プラスチック材料を押し出すためのスクリュエレメント、前記スクリュエレメントの使用、および押出方法
本発明は、対で共回転し、対で正確にぬぐうスクリュシャフトを含む多シャフトスクリュ形機械のためのスクリュエレメントに関する。1対のスクリュエレメントのすべてのねじ山角度の総計が0以上、および2*pi−8*arccos(0.5*a/ra)未満であり、1対のスクリュエレメントのねじ山領域の数が4よりも多く、1対のスクリュエレメントのそれぞれのスクリュエレメントが、フランク領域およびチャネル領域からなる2つの輪郭を描かれるスクリュ領域を有し、フランク角度およびチャネル角度の総計が、pi/2よりも大きい。本発明はまた前記スクリュエレメントの使用、および押出方法に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対で共回転し対で完全に自己でぬぐうスクリュ輪郭を有する多軸押出機のための新規のスクリュエレメント、多軸押出機でのスクリュエレメントの使用、およびプラスチック配合物を押し出すための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ロータが完全に自己でぬぐう共回転二軸押出機、または場合により共回転多軸押出機が長い間知られてきた。このようなスクリュ押出機の包括的概観が以下の出版物[1]=Kohlgruber:Der gleichlaufige Doppelschneckenextruder(The co−rotating twin−screw extruder)、Hanser Verlag、Munich、2007で得られる。
【0003】
完全に自己でぬぐう輪郭の原理に基づく押出機が、重合体生成および重合体処理で多くの異なる使い方をされてきた。このことは主に、重合体溶融物が表面に付着し、通常の処理温度で時間をかけて分解するという事実の結果であり、このことは、完全に自己でぬぐうスクリュの自己洗浄作用により防止される。完全に自己でぬぐうスクリュ輪郭を作り出すための規則が、例えば刊行物[1]の96から109ページに示されている。[1]には、二軸押出機の第1のスクリュの所定のスクリュ輪郭が、どのようにして二軸押出機の第2のスクリュのスクリュ輪郭を決定するかについても記述されている。従って、二軸押出機の第1のスクリュのスクリュ輪郭は、生成するスクリュ輪郭(generating screw profile)として知られている。二軸押出機の第2のスクリュのスクリュ輪郭は、二軸押出機の第1のスクリュのスクリュ輪郭から生じ、従って、生成されるスクリュ輪郭(generated screw profile)として知られている。多軸押出機の場合、隣接するスクリュが常に、生成するスクリュ輪郭および生成されるスクリュ輪郭を使って交互に配列される。
【0004】
現代の二軸押出機にはビルディングブロック方式があり、ビルディングブロック方式では、様々なスクリュエレメントがコアシャフト上に搭載されてもよい。この方法では、当業者が当面の特定の仕事に二軸押出機を採用することがある。1対のスクリュエレメントが、生成するスクリュ輪郭を有する1つのスクリュエレメント、および生成されるスクリュ輪郭を有する1つのスクリュエレメントからなる。
【0005】
例えば[1]の96から109ページで得られるように、この主要な発明者にちなんで命名された公知のErdmengerスクリュ輪郭が、3つの変数、即ち、ねじ山(flight)の数z、外側のスクリュ半径ra、および中心線距離aを明確に提示することによりはっきりと規定される。ねじ山の数zは1以上の整数である。スクリュ輪郭の別の重要な特性パラメータがコア半径riである。スクリュ輪郭の別の重要な特性パラメータがねじ山の高さhである。
【0006】
外側のスクリュ半径に等しいスクリュ輪郭のゾーンが、先端ゾーンとして知られている。スクリュ輪郭の回転点に対する、先端ゾーンの始点と終点の間の角度が、先端角度として知られている。外側のスクリュ半径に1点だけで接触する先端ゾーンが先端角度0を有し、始点および終点が1点で一致する。コア半径に等しいスクリュ輪郭のゾーンが溝付ゾーンとして知られている。スクリュ輪郭の回転点に対する、溝付ゾーンの始点と終点の間の角度が溝角度として知られている。コア半径に1点だけで接触する溝付ゾーンが溝角度0を有し、始点および終点がこの場合も同じである。外側のスクリュ半径よりも小さくコア半径よりも大きなスクリュ輪郭のゾーンが、フランクゾーンとして知られている。従って、スクリュ輪郭の回転点に対する、フランクゾーンの始点と終点の間の角度が、フランク角度として知られている。2つのバレル内径が互いに貫通し合う多軸押出機のゾーンが、かみ合うゾーンとして知られている。2つのバレル内径が交差する2つの点がバレルかみ合いとして知られている。
【0007】
zのねじ山を有するErdmengerスクリュ輪郭の先端角度δ_kwが、δ_kw=π/z−2*arccos(0.5*a/ra)と計算され、π(π≒3.14159)は円周率である[1]。従って、Erdmengerスクリュ輪郭を有する1対の2−ねじ山スクリュエレメントの先端角度の総計は、2*π−8*arccos(0.5*a/ra)に等しい。
【0008】
さらに[1]は、二軸押出機および多軸押出機の構造、機能、および動作を詳細に説明している。1つの章全体(227から248ページ)が、スクリュエレメント、およびスクリュエレメントの動作のモードに充てられている。この章では、運搬エレメント、混練エレメント、および混合エレメントの構造および機能が詳細に説明されている。異なるねじ山の数を有するスクリュエレメント間の遷移を可能にするために、しばしばワッシャがスペーサとして使用される。特別な事例では、異なるねじ山の数を有する2つのスクリュエレメント間の連続的遷移を可能にする「遷移エレメント」が使用され、1対の自己洗浄性スクリュ輪郭が遷移のそれぞれの点で提供される。
【0009】
プラスチック配合物が変形可能な組成を意味すると理解される。プラスチック配合物の例が、特に熱可塑性物質およびエラストマーからなる重合体溶融物、重合体溶融物の混合物、もしくは固体、液体、またはガスを有する重合体溶融物の分散である。
【0010】
プラスチック配合物の押出が、具体的には、重合体の生成、コンパウンディング、および処理で主要な役割を果たす。押出は、[1]で包括的に説明されているように、共回転する二軸押出機または多軸押出機での物質、または物質の混合物の処置を意味すると理解される。
【0011】
重合体生成中、例えば重合体からガスを抜くために押出が行われる(例えば[1]、191から212ページを参照のこと)。
【0012】
重合体のコンパウンディング中、例えば添加物を混合するため、もしくは例えば化学組成、分子量、または分子構成が異なる様々な重合体を混合するために押出が行われる(例えば[1]、59から93ページを参照のこと)。コンパウンディングは、従来の方法で溶かされるプラスチックの原料、ならびに追加および混合する充填剤、ならびに/または補強剤、可塑剤、結合剤、スリップ剤、安定剤、着色剤などを使用して、重合体を完成したプラスチック成形材料(または化合物)に転換することを伴う。コンパウンディングはまたしばしば、例えば空気および水などの揮発物の除去を含む。コンパウンディングはまた、例えばグラフト化、官能基の修飾、または分子量を自由に増減することによる分子量修正などの化学反応を伴うことがある。
【0013】
重合体処理中、重合体は半製品、すぐ利用できる製品、または成分の形に転換されることが好ましい。処理は、例えば射出成形、押出、フィルムブローイング、カレンダリング、またはスピニングにより続行することがある。処理はまた、重合体を充填剤、および補助物質、および添加物と混合することだけでなく、例えば加硫などの化学修飾も伴うことがある。
【0014】
押出中のプラスチック配合物の処置は、1つ以上の工程、即ち、運搬、溶融、分散、混合、脱ガス、および圧力増大を伴う。
【0015】
一般に公知であり、例えば[1]の169から190ページで説明されているように、混合は分配混合および分散混合に区別されてもよい。分配混合は、所与の容積内での様々な組成の一様な分配を意味すると理解される。分配混合は、例えば同様な重合体が混合されるときに行われる。分散混合では、固体粒子、流体小滴、または気泡がまずさらに分けられるときに行われる。さらに分けることは、例えば重合体溶融物と添加物の間の界面での表面張力に打ち勝つためにかなり大きな剪断力を適用することを伴う。混合は常に、分配混合および/または分散混合を意味すると以下で理解される。
【0016】
溶融物運搬および圧力増大が刊行物[1]の73ページ以下参照で説明されている。押出機スクリュ内の溶融物運搬ゾーンが、一方の処理ゾーンから次の処理ゾーンまで生成物を運び、充填剤内に引き寄せるのに役立つ。溶融物運搬ゾーンは、例えば一方の処理ゾーンから次の処理ゾーンへ生成物を運ぶ間、脱ガス中、および保持ゾーン内など、一般に部分的に満たされている。運搬に必要とされるエネルギが損失され、重合体溶融物の温度の上昇により不利に出現する。従って、運搬ゾーンで使用されるスクリュエレメントは、可能な最小のエネルギを損失するスクリュエレメントであるべきである。1×内部の押出機直径Dのピッチを有するねじ山エレメント(thread element)が簡単な溶融物運搬のために好都合である[1]。
【0017】
例えば後ろ向きの運搬エレメント、混合エレメント、後ろ向きの運搬ブロック、または中立の混練ブロックなどの押出機内部の圧力消費者の上流、ならびに例えばダイプレート、押出ダイ、および溶融物フィルタなどの押出機外部の圧力消費者の上流では、押出機内部に逆圧ゾーンが形成され、そこでは、運搬が完全に十分な状態で行われ圧力消費者に打ち勝つための圧力が増やされなければならない。溶融物を出力するのに必要とされる圧力が生成される押出機の圧力増大ゾーンは、計量ゾーンとして知られている。重合体溶融物に導入されるエネルギは、圧力増大のためおよび溶融物運搬のための有効動力、ならびに溶融物の温度の増加により不利に出現する損失動力に分割される。圧力増大ゾーンでは、溶融物の強い逆流がスクリュの先端の端から端まで発生するので、その結果、入力エネルギが増大することになる[1]。従って、圧力増大ゾーンで使用されるスクリュエレメントは、可能な最小のエネルギを損失するスクリュエレメントであるべきである。
【0018】
スクリュの先端の領域では、特に大きな量のエネルギが溶融物内で損失され、このことが生成物内の局所的な激しい加熱につながることが当業者に公知である。このことが、公知のErdmengerスクリュ輪郭を有する2−ねじ山運搬エレメントについて、例えば[1]の160ページ以下参照で説明されている。この局所的加熱は、例えば、臭気、色、化学組成、または分子量の変化、もしくはゲル粒子または斑点などの、生成物中の不均一性の形成の変化などの、生成物への損害をもたらすことがある。具体的には、先端の大きな角度が、この点で有害である。さらに、多くの工程で、高いエネルギ入力も、二軸押出機の可能な処理量を制限し、従って二軸押出機の経済的実行可能性を制限する。
【0019】
さらに、公知のErdmengerスクリュ輪郭を有する2−ねじ山運搬エレメントの圧力増大中の効率がおよそ10%であることは当業者には知られている([1]、129から146ページ)。溶融物密度1,000kg/m3、および溶融物の熱容量2,000J/kg/Kでの50バールの圧力上昇が、25Kの温度上昇で前記効率10%をもたらす([1]、120ページ)。この加熱が、例えば臭気、色、化学組成、または分子量の変化、もしくはゲル粒子または斑点などの生成物中の不均一性の形成の変化などの生成物への損害をもたらすことがある。
【0020】
ポリエチレンおよびポリエチレン共重合体を押し出すとき、過度に高い温度が分子量の増大、分岐、および架橋結合をもたらす。ポリエチレンおよびポリエチレン共重合体はさらに当業者に公知の([2]Hepperle、J.:Schadigungsmechanismen bei Polymeren(Damage mechanisms in polymers)、Polymeraufbereitung 2002、VDI−K、VDI−Verlag GmbH、[3]Zweifel、H.:Stabilization of Polymeric Materials、Springer、Berlin、1997、[4]Schwarzenbach、K.et al.:Antioxidants、in Zweifel、H.(ed.):Plastics Additives Handbook、Hanser、Munich、2001、[5]Cheng、H.N.、Schilling、F.C.、Bovey、F.A.:13C Nuclear Magnetic Resonance Observation of the Oxidation of Polyethylene、Macromolecules 9(1976)p.363−365)自動酸化サイクルで大気中の酸素と反応して、例えばケトン、アルデヒド、カルボキシル酸、ヒドロペルオキシド、エステル、ラクトン、およびアルコールなどのにおいの強い、従って、混乱を伴う低分子量成分を形成する。
【0021】
ポリエチレンおよび酢酸ビニルに基づく重合体を押し出すとき、過度に高い温度がにおいの強い腐食性の酢酸の形成をさらにもたらす。
【0022】
ポリプロピレンおよびポリプロピレン共重合体を押し出すとき、過度に高い温度が、分子量減損をもたらす。ポリプロピレンおよびポリプロピレン共重合体はさらに自動酸化サイクルで大気中の酸素と反応して、例えばケトン、アルデヒド、カルボキシル酸、ヒドロペルオキシド、エステル、ラクトン、およびアルコールなどのにおいの強い、従って混乱を伴う低分子量成分を形成する。
【0023】
ポリ塩化ビニルを押し出すとき、過度に高い温度が、生成物の変色、および腐食性でガス状の塩酸の除去をもたらし、この場合、今度は、塩酸が塩酸のさらなる除去に触媒作用を及ぼす。
【0024】
ポリスチレンを押し出すとき、過度に高い温度が有害なスチレンの形成だけでなく、二量体スチレンおよび三量体スチレンの形成ももたらし、分子量が減損し、対応する機械的特性が低下する。
【0025】
ポリスチレン−アクリロニトリル共重合体(SAN)を押し出すとき、生成物が熱応力に曝されるときに黄ばんだ色に変化し、その結果、透明度が低下し、発癌性単量体アクリロニトリルだけでなくスチレンも形成し、分子量が減損し、機械的特性が低下する。
【0026】
芳香族ポリカーボネートを押し出すとき、生成物が、具体的には酸素の作用により、過度な熱応力に曝されたときに黄ばんだ色に変化し、その結果、透明度が低下し、具体的には水の作用により、分子量減損を示す。例えばビスフェノールAなどの単量体も高まった温度に曝されるときに解離させられる。
【0027】
例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、およびポリトリメチレンテレフタレートなどの重合体を押し出すとき、過度な温度、および水の作用が、分子量の低下、および分子内の末端基の変位をもたらす。このことは、特にポリエチレンテレフタレートを再利用するときに問題となる。ポリエチレンテレフタレートは、上昇した温度でアセトアルデヒドを除去し、このことが、例えば飲料用ビンの内容物の香りに変化をもたらすことがある。
【0028】
ジエン系ゴムで、具体的にはブタジエンゴムで耐衝撃性改質の熱可塑性物質を、具体的には耐衝撃性改質のグレードのポリスチレン(HIPS)および耐衝撃性改質のSAN(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、ABS)を押し出すとき、過度な温度が発癌性ブタジエンおよび有毒なビニルシクロヘキセンの除去をもたらす。さらに、ジエン系ゴムが架橋結合し、その結果、生成物の機械的特性が低下する。
【0029】
ポリオキシメチレンを押し出すとき、過度な温度が有毒なホルムアルデヒドの除去をもたらす。
【0030】
ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド4,6、ポリアミド11、およびポリアミド12などのポリアミドを押し出すとき、過度に高い温度が生成物の変色および分子量低減、ならびに単量体および二量体の再構成をもたらすので、その結果、特に水の存在下で機械的特性の低下となる。
【0031】
熱可塑性ポリウレタンを押し出すとき、過度に高い温度が、トランスウレタン化による分子構造の変化、および水の存在下での分子量低減をもたらす。これらの両方が、熱可塑性ポリウレタンの特性に好ましくない影響を及ぼす。
【0032】
ポリメタクリル酸メチルを押し出すとき、メタクリル酸メチルが除去され、過度な熱応力に曝されたときに分子量が減損し、その結果、悪臭公害および機械的特性低下をもたらす。
【0033】
ポリフェニレンスルファイドを押し出すとき、過度に高い温度が、硫黄含有有機化合物および硫黄含有無機化合物の除去をもたらし、このことが悪臭公害をもたらし、押出ダイの腐食につながることがある。低分子量のオリゴマおよび単量体も形成され、分子量が減損するので、ポリフェニレンスルファイドの機械的特性が低下する。
【0034】
ポリフェニルスルホンを押し出すとき、過度に高い温度が、特に水の存在下で有機化合物の除去をもたらす。分子量も低下し、機械的特性の低下をもたらす。
【0035】
ポリフェニレンエーテルを押し出すとき、過度に高い温度が低分子量有機化合物の除去をもたらし、この場合、分子量が低下する。このことが生成物の機械的特性の低下をもたらす。
【0036】
例えばポリブタジエン(BR)、天然ゴム(NR)および合成ポリイソプレン(IR)などのジエン系ゴム、ブチルゴム(IIR)、クロロブチルゴム(CIIR)、ブロモブチルゴム(BIIR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリクロロプレン(CR)、ブタジエン−アクリロニトリルゴム(NBR)、部分的に水素化されたブタジエン−アクリロニトリルゴム(HNBR)、ならびにエチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)を押し出すとき、過度に高い温度が架橋結合によるゲル形成をもたらし、このことが、ゲル形成から生成される成分の機械的特性の低下につながる。クロロゴムおよびブロモブチルゴムの場合、上昇した温度が、腐食性でガス状の塩酸および臭化水素酸の除去をもたらすことがあり、このことが、今度は、重合体のさらなる分解に触媒作用を及ぼす。
【0037】
例えば硫黄または過酸化物などの加硫剤を含むゴム化合物を押し出すとき、過度に高い温度が時期尚早な加硫をもたらす。この結果、これらのゴム化合物からどんな生成物を作り出すことも、もはや不可能になる。
【0038】
過度に高い温度で1つ以上の重合体の混合物を押し出すとき、個々の重合体を押し出す欠点がその都度出現する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0039】
【非特許文献1】Kohlgruber:Der gleichlaufige Doppelschneckenextruder(The co−rotating twin−screw extruder)、Hanser Verlag、Munich、2007
【非特許文献2】Hepperle、J.:Schadigungsmechanismen bei Polymeren(Damage mechanisms in polymers)、Polymeraufbereitung 2002、VDI−K、VDI−Verlag GmbH
【非特許文献3】Zweifel、H.:Stabilization of Polymeric Materials、Springer、Berlin、1997
【非特許文献4】Schwarzenbach、K.et al.:Antioxidants、in Zweifel、H.(ed.):Plastics Additives Handbook、Hanser、Munich、2001
【非特許文献5】Cheng、H.N.、Schilling、F.C.、Bovey、F.A.:13C Nuclear Magnetic Resonance Observation of the Oxidation of Polyethylene、Macromolecules 9(1976)p.363−365
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0040】
従って、従来技術に基づき、圧力増大中に可能な最高効率を、および熱応力への生成物の可能な限り最低の曝露を同時に示す、多軸押出機のためのスクリュエレメントを提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0041】
意外なことに、従来技術と比べて減少した先端角度を示し、圧力増大中に可能な最高効率を、および熱応力への生成物の可能な限り最低の曝露を同時にもたらす新規なスクリュエレメントが見出された。
【0042】
従って、本発明は、
1対のスクリュエレメントのすべての先端角度の総計が0以上、および2*π−8*arccos(0.5*a/ra)未満であり、
1対のスクリュエレメントの先端ゾーンの数が4よりも多く、
1対のスクリュエレメントのそれぞれのスクリュエレメントが2つのスクリュ輪郭ゾーンを含み、2つのスクリュ輪郭ゾーンは、いずれの場合もフランクゾーンおよび溝付ゾーンからなり、2つのスクリュ輪郭ゾーンでは、フランク角度および溝角度の総計が、いずれの場合もπ/2よりも大きいことを特徴とする、多軸押出機のためのスクリュエレメントを提供する。
【0043】
従って、上記で既に説明されたように、Erdmengerスクリュ輪郭を有する1対の2−ねじ山スクリュエレメントの先端角度の総計が、2*π−8*arccos(0.5*a/ra)に等しい。本発明によるスクリュエレメントは、2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭を有するスクリュエレメントと比べて長さが減少したゾーンを含み、Erdmengerスクリュ輪郭のゾーンは外側のスクリュ半径に対応し、Erdmengerスクリュ輪郭では、特に大量のエネルギが押出物質に導入されることが知られている。この方法では、エネルギ入力が実効的に低減され、生成物損傷の危険性が低減される。
【0044】
本発明による1対のスクリュエレメントのすべての先端角度の総計が2*π−8*arccos(0.5*a/ra)未満であり、好ましくは0.8*(2*π−8*arccos(0.5*a/ra)未満であり、特に好ましくは0.6*(2*π−8*arccos(0.5*a/ra)未満であり、最も好ましくは0.4*(2*π−8*arccos(0.5*a/ra))未満である。
【0045】
さらに、Erdmengerスクリュ輪郭を有する1対の2−ねじ山スクリュエレメントの場合、先端ゾーンの総計が4となる。本発明による1対のスクリュエレメントの先端ゾーンの数は4よりも多く、好ましくは5または6に等しく、特に好ましくは8に等しい。本発明による1対のスクリュエレメントの個々のスクリュエレメントの先端ゾーンの数は、好ましくは2または3に等しく、特に好ましくは4に等しい。
【0046】
本発明によれば、1対のスクリュエレメントのそれぞれのスクリュエレメントが2つのスクリュ輪郭ゾーンを含み、2つのスクリュ輪郭ゾーンは、いずれの場合もフランクゾーンおよび溝付ゾーンからなり、2つのスクリュ輪郭ゾーンでは、フランク角度および溝角度の総計がいずれの場合もπ/2よりも大きい。これらの2つのスクリュ輪郭ゾーンはまた、チャネルゾーンとしても知られていることがある。事実上すべての押出物質がこれらのチャネルゾーン内に配置される。
【0047】
フランクゾーンおよび溝付ゾーンからなるスクリュ輪郭ゾーンの角度の総計が2*π/3よりも大きいことが好ましい。
【0048】
本発明によるスクリュエレメントでは、生成するスクリュ輪郭が個々に設計されてもよい。具体的には、先端ゾーンを規定するエッジが丸みをつけられてもよい。
【0049】
本発明によるスクリュエレメントは、1つ以上の先端ゾーンが先端角度0を有することを特徴とすることが好ましい。このような場合、隣接するスクリュエレメントのバレルの洗浄および溝付ゾーンの洗浄が、最低限まで低減される先端ゾーンで続行される。この方法では、エネルギ入力、および応力への押出物質の曝露も最低限まで低減される。シーリングは点状であり、必要な圧力増大を保証するのに十分である。
【0050】
本発明によるスクリュエレメントは、π/2の回転後、生成されるスクリュ輪郭が生成するスクリュ輪郭と一致することを特徴とすることが好ましい。このことには、隣接するスクリュのために異なるスクリュエレメントが製造される必要がないという利点がある。
【0051】
好ましいスクリュエレメントは、多軸押出機のすべてのスクリュ、または二軸押出機の2つのスクリュについて同じスクリュ輪郭を有するスクリュエレメントである。
【0052】
意外にも、本発明による1対のスクリュエレメントのスクリュ輪郭が、規定された一連の先端ゾーン、フランクゾーン、および溝付ゾーンにより生成されてもよいことが見出された。本発明によるスクリュエレメントは、生成するスクリュ輪郭および生成されるスクリュ輪郭が一連のチャネルゾーン−閉ゾーン−チャネルゾーン−閉ゾーンを示すことを特徴とする。チャネルゾーンは一連のフランクゾーンおよび溝付ゾーンを意味すると理解される。チャネルゾーンは、好ましくは一連のフランクゾーン−溝付ゾーン−フランクゾーン−溝付ゾーン−フランクゾーンであり、特に好ましくは一連のフランクゾーン−溝付ゾーン−フランクゾーンである。
【0053】
閉ゾーンは先端ゾーン、または一連の先端ゾーンおよびフランクゾーンのいずれかである。閉ゾーンは一連の先端ゾーン−フランクゾーン−先端ゾーンであることが好ましい。
【0054】
本発明によるスクリュエレメントのスクリュ輪郭が、例えば2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭から始めて、ゾーンが2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭の先端ゾーンから「移動される」ことで明確に得られることがある。この方法では、先端ゾーンの長さが低減され、1つの連続する先端ゾーンの代わりに、2つの先端ゾーンが得られ、この場合、2つの先端ゾーンの間に「間隙(gap)」が出現する。このとき、自己洗浄性を保証するために、この場合も、最初の2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭の溝付ゾーン内にゾーンが「追加され」なければならない。本発明によるスクリュエレメントの場合、いずれの場合もフランクゾーンおよび溝付ゾーンからなり、いずれの場合もフランク角度および溝角度の総計がπ/2よりも大きい、好ましくは2*π/3よりも大きい2つのスクリュ輪郭がいずれの場合も出現するので、押出物質の大多数が依然として2つのゾーン、即ちチャネルゾーン内に配置され、2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭の元々の先端ゾーン内の「間隙」の結果として、容易に感知できる別のねじ山が全く出現しないことが保証される。
【0055】
好ましい実施形態では、x軸に対してもy軸に対しても対称なスクリュ輪郭が得られるような方法で、「除去」が先端ゾーンで続行し、「付加」が溝付ゾーンで続行する。このような対称なスクリュ輪郭を完全に規定するためには、スクリュ輪郭の残りが軸での鏡映により得られるので、このスクリュ輪郭の第1の4分の1だけが知られなければならない。
【0056】
意外にも、本発明によるスクリュエレメントの別のスクリュ輪郭が、本発明によるスクリュエレメントのスクリュ輪郭の4分の1に基づき得られることがあることが見出された。
【0057】
xy座標系の第1象限に配置されるスクリュ輪郭の4分の1に始点があり、x軸およびy軸でこの第1象限を鏡映することにより、本発明によるスクリュエレメントのスクリュ輪郭が得られる。上述の4分の1のフランクゾーンおよび溝付ゾーンをy軸で鏡映することにより、フランクゾーンおよび溝付ゾーンからなる第1のチャネルゾーンが得られる。この第1のチャネルゾーンをx軸で鏡映することにより、フランクゾーンおよび溝付ゾーンからなる第2のチャネルゾーンが得られる。連続したスクリュ輪郭が得られるような方法で、2つのチャネルゾーン間のゾーンが、先端ゾーンにより、または一連の先端ゾーン、およびフランクゾーンにより、好ましくは一連の先端ゾーン−フランクゾーン−先端ゾーンにより完成される。このようなゾーンはまた、閉ゾーンとしても知られている。スクリュ輪郭の回転点に対する閉ゾーンの始点と終点の間の角度が閉角度として知られている。
【0058】
好ましい実施形態では、第2のチャネルゾーンが、スクリュ輪郭の回転点を中心にして時計回りまたは反時計回りにπからπ−[π/2−2*arccos(0.5*a/ra)]までの範囲内の角度だけ第1のチャネルを回転することにより得られる。角括弧内の項は、2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭を有するスクリュエレメントの先端角度に等しい。第1のチャネルゾーンを角度π未満回転することが、大きさが異なるフランクゾーンおよび溝付ゾーンからなる2つのゾーンの間に2つの閉ゾーンをもたらす。2つの閉ゾーンの一方の閉角度が、好ましくは対応する外側のスクリュ半径を有する2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭の先端角度の1.2倍よりも大きい、特に好ましくはその1.6倍よりも大きい、および最も好ましくは2*arccos(0.5*a/ra)により計算されるバレル開口角度よりも大きい。これらの場合、2つの閉ゾーンの第2の閉ゾーンが先端ゾーンからなることが特に好ましく、これにより、得られるスクリュ輪郭は合計3つの先端ゾーンからなる。
【0059】
意外にも、第1のチャネルゾーンが、1つのスクリュ輪郭の2つの異なる4分の1のフランクゾーンおよび溝付ゾーンからなることがあることが見出された。第2のチャネルゾーンは、第1のチャネルゾーンの2つの4分の1の一方からなることも、第1のチャネルゾーンの2つの4分の1の組合せからなることもある。第2のチャネルゾーンが1つまたは2つの別の4分の1からなることも可能である。具体的には、1つ以上の4分の1が、2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭に基づくことが可能である。明確に提示された事例すべてにおいて、本発明によるスクリュエレメントの輪郭を生成することができる。
【0060】
本発明によるスクリュエレメントのスクリュ輪郭を作り出すための提示された簡単な方法を使って、対称なスクリュ輪郭も非対称なスクリュ輪郭も生成することができる。さらに、π/2だけ回転した後、生成されるスクリュ輪郭が、生成するスクリュ輪郭と一致するまたは異なるスクリュ輪郭が生成されてもよい。
【0061】
本発明によるスクリュエレメントの中心線距離に正規化された外側のスクリュ半径は、0.51から0.66までの範囲内であることが好ましく、0.52から0.575までの範囲内であることが特に好ましい。
【0062】
