、平板の形状を自動的にスキャンして計測誤差を低減することができる。
【0038】
本実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュール10を用いて平板の形状をスキャンする方法は次の通りである。先ず、フラットベッド・スキャン・モジュール10を平板の外周辺に沿って移動させながら所定間隔でレーザビームを照射し、これをカメラ20で撮影してレーザビームのイメージを得る。そして、このように得られたイメージを処理して平板の形状をスキャンする。
【0039】
第1レーザ発振部12、第2レーザ発振部14、第3レーザ発振部16及び第4レーザ発振部18は、線状のレーザビームを出射する。このような線状のレーザビームは平板部材の外周辺と交差するように出射され、平板から反射されるレーザビームをカメラ20が撮影することになる。
【0040】
平板の外周辺と交差するように出射された線状のレーザビームは平板の外周辺の形状に応じて反射されるレーザビームの形状が変わり、これをカメラ20で撮影してイメージを得ることになる。
【0041】
本実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュール10は、直線方向または上記直線方向と直交する方向に沿って移動しながら平板の外周形状をスキャニングする。
【0042】
平板部材の外周形状をスキャンするために第1レーザ発振部12及び第2レーザ発振部14を仮想の四角形の一辺の両端部にそれぞれ配置し、第3レーザ発振部16及び第4レーザ発振部18を仮想の四角形の一辺に隣接した他辺の両端部にそれぞれ配置する。このように配置すると、第1レーザ発振部12と第3レーザ発振部16とは互いに隣接して配置されることになる。
【0043】
第1レーザ発振部12と第2レーザ発振部14とは互いに対をなし、互いに対向する平板の外周辺にレーザビームを出射する。
【0044】
また、第3レーザ発振部16と第4レーザ発振部18とは互いに対をなし、互いに対向する平板の外周辺にレーザビームを出射する。
【0045】
カメラ20は、仮想の四角形の中央部に位置し、第1レーザ発振部12ないし第4レーザ発振部18から出射されて平板から反射されるレーザビームを撮影する。このように一つのカメラ20を中央部に配置し、仮想の四角形の端部に位置する各レーザ発振部12、14、16、18をカメラ20の下部の平板に向けてレーザビームが出射されるように傾斜して配置して、各レーザ発振部12、14、16、18から出射されたレーザビームを一つのカメラ20が撮影できるようにする。
【0046】
一方、カメラの光軸に対してチルトするレーザビームの主軸のチルト角は調整可能である。このために、各レーザ発振部12、14、16、18は、チルト角を調整できるブラケット22を用いてフレーム24に連結してもよい。
【0047】
より詳細には、図7及び図9を参照して説明すると、チルト角は、平板46に向けて出射され、平板46上に投影される線状のレーザビーム13とカメラの光軸21とが定義する仮想の面と、平板46上に投影される線状のレーザビーム13とレーザ発振部12、14から出射されるレーザビームの主軸15とが定義する仮想の面とがなす角と定義することができ、このようなチルト角の大きさはブラケット22により調整可能である。
【0048】
線状のレーザビームは、レーザダイオードから出射されたレーザビームを光学的処理により両方向に放射させて形成する。このような線状のレーザビームの放射角を2分する仮想の線を線状のレーザビームの主軸15として定義することができる。
【0049】
チルト角を調整することにより平板46に投影される線状のレーザビーム13の幅を調整でき、カメラ20を用いてイメージを容易に得ることができる。例えば、開先部47の幅が狭くて開先角が急である場合、カメラから得られる線状のレーザビームのイメージの解像度が低下することがある。この場合、チルト角を大きくして平板46に投影される線状のレーザビーム13の幅を広げ、容易にレーザビームのイメージを得るようにする。
【0050】
フレーム24は、仮想の四角形上に位置する第1レーザ発振部12、第2レーザ発振部14、第3レーザ発振部16、第4レーザ発振部18及びカメラ20を支持する。 本実施例では、四角形の板材をフレーム24として用いたが、これに限定されず、バー形状の鋼材を組み立ててフレームを形成するなど様々な形状のフレームが使用できることは明らかである。
【0051】
下部ケース26、フレーム24及び上部ケース34は、多数のサポート28、32を媒介にして互いに連結され、フラットベッド・スキャン・モジュール10を保護する。
【0052】
下部ケース26には各レーザ発振部12、14、16、18の位置に相応して開口部30が形成されており、開口部30を介してレーザビームが出射される。
【0053】
また、他の装置との連結のために、上部ケース34に開口部36が形成されており、開口部36を介して他の装置がフレーム24に連結されることができる。
【0054】
他の実施例として平板が直線の外周辺を有する場合、線状のレーザビームは直線の外周辺と直交するように出射されることが可能である。多角形状を有する平板の場合、様々な方向の外周辺を有するが、各方向に対して直交するように線状のレーザビームを照射し、反射されたレーザビームをカメラ20で撮影する。
【0055】
図4は、本発明の他の実施例に係るフラットベッド・スキャン・システムの斜視図であり、図5は、本発明の他の実施例に係るフラットベッド・スキャン・システムの部分斜視図である。図4及び図5を参照すると、フラットベッド・スキャン・モジュール10、レール38、ガントリ40、トロリーレール42、トロリー44、平板46、固定具48、四角枠50、連結バー52、連結具54、マーキング部56が示されている。
【0056】
本実施例に係るフラットベッド・スキャン・システムは、平板46の形状をスキャンするためのフラットベッド・スキャン・システムであって、レール38に沿って移動するガントリ(gantry)40と、ガントリ40に沿って移動するトロリー(trolley)44と、仮想の四角形の一辺の両端部にそれぞれ位置し、平板46に線状のレーザビームを出射する第1レーザ発振部及び第2レーザ発振部と、四角形の一辺に隣接した他辺の両端部にそれぞれ位置し、平板46に線状のレーザビームを出射する第3レーザ発振部及び第4レーザ発振部と、四角形の中央部に位置し、平板46から反射された上記レーザビーム13(図7参照)を撮影するカメラ20と、第1ないし第4レーザ発振部及びカメラ20を支持し、トロリー44に連結されるフレームと、を含み、平板46の形状を自動的にスキャンして計測誤差を低減することができる。
【0057】
本実施例に係るフラットベッド・スキャン・システムは、レール38に沿って移動するガントリ40とガントリ40に沿って移動するトロリー44とを含むガントリロボットに、上述したフラットベッド・スキャン・モジュール10を付着して平板46の形状をスキャンすることになる。
【0058】
本実施例を説明するに当たって、上述したフラットベッド・スキャン・モジュール10と重複する構成要素についての詳細な説明は省略する。
【0059】
ガントリ40は、平行な二つのレール38に沿って移動する門形の構造体であり、トロリー44は、ガントリ40の長手方向に移動する移動滑車である。このようなトロリー44には計測器、溶接機、切断機などの各種装備を付着でき、ガントリ40とトロリー44の移動により平面上の所定の位置へ装備を移動させることができる。
【0060】
本実施例は、上述したフラットベッド・スキャン・モジュール10をトロリー44に付着して平板46の形状をスキャンするように構成した。
【0061】
トロリー44に付着されたフラットベッド・スキャン・モジュール10を用いて平板46の形状をスキャンする方法は、先ず、ガントリ40とトロリー44の移動によりフラットベッド・スキャン・モジュール10を平板46の外周辺に沿って移動させながら、フラットベッド・スキャン・モジュール10のレーザ発振器から線状のレーザビームを出射し、平板46から反射されたレーザビームをカメラ20で撮影してイメージを得る。そして、得られたイメージを画像データ化し、画像データを処理して平板46の形状をスキャンする。
【0062】
フラットベッド・スキャン・モジュール10のカメラは、スキャンしようとする平板46の外周辺の上部に位置し、レーザ発振部から平板46の外周辺と交差するように出射された線状のレーザビームの反射されたイメージを撮影する。
【0063】
水平方向(図4のX方向)に配置された第1レーザ発振部及び第2レーザ発振部は、スキャンしようとする平板46の縦方向の外周辺をスキャンするために、線状のレーザビームを出射し、垂直方向(図4のY方向)に配置された第3レーザ発振部及び第4レーザ発振部は、スキャンしようとする平板46の横方向の外周辺をスキャンするために、線状のレーザビームを出射する。
【0064】
固定具48は、フラットベッド・スキャン・モジュール10をトロリー44に付着するためのものであって、本実施例では四角形の四角枠50と、四角枠50の下部の両端部から突出する連結バー52とで構成されている。
【0065】
四角枠50の一面はトロリー44に連結され、四角枠50の他面の両端部から突出した連結バー52のうちの一つにはフラットベッド・スキャン・モジュール10が連結具54により連結され、残りの一つには後述するマーキング部56が連結される。連結具54はフラットベッド・スキャン・モジュール10の上部ケース34の開口部36を介してフレーム24に連結されて、フレーム24とトロリー44を連結する。
【0066】
本実施例に係るフラットベッド・スキャン・システムは、レール38に沿って移動するガントリ40と、ガントリ40に沿って移動するトロリー44とを含むガントリロボットに、上述したフラットベッド・スキャン・モジュール10を付着して平板46の形状をスキャンすると共にトロリー44に付着されたマーキング部56を用いて平板46上に特定形状をマーキングすることができる。
【0067】
船体を形成するための平板46上には各種縦方向部材の溶接位置及び平板46の切断位置をマーキングする必要があるが、平板46部材にマーキングするためには、コンベヤーなどを用いてガントリ40の下部に平板46をローディングする。
【0068】
平板46がローディングされると、マーキングのための基準点を設定する必要があり、トロリー44に付着されたフラットベッド・スキャン・モジュール10を用いて平板46の形状をスキャンする。スキャンされた平板46の形状に応じて平板46に縦方向部材の溶接位置、切断位置などの特定形状をマーキング部56を用いてマーキングする。
【0069】
本実施例に係るマーキング部56は、酸素用ノズルから亜鉛系の粉末を噴射して予熱炎で焼き付けるマーキングトーチを含むことができる。以下では、マーキングトーチを用いて特定形状をマーキングする方法について説明する。
【0070】
フラットベッド・スキャン・モジュール10により平板46の形状がスキャニングされると、平板46の特定位置を座標化し、これによりマーキングトーチが平板46上を移動しながら特定形状をマーキングすることになる。
【0071】
平板46の形状が予測可能な場合は、平板46の外周辺の特定部位のみをスキャンして基準点を設定することが可能である。例えば、四角形平板46上に特定形状をマーキングする場合、四角形平板46の頂点部位のみをスキャニングして頂点の位置を座標化した後に、マーキングトーチを用いてマーキングすることが可能である。
【0072】
ガントリ40及びトロリー44の移動で平板46上の所定位置にマーキングトーチを移動させることができ、これにより平板46上に特定形状をマーキングすることができる。
【0073】
本実施例では、マーキング部56としてマーキングトーチを用いて平板46上に特定形状をマーキングする方法を示したが、その他にもパンチマーキング(punch marking)、ペインティングなど様々な方法を用いて平板46上に特定形状をマーキングすることができる。
【0074】
図6ないし図9は、本発明の他の実施例に係るフラットベッド・スキャン・システムを用いて平板のスキャン方法を説明するための概略図である。図6ないし図9を参照すると、フラットベッド・スキャン・モジュール10、第1レーザ発振部12、第2レーザ発振部14、主軸15、第3レーザ発振部16、第4レーザ発振部18、カメラ20、光軸21、平板46、開先部47が示されている。
