説明

ベンゾインドール誘導体およびEP4受容体アゴニストとしてのそれらの使用

本発明は、インドール誘導体、それらの調製法、それらを含有する医薬組成物、および医薬におけるその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インドール誘導体、その調製法、それらを含有する医薬組成物および医薬におけるその使用に関する。
本発明の化合物は、EP受容体アゴニストである。
【背景技術】
【0002】
多数の報文は、プロスタノイド受容体の特性化および治療上の関連性、ならびに最も一般的に使用される選択的アゴニストおよびアンタゴニストを記載する:Eicosanoids;From Biotechnology to Therapeutic Applications,Folco,Samuelsson,Maclouf,and Velo eds,Plenum Press,New York,1996,chap.14,137−154、およびJournal of Lipid Mediators and Cell Signalling,1996,14,83−87、およびProstanoid Receptors,Structure,Properties and Function,S Narumiyaら、Physiological Reviews 1999,79(4),1193−126。
【0003】
EP受容体は7回膜貫通型受容体であり、その天然リガンドがプロスタグランジンPGEである。PGEは他のEP受容体(タイプEP、EP、およびEP)に対しても親和性を有する。プロスタノイドEP受容体は、細胞内環状アデノシン一リン酸(cAMP)濃度の上昇に通常関連する一群の受容体に分類される。EP受容体は、平滑筋弛緩、眼内圧、疼痛(特に、炎症性疼痛、神経因性疼痛、および内臓痛)、炎症、神経保護、リンパ球分化、骨代謝過程、アレルギー作用、睡眠促進、腎臓調節、胃または腸粘液分泌、および十二指腸重炭酸塩分泌に関連している。EP受容体は、NarumiyaによってProstaglandins&Other Lipid Mediators 2002,68−69 557−73で概説されるように、動脈管の閉鎖、血管抑制、炎症、および骨リモデリングにおいて重要な役割を果たす。
【0004】
多数の刊行物は、EP受容体サブタイプを介して作用するPGE、およびEPアゴニスト単独が、炎症性刺激後に炎症性サイトカインを調節できることを実証している。Takayamaらは、Journal of Biological Chemistry 2002,277(46),44147−54において、PGEが、EP受容体を介してマクロファージ由来のケモカイン産生を抑制することによって炎症性疾患時に炎症を調節することを示した。Bioorganic&Medicinal Chemistry 2002,10(7),2103−2110において、Maruyamaらは、選択的EP受容体アゴニスト(ONO−AE1−437)が、IL−10濃度を増大させながら、ヒト全血中のLPS誘導性TNF−αを抑制することを立証する。Anesthesiology,2002,97,170−176の論文は、選択的EP受容体アゴニスト(ONO−AE1−329)が、機械および熱痛覚過敏、ならびに急性および慢性単関節炎における炎症反応を効果的に阻害したことを示唆する。
【0005】
SakumaらのJournal of Journal of Bone and Mineral Research 2000,15(2),218−227と、MiyauraらのJournal of Biological Chemistry 2000,275(26),19819−23の独立した2つの論文は、EP受容体ノックアウトマウスから培養される細胞での障害のある破骨細胞の形成を報告する。Yoshidaらは、Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 2002,99(7),4580−4585において、各PGE受容体EPサブタイプを欠いているマウスの使用により、EPは、PGE投与に応答して骨形成を媒介する受容体であると同定した。該著者らはまた、選択的EP受容体アゴニスト(ONO−4819)が野生型マウスにおいて骨形成を一貫して誘導することを立証した。加えて、Teraiらは、Bone 2005,37(4),555−562において、選択的EP受容体アゴニスト(ONO−4819)の存在によって、骨形成を誘導することができる治療的サイトカインであるrhBMP−2の骨誘導能が高まることを示している。
【0006】
Larsenらによるさらなる研究は、ヒト十二指腸の第二部における分泌に対するPGEの効果が、EP受容体により媒介されることを示す(Acta.Physiol.Scand.2005,185,133−140)。また、選択的EP受容体アゴニスト(ONO−AE1−329)が、ラットの大腸炎を保護しうることが示されている(Nittaら、Scandinavian Journal of Immunology 2002,56(1),66−75)。
【0007】
Doreらは、The European Journal of Neuroscience 2005,22(9),2199−206において、PGEがEPおよびEP受容体に作用することによってニューロンをアミロイドβペプチド毒性から保護しうることを示している。さらには、Doreは、Brain Research 2005,1066(1−2),71−77において、EP受容体アゴニスト(ONO−AE1−329)が脳における興奮毒性の急性期モデルにおいて神経毒性から保護することを立証している。
【0008】
Woodwardらは、Journal of Lipid Mediators 1993,6(1−3),545−53において、選択的プロスタノイドアゴニストを使用して眼内圧を下げうることを見出した。Investigative Ophthalmology&Visual Scienceでの2つの論文は、プロスタノイドEP受容体がヒト水晶体上皮細胞で発現されることを明らかにし(Mukhopadhyayら、1999,40(1),105−12)、プロスタノイドEP受容体の眼の小柱状フレームワーク中の流れの調節における生理的役割を示唆する(Hoyngら、1999,40(11),2622−6)。
【0009】
EP受容体結合活性を示す化合物は、例えば、国際公開第98/55468号、国際公開第00/18744号、国際公開第00/03980号、国際公開第00/15608号、国際公開第00/16760号、国際公開第00/21532号、欧州特許第0855389号、欧州特許第0985663号、国際公開第02/50031号、国際公開第02/50032号、国際公開第02/50033号、国際公開第02/064564号、国際公開第03/103604号、国際公開第03/077910号、国際公開第03/086371号、国際公開第04/037813号、国際公開第04/067524号、国際公開第04/085430号、米国特許出願公開第04/142969号、国際公開第05/021508号、国際公開第05/105733号、国際公開第05/105732号、国際公開第05/080367号、国際公開第05/037812号、国際公開第05/116010号、および国際公開第06/122403号に記載されている。
【0010】
[4−(1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル)フェニル]−2−プロピオン酸・ナトリウム塩などのインドプロフェン誘導体は、RuferらのEur.J.Med.Chem.−Chimica Therapeutica,1978,13,193に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開第98/55468号
【特許文献2】国際公開第00/18744号
【特許文献3】国際公開第00/03980号
【特許文献4】国際公開第00/15608号
【特許文献5】国際公開第00/16760号
【特許文献6】国際公開第00/21532号
【特許文献7】欧州特許第0855389号
【特許文献8】欧州特許第0985663号
【特許文献9】国際公開第02/50031号
【特許文献10】国際公開第02/50032号
【特許文献11】国際公開第02/50033号
【特許文献12】国際公開第02/064564号
【特許文献13】国際公開第03/103604号
【特許文献14】国際公開第03/077910号
【特許文献15】国際公開第03/086371号
【特許文献16】国際公開第04/037813号
【特許文献17】国際公開第04/067524号
【特許文献18】国際公開第04/085430号
【特許文献19】米国特許出願公開第04/142969号
【特許文献20】国際公開第05/021508号
【特許文献21】国際公開第05/105733号
【特許文献22】国際公開第05/105732号
【特許文献23】国際公開第05/080367号
【特許文献24】国際公開第05/037812号
【特許文献25】国際公開第05/116010号
【特許文献26】国際公開第06/122403号
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Eicosanoids;From Biotechnology to Therapeutic Applications,Folco,Samuelsson,Macloufおよび Velo編、Plenum Press,New York,1996,chap.14,137−154
【非特許文献2】Journal of Lipid Mediators and Cell Signalling,1996,14,83−87
【非特許文献3】Prostanoid Receptors,Structure,Properties and Function,S Narumiyaら、Physiological Reviews 1999,79(4),1193−126
【非特許文献4】Narumiya、Prostaglandins&Other Lipid Mediators 2002,68−69 557−73
【非特許文献5】Takayamaら、Journal of Biological Chemistry 2002,277(46),44147−54
【非特許文献6】Maruyamaら、Bioorganic&Medicinal Chemistry 2002,10(7),2103−2110
【非特許文献7】Anesthesiology,2002,97,170−176
【非特許文献8】Sakuma、Journal of Journal of Bone and Mineral Research 2000,15(2),218−227
【非特許文献9】Miyaura、Journal of Biological Chemistry 2000,275(26),19819−23
【非特許文献10】Yoshidaら、Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 2002,99(7),4580−4585
【非特許文献11】Teraiらは、Bone 2005,37(4),555−562
【非特許文献12】Larsenら、Acta.Physiol.Scand.2005,185,133−140
【非特許文献13】Nittaら、Scandinavian Journal of Immunology 2002,56(1),66−75
【非特許文献14】Doreら、The European Journal of Neuroscience 2005,22(9),2199−206
【非特許文献15】Dore、Brain Research 2005,1066(1−2),71−77
【非特許文献16】Woodwardら、Journal of Lipid Mediators 1993,6(1−3),545−53
【非特許文献17】Mukhopadhyayら、Investigative Ophthalmology&Visual Science、1999,40(1),105−12
【非特許文献18】Hoyngら、Investigative Ophthalmology&Visual Science、1999,40(11),2622−6
【非特許文献19】Ruferら、Eur.J.Med.Chem.−Chimica Therapeutica,1978,13,193
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本明細書に記載の生物学的アッセイにて試験した場合、本発明の化合物は、有利なインビボおよびインビトロ活性を有することが示されている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、{4−[1,3−ジオキソ−4,9−ビス(プロピルオキシ)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3−メチルフェニル}酢酸;
[4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3−(メチルオキシ)フェニル]酢酸;
[4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3−(トリフルオロメチル)フェニル]酢酸;
{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3−メチルフェニル}酢酸;
{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−6−メチル−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]フェニル}酢酸;
{3−メチル−4−[1−オキソ−4,9−ビス(プロピルオキシ)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]フェニル}酢酸;
(4−{4,9−ビス(1−メチルエトキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}−3−メチルフェニル)酢酸;
[4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3−(トリフルオロメチル)フェニル]酢酸;
(4−{4−(エチルオキシ)−1,3−ジオキソ−9−[(フェニルメチル)オキシ]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸;
