説明

ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体のリガンドとしてのN−アシル窒素ヘテロ環

式(I)
【化1】


の化合物は、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)に結合する薬剤を提供する。従って、本発明の化合物は、哺乳動物のPPAR受容体活性により仲介される状態の処置に有用である。かかる状態には、脂質代謝異常、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、高トリグリセリド血症、心不全、心筋梗塞、血管疾患、心臓血管疾患、高血圧、肥満症、炎症、関節炎、癌、アルツハイマー病、皮膚疾患、呼吸器疾患、眼疾患、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、ならびに1型および2型糖尿病、およびX症候群などの耐糖能異常、高血糖およびインスリン耐性が関与する状態が含まれる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、ヘテロ環化合物、それらを含む医薬組成物、およびかかる化合物を用いることによりペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)活性により仲介される状態を処置する方法に関する。
【0002】
従って、本発明は、式
【化1】

[式中、Lは、以下:
【化2】

および
【化3】

〔式中、Rは、水素、要すれば置換されていて良いアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはシクロアルキルであり;
は、水素、ヒドロキシ、オキソ、要すれば置換されていて良いアルキル、アリール、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、アルキルチオ、アリールチオまたはアラルキルチオであり;
は、水素であるか;または
結合したRおよびRは、それらが結合している炭素原子と一体となって、縮合した5〜7員環を形成するアルキレンであるか;または
結合したRおよびRは、それらが結合している炭素原子間の結合であり;
nは、0または1もしくは2の整数であり;
は、水素であるか;または
結合したYおよびRは、それらが結合している炭素原子間の結合であり;
4aは、水素であるか;または
結合したR4aおよびYは、それらが結合している炭素原子間の結合であり;
R”は、水素、要すれば置換されていて良いアルキル、アルコキシまたはハロゲンであり;
mは、1または2の整数であり;
は、水素であり;
4bは、水素であるか;または
結合しているR4bおよびYは、それらが結合している炭素原子間の結合である〕
からなる群から選択されるラジカルであり;
【0003】
RおよびR’は、独立して水素、ハロゲン、要すれば置換されていて良いアルキル、アルコキシ、アラルキルまたはヘテロアラルキルであるか;または
RおよびR’が互いに隣接した炭素原子と結合している限り、結合したRおよびR’は、それらが結合している炭素原子と一体となって、要すれば置換されていて良い縮合した5〜6員の芳香族環またはヘテロ芳香環を形成しているか;または
R−CおよびR’−Cは、独立して、窒素により置換されていて良く;
は、−Z−(CH−Q−W〔式中、Zは、結合、O、S、S(O)またはS(O)であるか;または
Zは、−C(O)NR−{式中、Rは、水素、アルキルまたはアラルキルである}であり;
pは、1から8の整数であり;
Qは、結合であるか;または
Qは、−O(CH−または−S(CH−{式中、rは、0または1から8の整数である}であるか;または
Qは、−O(CH1−8O−、−S(CH1−8O−、−S(CH1−8S−または−C(O)−であるか;または
Qは、−C(O)NR−{式中、Rは、水素、要すれば置換されていて良いアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキルである}であるか;または
Qは、−NR−、−NRC(O)−、−NRC(O)NR−または−NRC(O)O−{式中、Rは、水素、要すれば置換されていて良いアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり;
は、水素、アルキルまたはアラルキルである}であり;
【0004】
Wは、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アラルキルまたはヘテロアラルキルであるか;または
WおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、8〜12員の二環式環を形成し、それらは、要すれば置換されていて良いか、または酸素、窒素および硫黄から選択される他のヘテロ原子を含んでいて良い〕であり;
は、−C(R−、O、Sまたは−NR10−〔式中、Rは、水素または低級アルキルであり;
10は、水素、アルキルまたはアラルキルである〕であり;
ただし、ZがOであり、pが1であり、Qが結合であり、Xが、−C(R−〔ここで、Rは、水素である〕であり、そしてXが、4位に位置するとき、Wは2−メチルキノリン−4−イルではなく;または、Zが結合であり、pが1であり、Qが結合であり、Xが−NR10−〔式中、R10は水素である〕であり、そしてXが、4位に位置するとき、Wは2−ブチル−4−クロロ−5−ヒドロキシメチルイミダゾール−1−イルではない]
で示される化合物、またはその光学異性体;またはその光学異性体の混合物;またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0005】
