説明

ブラジキニン1受容体モジュレータとしての置換されたスルホンアミド誘導体

本発明は 、一般式I
【化1】


で表わされる置換されたスルホンアミド誘導体、その製造方法、この化合物を含有する医薬及び置換されたスルホンアミド誘導体の、痛み、特に急性痛、内臓痛、神経障害性痛、又は慢性痛の及び炎症性痛の治療用医薬、並びに偏頭痛、糖尿病、呼吸器系疾患、炎症性腸疾患、神経系疾患、皮膚炎症、リウマチ性疾患、敗血性ショック、再かん流症候群、肥満の治療用医薬又は血管形成阻害薬の製造への使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置換されたスルホンアミド誘導体、その製造方法、この化合物を含有する医薬及び置換されたスルホンアミド誘導体の医薬の製造への使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ブラジキニン 2 受容体 (B2R) の構成的発現に反して、ブラジキニン 1 受容体 (B1R) はほとんどの組織でまったく発現しないか又はほんの弱くしか発現しない。にもかかわらずB1Rの発現は種々の細胞で誘発される。たとえば 炎症反応の過程で、B1R の急速かつ著しい誘発が神経細胞、しかしまた体皮細胞、たとえば線維芽細胞、内皮細胞、顆粒球、 マクロファェージ及びリンパ球で行われる。したがって、炎症反応の過程でしたがってB2Rから B1Rドミナンス( Dominanz)への変更が関与する細胞に生じる。サイトカインインターロイキン-1 (IL-1)及び腫瘍壊死因子アルファ (TNFα) が、かなりこの B1R上流調節(Heraufregulation)に関与する(非特許文献1:Passos et al. J. Immunol. 2004, 172, 1839-1847)。特異的リガンドでの活性化後、B1R-発現細胞は引き続きそれ自体、炎症を促進するサイトカイン、たとえばIL-6 及び IL-8を分泌することができる(非特許文献2:Hayashi et al., Eur. Respir. J. 2000, 16, 452-458)。このことが、別の炎症細胞、たとえば好中性顆粒球の内側移動(Einwanderung)を引き起こす (非特許文献3:Pesquero et al., PNAS 2000, 97, 8140-8145)。このメカニズムを介して、ブラジキニン-B1R-システムは疾患の慢性化に寄与することができる。これは多数の動物実験による研究によって実証されている (非特許文献4:概説;Leeb-Lundberg et al., Pharmacol Rev. 2005, 57, 27-77 及び非特許文献5:Pesquero et al., Biol. Chem. 2006, 387, 119-126)。 ヒトにおいても、B1Rの増加した発現はそれ自体、たとえば炎症性腸疾患を患う患者の罹患組織中の腸細胞及びマクロファージに現れるか(非特許文献6:Stadnicki et al., Am. J. Physiol. Gastrointest. Liver Physiol. 2005, 289, G361-366) 又は多発性硬化症を患う患者のT リンパ球に現れるか(非特許文献7:Prat 1999) あるいはブラジキニン-B2R-B1R システムの活性化は黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)による感染の過程でそれ自体現れる(非特許文献8:Bengtson et al., Blood 2006, 108, 2055-2063)。黄色ブドウ球菌による感染は、敗血症性ショックを導く皮膚の表面の感染のような臨床症候群の原因となる。
【0003】
記載された病態生理学的関係に基づけば、急性及び特に慢性的炎症性疾患でのB1R アンタゴニストの使用に多大な治療可能性がある。これに、気道疾患(気管支ぜんそく、 アレルギー、 COPD/慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症等)、炎症性腸疾患 (潰瘍性大腸炎、CD/クローン病等)、神経系疾患 (多発性硬化症、神経変性等)、皮膚炎症 (アトピー性皮膚炎、乾癬、細菌感染等)及び 粘膜 (ベーチェット病、腎盂炎、前立腺炎等)、リウマチ性疾患 (関節リウマチ、変形性関節症等)、敗血症性ショック及び再かん流症候群(心筋梗塞後、卒中)が含まれる。
【0004】
さらに、ブラジキニン(受容体)-システムは血管形成の調節にも関与し(癌及び眼の黄斑変性の場合血管形成阻害剤としの可能性)、そして B1R-ノックアウトマウスは特に高い脂肪食による肥満の誘発から守られる(非特許文献9:Pesquero et al., Biol. Chem. 2006, 387, 119-126)。 したがって、B1R-アンタゴニストは肥満の治療にも適する。
【0005】
B1R-アンタゴニストは特に痛み、特に炎症性痛及び神経障害性痛の治療 (非特許文献10:Calixto et al., Br. J. Pharmacol 2004, 1-16)、この際特に糖尿病性神経障害の治療(非特許文献11:Gabra et al., Biol. Chem. 2006, 387, 127-143)に適する。
【0006】
しかし、B1R-モジュレータの開発に際して、ヒト-B1R-受容体とラット-B1R-受容体は 、ヒト受容体に良好なB1R-モジュレータである多くの化合物が、ラット-受容体に対して親和性をほんの僅かしか示さないか又はまったく示さないほどに著しく異なるということが問題となる。これは動物薬理研究をさらに困難にする。というのは多くの研究が通常ラットで実施されるからである。しかし有効性がラット-受容体に全くないならば、作用も副作用もラットで調べられないはずである。これはすでに、ヒト B1-受容体を持ったトランスジェニック動物が動物薬理研究のために生み出されていることに結びつく(非特許文献12:Hess et al., Biol Chem. 2006; 387(2):195-201)。しかしトランスジェニック動物を用いる実験は、未処理動物(unveranderten Tieren)用いる実験に比べて高価である。しかし医薬の開発において、 ラットでの長期毒性検査はまさに標準的試験に含まれてけれども、受容体で活性がない場合意味がないので、このような化合物の開発は安全性検査のための重要な確立された機器がない。したがってB1R-モジュレータ、好ましくはラット-受容体にも、ヒト受容体にも結合するものが特に望まれる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Passos et al. J. Immunol. 2004, 172, 1839-1847
【非特許文献2】Hayashi et al., Eur. Respir. J. 2000, 16, 452-458
【非特許文献3】Pesquero et al., PNAS 2000, 97, 8140-8145
【非特許文献4】Leeb-Lundberg et al., Pharmacol Rev. 2005, 57, 27-77
【非特許文献5】Pesquero et al., Biol. Chem. 2006, 387, 119-126
【非特許文献6】Stadnicki et al., Am. J. Physiol. Gastrointest. Liver Physiol. 2005, 289, G361-366
【非特許文献7】Prat 1999
【非特許文献8】Bengtson et al., Blood 2006, 108, 2055-2063
【非特許文献9】Pesquero et al., Biol. Chem. 2006, 387, 119-126
【非特許文献10】Calixto et al., Br. J. Pharmacol 2004, 1-16
【非特許文献11】Gabra et al., Biol. Chem. 2006, 387, 127-143
【非特許文献12】Hess et al., Biol Chem. 2006; 387(2):195-201
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の課題は、特に医薬中の、好ましくは少なくとも部分的にB1R-受容体によって媒介される障害又は疾患の治療用医薬中の薬理学的有効物質として適する、新規化合物を提供することにある。
【0009】
この課題は、本発明の置換されたスルホンアミド誘導体によって解決される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の対象は、一般式I
【0011】
【化1】

【0012】
{式中、
m は0, 1, 2 又は 3を示し、
n は 1 又は 2 を示し、
p は 0, 1又は 2を示し、
R1 はアリール又はヘテロアリールを示し、これらは置換されていないか又はモノ又はポリ置換され、場合によりC1-6-アルキル鎖(これは飽和又は不飽和、分枝状又は非分枝状であってよい。)を介して結合し、
R2 はOH, OC1-6-アルキル又は Fを示し、
R3 はアリール又はヘテロアリールを示し、これらはそれぞれ 置換されていないか 又は モノ又はポリ置換され、
R4 及び R4aは相互に無関係にH、C1-6-アルキル(これはそれぞれ飽和又は 不飽和、分枝状 又は 非分枝状、置換されていないか又は モノ又はポリ置換されている。); F; Cl; アリール(これは、それぞれ 置換されていないか 又は モノ又はポリ置換されている。); 又はC1-3-アルキル鎖を介して結合したアリール(これは、それぞれ置換されていないか 又は モノ又はポリ置換されている。)を示し、
Z は O、CH2 又は NRN を示し、この際 RN はH; C1-6-アルキル; C3-8-シクロアルキル、フェニル、メチル-C3-8-シクロアルキル 又は ベンジル(これらは、それぞれ置換されていないか 又は モノ又はポリ置換されている。)を示し、
R5 及び R5aは相互に無関係にH; 又は C1-6-アルキル(これはそれぞれ飽和又は 不飽和、分枝状 又は 非分枝状、置換されていないか 又は モノ又はポリ置換されている。); OH、OC1-6-アルキル、F、Cl、フェノキシ 又はベンジルオキシを示し、
R6 はH; C1-6-アルキル(これはそれぞれ飽和又は 不飽和、分枝状 又は 非分枝状、置換されていないか 又は モノ又はポリ置換されている。); C3-8-シクロアルキル(これは飽和又は 不飽和、置換されていないか 又は モノ又はポリ置換されている。); アリール 又はヘテロアリール(これらは置換されていないか又は モノ又はポリ置換されている。);C1-3-アルキル鎖を介して結合したアリール 又は C3-8-シクロアルキルを示すか; 又は隣接する窒素を含めて Qと一緒になって4−、5−、6−又は7−員環を形成し、これらは飽和又は不飽和であり、そして 更なるヘテロ原子 O、S 又は Nを有することができ、この環は別の5−又は6−員環(飽和又は不飽和)と縮合することができる; ただし通常の閉環の場合、 Q は、
【0013】
【化2】

【0014】
を示し、そして 上記環は任意の位置で フェニル、OH、ORN、F、Cl、CF3、又は C1-6-アルキルによって置換されていてよいか、
又は Q は単結合、-CH2-、-CH2-CH2-、又は
【0015】
【化3】

【0016】
(式中、

【0017】
は単結合又は二重結合を示す。)
を示す。}
で表わされる置換された スルホンアミド誘導体、又はそのラセミ化合物、その対掌体、そのジアステレオマー、その対掌体又はジアステレオマーの混合物、 又は 個々の対掌体又はジアステレオマーの混合物、その塩基及び(又は) 生理学的に許容し得る酸の塩である。
【0018】
上記化合物は、B1R-受容体 に対して親和性を示す。
【0019】
用語“置換された ”とは、本発明の範囲においてH-原子の、下記に詳細に特定化される置換基による置換を意味する。
【0020】
用語“C1-3-アルキル”及び“C1-6-アルキル”は本発明の範囲において 1〜3個のC−原子 又は1〜6個のC−原子を有する非環状の飽和又は 不飽和炭化水素基を含み、これらは分枝状- 又は 直鎖状であり、そして 置換されていないか 又は モノ又はポリ置換されていてよく、すなわちC1-3-アルカニル、C2-3-アルケニル及び C2-3-アルキニル又はC1-6-アルカニル、C2-6-アルケニル及びC2-6-アルキニルである。その際、アルケニルは少なくとも1個のC−C−二重結合及び アルキニルは少なくとも1個のC−C−三重結合を有する。メチル、エチル、 n-プロピル、 2-プロピル、 n-ブチル、 イソブチル、sec.-ブチル、 tert.-ブチル、 n-ペンチル、 イソ-ペンチル、 ネオ-ペンチル、ヘキシル、 ヘプチル、オクチル、エチレニル (ビニル)、 エチニル、 プロペニル (-CH2CH=CH2、-CH=CH-CH3、-C(=CH2)-CH3)、 プロピニル (-CH-C≡CH、 -C≡C-CH3)、 ブテニル、 ブチニル、 ペンテニル、 ペンチニル、 ヘキセニル及びヘキシニルを含む群から選ばれるのが好ましい。 メチル、エチル 及び n-プロピルが特に好ましい。
【0021】
用語“アリール”は 本発明の範囲内において 芳香族 炭化水素、特に フェニル類及びナフチル類を示す。アリール基 は別の飽和、 (一部) 不飽和 又は 芳香族環系と縮合していていてもよい。各アリール基は置換されていないか、又は モノ又はポリ置換されて存在し、この際アリール置換は同一か又は異なっていてよく、そしてそれぞれ任意の、そして可能な、アリールの位置にあることができる。アリールはフェニル、 1-ナフチル、2-ナフチル(これらの基はそれぞれ置換されていないか、又はモノ又はポリ置換されてたいてよい。)を含む群から選ばれるのが好ましい。フェニル基が特に好ましい。
【0022】
用語“ヘテロアリール”は “芳香族ヘテロシクリル”と同一であり、そして少なくとも1個、場合によりまた2、3、4 又は 5 個のヘテロ原子を有する5-、6- 又は 7-員の環状芳香族基を示し、この場合そのへテロ原子は 同一か又は異なり、そしてこのヘテロ環は置換されていないか、又はモノ又はポリ置換されていてよい。ヘテロ環が置換されている場合、置換基は同一か又は異なり、ヘテロアリールのそれぞれ任意の及び可能な位置にあることができる。このヘテロ環は二- 又は 多環状系の一部であってもよく、この場合全体で7-員よりも大きくてもよく、好ましくは 14-員までであることができる。好ましいヘテロ原子は窒素、酸素及びイオウである。ヘテロアリール基は、ピロリル、インドリル、フリル (フラニル)、ベンゾフラニル、チエニル (チオフェニル)、ベンゾチエニル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾジオキソラニル、ベンゾジオキサニル、フタラジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラニル、インダゾリル、プリニル、インドリジニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、カルバゾリル、フェナジニル、フェノチアジニル 又は オキサジアゾリルを含む選ばれるのが好ましい。この際、一般式Iで表わされる化合物との結合は、ヘテロアリール基の各々の任意の、及び可能な環成員で行うことができる。特に好ましくはチエニル、ピロリル及び ピリジルである。
【0023】
用語“C1-3-アルキルを介して結合したアリール 又は ヘテロアリール”及び“ C1-6-アルキル を介して結合する アリール 又はヘテロアリール”は、本願発明の目的に対して、 C1-3-アルキル及び C1-6-アルキル 及び アリール又はヘテロアリールが上記に定義された通りの意味を有し、そしてアリール- 又はヘテロアリール-基 がC1-3-アルキル-基又はC1-6-アルキル基を介して一般式Iで表わされる化合物と結合することを意味する。本発明の範囲内において 、 フェニル、 ベンジル及びフェネチルが特に好ましい。
【0024】
“アルキル”及び“シクロアルキル”に関連して、概念“置換された”とは、 本発明の範囲内において、水素基がF、Cl、Br、I、-CN、NH2、NH-C1-6-アルキル、NH-C1-6-アルキル-OH、C1-6-アルキル、N(C1-6-アルキル)2、N(C1-6-アルキル-OH)2、NO2、SH、S-C1-6-アルキル、S-ベンジル、O-C1-6-アルキル、OH、O-C1-6-アルキル-OH、=O、O-ベンジル、C(=O)C1-6-アルキル、CO2H、CO2-C1-6-アルキル、フェニル 又は ベンジルによって置換されていることを意味し、この際ポリ置換された基とは、異なる又は同一の原子で、たとえばジ又はトリ置換されている基を意味し、たとえばCF3 又は -CH2CF3の場合のように、同一C−原子でトリ置換された基を、又はたとえば -CH(OH)-CH=CH-CHCl2の場合のように、異なる位置でトリ置換されている基を示す。ポリ置換は、同一又は異なる置換基で行われてよい。
【0025】
“アリール” 及び“ヘテロアリール” 又は“芳香族ヘテロシクリル”に関して、本発明の範囲において“モノ又はポリ置換された”とは、環系の1個以上の水素原子がF、Cl、Br、I、CN、NH2、NH-C1-6-アルキル、NH- C1-6-アルキル-OH、N(C1-6アルキル)2、N(C1-6-アルキル-OH)2、NO2、SH、S-C1-6-アルキル、OH、O-C1-6-アルキル、O-C1-6アルキル-OH、C(=O)C1-6-アルキル、NHSO2C1-6-アルキル、NHCOC1-6-アルキル、CO2H、CH2SO2-フェニル、CO2-C1-6-アルキル、OCF3、CF3
【0026】
【化4】

【0027】
C1-6-アルキル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ベンジルオキシ、フェノキシ、フェニル、ピリジル、アルキルアリール、ベンジル、 チエニル 又は フリルによって、1種類の又は場合により種々の原子でモノ又はポリ、たとえばジ−、トリ−又はテトラ−置換されていることを意味する(この場合、置換基は場合によりそれ自体が置換されていてよい)。その際ポリ置換は、同一の置換基又は異なる置換基 によって行われる。その際“アリール” 及び“ヘテロアリール”に関して、好ましい置換基は-F、-Cl、CF3、CH3 又は OCH3である。
【0028】
生理学的に許容し得る酸と共に形成される塩なる概念は本発明の範囲において、 それぞれの有効物質と無機酸又は有機酸との塩を意味し、これは生理学的に−−特にヒト及び/又は哺乳類に使用した場合−−−許容し得ることを意味する。その塩酸塩が特に好ましい。生理学的に許容し得る酸の例は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、メタンスルホン酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、マンデル酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、マレイン酸、クエン酸、グルタミン酸、1,1-ジオキソ-1,2-ジヒドロ1l6-ベンゾ[d]イソチアゾール-3-オン (サッカリン酸)、モノメチルセバシン酸、5-オキソ-プロリン、ヘキサン-1-スルホン酸、ニコチン酸、 2-、3- 又は 4-アミノ安息香酸、2,4,6-トリメチル-安息香酸、 α−リポン酸、アセチルグリシン、馬尿酸、リン酸及び/又は又はアスパラギン酸である。クエン酸及び塩酸が特に好ましい。
【0029】
本発明の範囲において、一般式Iで表わされる置換された スルホンアミド誘導体
{式中、
Mが0、1、2 又は 3を示し、
n が 1 又は 2を示し、
p が 0、1 又は 2を示し、
R1 はアリール又はヘテロアリールを示し、これらの基は置換されていないか又は モノ又はポリ置換され、場合によりC1-6-アルキル鎖(これは飽和又は不飽和、分枝状又は非分枝状であってよい。)を介して結合し、
R2 がOH、OC1-6-アルキル 又は Fを示し、
R3 がアリール又はヘテロアリール(これは、それぞれ置換されていないか 又は モノ又はポリ置換されている。)を示し、
R4 及び R4aが相互に無関係にH、C1-6-アルキル(これはそれぞれ飽和又は 不飽和、分枝状 又は 非分枝状、置換されていないか 又は モノ又はポリ置換されている。); F; Cl; アリール(これは、それぞれ 置換されていないか 又は モノ又はポリ置換されている。); 又は C1-3-アルキル鎖を介して結合したアリール(これは、それぞれ置換されていないか 又は モノ又はポリ置換されている。)を示し、
Z が O、CH2 又は NRN を示し、 この際RNはH; C1-6-アルキル; フェニル、C3-8-シクロアルキル、メチル-C3-8-シクロアルキル 又は ベンジル(これらは、それぞれ置換されていないか 又は モノ又はポリ置換されている。)を示し、
R5 及び R5aが相互に無関係にH; 又は C1-6-アルキル(これはそれぞれ飽和又は 不飽和、分枝状 又は 非分枝状、置換されていないか 又は モノ又はポリ置換されている。); OH、OC1-6-アルキル、F、Cl、フェノキシ 又は ベンジルオキシを示し、
R6 が H; C1-6-アルキル(これはそれぞれ飽和又は 不飽和、分枝状 又は 非分枝状、置換されていないか 又は モノ又はポリ置換されている。); C3-8-シクロアルキル(これは飽和又は 不飽和、置換されていないか 又は モノ又はポリ置換されている。); アリール 又はヘテロアリール(これらは置換されていないか又は モノ又はポリ置換されている。); C1-3-アルキル鎖を介して結合したアリール 又は C3-8-シクロアルキルを示すか、又は 隣接する窒素を含めて Qと一緒になって4−、5−、6−又は7−員環を形成し、これらは飽和又は不飽和であり、そして 更なるヘテロ原子 O、S 又は Nを有することができ、この環は別の5−又は6−員環(飽和又は不飽和)と縮合することができる; ただし通常の閉環の場合、 Q は
【0030】
【化5】

【0031】
を示し、 上記環は各位置がフェニル、OH、ORN、F、Cl、CF3、又は C1-6-アルキルによって置換されていてよいか、
又は Qは単結合、-CH2-、-CH2-CH2-、又は
【0032】
【化6】

【0033】
(式中、

【0034】
は単結合 又は 二重結合を示す。)
を示し、
この際、
“置換されたアルキル” 及び“置換されたシクロアルキル”は、1個又は複数個の水素基がF、Cl、Br、I、-CN、NH2、NH-C1-6-アルキル、NH-C1-6-アルキル-OH、C1-6-アルキル、N(C1-6-アルキル)2、N(C1-6-アルキル-OH)2、NO2、SH、S-C1-6-アルキル、S-ベンジル、O-C1-6-アルキル、OH、O-C1-6-アルキル-OH、=O、O-ベンジル、C(=O)C1-6-アルキル、CO2H、CO2-C1-6-アルキル、フェニル 又は ベンジルによって置換されていることを意味し、
“置換されたアリール” 及び “置換されたヘテロアリール”は、環系の水素原子1個以上がF、Cl、Br、I、CN、NH2、NH-C1-6-アルキル、NH- C1-6-アルキル-OH、N(C1-6Alkyl)2、N(C1-6-アルキル-OH)2、NO2、SH、S-C1-6-アルキル、OH、O-C1-6-アルキル、O-C1-6Alkyl-OH、C(=O)C1-6-アルキル、CO2H、CH2SO2-フェニル、CO2-C1-6-アルキル、OCF3、CF3,
【0035】
【化7】

