フラップテーブル
【課題】フラップテーブルにおいて,極力小さく簡易な構成により,天板の回動操作に要する力の軽減と,天板の回動操作時の衝撃の回避とを実現できること。
【解決手段】天板20の回動の中心線P1に沿って設けられたトーションバー51と,そのトーションバー51における2箇所の被支持部のうちの第1の被支持部をその回転を規制して支持する第1のバー保持金具52と,第2の被支持部を天板20の回動に連動して回転するように第2のバー保持金具53で支持し,天板20が横倒し姿勢(水平姿勢)及び起立姿勢各々にあるときのトーションバー51に,天板回動機構において天板20の重力により生じるトルクと反対方向へ天板20を弾性付勢するトルクN1,N2が作用する捻じれを生じさせる。また,トーションバー51以外のばね機構を採用することも考えられる。
【解決手段】天板20の回動の中心線P1に沿って設けられたトーションバー51と,そのトーションバー51における2箇所の被支持部のうちの第1の被支持部をその回転を規制して支持する第1のバー保持金具52と,第2の被支持部を天板20の回動に連動して回転するように第2のバー保持金具53で支持し,天板20が横倒し姿勢(水平姿勢)及び起立姿勢各々にあるときのトーションバー51に,天板回動機構において天板20の重力により生じるトルクと反対方向へ天板20を弾性付勢するトルクN1,N2が作用する捻じれを生じさせる。また,トーションバー51以外のばね機構を採用することも考えられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,天板を使用時の横倒し姿勢と不使用時の起立姿勢とに回動可能に軸支する機構を備えたフラップテーブルに関し,特に,天板の円滑な回動操作が可能なフラップテーブルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来,テーブルにおいて,その天板が,支脚に設けられた回動支持機構により回動可能に軸支されたフラップテーブルが知られている。フラップテーブルは,前記回動支持機構により,使用時には天板をほぼ水平な横倒し姿勢に,不使用時には天板を起立姿勢にすることが可能である。フラップテーブルは,不使用時の占有スペースを小さくできる点で利便性が高い。
ところで,フラップテーブルにおいては,利用者が回動させた天板のトルクを十分に支えきれなかった場合に,天板の横倒し姿勢及び起立姿勢各々への回動端において強い衝撃が生じる。その衝撃は,天板が大きく重いほど顕著となる。
そして,特許文献1や特許文献2には,前記衝撃を緩和するために,天板の回動支持機構に,天板の回動速度を抑制する回転式のダンパやピストンシリンダ式のダンパが設けられたフラップテーブルについて示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−211025号公報
【特許文献2】特開2004−135725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら,従来のフラップテーブルは,前記衝撃に関する第1の問題点に加え,さらに次の第2の問題点も有している。即ち,従来のフラップテーブルは,重い天板が採用されると,その天板を前記横倒し姿勢と前記起立姿勢との間で回動させるのに非常に大きな力を要するという問題点があった。一般的なフラップテーブルでは,天板を前記横倒し姿勢から前記起立姿勢へ持ち上げる際に特に大きな力を要する。
また,フラップテーブルにおいて,特許文献1や特許文献2に示されるダンパが採用されると,天板の回動に対する抵抗が大きくなり,前記第2の問題点がより顕著となり得る。
さらに,特許文献1や特許文献2に示されるフラップテーブルにおいて,重い天板が採用されると,天板の大きな慣性モーメントに対応した大型のダンパが必要となる。そうすると,フラップテーブルの占有スペース,重量及びコストの増大が新たな問題となる。
一方,フラップテーブルにおいて,前記第1の問題点及び前記第2の問題点を解決するための対策は,極力小さく簡易な構成により実現できることが望ましい。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,フラップテーブルにおいて,極力小さく簡易な構成により,天板の回動操作に要する力の軽減と,天板の回動操作時の衝撃の回避とを実現できるフラップテーブルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために本発明に係るフラップテーブルは,次の(1)及び(2)に示される各構成要素を備えている。
(1)天板を横倒し姿勢と起立姿勢とに回動可能に軸支する天板回動支持機構。
(2)前記天板又は該天板の回動に連動する部分を弾性付勢することにより,前記天板が前記横倒し姿勢又は前記起立姿勢の少なくとも一方にあるときに前記天板回動支持機構において前記天板を含む回動部の重力により生じるトルクと反対方向のトルクを発生させる天板弾性付勢手段。
なお,前記天板が前記横倒し姿勢である状態は,前記天板が水平又はほぼ水平に保持された当該フラップテーブルの使用状態である。また,前記天板が前記起立姿勢である状態は,前記天板が鉛直方向又はそれに近い斜め方向に起立するよう保持された当該フラップテーブルの未使用状態である。
本発明に係るフラップテーブルにおいては,前記天板弾性付勢手段によるトルクが,前記横倒し姿勢又は前記起立姿勢にある前記天板の回動開始に要する力を補助する。また,前記天板弾性付勢手段によるトルクは,回動させた前記天板が前記横倒し姿勢又は前記起立姿勢に到達する際に,前記天板を含む回動部の重力による回動の勢いを抑えて強い衝撃の発生を抑止する。
【0006】
また,本発明に係るフラップテーブルにおいて,前記天板弾性付勢手段が,次の(2−1)及び(2−2)に示される構成要素を備えていることが考えられる。
(2−1)前記天板の回動の中心線に沿って2箇所の被支持部で支持されるトーションバー。
(2−2)前記トーションバーにおける2箇所の被支持部のうちの一方をその回転を規制して第1の支持部で支持するとともに他方を前記天板の回動に連動して回転するように第2の支持部で支持し,前記天板が前記横倒し姿勢又は前記起立姿勢の少なくとも一方にあるときの前記トーションバーに,前記天板回動支持機構において前記天板を含む回動部の重力により生じるトルクと反対方向のトルクが発生する捻じれを生じさせるトーションバー支持手段。
以下,本発明に係るフラップテーブルが前記トーションバーを備える場合について説明する。
前記トーションバーは,前記天板の回動に応じて捻じれが生じる。
フラップテーブルは,例えば,前記天板が前記横倒し姿勢にあるときに,前記天板回動支持機構において,前記天板を含む回動部の重力によってその天板を前記起立姿勢側へ回動させる方向と反対方向のトルクが生じるものがある。この場合,例えば,前記天板弾性付勢手段は,前記天板が前記横倒し姿勢又はそれに近い姿勢にあるときに,前記トーションバーの第1の方向の捻じれによる弾性付勢力によって,前記天板に対して前記起立姿勢側へ向かう回動方向への第1のトルクを発生させることができる。
ここで,利用者が,当該フラップテーブルを使用するために前記天板を前記起立姿勢から前記横倒し姿勢へ回動させる操作,即ち,使用前の操作を行う場合を考える。この場合,利用者が回動させた前記天板が第1の回動端である前記横倒し姿勢に近づくと,前記第1のトルクが前記天板の自重及び利用者の操作力による勢いを抑制するよう作用し,前記天板の回動速度が減速する。その結果,前記天板が前記横倒し姿勢に到達した時点で,前記天板の回動の勢いが余って当該フラップテーブルに強い衝撃が生じることを回避又は軽減できる。
【0007】
次に,利用者が,当該フラップテーブルを片付けるために前記天板を前記横倒し姿勢から前記起立姿勢へ回動させる操作,即ち,使用後の操作を行う場合を考える。この場合,利用者が,前記天板の支軸の摩擦抵抗や,前記横倒し姿勢にある前記天板の自重に抗して前記天板の回動を開始させる際に,前記第1のトルクが,利用者の回動操作(前記天板を持ち上げる操作)を補助する方向に作用する。その結果,前記天板が大型で重い場合や利用者が非力な場合であっても,前記横倒し姿勢にある前記天板を容易に回動させることができる。
以上に示したように,本発明に係るフラップテーブルにおいては,前記トーションバーによる前記第1のトルクが,前記天板を前記起立姿勢から前記横倒し姿勢へ回動させる場合に,前記天板の回動の勢いを抑えて強い衝撃の発生を抑止する。さらに,前記トーションバーによる前記第1のトルクが,前記天板を前記横倒し姿勢から前記起立姿勢へ回動させる場合に,前記天板の回動開始に要する力を補助する。
しかも,前記トーションバーは,比較的細い棒状の部材の採用によって強いトルクを発生させることができ,それを支持する構造もシンプルである。そのため,本発明に係るフラップテーブルは,ごく小さく簡易な構成により,前記天板の回動操作に要する力の軽減と,前記天板の回動操作時の衝撃の回避とを実現できる。
【0008】
また,フラップテーブルは,例えば,前記天板回動支持機構において,前記天板が前記横倒し姿勢にあるときに前記天板を含む回動部の重力によってその天板を前記起立姿勢側へ回動させる方向と反対方向のトルクが生じ,前記天板が前記起立姿勢にあるときに前記天板を含む回動部の重力によってその天板を前記横倒し姿勢側へ回動させる方向と反対方向のトルクが生じるものがある。
そのような場合,前記トーションバー支持手段が,前記天板が前記横倒し姿勢であるときと前記起立姿勢であるときとで前記トーションバーに反対方向の捻じれを生じさせるよう前記トーションバーを支持することが考えられる。
この場合,前記天板が前記起立姿勢又はそれに近い姿勢であるときには,前記トーションバーの第2の方向の捻じれによる弾性付勢力によって,前記天板に対して前記横倒し姿勢側へ向かう回動方向への第2のトルクが生じる。そして,前記天板が前記横倒し姿勢と前記起立姿勢との間の所定の中間姿勢であるときに,前記トーションバーに捻じれが生じていない状態,即ち,前記トーションバーにおける前記第1の被支持部及び第2の被支持部の支持角度が同じ角度である状態となる。この状態は,前記天板に対して前記トーションバーからのトルクが生じない状態である。
その結果,利用者が,前記天板の支軸の摩擦抵抗や,斜めに起立した前記起立姿勢にある前記天板の自重に抗して前記天板の回動を開始させる際に,前記第2のトルクが,利用者の回動操作を補助する方向に作用する。その結果,前記天板が大型で重い場合や利用者が非力な場合であっても,前記起立姿勢にある前記天板を容易に回動させることができる。
また,利用者が回動させた前記天板が第2の回動端である前記起立姿勢に近づくと,前記第2のトルクが前記天板の自重及び利用者の操作力による勢いを抑制するよう作用し,前記天板の回動速度が減速する。その結果,前記天板が前記起立姿勢に到達した時点で,前記天板の回動の勢いが余って当該フラップテーブルに強い衝撃が生じることを回避又は軽減できる。
以上に示したように,本発明に係るフラップテーブルにおいては,前記天板を前記起立姿勢及び前記横倒し姿勢のいずれの方向へ回動させる場合にも,前記トーションバーにより,前記天板の回動開始に要する力を補助するトルクと,前記天板の回動の勢いを抑えて強い衝撃の発生を抑止するトルクとが発生する。
【0009】
また,本発明に係るフラップテーブルが,さらに,次の(3)に示される構成要素を備えればなお好適である。
(3)前記トーションバー支持手段の前記第2の支持部を,前記天板の回動の中心線に沿う方向における位置を可変に支持する支持位置可変機構。
前記支持位置可変機構は,前記第1の支持部と前記第2の支持部との間の距離を可変にする機構である。これにより,前記天板の重量や軸支される位置が異なることによって前記天板の慣性モーメントが異なる複数種類のフラップテーブルにおいて,前記トーションバー等の部品を共用化しつつ,前記フラップテーブルの種類に応じた適切な前記第1のトルク及び前記第2のトルクを設定できる。
同様に,本発明に係るフラップテーブルが,さらに,次の(4)に示される構成要素を備えればなお好適である。
(4)前記トーションバー支持手段の前記第1の支持部を,前記天板の回動の中心線を中心とする円周方向における角度を可変に支持する支持角度可変機構。
前記支持角度可変機構は,前記トーションバーに捻じれが生じないときの前記天板の支持角度を可変にすることにより,前記第1のトルクと前記第2のトルクとのバランスを可変にする機構である。これにより,前記横倒し姿勢での前記天板の慣性モーメントと前記起立姿勢での前記天板の慣性モーメントとのバランスが異なる複数種類のフラップテーブルにおいて,前記トーションバー等の部品を共用化しつつ,前記フラップテーブルの種類に応じた適切な前記第1のトルクと前記第2のトルクとのバランスを設定できる。
【0010】
また,前記トーションバー支持手段が,次の(5)又は(6)のいずれかに示された構造を有することが考えられる。
(5)前記トーションバー支持手段の前記第1の支持部が,前記トーションバーにおける前記2箇所の被支持部のうちの一方を,前記天板の回動の中心線を中心とする円周方向における角度を固定して支持する。
この場合,前記天板に捻じれが生じない状態での前記天板の支持角度が,ある一の角度となる。
(6)前記トーションバー支持手段の前記第1の支持部が,前記トーションバーにおける前記2箇所の被支持部のうちの一方を,前記天板の回動の中心線を中心とする円周方向における角度を前記天板の回動の角度範囲より小さい所定範囲内に規制して支持する。
この場合,前記天板に捻じれが生じないときの前記天板の支持角度が,前記天板の回動の角度範囲より小さい前記所定範囲となる。
【0011】
一般に,前記トーションバーは,捻じれ角度が大きいほど,大きなトルクを生じる反面,耐久性が低下する傾向がある。また,前記トーションバーは,その素材や太さによってばね定数の低いもの(柔軟性の高いもの)にすると,捻じれ角度をある程度大きくしても耐久性を確保できるが,捻じれによるトルクが低下する。
そして,前記(5)の構造は,前記トーションバーの一方の被支持部を固定しても,適切な前記第1のトルク及び前記第2のトルクと,前記トーションバーの最大捻じれ角度に応じた耐久性との両方において特に支障がなければ採用可能である。
一方,前記トーションバーの一方の被支持部を固定すると,適切な前記第1のトルク及び前記第2のトルクと,前記トーションバーの耐久性とのいずれか一方に支障が生じる場合がある。そのような場合には,前記(6)の構造を採用することにより,前記トーションバーの最大捻じれ角度を小さく抑えて耐久性を高めつつ,前記第1のトルク及び前記第2のトルクを適切に設定することができる。
