プルーフとその画像を形成する装置、画像形成方法およびプログラム
【課題】 プルーフの面積階調画像を構成する網点の網%を変更して色調の調整を行うにもかかわらず、検版性にすぐれたプルーフ等を提供する。
【解決手段】 複数色の網点階調画像を担持した多色刷り印刷物のプルーフであって、プルーフ画像は画素の集合により構成されており、プルーフ画像の色調は網点階調画像の網点面積率の調整により調整されており、かつ調整により網点面積率がゼロ%から増加すべき色を反映した色調の色調整画素が発生した場合に、増加すべき色の網点階調画像が本来有するスクリーン角度と区別できる異なったスクリーン角度で、色調整画素が配置されていることを特徴とするプルーフ。
【解決手段】 複数色の網点階調画像を担持した多色刷り印刷物のプルーフであって、プルーフ画像は画素の集合により構成されており、プルーフ画像の色調は網点階調画像の網点面積率の調整により調整されており、かつ調整により網点面積率がゼロ%から増加すべき色を反映した色調の色調整画素が発生した場合に、増加すべき色の網点階調画像が本来有するスクリーン角度と区別できる異なったスクリーン角度で、色調整画素が配置されていることを特徴とするプルーフ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物の仕上がりを事前に確認するプルーフの面積階調画像に関するものであり、詳しくは、印刷インキや印刷用紙による表現される色調と、プルーフ画像を形成する色材の違いに基づく印刷物とプルーフとの色差の補正を、プルーフにおける網点のドットゲイン調整(若しくは網点面積率の調整)により行ったプルーフ、その面積階調画像を形成する装置、画像の形成プログラム、または画像形成方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
多色刷り印刷物では、プロセスカラーと呼ばれるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、墨またはブラック(K)さらには特色インキ等の各種インキを刷り重ねることにより多くの色を表現する。この刷り重ねの際には、それぞれ異なるスクリーン角度で版を重ねることで、モアレパターン等の発生を防止している。例えば、シアン版を15°、マゼンタ版を45°、ブラック版を75°、イエロー版を90°等としている。また、色の階調表現には、スクリーン線数により密度が規定されるいわゆる網点が用いられて面積階調画像を構成し、これらにより自然な階調画像を表現している。
【0003】
このような多色刷り印刷物の本印刷を行う前には、印刷物の色再現の状況や内容をあらかじめ確認するためのいわゆるプルーフが作成される。昨今、プルーフは、印刷物のデジタルデータを直接用いて、昇華型や熱転写型の色材を用いる方式、インクジェット方式や電子写真方式、ハロゲン化銀感光材料を用いる方式等の種々の方式によって作成される。いずれの方式を用いる場合でも、印刷物で表現される色調にプルーフの色調を合わせることが必要であるし、網点の有無や形も正確に再現できることが求められる。
【0004】
さて、上記のごとき種々の方式で作成されるプルーフでは、通常、網点をさらに小さな単位(以下、これを画素という)に分割し、この画素の集合により網点を再現する。例えば、印刷物における1つの網点を、プルーフでは100個の画素が集合して構成する場合に、そのうちの50個の画素に色をもたせることにより、網点面積率(以下、網%と略記することがある)が50%の網点を形成することができる。
【0005】
また、印刷インキとプルーフの色材との色調のずれや、印刷用紙による色調の変化の再現等の色調の微妙な調整に関しては、プルーフの網点のドットゲインまたは網%を調整して行うことも多い。具体的には、プルーフの網点の大きさを印刷物の網点の本来の大きさとは異なる大きさにしたり、または、目標となる印刷物では存在しないはずの網点の網%を、ゼロから増大させた網点(以下、これを仮想網点という)を発生せしめたりすることにより、色調の調整が行われる方法が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。また、印刷物において特色インキが用いられた場合にもまったく同様の状況が発生し、その色調をプルーフにおいて再現するために、上記と同様な解決方法が採用されている。
【0006】
このような従来の面積階調画像の拡大例を図11に示す。図11では、目標印刷物にも設けられている画素11からなるマゼンタの網点1(以下、このように目標印刷物に実在する網点を実網点という)が、スクリーン角度45°で網50%となるように設けられている。また、目標印刷物の画像にはなかったシアンの仮想網点2および3が、色調整によってシアン版の網%を調整することにより発生している。これらの仮想網点は、シアン版の網点として発生しているから、スクリーン角度はシアン版に設定されたスクリーン角度の15°である。なお、仮想網点2は印刷用紙の白の上に配置されており、その色調整画素12はシアンの色である。しかし、仮想網点3はマゼンタの実網点上に配置されており、その色調整画素13はシアンとマゼンタの重なり色となる。
【0007】
しかし、このような方法では、プルーフの色調調整に関しては良好な結果が得られるが、元の印刷物の画像データには存在しない色の仮想網点が、色調整の結果としてプルーフ上に発生する場合が生じ、しかもこの仮想網点は、元の印刷版に存在しないことを除けば、実網点とまったく同じで区別できない。そのため、プルーフの検版性が著しく損なわれる結果となる。例えば、ある網点がプルーフ画像にのみ存在して印刷版に存在しないという場合に、その網点が印刷版の製作上の不具合の結果発生したものか、または、色調整で発生した仮想網点なのかの区別が付かず、プルーフの出力結果だけを参照して印刷版の検査を行うのは困難であった。そのため、校正者が本来の画像データには存在しない色版の網点に対する修正を行ってしまい、かえって他の部分の色調を損ねる結果になる場合もあった。特に昨今、デジタル化によりフィルムのような中間出力物がない場合が増えており、プルーフに基づいて十分な校正が行えると同時に、必要な修正の方向が見出せることが重要となっている。
【特許文献1】特開平3−158075号公報
【特許文献2】特開2000−278547号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
プルーフの面積階調画像を構成する網点の網%を変更して色調の調整を行うにもかかわらず、検版性にすぐれたプルーフ及び、そのようなプルーフが得られる面積階調画像の形成装置、画像の形成方法、画像形成プログラム等を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の第一は、複数の色の網点階調画像を担持した多色刷り印刷物のプルーフであって、前記プルーフの画像は画素の集合により構成されており、前記プルーフ画像の色調は、前記の網点階調画像の網点面積率の調整により調整されており、かつ前記調整により網点面積率がゼロ%から増加すべき色を反映した色調の色調整画素が発生した場合に、前記増加すべき色の網点階調画像が本来有するスクリーン角度と区別できる異なったスクリーン角度で、前記色調整画素が配置されていることを特徴とするプルーフである。
【0010】
ここで、前記の異なったスクリーン角度が、前記増加すべき色と異なる色であって前記色調整の前後を通して網%がゼロではないいずれかの網点階調画像と同じスクリーン角度とすることは好ましい。また、前記色調整画素が、前記の網%がゼロではない網点階調画像の実網点内に配置されていることは好ましい。また、前記の網%がゼロではない網点階調画像が、最も網%が大きい画像であることは好ましい。また、前記色調整画素が、前記実網点内にランダムに配置されていることは好ましい。また、前記色調整画素の集合が構成する仮想網点が、前記実網点内にランダムか若しくは前記実網点と異なる周期で配置されていることは好ましい。また、前記色調整画素の色調が、前記増加すべき色と前記実網点の色との混色による色調であることは好ましい。また、前記色調整後の前記実網点内に配置された前記色調整画素を、前記実網点の網%に基づいて、前記増加すべき色と前記実網点の色との混色による色調の画素と、前記増加すべき色の画素とに区分けされていることは好ましい。
【0011】
発明の第二は、複数の色の網点階調画像を担持した多色刷り印刷物のプルーフ画像の形成装置であって、前記網点階調画像の網点面積率の調整により色調整を指示するカラーマネジメント手段と、前記指示により網点面積率がゼロ%から増加すべき色の色調整画素が発生した場合に、前記増加すべき色の網点階調画像が本来有するスクリーン角度と区別できる異なったスクリーン角度で、前記色調整画素が配置される配置手段とを備えることを特徴とする画像形成装置である。
【0012】
ここで、前記配置手段が、前記色調整画素を、前記色調整の前後を通して網%がゼロではないいずれかの網点階調画像と同じスクリーン線数かつ同じスクリーン角度で配置することは好ましい。
【0013】
発明の第三は、発明の第二に記載の画像形成装置に加え、前記画像形成装置により形成されたプルーフ画像に基づいて、ハロゲン化銀感光材料を露光する手段を備えることを特徴とするプルーフの形成システムである。
【0014】
発明の第四は、複数の色の網点階調画像を担持した多色刷り印刷物のプルーフ画像をコンピュータに形成させるためのプログラムであって、前記網点階調画像の網点面積率の調整により色調整を指示するカラーマネジメント機能と、前記指示により網点面積率がゼロ%から増加すべき色の色調整画素が発生した場合に、前記増加すべき色の網点階調画像が本来有するスクリーン角度と区別できる異なったスクリーン角度で、前記色調整画素が配置される配置機能とを備えることを特徴とするプログラムである。
【0015】
発明の第五は、発明の第四に記載のプログラムを格納したコンピュータ読取可能な記録媒体である。
【0016】