【0036】
C1-6-アルキル、フェニル、ピリジル、チエニル 又はフリルによってモノ又はポリ置換、たとえばジ-、トリ- 又はテトラ置換されていることを意味する。}
、そのラセミ化合物、その対掌体、そのジアステレオマー、その対掌体又はジアステレオマーの混合物、 又は 個々の対掌体又はジアステレオマーの混合物、その塩基及び(又は) 生理学的に許容し得る酸の塩が好ましい。
【0037】
本発明の範囲において、置換されたスルホンアミド誘導体{式中、R1 がフェニル、ピロリル、インドリル、フリル (フラニル)、ベンゾフラニル、チエニル (チオフェニル)、ベンゾチエニル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾジオキソラニル、ベンゾジオキサニル、フタラジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラニル、インダゾリル、プリニル、インドリジニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、カルバゾリル、フェナジニル、フェノチアジニル 又は オキサジアゾリル(これらの基はそれぞれ 置換されていないか 又はモノ又はポリ置換され、そして場合により C1-3-アルキル鎖を介して結合する。)を示す。}が、特に好ましい。
【0038】
置換された スルホンアミド誘導体{式中、R1がチエニル、フェニル、ベンジル、フェネチル、又は -CH2- 又は -CH2-CH2- 鎖を介して結合した ピリジル(これらの基は、それぞれ置換されていないか又はモノ又はポリ置換されている。)を示し、 特にピリジル、又は チエニル、フェニル 又は ベンジル(これらの基は置換されていないか又は置換されている。)を示す。}がまさに特に好ましい。この場合、特に好ましい置換基は、 -F、-Cl、Br、I 又は CF3 である。フェニル基に関して、2-、3-、又は 4-位で、特に3- 又は 4-位でモノ置換されたフェニル基が特に好ましい。
【0039】
R1が 2-ピリジニル、3-ピリジニル 又は 4-ピリジニル、好ましくは 3-ピリジニル 又は 4-ピリジニル、特に 3-ピリジニルから選ばれる化合物が特に好ましい。更に、 R1 は好ましくは 下記タイプ
【0040】
【化8】

【0041】
(式中、 xは 1、2 又は 3であってよく、好ましくは 1 又は 2であることができ、そしてアルキル鎖はピリジル基の 2-、3- 又は 4-位、好ましくは 3- 又は 4-位、特に 3-位と結合することができる。)
で表わされる基である。同様にR1 は下記タイプ
【0042】
【化9】

【0043】
(式中、 yは 1、2 又は 3であってよく、好ましくは 1 又は 2であることができ、 フェニル基は置換されていないか又は1種以上の、同一又は異なる置換基によって置換されていてよい。)
で表わされる基であるのが好ましい。その際、上記置換基は好ましくは-F、-Cl、-Br、-I、-CF3、特に -F、-Cl、-Br 及び -CF3より成る群から選ばれ、この場合2-、3-、又は 4-位、特に3- 又は 4-位でモノ置換されたフェニル基が特に好ましい。更に、R1 は好ましくは 2-チエニル(この基は場合により モノ又はポリ置換され、好ましくは 置換されていない。)である。
【0044】
更に、一般式Iで表わされる置換された スルホンアミド誘導体 (式中、R2はOHを示す。)が好ましい。
【0045】
一般式Iで表わされる置換された スルホンアミド誘導体 {式中、R3はフェニル、ナフチル、チエニル 又は ベンゾチエニルもしくはベンゾチオフェン(これらの基は、それぞれ 置換されていないか 又は モノ又はポリ置換されている。)を示す。}も好ましい。置換されていないか、モノ又はポリ置換されたフェニルが特に好ましく、この際上記置換基は好ましくは -Me、-CF3、-F、-Cl、-Br、-I、-OMeより成る群から選ばれ、そしてフェニル基での次の置換パターンが特に好ましい: 2、4 及び 6; 2 及び 4 ならびに 2 及び 6。 一般式I で表わされる化合物{式中、 R3 が置換されていないか、モノ又はポリ置換された1-ナフチルであり、特に 2-位でメチル置換された1-ナフチルである。}が特に好ましい。 好ましくはR3はベンゾチエニル、特にベンゾチエン-3-イル(この基は置換されていないか、モノ又はポリ置換されている。)であるのが好ましい。
【0046】
特に好ましくは、一般式Iで表わされる置換されたスルホンアミド誘導体{式中、R3 は2-メチル-5-フルオロフェニル、2,4-ジクロロフェニル、3,5-ジクロロフェニル、3,4-ジメトキシフェニル、2,6-ジクロロフェニル、ベンゾ[1,3]ジオキソール、4-tert.-ブチルフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、2,4,6-トリクロロフェニル、2,4-ジクロロ-6-メチルフェニル、4-メトキシフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、4-メチルフェニル、2,3,6-トリメチル-4-メトキシフェニル、ペンタフルオロフェニル、2-メトキシフェニル、2,6-ジメチル-4-メトキシフェニル、4-フルオロフェニル、4-クロロフェニル、3,4-ジクロロフェニル、2,4-ジメトキシフェニル 又は2,3-ジクロロフェニルを示す。}である。
【0047】
まさに特に好ましくは、一般式Iで表わされる置換されたスルホンアミド誘導体(式中、R3 は2,6-ジメチル-4-メトキシフェニル を示す。)である。
【0048】
一般式Iで表わされる本発明の化合物において、nが 1を示す場合、 R4a はHを示すのが好ましい。
【0049】
一般式Iで表わされる置換された スルホンアミド誘導体(式中、R4 及び R4a は Hを示す。)も好ましい。
【0050】
更に、一般式Iで表わされる置換された スルホンアミド誘導体(式中、Z は Oを示す。)が好ましい。
【0051】
更に、一般式Iで表わされる置換された スルホンアミド誘導体(式中、R5 及び R5a はH を示す。)が好ましい。
【0052】
別の好ましい実施態様において、一般式Iで表わされる本発明の置換されたスルホンアミド誘導体 中のQ は単結合、-CH2-、-CH2-CH2-; 又は
【0053】
【化10】

【0054】
(式中、

【0055】
は単結合 又は 二重結合を示す。)
をを示す。好ましい本発明のバリアント(Variante)において、Q は単結合である。
【0056】
更に、一般式Iで表わされる置換されたスルホンアミド誘導体 (式中、R6 はH-、メチル、エチル、n-プロピル、イソブチル、シクロプロピル、C1-3-アルキル鎖を介して結合したシクロプロピル、又は ベンジルを示し、そしてQ は単結合である。)が好ましい。
【0057】
一般式Iで表わされる本発明のスルホンアミド誘導体の好ましい実施態様において、R6 はQ と一緒になって隣接する窒素を含めて6- 又は7員環、好ましくは 6員環を形成し、この環は飽和又は不飽和であり、そして 更なるヘテロ原子 O、S 又は Nを有することができ、そしてこの環は別の5−又は6−員環(飽和又は不飽和)と縮合することができる; ただし、通常の閉環の場合、 Q は、
【0058】
【化11】

【0059】
を示し、そして上記環は各位置がフェニル、OH、ORN、F、Cl、CF3、又は C1-6-アルキルによって置換されていてよい。好ましくは、このように形成された6- 又は7員環は更なるヘテロ原子を有しない。
【0060】
更に、一般式Iで表わされる置換された スルホンアミド誘導体{式中、
【0061】
【化12】

【0062】
は、
【化13】

【0063】
を示し、 特に
【化14】

【0064】
を示す。}
が好ましい。
【0065】
一般式Iで表わされる置換された スルホンアミド誘導体
{式中、Qは、
【0066】
【化15】

【0067】
を示す。}
も好ましい。
【0068】
更に、一般式Iで表わされる本発明の化合物
{式中、
a) m は1を示し、 nは 1 又は 2、特に1を示し、R4、R4a、R5 及び R5a は H を示し、そしてZは Oを示すか、又は
b) m は0を示し、Zは O 又は CH2、特に Oを示し、nは 1 又は 2、特に1を示し、そしてR4 及び R4a Hを示す。}
が好ましい。
【0069】
これらの2つの本発明のバリアントは、本発明の化合物において

【0070】
【化16】

【0071】
が上記N-含有環であるのが特に好ましい。
【0072】
更に一般式Iで表わされる本発明の化合物
{式中、
c) mは 2を示し、ZはOを示し、nは1 又は 2、特に 1を示し、R4、R4a、R5 及び R5a はHを示すか、又は
d) m は1 又は 2、特に1を示し、
Z は CH2を示し、nは1を示し、そしてR4、R4a、R5 及び R5a はHを示す。}
が好ましい。
【0073】
これらの2つの本発明のバリアントは、本発明の化合物において、基
【0074】
【化17】

【0075】
がN-含有環でなく、開放鎖構造を形成するのが特に好ましい。
【0076】
更に好ましくは、一般式Iで表わされる本発明の置換されたスルホンアミド誘導体
{式中、
R1 は 次の群:
2-ピリジニル、3-ピリジニル 又は 4-ピリジニル、好ましくは 3-ピリジニル 又は 4-ピリジニル、特に 3-ピリジニル;
【0077】
【化18】

【0078】
(式中、 xは 1、2 又は 3、好ましくは 1 又は 2であることができ、そしてアルキル鎖はピリジル基の 2-、3- 又は 4-位に、好ましくは 3- 又は 4-位、特に3-位に結合することができる。);
【0079】
【化19】

【0080】
(式中、 yは 1、2 又は 3、好ましくは 1 又は 2であることができ、フェニル基は置換されていないか 又は 1種以上の、同一又は異なる置換基によって置換されていてよく、この場合置換基は、好ましくは、-F、-Cl、-Br、-I、CF3、特に -F、-Cl、Br 及び CF3,より成る群から選ばれ、そして2-、3-、又は 4-位、特に3- 又は 4-位で、 モノ置換されたフェニル基が特に好ましい。); 及び
2-チエニル(この基は、場合により モノ又はポリ置換され、好ましくは 置換されていない。)
より成る群から選ばれ、
R2はOH 又は OC1-6-アルコキシ、好ましくは OHを示し、
R3は次の群:
フェニル(この基は、 置換されていないか、モノ又はポリ置換され、その際置換基フェニル基への次の置換パターンが特に好ましい: 2、4 及び 6; 2 及び 4 並びに 2 及び 6);
ナフチル、 特に1-ナフチル(これは、 置換されていないか、モノ又はポリ置換されている。)、特に 2-位がメチル置換されたナフチル; 及び
ベンゾチエニル、特に ベンゾチエン-3-イル(これは、 置換されていないか、モノ又はポリ置換されている。);
及び 一般式Iからの基
【0081】
【化20】

【0082】
a) n が1 を示し、
R4 及び R4a が Hを示し、
Z が O 又は CH2、 特に Oを示し,
m が1 又は 0、 特に 1 を示し、
R5 及び R5a が H を示し、
そして
【0083】
【化21】


【化22】

【0084】

特に
【化23】

【0085】
を示すか、
又は
b) n が 1を示し、
R4 及び R4a が Hを示し、
Z が Oを示し、
m が 1を示し、
R5及び R5a が Hを示し、
Q が-CH2を示し、そして
R6が H、C1-4-アルキル、特に メチル 及び エチル、C3-5-シクロアルキル、特にシクロプロピル、(-CH2-)- 又は (-CH2-CH2-)-架橋を介して結合したC3-5-シクロアルキル、特に -CH2-シクロプロピル、フェニル 又は ベンジル を示す 。}
である。
【0086】
本発明の置換されたスルホンアミド誘導体はつぎの群:
【0087】
【表1】















から選ばれるのが特に好ましい。
【0088】
本発明の物質の個々の実施形態の上記の使用番号は下記の本発明の詳細な説明で、特に実施例の開示において用いられる。
【0089】
本発明の化合物は、ヒト B1R-受容体 又は ラットの B1R-受容体へのアンタゴニスト作用を示す。 本発明の好ましい実施態様で、本発明の物質はヒト B1R- 受容体 及びラットのB1R-受容体でアンタゴニスト作用を示す。
【0090】
FLIPR-アッセイにおいて、ヒト B1R-受容体 の及び/又は ラットのB1R-受容体の10 μMの濃度で、少なくとも 15%、25%、50%、70%、80% 又は 90% の阻害を示す化合物が特に好ましい。ヒト B1R-受容体 及びラットのB1R-受容体の少なくとも70%、特に 80% 及び 特に 好ましくは 90% の阻害を示す化合物が まさに特に好ましい。
【0091】
物質のアゴニスト又はアンタゴニスト作用は、種ヒト及びラットのブラジキニン受容体 1 (B1R)で 異所性発現細胞系(CHO K1 細胞)を用いて及びCa2+-感受性染料(Fluo-4) を用いて蛍光イメージングプレートリーダー(Fluorescent Imaging Plate Reader (FLIPR))中で定量化することができる。「% 活性化」の記載はLys-Des-Arg9-ブラジキニン (0,5 nM)、又は Des-Arg9-ブラジキニン (100 nM)の添加後のCa2+-シグナルに対するものである。アンタゴニストはアゴニスト添加後のCa2+-流入抑制を生じさせる。最大で達成されうる阻害に比較して「%阻害」を記載する。
【0092】
本発明の更なる対象は、本発明の置換されたスルホンアミド誘導体の製造方法である。
【0093】
一般的合成式
【0094】
【化24】

【0095】
上記式中、R1-6、Z、Q、m、n 及び p は一般式Iに関連してすでに記載したとの同一の意味を有する。
【0096】
一般的合成法
略号
TBTU = O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム テトラフルオロボラート
CDI = 1,1’-カルボニルジイミダゾール
DCC = ジシクロヘキシルカルボジイミド
EDCI = 1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド (HCl 塩 - 以下参照)。
HOAt = 1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール
DIPEA = N,N-ジイソプロピルアミン
HOBt = 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
TBTU = O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム テトラフルオロボラート
EDCI = N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N'-エチルカルボジイミド 塩酸塩
PyBOP = ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシ-トリス-ピロリジノ-ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート
PFPTFA = ペンタフルオロフェニル-トリフルオロアセタート
PFP = ペンタフルオロフェノール
DBU = 1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセ-7-エン
方法Iにおいて、アミノエステル Aを、スルホニルクロライド、-ブロマイド 又は -ペンタフルオロフェノラート R3SO2X (X = Cl、Br、OPFP) を用いて、場合により、有機又は無機塩基、たとえば 炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ジエチルアミン 又は DBUの存在下に、好ましくは有機溶剤、たとえば アセトニトリル、ジクロロメタン 又は テトラヒドロフラン中でスルホニル化して、スルホニル化されたアミノエステル B に変換する。ついでスルホニル化されたアミノエステル Bを、アルキルハロゲニド (RX、X = I、Br、Cl)、-メシラート 又は 代替アルキル化試薬を用いて、 場合により、有機又は無機塩基、たとえば水素化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、DBU 又は DIPEAの存在下に、好ましくは有機溶剤 たとえば ジメチルホルムアミド、アセトン、THF、アセトニトリル、ジオキサン 又は 混合物としてのこれらの溶剤中で、 アルキル化してスルホニル化されたアミノエステル Cに変換する。
【0097】
方法 II において、ラセミ性 (R- 及び S-コンフィグレーション) 又は 対掌体純粋な (R- 又は S-コンフィグレーション) アミノ酸I を脱水剤、たとえば 無機酸 、たとえばH2SO4又は 酸化リン、又は 有機試薬、たとえばチオニルクロライドの使用下、 有機溶剤 、たとえばTHF、ジエチルエーテル、メタノール、エタノール 又は ジクロロメタン中でエステル化して、アミノエステル Jとし、ついでスルホニルクロライド 又は -ブロマイド 又は -ペンタフルオロフェノラート R3SO2X (X = Cl、Br、OPFP)を用いて、場合により、有機又は無機塩基、たとえば 炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ジエチルアミン 又は DBUの存在下、好ましくは有機溶剤 たとえば アセトニトリル、ジクロロメタン 又は テトラヒドロフラン中でスルホニル化して、スルホニル化されたアミノエステル Cに変換する。
【0098】
方法 I 及び IIにおいて、スルホニル化されたアミノエステル C を、有機酸、たとえばトリフルオロ酢酸、又は 水性無機酸 、たとえば塩酸の使用下、又は水性無機塩基、たとえば水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム 又は 炭酸カリウムの使用下、有機溶剤、たとえばメタノール、ジオキサン、ジクロロメタン、THF、ジエチルエーテル中で 又は これらの溶剤の混合物中でエステル分解して、スルホニル化されたアミノ酸 D を生じさせる。アミノ酸 Dを、還元剤としての金属水素化物、たとえば LiAlH4、BH3 x DMS 又は NaBH4 の使用下で、有機溶剤、たとえば THF 又は ジエチルエーテル中で還元して、スルホニル化された アミノアルコール Eに変換する。
【0099】
方法 IIIにおいて、ラセミ性 (R- 及び S-コンフィグレーション) 又は 対掌体純粋な (R- 又は S-コンフィグレーション) アミノ酸K を、還元剤としての金属水素化物、たとえば LiAlH4、BH3 x DMS 又は NaBH4 の使用下、有機溶剤、たとえばTHF 又は ジエチルエーテル中で還元して、 アミノアルコール L (市場で入手できない場合)に変換する。アミノアルコール L を、更に スルホニルクロライド、-ブロマイド 又は -ペンタフルオロフェノラートR3SO2X (X = Cl、Br、OPFP)を用いて、 場合により、有機又は無機塩基、たとえば 炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ジエチルアミン 又は DBUの存在下、好ましくは有機溶剤 、たとえば アセトニトリル、ジクロロメタン 又は テトラヒドロフラン中でスルホニル化して、スルホニル化された アミノアルコール E に変換する。
【0100】
方法 IV において、アミノアルコール Mを、スルホニルクロライド、-ブロマイド 又は -ペンタフルオロフェノラートR3SO2X (X = Cl、Br、OPFP) を用いて、場合により、有機又は無機塩基、たとえば 炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ジエチルアミン 又は DBUの存在下、好ましくは有機溶剤 たとえば アセトニトリル、ジクロロメタン 又は テトラヒドロフラン中でスルホニル化して、スルホニル化されたアミノアルコール N に変換する。ついでスルホニル化されたアミノアルコール N を、アルキルハロゲニド (RX、X = I、Br、Cl)、-メシラート 又は代替アルキル化試薬を用いて、 場合により有機又は無機塩基、たとえば水素化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、DBU 又は DIPEAの存在下、 好ましくは有機溶剤、たとえば ジメチルホルムアミド、アセトン、THF、アセトニトリル、ジオキサン 又は 混合物としてのこれらの溶剤中でアルキル化して、スルホニル化された アミノアルコール E に変換する。
【0101】
方法I 〜 IVにおいて、スルホニル化されたアミノアルコール Eを、ハロゲン化されたエステル誘導体を用いて、テトラブチルアンモニウムクロライド 又は -ブロマイド 又は テトラブチル硫酸水素アンモニウムの使用下アルキル化反応させて、 有機溶剤、たとえばトルエン、ベンゼン 又は キシレン 及び 無機塩基、たとえば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムの使用下 又は 有機又は無機塩基、たとえば 金属アコラート、たとえばナトリウムメタノラート、ナトリウエタノラート、カリウム-tert-ブチラート、リチウム- 又は ナトリウム塩基、たとえばリチウムジイソプロピルアミド、ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム、ナトリウムメチラート 又は 金属水素化物、たとえば水素化カリウム、水素化リチウム,水素化ナトリウム、ジイソプロピルエチルアミン 又は トリエチルアミンの存在下,有機溶剤、たとえばジクロロメタン、THF 又は ジエチルエーテル中で相間移動反応させて、一般構造 Fで表わされる生成物に変換させる。この生成物を、有機酸、たとえばトリフルオロ酢酸 又は 水性無機酸、たとえば塩酸の使用下 又は 水性無機塩基 、たとえば水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムの使用下、有機溶剤、たとえばメタノール、ジオキサン、ジクロロメタン、THF、ジエチルエーテル 又は これらの溶剤の混合物中で 、エステル分解させて、一般式Gで表わされる酸段階を生じさせる。カルボン酸 G を、第一 又は 第二 アミンの使用下 、脱水剤、 たとえば硫酸ナトリウム又は硫酸マグネシウム、酸化リン 又は 試薬、たとえば CDI、DCC (場合により ポリマー結合した)、TBTU、EDCI、PyBOP 又は PFPTFA の存在下、さらにHOAt 又は HOBt 及び 有機塩基、たとえば DIPEA 又は ピリジンの存在下で、有機溶剤、たとえばTHF、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、ジオキサン、DMF 又は アセトニトリル 中でアミド形成して、一般式Iで表わされる本発明の化合物に変換する。
【0102】
一般方法 Vにおいて、エステル誘導体 Cを、還元剤としての金属水素化物、たとえば LiAlH4、BH3 x DMS 又は NaBH4 の使用下、有機溶剤、たとえば THF 又は ジエチルエーテル中で、-20℃〜還流温度で還元反応させて直接スルホニル化された アミノアルコール Eに変換させる。
【0103】
一般方法 VI において、アミノ酸 Oをスルホニルクロライド、-ブロマイド 又は -ペンタフルオロフェノラートR3SO2X (X = Cl、Br、OPFP) を用いて、場合により、有機又は無機塩基、たとえば 水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ジエチルアミン 又はDBUの存在下、好ましくは溶剤 、たとえば 水、テトラヒドロフラン、エタノール、アセトニトリル 又は ジクロロメタン中でスルホニル化して、 スルホニル化されたアミノ酸 Gに変換する。
【0104】
カルボン酸 Gを、 方法 I 〜 IV に記載したようにアミド形成して、一般式Iで表わされる本発明の化合物に変換させる。
【0105】
ジアステレオマー及び/又は 対掌体の分離は、当業者に周知の方法にしたがって、たとえば 再結晶、クロマトグラフィー又は特に HPLC-クロマトグラフィー又は結晶化(場合によりキラル酸又は塩基を用いる)及び塩の分離又は キラル HPLC-クロマトグラフィー(Fogassy et al.、Optical resolution methods、Org. Biomol. Chem 2006, 4, 3011-3030)によって行われる。ジアステレオマーの分離にRP-HPLC (移動相アセトニトリル/水 又は メタノール/水)が特に好ましい。
【0106】
本発明の物質は、医薬中の医薬有効物質として適する。したがって本発明の対象は、置換されたスルホンアミド誘導体の少なくとも1種、並びに場合により適する添加物及び/又は助剤及び/又は場合によりその他の有効物質を含有する医薬である。
【0107】
B1R は特に痛みの発症で確認される。したがって、本発明の置換されたスルホンアミド誘導体を、痛み、特に急性痛、内臓痛、神経障害性痛又は慢性痛の治療用医薬の製造に使用することができる。
【0108】
したがって、本発明の別の対象は、本発明の置換されたスルホンアミド誘導体の痛み、特に急性痛、内臓痛、神経障害性痛、又は慢性痛の治療用医薬の製造への使用である。
【0109】
さらに、B1R-アンタゴニストは糖尿病、呼吸器系疾患、炎症性腸疾患、神経系疾患、皮膚炎症、リウマチ性疾患、敗血性ショック、再かん流症候群、肥満の治療に及び血管形成阻害薬として適する。
【0110】
したがって、本発明の更なる対象は、置換されたスルホンアミド誘導体の偏頭痛、糖尿病、呼吸器系疾患、炎症性腸疾患、神経系疾患、皮膚炎症、リウマチ性疾患、敗血性ショック、再かん流症候群、肥満の治療用医薬又は血管形成阻害薬の製造への使用である。
【0111】
その際上記の使用のうちの1つにおいて、使用される置換されたスルホンアミド誘導体が純粋なジアステレオマー 及び/又は対掌体として、ラセミ化合物として又はジアステレオマー 及び/又は対掌体の非等モル又は等モル混合物として存在する場合その使用は有利になりうる。
【0112】
本発明の更なる対象は、特に痛み、 特に慢性通の治療を必要とする、ヒトでない哺乳類 又は ヒトの上記適応症で、本発明の置換されたスルホンアミド誘導体又は 本発明の医薬の治療上有効な投薬量の投与によって治療する方法である。
【0113】
本発明の医薬は、少なくとも1種の本発明の置換されたスルホンアミド誘導体と共に、 場合により 適当な添加剤及び/又は助剤、たとえば担体材料、増量剤、溶剤、希釈剤、着色料及び/又は結合剤を含み、そして注射溶液、滴剤又は液剤の形にある液状医薬形として、顆粒、錠剤、ペレット、パッチ、カプセル、硬膏剤/スプレー又はエアゾールの形にある半固形医薬形として投与することができる。助剤の選択及びその使用される量は、その医薬が経口、パーオーラル(peroral)、腸管外、静脈内、腹腔内、経皮、筋肉内、鼻腔内、バッカル、直腸又は局所に、たとえば皮膚の、粘膜の及び眼の感染媒体に投与されねばならないかどうかに依存する。経口投与に、たとえば錠剤、糖衣錠、カプセル、顆粒、ペレット、滴剤、液剤及びシロップの形の製剤、非経口、外用及び吸入投与に、溶液、懸濁液、容易に再構成可能な乾燥調製物並びにスプレーの形の製剤が最適である。
【0114】
デポ剤中に、溶解された形で又は硬膏剤中に、場合により皮膚浸透を促進する剤の添加下で、存在する本発明の置換されたスルホンアミド誘導体は、適当な経皮投与剤として存在することができる。経口で又は経皮に使用可能な製剤は、本発明の置換されたスルホンアミド誘導体を徐放することもできる。原則的に、本発明の医薬に当業者に周知のその他の、更なる有効物質を添加することができる。
【0115】
患者に投与すべき有効物質量は、患者の体重、投与の種類、適応症及び疾患の重さの度合いに従う。通常、このような本発明の置換されたスピロ環状シクロヘキサン誘導体の少なくとも1種を0.005〜20 mg/kg、好ましくは0.05〜5 mg/kg投与する。
【0116】
医薬の好ましい形で、含まれる本発明の置換されたスルホンアミド誘導体は、純粋なジアステレオマー 及び(又は) 対掌体として、ラセミ化合物として又はジアステレオマー 及び(又は)対掌体の非等モル又は等モル混合物として存在する。
【0117】
本発明の別の対象は、本発明の置換されたスルホンアミド誘導体の痛み、特に急性痛、内臓痛、神経障害性痛、又は慢性痛の治療用医薬の製造への使用である。
【0118】
実施例:
本発明を次の例によって説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
【0119】
製造された化合物の収量は最適化されていない。
【0120】
すべての温度は未修正である。
【0121】
用語“エーテル”はジエチルエーテルを、“EE”は 酢酸エチルを、“DCM”はジクロロメタンを、“DMF”はジメチルホルムアミドを、“DME”はジメトキシエタンを、“DMSO”を ジメチルスルホキシドを、及び “THF”は テトラヒドロフランを示す。用語“当量”は 物質量当量(Stoff-mengen-aquivalente)、 “Smp.”は融点又は融解範囲、“Zers.” は「分解」を、“RT”は「室温」を、 “abs.”は「無水 (水不含)」を、“rac.”は「ラセミ性」を、 “konz.”は「濃縮された」を、 “Vol.%”は「容量パーセント」を、“m%”は質量パーセントを、及び“M”は濃度記載(mol/l)を示す。
【0122】
使用される化学物質 及び 溶剤は、通常の製造業者(ABCR、Acros、Acocado、Aldrich、ApolloScientific、Bachem、Bionet、Chempur、Fluka、Lancaster、Maybridge、Merck、Sigma、TCi, Fulcrum Scientific, Array Biopharma, Asinex, ChemDiv 等々)から市場で入手される。
【0123】
カラムクロマトグラフィーの固定相として、シリカゲル(シリカゲル 60)(0.040〜0.063mm)(E.メルク社、ダルムシュタット)を使用した。
【0124】
薄層クロマトグラフィー試験は、HPTLC−既製プレート(HPTLC−既成プレート、シリカゲル 60 F 254、E.メルク社、ダルムシュタット)を用いて実施した。
【0125】
クロマトグラフィー試験のための溶剤又は展開剤の混合比は常に容量/容量で表示した。
【0126】
分析はHPLC-MSによって行われ、前駆体をNMRによって確認する。
【0127】
酸基体の製造
酸基体の例、表
【0128】
【表2】