(4−{4−[1−メチルエトキシ]−9−[(2−メチルプロピル)オキシ]−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸;
(4−{4−[1−メチルエトキシ]−9−[(1−メチルプロピル)オキシ]−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸;
(4−{4−(エチルオキシ)−9−[(1−メチルプロピル)オキシ]−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸;
(4−{4−(エチルオキシ)−9−[(2−メチルプロピル)オキシ]−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸;
{4−[4−(ブチルオキシ)−9−(エチルオキシ)−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]フェニル}酢酸;
(4−{4−(メチルオキシ)−9−[(1−メチルプロピル)オキシ]−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸;
{4−[4−(ブチルオキシ)−9−(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]フェニル}酢酸;
{4−[9−(ブチルオキシ)−4−(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]フェニル}酢酸;
(4−{4−(エチルオキシ)−9−[(1−メチルプロピル)オキシ]−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸;
(4−{9−(エチルオキシ)−4−[(2−メチルプロピル)オキシ]−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸;
−R−(4−{4−(メチルオキシ)−9−[(1−メチルプロピル)オキシ]−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸;
−S−(4−{4−(メチルオキシ)−9−[(1−メチルプロピル)オキシ]−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸;
(4−{4−[1−メチルエトキシ]−9−[(2−メチルプロピル)オキシ]−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸;
(4−{9−[1−メチルエトキシ]−4−[(2−メチルプロピル)オキシ]−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸;
(4−{9−(ブチルオキシ)−4−[1−メチルエトキシ]−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸からなる群より選択される化合物、および/またはその医薬上許容される誘導体(以下、本発明の化合物をいう)を提供する。
【0015】
本発明のさらなる実施態様において、
{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3−メチルフェニル}酢酸;
{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−6−メチル−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]フェニル}酢酸;
{3−メチル−4−[1−オキソ−4,9−ビス(プロピルオキシ)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]フェニル}酢酸;
(4−{4,9−ビス(1−メチルエトキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}−3−メチルフェニル)酢酸;
[4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3−(トリフルオロメチル)フェニル]酢酸;
(4−{4−[1−メチルエトキシ]−9−[(1−メチルプロピル)オキシ]−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸;
(4−{4−(エチルオキシ)−9−[(2−メチルプロピル)オキシ]−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸;
{4−[4−(ブチルオキシ)−9−(エチルオキシ)−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]フェニル}酢酸;
(4−{4−(メチルオキシ)−9−[(1−メチルプロピル)オキシ]−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸;
(4−{4−(エチルオキシ)−9−[(1−メチルプロピル)オキシ]−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸;
(4−{4−(メチルオキシ)−9−[(1−メチルプロピル)オキシ]−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸;および
(4−{4−(メチルオキシ)−9−[(1−メチルプロピル)オキシ]−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸からなる群より選択されるEPアゴニストおよび/またはその医薬上許容される誘導体が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0016】
医薬上許容される誘導体とは、任意の医薬上許容される塩、溶媒和物もしくはエステル、または本発明の化合物のかかるエステルの塩もしくは溶媒和物、またはレシピエントに投与すると、本発明の化合物またはその活性代謝物もしくは残渣を(直接的または間接的に)提供しうる任意の他の化合物を意味する。
【0017】
医薬用途では、上記の塩は医薬上許容される塩であるが、他の塩が、例えば、本発明の化合物およびその医薬上許容される塩の調製に使用されうることは明らかであろう。
【0018】
医薬上許容される塩には、Berge,BighleyおよびMonkhouse、J.Pharm.Sci.,1977,66,1−19で記載されている塩が含まれる。「医薬上許容される塩」なる語は、無機塩基および有機塩基を含む医薬上許容される塩基から調製される塩を意味する。無機塩基から生じる塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン酸塩、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などが含まれる。医薬上許容される有機塩基から生じる塩には、第一級、第二級、および第三級アミン塩;天然の置換アミンを含む置換アミン;ならびに環状アミンの塩が含まれる。特定の医薬上許容される有機塩基には、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチル−モルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、プロカイン、プリン類、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンなどが含まれる。塩はまた、塩基性イオン交換樹脂、例えば、ポリアミン樹脂から形成されうる。
【0019】
本発明の化合物が、適当なプロドラッグの代謝によってインビボで産生されうることは明らかであろう。かかるプロドラッグは、例えば、本発明の化合物の生理学的に許容される代謝的に不安定なエステルでありうる。これらは、本発明の親化合物中のカルボン酸基のエステル化し、適切な場合には事前に分子中に存在する任意の他の反応性基を保護し、続けて必要に応じて脱保護を行うことによって生成することができる。かかる代謝的に不安定なエステルの例として、C1−4アルキルエステル、例えば、メチル、エチル、もしくはt−ブチルエステル、C3−6アルケニルエステル、例えば、アリル置換もしくは非置換アミノアルキルエステル(例えば、アミノエチル、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、または2−(4−モルホリノ)エチルエステル、あるいはアシルオキシメチルまたは1−アシルオキシエチルなどのアシルオキシアルキルエステル、例えば、ピバロイルオキシメチル、1−ピバロイルオキシエチル、アセトキシメチル、1−アセトキシエチル、1−(1−メトキシ−1−メチル)エチルカルボニルオキシエチル、1−ベンゾイルオキシエチル、イソプロポキシカルボニルオキシメチル、1−イソプロポキシカルボニルオキシエチル、シクロヘキシルカルボニルオキシメチル、1−シクロヘキシルカルボニルオキシエチルエステル、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチル、1−シクロヘキシルオキシカルボニルオキシエチル、1−(4−テトラヒドロピラニルオキシ)カルボニルオキシエチル、または1−(4−テトラヒドロピラニル)カルボニルオキシエチルが挙げられる。
【0020】
本発明は、すべての幾何異性型、互変異性型、および光学異性型、ならびにそれらの混合物(例えば、ラセミ混合物)を含む、本発明の化合物およびその医薬上許容される誘導体のすべての異性体を包含することを理解すべきである。
【0021】
本発明の化合物は医薬組成物で使用するためのものであるので、それぞれ実質的に純粋な形、例えば少なくとも50%の純度、より適当には少なくとも75%の純度、好ましくは少なくとも95%の純度で提供されることが理解されよう(%は、重量/重量に基づく)。本発明の化合物の純粋でない調製物は、医薬組成物で使用される純度のより高い形を調製するために使用される場合もある。本発明の中間化合物の純度はそれほど臨界的なものではないが、本発明の化合物に関しては実質的に純粋な形が好ましいことは容易に理解されよう。可能である限り、本発明の化合物は結晶形で得られることが好ましい。
【0022】
本発明の化合物のいくつかが有機溶媒から結晶化することができるか、または再結晶される場合、結晶化の溶媒は、結晶生成物中に存在してもよい。本発明は、かかる溶媒和物をその範囲内に包含する。同様に、本発明の化合物のいくつかは、含水溶媒から結晶化または再結晶する場合もある。かかる場合、水和水をなす場合もある。本発明は、化学量論的水和物、ならびに凍結乾燥などの方法によって生成されてもよい可変量の水を含有する化合物をその範囲内に包含する。さらに、異なる結晶化条件は、異なる結晶多形の結晶生成物を形成しうる。本発明は、本発明の化合物のすべての結晶多形をその範囲内に包含する。
【0023】
本発明はまた、本発明のすべての同位体標識化合物もその範囲内に包含する。かかる化合物は、その中の1つまたは複数の原子が、通常自然界に見られる原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子で置換されている点以外は、本発明の化合物のリストに記載されるものと同一である。本発明の化合物およびその医薬上許容される誘導体に組み込むことができる同位体の例として、2H、3H、11C、13C、14C、15N、17O、18Oおよび18Fなどの水素、炭素、窒素、酸素およびフッ素の同位体が挙げられる。
【0024】
本発明の同位体標識化合物、例えば、3H、14Cなどの放射性同位体が組み込まれているものは、薬物および/または基質組織分布アッセイに有用である。トリチウム、すなわち、3H同位体、および炭素−14、すなわち14C同位体は、それらの調製の容易さおよび検出性のため特に好ましい。11C同位体および18F同位体は、PET(ポジトロン放出断層撮影)に特に有用であり、脳画像診断に有用である。重水素、すなわち、2Hなどのより重い同位体によるさらなる置換は、より高い代謝安定性、例えば、インビボ半減期の増大または必要用量の低減によって生ずるある種の治療上の利点をもたらすことができ、したがっていくつかの状況で好ましいことがある。本発明の同位体標識化合物は、非同位体標識試薬の代わりに容易に入手可能な同位体標識試薬を使用することによって、下記のスキームおよび/または実施例で開示する合成手順を実施することによって調製してもよい。
【0025】
本発明の化合物は、EP受容体アゴニストであるので、EP受容体媒介疾患を治療するのに有用でありうる。
【0026】
特に、本発明の化合物は、疼痛、例えば、疾患修飾および関節構造保存特性を含む慢性関節痛(例えば、関節リウマチ、骨関節炎、リウマチ様脊椎炎、痛風性関節炎、および若年性関節炎);筋骨格痛;腰痛および頚部痛;捻挫および筋挫傷;神経因性疼痛;交感神経依存性疼痛;筋炎;癌に伴う疼痛および線維筋痛;片頭痛に伴う疼痛;インフルエンザまたは感冒などの他のウイルス感染症に伴う疼痛;リウマチ熱;非潰瘍性消化不良、非心臓性胸痛、および過敏性腸症候群などの腸機能障害に伴う疼痛;心筋虚血に伴う疼痛;術後痛;頭痛;歯痛;ならびに月経困難症の治療に有用でありうる。
【0027】
本発明の化合物は、神経因性疼痛およびそれに付随する症状の治療に特に有用でありうる。神経因性疼痛症候群には、糖尿病性神経障害;坐骨神経痛;非特異性腰痛;多発性硬化症疼痛;線維筋痛;HIV関連神経障害;帯状疱疹後神経痛;三叉神経痛;および身体的外傷、切断、癌、毒素、または慢性炎症性病態によって生ずる疼痛が含まれる。神経因性疼痛の症状には、自発性電撃痛および乱刺痛、または進行中の灼熱痛が含まれる。さらに、「しびれ」(錯感覚および感覚異常)など通常は痛み以外の感覚、接触に対する感受性の増大(感覚過敏)、非侵害刺激後の痛い感覚(動的、静的、または熱的アロディニア)、侵害刺激に対する感受性の増大(熱、冷、機械痛覚過敏)、刺激除去後の継続的痛覚(ヒペルパチー)、あるいは選択的感覚系伝導路の欠如または欠損(痛覚鈍麻)に伴う疼痛が含まれる。
【0028】