本発明は、個々のスクリュエレメントおよびコアシャフトを有するスクリュからなる現在一般に行われているモジュール構造のスクリュエレメントに限定されないが、一体構造のスクリュにも限定されない。従って、「スクリュエレメント」という用語はまた、一体構造のスクリュも意味すると理解されるべきである。
【0063】
本発明に従って使用されるスクリュエレメントは運搬エレメント、混練エレメント、および/または混合エレメントとして使用されてもよい。
【0064】
運搬エレメントは、(例えば、[1]、227から248ページを参照のこと)スクリュ輪郭が軸方向に連続的にらせん状に回転され伸長されるという点で識別されることが知られている。運搬エレメントは、右回転のねじ山、または左回転のねじ山を有することがある。運搬エレメントのピッチは中心線距離の0.1から10倍までの範囲内であることが好ましく、ピッチはスクリュ輪郭の完全な1回転に必要な軸長を意味すると理解され、運搬エレメントの軸長は中心線距離の0.1から10倍までの範囲内であることが好ましい。
【0065】
混練エレメントは、(例えば、[1]、227から248ページを参照のこと)スクリュ輪郭が混練ディスクの形で軸方向に不連続に伸長するという点で識別されることが知られている。混練ディスクは右回転または左回転のやり方で、または中立に配列されてもよい。混練ディスクの軸長は中心線距離の0.05から10倍までの範囲内であることが好ましい。2つの隣接する混練ディスク間の軸方向距離は中心線距離の0.002から0.1倍までの範囲内であることが好ましい。
【0066】
公知のように、混合エレメントはスクリュの先端内に開口を有する運搬エレメントを構築することにより形成される(例えば、[1]、227から248ページを参照のこと)。混合エレメントは、右回転でも左回転でもよい。混合エレメントのピッチは中心線距離の0.1から10倍までの範囲内であることが好ましく、混合エレメントの軸長は中心線距離の0.1から10倍までの範囲内であることが好ましい。開口はU字型またはV字型の溝の形をとることが好ましく、逆に運ぶやり方、または軸方向に平行なやり方で配列されることが好ましい。
【0067】
直接自己でぬぐうスクリュ輪郭が二軸押出機に直接挿入されることができるのではなく、むしろスクリュ間にクリアランスが必要であることが当業者には公知である。この目的のための様々な戦略が[1]の28ページ以下参照に説明されている。本発明によるスクリュエレメントのスクリュ輪郭については、スクリュ輪郭の直径に対して0.001から0.1まで、好ましくは0.002から0.05まで、特に好ましくは0.004から0.02までの範囲内のクリアランスが使用される。当業者には公知のように、クリアランスは、スクリュとバレルの間、およびスクリュとスクリュの間で異なる寸法でも、同じでもよい。クリアランスはまた、一定でも、または上記の限度の範囲内で可変でもよい。スクリュ輪郭をクリアランスの範囲内で変位させることも可能である。中心線距離伸長、縦方向断面オフセット、および3次元オフセットからなる、[1]の28ページ以下参照に説明されている可能なクリアランス戦略が実現可能な戦略であり、戦略のすべてが当業者に公知である。中心線距離伸長の場合、比較的小さな直径のスクリュ輪郭が構築され、スクリュ間のクリアランスの量だけさらに離して間隔を置かれる。縦方向断面オフセット法では、(軸に平行な)縦方向断面輪郭曲線が、スクリュ間クリアランスの半分だけ内側に変位させられる。3次元オフセット法では、スクリュエレメントが互いに洗浄する3次元曲線から始めて、スクリュエレメントが、完全に自己でぬぐう輪郭の表面に垂直な方向にスクリュとスクリュの間のクリアランスの半分だけ大きさが低減される。縦方向断面オフセット法および3次元オフセット法が好ましく、3次元オフセット法が特に好ましい。
【0068】
本発明によるスクリュエレメントの輪郭が、PCT/EP2009/003549に記載される方法を使用して構築されてもよい。1つの可能な方法が以下に説明される。
【0069】
生成するスクリュ輪郭の回転軸と生成されるスクリュ輪郭の回転軸の間の選択可能な中心線距離aを有するしっかりとかみ合う自己洗浄性共回転スクリュ輪郭を生成するための方法が、生成するスクリュ輪郭がnの円弧から形成され、生成されるスクリュ輪郭がn’の円弧から形成されることを特徴とし、
生成するスクリュ輪郭および生成されるスクリュ輪郭が1つの平面内にあり、
生成するスクリュ輪郭の回転軸、および生成されるスクリュ輪郭の回転軸が、いずれの場合もスクリュ輪郭の前記平面に垂直であり、生成するスクリュ輪郭の回転軸と前記平面との交点が、生成するスクリュ輪郭の回転点として指定され、生成されるスクリュ輪郭の回転軸と前記平面との交点が、生成されるスクリュ輪郭の回転点として指定され、
生成するスクリュ輪郭の円弧の数nが選択され、nは1以上の整数であり、
生成するスクリュ輪郭の外半径raが選択され、raは0よりも大きく(ra>0)、中心線距離以下(ra≦a)の値であると仮定することができ、
生成するスクリュ輪郭のコア半径riが選択され、riは0以上(ri≧0)、およびra以下(ri≦ra)の値であると仮定することができ、
生成するスクリュ輪郭の円弧が、以下の配列規則に従って、即ち
生成するスクリュ輪郭のすべての円弧が、連続した凸状のスクリュ輪郭が得られるような方法で接線方向に互いに移行し、半径が0に等しい円弧が、半径がepsに等しい円弧として扱われることが好ましく、ここで、epsは0に向かう傾向がある非常に小さな正の実数であり(eps≪1、eps→0)、
生成するスクリュ輪郭の円弧のそれぞれが、外半径raおよびコア半径riを有する円環内部または円環の境界にあり、円環の中心点が生成するスクリュ輪郭の回転点上にあり、
生成するスクリュ輪郭の円弧の少なくとも1つが、生成するスクリュ輪郭の外半径raに接触し、
生成するスクリュ輪郭の円弧の少なくとも1つが、生成するスクリュ輪郭のコア半径riに接触するように、生成するスクリュ輪郭回転軸を中心として時計回りまたは反時計回りに配列され、
角度α_1および半径r_1により確立される、生成するスクリュ輪郭の第1の円弧の大きさが、角度α_1がラジアンで0以上、および2π以下であるように選択され、πは円周率(π≒3.14159)を意味すると理解されるべきであり、半径r_1は0以上、および中心線距離a以下であり、この第1の円弧の2つの異なる点の位置決めにより得られる生成するスクリュ輪郭のこの第1の円弧の位置が、前記配列の規則に従って確立され、この第1の円弧の配置されるべき第1の点が、この第1の円弧に属する始点であることが好ましく、この第1の円弧の配置されるべき第2の点が、この第1の円弧に属する中心点であることが好ましく、
角度α_2、…、α_(n−1)、および半径r_2、…、r_(n−1)により確立される、生成するスクリュ輪郭の別のn−2の円弧の大きさが、角度α_2、…、α_(n−1)がラジアンで0以上、および2π以下であり、半径r_2、…、r_(n−1)が0以上、および中心線距離a以下であるように選択され、生成するスクリュ輪郭のこれらの別のn−2の円弧の位置が、前記配列の規則に従って確立され、
角度α_nおよび半径r_nにより確立される、生成するスクリュ輪郭の最後の円弧の大きさが、生成するスクリュ輪郭のnの円弧のnの角度の総計がラジアンで2πに等しくなることで決定され、角度α_nがラジアンで0以上、および2π以下であり、半径r_nが生成するスクリュ輪郭を閉じ、半径r_nが0以上、および中心線距離a以下であり、生成するスクリュ輪郭のこの最後の円弧の位置が、前記配列の規則に従って確立され、
生成されるスクリュ輪郭のn’の円弧が、生成するスクリュ輪郭のnの円弧から、
生成されるスクリュ輪郭の円弧の数n’が、生成するスクリュ輪郭の円弧の数nに等しく、n’は整数であり、
生成されるスクリュ輪郭の外半径ra’が、中心線距離引く生成するスクリュ輪郭のコア半径riという差に等しく(ra’=a−ri)、
生成されるスクリュ輪郭のコア半径ri’が、中心線距離引く生成するスクリュ輪郭の外半径riという差に等しく(ri’=a−ra)、
生成されるスクリュ輪郭のi’番目の円弧の角度α_i’が、生成するスクリュ輪郭のi番目の円弧の角度α_iに等しく、iおよびi’は、1からそれぞれ円弧の数nおよびn’までの範囲内のすべての値を一緒に通過する整数であり(α_1’=α_1、…、α_n’=α_n)、
生成されるスクリュ輪郭のi’番目の円弧の半径r_i’と、生成するスクリュ輪郭のi番目の円弧の半径r_iの総計が、中心線距離aに等しく、iおよびi’は、1からそれぞれ円弧の数nおよびn’までの範囲内のすべての値を一緒に通過する整数であり(r_1’+r_1=a、…、r_n’+r_n=a)、
生成されるスクリュ輪郭のi’番目の円弧の中心点が、生成するスクリュ輪郭のi番目の円弧の中心点から中心線距離aに等しい距離にあり、生成されるスクリュ輪郭のi’番目の円弧の中心点が、生成されるスクリュ輪郭の回転点から、生成するスクリュ輪郭の回転点から生成するスクリュ輪郭のi番目の円弧の中心点の距離に等しい距離にあり、生成されるスクリュ輪郭のi’番目の円弧の中心点と生成するスクリュ輪郭のi番目の円弧の中心点の間を接続する線が、生成されるスクリュ輪郭の回転点と生成するスクリュ輪郭の回転点の間を接続する線に平行な線であり、iおよびi’は、1からそれぞれ円弧の数nおよびn’までの範囲内のすべての値を一緒に通過する整数であり(i’=i)、
生成されるスクリュ輪郭のi’番目の円弧の中心点に対する生成されるスクリュ輪郭のi’番目の円弧の始点が、生成するスクリュ輪郭のi番目の円弧の中心点に対する生成するスクリュ輪郭のi番目の始点を有する方向と反対の方向にあり、iおよびi’は、1からそれぞれ円弧の数nおよびn’までの範囲内のすべての値を一緒に通過する整数である(i’=i)ということで得られる。
【0070】
本発明によれば、1対のスクリュエレメントのすべての先端角度の総計が0以上、および2*π−8*arccos(0.5*a/ra)未満であり、1対のスクリュエレメントの先端ゾーンの数が4よりも大きく、1対のスクリュエレメントのそれぞれのスクリュエレメントが2つのスクリュ輪郭ゾーンを含むように、生成するスクリュ輪郭および生成されるスクリュ輪郭の円弧が選択される、または互いにぴったり合わせられる。2つのスクリュ輪郭ゾーンは、いずれの場合もフランクゾーンおよび溝付ゾーンからなり、2つのスクリュゾーンでは、フランク角度および溝角度の総計が、いずれの場合もπ/2よりも大きい。
【0071】
なめらかでしっかりとかみ合う自己洗浄性共回転スクリュ輪郭を作り出すための説明された方法から、生成されるスクリュ輪郭については以下となる。
生成されるスクリュ輪郭は連続的であり、
生成されるスクリュ輪郭は凸状であり、
生成するスクリュ輪郭の円弧のそれぞれが、生成されるスクリュ輪郭の次の円弧と接線方向で移行し、半径が0に等しい円弧が、半径がepsに等しい円弧として扱われることが好ましく、ここで、epsは0に向かう傾向がある非常に小さな正の実数であり(eps≪1、eps→0)、
生成されるスクリュ輪郭の円弧のそれぞれが、外半径ra’およびコア半径ri’を有する円環内部、または円環の境界にあり、円環の中心点が、生成されるスクリュ輪郭の回転点上にあり、
生成されるスクリュ輪郭の円弧の少なくとも1つが、生成されるスクリュ輪郭の外半径ra’に接触し、
生成されるスクリュ輪郭の円弧の少なくとも1つが、生成されるスクリュ輪郭のコア半径ri’に接触する。
【0072】
さらに、なめらかでしっかりとかみ合う自己洗浄性共回転スクリュ輪郭を作り出すための上記の方法から、生成するスクリュ輪郭のコア半径riが、中心距離a引く生成するスクリュ輪郭の外半径raという差に等しい場合だけ(ri=a−ra)、生成されるスクリュ輪郭の外半径ra’が、生成するスクリュ輪郭の外半径raに等しく、生成されるスクリュ輪郭のコア半径ri’が、生成するスクリュ輪郭のコア半径riに等しいということになる。
【0073】
生成するスクリュ輪郭が半径r_i=0の円弧を有する場合、スクリュ輪郭は、大きさが角度α_iにより特徴付けられる円弧の位置にキンク(kink)を含む。生成されるスクリュ輪郭が、半径がr_i’=0の円弧を有する場合、スクリュ輪郭は、大きさが角度α_i’により特徴付けられる円弧の位置にキンクを含む。
【0074】
なめらかできつくかみ合う自己洗浄性共回転スクリュ輪郭を作り出すための上述の方法は、三角定規および1対のコンパスだけを使って実行されることができる点でさらに優れている。従って、生成するスクリュ輪郭のi番目の円弧と(i+1)番目の円弧の間の接線方向の遷移が、i番目の円弧の終点の周りに半径r_(i+1)の円を描くことにより設計され、生成するスクリュ輪郭の回転点のさらに近く配置される、この円弧と、i番目の円弧の中心点および終点により規定される直線との交点が、(i+1)番目の円弧の中心点となる。具体的には、三角定規および1対のコンパスの代わりに、スクリュ輪郭を設計するためにコンピュータソフトウェアが使用される。
【0075】
一般的な方法を使用して生成されるスクリュ輪郭はねじ山の数zに依存しない。生成されるスクリュ輪郭は、生成するスクリュ輪郭と異なることがある。説明から当業者が容易に理解するように、上述の方法は、具体的には異なる数のねじ山を有するスクリュエレメント間の遷移エレメントを生成するのに適している。z−ねじ山スクリュ輪郭に基づき、zとは異なるねじ山の数z’を有するスクリュ輪郭が最終的に得られるように、生成するスクリュ輪郭および生成されるスクリュ輪郭を段階的に変更することができる。この点で、遷移中に円弧の数を減らす、または増やすことが許容できる。
【0076】
対称な輪郭の場合、方法は、スクリュ輪郭の一部だけを設計し、対称操作により設計された部分から欠けている部分を生成することにより簡略化されてもよい。このことが、PCT/EP2009/003549に詳細に説明されている。
【0077】
スクリュ輪郭を作り出すための方法がコンピュータ上で行われることが推奨される。この場合、スクリュ輪郭の大きさが、スクリュエレメントを作り出すためのCADフライス盤に供給されることができる形で存在する。
【0078】
輪郭が、説明されたやり方で生成されると、本発明によるスクリュエレメントが、例えばフライス盤を使って作り出されることができる。スクリュエレメントを作り出すための好ましい材料が鋼鉄、具体的には窒化鋼および特殊鋼である。
【0079】
本発明は、多軸押出機での本発明によるスクリュエレメントの使用をさらに提供する。本発明によるスクリュエレメントは、二軸押出機で使用されることが好ましい。スクリュエレメントは、多軸押出機では混練エレメントまたは運搬エレメントの形で存在することがある。1つの押出機で混練エレメントおよび運搬エレメントを互いに組み合わせることが同様に可能である。本発明によるスクリュエレメントはまた、従来技術により公知の別のスクリュエレメントと組み合わせられてもよい。
【0080】
本発明による新規のスクリュエレメントを多軸押出機で使用することは、先端ゾーンの低減により、先端ゾーンでの熱負荷への生成物の曝露が最低限度に抑えられるという点で優れている。本発明による使用が、圧力増大中の効率を増し、低いエネルギ入力の結果として生成物の加熱を最小限度に抑える。
【0081】
本発明は、本発明によるスクリュエレメントを使用して、二軸押出機または多軸押出機でプラスチック配合物を押し出すための方法をさらに提供し、
1対のスクリュエレメントのすべての先端角度の総計が0以上、および2*π−8*arccos(0.5*a/ra)未満であり、
1対のスクリュエレメントの先端ゾーンの数が4よりも大きく、
1対のスクリュエレメントのそれぞれのスクリュエレメントが2つのスクリュ輪郭ゾーンを含み、2つのスクリュ輪郭ゾーンは、いずれの場合もフランクゾーンおよび溝付ゾーンからなり、2つのスクリュ輪郭ゾーンでは、フランク角度および溝角度の総計が、いずれの場合もπ/2よりも大きいことを特徴とする。
【0082】
本発明による1対のスクリュエレメントのすべての先端角度の総計が、好ましくは0.8*(2*π−8*arccos(0.5*a/ra))未満、特に好ましくは0.6*(2*π−8*arccos(0.5*a/ra))未満、および最も好ましくは0.4*(2*π−8*arccos(0.5*a/ra))未満である。
【0083】
本発明による1対のスクリュエレメントの先端ゾーンの数が、好ましくは6に等しく、特に好ましくは8に等しい。本発明によるスクリュエレメントの先端ゾーンの数が、好ましくは2に等しく、特に好ましくは4に等しい。
【0084】
フランクゾーンおよび溝付ゾーンからなるスクリュ輪郭ゾーンの角度の総計が2*π/3よりも大きいことが好ましい。
【0085】
本発明によるスクリュエレメントでは、生成するスクリュ輪郭が個々に設計されてもよい。具体的には、先端ゾーンを規定するエッジが丸みをつけられてもよい。
【0086】
本発明に従って非常に効率的に押し出されることができる一方で、生成物の穏やかな処置が同時に保証されるプラスチック配合物が、例えばサスペンション、ペースト、ガラス、セラミック組成物、溶融物の形の金属、プラスチック、プラスチック溶融物、高分子溶液、エラストマー、およびゴム組成である。
【0087】
プラスチックおよび高分子溶液が使用されるのが好ましく、熱可塑性重合体が使用されることが特に好ましい。好ましい熱可塑性重合体は、一連のポリカーボネート、ポリアミド、具体的にはポリブチレンテレフタレートおよびポリエチレンテレフタレートであるポリエステル、ポリエーテル、熱可塑性ポリウレタン、ポリアセタール、具体的にはポリフッ化ビニリデンであるフルオロポリマー、ポリエーテルスルホン、具体的にはポリエチレンおよびポリプロピレンであるポリオレフィン、ポリイミド、具体的にはポリ(メチル)メタクリレートであるポリアクリレート、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルファイド、ポリエーテルケトン、ポリアリルエーテルケトン、具体的にはポリスチレンであるスチレン重合体、具体的にはスチレン−アクリロニトリル共重合体であるスチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、ならびにポリ塩化ビニルのうちの少なくとも1つであることが好ましい。列挙されたプラスチックの混合物が同様に好ましく使用され、これらは2つ以上のプラスチックの組合せであると当業者により理解されている。
【0088】
別の好ましい供給材料がゴムである。好ましいゴムは、一連のスチレン−ブタジエンゴム、天然ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、ブチルゴム、ハロブチルゴム、クロロプレンゴム、エチレンービニルアセテートゴム、ポリウレタンゴム、熱可塑性ポリウレタン、ガッタパーチャ、アクリル酸ゴム、フッ素ゴム、シリコンゴム、硫化ゴム、クロロスルホニル−ポリエチレンゴムからの少なくとも1つであることが好ましい。列挙されたゴムの2つ以上の組合せ、または1つ以上のゴムと1つ以上のプラスチックとの組合せも当然可能である。
【0089】
これらの熱可塑性物質およびエラストマーは、純粋な形で、もしくは具体的にはガラス繊維などの充填剤および補強剤との混合物として、互いにまたは別の重合体との混合物として、もしくは従来の重合体添加物との混合物として使用されてもよい。
【0090】
好ましい一実施形態では、プラスチック配合物、具体的には重合体溶融物および重合体溶融物の混合物が、これらに添加物が混合されている。これらは重合体と一緒に押出機内に固体、液体、または溶液として配置されてもよく、もしくは添加物の少なくとも一部、またはすべての添加物が支流を介して押出機に供給される。
【0091】
添加物は重合体に多くの異なる特性を与える。添加物は、例えば着色剤、顔料、処理補助物、充填剤、酸化防止剤、補強剤、紫外線吸収剤および光安定剤、金属不活性化剤、過酸化物スカベンジャ、塩基性安定剤、核剤、安定剤または酸化防止剤としてのベンゾフランおよびインドリノン、離型剤、難燃添加剤、帯電防止剤、染料調合剤、および溶融物安定剤でもよい。これらの例が、カーボンブラック、ガラス繊維、粘土、雲母、グラファイト繊維、酸化チタン、炭素繊維、カーボンナノチューブ、イオンの液体、および天然繊維である。
【0092】
本発明は、図面を参照して例を用いて以下でより詳細に説明されるが、この例に限定されない。すべての図面は、コンピュータソフトウェアの助けを借りて作り出された。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1a】4つの円弧からなる、従来技術による2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭の4分の1を示す。
【図1b】スクリュ輪郭が図1aに基づく運搬エレメントとして構成される1対のスクリュエレメントを示す。
【図1c】図1bによるスクリュエレメントの対の平面図を示す。
【図2a】8つの円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。
【図2b】スクリュ輪郭が図2aに基づく、回転軸に垂直な本発明による1対のスクリュエレメントの断面を示す。
【図3a】8の円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。
【図3b】8の円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。
【図4a】8の円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。
【図4b】8の円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。
【図5a】8の円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。
【図5b】8の円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。
【図5c】8の円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。
【図5d】8の円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。
【図6a】8の円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。
【図6b】8の円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。
【図6c】8の円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。
【図7】対称なスクリュ輪郭を有する、本発明による好ましい1対のスクリュエレメントの回転軸に垂直な断面を示す。
【図8a】4つの円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。
【図8b】4つの円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。
【図9a】4つの円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。
【図9b】4つの円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。
【図10a】すべての先端ゾーンの先端角度の総計が0に等しい、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭を示す。
【図10b】すべての先端ゾーンの先端角度の総計が0に等しい、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭を示す。
【図11a】本発明によるスクリュエレメントのスクリュ輪郭の偏心的位置決めの好ましい実施形態を示す。
【図11b】本発明によるスクリュエレメントのスクリュ輪郭の偏心的位置決めの好ましい実施形態を示す。
【図11c】本発明によるスクリュエレメントのスクリュ輪郭の偏心的位置決めの好ましい実施形態を示す。
【図12a】クリアランス戦略を示す。
【図12b】クリアランス戦略を示す。
【図12c】クリアランス戦略を示す。
【図12d】クリアランス戦略を示す。
【図13a】製造されるスクリュ輪郭の可能な変位の選択を示す。
【図13b】製造されるスクリュ輪郭の可能な変位の選択を示す。
【図13c】製造されるスクリュ輪郭の可能な変位の選択を示す。
【図13d】製造されるスクリュ輪郭の可能な変位の選択を示す。
【図14a】運搬エレメントとして構成され、スクリュ輪郭が図2aに基づく本発明による1対のスクリュエレメントの一例を示す。
【図14b】混練エレメントとして構成され、スクリュ輪郭が図2aに基づく本発明による1対のスクリュエレメントの一例を示す。
【図15a】8つの円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。
【図15b】スクリュ輪郭が図15aに基づく、運搬エレメントとして構成される1対のスクリュエレメントを示す。
【図15c】図15bによるスクリュエレメントの対の平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0094】
スクリュ輪郭およびスクリュエレメントを生成および/または説明するためには、異なる押出機の大きさへの移転可能性を簡略化するために、無次元特性値を利用することが賢明である。中心線距離aの値は押出機で変更され得ないので、例えば長さまたは半径などの幾何学的値に対する適切な基準変数が中心線距離aである。無次元中心線距離はA=a/a=1に従う。スクリュ輪郭の無次元の外側のスクリュ半径がRA=ra/aに従う。スクリュ輪郭の無次元コア半径がRI=ri/aと計算される。スクリュ輪郭の無次元ねじ山の高さはH=h/a=RA−RIと計算される。
【0095】
図では、すべての幾何学的変数がこの無次元形で使用される。すべての角度はラジアンで示される。
【0096】
図1aおよび2a、図3から6、図8および9、ならびに図15aは、いずれの場合も本発明によるスクリュエレメントのスクリュ輪郭の4分の1を横断面で示す。これらの図はどれも以下で詳細に説明される同じ構造を有する。図の中央にはxy座標系が配置され、xy座標系の原点にはスクリュ輪郭の回転点が配置される。スクリュ輪郭の円弧が、円弧の個々の番号を提供された太い実線で識別される。円弧の中心点が小さな円で図示される。円弧の中心点が、関連する円弧の始点と終点の両方と細い実線で接続される。直線FPが細い点線で図示される。外側のスクリュ半径RAが細い破線で識別され、外側のスクリュ半径RAの数値が図の右下に4桁の有効数字まで示されている。図のすぐ右隣に、半径R、角度α、ならびに円弧の中心点のx座標Mxおよびy座標Myがいずれの場合も4桁の有効数字までそれぞれの円弧について示されている。これらの詳細がスクリュ輪郭を明白に規定する。スクリュ輪郭はいずれの場合もx軸およびy軸に対して鏡映対称であり、その結果、スクリュ輪郭全体が、図示された4分の1をx軸およびy軸で鏡映することにより得られる。
【0097】
スクリュ輪郭の4分の1が合計nの円弧からなるスクリュ輪郭がn−円スクリュ輪郭として以下に説明される。
【0098】
図1aおよび2a、図3から6、図8および9、ならびに図15aでは、n−円スクリュ輪郭の円弧が、最初のn/2の円弧が1からn/2まで昇順で連続して番号がつけられ、最後のn/2の円弧が(n/2)’から1’まで降順で連続して番号がつけられることで番号がつけられる。円弧n/2および円弧(n/2)’がそれぞれ直線FPに接触する。スクリュ輪郭のそれぞれの円弧iが、スクリュ輪郭の円弧i’に対応する。円弧i’の半径が、中心距離引く円弧iの半径という差から計算され、従って、R_i’=A−R_iである。円弧i’の角度が、円弧iの角度に等しく、従って、α_i’=α_iである。このことは、円弧jを有する先端ゾーンが円弧j’を有する溝付ゾーンに等しいことを意味する。このことは、円弧jを有する溝付ゾーンが、円弧j’を有する先端ゾーンに等しいことを意味する。
【0099】
図1:図1aは、4つの円弧からなる、従来技術による2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭の4分の1を示す。半径R_1=RA、半径R_2=0、半径R_2’=A=1、および半径R_1’=A−RA=RIであることがErdmengerスクリュ輪郭の特徴である。角度α_1、α_2、α_2’、およびα_1’が外側のスクリュ半径および中心線距離に依存する。角度α_1は、2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭の先端角度の半分に等しい。従って、2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭を有する1対のスクリュエレメントの角度の総計が、8*α_1と計算される。Erdmengerスクリュ輪郭は、半径R_2の位置にキンクを含む。「キンクの大きさ」は、角度α_2により決定され、即ち、円弧1から円弧2’への遷移が、角度α_2の回転によりもたらされる。
【0100】
図1aでは、無次元の外側のスクリュ半径がRA=0.54である。先端角度の半分がα_1=0.3981であり、1対のスクリュエレメントの先端角度の総計が8*α_1=3.1847である。
【0101】
図1bは例として、スクリュ輪郭が図1aに基づく運搬エレメントとして構成される1対のスクリュエレメントを示す。2つの運搬エレメント間のクリアランスはS=0.008になる。2つの運搬エレメントとバレルの間のクリアランスはD=0.004になる。運搬エレメントのピッチはT=1.08になる。運搬エレメントの長さは0.54になり、この値はスクリュ輪郭の角度πの回転に対応する。2つの運搬エレメントの左側および右側に細い実線でバレルが図示されている。可能な計算グリッドが2つの運搬エレメントの表面上にさらに図示され、このグリッドは二軸押出機および多軸押出機内の流れを計算するために使用されてもよい。グリッド要素の数は円周方向には160に等しく、軸方向には80に等しい。
【0102】
図1cは、図1bによるスクリュエレメントの対の平面図を示す。運搬エレメントとバレルの間の自由体積が可能な計算グリッドで提供され、計算グリッドは二軸押出機および多軸押出機内の流れを計算するために使用されてもよい。グリッド要素の数は円周方向には160に等しく、軸方向には6に等しい。2つのスクリュエレメントの回転軸が小さな円によりラベルをつけられている。
【0103】
図2:図2aは、8つの円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。無次元の外側のスクリュ半径がRA=0.54になる。半径R_1は0.8206に等しい。外側のスクリュ半径からの円弧1の最大無次元距離が、RA−(Mx+R_1)=0.54−(−0.2926+0.8206)=0.012と計算される。先端角度α_1および角度α_2の総計が0.3563に等しい。先端ゾーンが、外側のスクリュ半径上にある円弧3により決定される。先端角度α_3が0.0419に等しい。溝付ゾーンがコア半径上にある円弧3’により決定される。溝角度α_3’は0.0419に等しい。本発明による1対のスクリュエレメントのすべての先端ゾーンの先端角度の総計が8*0.0419=0.3352になり、従って、2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭を有する1対のスクリュエレメントの先端角度の総計のほぼ0.105倍にしかならない。フランクゾーンおよび溝付ゾーンからなるゾーンの半分が、円弧4、4’、3’、2’、および 1’により提供される。関連するフランク角度および溝角度の総計の2倍が2.3456になり、2*π/3よりも大きい。