基体71、72、84、87の合成のために、それぞれの方法でブロモプロピオン酸-tert.-ブチルエステルを使用する。
【0129】
アミノアルコールから出発するスルホニル化された酸基体の一般的製造 (方法 1)
【0130】
【化25】

【0131】
1. CH2Cl2 (200 ml)中にアミノアルコール(35 mmol)を有する溶液に、Et3N (80 mmol) を添加し、氷浴の使用下0℃に冷却する。ついでスルホニルクロライド (32 mmol) を添加し、3 時間、RTで攪拌する。0.5 M HCl (100 ml)の添加後、有機相を分離し、水洗し、Na2SO4 を介して乾燥させ、濾過して、溶剤を減圧で除去する。 粗生成物を、更に精製することなく次の工程で使用する。
2. トルエン (125 ml)中に工程 1からの生成物 (30 mmol)を有する溶液に n-Bu4NCl (10 mmol)を添加し、0℃に冷却し、 gab 先ず35%NaOH水溶液 (150 ml)を、ついでトルエン (25)中にのブロモ酢酸-tert.-ブチルエステル (45 mmol)を滴加する。反応混合物を3時間攪拌し、ついで 水で中性になるまで洗浄し、Na2SO4 で乾燥させ、有機溶剤を減圧で除去する。粗生成物を、更に精製することなく次の工程で使用するか又はカラムクロマトグラフィーによって精製する。
【0132】
アミノ酸から出発するスルホニル化された酸基体の一般的製造(方法 2)
【0133】
【化26】

【0134】
1. THF (150 ml)中にアミノ酸 (100 mmol)を有する懸濁液に、攪拌下に連続的に及び-10℃〜 RTの温度で、 LiAlH4 (100 ml、1.0 M in ジエチルエーテル)を不活性ガス雰囲気下で添加する。反応混合物を 16 時間 攪拌し、 その際RTにまで加温する。ついで再度 0℃に冷却し、攪拌下に 酢酸エチル (20 ml)、水 (8 ml)、15% NaOH水溶液 (8 ml) 及び 水 (20 ml) を添加する。濾過後、残留物をジエチルエーテルで洗浄する。 一緒にされた有機相の溶剤を 減圧下に除去し、生成物を更なる後処理することなく 次の工程で使用する。
【0135】
2. CH2Cl2 (200 ml) 中にアミノアルコール (100 mmol)を有する溶液に、Et3N (125 mmol)を添加し、 氷浴の使用下 0℃ に冷却する。 ついで それぞれのスルホニルクロライド (50 mmol) を希釈せずに又は CH2Cl2(100 ml)中の溶液として添加し、3時間RTで攪拌する。0.5 M 塩酸 (100 ml)の添加後、有機相を分離し、水洗し、Na2SO4 を介して乾燥させ、濾過して、溶剤を減圧で除去する。粗生成物を、更に精製することなく次の工程で使用するか又はカラムクロマトグラフィーによって精製する。
【0136】
3. トルエン(200 ml)中に工程 2からの生成物 (31 mmol)を有する溶液に、n-Bu4NCl (10 mmol)を添加し、0℃に冷却し、先ず35%NaOH水溶液 (200 ml)を、ついでブロモ酢酸-tert.-ブチルエステル (46 mmol) を滴加する。反応混合物を 3時間攪拌し、ついで 水で中性になるまで洗浄し、Na2SO4 で乾燥させ、有機溶剤を減圧で除去する。粗生成物を、更に精製することなく次の工程で使用するか又はカラムクロマトグラフィーによって精製する。
【0137】
アミノアルコールから出発するスルホニル化された酸基体の一般的製造(方法 3)
【0138】
【化27】

【0139】
1. CH2Cl2 (200 ml) 中にアミノアルコール (35 mmol)を有する溶液に、Et3N (80 mmol)を添加し、氷浴の使用下0℃に冷却する。ついでスルホニルクロライド (32 mmol)を添加し、3時間 RTで攪拌する。0.5 M HCl (100 ml) の添加後、有機相を分離し、水洗し、Na2SO4 を介して乾燥させ、濾過して、 溶剤 を減圧で除去する。 粗生成物を更に精製することなく使用する。
【0140】
2. アセトン(200 ml) 中に 工程 1からの生成物 (26 mmol) 及び アルキルハロゲニド(50 mmol) を有する溶液に、固形 K2CO3(50 mmol)を添加し、 反応混合物を 一晩 40℃で攪拌する。 濾過及び溶剤の除去後、生成物が得られ、、更に精製することなく使用するか又はクロマトグラフィーを介して精製する。
【0141】
3. トルエン (125 ml)中に工程 2の生成物 (30 mmol) を有する溶液に、n-Bu4NCl (10 mmol)を添加し、0℃に冷却し、先ず 35%NaOH水溶液(150 ml) 、ついでトルエン (25)中にブロモ酢酸-tert.-ブチルエステル (45 mmol)を滴加する。反応混合物を3時間攪拌し、ついで 水で中性になるまで洗浄し、Na2SO4 で乾燥させ、有機溶剤を減圧で除去する。粗生成物を、更に精製することなく次の工程で使用するか又はカラムクロマトグラフィーによって精製する。
【0142】
酸基体の例 58の製造 (方法 4)
【0143】
【化28】

【0144】
・ メタノール(500 ml)を有するアミノ酸(153 mmol)を有する溶液を0℃に冷却し、チオニルクロライド (168 mmol、12 ml)を滴加する。RTに加温後、 反応溶液を40℃で一晩 加熱する。溶剤の蒸留後、 粗生成物が得られ、これを更なる後処理なしに次の工程で使用される。
【0145】
・ CH2Cl2 (400 ml) 中に 工程1からのメチルエステル (152 mmol) を有する溶液に、ピリジン (459 mmol) 及び CH2Cl2(100 ml)中にスルホニルクロライド (153 mmol)を有する溶液を添加する。反応溶液を一晩RTで攪拌する。溶液を少量の CH2Cl2で希釈し、 連続的に0.5 M KHSO4、飽和NaHCO3水溶液、ついで飽和NaCl水溶液で洗浄する。分離された有機相を Na2SO4を介して乾燥させ、溶剤を減圧で除去し、 粗生成物 をカラムクロマトグラフィーによって精製する。
【0146】
・ メタノール/ジオキサン/4 M NaOH混合物 (比率15/4/1 (1020 ml、203 mmol NaOH、1.5 当量)中に工程2からの生成物 (136 mmol)を有する溶液に、攪拌下に 4 M NaOH (153 ml、610 mmol、4.5 当量) を添加し、一晩RTで攪拌する。 溶剤を減圧で除去する。残留物を酢酸エチルを用いて溶解させ、0.5 M KHSO4 で洗浄する。有機相を 飽和NaCl水溶液で洗浄し、分離された有機相を濾過後、Na2SO4 で乾燥させる。 減圧での溶剤の除去及びジエチルエーテルでの洗浄後、精製された、工程3からの生成物が得られる。
【0147】
・ THF (250 ml)中に工程3からの生成物 (31 mmol)を有する溶液に、0 ℃で 攪拌下に BH3x DMS (THF 中に2.0 M、31,2 ml、63 mmol)を徐々に滴加する。 RTで30分間攪拌後、溶液を一晩徐々にRTにまで加温する。ついでメタノールをガスがもはや遊離しなくなるまで徐々に添加し、溶剤を減圧下に減少させる。粗生成物をシリカを介して濾過して、CH2Cl2/メタノール(比率 9/1)で洗浄する。
【0148】
5. トルエン(175 ml)中に工程 4 からの生成物(31 mmol)を有する溶液に、n-Bu4NCl (10 mmol、2.9g)を添加し、0℃に冷却し、先ず 35%NaOH水溶液 (200 ml)を添加し、ついでブロモ酢酸-tert.-ブチルエステル (48 mmol、7 ml)を滴加する。 反応混合物を3時間攪拌し、ついで水で中性になるまで洗浄し、Na2SO4 で乾燥っせ、有機溶剤を減圧で除去する。粗生成物を、更に精製することなく次の工程で使用する。
【0149】
6. 工程 5からの生成物 (30 mmol)を、MeOH/ジオキサン/4 M NaOH (比率15/4/1 (236 ml、47 mmol NaOH) )からなる混合物に溶解させ、別のNaOH (4 M、35 ml、141 mmol) を添加し、一晩 RTで 攪拌する。溶剤を減圧で減少させ、残留物を 酢酸エチル で希釈し、0.5 M KHSO4 で洗浄する。有機相を分離し、飽和NaCl水溶液で洗浄し、Na2SO4 で乾燥させる 濾過後、 溶剤を減圧で除去する。粗生成物 を、ジエチルエーテル 及び CH2Cl2共に共蒸発させて精製する。
【0150】
酸基体 56の製造 (方法 5)
【0151】
【化29】

【0152】
・ CH2Cl2 (300 ml)中にアミノアルコール(70.5 mmol)を有する溶液に、攪拌下に Et3N (176 mmol)を添加する。 0℃に冷却後、CH2Cl2(100ml)で希釈されたスルホニルクロライド (70.5 mmol)を徐々に滴加し、 3時間 RTで 攪拌する。HCl (0.5M、140 ml)の添加後、有機相を分離し、水洗し、Na2SO4 を介して乾燥させ、濾過し、溶剤を減圧で除去する。
【0153】
・ THF (75 ml) 中にNaH (鉱油中で60%懸濁液、 88 mmol) を有する懸濁液に、0℃で THF (200 ml)中に工程 1 (58.6 mmol)を有する溶液を滴加する。 ついで 反応混合物をRTまで加温し、1.5 時間 還流下に加熱する。 RTに冷却後、ブロモ酢酸-tert.-ブチルエステル (12.8 ml、88 mmol)を滴加する。 一晩RTで攪拌後、 反応混合物にNH4Cl/水 (1/1、200 ml)を添加し、酢酸エチル (500 ml)で抽出する。有機相をNa2SO4で乾燥させ、ついで濾過した後、溶剤を減圧下に除去し、 生成物をカラムクロマトグラフィーを介して精製する。
【0154】
・ MeOH (85 ml) 及び ジオキサン (85 ml) に溶解された工程 2 (40.8 mmol)を有する溶液に、NaOH水溶液 (6 M、170 ml、1.02 mol)を添加し、一晩RTで攪拌する。 0℃に冷却後、 HCl (6 M、190 ml) を徐々に添加する。反応混合物をついで CH2Cl2(2 x 200 ml)で抽出し、一緒にされた 有機相を Na2SO4を介して乾燥させ、濾過して、溶剤を減圧で除去する。残留物に ジイソプロピルエーテル を添加し、濾過して、ジエチルエーテルで洗浄する。
【0155】
酸基体 57の製造 (方法 6)
【0156】
【化30】

【0157】
・ CH2Cl2 (200 ml) 中にメチル 3-アミノチオフェン-2-カルボキシレート (70 mmol) を有する溶液に、ピリジン (105 mmol、1.5 当量) を、 ついでCH2Cl2(150 ml) 中にスルホニルクロライド (105 mmol)を有する溶液を0℃で滴加する。一晩RTで攪拌後、 反応混合物にCH2Cl2(150 ml) で希釈し、 連続的に0.5 M KHSO4 (500 ml)、 飽和 NaHCO3水溶液(500 ml)、ついで 飽和NaCl水溶液(500 ml) で洗浄する。分離された有機相をNa2SO4を介して乾燥させ、 濾過する。減圧下に溶剤の除去後、残留物をメタノール中で再結晶させる。
【0158】
・ アセトン (350 ml) 及び K2CO3(106 mmol) 中に工程 1のスルホンアミド (53 mmol)を有する溶液に、アルキルハロゲニド (69 mmol)を添加し、 懸濁液を 40℃で一晩攪拌する。反応混合物を濾過して、ろ液の溶剤を減圧で除去する。残留物を メタノールからの再結晶によって精製する。
【0159】
・ MeOH/ジオキサン/4 M NaOH (15/4/1) (165 ml、33 mmol NaOH、1.5 当量) 中に工程 2からのメチルエステル (22 mmol) を有する溶液に、攪拌下に 4 M NaOH (25 ml、100 mmol、4.5 当量)を添加し、反応混合物を RTで 一晩攪拌する。溶剤を減圧下で除去し、残留物を酢酸エチル (800 ml) に取る。0.5 M KHSO4 (800 ml) で洗浄後、分離された水性相を酢酸エチル (2 x 200 ml) で洗浄する。一緒にされた有機 相を飽和NaCl水溶液(800 ml)で抽出し、Na2SO4 で乾燥させる 濾過後、溶剤を減圧下に除去し、 生成物を更なる後処理することなく次の工程で使用する。
【0160】
・ THF (150 ml)中に酸工程 3 (23.5 mmol)を有する溶液に、攪拌下に 徐々に BH3 x DMS (2 M、15 ml、30.6 mmol、1.3 当量)を RTで添加する。反応溶液を5 時間 還流下に加熱する。RTに冷却後、徐々に メタノール をガスの発生がもはや生じなくなるまで添加する。溶剤を減圧下で十分に除去し、残留物をシリカを介して濾過して、 生成物を更なる後処理なしに次の工程で使用する。
【0161】
・ CH2Cl2 (90 ml)中に工程 4からの生成物 (22 mmol)を有する溶液に、 n-Bu4NCl (7.35 mmol)を添加し、0℃に冷却し、先ず 35%NaOH水溶液(90 ml)を添加し、 ついでブロモ酢酸-tert.-ブチルエステル (33.4 mmol)を滴加する。反応混合物を 3時間攪拌し、ついでCH2Cl2 (500 ml)を添加し、水 (3 x 500 ml)で抽出する。分離及び有機相のNa2SO4 での乾燥後、溶剤を減圧下に除去し、 ジイソプロピルエーテルと共に共蒸発させる。粗生成物にヘプタンを 添加し、濾過して、更に精製することなく次の工程で使用する。
【0162】
・ 工程 5からの生成物 (21 mmol)を、MeOH/ジオキサン/4 M NaOH (割合 15/4/1 (160 ml、32 mmol NaOH))からなる混合物に溶解させ、別の NaOH (4 M、35 ml、96 mmol)を添加し、3 時間RTで攪拌する。溶剤を減圧で減少させ、 残留物を酢酸エチル (800 ml) で希釈し、0.5 M KHSO4 (800 ml) で洗浄する。水性相を 酢酸エチル (200 ml)で抽出する。一緒にされた有機相を分離し、飽和NaCl水溶液(800 ml)で洗浄し、 Na2SO4で乾燥させる。 濾過後、 溶剤を減圧で除去する。粗生成物をCH2Cl2 と共に共蒸発させて精製する。
【0163】
方法 7
1. アセトン (350 ml)中にアミノアルコール (74 mmol) を有する溶液又は懸濁液に、RTで K2CO3 (148 mmol) 及びスルホニルクロライド (82 mmol) を添加し、40 - 50℃で 一晩攪拌する。反応混合物をRT に冷却し、濾過する。ろ液の溶剤をついで減圧で除去する。粗生成物を、更なる後処理なしに次の工程で使用する。
【0164】
2. トルエン (200 ml) 中に工程 1からの生成物 (31 mmol)を有する溶液に、n-Bu4NCl (10 mmol)を添加し、0℃に冷却し、 先ず 35%NaOH水溶液 (200 ml) 、ついでブロモ酢酸-tert.-ブチルエステル (46 mmol)を滴加する。 反応混合物を3時間攪拌し、ついで 水で中性になるまで洗浄し、Na2SO4 で乾燥させ、濾過して、 有機溶剤を減圧で除去する。粗生成物を、更に精製することなく次の工程で使用するか、又は カラムクロマトグラフィーによって精製する。
【0165】
【化31】