本発明の化合物は、炎症の治療、例えば、皮膚病態(例えば、日焼け、熱傷、湿疹、皮膚炎、乾癬);緑内障、網膜炎、網膜症、ブドウ膜炎などの眼疾患、および眼組織に対する急性傷害(例えば、結膜炎);肺障害(例えば、喘息、気管支炎、肺気腫、アレルギー性鼻炎、呼吸窮迫症候群、ハト愛好家病、農夫肺、COPD);胃腸系障害(例えば、アフタ性潰瘍、クローン病、アトピー性胃炎、痘瘡状胃炎、潰瘍性大腸炎、セリアック病、限局性回腸炎、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、消化管逆流症、下痢、便秘);臓器移植;血管疾患、片頭痛、結節性動脈周囲炎、甲状腺炎、再生不良性貧血、ホジキン病、スクレロドーマ(sclerodoma)、重症筋無力症、多発性硬化症、ソルコイドーシス、ネフローゼ症候群、ベーチェット症候群、多発性筋炎、歯肉炎、心筋虚血、発熱、全身性紅斑性狼瘡、多発性筋炎、腱炎、滑液包炎、およびシェーグレン症候群などの炎症性要素を有する他の病態の治療にも有用でありうる。
【0029】
本発明の化合物は、自己免疫疾患、免疫不全疾患、または臓器移植などの免疫疾患の治療にも有用でありうる。本発明の化合物は、HIV感染の潜伏期を増大させるのにも有効でありうる。
【0030】
本発明の化合物は、間欠性跛行、不安定狭心症、卒中、および急性冠症候群(例えば、閉塞性血管疾患)などの過剰なまたは望ましくない血小板活性化の疾患の治療にも有用でありうる。
【0031】
本発明の化合物は、利尿作用を有する薬物としても有用であってもよく、または過活動膀胱症候群を治療するのに有用であってもよい。
【0032】
本発明の化合物は、性不能または勃起不全の治療にも有用でありうる。
【0033】
本発明の化合物は、骨粗鬆症(特に、閉経後骨粗鬆症)、高カルシウム血症、副甲状腺機能亢進症、骨パジェット病、骨溶解症、骨転移を伴うかまたは伴わない悪性腫瘍の高カルシウム血症、関節リウマチ、歯周炎、骨関節炎、骨痛、骨減少症、結石症(calculosis)、結石症(lithiasis)(特に、尿路結石症)、痛風および強直性脊椎炎、腱炎、ならびに滑液包炎などの異常骨代謝または吸収を特徴とする骨疾患の治療にも有用でありうる。
【0034】
本発明の化合物はまた、骨再形成、および/または骨形成の促進、および/または骨折治癒の促進に有用でありうる。
【0035】
本発明の化合物はまた、NSAIDおよびCOX−2阻害薬の血行動態的副作用を減弱させるために有用でありうる。
【0036】
本発明の化合物はまた、高血圧または心筋虚血などの心血管疾患;機能性または器質性静脈不全;静脈瘤療法;痔核;および動脈圧の著しい低下に伴うショック状態(例えば、敗血症性ショック)の治療に有用でありうる。
【0037】
本発明の化合物はまた、認知症などの神経変性疾患および神経変性、特に変性認知症(老年痴呆、アルツハイマー病、ピック病、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病、およびクロイツフェルト−ヤコブ病、ALS、運動ニューロン疾患を含む);血管性認知症(多発梗塞性痴呆を含む);ならびに頭蓋内占拠性病変、外傷、感染および関連病態(HIV感染を含む)、代謝、毒素;無酸素およびビタミン欠乏に伴う認知症;ならびに加齢に伴う軽度認知障害、特に加齢関連性記憶障害の治療に有用でありうる。
【0038】
本発明の化合物はまた、神経学的障害の治療に有用であってもよく、神経保護剤として有用でありうる。本発明の化合物はまた、卒中後の神経変性、心停止、肺バイパス、外傷性脳損傷、脊髄損傷などの治療に有用でありうる。
【0039】
本発明の化合物はまた、I型糖尿病の合併症(例えば、糖尿病性細小血管症、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、黄斑変性症、緑内障)、ネフローゼ症候群、再生不良性貧血、ブドウ膜炎、川崎病、およびサルコイドーシスの治療に有用でありうる。
【0040】
本発明の化合物はまた、腎機能障害(腎炎、特にメサンギウム増殖性糸球体腎炎、腎炎症候群)、肝機能障害(肝炎、肝硬変)、および胃腸障害(下痢)の治療に有用でありうる。
【0041】
治療という場合、確立した症状の治療と予防的治療の両方を包含することを理解すべきである。
【0042】
本発明のさらなる実施形態によれば、ヒトまたは動物用医薬に用いるための本発明の化合物またはその医薬上許容される誘導体が提供される。
【0043】
本発明の別の実施形態によれば、EP受容体でのPGEの作用または作用の喪失により媒介される病態の治療に用いるための本発明の化合物またはその医薬上許容される誘導体が提供される。
【0044】
本発明のさらなる実施形態によれば、EP受容体でのPGEの作用または作用の喪失により媒介される病態に罹患しているヒトまたは動物対象の治療方法であって、該対象に有効量の本発明の化合物またはその医薬上許容される誘導体を投与することを含む方法が提供される。
【0045】
本発明のさらなる実施形態によれば、疼痛、炎症性障害、免疫性障害、骨障害、神経変性障害、または腎障害に罹患しているヒトまたは動物対象の治療方法であって、該対象に有効量の本発明の化合物またはその医薬上許容される誘導体を投与することを含む方法が提供される。
【0046】
本発明の別の実施形態によれば、EP受容体でのPGEの作用によって媒介される病態の治療のための医薬の製造のための本発明の化合物またはその医薬上許容される誘導体の使用が提供される。
【0047】
本発明の別の実施形態によれば、疼痛、炎症性障害、免疫性障害、骨障害、神経変性障害、または腎障害などの病態の治療または予防のための医薬のための本発明の化合物またはその医薬上許容される誘導体の使用が提供される。
【0048】
本発明の化合物およびその医薬上許容される誘導体は、好都合なことに医薬組成物の形で投与される。かかる組成物は、好都合なことに1種または複数の生理学的に許容される担体または賦形剤と混合して従来の手法で用いるために存在していてもよい。
【0049】
したがって、本発明の別の態様において、ヒトまたは動物用医薬の使用に適している本発明の化合物またはその医薬上許容される誘導体を含む医薬組成物が提供される。
【0050】
本発明の化合物またはその医薬上許容される誘導体を、未加工の化学物質として投与することが可能であるが、医薬処方として存在することが好ましい。本発明の処方は、本発明の化合物またはその医薬上許容される誘導体を、そのための1種または複数の許容される担体または希釈剤、および所望により他の治療用成分と共に含む。担体(複数)は、処方の他の成分と相溶性があり、かつそのレシピエントに有害でないという意味において「許容される」必要がある。
【0051】
処方には、経口、非経口(例えば、注射またはデポー錠剤による皮下、皮内、髄腔内、例えば、デポーによる筋肉内、および静脈内を含む)、直腸、および局所(経皮、口腔内、および舌下を含む)投与に適したものが含まれるが、最も適当な経路は、例えば、レシピエントの病態および障害に依存しうる。処方は、好都合なことには単位剤形で存在していてもよく、薬学分野でよく知られているいずれかの方法によって調製されてもよい(例えば、「Remington−The Science and Practice of Pharmacy」、第21版、Lippincott,Williams&Wilkins,USA、2005およびその中に記載の参考文献を参照のこと)。全ての方法には、本発明の化合物またはその医薬上許容される酸付加塩(「活性成分」)を1種または複数の副成分を構成する担体と関連させる工程が含まれる。一般に、処方は、活性成分を液体担体または微細化固体担体または両方と均一かつ緊密に関連させ、次いで、必要に応じて、生成物を所望の処方に成形することによって調製される。
【0052】
経口投与に適している本発明の処方は、カプセル剤、カシェ、または錠剤(例えば、特に小児投与用の咀嚼錠)など、それぞれ所定量の活性成分を含有する別々の単位として;粉末または顆粒として;水性液体または非水性液体中の溶液または懸濁液として;あるいは水中油型液体エマルジョンまたは油中水型液体エマルジョンとして存在していてもよい。活性成分はまた、ボーラス、舐剤、またはペースト剤として存在していてもよい。
【0053】
錠剤は、所望により1つまたは複数の副成分と共に圧縮または成形によって作製してもよい。圧縮錠は、所望により結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、潤滑剤、界面活性剤、または分散化剤と混合した粉末または顆粒などの易流動性形態の活性成分を、適当な機械で圧縮することによって調製してもよい。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿潤させた粉末化合物の混合物を、適当な機械で成形することによって作製してもよい。錠剤は、所望によりコーティングまたは分割されていてもよく、その中の活性成分の持続放出または放出制御されるように処方してもよい。
【0054】
非経口投与用処方には、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、および処方を所定のレシピエントの血液と等張にする溶質を含有しうる水性および非水性無菌注射液;ならびに懸濁化剤および粘稠化剤を含有しうる水性および非水性無菌懸濁液が含まれる。処方には、単位用量または多回投与容器、例えば、密封アンプルおよびバイアルで存在してもよく、使用直前に無菌液体担体、例えば、注射用水を添加することしか必要としないフリーズドライ(凍結乾燥)条件で保存されてもよい。即時調合注射液および懸濁液は、上記の種類の無菌粉末、顆粒、および錠剤から調製されてもよい。
【0055】
直腸投与用処方は、ココアバター、硬化脂肪またはポリエチレングリコールなどの通常の担体との坐薬として存在していてもよい。
【0056】
口腔における局所投与、例えば、口腔内または舌下投与用処方には、スクロースおよびアカシアまたはトラガカントなどのフレーバー基剤中に活性成分を含むロゼンジ、ならびにゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアカシアなどの基剤中に活性成分を含む芳香錠が含まれる。
【0057】
本発明の化合物はまた、デポー製剤として処方されてもよい。かかる長時間作用型処方は、移植によって(例えば、皮下または筋肉内)または筋肉内注射によって投与されてもよい。したがって、例えば、本発明の化合物は、適当なポリマー物質もしくは疎水性物質(例えば、許容される油中エマルジョンとして)またはイオン交換樹脂と、あるいはやや溶けにくい誘導体、例えば、やや溶けにくい塩として処方されてもよい。
【0058】
特に上記の物質に加えて、処方には、当該処方のタイプを考慮して当該技術分野で慣用の他の物質が含まれていてもよく、例えば、経口投与に適しているものには、フレーバー剤が含まれていてもよい。
【0059】
本発明で使用するためのEP受容体化合物は、他の治療剤、例えば、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、またはパレコキシブなどのCOX−2阻害薬;5−リポキシゲナーゼ阻害薬;パラセタモールなどの鎮痛剤;ジクロフェナク、インドメタシン、ナブメトン、ナプロキセン、またはイブプロフェンなどのNSAID類;ロイコトリエン受容体アンタゴニスト;メトトレキサートなどのDMARD類;ラモトリジンなどのナトリウムチャネル遮断薬;N型カルシウムチャネルアンタゴニスト;グリシン受容体アンタゴニストなどのNMDA受容体モジュレーター;ガバペンチン、プレガバリン、および関連化合物;アミトリプチリンなどの三環系抗うつ薬;ニューロン安定性抗てんかん薬;ベンラファキシンなどのモノアミン作動性取り込み阻害薬;オピオイド鎮痛剤;局所麻酔薬;トリプタン類などの5HTアゴニスト、例えば、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、フロバトリプタン、アルモトリプタン、またはリザトリプタン;EP受容体リガンド;EP受容体リガンド;EP受容体リガンド;EPアンタゴニスト;EPアンタゴニストおよびEPアンタゴニスト;カンナバノイド受容体アゴニスト;VR1アンタゴニストと組み合わせて用いてもよい。化合物が他の治療剤と組み合わせて用いられる場合、化合物は任意の好都合な経路で連続してまたは同時に投与されてもよい。
【0060】
したがって、本発明は、さらなる実施形態において、さらなる治療剤または複数の治療剤と共に本発明の化合物またはその医薬上許容される誘導体を含む組合せを提供する。本発明の1の実施形態において、本発明の化合物またはその医薬上許容される誘導体およびパラセタモールを含む組合せが提供される。
【0061】
上記の組合せは、好都合なことに医薬処方の形態で用いるために存在していてもよく、したがって医薬上許容される担体または賦形剤と共に上記の組合せを含む医薬処方は、本発明のさらなる態様をなす。特に、本発明の化合物またはその医薬上許容される誘導体、パラセタモールおよびそのための医薬上許容される担体または希釈剤を含む医薬組成物が提供される。かかる組合せの個々の成分は、別々のまたは組み合わせた医薬処方で連続してまたは同時に投与されてもよい。
【0062】
本発明の化合物またはその医薬上許容される誘導体を同じ疾患に対して活性な第2の治療剤と組み合わせて用いる場合、各化合物の投与量は、化合物が単独使用される場合の投与量と異なっていてもよい。適当な投与量は、当業者であれば容易に分かるであろう。
【0063】
ヒトの治療のための、本発明の化合物またはその医薬上許容される塩の提案された1日投与量は、遊離酸として算出して、0.001〜30mg/体重(kg)/日、およびより具体的には0.1〜3mg/体重(kg)/日であり、単回または分割投与、例えば1回〜4回/日投与されてもよい。成人の投与量範囲は、遊離酸として算出して、一般に0.1〜1000mg/日、例えば、10〜800mg/日、好ましくは10〜200mg/日である。
【0064】
パラセタモールの適当な日用量は、一日当たり4000mgまでである。適当な単位用量として、200、400、500および1000mgを、一日当たり一回、二回、三回または四回投与した量が挙げられる。
【0065】
宿主、特にヒト患者に投与される本発明の化合物の正確な量は、かかりつけ医の責任であろう。しかしながら、用いられる投与量は、患者の年齢および性別、治療中の正確な病態およびその重症度、投与経路、および試みられていてもよい任意の可能な併用療法を含む、多数の要因に依存するであろう。
【0066】
本発明の化合物は、それらが「式(I)」として一般的に示されている、スキーム1a、1bおよび1cにしたがって調製されてもよい。
【化1】