また,本発明に係るフラップテーブルが,前記トーションバー支持手段における前記第1の支持部の回転速度を抑制する回転式のダンパをさらに備えることが考えられる。
これにより,前記天板の回動操作時の衝撃の回避をより確実にすることができる。
また,本発明に係るフラップテーブルが,さらに次の(7)に示される構成要素を備えることが考えられる。
(7)前記天板の回動をその天板の前記横倒し姿勢及び前記起立姿勢の各々の状態でロックするとともに,所定の操作部に対する操作に応じてそのロック状態を解除するロック機構。
これにより,前記天板が,前記第1のトルク及び前記第2のトルクにより,利用者の意に反して回動してしまうことを防止できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば,フラップテーブルにおいて,極力小さく簡易な構成により,天板の回動操作に要する力の軽減と,天板の回動操作時の衝撃の回避とを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係るフラップテーブルXの概略構成図。
【図2】フラップテーブルXの天板回動支持機構を構成する部品の正面図及び側面図。
【図3】フラップテーブルXの天板回動支持機構の構成図。
【図4】フラップテーブルXの天板回動支持機構及びロック機構の構成図。
【図5】フラップテーブルXのトーションバーばね機構の構成図。
【図6】フラップテーブルXのトーションバーばね機構のトルク発生作用の説明図。
【図7】フラップテーブルXに採用可能なトーションバーの保持角度調節機構の説明図。
【図8】フラップテーブルXに採用可能なトーションバーばね機構を構成する部品の正面図及び側面図。
【図9】フラップテーブルXに採用可能なトーションバーばね機構の構成図。
【図10】フラップテーブルXに採用可能なトーションバーの第1の被支持部の回転規制機構の一例を表す図。
【図11】本発明の第2実施形態に係るフラップテーブルX1の概略構成図。
【図12】本発明の第3実施形態に係るフラップテーブルX2の概略構成図。
【図13】コイルばねを用いて実現された天板弾性付勢手段の一例を表す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0015】
まず,図1を参照しつつ,本発明の実施形態に係るフラップテーブルXの概略構成について説明する。
前記フラップテーブルXは,天板20を使用時の横倒し姿勢と不使用時の起立姿勢とに回動可能に軸支する天板回動支持機構30を備えたテーブルである。図1(a)は,前記天板20が前記横倒し姿勢となっている状態を表わし,図1(b)は,前記天板20が前記起立姿勢となっている状態を表わす。また,図1(c)は,前記天板20が前記横倒し姿勢と前記起立姿勢との間の中間姿勢となっている状態を表す。
前記フラップテーブルXの前記横倒し姿勢は,図1(a)に示されるように水平姿勢である。その他,前記横倒し姿勢は,例えば,製図用のテーブルのように,水平姿勢に近い角度で傾斜した姿勢である場合も考えられる。
前記フラップテーブルXの前記起立姿勢は,図1(b)に示されるように鉛直姿勢である。その他,前記起立姿勢は,鉛直姿勢に近い角度で傾斜した姿勢である場合も考えられる。
【0016】
前記フラップテーブルXは,床に接する脚部11及びその脚部11に支持された支柱12を含む支脚部10を備え,前記天板回動支持機構30は,前記支脚部10における前記支柱12に取り付けられている。
前記天板回動支持機構30は,前記天板20を,前記横倒し姿勢の角度と前記起立姿勢の角度との間の角度範囲でのみ回動可能に軸支している。以下,前記天板20が前記横倒し姿勢から前記起立姿勢へ向かう回動方向を起立回動方向R1,その逆の回動方向を横倒し回動方向R2と称する。また,前記天板20の回動の中心線のことを,天板回動中心線P1と称する。前記天板回動中心線P1は,前記天板20の下面に対して平行な線である。
また,前記フラップテーブルXは,前記天板20の回動をその天板20の前記横倒し姿勢及び前記起立姿勢の各々の状態でロックするとともに,レバー42に対する操作に応じてそのロック状態を解除するロック機構40も備えている。
また,図1(a)に示されるように,前記フラップテーブルXは,前記横倒し姿勢にある前記天板20を含む回動部の重心Q1と前記回動中心線P1とが鉛直方向に並んでいない。そのため前記天板20が前記横倒し姿勢にある場合,前記天板回動支持機構30において,前記天板20を含む回動部の重力G1によって前記横倒し回動方向R2のトルクが生じている。なお,前記天板20を含む回動部とは,前記天板20及びその天板20の回動に応じて回動する部材である。前記天板20の回動に応じて回動する部材には,例えば,後述する天板補強部材21や天板受金具32等が含まれる。
一方,図1(b)に示されるように,前記フラップテーブルXは,前記起立姿勢にある前記天板20を含む回動部の重心Q1と前記回動中心線P1とが鉛直方向に並んでいない。そのため前記天板20が前記起立姿勢にある場合,前記天板回動支持機構30において,前記天板20を含む回動部の重力G1によって前記起立回動方向R1のトルクが生じている。
【0017】
そして,前記フラップテーブルXの特徴は,図1に図示されていないトーションバーばね機構を備える点にある。
前記トーションバーばね機構は,前記天板20の回動に連動して回転する部分をトーションバーによって弾性付勢することにより,前記天板20に対し,その天板20が前記横倒し姿勢及び前記起立姿勢の各々にあるときに,前記天板回動支持機構30において前記天板20を含む回動部の重力により生じるトルクと反対方向のトルクN1,N2を発生させる機構である。
また,本実施形態における前記トーションバーばね機構は,前記天板20が前記横倒し姿勢であるときと前記起立姿勢であるときとで前記トーションバーに反対方向の捻じれを生じさせる。
即ち,本実施形態における前記トーションバーばね機構は,前記天板20が前記横倒し姿勢又はそれに近い姿勢であるときには,前記天板回動支持機構30において前記起立回動方向R1の第1のトルクN1を発生させる。この第1のトルクN1は,前記横倒し姿勢の前記天板20を含む回動部の重力G1によって生じる前記横倒し回動方向R2のトルクに対し反対方向のトルクである。一方,前記トーションバーばね機構は,前記天板20が前記起立姿勢又はそれに近い姿勢であるときには,前記天板回動支持機構30において前記横倒し回動方向R2の第2のトルクN2を発生させる。この第2のトルクN2は,前記起立姿勢の前記天板20を含む回動部の重力G1によって生じる前記起立回動方向R1のトルクに対し反対方向のトルクである。
【0018】
続いて,図2を参照しつつ,前記天板回動支持機構30を構成する主な4つの部品について説明する。それら4つの部品は,ヒンジ金具31,天板受金具32,ヒンジピン33及びピン抜け止め金具34である。
前記ヒンジ金具31は,前記支柱12の上部に溶接などによって固定される金具である。前記ヒンジ金具31は,図2(a)に示されるように,前記支柱12に固定される固定部31dと,板状の支持部31eとを有している。また,前記支持部31eには,ピン貫通穴31aと,第1の被係合部31b及び第2の被係合部31cとが形成されている。
前記ピン貫通穴31aは,前記ヒンジピン33が挿通される貫通穴であり,前記ヒンジピン33の非円形の断面形状と合致する形状を有している。これにより,前記ピン貫通穴31aに挿通された前記ヒンジピン33は,回転しない状態で前記ヒンジ金具31に支持される。
また,前記第1の被係合部31bは,前記天板20が前記横倒し姿勢であるときに前記ロック機構40における係合部材が係合する部分である。また,前記第2の被係合部31cは,前記天板20が前記起立姿勢であるときに前記ロック機構40における係合部材が係合する部分である。その詳細については後述する。
【0019】
前記天板受金具32は,前記天板20の下面に固定され,前記天板20とともに回動する部材である。前記天板受金具32は,図2(b)に示されるように,金属製の板が2つ折りにされ,その内側に前記ヒンジ金具31の前記支持部31eが挿入される隙間32dが形成された部材である。
そして,前記天板受金具32における2つ折りに折り曲げられた部分の外側の面が,前記天板20の下面に接して固定される天板の受部32aとなっている。
また,前記天板受金具32における対向する2つの側板部分には,前記ヒンジピン33を貫通させる円形の貫通穴32bが形成されている。
前記ヒンジピン33は,支軸部33a及びその支軸部33aの一端に形成されたヘッド部33bからなる部材である。前記支軸部33aは,断面が非円形の棒状の部分である。前記ヒンジピン33の前記ピン貫通穴31aの形状は,この支軸部33aの断面形状と合致するよう形成されている。図2(c)に示される前記ヒンジピン33の前記支軸部33aの形状は,円柱状の部材における側面の2箇所が平面状にカットされた形状である。
【0020】
前記ピン抜け止め金具34は,前記ヒンジピン33の前記支軸部33aの先端部分に固定される部材である。前記ピン抜け止め金具34は,数mmから十数mm程度の厚みの部材であり,その中央部分に前記ヒンジピン33の前記支軸部33aの先端を嵌入させる嵌入穴34aが形成されている。また,前記ピン抜け止め金具34における前記嵌入穴34aの周囲には,後述する第1のバー保持金具52を取り付けるための複数のボルト穴34bが形成されている。
さらに,前記ピン抜け止め金具34には,その側面から前記嵌入穴34へ貫通する2つのビス穴34c,34dが形成されている。前記これらビス穴34c,34dに螺着されたビスの先端が,前記嵌入穴34aに嵌入した前記ヒンジピン33の側面を押圧することにより,前記ピン抜け止め金具34が前記ヒンジピン33の先端部に固定される。
図3は,前記ヒンジ金具31,前記天板受金具32,前記ヒンジピン33及び前記ピン抜け止め金具34が組み合わされた前記天板回動支持機構30の構成図である。
図3に示されるように,前記天板受金具32が,その内側の隙間に前記ヒンジ金具31の前記支持部31eが挿入するように配置される。さらに,前記ヒンジピン33の前記支軸部33aが,前記天板受金具32の前記貫通穴32b及び前記ヒンジ金具31の前記ピン貫通穴31aの両方に連通して挿入される。さらに,前記ピン抜け止め金具34aが,前記貫通穴32b及び前記ピン貫通穴31aに挿入された前記支軸部33aの先端部に,その先端部が前記嵌入穴34aに嵌入するようにして取り付けられる。そして,前記ピン抜け止め金具34aは,前記ビス穴34c,34dに螺着されたビス34e,34fによって前記支軸部33aに固定される。
これにより,前記ヒンジピン33は,その軸芯が前記天板回動中心線P1に沿うように配置される。
【0021】
また,図3に示されるような前記天板回動支持機構30は,前記天板回動中心線P1に沿う2箇所に配置されている。
但し,前記ヒンジピン33の回転を規制する構造は,2箇所のうち,後述するトーションバー51に連結される側の一方にのみ必要である。従って,前記ヒンジピン33の回転を規制する必要がない側の前記天板回動支持機構30においては,前記ヒンジピン33の前記支軸部33aは円柱状でかまわない。また,そのような前記ヒンジピン33に対応する前記ヒンジ金具31の前記ピン貫通穴31a及び前記ピン抜け止め金具34の前記嵌入穴34aそれぞれの形状も円形でかまわない。
【0022】
次に,図4に示される構成図を参照しつつ,前記天板回動支持機構30及び前記ロック機構40について説明する。なお,図4(a)は,前記天板20が前記横倒し姿勢である状態を表す。また,図4(b)は,前記天板20が前記起立姿勢である状態を表す。また,図4(c)は,前記天板20が前記横倒し姿勢と前記起立姿勢との間の中間姿勢である状態を表す。
図4に示されるように,前記ロック機構40は,支軸43と係合部材41と操作レバー42と不図示のばねとを備えている。
前記支軸43は,前記天板受金具32に支持され,前記係合部材41は,前記支軸43によって回動自在に支持されている。また,前記支軸43に軸支された前記係合部材41は,不図示のばねによって前記ヒンジ金具31に当接するよう弾性付勢されている。
また,前記操作レバー42は,前記係合部材41に対し,直接又は前記支軸43を介して連結されている。これにより,前記操作レバー42を手動操作で回動させると,それに連動して,前記係合部材41が前記ばねによる付勢力に抗して回動する。
【0023】
前記天板20が前記横倒し姿勢であるときには,図4(a)に示されるように,前記係合部材41の一部である第1の係合部41aが,前記ばねの付勢力によって前記ヒンジ金具31における前記第1の被係合部31bに対して係合する。これにより,前記天板20が,前記横倒し姿勢の状態から回動しないようにロックされる。また,前記操作レバー42の操作により,前記第1の係合部41aと前記第1の被係合部31bとの係合が解除され,前記天板20の回動のロック状態が解除される。
図4(c)は,前記操作レバー42の操作によって前記天板20の回動のロック状態が解除され,前記天板20が前記中間姿勢の状態になっている様子を表す。
一方,前記天板20が前記起立姿勢であるときには,図4(b)に示されるように,前記係合部材41の一部である第2の係合部41bが,前記ばねの付勢力によって前記ヒンジ金具31における前記第2の被係合部31cに対して係合する。これにより,前記天板20が,前記起立姿勢の状態から回動しないようにロックされる。また,前記操作レバー42の操作により,前記第2の係合部41bと前記第2の被係合部31cとの係合が解除され,前記天板20の回動のロック状態が解除される。
【0024】
次に,図5に示される構成図を参照しつつ,前記トーションバーばね機構50について説明する。
前記トーションバーばね機構50は,ねじり方向に弾性を有する棒状の部材であるトーションバー51と,第1のバー保持金具52と,第2のバー保持金具53とを備えている。
前記トーションバー51は,例えば,鉄やステンレス,鋼などの金属製の棒状部材(例えば,角棒)である。
前記第1のバー保持金具52及び前記第2のバー保持金具53は,前記トーションバー51の2箇所の被支持部を保持することにより,前記トーションバー51を,その軸芯が前記天板回動中心線P1に沿うように支持する。2箇所の前記被支持部の一方は,その回転が規制され,他方は前記天板20の回動に連動して回転する。以下,前記トーションバー51における2箇所の被支持部のうち,回転が規制される側の被支持部を第1の被支持部,前記天板20の回動に連動して回転する側の被支持部を第2の被支持部と称する。