【0075】
図6及び図7は、水平方向(図4のX方向参照)に位置した第1レーザ発振部12を用いて平板46の縦方向の外周辺をスキャンする方法を説明するためのものである。平板46の左側の外周辺をスキャンするために、カメラ20を左側の外周辺の上部に位置させ、フラットベッド・スキャン・モジュール10を左側の外周辺に沿って移動させる。フラットベッド・スキャン・モジュール10の移動により所定間隔で第1レーザ発振部12からレーザビームを出射させ、平板46に投影されて反射された線状のレーザビーム13をカメラ20で撮影する。第1レーザ発振部12から出射される線状のレーザビーム13は、平板46の縦方向の外周辺と交差するように出射され、平板46の外周辺の形状に応じてレーザビーム13の形状が変わり、これをカメラ20で撮影してイメージを得る。例えば、平板46を溶接するために平板46の外周辺に開先部47を形成した場合は、図7に示すように、レーザビーム13が折れた形状に撮影されるはずであり、フラットベッド・スキャン・モジュール10が偏平なステージ上に位置した場合は、直線のレーザビームの形状が撮影されるはずである。このように撮影されたレーザビーム13のイメージから平板46の形状をスキャンすることができる。
【0076】
図8及び図9は、水平方向(図4のX方向参照)に位置した第2レーザ発振部14を用いて平板46の縦方向の外周辺をスキャンする方法を説明するためのものである。平板46の右側の外周辺をスキャンするためにトロリー44を用いてフラットベッド・スキャン・モジュール10を平板46の右側の外周辺に移動させ、フラットベッド・スキャン・モジュール10を右側の外周辺に沿って移動させながら第2レーザ発振部14から線状のレーザビーム13を出射させ、反射されたレーザビーム13をカメラ20で撮影して平板46の右側の外周辺の形状をスキャンする。
【0077】
このように、第1レーザ発振部12と第2レーザ発振部14は互いに対をなして縦方向の互いに対向する平板46の外周辺にそれぞれレーザビーム13を出射することになる。
【0078】
垂直方向(図4のY方向参照)に位置する第3レーザ発振部16及び第4レーザ発振部18は、平板46の横方向の外周辺をスキャンするためのものであって、第3レーザ発振部16及び第4レーザ発振部18は互いに対をなして横方向の互いに対向する平板46の外周辺にそれぞれレーザビーム13を出射することになる。
【0079】
第3レーザ発振部16及び第4レーザ発振部18を用いて平板46の形状をスキャンする方法は、上述した第1レーザ発振部12及び第2レーザ発振部14を用いてスキャンする方法と類似しているので、その説明を省略する。
【0080】
本実施例では、四角形平板46の形状をスキャンする方法について説明したが、上述したように第1レーザ発振部12及び第2レーザ発振部14を用いて平板46の縦方向の外周辺をスキャンすることができ、第3レーザ発振部16及び第4レーザ発振部18を用いて平板46の横方向の外周辺をスキャンすることができるので、円形、多角形など様々な形状の平板46をスキャンすることができることは明らかである。
【0081】
図10は、本発明の一実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定用ジグを用いたアライメント誤差測定過程を示す概略図である。
【0082】
本実施例によれば、図10に示すように、平面部120と傾斜部130とを含むフラットベッド・スキャン・モジュール10のアライメント誤差測定用ジグ110が提供される。
【0083】
このようなアライメント誤差測定用ジグ110は、フラットベッド・スキャン・モジュール10とフラットベッド・スキャン・モジュール10が設けられた対象装備105との間のアライメント誤差を測定するために利用される。さらに、フラットベッド・スキャン・モジュール10の構成部品であるレーザ発振部とカメラとの間のアライメント誤差を測定するために利用される。
【0084】
フラットベッド・スキャン・モジュール10の具体的な構成は、上述した通りであるのでその説明を省略する。
【0085】
上述したフラットベッド・スキャン・モジュール10の第1レーザ発振部、第2レーザ発振部、第3レーザ発振部及び第4レーザ発振部から選択された一対のレーザ発振部から線状のレーザビームが出射されて十字ビームを形成し、カメラはアライメント誤差測定用ジグ110に走査された十字ビームを撮影する。
【0086】
第1レーザ発振部及び第3レーザ発振部が一対になって十字ビームを形成してもよく、第2レーザ発振部及び第4レーザ発振部が一対になって十字ビームを形成してもよい。また、第1レーザ発振部及び第4レーザ発振部が一対になって十字ビームを形成してもよく、第2レーザ発振部及び第3レーザ発振部が一対になって十字ビームを形成してもよい。
【0087】
本実施例によれば、制御部(図示せず)は、カメラにより撮影された映像の入力を受け、この映像のうちの基準ライン及び測定ライン(平面部120に走査された十字ビームにより表示される映像)から、後述する第1及び第2基準座標値、第1及び第2測定座標値、そして基準ライン及び測定ラインの長さ、傾き、厚さなどのような基準データ及び測定データを抽出して、これらを用いてアライメント誤差を算出することができる。
【0088】
このように本実施例によれば、フラットベッド・スキャン・モジュール10と対象装備105との間のアライメント誤差を確認し、その誤差の程度を容易に測定することができる。さらに、フラットベッド・スキャン・モジュール10のカメラと一対のレーザ発振部との間のアライメント誤差を確認し、その誤差の程度を容易に測定することができる。
【0089】
以下、図10ないし図12を参照して各構成についてより詳細に説明する。
【0090】
図11及び図12は、本発明の一実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定用ジグを示す平面図及び正面図である。
【0091】
平面部120は、図10ないし図12に示すように、十字ビームが走査される平面を有する。つまり、第1ないし第4レーザ発振部から選択された一対のレーザ発振部から発生される十字ビームは平面部120の平面及び傾斜部130の傾斜面上に走査され、平面部120の表面には基準ラインまたは測定ラインが形成される。
【0092】
これにより、一対のレーザ発振部から走査された十字ビームが平面部120上に基準ラインまたは測定ラインとして直線で表示されるので、フラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント時の基準データ及びフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差の発生時の測定データをより精密に得ることができる。
【0093】
この場合、平面部120の平面は、図10ないし図12に示すように正四角形である。平面部120が正四角形の平面を有することにより、フラットベッド・スキャン・モジュール10のアライメント時に平面部120上に表示される一対の基準ラインの長さが互いに等しくなるので、より容易にアライメント誤差を算出することができる。
【0094】
傾斜部130は、図10ないし図12に示すように、平面部120を取り囲み、平面に接する傾斜面を有する。傾斜部130は平面部120の外周に沿って形成され、平面部120の平面に対して傾いて形成される。これにより、平面部120と傾斜部130との境界ライン(平面の辺)に、カメラによる位置の抽出が容易となる特異点が形成され、より容易に精密な基準データ及び測定データを抽出することができる。
【0095】
傾斜部130の傾斜面は、図10ないし図12に示すように、平面の辺にそれぞれ接する4つの台形面を含むことができる。上述したように、平面部120の平面は正四角形であるため、4つの台形面からなる傾斜面は該正四角形の平面の辺にそれぞれ接することになる。
【0096】
なお、図10ないし図12に示すように、平面に対する4つの台形面の傾斜度は互いに等しい。つまり、傾斜部130の台形形状の傾斜面は平面を基準としてそれぞれ等しく傾いて形成される。
【0097】
結局、本実施例に係るアライメント誤差測定用ジグ110は、図10ないし図12に示すように、正四角錐台形状に実現される。これにより、アライメント誤差測定用ジグ110が左右及び上下対称をなすので、より容易にフラットベッド・スキャン・モジュール10のアライメント誤差を確認することができ、さらに、より精密にそのアライメント誤差を測定することができる。
【0098】
次に、本発明の他の実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法について説明する。
【0099】
図13は、本発明の他の実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法を示す順序図である。
【0100】
図10及び図13を参照すると、本実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法は、上述の実施例で説明したアライメント誤差測定用ジグ110を用いてレーザ発振部とカメラとの間のアライメント誤差、及びフラットベッド・スキャン・モジュール10と対象装備105との間のアライメント誤差を測定するための方法であって、フラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント時の基準データを得るステップと、フラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差の発生時の測定データを得るステップと、基準データに対する測定データの誤差を算出するステップと、を含むことができる。
【0101】
本実施例によれば、フラットベッド・スキャン・モジュール10と対象装備105との間のアライメント誤差を確認し、その誤差の程度を容易に測定することができる。さらにフラットベッド・スキャン・モジュール10のカメラとレーザ発振部との間のアライメント誤差を確認し、その誤差の程度を容易に測定することができる。
【0102】
具体的に、本実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法を説明すると、先ず、レーザ発振部とカメラ、及びフラットベッド・スキャン・モジュール10と対象装備105がそれぞれアライメントされている初期状態においてアライメント誤差測定用ジグ110を対象装備105とアライメントさせる(S110)。
【0103】
この場合、アライメント誤差測定用ジグ110の傾斜部130側の方向には原点アライメント部(図示せず)が配置されてもよい。よって、このような原点アライメント部を用いてアライメント誤差測定用ジグ110と対象装備105とをより効果的にアライメントさせることができる。
【0104】
次に、レーザ発振部とカメラ、及びフラットベッド・スキャン・モジュール10と対象装備105のアライメント時、十字ビームが平面部120に走査されて形成される一対の基準ラインをカメラで撮影して基準データを得る(S120)。
【0105】
図14は、本発明の他の実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法の基準データを得る過程における基準ラインを示す平面図である。
【0106】
図14に示すように、カメラにより撮影された映像には十字ビームが平面部120に走査されて形成された一対の基準ライン150a、150bが表示される。したがって、このような基準ライン150a、150bから基準データを抽出することができる。ここで、基準データには、第1基準座標値、第2基準座標値、基準ラインの長さ及び傾きなどが含まれてもよい。
【0107】
第1基準座標値は、一対の基準ライン150a、150bのそれぞれの両端点a1、a2、b1、b2に対する2次元座標値を意味する。図14に示すように、十字ビームによりアライメント誤差測定用ジグ110に表示される映像は、アライメント誤差測定用ジグ110により折れて特異点を生成することになるので、このように生成された特異点、つまり各基準ライン150a、150bの両端点a1、a2、b1、b2に対する2次元座標が第1基準座標値として得られる。