【0104】
図2bは、スクリュ輪郭が図2aに基づく、回転軸に垂直な本発明による1対のスクリュエレメントの断面を示す。図2aのスクリュ輪郭をx軸で鏡映することにより、ならびに図2aのスクリュ輪郭、およびx軸で鏡映された図2aのスクリュ輪郭のy軸での引き続く鏡映により、本発明による1対のスクリュエレメントの生成するスクリュ輪郭が得られる。生成するスクリュ輪郭をπ/2だけ回転することにより、およびx軸に沿ってAだけ引き続き変位することにより、生成されるスクリュ輪郭が得られる。
【0105】
生成されるスクリュ輪郭は生成するスクリュ輪郭から得られる。生成するスクリュ輪郭および生成されるスクリュ輪郭は相互に交換可能である。
【0106】
いずれの場合も半径RA=0.54および距離A=1を有する2つの相互に貫通し合う内径から得られるスクリュバレルが、細い破線で図示されている。2つのバレル内径が互いに貫通し合う場所では、2つの内径が細い点線で識別される。2つのバレル内径の中心点がスクリュ輪郭の2つの回転点と一致し、いずれの場合も小さな円で識別される。スクリュ輪郭の円弧が太い実線で識別される。左回転スクリュ輪郭の、即ち生成するスクリュ輪郭の円弧が連続して番号をつけられ(1から32)、明確にするために、円弧の番号2、4、13、15、18、20、29、および31が省かれている。円弧2、4、13、15、18、20、29、および31はいずれの場合も半径0を有する。右回転スクリュ輪郭の、即ち生成されるスクリュ輪郭の円弧が連続して番号がつけられ(1’から32’)、明確にするために円弧の番号5’、7’、10’、12’、21’、23’、26’、および28’が省かれている。円弧5’、7’、10’、12’、21’、23’、26’、および28’は、いずれの場合も半径0を有する。生成するスクリュ輪郭および生成されるスクリュ輪郭の先端ゾーンおよび溝付ゾーンの始まりおよび終わりが細い実線で識別される。
【0107】
生成するスクリュ輪郭のそれぞれの円弧iが、生成されるスクリュ輪郭の円弧i’に対応する。円弧i’の半径が、中心線距離引く円弧iの半径という差から計算され、従って、R_i’=A−R_iである。円弧i’の角度aが円弧iの角度に等しく、従って、α_i’=α_iである。このことは、生成するスクリュ輪郭の先端ゾーンが、生成されるスクリュ輪郭の溝付ゾーンに等しいことを意味する。このことは、生成するスクリュ輪郭の溝付ゾーンが、生成されるスクリュ輪郭の先端ゾーンに等しいことをさらに意味する。
【0108】
生成するスクリュ輪郭は、4つの先端ゾーンkb1、kb2、kb3、およびkb4からなる。生成されるスクリュ輪郭は、生成するスクリュ輪郭の4つの先端ゾーンに対応する4つの溝付ゾーンnb1’、nb2’、nb3’、およびnb4’からなる。先端ゾーンkb1は円弧3からなる。先端ゾーンkb2は円弧14からなる。先端ゾーンkb3は円弧19からなる。先端ゾーンkb4は円弧30からなる。溝付ゾーンnb1’は円弧3’からなる。溝付ゾーンnb2’は円弧14’からなる。溝付ゾーンnb3’は円弧19’からなる。溝付ゾーンnb4’は円弧30’からなる。
【0109】
生成するスクリュ輪郭は、4つの溝付ゾーンnb1、nb2、nb3、およびnb4からなる。生成されるスクリュ輪郭は、生成するスクリュ輪郭の4つの溝付ゾーンに対応する4つの先端ゾーンkb1’、kb2’、kb3’、およびkb4’からなる。溝付ゾーンnb1は円弧6からなる。溝付ゾーンnb2は円弧11からなる。溝付ゾーンnb3は円弧22からなる。溝付ゾーンnb4は円弧27からなる。先端ゾーンkb1’は円弧6’からなる。先端ゾーンkb2’は円弧11’からなる。先端ゾーンkb3’は円弧22’からなる。先端ゾーンkb4’は円弧27’からなる。
【0110】
図2bに示される、本発明によるスクリュエレメントの対の先端ゾーンの数が合計で8であり、本発明に従って4よりも大きい。すべての先端ゾーンの先端角度の総計が8*0.0419=0.3352になり、従って、2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭を有する1対のスクリュエレメントの先端角度の総計のほぼ0.105倍にしかならない。
【0111】
フランクゾーンおよび溝付ゾーンからなり、フランク角度および溝角度の総計がπ/2よりも大きい、好ましくは2*π/3よりも大きい、生成するスクリュ輪郭の第1のゾーンが円弧4から13までからなる。フランク角度および溝角度の総計が2.3456になり、2*π/3よりも大きい。フランクゾーンおよび溝付ゾーンからなり、フランク角度および溝角度の総計がπ/2よりも大きい、好ましくは2*π/3よりも大きい、生成するスクリュ輪郭の第2のゾーンが円弧20から29までからなる。フランク角度および溝角度の総計が2.3456になり、2*π/3よりも大きい。
【0112】
フランクゾーンおよび溝付ゾーンからなり、フランク角度および溝角度の総計がπ/2よりも大きく、好ましくは2*π/3よりも大きい、生成されるスクリュ輪郭の第1のゾーンが円弧12’から21’までからなる。フランク角度および溝角度の総計が2.3456になり、2*π/3よりも大きい。フランクゾーンおよび溝付ゾーンからなり、フランク角度および溝角度の総計がπ/2よりも大きく、好ましくは2*π/3よりも大きい、生成されるスクリュ輪郭の第2のゾーンが円弧28’から32’まで、および1’から5’までからなる。フランク角度および溝角度の総計が2.3456になり、2*π/3よりも大きい。
【0113】
図3:図3aおよび3bはそれぞれ、いずれの場合も8の円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。図3aおよび3bでは、外側のスクリュ半径がいずれの場合もRA=0.54になる。半径R_1は、図3aでは0.6976に等しく、図3bでは0.9995に等しい。図3aでは、外側のスクリュ半径からの円弧1の最大無次元距離が0.008と計算され、図3bでは0.016と計算される。先端角度α_1およびα_2の総計が両方の図で0.3563に等しい。先端ゾーンが両方の図で、いずれの場合も外側のスクリュ半径上にある円弧3により提供される。先端角度α_3がいずれの場合も0.0419に等しい。いずれの場合も溝付ゾーンは、いずれの場合もコア半径上にある円弧3’により提供される。溝角度α_3’はいずれの場合も0.0419に等しい。本発明による1対のスクリュエレメントについてすべての先端ゾーンの先端角度の総計が、図3aおよび3bについてはいずれの場合も8*0.0419=0.3352になり、従って、2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭を有する1対のスクリュエレメントの先端角度の総計のほぼ0.105倍にしかならない。フランクゾーンおよび溝付ゾーンからなるゾーンの半分が、円弧4、4’、3’、2’、および1’により提供される。関連するフランク角度および溝角度の総計の2倍が2.3456になり、2*π/3よりも大きい。
【0114】
半径R_1を変更することにより、および円弧1の中心点のx座標Mx_1を変位することにより、先端ゾーンの先端角度を一定に保ちながら、外側のスクリュ半径からの円弧1の最大無次元距離を調節することができる。
【0115】
図4:図4aおよび4bはそれぞれ、いずれの場合も8の円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。図4aおよび4bでは、外側のスクリュ半径がいずれの場合もRA=0.54になる。半径R_1は、図4aでは0.6990に等しく、図4bでは0.9981に等しい。図4aでは、外側のスクリュ半径からの円弧1の最大無次元距離が0.004と計算され、図4bでは0.008と計算される。先端角度α_1およびα_2の総計は、両方の図で0.2531に等しい。先端ゾーンは両方の図で、いずれの場合も外側のスクリュ半径上にある円弧3により提供される。先端角度α_3はいずれの場合も0.1450に等しい。いずれの場合も溝付ゾーンは、いずれの場合もコア半径上にある円弧3’により提供される。溝角度α_3’はいずれの場合も0.1450に等しい。本発明による1対のスクリュエレメントのすべての先端ゾーンの先端角度の総計が、図4aおよび4bについてはいずれの場合も8*0.1450=1.1600になり、従って、2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭を有する1対のスクリュエレメントの先端角度の総計のほぼ0.364倍にしかならない。フランクゾーンおよび溝付ゾーンからなるゾーンの半分が、円弧4、4’、3’、2’、および1’により提供される。関連するフランク角度および溝角度の総計の2倍が2.3456になり、2*π/3よりも大きい。
【0116】
半径R_1を変更することにより、および円弧1の中心点のx座標Mx_1を変位させることにより、先端ゾーンの角度を一定に保ちながら、外側のスクリュ半径からの円弧1の最大無次元距離を調節することができる。図3aおよび3bと併せて、先端ゾーンの先端角度も調節されることができることが明らかになる。
【0117】
本発明によるスクリュエレメントのスクリュ輪郭が、とりわけ円弧1のx座標Mx_1および半径R_1を選択することにより、従って、2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭の先端ゾーンからゾーンを「移動する」ことにより明確に得られることがある。この場合、自己洗浄性を保証するために、2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭の溝付ゾーン内にゾーンが再び「追加」されなければならない。このことが円弧2’および1’を用いて達成される。
【0118】
先端ゾーンの先端角度の大きさを自由に選択することにより、本発明によるスクリュ輪郭の場合、熱負荷への生成物の曝露を意図的に調節することができ、2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭に比べて熱負荷への生成物の曝露を低減することができる。全体で、エネルギ入力が低下し、圧力増大効果が増す。
【0119】
さらに、図3aおよび4bは、円弧1の始点の位置および円弧1’の終点の位置がいずれの場合も一致することを特徴とする。図3aをx軸で鏡映し、鏡映された図3a、および図4bをy軸で鏡映し、図4b、y軸で鏡映された図4b、x軸およびy軸で鏡映された図3a、ならびにx軸で鏡映された図3aからのスクリュ輪郭を組み合わせた結果、先端ゾーンの先端角度の大きさが異なる、本発明によるスクリュエレメントのスクリュ輪郭ができる。円弧1の始点および円弧1’の終点がいずれの場合も一致するという前提で、スクリュ輪郭のそれぞれの4分の1を、従って、個々の先端ゾーンの先端角度を相互に独立に構成し、これらを本発明によるスクリュエレメントのためのスクリュ輪郭に組み合わせることが許容できる。
【0120】
図5:図5aから5dはそれぞれ、いずれの場合も8の円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。図5aから5dでは、外側のスクリュ半径がいずれの場合もRA=0.54になる。半径R_1は4つの図のいずれも0.95に等しく、外側のスクリュ半径からの最大無次元距離がいずれの場合も0.0075と計算される。4つの図では、先端ゾーンが、いずれの場合も外側のスクリュ半径上にある円弧3により提供される。角度α_3は0.0461から0.1458まで変化する。4つの図のいずれも、溝付ゾーンが、いずれの場合もコア半径上にある円弧3’により提供される。溝角度α_3が0.0461から0.1458まで変化する。本発明による1対のスクリュエレメントについてすべての先端ゾーンの先端角度の総計が、図5aから5dについては8*0.0461=0.3688から8*0.1458=1.1664まで変化し、従って、2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭を有する1対のスクリュエレメントの先端角度の総計のほぼ0.116から0.366倍にしかならない。フランクゾーンおよび溝付ゾーンからなるゾーンの半分が、円弧4、4’、3’、2’、および1’により提供される。関連するフランク角度および溝角度の総計の2倍が、2.3456から2.4626までになり、いずれの場合も2*π/3よりも大きい。
【0121】
図5aでは、先端ゾーンがキンクで始まりキンクで終わる。即ち、円弧2および4がいずれの場合も半径0を有する。図5bでは、先端ゾーンが丸みをつけられた部分で始まり、キンクで終わる。即ち、円弧2が0よりも大きい半径を有し、円弧4が半径0を有する。図5cでは、先端ゾーンがキンクで始まり、丸みをつけられた部分で終わる。即ち、円弧2が半径0を有し、円弧4が0よりも大きい半径を有する。図5dでは、先端ゾーンが、丸みをつけられた部分で始まり、丸みをつけられた部分で終わる。即ち、円弧2および4が、いずれの場合も0よりも大きい半径を有する。
【0122】
1回またはπ/2の倍数だけの回転により、ならびに/もしくはx軸および/またはy軸での鏡映により、図5aから5dは、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭に組み合わされてもよい。従って、例えば、先端ゾーンが異なる大きさからなる本発明によるスクリュエレメントのスクリュ輪郭を生成することができる。従って、例えば、先端ゾーンがスクリュエレメントの回転方向に丸みをつけられた、またはスクリュエレメントの回転方向と反対に丸みをつけられた、本発明によるスクリュエレメントのスクリュ輪郭を生成することがさらに可能である。
【0123】
ねじ山の数zを有するなめらかできつくかみ合う自己洗浄性共回転スクリュ輪郭を生成するための方法が、図5dのスクリュ輪郭の部分を使用して例により以下に説明される。
【0124】
スクリュ輪郭、および従ってスクリュ輪郭の示される部分も本発明に従って1つの平面内にある。簡略化するために、この平面はデカルト座標系のxy平面内に配置される。また、簡略化するために、スクリュ輪郭の回転点がデカルト座標系の原点(x=0、y=0)に配置される。
【0125】
ねじ山の数zは本発明に従って、zが1以上となるように選択される。この例では、ねじ山の数はz=2となるように選択される。スクリュ輪郭の円弧の数nは、nが4*zの整数p倍となるように選択される。この例では、円弧の数はn=32となるように選択され、その結果p=4となる。スクリュ輪郭の無次元の外側のスクリュ半径RAが、0よりも大きく、無次元中心線距離A以下となるように選択される。この例では、スクリュ輪郭の無次元の外側のスクリュ半径がRA=0.54となるように選択される。スクリュ輪郭の無次元コア半径RIが0以上、および無次元の外側のスクリュ半径RA以下となるように選択される。この例では、スクリュ輪郭の無次元コア半径は、RI=A−RA=0.46となるように選択される。
【0126】
スクリュ輪郭の円弧は、スクリュ輪郭の回転軸を中心にして時計回りまたは反時計回りに配列されてもよい。この例では、円弧はスクリュ輪郭の回転軸を中心にして反時計回りに配列される。
【0127】
スクリュ輪郭は2*zの部分に分割され、これらの部分は、それぞれの部分がラジアンで角度π/zを相互に形成し、スクリュ輪郭の回転点で交差する2つの直線により境界を定められることを特徴とし、これら2つの直線は部分境界を意味する。この例では、スクリュ輪郭が4つの部分にさらに分割される。簡略化するために、すべての部分境界が、座標系のx軸およびy軸上に配置される。この例では、以下考慮されるスクリュ輪郭の部分は、正のx方向およびy方向にある部分だけである。
【0128】
スクリュ輪郭の部分は、第1の断片および第2の断片にさらに分割され、第1の断片はpの円弧からなり、第2の断片はp’の円弧からなり、ここで、p=p’である。この例では、p’=4である。スクリュ輪郭の部分の第1の断片の円弧が、昇順または降順に番号をつけられてもよい。スクリュ輪郭の部分の第2の断片の円弧が、スクリュ輪郭の部分の第1の断片の円弧と逆順に番号をつけられてもよい。この例では、スクリュ輪郭の部分の第1の断片の円弧は昇順に番号をつけられ、スクリュ輪郭の部分の第2の断片の円弧はこれに応じて降順に番号をつけられる。
【0129】
スクリュ輪郭の部分の第1の断片の1番目の円弧の角度α_1が、ラジアンで0以上、およびπ/(2*z)以下となるように選択される。この例では、1番目の円弧の角度はα_1=0.1222となるように選択される。スクリュ輪郭の部分の第1の断片の1番目の円弧の無次元半径R_1が0以上、および中心線距離A以下となるように選択される。この例では、1番目の円弧の無次元半径はR_1=0.9500となるように選択される。スクリュ輪郭の部分の第1の断片の1番目の円弧の位置が、1番目の円弧が無次元の外側のスクリュ半径RAおよび無次元コア半径RIを有する円環内部または円環上にあるように選択され、円環の中心点がスクリュ輪郭の回転点上にある。位置は、1番目の円弧の始点および中心点の配置により確立されることが好ましい。1番目の円弧の始点および中心点は部分境界の一方の上に配置され、これにより、始点が中心点の位置、および無次元半径R_1の位置から得られる。この例では、1番目の円弧の中心点は、座標Mx_1=−0.4175、My_1=0.0000に配置され、従って、始点は座標x=0.5325、y=0.0000にある。
【0130】
p−2の別の円弧の、即ちスクリュ輪郭の部分の第1の断片の2つの別の円弧の角度α_2、…、α_(p−1)がラジアンで0以上、およびπ/(2*z)以下となるように選択される。この例では、2つの別の円弧の角度が、α_2=0.1712およびα_3=0.0461となるように選択される。スクリュ輪郭の部分の第1の断片の2つの別の円弧の無次元半径R_2、…、R_(p−1)が0以上、および無次元中心線距離A以下となるように選択される。この例では、2つの別の円弧の無次元半径が、R_2=0.2414およびR_3=0.5400となるように選択される。配列規則によれば、円弧は、連続した凸状のスクリュ輪郭が得られるような方法で円弧が接線方向に互いに移行するように配列され、この場合、無次元半径が0に等しい円弧が、半径がepsに等しい円弧として扱われることが好ましく、ここで、epsは0に向かう傾向がある非常に小さな正の実数である(eps≪1、eps→0)。この配列規則から、円弧の終点が次の円弧の始点と等しいことになる。第1の円弧と、第1の円弧に続く第2の円弧の間の必要とされる接線方向の遷移が、この第1の円弧の終点および中心点からできる直線上で、この第1の円弧の終点からのこの第1の円弧に続く第2の円弧の中心点の距離が、第1の円弧に続く第2の円弧の半径に等しく、スクリュ輪郭が凸状であるような方法で、この第1の円弧に続く第2の円弧の中心点が配置されることで満たされる。半径が0である円弧が、接線方向の遷移がさらに設計されることができるように、非常に小さな半径epsを有する円弧として扱われることが好ましく、ここで、epsは0に向かう傾向がある。代案として、半径が0である円弧が、スクリュ輪郭がこの円弧の位置でキンクを含むように扱われてもよく、この場合、キンクの大きさはこの円弧の角度により確立される。この例では、上記の配列規則から、2つの別の円弧の中心点の以下の位置となる。即ち、Mx_2=0.2859、My_2=0.0864、およびMx_3=0.0000、My_3=0.0000である。3番目の円弧が、無次元の外側のスクリュ半径RA上にあり、少なくとも1つの円弧が無次元の外側のスクリュ半径RAに接触するという配列規則が満たされる。
【0131】
本発明により、スクリュ輪郭の部分の第1の断片の最後の円弧の角度α_4が、スクリュ輪郭の部分の第1の断片の4つの円弧の角度の総計がラジアンでπ/(2*z)に等しいという事実から得られ、この場合、角度α_4はラジアンで0以上、およびπ/(2*z)以下である。この例では、この最後の円弧の角度はα_4=0.4459である。本発明により、スクリュ輪郭の部分の第1の断片の最後の円弧の無次元半径R_4が、この円弧の終点が直線FPに1点で接するという事実から生じ、この場合、直線FPはこの部分の2つの部分境界の二等分線に垂直であり、スクリュ輪郭の回転点からこの部分の方向に中心線距離の半分に等しい距離にあり、この場合、二等分線は部分境界のようにスクリュ輪郭の回転点を通過する。直線FPは図5dでは点線として描かれている。スクリュ輪郭の部分の第1の断片の4番目の円弧が、3番目の円弧の終点に3番目の円弧への接線を配置することにより設計され、接線と直線FPとの交点が、半径が3番目の円弧の終点と、接線と直線FPとの交点との間の距離の長さに等しい円の中心点であり、選択された時計回りの方向に配置された、円と直線FPの交点が、4番目の円弧の終点と直線FPとの探し求められた接点であることで設計される。4番目の円弧の終点で、直線FPに垂線が下ろされる。この垂線と、3番目の円弧の終点および中心点により提供される直線との交点が、4番目の円弧の中心点である。この例では、4番目の円弧の中心点の位置が、Mx_4=3858、My_4=0.1362と計算され、4番目の円弧の無次元半径が、R_4=0.1309と確立される。
【0132】
スクリュ輪郭の部分の第2の断片の角度α_p’、…α_1’が、部分の第2の断片のj’番目の円弧の角度α_j’が部分の第1の断片のj番目の円弧の角度α_jに等しいことで決定され、jおよびj’は1からそれぞれ円弧の数pまたはp’までの範囲内のすべての値を一緒に通る整数である(α_1’=α_1、…、α_p’=α_p)。この例では、部分の第2の断片の角度は、α_1’=α_1=0.1222、α_2’=α_2=0.1712、α_3’=α_3=0.0461、およびα_4’=α_4=0.4459と計算される。
【0133】
スクリュ輪郭の部分の第2の断片の無次元半径R_p’、…、R_1’が、部分の第2の断片のj’番目の円弧の無次元半径R_j’と部分の第1の断片のj番目の円弧の無次元半径R_jの総計が無次元中心線距離Aに等しいことで決定され、ここで、jおよびj’は1からそれぞれ円弧の数pまたはp’までの範囲内のすべての値を一緒に通る整数である(R_1’+R_1=A=1、…、R_p’+R_p=A=1)。この例では、部分の第2の断片の無次元半径は、R_1’=A−R_1=0.0500、R_2’=A−R_2=0.7586、R_3’=A−R_3=0.4600、およびR_4’=A−R_4=0.8691と計算される。
【0134】
本発明により、スクリュ輪郭の部分の第2の断片の円弧の位置が、円弧が互いに接線方向に移行し、スクリュ輪郭が凸状となることで得られる。この例では、スクリュ輪郭の部分の第2の断片の4つの円弧の中心点について以下の座標が得られる。即ち、Mx_1’=0.0000、My_1’=0.4175、Mx_2’=−0.0864、My_2’=−0.2859、Mx_3’=0.0000、My_3’=0.0000、およびMx_4’=0.1362、My_4’=−0.3858である。スクリュ輪郭の部分の第2の断片の3番目の円弧が無次元コア半径RI上にあり、少なくとも1つの円弧が無次元コア半径RIに接触するという配列規則が満たされる。
【0135】
図6:図6aから6cはそれぞれ、いずれの場合も8の円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。図6aでは、外側のスクリュ半径がRA=0.58であるが、図6bではRA=0.56であり、図6cではRA=0.52である。外側のスクリュ半径からの円弧1の最大無次元距離が、図6aから6cでは0.006から0.02まで変化する。3つの図で、いずれの場合も外側のスクリュ半径上にある円弧3により先端ゾーンが提供される。先端角度α_3は0.0270から0.0698まで変化する。4つの図のそれぞれで、いずれの場合もコア半径上にある円弧3’により溝付ゾーンが提供される。溝角度α_3は0.0270から0.0698まで変化する。本発明による1対のスクリュエレメントについてすべての先端ゾーンの先端角度の総計が、図6aから6cでは8*0.0270=0.2160(RA=0.58)から8*0.0698=0.5584(RA=0.56)まで変化し、従って、対応する外側のスクリュ半径を有する2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭を有する1対のスクリュエレメントの先端角度の総計のほぼ0.106倍(RA=0.58)からほぼ0.219倍(RS=0.56)までにしかならない。フランクゾーンおよび溝付ゾーンからなるゾーンの半分が、円弧4、4’、3’、2’、および1’により提供される。関連するフランク角度および溝角度の総計の2倍が、2.1272(RA=0.52)から2.6338(RA=0.58)までになり、いずれの場合も2*π/3よりも大きい。
【0136】
図7:図7は対称なスクリュ輪郭を有する、本発明による好ましい1対のスクリュエレメントの回転軸に垂直な断面を示す。いずれの場合も半径RA=0.54および距離A=1を有する2つの相互に貫通し合う内径から得られるスクリュバレルが細い破線で図示されている。2つのバレル内径が相互に貫通し合う場所で、2つの内径は細い点線で識別される。2つのバレル内径の中心点が、スクリュ輪郭の2つの回転点と一致し、いずれの場合も小さな円で識別される。いずれの場合も、2つのスクリュ輪郭の32の円弧が太い実線で識別される。左回転スクリュ輪郭の、即ち生成するスクリュ輪郭の円弧が連続して番号をつけられ(1から16)、ここで、明確にするために、円弧17から32までの番号が省かれている。右回転スクリュ輪郭の、即ち生成されるスクリュ輪郭の円弧が連続して番号がつけられ(1’から16’)、ここで、明確にするために、円弧17’から32’の番号が省かれている。いずれの場合も最初の16の円弧の中心点が小さな円で図示されている。いずれの場合も、これら最初の16の円弧の中心点が、関連する円弧の始点にも終点にも細い実線で接続されている。図の下に半径R、角度α、ならびに円弧の中心点のx座標およびy座標MxおよびMyが、いずれの場合もそれぞれの円弧について4桁の有効数字まで示されている。これらの詳細がスクリュ輪郭を明白に規定する。
【0137】
コンピュータソフトウェアを用いて図を作り出した結果として、詳細に説明される円弧がスクリュ輪郭当たり16まで減るにもかかわらず、円弧の番号が一部重なってもよく、例えば円弧6および7、ならびに円弧14’および15’を参照のこと。時には個々の番号の読みやすさが劣るにもかかわらず、それでも輪郭の構造がこの説明と併せた内容から明らかである。
【0138】
生成するスクリュ輪郭が4つの先端ゾーンからなる。生成するスクリュ輪郭の先端ゾーンは円弧1、12、17、および28からなる。円弧1および28に属する2つの先端ゾーン間のフランクゾーンが、円弧12および17に属する2つの先端ゾーン間のフランクゾーンよりも大きい。生成されるスクリュ輪郭が、生成するスクリュ輪郭の4つの先端ゾーンに対応する4つの溝付ゾーンからなる。生成されるスクリュ輪郭の溝付ゾーンは円弧1’、12’、17’、および28’からなる。
【0139】
生成するスクリュ輪郭が4つの溝付ゾーンからなる。生成されるスクリュ輪郭が、生成するスクリュ輪郭の4つの溝付ゾーンに対応する4つの先端ゾーンからなる。生成するスクリュ輪郭の溝付ゾーンは円弧4、9、20、および25からなる。生成されるスクリュ輪郭の先端ゾーンは円弧4’、9’、20’、および25’からなる。
【0140】
図7に示される本発明によるスクリュエレメントの対の先端ゾーンの数が合計で8であり、本発明に従って4よりも大きい。すべての先端ゾーンの先端角度の総計が4*0.0419+4*0.1450=0.7476になり、従って、対応する外側のスクリュ半径を有する2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭を有する1対のスクリュエレメントの先端角度の総計のほぼ0.235倍にしかならない。
【0141】
フランクゾーンおよび溝付ゾーンからなり、フランク角度および溝角度の総計がπ/2よりも大きい、好ましくは2*π/3よりも大きい生成するスクリュ輪郭の第1のゾーンが円弧2から11までからなる。フランク角度および溝角度の総計が2.3456になり、2*π/3よりも大きい。フランクゾーンおよび溝付ゾーンからなり、フランク角度および溝角度の総計がπ/2よりも大きい、好ましくは2*π/3よりも大きい生成するスクリュ輪郭の第2のゾーンが円弧18から27までからなる。フランク角度および溝角度の総計が2.3456になり、2*π/3よりも大きい。
【0142】
フランクゾーンおよび溝付ゾーンからなり、フランク角度と溝角度の総計がπ/2よりも大きく、好ましくは2*π/3よりも大きい生成されるスクリュ輪郭の第1のゾーンが円弧10’から19’までからなる。フランク角度と溝角度の総計が2.1709になり、2*π/3よりも大きい。フランクゾーンおよび溝付ゾーンからなり、フランク角度と溝角度の総計がπ/2よりも大きい、好ましくは2*π/3よりも大きい生成されるスクリュ輪郭の第2のゾーンが円弧26’から32’まで、および1’から3’までからなる。フランク角度と溝角度の総計が2.5199になり、2*π/3よりも大きい。
【0143】
本発明によるスクリュエレメントのスクリュ輪郭が、とりわけ以下の方法で図7に従って明確に得られる。即ち、(対称な)スクリュ輪郭の第1の4分の1のフランクゾーンおよび溝付ゾーンがy軸で鏡像される。(対称な)スクリュ輪郭の第2の4分の1のフランクゾーンおよび溝付ゾーンがy軸で鏡映され、πからπ−[π/2−2*arccos(0.5*A/RA)]までの範囲内でスクリュ輪郭の回転点を中心にして時計回りまたは反時計回りに回転される。角括弧の項は、2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭を有するスクリュエレメントの先端角度に等しい。図7では、図4bによる第1の4分の1のフランクゾーンおよび溝付ゾーンが選択された。図7の円弧2、3、4、5、および6が、図4bの円弧4、4’、3’、2’、および1’に対応する。第2の4分の1のフランクゾーンおよび溝付ゾーンが図2aに基づく。円弧18、19、20、21、および22が、図2aの円弧4、4’、3’、2’、および1’に対応する。2つのフランクゾーンと溝付ゾーンの間のゾーンが、連続したスクリュ輪郭が得られるような方法で、先端ゾーンにより、または一連の先端ゾーンおよびフランクゾーンにより、好ましくは一連の先端ゾーン−フランクゾーン−先端ゾーンにより完成される。このようなゾーンは、以下閉ゾーンとして知られている。スクリュ輪郭の回転点に対する閉ゾーンの始点と終点の間の角度が、閉角度として知られている。
【0144】