前記第1のバー保持金具52は,例えば,数mmから十数mm程度の厚みの部材であり,前記ピン抜け止め金具34に対して固定される。また,前記第1のバー保持金具52には,前記トーションバー51の前記第1の被保持部である一方の端部が嵌入する嵌入穴52aが形成されている。なお,前記第1のバー保持金具52は,2箇所に設けられた前記天板回動支持機構30における前記ヒンジピン33のうち,回転が規制されている一方の前記ヒンジピン33に固定された前記ピン抜け止め金具34に対して固定される。
さらに,前記第1のバー保持金具52には,当該第1のバー保持金具52を前記ピン抜け止め金具34に固定するボルトが挿通される貫通穴52bが形成されている。前記第1のバー保持金具52は,ボルトにより前記ピン抜け止め金具34に固定されることにより,前記天板回動中心線P1を中心とする保持角度が予め定めれた角度となるように保持される。
【0025】
前述したように,前記ピン抜け止め金具34は,前記天板回動中心線P1を中心として回転しない前記ヒンジピン33に対して固定されている。そのため,前記ピン抜け止め金具34は,前記天板20が回動しても回転しない。また,前記第1のバー保持金具52は,前記ピン抜け止め金具34に固定されるため,前記天板20が回動しても回転しない。
従って,前記第1のバー保持金具52は,前記トーションバー51における2箇所の被支持部のうちの一方を,前記天板回動中心線P1を中心とする円周方向における角度を固定して支持する。なお,前記第1のバー保持金具52は,前記トーションバー51における2箇所の被支持部のうちの一方をその回転を規制して支持する前記第1の支持部の一例である。
【0026】
前記第2のバー保持金具53は,例えば,数mmから十数mm程度の厚みの支持部53a及び台座部53bが一体に形成された部材である。前記台座部53bは,前記天板20の下面に固定された天板補強部材21に対して固定される。前記天板補強部材21は,例えば,前記天板20の下面にビス等によって固定された金属製の角パイプなどである。
また,前記第2のバー保持金具53の前記支持部53aには,前記トーションバー51における前記第2の被保持部が嵌入する嵌入穴53cが形成されている。前記嵌入穴53cの形状は,前記トーションバー51の前記第2の被保持部の断面形状と同じ形状である。
また,前記第2のバー保持金具53の前記台座部53bには,当該第2のバー保持金具53を前記天板補強部材21に固定するボルトが挿通される貫通穴52dが形成されている。前記第2のバー保持金具53は,ボルトにより前記天板補強部材21に固定されることにより,前記天板20の回動に連動して,前記天板回動中心線P1を中心として回動する。即ち,前記第2のバー保持金具53は,前記トーションバー51の前記第2の被支持部を,前記天板20の回動に連動して回転するように支持する。なお,前記第2のバー保持金具53は,前記トーションバー51における2箇所の被支持部のうちの他方を支持する前記第2の支持部の一例である。
【0027】
そして,前記第1のバー保持金具52及び前記第2のバー保持金具53は,前記天板20が前記横倒し姿勢と前記起立姿勢との間の所定角度の姿勢にあるときに,前記トーションバー51に捻じれが生じない状態,即ち,前記トーションバー51における前記第1の被支持部と前記第2の被支持部とが同じ角度で支持される状態となるように前記トーションバー51を支持する。前記フラップテーブルXのように,前記第1のバー保持金具52が前記トーションバー51の支持角度を固定して支持する場合,前記天板20に捻じれが生じない状態での前記天板20の支持角度は,ある一の角度となる。
従って,前記トーションバーばね機構50において,前記第1のバー保持金具52及び前記第2のバー保持金具53は,それらによる前記第1の被支持部及び前記第2の被支持部の支持角度の違いにより,前記天板20が前記横倒し姿勢であるときと前記起立姿勢であるときとで前記トーションバー51に反対方向の捻じれを生じさせるように前記トーションバー51を支持する。
【0028】
図6は,前記トーションバーばね機構50のトルク発生作用の説明図である。なお,図6は,前記トーションバーばね機構50を,前記第2のバー保持金具52の方向から見た図である。
前記天板20が前記横倒し姿勢となっている図6(a)の状態では,前記トーションバー51は,前記第2の被支持部が,前記第1の被支持部に対し,前記横倒し回動方向R2へ捻られて保持されている。これにより,前記トーションバー51は,前記横倒し姿勢又はそれに近い姿勢となっている前記天板20に対し,前記起立回動方向R1の前記第1のトルクN1を発生させる。この第1のトルクN1は,前記横倒し姿勢にある前記天板20を前記起立姿勢側へ弾性付勢するトルクである。
一方,前記天板20が前記起立姿勢となっている図6(c)の状態では,前記トーションバー51は,前記第2の被支持部が,前記第1の被支持部に対し,前記起立回動方向R1へ捻られて保持されている。これにより,前記トーションバー51は,前記起立姿勢又はそれに近い姿勢となっている前記天板20に対し,前記横倒し回動方向R2の前記第2のトルクN2を発生させる。この第2のトルクN2は,前記起立姿勢にある前記天板20を前記横倒し姿勢側へ弾性付勢するトルクである。
また,前記天板20が前記横倒し姿勢と前記起立姿勢との間の特定の中間姿勢となっている図6(b)の状態では,前記トーションバー51に捻じれが生じない状態となる。このとき,前記トーションバー51は,前記天板20に対するトルクを発生させない。
【0029】
以下,前記フラップテーブルXの効果について説明する。
まず,利用者が,当該フラップテーブルXを使用するために前記天板20を前記起立姿勢から前記横倒し姿勢へ回動させる操作を行う場合を考える。
この場合,利用者が回動させた前記天板20が第1の回動端である前記横倒し姿勢に近づくと,前記第1のトルクNが前記天板20の自重及び利用者の操作力による勢いを抑制するよう作用し,前記天板20の回動速度が減速する。その結果,前記天板20が前記横倒し姿勢に到達した時点で,前記天板20の回動の勢いが余って当該フラップテーブルXに強い衝撃が生じることを回避又は軽減できる。
さらに,利用者が,前記天板20の支軸である前記ヒンジピン33の摩擦抵抗等に抗して前記天板20の回動を開始させる際に,前記第2のトルクN2が,利用者の回動操作を補助する方向に作用する。その結果,前記天板20が大型で重い場合や利用者が非力な場合であっても,前記起立姿勢にある前記天板20を容易に回動させることができる。
【0030】
次に,利用者が,当該フラップテーブルXを片付けるために前記天板20を前記横倒し姿勢から前記起立姿勢へ回動させる操作を行う場合を考える。
この場合,利用者が回動させた前記天板20が第2の回動端である前記起立姿勢に近づくと,前記第2のトルクN2が前記天板20の自重及び利用者の操作力による勢いを抑制するよう作用し,前記天板20の回動速度が減速する。その結果,前記天板20が前記起立姿勢に到達した時点で,前記天板20の回動の勢いが余って当該フラップテーブルXに強い衝撃が生じることを回避又は軽減できる。
さらに,利用者が,前記ヒンジピン33の摩擦抵抗や,前記横倒し姿勢にある前記天板20の自重に抗して前記天板20を持ち上げる際に,前記第1のトルクN1が,利用者の持ち上げ操作を補助する方向に作用する。その結果,前記天板20が大型で重い場合や利用者が非力な場合であっても,前記横倒し姿勢にある前記天板20を容易に回動させることができる。
以上に示したように,前記フラップテーブルXにおいては,前記天板20を前記起立姿勢及び前記横倒し姿勢のいずれの方向へ回動させる場合にも,前記トーションバー51により,前記天板20の回動開始に要する力を補助するトルクと,前記天板20の回動の勢いを抑えて強い衝撃の発生を抑止するトルクとが発生する。
しかも,前記トーションバー51は,比較的細い棒状の部材の採用によって強いトルクを発生させることができ,それを支持する構造もシンプルである。そのため,前記フラップテーブルXは,ごく小さく簡易な構成により,前記天板20の回動操作に要する力の軽減と,前記天板20の回動操作時の衝撃の回避とを実現できる。
【0031】
ところで,フラップテーブルは,前記天板20及びそれを補強する部材の寸法や重量,前記天板回動支持機構30の構造等が異なる場合,適切な前記第1のトルクN1及び前記第2のトルクの大きさが異なり得る。
また,前記トーションバー51の捻じれにより生じる前記第1のトルクN1及び前記第2のトルクN2の大きさは,前記トーションバー51の材質,太さ,捻じれ角度及び2箇所の被支持部の間の長さLにより定まる。
そして,複数種類のフラップテーブルにおいて,前記トーションバー51等の部品を共用化しつつ,フラップテーブルの種類に応じた適切な前記第1のトルクN1及び前記第2のトルクN1を設定できることが望ましい。
以下,フラップテーブルの種類に応じた前記第1のトルクN1及び前記第2のトルクN1の設定を容易にする機構について説明する。
【0032】
まず,図5を参照しつつ,前記トーションバー51の前記第2の被支持部を支持する前記第2のバー保持金具53を,前記天板回動中心線P1に沿う方向における位置を可変に支持する前記支持位置可変機構の一例について説明する。
図5に示されるように,前記天板20の下面には,前記天板回動中心線P1に対して平行に延びる前記天板補強部材21が固定されている。その天板補強部材21には,前記第2のバー保持金具53をボルトで固定するための螺着穴21aが設けられている。そして,複数組の前記螺着穴21aが,前記天板回動中心線P1に対して平行な方向に配列されている。これにより,フラップテーブルの種類に応じて,前記天板補強部材21に対する前記第2のバー保持金具53のボルトによる固定位置を変えるだけで,前記第1のトルクN1及び前記第2のトルクN2の両方を強くしたり弱くしたりすることができる。従って,例えば,前記天板20のサイズが異なる複数種類のフラップテーブルについて,同じ部品を用いて適切な前記第1のトルクN1及び前記第2のトルクN2の大きさを設定できる。
なお,複数組の前記螺着穴21aが設けられて前記天板20に固定された前記天板補強部材21及び前記ボルトが,前記支持位置可変機構の一例である。
【0033】
次に,図7を参照しつつ,前記トーションバー51の前記第1の被支持部を支持する前記第1のバー保持金具52を,前記天板回動中心線P1を中心とする円周方向における角度を可変に支持する支持角度可変機構の一例について説明する。
図7(a)には,前記ピン抜け止め金具34の一例が示されている。このピン抜け止め金具34においては,前記嵌入穴34aの周囲に,前記第1のバー保持金具52を取り付けるための複数組のボルト穴34bが形成されいる。
また,図7(b)〜(d)には,それぞれ異なる前記ボルト穴34bの組み合わせを用いて前記ピン抜け止め金具52に対してボルトで固定された前記第1の保持金具52が示されている。
図7に示される前記ピン抜け止め金具34及び前記第1のバー保持金具52により,前記第1のバー保持金具52を,前記天板回動中心線P1を中心とする円周方向における角度を可変に固定できる。
図7に示される機構は,前記トーションバー51に捻じれが生じないときの前記天板20の支持角度を可変にすることにより,前記第1のトルクN1と前記第2のトルクN2とのバランス(比)を可変にする機構である。これにより,前記横倒し姿勢での前記天板20の慣性モーメントと前記起立姿勢での前記天板20の慣性モーメントとのバランスが異なる複数種類のフラップテーブルにおいて,前記トーションバー51等の部品を共用化しつつ,前記フラップテーブルの種類に応じた適切な前記第1のトルクN1と前記第2のトルクN1とのバランスを設定できる。
なお,図7に示される前記ピン抜け止め金具34,前記第1のバー保持金具52及び前記ボルトが,前記支持角度可変機構の一例である。
【0034】
次に,図8及び図9を参照しつつ,前記フラップテーブルXに採用可能な前記トーションバーばね機構50’について説明する。以下,前記トーションバーばね機構50’について,前記トーションバーばね機構50と異なる部分についてのみ説明する。
前記トーションバーばね機構50’は,図8に示されるように,ダンパ連結金具55(図8(a))と,両方向性のロータリーダンパ54(図8(b))と,前記ピン抜け止め金具34(図8(c))とを備えている。前記ピン抜け止め金具34は,前記トーションバーばね機構50が備えるもの(図2(d)参照)と同じものである。
前記ロータリーダンパ54は,両方向性の回転式ダンパである。前記ロータリーダンパ54としては,オイルダンパなどの粘性抵抗式のダンパや摩擦抵抗式のダンパが採用され得る。
【0035】
図8(b)に示されるように,前記ロータリーダンパ54は,本体部54aと回転軸部54bとを備えている。前記回転軸部54bには,前記ヒンジピン33の前記支軸部33aが挿通されることによってその支軸部33aが嵌合する貫通穴54cが形成されている。この貫通穴54cの断面形状は,非円形の前記支軸部33aの断面と同形状である。そして,前記ロータリーダンパ54は,前記本体部54aに固定された第1の物体と,前記貫通穴54cへの嵌合によって前記回転軸部54bに固定された第2の物体との相対的な回転の速度を抑制するトルクを発生する。
前記ロータリーダンパ54の前記本体部54aは,前記ダンパ連結金具55を介して前記天板受金具32に対して固定される。そのため,前記ロータリーダンパ54の前記本体部54aには,その本体部54aを前記天板受金具32に対してボルトで固定(螺着)するためにボルト穴54dが設けられている。同様に,前記ダンパ連結金具55にも,そのダンパ連結金具55及び前記ロータリーダンパ54を前記天板受金具32に対してボルトで固定(螺着)するためのボルト穴55bが設けられている。
さらに,前記ダンパ連結金具55には,前記ヒンジピン33の前記支軸部33aを回転自在に挿通させる貫通穴55aが設けられている。
なお,前記ダンパ連結金具55は,前記天板受金具32における前記ロータリーダンパ54の取り付け部分を補強するためのものである。そのため,前記天板受金具32の強度が十分であれば,前記ロータリーダンパ54の前記本体部54aが前記天板受金具32に対して直接取り付けられてもよい。
【0036】