【0166】
2-((1-(2,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニルスルホニル)ピペリジン-2-イル)メトキシ)-酢酸 69の製造
【0167】
1. CH2Cl2 (150 ml)中に DL-ピペリジン-2-カルボン酸エチルエステル (38 mmol)を有する懸濁液に、Et3N (95 mmol)を添加する。溶液を 0℃に冷却し、スルホニルクロライド (42 mmol)をCH2Cl2(30 ml) の溶液の形で徐々に 滴加し、 2 時間RTで攪拌する。 有機相を1 M HCl (250 ml) 及び H2O (250 ml)で抽出する。分離された有機相をNa2SO4 を介して乾燥させる。溶剤を減圧で除去する。残留物に i-プロピルエーテル と共に共蒸発させ、 生成物を、更なる後処理なしに次の工程で使用する。
【0168】
2. メタノール/ジオキサン/4 M NaOH (15/4/1) (57 mmol NaOH) からなる溶剤混合物中にエステル (38 mmol)を有する溶液に、攪拌下に RTで 4 M NaOH (113 mmol) を添加し、 2 時間攪拌する。 有機溶剤を減圧下に除去し、残留物を酢酸エチル (300 ml) で希釈し、1 M KHSO4 (300 ml)で抽出する。 有機相を飽和NaCl水溶液(200 ml) で洗浄する。分離された有機相をNa2SO4を介して乾燥させ、濾過し、 溶剤を減圧下に除去する。生成物を更なる後処理することなく 次の工程で使用する。
【0169】
3. THF (135 ml)中にカルボン酸 (27 mmol)を有する溶液に、攪拌下に 徐々に
0℃で THF (82 mmol)中の2 M BH3 x DMSを添加する。30分間さらに冷却後、 RTで一晩攪拌する。溶剤の除去後、 粗生成物が得られ、これを更に後処理することなく次の工程で使用する。
【0170】
4. トルエン (100 ml)中にブロモ酢酸 -tert.-ブチルエステル (40 mmol) を有する溶液に、n-Bu4NCl (8.8 mmol)を添加する。反応混合物を0℃ に冷却し、 35%NaOH水溶液 (150 ml) 、ついでトルエン (50 ml)に溶解されたアルコール (27 mmol)を滴加する。1.5 時間 RTで攪拌後、有機相を分離し、水 (4 x 150 ml) 及び飽和NaCl水溶液(150 ml)で抽出する。分離された有機相をNa2SO4を介して乾燥させ、濾過し、 ついで溶剤を減圧で除去する。粗生成物を カラムクロマトグラフィーを介して精製する。
【0171】
5. tert-ブチルエステル (16 mmol) を一晩 RTでジオキサン (70 ml、27 mmol)中の 4 M HCl中で RTで攪拌する。溶剤の除去後、粗生成物をカラムクロマトグラフィーを介して精製する。
【0172】
2-((1-(2,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニルスルホニル)ピロリジン-2-イル)メトキシ)-酢酸 76の製造
【0173】
1. CH2Cl2 (180 ml) 中に DL-ピロリジン-2-カルボン酸メチルエステル 塩酸塩 (36 mmol)を有する懸濁液に、Et3N (181 mmol)を添加する。溶液を 0°C に冷却し、CH2Cl2(30 ml)中にスルホニルクロライド (40 mmol) を有する溶液を徐々に 滴加し、 2 時間RTで攪拌する。 有機相を1 M HCl (250 ml)、H2O (250 ml)で抽出する。 分離された有機相をNa2SO4を介して乾燥させる。 溶剤を減圧で除去する。残留物に i-プロピルエーテル と共に共蒸発させ、 生成物を、更なる後処理なしに次の工程で使用する。
【0174】
2. メタノール/ジオキサン/4 M NaOH (15/4/1) (54 mmol NaOH)からなる溶剤混合物中にエステル (36 mmol)を有する溶液に、攪拌下に RTで 4 M NaOH (108 mmol) を添加し、2 時間攪拌する。有機溶剤を減圧下に除去し、残留物を酢酸エチル (300 ml) で希釈し、1 M KHSO4 (300 ml)で抽出する。 有機相を飽和NaCl水溶液(200 ml) で洗浄する。分離された有機相をNa2SO4を介して乾燥させ、 濾過し、 溶剤を減圧下に除去する。生成物を更なる後処理することなく 次の工程で使用する。
【0175】
3. THF (140 ml) 中にカルボン酸 (28 mmol) を有する溶液に、攪拌下に 徐々に0℃で THF (86 mmol)中の2 M BH3 x DMSを添加する。 30分間さらに冷却後、 RTで一晩攪拌する。溶剤の除去後、 粗生成物が得られ、これを更に後処理することなく次の工程で使用する。
【0176】
4. トルエン (100 ml)中にブロモ酢酸-tert.-ブチルエステル (42 mmol) を有する溶液に、n-Bu4NCl (9 mmol)を添加する。反応混合物を0℃ に冷却し、 35%NaOH水溶液 (150 ml) 、ついでトルエン (50 ml)に溶解されたアルコール(28 mmol)を滴加する。1.5 時間 RTで攪拌後、有機相を分離し、 水 (4 x 150 ml) 及び飽和NaCl水溶液(150 ml)で抽出する。分離された有機相をNa2SO4 を介して乾燥させ、濾過し、 溶剤を減圧で除去する。粗生成物を カラムクロマトグラフィーを介して精製する。
【0177】
5. tert-ブチルエステル (16 mmol)を一晩 RTでジオキサン (70 ml、27 mmol)中の4 M HCl 中で RTで攪拌する。溶剤の除去後、粗生成物を カラムクロマトグラフィーを介して精製する。
【0178】
2-(2-(N-(シクロプロピルメチル)-4-メトキシ-2,3,6-トリメチルフェニルスルホンアミド)エトキシ)-酢酸 78の製造
【0179】
【化32】

【0180】
1. CH2Cl2(200 ml) 中にアミノエタノール (8.01 ml、133 mmol)を有する溶液に、 Et3N (42.4 ml、302 mmol) を添加し、溶液を0℃に冷却する。CH2Cl2(200 ml)中にスルホニルクロライド (30.0 g、121 mmol)を有する溶液を滴加する。ついで反応混合物を 一晩 RTで攪拌する。1 M HCl (125 ml)の添加後、有機相を分離し、水洗し、Na2SO4 を介して乾燥させる。 濾過後、溶剤 を減圧で除去する。
【0181】
2. NaH (鉱油中に60% 分散液、1.69 g、42.2 mmol)を、THF (100 ml)中にスルホンアミド (11.0 g、38.69 mmol) を有する溶液 に滴加する。15 分間の攪拌後、THF (50 ml) 中にアルキルハロゲニド(10.87 g、80.5 mmol)を有する溶液を滴加し、 反応混合物を 一晩還流下に加熱する。RTに冷却後、更にNaH (鉱油中に60% 分散液、0.34 g、8.5 mmol) 及び アルキルハロゲニド(4.09 g、30.3 mmol)を添加し、 還流下に一晩加熱する。RTに冷却後、 飽和NH4Cl水溶液を添加する。水性相を分離し、酢酸エチル (100 ml)で抽出し、一緒にされた 有機 相をNa2SO4 を介して乾燥させる。 濾過及び減圧下で溶剤の除去後、 生成物を カラムクロマトグラフィーを介して(シリカ、ヘプタン/酢酸エチル 3:1) 精製する。 収量: 8.88 g、70%。
【0182】
3. トルエン (100 ml) 及び CH2Cl2(100 ml)中にアルキル化されたスルホンアミド (8.88 g、27.1 mmol)を有する溶液に、n-Bu4NCl (2.51 g、9.04 mmol)を添加する。0℃に冷却後、 35%NaOH水溶液 (175 ml) 、ついで ブロモ酢酸-tert.-ブチルエステル(5.93 ml、40.7 mmol)を滴加する。反応混合物を3 時間RTで攪拌する。分離された有機相をH2O (3 ´ 150 ml)で洗浄し、Na2SO4 を介して乾燥させ、 濾過後、減圧で除去する。生成物を カラムクロマトグラフィーを介して(シリカ、ヘプタン/酢酸エチル 4:1) 精製する。 収量: 11.33 g、95%。
【0183】
4. THF (100 ml) 及び MeOH (100 ml) 中に tert.-ブチルエステル (11.30 g、25.6 mmol) を有する溶液に、6 M NaOH (100 ml、600 mmol)を添加し、反応混合物を1時間RTで攪拌する。ついで 有機相を減圧下に除去し、6 M HCl (125 ml)を0℃で添加する。水性相を 酢酸エチル (2 x 100 ml)で抽出し、一緒にされた 有機 相を Na2SO4を介して乾燥させる。濾過及び溶剤の除去後、 生成物を それぞれ2回トルエン、CH2Cl2 及び Et2O と共に共蒸発させる。収量: 9.52 g、97%
2-(2-(N-イソブチル-4-メトキシ-2,3,6-トリメチルフェニルスルホンアミド)エトキシ)-酢酸 79の製造
【0184】
【化33】

【0185】
2. アセトニトリル (400 ml) 中にスルホンアミド (11.0 g、38.69 mmol)を有する溶液に、連続的にK2CO3(11.11 g、80.4 mmol) 及び アルキルハロゲニド (43.7 ml、402 mmol)を添加し、 及び 一晩 還流下に加熱する。ついで更なるアルキルハロゲニド (9 ml、201 mmol)添加し、一晩還流下に加熱する。RTに冷却後、セライトを介して 濾過して、溶剤を減圧で除去する。生成物を カラムクロマトグラフィーを介して精製する (シリカ、ヘプタン/酢酸エチル 2:1)。収量: 8.30 g、63%。
【0186】
2-(2-(N-イソブチル-4-メトキシ-2,3,6-トリメチルフェニルスルホンアミド)エトキシ)-酢酸 79の製造のための工程1、3 及び 4 を、基体78の製造に対するのと同様に行う。
【0187】
2-((1-(2,4,6-トリクロロフェニルスルホニル)ピロリジン-3-イル)メトキシ)-酢酸 80の製造
【0188】
【化34】

【0189】
1. SOCl2 (8.70 ml、119 mmol) を、メタノール (450 ml)に 0℃で添加する。 ついで β-プロリン 塩酸塩(9.03 g、59.6 mmol)を滴加し、反応混合物を40℃で 一晩 加熱する。溶剤を除去し、 生成物を、更なる後処理なしに次の工程で使用する。
【0190】
2. CH2Cl2(250 ml) 中に塩酸塩としてのアミノエステル(11.5 g、59.6 mmol)を有する溶液に、Et3N (41.9 ml、298 mmol)を添加する。 0℃に冷却後、CH2Cl2 (200 ml)中のスルホニルハロゲニド (16.7 g、59.6 mmol)を滴加する。反応混合物を 1 時間RTで攪拌し、 1 M HCl (200 ml)を添加する。分離された有機相をH2O で洗浄し、Na2SO4 を介して乾燥させる。濾過及び溶剤の除去後、 生成物を カラムクロマトグラフィーを介して(シリカ、ヘプタン/酢酸エチル 3:1) 精製する。収量: 21.50 g、97%。
【0191】
3. THF (250 ml) 中にLiAlH4(85 ml、1.0 M in THF、85 mmol)を有する懸濁液に、 -20℃で、THF (100 ml)に溶解されたスルホニル化された アミノエステル(21.07 g、56.5 mmol)を滴加する。反応混合物を 1 時間、 -20℃で攪拌し、H2O (30 ml)を添加し、RTにまで加温する。1 M HCl (200 ml) 及び 酢酸エチル(300 ml)の添加後、 有機相を分離し、飽和NaCl水溶液 で洗浄し、Na2SO4を介して乾燥させる。濾過及び溶剤の除去後、 生成物が得られ、これを更なる後処理なしに次の工程で使用する。
【0192】
4. トルエン (200 ml) 中にアルコール (23.0 g、56.5 mmol)を有する溶液に、 n-Bu4NCl (5.23 g、18.8 mmol)を添加する。0℃に冷却後、 35%NaOH水溶液 (250 ml) 及び ブロモ酢酸-tert.-ブチルエステル (12.4 ml、84.8 mmol)を添加する。反応混合物を3 時間RTで攪拌する。有機相を分離し、H2O (3 ´ 150 ml) で洗浄する。Na2SO4を介して乾燥させ、ろ過した後、溶剤を減圧で除去する。生成物をカラムクロマトグラフィーを介して(シリカ、ヘプタン/酢酸エチル 9:1 - 7:1) 精製する。 収量: 13.4 g、52%。
【0193】
5. エステル分解 及び2-((1-(2,4,6-トリクロロフェニルスルホニル)ピロリジン-3-イル)メトキシ)-酢酸 80の製造をバリアント Aにしたがって行う。
【0194】
2-((1-(3,4-ジクロロフェニルスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-2-イル)メトキシ)酢酸 88の製造
【0195】
【化35】

【0196】
1. THF (5 ml/mol) 中の1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-2-カルボン酸エチルエステル (25 mmol) を 0℃で 、THF (50 ml)中にLAH (2 当量)を有する懸濁液に滴加する。反応混合物を1 時間RTで攪拌し、ついで 4 時間 還流下に加熱する。飽和 Na2SO4水溶液の添加後、濾過して、 有機溶剤を減圧で除去する。生成物をカラムクロマトグラフィーを介して精製する (3:7 酢酸エチル/ヘキサン)。収率: 50 %。
【0197】
2. CH2Cl2(5 ml/mmol) 中に アルコール (16 mmol) を有する、0℃に冷却された懸濁液に、CH2Cl2(50 ml)中に溶解されたピリジン (5 当量)、DMAP (0.5 当量) 及び3,4-ジクロロベンゼンスルホニルクロライド (1.2 当量)を添加する。0℃で 5 時間攪拌後、CH2Cl2 を添加し、硫酸銅水溶液、水 及び 飽和 NaCl-溶液で洗浄する。硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、濾過した後、 溶剤を減圧で除去する。生成物をカラムクロマトグラフィーを介して精製する (5:95 酢酸エチル/CH2Cl2)。収率: 80 %。
【0198】
3. THF (300 ml)中にNaH (2 当量) を有する0℃に冷却された懸濁液に、攪拌下に THF (100 ml)に溶解されたスルホンアミド (16 mmol)の溶液を滴加する。この温度で45分間攪拌後、THF (50 ml)中にブロモ酢酸-tert.-ブチルエステル(1.5 当量)を添加する。反応混合物を20 時間 50℃に 加熱する。ついで 0℃に冷却し、氷を添加し、 酢酸エチルで抽出する。有機相を飽和NaCl水溶液 で洗浄し、Na2SO4を介して乾燥させる。濾過後、溶剤を減圧で除去する。生成物をカラムクロマトグラフィーを介して精製する (1:9 酢酸エチル/ヘキサン)。 収率: 50 %。
【0199】
4. CH2Cl2 (10 ml/mmol)中にtert-ブチルエステル (1 当量)を有する溶液に、攪拌下に TFA (13 当量)を 0℃の温度で添加する。3 時間0℃で攪拌後、溶剤を減圧で除去する。粗生成物を、更なる後処理なしに使用する。
【0200】
3-(2-(3,4-ジクロロ-N-メチルフェニルスルホンアミド)フェニル)-プロピオン酸 89の製造
【0201】
【化36】

【0202】
1. MeOH (1000 ml) 中に 3-(2-ニトロフェニル)アクリル酸 (49.7 g、257.3 mmol) を有する溶液に、H2SO4(27.4 ml、514.6 mmol)を添加し、反応混合物を還流下加熱する。RTに冷却後、溶剤を減圧下に除去し、残留物をCH2Cl2(750 ml)に溶解させる。有機相を飽和 NaHCO3水溶液(500 ml)、ついで 飽和NaCl水溶液(500 ml)で抽出する。 Na2SO4を介して乾燥させ、 溶剤の除去の後、生成物が得られ、これを更なる後処理なしに次の工程で使用する。
【0203】
2. エステル (50.3 g、242.8 mmol)をN2 下に HOAc (500 ml)中で攪拌し、0℃ に冷却し、 鉄粉末 (54.2 g、971 mmol)を滴加する。 ついで 3 時間RTで攪拌する。 溶剤を減圧下に除去し、 残留物を酢酸エチル (750 ml) に取り、 飽和NaHCO3水溶液で中性になるまで洗浄する。有機相を飽和NaCl水溶液(500 ml) で洗浄し、 Na2SO4を介して乾燥させる。溶剤の除去後、生成物が得られ、これを更なる後処理なしに次の工程で使用する。 収率: 42.7 g、99%。
【0204】
3. CH2Cl2(550 ml) 中にアニリンエステル (38.6 g、217.8 mmol) を有する溶液に、ピリジン (53.2 ml、653.3 mmol)を、ついで CH2Cl2(200 ml) 中にスルホニルクロライド (80.2 g、326.7 mmol)を有する溶液を添加し、反応混合物を RTで 一晩攪拌する。溶液に CH2Cl2 (200 ml)を添加し、0.5 M KHSO4溶液(500 ml)、飽和 NaHCO3水溶液(500 ml)、ついで 飽和NaCl水溶液(500 ml) で洗浄する。Na2SO4 を介して乾燥させた後、溶剤 を減圧で除去する。酢酸エチルの添加後、固体を濾過して、 少量の酢酸エチルで洗浄する。更なる後処理をカラムクロマトグラフィーを介して(シリカ、CH2Cl2 : CH2Cl2/MeOH 98:2)行う。収量: 21.7 g、26%。
【0205】
4. スルホンアミド(21.4 g、55.4 mmol) 及び MeI (17.2 ml、277.0 mmol) をアセトン (350 ml) に溶解させ、 K2CO3(15.3 g、110.8 mmol)を添加し、反応混合物を 一晩 40℃で 攪拌する。 濾過後、 ろ液を濃縮し、 再度シリカを介してろ過する。CH2Cl2 の添加及び 溶剤の除去の後 、生成物が得られる 収量21.3 g、96%。
【0206】
5. THF (350 ml)に溶解されたメチルエステル (21.3 g、53.2 mmol) をオートクレーブ中で 触媒量のPtO2(480 mg、2.1 mmol)を用いて 90 分間30℃で水素化する (H2,1 バール)。RTに冷却後、懸濁液をセライトを介して濾過して、酢酸エチルで洗浄する。ろ液の溶剤を減圧で除去する。生成物を、更なる後処理なしに次の工程で使用する。 収量: 20.4 g、95%。
【0207】
6. MeOH/ジオキサン/4 M NaOH (15/4/1) (380 ml、75.7 mmol NaOH、1.5 当量)中にメチルエステル (20.3 g、50.5 mmol)を有する溶液に、 4 M NaOH (57 ml、227 mmol、4.5 当量)添加し、溶液を2 時間 RTで攪拌する。溶剤の除去後、残留物を酢酸エチル (500 ml)に溶解させ、 飽和 1 M KHSO4水溶液(500 ml) で洗浄する。水性相を 酢酸エチル (2 x 250 ml)で抽出し、一緒にされた 有機 相を飽和NaCl水溶液(500 ml) で洗浄し、Na2SO4 を介して乾燥させる。。濾過及び溶剤の除去後、 生成物が得られ、これを更なる後処理なしに使用する。収量: 18.3 g、93%。
【0208】
3-(1-(3-(トリフルオロメチル)フェニルスルホニル)ピペリジン-2-イル)-プロピオン酸 90の製造
【0209】
【化37】

【0210】
1. CH2Cl2 (150 ml) 中にアミノメチルエステル 塩酸塩 (9.11 g、43.9 mmol) 及び 3-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニルクロライド (10.73 g、43.9 mmol)を有する溶液に、0℃で CH2Cl2(150 ml)中にEt3N (15.4 ml、110 mmol) を有する溶液を添加し、1 時間0℃で、2 時間 RTで攪拌する。反応混合物を1 M HCl (300 ml) で洗浄し、分離された有機相Na2SO4 で乾燥させる。 濾過後、溶剤を減圧下に除去し、生成物をカラムクロマトグラフィーを介して(シリカ、ヘプタン/酢酸エチル、4:1) 精製する。 収量: 13.76 g、83%。
【0211】
2. THF (110 ml) 及び MeOH (110 ml) 中にエステル(13.76 g、36.3 mmol)を有する溶液に、 6 M NaOH (110 ml)を添加し、1 時間攪拌する。溶剤の除去後、 再度 6 M HCl (115 ml)を 0℃で添加する。 酢酸エチル(500 ml)で抽出し、Na2SO4を介して乾燥させた後、溶剤を減圧下に除去し、残留物を3回 i-Pr2Oと共に共蒸発させる。収量: 13.25 g、100%。
【0212】
3-(1-(4-クロロ-2,5-ジメチルフェニルスルホニル)ピペリジン-2-イル)-プロピオン酸 91の製造
【0213】
【化38】