発明の第六は、複数の色の網点階調画像を担持した多色刷り印刷物のプルーフ画像の形成方法であって、前記網点階調画像の網点面積率の調整により色調整を指示するカラーマネジメントを行った後、前記指示により網点面積率がゼロ%から増加すべき色の色調整画素が発生した場合に、前記色調整画素を、前記増加すべき色の網点階調画像が本来有するスクリーン角度と区別できる異なったスクリーン角度で、前記色調整画素を配置することを特徴とする画像形成方法である。
【発明の効果】
【0017】
網点のドットゲイン若しくは網%を調整することにより色調調整を行う場合でも、色調整により発生した仮想の網点と本来の網点とを区別することが可能となり、しかも、色調調整の結果には影響を与えない面積階調画像のプルーフが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を用いて説明するが、本発明は、以下の実施の形態または実施例に記載された具体的態様に限定されるものではない。まず、図1は、従来技術である図11の面積階調画像と同じ部分について、改良されたプルーフの面積階調画像の1例を示したものである。図1の画像では、マゼンタの実網点は図11と同様であるが、目標印刷物には元々無かったシアンの仮想網点4が、マゼンタ網点と同じスクリーン線数で、かつ同じスクリーン角度45°を有するように配置されており、その結果、全部の仮想網点4がマゼンタの網点の中にある。また、仮想網点4の画素11の色は、シアンとマゼンタの重なり色であるグリーンである。
【0019】
この図1のようにシアンの仮想網点を配置すると、シアンの実網点がシアン版のスクリーン角度15°に従って並べられるのとは異なったスクリーン角度45°で、シアンの網点が存在することになる。そのため、プルーフ画像に存在するこれらシアンの網点が、目標印刷物に本来存在している実網点なのか、存在していない仮想網点なのかが直ちに判別できる。
【0020】
なお、元々目標印刷物に存在している実網点の網%が、色調整の結果変化した場合には、その増減分は、シアンの実網点の網%を変化させて表現すればよく、その増減分の画素に関するスクリーン角度はシアン版の本来のスクリーン角度と同じにすればよい。
【0021】
このように、図1のプルーフでは、目標印刷物に本来存在しない仮想網点が色調整により発生した場合には、その仮想網点を、その色の版が本来有するスクリーン角度と異なる角度を有するようにして表現する。そのため、両者を容易に区別できるようになる。また、この例では、目標印刷物にすでに存在している他の色の実網点と同じスクリーン線数、同じスクリーン角度を持つようにしているので、その結果、その他の色の実網点の中に仮想網点が埋め込まれるようにして配置されることになる。これにより、仮想網点が実網点であるかのような外観を呈することもなくなり、検版性がより向上する。
【0022】
図2は、図1の画像で仮想網点4を構成する色調整画素11が、すでに存在している他の色の実網点であるマゼンタの網点1の中に、ランダムに配置されている例である。このようにすることにより、予期せぬモアレパターンのような干渉ムラの発生を防止することができる。
【0023】
図3は、図1のプルーフ画像と図11の画像の中間的なプルーフ画像の例である。図1の画像では、すべての色調整画素11の色調はシアンとマゼンタの重なり色のブルーである。しかし、図11では、マゼンタの網%に応じてシアンのままであったり、ブルーであったりしている。色調整においては図11のように一部をシアンのままにした方が良い場合もあるため、図3の例では、色調整画素11の色調を、色調整画素11の全個数に仮網点を埋め込んだマゼンタの網%を乗じた個数についてはブルーとし、残りはシアンとするようにしている。なお、このようにした場合にはマゼンタの網点の画素数が減少するので、その分マゼンタの網%を増加するようにしても良い。
【0024】
図4は、図1の画像において、仮想網点6をマゼンタ網点1の内部にとどめた状態で、仮想網点6の位置にランダムな揺らぎを与えた例である。このようにすることによりモアレパターン等の予期せぬ干渉ムラの発生を防止することができる。また、この位置は、マゼンタ網点と異なる周期を有するようにして揺らぎを与えても良い。
【0025】
これらのようなプルーフは、従来知られている各種の方法で得ることができる。昇華型や熱転写型の色材を用いる方式でもよいし、インクジェット方式や電子写真方式、さらにはハロゲン化銀感光材料を用いる方式であってもよく、特に制限されない。しかし、特に色材が有する濃度が固定しているか若しくは変化可能であってもそのとれる段階が比較的少なく、連続的に変化しているとまでは言えない方式に適する。特に色材の濃度が1点に固定している方式に最も好ましい。
【0026】
次に、これらのプルーフ画像を形成する画像形成装置について図面を用いて説明するが、最初に、画像形成装置における処理の概念について図5を用いて説明する。図5では、調整前画像データとして、YMCKの4版を用いた目標印刷物のビットマップデータが、YMCKの4層のレイヤを有するものとして描かれている。なお、それぞれのレイヤの画像は、通常通り互いに区別できる異なるスクリーン角度を有するものとし、スクリーン線数は同じとする。特色版を含める場合はそのレイヤが増加するだけである。それぞれのレイヤには、分版された面積階調画像が載っている。このデータを用い、印刷条件とプルーフ作成装置のデバイスプロファイルとに基づいて、網%を調整することにより色調整する。また、プルーフ作成装置は、プルーフ作成装置で網100%の場合にそれぞれの色材が単独で表現できることができる色(以下、この色を要素色という)として、YMCの三つであるとしている。これら三つの要素色が三つのレイヤにより表されるものとする。より多くの要素色を使用する場合であっても、レイヤの数が増えるだけで説明は同じである。
【0027】
まず、色調整の際には、元のビットマップデータに存在した網点に関しては、従来の色調整方法と同様にして網%を増減したデータを作成して、これらをY’M’C’の三つのレイヤとする。
【0028】
さて、色調整をした際、元のビットマップデータに無かった色の網%がゼロから増加して色調整画素または仮想網点が発生した場合は、これらのデータは、Y’M’C’の三つのレイヤに対応して別個に設けられたYv、Mv、Cvの三つの仮想レイヤを構成するものとする。その際、それらの色調整画素または仮想網点は、この例ではY’M’C’のうち最も網%が大きい網点階調画像のスクリーン角度と同じスクリーン角度を有するようにして、その網点階調画像の網点の中に配置する。ここで、網%は画像の場所によって変化するから場所ごとに最も網%が大きい網点階調画像も異なる。そのため、三つの仮想レイヤのそれぞれで、異なるスクリーン角度を有する画像がモザイクのように集合してそれぞれのレイヤを構成することになる。なお、網%の最も大きい網点だけではなく、同時に存在する他の網%の網点にも網%に応じて仮想網点を分配しても良い。さらに、このような複雑な処理をさけたい場合は、画像全体を平均して、仮想網点の色を除く色の画像のうち、最も網%が大きい画像と同じスクリーン角度となるように、それぞれの仮想網点のスクリーン角度をあらかじめ設定してしまっても良い。
【0029】
次に、Y’とYv、M’とMv、C’とCvの画像をそれぞれ合成し、Y’’とM’’とC’’とのレイヤからなる画像データを得る。これで、デバイスプロファイルを用いた色調整と同時に、仮想網点を区別できるプルーフ画像を形成する処理が終了する。このY’’M’’C’’のレイヤからなる画像データを所定の出力装置に出力してプルーフを得ることができる。
【0030】
このように、必要な要素色の数だけの仮想レイヤを従来のレイヤとは別個に設けることにより、色は同じであるがスクリーン線数が異なる画像データを、実網点のデータとは別個独立に取り扱うことが可能となる。そして、その後に同じ色どうしで合成することにより、図1から4に記載したようなプルーフ画像を形成できるようになる。
【0031】
次に、このような処理を行う画像形成装置の具体的構成について説明する。図6は、画像形成装置の1例を制御面から見たブロック図である。まず、記憶部200から説明する。記憶部200には、印刷物のデジタル画像データ210、印刷条件テーブル220、デバイスプロファイル230、網点パターンテーブル240、修正されたデジタル画像デー250、制御出力データテーブル260、その他、装置制御に必要な画面情報等が格納されている。
【0032】
まず、印刷物のデジタル画像データ210は、ラスタライズされたビットマップデータであって、全体をn個の画素に分割して各画素ごとに、印刷物で使用されるインキ若しくは版ごとに刷り重ねが行なわれるか否かが、「1」(刷り重ねる)と「0」(刷り重ねない)のコードで表現されている。使用されるインキまたは版は、CMYKのプロセスカラーだけであっても特色を加えてもよい。
【0033】
印刷条件テーブル220は、目標印刷物で表現される色調が印刷用紙の種類や使用するインキの種類等の印刷条件によって異なることに対応し、網100%のベタで表現される色調の色空間座標が、印刷条件の違いごとに格納されている。また、印刷物のスクリーン線数やスクリーン角度のデータも格納している。なお、色空間としてはCIELAB色空間を用い、L*、a*、b*座標の値によるデータを格納している。ただし、CIELAB色空間は、CIE 1976(L*a*b*色空間)を意味し、その座標の求め方は、JIS Z 8729−1994 の記載に従っている。目標印刷物の色空間は、CIELAB色空間ではなく、CIELUV色空間(CIE 1976L*u*v*色空間)を用いても良いし、XYZ色空間を用いても良い。
【0034】
デバイスプロファイル230は、画像形成装置に接続された出力装置から出力されるプルーフの色特性を特定するデータであり、例えば、出力装置で用いる色材の組み合わせ及びそれぞれの網%を変えた組み合わせについてカラーパッチを出力装置から出力し、それらを測色して、印刷条件テーブル220と同様に、L*a*b*色空間座標により表現したデータを組み合わせて構成されている。このデバイスプロファイルから、プルーフにおいてL*a*b*色空間座標で特定されるある色調を再現するには、どの色材をどの網%で組み合わせればよいかが特定できる。
【0035】