図7では先端ゾーンおよびフランクゾーンからなる第1の閉ゾーンが円弧12、13、14、15、16、および17からなる。第2の閉ゾーンが円弧28、29、30、31、32、および1からなる。スクリュ輪郭の第2の4分の1を大体πだけ回転することにより、フランクゾーンからなる2つのゾーンと、大きさが等しくない溝付ゾーンの間に2つの閉ゾーンがもたらされる。2つの閉ゾーンのうちの一方の閉角度が、好ましくは対応する外側のスクリュ半径を有する2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭の先端角度の1.2倍よりも大きい、特に好ましくは対応する外側のスクリュ半径を有する2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭の先端角度の1.6倍よりも大きい、および最も好ましくは2*arccos(0.5*A/RA)で計算されるバレル開口角度よりも大きくなるような角度の回転が続行される。これらの場合には、2つの閉ゾーンの第2の閉ゾーンが先端ゾーンからなることが特に好ましく、これにより、このスクリュ輪郭が合計3つの先端ゾーンからなる。
【0145】
図8:図8aおよび8bはそれぞれ、いずれの場合も4つの円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。両方の図で、外側のスクリュ半径がRA=0.54になる。円弧1と外側のスクリュ半径の間の最大無次元距離が、図8aでは0.02と、図8bでは0.016と計算される。両方の図で、いずれの場合も外側のスクリュ半径上にある円弧2により先端ゾーンが提供される。先端角度α_2がいずれの場合も0に等しい。いずれの場合も円弧2’とコア半径との接点により溝付ゾーンが提供される。接点は、円弧2’の中心点、およびスクリュ輪郭の回転点(座標原点)により決定される直線と円弧2’との交点に等しい。溝角度はいずれの場合も0に等しい。本発明による1対のスクリュエレメントについてすべての先端ゾーンの先端角度の総計が、図8aおよび8bについていずれの場合も0になる。
【0146】
フランクゾーンおよび溝付ゾーンからなるゾーンの半分が、いずれの場合も円弧2、2’、および1’により提供される。このようなゾーンは、以下チャネルゾーンとして知られている。スクリュ輪郭の回転点に対する、チャネルゾーンの始点と終点の間の角度がチャネル角度として知られている。閉ゾーンの半分が円弧1および2により提供される。
【0147】
円弧2は閉ゾーンにもチャネルゾーンにも属する。円弧2の角度の閉ゾーンおよびチャネルゾーンへの分割が、円弧2が半径EPS(EPS≪1、EPS→0)を有すると仮定され、この円弧が、円弧2の中心点、およびスクリュ輪郭の回転点により提供される直線と交差することで続行される。円弧2の一部が、従って交点の下にある円弧2の角度の一部が閉ゾーンに属し、他方の部分がチャネルゾーンに属する。円弧2の中心点を通過し、スクリュ輪郭の回転点を通過する直線が、両方の図でいずれの場合もリード角arctan(My_2/Mx_2)=0.3980を有する。チャネルゾーン全体の総計角度がいずれの場合もπ−2*リード角=2.3456になり、いずれの場合も2*π/3よりも大きい。
【0148】
図8aおよび8bの特有の特徴が、先端ゾーンおよび溝付ゾーンが、いずれの場合も外側のスクリュ半径またはコア半径上の点により提供されることである。外側のスクリュ半径との接点では、スクリュ輪郭はキンクを含む、即ち、円弧2がいずれの場合も半径0を有する。
【0149】
図9:図9aおよび9bはそれぞれ、いずれの場合も4つの円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。両方の図で、外側のスクリュ半径がRA=0.54になる。円弧1と外側のスクリュ半径の間の最大無次元距離が、図9aでは0.0148と、図9bでは0.0122と計算される。両方の図で、いずれの場合も外側のスクリュ半径上にある円弧2により先端ゾーンが提供される。接点が、円弧2の中心点、およびスクリュ輪郭の回転点(座標原点)により決定される直線と円弧2との交点に等しい。先端角度がいずれの場合も0に等しい。溝付ゾーンが、いずれの場合も円弧2’とコア半径との接点により提供される。接点は、円弧2’の中心点と、スクリュ輪郭の回転点(座標原点)により決定される直線と円弧2’との交点に等しい。溝角度がいずれの場合も0に等しい。本発明による1対のスクリュエレメントについてすべての先端ゾーンの先端角度の総計が、図9aおよび9bについていずれの場合も0になる。
【0150】
チャネルゾーンの半分が、いずれの場合も円弧2の一部、ならびに円弧2’および1’により提供される。円弧2の中心点を通過し、スクリュ輪郭の回転点を通過する直線が、図9aではリード角arctan(My_2/Mx_2)=0.3597を、図9bではリード角0.3610を有する。チャネルゾーン全体の総計角度が、図9aではπ−2*リード角=2.4223に、図9bでは2.4195になり、いずれの場合も2*π/3よりも大きい。
【0151】
図9aおよび9bの特有の特徴が、先端ゾーンおよび溝付ゾーンが、いずれの場合も外側のスクリュ半径またはコア半径上の点により提供されることである。外側のスクリュ半径との接点では、スクリュ輪郭がキンクを含まない、即ち、円弧2がいずれの場合も0より大きな半径を有する。従って、円弧2は外側のスクリュ半径に対する接線である。
【0152】
図10:図10aおよび10bは、すべての先端ゾーンの先端角度の総計が0に等しい、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭を示す。図は図7bのように構築され、図7では詳細な説明が既に提供された。外側のスクリュ半径が、図10aではRA=0.54に、図10bではRA=0.63になる。
【0153】
左回転スクリュ輪郭の、即ち生成するスクリュ輪郭の先端ゾーンが、いずれの場合も円弧2、7、10、および15からなる。右回転スクリュ輪郭の、即ち生成されるスクリュ輪郭の先端ゾーンが、円弧3’、6’、11’、および14’からなる。図10bは、円弧3’から6’まで、および11’から14’までが一致し、生成されるスクリュ輪郭が2つの先端しか含まず、スクリュエレメントの対が全体で6つの先端ゾーンしか含まないという特異な特徴を示す。
【0154】
生成するスクリュ輪郭の第1のチャネルゾーンが、いずれの場合も円弧2、3、4、5、6、および7により提供される。生成するスクリュ輪郭の第2のチャネルゾーンが、いずれの場合も円弧10、11、12、13、14、および15により提供される。生成するスクリュ輪郭の2つのチャネルゾーンの間の第1の閉ゾーンが、円弧7、8、9、および10により提供される。生成するスクリュ輪郭の2つのチャネルゾーンの間の第2の閉ゾーンが、円弧15、16、1、および2により提供される。
【0155】
円弧2、7、10、および15が、いずれの場合もチャネルゾーンにも閉ゾーンにも属する。これらの円弧の角度のチャネルゾーンおよび閉ゾーンへの分割が既に図8で説明されている。生成するスクリュ輪郭の2つの閉ゾーンの閉角度が、図10aではいずれの場合も0.9600になる。従って、閉ゾーンの閉角度は、対応する外側のスクリュ半径を有する2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭の先端角度のほぼ1.206倍になる。生成するスクリュ輪郭の2つの閉ゾーンの閉角度は、図10bではいずれの場合も0.5257になる。従って、閉ゾーンの閉角度は、対応する外側のスクリュ半径を有する2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭の先端角度のほぼ2.000倍になる。
【0156】
本発明による1対のスクリュエレメントのスクリュ輪郭の閉ゾーンの2つの閉角度が、好ましくはいずれの場合も対応する外側のスクリュ半径を有する2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭の先端角度の1.2倍よりも大きく、特に好ましくはいずれの場合も対応する外側のスクリュ半径を有する2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭の先端角度の1.6倍よりも大きい。これらの事例では、対応するスクリュ輪郭の閉ゾーンが先端ゾーンからなることが好ましい。
【0157】
図はスクリュ半径0.52、0.54、0.56、0.58、および0.63を有するスクリュ輪郭を示す。外側のスクリュ半径は示された値に決して限定されない。むしろ、スクリュ半径は、好ましくは0.51から0.66までの範囲内であり、特に好ましくは0.52から0.575までの範囲内である。
【0158】
図は、スクリュ輪郭の4分の1が4または8の円弧からなる、または完全なスクリュ輪郭が16または32の円弧からなるスクリュ輪郭を示す。円弧の数は示された値に決して限定されない。むしろ、スクリュ輪郭の4分の1が少なくとも2つの円弧からなり、完全なスクリュ輪郭が少なくとも6つの円弧からなる。スクリュ輪郭またはスクリュ輪郭の一部が成り立つ円弧の数に上限はない。
【0159】
意外にも、本発明による1対のスクリュエレメントのスクリュ輪郭が、規定された一連の先端ゾーン、フランクゾーン、および溝付ゾーンにより生成されてもよいことが見出された。従って、本発明は、生成するスクリュ輪郭および生成されるスクリュ輪郭が一連のチャネルゾーン−閉ゾーン−チャネルゾーン−閉ゾーンを示すことを特徴とする、多軸押出機のための新規なスクリュエレメントを提供する。チャネルゾーンは、一連のフランクゾーンおよび溝付ゾーンを、好ましくは一連のフランクゾーン−溝付ゾーン−フランクゾーン−溝付ゾーン−フランクゾーンを、特に好ましくは一連のフランクゾーン−溝付ゾーン−フランクゾーンを意味すると理解される。閉ゾーンは、先端ゾーンを、または好ましくは一連の先端ゾーンおよびフランクゾーンを、特に好ましくは一連の先端ゾーン−フランクゾーン−先端ゾーンを意味すると理解される。
【0160】
図に示されるすべてのスクリュ輪郭は、一連のチャネルゾーン−閉ゾーン−チャネルゾーン−閉ゾーンにさらに分割されてもよい。
【0161】
図11から13は、8の字型スクリュバレルの内側の生成するスクリュ輪郭および生成されるスクリュ輪郭を示す。2つのスクリュ輪郭の内側に、以下のスクリュ変数について数値が示されている。
RG:2つのバレル内径の半径
RV:バレル内径RG以下の仮想バレル半径
RA:きつくかみ合う自己洗浄性スクリュ輪郭の外側のスクリュ半径
RF:製造されるスクリュ輪郭の外側のスクリュ半径
S:製造される2つのスクリュ輪郭間のクリアランス
D:製造されるスクリュ輪郭とバレルの間のクリアランス
T:運搬エレメント、混合エレメント、または遷移エレメントのピッチ
VPR:偏心的に配列された場合の、なめらかできつくかみ合う自己洗浄性スクリュ輪郭の変位の大きさ
VPW:偏心的に配列された場合の、なめらかできつくかみ合う自己洗浄性スクリュ輪郭の変位の角度(方向の指示)
VLR:クリアランスの範囲内の、左回転スクリュの製造されるスクリュ輪郭の変位の大きさ
VLW:クリアランスの範囲内の、左回転スクリュの製造されるスクリュ輪郭の変位の角度
VRR:クリアランスの範囲内の、右回転スクリュの製造されるスクリュ輪郭の変位の大きさ
VRW:クリアランスの範囲内の、右回転スクリュの製造されるスクリュ輪郭の変位の角度。
【0162】
いずれの場合も半径RGおよび距離A=1を有する2つの相互に貫通し合う内径から得られるスクリュバレルが細い破線で図示されている。2つのバレル内径が互いに貫通し合う場所では、2つの内径が細い点線で識別される。2つのバレル内径の中心点が、スクリュ輪郭の2つの回転点と一致し、いずれの場合も小さな円で識別される。きつくかみ合う自己洗浄性スクリュ輪郭が、太い実線により識別される。製造の際のスクリュ輪郭が細い実線で図示されている。
【0163】
きつくかみ合う自己洗浄性スクリュ輪郭の外側のスクリュ半径RAと、仮想バレル半径RVと、製造される2つのスクリュ輪郭間のクリアランスSと、製造されるスクリュ輪郭とスクリュバレルの間のクリアランスDとの間に以下の関係、即ちRA=RV−D+S/2が当てはまることが当業者には公知である。
【0164】
製造されるスクリュ輪郭の外側のスクリュ半径RFと、仮想バレル半径RVと、製造されるスクリュ輪郭とスクリュバレルの間のクリアランスDとの間に以下の関係、即ちRF=RV−Dが当てはまることが当業者にはさらに公知である。
【0165】
一般に、仮想バレル半径RVは示されるバレル半径RGに等しい。仮想バレル半径RVがバレル半径RGよりも小さいように選択された場合、スクリュ輪郭とバレルの間に別のクリアランスが出現する。このクリアランスは、自己洗浄性を維持しながら、生成するスクリュ輪郭および生成されるスクリュ輪郭を偏心的に変位させるために使用されてもよい。偏心性は、変位の大きさVPR、および角度VPWの形の変位の方向により明白に特徴付けられる。
【0166】
図11:図11aから11cは、本発明によるスクリュエレメントのスクリュ輪郭の偏心的位置決めの好ましい実施形態を示す。図11aから11cのスクリュ輪郭は図2aに基づく。仮想バレル半径がRV=0.54になり、バレル半径RG(RG=0.55)よりも小さい。別の幾何学的パラメータが個々の図から理解されることができる。スクリュ輪郭はそれぞれ図11aから11bで、右回転スクリュ輪郭の正確に1点がバレルに接触し、左回転スクリュ輪郭のどの点もバレルに接触しないような範囲内に変位させられた。この目的のために必要とされる変位の大きさは変位の方向に依存する。図11cは、両方のスクリュ輪郭が正確に1点でバレルに接触するような程度の大きさおよび方向までスクリュ輪郭が変位される特別な事例を示す。この場合、変位は角度π/4で続行される。スクリュ輪郭のどの点もバレルに接触しないスクリュ輪郭の別の偏心的位置決めが選択されてもよい。
【0167】
図12:当業者には公知のように、実際には、すべてのスクリュエレメントが、互いに対しても、バレルに対しても、ある程度のクリアランスを必要とする。図12aから12dは異なるクリアランス戦略を示す。幾何学的パラメータは個々の図から理解されることができる。図12aは、製造されるスクリュ輪郭間のクリアランス、および製造されるスクリュ輪郭とバレルの間のクリアランスが同じ大きさであるクリアランス戦略を示す。図12bは、製造されるスクリュ輪郭間のクリアランスが、製造されるスクリュ輪郭とバレルの間のクリアランスよりも小さいクリアランス戦略を示す。図12cは、製造されるスクリュ輪郭間のクリアランスが、製造されるスクリュ輪郭とバレルの間のクリアランスよりも大きいクリアランス戦略を示す。図12dは、特に大きなクリアランスを有する図12cによる別の実施形態を示す。製造されるスクリュ輪郭間のクリアランスについては、実際に行われている典型的なクリアランスが0.002から0.1までの範囲内にある。製造されるスクリュ輪郭とバレルの間のクリアランスについては、実際に行われている典型的なクリアランスが0.002から0.1までの範囲内にある。実際に行われている典型的なクリアランスは、スクリュ輪郭の円周の端から端まで一定である。しかし、スクリュ輪郭の円周の端から端まで、製造されるスクリュ輪郭間のクリアランスも、製造されるスクリュ輪郭とバレルの間のクリアランスも変更することが許容できる。
【0168】
図13:製造されるスクリュ輪郭をクリアランスの範囲内で変位させることがさらに可能である。図13aから13dは、可能な変位の選択を示す。幾何学的パラメータが個々の図から理解されることができる。図13aから13dでは、いずれの場合も製造される両方のスクリュ輪郭について変位の大きさがVLR=VRR=0.02になる。図13aから13dでは、いずれの場合も製造される両方のスクリュ輪郭について変位の方向が、VLW=VRW=0からVLW=VRW=π/2まで段階的に変化する。製造される2つのスクリュ輪郭を異なる方向に異なる量だけ相互に独立に変位させることが許容できる。
【0169】
図14aは、運搬エレメントとして構成され、スクリュ輪郭が図2aに基づく本発明による1対のスクリュエレメントを例として示す。バレル半径がRG=0.54になる。2つの運搬エレメント間のクリアランスがS=0.02になる。2つの運搬エレメントとバレルの間のクリアランスがD=0.01になる。運搬エレメントのピッチがT=1.2になる。運搬エレメントの長さが1.2になり、この値はスクリュ輪郭の角度2πだけの回転に対応する。2つの運搬エレメントの左側および右側にバレルが細い実線で図示されている。2つの運搬エレメントの表面上に可能な計算グリッドがさらに図示され、このグリッドは二軸押出機および多軸押出機内の流れを計算するために使用されてもよい。
【0170】
図14bは、混練エレメントとして構成され、スクリュ輪郭が図2aに基づく、本発明による1対のスクリュエレメントを例として示す。バレル半径がRG=0.54になる。2つの混練エレメントの混練ディスク間のクリアランスがS=0.02になる。2つの混練エレメントの混練ディスクとバレルの間のクリアランスがD=0.01になる。混練エレメントは7つの混練ディスクからなり、混練ディスクは、いずれの場合も互いに対して角度π/6だけ右回転でずれている。第1の混練ディスクおよび最後の混練ディスクが長さ0.09を有する。間にある混練ディスクが長さ0.18を有する。混練ディスク間の溝が長さ0.02を有する。2つの混練エレメントの左側および右側にバレルが細い実線で示されている。2つの混練エレメントの表面上に可能な計算グリッドがさらに図示され、このグリッドは二軸押出機および多軸押出機内の流れを計算するために使用されてもよい。
【0171】
(実施例)
従来技術による2―ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭を有するスクリュエレメントの圧力増大容量および動力要件、ならびに新規のスクリュ輪郭を有する本発明によるスクリュエレメントの圧力増大容量および動力要件が、流動シミュレーションの助けを借りて計算された。
【0172】
当業者に公知のように、および[1]の129から146ページで得られるように、運搬エレメント、混練エレメント、および混合エレメントなどのスクリュエレメントの動作の性質が、圧力差/処理量、および動力/処理量特性により説明されることができる。異なる押出機の大きさへの移転可能性を簡略化するために、可変圧力差、動力、および処理量がこれらの無次元形で使用される。ニュートン流の性質を有するプラスチック配合物の場合、圧力差と処理量の間にも、動力と処理量の間にも線形関係がある。圧力差/処理量特性では、軸の交点がA1およびA2とラベルをつけられる([1]、133ページ)。動作点A1は、スクリュエレメントの固有の処理量を意味する。動作点A2は処理量のない圧力増大容量を意味する。動力/処理量特性では、軸の交点がB1およびB2とラベルをつけられる([1]、136ページ)。点B1は「タービン点」である。処理量がB1よりも大きい場合、動力がスクリュに出力される。動作点B2は処理量のない動力要件を意味する。
【0173】
圧力増大ゾーンでは、導入される動力の一部だけが流れの動力に変換されることができる。導入される動力の残りは損失する。流れの動力は処理量と圧力差の積として計算される。当業者が容易に認めるように、圧力差が0に等しい(A1)、または処理量が0に等しい(A2)ので、軸の交点A1およびA2での流れの動力はいずれの場合も0に等しい。A1とA2の間のゾーンでは圧力差も処理量も0より大きく、その結果、正の流れの動力となる。処理量により提供される動作点の流れの動力が、この動作点でのスクリュによる動力出力により除算されると、この動作点での圧力増大効率が得られる。処理量に基づき効率を得ることにより、およびその後の谷底(root)発見により、スクリュエレメントの最大効率が得られる。
【0174】
1対のスクリュエレメントの内側の流れが、市販のソフトウェアパッケージFluentバージョン6.3.26を使用して実行された。二軸押出機の流動シミュレーションの概論が例えば[1、147から168ページ]で得られる。
【0175】
流動シミュレーションは、いずれの場合も長さがピッチの半分に等しいスクリュエレメントを使用して精査することにより実行された。流動シミュレーション中、これらのスクリュエレメントは、流体力学的に確立された流れの状態を計算するために、これらのスクリュエレメントの軸の始まりおよび軸の終わりに周期的制約条件が提供された。ニュートン流の性質を有する流れがプラスチック配合物として使用された。
【実施例1】
【0176】
従来技術による2―ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭を有する運搬エレメント
運搬エレメントの幾何形状が図1、および図1に関係する説明から推測されることができる。図1bおよび1cに示される計算グリッドと対照的に、流動シミュレーションのために、いずれの方向にも2倍の計算セルを含む、即ち、円周方向に320のグリッド要素を、軸方向に160のグリッド要素を、および半径方向に12のグリッド要素を含む計算グリッドが使用される。
【0177】
軸部分が以下のように計算された。即ち、A1=0.1365、A2=18917、B1=0.4273、B2=8084であった。圧力増大中の最大効率が9.59%と決定される。
【実施例2】
【0178】
新規のスクリュ輪郭を有する本発明による運搬エレメント
本発明による幾何形状が図15から明らかである。図15aは、8つの円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。無次元の外側のスクリュ半径がRA=0.54になる。半径R_1は0.7647に等しい。外側のスクリュ半径からの円弧1の最大無次元距離が0.008と計算される。外側のスクリュ半径上にある円弧3により先端ゾーンが提供される。先端角度α_3が0.0839に等しい。コア半径上にある円弧3’により溝付ゾーンが決定される。溝角度α_3’が0.0839に等しい。本発明による1対のスクリュエレメントについてすべての先端ゾーンの先端角度の総計が8*0.0839=0.6712になり、従って、2―ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭を有する1対のスクリュエレメントの先端角度の総計のほぼ0.211倍にしかならない。
【0179】
図15bは、スクリュ輪郭が図15aに基づく、運搬エレメントとして構成される1対のスクリュエレメントを示す。2つの運搬エレメント間のクリアランスがS=0.008になる。2つの運搬エレメントとバレルの間のクリアランスがD=0.004になる。運搬エレメントのピッチがT=1.08になる。運搬エレメントの長さが0.54になり、この値はスクリュ輪郭の角度πの回転に対応する。2つの運搬エレメントの左側および右側にバレルが細い実線で図示されている。可能な計算グリッドが2つの運搬エレメントの表面上にさらに図示され、このグリッドは、二軸押出機および多軸押出機内の流れを計算するために使用されてもよい。グリッド要素の数が、円周方向には160に等しく、軸方向には80に等しい。
【0180】
図15cは、図15bによるスクリュエレメントの対の平面図を示す。運搬エレメントとバレル間の自由体積が、可能な計算グリッド付きで提供され、計算グリッドは、二軸押出機および多軸押出機内の流れを計算するために使用されてもよい。グリッド要素の数が、円周方向には160に等しく、半径方向には6に等しい。2つのスクリュエレメントの回転軸が、小さな円でラベルをつけられている。
【0181】
図15bおよび15cに示される計算グリッドとは対照的に、流動シミュレーションのために、いずれの方向にも2倍の計算セルを含む、即ち、円周方向には320のグリッド要素を、軸方向には160のグリッド要素を、および半径方向には12のグリッド要素を含む計算グリッドが使用される。
【0182】
軸部分は以下のように計算された。即ち、A1=0.1324、A2=18721、B1=0.3436、B2=6434である。圧力増大中の最大効率が12.11%と決定される。固有処理量A1および圧力増大容量A2が、実施例1の結果とほぼ1%または2%以内で一致する。タービン点B1および動力要件B2に対する値が、実施例1と比較してほぼ20%小さい。従来技術によるスクリュエレメントと比較した本発明によるスクリュエレメントの結果が、圧力増大効率のほぼ26.2%の改善である。
【0183】
本発明によるスクリュエレメントを使って、従来技術によるスクリュエレメントよりも効率的なスクリュエレメントが提供される。同時に、本発明によるスクリュエレメントの先端ゾーンが減少する結果として、本発明によるスクリュエレメントは、従来技術によるスクリュエレメントよりも小さな熱応力を生成物に曝す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、対で共回転し対で完全に自己でぬぐうスクリュ輪郭を有する多軸押出機のための新規のスクリュエレメント、多軸押出機でのスクリュエレメントの使用、およびプラスチック配合物を押し出すための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ロータが完全に自己でぬぐう共回転二軸押出機、または場合により共回転多軸押出機が長い間知られてきた。このようなスクリュ押出機の包括的概観が以下の出版物[1]=Kohlgruber:Der gleichlaufige Doppelschneckenextruder(The co−rotating twin−screw extruder)、Hanser Verlag、Munich、2007で得られる。
【0003】
完全に自己でぬぐう輪郭の原理に基づく押出機が、重合体生成および重合体処理で多くの異なる使い方をされてきた。このことは主に、重合体溶融物が表面に付着し、通常の処理温度で時間をかけて分解するという事実の結果であり、このことは、完全に自己でぬぐうスクリュの自己洗浄作用により防止される。完全に自己でぬぐうスクリュ輪郭を作り出すための規則が、例えば刊行物[1]の96から109ページに示されている。[1]には、二軸押出機の第1のスクリュの所定のスクリュ輪郭が、どのようにして二軸押出機の第2のスクリュのスクリュ輪郭を決定するかについても記述されている。従って、二軸押出機の第1のスクリュのスクリュ輪郭は、生成するスクリュ輪郭(generating screw profile)として知られている。二軸押出機の第2のスクリュのスクリュ輪郭は、二軸押出機の第1のスクリュのスクリュ輪郭から生じ、従って、生成されるスクリュ輪郭(generated screw profile)として知られている。多軸押出機の場合、隣接するスクリュが常に、生成するスクリュ輪郭および生成されるスクリュ輪郭を使って交互に配列される。
【0004】
現代の二軸押出機にはビルディングブロック方式があり、ビルディングブロック方式では、様々なスクリュエレメントがコアシャフト上に搭載されてもよい。この方法では、当業者が当面の特定の仕事に二軸押出機を採用することがある。1対のスクリュエレメントが、生成するスクリュ輪郭を有する1つのスクリュエレメント、および生成されるスクリュ輪郭を有する1つのスクリュエレメントからなる。
【0005】
例えば[1]の96から109ページで得られるように、この主要な発明者にちなんで命名された公知のErdmengerスクリュ輪郭が、3つの変数、即ち、ねじ山(flight)の数z、外側のスクリュ半径ra、および中心線距離aを明確に提示することによりはっきりと規定される。ねじ山の数zは1以上の整数である。スクリュ輪郭の別の重要な特性パラメータがコア半径riである。スクリュ輪郭の別の重要な特性パラメータがねじ山の高さhである。
【0006】
外側のスクリュ半径に等しいスクリュ輪郭のゾーンが、先端ゾーンとして知られている。スクリュ輪郭の回転点に対する、先端ゾーンの始点と終点の間の角度が、先端角度として知られている。外側のスクリュ半径に1点だけで接触する先端ゾーンが先端角度0を有し、始点および終点が1点で一致する。コア半径に等しいスクリュ輪郭のゾーンが溝付ゾーンとして知られている。スクリュ輪郭の回転点に対する、溝付ゾーンの始点と終点の間の角度が溝角度として知られている。コア半径に1点だけで接触する溝付ゾーンが溝角度0を有し、始点および終点がこの場合も同じである。外側のスクリュ半径よりも小さくコア半径よりも大きなスクリュ輪郭のゾーンが、フランクゾーンとして知られている。従って、スクリュ輪郭の回転点に対する、フランクゾーンの始点と終点の間の角度が、フランク角度として知られている。2つのバレル内径が互いに貫通し合う多軸押出機のゾーンが、かみ合うゾーンとして知られている。2つのバレル内径が交差する2つの点がバレルかみ合いとして知られている。
【0007】
zのねじ山を有するErdmengerスクリュ輪郭の先端角度δ_kwが、δ_kw=π/z−2*arccos(0.5*a/ra)と計算され、π(π≒3.14159)は円周率である[1]。従って、Erdmengerスクリュ輪郭を有する1対の2−ねじ山スクリュエレメントの先端角度の総計は、2*π−8*arccos(0.5*a/ra)に等しい。
【0008】
さらに[1]は、二軸押出機および多軸押出機の構造、機能、および動作を詳細に説明している。1つの章全体(227から248ページ)が、スクリュエレメント、およびスクリュエレメントの動作のモードに充てられている。この章では、運搬エレメント、混練エレメント、および混合エレメントの構造および機能が詳細に説明されている。異なるねじ山の数を有するスクリュエレメント間の遷移を可能にするために、しばしばワッシャがスペーサとして使用される。特別な事例では、異なるねじ山の数を有する2つのスクリュエレメント間の連続的遷移を可能にする「遷移エレメント」が使用され、1対の自己洗浄性スクリュ輪郭が遷移のそれぞれの点で提供される。
【0009】
プラスチック配合物が変形可能な組成を意味すると理解される。プラスチック配合物の例が、特に熱可塑性物質およびエラストマーからなる重合体溶融物、重合体溶融物の混合物、もしくは固体、液体、またはガスを有する重合体溶融物の分散である。
【0010】
プラスチック配合物の押出が、具体的には、重合体の生成、コンパウンディング、および処理で主要な役割を果たす。押出は、[1]で包括的に説明されているように、共回転する二軸押出機または多軸押出機での物質、または物質の混合物の処置を意味すると理解される。
【0011】
重合体生成中、例えば重合体からガスを抜くために押出が行われる(例えば[1]、191から212ページを参照のこと)。
【0012】
重合体のコンパウンディング中、例えば添加物を混合するため、もしくは例えば化学組成、分子量、または分子構成が異なる様々な重合体を混合するために押出が行われる(例えば[1]、59から93ページを参照のこと)。コンパウンディングは、従来の方法で溶かされるプラスチックの原料、ならびに追加および混合する充填剤、ならびに/または補強剤、可塑剤、結合剤、スリップ剤、安定剤、着色剤などを使用して、重合体を完成したプラスチック成形材料(または化合物)に転換することを伴う。コンパウンディングはまたしばしば、例えば空気および水などの揮発物の除去を含む。コンパウンディングはまた、例えばグラフト化、官能基の修飾、または分子量を自由に増減することによる分子量修正などの化学反応を伴うことがある。