【0214】
1. メタノール(750 ml) 中に3-(2-ピリジル)アクリル酸 (23,88g、160 mmol) を有する溶液に、H2SO4(12,8 ml、240 mmol)を添加する。反応混合物を 一晩還流下に加熱し、室温に冷却後、飽和NaHCO3水溶液(1000 ml)中に注ぐ。メタノール を 反応蒸発器で 除去し、水性相を2回 酢酸エチル (400 ml)で抽出する。有機相を飽和NaCl水溶液(500 ml)で洗浄し、 Na2SO4を介して乾燥させ、 ついで濃縮する。粗生成物を更なる後処理することなく 次の工程で使用する。収量: 22,19g、85%。
【0215】
2. メチル3-(ピリジン-2-イル)アクリレート (22,15g、136 mmol) をTHF (300 ml) 及び クロロホルム(10,9 ml)に溶解させ、PtO2 (3,08 g、13,6 mmol、0,1当量)を 窒素雰囲気下に添加する。溶液を まず10 分間窒素で洗浄し、 ついで 一晩 H2-雰囲気(8 バール) 下で 攪拌する。冷却後、まず 再度 窒素で洗浄し、触媒を濾過土を介して濾過して 除去し、CH2Cl2 でで洗浄し、ろ液を 減圧で乾燥するまで蒸発させる。メチル 3-(ピペリジン-2-イル)プロピオナート 塩酸塩を更に後処理することなく 次の工程で使用する。 収率: 27,95g、99%。
【0216】
3. CH2Cl2(150 ml)中に メチル 3-(ピペリジン-2-イル)プロピオナート 塩酸塩(8,69 g、41,8 mmol) 及び 4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニルクロライド (10,0g、41,8 mmol)を有する溶液に、CH2Cl2(150 ml)中に溶解されたトリエチルアミン (14,7 ml、104,5 mmol)を添加する。反応混合物を一晩室温で攪拌し、ついで1 M HCl (300 ml)で洗浄する。有機相をNa2SO4 を介して乾燥させ、濃縮する。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによってシリカゲル上で(ヘプタン/酢酸エチル6:1 bis 3 : 1)精製する。収量: 12,82g , 82 %。
【0217】
4. THF (100 ml) 中に、メチル3-(1-(4-クロロ-2,5-ジメチルフェニルスルホニル)ピペリジン-2-イル)プロピオナート (12,82 g, 34,3 mmol)を有する溶液に、6 M NaOH水溶液(100 ml)を添加する。 1 時間の反応時間後、溶剤を回転蒸発器で除去し、0℃に冷却する。6 M HCl (100 ml)を添加し、酢酸エチルで抽出する。有機相をNa2O4 を介して乾燥させ、 ついで濃縮する。収量: 12,36g、100%。
【0218】
エステル分解による酸基体の一般的製造
バリアント A
出発化合物 (20 mmol) をジオキサン (80 mmol) 中の4 N 塩酸に溶解させ、一晩RTで攪拌する。溶剤を十分に蒸留し、粗生成物を再結晶又はクロマトグラフィーによって精製する。
【0219】
バリアント B
出発化合物(30 mmol) をCH2Cl2(200 ml)に溶解させ、 TFA (30 ml)と共に、2 時間RTで攪拌する。溶剤を十分に蒸留し、ついで粗生成物を再結晶又はクロマトグラフィーによって精製する。
【0220】
バリアント C
出発化合物(30 mmol)をTHF (100 ml) 及びMeOH (100ml)に溶解させ、 6N NaOH (150 ml)を添加し、 反応混合物を 1 時間RTで攪拌する。溶剤を十分に蒸留し、6 N HCl (155 ml)を0℃で添加する。CH2Cl2での抽出、Na2SO4 を介する乾燥、乾燥剤の濾過 及び 溶剤の蒸留後、粗生成物が得られ、これは カラムクロマトグラフィーを介して精製する。
【0221】
バリアント D
THF (250 ml) 中にtert.-ブチルエステル (15.6 g、37.8 mmol) を有する溶液に、4 M NaOH (240 ml) 及び MeOH (25 ml)を添加する。反応混合物を 4 時間RTで攪拌する。ついで 6 M NaOH (20 ml)を添加し、一晩攪拌する。0℃に冷却された溶液に6 M HCl (225 ml)を添加し、有機相を分離し、ラセタートを用いて数回抽出する。Na2SO4 を介して乾燥させ、ろ過した後、 溶剤を減圧下に除去する。
【0222】
バリアント E
THF (200 ml) 中にtert.-ブチルエステル (17.7 g、48.7 mmol) を有する溶液に、6 M NaOH (240 ml)を添加する。 反応混合物を一晩RTで攪拌する。ついでMeOH (20 ml)を添加し、再度 一晩攪拌する。0℃ に冷却された溶液に6 M HCl (230 ml)を添加し、有機相を分離し、酢酸エチル (200 ml) 及び CH2Cl2(100 ml)を用いて抽出する。Na2SO4を介して乾燥させ、ろ過した後、 溶剤を減圧下に除去する。
【0223】
バリアント F
tert.-ブチルエステル(10.3 g、23.8 mmol)、6 M NaOH (80 ml、480 mmol)、MeOH (80 ml) 及び THF (80 ml)を15 分間 -1 時間 攪拌する。ついでMeOHを減圧下に除去し、6 M HCl (120 ml)を添加し、CH2Cl2(400 ml)で抽出し、分離された有機相をNa2SO4を介して乾燥させる。 濾過後、溶剤を減圧下に除去する。
【0224】
バリアント G
6 M NaOH (64 ml、384 mmol) 及び メタノール (64 ml) 中にtert-ブチルエステル (38 mmol)を有する懸濁液に、ジオキサン (30 ml)を、溶液が得られるまで添加する。反応溶液をRT攪拌する。15 分 - 4 時間後、有機溶剤を除去し、残留物を0℃C に冷却し、6 M HCl (200 ml)を添加する。水性相を CH2Cl2 (200 ml)で抽出し、一緒にされた 有機 相をNa2SO4 を介して乾燥させる。濾過後、溶剤を減圧下に除去し、残留物をi-プロピルエーテルと共に 2回 共-蒸発させる。
【0225】
使用されるアミン基体は市場で入手される。原則的に、アミン基体に対する可能な合成方法を、例として選択されるアミン基体によって以下に記載する。
【0226】
アミン基体 A3の製造
【0227】
【化39】

【0228】
1. THF (900 ml)中の2-ブロモピリジン (12 g) を-78℃ に冷却し、 n-ブチルリチウム (2.5 M、61 ml)を2 時間かけて滴加し、 1 時間 -78℃で 攪拌する。 N-ベンジル-4-ピペリドン (14.4 g) を添加し、 反応混合物を-78℃で1 時間 攪拌する。反応混合物を-10℃で飽和 NH4Cl水溶液(500 ml)を添加する。有機相を分離し、水性相 を酢酸エチル (3 × 200 ml)で抽出し、一緒にされた有機相をNa2SO4を介して乾燥させ、溶剤を濾過後に減圧で除去する。残留物を フラッシュクロマトグラフィーを介して 精製する (シリカ、勾配 30-100%、酢酸エチル/n-ヘキサン)。収量: 9 g (44%)。
【0229】
2. メタノール (100 ml)中の工程2 (15 g)をメタノール (50 ml)中の水酸化パラジウム (20%、4 g)に添加する。反応混合物を80 psi で48 時間水素化する。セライトを介して濾過後、残留物をメタノール (2 × 50 ml) で洗浄する。溶剤を減圧下で除去し、固体をCH2Cl2 から再結晶する。収量: 7.8 g (75%)。
【0230】
アミン基体 A7の製造
【0231】
【化40】

【0232】
1. THF (500 ml)中のチオフェン (10 g)を-78℃に冷却し、 n-BuLi(66 ml)を1.5 時間かけて-78℃で滴加する。1 時間の攪拌後、 THF (50 ml) 中のn-Cbz-4-ピペリドン (25 g) を20 分かけて-78℃で滴加し、1 時間攪拌する。RTに加温後、飽和 NH4Cl水溶液(250 ml)を添加する。
【0233】
有機相を分離し、水性相を酢酸エチル (3 × 250 ml)で抽出し、一緒にされた有機 相を Na2SO4 を介して乾燥させ、溶剤を濾過後減圧で除去する。残留物を結晶化し (10% 酢酸エチル/n-ヘキサン) 、ついで 濾過して、10% 酢酸エチル/n-ヘキサン で洗浄する。収量 22 g (66%)。
【0234】
2. エタノール (100 ml)に溶解された工程 2 (10 g)に、水(10 ml)中のKOH (2.7 g) を添加し、24 時間還流下に加熱する。エタノールを減圧下に除去し、水 (30 ml) を残留物に添加し、20% IPA/CHCl3 (4 × 40 ml)で抽出し、一緒にされた有機 相をNa2SO4 を介して乾燥させ、溶剤を 濾過後減圧で除去する。残留物を再結晶する (50% 酢酸エチル/n-ヘキサン、50 ml)。収量: 3 g (55%)。
【0235】
アミン基体 A4の製造
【0236】
【化41】

【0237】
1. THF (160 ml) 中にジイソプロピルアミン (12.7 g)を有する溶液を、-15℃に冷却し、 n-BuLi (83 ml) を20 分に時間にわたり -10℃で滴加する。-5℃で20 分間攪拌後、反応混合物を -78℃に冷却し、THF (40 ml) に溶解された2-クロロ-3-ヨード-ピリジン(20 g) を20 分かけて滴加する。反応混合物を-78℃で1 時間攪拌する。水 (40 ml)の添加後、15 分間攪拌する。分離された有機相を Na2SO4を介して乾燥させる。濾過後、溶剤を減圧下に除去し、残留物を フラッシュクロマトグラフィーを介して 精製する (シリカ、5% 酢酸エチル/n-ヘキサン)。収量: 15 g (75%)。
【0238】
2. THF (500 ml)中に工程 2 (10 g)を有する溶液に、-78℃でn-BuLi (2.5M、20 ml) を30 分かけて滴加し、20 分間攪拌する。THF (20 ml) 中のN-Cbz-4-ピペリドン (8.8 g) を15 分かけて -78℃で滴加し、反応混合物を1 時間攪拌する。0℃に加温後、飽和 NH4Cl水溶液(250 ml)を添加し、分離された有機相を酢酸エチル (2 x 200 ml)で抽出する。 一緒にされた有機相をNa2SO4 を介して乾燥させる。濾過後、 溶剤を減圧下に除去し、 残留物を フラッシュクロマトグラフィーを介して 精製する (シリカ、勾配 10-40%、酢酸エチル/n-ヘキサン)。収量: 7.5 g (52%)。
【0239】
3. エタノール (80 ml)中の工程 3 (7.5 g)を、エタノール (70 ml)中の水酸化パラジウム (20%、1.5 g)に添加する。反応混合物を 80 psi で2 時間水素化する。 セライトを介して濾過後、残留物をエタノール (2 × 50 ml) で洗浄する。溶剤を減圧で除去する。収量: 3.2 g (83%)。
【0240】
アミン基体 A2の製造
【0241】
【化42】

【0242】
1. エーテル(125 ml) 中にマグネシウム (5.7 g)を有する懸濁液に、1,1-ジブロモエタン (0.5 g) 及び イソプロピルクロライド (17.3 ml) を15 分かけて RTで滴加する。 THF (400 ml)中の3-ブロモピリジン (25 g)を20 分かけて 40℃で滴加し、反応混合物を 2 時間40℃で攪拌する。THF (100 ml) 中に1-ベンジルピペリジン-4-オン(30 g)を有する溶液を20 分かけて40℃で滴加し、反応混合物を一晩攪拌する。反応混合物に水(50 ml)を0℃で添加し、セライトを介して濾過する。CH2Cl2 (2 ´ 100 ml) 及び 水 (50 ml)で抽出した後、一緒にされた有機相を Na2SO4を介して乾燥させる。濾過後、溶剤を減圧下に除去し、 残留物をカラムクロマトグラフィーを介して精製する (中性アルミナ、5% MeOH/CHCl3)。収量: 8 g (19%)。
【0243】
2. メタノール (200 ml)中に工程 2 (32 g)を有する溶液に、触媒量の 10% Pd/C、ギ酸アンモニウム溶液(22.7 g in 50 ml 水)を添加し、68℃で 一晩加熱する。 反応混合物をセライトを介してろ過し、溶剤を減圧下で除去し、残留物をアセトン (100 ml) で洗浄する。収量: 17 g (81%)。
【0244】
【表3】

【0245】
パラレル合成による例化合物の製造のための一般処理工程
【0246】
【化43】

【0247】
パラレル合成法 1
105 μmol CDI水溶液(CH2Cl2中に 0,105 M 、 1 ml )に酸水溶液(CH2Cl2中に0,05 M、 2 ml)を添加し、 1 時間 RTで振とうする。 ついで RTで 100 μmol の アミン水溶液(0,1 M in CH2Cl2)を添加し、さらに12時間RTで振とうする。ついで反応混合物に3 mlの水を添加し、15 分間振とうし、有機相を分離する。減圧下に溶剤の除去後、粗生成物をLC-MSによって分析し、HPLCを介して 精製する。
【0248】
パラレル合成法 2
RTで、100μmol 酸水溶液(CH2Cl2中に0,05 M、2 ml)を予め存在させ、105μmol CDI水溶液(CH2Cl2中に0,105 M、 1 ml) を添加する。1 時間の攪拌後、 RT反応溶液を 16 時間RTで攪拌する。ついで3mlの水を添加し、30 分間ボルテックスし、十分に混合する。攪拌ビーズ(Ruhrfisch)をろ過し、容器を1,5 mlの CH2Cl2で洗浄する。
【0249】
水性相を除去し、廃棄する。有機相に3 ml の蒸留 H2O 及び 0,5 mlの CH2Cl2を添加し、ボルテックスし、15 分間激しく十分に混合する。遠心分離の後、水性相を分離し、廃棄する。有機相を同様に 二度目に3 mlの飽和 NaCl-溶液で抽出する。ついで 有機相を除去し、試験管( Reagenzglas)に入れ、MgSO4-カートリッジを介して乾燥させる。減圧下に溶剤の除去後、粗生成物をLC-MSによって分析し、HPLCを介して 精製する。
【0250】
パラレル合成法 3
酸(50 mg、1 当量)をアミン (50-70 mg、1.2 当量)とCH2Cl2(3 ml/mmol)中で カップリング試薬 EDCI (1.5 当量)、HOBt (1 当量) 及び DIPEA (2 当量) の使用下に反応させる。溶剤の除去後、生成物をカラムクロマトグラフィーを介して精製する。
【0251】
【表4】




すべての場合、反応を HPLC-MS (ESI)によって確認する。それぞれ測定された分子ピークを表中に示した。化合物は> 80% の純度を有する。この際主要な生成物はすべての場合本発明の化合物である。
【0252】
個々の物質の合成
分析は、質量分析及び/又は NMRによって行われる。
【0253】
その他に明記しない限り、 化合物は約 1:1の割合の異性体混合物である。
【0254】
同様な合成で 、溶剤、 試薬/出発化合物の当量、反応時間等々に関しての僅かな変更が可能である。
【0255】
例85: 1-(4-ヒドロキシ-4-(チオフェン-2-イル)ピペリジン-1-イル)-2-((1-(4-メトキシ-2,6-ジメチルフェニルスルホニル)ピペリジン-2-イル)メトキシ)エタノン
【0256】
【化44】

【0257】
ジクロロメタン (5 ml) 中に2-((1-(4-メトキシ-2,6-ジメチルフェニルスルホニル)ピペリジン-2-イル)メトキシ)酢酸 (酸基体 24) (150 mg、0.404 mmol)を有する溶液に、 N,N'-カルボニルジイミダゾール (68 mg、0.424 mmol)を添加し、1 時間 室温で 攪拌する。ついでジクロロメタン (2 ml)中に 4-(チオフェン-2-イル)ピペリジン-4-オール (73 mg、0.404 mmol)を有する溶液を添加し、反応混合物を 15 時間室温で攪拌する。その後、反応混合物 を飽和 炭酸水素ナトリウム溶液 (10 ml)を添加し、ついで水性相 をジクロロメタンで抽出する (2 x 10 ml)。 一緒にされた有機相を飽和 塩化ナトリウム溶液 (10 ml)で抽出し、硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、 減圧で濃縮する。粗生成物 フラッシュクロマトグラフィーによって 酢酸エチル / ヘキサン (20:1) を用いて精製する。
【0258】
収量: 140 mg (65 %)、帯黄色油状物
1H-NMR (400 MHz、DMSO-d6): 1.55 (5H); 1.79 (6H); 2.53 (6H); 2.96 (2H); 3.25 (1H); 3.52 (2H); 3.69 (1H); 3.79 (3H); 4.04 (3H); 4.15 (1H); 5.59 (1H); 6.79 (2H); 6.95 (2H); 7.36 (1H)。
【0259】
例 87: 1-(4-ヒドロキシ-4-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-1-イル)-2-((1-(4-メトキシ-2,6-ジメチルフェニルスルホニル)ピペリジン-2-イル)メトキシ)エタノン 塩酸塩
【0260】
【化45】

【0261】
ジクロロメタン (5 ml) 中に2-((1-(4-メトキシ-2,6-ジメチルフェニルスルホニル)ピペリジン-2-イル)メトキシ)酢酸 (150 mg、0.404 mmol)を有する溶液に、N,N'-カルボニルジイミダゾール (68 mg、0.424 mmol)を添加し、1 時間 室温で 攪拌する。ついでジクロロメタン (2 ml)中に 4-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-4-オール (A2) (72 mg、0.404 mmol)を有する溶液を添加し、反応混合物 15 時間 室温で 攪拌する。その後、反応混合物 に飽和 炭酸水素ナトリウム溶液 (10 ml)を添加し、ついで水性相 をジクロロメタンで抽出する (2 x 10 ml)。一緒にされた有機相を飽和 塩化ナトリウム溶液 (10 ml)で抽出し、硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、 減圧で濃縮する。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって酢酸エチル / メタノール (20:1) を用いて精製する。1-(4-ヒドロキシ-4-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-1-イル)-2-((1-(4-メトキシ-2,6-ジメチルフェニルスルホニル)ピペリジン-2-イル)メトキシ)エタノン (100 mg、0.188 mmol)をメチルエチルケトン (3 ml)に溶解させ、 徐々に クロロトリメチルシラン(28 μL、0.226 mmol)を添加する。ついでジエチルエーテル (10 ml)を添加し、 混合物を 1 時間 0℃で 攪拌する。 生じた沈殿を 濾過し、空気の遮断下に乾燥させ、ジエチルエーテルで洗浄する。
【0262】
収量: 90 mg (39 %)、白色固体
HPLC-MS、m/z 532.1 (MH+)。
【0263】
例 89: 1-(4-ヒドロキシ-4-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-1-イル)-2-((1-(4-メトキシ-2,6-ジメチルフェニルスルホニル)ピロリジン-2-イル)メトキシ)エタノン塩酸塩
【0264】
【化46】

【0265】
ジクロロメタン (7 ml) 中に2-((1-(4-メトキシ-2,6-ジメチルフェニルスルホニル)ピロリジン-2-イル)メトキシ)酢酸 (酸基体 27) (150 mg、0.420 mmol) を有する溶液に、N,N'-カルボニルジイミダゾール (71 mg、0.441 mmol)を添加し、1 時間 室温で 攪拌する。ついでジクロロメタン (3 ml)中に 4-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-4-オール (A2) (74 mg、0.420 mmol)を有する溶液を添加し、 反応混合物を15時間室温で攪拌する。その後、反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム溶液 (10 ml)を添加し、ついで水性相をジクロロメタンで抽出する (2 x 10 ml)。一緒にされた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液 (10 ml)で抽出し、硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、 減圧で濃縮する。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって酢酸エチル / メタノール / ヘキサン (10:1:1) を用いて精製する。1-(4-ヒドロキシ-4-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-1-イル)-2-((1-(4-メトキシ-2,6-ジメチルフェニルスルホニル)ピロリジン-2-イル)メトキシ)エタノン (160 mg、0.309 mmol)をメチルエチルケトン / ジエチルエーテル (1:1; 5 ml)に溶解させ、 徐々に クロロトリメチルシラン(59 μL、0.464 mmol)を添加する。 ついでジエチルエーテル (10 ml)を添加し、 混合物を 1 時間 0℃で 攪拌する。生じた沈殿を 濾過し、空気の遮断下に乾燥させ、ジエチルエーテルで洗浄する。
【0266】
収率: 120 mg (52 %)、白色固体
HPLC-MS、m/z 518.1 (MH+)。
【0267】
例 3: N-(2-(2-(4-ヒドロキシ-4-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-1-イル)-2-オキソエトキシ)エチル)-4-メトキシ-N,2,6-トリメチルフェニルスルホンアミド塩酸塩
【0268】
【化47】

【0269】
ジクロロメタン (5 ml) 中に2-(2-(4-メトキシ-N,2,6-トリメチルフェニルスルホンアミド)-エトキシ)酢酸 (酸基体 2) (150 mg、0.453 mmol)を有する溶液にN,N'-カルボニルジイミダゾール (77 mg、0.475 mmol)を添加し、1 時間室温で 攪拌する。ついでジクロロメタン (2 ml)中に 4-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-4-オール (A2) (80 mg、0.453 mmol)を有する溶液を添加し、 反応混合物を15時間室温で攪拌する。その後、反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム溶液 (10 ml)を添加し、ついで水性相をジクロロメタンで抽出する (20 ml)。 一緒にされた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液 (10 ml)で抽出し、硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、 減圧で濃縮する。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーによってジエチルエーテル / ジクロロメタン / メタノール / アモニア溶液 (25 % 当量) (50:50:5:1) を用いて精製する。N-(2-(2-(4-ヒドロキシ-4-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-1-イル)-2-オキソエトキシ)エチル)-4-メトキシ-N,2,6-トリメチルフェニルスルホンアミド (170 mg、0.346 mmol)をジエチルエーテル / メチルエチルケトン (15:1、32 ml)に溶解させ、 徐々に クロロトリメチルシラン(81 μL、0.692 mmol)を添加する。 ついで 混合物を 30分間 0℃で攪拌する。生じた沈殿を濾過し、ジエチルエーテル / ヘキサン で洗浄し、乾燥させる。
【0270】
収率: 120 mg (50 %)、白色固体
HPLC-MS、m/z492.1 (MH+)。
【0271】
例 5: 2,4,6-トリクロロ-N-(2-(2-(4-ヒドロキシ-4-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-1-イル)-2-オキソエトキシ)エチル)-N-メチルフェニルスルホンアミド塩酸塩
【0272】
【化48】