網点パターンテーブル240は、スクリーン線数、スクリーン角度及び網%ごとに、画素の集合で構成される網点の形成パターンを格納している。
【0036】
修正デジタル画像データ250は、デジタル画像データ210が画像形成装置によって出力装置に適するように修正されたデータである。これが出力装置に出力されてプルーフが形成される。このデータもデジタル画像データ210と同様に、出力装置で用いられる要素色レイヤごとの1と0のコードの組み合わせで構成されている。ただし、出力装置のスペックによっては、別途用意された変換テーブルを経由して、例えば2ビットのデータなどを格納して画素ごとにある程度濃度変化できるようにしてもよい。
【0037】
制御出力データテーブル260は、出力機を制御してプルーフを形成するのに必要な処理に要する各種のデータやパラメータ類が格納されている。なお、このテーブルは、単一のテーブルであってもよいし複数のテーブルの集合であってもよく、出力機のプルーフ形成方法やスペックによって変わる。
【0038】
次に、処理部100について説明する。処理部100は、条件設定部110、カラーマネジメント部120、調整色画素配置部130、要素色レイヤ合成部140、制御出力部150等からなる。
【0039】
処理部で行う処理の全体流れの概略を、図7のフローチャートを用いて説明する。まず、条件設定部110が行うS100ステップでは、印刷物のデジタル画像データ210を取り込んで、記憶部の所定のアドレスに格納する。また、目標印刷物のデジタル画像データのヘッダ部に付されている目標印刷物で用いられる印刷用紙の種類や印刷インキの種類、スクリーン線数等の印刷条件情報を読み出して印刷条件テーブル220に格納する。デジタル画像データにそのような情報が付属していない場合は、印刷条件を入力するための画面情報を記憶部200から読み出して形成装置のディスプレイに表示する。そこでマウスやキーボード等の入力デバイスから必要な印刷条件が入力されると、記憶部200の所定アドレスに格納する。なお、データの取り込みはCD−ROM等の記録媒体を経由しても良いし、LANやWAN、インターネットを介したりしても良い。また、目標印刷物や目標印刷物に対応するカラーパッチを分光測定することにより、デジタル画像データを取得するのでも良い。
【0040】
次に、図7のフローは、カラーマネジメント部120が行うS200ステップに移行する。ここでは、通常の網%の調整によるカラーマネジメントと同様にして、印刷条件テーブル220とデバイスプロファイル230とを参照しながら、出力装置におけるどの要素色の網%をどれだけ調整するかを演算する。
【0041】
次に、図7のフローは、カラーマネジメント部120の演算結果に基づいて調整色画素配置部130が行うS300ステップからS500ステップに移る。S300ステップでは、演算結果のうち、元のデジタル画像データで網%がゼロではない実網点に関するデータと、元のデジタル画像データで網%がゼロだった仮想網点に関するデータとに区分けがなされる。
【0042】
演算結果のうち実網点に関するデータは、続いてS500ステップでデジタル画像データ210について通常通りに網%が調整され、結果は図5に示したY’M’C’の各レイヤに格納される。演算結果に仮想網点に関するデータが発生した場合には、そのデータに基づき、S400ステップで仮想網点を構成する調整色画素の配置が決められ、結果は、図5に示したYv、Mv、Cvの各レイヤに区分けして格納される。ここで、最終的に得るプルーフ画像の違いにより、S400ステップの内容が異なってくる。この例を図8、9を用いて説明する。
【0043】
まず図1のプルーフ画像を得る場合を図8を使って説明する。図8のS310ステップでは、仮想網点4が発生した画像部分において、仮想網点とは異なる色の画像の網%のうち最も大きいものが選択される。続いて、S311ステップでは、その選択された色のスクリーン角度のデータと仮想網点の網%のデータとを用いて、網点パターンテーブル240から適切な網点パターンを読み出すことにより仮想網点の網点生成が行われ、仮想レイヤの画像データが得られる。
【0044】
また、図2のプルーフ画像を得る場合を図9を使って説明する。図9のS320ステップでは、S310ステップと同様に、調整色画素11が発生した画像部分において、調整色画素11とは異なる色の画像の網%のうち、最も大きいものが選択される。続いて、調整色画素11が占めるべき網%に基づいた個数の調整色画素11を、該当する画像部分全体にランダムに設ける(S321ステップ)。続いて、当該画像部分の調整色画素11をフィルタリングし、網点1内に配置されていないものの配置を取り消す(S322ステップ)。画像全体に渡って同様の処理を行って画像データを得る。
【0045】
また、図3のプルーフ画像を得る場合は、図1のプルーフ画像における仮想網点4を構成する調整色画素11のうち、100%からマゼンタの網%を差し引いた割合の個数の調整色画素において、対応するM’の版の画素のコードを、「1(発色する)」から「0(発色しない)」に書き換えるようにすればよい。
【0046】
また、図4のプルーフ画像を得る場合は、図1で用いた網点パターンとは異なり、スクリーン線数で規定される網点位置に固定して設ける網点パターンの各々に対して、固定位置の周りに揺らいだ網点パターンを複数用意しておき、それらからランダムに選択して用いるようにすればよい。
【0047】
次に、図7のフローは、要素色レイヤ合成部140が行うS600ステップに移る。ここでは、上のステップで得られたY’とYv、M’とMv、C’とCvのそれぞれのレイヤの画像を合成し、Y’’とM’’とC’’とのレイヤからなる画像データを得る。これで目的とする画像データが得られる。
【0048】
次に、形成装置に関するハードウェア構成の例を図10に示す。形成装置は通常のパーソナルコンピュータを用いて構築されている。図10は、形成装置が直接一台の出力装置560に接続されてスタンドアローンの形成システムとして構築されている例である。ここで、記憶部200はハードディスク(HD)520に格納されており、中央演算装置(CPU)500が必要なデータを随時読み出して、一時メモリ(RAM)510にストアして処理を行なう。また、各種操作を行なうためのマウスやキーボード等の入力デバイス540と、処理状況を表示するディスプレイ550が設けられている。なお、ディスプレイとは、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶表示装置などを言う。
【0049】
ここで、形成装置がサーバとして構成されており、複数の出力装置がインターネットを介してこのサーバに接続されていても良い。インターネットではなく、WAN(Wide Area Network)や専用回線で接続していても良い。
【0050】
形成装置の記憶部200は、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリや、RAMのような揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成される。
【0051】
形成装置の動作を制御面から見れば、コンピュータに実行させることによりプルーフ画像を形成させるためのプログラムとして表現できる。また、このプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として表現することもできる。なお、プログラムは、任意に分割し、分割したものをそれぞれに記憶媒体に格納することも可能である。ここで、記録媒体とは、フレキシブルディスク、光磁気ディクス、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記録装置のことを言う。
【0052】
以下、実施例によりプルーフまたはその形成方法、およびそれらにおける効果について、例を挙げて説明する。
【実施例1】
【0053】
プルーフ作成方式として、Y、M、Cの発色層をもつハロゲン化銀感光材料を用いる方式を採用し、プルーフの形成システムは、出力装置がハロゲン化銀感光材料を一定の露光量で露光し、次いで現像するタイプのものであること以外は、特に言及しない限り上記で説明したものと同様の構成のものを用いた。ハロゲン化銀感光材料としては、特開2002-341470号公報の実施例1に記載のハロゲン化銀感光材料No.101を用意した。
【0054】
また、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の3版を用いて一般的な印刷条件で印刷され、以下の三つの画像を含んでいる目標印刷物と、そのデジタル画像データとを用意した。なお、3版は、通常通りにそれぞれ異なるスクリーン角度を有している。また、スクリーン線数は同じとした。
(パッチ1)各単色の平網ステップパッチ
(パッチ2)C50%、Y15%のパッチ
(パッチ3)C50%、M5%、Y15%のパッチ
【0055】
目標印刷物のY、M、Cの各べタ色(網100%)の色彩値を目標に、ハロゲン化銀感光材料のY、M、Cの各発色層に対する露光量を決定した。また、平網ステップパッチに基づきプルーフで作成する網点のドットゲインを調整した。
【0056】
次に、デジタル画像データを用いて網%を調整し、目標印刷物の色調にプルーフの色調を合わせる通常のカラーマネジメント処理を行った。この結果、以下のように網%が変換された。パッチ2ではM6%の仮想網点が発生していることがわかる。
(パッチ2)C50%、Y15%のパッチ → C56%、M6%、Y19%
(パッチ3)C50%、M5%、Y15%のパッチ → C57%、M11%、Y18%
【0057】
この画像データのパッチ2のマゼンタに関して、シアン版と同じスクリーン角度で網点化し、これ以外は通常のスクリーン角度のままにして画像データを得た。この画像データを用い、上記の条件で上記のハロゲン化銀感光材料を露光した。
【0058】
なお、露光に用いた露光装置は、光源としてBのLEDを主走査方向に10個並べ露光のタイミングを少しづつ遅延させることによって同じ場所を10個のLEDで露光出来るように調整した。また、副走査方向にも10個のLEDを並べ隣接する10画素分の露光が1度に出来る露光ヘッドを準備した。G、Rも同様にLEDを組み合わせて露光ヘッドを準備した。各ビームの径は約10μmで、この間隔でビームを配列し、副走査のピッチは約100μmとした。1画素当たりの露光時間は約100ナノ秒であった。
