説明

プロセスカートリッジ、これを備えた現像装置、画像形成装置

【課題】当接部の線圧を下げることができ、これによって、当接部を通過する際のトナーへのストレスを低減できるプロセスカートリッジを提供する。
【解決手段】供給ローラ106の表面に付着させたトナーを現像ローラ107の表面に塗布供給する。現像ローラ107は、弾性ゴム層108を被覆したローラで、弾性ゴム層108は、層厚規制部材110との当接部での圧力集中によるトナー劣化を防止できる硬度に設定する。表面粗さはRaで0.3〜2.0μmに設定し、必要量のトナーを表面に保持できるようにする。現像バイアスの印加を考慮し、弾性ゴム層は10〜1010Ωの抵抗値に設定する。層厚規制部材110は、層厚規制部材の上部を挟み込ませた状態で現像機100に固定する。層厚規制部材110には、金属では主にSUSやリン青銅等の薄板や薄板に曲げ加工を施したものを用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真プロセスを実行する複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置において採用できる現像装置に使用するプロセスカートリッジと、これを用いた画像形成装置、現像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
非磁性一成分現像での規制部材においては、トナーへのストレスをできるだけ低減した上で、トナーの搬送量を適正にすることとトナーを十分に帯電させることが重要である。
【0003】
特許文献1には、規制部材において規制部材と現像ローラの摺接部は鏡面処理を施されることで、トナーの劣化の抑制、現像ローラ表面の削れや規制部材表面の削れを抑制し、また、摺接部よりも非摺接部の粗さを大きく採ることで、非摺接部にて摩擦帯電が行われ、次に摺接部で規制されるためトナーに十分な摩擦帯電をなす発明が開示されている。
【0004】
特許文献2には、規制部材において規制部材と現像ローラの当接部は、トナーを摩擦帯電させるように構成された第一の層と第一の層に覆われ現像ローラの回転によって第一の層が磨耗して削れることにより露出してトナーが帯電不良を起こすように構成された第二の層とで構成することにより、トナーの交換時期を検知する発明が開示されている。
【0005】
特許文献3には、規制部材において、摩擦帯電能力の高い材料を用いた第一の層の上にトナーとの付着力の小さい材料を用いた第二の層を積層することによって、規制部材とトナーとの融着を防止し、かつ帯電能力を維持する発明が開示されている。
【0006】
特許文献4には、規制部材において、導電性基体上に界面活性剤を含有する樹脂層を膜厚10μm以下で有し、かつ所望の帯電性のバイアスを印加する手段を具備することにより、トナーの帯電特性や対トナーとの離型性を改善する発明が開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開平11−1526号公報
【特許文献2】特開2006−209010号公報
【特許文献3】特開2005−37775号公報
【特許文献4】特開平03−166567号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、特許文献4の発明では、規制部材にバイアスを印加することで摩擦帯電だけでなくトナーに電荷を付与する電荷注入により帯電性を制御しており、特許文献1の発明では、現像ローラとの当接部の表面を鏡面処理し、かつ当接部近傍から非当接部においては表面粗さを大きくすることで、当接部においては現像ローラ表面や規制部材表面の削れを防止し、帯電性との両立を図っている。
【0009】
しかしながら、当接部の表面を鏡面処理のように表面粗さを小さくしすぎるとトナーの搬送量を規制する力が小さくなり、特に低温低湿環境で現像ローラとトナーとの静電付着力の方が大きくなり搬送量が増大していくという課題が発生する。
【0010】
そこで、規制圧を上げることで搬送量を規制する力を上げる方法が考えられるが、これでは規制部をトナーが通過する際にトナーへのストレスが大きくなりトナーの割れ、外添剤の剥がれや埋没によりトナーが劣化し、経時での画像品質を悪化や当接部近傍にトナーが固着してしまうという別の課題が発生する。つまり、トナー劣化を抑えた上で経時での搬送量の適正化と十分な帯電性を両立することができない。