また,前記トーションバーばね機構50’においては,前記回転軸部54bに対して嵌合及び挿通した前記ヒンジピン33に対し,前記ダンパ連結金具55を介して,前記天板20の回動に連動して回転する前記トーションダンパ51の前記第1の被支持部が連結される。従って,前記トーションバーばね機構50’においては,前記回転軸部54bの回転が規制(固定)され,前記本体部54aが前記天板20の回動に応じて回転する。即ち,前記ロータリーダンパ54は,前記第1のバー保持金具52の回転速度を抑制する回転式のダンパである。
【0037】
また,前記ピン抜け止め金具34は,前記ヒンジピン33の抜け止め用として前記ヒンジピン33の先端部に固定される。但し,トーションバーばね機構50’が採用される本事例においては,前記ピン抜け止め金具34は,前記天板受金具32,前記ヒンジ金具31,前記ダンパ連結金具55及び前記ロータリーダンパ54の前記回転軸部54bに挿通された前記ヒンジピン33の前記支軸部33aの先端部に固定される。
さらに,前記トーションバーばね機構50’においても,図5に示した前記トーションバーばね機構50と同様に,前記第2のバー保持金具52及び前記第1のバー保持金具52を介して,回転が規制された前記ヒンジピン33と前記トーションバー51の第1の被支持部とが連結される。
【0038】
図9には,前記ダンパ連結金具55,前記ロータリーダンパ54及び前記ピン抜け止め金具34が取り付けられた前記トーションバーばね機構50’が示されている。
前記トーションバーばね機構50’における前記トーションバー51は,その捻じれによる付勢力が,前記天板20を含む回動部の重力G1によるトルクを打ち消すように設定されている。そのため,前記天板20の回動に要する力は,ごく小さな力で済む。
しかしながら,操作者は,前記天板20の回動に必要以上の力を加える場合があり,その余分な力が,前記天板20の回動操作時の衝撃の原因となり得る。これに対し,図9に示される例では,前記天板20の回動に余分な力が加わった場合,その余分な力が前記ロータリーダンパ54内部の抵抗によって吸収(熱として放出)される。しかも,その余分な力が大きいほど,前記ロータリーダンパ54によって吸収されるエネルギーが大きくなる。そのため,前記天板20の回動速度が抑制され,フラップテーブルにおける衝撃が緩和される。また,前記ロータリーダンパ54は,操作者により加えられる余分な力の分のみを吸収できればよいため,容量(抵抗力)の比較的小さなもので足りる。そのため,前記ロータリーダンパ54の付加による前記ラップテーブルXの占有スペースや重量,コストへの影響は少ない。
【0039】
一方,前記トーションバーばね機構50,50’において,前記第1のバー保持金具52により,前記トーションバー51における前記第1の被支持部を,前記天板回動中心線P1を中心とする円周方向における角度を前記天板20の回動の角度範囲より小さい所定範囲内に規制して支持する機構が考えられる。
以下,図10を参照しつつ,前記フラップテーブルXに採用可能な前記トーションバー51の前記第1の被支持部の回転規制機構の実施例について説明する。
図10に示される前記ヒンジ金具31は,断面が非円形の前記ヒンジピン33の前記支軸部33aが挿通されるピン貫通穴31a’が,前記支軸部33aの断面形状に対してその回転方向に若干の遊び(余裕)を有して形成されたものである。これにより,前記支軸部33aが,前記遊びの規制範囲内で回転自在となる。従って,前記天板20が回動した際に,前記トーションバー51における前記第1の被支持部は,前記遊びに相当するごく小さな角度範囲内おいてのみ回転する。そして,規制された角度範囲を超えて前記天板20が回動すると,前記トーションバー51に捻じれが生じる。
【0040】
前記トーションバーばね機構50,50’のように,前記トーションバー51の前記第1の被支持部を固定すると,適切な前記第1のトルクN1及び前記第2のトルクN2と,前記トーションバー51の耐久性とのいずれか一方に支障が生じる場合がある。そのような場合には,図10に示した前記ヒンジ金具31を採用することにより,前記トーションバー51の最大捻じれ角度を小さく抑えて耐久性を高めつつ,前記第1のトルクN1及び前記第2のトルクN2を適切に設定することができる。
【0041】
以上に示した実施形態は,前記トーションバーばね機構50,50’が,前記天板20に対し,その天板20が前記横倒し姿勢に近い状態と前記起立姿勢に近い状態とで反対方向のトルクN1,N2を生じさせる例であった。
その他,前記トーションバーばね機構50,50’が,前記天板20が前記横倒し姿勢にあるときに前記天板20を含む回動部の重力G1によるトルクに抗する前記第1のトルクN1を発生させ,前記起立姿勢にあるときに前記トーションバー51によるトルクを発生させないことも考えられる。この場合,前記トーションバー51は,前記天板20が前記起立姿勢にあるときに捻じれが生じない状態であり,前記天板20が前記横倒し姿勢に近づくほど大きな捻じれが生じる状態となる。このような状態は,前記第1のバー保持金具52及び前記第2のバー保持金具53の保持角度を調節することにより実現可能である。
図11に,本発明の第2実施形態に係るフラップテーブルX1の概略構成図を示す。なお,図11における破線は,前記天板20が前記起立姿勢にあるときの状態を示す。前記フラップテーブルX1は,前記天板20の前記起立姿勢が鉛直姿勢ではなく,それに近い角度で傾斜した姿勢となっている。図11に示されるフラップテーブルX1は,前記起立姿勢における前記天板20が,鉛直姿勢よりも前記横倒し姿勢側へ傾いている。
前記フラップテーブルX1においては,前記天板20が前記横倒し姿勢にあるときには,前記フラップテーブルXと同様に,前記天板回動支持機構30において,前記天板20を含む回動部の重力G1によって前記横倒し回動方向R2のトルクが生じている。
一方,前記フラップテーブルX1においては,前記天板20が前記起立姿勢にあるときには,前記天板20を含む回動部の重心Q1と前記回動中心線P1とが鉛直方向に並ぶため,前記天板回動支持機構30において前記重力G1によるトルクが生じていない。そして,前記天板20が前記横倒し姿勢に近づくほど,前記重力G1によるトルクが大きくなる。そのため,前記フラップテーブルX1においては,図11に示すように,前記天板20が前記起立姿勢にあるときには,前記トーションバーばね機構50,50’による前記第2のトルクN2が生じないよう設定されている。そして,前記天板20が前記横倒し姿勢に近づくほど,前記トーションバーばね機構50,50’による前記起立回動方向R1の前記第1のトルクN1が大きくなるように設定されている。これにより,前記トーションバーばね機構50,50’による前記第1のトルクN1は,前記天板20の重みを支える方向へ作用する。
また,前記フラップテーブルX1において,前記天板20が前記起立姿勢にあるときに前記天板回動支持機構30において前記重力G1によるトルクが前記横倒し回動方向R2に作用することも考えられる。その場合,前記トーションバーばね機構50,50’が,前記天板20が前記起立姿勢にあるときの前記天板回動支持機構30において,前記起立回動方向R1への前記第2のトルクN2を発生するように設定されることも考えられる。
【0042】
また,本発明は,図12に示されるようなフラップテーブルX2へも適用可能である。図12は,本発明の第3実施形態に係るフラップテーブルX2の概略構成図である。なお,図12(a)は,前記天板20が前記横倒し姿勢にあるときの状態,図12(b)は,前記天板20が前記起立姿勢にあるときの状態を示す。
前記フラップテーブルX2においては,前記天板20が前記起立姿勢にあるときには,前記フラップテーブルXと同様に,前記天板回動支持機構30において,前記天板20を含む回動部の重力G1によって前記起立回動方向R1のトルクが生じている。
一方,前記フラップテーブルX2においては,前記天板20が前記横倒し姿勢にあるときには,前記天板20を含む回動部の重心Q1と前記回動中心線P1とが鉛直方向に並ぶため,前記天板回動支持機構30において前記重力G1によるトルクが生じていない。そして,前記天板20が前記起立姿勢に近づくほど,前記重力G1によるトルクが大きくなる。そのため,前記フラップテーブルX2においては,図12に示すように,前記天板20が前記横倒し姿勢にあるときには,前記トーションバーばね機構50,50’による前記第1のトルクN1が生じないよう設定されている。そして,前記天板20が前記起立姿勢に近づくほど,前記トーションバーばね機構50,50’による前記横倒し回動方向R2の前記第2のトルクN2が大きくなるように設定されている。これにより,前記トーションバーばね機構50,50’による前記第2のトルクN2は,前記天板20の重みを支える方向へ作用する。
【0043】
また,前記回動中心線P1と前記天板20を含む回動部の重心位置との位置関係によっては,前記天板20が前記起立姿勢から前記横倒し姿勢までの範囲のいずれの位置にあるときにも,前記天板回動支持機構30において,前記天板20を含む回動部の重力G1によって同じ回動方向(R1又はR2)のトルクが生じるフラップテーブルも考えられる。そのような場合,前記トーションバー51が,前記天板20が前記起立姿勢から前記横倒し姿勢までの範囲のいずれの位置にあるときにも,前記重力G1によるトルクと反対方向のトルク(常に同じ方向のトルク)を発生するように設定されることも考えられる。
【0044】
また,前記天板20又はその天板20の回動に連動する部分を弾性付勢することにより,前記天板20を含む回動部の重力G1により生じるトルクと反対方向のトルクを発生させる天板弾性付勢手段は,コイルばねや渦巻きばね等の前記トーションバー51以外のばね機構が採用されることも考えられる。
図13は,コイルばね57を用いて実現された天板弾性付勢手段の一例を表す概略図である。なお,図13(a),(b),(c)は,それぞれ前記天板20が前記起立姿勢,前記起立姿勢と前記横倒し姿勢との中間の姿勢,前記横倒し姿勢それぞれにあるときの状態を表す。
図13に示される天板弾性付勢手段においては,コイルばね57が,前記天板20の回動に連動する回動部56を弾性付勢する。そして,前記コイルばね57は,前記天板20が前記横倒し姿勢(図13(c))にあるときに,前記天板20の回動支持機構において前記天板20を含む回動部の重力G1により生じる前記横倒し回動方向R2のトルクと反対方向のトルクN1を発生させる。さらに,前記コイルばね57は,前記天板20が前記起立姿勢(図13(a))にあるときに,前記天板20の回動支持機構において前記重力G1により生じる前記起立回動方向R1のトルクと反対方向のトルクN2を発生させる。また,前記天板20の回動支持機構において前記天板20を含む前記重力G1によるトルクが生じない図13(b)の状態においては,前記コイルばね57によるトルクも生じない。
図13に示すような実施形態も,本発明の実施形態の一例である。但し,コイルばねを採用した前記天板弾性付勢手段は,前記回動部56を比較的大きくする必要があること,及び,コイルばねの配置スペースが必要になることから,機構のコンパクト化が難しい。
また,図13に示される例の他,渦巻きばねを採用した前記天板弾性付勢手段も考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は,天板を回動させることができるフラップテーブルに利用可能である。
【符号の説明】
【0046】
X,X1,X2:フラップテーブル
10 :支脚部
20 :天板
21 :天板補強部材
30 :天板回動支持機構
31 :ヒンジ金具
32 :天板受金具
33 :ヒンジピン
34 :ピン抜け止め金具
40 :ロック機構
41 :係合部材
42 :操作レバー
43 :支軸
50,50’:トーションバーばね機構
51 :トーションバー
52 :第1のバー保持金具
53 :第2のバー保持金具
54 :ロータリーダンパ
55 :ダンパ連結金具
56 :回動部
57 :コイルばね
P1 :天板回動中心線
【技術分野】
【0001】
本発明は,天板を使用時の横倒し姿勢と不使用時の起立姿勢とに回動可能に軸支する機構を備えたフラップテーブルに関し,特に,天板の円滑な回動操作が可能なフラップテーブルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来,テーブルにおいて,その天板が,支脚に設けられた回動支持機構により回動可能に軸支されたフラップテーブルが知られている。フラップテーブルは,前記回動支持機構により,使用時には天板をほぼ水平な横倒し姿勢に,不使用時には天板を起立姿勢にすることが可能である。フラップテーブルは,不使用時の占有スペースを小さくできる点で利便性が高い。
ところで,フラップテーブルにおいては,利用者が回動させた天板のトルクを十分に支えきれなかった場合に,天板の横倒し姿勢及び起立姿勢各々への回動端において強い衝撃が生じる。その衝撃は,天板が大きく重いほど顕著となる。
そして,特許文献1や特許文献2には,前記衝撃を緩和するために,天板の回動支持機構に,天板の回動速度を抑制する回転式のダンパやピストンシリンダ式のダンパが設けられたフラップテーブルについて示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−211025号公報
【特許文献2】特開2004−135725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら,従来のフラップテーブルは,前記衝撃に関する第1の問題点に加え,さらに次の第2の問題点も有している。即ち,従来のフラップテーブルは,重い天板が採用されると,その天板を前記横倒し姿勢と前記起立姿勢との間で回動させるのに非常に大きな力を要するという問題点があった。一般的なフラップテーブルでは,天板を前記横倒し姿勢から前記起立姿勢へ持ち上げる際に特に大きな力を要する。
また,フラップテーブルにおいて,特許文献1や特許文献2に示されるダンパが採用されると,天板の回動に対する抵抗が大きくなり,前記第2の問題点がより顕著となり得る。
さらに,特許文献1や特許文献2に示されるフラップテーブルにおいて,重い天板が採用されると,天板の大きな慣性モーメントに対応した大型のダンパが必要となる。そうすると,フラップテーブルの占有スペース,重量及びコストの増大が新たな問題となる。