【0059】
続いて、この露光済み感光材料に対し、特開2002-341470号公報の実施例1に記載の現像処理を行って試料104を得た。仮想網点の配置パターンは図1に類似していた。
【0060】
この試料104の目標印刷物との色調近似性、検版性、パッチ2とパッチ3との区別の容易さ(区別性)、粒状性、干渉ムラについて、ルーぺを使用して目視で評価を行った。評価は10段階のランク評価で行った。ランク10が最も良く、プルーフとしての実用上の下限がランク5であり、ランク5未満はプルーフとしての使用に適さないレべルである。なお、評価ランクは、評価者5人による評価の平均値を用いた。結果を表1に示す。いずれの評価項目でも優れた結果となった。
【実施例2】
【0061】
カラーマネジメント後の画像データを用いて、パッチ2のシアンの網%を3%増加し、シアンとマゼンタが重なる画素の1/2からシアン画素を除去してマゼンタとするようにして網点化した以外は、実施例1と同様にして試料105を作成した。仮想網点の配置パターンは図3に類似していた。これを実施例1と同様にして評価し、結果を表1に示した。色調近似性および粒状性について、実施例1の試料104よりさらに良好な結果となった。
【実施例3】
【0062】
カラーマネジメント後の画像データを用いて、パッチ2のマゼンタの網点を、Cのスクリーン角度およびYのスクリーン角度の両方の位置に配置して画像データを得て、これに基づいて試料106を作成した。仮想網点は、CとYの網点の両方に含まれるパターンとなった。これを実施例1と同様にして評価し、結果を表1に示した。色調近似性、検版性および粒状性のいずれについても良好な結果となった。
【実施例4】
【0063】
カラーマネジメント後の画像データを用いて、パッチ2のマゼンタの画素を、シアン網点の中に存在し、かつシアン網点の中でランダムに分布するように配置した画像データを得て、これに基づいて試料107を作成した。仮想網点の配置パターンは図2に類似していた。これを実施例1と同様にして評価し、結果を表1に示した。色調近似性、検版性および粒状性のいずれについても良好な結果となった。
【比較例1】
【0064】
実施例1において、目標印刷物のY、M、Cの各べタ色(網100%)の色彩値を目標にして決定したY、M、Cの各発色層に対する露光量のデータを用い、目標印刷物のデジタル画像データをそのまま用いて、No.101のハロゲン化銀感光材料を露光して試料101を得た。これを実施例1と同様にして評価し、結果を表1に示した。色調近似性、検版性のいずれも大きく劣る結果となった。
【比較例2】
【0065】
さらに、印刷物の平網ステップパッチに基づき、プルーフで作成する網点の網%を調整した以外は、比較例1と同様にして画像データを得て、これに基づいて試料102を作成した。これを実施例1と同様にして評価し、結果を表1に示した。色調近似性は比較例1よりも向上したものの低く、検版性も劣る結果となった。
【比較例3】
【0066】
パッチ2のマゼンタのスクリーン角度を調整せず、通常通りマゼンタのスクリーン角度のままで画像データを得た以外は、実施例1と同様にして試料103を作成した。これを実施例1と同様にして評価し、結果を表1に示した。検版性と区別性が著しく劣る結果となった。
【0067】
【表1】
【実施例5】
【0068】
目標印刷物として、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4版からなる人物および風景を含む自然画像の印刷物を用いて、デジタル画像データもこの印刷物のデータを用い、さらに網%の変換による色調整には、CMSシステム(コニカ社製ColorControl−PM、LM)により作成したプロファイルを用いた以外は、実施例1〜4の各々と同様にして試料204〜207を作成した。これらを色調近似性、検版性、粒状性、干渉ムラについて、実施例1と同様にして評価した。結果を表2に示す。実施例1〜4と同様に、いずれの試料のいずれの項目でも優れた結果となった。
【比較例4】
【0069】
目標印刷物として、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4版からなる人物および風景を含む自然画像の印刷物を用いて、デジタル画像データもこの印刷物のデータを用い、さらに網%の変換による色調整には、CMSシステム(コニカ社製ColorControl−PM、LM)により作成したプロファイルを用いた以外は、比較例1〜3の各々と同様にして試料201〜203を作成した。これらを色調近似性、検版性、粒状性、干渉ムラについて、実施例1と同様にして評価した。結果を表2に示す。比較例1〜3と同様に、いずれの試料でも劣る結果となった。
【0070】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明のプルーフの拡大画像例を示した模式図である。
【図2】本発明のプルーフの拡大画像の他の例を示した模式図である。
【図3】本発明のプルーフの拡大画像のさらに他の例を示した模式図である。
【図4】本発明のプルーフの拡大画像のさらに他の例を示した模式図である。
【図5】画像形成装置における処理の概念を示した概念図である。
【図6】画像形成装置を制御面から見た概略ブロック図である。
【図7】画像形成の全体流れを示した概略フローチャートである。
【図8】調整色画素の配置フローの1例の概略フローチャートである。
【図9】調整色画素の配置フローの他の例の概略フローチャートである。
【図10】画像成形装置のハードウェアの概略を示したブロック図である。
【図11】従来のプルーフの拡大画像例を示した模式図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物の仕上がりを事前に確認するプルーフの面積階調画像に関するものであり、詳しくは、印刷インキや印刷用紙による表現される色調と、プルーフ画像を形成する色材の違いに基づく印刷物とプルーフとの色差の補正を、プルーフにおける網点のドットゲイン調整(若しくは網点面積率の調整)により行ったプルーフ、その面積階調画像を形成する装置、画像の形成プログラム、または画像形成方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
多色刷り印刷物では、プロセスカラーと呼ばれるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、墨またはブラック(K)さらには特色インキ等の各種インキを刷り重ねることにより多くの色を表現する。この刷り重ねの際には、それぞれ異なるスクリーン角度で版を重ねることで、モアレパターン等の発生を防止している。例えば、シアン版を15°、マゼンタ版を45°、ブラック版を75°、イエロー版を90°等としている。また、色の階調表現には、スクリーン線数により密度が規定されるいわゆる網点が用いられて面積階調画像を構成し、これらにより自然な階調画像を表現している。
【0003】
このような多色刷り印刷物の本印刷を行う前には、印刷物の色再現の状況や内容をあらかじめ確認するためのいわゆるプルーフが作成される。昨今、プルーフは、印刷物のデジタルデータを直接用いて、昇華型や熱転写型の色材を用いる方式、インクジェット方式や電子写真方式、ハロゲン化銀感光材料を用いる方式等の種々の方式によって作成される。いずれの方式を用いる場合でも、印刷物で表現される色調にプルーフの色調を合わせることが必要であるし、網点の有無や形も正確に再現できることが求められる。
【0004】
さて、上記のごとき種々の方式で作成されるプルーフでは、通常、網点をさらに小さな単位(以下、これを画素という)に分割し、この画素の集合により網点を再現する。例えば、印刷物における1つの網点を、プルーフでは100個の画素が集合して構成する場合に、そのうちの50個の画素に色をもたせることにより、網点面積率(以下、網%と略記することがある)が50%の網点を形成することができる。
【0005】
また、印刷インキとプルーフの色材との色調のずれや、印刷用紙による色調の変化の再現等の色調の微妙な調整に関しては、プルーフの網点のドットゲインまたは網%を調整して行うことも多い。具体的には、プルーフの網点の大きさを印刷物の網点の本来の大きさとは異なる大きさにしたり、または、目標となる印刷物では存在しないはずの網点の網%を、ゼロから増大させた網点(以下、これを仮想網点という)を発生せしめたりすることにより、色調の調整が行われる方法が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。また、印刷物において特色インキが用いられた場合にもまったく同様の状況が発生し、その色調をプルーフにおいて再現するために、上記と同様な解決方法が採用されている。
【0006】
このような従来の面積階調画像の拡大例を図11に示す。図11では、目標印刷物にも設けられている画素11からなるマゼンタの網点1(以下、このように目標印刷物に実在する網点を実網点という)が、スクリーン角度45°で網50%となるように設けられている。また、目標印刷物の画像にはなかったシアンの仮想網点2および3が、色調整によってシアン版の網%を調整することにより発生している。これらの仮想網点は、シアン版の網点として発生しているから、スクリーン角度はシアン版に設定されたスクリーン角度の15°である。なお、仮想網点2は印刷用紙の白の上に配置されており、その色調整画素12はシアンの色である。しかし、仮想網点3はマゼンタの実網点上に配置されており、その色調整画素13はシアンとマゼンタの重なり色となる。
【0007】