【0011】
特許文献2、3の発明では、規制部材の現像ローラとの当接部を二層で構成している。前者は、帯電させる材料と帯電不良を起こす材料とで積層しており、磨耗により経時で特性を変えることでトナー検知に利用している。後者は摩擦帯電能力の高い材料の上にトナーとの付着力の小さい材料を積層することで固着防止と帯電性の確保を両立する。
【0012】
しかしながら、前者においては、初期のように荷電性の高い耐久前のトナーを荷電しすぎてしまい、特に低温低湿環境で、荷電しすぎた高荷電のトナーが現像ローラからリフレッシュされなくなり、フィルミングを起こしてしまう。これにより搬送量が増大してしまう。また、後者では、摩擦帯電能力の高い材料の上には他の材料を積層してしまっているため、下層の材料は実質トナーとの摩擦が行われないために摩擦帯電は上層の材料に依存することになり、十分な帯電性を確保することができない。
【0013】
本発明は、上述した従来の課題にかんがみ、トナーの劣化を抑えた上で、環境変動や経時変動に対してトナーの搬送量を適正にし、かつ十分な帯電性を有することができる規制部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の請求項1に係るプロセスカートリッジは、非磁性一成分の現像剤を用い、潜像担持体に近接または接触して回転可能に設けられた現像剤担持体と、前記現像剤担持体上に粉体である現像剤を供給するために回転可能に設けられた現像剤供給部材と、前記現像剤担持体に当接して前記現像剤担持体上の現像剤を薄層化する層厚規制部材とを有し、前記層厚規制部材は、前記現像剤担持体に対して面で摺接しており、前記現像剤担持体に所定の電圧を印加して前記潜像担持体上の静電潜像を現像するプロセスカートリッジにおいて、前記層厚規制部材は、前記現像剤担持体との摺接部に粗さを持ち、かつ、前記摺接部よりも現像剤搬送方向の上流側に突き出した部分の粗さの方が大きくなるように構成されてなることを特徴とする。
【0015】
請求項2に係るものは、請求項1のプロセスカートリッジにおいて、前記層厚規制部材の前記摺接部の表面粗さが、Raにて0.1μm以上0.5μm以下であることを特徴とする。
【0016】
請求項3に係るものは、請求項1または2のプロセスカートリッジにおいて、前記層厚規制部材の表面粗さは、金型内のホーニング、ブラスト又はエッチングのいずれかの処理の施された面にて成形されてなることを特徴とする。
【0017】
請求項4に係るものは、請求項1ないし3のいずれかのプロセスカートリッジにおいて、前記層厚規制部材が、金属材料で構成されてなることを特徴とする。
【0018】
請求項5に係るものは、請求項4のプロセスカートリッジにおいて、前記金属材料がSUSであることを特徴とする。
【0019】
請求項6に係るものは、請求項1ないし3のいずれかのプロセスカートリッジにおいて、前記層厚規制部材は、金属表面にシート部材を貼り付けて構成されてなることを特徴とする。
【0020】
請求項7に係るものは、請求項6のプロセスカートリッジにおいて、前記シート部材は、ポリカーボネイトの表層にウレタン、アクリル又はウレタンアクリルのコーティングを施して構成されてなることを特徴とする。
【0021】
請求項8に係る現像装置は、請求項1から7のいずれか一つに記載のプロセスカートリッジを備えたことを特徴とする。
【0022】
請求項9に係る画像形成装置は、請求項8の現像装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、規制部材と現像ローラを面で当接させることにより、当接部の線圧を下げることができ、これによって、当接部を通過する際のトナーへのストレスを低減できる。ただし、線圧を下げることでトナーの搬送量を規制する力が小さくなるので、当接部から突き出した部分の粗さを大きくすることで、規制ブレード表面でのトナーの流れを抑制し、当接部へのトナーの突入量を減らすことができるとともに、当接部の粗さは小さくすることで現像ローラ表面や規制ブレード表面の削れを防止する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下本発明を実施するための最良の形態を、図に示す実施例を参照して説明する。
【実施例1】
【0025】