【0013】
重合体処理中、重合体は半製品、すぐ利用できる製品、または成分の形に転換されることが好ましい。処理は、例えば射出成形、押出、フィルムブローイング、カレンダリング、またはスピニングにより続行することがある。処理はまた、重合体を充填剤、および補助物質、および添加物と混合することだけでなく、例えば加硫などの化学修飾も伴うことがある。
【0014】
押出中のプラスチック配合物の処置は、1つ以上の工程、即ち、運搬、溶融、分散、混合、脱ガス、および圧力増大を伴う。
【0015】
一般に公知であり、例えば[1]の169から190ページで説明されているように、混合は分配混合および分散混合に区別されてもよい。分配混合は、所与の容積内での様々な組成の一様な分配を意味すると理解される。分配混合は、例えば同様な重合体が混合されるときに行われる。分散混合では、固体粒子、流体小滴、または気泡がまずさらに分けられるときに行われる。さらに分けることは、例えば重合体溶融物と添加物の間の界面での表面張力に打ち勝つためにかなり大きな剪断力を適用することを伴う。混合は常に、分配混合および/または分散混合を意味すると以下で理解される。
【0016】
溶融物運搬および圧力増大が刊行物[1]の73ページ以下参照で説明されている。押出機スクリュ内の溶融物運搬ゾーンが、一方の処理ゾーンから次の処理ゾーンまで生成物を運び、充填剤内に引き寄せるのに役立つ。溶融物運搬ゾーンは、例えば一方の処理ゾーンから次の処理ゾーンへ生成物を運ぶ間、脱ガス中、および保持ゾーン内など、一般に部分的に満たされている。運搬に必要とされるエネルギが損失され、重合体溶融物の温度の上昇により不利に出現する。従って、運搬ゾーンで使用されるスクリュエレメントは、可能な最小のエネルギを損失するスクリュエレメントであるべきである。1×内部の押出機直径Dのピッチを有するねじ山エレメント(thread element)が簡単な溶融物運搬のために好都合である[1]。
【0017】
例えば後ろ向きの運搬エレメント、混合エレメント、後ろ向きの運搬ブロック、または中立の混練ブロックなどの押出機内部の圧力消費者の上流、ならびに例えばダイプレート、押出ダイ、および溶融物フィルタなどの押出機外部の圧力消費者の上流では、押出機内部に逆圧ゾーンが形成され、そこでは、運搬が完全に十分な状態で行われ圧力消費者に打ち勝つための圧力が増やされなければならない。溶融物を出力するのに必要とされる圧力が生成される押出機の圧力増大ゾーンは、計量ゾーンとして知られている。重合体溶融物に導入されるエネルギは、圧力増大のためおよび溶融物運搬のための有効動力、ならびに溶融物の温度の増加により不利に出現する損失動力に分割される。圧力増大ゾーンでは、溶融物の強い逆流がスクリュの先端の端から端まで発生するので、その結果、入力エネルギが増大することになる[1]。従って、圧力増大ゾーンで使用されるスクリュエレメントは、可能な最小のエネルギを損失するスクリュエレメントであるべきである。
【0018】
スクリュの先端の領域では、特に大きな量のエネルギが溶融物内で損失され、このことが生成物内の局所的な激しい加熱につながることが当業者に公知である。このことが、公知のErdmengerスクリュ輪郭を有する2−ねじ山運搬エレメントについて、例えば[1]の160ページ以下参照で説明されている。この局所的加熱は、例えば、臭気、色、化学組成、または分子量の変化、もしくはゲル粒子または斑点などの、生成物中の不均一性の形成の変化などの、生成物への損害をもたらすことがある。具体的には、先端の大きな角度が、この点で有害である。さらに、多くの工程で、高いエネルギ入力も、二軸押出機の可能な処理量を制限し、従って二軸押出機の経済的実行可能性を制限する。
【0019】
さらに、公知のErdmengerスクリュ輪郭を有する2−ねじ山運搬エレメントの圧力増大中の効率がおよそ10%であることは当業者には知られている([1]、129から146ページ)。溶融物密度1,000kg/m3、および溶融物の熱容量2,000J/kg/Kでの50バールの圧力上昇が、25Kの温度上昇で前記効率10%をもたらす([1]、120ページ)。この加熱が、例えば臭気、色、化学組成、または分子量の変化、もしくはゲル粒子または斑点などの生成物中の不均一性の形成の変化などの生成物への損害をもたらすことがある。
【0020】
ポリエチレンおよびポリエチレン共重合体を押し出すとき、過度に高い温度が分子量の増大、分岐、および架橋結合をもたらす。ポリエチレンおよびポリエチレン共重合体はさらに当業者に公知の([2]Hepperle、J.:Schadigungsmechanismen bei Polymeren(Damage mechanisms in polymers)、Polymeraufbereitung 2002、VDI−K、VDI−Verlag GmbH、[3]Zweifel、H.:Stabilization of Polymeric Materials、Springer、Berlin、1997、[4]Schwarzenbach、K.et al.:Antioxidants、in Zweifel、H.(ed.):Plastics Additives Handbook、Hanser、Munich、2001、[5]Cheng、H.N.、Schilling、F.C.、Bovey、F.A.:13C Nuclear Magnetic Resonance Observation of the Oxidation of Polyethylene、Macromolecules 9(1976)p.363−365)自動酸化サイクルで大気中の酸素と反応して、例えばケトン、アルデヒド、カルボキシル酸、ヒドロペルオキシド、エステル、ラクトン、およびアルコールなどのにおいの強い、従って、混乱を伴う低分子量成分を形成する。
【0021】
ポリエチレンおよび酢酸ビニルに基づく重合体を押し出すとき、過度に高い温度がにおいの強い腐食性の酢酸の形成をさらにもたらす。
【0022】
ポリプロピレンおよびポリプロピレン共重合体を押し出すとき、過度に高い温度が、分子量減損をもたらす。ポリプロピレンおよびポリプロピレン共重合体はさらに自動酸化サイクルで大気中の酸素と反応して、例えばケトン、アルデヒド、カルボキシル酸、ヒドロペルオキシド、エステル、ラクトン、およびアルコールなどのにおいの強い、従って混乱を伴う低分子量成分を形成する。
【0023】
ポリ塩化ビニルを押し出すとき、過度に高い温度が、生成物の変色、および腐食性でガス状の塩酸の除去をもたらし、この場合、今度は、塩酸が塩酸のさらなる除去に触媒作用を及ぼす。
【0024】
ポリスチレンを押し出すとき、過度に高い温度が有害なスチレンの形成だけでなく、二量体スチレンおよび三量体スチレンの形成ももたらし、分子量が減損し、対応する機械的特性が低下する。
【0025】
ポリスチレン−アクリロニトリル共重合体(SAN)を押し出すとき、生成物が熱応力に曝されるときに黄ばんだ色に変化し、その結果、透明度が低下し、発癌性単量体アクリロニトリルだけでなくスチレンも形成し、分子量が減損し、機械的特性が低下する。
【0026】
芳香族ポリカーボネートを押し出すとき、生成物が、具体的には酸素の作用により、過度な熱応力に曝されたときに黄ばんだ色に変化し、その結果、透明度が低下し、具体的には水の作用により、分子量減損を示す。例えばビスフェノールAなどの単量体も高まった温度に曝されるときに解離させられる。
【0027】
例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、およびポリトリメチレンテレフタレートなどの重合体を押し出すとき、過度な温度、および水の作用が、分子量の低下、および分子内の末端基の変位をもたらす。このことは、特にポリエチレンテレフタレートを再利用するときに問題となる。ポリエチレンテレフタレートは、上昇した温度でアセトアルデヒドを除去し、このことが、例えば飲料用ビンの内容物の香りに変化をもたらすことがある。
【0028】
ジエン系ゴムで、具体的にはブタジエンゴムで耐衝撃性改質の熱可塑性物質を、具体的には耐衝撃性改質のグレードのポリスチレン(HIPS)および耐衝撃性改質のSAN(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、ABS)を押し出すとき、過度な温度が発癌性ブタジエンおよび有毒なビニルシクロヘキセンの除去をもたらす。さらに、ジエン系ゴムが架橋結合し、その結果、生成物の機械的特性が低下する。
【0029】
ポリオキシメチレンを押し出すとき、過度な温度が有毒なホルムアルデヒドの除去をもたらす。
【0030】
ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド4,6、ポリアミド11、およびポリアミド12などのポリアミドを押し出すとき、過度に高い温度が生成物の変色および分子量低減、ならびに単量体および二量体の再構成をもたらすので、その結果、特に水の存在下で機械的特性の低下となる。
【0031】
熱可塑性ポリウレタンを押し出すとき、過度に高い温度が、トランスウレタン化による分子構造の変化、および水の存在下での分子量低減をもたらす。これらの両方が、熱可塑性ポリウレタンの特性に好ましくない影響を及ぼす。
【0032】
ポリメタクリル酸メチルを押し出すとき、メタクリル酸メチルが除去され、過度な熱応力に曝されたときに分子量が減損し、その結果、悪臭公害および機械的特性低下をもたらす。
【0033】
ポリフェニレンスルファイドを押し出すとき、過度に高い温度が、硫黄含有有機化合物および硫黄含有無機化合物の除去をもたらし、このことが悪臭公害をもたらし、押出ダイの腐食につながることがある。低分子量のオリゴマおよび単量体も形成され、分子量が減損するので、ポリフェニレンスルファイドの機械的特性が低下する。
【0034】
ポリフェニルスルホンを押し出すとき、過度に高い温度が、特に水の存在下で有機化合物の除去をもたらす。分子量も低下し、機械的特性の低下をもたらす。
【0035】
ポリフェニレンエーテルを押し出すとき、過度に高い温度が低分子量有機化合物の除去をもたらし、この場合、分子量が低下する。このことが生成物の機械的特性の低下をもたらす。
【0036】
例えばポリブタジエン(BR)、天然ゴム(NR)および合成ポリイソプレン(IR)などのジエン系ゴム、ブチルゴム(IIR)、クロロブチルゴム(CIIR)、ブロモブチルゴム(BIIR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリクロロプレン(CR)、ブタジエン−アクリロニトリルゴム(NBR)、部分的に水素化されたブタジエン−アクリロニトリルゴム(HNBR)、ならびにエチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)を押し出すとき、過度に高い温度が架橋結合によるゲル形成をもたらし、このことが、ゲル形成から生成される成分の機械的特性の低下につながる。クロロゴムおよびブロモブチルゴムの場合、上昇した温度が、腐食性でガス状の塩酸および臭化水素酸の除去をもたらすことがあり、このことが、今度は、重合体のさらなる分解に触媒作用を及ぼす。
【0037】
例えば硫黄または過酸化物などの加硫剤を含むゴム化合物を押し出すとき、過度に高い温度が時期尚早な加硫をもたらす。この結果、これらのゴム化合物からどんな生成物を作り出すことも、もはや不可能になる。
【0038】
過度に高い温度で1つ以上の重合体の混合物を押し出すとき、個々の重合体を押し出す欠点がその都度出現する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0039】
【非特許文献1】Kohlgruber:Der gleichlaufige Doppelschneckenextruder(The co−rotating twin−screw extruder)、Hanser Verlag、Munich、2007
【非特許文献2】Hepperle、J.:Schadigungsmechanismen bei Polymeren(Damage mechanisms in polymers)、Polymeraufbereitung 2002、VDI−K、VDI−Verlag GmbH
【非特許文献3】Zweifel、H.:Stabilization of Polymeric Materials、Springer、Berlin、1997
【非特許文献4】Schwarzenbach、K.et al.:Antioxidants、in Zweifel、H.(ed.):Plastics Additives Handbook、Hanser、Munich、2001
【非特許文献5】Cheng、H.N.、Schilling、F.C.、Bovey、F.A.:13C Nuclear Magnetic Resonance Observation of the Oxidation of Polyethylene、Macromolecules 9(1976)p.363−365
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0040】
従って、従来技術に基づき、圧力増大中に可能な最高効率を、および熱応力への生成物の可能な限り最低の曝露を同時に示す、多軸押出機のためのスクリュエレメントを提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0041】
意外なことに、従来技術と比べて減少した先端角度を示し、圧力増大中に可能な最高効率を、および熱応力への生成物の可能な限り最低の曝露を同時にもたらす新規なスクリュエレメントが見出された。
【0042】
従って、本発明は、
1対のスクリュエレメントのすべての先端角度の総計が0以上、および2*π−8*arccos(0.5*a/ra)未満であり、
1対のスクリュエレメントの先端ゾーンの数が4よりも多く、
1対のスクリュエレメントのそれぞれのスクリュエレメントが2つのスクリュ輪郭ゾーンを含み、2つのスクリュ輪郭ゾーンは、いずれの場合もフランクゾーンおよび溝付ゾーンからなり、2つのスクリュ輪郭ゾーンでは、フランク角度および溝角度の総計が、いずれの場合もπ/2よりも大きいことを特徴とする、多軸押出機のためのスクリュエレメントを提供する。
【0043】
従って、上記で既に説明されたように、Erdmengerスクリュ輪郭を有する1対の2−ねじ山スクリュエレメントの先端角度の総計が、2*π−8*arccos(0.5*a/ra)に等しい。本発明によるスクリュエレメントは、2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭を有するスクリュエレメントと比べて長さが減少したゾーンを含み、Erdmengerスクリュ輪郭のゾーンは外側のスクリュ半径に対応し、Erdmengerスクリュ輪郭では、特に大量のエネルギが押出物質に導入されることが知られている。この方法では、エネルギ入力が実効的に低減され、生成物損傷の危険性が低減される。
【0044】
本発明による1対のスクリュエレメントのすべての先端角度の総計が2*π−8*arccos(0.5*a/ra)未満であり、好ましくは0.8*(2*π−8*arccos(0.5*a/ra)未満であり、特に好ましくは0.6*(2*π−8*arccos(0.5*a/ra)未満であり、最も好ましくは0.4*(2*π−8*arccos(0.5*a/ra))未満である。
【0045】
さらに、Erdmengerスクリュ輪郭を有する1対の2−ねじ山スクリュエレメントの場合、先端ゾーンの総計が4となる。本発明による1対のスクリュエレメントの先端ゾーンの数は4よりも多く、好ましくは5または6に等しく、特に好ましくは8に等しい。本発明による1対のスクリュエレメントの個々のスクリュエレメントの先端ゾーンの数は、好ましくは2または3に等しく、特に好ましくは4に等しい。
【0046】
本発明によれば、1対のスクリュエレメントのそれぞれのスクリュエレメントが2つのスクリュ輪郭ゾーンを含み、2つのスクリュ輪郭ゾーンは、いずれの場合もフランクゾーンおよび溝付ゾーンからなり、2つのスクリュ輪郭ゾーンでは、フランク角度および溝角度の総計がいずれの場合もπ/2よりも大きい。これらの2つのスクリュ輪郭ゾーンはまた、チャネルゾーンとしても知られていることがある。事実上すべての押出物質がこれらのチャネルゾーン内に配置される。
【0047】
フランクゾーンおよび溝付ゾーンからなるスクリュ輪郭ゾーンの角度の総計が2*π/3よりも大きいことが好ましい。
【0048】
本発明によるスクリュエレメントでは、生成するスクリュ輪郭が個々に設計されてもよい。具体的には、先端ゾーンを規定するエッジが丸みをつけられてもよい。
【0049】
本発明によるスクリュエレメントは、1つ以上の先端ゾーンが先端角度0を有することを特徴とすることが好ましい。このような場合、隣接するスクリュエレメントのバレルの洗浄および溝付ゾーンの洗浄が、最低限まで低減される先端ゾーンで続行される。この方法では、エネルギ入力、および応力への押出物質の曝露も最低限まで低減される。シーリングは点状であり、必要な圧力増大を保証するのに十分である。
【0050】
本発明によるスクリュエレメントは、π/2の回転後、生成されるスクリュ輪郭が生成するスクリュ輪郭と一致することを特徴とすることが好ましい。このことには、隣接するスクリュのために異なるスクリュエレメントが製造される必要がないという利点がある。
【0051】
好ましいスクリュエレメントは、多軸押出機のすべてのスクリュ、または二軸押出機の2つのスクリュについて同じスクリュ輪郭を有するスクリュエレメントである。
【0052】
意外にも、本発明による1対のスクリュエレメントのスクリュ輪郭が、規定された一連の先端ゾーン、フランクゾーン、および溝付ゾーンにより生成されてもよいことが見出された。本発明によるスクリュエレメントは、生成するスクリュ輪郭および生成されるスクリュ輪郭が一連のチャネルゾーン−閉ゾーン−チャネルゾーン−閉ゾーンを示すことを特徴とする。チャネルゾーンは一連のフランクゾーンおよび溝付ゾーンを意味すると理解される。チャネルゾーンは、好ましくは一連のフランクゾーン−溝付ゾーン−フランクゾーン−溝付ゾーン−フランクゾーンであり、特に好ましくは一連のフランクゾーン−溝付ゾーン−フランクゾーンである。
【0053】
閉ゾーンは先端ゾーン、または一連の先端ゾーンおよびフランクゾーンのいずれかである。閉ゾーンは一連の先端ゾーン−フランクゾーン−先端ゾーンであることが好ましい。
【0054】
本発明によるスクリュエレメントのスクリュ輪郭が、例えば2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭から始めて、ゾーンが2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭の先端ゾーンから「移動される」ことで明確に得られることがある。この方法では、先端ゾーンの長さが低減され、1つの連続する先端ゾーンの代わりに、2つの先端ゾーンが得られ、この場合、2つの先端ゾーンの間に「間隙(gap)」が出現する。このとき、自己洗浄性を保証するために、この場合も、最初の2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭の溝付ゾーン内にゾーンが「追加され」なければならない。本発明によるスクリュエレメントの場合、いずれの場合もフランクゾーンおよび溝付ゾーンからなり、いずれの場合もフランク角度および溝角度の総計がπ/2よりも大きい、好ましくは2*π/3よりも大きい2つのスクリュ輪郭がいずれの場合も出現するので、押出物質の大多数が依然として2つのゾーン、即ちチャネルゾーン内に配置され、2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭の元々の先端ゾーン内の「間隙」の結果として、容易に感知できる別のねじ山が全く出現しないことが保証される。
【0055】
好ましい実施形態では、x軸に対してもy軸に対しても対称なスクリュ輪郭が得られるような方法で、「除去」が先端ゾーンで続行し、「付加」が溝付ゾーンで続行する。このような対称なスクリュ輪郭を完全に規定するためには、スクリュ輪郭の残りが軸での鏡映により得られるので、このスクリュ輪郭の第1の4分の1だけが知られなければならない。
【0056】
意外にも、本発明によるスクリュエレメントの別のスクリュ輪郭が、本発明によるスクリュエレメントのスクリュ輪郭の4分の1に基づき得られることがあることが見出された。
【0057】
xy座標系の第1象限に配置されるスクリュ輪郭の4分の1に始点があり、x軸およびy軸でこの第1象限を鏡映することにより、本発明によるスクリュエレメントのスクリュ輪郭が得られる。上述の4分の1のフランクゾーンおよび溝付ゾーンをy軸で鏡映することにより、フランクゾーンおよび溝付ゾーンからなる第1のチャネルゾーンが得られる。この第1のチャネルゾーンをx軸で鏡映することにより、フランクゾーンおよび溝付ゾーンからなる第2のチャネルゾーンが得られる。連続したスクリュ輪郭が得られるような方法で、2つのチャネルゾーン間のゾーンが、先端ゾーンにより、または一連の先端ゾーン、およびフランクゾーンにより、好ましくは一連の先端ゾーン−フランクゾーン−先端ゾーンにより完成される。このようなゾーンはまた、閉ゾーンとしても知られている。スクリュ輪郭の回転点に対する閉ゾーンの始点と終点の間の角度が閉角度として知られている。
【0058】
好ましい実施形態では、第2のチャネルゾーンが、スクリュ輪郭の回転点を中心にして時計回りまたは反時計回りにπからπ−[π/2−2*arccos(0.5*a/ra)]までの範囲内の角度だけ第1のチャネルを回転することにより得られる。角括弧内の項は、2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭を有するスクリュエレメントの先端角度に等しい。第1のチャネルゾーンを角度π未満回転することが、大きさが異なるフランクゾーンおよび溝付ゾーンからなる2つのゾーンの間に2つの閉ゾーンをもたらす。2つの閉ゾーンの一方の閉角度が、好ましくは対応する外側のスクリュ半径を有する2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭の先端角度の1.2倍よりも大きい、特に好ましくはその1.6倍よりも大きい、および最も好ましくは2*arccos(0.5*a/ra)により計算されるバレル開口角度よりも大きい。これらの場合、2つの閉ゾーンの第2の閉ゾーンが先端ゾーンからなることが特に好ましく、これにより、得られるスクリュ輪郭は合計3つの先端ゾーンからなる。
【0059】
意外にも、第1のチャネルゾーンが、1つのスクリュ輪郭の2つの異なる4分の1のフランクゾーンおよび溝付ゾーンからなることがあることが見出された。第2のチャネルゾーンは、第1のチャネルゾーンの2つの4分の1の一方からなることも、第1のチャネルゾーンの2つの4分の1の組合せからなることもある。第2のチャネルゾーンが1つまたは2つの別の4分の1からなることも可能である。具体的には、1つ以上の4分の1が、2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭に基づくことが可能である。明確に提示された事例すべてにおいて、本発明によるスクリュエレメントの輪郭を生成することができる。
【0060】
本発明によるスクリュエレメントのスクリュ輪郭を作り出すための提示された簡単な方法を使って、対称なスクリュ輪郭も非対称なスクリュ輪郭も生成することができる。さらに、π/2だけ回転した後、生成されるスクリュ輪郭が、生成するスクリュ輪郭と一致するまたは異なるスクリュ輪郭が生成されてもよい。
【0061】
本発明によるスクリュエレメントの中心線距離に正規化された外側のスクリュ半径は、0.51から0.66までの範囲内であることが好ましく、0.52から0.575までの範囲内であることが特に好ましい。
【0062】
本発明は、個々のスクリュエレメントおよびコアシャフトを有するスクリュからなる現在一般に行われているモジュール構造のスクリュエレメントに限定されないが、一体構造のスクリュにも限定されない。従って、「スクリュエレメント」という用語はまた、一体構造のスクリュも意味すると理解されるべきである。
【0063】
本発明に従って使用されるスクリュエレメントは運搬エレメント、混練エレメント、および/または混合エレメントとして使用されてもよい。
【0064】
運搬エレメントは、(例えば、[1]、227から248ページを参照のこと)スクリュ輪郭が軸方向に連続的にらせん状に回転され伸長されるという点で識別されることが知られている。運搬エレメントは、右回転のねじ山、または左回転のねじ山を有することがある。運搬エレメントのピッチは中心線距離の0.1から10倍までの範囲内であることが好ましく、ピッチはスクリュ輪郭の完全な1回転に必要な軸長を意味すると理解され、運搬エレメントの軸長は中心線距離の0.1から10倍までの範囲内であることが好ましい。
【0065】
混練エレメントは、(例えば、[1]、227から248ページを参照のこと)スクリュ輪郭が混練ディスクの形で軸方向に不連続に伸長するという点で識別されることが知られている。混練ディスクは右回転または左回転のやり方で、または中立に配列されてもよい。混練ディスクの軸長は中心線距離の0.05から10倍までの範囲内であることが好ましい。2つの隣接する混練ディスク間の軸方向距離は中心線距離の0.002から0.1倍までの範囲内であることが好ましい。
【0066】
公知のように、混合エレメントはスクリュの先端内に開口を有する運搬エレメントを構築することにより形成される(例えば、[1]、227から248ページを参照のこと)。混合エレメントは、右回転でも左回転でもよい。混合エレメントのピッチは中心線距離の0.1から10倍までの範囲内であることが好ましく、混合エレメントの軸長は中心線距離の0.1から10倍までの範囲内であることが好ましい。開口はU字型またはV字型の溝の形をとることが好ましく、逆に運ぶやり方、または軸方向に平行なやり方で配列されることが好ましい。
【0067】
直接自己でぬぐうスクリュ輪郭が二軸押出機に直接挿入されることができるのではなく、むしろスクリュ間にクリアランスが必要であることが当業者には公知である。この目的のための様々な戦略が[1]の28ページ以下参照に説明されている。本発明によるスクリュエレメントのスクリュ輪郭については、スクリュ輪郭の直径に対して0.001から0.1まで、好ましくは0.002から0.05まで、特に好ましくは0.004から0.02までの範囲内のクリアランスが使用される。当業者には公知のように、クリアランスは、スクリュとバレルの間、およびスクリュとスクリュの間で異なる寸法でも、同じでもよい。クリアランスはまた、一定でも、または上記の限度の範囲内で可変でもよい。スクリュ輪郭をクリアランスの範囲内で変位させることも可能である。中心線距離伸長、縦方向断面オフセット、および3次元オフセットからなる、[1]の28ページ以下参照に説明されている可能なクリアランス戦略が実現可能な戦略であり、戦略のすべてが当業者に公知である。中心線距離伸長の場合、比較的小さな直径のスクリュ輪郭が構築され、スクリュ間のクリアランスの量だけさらに離して間隔を置かれる。縦方向断面オフセット法では、(軸に平行な)縦方向断面輪郭曲線が、スクリュ間クリアランスの半分だけ内側に変位させられる。3次元オフセット法では、スクリュエレメントが互いに洗浄する3次元曲線から始めて、スクリュエレメントが、完全に自己でぬぐう輪郭の表面に垂直な方向にスクリュとスクリュの間のクリアランスの半分だけ大きさが低減される。縦方向断面オフセット法および3次元オフセット法が好ましく、3次元オフセット法が特に好ましい。
【0068】
本発明によるスクリュエレメントの輪郭が、PCT/EP2009/003549に記載される方法を使用して構築されてもよい。1つの可能な方法が以下に説明される。
【0069】
生成するスクリュ輪郭の回転軸と生成されるスクリュ輪郭の回転軸の間の選択可能な中心線距離aを有するしっかりとかみ合う自己洗浄性共回転スクリュ輪郭を生成するための方法が、生成するスクリュ輪郭がnの円弧から形成され、生成されるスクリュ輪郭がn’の円弧から形成されることを特徴とし、
生成するスクリュ輪郭および生成されるスクリュ輪郭が1つの平面内にあり、
生成するスクリュ輪郭の回転軸、および生成されるスクリュ輪郭の回転軸が、いずれの場合もスクリュ輪郭の前記平面に垂直であり、生成するスクリュ輪郭の回転軸と前記平面との交点が、生成するスクリュ輪郭の回転点として指定され、生成されるスクリュ輪郭の回転軸と前記平面との交点が、生成されるスクリュ輪郭の回転点として指定され、
生成するスクリュ輪郭の円弧の数nが選択され、nは1以上の整数であり、
生成するスクリュ輪郭の外半径raが選択され、raは0よりも大きく(ra>0)、中心線距離以下(ra≦a)の値であると仮定することができ、
生成するスクリュ輪郭のコア半径riが選択され、riは0以上(ri≧0)、およびra以下(ri≦ra)の値であると仮定することができ、
生成するスクリュ輪郭の円弧が、以下の配列規則に従って、即ち
生成するスクリュ輪郭のすべての円弧が、連続した凸状のスクリュ輪郭が得られるような方法で接線方向に互いに移行し、半径が0に等しい円弧が、半径がepsに等しい円弧として扱われることが好ましく、ここで、epsは0に向かう傾向がある非常に小さな正の実数であり(eps≪1、eps→0)、
生成するスクリュ輪郭の円弧のそれぞれが、外半径raおよびコア半径riを有する円環内部または円環の境界にあり、円環の中心点が生成するスクリュ輪郭の回転点上にあり、
生成するスクリュ輪郭の円弧の少なくとも1つが、生成するスクリュ輪郭の外半径raに接触し、
生成するスクリュ輪郭の円弧の少なくとも1つが、生成するスクリュ輪郭のコア半径riに接触するように、生成するスクリュ輪郭回転軸を中心として時計回りまたは反時計回りに配列され、
角度α_1および半径r_1により確立される、生成するスクリュ輪郭の第1の円弧の大きさが、角度α_1がラジアンで0以上、および2π以下であるように選択され、πは円周率(π≒3.14159)を意味すると理解されるべきであり、半径r_1は0以上、および中心線距離a以下であり、この第1の円弧の2つの異なる点の位置決めにより得られる生成するスクリュ輪郭のこの第1の円弧の位置が、前記配列の規則に従って確立され、この第1の円弧の配置されるべき第1の点が、この第1の円弧に属する始点であることが好ましく、この第1の円弧の配置されるべき第2の点が、この第1の円弧に属する中心点であることが好ましく、
角度α_2、…、α_(n−1)、および半径r_2、…、r_(n−1)により確立される、生成するスクリュ輪郭の別のn−2の円弧の大きさが、角度α_2、…、α_(n−1)がラジアンで0以上、および2π以下であり、半径r_2、…、r_(n−1)が0以上、および中心線距離a以下であるように選択され、生成するスクリュ輪郭のこれらの別のn−2の円弧の位置が、前記配列の規則に従って確立され、