【0067】
式中、(i)LHMDS、THF;(ii)R−BrまたはR−I、KCO、(CHCO;(iii)NaOH、EtOH/HO;(iv)SOCl、CHCl;(v)CHCOH;(vi)Pd/C、H、EtOH;(vii)NaBH、MeOH/THFまたはEtOH/THF;(viii)EtSiH、TFA。
【0068】
スキーム1a、1bおよび1cに用いられるように、
はC1−4アルキルを表し;
RはC1−4アルキルまたはCHPhを表し;
およびRは、独立して、C1−4アルキルまたはCHPhを表し;
はC1−4アルキル、C1−4アルコキシまたはCFを表し;
はC1−6アルキルを表し;
はC1−4アルキルを表し;
mおよびnは、独立して、0または1を表し;および
R*=RまたはRである。
【0069】
スキーム1aにおいて、RおよびRが異なる場合、Rを、次いで、Rを、またはその逆に加える2段階方法として工程iiは実施される。
【化2】

【0070】
式中、(ix)氷酢酸、2N HCl(1:1);(x)NaBH、MeOH/THF;(xi)EtSiH、TFA。
【0071】
【化3】

【0072】
式中、(xii)NaOH、EtOH。
【0073】
本明細書に用いられる、「C1−4アルキル」なる語には、1〜4個の炭素原子を含有する直鎖および分岐鎖アルキル基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチルおよびtert−ブチルが含まれる。「C1−6アルキル」なる語は、適宜解釈されうる。
【0074】
式(1)の化合物は、商業的に入手可能であるかまたは当該分野にて既知の方法にしたがって調製されうる。例えば、ジメチルフタル酸メチルは、Sigma−Aldrich Co.Ltdから購入されうる。
【0075】
式(A)の化合物は、商業的に入手可能であるかまたは当該分野にて既知の方法にしたがって調製されうる。例えば、コハク酸ジエチルは、Sigma−Aldrich Co.Ltdから購入されうる。
【0076】
式(1)の化合物と式(A)の化合物の間の反応は、国際特許出願公開番号WO02/064564に開示される方法にしたがって行われうる。
【0077】
式(B)の化合物は、スキーム2にしたがって調製されうる。
【化4】

【0078】
式中、(i)NaH、乾DMFまたはDMSO;(ii)NHCOH、EtOH、Pd/C;またはPd/C、H、次いで、NaOH、次いで、HCl、次いで、EtOH/PhMe/PTSA;式中:RおよびRはスキーム1a、1bおよび1cについて定義されるとおりであり、RはC1−4アルキルまたはCHPhを表す。
【0079】
スキーム2に用いられるように、Xは、ハロ、例えば、FまたはClを表す。
【0080】
式(4)の化合物は、商業的に入手可能であるかまたは当該分野にて既知の方法にしたがって調製されうる。例えば、5−フルオロ−2−ニトロベンゼン三フッ化物および5−フルオロ−2−ニトロトルエンおよび5−クロロ−2−ニトロアニソールは、Sigma−Aldrich Co.Ltdから購入されうる。
【0081】
式(5)の化合物は、商業的に入手可能であるかまたは当該分野にて既知の方法にしたがって調製されうる。例えば、マロン酸ベンジルエチルおよびマロン酸ジメチルは、Sigma−Aldrich Co.Ltdから購入されうる。
【実施例】
【0082】
以下の記載例および実施例は、本発明の化合物の調製を説明する。記載例は、中間体化合物をいう。
【0083】
略語
DCM ジクロロメタン
DMAP 4−(ジメチルアミノ)ピリジン
DMSO ジメチルスルホキシド
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
DMF ジメチルホルムアミド
HCl 塩酸
LC/MS 液体クロマトグラフィー/質量分析
LHMDS リチウムヘキサメチルジシラジド
MeOH メタノール
MDAP マスディレクティッド自動調製
PTSA p−トルエンスルホン酸
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
【0084】
分析法
LC/MS
カラム
Waters Atlantis(4.6mmx50mm)。固定相粒径、3μm。
【0085】
溶媒
A:水性溶媒=水+0.05%ギ酸
B:有機溶媒=アセトニトリル+0.05%ギ酸
【0086】
【表1】