図1は本発明の実施例に係る現像装置とプロセスカートリッジユニットを備える画像形成装置の要部の断面図である。各プロセスカートリッジユニット(1)は、感光体ドラム(2)、帯電ローラ(3)、現像手段(4)、およびクリーニング手段(5)を一体に結合した構成になっている。各プロセスカートリッジユニット(1)は各々のストッパーを解除することにより交換できる構成にもなっている。
【0026】
感光体ドラム(2)は、矢印方向に周速150mm/secで回転している。帯電ローラ(3)は、感光体ドラム(2)の表面に圧接されており、感光体ドラム(2)の回転により従動回転している。帯電ローラ(3)には図示しない高圧電源により所定のバイアスが印加され、感光体ドラム(2)の表面を−500Vに帯電している。露光手段(6)は感光体ドラム(2)に対して画像情報を露光し、静電潜像を形成する。この露光手段(6)にはレーザーダイオードを用いたレーザービームスキャナやLEDなどが用いられる。現像手段(4)は非磁性一成分接触現像であり、感光体ドラム(2)上の静電潜像をトナー像として顕像化する。現像手段(4)には図示しない高圧電源から所定の現像バイアスが供給される。感光体クリーニング手段(5)は感光体ドラム(2)表面の転写残トナーのクリーニングを行う。
【0027】
各プロセスカートリッジユニット(1)は中間転写ベルト(7)の移動方向に並列に4個配設され、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの順で可視像を形成する。一次転写ローラ(8)には一次転写バイアスが印加され、感光体ドラム(2)表面のトナー像は中間転写ベルト(7)表面に転写される。中間転写ベルト(7)は、図示しない駆動モータによって図中の矢印方向に回転駆動されるようになっており、各色の可視像が表面に順次重ね転写されることでフルカラー画像を形成する。
【0028】
形成されたフルカラー画像は、図示しない高圧電源により二次転写ローラ(9)に所定の電流を印加することにより転写材である用紙(10)に転写され、図示しない定着装置にて定着され出力される。二次転写ローラ(9)で転写できず中間転写ベルト(7)上に残留したトナーは転写ベルトクリーニング手段(11)に回収される。
【0029】
図1に符号4で示した現像装器の現像動作を説明する。図2に示した現像装置(100)において、トナー収容室内(101)に設けられたトナー搬送部材(102)は反時計回りの方向で回転し、収容されたトナーをトナー供給室(103)の方向に送り出す。トナー収容室(101)とトナー供給室(103)との仕切り壁(104)には開口(105)が設けられており、トナー搬送部材(102)の動作によって開口(105)からトナー供給室(103)へとトナーを移動させる。トナー供給室(103)内に設けられた供給ローラ(106)は、現像ローラ(107)に当接して配置される。
【0030】
供給ローラ(106)の表面には空孔(セル)を有した構造の発泡材料が被覆されており、供給ローラ(106)上におけるトナー付着量を確保するとともに、現像ローラ(107)との当接部での圧力集中によるトナー劣化を防止している。また発泡材料にはカーボン微粒子を含有させた導電性のものが用いられ、供給ローラ(106)の電気抵抗値としては103〜1012Ωに設定される。供給ローラ(106)には、現像バイアスに対してトナーの帯電極性と同方向にオフセットさせた値の供給バイアスが印加される。この供給バイアスは、現像ローラ(107)との当接部で予備帯電されたトナーを現像ローラ(107)に押し付ける方向に作用する。
【0031】
供給ローラ(106)は時計回りの方向に回転し、表面に付着させたトナーを現像ローラ(107)の表面に塗布供給する。現像ローラ(107)には、弾性ゴム層(108)を被覆したローラが用いられ、さらに表面にはトナーと逆の極性に帯電しやすい材料から成る表面コート層(109)が設けられる。弾性ゴム層(108)は、層厚規制部材(110)との当接部での圧力集中によるトナー劣化を防止するために、JIS−Aで60度以下の硬度に設定される。表面粗さはRaで0.3〜2.0μmに設定され、必要量のトナーが表面に保持される。
【0032】