【0108】
第2基準座標値は、一対の基準ライン150a、150bのそれぞれの中心点に対する第2次元座標値を意味する。このような第2基準座標値は、上述した第1基準座標値を用いて算出することが可能である。
【0109】
例えば、任意の基準ライン150aの両端点a1、a2に対する2次元座標が第1基準座標値である。この場合、両端点a1、a2に対する第1基準座標値の中点が第2基準座標値として得られることができる。
【0110】
一対の基準ライン150a、150bの長さ及び傾きも上述した第1基準座標値を用いて算出することができる。例えば、一つの基準ライン150aの両端点a1、a2に対する2つの第1基準座標値の間の距離が当該基準ライン150aの長さとして得られ、このような2つの第1基準座標値から基準軸である残りの一つの基準ライン150bに対する傾きを算出することができる。
【0111】
また、上述した基準データとして一対の基準ライン150a、150bの厚さを得ることもできる。
【0112】
次に、レーザ発振部とカメラとの間、及びフラットベッド・スキャン・モジュールと対象装備との間のうちの少なくともいずれか一方にアライメント誤差の発生時に、十字ビームが平面部120に走査されて形成される一対の測定ライン150c、150dをカメラで撮影して測定データを得る(S130)。
【0113】
このように測定データを得るためには、上述した基準データを得る過程と同様に原点アライメント部を用いてアライメント誤差測定用ジグ110を対象装備105にアライメントさせる過程が要求される。これにより、アライメント誤差測定用ジグ110は、対象装備105に対して基準データを得るときと同様な相対的位置を維持することになる。
【0114】
図15ないし図18は、本発明の他の実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法の測定データを得る過程における測定ラインを示す平面図である。
【0115】
図15ないし図18に示すように、カメラにより撮影された映像には、十字ビームが平面部120に走査されて形成された一対の測定ライン150c、150dが表示される。したがって、このような測定ライン150c、150dから測定データを抽出することができる。ここで、測定データには、基準データと同様に、第1測定座標値、第2測定座標値、測定ラインの長さ及び傾きなどが含まれてもよい。
【0116】
第1測定座標値の測定データは、一対の測定ライン150c、150dのそれぞれの両端点c1、c2、d1、d2に対する2次元座標値を意味する。第2測定座標値は、一対の測定ライン150c、150dのそれぞれの中心点に対する2次元座標値を意味し、これは第1測定座標値を用いて算出することができる。
【0117】
一対の測定ライン150c、150dの長さ及び傾きも第1測定座標値を用いて算出することができる。そして、測定データとして測定ラインの厚さを得ることもできる。
【0118】
次に、基準データと測定データとを比べて、基準データに対する測定データの誤差を算出する(S140)。上述した過程により基準データ及び測定データを確保した後に、これらを互いに比べることによりフラットベッド・スキャン・モジュール10(図10参照)と対象装備105(図10参照)との間、またはレーザ発振部とカメラとの間のアライメント可否を容易に確認することができる。
【0119】
また、基準データに対する測定データの誤差を算出することにより、フラットベッド・スキャン・モジュール10(図10参照)と対象装備105(図10参照)との間、またはレーザ発振部とカメラとの間のアライメント誤差の程度を容易に測定することができる。
【0120】
さらに、基準データ及び測定データ中の厚さに関するデータを相互比べてレーザ発振部の異常可否を容易に確認することができる。
【0121】
具体的に、図14及び図15を参照すると、測定データ中のラインの長さ、傾き及び厚さは、先立って得られた基準データと同様である。ただし、ライン交差点は、基準データに比べて水平移動された。
【0122】
これにより、フラットベッド・スキャン・モジュール10(図10参照)自体の中心が対象装備105(図10参照)に対して水平方向に移動配置されたことを確認できる。これにより、フラットベッド・スキャン・モジュール10が対象装備105に対してアライメントされていないことが分かる。
【0123】
図14及び図16を参照すると、測定データ中のラインの厚さは先立って得られた基準データと同様である。ただし、ラインの長さ、傾きは、基準データに比べて差がある。つまり、一つの測定ライン150cの長さが、これに対応する基準ライン150aの長さと異なり、一つの測定ライン150cと残りの一つの測定ライン150dの相互間の傾きが、一対の基準ライン150a、150bの間の傾きと異なる。
【0124】
これにより、十字ビームを生成するレーザ発振部に含まれた一対のレーザダイオードの離隔角がアライメントされた状態から外れていることを確認できる。
【0125】
図14及び図17を参照すると、測定データ中のラインの長さ、ラインの傾き、ラインの厚さは、先立って得られた基準データと同様である。ただし、図17に示すカメラにより撮影されたアライメント誤差測定用ジグ110及びこれに走査された一対の測定ライン150c、150dに対する映像は、図14に示された映像に比べて一定角度に回転した状態にある。
【0126】
これにより、カメラのみが、アライメントされた状態から外れていることを確認できる。
【0127】
図14及び図18を参照すると、一対の測定ライン150c、150dのうちの一つの測定ライン150cの厚さが、これに対応する基準ライン150aに比べて小さい。これにより、レーザ発振部に含まれた一対のレーザダイオードのうちの一つのレーザダイオードが弱化されたか損傷されたことを確認できる。
【0128】
上記では、本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、該当技術分野で通常の知識を有する者であれば、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更させることができることを理解できよう。
【符号の説明】
【0129】
10 フラットベッド・スキャン・モジュール、
12、14、16、18 レーザ発振部、
20 カメラ、
22 ブラケット、
24 フレーム、
26 下部ケース、
28、32 サポート、
30、36 開口部、
34 上部ケース、
38 レール、
40 ガントリ、
42 トロリーレール、
44 トロリー、
46 平板、
48 固定具、
50 四角枠、
52 連結バー、
54 連結具、
110 アライメント誤差測定用ジグ、
120 平面部、
130 傾斜部、
150a、150b 基準ライン、
150c、150d 測定ライン。
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラットベッド・スキャン・モジュール、フラットベッド・スキャン・システム、フラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定用ジグ及びこれを用いたフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法に関する。より詳細には、平板の形状を自動的にスキャンして計測誤差を低減することができ、これにより、NCマーキングをすることにより作業時間を短縮することができるフラットベッド・スキャン・モジュール、フラットベッド・スキャン・システム、フラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定用ジグ及びこれを用いたフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
船体構造部材は、平面板、曲面板、直線型鋼及び曲線型鋼などの部材を加工組立して形成することになる。
【0003】
このような船体加工作業の正確性や効率性を高めるために、加工される鋼材表面に予め線や記号で加工情報を表示する作業であるマーキング(Marking)をし、マーキングされた情報に従って加工作業を行う。
【0004】
従来、巻き尺や墨壺などの道具を用いて直接人の手でマーキングをしたが、近年、電算装備によりマーキング資料が処理され、NC(Numerical Control)マーキング機により自動的にマーキング作業が行われている。
【0005】
しかし、このようなNCマーキングも人が直接巻き尺などを用いて基準点をマーキングし、これをティーチング(teaching)することになるため、手作業による計測誤差が生じることがあり、さらに手作業による基準点計測に多くの作業時間が必要となる問題点があった。
【0006】
このような問題点に対応してレーザビジョンシステムが開発されている。レーザビジョンシステムとは、例えば溶接装置の溶接トーチの前端に装着されて加工対象物を測定する装置であって、溶接しようとする溶接線に溶接トーチをアライメントさせるために用いられることがある。
【0007】
このようなレーザビジョンシステムは、溶接装置などの加工装備とアライメントされて装着される。しかし、溶接などの作業により発生する振動または荷重などの外部要人により、レーザビジョンシステムの装着角度または位置が変わり、レーザビジョンシステムと加工装備との間にアライメント誤差が生じ得る。
【0008】
また、レーザビジョンシステムは、レーザビームを発射するレーザダイオードを含むレーザ発生器及び発射されたレーザビームを撮影するカメラで構成され、このようなレーザダイオードとカメラとは互いにアライメントされて設けられる。しかし、上述したように、実際の作業時には振動などの外部荷重が作用し、このレーザダイオードとカメラとの間にもアライメント誤差が生じ得る。
【0009】
このようなレーザビジョンシステムと加工装備との間のアライメント誤差、及びレーザビジョンシステム内部の構成部品間のアライメント誤差が生じる場合、測定対象物の実際の情報とレーザビジョンシステムにより測定された測定情報との間に誤差が生じることになる。 これにより、レーザビジョンシステムの信頼性を確保しにくいという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、平板の形状を自動的にスキャンして計測誤差を低減することができ、これにより、NCマーキングをすることにより作業時間を短縮することができるフラットベッド・スキャン・モジュール及びフラットベッド・スキャン・システムを提供することを目的とする。
【0011】
また、フラットベッド・スキャン・モジュールと対象装備との間のアライメント誤差、及びフラットベッド・スキャン・モジュールのカメラとレーザ発振部との間のアライメント誤差を確認し、その程度を測定することができる、アライメント誤差測定用ジグ及びこれを用いたアライメント誤差測定方法を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一側面によれば、平板の形状をスキャンするためのフラットベッド・スキャン・モジュールであって、仮想の四角形の一辺の両端部にそれぞれ位置し、平板に線状のレーザビームを出射する第1レーザ発振部及び第2レーザ発振部と、四角形の一辺に隣接した他辺の両端部にそれぞれ位置し、平板に線状のレーザビームを出射する第3レーザ発振部及び第4レーザ発振部と、四角形の中央部に位置し、平板から反射されたレーザビームを撮影するカメラと、第1ないし第4レーザ発振部及びカメラを支持するフレームと、を含むフラットベッド・スキャン・モジュールが提供される。
【0013】
第1ないし第4レーザ発振部から出射される線状のレーザビームは、カメラの下部の平板に向けて出射されることが可能である。
【0014】
カメラの光軸(optic axis)に対してチルトするレーザビームの主軸のチルト角は調整可能である。
【0015】
第1ないし第4レーザ発振部から出射される線状のレーザビームは、平板の外周辺と交差するように出射されることが可能である。