しかし、このような方法では、プルーフの色調調整に関しては良好な結果が得られるが、元の印刷物の画像データには存在しない色の仮想網点が、色調整の結果としてプルーフ上に発生する場合が生じ、しかもこの仮想網点は、元の印刷版に存在しないことを除けば、実網点とまったく同じで区別できない。そのため、プルーフの検版性が著しく損なわれる結果となる。例えば、ある網点がプルーフ画像にのみ存在して印刷版に存在しないという場合に、その網点が印刷版の製作上の不具合の結果発生したものか、または、色調整で発生した仮想網点なのかの区別が付かず、プルーフの出力結果だけを参照して印刷版の検査を行うのは困難であった。そのため、校正者が本来の画像データには存在しない色版の網点に対する修正を行ってしまい、かえって他の部分の色調を損ねる結果になる場合もあった。特に昨今、デジタル化によりフィルムのような中間出力物がない場合が増えており、プルーフに基づいて十分な校正が行えると同時に、必要な修正の方向が見出せることが重要となっている。
【特許文献1】特開平3−158075号公報
【特許文献2】特開2000−278547号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
プルーフの面積階調画像を構成する網点の網%を変更して色調の調整を行うにもかかわらず、検版性にすぐれたプルーフ及び、そのようなプルーフが得られる面積階調画像の形成装置、画像の形成方法、画像形成プログラム等を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の第一は、複数の色の網点階調画像を担持した多色刷り印刷物のプルーフであって、前記プルーフの画像は画素の集合により構成されており、前記プルーフ画像の色調は、前記の網点階調画像の網点面積率の調整により調整されており、かつ前記調整により網点面積率がゼロ%から増加すべき色を反映した色調の色調整画素が発生した場合に、前記増加すべき色の網点階調画像が本来有するスクリーン角度と区別できる異なったスクリーン角度で、前記色調整画素が配置されていることを特徴とするプルーフである。
【0010】
ここで、前記の異なったスクリーン角度が、前記増加すべき色と異なる色であって前記色調整の前後を通して網%がゼロではないいずれかの網点階調画像と同じスクリーン角度とすることは好ましい。また、前記色調整画素が、前記の網%がゼロではない網点階調画像の実網点内に配置されていることは好ましい。また、前記の網%がゼロではない網点階調画像が、最も網%が大きい画像であることは好ましい。また、前記色調整画素が、前記実網点内にランダムに配置されていることは好ましい。また、前記色調整画素の集合が構成する仮想網点が、前記実網点内にランダムか若しくは前記実網点と異なる周期で配置されていることは好ましい。また、前記色調整画素の色調が、前記増加すべき色と前記実網点の色との混色による色調であることは好ましい。また、前記色調整後の前記実網点内に配置された前記色調整画素を、前記実網点の網%に基づいて、前記増加すべき色と前記実網点の色との混色による色調の画素と、前記増加すべき色の画素とに区分けされていることは好ましい。
【0011】
発明の第二は、複数の色の網点階調画像を担持した多色刷り印刷物のプルーフ画像の形成装置であって、前記網点階調画像の網点面積率の調整により色調整を指示するカラーマネジメント手段と、前記指示により網点面積率がゼロ%から増加すべき色の色調整画素が発生した場合に、前記増加すべき色の網点階調画像が本来有するスクリーン角度と区別できる異なったスクリーン角度で、前記色調整画素が配置される配置手段とを備えることを特徴とする画像形成装置である。
【0012】
ここで、前記配置手段が、前記色調整画素を、前記色調整の前後を通して網%がゼロではないいずれかの網点階調画像と同じスクリーン線数かつ同じスクリーン角度で配置することは好ましい。
【0013】
発明の第三は、発明の第二に記載の画像形成装置に加え、前記画像形成装置により形成されたプルーフ画像に基づいて、ハロゲン化銀感光材料を露光する手段を備えることを特徴とするプルーフの形成システムである。
【0014】
発明の第四は、複数の色の網点階調画像を担持した多色刷り印刷物のプルーフ画像をコンピュータに形成させるためのプログラムであって、前記網点階調画像の網点面積率の調整により色調整を指示するカラーマネジメント機能と、前記指示により網点面積率がゼロ%から増加すべき色の色調整画素が発生した場合に、前記増加すべき色の網点階調画像が本来有するスクリーン角度と区別できる異なったスクリーン角度で、前記色調整画素が配置される配置機能とを備えることを特徴とするプログラムである。
【0015】
発明の第五は、発明の第四に記載のプログラムを格納したコンピュータ読取可能な記録媒体である。
【0016】
発明の第六は、複数の色の網点階調画像を担持した多色刷り印刷物のプルーフ画像の形成方法であって、前記網点階調画像の網点面積率の調整により色調整を指示するカラーマネジメントを行った後、前記指示により網点面積率がゼロ%から増加すべき色の色調整画素が発生した場合に、前記色調整画素を、前記増加すべき色の網点階調画像が本来有するスクリーン角度と区別できる異なったスクリーン角度で、前記色調整画素を配置することを特徴とする画像形成方法である。
【発明の効果】
【0017】
網点のドットゲイン若しくは網%を調整することにより色調調整を行う場合でも、色調整により発生した仮想の網点と本来の網点とを区別することが可能となり、しかも、色調調整の結果には影響を与えない面積階調画像のプルーフが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を用いて説明するが、本発明は、以下の実施の形態または実施例に記載された具体的態様に限定されるものではない。まず、図1は、従来技術である図11の面積階調画像と同じ部分について、改良されたプルーフの面積階調画像の1例を示したものである。図1の画像では、マゼンタの実網点は図11と同様であるが、目標印刷物には元々無かったシアンの仮想網点4が、マゼンタ網点と同じスクリーン線数で、かつ同じスクリーン角度45°を有するように配置されており、その結果、全部の仮想網点4がマゼンタの網点の中にある。また、仮想網点4の画素11の色は、シアンとマゼンタの重なり色であるグリーンである。
【0019】
この図1のようにシアンの仮想網点を配置すると、シアンの実網点がシアン版のスクリーン角度15°に従って並べられるのとは異なったスクリーン角度45°で、シアンの網点が存在することになる。そのため、プルーフ画像に存在するこれらシアンの網点が、目標印刷物に本来存在している実網点なのか、存在していない仮想網点なのかが直ちに判別できる。
【0020】
なお、元々目標印刷物に存在している実網点の網%が、色調整の結果変化した場合には、その増減分は、シアンの実網点の網%を変化させて表現すればよく、その増減分の画素に関するスクリーン角度はシアン版の本来のスクリーン角度と同じにすればよい。
【0021】
このように、図1のプルーフでは、目標印刷物に本来存在しない仮想網点が色調整により発生した場合には、その仮想網点を、その色の版が本来有するスクリーン角度と異なる角度を有するようにして表現する。そのため、両者を容易に区別できるようになる。また、この例では、目標印刷物にすでに存在している他の色の実網点と同じスクリーン線数、同じスクリーン角度を持つようにしているので、その結果、その他の色の実網点の中に仮想網点が埋め込まれるようにして配置されることになる。これにより、仮想網点が実網点であるかのような外観を呈することもなくなり、検版性がより向上する。
【0022】
図2は、図1の画像で仮想網点4を構成する色調整画素11が、すでに存在している他の色の実網点であるマゼンタの網点1の中に、ランダムに配置されている例である。このようにすることにより、予期せぬモアレパターンのような干渉ムラの発生を防止することができる。
【0023】
図3は、図1のプルーフ画像と図11の画像の中間的なプルーフ画像の例である。図1の画像では、すべての色調整画素11の色調はシアンとマゼンタの重なり色のブルーである。しかし、図11では、マゼンタの網%に応じてシアンのままであったり、ブルーであったりしている。色調整においては図11のように一部をシアンのままにした方が良い場合もあるため、図3の例では、色調整画素11の色調を、色調整画素11の全個数に仮網点を埋め込んだマゼンタの網%を乗じた個数についてはブルーとし、残りはシアンとするようにしている。なお、このようにした場合にはマゼンタの網点の画素数が減少するので、その分マゼンタの網%を増加するようにしても良い。
【0024】
図4は、図1の画像において、仮想網点6をマゼンタ網点1の内部にとどめた状態で、仮想網点6の位置にランダムな揺らぎを与えた例である。このようにすることによりモアレパターン等の予期せぬ干渉ムラの発生を防止することができる。また、この位置は、マゼンタ網点と異なる周期を有するようにして揺らぎを与えても良い。
【0025】
これらのようなプルーフは、従来知られている各種の方法で得ることができる。昇華型や熱転写型の色材を用いる方式でもよいし、インクジェット方式や電子写真方式、さらにはハロゲン化銀感光材料を用いる方式であってもよく、特に制限されない。しかし、特に色材が有する濃度が固定しているか若しくは変化可能であってもそのとれる段階が比較的少なく、連続的に変化しているとまでは言えない方式に適する。特に色材の濃度が1点に固定している方式に最も好ましい。
【0026】
次に、これらのプルーフ画像を形成する画像形成装置について図面を用いて説明するが、最初に、画像形成装置における処理の概念について図5を用いて説明する。図5では、調整前画像データとして、YMCKの4版を用いた目標印刷物のビットマップデータが、YMCKの4層のレイヤを有するものとして描かれている。なお、それぞれのレイヤの画像は、通常通り互いに区別できる異なるスクリーン角度を有するものとし、スクリーン線数は同じとする。特色版を含める場合はそのレイヤが増加するだけである。それぞれのレイヤには、分版された面積階調画像が載っている。このデータを用い、印刷条件とプルーフ作成装置のデバイスプロファイルとに基づいて、網%を調整することにより色調整する。また、プルーフ作成装置は、プルーフ作成装置で網100%の場合にそれぞれの色材が単独で表現できることができる色(以下、この色を要素色という)として、YMCの三つであるとしている。これら三つの要素色が三つのレイヤにより表されるものとする。より多くの要素色を使用する場合であっても、レイヤの数が増えるだけで説明は同じである。