また現像ローラ(107)には感光体(200)との間に電界を形成させるための現像バイアスが印加されるので、弾性ゴム層は10〜1010Ωの抵抗値に設定される。現像ローラ(107)は時計回りの方向に回転し、表面に保持したトナーを層厚規制部材(110)および感光体(200)との対向位置へと搬送する。層厚規制部材(110)は、層厚規制部材の上部を挟み込ませた状態でビスで固定し、押さえ部材(111)とネジ(112)により、現像機(100)に固定される。層厚規制部材(110)は、金属では主にSUSやリン青銅等の薄板や薄板に曲げ加工を施したものを用いる。また、ウレタン系、アクリル系等の樹脂を薄板に貼り付けたものを用いる場合もある。
【0033】
本実施例では、現像器(100)と層厚規制部材(110)の固定をビスの締め付けを例に上げたが、レーザー溶接による固定でもかまわない。層厚規制部材(110)は、自由端側を現像ローラ(107)表面に10〜60N/mの押圧力で当接させ、その押圧下を通過したトナーを薄層化するとともに摩擦帯電によって電荷を付与する。
【0034】
なお図2では現像ローラ(107)と感光体(200)は接触して記載されているが、非接触で配置されていてもかまわない。また、感光体(200)はドラム状の形態が記載されているが、ベルト状の形態であってもかまわない。
【0035】
次にユーザが行う印字要求に対応する画像形成に先立って、環境変動や現像器が所定枚数以上使用されており、画像濃度に変動があると判断した場合は、光学式センサを用いたプロセス制御を行う。
【0036】
まず、転写ベルト素地を基準板の代わりとして、光学センサの補正を行う。具体的には、図1の光学センサ(12)の発行素子LEDに流す電流(If)を、図1の中間転写ベルト(7)で反射した光の量を測定する受光素子で受け取った光量を電圧に変換した値Vrefが基準値Vbaになるように調整する。
【0037】
次に、エンジンコントローラにより、各色のベタパッチ画像を形成して、現像バイアスを変化させ、この場合のトナー量を前記光学センサにより読み取り、センサにより読み取った値Vrefと、光学センサの出力結果と個体バラツキ補正値の相関関係を記述したルックアップテーブルにより、適正な現像バイアス設定する制御を予め行う。
【0038】
さらに、エンジンコントローラにより、各色のハーフパッチ画像を形成して、レーザパワーを変化させ、この場合のトナー量を前記光学センサにより読み取り、センサにより読み取った値Vrefと、光学センサの出力結果と個体バラツキ補正値の相関関係を記述したルックアップテーブルにより、適正なレーザパワーを設定する制御を予め行う。
【0039】
本発明の実施例の一つとして、図3にプロセスカートリッジの一部を示す。図3で示す層厚規制部材(310)は、現像ローラ(307)と安定して55N/mの圧力で当接されるように設定される。層厚規制部材(310)には、SUSの薄板を用いた。また、層厚規制部材(310)は現像ローラ(307)に対して面で当接されており、層厚規制部材(310)の自由端は、当接部からトナーの搬送方向の上流側に突き出して構成されている。また、層厚規制部材(310)は、現像ローラ(307)との当接部の表面粗さがRaにて0.3μmで成形されており、当接部からトナーの搬送方向上流側に突き出した部分の表面粗さがRaにて1.5μmで形成されている。層厚規制部材(310)の表面粗さは、金型内のブラスト処理の施された面によって成形される。また、当接部のニップ幅は1.5mmである。
【0040】
このように構成したのは、図4で示すように層厚規制部材(410)の表面を鏡面のように粗さを限りなく小さくすると、層厚規制部材(410)の表面でトナーの流れを規制する力が小さくなる。つまり、当接部にて搬送量を規制するためには、層厚規制部材(410)に曲げ加工を追加する、又はエッジで当接する等、当接部の線圧を上げる必要が生じる。しかしながら、当接部の線圧を上げると当接部をトナーが通過する際にトナーへのストレスが大きくなってしまい、トナーの割れや外添剤の埋没・剥がれ等の劣化が促進され、画像品質が悪化してしまう。そこで、図5で示すように層厚規制部材(510)の表面に粗さを持たせることで層厚規制部材(510)の表面でトナーの流れを規制し、当接部近傍へのトナーの突入量を減らすことができる。つまり、当接部の線圧をできる限り下げてトナーへのストレスを低減するとともに、トナーの搬送量を規制することができる。しかしながら、当接部の粗さが大きくなりすぎると経時で対向する現像ローラ(507)をスジ状に削ってしまい、画像品質を悪化させてしまう。つまり、搬送量の適正化と現像ローラの品質を維持するためには、当接部の表面粗さはある一定の成立領域を持つと考えられる。