【0273】
ジクロロメタン (4.5 ml) 中に2-(2-(2,4,6-トリクロロ-N-メチルフェニルスルホンアミド)-エトキシ)酢酸 (酸基体 9) (150 mg、0.400 mmol)を有する溶液に、N,N'-カルボニルジイミダゾール (68 mg、0.420 mmol)を添加し、1 時間 室温で 攪拌する。ついでジクロロメタン (2 ml)中に 4-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-4-オール (A2) (71 mg、0.400 mmol) を有する溶液を添加し、 反応混合物を15時間室温で攪拌する。その後、反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム溶液 (10 ml)を添加し、ついで水性相をジクロロメタンで抽出する (20 ml)。一緒にされた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液 (10 ml)で抽出し、硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、 減圧で濃縮する。粗生成物を フラッシュクロマトグラフィーによって ジエチルエーテル / ジクロロメタン / メタノール / アモニア溶液 (25 % 当量) (50:50:5:1) を用いて精製する。2,4,6-トリクロロ-N-(2-(2-(4-ヒドロキシ-4-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-1-イル)-2-オキソエトキシ)エチル)-N-メチルフェニルスルホンアミド (200 mg、0.374 mmol) をジエチルエーテル / メチルエチルケトン (25:2、27 ml)に溶解させ、 徐々に クロロトリメチルシラン(88 μl、0.692 mmol)を添加する。ついで 混合物を 30分間 0℃で攪拌する。生じた沈殿を濾過し、ジエチルエーテル / ヘキサン で洗浄し、乾燥させる。
【0274】
収率: 130 mg (57 %)、白色固体
1H-NMR (600 MHz、DMSO-d6): 1.68 (2H); 1.89 (1H); 2.02 (1H); 2.95 (3H); 3.30 - 3.70 (7H); 4.18 (2H)、4.32 (1H); 5.80 (1H); 7.88 (2H); 7.96 (1H); 8.58 (1H); 8.78 (1H); 8.92 (1H)。
【0275】
例 86: N-(2-(2-(4-ヒドロキシ-4-(チオフェン-2-イル)ピペリジン-1-イル)-2-オキソエトキシ)エチル)-4-メトキシ-N,2,6-トリメチルフェニルスルホンアミド
【0276】
【化49】

【0277】
ジクロロメタン (7 ml) 中に2-(2-(4-メトキシ-N,2,6-トリメチルフェニルスルホンアミド)-エトキシ)酢酸 (酸基体 2) (150 mg、0.453 mmol)を有する溶液にN,N'-カルボニルジイミダゾール (77 mg、0.475 mmol)を添加し、1 時間 室温で 攪拌する。ついでジクロロメタン (3 ml)中に 4-(チオフェン-2-イル)ピペリジン-4-オール (A7) (82 mg、0.453 mmol)を有する溶液を添加し、 反応混合物を15時間室温で攪拌する。その後、反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム溶液 (10 ml)を添加し、ついで水性相をジクロロメタンで抽出する (20 ml)。 一緒にされた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液 (10 ml)で抽出し、硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、 減圧で濃縮する。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって酢酸エチル / メタノール / アモニア溶液 (25 % 当量) (100:10:1) を用いて精製する。
【0278】
収率: 170 mg (76 %)、黄色油状物
HPLC-MS、m/z496.9 (MH+)。
【0279】
例 88: N-(2-(2-(4-ヒドロキシ-4-(ピリジン-4-イル)ピペリジン-1-イル)-2-オキソエトキシ)エチル)-4-メトキシ-N,2,6-トリメチルフェニルスルホンアミド
【0280】
【化50】

【0281】
ジクロロメタン (7 ml) 中に2-(2-(4-メトキシ-N,2,6-トリメチルフェニルスルホンアミド)-エトキシ)酢酸 (酸基体 2) (150 mg、0.453 mmol)を有する溶液に、N,N'-カルボニルジイミダゾール (77 mg、0.475 mmol)を添加し、1 時間 室温で 攪拌する。ついでジクロロメタン (3 ml)中に 4-(ピリジン-4-イル)ピペリジン-4-オール (A4) (80 mg、0.453 mmol)を有する溶液を添加し、 反応混合物を15時間室温で攪拌する。その後、反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム溶液 (10 ml)を添加し、ついで水性相をジクロロメタンで抽出する (20 ml)。 一緒にされた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液 (10 ml)で抽出し、硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、 減圧で濃縮する。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって酢酸エチル / メタノール / ヘキサン / アモニア溶液 (25 % 当量) (100:10:10:1) を用いて精製する。
【0282】
収率: 50 mg (22 %)、黄色油状物。
【0283】
例 137: N-(2-(2-(4-ヒドロキシ-4-フェニルピペリジン-1-イル)-2-オキソエトキシ)エチル)-4-メトキシ-N,2,6-トリメチルフェニルスルホンアミド の製造
【0284】
【化51】

【0285】
CH2Cl2(250 ml) 中に酸 (4.00 g、12.1 mmol)、アミン (2.14 g、12.1 mmol)、DIPEA (4.0 ml、24 mmol) 及び HOAt (165 mg、1.21 mmol) を有する懸濁液に、0℃で EDCI (2.76 g、14.48 mmol) 添加し、反応混合物を 30 分間 0℃で、ついで一晩 RTで攪拌する。有機相を1 M HCl (3 x 100 ml)、ついで飽和 NaCl水溶液(100 ml)で抽出し、 Na2SO4 を介して乾燥させる。濾過及び溶剤の除去後、 生成物を カラムクロマトグラフィーを介して[シリカ、CH2Cl2/7 M NH3 (MeOH中で 98:2)] 精製する。 収量: 5.14 g (87%)。
【0286】
2-(2-(4-メトキシ-N,2,6-トリメチルフェニルスルホンアミド)エトキシ)酢酸 (酸基体 2) とアミンの反応
【0287】
【化52】

【0288】
下記表に記載される例化合物を、酸基体 2から、例 88に関して記載した方法に密接に関連して、対応するアミンとの反応によって製造する。使用される アミンは市場で入手できる。
【0289】
【表5】

【0290】
* ジクロロメタンの代わりに、ジクロロメタン 及びN,N-ジメチルホルムアミドからなる混合物を使用する。
# 対応する塩酸塩(HCl)の製造: 遊離塩基を少量のメチルエチルケトンに溶解させ、ジエチルエーテル中の2 M 塩化水素溶液を添加し、生じる塩酸塩 (HCl)をろ過する。§ 反応に3 当量のトリエチルアミンを添加する。
【0291】
4-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-4-オール (アミン A2) とカルボン酸の反応
【0292】
【化53】

【0293】
下記表に記載された例化合物を、対応する酸基体から、4-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-4-オールとの反応によって、 例 88 に関して記載した方法に密接に関連して製造する。使用されるアミンは市場で入手され、カルボン酸の合成を記載したように行う。溶剤ジクロロメタンの代わりに、いくつかの反応で溶剤 N,N-ジメチルホルムアミド 又はジクロロメタン/N,N-ジメチルホルムアミド混合物を使用する。反応時間は少なくとも15 時間 〜3日である; 反応の経過を薄層クロマトグラフィーによって追跡する。 例化合物 128、129 及び 131は例外である。これらは対応するカルボン酸と他のカップリング試薬との反応によって対応するアミドに変わる: N,N-ジメチルホルムアミド中にカルボン酸 (1,1 当量)を有する溶液に、1-メチルピペラジン (1 当量) 19,84 mmol) 及び 4-メチルプロリン (2 当量) を添加する。ついで混合物にベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート (1,3 当量)を添加し、15 時間 室温で 攪拌する。 ついで 減圧下に濃縮し、 残留物を酢酸エチル 及び 飽和 炭酸水素ナトリウム溶液 に取り、水性相 を酢酸エチルで抽出する。 一緒にされた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4) 、減圧下に濃縮する。 粗生成物を カラムクロマトグラフィー(シリカゲル )を用いて 精製する。
【0294】
【表6】

【0295】
1a対応する塩酸塩 (HCl)の製造: 遊離塩基をジエチルエーテル/ジクロロメタン/エタノールから成る混合物に溶解させ、クロロトリメチルシラン(1.2 当量)を添加する。 生じた塩酸塩(HCl)を冷却された 溶液からろ過を経て得る。
1b対応する塩酸塩 (HCl)の製造: 遊離塩基をそれぞれ少量のメチルエチルケトン に溶解させ、ジエチルエーテル (3 - 4 当量)中の 2 M 塩化水素溶液を添加する。場合により混合物を0℃に冷却するか 及び / 又は塩酸塩 (HCl)を2 - 3 時間後ろ過する前にジエチルエーテル を添加する。。
2 酸基体の合成は、酸基体 92と同様に行われる。
3 合成は例 16と同様によって行われるが、この場合いくつかの合成工程で別の溶剤を使用する。エステル分解は方法 Cにしたがって行われる。
4カルボン酸の合成は、基体 58と同様に行われる。但しスルホンアミド形成のためにトリエチルアミンをピリジンに代える。
【0296】
カルボン酸の製造:
(S)-2-((2-(4-メトキシ-2,6-ジメチルフェニルスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-イル)メトキシ)酢酸 (例化合物128の合成で使用)
【0297】
【化54】

【0298】
工程(a): ジクロロメタン (50 ml)中に3,5-ジメチルアニソール (3,1 g、22,03 mmol)を有する、0℃に冷却された溶液に、ジクロロメタン (60 ml)中のクロロスルホン酸(7,3 ml、110,13 mmol) を 徐々に 10 分かけて滴下する。反応混合物を更に10 分間攪拌し、 ついで 徐々に氷水(300 ml)中に滴下し、 氷が融けるまで攪拌する。相を分離し、 水性相をジクロロメタン(50 ml)で抽出する。一緒にされた 有機相を飽和塩化ナトリウム溶液 (50 ml)で洗浄し、乾燥させ (Na2SO4) 、減圧下に濃縮する。ジクロロメタン (50 ml)中にペンタフルオロフェノール (4,1 g、22,03 mmol) 及び トリエチルアミン(6,1 ml、44,05 mmol)を有する溶液を、 30 分間室温で攪拌する。 ついでジクロロメタン(50 ml)中に製造されたスルホニルクロライドを有する溶液を、徐々に滴下する。 反応混合物を1 時間室温で攪拌する。 混合物に、飽和 炭酸水素ナトリウム溶液 (50 ml)を添加し、有機相を 飽和 塩化ナトリウム溶液 (50 ml)で洗浄し、乾燥させ (Na2SO4) 、減圧下に濃縮する。
【0299】
粗生成物を カラムクロマトグラフィー(シリカゲル )によって ヘキサン / ジエチルエーテル / ジクロロメタン (20:1:2) を用いて精製する。
収量: 6,1 g (72 %)。
【0300】
[所望されないレジオ異性体が 収率14 % で単離される。]
工程(b): N,N-ジメチルホルムアミド (15 ml)中にアミノアルコール (S)-(1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-イル)メタノール (960 mg、5,89 mmol) を有する溶液に、パーフルオロフェニル 4-メトキシ-2,6-ジメチルベンゼンスルホナート (1,5 g、3,92 mmol) 及び テトラ-n-ブチルアンモニウムクロライド (2,18 g、7,85 mmol)を添加する。反応混合物を1 時間 120℃に加温する。 ついで 減圧下に濃縮し、、残留物を酢酸エチル (50 ml) に取り、 10 % 塩化アンモニウム水溶液 (20 ml) で洗浄する。 有機相を乾燥させ(Na2SO4) 、減圧下に濃縮する。 粗生成物を カラムクロマトグラフィー(シリカゲル )によって ヘキサン / ジエチルエーテル / ジクロロメタン (3:2:2) を用いて精製する。
【0301】
収量: 1,2 g (85 %)。
工程(c): テトラ-n-ブチル硫酸水素アンモニウム (113 mg、0,332 mmol)、水酸化ナトリウム水溶液 (6,64 g、水 (7 ml)中に165,98 mmol ) 及び トルエン (5 ml)からなる混合物に、室温で tert-ブチル-2-ブロモアセタート (1,02 ml、6,07 mmol)を添加する。 ついで 0℃に冷却する。ついで トルエン (5 ml)中に(S)-(2-(4-メトキシ-2,6-ジメチルフェニルスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-イル)メタノール (1,2 g、3,32 mmol)を有する溶液を徐々に添加する。反応混合物を室温に加温し 、ついで1 時間 この温度で 攪拌する。 相を分離し、 水性相をジエチルエーテルで抽出する (2 x 20 ml)。 一緒にされた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液 (20 ml)で洗浄し、乾燥させ、(Na2SO4)、減圧下に濃縮する。粗生成物を更なる後処理することなく 次の工程で使用する。
【0302】
収量: 1,79 g (>99 %)。
工程(d): (S)-tert-ブチル2-((2-(4-メトキシ-2,6-ジメチルフェニルスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-イル)メトキシ)アセタート (1,58 g、3,32 mmol) をテトラヒドロフラン (10 ml)に溶解させ、 水酸化ナトリウム溶液(531 mg、水 (0,5 ml)中に13,28 mmol)を添加する。 反応混合物を2 時間 還流し、ついで 再度室温に冷却し、水 (20 ml)を添加する。水性相の pH-値を 2 M 塩酸で pH 2に調整し、酢酸エチル (3 x 20 ml)で抽出し、一緒にされた有機相を乾燥させ (Na2SO4) 、減圧下に濃縮する。 粗生成物を更なる後処理することなく 次の工程で使用する。.
収率: 580 mg (42 %)。
【0303】
(S)-2-((2-(2,4-ジクロロフェニルスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-イル)メトキシ)酢酸 (例化合物129の合成に使用される。)
この化合物の合成を、例化合物 128のカルボン酸に関して記載した合成とほとんど同様に実施する。しかし合成工程 (a)を除き、合成工程(b)をつぎの様に実施する:
工程(b): ジクロロメタン (10 ml) 中に(S)-(1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-イル)メタノール (1,0 g、6,13 mmol) を有する溶液に、トリエチルアミン (1,27 ml、9,19 mmol)を添加する。 混合物を 5 分間 室温で 攪拌する。 ついで 0℃で 、ジクロロメタン (10 ml)中に2,4-ジクロロベンゼン-1-スルホニルクロライド(1,35 g、5,51 mmol)を有する溶液を滴下する。 反応混合物を室温に加温し、1 時間 この温度で 攪拌する。ついで混合物に 飽和 炭酸水素ナトリウム溶液 (20 ml)を添加し、水性相をジクロロメタン (30 ml)で抽出し、一緒にされた 有機 相を乾燥させ (Na2SO4)、減圧下に濃縮し、 粗生成物を ついで カラムクロマトグラフィー(シリカゲル )によってヘキサン / ジエチルエーテル / ジクロロメタン (1:1:1) を用いて精製する。
収量: 1,59 g (70 %)。
【0304】
合成工程(c) 〜 (d)を、 例化合物128のカルボン酸に関して記載した方法と同様に、カルボン酸を得るために実施する。
【0305】
(S)-2-((2-(4-メトキシフェニルスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-イル)メトキシ)酢酸 (例化合物 134の合成で使用される。)
カルボン酸を、(S)-2-((2-(2,4-ジクロロフェニルスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-イル)メトキシ)酢酸 への同様な方法にしたがって製造する。
【0306】
4-(2,4-ジクロロ-N-メチルフェニルスルホンアミド)酪酸 (例化合物 116の合成で使用される。)
【0307】
【化55】

【0308】
4-(メチルアミノ)酪酸塩酸塩(15.36 g、100 mmol) を水性 4 M KOH水溶液(75 ml、300 mmol)に添加する。この際、反応混合物を 氷浴で冷却する。ついでテトラヒドロフラン (75 ml)中に2,4-ジクロロフェニルスルホニルクロライド(12.28 g、50 mmol)を有する溶液を 滴加する。一晩室温で攪拌後、 氷冷却下に6 M HCl水溶液 (75 ml)を添加する。ジクロロメタン(400 ml)での抽出の間に、 沈殿が形成され、 これを濾過する。有機相を分離し、飽和NaCl溶液(200 ml)で洗浄し、乾燥させ (Na2SO4)、減圧で濃縮し、ジエチルエーテル と共に共蒸留する。酢酸エチル/ヘプタンからの結晶化及び 高減圧での一晩の乾燥によって、10.48 g (64 %) のカルボン酸が生じる。
【0309】
つぎのカルボン酸を同様な方法にしたがって製造する:
4-(4-クロロ-N,2,5-トリメチルフェニルスルホンアミド)酪酸 (例化合物 113の合成に使用される)
4-(4-メトキシ-N,2,6-トリメチルフェニルスルホンアミド)酪酸 (例化合物 114の合成に使用される)
4-(N-メチルナフタリン-2-スルホンアミド)酪酸 (例化合物 115の合成に使用される)
3-(2-(4-メトキシ-N,2,6-トリメチルフェニルスルホンアミド)エトキシ)プロピオン酸 (例化合物 133の合成に使用される)
【0310】
【化56】

【0311】
工程 (i): ジクロロメタン(300 ml)中に2-(メチルアミノ)エタノール (5.6 ml、70.30 mmol) を有する溶液に、トリエチルアミン (22.5 ml、159.78 mmol)を添加し、溶液 を0℃に冷却する。ついで ジクロロメタン(100 ml)中に溶解された4-メトキシ-2,6-ジメチルフェニル-1-スルホニルクロライド (15 g、63.91 mmol)を滴加し、2 時間 室温で 攪拌する。0.5 M HCl 水溶液(100 ml)の添加後、 相分離を行う。有機相をH2O (2 x 300 ml)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮する。カラム濾過 (シリカゲル、ヘプタン / 酢酸エチル 1 : 1) による精製によってN-(2-ヒドロキシエチル)-4-メトキシ-N,2,6-トリメチルフェニルスルホンアミド (15.7 g、90 %) が無色油状物として生じる。
【0312】
工程 (ii): 溶液トルエン (250 ml) 中に N-(2-ヒドロキシエチル)-4-メトキシ-N,2,6-トリメチルフェニルスルホンアミド (15.4 g、56.33 mmol)を有する溶液に、n-Bu4NCl (5.2 g、18.59 mmol)を添加し、0℃に冷却する。ついで35% NaOH水溶液(300 ml)を添加し、ついでトルエン (50 mL)中のtert-ブチル-3-ブロモプロピオナート (11.3 ml、67.60 mmol)を滴加する。反応混合物を、相が分離する前に、 5 時間 室温で 攪拌する。有機相を 水で中性になるまで洗浄し、乾燥させ (Na2SO4) 、濃縮する。 カラムクロマトグラフィー (シリカゲル、ヘプタン / 酢酸エチル 4:1) による精製によってtert-ブチル 3-(2-(4-メトキシ-N,2,6-トリメチルフェニルスルホンアミド)-エトキシ)プロピオナート (15.3 g、68 %)が黄色油状物として生じる。
【0313】
工程 (iii): テトラヒドロフラン (140 ml) 及び メタノール (210 ml) 中に tert-ブチル 3-(2-(4-メトキシ-N,2,6-トリメチルフェニルスルホンアミド)-エトキシ)プロピオナート (15.2 g、37.85 mmol)を有する溶液に、 6 M NaOH 水溶液(175 ml)を添加し、 室温で 攪拌する。3 時間後、有機溶剤を蒸発させ、6 M HCl水溶液 (250 ml)を 0℃で添加する。水性相を ジクロロメタン で抽出する (3 x 250 ml)。一緒にされた有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、乾燥させ、 (Na2SO4)、 蒸発乾固する。粗生成物を カラムクロマトグラフィー (シリカゲル、ヘプタン / 酢酸エチル 2:1 + 2 % HOAc)によって精製する。トルエン (2x) 及び ジクロロメタン (3x)との共蒸留によって、 3-(2-(4-メトキシ-N,2,6-トリメチルフェニルスルホンアミド)エトキシ)プロピオン酸 (10.6 g、81 %) が黄色油状物として生じる。
【0314】
例121: N-(5-(4-ヒドロキシ-4-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-1-イル)-5-オキソペンチル)-4-メトキシ-N,2,6-トリメチルフェニルスルホンアミド
【0315】
【化57】