【0087】
全保持時間を分単位で測定する。
【0088】
精製法
実施例の精製は、適当な溶媒を用いてクロマトグラフィーおよび/または再結晶などの従来の方法によって実施されうる。クロマトグラフ法には、カラムクロマトグラフィー、フラッシュクロマトグラフィー、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)、SFC(超臨界流体クロマトグラフィー)、およびMDAP(マスディレクティッド自動調製)が含まれる。
【0089】
本明細書に用いられる「Biotage」なる語は、商業的に入手可能なプレパックシリカゲルカートリッジをいう。
【0090】
マスディレクティッド自動調製(MDAP)
カラム
Waters Atlantis:19mmx100mm(小スケール);および30mmx100mm(大スケール)。
固定相粒径、5μm。
【0091】
溶媒
A:水性溶媒=水+0.1%ギ酸
B:有機溶媒=アセトニトリル+0.1%ギ酸
後処理溶媒=メタノール:水 80:20
ニードル洗浄溶媒=メタノール
【0092】
方法
5種の方法を、目的化合物の分析保持時間によって用いた:
(1) 大/小スケール 1.0−1.5=5−30% B
(2) 大/小スケール 1.5−2.2=15−55% B
(3) 大/小スケール 2.2−2.9=30−85% B
(4) 大/小スケール 2.9−3.6=50−99% B
10分の勾配、次いで、3.5分のカラム洗浄および再平衡工程を含む、実行時間、13.5分。
【0093】
(5) 大/小スケール 3.6−5.0=80−99% B
6分の勾配、次いで、7.5分のカラム洗浄および再平衡工程を含む、実行時間、13.5分。
【0094】
流速
20ml/分(小スケール)または40ml/分(大スケール)。
【0095】
腸臨界流体クロマトグラフィー(SFC)
Berger エチル−ピリジン カラム(150mmx21.2mm ID;6ミクロン)
A=二酸化炭素およびB=メタノール
Isocratic @ A:B(85:15v/v);流速=50mL/分;35℃;100bar
220nmのUV吸収による検出
注入量:250uL
【0096】
キラル超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)
Chiralcel OD(250mmx20mm ID;10ミクロン)
A=二酸化炭素およびB=メタノール
Isocratic @ A:B(75:25v/v);流速=50mL/分;35℃;100bar
215nmのUV吸収による検出
注入量:1mL
【0097】
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
Chiralcel OD(250mmx20mm ID;10ミクロン)
A=ヘプタンおよびB=EtOH
Isocratic @ A:B(70:30v/v);常温。
215nmのUV吸収による検出
ID=内径
【0098】
記載例1
1,4−ジヒドロキシ−6−メチル−2,3−ナフタレンジカルボン酸ジエチル
【化5】

THF(150ml)中のジメチルフタル酸メチル(10g、48mmol)およびLHMDS(ヘキサン中1M、196ml、192mmol)を0℃に冷却した。コハク酸ジエチル(15.9ml、96mmol)を20分にわたって滴下した(最大内部温度4℃)。室温に加温した。4時間後、1M HCl(約500ml)を加え、水層をEtOAc(x2)で抽出し、全ての合した有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空中で濃縮し、橙色油を得た。これを、酢酸エチル/ヘキサン(2:98)で溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、白色固体として標記化合物を得た(3.03g、9.5mmol)。LC/MS:Rt=3.51。
【0099】
記載例2
1,4−ビス(プロピルオキシ)−2,3−ナフタレンジカルボン酸ジエチル
【化6】

1−ブロモプロパン(13.1ml、144.4mmol)を、1,4−ジヒドロキシ−2,3−ナフタレンジカルボン酸ジエチル(11g、36.1mmol)および炭酸カリウム(24.9g、180.5mmol)のアセトン(180ml)中攪拌溶液に加えた。アルゴン雰囲気下で一晩還流した。得られた混合物を冷却し、濾過し、濾液から溶媒を蒸発させた。残渣をトルエンで処理し、5%水酸化カリウム溶液、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。酢酸エチル/ヘキサン(1:9)で溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、黄色油として標記化合物を得た(11.45g、29.5mmol)。LC/MS:Rt=3.87、[MH]389。
【0100】
1,4−ジヒドロキシ−2,3−ナフタレンジカルボン酸塩は、国際特許出願公開番号WO02/064564に開示された方法にしたがって調製されうる。
【0101】
以下の化合物を、適当な出発物質を用いて、1,4−ビス(プロピルオキシ)−2,3−ナフタレンジカルボン酸ジエチルと同様の方法で調製した。
【表2】

【0102】
記載例6
1,4−ビス(プロピルオキシ)−2,3−ナフタレンジカルボン酸
【化7】

1,4−ビス(プロピルオキシ)−2,3−ナフタレンジカルボン酸ジエチル(11.45g、29.5mmol)、エタノール(70ml)、水酸化ナトリウム(3.54g、88.5mmol)および水(15ml)の混合物を4時間還流した。反応混合物を冷却し、3分の1の容量に濃縮した。これを塩酸(2N)で酸性化し、酢酸エチル(3x100ml)で抽出した。合した有機層を、水、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を蒸発させ、黄色固体として標記化合物を得た(8.91g、26.8mmol)。LC/MS:Rt=2.74、[MH]333。
【0103】
以下の化合物を、適当な出発物質を用いて、1,4−ビス(プロピルオキシ)−2,3−ナフタレンジカルボン酸と同様の方法で調製した。
【表3】

【0104】
記載例10
4,9−ビス(プロピルオキシ)ナフト[2,3−c]フラン−1,3−ジオン
【化8】

塩化チオニル(20.5ml、281.4mmol)を、1,4−ビス(プロピルオキシ)−2,3−ナフタレンジカルボン酸(8.91g、26.8mmol)のクロロホルム(80ml)中溶液に滴下し、65℃で2.5時間加熱した。反応混合物を冷却し、溶媒を蒸発させ、黄色固体を得た。クロロホルムと共沸し、ベージュ色固体として標記化合物を得た(8.74g、収率103%)。LC/MS:Rt=3.77、[MH]315。
【0105】
以下の化合物を、適当な出発物質を用いて、4,9−ビス(プロピルオキシ)ナフト[2,3−c]フラン−1,3−ジオンと同様の方法で調製した。
【表4】

【0106】
記載例13
[3−(メチルオキシ)−4−ニトロフェニル]プロパン二酸ジメチル
【化9】

水素化ナトリウム(油中60%、8.73g、2.2当量)を40−60石油エーテル(x2)で洗浄し、次いで、DMSO(225ml)を、次いで、マロン酸ジメチル(25ml、2.2当量)を少量ずつ加えた。添加後、混合物を30分間100℃に加熱し、次いで、一晩室温に冷却した。翌日、5−クロロ−2−ニトロアニソール(18.61g、1当量)を加え、溶液を100℃(内部)に加熱した。3時間後、さらなるマロン酸ナトリウム(0.6当量){DMSO(60ml)中のマロン酸ジメチル(6.8ml)および水酸化ナトリウム(2.38g)}を、さらに、さらなる5−クロロ−2−ニトロアニソール(2.71g)およびさらなるマロン酸ジメチル(4ml)を加えた。17時間加熱した後、溶液を冷却し;酢酸(18ml)を加え、次いで、水(700ml)に少量ずつ注いだ。ジエチルエーテル/石油エーテル40−60(1:1、4x140ml)で、次いで、DCM/シクロヘキサン(2:1)で抽出した。有機層を合し、過剰のマロン酸ジメチルを真空中で蒸留除去し、暗赤色油を得た(約30g)。シリカゲルクロマトグラフィー(DCM)に付して精製し、油(約20.4g)を得、さらにシリカゲルクロマトグラフィー(CHCl、次いで、DCM)に付して2回抽出し、黄色固体として標記化合物を得た(11.56g)。
【0107】
記載例14
[4−アミノ−3−(メチルオキシ)フェニル]酢酸エチル
【化10】

[3−(メチルオキシ)−4−ニトロフェニル]プロパン二酸ジメチル(19.65g)および炭素担体10%Pd(1.3g)を、EtOH、酢酸およびCHClの混合液(400ml)中で水素下にて攪拌した。数時間後、濃HCl(4ml)を加え、混合物を水素下で一晩攪拌した。触媒を濾過し、EtOH(250ml)を、次いで、水(60ml)中のNaOH(6.3g)を加え、暗色溶液を得た(溶媒をNで脱気した)。室温で2日間静置し、次いで、さらなるEtOHで希釈し、濃HClで酸性化した。2時間加熱還流し、次いで、真空中で蒸発乾固し、水(350ml)を加え、CHCl(x3)で抽出した。有機層を真空中で蒸発乾固し、週末にわたって室温で水性NaOHにて処理し、再度蒸発乾固し、再度蒸発乾固する前に、水性HClを加え、90℃で75分間加熱した。酸の単離を立証することは困難であったので、エチルエステルを形成した:全ての水性画分を合し、蒸発乾固し、次いで、トルエン(40ml)およびEtOH(140ml)の混合液中でトルエンスルホン酸(触媒)と懸濁し、付属のディーン・スタークヘッドと7時間加熱還流した。冷却し、真空中で蒸発させ、水を加え、次いで、固体NaHCOで塩基性化した。CHClで抽出し、真空中で蒸発させ、黒色油を得た(6.9g)。シリカゲルクロマトグラフィー(DCM)に付して精製し、褐色油を得た(3.78g)。CHCl中でジオキサン中HClにて処理し、蒸発乾固し、HCl塩として標記化合物を得た(4.21g)。LC/MS:Rt=2.15、[M+]209。
【0108】
記載例15
[4−ニトロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]プロパン二酸エチル フェニルメチル
【化11】