【0041】
そこで、図6に示すように当接部の表面粗さを振った実験を行うことで、現像ローラの削れと搬送量の規制を両立できる領域を探索した。図6の結果から、当接部の表面粗さをRaにて0.1〜0.5μmで構成することで、経時にて現像ローラの削れと搬送量の適正化を両立することができた。
【0042】
これらから、図3で示すようにできるだけトナーへのストレスを低減するために層厚規制部材(310)を現像ローラ(307)に面で当接した。そして、層厚規制部材(310)の当接部から突き出した部分の表面粗さを大きくすることで、当接部に突入するトナー量を減らし、当接部は現像ローラ(307)を削らない程度の粗さとすることで、経時でのトナー劣化を最小限に抑え、かつ経時を通して搬送量を適正に抑制することができた。
【実施例2】
【0043】
本発明の他の実施例の一つとして、図7のような層厚規制部材(710)を用いた例を示す。層厚規制部材(710)は、SUSの薄板を用いており、その表面にシート材(712)を貼り付けて構成されている。このように、薄板に樹脂材料を貼り付けることでトナーの摩擦帯電性やトナーの搬送性を制御することができる。また、シート材(712)は、図8で示すようにベース層(801)と表面層(802)で構成されている。ベース層(801)はウレタンアクリレートとの接着性が良好なポリカーボネイトを用いており、厚みは100μmである。また、表面層(802)には、ウレタンアクリレートを用いており、厚みは7μmである。本実施例では一例を示しているが、他にウレタン系、アクリル系などの樹脂材料を選択することができる。
【0044】
以上説明してきたように、非磁性一成分の現像剤を用い、潜像担持体に近接または接触して回転可能に設けられた現像剤担持体と、前記現像剤担持体上に粉体である現像剤を供給するために回転可能に設けられた現像剤供給部材と前記現像剤担持体に当接して前記現像剤担持体上の現像剤を薄層化する層厚規制部材とを有し、前記層厚規制部材は、前記現像剤担持体に対して面で摺接しており、前記現像剤担持体に所定の電圧を印加して前記潜像担持体上の静電潜像を現像するプロセスカートリッジにおいて、前記層厚規制部材は、前記現像剤担持体との摺接部において粗さを持っており、かつ、前記摺接部よりも現像剤搬送方向の上流側に突き出した部分の粗さの方が大きくなるように構成することで、規制部材と現像ローラを面で当接させることにより、当接部の線圧を下げることができる。これによって、当接部を通過する際のトナーへのストレスを低減できる。しかしながら、線圧を下げることでトナーの搬送量を規制する力が小さくなる。そこで、当接部から突き出した部分の粗さを大きくすることで、規制ブレード表面でのトナーの流れを抑制し、当接部へのトナーの突入量を減らすことができるとともに、当接部の粗さは小さくすることで現像ローラ表面や規制ブレード表面の削れを防止することとなる。
【0045】
また前記層厚規制部材の前記摺接部の表面粗さは、Raにて0.1μm以上0.5μm以下とすることで、トナーの搬送量を規制し、かつ現像ローラ表面や規制ブレード表面の削れを防止する。
【0046】
また前記層厚規制部材の表面粗さは、金型内のホーニング、ブラスト又はエッチングのいずれかの処理の施された面にて成形されるようにすることで、規制ブレード表面の粗さをホーニング、ブラスト又はエッチングの処理を施された金型で成形することで、直接薄板をブラストやエッチング等の処理を施した時に生じる反りや撓みを防止するとともに、均一に粗さをつけることができる。
【0047】
さらに、前記層厚規制部材を金属材料、例えばSUSで構成することで、規制ブレード材料の低コストを図れる。
【0048】
またさらに、前記層厚規制部材を金属表面にシート部材を貼り付けて構成することで、摺接部(ニップ)の幅が広くなり、それによりトナーの荷電性向上が図れるとともにシート部材の材料によってトナーの荷電性や搬送性を調整することができる。前記シート部材は、ポリカーボネイトの表層にウレタン、アクリル又はウレタンアクリルのコーティングを施して構成でき、現像ローラと摺擦されてもコーティングが削れないようになし得る。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施例に係る現像装置とプロセスカートリッジユニットを備える画像形成装置の要部の断面図