一方,フラップテーブルにおいて,前記第1の問題点及び前記第2の問題点を解決するための対策は,極力小さく簡易な構成により実現できることが望ましい。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,フラップテーブルにおいて,極力小さく簡易な構成により,天板の回動操作に要する力の軽減と,天板の回動操作時の衝撃の回避とを実現できるフラップテーブルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために本発明に係るフラップテーブルは,次の(1)及び(2)に示される各構成要素を備えている。
(1)天板を横倒し姿勢と起立姿勢とに回動可能に軸支する天板回動支持機構。
(2)前記天板又は該天板の回動に連動する部分を弾性付勢することにより,前記天板が前記横倒し姿勢又は前記起立姿勢の少なくとも一方にあるときに前記天板回動支持機構において前記天板を含む回動部の重力により生じるトルクと反対方向のトルクを発生させる天板弾性付勢手段。
なお,前記天板が前記横倒し姿勢である状態は,前記天板が水平又はほぼ水平に保持された当該フラップテーブルの使用状態である。また,前記天板が前記起立姿勢である状態は,前記天板が鉛直方向又はそれに近い斜め方向に起立するよう保持された当該フラップテーブルの未使用状態である。
本発明に係るフラップテーブルにおいては,前記天板弾性付勢手段によるトルクが,前記横倒し姿勢又は前記起立姿勢にある前記天板の回動開始に要する力を補助する。また,前記天板弾性付勢手段によるトルクは,回動させた前記天板が前記横倒し姿勢又は前記起立姿勢に到達する際に,前記天板を含む回動部の重力による回動の勢いを抑えて強い衝撃の発生を抑止する。
【0006】
また,本発明に係るフラップテーブルにおいて,前記天板弾性付勢手段が,次の(2−1)及び(2−2)に示される構成要素を備えていることが考えられる。
(2−1)前記天板の回動の中心線に沿って2箇所の被支持部で支持されるトーションバー。
(2−2)前記トーションバーにおける2箇所の被支持部のうちの一方をその回転を規制して第1の支持部で支持するとともに他方を前記天板の回動に連動して回転するように第2の支持部で支持し,前記天板が前記横倒し姿勢又は前記起立姿勢の少なくとも一方にあるときの前記トーションバーに,前記天板回動支持機構において前記天板を含む回動部の重力により生じるトルクと反対方向のトルクが発生する捻じれを生じさせるトーションバー支持手段。
以下,本発明に係るフラップテーブルが前記トーションバーを備える場合について説明する。
前記トーションバーは,前記天板の回動に応じて捻じれが生じる。
フラップテーブルは,例えば,前記天板が前記横倒し姿勢にあるときに,前記天板回動支持機構において,前記天板を含む回動部の重力によってその天板を前記起立姿勢側へ回動させる方向と反対方向のトルクが生じるものがある。この場合,例えば,前記天板弾性付勢手段は,前記天板が前記横倒し姿勢又はそれに近い姿勢にあるときに,前記トーションバーの第1の方向の捻じれによる弾性付勢力によって,前記天板に対して前記起立姿勢側へ向かう回動方向への第1のトルクを発生させることができる。
ここで,利用者が,当該フラップテーブルを使用するために前記天板を前記起立姿勢から前記横倒し姿勢へ回動させる操作,即ち,使用前の操作を行う場合を考える。この場合,利用者が回動させた前記天板が第1の回動端である前記横倒し姿勢に近づくと,前記第1のトルクが前記天板の自重及び利用者の操作力による勢いを抑制するよう作用し,前記天板の回動速度が減速する。その結果,前記天板が前記横倒し姿勢に到達した時点で,前記天板の回動の勢いが余って当該フラップテーブルに強い衝撃が生じることを回避又は軽減できる。
【0007】
次に,利用者が,当該フラップテーブルを片付けるために前記天板を前記横倒し姿勢から前記起立姿勢へ回動させる操作,即ち,使用後の操作を行う場合を考える。この場合,利用者が,前記天板の支軸の摩擦抵抗や,前記横倒し姿勢にある前記天板の自重に抗して前記天板の回動を開始させる際に,前記第1のトルクが,利用者の回動操作(前記天板を持ち上げる操作)を補助する方向に作用する。その結果,前記天板が大型で重い場合や利用者が非力な場合であっても,前記横倒し姿勢にある前記天板を容易に回動させることができる。
以上に示したように,本発明に係るフラップテーブルにおいては,前記トーションバーによる前記第1のトルクが,前記天板を前記起立姿勢から前記横倒し姿勢へ回動させる場合に,前記天板の回動の勢いを抑えて強い衝撃の発生を抑止する。さらに,前記トーションバーによる前記第1のトルクが,前記天板を前記横倒し姿勢から前記起立姿勢へ回動させる場合に,前記天板の回動開始に要する力を補助する。
しかも,前記トーションバーは,比較的細い棒状の部材の採用によって強いトルクを発生させることができ,それを支持する構造もシンプルである。そのため,本発明に係るフラップテーブルは,ごく小さく簡易な構成により,前記天板の回動操作に要する力の軽減と,前記天板の回動操作時の衝撃の回避とを実現できる。
【0008】
また,フラップテーブルは,例えば,前記天板回動支持機構において,前記天板が前記横倒し姿勢にあるときに前記天板を含む回動部の重力によってその天板を前記起立姿勢側へ回動させる方向と反対方向のトルクが生じ,前記天板が前記起立姿勢にあるときに前記天板を含む回動部の重力によってその天板を前記横倒し姿勢側へ回動させる方向と反対方向のトルクが生じるものがある。
そのような場合,前記トーションバー支持手段が,前記天板が前記横倒し姿勢であるときと前記起立姿勢であるときとで前記トーションバーに反対方向の捻じれを生じさせるよう前記トーションバーを支持することが考えられる。
この場合,前記天板が前記起立姿勢又はそれに近い姿勢であるときには,前記トーションバーの第2の方向の捻じれによる弾性付勢力によって,前記天板に対して前記横倒し姿勢側へ向かう回動方向への第2のトルクが生じる。そして,前記天板が前記横倒し姿勢と前記起立姿勢との間の所定の中間姿勢であるときに,前記トーションバーに捻じれが生じていない状態,即ち,前記トーションバーにおける前記第1の被支持部及び第2の被支持部の支持角度が同じ角度である状態となる。この状態は,前記天板に対して前記トーションバーからのトルクが生じない状態である。
その結果,利用者が,前記天板の支軸の摩擦抵抗や,斜めに起立した前記起立姿勢にある前記天板の自重に抗して前記天板の回動を開始させる際に,前記第2のトルクが,利用者の回動操作を補助する方向に作用する。その結果,前記天板が大型で重い場合や利用者が非力な場合であっても,前記起立姿勢にある前記天板を容易に回動させることができる。
また,利用者が回動させた前記天板が第2の回動端である前記起立姿勢に近づくと,前記第2のトルクが前記天板の自重及び利用者の操作力による勢いを抑制するよう作用し,前記天板の回動速度が減速する。その結果,前記天板が前記起立姿勢に到達した時点で,前記天板の回動の勢いが余って当該フラップテーブルに強い衝撃が生じることを回避又は軽減できる。
以上に示したように,本発明に係るフラップテーブルにおいては,前記天板を前記起立姿勢及び前記横倒し姿勢のいずれの方向へ回動させる場合にも,前記トーションバーにより,前記天板の回動開始に要する力を補助するトルクと,前記天板の回動の勢いを抑えて強い衝撃の発生を抑止するトルクとが発生する。
【0009】
また,本発明に係るフラップテーブルが,さらに,次の(3)に示される構成要素を備えればなお好適である。
(3)前記トーションバー支持手段の前記第2の支持部を,前記天板の回動の中心線に沿う方向における位置を可変に支持する支持位置可変機構。
前記支持位置可変機構は,前記第1の支持部と前記第2の支持部との間の距離を可変にする機構である。これにより,前記天板の重量や軸支される位置が異なることによって前記天板の慣性モーメントが異なる複数種類のフラップテーブルにおいて,前記トーションバー等の部品を共用化しつつ,前記フラップテーブルの種類に応じた適切な前記第1のトルク及び前記第2のトルクを設定できる。
同様に,本発明に係るフラップテーブルが,さらに,次の(4)に示される構成要素を備えればなお好適である。
(4)前記トーションバー支持手段の前記第1の支持部を,前記天板の回動の中心線を中心とする円周方向における角度を可変に支持する支持角度可変機構。
前記支持角度可変機構は,前記トーションバーに捻じれが生じないときの前記天板の支持角度を可変にすることにより,前記第1のトルクと前記第2のトルクとのバランスを可変にする機構である。これにより,前記横倒し姿勢での前記天板の慣性モーメントと前記起立姿勢での前記天板の慣性モーメントとのバランスが異なる複数種類のフラップテーブルにおいて,前記トーションバー等の部品を共用化しつつ,前記フラップテーブルの種類に応じた適切な前記第1のトルクと前記第2のトルクとのバランスを設定できる。
【0010】
また,前記トーションバー支持手段が,次の(5)又は(6)のいずれかに示された構造を有することが考えられる。
(5)前記トーションバー支持手段の前記第1の支持部が,前記トーションバーにおける前記2箇所の被支持部のうちの一方を,前記天板の回動の中心線を中心とする円周方向における角度を固定して支持する。
この場合,前記天板に捻じれが生じない状態での前記天板の支持角度が,ある一の角度となる。
(6)前記トーションバー支持手段の前記第1の支持部が,前記トーションバーにおける前記2箇所の被支持部のうちの一方を,前記天板の回動の中心線を中心とする円周方向における角度を前記天板の回動の角度範囲より小さい所定範囲内に規制して支持する。
この場合,前記天板に捻じれが生じないときの前記天板の支持角度が,前記天板の回動の角度範囲より小さい前記所定範囲となる。
【0011】
一般に,前記トーションバーは,捻じれ角度が大きいほど,大きなトルクを生じる反面,耐久性が低下する傾向がある。また,前記トーションバーは,その素材や太さによってばね定数の低いもの(柔軟性の高いもの)にすると,捻じれ角度をある程度大きくしても耐久性を確保できるが,捻じれによるトルクが低下する。
そして,前記(5)の構造は,前記トーションバーの一方の被支持部を固定しても,適切な前記第1のトルク及び前記第2のトルクと,前記トーションバーの最大捻じれ角度に応じた耐久性との両方において特に支障がなければ採用可能である。
一方,前記トーションバーの一方の被支持部を固定すると,適切な前記第1のトルク及び前記第2のトルクと,前記トーションバーの耐久性とのいずれか一方に支障が生じる場合がある。そのような場合には,前記(6)の構造を採用することにより,前記トーションバーの最大捻じれ角度を小さく抑えて耐久性を高めつつ,前記第1のトルク及び前記第2のトルクを適切に設定することができる。
また,本発明に係るフラップテーブルが,前記トーションバー支持手段における前記第1の支持部の回転速度を抑制する回転式のダンパをさらに備えることが考えられる。
これにより,前記天板の回動操作時の衝撃の回避をより確実にすることができる。
また,本発明に係るフラップテーブルが,さらに次の(7)に示される構成要素を備えることが考えられる。
(7)前記天板の回動をその天板の前記横倒し姿勢及び前記起立姿勢の各々の状態でロックするとともに,所定の操作部に対する操作に応じてそのロック状態を解除するロック機構。
これにより,前記天板が,前記第1のトルク及び前記第2のトルクにより,利用者の意に反して回動してしまうことを防止できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば,フラップテーブルにおいて,極力小さく簡易な構成により,天板の回動操作に要する力の軽減と,天板の回動操作時の衝撃の回避とを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係るフラップテーブルXの概略構成図。
【図2】フラップテーブルXの天板回動支持機構を構成する部品の正面図及び側面図。
【図3】フラップテーブルXの天板回動支持機構の構成図。
【図4】フラップテーブルXの天板回動支持機構及びロック機構の構成図。
【図5】フラップテーブルXのトーションバーばね機構の構成図。
【図6】フラップテーブルXのトーションバーばね機構のトルク発生作用の説明図。
【図7】フラップテーブルXに採用可能なトーションバーの保持角度調節機構の説明図。
【図8】フラップテーブルXに採用可能なトーションバーばね機構を構成する部品の正面図及び側面図。
【図9】フラップテーブルXに採用可能なトーションバーばね機構の構成図。
【図10】フラップテーブルXに採用可能なトーションバーの第1の被支持部の回転規制機構の一例を表す図。
【図11】本発明の第2実施形態に係るフラップテーブルX1の概略構成図。
【図12】本発明の第3実施形態に係るフラップテーブルX2の概略構成図。
【図13】コイルばねを用いて実現された天板弾性付勢手段の一例を表す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0015】
まず,図1を参照しつつ,本発明の実施形態に係るフラップテーブルXの概略構成について説明する。
前記フラップテーブルXは,天板20を使用時の横倒し姿勢と不使用時の起立姿勢とに回動可能に軸支する天板回動支持機構30を備えたテーブルである。図1(a)は,前記天板20が前記横倒し姿勢となっている状態を表わし,図1(b)は,前記天板20が前記起立姿勢となっている状態を表わす。また,図1(c)は,前記天板20が前記横倒し姿勢と前記起立姿勢との間の中間姿勢となっている状態を表す。
前記フラップテーブルXの前記横倒し姿勢は,図1(a)に示されるように水平姿勢である。その他,前記横倒し姿勢は,例えば,製図用のテーブルのように,水平姿勢に近い角度で傾斜した姿勢である場合も考えられる。
前記フラップテーブルXの前記起立姿勢は,図1(b)に示されるように鉛直姿勢である。その他,前記起立姿勢は,鉛直姿勢に近い角度で傾斜した姿勢である場合も考えられる。
【0016】
前記フラップテーブルXは,床に接する脚部11及びその脚部11に支持された支柱12を含む支脚部10を備え,前記天板回動支持機構30は,前記支脚部10における前記支柱12に取り付けられている。
前記天板回動支持機構30は,前記天板20を,前記横倒し姿勢の角度と前記起立姿勢の角度との間の角度範囲でのみ回動可能に軸支している。以下,前記天板20が前記横倒し姿勢から前記起立姿勢へ向かう回動方向を起立回動方向R1,その逆の回動方向を横倒し回動方向R2と称する。また,前記天板20の回動の中心線のことを,天板回動中心線P1と称する。前記天板回動中心線P1は,前記天板20の下面に対して平行な線である。