水素化ナトリウム(382mg、9.6mmol)を、マロン酸ベンジルエチル(2.1g、9.6mmol)の乾DMF(20ml)中氷浴冷却溶液に少量ずつ加え、10分間攪拌した。室温で、5−フルオロ−2−ニトロベンゼン三フッ化物(nitrobenzenotrifluoride)(2g、9.6mmol)を加え、アルゴン下で攪拌した。100℃で一晩加熱した。反応混合物を冷却し、2N塩酸(75ml)と酢酸エチル(75ml)の間に分配した。水層を酢酸エチル(2x75ml)で抽出し、合した有機層を黄色油に蒸発した。酢酸エチル/ヘキサン(1:4)で溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、黄色油として標記化合物を得た(1.23g、3.0mmol)。LC/MS:Rt=3.53、[MH]410。
【0109】
以下の化合物を、適当な出発物質を用いて、[4−ニトロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]プロパン二酸エチル フェニルメチルと同様の方法で調製した。
【表5】

【0110】
記載例17
[4−アミノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]酢酸エチル
【化12】

エタノール(30ml)で溶解した[4−ニトロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]プロパン二酸エチル フェニルメチル(2.1g、5.0mmol)をギ酸アンモニウム(3.16g、50.1mmol)で処理し、炭素担体10%パラジウムペースト(200mg)をアルゴン下で加えた。反応混合物を3時間還流し、冷却し、濾過した。蒸発させ、酢酸エチル/ヘキサン(1:4)で溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、黄色油として標記化合物を得た(490mg、1.98mmol)。LC/MS:Rt=2.70、[MH]248。
【0111】
以下の化合物を、適当な出発物質を用いて、[4−アミノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]酢酸エチルと同様の方法で調製した。
【表6】

【0112】
記載例19
{4−[1,3−ジオキソ−4,9−ビス(プロピルオキシ)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3−メチルフェニル}酢酸エチル
【化13】

酢酸(2ml)で溶解した4,9−ビス(プロピルオキシ)ナフト[2,3−c]フラン−1,3−ジオン(200mg、0.6mmol)を、(4−アミノ−3−メチルフェニル)酢酸エチル(245mg、1.2mmol)で処理し、一晩加熱還流した。反応混合物を冷却し、酢酸エチルおよび水で希釈した。水相を酢酸エチル(x2)で抽出した。合した有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。蒸発させ、酢酸エチル/ヘキサン(1:5)で溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、橙色油を得、メタノールでトリチュレートし、白色固体として標記化合物を得た(264mg、0.5mmol)。LC/MS:Rt=4.13、[MH]490。
【0113】
以下の化合物を、適当な出発物質を用いて、{4−[1,3−ジオキソ−4,9−ビス(プロピルオキシ)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3−メチルフェニル}酢酸エチルと同様の方法で調製した。これらの化合物のいくつかは、DMAPおよび粉末モレキュラーシーブ(4A)の存在下で調製され、反応を終了させ、次いで、イソプロパノールから再結晶で精製した(で示される)。
【表7】

【0114】
記載例24
{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−6−メチル−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]フェニル}酢酸エチル
【化14】

マイクロ波バイアルにおいて、1,4−ビス(エチルオキシ)−6−メチル−2,3−ナフタレンジカルボン酸(0.1g、0.3mmol)、(4−アミノフェニル)酢酸エチル(130mg、0.63mmol)および4Å粉末モレキュラーシーブ(120mg)をN−メチルピロリジン(1ml)で懸濁し、密封し、150℃でマイクロ波にて30分間加熱した。冷却し、EtOAcで希釈し、水で洗浄した。水層をさらにEtOAcで抽出した。合した有機層を、2M HCl、ブラインで洗浄し、(MgSO)乾燥し、真空中で濃縮した。クロマトグラフィー精製(10g SiO、ヘキサン中5−30%EtOAcで溶出)を行い、灰白色固体として標記化合物を得た(105mg、75%)。LC/MS:Rt=3.88、[MH]462。
【0115】
実施例1
{4−[1,3−ジオキソ−4,9−ビス(プロピルオキシ)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3−メチルフェニル}酢酸
【化15】

{4−[1,3−ジオキソ−4,9−ビス(プロピルオキシ)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3−メチルフェニル}酢酸エチル(39mg、0.08mmol)を、氷酢酸(2ml)および2N塩酸(2ml)で懸濁し、終了するまで加熱した(50−110℃、70時間)。冷却し、水を加えた。形成した白色沈渣を濾過し、水で洗浄し、回収し、一晩真空オーブン中で乾燥した(15mg、0.03mmol)。LC/MS:Rt=3.71、[MH]462。
【0116】
以下の化合物を、適当な出発物質を用いて、{4−[1,3−ジオキソ−4,9−ビス(プロピルオキシ)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3−メチルフェニル}酢酸と同様の方法で調製した。最終化合物のいくつかは、MDAP精製を必要とした(で示される)。水を加えて沈殿が形成しなかった場合、酢酸エチル抽出を達成し、最終生成物を回収した(で示される)。
【表8】

【0117】
記載例25
{4−[1−ヒドロキシ−3−オキソ−4,9−ビス(プロピルオキシ)−1,3−ジヒドロ−2h−ベンゾ[F]イソインドール−2−イル]−3−メチルフェニル}酢酸エチル
【化16】

{4−[1,3−ジオキソ−4,9−ビス(プロピルオキシ)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3−メチルフェニル}酢酸エチル(200mg、0.4mmol)をメタノール(3ml)で懸濁し、テトラヒドロフラン(1ml)を溶液に加えた。氷浴中で0℃に冷却し、2分にわたって水素化ホウ素ナトリウム(46mg、1.22mmol)で少量ずつ処理した。アルゴン下0℃で1時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を酢酸エチルと1M塩化アンモニウム溶液の間に分配した。水層を酢酸エチル(x2)で抽出した。合した有機層を、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層を蒸発させ、標記化合物を得た(215mg、0.43mmol)。LC/MS:Rt=3.70、[MH]492。
【0118】
以下の化合物を、適当な出発物質を用いて、{4−[1−ヒドロキシ−3−オキソ−4,9−ビス(プロピルオキシ)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3−メチルフェニル}酢酸エチルと同様の方法で調製した。いくつかの化合物を、反応を促進するためにエタノールの存在下で調製した(で示される)。
【表9】

【0119】
記載例28
{3−メチル−4−[1−オキソ−4,9−ビス(プロピルオキシ)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]フェニル}酢酸エチル
【化17】

{4−[1−ヒドロキシ−3−オキソ−4,9−ビス(プロピルオキシ)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3−メチルフェニル}酢酸エチル(215mg、0.4mmol)をトリフルオロ酢酸(3ml)で溶解し、氷浴中で0℃に冷却した。トリエチルシラン(0.10ml、0.65mmol)で処理し、0℃で1時間攪拌した。揮発物を蒸発させ、酢酸エチル/ヘキサン(1:4)で抽出するシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して直接精製した。MDAP精製に付し、白色固体として標記化合物を得た(29mg、0.06mmol)。LC/MS:Rt=4.05、[MH]476。
【0120】
以下の化合物を、適当な出発物質を用いて、{3−メチル−4−[1−オキソ−4,9−ビス(プロピルオキシ)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]フェニル}酢酸エチルと同様の方法で調製した。
【表10】

【0121】
実施例6
{3−メチル−4−[1−オキソ−4,9−ビス(プロピルオキシ)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]フェニル}酢酸
【化18】

{3−メチル−4−[1−オキソ−4,9−ビス(プロピルオキシ)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]フェニル}酢酸エチル(29mg、0.06mmol)をエタノール(3ml)で溶解し、2N水酸化ナトリウム(1ml)で処理した。2時間加熱還流し、次いで、冷却し、溶媒を蒸発させた。残渣を2N塩酸でpH1に酸性化した。固体沈殿を濾過し、水で洗浄し、真空オーブンで一晩乾燥し、白色固体として標記化合物を得た(23mg、0.05mmol)。LC/MS:Rt=3.61、[MH]448。
【0122】
以下の化合物を、適当な出発物質を用いて、{3−メチル−4−[1−オキソ−4,9−ビス(プロピルオキシ)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]フェニル}酢酸と同様の方法で調製した。
【表11】

【0123】
記載例31
1−(エチルオキシ)−4−ヒドロキシ−2,3−ナフタレンジカルボン酸ジエチル
【化19】

ブロモエタン(0.359g、3.29mmol)を、1,4−ジヒドロキシ−2,3−ナフタレンジカルボン酸ジエチル(1g、3.29mmol)および炭酸カリウム(0.454g、3.29mmol)のアセトン(25ml)中攪拌溶液に加えた。反応混合物を、アルゴン雰囲気下で24時間還流した。得られた混合物を蒸発させ、残渣を2x酢酸エチルと水の間に分配した。合した有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。橙色油を、ヘキサン中酢酸エチル(0−10%)で溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、透明油として標記化合物を得た(0.661g、1.99mmol)。LC/MS:Rt=3.63、[MH]331。
【0124】
以下の化合物を、適当なアルキル化剤、ヨウ化メチルおよび2−ブロモプロパンを用いて、1−(エチルオキシ)−4−ヒドロキシ−2,3−ナフタレンジカルボン酸ジエチルと同様の方法で調製した。
【表12】

【0125】
記載例34
1−(エチルオキシ)−4−[(フェニルメチル)オキシ]−2,3−ナフタレンジカルボン酸ジエチル
【化20】

臭化ベンジル(1.32ml、11.1mmol)を、1−(エチルオキシ)−4−ヒドロキシ−2,3−ナフタレンジカルボン酸ジエチル(2.45g、7.38mmol)および炭酸カリウム(1.53g、11.1mmol)のアセトン(50ml)中攪拌溶液に加えた。反応混合物を、アルゴン雰囲気下で1時間還流した。得られた混合物を蒸発させ、残渣を2x酢酸エチルとブラインの間に分配した。合した有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。透明油を、ヘキサン中酢酸エチル(0−40%)で溶出する、シリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、透明油として標記化合物を得た(3.05g、7.23mmol)。LC/MS:Rt=3.77、[MH]423。
【0126】
以下の化合物を、適当な出発物質を用いて、1−(エチルオキシ)−4−[(フェニルメチル)オキシ]−2,3−ナフタレンジカルボン酸ジエチルと同様の方法で調製した。
【表13】