【0027】
まず、色調整の際には、元のビットマップデータに存在した網点に関しては、従来の色調整方法と同様にして網%を増減したデータを作成して、これらをY’M’C’の三つのレイヤとする。
【0028】
さて、色調整をした際、元のビットマップデータに無かった色の網%がゼロから増加して色調整画素または仮想網点が発生した場合は、これらのデータは、Y’M’C’の三つのレイヤに対応して別個に設けられたYv、Mv、Cvの三つの仮想レイヤを構成するものとする。その際、それらの色調整画素または仮想網点は、この例ではY’M’C’のうち最も網%が大きい網点階調画像のスクリーン角度と同じスクリーン角度を有するようにして、その網点階調画像の網点の中に配置する。ここで、網%は画像の場所によって変化するから場所ごとに最も網%が大きい網点階調画像も異なる。そのため、三つの仮想レイヤのそれぞれで、異なるスクリーン角度を有する画像がモザイクのように集合してそれぞれのレイヤを構成することになる。なお、網%の最も大きい網点だけではなく、同時に存在する他の網%の網点にも網%に応じて仮想網点を分配しても良い。さらに、このような複雑な処理をさけたい場合は、画像全体を平均して、仮想網点の色を除く色の画像のうち、最も網%が大きい画像と同じスクリーン角度となるように、それぞれの仮想網点のスクリーン角度をあらかじめ設定してしまっても良い。
【0029】
次に、Y’とYv、M’とMv、C’とCvの画像をそれぞれ合成し、Y’’とM’’とC’’とのレイヤからなる画像データを得る。これで、デバイスプロファイルを用いた色調整と同時に、仮想網点を区別できるプルーフ画像を形成する処理が終了する。このY’’M’’C’’のレイヤからなる画像データを所定の出力装置に出力してプルーフを得ることができる。
【0030】
このように、必要な要素色の数だけの仮想レイヤを従来のレイヤとは別個に設けることにより、色は同じであるがスクリーン線数が異なる画像データを、実網点のデータとは別個独立に取り扱うことが可能となる。そして、その後に同じ色どうしで合成することにより、図1から4に記載したようなプルーフ画像を形成できるようになる。
【0031】
次に、このような処理を行う画像形成装置の具体的構成について説明する。図6は、画像形成装置の1例を制御面から見たブロック図である。まず、記憶部200から説明する。記憶部200には、印刷物のデジタル画像データ210、印刷条件テーブル220、デバイスプロファイル230、網点パターンテーブル240、修正されたデジタル画像デー250、制御出力データテーブル260、その他、装置制御に必要な画面情報等が格納されている。
【0032】
まず、印刷物のデジタル画像データ210は、ラスタライズされたビットマップデータであって、全体をn個の画素に分割して各画素ごとに、印刷物で使用されるインキ若しくは版ごとに刷り重ねが行なわれるか否かが、「1」(刷り重ねる)と「0」(刷り重ねない)のコードで表現されている。使用されるインキまたは版は、CMYKのプロセスカラーだけであっても特色を加えてもよい。
【0033】
印刷条件テーブル220は、目標印刷物で表現される色調が印刷用紙の種類や使用するインキの種類等の印刷条件によって異なることに対応し、網100%のベタで表現される色調の色空間座標が、印刷条件の違いごとに格納されている。また、印刷物のスクリーン線数やスクリーン角度のデータも格納している。なお、色空間としてはCIELAB色空間を用い、L*、a*、b*座標の値によるデータを格納している。ただし、CIELAB色空間は、CIE 1976(L*a*b*色空間)を意味し、その座標の求め方は、JIS Z 8729−1994 の記載に従っている。目標印刷物の色空間は、CIELAB色空間ではなく、CIELUV色空間(CIE 1976L*u*v*色空間)を用いても良いし、XYZ色空間を用いても良い。
【0034】
デバイスプロファイル230は、画像形成装置に接続された出力装置から出力されるプルーフの色特性を特定するデータであり、例えば、出力装置で用いる色材の組み合わせ及びそれぞれの網%を変えた組み合わせについてカラーパッチを出力装置から出力し、それらを測色して、印刷条件テーブル220と同様に、L*a*b*色空間座標により表現したデータを組み合わせて構成されている。このデバイスプロファイルから、プルーフにおいてL*a*b*色空間座標で特定されるある色調を再現するには、どの色材をどの網%で組み合わせればよいかが特定できる。
【0035】
網点パターンテーブル240は、スクリーン線数、スクリーン角度及び網%ごとに、画素の集合で構成される網点の形成パターンを格納している。
【0036】
修正デジタル画像データ250は、デジタル画像データ210が画像形成装置によって出力装置に適するように修正されたデータである。これが出力装置に出力されてプルーフが形成される。このデータもデジタル画像データ210と同様に、出力装置で用いられる要素色レイヤごとの1と0のコードの組み合わせで構成されている。ただし、出力装置のスペックによっては、別途用意された変換テーブルを経由して、例えば2ビットのデータなどを格納して画素ごとにある程度濃度変化できるようにしてもよい。
【0037】
制御出力データテーブル260は、出力機を制御してプルーフを形成するのに必要な処理に要する各種のデータやパラメータ類が格納されている。なお、このテーブルは、単一のテーブルであってもよいし複数のテーブルの集合であってもよく、出力機のプルーフ形成方法やスペックによって変わる。
【0038】
次に、処理部100について説明する。処理部100は、条件設定部110、カラーマネジメント部120、調整色画素配置部130、要素色レイヤ合成部140、制御出力部150等からなる。
【0039】
処理部で行う処理の全体流れの概略を、図7のフローチャートを用いて説明する。まず、条件設定部110が行うS100ステップでは、印刷物のデジタル画像データ210を取り込んで、記憶部の所定のアドレスに格納する。また、目標印刷物のデジタル画像データのヘッダ部に付されている目標印刷物で用いられる印刷用紙の種類や印刷インキの種類、スクリーン線数等の印刷条件情報を読み出して印刷条件テーブル220に格納する。デジタル画像データにそのような情報が付属していない場合は、印刷条件を入力するための画面情報を記憶部200から読み出して形成装置のディスプレイに表示する。そこでマウスやキーボード等の入力デバイスから必要な印刷条件が入力されると、記憶部200の所定アドレスに格納する。なお、データの取り込みはCD−ROM等の記録媒体を経由しても良いし、LANやWAN、インターネットを介したりしても良い。また、目標印刷物や目標印刷物に対応するカラーパッチを分光測定することにより、デジタル画像データを取得するのでも良い。
【0040】
次に、図7のフローは、カラーマネジメント部120が行うS200ステップに移行する。ここでは、通常の網%の調整によるカラーマネジメントと同様にして、印刷条件テーブル220とデバイスプロファイル230とを参照しながら、出力装置におけるどの要素色の網%をどれだけ調整するかを演算する。
【0041】
次に、図7のフローは、カラーマネジメント部120の演算結果に基づいて調整色画素配置部130が行うS300ステップからS500ステップに移る。S300ステップでは、演算結果のうち、元のデジタル画像データで網%がゼロではない実網点に関するデータと、元のデジタル画像データで網%がゼロだった仮想網点に関するデータとに区分けがなされる。
【0042】
演算結果のうち実網点に関するデータは、続いてS500ステップでデジタル画像データ210について通常通りに網%が調整され、結果は図5に示したY’M’C’の各レイヤに格納される。演算結果に仮想網点に関するデータが発生した場合には、そのデータに基づき、S400ステップで仮想網点を構成する調整色画素の配置が決められ、結果は、図5に示したYv、Mv、Cvの各レイヤに区分けして格納される。ここで、最終的に得るプルーフ画像の違いにより、S400ステップの内容が異なってくる。この例を図8、9を用いて説明する。
【0043】
まず図1のプルーフ画像を得る場合を図8を使って説明する。図8のS310ステップでは、仮想網点4が発生した画像部分において、仮想網点とは異なる色の画像の網%のうち最も大きいものが選択される。続いて、S311ステップでは、その選択された色のスクリーン角度のデータと仮想網点の網%のデータとを用いて、網点パターンテーブル240から適切な網点パターンを読み出すことにより仮想網点の網点生成が行われ、仮想レイヤの画像データが得られる。
【0044】
また、図2のプルーフ画像を得る場合を図9を使って説明する。図9のS320ステップでは、S310ステップと同様に、調整色画素11が発生した画像部分において、調整色画素11とは異なる色の画像の網%のうち、最も大きいものが選択される。続いて、調整色画素11が占めるべき網%に基づいた個数の調整色画素11を、該当する画像部分全体にランダムに設ける(S321ステップ)。続いて、当該画像部分の調整色画素11をフィルタリングし、網点1内に配置されていないものの配置を取り消す(S322ステップ)。画像全体に渡って同様の処理を行って画像データを得る。
【0045】
また、図3のプルーフ画像を得る場合は、図1のプルーフ画像における仮想網点4を構成する調整色画素11のうち、100%からマゼンタの網%を差し引いた割合の個数の調整色画素において、対応するM’の版の画素のコードを、「1(発色する)」から「0(発色しない)」に書き換えるようにすればよい。
【0046】
また、図4のプルーフ画像を得る場合は、図1で用いた網点パターンとは異なり、スクリーン線数で規定される網点位置に固定して設ける網点パターンの各々に対して、固定位置の周りに揺らいだ網点パターンを複数用意しておき、それらからランダムに選択して用いるようにすればよい。
【0047】
次に、図7のフローは、要素色レイヤ合成部140が行うS600ステップに移る。ここでは、上のステップで得られたY’とYv、M’とMv、C’とCvのそれぞれのレイヤの画像を合成し、Y’’とM’’とC’’とのレイヤからなる画像データを得る。これで目的とする画像データが得られる。