また,前記フラップテーブルXは,前記天板20の回動をその天板20の前記横倒し姿勢及び前記起立姿勢の各々の状態でロックするとともに,レバー42に対する操作に応じてそのロック状態を解除するロック機構40も備えている。
また,図1(a)に示されるように,前記フラップテーブルXは,前記横倒し姿勢にある前記天板20を含む回動部の重心Q1と前記回動中心線P1とが鉛直方向に並んでいない。そのため前記天板20が前記横倒し姿勢にある場合,前記天板回動支持機構30において,前記天板20を含む回動部の重力G1によって前記横倒し回動方向R2のトルクが生じている。なお,前記天板20を含む回動部とは,前記天板20及びその天板20の回動に応じて回動する部材である。前記天板20の回動に応じて回動する部材には,例えば,後述する天板補強部材21や天板受金具32等が含まれる。
一方,図1(b)に示されるように,前記フラップテーブルXは,前記起立姿勢にある前記天板20を含む回動部の重心Q1と前記回動中心線P1とが鉛直方向に並んでいない。そのため前記天板20が前記起立姿勢にある場合,前記天板回動支持機構30において,前記天板20を含む回動部の重力G1によって前記起立回動方向R1のトルクが生じている。
【0017】
そして,前記フラップテーブルXの特徴は,図1に図示されていないトーションバーばね機構を備える点にある。
前記トーションバーばね機構は,前記天板20の回動に連動して回転する部分をトーションバーによって弾性付勢することにより,前記天板20に対し,その天板20が前記横倒し姿勢及び前記起立姿勢の各々にあるときに,前記天板回動支持機構30において前記天板20を含む回動部の重力により生じるトルクと反対方向のトルクN1,N2を発生させる機構である。
また,本実施形態における前記トーションバーばね機構は,前記天板20が前記横倒し姿勢であるときと前記起立姿勢であるときとで前記トーションバーに反対方向の捻じれを生じさせる。
即ち,本実施形態における前記トーションバーばね機構は,前記天板20が前記横倒し姿勢又はそれに近い姿勢であるときには,前記天板回動支持機構30において前記起立回動方向R1の第1のトルクN1を発生させる。この第1のトルクN1は,前記横倒し姿勢の前記天板20を含む回動部の重力G1によって生じる前記横倒し回動方向R2のトルクに対し反対方向のトルクである。一方,前記トーションバーばね機構は,前記天板20が前記起立姿勢又はそれに近い姿勢であるときには,前記天板回動支持機構30において前記横倒し回動方向R2の第2のトルクN2を発生させる。この第2のトルクN2は,前記起立姿勢の前記天板20を含む回動部の重力G1によって生じる前記起立回動方向R1のトルクに対し反対方向のトルクである。
【0018】
続いて,図2を参照しつつ,前記天板回動支持機構30を構成する主な4つの部品について説明する。それら4つの部品は,ヒンジ金具31,天板受金具32,ヒンジピン33及びピン抜け止め金具34である。
前記ヒンジ金具31は,前記支柱12の上部に溶接などによって固定される金具である。前記ヒンジ金具31は,図2(a)に示されるように,前記支柱12に固定される固定部31dと,板状の支持部31eとを有している。また,前記支持部31eには,ピン貫通穴31aと,第1の被係合部31b及び第2の被係合部31cとが形成されている。
前記ピン貫通穴31aは,前記ヒンジピン33が挿通される貫通穴であり,前記ヒンジピン33の非円形の断面形状と合致する形状を有している。これにより,前記ピン貫通穴31aに挿通された前記ヒンジピン33は,回転しない状態で前記ヒンジ金具31に支持される。
また,前記第1の被係合部31bは,前記天板20が前記横倒し姿勢であるときに前記ロック機構40における係合部材が係合する部分である。また,前記第2の被係合部31cは,前記天板20が前記起立姿勢であるときに前記ロック機構40における係合部材が係合する部分である。その詳細については後述する。
【0019】
前記天板受金具32は,前記天板20の下面に固定され,前記天板20とともに回動する部材である。前記天板受金具32は,図2(b)に示されるように,金属製の板が2つ折りにされ,その内側に前記ヒンジ金具31の前記支持部31eが挿入される隙間32dが形成された部材である。
そして,前記天板受金具32における2つ折りに折り曲げられた部分の外側の面が,前記天板20の下面に接して固定される天板の受部32aとなっている。
また,前記天板受金具32における対向する2つの側板部分には,前記ヒンジピン33を貫通させる円形の貫通穴32bが形成されている。
前記ヒンジピン33は,支軸部33a及びその支軸部33aの一端に形成されたヘッド部33bからなる部材である。前記支軸部33aは,断面が非円形の棒状の部分である。前記ヒンジピン33の前記ピン貫通穴31aの形状は,この支軸部33aの断面形状と合致するよう形成されている。図2(c)に示される前記ヒンジピン33の前記支軸部33aの形状は,円柱状の部材における側面の2箇所が平面状にカットされた形状である。
【0020】
前記ピン抜け止め金具34は,前記ヒンジピン33の前記支軸部33aの先端部分に固定される部材である。前記ピン抜け止め金具34は,数mmから十数mm程度の厚みの部材であり,その中央部分に前記ヒンジピン33の前記支軸部33aの先端を嵌入させる嵌入穴34aが形成されている。また,前記ピン抜け止め金具34における前記嵌入穴34aの周囲には,後述する第1のバー保持金具52を取り付けるための複数のボルト穴34bが形成されている。
さらに,前記ピン抜け止め金具34には,その側面から前記嵌入穴34へ貫通する2つのビス穴34c,34dが形成されている。前記これらビス穴34c,34dに螺着されたビスの先端が,前記嵌入穴34aに嵌入した前記ヒンジピン33の側面を押圧することにより,前記ピン抜け止め金具34が前記ヒンジピン33の先端部に固定される。
図3は,前記ヒンジ金具31,前記天板受金具32,前記ヒンジピン33及び前記ピン抜け止め金具34が組み合わされた前記天板回動支持機構30の構成図である。
図3に示されるように,前記天板受金具32が,その内側の隙間に前記ヒンジ金具31の前記支持部31eが挿入するように配置される。さらに,前記ヒンジピン33の前記支軸部33aが,前記天板受金具32の前記貫通穴32b及び前記ヒンジ金具31の前記ピン貫通穴31aの両方に連通して挿入される。さらに,前記ピン抜け止め金具34aが,前記貫通穴32b及び前記ピン貫通穴31aに挿入された前記支軸部33aの先端部に,その先端部が前記嵌入穴34aに嵌入するようにして取り付けられる。そして,前記ピン抜け止め金具34aは,前記ビス穴34c,34dに螺着されたビス34e,34fによって前記支軸部33aに固定される。
これにより,前記ヒンジピン33は,その軸芯が前記天板回動中心線P1に沿うように配置される。
【0021】
また,図3に示されるような前記天板回動支持機構30は,前記天板回動中心線P1に沿う2箇所に配置されている。
但し,前記ヒンジピン33の回転を規制する構造は,2箇所のうち,後述するトーションバー51に連結される側の一方にのみ必要である。従って,前記ヒンジピン33の回転を規制する必要がない側の前記天板回動支持機構30においては,前記ヒンジピン33の前記支軸部33aは円柱状でかまわない。また,そのような前記ヒンジピン33に対応する前記ヒンジ金具31の前記ピン貫通穴31a及び前記ピン抜け止め金具34の前記嵌入穴34aそれぞれの形状も円形でかまわない。
【0022】
次に,図4に示される構成図を参照しつつ,前記天板回動支持機構30及び前記ロック機構40について説明する。なお,図4(a)は,前記天板20が前記横倒し姿勢である状態を表す。また,図4(b)は,前記天板20が前記起立姿勢である状態を表す。また,図4(c)は,前記天板20が前記横倒し姿勢と前記起立姿勢との間の中間姿勢である状態を表す。
図4に示されるように,前記ロック機構40は,支軸43と係合部材41と操作レバー42と不図示のばねとを備えている。
前記支軸43は,前記天板受金具32に支持され,前記係合部材41は,前記支軸43によって回動自在に支持されている。また,前記支軸43に軸支された前記係合部材41は,不図示のばねによって前記ヒンジ金具31に当接するよう弾性付勢されている。
また,前記操作レバー42は,前記係合部材41に対し,直接又は前記支軸43を介して連結されている。これにより,前記操作レバー42を手動操作で回動させると,それに連動して,前記係合部材41が前記ばねによる付勢力に抗して回動する。
【0023】
前記天板20が前記横倒し姿勢であるときには,図4(a)に示されるように,前記係合部材41の一部である第1の係合部41aが,前記ばねの付勢力によって前記ヒンジ金具31における前記第1の被係合部31bに対して係合する。これにより,前記天板20が,前記横倒し姿勢の状態から回動しないようにロックされる。また,前記操作レバー42の操作により,前記第1の係合部41aと前記第1の被係合部31bとの係合が解除され,前記天板20の回動のロック状態が解除される。
図4(c)は,前記操作レバー42の操作によって前記天板20の回動のロック状態が解除され,前記天板20が前記中間姿勢の状態になっている様子を表す。
一方,前記天板20が前記起立姿勢であるときには,図4(b)に示されるように,前記係合部材41の一部である第2の係合部41bが,前記ばねの付勢力によって前記ヒンジ金具31における前記第2の被係合部31cに対して係合する。これにより,前記天板20が,前記起立姿勢の状態から回動しないようにロックされる。また,前記操作レバー42の操作により,前記第2の係合部41bと前記第2の被係合部31cとの係合が解除され,前記天板20の回動のロック状態が解除される。
【0024】
次に,図5に示される構成図を参照しつつ,前記トーションバーばね機構50について説明する。
前記トーションバーばね機構50は,ねじり方向に弾性を有する棒状の部材であるトーションバー51と,第1のバー保持金具52と,第2のバー保持金具53とを備えている。
前記トーションバー51は,例えば,鉄やステンレス,鋼などの金属製の棒状部材(例えば,角棒)である。
前記第1のバー保持金具52及び前記第2のバー保持金具53は,前記トーションバー51の2箇所の被支持部を保持することにより,前記トーションバー51を,その軸芯が前記天板回動中心線P1に沿うように支持する。2箇所の前記被支持部の一方は,その回転が規制され,他方は前記天板20の回動に連動して回転する。以下,前記トーションバー51における2箇所の被支持部のうち,回転が規制される側の被支持部を第1の被支持部,前記天板20の回動に連動して回転する側の被支持部を第2の被支持部と称する。
前記第1のバー保持金具52は,例えば,数mmから十数mm程度の厚みの部材であり,前記ピン抜け止め金具34に対して固定される。また,前記第1のバー保持金具52には,前記トーションバー51の前記第1の被保持部である一方の端部が嵌入する嵌入穴52aが形成されている。なお,前記第1のバー保持金具52は,2箇所に設けられた前記天板回動支持機構30における前記ヒンジピン33のうち,回転が規制されている一方の前記ヒンジピン33に固定された前記ピン抜け止め金具34に対して固定される。
さらに,前記第1のバー保持金具52には,当該第1のバー保持金具52を前記ピン抜け止め金具34に固定するボルトが挿通される貫通穴52bが形成されている。前記第1のバー保持金具52は,ボルトにより前記ピン抜け止め金具34に固定されることにより,前記天板回動中心線P1を中心とする保持角度が予め定めれた角度となるように保持される。
【0025】
前述したように,前記ピン抜け止め金具34は,前記天板回動中心線P1を中心として回転しない前記ヒンジピン33に対して固定されている。そのため,前記ピン抜け止め金具34は,前記天板20が回動しても回転しない。また,前記第1のバー保持金具52は,前記ピン抜け止め金具34に固定されるため,前記天板20が回動しても回転しない。
従って,前記第1のバー保持金具52は,前記トーションバー51における2箇所の被支持部のうちの一方を,前記天板回動中心線P1を中心とする円周方向における角度を固定して支持する。なお,前記第1のバー保持金具52は,前記トーションバー51における2箇所の被支持部のうちの一方をその回転を規制して支持する前記第1の支持部の一例である。
【0026】
前記第2のバー保持金具53は,例えば,数mmから十数mm程度の厚みの支持部53a及び台座部53bが一体に形成された部材である。前記台座部53bは,前記天板20の下面に固定された天板補強部材21に対して固定される。前記天板補強部材21は,例えば,前記天板20の下面にビス等によって固定された金属製の角パイプなどである。
また,前記第2のバー保持金具53の前記支持部53aには,前記トーションバー51における前記第2の被保持部が嵌入する嵌入穴53cが形成されている。前記嵌入穴53cの形状は,前記トーションバー51の前記第2の被保持部の断面形状と同じ形状である。
また,前記第2のバー保持金具53の前記台座部53bには,当該第2のバー保持金具53を前記天板補強部材21に固定するボルトが挿通される貫通穴52dが形成されている。前記第2のバー保持金具53は,ボルトにより前記天板補強部材21に固定されることにより,前記天板20の回動に連動して,前記天板回動中心線P1を中心として回動する。即ち,前記第2のバー保持金具53は,前記トーションバー51の前記第2の被支持部を,前記天板20の回動に連動して回転するように支持する。なお,前記第2のバー保持金具53は,前記トーションバー51における2箇所の被支持部のうちの他方を支持する前記第2の支持部の一例である。
【0027】
そして,前記第1のバー保持金具52及び前記第2のバー保持金具53は,前記天板20が前記横倒し姿勢と前記起立姿勢との間の所定角度の姿勢にあるときに,前記トーションバー51に捻じれが生じない状態,即ち,前記トーションバー51における前記第1の被支持部と前記第2の被支持部とが同じ角度で支持される状態となるように前記トーションバー51を支持する。前記フラップテーブルXのように,前記第1のバー保持金具52が前記トーションバー51の支持角度を固定して支持する場合,前記天板20に捻じれが生じない状態での前記天板20の支持角度は,ある一の角度となる。
従って,前記トーションバーばね機構50において,前記第1のバー保持金具52及び前記第2のバー保持金具53は,それらによる前記第1の被支持部及び前記第2の被支持部の支持角度の違いにより,前記天板20が前記横倒し姿勢であるときと前記起立姿勢であるときとで前記トーションバー51に反対方向の捻じれを生じさせるように前記トーションバー51を支持する。