【0016】
平板が直線の外周辺を有する場合、線状のレーザビームは直線の外周辺と直交してもよい。
【0017】
本発明の他の側面によれば、平板の形状をスキャンするためのフラットベッド・スキャン・システムであって、レールに沿って移動するガントリ(gantry)と、ガントリに沿って移動するトロリー(trolley)と、仮想の四角形の一辺の両端部にそれぞれ位置し、平板に線状のレーザビームを出射する第1レーザ発振部及び第2レーザ発振部と、四角形の一辺に隣接した他辺の両端部にそれぞれ位置し、平板に線状のレーザビームを出射する第3レーザ発振部及び第4レーザ発振部と、四角形の中央部に位置し、平板から反射されたレーザビームを撮影するカメラと、第1ないし第4レーザ発振部及びカメラを支持し、トロリーに連結されるフレームと、を含むフラットベッド・スキャン・システムが提供される。
【0018】
第1ないし第4レーザ発振部から出射される線状のレーザビームは、カメラの下部の平板に向けて出射されることが可能である。
【0019】
カメラの光軸(optic axis)に対してチルトするレーザビームの主軸のチルト角は調整可能である。
【0020】
第1ないし第4レーザ発振部から出射される線状のレーザビームは、平板の外周辺と交差するように出射されてもよい。平板が直線の外周辺を有する場合、線状のレーザビームは直線の外周辺と直交してもよい。
【0021】
トロリーに連結され、平板に特定形状をマーキングするマーキング部をさらに含むことができる。
【0022】
本発明のまた他の側面によれば、上記のフラットベッド・スキャン・モジュールの第1レーザ発振部、第2レーザ発振部、第3レーザ発振部及び第4レーザ発振部から選択された一対のレーザ発振部から線状のレーザビームを出射して十字ビームを形成する一対のレーザ発振部とカメラとの間のアライメント誤差及びフラットベッド・スキャン・モジュールとフラットベッド・スキャン・モジュールが設けられた対象装備との間のアライメント誤差を測定するためのフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定用ジグであって、十字ビームが走査される平面を有する平面部と、平面部を取り囲み、平面と接する傾斜面を有する傾斜部と、を含むフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定用ジグが提供される。
【0023】
上記平面は正四角形であり、上記傾斜面は上記平面の辺にそれぞれ接する4つの台形面を含むことができる。
【0024】
上記平面に対する上記4つの台形面の傾斜度は同一であってもよい。
【0025】
また、本発明のまた他の側面によれば、上記アライメント誤差測定用ジグを用いて、十字ビームを形成する上記一対のレーザ発振部と上記カメラとの間のアライメント誤差、及び上記フラットベッド・スキャン・モジュールと上記フラットベッド・スキャン・モジュールが設けられた対象装備との間のアライメント誤差を測定するための方法であって、上記一対のレーザ発振部と上記カメラ、及び上記フラットベッド・スキャン・モジュールと上記対象装備とのアライメント時、上記十字ビームが上記平面部に走査されて形成される一対の基準ラインを上記カメラで撮影して基準データを得るステップと、上記一対のレーザ発振部と上記カメラとの間、及び上記フラットベッド・スキャン・モジュールと上記対象装備との間のうち少なくともいずれか一方にアライメント誤差が生じた場合、上記十字ビームが上記平面部に走査されて形成される一対の測定ラインを上記カメラで撮影して測定データを得るステップと、上記基準データと上記測定データとを比べて、上記基準データに対する上記測定データの誤差を算出するステップと、を含むフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法が提供される。
【0026】
上記基準データは、上記一対の基準ラインそれぞれの両端点に対する第1基準座標値を含み、上記測定データは上記一対の測定ラインそれぞれの両端点に対する第1測定座標値を含むことができる。
【0027】
上記基準データは、上記一対の基準ラインそれぞれの中心点に対する第2基準座標値をさらに含み、上記測定データは、上記一対の測定ラインそれぞれの中心点に対する第2測定座標値をさらに含むことができる。
【0028】
上記基準データは、上記一対の基準ラインそれぞれの長さをさらに含むことができ、上記測定データは、上記一対の測定ラインそれぞれの長さをさらに含むことができる。
【0029】
上記基準データは、上記一対の基準ラインのうちの一つの基準ラインに対する残りの基準ラインの傾きをさらに含むことができ、上記測定データは上記一対の測定ラインのうちの一つの測定ラインに対する残りの測定ラインの傾きをさらに含むことができる。
【0030】
上記基準データは、上記一対の基準ラインそれぞれの厚さをさらに含むことができ、上記測定データは、上記一対の測定ラインそれぞれの厚さをさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0031】
平板の形状を自動的にスキャンして計測誤差を低減することができる。
【0032】
また、自動的に平板の形状をスキャンし、これにより平板上に特定形状のマーキングをすることにより作業時間を短縮することができる。
【0033】
また、フラットベッド・スキャン・モジュールと対象装備との間のアライメント誤差、及びフラットベッド・スキャン・モジュールのカメラとレーザ発振部との間のアライメント誤差を確認することができ、その誤差の程度を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールの分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールの結合斜視図である。
【図3】本発明の一実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールの平面図である。
【図4】本発明の他の実施例に係るフラットベッド・スキャン・システムの斜視図である。
【図5】本発明の他の実施例に係るフラットベッド・スキャン・システムの部分斜視図である。
【図6】本発明の他の実施例に係るフラットベッド・スキャン・システムを用いて平板をスキャンする方法を説明するための概略図である。
【図7】本発明の他の実施例に係るフラットベッド・スキャン・システムを用いて平板をスキャンする方法を説明するための概略図である。
【図8】本発明の他の実施例に係るフラットベッド・スキャン・システムを用いて平板をスキャンする方法を説明するための概略図である。
【図9】本発明の他の実施例に係るフラットベッド・スキャン・システムを用いて平板をスキャンする方法を説明するための概略図である。
【図10】本発明の一実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定用ジグを用いたアライメント誤差測定過程を示す概略図である。
【図11】本発明の一実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定用ジグを示す平面図である。
【図12】本発明の一実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定用ジグを示す正面図である。
【図13】本発明の他の実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法を示す順序図である。
【図14】本発明の他の実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法の基準データの獲得過程時の基準ラインを示す平面図である。
【図15】本発明の他の実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法の測定データの獲得過程時の測定ラインを示す平面図である。
【図16】本発明の他の実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法の測定データの獲得過程時の測定ラインを示す平面図である。
【図17】本発明の他の実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法の測定データの獲得過程時の測定ラインを示す平面図である。
【図18】本発明の他の実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法の測定データの獲得過程時の測定ラインを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明に係るフラットベッド・スキャン・モジュール、フラットベッド・スキャン・システム、フラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定用ジグ及びこれを用いたフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法の実施例を添付図面に基づいて詳細に説明し、添付図面を参照して説明するに当たって、同一または対応する構成要素は同一の図面番号を付し、これに関する重複説明は省略する。
【0036】
図1は、本発明の一実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールの分解斜視図であり、図2は、本発明の一実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールの結合斜視図であり、図3は本発明の一実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールの平面図である。図1ないし図3を参照すると、フラットベッド・スキャン・モジュール10、第1レーザ発振部12、第2レーザ発振部14、第3レーザ発振部16、第4レーザ発振部18、カメラ20、ブラケット22、フレーム24、下部ケース26、サポート28、32、開口部30、36、上部ケース34が示されている。
【0037】
本実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュール10は、平板の形状をスキャンするためのフラットベッド・スキャン・モジュールであって、仮想の四角形の一辺の両端部にそれぞれ位置し、平板に線状のレーザビームを出射する第1レーザ発振部12及び第2レーザ発振部14と、四角形の一辺に隣接した他辺の両端部にそれぞれ位置し、平板に線状のレーザビームを出射する第3レーザ発振部16及び第4レーザ発振部18と、四角形の中央部に位置し、平板から反射されたレーザビームを撮影するカメラ20と、第1ないし第4レーザ発振部12、14、16、18及びカメラ20を支持するフレーム24と、を含み、平板の形状を自動的にスキャンして計測誤差を低減することができる。
【0038】
本実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュール10を用いて平板の形状をスキャンする方法は次の通りである。先ず、フラットベッド・スキャン・モジュール10を平板の外周辺に沿って移動させながら所定間隔でレーザビームを照射し、これをカメラ20で撮影してレーザビームのイメージを得る。そして、このように得られたイメージを処理して平板の形状をスキャンする。
【0039】
第1レーザ発振部12、第2レーザ発振部14、第3レーザ発振部16及び第4レーザ発振部18は、線状のレーザビームを出射する。このような線状のレーザビームは平板部材の外周辺と交差するように出射され、平板から反射されるレーザビームをカメラ20が撮影することになる。
【0040】
平板の外周辺と交差するように出射された線状のレーザビームは平板の外周辺の形状に応じて反射されるレーザビームの形状が変わり、これをカメラ20で撮影してイメージを得ることになる。
【0041】
本実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュール10は、直線方向または上記直線方向と直交する方向に沿って移動しながら平板の外周形状をスキャニングする。
【0042】