角度α_nおよび半径r_nにより確立される、生成するスクリュ輪郭の最後の円弧の大きさが、生成するスクリュ輪郭のnの円弧のnの角度の総計がラジアンで2πに等しくなることで決定され、角度α_nがラジアンで0以上、および2π以下であり、半径r_nが生成するスクリュ輪郭を閉じ、半径r_nが0以上、および中心線距離a以下であり、生成するスクリュ輪郭のこの最後の円弧の位置が、前記配列の規則に従って確立され、
生成されるスクリュ輪郭のn’の円弧が、生成するスクリュ輪郭のnの円弧から、
生成されるスクリュ輪郭の円弧の数n’が、生成するスクリュ輪郭の円弧の数nに等しく、n’は整数であり、
生成されるスクリュ輪郭の外半径ra’が、中心線距離引く生成するスクリュ輪郭のコア半径riという差に等しく(ra’=a−ri)、
生成されるスクリュ輪郭のコア半径ri’が、中心線距離引く生成するスクリュ輪郭の外半径riという差に等しく(ri’=a−ra)、
生成されるスクリュ輪郭のi’番目の円弧の角度α_i’が、生成するスクリュ輪郭のi番目の円弧の角度α_iに等しく、iおよびi’は、1からそれぞれ円弧の数nおよびn’までの範囲内のすべての値を一緒に通過する整数であり(α_1’=α_1、…、α_n’=α_n)、
生成されるスクリュ輪郭のi’番目の円弧の半径r_i’と、生成するスクリュ輪郭のi番目の円弧の半径r_iの総計が、中心線距離aに等しく、iおよびi’は、1からそれぞれ円弧の数nおよびn’までの範囲内のすべての値を一緒に通過する整数であり(r_1’+r_1=a、…、r_n’+r_n=a)、
生成されるスクリュ輪郭のi’番目の円弧の中心点が、生成するスクリュ輪郭のi番目の円弧の中心点から中心線距離aに等しい距離にあり、生成されるスクリュ輪郭のi’番目の円弧の中心点が、生成されるスクリュ輪郭の回転点から、生成するスクリュ輪郭の回転点から生成するスクリュ輪郭のi番目の円弧の中心点の距離に等しい距離にあり、生成されるスクリュ輪郭のi’番目の円弧の中心点と生成するスクリュ輪郭のi番目の円弧の中心点の間を接続する線が、生成されるスクリュ輪郭の回転点と生成するスクリュ輪郭の回転点の間を接続する線に平行な線であり、iおよびi’は、1からそれぞれ円弧の数nおよびn’までの範囲内のすべての値を一緒に通過する整数であり(i’=i)、
生成されるスクリュ輪郭のi’番目の円弧の中心点に対する生成されるスクリュ輪郭のi’番目の円弧の始点が、生成するスクリュ輪郭のi番目の円弧の中心点に対する生成するスクリュ輪郭のi番目の始点を有する方向と反対の方向にあり、iおよびi’は、1からそれぞれ円弧の数nおよびn’までの範囲内のすべての値を一緒に通過する整数である(i’=i)ということで得られる。
【0070】
本発明によれば、1対のスクリュエレメントのすべての先端角度の総計が0以上、および2*π−8*arccos(0.5*a/ra)未満であり、1対のスクリュエレメントの先端ゾーンの数が4よりも大きく、1対のスクリュエレメントのそれぞれのスクリュエレメントが2つのスクリュ輪郭ゾーンを含むように、生成するスクリュ輪郭および生成されるスクリュ輪郭の円弧が選択される、または互いにぴったり合わせられる。2つのスクリュ輪郭ゾーンは、いずれの場合もフランクゾーンおよび溝付ゾーンからなり、2つのスクリュゾーンでは、フランク角度および溝角度の総計が、いずれの場合もπ/2よりも大きい。
【0071】
なめらかでしっかりとかみ合う自己洗浄性共回転スクリュ輪郭を作り出すための説明された方法から、生成されるスクリュ輪郭については以下となる。
生成されるスクリュ輪郭は連続的であり、
生成されるスクリュ輪郭は凸状であり、
生成するスクリュ輪郭の円弧のそれぞれが、生成されるスクリュ輪郭の次の円弧と接線方向で移行し、半径が0に等しい円弧が、半径がepsに等しい円弧として扱われることが好ましく、ここで、epsは0に向かう傾向がある非常に小さな正の実数であり(eps≪1、eps→0)、
生成されるスクリュ輪郭の円弧のそれぞれが、外半径ra’およびコア半径ri’を有する円環内部、または円環の境界にあり、円環の中心点が、生成されるスクリュ輪郭の回転点上にあり、
生成されるスクリュ輪郭の円弧の少なくとも1つが、生成されるスクリュ輪郭の外半径ra’に接触し、
生成されるスクリュ輪郭の円弧の少なくとも1つが、生成されるスクリュ輪郭のコア半径ri’に接触する。
【0072】
さらに、なめらかでしっかりとかみ合う自己洗浄性共回転スクリュ輪郭を作り出すための上記の方法から、生成するスクリュ輪郭のコア半径riが、中心距離a引く生成するスクリュ輪郭の外半径raという差に等しい場合だけ(ri=a−ra)、生成されるスクリュ輪郭の外半径ra’が、生成するスクリュ輪郭の外半径raに等しく、生成されるスクリュ輪郭のコア半径ri’が、生成するスクリュ輪郭のコア半径riに等しいということになる。
【0073】
生成するスクリュ輪郭が半径r_i=0の円弧を有する場合、スクリュ輪郭は、大きさが角度α_iにより特徴付けられる円弧の位置にキンク(kink)を含む。生成されるスクリュ輪郭が、半径がr_i’=0の円弧を有する場合、スクリュ輪郭は、大きさが角度α_i’により特徴付けられる円弧の位置にキンクを含む。
【0074】
なめらかできつくかみ合う自己洗浄性共回転スクリュ輪郭を作り出すための上述の方法は、三角定規および1対のコンパスだけを使って実行されることができる点でさらに優れている。従って、生成するスクリュ輪郭のi番目の円弧と(i+1)番目の円弧の間の接線方向の遷移が、i番目の円弧の終点の周りに半径r_(i+1)の円を描くことにより設計され、生成するスクリュ輪郭の回転点のさらに近く配置される、この円弧と、i番目の円弧の中心点および終点により規定される直線との交点が、(i+1)番目の円弧の中心点となる。具体的には、三角定規および1対のコンパスの代わりに、スクリュ輪郭を設計するためにコンピュータソフトウェアが使用される。
【0075】
一般的な方法を使用して生成されるスクリュ輪郭はねじ山の数zに依存しない。生成されるスクリュ輪郭は、生成するスクリュ輪郭と異なることがある。説明から当業者が容易に理解するように、上述の方法は、具体的には異なる数のねじ山を有するスクリュエレメント間の遷移エレメントを生成するのに適している。z−ねじ山スクリュ輪郭に基づき、zとは異なるねじ山の数z’を有するスクリュ輪郭が最終的に得られるように、生成するスクリュ輪郭および生成されるスクリュ輪郭を段階的に変更することができる。この点で、遷移中に円弧の数を減らす、または増やすことが許容できる。
【0076】
対称な輪郭の場合、方法は、スクリュ輪郭の一部だけを設計し、対称操作により設計された部分から欠けている部分を生成することにより簡略化されてもよい。このことが、PCT/EP2009/003549に詳細に説明されている。
【0077】
スクリュ輪郭を作り出すための方法がコンピュータ上で行われることが推奨される。この場合、スクリュ輪郭の大きさが、スクリュエレメントを作り出すためのCADフライス盤に供給されることができる形で存在する。
【0078】
輪郭が、説明されたやり方で生成されると、本発明によるスクリュエレメントが、例えばフライス盤を使って作り出されることができる。スクリュエレメントを作り出すための好ましい材料が鋼鉄、具体的には窒化鋼および特殊鋼である。
【0079】
本発明は、多軸押出機での本発明によるスクリュエレメントの使用をさらに提供する。本発明によるスクリュエレメントは、二軸押出機で使用されることが好ましい。スクリュエレメントは、多軸押出機では混練エレメントまたは運搬エレメントの形で存在することがある。1つの押出機で混練エレメントおよび運搬エレメントを互いに組み合わせることが同様に可能である。本発明によるスクリュエレメントはまた、従来技術により公知の別のスクリュエレメントと組み合わせられてもよい。
【0080】
本発明による新規のスクリュエレメントを多軸押出機で使用することは、先端ゾーンの低減により、先端ゾーンでの熱負荷への生成物の曝露が最低限度に抑えられるという点で優れている。本発明による使用が、圧力増大中の効率を増し、低いエネルギ入力の結果として生成物の加熱を最小限度に抑える。
【0081】
本発明は、本発明によるスクリュエレメントを使用して、二軸押出機または多軸押出機でプラスチック配合物を押し出すための方法をさらに提供し、
1対のスクリュエレメントのすべての先端角度の総計が0以上、および2*π−8*arccos(0.5*a/ra)未満であり、
1対のスクリュエレメントの先端ゾーンの数が4よりも大きく、
1対のスクリュエレメントのそれぞれのスクリュエレメントが2つのスクリュ輪郭ゾーンを含み、2つのスクリュ輪郭ゾーンは、いずれの場合もフランクゾーンおよび溝付ゾーンからなり、2つのスクリュ輪郭ゾーンでは、フランク角度および溝角度の総計が、いずれの場合もπ/2よりも大きいことを特徴とする。
【0082】
本発明による1対のスクリュエレメントのすべての先端角度の総計が、好ましくは0.8*(2*π−8*arccos(0.5*a/ra))未満、特に好ましくは0.6*(2*π−8*arccos(0.5*a/ra))未満、および最も好ましくは0.4*(2*π−8*arccos(0.5*a/ra))未満である。
【0083】
本発明による1対のスクリュエレメントの先端ゾーンの数が、好ましくは6に等しく、特に好ましくは8に等しい。本発明によるスクリュエレメントの先端ゾーンの数が、好ましくは2に等しく、特に好ましくは4に等しい。
【0084】
フランクゾーンおよび溝付ゾーンからなるスクリュ輪郭ゾーンの角度の総計が2*π/3よりも大きいことが好ましい。
【0085】
本発明によるスクリュエレメントでは、生成するスクリュ輪郭が個々に設計されてもよい。具体的には、先端ゾーンを規定するエッジが丸みをつけられてもよい。
【0086】
本発明に従って非常に効率的に押し出されることができる一方で、生成物の穏やかな処置が同時に保証されるプラスチック配合物が、例えばサスペンション、ペースト、ガラス、セラミック組成物、溶融物の形の金属、プラスチック、プラスチック溶融物、高分子溶液、エラストマー、およびゴム組成である。
【0087】
プラスチックおよび高分子溶液が使用されるのが好ましく、熱可塑性重合体が使用されることが特に好ましい。好ましい熱可塑性重合体は、一連のポリカーボネート、ポリアミド、具体的にはポリブチレンテレフタレートおよびポリエチレンテレフタレートであるポリエステル、ポリエーテル、熱可塑性ポリウレタン、ポリアセタール、具体的にはポリフッ化ビニリデンであるフルオロポリマー、ポリエーテルスルホン、具体的にはポリエチレンおよびポリプロピレンであるポリオレフィン、ポリイミド、具体的にはポリ(メチル)メタクリレートであるポリアクリレート、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルファイド、ポリエーテルケトン、ポリアリルエーテルケトン、具体的にはポリスチレンであるスチレン重合体、具体的にはスチレン−アクリロニトリル共重合体であるスチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、ならびにポリ塩化ビニルのうちの少なくとも1つであることが好ましい。列挙されたプラスチックの混合物が同様に好ましく使用され、これらは2つ以上のプラスチックの組合せであると当業者により理解されている。
【0088】
別の好ましい供給材料がゴムである。好ましいゴムは、一連のスチレン−ブタジエンゴム、天然ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、ブチルゴム、ハロブチルゴム、クロロプレンゴム、エチレンービニルアセテートゴム、ポリウレタンゴム、熱可塑性ポリウレタン、ガッタパーチャ、アクリル酸ゴム、フッ素ゴム、シリコンゴム、硫化ゴム、クロロスルホニル−ポリエチレンゴムからの少なくとも1つであることが好ましい。列挙されたゴムの2つ以上の組合せ、または1つ以上のゴムと1つ以上のプラスチックとの組合せも当然可能である。
【0089】
これらの熱可塑性物質およびエラストマーは、純粋な形で、もしくは具体的にはガラス繊維などの充填剤および補強剤との混合物として、互いにまたは別の重合体との混合物として、もしくは従来の重合体添加物との混合物として使用されてもよい。
【0090】
好ましい一実施形態では、プラスチック配合物、具体的には重合体溶融物および重合体溶融物の混合物が、これらに添加物が混合されている。これらは重合体と一緒に押出機内に固体、液体、または溶液として配置されてもよく、もしくは添加物の少なくとも一部、またはすべての添加物が支流を介して押出機に供給される。
【0091】
添加物は重合体に多くの異なる特性を与える。添加物は、例えば着色剤、顔料、処理補助物、充填剤、酸化防止剤、補強剤、紫外線吸収剤および光安定剤、金属不活性化剤、過酸化物スカベンジャ、塩基性安定剤、核剤、安定剤または酸化防止剤としてのベンゾフランおよびインドリノン、離型剤、難燃添加剤、帯電防止剤、染料調合剤、および溶融物安定剤でもよい。これらの例が、カーボンブラック、ガラス繊維、粘土、雲母、グラファイト繊維、酸化チタン、炭素繊維、カーボンナノチューブ、イオンの液体、および天然繊維である。
【0092】
本発明は、図面を参照して例を用いて以下でより詳細に説明されるが、この例に限定されない。すべての図面は、コンピュータソフトウェアの助けを借りて作り出された。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1a】4つの円弧からなる、従来技術による2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭の4分の1を示す。
【図1b】スクリュ輪郭が図1aに基づく運搬エレメントとして構成される1対のスクリュエレメントを示す。
【図1c】図1bによるスクリュエレメントの対の平面図を示す。
【図2a】8つの円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。
【図2b】スクリュ輪郭が図2aに基づく、回転軸に垂直な本発明による1対のスクリュエレメントの断面を示す。
【図3a】8の円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。
【図3b】8の円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。
【図4a】8の円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。
【図4b】8の円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。
【図5a】8の円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。
【図5b】8の円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。
【図5c】8の円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。
【図5d】8の円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。
【図6a】8の円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。
【図6b】8の円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。
【図6c】8の円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。
【図7】対称なスクリュ輪郭を有する、本発明による好ましい1対のスクリュエレメントの回転軸に垂直な断面を示す。
【図8a】4つの円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。
【図8b】4つの円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。
【図9a】4つの円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。
【図9b】4つの円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。
【図10a】すべての先端ゾーンの先端角度の総計が0に等しい、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭を示す。
【図10b】すべての先端ゾーンの先端角度の総計が0に等しい、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭を示す。
【図11a】本発明によるスクリュエレメントのスクリュ輪郭の偏心的位置決めの好ましい実施形態を示す。
【図11b】本発明によるスクリュエレメントのスクリュ輪郭の偏心的位置決めの好ましい実施形態を示す。
【図11c】本発明によるスクリュエレメントのスクリュ輪郭の偏心的位置決めの好ましい実施形態を示す。
【図12a】クリアランス戦略を示す。
【図12b】クリアランス戦略を示す。
【図12c】クリアランス戦略を示す。
【図12d】クリアランス戦略を示す。
【図13a】製造されるスクリュ輪郭の可能な変位の選択を示す。
【図13b】製造されるスクリュ輪郭の可能な変位の選択を示す。
【図13c】製造されるスクリュ輪郭の可能な変位の選択を示す。
【図13d】製造されるスクリュ輪郭の可能な変位の選択を示す。
【図14a】運搬エレメントとして構成され、スクリュ輪郭が図2aに基づく本発明による1対のスクリュエレメントの一例を示す。
【図14b】混練エレメントとして構成され、スクリュ輪郭が図2aに基づく本発明による1対のスクリュエレメントの一例を示す。
【図15a】8つの円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。
【図15b】スクリュ輪郭が図15aに基づく、運搬エレメントとして構成される1対のスクリュエレメントを示す。
【図15c】図15bによるスクリュエレメントの対の平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0094】
スクリュ輪郭およびスクリュエレメントを生成および/または説明するためには、異なる押出機の大きさへの移転可能性を簡略化するために、無次元特性値を利用することが賢明である。中心線距離aの値は押出機で変更され得ないので、例えば長さまたは半径などの幾何学的値に対する適切な基準変数が中心線距離aである。無次元中心線距離はA=a/a=1に従う。スクリュ輪郭の無次元の外側のスクリュ半径がRA=ra/aに従う。スクリュ輪郭の無次元コア半径がRI=ri/aと計算される。スクリュ輪郭の無次元ねじ山の高さはH=h/a=RA−RIと計算される。
【0095】
図では、すべての幾何学的変数がこの無次元形で使用される。すべての角度はラジアンで示される。
【0096】
図1aおよび2a、図3から6、図8および9、ならびに図15aは、いずれの場合も本発明によるスクリュエレメントのスクリュ輪郭の4分の1を横断面で示す。これらの図はどれも以下で詳細に説明される同じ構造を有する。図の中央にはxy座標系が配置され、xy座標系の原点にはスクリュ輪郭の回転点が配置される。スクリュ輪郭の円弧が、円弧の個々の番号を提供された太い実線で識別される。円弧の中心点が小さな円で図示される。円弧の中心点が、関連する円弧の始点と終点の両方と細い実線で接続される。直線FPが細い点線で図示される。外側のスクリュ半径RAが細い破線で識別され、外側のスクリュ半径RAの数値が図の右下に4桁の有効数字まで示されている。図のすぐ右隣に、半径R、角度α、ならびに円弧の中心点のx座標Mxおよびy座標Myがいずれの場合も4桁の有効数字までそれぞれの円弧について示されている。これらの詳細がスクリュ輪郭を明白に規定する。スクリュ輪郭はいずれの場合もx軸およびy軸に対して鏡映対称であり、その結果、スクリュ輪郭全体が、図示された4分の1をx軸およびy軸で鏡映することにより得られる。
【0097】
スクリュ輪郭の4分の1が合計nの円弧からなるスクリュ輪郭がn−円スクリュ輪郭として以下に説明される。
【0098】
図1aおよび2a、図3から6、図8および9、ならびに図15aでは、n−円スクリュ輪郭の円弧が、最初のn/2の円弧が1からn/2まで昇順で連続して番号がつけられ、最後のn/2の円弧が(n/2)’から1’まで降順で連続して番号がつけられることで番号がつけられる。円弧n/2および円弧(n/2)’がそれぞれ直線FPに接触する。スクリュ輪郭のそれぞれの円弧iが、スクリュ輪郭の円弧i’に対応する。円弧i’の半径が、中心距離引く円弧iの半径という差から計算され、従って、R_i’=A−R_iである。円弧i’の角度が、円弧iの角度に等しく、従って、α_i’=α_iである。このことは、円弧jを有する先端ゾーンが円弧j’を有する溝付ゾーンに等しいことを意味する。このことは、円弧jを有する溝付ゾーンが、円弧j’を有する先端ゾーンに等しいことを意味する。
【0099】
図1:図1aは、4つの円弧からなる、従来技術による2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭の4分の1を示す。半径R_1=RA、半径R_2=0、半径R_2’=A=1、および半径R_1’=A−RA=RIであることがErdmengerスクリュ輪郭の特徴である。角度α_1、α_2、α_2’、およびα_1’が外側のスクリュ半径および中心線距離に依存する。角度α_1は、2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭の先端角度の半分に等しい。従って、2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭を有する1対のスクリュエレメントの角度の総計が、8*α_1と計算される。Erdmengerスクリュ輪郭は、半径R_2の位置にキンクを含む。「キンクの大きさ」は、角度α_2により決定され、即ち、円弧1から円弧2’への遷移が、角度α_2の回転によりもたらされる。
【0100】
図1aでは、無次元の外側のスクリュ半径がRA=0.54である。先端角度の半分がα_1=0.3981であり、1対のスクリュエレメントの先端角度の総計が8*α_1=3.1847である。
【0101】
図1bは例として、スクリュ輪郭が図1aに基づく運搬エレメントとして構成される1対のスクリュエレメントを示す。2つの運搬エレメント間のクリアランスはS=0.008になる。2つの運搬エレメントとバレルの間のクリアランスはD=0.004になる。運搬エレメントのピッチはT=1.08になる。運搬エレメントの長さは0.54になり、この値はスクリュ輪郭の角度πの回転に対応する。2つの運搬エレメントの左側および右側に細い実線でバレルが図示されている。可能な計算グリッドが2つの運搬エレメントの表面上にさらに図示され、このグリッドは二軸押出機および多軸押出機内の流れを計算するために使用されてもよい。グリッド要素の数は円周方向には160に等しく、軸方向には80に等しい。
【0102】
図1cは、図1bによるスクリュエレメントの対の平面図を示す。運搬エレメントとバレルの間の自由体積が可能な計算グリッドで提供され、計算グリッドは二軸押出機および多軸押出機内の流れを計算するために使用されてもよい。グリッド要素の数は円周方向には160に等しく、軸方向には6に等しい。2つのスクリュエレメントの回転軸が小さな円によりラベルをつけられている。
【0103】
図2:図2aは、8つの円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。無次元の外側のスクリュ半径がRA=0.54になる。半径R_1は0.8206に等しい。外側のスクリュ半径からの円弧1の最大無次元距離が、RA−(Mx+R_1)=0.54−(−0.2926+0.8206)=0.012と計算される。先端角度α_1および角度α_2の総計が0.3563に等しい。先端ゾーンが、外側のスクリュ半径上にある円弧3により決定される。先端角度α_3が0.0419に等しい。溝付ゾーンがコア半径上にある円弧3’により決定される。溝角度α_3’は0.0419に等しい。本発明による1対のスクリュエレメントのすべての先端ゾーンの先端角度の総計が8*0.0419=0.3352になり、従って、2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭を有する1対のスクリュエレメントの先端角度の総計のほぼ0.105倍にしかならない。フランクゾーンおよび溝付ゾーンからなるゾーンの半分が、円弧4、4’、3’、2’、および 1’により提供される。関連するフランク角度および溝角度の総計の2倍が2.3456になり、2*π/3よりも大きい。
【0104】
図2bは、スクリュ輪郭が図2aに基づく、回転軸に垂直な本発明による1対のスクリュエレメントの断面を示す。図2aのスクリュ輪郭をx軸で鏡映することにより、ならびに図2aのスクリュ輪郭、およびx軸で鏡映された図2aのスクリュ輪郭のy軸での引き続く鏡映により、本発明による1対のスクリュエレメントの生成するスクリュ輪郭が得られる。生成するスクリュ輪郭をπ/2だけ回転することにより、およびx軸に沿ってAだけ引き続き変位することにより、生成されるスクリュ輪郭が得られる。
【0105】
生成されるスクリュ輪郭は生成するスクリュ輪郭から得られる。生成するスクリュ輪郭および生成されるスクリュ輪郭は相互に交換可能である。
【0106】
いずれの場合も半径RA=0.54および距離A=1を有する2つの相互に貫通し合う内径から得られるスクリュバレルが、細い破線で図示されている。2つのバレル内径が互いに貫通し合う場所では、2つの内径が細い点線で識別される。2つのバレル内径の中心点がスクリュ輪郭の2つの回転点と一致し、いずれの場合も小さな円で識別される。スクリュ輪郭の円弧が太い実線で識別される。左回転スクリュ輪郭の、即ち生成するスクリュ輪郭の円弧が連続して番号をつけられ(1から32)、明確にするために、円弧の番号2、4、13、15、18、20、29、および31が省かれている。円弧2、4、13、15、18、20、29、および31はいずれの場合も半径0を有する。右回転スクリュ輪郭の、即ち生成されるスクリュ輪郭の円弧が連続して番号がつけられ(1’から32’)、明確にするために円弧の番号5’、7’、10’、12’、21’、23’、26’、および28’が省かれている。円弧5’、7’、10’、12’、21’、23’、26’、および28’は、いずれの場合も半径0を有する。生成するスクリュ輪郭および生成されるスクリュ輪郭の先端ゾーンおよび溝付ゾーンの始まりおよび終わりが細い実線で識別される。
【0107】
生成するスクリュ輪郭のそれぞれの円弧iが、生成されるスクリュ輪郭の円弧i’に対応する。円弧i’の半径が、中心線距離引く円弧iの半径という差から計算され、従って、R_i’=A−R_iである。円弧i’の角度aが円弧iの角度に等しく、従って、α_i’=α_iである。このことは、生成するスクリュ輪郭の先端ゾーンが、生成されるスクリュ輪郭の溝付ゾーンに等しいことを意味する。このことは、生成するスクリュ輪郭の溝付ゾーンが、生成されるスクリュ輪郭の先端ゾーンに等しいことをさらに意味する。
【0108】
生成するスクリュ輪郭は、4つの先端ゾーンkb1、kb2、kb3、およびkb4からなる。生成されるスクリュ輪郭は、生成するスクリュ輪郭の4つの先端ゾーンに対応する4つの溝付ゾーンnb1’、nb2’、nb3’、およびnb4’からなる。先端ゾーンkb1は円弧3からなる。先端ゾーンkb2は円弧14からなる。先端ゾーンkb3は円弧19からなる。先端ゾーンkb4は円弧30からなる。溝付ゾーンnb1’は円弧3’からなる。溝付ゾーンnb2’は円弧14’からなる。溝付ゾーンnb3’は円弧19’からなる。溝付ゾーンnb4’は円弧30’からなる。
【0109】
生成するスクリュ輪郭は、4つの溝付ゾーンnb1、nb2、nb3、およびnb4からなる。生成されるスクリュ輪郭は、生成するスクリュ輪郭の4つの溝付ゾーンに対応する4つの先端ゾーンkb1’、kb2’、kb3’、およびkb4’からなる。溝付ゾーンnb1は円弧6からなる。溝付ゾーンnb2は円弧11からなる。溝付ゾーンnb3は円弧22からなる。溝付ゾーンnb4は円弧27からなる。先端ゾーンkb1’は円弧6’からなる。先端ゾーンkb2’は円弧11’からなる。先端ゾーンkb3’は円弧22’からなる。先端ゾーンkb4’は円弧27’からなる。
【0110】
図2bに示される、本発明によるスクリュエレメントの対の先端ゾーンの数が合計で8であり、本発明に従って4よりも大きい。すべての先端ゾーンの先端角度の総計が8*0.0419=0.3352になり、従って、2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭を有する1対のスクリュエレメントの先端角度の総計のほぼ0.105倍にしかならない。
【0111】
フランクゾーンおよび溝付ゾーンからなり、フランク角度および溝角度の総計がπ/2よりも大きい、好ましくは2*π/3よりも大きい、生成するスクリュ輪郭の第1のゾーンが円弧4から13までからなる。フランク角度および溝角度の総計が2.3456になり、2*π/3よりも大きい。フランクゾーンおよび溝付ゾーンからなり、フランク角度および溝角度の総計がπ/2よりも大きい、好ましくは2*π/3よりも大きい、生成するスクリュ輪郭の第2のゾーンが円弧20から29までからなる。フランク角度および溝角度の総計が2.3456になり、2*π/3よりも大きい。
【0112】
フランクゾーンおよび溝付ゾーンからなり、フランク角度および溝角度の総計がπ/2よりも大きく、好ましくは2*π/3よりも大きい、生成されるスクリュ輪郭の第1のゾーンが円弧12’から21’までからなる。フランク角度および溝角度の総計が2.3456になり、2*π/3よりも大きい。フランクゾーンおよび溝付ゾーンからなり、フランク角度および溝角度の総計がπ/2よりも大きく、好ましくは2*π/3よりも大きい、生成されるスクリュ輪郭の第2のゾーンが円弧28’から32’まで、および1’から5’までからなる。フランク角度および溝角度の総計が2.3456になり、2*π/3よりも大きい。
【0113】
図3:図3aおよび3bはそれぞれ、いずれの場合も8の円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。図3aおよび3bでは、外側のスクリュ半径がいずれの場合もRA=0.54になる。半径R_1は、図3aでは0.6976に等しく、図3bでは0.9995に等しい。図3aでは、外側のスクリュ半径からの円弧1の最大無次元距離が0.008と計算され、図3bでは0.016と計算される。先端角度α_1およびα_2の総計が両方の図で0.3563に等しい。先端ゾーンが両方の図で、いずれの場合も外側のスクリュ半径上にある円弧3により提供される。先端角度α_3がいずれの場合も0.0419に等しい。いずれの場合も溝付ゾーンは、いずれの場合もコア半径上にある円弧3’により提供される。溝角度α_3’はいずれの場合も0.0419に等しい。本発明による1対のスクリュエレメントについてすべての先端ゾーンの先端角度の総計が、図3aおよび3bについてはいずれの場合も8*0.0419=0.3352になり、従って、2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭を有する1対のスクリュエレメントの先端角度の総計のほぼ0.105倍にしかならない。フランクゾーンおよび溝付ゾーンからなるゾーンの半分が、円弧4、4’、3’、2’、および1’により提供される。関連するフランク角度および溝角度の総計の2倍が2.3456になり、2*π/3よりも大きい。