【図2】図1の装置が備える現像装置の断面図
【図3】図2の現像装置が備える層厚規制部材の断面図
【図4】層厚規制のメカニズムを示す図
【図5】層厚規制のメカニズムを示す図
【図6】当接部の表面粗さを振った実験の結果を示す図
【図7】層厚規制部材の他の例の断面図
【図8】シート材の構成を示す斜視図
【符号の説明】
【0050】
1:プロセスカートリッジユニット
2:感光体ドラム
3:帯電ローラ
4:現像手段
5:クリーニング手段
6:露光手段
7:中間転写ベルト
8:一次転写ローラ
9:二次転写ローラ
10:用紙
11:転写ベルトクリーニング手段
12:光学センサ
100:現像装置
101:トナー収容室内
102:トナー搬送部材
103:トナー供給室
104:仕切り壁
105:開口
106:供給ローラ
107:現像ローラ
108:弾性ゴム層
109:表面コート層
110:層厚規制部材
111:押さえ部材
112:ネジ
200:感光体
307:現像ローラ
310:層厚規制部材
410:層厚規制部材
507:現像ローラ
510:層厚規制部材
710:層厚規制部材
712:シート材
801:ベース層
802:表面層


【特許請求の範囲】
【請求項1】
非磁性一成分の現像剤を用い、潜像担持体に近接または接触して回転可能に設けられた現像剤担持体と、
前記現像剤担持体上に粉体である現像剤を供給するために回転可能に設けられた現像剤供給部材と、
前記現像剤担持体に当接して前記現像剤担持体上の現像剤を薄層化する層厚規制部材とを有し、
前記層厚規制部材は、前記現像剤担持体に対して面で摺接しており、
前記現像剤担持体に所定の電圧を印加して前記潜像担持体上の静電潜像を現像するプロセスカートリッジにおいて、
前記層厚規制部材は、前記現像剤担持体との摺接部に粗さを持ち、かつ、
前記摺接部よりも現像剤搬送方向の上流側に突き出した部分の粗さの方が大きくなるように構成されてなることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項2】
請求項1のプロセスカートリッジにおいて、
前記層厚規制部材の前記摺接部の表面粗さが、Raにて0.1μm以上0.5μm以下であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項3】
請求項1または2のプロセスカートリッジにおいて、
前記層厚規制部材の表面粗さは、金型内のホーニング、ブラスト又はエッチングのいずれかの処理の施された面にて成形されてなることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかのプロセスカートリッジにおいて、
前記層厚規制部材が、金属材料で構成されてなることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項5】
請求項4のプロセスカートリッジにおいて、
前記金属材料がSUSであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項6】
請求項1ないし3のいずれかのプロセスカートリッジにおいて、
前記層厚規制部材は、金属表面にシート部材を貼り付けて構成されてなることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項7】
請求項6のプロセスカートリッジにおいて、
前記シート部材は、ポリカーボネイトの表層にウレタン、アクリル又はウレタンアクリルのコーティングを施して構成されてなることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一つに記載のプロセスカートリッジを備えたことを特徴とする現像装置。
【請求項9】
請求項8の現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−210668(P2009−210668A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−51542(P2008−51542)
【出願日】平成20年3月3日(2008.3.3)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】