【0028】
図6は,前記トーションバーばね機構50のトルク発生作用の説明図である。なお,図6は,前記トーションバーばね機構50を,前記第2のバー保持金具52の方向から見た図である。
前記天板20が前記横倒し姿勢となっている図6(a)の状態では,前記トーションバー51は,前記第2の被支持部が,前記第1の被支持部に対し,前記横倒し回動方向R2へ捻られて保持されている。これにより,前記トーションバー51は,前記横倒し姿勢又はそれに近い姿勢となっている前記天板20に対し,前記起立回動方向R1の前記第1のトルクN1を発生させる。この第1のトルクN1は,前記横倒し姿勢にある前記天板20を前記起立姿勢側へ弾性付勢するトルクである。
一方,前記天板20が前記起立姿勢となっている図6(c)の状態では,前記トーションバー51は,前記第2の被支持部が,前記第1の被支持部に対し,前記起立回動方向R1へ捻られて保持されている。これにより,前記トーションバー51は,前記起立姿勢又はそれに近い姿勢となっている前記天板20に対し,前記横倒し回動方向R2の前記第2のトルクN2を発生させる。この第2のトルクN2は,前記起立姿勢にある前記天板20を前記横倒し姿勢側へ弾性付勢するトルクである。
また,前記天板20が前記横倒し姿勢と前記起立姿勢との間の特定の中間姿勢となっている図6(b)の状態では,前記トーションバー51に捻じれが生じない状態となる。このとき,前記トーションバー51は,前記天板20に対するトルクを発生させない。
【0029】
以下,前記フラップテーブルXの効果について説明する。
まず,利用者が,当該フラップテーブルXを使用するために前記天板20を前記起立姿勢から前記横倒し姿勢へ回動させる操作を行う場合を考える。
この場合,利用者が回動させた前記天板20が第1の回動端である前記横倒し姿勢に近づくと,前記第1のトルクNが前記天板20の自重及び利用者の操作力による勢いを抑制するよう作用し,前記天板20の回動速度が減速する。その結果,前記天板20が前記横倒し姿勢に到達した時点で,前記天板20の回動の勢いが余って当該フラップテーブルXに強い衝撃が生じることを回避又は軽減できる。
さらに,利用者が,前記天板20の支軸である前記ヒンジピン33の摩擦抵抗等に抗して前記天板20の回動を開始させる際に,前記第2のトルクN2が,利用者の回動操作を補助する方向に作用する。その結果,前記天板20が大型で重い場合や利用者が非力な場合であっても,前記起立姿勢にある前記天板20を容易に回動させることができる。
【0030】
次に,利用者が,当該フラップテーブルXを片付けるために前記天板20を前記横倒し姿勢から前記起立姿勢へ回動させる操作を行う場合を考える。
この場合,利用者が回動させた前記天板20が第2の回動端である前記起立姿勢に近づくと,前記第2のトルクN2が前記天板20の自重及び利用者の操作力による勢いを抑制するよう作用し,前記天板20の回動速度が減速する。その結果,前記天板20が前記起立姿勢に到達した時点で,前記天板20の回動の勢いが余って当該フラップテーブルXに強い衝撃が生じることを回避又は軽減できる。
さらに,利用者が,前記ヒンジピン33の摩擦抵抗や,前記横倒し姿勢にある前記天板20の自重に抗して前記天板20を持ち上げる際に,前記第1のトルクN1が,利用者の持ち上げ操作を補助する方向に作用する。その結果,前記天板20が大型で重い場合や利用者が非力な場合であっても,前記横倒し姿勢にある前記天板20を容易に回動させることができる。
以上に示したように,前記フラップテーブルXにおいては,前記天板20を前記起立姿勢及び前記横倒し姿勢のいずれの方向へ回動させる場合にも,前記トーションバー51により,前記天板20の回動開始に要する力を補助するトルクと,前記天板20の回動の勢いを抑えて強い衝撃の発生を抑止するトルクとが発生する。
しかも,前記トーションバー51は,比較的細い棒状の部材の採用によって強いトルクを発生させることができ,それを支持する構造もシンプルである。そのため,前記フラップテーブルXは,ごく小さく簡易な構成により,前記天板20の回動操作に要する力の軽減と,前記天板20の回動操作時の衝撃の回避とを実現できる。
【0031】
ところで,フラップテーブルは,前記天板20及びそれを補強する部材の寸法や重量,前記天板回動支持機構30の構造等が異なる場合,適切な前記第1のトルクN1及び前記第2のトルクの大きさが異なり得る。
また,前記トーションバー51の捻じれにより生じる前記第1のトルクN1及び前記第2のトルクN2の大きさは,前記トーションバー51の材質,太さ,捻じれ角度及び2箇所の被支持部の間の長さLにより定まる。
そして,複数種類のフラップテーブルにおいて,前記トーションバー51等の部品を共用化しつつ,フラップテーブルの種類に応じた適切な前記第1のトルクN1及び前記第2のトルクN1を設定できることが望ましい。
以下,フラップテーブルの種類に応じた前記第1のトルクN1及び前記第2のトルクN1の設定を容易にする機構について説明する。
【0032】
まず,図5を参照しつつ,前記トーションバー51の前記第2の被支持部を支持する前記第2のバー保持金具53を,前記天板回動中心線P1に沿う方向における位置を可変に支持する前記支持位置可変機構の一例について説明する。
図5に示されるように,前記天板20の下面には,前記天板回動中心線P1に対して平行に延びる前記天板補強部材21が固定されている。その天板補強部材21には,前記第2のバー保持金具53をボルトで固定するための螺着穴21aが設けられている。そして,複数組の前記螺着穴21aが,前記天板回動中心線P1に対して平行な方向に配列されている。これにより,フラップテーブルの種類に応じて,前記天板補強部材21に対する前記第2のバー保持金具53のボルトによる固定位置を変えるだけで,前記第1のトルクN1及び前記第2のトルクN2の両方を強くしたり弱くしたりすることができる。従って,例えば,前記天板20のサイズが異なる複数種類のフラップテーブルについて,同じ部品を用いて適切な前記第1のトルクN1及び前記第2のトルクN2の大きさを設定できる。
なお,複数組の前記螺着穴21aが設けられて前記天板20に固定された前記天板補強部材21及び前記ボルトが,前記支持位置可変機構の一例である。
【0033】
次に,図7を参照しつつ,前記トーションバー51の前記第1の被支持部を支持する前記第1のバー保持金具52を,前記天板回動中心線P1を中心とする円周方向における角度を可変に支持する支持角度可変機構の一例について説明する。
図7(a)には,前記ピン抜け止め金具34の一例が示されている。このピン抜け止め金具34においては,前記嵌入穴34aの周囲に,前記第1のバー保持金具52を取り付けるための複数組のボルト穴34bが形成されいる。
また,図7(b)〜(d)には,それぞれ異なる前記ボルト穴34bの組み合わせを用いて前記ピン抜け止め金具52に対してボルトで固定された前記第1の保持金具52が示されている。
図7に示される前記ピン抜け止め金具34及び前記第1のバー保持金具52により,前記第1のバー保持金具52を,前記天板回動中心線P1を中心とする円周方向における角度を可変に固定できる。
図7に示される機構は,前記トーションバー51に捻じれが生じないときの前記天板20の支持角度を可変にすることにより,前記第1のトルクN1と前記第2のトルクN2とのバランス(比)を可変にする機構である。これにより,前記横倒し姿勢での前記天板20の慣性モーメントと前記起立姿勢での前記天板20の慣性モーメントとのバランスが異なる複数種類のフラップテーブルにおいて,前記トーションバー51等の部品を共用化しつつ,前記フラップテーブルの種類に応じた適切な前記第1のトルクN1と前記第2のトルクN1とのバランスを設定できる。
なお,図7に示される前記ピン抜け止め金具34,前記第1のバー保持金具52及び前記ボルトが,前記支持角度可変機構の一例である。
【0034】
次に,図8及び図9を参照しつつ,前記フラップテーブルXに採用可能な前記トーションバーばね機構50’について説明する。以下,前記トーションバーばね機構50’について,前記トーションバーばね機構50と異なる部分についてのみ説明する。
前記トーションバーばね機構50’は,図8に示されるように,ダンパ連結金具55(図8(a))と,両方向性のロータリーダンパ54(図8(b))と,前記ピン抜け止め金具34(図8(c))とを備えている。前記ピン抜け止め金具34は,前記トーションバーばね機構50が備えるもの(図2(d)参照)と同じものである。
前記ロータリーダンパ54は,両方向性の回転式ダンパである。前記ロータリーダンパ54としては,オイルダンパなどの粘性抵抗式のダンパや摩擦抵抗式のダンパが採用され得る。
【0035】
図8(b)に示されるように,前記ロータリーダンパ54は,本体部54aと回転軸部54bとを備えている。前記回転軸部54bには,前記ヒンジピン33の前記支軸部33aが挿通されることによってその支軸部33aが嵌合する貫通穴54cが形成されている。この貫通穴54cの断面形状は,非円形の前記支軸部33aの断面と同形状である。そして,前記ロータリーダンパ54は,前記本体部54aに固定された第1の物体と,前記貫通穴54cへの嵌合によって前記回転軸部54bに固定された第2の物体との相対的な回転の速度を抑制するトルクを発生する。
前記ロータリーダンパ54の前記本体部54aは,前記ダンパ連結金具55を介して前記天板受金具32に対して固定される。そのため,前記ロータリーダンパ54の前記本体部54aには,その本体部54aを前記天板受金具32に対してボルトで固定(螺着)するためにボルト穴54dが設けられている。同様に,前記ダンパ連結金具55にも,そのダンパ連結金具55及び前記ロータリーダンパ54を前記天板受金具32に対してボルトで固定(螺着)するためのボルト穴55bが設けられている。
さらに,前記ダンパ連結金具55には,前記ヒンジピン33の前記支軸部33aを回転自在に挿通させる貫通穴55aが設けられている。
なお,前記ダンパ連結金具55は,前記天板受金具32における前記ロータリーダンパ54の取り付け部分を補強するためのものである。そのため,前記天板受金具32の強度が十分であれば,前記ロータリーダンパ54の前記本体部54aが前記天板受金具32に対して直接取り付けられてもよい。
【0036】
また,前記トーションバーばね機構50’においては,前記回転軸部54bに対して嵌合及び挿通した前記ヒンジピン33に対し,前記ダンパ連結金具55を介して,前記天板20の回動に連動して回転する前記トーションダンパ51の前記第1の被支持部が連結される。従って,前記トーションバーばね機構50’においては,前記回転軸部54bの回転が規制(固定)され,前記本体部54aが前記天板20の回動に応じて回転する。即ち,前記ロータリーダンパ54は,前記第1のバー保持金具52の回転速度を抑制する回転式のダンパである。
【0037】
また,前記ピン抜け止め金具34は,前記ヒンジピン33の抜け止め用として前記ヒンジピン33の先端部に固定される。但し,トーションバーばね機構50’が採用される本事例においては,前記ピン抜け止め金具34は,前記天板受金具32,前記ヒンジ金具31,前記ダンパ連結金具55及び前記ロータリーダンパ54の前記回転軸部54bに挿通された前記ヒンジピン33の前記支軸部33aの先端部に固定される。
さらに,前記トーションバーばね機構50’においても,図5に示した前記トーションバーばね機構50と同様に,前記第2のバー保持金具52及び前記第1のバー保持金具52を介して,回転が規制された前記ヒンジピン33と前記トーションバー51の第1の被支持部とが連結される。
【0038】
図9には,前記ダンパ連結金具55,前記ロータリーダンパ54及び前記ピン抜け止め金具34が取り付けられた前記トーションバーばね機構50’が示されている。
前記トーションバーばね機構50’における前記トーションバー51は,その捻じれによる付勢力が,前記天板20を含む回動部の重力G1によるトルクを打ち消すように設定されている。そのため,前記天板20の回動に要する力は,ごく小さな力で済む。
しかしながら,操作者は,前記天板20の回動に必要以上の力を加える場合があり,その余分な力が,前記天板20の回動操作時の衝撃の原因となり得る。これに対し,図9に示される例では,前記天板20の回動に余分な力が加わった場合,その余分な力が前記ロータリーダンパ54内部の抵抗によって吸収(熱として放出)される。しかも,その余分な力が大きいほど,前記ロータリーダンパ54によって吸収されるエネルギーが大きくなる。そのため,前記天板20の回動速度が抑制され,フラップテーブルにおける衝撃が緩和される。また,前記ロータリーダンパ54は,操作者により加えられる余分な力の分のみを吸収できればよいため,容量(抵抗力)の比較的小さなもので足りる。そのため,前記ロータリーダンパ54の付加による前記ラップテーブルXの占有スペースや重量,コストへの影響は少ない。
【0039】
一方,前記トーションバーばね機構50,50’において,前記第1のバー保持金具52により,前記トーションバー51における前記第1の被支持部を,前記天板回動中心線P1を中心とする円周方向における角度を前記天板20の回動の角度範囲より小さい所定範囲内に規制して支持する機構が考えられる。
以下,図10を参照しつつ,前記フラップテーブルXに採用可能な前記トーションバー51の前記第1の被支持部の回転規制機構の実施例について説明する。
図10に示される前記ヒンジ金具31は,断面が非円形の前記ヒンジピン33の前記支軸部33aが挿通されるピン貫通穴31a’が,前記支軸部33aの断面形状に対してその回転方向に若干の遊び(余裕)を有して形成されたものである。これにより,前記支軸部33aが,前記遊びの規制範囲内で回転自在となる。従って,前記天板20が回動した際に,前記トーションバー51における前記第1の被支持部は,前記遊びに相当するごく小さな角度範囲内おいてのみ回転する。そして,規制された角度範囲を超えて前記天板20が回動すると,前記トーションバー51に捻じれが生じる。
【0040】
前記トーションバーばね機構50,50’のように,前記トーションバー51の前記第1の被支持部を固定すると,適切な前記第1のトルクN1及び前記第2のトルクN2と,前記トーションバー51の耐久性とのいずれか一方に支障が生じる場合がある。そのような場合には,図10に示した前記ヒンジ金具31を採用することにより,前記トーションバー51の最大捻じれ角度を小さく抑えて耐久性を高めつつ,前記第1のトルクN1及び前記第2のトルクN2を適切に設定することができる。