【0316】
工程(i): テトラヒドロフラン (96 ml)中に ペンタン-1,5-ジオール (5 g、48 mmol)を有する溶液に、水素化ナトリウム (2.3 g、48 mmol)を 0℃で滴加する。 生じた懸濁液を 30 分間25℃で 攪拌する。 ついで反応混合物を 0℃に冷却し、テトラヒドロフラン中に溶解された ベンジルブロマイド (2.85 ml、24 mmol)を徐々に滴下する。 ついで混合物を 26 時間 還流し、 反応経過を 薄層クロマトグラフィーによって追跡する。0℃に冷却し、水を添加し、酢酸エチル (5 x 200 ml)で抽出する。 有機相を飽和 塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥させ (Na2SO4)、 濾過して、 減圧下に濃縮する。粗生成物を カラムクロマトグラフィーによって 精製する (ジクロロメタン中に5 % メタノール)。
収率: 64 %。
【0317】
工程(ii): ジクロロメタン (75 ml) 中に 5-ベンジルオキシ-ペンタン-1-オール (5 g、25 mmol) を有する溶液に、トリエチルアミン(5.26 ml、38 mmol)を0℃で 滴下し、ついで メタンスルホニルクロライド (1.93 ml、25 mmol)を滴下する。 反応混合物 1 時間25 ℃で 攪拌し、反応経過を薄層クロマトグラフィーによって追跡する。 ついでジクロロメタン (250 ml) で希釈し、水 及び 飽和 塩化ナトリウム溶液 で洗浄する。 有機相を乾燥させ(Na2SO4)、濾過して、 減圧下に濃縮する。粗生成物を更なる後処理することなく 次の合成工程で使用する。
収率: 88 %。
【0318】
工程(iii): 5-(ベンジルオキシ)ペンチルメタンスルホナート (6.2g、22.7 mmol)にメチルアミン(2M in テトラヒドロフラン、15 ml)を添加する。 混合物を密閉容器中で16 時間100℃に加温する。 反応混合物を 25℃ に冷却し、 減圧下に濃縮する。粗生成物を更なる後処理することなく 次の合成工程で使用する。
収率: 定量(quant.)。
【0319】
工程(iv): ジクロロメタン (20 ml) 中の5-(ベンジルオキシ)-N-メチルペンタン-1-アミン (1 g、4.83 mmol) に、トリエチルアミン(1.67 ml、12.07 mmol)を 0℃で添加し、ついでジクロロメタン (10 ml)中の4-メトキシ-2,6-ジメチルフェニル-1-スルホニルクロライド (1.13 g、4.83 mmol) を添加する。 反応混合物を徐々に25℃に加温し、ついで 1 時間 攪拌する。 反応経過を薄層クロマトグラフィーによって、出発化合物が完全に反応するまで追跡する。 反応混合物をジクロロメタン で希釈し、水及び 飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄する。 有機相を乾燥させ (Na2SO4)、 濾過して、 減圧下に濃縮する。粗生成物を カラムクロマトグラフィーによって 精製する (ヘキサン中に15 % 酢酸エチル)。
収率: 28 %。
【0320】
工程(v): エタノール (5 ml)中にN-(5-(ベンジルオキシ)ペンチル)-4-メトキシ-N,2,6-トリメチルフェニルスルホンアミド (0.200 g)を有する溶液に、アルゴン雰囲気下で Pd(OH)2 (0.60 g)を、ついで触媒量の酢酸を添加する。混合物を16 時間23 ℃で水素雰囲気下で攪拌し、 反応経過を 薄層クロマトグラフィーによって追跡する。 反応混合物をセライトを介して 濾過して、濾過ケーキを エタノール で洗浄する。 減圧下に濃縮し、このようにして得られた粗生成物を更なる後処理することなく 次の合成工程で使用する。
収率: 定量(quant.)。
【0321】
工程(vi): ジクロロメタン (2 ml) 中にオキザリルクロライド (0.056 ml、0.66 mmol)を有する溶液に、ジクロロメタン (2 ml)中のジメチルスルホキシド (0.092 ml、1.32 mmol)を -78℃で、 アルゴン雰囲気下で 滴加する。 生じた混合物を10 分間 攪拌し、 ついでジクロロメタン (2 ml)中の N-(5-ヒドロキシペンチル)-4-メトキシ-N,2,6-トリメチルフェニルスルホンアミド (0.09 g、0.6 mmol) を -78℃で 滴下する。 反応混合物を1 時間-78℃で 攪拌する。1 時間後、トリエチルアミン (0.4 ml、3 mmol) を -78 ℃で添加し、混合物を 徐々に25℃に加温し、 1 時間 攪拌する。 反応経過を薄層クロマトグラフィーによって、出発化合物が完全に反応するまで追跡する。 反応混合物をジクロロメタン で希釈し、 飽和塩化アンモニウム溶液 及び 飽和 塩化ナトリウム溶液で洗浄する。 有機相を を介して乾燥させ (Na2SO4)、濾過して、 減圧下に濃縮する。このようにして得られた粗生成物を更なる後処理することなく 次の合成工程で使用する。
収率: 定量(quant.)。
【0322】
工程(vii): テトラヒドロフラン (3 ml)中に4-メトキシ-N,2,6-トリメチル-N-(5-オキソペンチル)フェニルスルホンアミド (0.185 g、0.59 mmol) を有する溶液に、tert-ブタノール (3 ml)、水 (1.2 ml)、テトラヒドロフラン (1.08 ml)中の 2-メチル-2-ブテンの2 M 溶液及びリン酸二水素ナトリウム (1M 溶液 in 水、24 ml)を添加する。 反応混合物を0 ℃に冷却し、亜塩素酸ナトリウム(0.212 g)を添加する。 ついで25℃に加温し、40 分間 攪拌し、 (反応経過を薄層クロマトグラフィーによって追跡する。)。 反応混合物を水で希釈し、 酢酸エチル (2 x 50 ml)で抽出する。 有機相を 水及び飽和 塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥させ (Na2SO4)、 濾過して、 減圧下に濃縮する。 このようにして得られた粗生成物を更なる後処理することなく 次の合成工程で使用する。
収率: 定量(quant.)。
【0323】
工程 (viii):ジクロロメタン (2 ml / mmol) 中に5-(4-メトキシ-N,2,6-トリメチルフェニルスルホンアミド)ペンタン酸 (160 mg、0.48 mmol)を有する溶液に、ジイソプロピルエチルアミン (0.2 ml、1.2mmol)を 0℃で添加し、ついで EDCI (0.139g、0.73 mmol) 及び HOBt (0.065 g、0.48 mmol)を添加する。得られた溶液 を15 分間 25℃で攪拌する。混合物を 0℃に冷却し、ジクロロメタン / N,N-ジメチルホルムアミド (1 : 0.25、1,25 ml)に溶解された 4-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-4-オール (0.086 mg、0.48 mmol)を滴下する。反応混合物を16 時間 25℃で、 変換が終了するまで 攪拌する。 混合物をジクロロメタン で希釈し、飽和塩化アンモニウム溶液、飽和 塩化ナトリウム溶液、飽和 炭酸ナトリウム溶液 及び 付加的に飽和 塩化ナトリウム溶液 で洗浄する。 有機相を を介して乾燥させ (Na2SO4)、濾過して、 減圧下に濃縮する。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって 精製する (ジクロロメタン中に20 % アセトン)。
収率: 40 %
MS、m/z490,2 (MH+)。
【0324】
例139: N-(2-(2-(4-ヒドロキシ-4-(2-(ピリジン-3-イル)エチル)ピペリジン-1-イル)-2-オキソエトキシ)エチル)-4-メトキシ-N,2,6-トリメチルフェニルスルホンアミド
【0325】
【化58】

【0326】
工程 1: エタノール (20 ml)中に市場で入手されるシクロプロピルアミン (20 mmol) 及びブロモエタノール(8 mmol)を有する溶液を、16 時間50℃に加熱する。 溶剤を除去し、残留物をトルエンと共に共蒸発させる (2 x 10 ml)。高減圧での乾燥後、粗生成物を更なる後処理することなく直接次の工程で使用する。
収率: 65 %。
【0327】
工程 2: ジクロロメタン (24 ml) 及び トリエチルアミン (2.5 当量)中に2-シクロプロピルアミノ-エタノール (8 mmol)を有する、0℃に冷却された溶液に、ジクロロメタン (12 ml)中に4-メトキシ-2,6-ジメチルベンゼンスルホニルクロライド (7 mmol) を有する溶液を徐々に滴下する。添加の終了後、混合物を90 分間 25℃で 変換が終了するまで (DC) 攪拌する。混合物を ジクロロメタン (200 ml) で希釈し、 水 及び 飽和NaCl溶液で洗浄する。有機相をMgSO4 を介して乾燥させ、濾過して、 完全に濃縮し、所望の生成物が得られる。
収率: 20 %。
【0328】
工程 3: トルエン (18 ml) 中にN-シクロプロピル-N-(2-ヒドロキシエチル)-4-メトキシ-2,6-ジメチルフェニルスルホンアミド (3.3 mmol)を有する、0℃に冷却された溶液に、テトラブチルアンモニウムクロライド (0.33 当量) 及び 35 % 水酸化ナトリウム-溶液 (18 ml)を添加する。 この混合物に、 0℃で tert-ブチルブロモアセタート (1.5 当量)を徐々に添加する。添加の終了後、混合物を90 分間25℃で変換が終了するまで (DC) 攪拌する。 有機相を分離し、中性のpH が測定されるまで水洗し、MgSO4 を介して乾燥させ、濾過して、 完全に濃縮し、所望の生成物が得られる。
収率: 90 %。
【0329】
工程 4: ジクロロメタン (10 ml / mmol)中にtert-ブチル 2-(2-(N-シクロプロピル-4-メトキシ-2,6-ジメチルフェニルスルホンアミド)エトキシ)アセタートを有する溶液に、トリフルオロ酢酸 (13 当量)を0℃で滴下し、得られた溶液を 2 時間 25℃で攪拌する。混合物を完全に濃縮し、痕跡程度のトリフルオロ酢酸を高減圧で除去する。 粗生成物を更なる後処理することなく 直接つぎの工程で使用する。
【0330】
工程 5: ジクロロメタン (5 ml / mmol)中に2-(2-(N-シクロプロピル-4-メトキシ-2,6-ジメチルフェニルスルホンアミド)エトキシ)酢酸を有する溶液に、ジイソプロピルエチルアミン (2.5 当量)を 0℃で添加し、ついでHOBt (1 当量) 及び EDCI (1.5 当量)を添加する。得られた溶液を15 分間 25℃で 攪拌する。混合物を 0℃に冷却し、4-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-4-オール (1.2 当量) を添加する。混合物を 16 時間 25℃で変換が終了するまで 攪拌する。混合物をジクロロメタン (30 ml) で希釈し、 飽和NH4Cl-溶液、飽和NaCl-溶液、飽和NaHCO3-溶液 及び 付加的に飽和NaCl溶液 で洗浄する。 有機相をMgSO4 を介して乾燥後、完全に濃縮し、残留物をシリカゲル上で カラムクロマトグラフィーによって (ジクロロメタン / メタノール)精製する。
収率: 50 %
MS、m/z518.2 (MH+)。
【0331】
例140: N-(2-(2-(4-ヒドロキシ-4-(2-(ピリジン-3-イル)エチル)ピペリジン-1-イル)-2-オキソエトキシ)エチル)-4-メトキシ-N,2,6-トリメチルフェニルスルホンアミド
【0332】
【化59】

【0333】
工程 1: 乾燥テトラヒドロフラン(40 ml)中に Boc-保護された 4-オキソ-ピペリジン (41.9 mmol)を有する攪拌された溶液に、 ビニルマグネシウムブロマイド (39.5 mmol)を 0℃で滴下し、得られた溶液を16 時間 25℃で 変換が終了するまで 攪拌する (DC)。混合物を0℃に冷却し、飽和NH4Cl-溶液 を添加し、 酢酸エチルで抽出する (300 ml x 2)。
【0334】
一緒にされた有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、 MgSO4 を介して乾燥させ、濾過して、 完全に濃縮し、所望の生成物が得られる。
収率: 80%。
【0335】
工程 2: ジクロロメタン (10 ml / mmol) 中にtert-ブチル 4-ヒドロキシ-4-ビニルピペリジン-1-カルボキシレート (1 当量) を有する溶液に、トリフルオロ酢酸 (13 当量)を0℃で 滴下し、 得られた溶液を 2 時間 25℃で 攪拌する。混合物を完全に濃縮し、 痕跡程度のトリフルオロ酢酸を高減圧で除去する。 粗製のアミンを更に後処理することなく 直接つぎの工程で使用する。
【0336】
工程 3: ジクロロメタン (5 ml / mmol) 中に 4-ビニルピペリジン-4-オールを有する溶液に、ジイソプロピルエチルアミン (2.5 当量)を 0℃で添加し、ついでHOBt (1 当量) 及び EDCI (1.5 当量)を添加する。 得られた溶液を 15 分間 25℃で攪拌する。混合物を 0℃に冷却し、工程 2からの粗製の アミン (1.2 当量)を添加する。 混合物を16 時間25℃で、変換が終了するまで 攪拌する。混合物を ジクロロメタン で希釈し、飽和NH4Cl-溶液、飽和NaCl-溶液、飽和NaHCO3-溶液 及び 付加的に飽和NaCl溶液で洗浄する。有機相を、MgSO4を介して乾燥後完全に濃縮し、残留物を カラムクロマトグラフィーによってシリカゲル上で (ジクロロメタン / メタノール) 精製する。
収率: 30 %。
【0337】
工程 4: アセトニトリル (20 ml)中に 3-ブロモピリジン (4.7 mmol) 及び N-(2-(2-(4-ヒドロキシ-4-ビニルピペリジン-1-イル)-2-オキソエトキシ)エチル)-4-メトキシ-N,2,6-トリメチルフェニルスルホンアミド (5.6 mmol)を有する溶液に、ジイソプロピルエチルアミン (2.5 当量)を添加し、得られた溶液をアルゴンを用いて60 分間 脱気する。この溶液に、トリ-o-トリルホスフィン (0.946 mmol) 及び Pd(OAc)2 (0.47 mmol)をアルゴン雰囲気下で添加し、得られた混合物を 16 時間還流加熱する (DCによって追跡される変換)。溶剤を除去し、残留物を酢酸エチル (300 ml)で抽出し、有機相を水 及び 飽和NaCl溶液で洗浄する。 有機相を、MgSO4を介して乾燥後、完全に濃縮し、残留物を カラムクロマトグラフィーによってシリカゲル上で (酢酸エチル / メタノール)精製する。
収率: 50 %。
【0338】
工程 5: メタノール (10 ml) 中に(E)-N-(2-(2-(4-ヒドロキシ-4-(2-(ピリジン-3-イル)ビニル)ピペリジン-1-イル)-2-オキソエトキシ)エチル)-4-メトキシ-N,2,6-トリメチルフェニルスルホンアミド (0.9 mmol)を有する溶液を、アルゴンを用いて 15 分間 脱気し、 10% Pd/C (200 mg)を添加する。 得られた混合物を16 時間水素雰囲気下で25℃で攪拌する (DCによって追跡される変換)。反応混合物をセライトによって濾過し、濾過ケーキをメタノールで十分に洗浄し、 濾液を完全に濃縮する。 残留物を カラムクロマトグラフィーによってシリカゲル上で (ジクロロメタン / メタノール)精製する。
収率: 60 %
MS、m/z520.2 (MH+)。
【0339】
例148: N-(2-(2-(4-ヒドロキシ-4-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-1-イル)-2-オキソエトキシ)エチル)-N,2-diメチルナフタリン-1-スルホンアミド
【0340】
【化60】

【0341】
工程A: 2-プロパノール (3.4 ml) 及び ピリジン(11.5 ml) の混合物に、-5℃で市場で入手される 1-ナフチルスルホニルクロライド (9.0 g)を滴加する。 反応混合物を 0℃で15 時間 攪拌する。後処理のために、 この温度でジクロロメタン (100 ml) 及び 1 M HCl を添加し、有機相を分離する。水性相をジクロロメタン (3 x 75 ml)で抽出し、一緒にされた有機相を 1 M HCl (2 x 25 ml) 及び 飽和NaCl溶液 (50 ml) で洗浄する。 MgSO4 を介して乾燥させた後、完全に濃縮し、所望の生成物が必要な純度で得られる。
収率: 80%
【0342】
工程B: 工程 Aからのタイトル化合物 (8.6 g)をテトラヒドロフラン (190 ml)に溶解させ、 混合物を保護ガス雰囲気下で-78℃に冷却する。ついで n-ヘキサン (30 ml) 中の1.6 M n-BuLi を、温度が-70℃を超えないように 徐々に添加する。反応混合物を -70℃で2 時間 攪拌し、ついで ヨウ化メチル (5.0 ml)を添加する。反応混合物を0℃に加温し、3 時間 この温度で 攪拌する。後処理のために、 この温度で飽和NH4Cl を添加し、ついで酢酸エチルで希釈する。 有機相を分離し、水性相を酢酸エチルで抽出し、一緒にされた有機相を水 及び 飽和NaCl溶液で洗浄する。 MgSO4 を介して乾燥させた後、完全に濃縮し、残留物を カラムクロマトグラフィーによってシリカゲル上で (ヘキサン / 酢酸エチル) 精製する。
収率: 55 %。
【0343】
工程C: 工程 B からのタイトル化合物(1.5 g) を4M HCl (60 ml)に懸濁させ、混合物を 1-2 時間110℃に加熱する。ついで15 時間かけて室温に冷却し、完全に濃縮し、 残留物をジクロロメタン (2 x 60 ml)と共に2回共蒸発させた後、高減圧で乾燥させる。このようにして得られた生成物を更なる後処理することなく次の工程で使用する。
収率: 定量(quant)。
【0344】
工程D: 工程 C からのタイトル化合物(1.1 g)をトルエン (5 ml)に懸濁させ、得られた混合物に チオニルクロライド(2.0 ml) 及び ジメチルホルムアミド (kat.)を添加する。 ついで溶液が存在するまで 1 時間 90℃に加熱する。溶液を完全に濃縮し、 残留物を高減圧で乾燥させる。 このようにして得られた生成物を更なる後処理することなく次の工程で使用する。
収率: 定量(quant)。
【0345】
工程E: 工程 Dからのタイトル化合物(1.2 g)をDCM (15 ml)に 室温で溶解させ、2.5 当量 トリエチルアミン滴加する。ついで1.2 当量のエタノールアミンを滴下し、 混合物を室温で 2 時間攪拌する。変換をDCによって追跡する。変換の終了後、 反応混合物にジクロロメタン (75 ml) 及び 水 で希釈し、 有機相を分離する。水性相をジクロロメタン (2 x 50 ml)で抽出し、 一緒にされた有機相水及び 飽和NaCl溶液で洗浄する。MgSO4 を介して乾燥させた後、完全に濃縮し、所望の生成物が必要な純度で得られる。
収率: 70 %。
【0346】
工程F: 工程 Eからのタイトル化合物をトルエン (23.5 ml)に溶解させ、 0℃で 0.33 当量の テトラブチルアンモニウムクロライド 及び 35%水酸化ナトリウム溶液(23.5 ml)を添加する。 ついで1.5 当量のtブチル-ブロモアセタートを同一温度で滴下し、混合物を RTで 90 分間 攪拌する。 変換の終了後、酢酸エチルで抽出し、一緒にされた有機相を、中性のpHが認められるまで水洗する。MgSO4 を介して乾燥させた後、完全に濃縮し、残留物を カラムクロマトグラフィーによってシリカゲル上で (ヘキサン / 酢酸エチル)精製する。
収率: 70 %。
【0347】
工程 G: 工程 Fからの タイトル化合物をジクロロメタン (10 ml / mmol)に溶解させ、 0℃で13 当量のトリフルオロ酢酸 を添加する。 ついで混合物を室温で2 時間 攪拌する。溶液を完全に濃縮し、残留物を 高減圧で乾燥させ、痕跡程度のトリフルオロ酢酸を除去する。このようにして得られた生成物を更なる後処理することなく次の工程で使用する。
【0348】
工程H: 工程 Gからのタイトル化合物を ジクロロメタン (5 ml / mmol)に溶解させ、 0℃で2.5 当量のジイソプロピルエチルアミン、1.0 当量の HOBt 及び 1.5 当量の EDCl 添加する。ついで混合物を 室温で15 分間 攪拌する。混合物を再度0℃に冷却し、ジクロロメタン (30 ml)に溶解された、1.2 当量 のアミンを添加する。ついで混合物を室温で16 時間 攪拌する。 変換の終了後、 反応混合物にジクロロメタン (30 ml)で、ついで 飽和NH4Cl-溶液、飽和Nacl-溶液、飽和NaHCO3-溶液 及び 飽和NaCl-溶液で洗浄する。MgSO4 を介して乾燥させた後、完全に濃縮し、残留物を カラムクロマトグラフィーによってシリカゲル上で (メタノール / ジクロロメタン) 精製する。
収率: 20 %
MS、m/z 598 (MH+)。
【0349】
例280: N-(2-(2-(4-ヒドロキシ-4-(ピリジン-4-イルメチル)ピペリジン-1-イル)-2-オキソエトキシ)エチル)-4-メトキシ-N,2,6-トリメチルフェニルスルホンアミド
【0350】
【化61】

【0351】
ジクロロメタン (7 ml) 中に2-(2-(4-メトキシ-N,2,6-トリメチルフェニルスルホンアミドo)-エトキシ)酢酸 (酸基体 2) (150 mg、0.453 mmol)を有する溶液に、 N,N'-カルボニルジイミダゾール (77 mg、0.475 mmol)を添加し、1 時間 室温で 攪拌する。ついで ジクロロメタン (3 ml) 及び トリエチルアミン(0,18 ml)中に溶解された4-(ピリジン-4-イルメチル)ピペリジン-4-オール二塩酸塩 (120 mg、0.453 mmol) を添加し、反応混合物を一晩 室温で 攪拌する。その後、反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム溶液 (10 ml)を添加し、ついで水性相をジクロロメタンで抽出する (20 ml)。 一緒にされた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液 (10 ml)で抽出し、硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、 減圧で濃縮する。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって 酢酸エチル / メタノール(10:1) を用いて精製する。収量: 130 mg (57 %)。
【0352】
例 279: N-(2-(2-(4-ヒドロキシ-4-(ピリジン-3-イルメチル)ピペリジン-1-イル)-2-オキソエトキシ)エチル)-4-メトキシ-N,2,6-トリメチルフェニルスルホンアミド塩酸塩
【0353】
【化62】