【0048】
次に、形成装置に関するハードウェア構成の例を図10に示す。形成装置は通常のパーソナルコンピュータを用いて構築されている。図10は、形成装置が直接一台の出力装置560に接続されてスタンドアローンの形成システムとして構築されている例である。ここで、記憶部200はハードディスク(HD)520に格納されており、中央演算装置(CPU)500が必要なデータを随時読み出して、一時メモリ(RAM)510にストアして処理を行なう。また、各種操作を行なうためのマウスやキーボード等の入力デバイス540と、処理状況を表示するディスプレイ550が設けられている。なお、ディスプレイとは、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶表示装置などを言う。
【0049】
ここで、形成装置がサーバとして構成されており、複数の出力装置がインターネットを介してこのサーバに接続されていても良い。インターネットではなく、WAN(Wide Area Network)や専用回線で接続していても良い。
【0050】
形成装置の記憶部200は、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリや、RAMのような揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成される。
【0051】
形成装置の動作を制御面から見れば、コンピュータに実行させることによりプルーフ画像を形成させるためのプログラムとして表現できる。また、このプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として表現することもできる。なお、プログラムは、任意に分割し、分割したものをそれぞれに記憶媒体に格納することも可能である。ここで、記録媒体とは、フレキシブルディスク、光磁気ディクス、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記録装置のことを言う。
【0052】
以下、実施例によりプルーフまたはその形成方法、およびそれらにおける効果について、例を挙げて説明する。
【実施例1】
【0053】
プルーフ作成方式として、Y、M、Cの発色層をもつハロゲン化銀感光材料を用いる方式を採用し、プルーフの形成システムは、出力装置がハロゲン化銀感光材料を一定の露光量で露光し、次いで現像するタイプのものであること以外は、特に言及しない限り上記で説明したものと同様の構成のものを用いた。ハロゲン化銀感光材料としては、特開2002-341470号公報の実施例1に記載のハロゲン化銀感光材料No.101を用意した。
【0054】
また、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の3版を用いて一般的な印刷条件で印刷され、以下の三つの画像を含んでいる目標印刷物と、そのデジタル画像データとを用意した。なお、3版は、通常通りにそれぞれ異なるスクリーン角度を有している。また、スクリーン線数は同じとした。
(パッチ1)各単色の平網ステップパッチ
(パッチ2)C50%、Y15%のパッチ
(パッチ3)C50%、M5%、Y15%のパッチ
【0055】
目標印刷物のY、M、Cの各べタ色(網100%)の色彩値を目標に、ハロゲン化銀感光材料のY、M、Cの各発色層に対する露光量を決定した。また、平網ステップパッチに基づきプルーフで作成する網点のドットゲインを調整した。
【0056】
次に、デジタル画像データを用いて網%を調整し、目標印刷物の色調にプルーフの色調を合わせる通常のカラーマネジメント処理を行った。この結果、以下のように網%が変換された。パッチ2ではM6%の仮想網点が発生していることがわかる。
(パッチ2)C50%、Y15%のパッチ → C56%、M6%、Y19%
(パッチ3)C50%、M5%、Y15%のパッチ → C57%、M11%、Y18%
【0057】
この画像データのパッチ2のマゼンタに関して、シアン版と同じスクリーン角度で網点化し、これ以外は通常のスクリーン角度のままにして画像データを得た。この画像データを用い、上記の条件で上記のハロゲン化銀感光材料を露光した。
【0058】
なお、露光に用いた露光装置は、光源としてBのLEDを主走査方向に10個並べ露光のタイミングを少しづつ遅延させることによって同じ場所を10個のLEDで露光出来るように調整した。また、副走査方向にも10個のLEDを並べ隣接する10画素分の露光が1度に出来る露光ヘッドを準備した。G、Rも同様にLEDを組み合わせて露光ヘッドを準備した。各ビームの径は約10μmで、この間隔でビームを配列し、副走査のピッチは約100μmとした。1画素当たりの露光時間は約100ナノ秒であった。
【0059】
続いて、この露光済み感光材料に対し、特開2002-341470号公報の実施例1に記載の現像処理を行って試料104を得た。仮想網点の配置パターンは図1に類似していた。
【0060】
この試料104の目標印刷物との色調近似性、検版性、パッチ2とパッチ3との区別の容易さ(区別性)、粒状性、干渉ムラについて、ルーぺを使用して目視で評価を行った。評価は10段階のランク評価で行った。ランク10が最も良く、プルーフとしての実用上の下限がランク5であり、ランク5未満はプルーフとしての使用に適さないレべルである。なお、評価ランクは、評価者5人による評価の平均値を用いた。結果を表1に示す。いずれの評価項目でも優れた結果となった。
【実施例2】
【0061】
カラーマネジメント後の画像データを用いて、パッチ2のシアンの網%を3%増加し、シアンとマゼンタが重なる画素の1/2からシアン画素を除去してマゼンタとするようにして網点化した以外は、実施例1と同様にして試料105を作成した。仮想網点の配置パターンは図3に類似していた。これを実施例1と同様にして評価し、結果を表1に示した。色調近似性および粒状性について、実施例1の試料104よりさらに良好な結果となった。
【実施例3】
【0062】
カラーマネジメント後の画像データを用いて、パッチ2のマゼンタの網点を、Cのスクリーン角度およびYのスクリーン角度の両方の位置に配置して画像データを得て、これに基づいて試料106を作成した。仮想網点は、CとYの網点の両方に含まれるパターンとなった。これを実施例1と同様にして評価し、結果を表1に示した。色調近似性、検版性および粒状性のいずれについても良好な結果となった。
【実施例4】
【0063】
カラーマネジメント後の画像データを用いて、パッチ2のマゼンタの画素を、シアン網点の中に存在し、かつシアン網点の中でランダムに分布するように配置した画像データを得て、これに基づいて試料107を作成した。仮想網点の配置パターンは図2に類似していた。これを実施例1と同様にして評価し、結果を表1に示した。色調近似性、検版性および粒状性のいずれについても良好な結果となった。
【比較例1】
【0064】
実施例1において、目標印刷物のY、M、Cの各べタ色(網100%)の色彩値を目標にして決定したY、M、Cの各発色層に対する露光量のデータを用い、目標印刷物のデジタル画像データをそのまま用いて、No.101のハロゲン化銀感光材料を露光して試料101を得た。これを実施例1と同様にして評価し、結果を表1に示した。色調近似性、検版性のいずれも大きく劣る結果となった。
【比較例2】
【0065】
さらに、印刷物の平網ステップパッチに基づき、プルーフで作成する網点の網%を調整した以外は、比較例1と同様にして画像データを得て、これに基づいて試料102を作成した。これを実施例1と同様にして評価し、結果を表1に示した。色調近似性は比較例1よりも向上したものの低く、検版性も劣る結果となった。
【比較例3】
【0066】
パッチ2のマゼンタのスクリーン角度を調整せず、通常通りマゼンタのスクリーン角度のままで画像データを得た以外は、実施例1と同様にして試料103を作成した。これを実施例1と同様にして評価し、結果を表1に示した。検版性と区別性が著しく劣る結果となった。
【0067】
【表1】
【実施例5】
【0068】
目標印刷物として、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4版からなる人物および風景を含む自然画像の印刷物を用いて、デジタル画像データもこの印刷物のデータを用い、さらに網%の変換による色調整には、CMSシステム(コニカ社製ColorControl−PM、LM)により作成したプロファイルを用いた以外は、実施例1〜4の各々と同様にして試料204〜207を作成した。これらを色調近似性、検版性、粒状性、干渉ムラについて、実施例1と同様にして評価した。結果を表2に示す。実施例1〜4と同様に、いずれの試料のいずれの項目でも優れた結果となった。
【比較例4】
【0069】
目標印刷物として、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4版からなる人物および風景を含む自然画像の印刷物を用いて、デジタル画像データもこの印刷物のデータを用い、さらに網%の変換による色調整には、CMSシステム(コニカ社製ColorControl−PM、LM)により作成したプロファイルを用いた以外は、比較例1〜3の各々と同様にして試料201〜203を作成した。これらを色調近似性、検版性、粒状性、干渉ムラについて、実施例1と同様にして評価した。結果を表2に示す。比較例1〜3と同様に、いずれの試料でも劣る結果となった。
【0070】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明のプルーフの拡大画像例を示した模式図である。
【図2】本発明のプルーフの拡大画像の他の例を示した模式図である。
【図3】本発明のプルーフの拡大画像のさらに他の例を示した模式図である。
【図4】本発明のプルーフの拡大画像のさらに他の例を示した模式図である。
【図5】画像形成装置における処理の概念を示した概念図である。
【図6】画像形成装置を制御面から見た概略ブロック図である。