平板部材の外周形状をスキャンするために第1レーザ発振部12及び第2レーザ発振部14を仮想の四角形の一辺の両端部にそれぞれ配置し、第3レーザ発振部16及び第4レーザ発振部18を仮想の四角形の一辺に隣接した他辺の両端部にそれぞれ配置する。このように配置すると、第1レーザ発振部12と第3レーザ発振部16とは互いに隣接して配置されることになる。
【0043】
第1レーザ発振部12と第2レーザ発振部14とは互いに対をなし、互いに対向する平板の外周辺にレーザビームを出射する。
【0044】
また、第3レーザ発振部16と第4レーザ発振部18とは互いに対をなし、互いに対向する平板の外周辺にレーザビームを出射する。
【0045】
カメラ20は、仮想の四角形の中央部に位置し、第1レーザ発振部12ないし第4レーザ発振部18から出射されて平板から反射されるレーザビームを撮影する。このように一つのカメラ20を中央部に配置し、仮想の四角形の端部に位置する各レーザ発振部12、14、16、18をカメラ20の下部の平板に向けてレーザビームが出射されるように傾斜して配置して、各レーザ発振部12、14、16、18から出射されたレーザビームを一つのカメラ20が撮影できるようにする。
【0046】
一方、カメラの光軸に対してチルトするレーザビームの主軸のチルト角は調整可能である。このために、各レーザ発振部12、14、16、18は、チルト角を調整できるブラケット22を用いてフレーム24に連結してもよい。
【0047】
より詳細には、図7及び図9を参照して説明すると、チルト角は、平板46に向けて出射され、平板46上に投影される線状のレーザビーム13とカメラの光軸21とが定義する仮想の面と、平板46上に投影される線状のレーザビーム13とレーザ発振部12、14から出射されるレーザビームの主軸15とが定義する仮想の面とがなす角と定義することができ、このようなチルト角の大きさはブラケット22により調整可能である。
【0048】
線状のレーザビームは、レーザダイオードから出射されたレーザビームを光学的処理により両方向に放射させて形成する。このような線状のレーザビームの放射角を2分する仮想の線を線状のレーザビームの主軸15として定義することができる。
【0049】
チルト角を調整することにより平板46に投影される線状のレーザビーム13の幅を調整でき、カメラ20を用いてイメージを容易に得ることができる。例えば、開先部47の幅が狭くて開先角が急である場合、カメラから得られる線状のレーザビームのイメージの解像度が低下することがある。この場合、チルト角を大きくして平板46に投影される線状のレーザビーム13の幅を広げ、容易にレーザビームのイメージを得るようにする。
【0050】
フレーム24は、仮想の四角形上に位置する第1レーザ発振部12、第2レーザ発振部14、第3レーザ発振部16、第4レーザ発振部18及びカメラ20を支持する。 本実施例では、四角形の板材をフレーム24として用いたが、これに限定されず、バー形状の鋼材を組み立ててフレームを形成するなど様々な形状のフレームが使用できることは明らかである。
【0051】
下部ケース26、フレーム24及び上部ケース34は、多数のサポート28、32を媒介にして互いに連結され、フラットベッド・スキャン・モジュール10を保護する。
【0052】
下部ケース26には各レーザ発振部12、14、16、18の位置に相応して開口部30が形成されており、開口部30を介してレーザビームが出射される。
【0053】
また、他の装置との連結のために、上部ケース34に開口部36が形成されており、開口部36を介して他の装置がフレーム24に連結されることができる。
【0054】
他の実施例として平板が直線の外周辺を有する場合、線状のレーザビームは直線の外周辺と直交するように出射されることが可能である。多角形状を有する平板の場合、様々な方向の外周辺を有するが、各方向に対して直交するように線状のレーザビームを照射し、反射されたレーザビームをカメラ20で撮影する。
【0055】
図4は、本発明の他の実施例に係るフラットベッド・スキャン・システムの斜視図であり、図5は、本発明の他の実施例に係るフラットベッド・スキャン・システムの部分斜視図である。図4及び図5を参照すると、フラットベッド・スキャン・モジュール10、レール38、ガントリ40、トロリーレール42、トロリー44、平板46、固定具48、四角枠50、連結バー52、連結具54、マーキング部56が示されている。
【0056】
本実施例に係るフラットベッド・スキャン・システムは、平板46の形状をスキャンするためのフラットベッド・スキャン・システムであって、レール38に沿って移動するガントリ(gantry)40と、ガントリ40に沿って移動するトロリー(trolley)44と、仮想の四角形の一辺の両端部にそれぞれ位置し、平板46に線状のレーザビームを出射する第1レーザ発振部及び第2レーザ発振部と、四角形の一辺に隣接した他辺の両端部にそれぞれ位置し、平板46に線状のレーザビームを出射する第3レーザ発振部及び第4レーザ発振部と、四角形の中央部に位置し、平板46から反射された上記レーザビーム13(図7参照)を撮影するカメラ20と、第1ないし第4レーザ発振部及びカメラ20を支持し、トロリー44に連結されるフレームと、を含み、平板46の形状を自動的にスキャンして計測誤差を低減することができる。
【0057】
本実施例に係るフラットベッド・スキャン・システムは、レール38に沿って移動するガントリ40とガントリ40に沿って移動するトロリー44とを含むガントリロボットに、上述したフラットベッド・スキャン・モジュール10を付着して平板46の形状をスキャンすることになる。
【0058】
本実施例を説明するに当たって、上述したフラットベッド・スキャン・モジュール10と重複する構成要素についての詳細な説明は省略する。
【0059】
ガントリ40は、平行な二つのレール38に沿って移動する門形の構造体であり、トロリー44は、ガントリ40の長手方向に移動する移動滑車である。このようなトロリー44には計測器、溶接機、切断機などの各種装備を付着でき、ガントリ40とトロリー44の移動により平面上の所定の位置へ装備を移動させることができる。
【0060】
本実施例は、上述したフラットベッド・スキャン・モジュール10をトロリー44に付着して平板46の形状をスキャンするように構成した。
【0061】
トロリー44に付着されたフラットベッド・スキャン・モジュール10を用いて平板46の形状をスキャンする方法は、先ず、ガントリ40とトロリー44の移動によりフラットベッド・スキャン・モジュール10を平板46の外周辺に沿って移動させながら、フラットベッド・スキャン・モジュール10のレーザ発振器から線状のレーザビームを出射し、平板46から反射されたレーザビームをカメラ20で撮影してイメージを得る。そして、得られたイメージを画像データ化し、画像データを処理して平板46の形状をスキャンする。
【0062】
フラットベッド・スキャン・モジュール10のカメラは、スキャンしようとする平板46の外周辺の上部に位置し、レーザ発振部から平板46の外周辺と交差するように出射された線状のレーザビームの反射されたイメージを撮影する。
【0063】
水平方向(図4のX方向)に配置された第1レーザ発振部及び第2レーザ発振部は、スキャンしようとする平板46の縦方向の外周辺をスキャンするために、線状のレーザビームを出射し、垂直方向(図4のY方向)に配置された第3レーザ発振部及び第4レーザ発振部は、スキャンしようとする平板46の横方向の外周辺をスキャンするために、線状のレーザビームを出射する。
【0064】
固定具48は、フラットベッド・スキャン・モジュール10をトロリー44に付着するためのものであって、本実施例では四角形の四角枠50と、四角枠50の下部の両端部から突出する連結バー52とで構成されている。
【0065】
四角枠50の一面はトロリー44に連結され、四角枠50の他面の両端部から突出した連結バー52のうちの一つにはフラットベッド・スキャン・モジュール10が連結具54により連結され、残りの一つには後述するマーキング部56が連結される。連結具54はフラットベッド・スキャン・モジュール10の上部ケース34の開口部36を介してフレーム24に連結されて、フレーム24とトロリー44を連結する。
【0066】
本実施例に係るフラットベッド・スキャン・システムは、レール38に沿って移動するガントリ40と、ガントリ40に沿って移動するトロリー44とを含むガントリロボットに、上述したフラットベッド・スキャン・モジュール10を付着して平板46の形状をスキャンすると共にトロリー44に付着されたマーキング部56を用いて平板46上に特定形状をマーキングすることができる。
【0067】
船体を形成するための平板46上には各種縦方向部材の溶接位置及び平板46の切断位置をマーキングする必要があるが、平板46部材にマーキングするためには、コンベヤーなどを用いてガントリ40の下部に平板46をローディングする。
【0068】
平板46がローディングされると、マーキングのための基準点を設定する必要があり、トロリー44に付着されたフラットベッド・スキャン・モジュール10を用いて平板46の形状をスキャンする。スキャンされた平板46の形状に応じて平板46に縦方向部材の溶接位置、切断位置などの特定形状をマーキング部56を用いてマーキングする。
【0069】
本実施例に係るマーキング部56は、酸素用ノズルから亜鉛系の粉末を噴射して予熱炎で焼き付けるマーキングトーチを含むことができる。以下では、マーキングトーチを用いて特定形状をマーキングする方法について説明する。
【0070】
フラットベッド・スキャン・モジュール10により平板46の形状がスキャニングされると、平板46の特定位置を座標化し、これによりマーキングトーチが平板46上を移動しながら特定形状をマーキングすることになる。
【0071】
平板46の形状が予測可能な場合は、平板46の外周辺の特定部位のみをスキャンして基準点を設定することが可能である。例えば、四角形平板46上に特定形状をマーキングする場合、四角形平板46の頂点部位のみをスキャニングして頂点の位置を座標化した後に、マーキングトーチを用いてマーキングすることが可能である。
【0072】
ガントリ40及びトロリー44の移動で平板46上の所定位置にマーキングトーチを移動させることができ、これにより平板46上に特定形状をマーキングすることができる。
【0073】
本実施例では、マーキング部56としてマーキングトーチを用いて平板46上に特定形状をマーキングする方法を示したが、その他にもパンチマーキング(punch marking)、ペインティングなど様々な方法を用いて平板46上に特定形状をマーキングすることができる。
【0074】
図6ないし図9は、本発明の他の実施例に係るフラットベッド・スキャン・システムを用いて平板のスキャン方法を説明するための概略図である。図6ないし図9を参照すると、フラットベッド・スキャン・モジュール10、第1レーザ発振部12、第2レーザ発振部14、主軸15、第3レーザ発振部16、第4レーザ発振部18、カメラ20、光軸21、平板46、開先部47が示されている。
【0075】
図6及び図7は、水平方向(図4のX方向参照)に位置した第1レーザ発振部12を用いて平板46の縦方向の外周辺をスキャンする方法を説明するためのものである。平板46の左側の外周辺をスキャンするために、カメラ20を左側の外周辺の上部に位置させ、フラットベッド・スキャン・モジュール10を左側の外周辺に沿って移動させる。フラットベッド・スキャン・モジュール10の移動により所定間隔で第1レーザ発振部12からレーザビームを出射させ、平板46に投影されて反射された線状のレーザビーム13をカメラ20で撮影する。第1レーザ発振部12から出射される線状のレーザビーム13は、平板46の縦方向の外周辺と交差するように出射され、平板46の外周辺の形状に応じてレーザビーム13の形状が変わり、これをカメラ20で撮影してイメージを得る。例えば、平板46を溶接するために平板46の外周辺に開先部47を形成した場合は、図7に示すように、レーザビーム13が折れた形状に撮影されるはずであり、フラットベッド・スキャン・モジュール10が偏平なステージ上に位置した場合は、直線のレーザビームの形状が撮影されるはずである。このように撮影されたレーザビーム13のイメージから平板46の形状をスキャンすることができる。