【0127】
記載例37
1−(エチルオキシ)−4−[(フェニルメチル)オキシ]−2,3−ナフタレンジカルボン酸
【化21】

1−(エチルオキシ)−4−[(フェニルメチル)オキシ]−2,3−ナフタレンジカルボン酸ジエチル(3.05g、7.23mmol)、エタノール(30ml)、および2N水性水酸化ナトリウム溶液(35ml)の混合物を3時間還流した。反応混合物を冷却し、蒸発させた。これを、HCl(2N)で酸性化し、酢酸エチルで2回抽出した。合した有機層を、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発させ、白色固体として標記化合物を得た(2.55g、6.97mmol)。LC/MS:Rt=2.76、[MH]365。
【0128】
以下の化合物を、適当な出発物質を用いて、1−(エチルオキシ)−4−[(フェニルメチル)オキシ]−2,3−ナフタレンジカルボン酸と同様の方法で調製した。
【表14】

【0129】
記載例40
(4−{4−(エチルオキシ)−1,3−ジオキソ−9−[(フェニルメチル)オキシ]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸エチル
【化22】

1−(エチルオキシ)−4−[(フェニルメチル)オキシ]−2,3−ナフタレンジカルボン酸(2.55g、6.97mmol)および(4−アミノフェニル)酢酸エチル(2.49g、13.9mmol)の混合物を、酢酸(20ml)中で18時間120℃に加熱した。反応混合物をブラインで希釈し、酢酸エチルで2回抽出した。合した有機層を水で洗浄し、次いで、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発させ、褐色油を得た。これを、ヘキサン中酢酸エチル(0−30%)で溶出する、シリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、桃色固体として標記化合物を得た(2.63g、5.17mmol)。LC/MS:Rt=3.95、[MH]510。
【0130】
以下の化合物を、適当な出発物質を用いて、(4−{4−(エチルオキシ)−1,3−ジオキソ−9−[(フェニルメチル)オキシ]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸エチルと同様の方法で調製した。
【表15】

【0131】
実施例9
(4−{4−(エチルオキシ)−1,3−ジオキソ−9−[(フェニルメチル)オキシ]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸
【化23】

(4−{4−(エチルオキシ)−1,3−ジオキソ−9−[(フェニルメチル)オキシ]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸エチル(0.10g、0.196mmol)を、酢酸:2N水性塩酸の1:1混合液(8ml)中で1時間100℃に加熱した。反応物を室温に冷却した。水を加えると、得られた黄色固体を、濾過により回収し、水で洗浄した。これを、MDAPに付して精製し、所望の生成物を得た(0.017g、0.035mmol)。LC/MS:Rt=3.46、[MH]482。
【0132】
記載例43
(4−{4−ヒドロキシ−9−[1−メチルエトキシ]−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸エチル
【化24】

炭素担体10%パラジウム(0.365g)をエタノール(500ml)で懸濁し、これに(4−{4−[1−メチルエトキシ]−1,3−ジオキソ−9−[(フェニルメチル)オキシ]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸エチル(3.65g、6.98mmol)を加えた。反応物を、水素雰囲気下室温で3時間攪拌した。これを、一面アルゴン下でセライト層に通して濾過し、エタノールおよびジクロロメタンで洗浄した。濾液を蒸発させ、橙色固体を得た(3.05g、7.04mmol)。LC/MS:Rt=3.72、[MH]434。
【0133】
以下の化合物を、適当な出発物質を用いて、(4−{4−ヒドロキシ−9−[1−メチルエトキシ]−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸エチルと同様の方法で調製した。
【表16】

【0134】
記載例46
(4−{4−[(−[1−メチルエトキシ]−9−[(2−メチルプロピル)オキシ]−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸エチル
【化25】

(4−{4−ヒドロキシ−9−[1−メチルエトキシ]−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸エチル(0.30g、0.693mmol)のジメチルホルムアミド(5ml)中溶液に、炭酸カリウム(0.191g、1.39mmol)、次いで、1−ブロモ−2−メチルプロパン(0.192g、1.04mmol)を加えた。反応物を6時間80℃に加熱した。1−ブロモ−2−メチルプロパン(0.192g、1.04mmol)をさらに加え、さらに4時間加熱し続けた。冷却混合物を、2x酢酸エチルとブラインの間に分配し、合した有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、黄色油になるまで蒸発させた。これを、ヘキサン中酢酸エチル(0−30%)で溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、黄色固体として標記化合物を得た(0.225g、0.460mmol)。LC/MS:Rt=4.07、[MH]490。
【0135】
以下の化合物を、適当な出発物質を用いて、(4−{4−[(−[1−メチルエトキシ]−9−[(2−メチルプロピル)オキシ]−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸エチルと同様の方法で調製した。
【表17−1】

【表17−2】

【0136】
実施例10
(4−{4−[1−メチルエトキシ]−9−[(2−メチルプロピル)オキシ]−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸
【化26】

(4−{4−[(−[1−メチルエトキシ]−9−[(2−メチルプロピル)オキシ]−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸エチル(0.225g、0.460mmol)を、酢酸:2N水性塩酸の1:1混合液(10ml)中で2時間100℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却した。水を加えて、得られた黄色固体を濾過により回収し、水で洗浄し、0.20gの粗生成物を得た。0.10gを、マスディレクティッド自動調製に付して精製し、標記化合物を得た(0.076g、0.165mmol)。LC/MS:Rt=3.73、[MH]462。
【0137】
以下の化合物を、適当な出発物質を用いて、(4−{4−[1−メチルエトキシ]−9−[(2−メチルプロピル)オキシ]−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸と同様の方法で調製した。
【表18−1】

【表18−2】

【0138】
記載例54
{4−[4−(ブチルオキシ)−9−(エチルオキシ)−3−ヒドロキシ−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]フェニル}酢酸および{4−[4−(ブチルオキシ)−9−(エチルオキシ)−1−ヒドロキシ−3−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]フェニル}酢酸
【化27】

0℃に冷却した{4−[4−(ブチルオキシ)−9−(エチルオキシ)−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]フェニル}酢酸(0.160g、0.358mmol)のエタノール(3ml)およびテトラヒドロフラン(3ml)中溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(0.041g、1.17mmol)を少量ずつ加えた。反応物を0℃で1時間攪拌し、次いで、さらなる量の水素化ホウ素ナトリウム(0.041g、1.17mmol)を加え、室温で1時間攪拌し続けた。混合物を蒸発させ、次いで、水性飽和塩化アンモニウム溶液でクエンチした。これを、酢酸エチルで2回抽出した。水相を2N塩酸で酸性化し、次いで、酢酸エチルで2回再抽出した。合した有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させ、粗生成物を得た(0.168g、0.374mmol)。LC/MS:Rt=3.26、[MH]450。
【0139】
以下の化合物を、適当な出発物質を用いて、{4−[4−(ブチルオキシ)−9−(エチルオキシ)−3−ヒドロキシ−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]フェニル}酢酸および{4−[4−(ブチルオキシ)−9−(エチルオキシ)−1−ヒドロキシ−3−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]フェニル}酢酸と同様の方法で調製した。
【表19−1】

【表19−2】

【0140】
記載例59
(4−{1−ヒドロキシ−4−(メチルオキシ)−9−[(1−メチルプロピル)オキシ]−3−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸エチルおよび(4−{1−ヒドロキシ−9−(メチルオキシ)−4−[(1−メチルプロピル)オキシ]−3−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸エチル
【化28】

(4−{4−(メチルオキシ)−9−[(1−メチルプロピル)オキシ]−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸エチル(0.419g、0.909mmol)のエタノール(4ml)およびテトラヒドロフラン(8ml)中溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(0.104g、2.74mmol)を少量ずつ加えた。反応物を1時間攪拌し、次いで、さらなる量の水素化ホウ素ナトリウム(0.208g、5.47mmol)を加え、室温で1時間攪拌し続けた。混合物を、水性飽和塩化アンモニウム溶液でクエンチし、次いで、蒸発させた。これを、酢酸エチルで2回抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ、粗生成物を得た(0.414g、0.894mmol)。LC/MS:Rt=3.59、[MH]464。
【0141】
記載例60
{4−[4−(ブチルオキシ)−9−(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]フェニル}酢酸および{4−[9−(ブチルオキシ)−4−(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]フェニル}酢酸
【化29】

0℃に冷却した{4−[4−(ブチルオキシ)−9−(エチルオキシ)−3−ヒドロキシ−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]フェニル}酢酸および{4−[4−(ブチルオキシ)−9−(エチルオキシ)−1−ヒドロキシ−3−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]フェニル}酢酸(0.168g、0.374mmol)のトリフルオロ酢酸(1ml)中溶液に、トリエチルシラン(0.089ml、0.561mmol)を加えた。0℃で10分間攪拌し続け、次いで、混合物を蒸発させた。異性体を、超臨界流体クロマトグラフィーを用いて分離した。
【0142】
実施例16
{4−[4−(ブチルオキシ)−9−(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]フェニル}酢酸
(0.024g、0.055mmol)
LC/MS:Rt=3.52、[MH]434。
【化30】

【0143】
実施例17
{4−[9−(ブチルオキシ)−4−(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]フェニル}酢酸
(0.042g、0.097mmol)
LC/MS:Rt=3.54、[MH]+434
【化31】

【0144】
以下の化合物を、適当な出発物質を用いて、{4−[4−(ブチルオキシ)−9−(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]フェニル}酢酸および{4−[9−(ブチルオキシ)−4−(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]フェニル}酢酸と同様の方法で調製した。
【表20】

【0145】
記載例61
(4−{4−[(1−メチルエチル)オキシ]−9−[(2−メチルプロピル)オキシ]−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸−(4−{9−[(1−メチルエチル)オキシ]−4−[(2−メチルプロピル)オキシ]−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸
【化32】