【0354】
ジクロロメタン (7 ml) 中に2-(2-(4-メトキシ-N,2,6-トリメチルフェニルスルホンアミドo)-エトキシ)酢酸 (酸基体 2) (150 mg、0.453 mmol)を有する溶液に、N,N'-カルボニルジイミダゾール (77 mg、0.475 mmol)を添加し、1 時間室温で攪拌する。ついで ジクロロメタン (3 ml) 及び トリエチルアミン(0,18 ml)中に溶解された4-(ピリジン-3-イルメチル)ピペリジン-4-オール 二塩酸塩 (120 mg、0.453 mmol)を添加し、 及び 反応混合物 一晩 室温で 攪拌する。その後、反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム溶液 (10 ml)を添加し、ついで水性相をジクロロメタンで抽出する (20 ml)。 一緒にされた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液 (10 ml)で抽出し、硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、 減圧で濃縮する。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって エーテル / ジクロロメタン / メタノール(10:10:1) 及び 25%アモニア溶液 を用いて精製する。N-(2-(2-(4-ヒドロキシ-4-(ピリジン-3-イルメチル)ピペリジン-1-イル)-2-オキソエトキシ)エチル)-4-メトキシ-N,2,6-トリメチルフェニルスルホンアミド (140 mg)をメチルエチルケトン (1 ml)に溶解させ、 徐々に エーテル中のHCl (3 当量)を添加する。 この際白色固体が沈殿する。 ジエチルエーテルの添加後、1 時間 氷冷下で攪拌する。固体を濾過し、ジエチルエーテル で洗浄し、乾燥させる。収量: 120 mg (48 %)。
【0355】
例279 及び 280で使用されるアミン基体を、アミン基体 A2、A3、A4 及び A7に関して上述した合成法と同様に、対応するLi-オルガニル(Organyl) 又は グリニャール残基の対応するピペリドン誘導体への添加下に、製造することができる。
【0356】
薬理試験
ブラジキニン 受容体 1 (B1R)の機能試験
供試化合物のアゴニスト又はアンタゴニスト作用を、種ヒト及びラットのブラジキニン受容体 1 (B1R)で次のアッセイを用いて測定する。このアッセイによれば、 チャネルを貫通するCa2+-流入をCa2+-感受性染料(Typ Fluo-4、Molecular Probes Europe BV、ライデン オランダ)を用いて蛍光イメージングプレートリーダー (FLIPR、Molecular Devices、 Sunnyvale、 米国)で定量する。
【0357】
方法:
ヒト B1R-遺伝子 (hB1R-細胞、Euroscreen s.a.、Gosselies、ベルギー) 又はラットのB1R-遺伝子 (rB1R-Zellen、Axxam、Mailand、イタリー) によって安定にトランスフェクションされるチャイニーズハムスター 卵巣細胞 (CHO K1 Zellen) を使用する。機能試験のために、 これらの細胞をクリヤーベースを有するブラック 96-well-プレート (BD Biosciences、ハイデルベルグ、ドイツ)上に、 20.000 - 25.000 細胞/wellの濃度で播種する。 一晩、細胞を37℃及び 5 % CO2 で10 容量% FBS (Fetal bovine serum、Gibco Invitrogen GmbH、Karlsruhe、ドイツ)含む培地 (hB1R-Zellen: Nutrient Mixture Ham´s F12、Gibco Invitrogen GmbH、Karlsruhe、ドイツ; rB1R-細胞: D-MEM/F12、Gibco Invitrogen GmbH、Karlsruhe、ドイツ)中で インキュベートする。翌日、細胞に2,13μM Fluo-4 (Molecular Probes Europe BV、ライデン、オランダ) を、2,5 M プロベネシド(Probenecid) (Sigma-Aldrich、Taufkirchen、ドイツ)及び 10 mM HEPES (Sigma-Aldrich、Taufkirchen、ドイツ) を有するHBSS-緩衝液 (Hank´s buffered saline solution、Gibco Invitrogen GmbH、Karlsruhe、ドイツ)中で60 分 37℃で加える。 ついで プレートを 2 x HBSS-緩衝液で洗浄し、 HBSS-緩衝液を添加し、この緩衝液は付加的に0,1 % BSA (ウシ血清アルブミン; Sigma-Aldrich、Taufkirchen、ドイツ)、5,6 mM グルコース及び0,05 % ゼラチン (Merck KGaA、ダルムシュタット、ドイツ)を含有する。室温で20分の更にインキュベートした後、プレートをCa2+-測定のためにFLIPRで使用する。 その際、Ca2+-依存蛍を供試化合物の添加前及び添加後に測定する(λex = 488 nm、λem = 540 nm)。定量化は、時間による最高蛍光強度(FC、Fluorescence Counts)を測定することによって行われる。
【0358】
FLIPRアッセイ:
FLIPRプリトコルは、2種の物質の添加からなる。まず、供試化合物(10μM)を細胞にピペットで加え、Ca2+流入をコントロール((hB1R: Lys-Des-Arg9-ブラジキニン 0,5 nM; rB1R: Des-Arg9-ブラジキニン 100 nM))と比較する。これから、Lys-Des-Arg9-ブラジキニン (0,5 nM) 又は Des-Arg9-ブラジキニン (100 nM)の添加後、Ca2+-シグナルに対する%活性の測定値が分かる。
【0359】
10 分のインキュベーションの後、0,5 nM Lys-Des-Arg9-ブラジキニン (hB1R) 又は 100 nM Des-Arg9-ブラジキニン (rB1R)を投与し、同様にCa2+ の流入を測定する。
【0360】
アンタゴニストは、Ca2+流入の抑制を導く。抑制率%を、最大で得られる抑制と対比して算出する。これらの化合物は、ヒト 及びラット-受容体で良好な効果を示す。
【0361】
例証として次の値を測定した:
【0362】
【表7】




【0363】
ホルマリンテスト マウス:
ホルマリンテスト(Dubuisson、D. and Dennis、S.G.、1977、Pain、4、161 - 174) は急性痛及び慢性痛に対するモデルである。後足の背側部位に1回ホルマリン注射して、自由に動き回る実験動物において二段階侵害受容反応を誘発させる。この反応は3つの明らかに相互に異なる挙動パターンの観察によって認識される。反応を二段階: 段階1 = すぐに反応 (期間 〜 10分;足を震わす、舐める)、段階 2 = 遅れて反応 (静止段階の後、同様に足を震わす、舐める;期間 〜 60分)。 第一段階は,高い脊髄侵害受容インプット又はグルタマート放出 (急性痛段階)で末梢侵害受容センサーの直接刺激を反映する、第二段階は、 脊髄及び末梢の感覚過敏増加(慢性痛段階)を反映する。ここの提示する試験で、慢性苦痛要素 (段階 2)を評価する。
【0364】
ホルマリンテスト マウス:
ホルマリンを20μLの容量 及び1 %濃度で、各動物の右後肢の背面部位に皮下注射する。特定の挙動変化、たとえば肢を上げる及び震わす(スコア3、Dubuisson & Dennis、1977)、ホルマリン注射後21〜24分の観察期間中、観察し、記録する。供試化合物の投与の動物の挙動(n = 10 (供試化合物の投薬量あたり))を、賦形剤を与えたコントロールグループ(n = 10)と比較する。
【0365】
痛み挙動の定量化に基づいて、ホルマリンテストでの供試化合物の作用をコントロールに対する変化(パーセント)として測定する。本発明の化合物の投与の種類に依存して、ホルマリン注射前 の投与時間を選択する(静脈: 5 分)。
【0366】
2〜3の例の抗侵害受容作用値を下記表に記載する:
【0367】
【表8】

【0368】
本発明の置換されたスルホンアミド誘導体の非経口溶液
38 g の本発明の置換されたスルホンアミド誘導体(この場合 例 1の化合物)を 1 Lの注射用水に室温で溶解させ、 ついで 注射用無水グルコースの添加によって等張条件に調整する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
そのラセミ化合物、その対掌体、そのジアステレオマー、その対掌体又はジアステレオマーの混合物、 又は 個々の対掌体又はジアステレオマーの混合物、その塩基及び(又は) 生理学的に許容し得る酸の塩の形にある、 一般式I
【化1】

{式中、
m は0、1、2 又は 3を示し、
n は 1 又は 2 を示し、
p は 0、1又は 2を示し、
R1はアリール又はヘテロアリールを示し、これらは置換されていないか又はモノ又はポリ置換され、場合によりC1-6-アルキル鎖(これは飽和又は不飽和、分枝状又は非分枝状であってよい。)を介して結合し、
R2 はOH、OC1-6-アルキル又は Fを示し、
R3はアリール又はヘテロアリールを示し、これらはそれぞれ 置換されていないか 又は モノ又はポリ置換され、
R4及び R4a は相互に無関係にH、C1-6-アルキル(これはそれぞれ飽和又は 不飽和、分枝状 又は 非分枝状、置換されていないか又は モノ又はポリ置換されている。); F; Cl; アリール(これは、それぞれ 置換されていないか 又は モノ又はポリ置換されている。); 又はC1-3-アルキル鎖を介して結合したアリール(これは、それぞれ置換されていないか 又は モノ又はポリ置換されている。)を示し、
Z は O、CH2 又は NRN を示し、この際 RN はH; C1-6-アルキル; C3-8-シクロアルキル、フェニル、メチル-C3-8-シクロアルキル 又は ベンジル(これらは、それぞれ置換されていないか 又は モノ又はポリ置換されている。)を示し、
R5 及び R5aは相互に無関係にH; 又は C1-6-アルキル(これはそれぞれ飽和又は 不飽和、分枝状 又は 非分枝状、置換されていないか 又は モノ又はポリ置換されている。); OH、OC1-6-アルキル、F、Cl、フェノキシ 又はベンジルオキシを示し、
R6 はH; C1-6-アルキル(これはそれぞれ飽和又は 不飽和、分枝状 又は 非分枝状、置換されていないか 又は モノ又はポリ置換されている。); C3-8-シクロアルキル(これは飽和又は 不飽和、置換されていないか 又は モノ又はポリ置換されている。); アリール 又はヘテロアリール(これらは置換されていないか又は モノ又はポリ置換されている。);C1-3-アルキル鎖を介して結合したアリール 又は C3-8-シクロアルキルを示すか; 又は隣接する窒素を含めて Qと一緒になって4−、5−、6−又は7−員環を形成し、これらは飽和又は不飽和であり、そして 更なるヘテロ原子 O、S 又は Nを有することができ、この環は別の5−又は6−員環(飽和又は不飽和)と縮合することができる; ただし通常の閉環の場合、 Q は、
【化2】

を示し、そして 上記環は任意の位置で フェニル、OH、ORN、F、Cl、CF3、又は C1-6-アルキルによって置換されていてよいか、
又は Q は単結合、-CH2-、-CH2-CH2-、又は
【化3】

(式中、

は単結合又は二重結合を示す。)
を示す。}
で表わされる置換された スルホンアミド誘導体。
【請求項2】
m が0、1、2 又は 3を示し、
nが1 又は 2を示し、
p が0、1 又は 2を示し、
R1がアリール又はヘテロアリールを示し、これらは置換されていないか又は モノ又はポリ置換され、場合によりC1-3-アルキル鎖を介して結合し、
R2 がOH、OC1-6-アルキル 又は Fを示し、
R3がアリール又はヘテロアリール(これは、それぞれ置換されていないか 又は モノ又はポリ置換されている。)を示し、
R4 及び R4aが相互に無関係にH、C1-6-アルキル(これはそれぞれ飽和又は 不飽和、分枝状 又は 非分枝状、置換されていないか 又は モノ又はポリ置換されている。); F; Cl; アリール(これは、それぞれ 置換されていないか 又は モノ又はポリ置換されている。); 又はC1-3-アルキル鎖を介して結合したアリール(これは、それぞれ置換されていないか 又は モノ又はポリ置換されている。)を示し、
Z が O、CH2 又は NRN を示し、この際 RN がH; C1-6-アルキル; フェニル 又は ベンジル(これらは、それぞれ置換されていないか 又は モノ又はポリ置換されている。)を示し、
R5 及び R5aが相互に無関係にH; 又は C1-6-アルキル(これはそれぞれ飽和又は 不飽和、分枝状 又は 非分枝状、置換されていないか 又は モノ又はポリ置換されている。); OH、OC1-6-アルキル、F、Cl、フェノキシ 又は ベンジルオキシを示し、
R6 が H; C1-6-アルキル(これはそれぞれ飽和又は 不飽和、分枝状 又は 非分枝状、置換されていないか 又は モノ又はポリ置換されている。); C3-8-シクロアルキル(これは飽和又は 不飽和、置換されていないか 又は モノ又はポリ置換されている。); アリール 又はヘテロアリール(これらは置換されていないか又は モノ又はポリ置換されている。);C1-3-アルキル鎖を介して結合したアリール 又は C3-8-シクロアルキルを示すか、又は 隣接する窒素を含めて Qと一緒になって4−、5−、6−又は7−員環を形成し、これらは飽和又は不飽和であり、そして 更なるヘテロ原子 O、S 又は Nを有することができ、この環は別の5−又は6−員環(飽和又は不飽和)と縮合することができる; ただし通常の閉環の場合、 Q は
【化4】

を示し、そして上記環は各位置がフェニル、OH、ORN、F、Cl、CF3、又は C1-6-アルキルによって置換されていてよいか、
又は Q は単結合、-CH2-、-CH2-CH2-、又は
【化5】

(式中、

は単結合又は二重結合を示す。)
を示し、
この際、
“置換されたアルキル” 及び“置換されたシクロアルキル”は、1個又は複数個の水素基がF、Cl、Br、I、-CN、NH2、NH-C1-6-アルキル、NH-C1-6-アルキル-OH、C1-6-アルキル、N(C1-6-アルキル)2、N(C1-6-アルキル-OH)2、NO2、SH、S-C1-6-アルキル、S-ベンジル、O-C1-6-アルキル、OH、O-C1-6-アルキル-OH、=O、O-ベンジル、C(=O)C1-6-アルキル、CO2H、CO2-C1-6-アルキル、フェニル 又は ベンジルによって置換されていることを意味し、
“置換されたアリール” 及び “置換されたヘテロアリール”は、環系の水素原子1個以上がF、Cl、Br、I、CN、NH2、NH-C1-6-アルキル、NH- C1-6-アルキル-OH、N(C1-6Alkyl)2、N(C1-6-アルキル-OH)2、NO2、SH、S-C1-6-アルキル、OH、O-C1-6-アルキル、O-C1-6Alkyl-OH、C(=O)C1-6-アルキル、CO2H、CH2SO2-フェニル、CO2-C1-6-アルキル、OCF3、CF3,
【化6】

C1-6-アルキル、フェニル、ピリジル、チエニル 又はフリルによってモノ又はポリ置換、たとえばジ-、トリ- 又はテトラ置換されていることを意味する、
そのラセミ化合物、その対掌体、そのジアステレオマー、その対掌体又はジアステレオマーの混合物、 又は 個々の対掌体又はジアステレオマーの混合物、その塩基及び(又は) 生理学的に許容し得る酸の塩の形にある、請求項1記載の置換された スルホンアミド誘導体。
【請求項3】
R1 がチエニル、フェニル、ベンジル、フェネチル、ピリジル、又は-CH2- 又は -CH2-CH2-鎖 を介して結合したピリジル(これらは、それぞれ置換されていないか又はモノ又はポリ置換されている。)を示す、請求項1又は2記載の置換された スルホンアミド誘導体 。
【請求項4】
R3 が フェニル、 ナフチル、チエニル 又は ベンゾチオフェン(これらは置換されていないか 又は モノ又はポリ置換されている。)を示す、請求項1〜3のいずれか1つに記載の置換された スルホンアミド誘導体。
【請求項5】
R6 が H、メチル、エチル、n-プロピル、 イソブチル、シクロプロピル、C1-3-アルキル鎖を介して結合したシクロプロピル、 又は ベンジルを示し、そして Qが単結合である、請求項1〜4のいずれか1つに記載の置換された スルホンアミド誘導体。
【請求項6】
【化7】

が、
【化8】

を示す、請求項1〜4のいずれか1つに記載の置換された スルホンアミド誘導体。
【請求項7】
Qが
【化9】

を示す、請求項1〜4のいずれか1つに記載の置換された スルホンアミド誘導体。
【請求項8】
Zが O 又は CH、好ましくはOを示す、請求項1〜7のいずれか1つに記載の 置換された スルホンアミド誘導体。
【請求項9】
Pが1を示す、請求項1〜8のいずれか1つに記載の置換された スルホンアミド誘導体。
【請求項10】
R4及び R4a が Hを示す、請求項1〜9のいずれか1つに記載の置換された スルホンアミド誘導体。
【請求項11】
R5及び R5a がHを示す、請求項1〜10のいずれか1つに記載の置換された スルホンアミド誘導体 。
【請求項12】
m が1を示し、
n が1 又は 2、特に1を示し、
R4、R4a、R5及び R5a がH を示し、そして
Z が Oを示すか、
又は
m が 0 を示し、
Z が O 又は CH2、特に Oを示し、
n が1 又は 2、特に1を示し、 及び
R4及び R4a が Hを示すか、
又は
m が 2を示し、
Z が Oを示し、
n が 1 又は 2、特に1を示し、
R4、R4a、R5及び R5aがH を示すか、
又は
m が1 又は 2、特に1を示し、
Z が CH2を示し、
n が 1を示し、そして
R4、R4a、R5及び R5aが Hを示す、
請求項1〜11のいずれか1つに記載の置換された スルホンアミド誘導体。
【請求項13】
R1が次の群:
2-ピリジニル、3-ピリジニル 又は 4-ピリジニル、好ましくは 3-ピリジニル 又は 4-ピリジニル、特に 3-ピリジニル;
【化10】

(式中、 xは 1、2 又は 3、 好ましくは 1 又は 2であることができ、そして アルキル鎖はピリジル基の 2-、3- 又は 4-位に、好ましくは3- 又は 4-位、特に 3-位に結合することができる。);
【化11】

(式中、 yは 0、1、2 又は 3、好ましくは 0、1 又は 2であることができ、そして フェニル基 は置換されていないか 又は 1種以上の、同一又は異なる置換基によって置換されていてよく、この際置換基は 好ましくは-F、-Cl、-Br、-I、CF3、特に -F、-Cl、Br 及び CF3より成る群から選ばれ、この際 2-、3-、又は 4-位、特に 3- 又は 4-位でモノ置換されたフェニル基が特に好ましい。)、
及び
2-チエニル(これは、 場合により モノ又はポリ置換され、好ましくは 置換されていない。)
より成る群から選ばれ、
R2が OH 又は OC1-6-アルコキシ、好ましくは OHを示し、
R3がつぎの群:
フェニル(これは、置換されていないか、モノ又はポリ置換され、この際置換基は 好ましくは-Me、-CF3、-F、-Cl、-Br、-I、-OMeより成る群から選ばれ、そして フェニル基 の次の置換パターンが特に好ましい: 2、4 及び 6; 2 及び 4 並びに 2 及び 6;
ナフチル、 特に1-ナフチル(これは、置換されていないか、モノ又はポリ置換されている。)、特に 2-位がメチル置換されたナフチル; 及び
ベンゾチエニル、特に ベンゾチエン-3-イル(これは、置換されていないか、モノ又はポリ置換されている。);
及び 一般式Iからの基
【化12】

a) n が1 を示し、
R4 及び R4a が Hを示し、
Z が O 又は CH2、 特に Oを示し,
m が1 又は 0、 特に 1 を示し、
R5 及び R5a が H を示し、
そして
【化13】


【化14】


特に
【化15】

を示すか、
又は
b) n が 1を示し、
R4 及び R4a が Hを示し、
Z が Oを示し、
m が 1を示し、
R5及び R5a が Hを示し、
Q が-CH2を示し、そして
R6 が H、C1-4-アルキル、特に メチル 及び エチル、C3-5-シクロアルキル、特にシクロプロピル、(-CH2-)- 又は (-CH2-CH2-)-架橋を介して結合したC3-5-シクロアルキル、特に -CH2-シクロプロピル、フェニル 又は ベンジル を示す
請求項1〜12のいずれか1つに記載の置換された スルホンアミド誘導体。
【請求項14】
R2がOHを示す、請求項1〜13のいずれか1つに記載の置換された スルホンアミド誘導体。
【請求項15】
R3が2,6-ジメチル-4-メトキシフェニルを示す、請求項1〜14のいずれか1つに記載の置換された スルホンアミド誘導体。
【請求項16】
次の群:
【表1】















から選ばれる、請求項1〜15のいずれか1つに記載の置換された スルホンアミド誘導体。
【請求項17】
請求項1 〜16のいずれか1つに記載の、一般式Iで表わされる置換されたスルホンアミド誘導体の製造方法において、一般式 Gで表わされるカルボン酸を一般式 Sで表される第一 又は 第二 アミンの使用下に、
【化16】

脱水剤、たとえば硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム又は酸化リン の存在下又は カップリング試薬、たとえば CDI、場合により ポリマー結合するDCC、TBTU、EDCI、PyBOP 又は PFPTFAの存在下、場合によりHOAt 又は HOBt、及び有機塩基 たとえば DIPEA 又は ピリジンの添加下に、有機溶剤、たとえば THF、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、ジオキサン、DMF 又は アセトニトリル 中で反応させる、上記一般式Iで表わされる置換されたスルホンアミド誘導体の製造方法。
【請求項18】
場合により、そのラセミ化合物、その対掌体、そのジアステレオマー、その対掌体又はジアステレオマーの混合物、 又は 個々の対掌体又はジアステレオマーの混合物、その塩基及び(又は) 生理学的に許容し得る酸の塩の形にある、請求項1〜16のいずれか1つに記載の、一般式Iで表わされる置換されたスルホンアミド誘導体の少なくとも1種、場合により適する助剤及び/又は場合によりその他の有効物質を含有する医薬。
【請求項19】
請求項1〜16のいずれか1つに記載の、一般式Iで表わされる置換されたスルホンアミド誘導体の、痛み、特に急性痛、内臓痛、神経障害性痛、又は慢性痛の及び炎症性痛の治療用医薬の製造への使用。
【請求項20】
請求項1〜16のいずれか1つに記載の、一般式Iで表わされる置換されたスルホンアミド誘導体の偏頭痛、糖尿病、呼吸器系疾患、炎症性腸疾患、神経系疾患、皮膚炎症、リウマチ性疾患、敗血性ショック、再かん流症候群、肥満の治療用医薬又は血管形成阻害薬の製造への使用。

【公表番号】特表2010−506868(P2010−506868A)
【公表日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−532712(P2009−532712)
【出願日】平成19年10月15日(2007.10.15)
【国際出願番号】PCT/EP2007/008927
【国際公開番号】WO2008/046573
【国際公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(390035404)グリュネンタール・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (127)
【Fターム(参考)】