【0076】
図8及び図9は、水平方向(図4のX方向参照)に位置した第2レーザ発振部14を用いて平板46の縦方向の外周辺をスキャンする方法を説明するためのものである。平板46の右側の外周辺をスキャンするためにトロリー44を用いてフラットベッド・スキャン・モジュール10を平板46の右側の外周辺に移動させ、フラットベッド・スキャン・モジュール10を右側の外周辺に沿って移動させながら第2レーザ発振部14から線状のレーザビーム13を出射させ、反射されたレーザビーム13をカメラ20で撮影して平板46の右側の外周辺の形状をスキャンする。
【0077】
このように、第1レーザ発振部12と第2レーザ発振部14は互いに対をなして縦方向の互いに対向する平板46の外周辺にそれぞれレーザビーム13を出射することになる。
【0078】
垂直方向(図4のY方向参照)に位置する第3レーザ発振部16及び第4レーザ発振部18は、平板46の横方向の外周辺をスキャンするためのものであって、第3レーザ発振部16及び第4レーザ発振部18は互いに対をなして横方向の互いに対向する平板46の外周辺にそれぞれレーザビーム13を出射することになる。
【0079】
第3レーザ発振部16及び第4レーザ発振部18を用いて平板46の形状をスキャンする方法は、上述した第1レーザ発振部12及び第2レーザ発振部14を用いてスキャンする方法と類似しているので、その説明を省略する。
【0080】
本実施例では、四角形平板46の形状をスキャンする方法について説明したが、上述したように第1レーザ発振部12及び第2レーザ発振部14を用いて平板46の縦方向の外周辺をスキャンすることができ、第3レーザ発振部16及び第4レーザ発振部18を用いて平板46の横方向の外周辺をスキャンすることができるので、円形、多角形など様々な形状の平板46をスキャンすることができることは明らかである。
【0081】
図10は、本発明の一実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定用ジグを用いたアライメント誤差測定過程を示す概略図である。
【0082】
本実施例によれば、図10に示すように、平面部120と傾斜部130とを含むフラットベッド・スキャン・モジュール10のアライメント誤差測定用ジグ110が提供される。
【0083】
このようなアライメント誤差測定用ジグ110は、フラットベッド・スキャン・モジュール10とフラットベッド・スキャン・モジュール10が設けられた対象装備105との間のアライメント誤差を測定するために利用される。さらに、フラットベッド・スキャン・モジュール10の構成部品であるレーザ発振部とカメラとの間のアライメント誤差を測定するために利用される。
【0084】
フラットベッド・スキャン・モジュール10の具体的な構成は、上述した通りであるのでその説明を省略する。
【0085】
上述したフラットベッド・スキャン・モジュール10の第1レーザ発振部、第2レーザ発振部、第3レーザ発振部及び第4レーザ発振部から選択された一対のレーザ発振部から線状のレーザビームが出射されて十字ビームを形成し、カメラはアライメント誤差測定用ジグ110に走査された十字ビームを撮影する。
【0086】
第1レーザ発振部及び第3レーザ発振部が一対になって十字ビームを形成してもよく、第2レーザ発振部及び第4レーザ発振部が一対になって十字ビームを形成してもよい。また、第1レーザ発振部及び第4レーザ発振部が一対になって十字ビームを形成してもよく、第2レーザ発振部及び第3レーザ発振部が一対になって十字ビームを形成してもよい。
【0087】
本実施例によれば、制御部(図示せず)は、カメラにより撮影された映像の入力を受け、この映像のうちの基準ライン及び測定ライン(平面部120に走査された十字ビームにより表示される映像)から、後述する第1及び第2基準座標値、第1及び第2測定座標値、そして基準ライン及び測定ラインの長さ、傾き、厚さなどのような基準データ及び測定データを抽出して、これらを用いてアライメント誤差を算出することができる。
【0088】
このように本実施例によれば、フラットベッド・スキャン・モジュール10と対象装備105との間のアライメント誤差を確認し、その誤差の程度を容易に測定することができる。さらに、フラットベッド・スキャン・モジュール10のカメラと一対のレーザ発振部との間のアライメント誤差を確認し、その誤差の程度を容易に測定することができる。
【0089】
以下、図10ないし図12を参照して各構成についてより詳細に説明する。
【0090】
図11及び図12は、本発明の一実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定用ジグを示す平面図及び正面図である。
【0091】
平面部120は、図10ないし図12に示すように、十字ビームが走査される平面を有する。つまり、第1ないし第4レーザ発振部から選択された一対のレーザ発振部から発生される十字ビームは平面部120の平面及び傾斜部130の傾斜面上に走査され、平面部120の表面には基準ラインまたは測定ラインが形成される。
【0092】
これにより、一対のレーザ発振部から走査された十字ビームが平面部120上に基準ラインまたは測定ラインとして直線で表示されるので、フラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント時の基準データ及びフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差の発生時の測定データをより精密に得ることができる。
【0093】
この場合、平面部120の平面は、図10ないし図12に示すように正四角形である。平面部120が正四角形の平面を有することにより、フラットベッド・スキャン・モジュール10のアライメント時に平面部120上に表示される一対の基準ラインの長さが互いに等しくなるので、より容易にアライメント誤差を算出することができる。
【0094】
傾斜部130は、図10ないし図12に示すように、平面部120を取り囲み、平面に接する傾斜面を有する。傾斜部130は平面部120の外周に沿って形成され、平面部120の平面に対して傾いて形成される。これにより、平面部120と傾斜部130との境界ライン(平面の辺)に、カメラによる位置の抽出が容易となる特異点が形成され、より容易に精密な基準データ及び測定データを抽出することができる。
【0095】
傾斜部130の傾斜面は、図10ないし図12に示すように、平面の辺にそれぞれ接する4つの台形面を含むことができる。上述したように、平面部120の平面は正四角形であるため、4つの台形面からなる傾斜面は該正四角形の平面の辺にそれぞれ接することになる。
【0096】
なお、図10ないし図12に示すように、平面に対する4つの台形面の傾斜度は互いに等しい。つまり、傾斜部130の台形形状の傾斜面は平面を基準としてそれぞれ等しく傾いて形成される。
【0097】
結局、本実施例に係るアライメント誤差測定用ジグ110は、図10ないし図12に示すように、正四角錐台形状に実現される。これにより、アライメント誤差測定用ジグ110が左右及び上下対称をなすので、より容易にフラットベッド・スキャン・モジュール10のアライメント誤差を確認することができ、さらに、より精密にそのアライメント誤差を測定することができる。
【0098】
次に、本発明の他の実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法について説明する。
【0099】
図13は、本発明の他の実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法を示す順序図である。
【0100】
図10及び図13を参照すると、本実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法は、上述の実施例で説明したアライメント誤差測定用ジグ110を用いてレーザ発振部とカメラとの間のアライメント誤差、及びフラットベッド・スキャン・モジュール10と対象装備105との間のアライメント誤差を測定するための方法であって、フラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント時の基準データを得るステップと、フラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差の発生時の測定データを得るステップと、基準データに対する測定データの誤差を算出するステップと、を含むことができる。
【0101】
本実施例によれば、フラットベッド・スキャン・モジュール10と対象装備105との間のアライメント誤差を確認し、その誤差の程度を容易に測定することができる。さらにフラットベッド・スキャン・モジュール10のカメラとレーザ発振部との間のアライメント誤差を確認し、その誤差の程度を容易に測定することができる。
【0102】
具体的に、本実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法を説明すると、先ず、レーザ発振部とカメラ、及びフラットベッド・スキャン・モジュール10と対象装備105がそれぞれアライメントされている初期状態においてアライメント誤差測定用ジグ110を対象装備105とアライメントさせる(S110)。
【0103】
この場合、アライメント誤差測定用ジグ110の傾斜部130側の方向には原点アライメント部(図示せず)が配置されてもよい。よって、このような原点アライメント部を用いてアライメント誤差測定用ジグ110と対象装備105とをより効果的にアライメントさせることができる。
【0104】
次に、レーザ発振部とカメラ、及びフラットベッド・スキャン・モジュール10と対象装備105のアライメント時、十字ビームが平面部120に走査されて形成される一対の基準ラインをカメラで撮影して基準データを得る(S120)。
【0105】
図14は、本発明の他の実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法の基準データを得る過程における基準ラインを示す平面図である。
【0106】
図14に示すように、カメラにより撮影された映像には十字ビームが平面部120に走査されて形成された一対の基準ライン150a、150bが表示される。したがって、このような基準ライン150a、150bから基準データを抽出することができる。ここで、基準データには、第1基準座標値、第2基準座標値、基準ラインの長さ及び傾きなどが含まれてもよい。
【0107】
第1基準座標値は、一対の基準ライン150a、150bのそれぞれの両端点a1、a2、b1、b2に対する2次元座標値を意味する。図14に示すように、十字ビームによりアライメント誤差測定用ジグ110に表示される映像は、アライメント誤差測定用ジグ110により折れて特異点を生成することになるので、このように生成された特異点、つまり各基準ライン150a、150bの両端点a1、a2、b1、b2に対する2次元座標が第1基準座標値として得られる。
【0108】
第2基準座標値は、一対の基準ライン150a、150bのそれぞれの中心点に対する第2次元座標値を意味する。このような第2基準座標値は、上述した第1基準座標値を用いて算出することが可能である。
【0109】
例えば、任意の基準ライン150aの両端点a1、a2に対する2次元座標が第1基準座標値である。この場合、両端点a1、a2に対する第1基準座標値の中点が第2基準座標値として得られることができる。
【0110】
一対の基準ライン150a、150bの長さ及び傾きも上述した第1基準座標値を用いて算出することができる。例えば、一つの基準ライン150aの両端点a1、a2に対する2つの第1基準座標値の間の距離が当該基準ライン150aの長さとして得られ、このような2つの第1基準座標値から基準軸である残りの一つの基準ライン150bに対する傾きを算出することができる。
【0111】
また、上述した基準データとして一対の基準ライン150a、150bの厚さを得ることもできる。
【0112】
次に、レーザ発振部とカメラとの間、及びフラットベッド・スキャン・モジュールと対象装備との間のうちの少なくともいずれか一方にアライメント誤差の発生時に、十字ビームが平面部120に走査されて形成される一対の測定ライン150c、150dをカメラで撮影して測定データを得る(S130)。