0℃に冷却したエチル(4−{1−ヒドロキシ−9−[(1−メチルエチル)オキシ]−4−[(2−メチルプロピル)オキシ]−3−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸および(4−{1−ヒドロキシ−4−[(1−メチルエチル)オキシ]−9−[(2−メチルプロピル)オキシ]−3−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸(0.114g、0.246mmol)の混合物のトリフルオロ酢酸(1ml)中溶液に、トリエチルシラン(0.059ml、3.69mmol)を加えた。荒色が淡黄色に変わるまで0℃で攪拌した。これを蒸発させた。次いで、2つの位置異性体の粗反応混合物を次の反応にて用いた。
LC/MS:Rt=3.65,[MH]448。
【0146】
以下の化合物を、適当な出発物質を用いて、(4−{4−[(1−メチルエチル)オキシ]−9−[(2−メチルプロピル)オキシ]−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸−(4−{9−[(1−メチルエチル)オキシ]−4−[(2−メチルプロピル)オキシ]−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸と同様の方法で調製した。
【表21】

【0147】
記載例63
(+−)(4−{4−(メチルオキシ)−9−[(1−メチルプロピル)オキシ]−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸エチル
【化33】

0℃に冷却した(4−{1−ヒドロキシ−4−(メチルオキシ)−9−[(1−メチルプロピル)オキシ]−3−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸エチルおよび(4−{1−ヒドロキシ−9−(メチルオキシ)−4−[(1−メチルプロピル)オキシ]−3−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸エチル(0.421g、0.909mmol)のトリフルオロ酢酸(5ml)中溶液に、トリエチルシラン(0.217ml、1.36mmol)を加えた。0℃で15分間攪拌し続け、次いで、混合物を蒸発させた。粗混合物を、ヘキサン中酢酸エチル(0−30%)で溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーを用いて精製した。次いで、異性体を、キラル超臨界流体クロマトグラフィーを用いて分離した(1の位置異性体のみ単離したが、2つのエナンチオマーを分離した)。
【0148】
(4−{4−(メチルオキシ)−9−[(1−メチルプロピル)オキシ]−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸エチル-エナンチオマー1
(0.018g、0.040mmol)
LC/MS:Rt=4.07、[MH]448。
【化34】

【0149】
(4−{4−(メチルオキシ)−9−[(1−メチルプロピル)オキシ]−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸エチル−エナンチオマー2
(0.018g、0.040mmol)
LC/MS:Rt=4.07、[MH]448。
【化35】

【0150】
記載例64
(4−{9−[1−メチルエトキシ]−4−[(2−メチルプロピル)オキシ]−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸エチルおよび(4−{4−[1−メチルエトキシ]−9−[(2−メチルプロピル)オキシ]−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸エチル
【化36】

(4−{9−[1−メチルエトキシ]−4−[(2−メチルプロピル)オキシ]−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸および(4−{9−[1−メチルエトキシ]−4−[(2−メチルプロピル)オキシ]−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸(0.098g、0.22mmol)のエタノール(5ml)中溶液に、3滴の濃硫酸を加えた。これを、30分間100℃に加熱した。反応物を、880アンモニアで塩基性化し、次いで、蒸発させた。混合物を、疎水性フリットを用いてジクロロメタンおよび水の間に2回分配した。有機抽出液を蒸発除去した。異性体を、HPLCクロマトグラフィーを用いて分離した。
【0151】
(4−{4−[1−メチルエトキシ]−9−[(2−メチルプロピル)オキシ]−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸エチル
(0.025g、0.053mmol)
LC/MS:Rt=4.18 [MH]476。
【化37】

【0152】
(4−{9−[1−メチルエトキシ]−4−[(2−メチルプロピル)オキシ]−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸エチル
(0.039g、0.082mmol)
LC/MS:Rt=4.19、[MH]476。
【化38】

【0153】
以下の化合物を、エタノールの代わりにメタノールを用いることを除き、適当な出発物質を用いて(4−{9−[1−メチルエトキシ]−4−[(2−メチルプロピル)オキシ]−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸エチルおよび(4−{4−[1−メチルエトキシ]−9−[(2−メチルプロピル)オキシ]−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸エチルと同様の方法で調製した。
【表22】

【0154】
実施例20
(4−{4−(メチルオキシ)−9−[(1−メチルプロピル)オキシ]−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸
【化39】

(4−{4−(メチルオキシ)−9−[(1−メチルプロピル)オキシ]−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸エチル(0.018g, 0.040mmol)のエタノール(2ml)中溶液に、2N水性水酸化ナトリウム溶液(2ml)を加えた。これを、1時間加熱還流した。エタノールを蒸発させ、混合物を2N水性塩酸で酸性化した。得られた固体を、濾過により回収し、水で洗浄し、真空下で乾燥し、標記化合物を得た(0.016g、0.038mmol)。LC/MS:Rt=3.51、[MH]420。
【0155】
以下の化合物を、適当な出発物質を用いて、(4−{4−(メチルオキシ)−9−[(1−メチルプロピル)オキシ]−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸と同様の方法で調製した。実施例24を、エタノールの代わりに溶媒としてメタノールを用いて調製した。
【表23】

【0156】
生物学的データ
組換えヒトプロスタノイドEP受容体を発現するHEK−293(T)細胞(HEK−EP細胞)を用いて研究が行われた。細胞を、glutamax II(Gibco)を含有するDMEM−F12/F12中の単層培養物として増殖し、10%ウシ胎仔血清および0.4mg/ml G418を補充した。HEK−EP細胞を、10μMインドメタシンによる実験24時間30分前に前処理し、10μMインドメタシンを含有するヴェルセンを用いて採取した。細胞を、1ml当たり1×10細胞でアッセイ緩衝液(DMEM:F12、10μMインドメタシンおよび200μM IBMX)にて再懸濁し、37℃で20分間培養した。その後、50μlの細胞を、50ulアゴニスト(式(I)の化合物)に加え、37℃で4分間培養した後、100μlの1%トリトンX−100で反応を止めた。細胞溶解物中のcAMP濃度を、競合結合アッセイを用いて決定した。該アッセイにおいて、細胞溶解物のプロテインキナーゼAの結合サブユニットに結合する3H−cAMP(Amersham)の抑制能を測定し、cAMP濃度を標準曲線から計算した。各化合物についてのデータを、10nM最大濃度の標準アンタゴニストPGE2に対する反応の%として表した。各化合物について、最大反応およびその最大反応の50%をもたらす化合物の濃度を計算した。内活性を、PGE2に対する最大反応に相対的に表した。明記しない限り、試薬は、Sigma社から商業的に購入されたものである。
【0157】
本発明の実施例は、上記のアッセイにて試験され、6.4以上のpEC50値および30%以上の内活性を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
{4−[1,3−ジオキソ−4,9−ビス(プロピルオキシ)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3−メチルフェニル}酢酸;
[4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3−(メチルオキシ)フェニル]酢酸;
[4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3−(トリフルオロメチル)フェニル]酢酸;
{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3−メチルフェニル}酢酸;
{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−6−メチル−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]フェニル}酢酸;
{3−メチル−4−[1−オキソ−4,9−ビス(プロピルオキシ)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]フェニル}酢酸;
(4−{4,9−ビス(1−メチルエトキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}−3−メチルフェニル)酢酸;
[4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3−(トリフルオロメチル)フェニル]酢酸;
(4−{4−(エチルオキシ)−1,3−ジオキソ−9−[(フェニルメチル)オキシ]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸;
(4−{4−[1−メチルエトキシ]−9−[(2−メチルプロピル)オキシ]−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸;
(4−{4−[1−メチルエトキシ]−9−[(1−メチルプロピル)オキシ]−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸;
(4−{4−(エチルオキシ)−9−[(1−メチルプロピル)オキシ]−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸;
(4−{4−(エチルオキシ)−9−[(2−メチルプロピル)オキシ]−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸;
{4−[4−(ブチルオキシ)−9−(エチルオキシ)−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]フェニル}酢酸;
(4−{4−(メチルオキシ)−9−[(1−メチルプロピル)オキシ]−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸;
{4−[4−(ブチルオキシ)−9−(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]フェニル}酢酸;
{4−[9−(ブチルオキシ)−4−(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]フェニル}酢酸;
(4−{4−(エチルオキシ)−9−[(1−メチルプロピル)オキシ]−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸;
(4−{9−(エチルオキシ)−4−[(2−メチルプロピル)オキシ]−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸;
−R−(4−{4−(メチルオキシ)−9−[(1−メチルプロピル)オキシ]−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸;
−S−(4−{4−(メチルオキシ)−9−[(1−メチルプロピル)オキシ]−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸;
(4−{4−[1−メチルエトキシ]−9−[(2−メチルプロピル)オキシ]−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸;
(4−{9−[1−メチルエトキシ]−4−[(2−メチルプロピル)オキシ]−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸;
(4−{9−(ブチルオキシ)−4−[1−メチルエトキシ]−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}フェニル)酢酸からなる群から選択される化合物、またはその医薬上許容される誘導体。
【請求項2】
ヒトまたは動物用医薬に用いるための、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
EP受容体でのPGEの作用、または作用の喪失により媒介される病態の治療に用いるための、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
EP受容体でのPGEの作用、または作用の喪失により媒介される病態に罹患しているヒトまたは動物対象の治療方法であって、該対象に有効量の請求項1記載の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項5】
EP受容体でのPGEの作用により媒介される病態の治療のための医薬の製造のための請求項1記載の化合物の使用。
【請求項6】
請求項1記載の化合物および1種または複数のその許容される担体または希釈剤を含む医薬組成物。
【請求項7】
1種または複数のさらなる治療剤を含む、請求項6記載の医薬組成物。

【公表番号】特表2010−510282(P2010−510282A)
【公表日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−537614(P2009−537614)
【出願日】平成19年11月19日(2007.11.19)
【国際出願番号】PCT/EP2007/062497
【国際公開番号】WO2008/061955
【国際公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】