【0041】
以上に示した実施形態は,前記トーションバーばね機構50,50’が,前記天板20に対し,その天板20が前記横倒し姿勢に近い状態と前記起立姿勢に近い状態とで反対方向のトルクN1,N2を生じさせる例であった。
その他,前記トーションバーばね機構50,50’が,前記天板20が前記横倒し姿勢にあるときに前記天板20を含む回動部の重力G1によるトルクに抗する前記第1のトルクN1を発生させ,前記起立姿勢にあるときに前記トーションバー51によるトルクを発生させないことも考えられる。この場合,前記トーションバー51は,前記天板20が前記起立姿勢にあるときに捻じれが生じない状態であり,前記天板20が前記横倒し姿勢に近づくほど大きな捻じれが生じる状態となる。このような状態は,前記第1のバー保持金具52及び前記第2のバー保持金具53の保持角度を調節することにより実現可能である。
図11に,本発明の第2実施形態に係るフラップテーブルX1の概略構成図を示す。なお,図11における破線は,前記天板20が前記起立姿勢にあるときの状態を示す。前記フラップテーブルX1は,前記天板20の前記起立姿勢が鉛直姿勢ではなく,それに近い角度で傾斜した姿勢となっている。図11に示されるフラップテーブルX1は,前記起立姿勢における前記天板20が,鉛直姿勢よりも前記横倒し姿勢側へ傾いている。
前記フラップテーブルX1においては,前記天板20が前記横倒し姿勢にあるときには,前記フラップテーブルXと同様に,前記天板回動支持機構30において,前記天板20を含む回動部の重力G1によって前記横倒し回動方向R2のトルクが生じている。
一方,前記フラップテーブルX1においては,前記天板20が前記起立姿勢にあるときには,前記天板20を含む回動部の重心Q1と前記回動中心線P1とが鉛直方向に並ぶため,前記天板回動支持機構30において前記重力G1によるトルクが生じていない。そして,前記天板20が前記横倒し姿勢に近づくほど,前記重力G1によるトルクが大きくなる。そのため,前記フラップテーブルX1においては,図11に示すように,前記天板20が前記起立姿勢にあるときには,前記トーションバーばね機構50,50’による前記第2のトルクN2が生じないよう設定されている。そして,前記天板20が前記横倒し姿勢に近づくほど,前記トーションバーばね機構50,50’による前記起立回動方向R1の前記第1のトルクN1が大きくなるように設定されている。これにより,前記トーションバーばね機構50,50’による前記第1のトルクN1は,前記天板20の重みを支える方向へ作用する。
また,前記フラップテーブルX1において,前記天板20が前記起立姿勢にあるときに前記天板回動支持機構30において前記重力G1によるトルクが前記横倒し回動方向R2に作用することも考えられる。その場合,前記トーションバーばね機構50,50’が,前記天板20が前記起立姿勢にあるときの前記天板回動支持機構30において,前記起立回動方向R1への前記第2のトルクN2を発生するように設定されることも考えられる。
【0042】
また,本発明は,図12に示されるようなフラップテーブルX2へも適用可能である。図12は,本発明の第3実施形態に係るフラップテーブルX2の概略構成図である。なお,図12(a)は,前記天板20が前記横倒し姿勢にあるときの状態,図12(b)は,前記天板20が前記起立姿勢にあるときの状態を示す。
前記フラップテーブルX2においては,前記天板20が前記起立姿勢にあるときには,前記フラップテーブルXと同様に,前記天板回動支持機構30において,前記天板20を含む回動部の重力G1によって前記起立回動方向R1のトルクが生じている。
一方,前記フラップテーブルX2においては,前記天板20が前記横倒し姿勢にあるときには,前記天板20を含む回動部の重心Q1と前記回動中心線P1とが鉛直方向に並ぶため,前記天板回動支持機構30において前記重力G1によるトルクが生じていない。そして,前記天板20が前記起立姿勢に近づくほど,前記重力G1によるトルクが大きくなる。そのため,前記フラップテーブルX2においては,図12に示すように,前記天板20が前記横倒し姿勢にあるときには,前記トーションバーばね機構50,50’による前記第1のトルクN1が生じないよう設定されている。そして,前記天板20が前記起立姿勢に近づくほど,前記トーションバーばね機構50,50’による前記横倒し回動方向R2の前記第2のトルクN2が大きくなるように設定されている。これにより,前記トーションバーばね機構50,50’による前記第2のトルクN2は,前記天板20の重みを支える方向へ作用する。
【0043】
また,前記回動中心線P1と前記天板20を含む回動部の重心位置との位置関係によっては,前記天板20が前記起立姿勢から前記横倒し姿勢までの範囲のいずれの位置にあるときにも,前記天板回動支持機構30において,前記天板20を含む回動部の重力G1によって同じ回動方向(R1又はR2)のトルクが生じるフラップテーブルも考えられる。そのような場合,前記トーションバー51が,前記天板20が前記起立姿勢から前記横倒し姿勢までの範囲のいずれの位置にあるときにも,前記重力G1によるトルクと反対方向のトルク(常に同じ方向のトルク)を発生するように設定されることも考えられる。
【0044】
また,前記天板20又はその天板20の回動に連動する部分を弾性付勢することにより,前記天板20を含む回動部の重力G1により生じるトルクと反対方向のトルクを発生させる天板弾性付勢手段は,コイルばねや渦巻きばね等の前記トーションバー51以外のばね機構が採用されることも考えられる。
図13は,コイルばね57を用いて実現された天板弾性付勢手段の一例を表す概略図である。なお,図13(a),(b),(c)は,それぞれ前記天板20が前記起立姿勢,前記起立姿勢と前記横倒し姿勢との中間の姿勢,前記横倒し姿勢それぞれにあるときの状態を表す。
図13に示される天板弾性付勢手段においては,コイルばね57が,前記天板20の回動に連動する回動部56を弾性付勢する。そして,前記コイルばね57は,前記天板20が前記横倒し姿勢(図13(c))にあるときに,前記天板20の回動支持機構において前記天板20を含む回動部の重力G1により生じる前記横倒し回動方向R2のトルクと反対方向のトルクN1を発生させる。さらに,前記コイルばね57は,前記天板20が前記起立姿勢(図13(a))にあるときに,前記天板20の回動支持機構において前記重力G1により生じる前記起立回動方向R1のトルクと反対方向のトルクN2を発生させる。また,前記天板20の回動支持機構において前記天板20を含む前記重力G1によるトルクが生じない図13(b)の状態においては,前記コイルばね57によるトルクも生じない。
図13に示すような実施形態も,本発明の実施形態の一例である。但し,コイルばねを採用した前記天板弾性付勢手段は,前記回動部56を比較的大きくする必要があること,及び,コイルばねの配置スペースが必要になることから,機構のコンパクト化が難しい。
また,図13に示される例の他,渦巻きばねを採用した前記天板弾性付勢手段も考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は,天板を回動させることができるフラップテーブルに利用可能である。
【符号の説明】
【0046】
X,X1,X2:フラップテーブル
10 :支脚部
20 :天板
21 :天板補強部材
30 :天板回動支持機構
31 :ヒンジ金具
32 :天板受金具
33 :ヒンジピン
34 :ピン抜け止め金具
40 :ロック機構
41 :係合部材
42 :操作レバー
43 :支軸
50,50’:トーションバーばね機構
51 :トーションバー
52 :第1のバー保持金具
53 :第2のバー保持金具
54 :ロータリーダンパ
55 :ダンパ連結金具
56 :回動部
57 :コイルばね
P1 :天板回動中心線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板を横倒し姿勢と起立姿勢とに回動可能に軸支する天板回動支持機構と,
前記天板又は該天板の回動に連動する部分を弾性付勢することにより,前記天板が前記横倒し姿勢又は前記起立姿勢の少なくとも一方にあるときに前記天板回動支持機構において前記天板を含む回動部の重力により生じるトルクと反対方向のトルクを発生させる天板弾性付勢手段と,
を具備してなるフラップテーブル。
【請求項2】
前記天板弾性付勢手段が,
前記天板の回動の中心線に沿って2箇所の被支持部で支持されるトーションバーと,
前記トーションバーにおける2箇所の被支持部のうちの一方をその回転を規制して第1の支持部で支持するとともに他方を前記天板の回動に連動して回転するように第2の支持部で支持し,前記天板が前記横倒し姿勢又は前記起立姿勢の少なくとも一方にあるときの前記トーションバーに,前記天板回動支持機構において前記天板を含む回動部の重力により生じるトルクと反対方向のトルクが発生する捻じれを生じさせるトーションバー支持手段と,
を具備してなる請求項1に記載のフラップテーブル。
【請求項3】
前記トーションバー支持手段が,前記天板が前記横倒し姿勢であるときと前記起立姿勢であるときとで前記トーションバーに反対方向の捻じれを生じさせるよう前記トーションバーを支持してなる請求項2に記載のフラップテーブル。
【請求項4】
前記トーションバー支持手段の前記第2の支持部を,前記天板の回動の中心線に沿う方向における位置を可変に支持する支持位置可変機構を具備してなる請求項2又は3のいずれかに記載のフラップテーブル。
【請求項5】
前記トーションバー支持手段の前記第1の支持部を,前記天板の回動の中心線を中心とする円周方向における角度を可変に支持する支持角度可変機構を具備してなる請求項2〜4のいずれかに記載のフラップテーブル。
【請求項6】
前記トーションバー支持手段の前記第1の支持部が,前記トーションバーにおける2箇所の被支持部のうちの一方を,前記天板の回動の中心線を中心とする円周方向における角度を固定して支持してなる請求項2〜5のいずれかに記載のフラップテーブル。
【請求項7】
前記トーションバー支持手段の前記第1の支持部が,前記トーションバーにおける2箇所の被支持部のうちの一方を,前記天板の回動の中心線を中心とする円周方向における角度を前記天板の回動の角度範囲より小さい所定範囲内に規制して支持してなる請求項2〜5のいずれかに記載のフラップテーブル。
【請求項8】
前記天板の回動に連動して回転する部分の回転速度を抑制する回転式のダンパを具備してなる請求項1〜7のいずれかに記載のフラップテーブル。
【請求項9】
前記天板の回動をその天板の前記横倒し姿勢及び前記起立姿勢の各々の状態でロックするとともに,所定の操作部に対する操作に応じてそのロック状態を解除するロック機構を具備してなる請求項1〜8のいずれかに記載のフラップテーブル。
【請求項1】
天板を横倒し姿勢と起立姿勢とに回動可能に軸支する天板回動支持機構と,
前記天板又は該天板の回動に連動する部分を弾性付勢することにより,前記天板が前記横倒し姿勢又は前記起立姿勢の少なくとも一方にあるときに前記天板回動支持機構において前記天板を含む回動部の重力により生じるトルクと反対方向のトルクを発生させる天板弾性付勢手段と,
を具備してなるフラップテーブル。
【請求項2】
前記天板弾性付勢手段が,
前記天板の回動の中心線に沿って2箇所の被支持部で支持されるトーションバーと,
前記トーションバーにおける2箇所の被支持部のうちの一方をその回転を規制して第1の支持部で支持するとともに他方を前記天板の回動に連動して回転するように第2の支持部で支持し,前記天板が前記横倒し姿勢又は前記起立姿勢の少なくとも一方にあるときの前記トーションバーに,前記天板回動支持機構において前記天板を含む回動部の重力により生じるトルクと反対方向のトルクが発生する捻じれを生じさせるトーションバー支持手段と,
を具備してなる請求項1に記載のフラップテーブル。
【請求項3】
前記トーションバー支持手段が,前記天板が前記横倒し姿勢であるときと前記起立姿勢であるときとで前記トーションバーに反対方向の捻じれを生じさせるよう前記トーションバーを支持してなる請求項2に記載のフラップテーブル。
【請求項4】
前記トーションバー支持手段の前記第2の支持部を,前記天板の回動の中心線に沿う方向における位置を可変に支持する支持位置可変機構を具備してなる請求項2又は3のいずれかに記載のフラップテーブル。
【請求項5】
前記トーションバー支持手段の前記第1の支持部を,前記天板の回動の中心線を中心とする円周方向における角度を可変に支持する支持角度可変機構を具備してなる請求項2〜4のいずれかに記載のフラップテーブル。
【請求項6】
前記トーションバー支持手段の前記第1の支持部が,前記トーションバーにおける2箇所の被支持部のうちの一方を,前記天板の回動の中心線を中心とする円周方向における角度を固定して支持してなる請求項2〜5のいずれかに記載のフラップテーブル。
【請求項7】
前記トーションバー支持手段の前記第1の支持部が,前記トーションバーにおける2箇所の被支持部のうちの一方を,前記天板の回動の中心線を中心とする円周方向における角度を前記天板の回動の角度範囲より小さい所定範囲内に規制して支持してなる請求項2〜5のいずれかに記載のフラップテーブル。
【請求項8】
前記天板の回動に連動して回転する部分の回転速度を抑制する回転式のダンパを具備してなる請求項1〜7のいずれかに記載のフラップテーブル。
【請求項9】
前記天板の回動をその天板の前記横倒し姿勢及び前記起立姿勢の各々の状態でロックするとともに,所定の操作部に対する操作に応じてそのロック状態を解除するロック機構を具備してなる請求項1〜8のいずれかに記載のフラップテーブル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−252867(P2010−252867A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−103283(P2009−103283)
【出願日】平成21年4月21日(2009.4.21)
【出願人】(391006441)山田工業株式会社 (29)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月21日(2009.4.21)
【出願人】(391006441)山田工業株式会社 (29)
【Fターム(参考)】
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