【図7】画像形成の全体流れを示した概略フローチャートである。
【図8】調整色画素の配置フローの1例の概略フローチャートである。
【図9】調整色画素の配置フローの他の例の概略フローチャートである。
【図10】画像成形装置のハードウェアの概略を示したブロック図である。
【図11】従来のプルーフの拡大画像例を示した模式図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の色の網点階調画像を担持した多色刷り印刷物のプルーフであって、前記プルーフの画像は画素の集合により構成されており、前記プルーフ画像の色調は、前記の網点階調画像の網点面積率の調整により調整されており、かつ前記調整により網点面積率がゼロ%から増加すべき色を反映した色調の色調整画素が発生した場合に、前記増加すべき色の網点階調画像が本来有するスクリーン角度と区別できる異なったスクリーン角度で、前記色調整画素が配置されていることを特徴とするプルーフ。
【請求項2】
前記の異なったスクリーン角度が、前記増加すべき色と異なる色であって前記色調整の前後を通して網%がゼロではないいずれかの網点階調画像と同じスクリーン角度であることを特徴とするプルーフ。
【請求項3】
前記色調整画素が、前記の網%がゼロではない網点階調画像の実網点内に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のプルーフ。
【請求項4】
前記の網%がゼロではない網点階調画像が、最も網%が大きい画像であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のプルーフ。
【請求項5】
前記色調整画素が、前記実網点内にランダムに配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のプルーフ。
【請求項6】
前記色調整画素の集合が構成する仮想網点が、前記実網点内にランダムか若しくは前記実網点と異なる周期で配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のプルーフ。
【請求項7】
前記色調整画素の色調が、前記増加すべき色と前記実網点の色との混色による色調であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のプルーフ。
【請求項8】
前記色調整後の前記実網点内に配置された前記色調整画素を、前記実網点の網%に基づいて、前記増加すべき色と前記実網点の色との混色による色調の画素と、前記増加すべき色の画素とに区分けされていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のプルーフ。
【請求項9】
複数の色の網点階調画像を担持した多色刷り印刷物のプルーフ画像の形成装置であって、前記網点階調画像の網点面積率の調整により色調整を指示するカラーマネジメント手段と、前記指示により網点面積率がゼロ%から増加すべき色の色調整画素が発生した場合に、前記増加すべき色の網点階調画像が本来有するスクリーン角度と区別できる異なったスクリーン角度で、前記色調整画素が配置される配置手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
前記配置手段が、前記色調整画素を、前記色調整の前後を通して網%がゼロではないいずれかの網点階調画像と同じスクリーン線数かつ同じスクリーン角度で配置することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
請求項9または10に記載の画像形成装置に加え、前記画像形成装置により形成されたプルーフ画像に基づいて、ハロゲン化銀感光材料を露光する手段を備えることを特徴とするプルーフの形成システム。
【請求項12】
複数の色の網点階調画像を担持した多色刷り印刷物のプルーフ画像をコンピュータに形成させるためのプログラムであって、前記網点階調画像の網点面積率の調整により色調整を指示するカラーマネジメント機能と、前記指示により網点面積率がゼロ%から増加すべき色の色調整画素が発生した場合に、前記増加すべき色の網点階調画像が本来有するスクリーン角度と区別できる異なったスクリーン角度で、前記色調整画素が配置される配置機能とを備えることを特徴とするプログラム。
【請求項13】
請求項12に記載のプログラムを格納したコンピュータ読取可能な記録媒体。
【請求項14】
複数の色の網点階調画像を担持した多色刷り印刷物のプルーフ画像の形成方法であって、前記網点階調画像の網点面積率の調整により色調整を指示するカラーマネジメントを行った後、前記指示により網点面積率がゼロ%から増加すべき色の色調整画素が発生した場合に、前記色調整画素を、前記増加すべき色の網点階調画像が本来有するスクリーン角度と区別できる異なったスクリーン角度で、前記色調整画素を配置することを特徴とする画像形成方法。
【請求項1】
複数の色の網点階調画像を担持した多色刷り印刷物のプルーフであって、前記プルーフの画像は画素の集合により構成されており、前記プルーフ画像の色調は、前記の網点階調画像の網点面積率の調整により調整されており、かつ前記調整により網点面積率がゼロ%から増加すべき色を反映した色調の色調整画素が発生した場合に、前記増加すべき色の網点階調画像が本来有するスクリーン角度と区別できる異なったスクリーン角度で、前記色調整画素が配置されていることを特徴とするプルーフ。
【請求項2】
前記の異なったスクリーン角度が、前記増加すべき色と異なる色であって前記色調整の前後を通して網%がゼロではないいずれかの網点階調画像と同じスクリーン角度であることを特徴とするプルーフ。
【請求項3】
前記色調整画素が、前記の網%がゼロではない網点階調画像の実網点内に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のプルーフ。
【請求項4】
前記の網%がゼロではない網点階調画像が、最も網%が大きい画像であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のプルーフ。
【請求項5】
前記色調整画素が、前記実網点内にランダムに配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のプルーフ。
【請求項6】
前記色調整画素の集合が構成する仮想網点が、前記実網点内にランダムか若しくは前記実網点と異なる周期で配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のプルーフ。
【請求項7】
前記色調整画素の色調が、前記増加すべき色と前記実網点の色との混色による色調であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のプルーフ。
【請求項8】
前記色調整後の前記実網点内に配置された前記色調整画素を、前記実網点の網%に基づいて、前記増加すべき色と前記実網点の色との混色による色調の画素と、前記増加すべき色の画素とに区分けされていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のプルーフ。
【請求項9】
複数の色の網点階調画像を担持した多色刷り印刷物のプルーフ画像の形成装置であって、前記網点階調画像の網点面積率の調整により色調整を指示するカラーマネジメント手段と、前記指示により網点面積率がゼロ%から増加すべき色の色調整画素が発生した場合に、前記増加すべき色の網点階調画像が本来有するスクリーン角度と区別できる異なったスクリーン角度で、前記色調整画素が配置される配置手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
前記配置手段が、前記色調整画素を、前記色調整の前後を通して網%がゼロではないいずれかの網点階調画像と同じスクリーン線数かつ同じスクリーン角度で配置することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
請求項9または10に記載の画像形成装置に加え、前記画像形成装置により形成されたプルーフ画像に基づいて、ハロゲン化銀感光材料を露光する手段を備えることを特徴とするプルーフの形成システム。
【請求項12】
複数の色の網点階調画像を担持した多色刷り印刷物のプルーフ画像をコンピュータに形成させるためのプログラムであって、前記網点階調画像の網点面積率の調整により色調整を指示するカラーマネジメント機能と、前記指示により網点面積率がゼロ%から増加すべき色の色調整画素が発生した場合に、前記増加すべき色の網点階調画像が本来有するスクリーン角度と区別できる異なったスクリーン角度で、前記色調整画素が配置される配置機能とを備えることを特徴とするプログラム。
【請求項13】
請求項12に記載のプログラムを格納したコンピュータ読取可能な記録媒体。
【請求項14】
複数の色の網点階調画像を担持した多色刷り印刷物のプルーフ画像の形成方法であって、前記網点階調画像の網点面積率の調整により色調整を指示するカラーマネジメントを行った後、前記指示により網点面積率がゼロ%から増加すべき色の色調整画素が発生した場合に、前記色調整画素を、前記増加すべき色の網点階調画像が本来有するスクリーン角度と区別できる異なったスクリーン角度で、前記色調整画素を配置することを特徴とする画像形成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2005−94583(P2005−94583A)
【公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−327672(P2003−327672)
【出願日】平成15年9月19日(2003.9.19)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年9月19日(2003.9.19)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】
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