【0114】
半径R_1を変更することにより、および円弧1の中心点のx座標Mx_1を変位することにより、先端ゾーンの先端角度を一定に保ちながら、外側のスクリュ半径からの円弧1の最大無次元距離を調節することができる。
【0115】
図4:図4aおよび4bはそれぞれ、いずれの場合も8の円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。図4aおよび4bでは、外側のスクリュ半径がいずれの場合もRA=0.54になる。半径R_1は、図4aでは0.6990に等しく、図4bでは0.9981に等しい。図4aでは、外側のスクリュ半径からの円弧1の最大無次元距離が0.004と計算され、図4bでは0.008と計算される。先端角度α_1およびα_2の総計は、両方の図で0.2531に等しい。先端ゾーンは両方の図で、いずれの場合も外側のスクリュ半径上にある円弧3により提供される。先端角度α_3はいずれの場合も0.1450に等しい。いずれの場合も溝付ゾーンは、いずれの場合もコア半径上にある円弧3’により提供される。溝角度α_3’はいずれの場合も0.1450に等しい。本発明による1対のスクリュエレメントのすべての先端ゾーンの先端角度の総計が、図4aおよび4bについてはいずれの場合も8*0.1450=1.1600になり、従って、2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭を有する1対のスクリュエレメントの先端角度の総計のほぼ0.364倍にしかならない。フランクゾーンおよび溝付ゾーンからなるゾーンの半分が、円弧4、4’、3’、2’、および1’により提供される。関連するフランク角度および溝角度の総計の2倍が2.3456になり、2*π/3よりも大きい。
【0116】
半径R_1を変更することにより、および円弧1の中心点のx座標Mx_1を変位させることにより、先端ゾーンの角度を一定に保ちながら、外側のスクリュ半径からの円弧1の最大無次元距離を調節することができる。図3aおよび3bと併せて、先端ゾーンの先端角度も調節されることができることが明らかになる。
【0117】
本発明によるスクリュエレメントのスクリュ輪郭が、とりわけ円弧1のx座標Mx_1および半径R_1を選択することにより、従って、2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭の先端ゾーンからゾーンを「移動する」ことにより明確に得られることがある。この場合、自己洗浄性を保証するために、2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭の溝付ゾーン内にゾーンが再び「追加」されなければならない。このことが円弧2’および1’を用いて達成される。
【0118】
先端ゾーンの先端角度の大きさを自由に選択することにより、本発明によるスクリュ輪郭の場合、熱負荷への生成物の曝露を意図的に調節することができ、2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭に比べて熱負荷への生成物の曝露を低減することができる。全体で、エネルギ入力が低下し、圧力増大効果が増す。
【0119】
さらに、図3aおよび4bは、円弧1の始点の位置および円弧1’の終点の位置がいずれの場合も一致することを特徴とする。図3aをx軸で鏡映し、鏡映された図3a、および図4bをy軸で鏡映し、図4b、y軸で鏡映された図4b、x軸およびy軸で鏡映された図3a、ならびにx軸で鏡映された図3aからのスクリュ輪郭を組み合わせた結果、先端ゾーンの先端角度の大きさが異なる、本発明によるスクリュエレメントのスクリュ輪郭ができる。円弧1の始点および円弧1’の終点がいずれの場合も一致するという前提で、スクリュ輪郭のそれぞれの4分の1を、従って、個々の先端ゾーンの先端角度を相互に独立に構成し、これらを本発明によるスクリュエレメントのためのスクリュ輪郭に組み合わせることが許容できる。
【0120】
図5:図5aから5dはそれぞれ、いずれの場合も8の円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。図5aから5dでは、外側のスクリュ半径がいずれの場合もRA=0.54になる。半径R_1は4つの図のいずれも0.95に等しく、外側のスクリュ半径からの最大無次元距離がいずれの場合も0.0075と計算される。4つの図では、先端ゾーンが、いずれの場合も外側のスクリュ半径上にある円弧3により提供される。角度α_3は0.0461から0.1458まで変化する。4つの図のいずれも、溝付ゾーンが、いずれの場合もコア半径上にある円弧3’により提供される。溝角度α_3が0.0461から0.1458まで変化する。本発明による1対のスクリュエレメントについてすべての先端ゾーンの先端角度の総計が、図5aから5dについては8*0.0461=0.3688から8*0.1458=1.1664まで変化し、従って、2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭を有する1対のスクリュエレメントの先端角度の総計のほぼ0.116から0.366倍にしかならない。フランクゾーンおよび溝付ゾーンからなるゾーンの半分が、円弧4、4’、3’、2’、および1’により提供される。関連するフランク角度および溝角度の総計の2倍が、2.3456から2.4626までになり、いずれの場合も2*π/3よりも大きい。
【0121】
図5aでは、先端ゾーンがキンクで始まりキンクで終わる。即ち、円弧2および4がいずれの場合も半径0を有する。図5bでは、先端ゾーンが丸みをつけられた部分で始まり、キンクで終わる。即ち、円弧2が0よりも大きい半径を有し、円弧4が半径0を有する。図5cでは、先端ゾーンがキンクで始まり、丸みをつけられた部分で終わる。即ち、円弧2が半径0を有し、円弧4が0よりも大きい半径を有する。図5dでは、先端ゾーンが、丸みをつけられた部分で始まり、丸みをつけられた部分で終わる。即ち、円弧2および4が、いずれの場合も0よりも大きい半径を有する。
【0122】
1回またはπ/2の倍数だけの回転により、ならびに/もしくはx軸および/またはy軸での鏡映により、図5aから5dは、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭に組み合わされてもよい。従って、例えば、先端ゾーンが異なる大きさからなる本発明によるスクリュエレメントのスクリュ輪郭を生成することができる。従って、例えば、先端ゾーンがスクリュエレメントの回転方向に丸みをつけられた、またはスクリュエレメントの回転方向と反対に丸みをつけられた、本発明によるスクリュエレメントのスクリュ輪郭を生成することがさらに可能である。
【0123】
ねじ山の数zを有するなめらかできつくかみ合う自己洗浄性共回転スクリュ輪郭を生成するための方法が、図5dのスクリュ輪郭の部分を使用して例により以下に説明される。
【0124】
スクリュ輪郭、および従ってスクリュ輪郭の示される部分も本発明に従って1つの平面内にある。簡略化するために、この平面はデカルト座標系のxy平面内に配置される。また、簡略化するために、スクリュ輪郭の回転点がデカルト座標系の原点(x=0、y=0)に配置される。
【0125】
ねじ山の数zは本発明に従って、zが1以上となるように選択される。この例では、ねじ山の数はz=2となるように選択される。スクリュ輪郭の円弧の数nは、nが4*zの整数p倍となるように選択される。この例では、円弧の数はn=32となるように選択され、その結果p=4となる。スクリュ輪郭の無次元の外側のスクリュ半径RAが、0よりも大きく、無次元中心線距離A以下となるように選択される。この例では、スクリュ輪郭の無次元の外側のスクリュ半径がRA=0.54となるように選択される。スクリュ輪郭の無次元コア半径RIが0以上、および無次元の外側のスクリュ半径RA以下となるように選択される。この例では、スクリュ輪郭の無次元コア半径は、RI=A−RA=0.46となるように選択される。
【0126】
スクリュ輪郭の円弧は、スクリュ輪郭の回転軸を中心にして時計回りまたは反時計回りに配列されてもよい。この例では、円弧はスクリュ輪郭の回転軸を中心にして反時計回りに配列される。
【0127】
スクリュ輪郭は2*zの部分に分割され、これらの部分は、それぞれの部分がラジアンで角度π/zを相互に形成し、スクリュ輪郭の回転点で交差する2つの直線により境界を定められることを特徴とし、これら2つの直線は部分境界を意味する。この例では、スクリュ輪郭が4つの部分にさらに分割される。簡略化するために、すべての部分境界が、座標系のx軸およびy軸上に配置される。この例では、以下考慮されるスクリュ輪郭の部分は、正のx方向およびy方向にある部分だけである。
【0128】
スクリュ輪郭の部分は、第1の断片および第2の断片にさらに分割され、第1の断片はpの円弧からなり、第2の断片はp’の円弧からなり、ここで、p=p’である。この例では、p’=4である。スクリュ輪郭の部分の第1の断片の円弧が、昇順または降順に番号をつけられてもよい。スクリュ輪郭の部分の第2の断片の円弧が、スクリュ輪郭の部分の第1の断片の円弧と逆順に番号をつけられてもよい。この例では、スクリュ輪郭の部分の第1の断片の円弧は昇順に番号をつけられ、スクリュ輪郭の部分の第2の断片の円弧はこれに応じて降順に番号をつけられる。
【0129】
スクリュ輪郭の部分の第1の断片の1番目の円弧の角度α_1が、ラジアンで0以上、およびπ/(2*z)以下となるように選択される。この例では、1番目の円弧の角度はα_1=0.1222となるように選択される。スクリュ輪郭の部分の第1の断片の1番目の円弧の無次元半径R_1が0以上、および中心線距離A以下となるように選択される。この例では、1番目の円弧の無次元半径はR_1=0.9500となるように選択される。スクリュ輪郭の部分の第1の断片の1番目の円弧の位置が、1番目の円弧が無次元の外側のスクリュ半径RAおよび無次元コア半径RIを有する円環内部または円環上にあるように選択され、円環の中心点がスクリュ輪郭の回転点上にある。位置は、1番目の円弧の始点および中心点の配置により確立されることが好ましい。1番目の円弧の始点および中心点は部分境界の一方の上に配置され、これにより、始点が中心点の位置、および無次元半径R_1の位置から得られる。この例では、1番目の円弧の中心点は、座標Mx_1=−0.4175、My_1=0.0000に配置され、従って、始点は座標x=0.5325、y=0.0000にある。
【0130】
p−2の別の円弧の、即ちスクリュ輪郭の部分の第1の断片の2つの別の円弧の角度α_2、…、α_(p−1)がラジアンで0以上、およびπ/(2*z)以下となるように選択される。この例では、2つの別の円弧の角度が、α_2=0.1712およびα_3=0.0461となるように選択される。スクリュ輪郭の部分の第1の断片の2つの別の円弧の無次元半径R_2、…、R_(p−1)が0以上、および無次元中心線距離A以下となるように選択される。この例では、2つの別の円弧の無次元半径が、R_2=0.2414およびR_3=0.5400となるように選択される。配列規則によれば、円弧は、連続した凸状のスクリュ輪郭が得られるような方法で円弧が接線方向に互いに移行するように配列され、この場合、無次元半径が0に等しい円弧が、半径がepsに等しい円弧として扱われることが好ましく、ここで、epsは0に向かう傾向がある非常に小さな正の実数である(eps≪1、eps→0)。この配列規則から、円弧の終点が次の円弧の始点と等しいことになる。第1の円弧と、第1の円弧に続く第2の円弧の間の必要とされる接線方向の遷移が、この第1の円弧の終点および中心点からできる直線上で、この第1の円弧の終点からのこの第1の円弧に続く第2の円弧の中心点の距離が、第1の円弧に続く第2の円弧の半径に等しく、スクリュ輪郭が凸状であるような方法で、この第1の円弧に続く第2の円弧の中心点が配置されることで満たされる。半径が0である円弧が、接線方向の遷移がさらに設計されることができるように、非常に小さな半径epsを有する円弧として扱われることが好ましく、ここで、epsは0に向かう傾向がある。代案として、半径が0である円弧が、スクリュ輪郭がこの円弧の位置でキンクを含むように扱われてもよく、この場合、キンクの大きさはこの円弧の角度により確立される。この例では、上記の配列規則から、2つの別の円弧の中心点の以下の位置となる。即ち、Mx_2=0.2859、My_2=0.0864、およびMx_3=0.0000、My_3=0.0000である。3番目の円弧が、無次元の外側のスクリュ半径RA上にあり、少なくとも1つの円弧が無次元の外側のスクリュ半径RAに接触するという配列規則が満たされる。
【0131】
本発明により、スクリュ輪郭の部分の第1の断片の最後の円弧の角度α_4が、スクリュ輪郭の部分の第1の断片の4つの円弧の角度の総計がラジアンでπ/(2*z)に等しいという事実から得られ、この場合、角度α_4はラジアンで0以上、およびπ/(2*z)以下である。この例では、この最後の円弧の角度はα_4=0.4459である。本発明により、スクリュ輪郭の部分の第1の断片の最後の円弧の無次元半径R_4が、この円弧の終点が直線FPに1点で接するという事実から生じ、この場合、直線FPはこの部分の2つの部分境界の二等分線に垂直であり、スクリュ輪郭の回転点からこの部分の方向に中心線距離の半分に等しい距離にあり、この場合、二等分線は部分境界のようにスクリュ輪郭の回転点を通過する。直線FPは図5dでは点線として描かれている。スクリュ輪郭の部分の第1の断片の4番目の円弧が、3番目の円弧の終点に3番目の円弧への接線を配置することにより設計され、接線と直線FPとの交点が、半径が3番目の円弧の終点と、接線と直線FPとの交点との間の距離の長さに等しい円の中心点であり、選択された時計回りの方向に配置された、円と直線FPの交点が、4番目の円弧の終点と直線FPとの探し求められた接点であることで設計される。4番目の円弧の終点で、直線FPに垂線が下ろされる。この垂線と、3番目の円弧の終点および中心点により提供される直線との交点が、4番目の円弧の中心点である。この例では、4番目の円弧の中心点の位置が、Mx_4=3858、My_4=0.1362と計算され、4番目の円弧の無次元半径が、R_4=0.1309と確立される。
【0132】
スクリュ輪郭の部分の第2の断片の角度α_p’、…α_1’が、部分の第2の断片のj’番目の円弧の角度α_j’が部分の第1の断片のj番目の円弧の角度α_jに等しいことで決定され、jおよびj’は1からそれぞれ円弧の数pまたはp’までの範囲内のすべての値を一緒に通る整数である(α_1’=α_1、…、α_p’=α_p)。この例では、部分の第2の断片の角度は、α_1’=α_1=0.1222、α_2’=α_2=0.1712、α_3’=α_3=0.0461、およびα_4’=α_4=0.4459と計算される。
【0133】
スクリュ輪郭の部分の第2の断片の無次元半径R_p’、…、R_1’が、部分の第2の断片のj’番目の円弧の無次元半径R_j’と部分の第1の断片のj番目の円弧の無次元半径R_jの総計が無次元中心線距離Aに等しいことで決定され、ここで、jおよびj’は1からそれぞれ円弧の数pまたはp’までの範囲内のすべての値を一緒に通る整数である(R_1’+R_1=A=1、…、R_p’+R_p=A=1)。この例では、部分の第2の断片の無次元半径は、R_1’=A−R_1=0.0500、R_2’=A−R_2=0.7586、R_3’=A−R_3=0.4600、およびR_4’=A−R_4=0.8691と計算される。
【0134】
本発明により、スクリュ輪郭の部分の第2の断片の円弧の位置が、円弧が互いに接線方向に移行し、スクリュ輪郭が凸状となることで得られる。この例では、スクリュ輪郭の部分の第2の断片の4つの円弧の中心点について以下の座標が得られる。即ち、Mx_1’=0.0000、My_1’=0.4175、Mx_2’=−0.0864、My_2’=−0.2859、Mx_3’=0.0000、My_3’=0.0000、およびMx_4’=0.1362、My_4’=−0.3858である。スクリュ輪郭の部分の第2の断片の3番目の円弧が無次元コア半径RI上にあり、少なくとも1つの円弧が無次元コア半径RIに接触するという配列規則が満たされる。
【0135】
図6:図6aから6cはそれぞれ、いずれの場合も8の円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。図6aでは、外側のスクリュ半径がRA=0.58であるが、図6bではRA=0.56であり、図6cではRA=0.52である。外側のスクリュ半径からの円弧1の最大無次元距離が、図6aから6cでは0.006から0.02まで変化する。3つの図で、いずれの場合も外側のスクリュ半径上にある円弧3により先端ゾーンが提供される。先端角度α_3は0.0270から0.0698まで変化する。4つの図のそれぞれで、いずれの場合もコア半径上にある円弧3’により溝付ゾーンが提供される。溝角度α_3は0.0270から0.0698まで変化する。本発明による1対のスクリュエレメントについてすべての先端ゾーンの先端角度の総計が、図6aから6cでは8*0.0270=0.2160(RA=0.58)から8*0.0698=0.5584(RA=0.56)まで変化し、従って、対応する外側のスクリュ半径を有する2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭を有する1対のスクリュエレメントの先端角度の総計のほぼ0.106倍(RA=0.58)からほぼ0.219倍(RS=0.56)までにしかならない。フランクゾーンおよび溝付ゾーンからなるゾーンの半分が、円弧4、4’、3’、2’、および1’により提供される。関連するフランク角度および溝角度の総計の2倍が、2.1272(RA=0.52)から2.6338(RA=0.58)までになり、いずれの場合も2*π/3よりも大きい。
【0136】
図7:図7は対称なスクリュ輪郭を有する、本発明による好ましい1対のスクリュエレメントの回転軸に垂直な断面を示す。いずれの場合も半径RA=0.54および距離A=1を有する2つの相互に貫通し合う内径から得られるスクリュバレルが細い破線で図示されている。2つのバレル内径が相互に貫通し合う場所で、2つの内径は細い点線で識別される。2つのバレル内径の中心点が、スクリュ輪郭の2つの回転点と一致し、いずれの場合も小さな円で識別される。いずれの場合も、2つのスクリュ輪郭の32の円弧が太い実線で識別される。左回転スクリュ輪郭の、即ち生成するスクリュ輪郭の円弧が連続して番号をつけられ(1から16)、ここで、明確にするために、円弧17から32までの番号が省かれている。右回転スクリュ輪郭の、即ち生成されるスクリュ輪郭の円弧が連続して番号がつけられ(1’から16’)、ここで、明確にするために、円弧17’から32’の番号が省かれている。いずれの場合も最初の16の円弧の中心点が小さな円で図示されている。いずれの場合も、これら最初の16の円弧の中心点が、関連する円弧の始点にも終点にも細い実線で接続されている。図の下に半径R、角度α、ならびに円弧の中心点のx座標およびy座標MxおよびMyが、いずれの場合もそれぞれの円弧について4桁の有効数字まで示されている。これらの詳細がスクリュ輪郭を明白に規定する。
【0137】
コンピュータソフトウェアを用いて図を作り出した結果として、詳細に説明される円弧がスクリュ輪郭当たり16まで減るにもかかわらず、円弧の番号が一部重なってもよく、例えば円弧6および7、ならびに円弧14’および15’を参照のこと。時には個々の番号の読みやすさが劣るにもかかわらず、それでも輪郭の構造がこの説明と併せた内容から明らかである。
【0138】
生成するスクリュ輪郭が4つの先端ゾーンからなる。生成するスクリュ輪郭の先端ゾーンは円弧1、12、17、および28からなる。円弧1および28に属する2つの先端ゾーン間のフランクゾーンが、円弧12および17に属する2つの先端ゾーン間のフランクゾーンよりも大きい。生成されるスクリュ輪郭が、生成するスクリュ輪郭の4つの先端ゾーンに対応する4つの溝付ゾーンからなる。生成されるスクリュ輪郭の溝付ゾーンは円弧1’、12’、17’、および28’からなる。
【0139】
生成するスクリュ輪郭が4つの溝付ゾーンからなる。生成されるスクリュ輪郭が、生成するスクリュ輪郭の4つの溝付ゾーンに対応する4つの先端ゾーンからなる。生成するスクリュ輪郭の溝付ゾーンは円弧4、9、20、および25からなる。生成されるスクリュ輪郭の先端ゾーンは円弧4’、9’、20’、および25’からなる。
【0140】
図7に示される本発明によるスクリュエレメントの対の先端ゾーンの数が合計で8であり、本発明に従って4よりも大きい。すべての先端ゾーンの先端角度の総計が4*0.0419+4*0.1450=0.7476になり、従って、対応する外側のスクリュ半径を有する2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭を有する1対のスクリュエレメントの先端角度の総計のほぼ0.235倍にしかならない。
【0141】
フランクゾーンおよび溝付ゾーンからなり、フランク角度および溝角度の総計がπ/2よりも大きい、好ましくは2*π/3よりも大きい生成するスクリュ輪郭の第1のゾーンが円弧2から11までからなる。フランク角度および溝角度の総計が2.3456になり、2*π/3よりも大きい。フランクゾーンおよび溝付ゾーンからなり、フランク角度および溝角度の総計がπ/2よりも大きい、好ましくは2*π/3よりも大きい生成するスクリュ輪郭の第2のゾーンが円弧18から27までからなる。フランク角度および溝角度の総計が2.3456になり、2*π/3よりも大きい。
【0142】
フランクゾーンおよび溝付ゾーンからなり、フランク角度と溝角度の総計がπ/2よりも大きく、好ましくは2*π/3よりも大きい生成されるスクリュ輪郭の第1のゾーンが円弧10’から19’までからなる。フランク角度と溝角度の総計が2.1709になり、2*π/3よりも大きい。フランクゾーンおよび溝付ゾーンからなり、フランク角度と溝角度の総計がπ/2よりも大きい、好ましくは2*π/3よりも大きい生成されるスクリュ輪郭の第2のゾーンが円弧26’から32’まで、および1’から3’までからなる。フランク角度と溝角度の総計が2.5199になり、2*π/3よりも大きい。
【0143】
本発明によるスクリュエレメントのスクリュ輪郭が、とりわけ以下の方法で図7に従って明確に得られる。即ち、(対称な)スクリュ輪郭の第1の4分の1のフランクゾーンおよび溝付ゾーンがy軸で鏡像される。(対称な)スクリュ輪郭の第2の4分の1のフランクゾーンおよび溝付ゾーンがy軸で鏡映され、πからπ−[π/2−2*arccos(0.5*A/RA)]までの範囲内でスクリュ輪郭の回転点を中心にして時計回りまたは反時計回りに回転される。角括弧の項は、2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭を有するスクリュエレメントの先端角度に等しい。図7では、図4bによる第1の4分の1のフランクゾーンおよび溝付ゾーンが選択された。図7の円弧2、3、4、5、および6が、図4bの円弧4、4’、3’、2’、および1’に対応する。第2の4分の1のフランクゾーンおよび溝付ゾーンが図2aに基づく。円弧18、19、20、21、および22が、図2aの円弧4、4’、3’、2’、および1’に対応する。2つのフランクゾーンと溝付ゾーンの間のゾーンが、連続したスクリュ輪郭が得られるような方法で、先端ゾーンにより、または一連の先端ゾーンおよびフランクゾーンにより、好ましくは一連の先端ゾーン−フランクゾーン−先端ゾーンにより完成される。このようなゾーンは、以下閉ゾーンとして知られている。スクリュ輪郭の回転点に対する閉ゾーンの始点と終点の間の角度が、閉角度として知られている。
【0144】
図7では先端ゾーンおよびフランクゾーンからなる第1の閉ゾーンが円弧12、13、14、15、16、および17からなる。第2の閉ゾーンが円弧28、29、30、31、32、および1からなる。スクリュ輪郭の第2の4分の1を大体πだけ回転することにより、フランクゾーンからなる2つのゾーンと、大きさが等しくない溝付ゾーンの間に2つの閉ゾーンがもたらされる。2つの閉ゾーンのうちの一方の閉角度が、好ましくは対応する外側のスクリュ半径を有する2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭の先端角度の1.2倍よりも大きい、特に好ましくは対応する外側のスクリュ半径を有する2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭の先端角度の1.6倍よりも大きい、および最も好ましくは2*arccos(0.5*A/RA)で計算されるバレル開口角度よりも大きくなるような角度の回転が続行される。これらの場合には、2つの閉ゾーンの第2の閉ゾーンが先端ゾーンからなることが特に好ましく、これにより、このスクリュ輪郭が合計3つの先端ゾーンからなる。
【0145】
図8:図8aおよび8bはそれぞれ、いずれの場合も4つの円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。両方の図で、外側のスクリュ半径がRA=0.54になる。円弧1と外側のスクリュ半径の間の最大無次元距離が、図8aでは0.02と、図8bでは0.016と計算される。両方の図で、いずれの場合も外側のスクリュ半径上にある円弧2により先端ゾーンが提供される。先端角度α_2がいずれの場合も0に等しい。いずれの場合も円弧2’とコア半径との接点により溝付ゾーンが提供される。接点は、円弧2’の中心点、およびスクリュ輪郭の回転点(座標原点)により決定される直線と円弧2’との交点に等しい。溝角度はいずれの場合も0に等しい。本発明による1対のスクリュエレメントについてすべての先端ゾーンの先端角度の総計が、図8aおよび8bについていずれの場合も0になる。
【0146】
フランクゾーンおよび溝付ゾーンからなるゾーンの半分が、いずれの場合も円弧2、2’、および1’により提供される。このようなゾーンは、以下チャネルゾーンとして知られている。スクリュ輪郭の回転点に対する、チャネルゾーンの始点と終点の間の角度がチャネル角度として知られている。閉ゾーンの半分が円弧1および2により提供される。
【0147】
円弧2は閉ゾーンにもチャネルゾーンにも属する。円弧2の角度の閉ゾーンおよびチャネルゾーンへの分割が、円弧2が半径EPS(EPS≪1、EPS→0)を有すると仮定され、この円弧が、円弧2の中心点、およびスクリュ輪郭の回転点により提供される直線と交差することで続行される。円弧2の一部が、従って交点の下にある円弧2の角度の一部が閉ゾーンに属し、他方の部分がチャネルゾーンに属する。円弧2の中心点を通過し、スクリュ輪郭の回転点を通過する直線が、両方の図でいずれの場合もリード角arctan(My_2/Mx_2)=0.3980を有する。チャネルゾーン全体の総計角度がいずれの場合もπ−2*リード角=2.3456になり、いずれの場合も2*π/3よりも大きい。
【0148】
図8aおよび8bの特有の特徴が、先端ゾーンおよび溝付ゾーンが、いずれの場合も外側のスクリュ半径またはコア半径上の点により提供されることである。外側のスクリュ半径との接点では、スクリュ輪郭はキンクを含む、即ち、円弧2がいずれの場合も半径0を有する。
【0149】
図9:図9aおよび9bはそれぞれ、いずれの場合も4つの円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。両方の図で、外側のスクリュ半径がRA=0.54になる。円弧1と外側のスクリュ半径の間の最大無次元距離が、図9aでは0.0148と、図9bでは0.0122と計算される。両方の図で、いずれの場合も外側のスクリュ半径上にある円弧2により先端ゾーンが提供される。接点が、円弧2の中心点、およびスクリュ輪郭の回転点(座標原点)により決定される直線と円弧2との交点に等しい。先端角度がいずれの場合も0に等しい。溝付ゾーンが、いずれの場合も円弧2’とコア半径との接点により提供される。接点は、円弧2’の中心点と、スクリュ輪郭の回転点(座標原点)により決定される直線と円弧2’との交点に等しい。溝角度がいずれの場合も0に等しい。本発明による1対のスクリュエレメントについてすべての先端ゾーンの先端角度の総計が、図9aおよび9bについていずれの場合も0になる。
【0150】
チャネルゾーンの半分が、いずれの場合も円弧2の一部、ならびに円弧2’および1’により提供される。円弧2の中心点を通過し、スクリュ輪郭の回転点を通過する直線が、図9aではリード角arctan(My_2/Mx_2)=0.3597を、図9bではリード角0.3610を有する。チャネルゾーン全体の総計角度が、図9aではπ−2*リード角=2.4223に、図9bでは2.4195になり、いずれの場合も2*π/3よりも大きい。
【0151】
図9aおよび9bの特有の特徴が、先端ゾーンおよび溝付ゾーンが、いずれの場合も外側のスクリュ半径またはコア半径上の点により提供されることである。外側のスクリュ半径との接点では、スクリュ輪郭がキンクを含まない、即ち、円弧2がいずれの場合も0より大きな半径を有する。従って、円弧2は外側のスクリュ半径に対する接線である。
【0152】
図10:図10aおよび10bは、すべての先端ゾーンの先端角度の総計が0に等しい、本発明によるスクリュエレメントの別の好ましいスクリュ輪郭を示す。図は図7bのように構築され、図7では詳細な説明が既に提供された。外側のスクリュ半径が、図10aではRA=0.54に、図10bではRA=0.63になる。
【0153】
左回転スクリュ輪郭の、即ち生成するスクリュ輪郭の先端ゾーンが、いずれの場合も円弧2、7、10、および15からなる。右回転スクリュ輪郭の、即ち生成されるスクリュ輪郭の先端ゾーンが、円弧3’、6’、11’、および14’からなる。図10bは、円弧3’から6’まで、および11’から14’までが一致し、生成されるスクリュ輪郭が2つの先端しか含まず、スクリュエレメントの対が全体で6つの先端ゾーンしか含まないという特異な特徴を示す。
【0154】
生成するスクリュ輪郭の第1のチャネルゾーンが、いずれの場合も円弧2、3、4、5、6、および7により提供される。生成するスクリュ輪郭の第2のチャネルゾーンが、いずれの場合も円弧10、11、12、13、14、および15により提供される。生成するスクリュ輪郭の2つのチャネルゾーンの間の第1の閉ゾーンが、円弧7、8、9、および10により提供される。生成するスクリュ輪郭の2つのチャネルゾーンの間の第2の閉ゾーンが、円弧15、16、1、および2により提供される。
【0155】