【0113】
このように測定データを得るためには、上述した基準データを得る過程と同様に原点アライメント部を用いてアライメント誤差測定用ジグ110を対象装備105にアライメントさせる過程が要求される。これにより、アライメント誤差測定用ジグ110は、対象装備105に対して基準データを得るときと同様な相対的位置を維持することになる。
【0114】
図15ないし図18は、本発明の他の実施例に係るフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法の測定データを得る過程における測定ラインを示す平面図である。
【0115】
図15ないし図18に示すように、カメラにより撮影された映像には、十字ビームが平面部120に走査されて形成された一対の測定ライン150c、150dが表示される。したがって、このような測定ライン150c、150dから測定データを抽出することができる。ここで、測定データには、基準データと同様に、第1測定座標値、第2測定座標値、測定ラインの長さ及び傾きなどが含まれてもよい。
【0116】
第1測定座標値の測定データは、一対の測定ライン150c、150dのそれぞれの両端点c1、c2、d1、d2に対する2次元座標値を意味する。第2測定座標値は、一対の測定ライン150c、150dのそれぞれの中心点に対する2次元座標値を意味し、これは第1測定座標値を用いて算出することができる。
【0117】
一対の測定ライン150c、150dの長さ及び傾きも第1測定座標値を用いて算出することができる。そして、測定データとして測定ラインの厚さを得ることもできる。
【0118】
次に、基準データと測定データとを比べて、基準データに対する測定データの誤差を算出する(S140)。上述した過程により基準データ及び測定データを確保した後に、これらを互いに比べることによりフラットベッド・スキャン・モジュール10(図10参照)と対象装備105(図10参照)との間、またはレーザ発振部とカメラとの間のアライメント可否を容易に確認することができる。
【0119】
また、基準データに対する測定データの誤差を算出することにより、フラットベッド・スキャン・モジュール10(図10参照)と対象装備105(図10参照)との間、またはレーザ発振部とカメラとの間のアライメント誤差の程度を容易に測定することができる。
【0120】
さらに、基準データ及び測定データ中の厚さに関するデータを相互比べてレーザ発振部の異常可否を容易に確認することができる。
【0121】
具体的に、図14及び図15を参照すると、測定データ中のラインの長さ、傾き及び厚さは、先立って得られた基準データと同様である。ただし、ライン交差点は、基準データに比べて水平移動された。
【0122】
これにより、フラットベッド・スキャン・モジュール10(図10参照)自体の中心が対象装備105(図10参照)に対して水平方向に移動配置されたことを確認できる。これにより、フラットベッド・スキャン・モジュール10が対象装備105に対してアライメントされていないことが分かる。
【0123】
図14及び図16を参照すると、測定データ中のラインの厚さは先立って得られた基準データと同様である。ただし、ラインの長さ、傾きは、基準データに比べて差がある。つまり、一つの測定ライン150cの長さが、これに対応する基準ライン150aの長さと異なり、一つの測定ライン150cと残りの一つの測定ライン150dの相互間の傾きが、一対の基準ライン150a、150bの間の傾きと異なる。
【0124】
これにより、十字ビームを生成するレーザ発振部に含まれた一対のレーザダイオードの離隔角がアライメントされた状態から外れていることを確認できる。
【0125】
図14及び図17を参照すると、測定データ中のラインの長さ、ラインの傾き、ラインの厚さは、先立って得られた基準データと同様である。ただし、図17に示すカメラにより撮影されたアライメント誤差測定用ジグ110及びこれに走査された一対の測定ライン150c、150dに対する映像は、図14に示された映像に比べて一定角度に回転した状態にある。
【0126】
これにより、カメラのみが、アライメントされた状態から外れていることを確認できる。
【0127】
図14及び図18を参照すると、一対の測定ライン150c、150dのうちの一つの測定ライン150cの厚さが、これに対応する基準ライン150aに比べて小さい。これにより、レーザ発振部に含まれた一対のレーザダイオードのうちの一つのレーザダイオードが弱化されたか損傷されたことを確認できる。
【0128】
上記では、本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、該当技術分野で通常の知識を有する者であれば、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更させることができることを理解できよう。
【符号の説明】
【0129】
10 フラットベッド・スキャン・モジュール、
12、14、16、18 レーザ発振部、
20 カメラ、
22 ブラケット、
24 フレーム、
26 下部ケース、
28、32 サポート、
30、36 開口部、
34 上部ケース、
38 レール、
40 ガントリ、
42 トロリーレール、
44 トロリー、
46 平板、
48 固定具、
50 四角枠、
52 連結バー、
54 連結具、
110 アライメント誤差測定用ジグ、
120 平面部、
130 傾斜部、
150a、150b 基準ライン、
150c、150d 測定ライン。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板の形状をスキャンするためのフラットベッド・スキャン・モジュールであって、
仮想の四角形の一辺の両端部にそれぞれ位置し、前記平板に線状のレーザビームを出射する第1レーザ発振部及び第2レーザ発振部と、
前記四角形の一辺に隣接した他辺の両端部にそれぞれ位置し、前記平板に線状のレーザビームを出射する第3レーザ発振部及び第4レーザ発振部と、
前記四角形の中央部に位置し、前記平板から反射された前記レーザビームを撮影するカメラと、
前記第1レーザ発振部ないし第4レーザ発振部及び前記カメラを支持するフレームと、
を含むフラットベッド・スキャン・モジュール。
【請求項2】
前記第1レーザ発振部ないし第4レーザ発振部から出射される線状のレーザビームは、
前記カメラの下部の前記平板に向けて出射されることを特徴とする請求項1に記載のフラットベッド・スキャン・モジュール。
【請求項3】
前記カメラの光軸(optic axis)に対してチルトする前記レーザビームの主軸のチルト角は、調整することが可能であることを特徴とする請求項2に記載のフラットベッド・スキャン・モジュール。
【請求項4】
前記第1レーザ発振部ないし第4レーザ発振部から出射される線状のレーザビームは、
前記平板の外周辺と交差するように出射されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のフラットベッド・スキャン・モジュール。
【請求項5】
前記平板は、直線の外周辺を有し、
前記線状のレーザビームは、前記直線の外周辺と直交することを特徴とする請求項4に記載のフラットベッド・スキャン・モジュール。
【請求項6】
平板の形状をスキャンするためのフラットベッド・スキャン・システムであって、
レールに沿って移動するガントリ(gantry)と、
前記ガントリに沿って移動するトロリー(trolley)と、
仮想の四角形の一辺の両端部にそれぞれ位置し、前記平板に線状のレーザビームを出射する第1レーザ発振部及び第2レーザ発振部と、
前記四角形の一辺に隣接した他辺の両端部にそれぞれ位置し、前記平板に線状のレーザビームを出射する第3レーザ発振部及び第4レーザ発振部と、
前記四角形の中央部に位置し、前記平板から反射された前記レーザビームを撮影するカメラと、
前記第1レーザ発振部ないし第4レーザ発振部及び前記カメラを支持し、前記トロリーに連結されるフレームと、
を含むフラットベッド・スキャン・システム。
【請求項7】
前記第1レーザ発振部ないし第4レーザ発振部から出射される線状のレーザビームは、
前記カメラの下部の前記平板に向けて出射されることを特徴とする請求項6に記載のフラットベッド・スキャン・システム。
【請求項8】
前記カメラの光軸に対してチルトする前記レーザビームの主軸のチルト角は、調整することが可能であることを特徴とする請求項7に記載のフラットベッド・スキャン・システム。
【請求項9】
前記第1レーザ発振部ないし第4レーザ発振部から出射される線状のレーザビームは、
前記平板の外周辺と交差するように出射されることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1項に記載のフラットベッド・スキャン・システム。
【請求項10】
前記平板は、直線の外周辺を有し、前記線状のレーザビームは前記直線の外周辺と直交することを特徴とする請求項9に記載のフラットベッド・スキャン・システム。
【請求項11】
前記トロリーに連結され、前記平板に特定形状のマーキングをするマーキング部をさらに含む請求項6に記載のフラットベッド・スキャン・システム。
【請求項12】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のフラットベッド・スキャン・モジュールの前記第1レーザ発振部、前記第2レーザ発振部、前記第3レーザ発振部及び前記第4レーザ発振部から選択された一対のレーザ発振部から線状のレーザビームが出射されて十字ビームを形成し、前記一対のレーザ発振部と前記カメラとの間のアライメント誤差、及び前記フラットベッド・スキャン・モジュールと前記フラットベッド・スキャン・モジュールが設けられた対象装備との間のアライメント誤差を測定するための、フラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定用ジグであって、
前記十字ビームが走査される平面を有する平面部と、
前記平面部を取り囲み、前記平面に接する傾斜面を有する傾斜部と、を含むフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定用ジグ。
【請求項13】
前記平面は、正四角形であり、
前記傾斜面は、前記平面の辺にそれぞれ接する4つの台形面を含むことを特徴とする請求項12に記載のフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定用ジグ。
【請求項14】
前記平面に対する前記4つの台形面の傾斜度は、互いに等しいことを特徴とする請求項13に記載のフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定用ジグ。
【請求項15】
請求項12ないし請求項14のいずれか1項に記載のアライメント誤差測定用ジグを用いて、前記一対のレーザ発振部と前記カメラとの間のアライメント誤差、及び前記フラットベッド・スキャン・モジュールと前記フラットベッド・スキャン・モジュールが設けられた対象装備との間のアライメント誤差を測定するための方法であって、
前記一対のレーザ発振部と前記カメラ、及び前記フラットベッド・スキャン・モジュールと前記対象装備のアライメント時、前記十字ビームが前記平面部に走査されて形成される一対の基準ラインを前記カメラで撮影して基準データを得るステップと、
前記一対のレーザ発振部と前記カメラとの間、及び前記フラットベッド・スキャン・モジュールと前記対象装備との間のうちの少なくともいずれか一方にアライメント誤差の発生時、前記十字ビームが前記平面部に走査されて形成される一対の測定ラインを前記カメラで撮影して測定データを得るステップと、
前記基準データと前記測定データとを比べて、前記基準データに対する前記測定データの誤差を算出するステップと、
を含むフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法。
【請求項16】
前記基準データは、前記一対の基準ラインそれぞれの両端点に対する第1基準座標値を含み、