円弧2、7、10、および15が、いずれの場合もチャネルゾーンにも閉ゾーンにも属する。これらの円弧の角度のチャネルゾーンおよび閉ゾーンへの分割が既に図8で説明されている。生成するスクリュ輪郭の2つの閉ゾーンの閉角度が、図10aではいずれの場合も0.9600になる。従って、閉ゾーンの閉角度は、対応する外側のスクリュ半径を有する2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭の先端角度のほぼ1.206倍になる。生成するスクリュ輪郭の2つの閉ゾーンの閉角度は、図10bではいずれの場合も0.5257になる。従って、閉ゾーンの閉角度は、対応する外側のスクリュ半径を有する2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭の先端角度のほぼ2.000倍になる。
【0156】
本発明による1対のスクリュエレメントのスクリュ輪郭の閉ゾーンの2つの閉角度が、好ましくはいずれの場合も対応する外側のスクリュ半径を有する2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭の先端角度の1.2倍よりも大きく、特に好ましくはいずれの場合も対応する外側のスクリュ半径を有する2−ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭の先端角度の1.6倍よりも大きい。これらの事例では、対応するスクリュ輪郭の閉ゾーンが先端ゾーンからなることが好ましい。
【0157】
図はスクリュ半径0.52、0.54、0.56、0.58、および0.63を有するスクリュ輪郭を示す。外側のスクリュ半径は示された値に決して限定されない。むしろ、スクリュ半径は、好ましくは0.51から0.66までの範囲内であり、特に好ましくは0.52から0.575までの範囲内である。
【0158】
図は、スクリュ輪郭の4分の1が4または8の円弧からなる、または完全なスクリュ輪郭が16または32の円弧からなるスクリュ輪郭を示す。円弧の数は示された値に決して限定されない。むしろ、スクリュ輪郭の4分の1が少なくとも2つの円弧からなり、完全なスクリュ輪郭が少なくとも6つの円弧からなる。スクリュ輪郭またはスクリュ輪郭の一部が成り立つ円弧の数に上限はない。
【0159】
意外にも、本発明による1対のスクリュエレメントのスクリュ輪郭が、規定された一連の先端ゾーン、フランクゾーン、および溝付ゾーンにより生成されてもよいことが見出された。従って、本発明は、生成するスクリュ輪郭および生成されるスクリュ輪郭が一連のチャネルゾーン−閉ゾーン−チャネルゾーン−閉ゾーンを示すことを特徴とする、多軸押出機のための新規なスクリュエレメントを提供する。チャネルゾーンは、一連のフランクゾーンおよび溝付ゾーンを、好ましくは一連のフランクゾーン−溝付ゾーン−フランクゾーン−溝付ゾーン−フランクゾーンを、特に好ましくは一連のフランクゾーン−溝付ゾーン−フランクゾーンを意味すると理解される。閉ゾーンは、先端ゾーンを、または好ましくは一連の先端ゾーンおよびフランクゾーンを、特に好ましくは一連の先端ゾーン−フランクゾーン−先端ゾーンを意味すると理解される。
【0160】
図に示されるすべてのスクリュ輪郭は、一連のチャネルゾーン−閉ゾーン−チャネルゾーン−閉ゾーンにさらに分割されてもよい。
【0161】
図11から13は、8の字型スクリュバレルの内側の生成するスクリュ輪郭および生成されるスクリュ輪郭を示す。2つのスクリュ輪郭の内側に、以下のスクリュ変数について数値が示されている。
RG:2つのバレル内径の半径
RV:バレル内径RG以下の仮想バレル半径
RA:きつくかみ合う自己洗浄性スクリュ輪郭の外側のスクリュ半径
RF:製造されるスクリュ輪郭の外側のスクリュ半径
S:製造される2つのスクリュ輪郭間のクリアランス
D:製造されるスクリュ輪郭とバレルの間のクリアランス
T:運搬エレメント、混合エレメント、または遷移エレメントのピッチ
VPR:偏心的に配列された場合の、なめらかできつくかみ合う自己洗浄性スクリュ輪郭の変位の大きさ
VPW:偏心的に配列された場合の、なめらかできつくかみ合う自己洗浄性スクリュ輪郭の変位の角度(方向の指示)
VLR:クリアランスの範囲内の、左回転スクリュの製造されるスクリュ輪郭の変位の大きさ
VLW:クリアランスの範囲内の、左回転スクリュの製造されるスクリュ輪郭の変位の角度
VRR:クリアランスの範囲内の、右回転スクリュの製造されるスクリュ輪郭の変位の大きさ
VRW:クリアランスの範囲内の、右回転スクリュの製造されるスクリュ輪郭の変位の角度。
【0162】
いずれの場合も半径RGおよび距離A=1を有する2つの相互に貫通し合う内径から得られるスクリュバレルが細い破線で図示されている。2つのバレル内径が互いに貫通し合う場所では、2つの内径が細い点線で識別される。2つのバレル内径の中心点が、スクリュ輪郭の2つの回転点と一致し、いずれの場合も小さな円で識別される。きつくかみ合う自己洗浄性スクリュ輪郭が、太い実線により識別される。製造の際のスクリュ輪郭が細い実線で図示されている。
【0163】
きつくかみ合う自己洗浄性スクリュ輪郭の外側のスクリュ半径RAと、仮想バレル半径RVと、製造される2つのスクリュ輪郭間のクリアランスSと、製造されるスクリュ輪郭とスクリュバレルの間のクリアランスDとの間に以下の関係、即ちRA=RV−D+S/2が当てはまることが当業者には公知である。
【0164】
製造されるスクリュ輪郭の外側のスクリュ半径RFと、仮想バレル半径RVと、製造されるスクリュ輪郭とスクリュバレルの間のクリアランスDとの間に以下の関係、即ちRF=RV−Dが当てはまることが当業者にはさらに公知である。
【0165】
一般に、仮想バレル半径RVは示されるバレル半径RGに等しい。仮想バレル半径RVがバレル半径RGよりも小さいように選択された場合、スクリュ輪郭とバレルの間に別のクリアランスが出現する。このクリアランスは、自己洗浄性を維持しながら、生成するスクリュ輪郭および生成されるスクリュ輪郭を偏心的に変位させるために使用されてもよい。偏心性は、変位の大きさVPR、および角度VPWの形の変位の方向により明白に特徴付けられる。
【0166】
図11:図11aから11cは、本発明によるスクリュエレメントのスクリュ輪郭の偏心的位置決めの好ましい実施形態を示す。図11aから11cのスクリュ輪郭は図2aに基づく。仮想バレル半径がRV=0.54になり、バレル半径RG(RG=0.55)よりも小さい。別の幾何学的パラメータが個々の図から理解されることができる。スクリュ輪郭はそれぞれ図11aから11bで、右回転スクリュ輪郭の正確に1点がバレルに接触し、左回転スクリュ輪郭のどの点もバレルに接触しないような範囲内に変位させられた。この目的のために必要とされる変位の大きさは変位の方向に依存する。図11cは、両方のスクリュ輪郭が正確に1点でバレルに接触するような程度の大きさおよび方向までスクリュ輪郭が変位される特別な事例を示す。この場合、変位は角度π/4で続行される。スクリュ輪郭のどの点もバレルに接触しないスクリュ輪郭の別の偏心的位置決めが選択されてもよい。
【0167】
図12:当業者には公知のように、実際には、すべてのスクリュエレメントが、互いに対しても、バレルに対しても、ある程度のクリアランスを必要とする。図12aから12dは異なるクリアランス戦略を示す。幾何学的パラメータは個々の図から理解されることができる。図12aは、製造されるスクリュ輪郭間のクリアランス、および製造されるスクリュ輪郭とバレルの間のクリアランスが同じ大きさであるクリアランス戦略を示す。図12bは、製造されるスクリュ輪郭間のクリアランスが、製造されるスクリュ輪郭とバレルの間のクリアランスよりも小さいクリアランス戦略を示す。図12cは、製造されるスクリュ輪郭間のクリアランスが、製造されるスクリュ輪郭とバレルの間のクリアランスよりも大きいクリアランス戦略を示す。図12dは、特に大きなクリアランスを有する図12cによる別の実施形態を示す。製造されるスクリュ輪郭間のクリアランスについては、実際に行われている典型的なクリアランスが0.002から0.1までの範囲内にある。製造されるスクリュ輪郭とバレルの間のクリアランスについては、実際に行われている典型的なクリアランスが0.002から0.1までの範囲内にある。実際に行われている典型的なクリアランスは、スクリュ輪郭の円周の端から端まで一定である。しかし、スクリュ輪郭の円周の端から端まで、製造されるスクリュ輪郭間のクリアランスも、製造されるスクリュ輪郭とバレルの間のクリアランスも変更することが許容できる。
【0168】
図13:製造されるスクリュ輪郭をクリアランスの範囲内で変位させることがさらに可能である。図13aから13dは、可能な変位の選択を示す。幾何学的パラメータが個々の図から理解されることができる。図13aから13dでは、いずれの場合も製造される両方のスクリュ輪郭について変位の大きさがVLR=VRR=0.02になる。図13aから13dでは、いずれの場合も製造される両方のスクリュ輪郭について変位の方向が、VLW=VRW=0からVLW=VRW=π/2まで段階的に変化する。製造される2つのスクリュ輪郭を異なる方向に異なる量だけ相互に独立に変位させることが許容できる。
【0169】
図14aは、運搬エレメントとして構成され、スクリュ輪郭が図2aに基づく本発明による1対のスクリュエレメントを例として示す。バレル半径がRG=0.54になる。2つの運搬エレメント間のクリアランスがS=0.02になる。2つの運搬エレメントとバレルの間のクリアランスがD=0.01になる。運搬エレメントのピッチがT=1.2になる。運搬エレメントの長さが1.2になり、この値はスクリュ輪郭の角度2πだけの回転に対応する。2つの運搬エレメントの左側および右側にバレルが細い実線で図示されている。2つの運搬エレメントの表面上に可能な計算グリッドがさらに図示され、このグリッドは二軸押出機および多軸押出機内の流れを計算するために使用されてもよい。
【0170】
図14bは、混練エレメントとして構成され、スクリュ輪郭が図2aに基づく、本発明による1対のスクリュエレメントを例として示す。バレル半径がRG=0.54になる。2つの混練エレメントの混練ディスク間のクリアランスがS=0.02になる。2つの混練エレメントの混練ディスクとバレルの間のクリアランスがD=0.01になる。混練エレメントは7つの混練ディスクからなり、混練ディスクは、いずれの場合も互いに対して角度π/6だけ右回転でずれている。第1の混練ディスクおよび最後の混練ディスクが長さ0.09を有する。間にある混練ディスクが長さ0.18を有する。混練ディスク間の溝が長さ0.02を有する。2つの混練エレメントの左側および右側にバレルが細い実線で示されている。2つの混練エレメントの表面上に可能な計算グリッドがさらに図示され、このグリッドは二軸押出機および多軸押出機内の流れを計算するために使用されてもよい。
【0171】
(実施例)
従来技術による2―ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭を有するスクリュエレメントの圧力増大容量および動力要件、ならびに新規のスクリュ輪郭を有する本発明によるスクリュエレメントの圧力増大容量および動力要件が、流動シミュレーションの助けを借りて計算された。
【0172】
当業者に公知のように、および[1]の129から146ページで得られるように、運搬エレメント、混練エレメント、および混合エレメントなどのスクリュエレメントの動作の性質が、圧力差/処理量、および動力/処理量特性により説明されることができる。異なる押出機の大きさへの移転可能性を簡略化するために、可変圧力差、動力、および処理量がこれらの無次元形で使用される。ニュートン流の性質を有するプラスチック配合物の場合、圧力差と処理量の間にも、動力と処理量の間にも線形関係がある。圧力差/処理量特性では、軸の交点がA1およびA2とラベルをつけられる([1]、133ページ)。動作点A1は、スクリュエレメントの固有の処理量を意味する。動作点A2は処理量のない圧力増大容量を意味する。動力/処理量特性では、軸の交点がB1およびB2とラベルをつけられる([1]、136ページ)。点B1は「タービン点」である。処理量がB1よりも大きい場合、動力がスクリュに出力される。動作点B2は処理量のない動力要件を意味する。
【0173】
圧力増大ゾーンでは、導入される動力の一部だけが流れの動力に変換されることができる。導入される動力の残りは損失する。流れの動力は処理量と圧力差の積として計算される。当業者が容易に認めるように、圧力差が0に等しい(A1)、または処理量が0に等しい(A2)ので、軸の交点A1およびA2での流れの動力はいずれの場合も0に等しい。A1とA2の間のゾーンでは圧力差も処理量も0より大きく、その結果、正の流れの動力となる。処理量により提供される動作点の流れの動力が、この動作点でのスクリュによる動力出力により除算されると、この動作点での圧力増大効率が得られる。処理量に基づき効率を得ることにより、およびその後の谷底(root)発見により、スクリュエレメントの最大効率が得られる。
【0174】
1対のスクリュエレメントの内側の流れが、市販のソフトウェアパッケージFluentバージョン6.3.26を使用して実行された。二軸押出機の流動シミュレーションの概論が例えば[1、147から168ページ]で得られる。
【0175】
流動シミュレーションは、いずれの場合も長さがピッチの半分に等しいスクリュエレメントを使用して精査することにより実行された。流動シミュレーション中、これらのスクリュエレメントは、流体力学的に確立された流れの状態を計算するために、これらのスクリュエレメントの軸の始まりおよび軸の終わりに周期的制約条件が提供された。ニュートン流の性質を有する流れがプラスチック配合物として使用された。
【実施例1】
【0176】
従来技術による2―ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭を有する運搬エレメント
運搬エレメントの幾何形状が図1、および図1に関係する説明から推測されることができる。図1bおよび1cに示される計算グリッドと対照的に、流動シミュレーションのために、いずれの方向にも2倍の計算セルを含む、即ち、円周方向に320のグリッド要素を、軸方向に160のグリッド要素を、および半径方向に12のグリッド要素を含む計算グリッドが使用される。
【0177】
軸部分が以下のように計算された。即ち、A1=0.1365、A2=18917、B1=0.4273、B2=8084であった。圧力増大中の最大効率が9.59%と決定される。
【実施例2】
【0178】
新規のスクリュ輪郭を有する本発明による運搬エレメント
本発明による幾何形状が図15から明らかである。図15aは、8つの円弧からなる、本発明によるスクリュエレメントの好ましいスクリュ輪郭の4分の1を示す。無次元の外側のスクリュ半径がRA=0.54になる。半径R_1は0.7647に等しい。外側のスクリュ半径からの円弧1の最大無次元距離が0.008と計算される。外側のスクリュ半径上にある円弧3により先端ゾーンが提供される。先端角度α_3が0.0839に等しい。コア半径上にある円弧3’により溝付ゾーンが決定される。溝角度α_3’が0.0839に等しい。本発明による1対のスクリュエレメントについてすべての先端ゾーンの先端角度の総計が8*0.0839=0.6712になり、従って、2―ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭を有する1対のスクリュエレメントの先端角度の総計のほぼ0.211倍にしかならない。
【0179】
図15bは、スクリュ輪郭が図15aに基づく、運搬エレメントとして構成される1対のスクリュエレメントを示す。2つの運搬エレメント間のクリアランスがS=0.008になる。2つの運搬エレメントとバレルの間のクリアランスがD=0.004になる。運搬エレメントのピッチがT=1.08になる。運搬エレメントの長さが0.54になり、この値はスクリュ輪郭の角度πの回転に対応する。2つの運搬エレメントの左側および右側にバレルが細い実線で図示されている。可能な計算グリッドが2つの運搬エレメントの表面上にさらに図示され、このグリッドは、二軸押出機および多軸押出機内の流れを計算するために使用されてもよい。グリッド要素の数が、円周方向には160に等しく、軸方向には80に等しい。
【0180】
図15cは、図15bによるスクリュエレメントの対の平面図を示す。運搬エレメントとバレル間の自由体積が、可能な計算グリッド付きで提供され、計算グリッドは、二軸押出機および多軸押出機内の流れを計算するために使用されてもよい。グリッド要素の数が、円周方向には160に等しく、半径方向には6に等しい。2つのスクリュエレメントの回転軸が、小さな円でラベルをつけられている。
【0181】
図15bおよび15cに示される計算グリッドとは対照的に、流動シミュレーションのために、いずれの方向にも2倍の計算セルを含む、即ち、円周方向には320のグリッド要素を、軸方向には160のグリッド要素を、および半径方向には12のグリッド要素を含む計算グリッドが使用される。
【0182】
軸部分は以下のように計算された。即ち、A1=0.1324、A2=18721、B1=0.3436、B2=6434である。圧力増大中の最大効率が12.11%と決定される。固有処理量A1および圧力増大容量A2が、実施例1の結果とほぼ1%または2%以内で一致する。タービン点B1および動力要件B2に対する値が、実施例1と比較してほぼ20%小さい。従来技術によるスクリュエレメントと比較した本発明によるスクリュエレメントの結果が、圧力増大効率のほぼ26.2%の改善である。
【0183】
本発明によるスクリュエレメントを使って、従来技術によるスクリュエレメントよりも効率的なスクリュエレメントが提供される。同時に、本発明によるスクリュエレメントの先端ゾーンが減少する結果として、本発明によるスクリュエレメントは、従来技術によるスクリュエレメントよりも小さな熱応力を生成物に曝す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対で共回転し、対で完全に自己でぬぐう多軸押出機のためのスクリュエレメントであって、
1対のスクリュエレメントのすべての先端角度の総計が0以上、および2*π−8*arccos(0.5*a/ra)未満であり、
1対のスクリュエレメントの先端ゾーンの数が4よりも多く、
いずれの場合もフランクゾーンおよび溝付ゾーンからなり、いずれの場合もフランク角度および溝角度の総計がπ/2よりも大きい2つのスクリュ輪郭ゾーンを、1対のスクリュエレメントのそれぞれのスクリュエレメントが含むことを特徴とする、スクリュエレメント。
【請求項2】
1つ以上の先端ゾーンが先端角度0を有することを特徴とする、請求項1に記載のスクリュエレメント。
【請求項3】
π/2の回転後、生成されるスクリュ輪郭が、生成するスクリュ輪郭に一致することを特徴とする、請求項1または2に記載のスクリュエレメント。
【請求項4】
π/2の回転後、生成されるスクリュ輪郭が、生成するスクリュ輪郭と異なることを特徴とする、請求項1または2に記載のスクリュエレメント。
【請求項5】
生成するスクリュ輪郭および生成されるスクリュ輪郭が、一連のチャネルゾーン−閉ゾーン−チャネルゾーン−閉ゾーンを示すことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のスクリュエレメント。
【請求項6】
1対のスクリュエレメントのスクリュ輪郭の少なくとも1つの閉ゾーンの閉角度が、2―ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭の先端角度の1.2倍よりも大きいことを特徴とする、請求項5に記載のスクリュエレメント。
【請求項7】
中心線距離に正規化されたスクリュエレメントの外側のスクリュ半径が、0.51から0.66までの範囲内にあることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のスクリュエレメント。
【請求項8】
スクリュエレメントが、軸方向にらせん状にスクリュ輪郭を伸長することにより運搬エレメントまたは混合エレメントとして構成される、または軸方向にオフセットのやり方で、部分でスクリュ輪郭を伸長することにより混練エレメントとして構成されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のスクリュエレメント。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のスクリュエレメントから得られ、スクリュエレメントとバレルの間のクリアランス、および/または隣接するスクリュエレメント間のクリアランスを示すスクリュエレメント。
【請求項10】
多軸押出機における、好ましくは二軸押出機における、請求項1から9のいずれか一項に記載のスクリュエレメントの使用。
【請求項11】
本発明によるスクリュエレメントを使用して二軸押出機または多軸押出機でプラスチック配合物を押し出すための方法であって、
1対のスクリュエレメントのすべての先端角度の総計が0以上、および2*π−8*arccos(0.5*a/ra)未満であり、
1対のスクリュエレメントの先端ゾーンの数が4よりも多く、
いずれの場合もフランクゾーンおよび溝付ゾーンからなり、いずれの場合もフランク角度および溝角度の総計が、π/2よりも大きい2つのスクリュ輪郭ゾーンを、1対のスクリュエレメントのそれぞれのスクリュエレメントが含むことを特徴とする、方法。
【請求項12】
プラスチック配合物が熱可塑性物質またはエラストマーであることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
使用される熱可塑性物質が、ポリカーボネート、ポリアミド、具体的にはポリブチレンテレフタレートおよびポリエチレンテレフタレートであるポリエステル、ポリエーテル、熱可塑性ポリウレタン、ポリアセタール、具体的にはポリフッ化ビニリデンであるフルオロポリマー、ポリエーテルスルホン、具体的にはポリエチレンおよびポリプロピレンであるポリオレフィン、ポリイミド、具体的にはポリ(メチル)メタクリル酸であるポリアクリレート、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルファイド、ポリエーテルケトン、ポリアリルエーテルケトン、具体的にはポリスチレンであるスチレン重合体、具体的にはスチレン−アクリロニトリル共重合体であるスチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、ポリ塩化ビニル、または前記熱可塑性物質の少なくとも2つの混合物であることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
使用されるエラストマーが、スチレン−ブタジエンゴム、天然ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、ブチルゴム、ハロブチルゴム、クロロプレンゴム、エチレン−ビニルアセテートゴム、ポリウレタンゴム、熱可塑性ポリウレタン、ガッタパーチャ、アクリル酸ゴム、フッ素ゴム、シリコンゴム、硫化ゴム、クロロスルホニル−ポロエチレンゴム、または上記のエラストマーの少なくとも2つの組合せであることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
充填剤または強化剤、もしくは重合体添加物、もしくは有機顔料または無機顔料、もしくはこれらの混合物がプラスチック配合物に添加されることを特徴とする、請求項11から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項1】
対で共回転し、対で完全に自己でぬぐう多軸押出機のためのスクリュエレメントであって、
1対のスクリュエレメントのすべての先端角度の総計が0以上、および2*π−8*arccos(0.5*a/ra)未満であり、
1対のスクリュエレメントの先端ゾーンの数が4よりも多く、
いずれの場合もフランクゾーンおよび溝付ゾーンからなり、いずれの場合もフランク角度および溝角度の総計がπ/2よりも大きい2つのスクリュ輪郭ゾーンを、1対のスクリュエレメントのそれぞれのスクリュエレメントが含むことを特徴とする、スクリュエレメント。
【請求項2】
1つ以上の先端ゾーンが先端角度0を有することを特徴とする、請求項1に記載のスクリュエレメント。
【請求項3】
π/2の回転後、生成されるスクリュ輪郭が、生成するスクリュ輪郭に一致することを特徴とする、請求項1または2に記載のスクリュエレメント。
【請求項4】
π/2の回転後、生成されるスクリュ輪郭が、生成するスクリュ輪郭と異なることを特徴とする、請求項1または2に記載のスクリュエレメント。
【請求項5】
生成するスクリュ輪郭および生成されるスクリュ輪郭が、一連のチャネルゾーン−閉ゾーン−チャネルゾーン−閉ゾーンを示すことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のスクリュエレメント。
【請求項6】
1対のスクリュエレメントのスクリュ輪郭の少なくとも1つの閉ゾーンの閉角度が、2―ねじ山Erdmengerスクリュ輪郭の先端角度の1.2倍よりも大きいことを特徴とする、請求項5に記載のスクリュエレメント。
【請求項7】
中心線距離に正規化されたスクリュエレメントの外側のスクリュ半径が、0.51から0.66までの範囲内にあることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のスクリュエレメント。
【請求項8】
スクリュエレメントが、軸方向にらせん状にスクリュ輪郭を伸長することにより運搬エレメントまたは混合エレメントとして構成される、または軸方向にオフセットのやり方で、部分でスクリュ輪郭を伸長することにより混練エレメントとして構成されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のスクリュエレメント。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のスクリュエレメントから得られ、スクリュエレメントとバレルの間のクリアランス、および/または隣接するスクリュエレメント間のクリアランスを示すスクリュエレメント。
【請求項10】
多軸押出機における、好ましくは二軸押出機における、請求項1から9のいずれか一項に記載のスクリュエレメントの使用。
【請求項11】
本発明によるスクリュエレメントを使用して二軸押出機または多軸押出機でプラスチック配合物を押し出すための方法であって、
1対のスクリュエレメントのすべての先端角度の総計が0以上、および2*π−8*arccos(0.5*a/ra)未満であり、
1対のスクリュエレメントの先端ゾーンの数が4よりも多く、
いずれの場合もフランクゾーンおよび溝付ゾーンからなり、いずれの場合もフランク角度および溝角度の総計が、π/2よりも大きい2つのスクリュ輪郭ゾーンを、1対のスクリュエレメントのそれぞれのスクリュエレメントが含むことを特徴とする、方法。
【請求項12】
プラスチック配合物が熱可塑性物質またはエラストマーであることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
使用される熱可塑性物質が、ポリカーボネート、ポリアミド、具体的にはポリブチレンテレフタレートおよびポリエチレンテレフタレートであるポリエステル、ポリエーテル、熱可塑性ポリウレタン、ポリアセタール、具体的にはポリフッ化ビニリデンであるフルオロポリマー、ポリエーテルスルホン、具体的にはポリエチレンおよびポリプロピレンであるポリオレフィン、ポリイミド、具体的にはポリ(メチル)メタクリル酸であるポリアクリレート、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルファイド、ポリエーテルケトン、ポリアリルエーテルケトン、具体的にはポリスチレンであるスチレン重合体、具体的にはスチレン−アクリロニトリル共重合体であるスチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、ポリ塩化ビニル、または前記熱可塑性物質の少なくとも2つの混合物であることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
使用されるエラストマーが、スチレン−ブタジエンゴム、天然ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、ブチルゴム、ハロブチルゴム、クロロプレンゴム、エチレン−ビニルアセテートゴム、ポリウレタンゴム、熱可塑性ポリウレタン、ガッタパーチャ、アクリル酸ゴム、フッ素ゴム、シリコンゴム、硫化ゴム、クロロスルホニル−ポロエチレンゴム、または上記のエラストマーの少なくとも2つの組合せであることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
充填剤または強化剤、もしくは重合体添加物、もしくは有機顔料または無機顔料、もしくはこれらの混合物がプラスチック配合物に添加されることを特徴とする、請求項11から14のいずれか一項に記載の方法。
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図9a】
【図9b】
【図10a】
【図10b】
【図11a】
【図11b】
【図11c】
【図12a】
【図12b】
【図12c】
【図12d】
【図13a】
【図13b】
【図13c】
【図13d】
【図14a】
【図14b】
【図15a】
【図15b】
【図15c】
【図1b】
【図1c】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図9a】
【図9b】
【図10a】
【図10b】
【図11a】
【図11b】
【図11c】
【図12a】
【図12b】
【図12c】
【図12d】
【図13a】
【図13b】
【図13c】
【図13d】
【図14a】
【図14b】
【図15a】
【図15b】
【図15c】
【公表番号】特表2011−524284(P2011−524284A)
【公表日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−513933(P2011−513933)
【出願日】平成21年6月12日(2009.6.12)
【国際出願番号】PCT/EP2009/004250
【国際公開番号】WO2009/153002
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(504109610)バイエル・テクノロジー・サービシーズ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (75)
【氏名又は名称原語表記】Bayer Technology Services GmbH
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月12日(2009.6.12)
【国際出願番号】PCT/EP2009/004250
【国際公開番号】WO2009/153002
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(504109610)バイエル・テクノロジー・サービシーズ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (75)
【氏名又は名称原語表記】Bayer Technology Services GmbH
【Fターム(参考)】
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