前記測定データは、前記一対の測定ラインそれぞれの両端点に対する第1測定座標値を含むことを特徴とする請求項15に記載のフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法。
【請求項17】
前記基準データは、前記一対の基準ラインそれぞれの中心点に対する第2基準座標値をさらに含み、
前記測定データは、前記一対の測定ラインそれぞれの中心点に対する第2測定座標値をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載のフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法。
【請求項18】
前記基準データは、前記一対の基準ラインそれぞれの長さをさらに含み、
前記測定データは、前記一対の測定ラインそれぞれの長さをさらに含むことを特徴とする請求項16に記載のフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法。
【請求項19】
前記基準データは、前記一対の基準ラインのうちの一つの基準ラインに対する残りの基準ラインの傾きをさらに含み、
前記測定データは、前記一対の測定ラインのうちの一つの測定ラインに対する残りの測定ラインの傾きをさらに含むことを特徴とする請求項16に記載のフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法。
【請求項20】
前記基準データは、前記一対の基準ラインそれぞれの厚さをさらに含み、
前記測定データは、前記一対の測定ラインそれぞれの厚さをさらに含むことを特徴とする請求項16に記載のフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法。
【請求項1】
平板の形状をスキャンするためのフラットベッド・スキャン・モジュールであって、
仮想の四角形の一辺の両端部にそれぞれ位置し、前記平板に線状のレーザビームを出射する第1レーザ発振部及び第2レーザ発振部と、
前記四角形の一辺に隣接した他辺の両端部にそれぞれ位置し、前記平板に線状のレーザビームを出射する第3レーザ発振部及び第4レーザ発振部と、
前記四角形の中央部に位置し、前記平板から反射された前記レーザビームを撮影するカメラと、
前記第1レーザ発振部ないし第4レーザ発振部及び前記カメラを支持するフレームと、
を含むフラットベッド・スキャン・モジュール。
【請求項2】
前記第1レーザ発振部ないし第4レーザ発振部から出射される線状のレーザビームは、
前記カメラの下部の前記平板に向けて出射されることを特徴とする請求項1に記載のフラットベッド・スキャン・モジュール。
【請求項3】
前記カメラの光軸(optic axis)に対してチルトする前記レーザビームの主軸のチルト角は、調整することが可能であることを特徴とする請求項2に記載のフラットベッド・スキャン・モジュール。
【請求項4】
前記第1レーザ発振部ないし第4レーザ発振部から出射される線状のレーザビームは、
前記平板の外周辺と交差するように出射されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のフラットベッド・スキャン・モジュール。
【請求項5】
前記平板は、直線の外周辺を有し、
前記線状のレーザビームは、前記直線の外周辺と直交することを特徴とする請求項4に記載のフラットベッド・スキャン・モジュール。
【請求項6】
平板の形状をスキャンするためのフラットベッド・スキャン・システムであって、
レールに沿って移動するガントリ(gantry)と、
前記ガントリに沿って移動するトロリー(trolley)と、
仮想の四角形の一辺の両端部にそれぞれ位置し、前記平板に線状のレーザビームを出射する第1レーザ発振部及び第2レーザ発振部と、
前記四角形の一辺に隣接した他辺の両端部にそれぞれ位置し、前記平板に線状のレーザビームを出射する第3レーザ発振部及び第4レーザ発振部と、
前記四角形の中央部に位置し、前記平板から反射された前記レーザビームを撮影するカメラと、
前記第1レーザ発振部ないし第4レーザ発振部及び前記カメラを支持し、前記トロリーに連結されるフレームと、
を含むフラットベッド・スキャン・システム。
【請求項7】
前記第1レーザ発振部ないし第4レーザ発振部から出射される線状のレーザビームは、
前記カメラの下部の前記平板に向けて出射されることを特徴とする請求項6に記載のフラットベッド・スキャン・システム。
【請求項8】
前記カメラの光軸に対してチルトする前記レーザビームの主軸のチルト角は、調整することが可能であることを特徴とする請求項7に記載のフラットベッド・スキャン・システム。
【請求項9】
前記第1レーザ発振部ないし第4レーザ発振部から出射される線状のレーザビームは、
前記平板の外周辺と交差するように出射されることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1項に記載のフラットベッド・スキャン・システム。
【請求項10】
前記平板は、直線の外周辺を有し、前記線状のレーザビームは前記直線の外周辺と直交することを特徴とする請求項9に記載のフラットベッド・スキャン・システム。
【請求項11】
前記トロリーに連結され、前記平板に特定形状のマーキングをするマーキング部をさらに含む請求項6に記載のフラットベッド・スキャン・システム。
【請求項12】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のフラットベッド・スキャン・モジュールの前記第1レーザ発振部、前記第2レーザ発振部、前記第3レーザ発振部及び前記第4レーザ発振部から選択された一対のレーザ発振部から線状のレーザビームが出射されて十字ビームを形成し、前記一対のレーザ発振部と前記カメラとの間のアライメント誤差、及び前記フラットベッド・スキャン・モジュールと前記フラットベッド・スキャン・モジュールが設けられた対象装備との間のアライメント誤差を測定するための、フラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定用ジグであって、
前記十字ビームが走査される平面を有する平面部と、
前記平面部を取り囲み、前記平面に接する傾斜面を有する傾斜部と、を含むフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定用ジグ。
【請求項13】
前記平面は、正四角形であり、
前記傾斜面は、前記平面の辺にそれぞれ接する4つの台形面を含むことを特徴とする請求項12に記載のフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定用ジグ。
【請求項14】
前記平面に対する前記4つの台形面の傾斜度は、互いに等しいことを特徴とする請求項13に記載のフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定用ジグ。
【請求項15】
請求項12ないし請求項14のいずれか1項に記載のアライメント誤差測定用ジグを用いて、前記一対のレーザ発振部と前記カメラとの間のアライメント誤差、及び前記フラットベッド・スキャン・モジュールと前記フラットベッド・スキャン・モジュールが設けられた対象装備との間のアライメント誤差を測定するための方法であって、
前記一対のレーザ発振部と前記カメラ、及び前記フラットベッド・スキャン・モジュールと前記対象装備のアライメント時、前記十字ビームが前記平面部に走査されて形成される一対の基準ラインを前記カメラで撮影して基準データを得るステップと、
前記一対のレーザ発振部と前記カメラとの間、及び前記フラットベッド・スキャン・モジュールと前記対象装備との間のうちの少なくともいずれか一方にアライメント誤差の発生時、前記十字ビームが前記平面部に走査されて形成される一対の測定ラインを前記カメラで撮影して測定データを得るステップと、
前記基準データと前記測定データとを比べて、前記基準データに対する前記測定データの誤差を算出するステップと、
を含むフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法。
【請求項16】
前記基準データは、前記一対の基準ラインそれぞれの両端点に対する第1基準座標値を含み、
前記測定データは、前記一対の測定ラインそれぞれの両端点に対する第1測定座標値を含むことを特徴とする請求項15に記載のフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法。
【請求項17】
前記基準データは、前記一対の基準ラインそれぞれの中心点に対する第2基準座標値をさらに含み、
前記測定データは、前記一対の測定ラインそれぞれの中心点に対する第2測定座標値をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載のフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法。
【請求項18】
前記基準データは、前記一対の基準ラインそれぞれの長さをさらに含み、
前記測定データは、前記一対の測定ラインそれぞれの長さをさらに含むことを特徴とする請求項16に記載のフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法。
【請求項19】
前記基準データは、前記一対の基準ラインのうちの一つの基準ラインに対する残りの基準ラインの傾きをさらに含み、
前記測定データは、前記一対の測定ラインのうちの一つの測定ラインに対する残りの測定ラインの傾きをさらに含むことを特徴とする請求項16に記載のフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法。
【請求項20】
前記基準データは、前記一対の基準ラインそれぞれの厚さをさらに含み、
前記測定データは、前記一対の測定ラインそれぞれの厚さをさらに含むことを特徴とする請求項16に記載のフラットベッド・スキャン・モジュールのアライメント誤差測定方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公表番号】特表2012−527611(P2012−527611A)
【公表日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−511752(P2012−511752)
【出願日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際出願番号】PCT/KR2010/002886
【国際公開番号】WO2010/134709
【国際公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(507375487)サムスン ヘヴィ インダストリーズ カンパニー リミテッド (20)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Heavy Industries Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】1321−15 Seocho−Dong, Seocho−Ku, Seoul, Korea
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際出願番号】PCT/KR2010/002886
【国際公開番号】WO2010/134709
【国際公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(507375487)サムスン ヘヴィ インダストリーズ カンパニー リミテッド (20)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Heavy Industries Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】1321−15 Seocho−Dong, Seocho−Ku, Seoul, Korea
【Fターム(参考)】
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