本発明の化合物は、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)に結合し、故に、本発明は、哺乳動物でのPPAR活性により仲介される状態の処置のための医薬品を提供する。かかる状態は、脂質代謝異常、高脂血症、アテローム性動脈硬化症、高トリグリセリド血症、心不全、心筋梗塞、血管疾患、心臓血管疾患、高血圧、肥満症、炎症、関節炎、癌、アルツハイマー病、皮膚疾患、呼吸器疾患、眼疾患、炎症性腸疾患(IBD)、潰瘍性大腸炎、クローン病、ならびに1型および2型糖尿病、およびX症候群などに関与する耐糖能異常、高血糖およびインスリン耐性の状態を含む。
【0006】
本発明の化合物を説明するために使用される種々の用語の定義を以下に記載する。これらの定義は、個々にまたはより大きな基の一部として特定の例に限定されない限り(例えば、ある基の結合位置がその基内の特定の原子に限定され、結合位置が特定の原子にて矢印により定義されている)、本明細書中に用いられる用語に適用される。
【0007】
用語“要すれば置換されていて良いアルキル”は、1個から20個の炭素原子、好ましくは1個から7個の炭素原子を有する非置換または置換の、直鎖または分岐鎖炭化水素基を示す。非置換アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、4,4−ジメチルペンチル、オクチルなどが含まれる。置換アルキル基は、以下の基:ハロ、ヒドロキシ、シクロアルキル、アルカノイル、アルコキシ、アルキルオキシアルコキシ、アルカノイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルカノイルアミノ、チオール、アルキルチオ、アルキルチオノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリール、アルケニル、アルキニル、アラルコキシ、グアニジノ、ヘテロシクリル(インドリル、イミダゾリル、フリル、チエニル、チアゾリル、ピロリジル、ピリジル、ピリミジル、ピペリジル、モルホリニルを含む)などの1個またはそれ以上により置換されたアルキル基を含むが、それらに限定されない。
【0008】
用語“低級アルキル”は、1個から7個、好ましくは1個から4個の炭素原子を有する、上記のアルキル基を示す。
【0009】
用語“ハロゲン”または“ハロ”は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を示す。
用語“アルケニル”は、少なくとも2個の炭素原子を有し、そしてさらに結合位置に炭素−炭素二重結合を含む、上記のアルキル基のいずれかを示す。2個から4個の炭素原子を有する基が好ましい。
【0010】
用語“アルキニル”は、少なくとも2個の炭素原子を有し、そしてさらに結合位置に炭素−炭素三重結合を含む、上記のアルキル基のいずれかを示す。2個から4個の炭素原子を有する基が好ましい。
【0011】
用語“アルキレン”は、単結合により連結している1個から6個の炭素原子の直鎖架橋、例えば、(CH)x〔式中、xは1から6である〕を示し、これは酸素、硫黄および窒素から選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子で中断されていてよく、かつアルキル、アルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、シクロアルキル、アルカノイル、アルキルオキシアルコキシ、アルカノイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、カルバモイル、チオール、アルキルチオ、アルキルチオノ、スルホニル、スルホンアミド、スルファモイル、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリール、アラルコキシ、グアニジノ、ヘテロシクリル(インドリル、イミダゾリル、フリル、チエニル、チアゾリル、ピロリジル、ピリジル、ピリミジル、ピペリジル、モルホリニルを含む)などの、1個から3個の置換基で置換されていて良い。
【0012】
用語“シクロアルキル”は、要すれば置換されていて良い3個から12個の炭素原子の単環式、二環式または三環式炭化水素基を示し、それらは各々、要すれば、1個またはそれ以上の置換基、例えばアルキル、ハロ、オキソ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルカノイル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、チオール、アルキルチオ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルボキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルキル−およびアリールスルホニル、スルホンアミド、ヘテロシクリルなどにより置換されていて良い。
【0013】
単環式炭化水素基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシルおよびシクロヘキセニルなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0014】
二環式炭化水素基の例には、ボルニル、インジル、ヘキサヒドロインジル、テトラヒドロナフチル、デカヒドロナフチル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプテニル、6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプチル、2,6,6−トリメチルビシクロ[3.1.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチルなどが含まれる。
【0015】
三環式炭化水素基の例には、アダマンチルなどが含まれる。
【0016】
用語“アルコキシ”は、アルキル−O−を示す。
用語“アシル”は、アルカノイル、アロイル、ヘテロアロイル、アリールアルカノイルまたはヘテロアリールアルカノイルを示す。
用語“アルカノイル”は、アルキル−C(O)−を示す。
用語“アルカノイルオキシ”は、アルキル−C(O)−O−を示す。
【0017】
用語“アルキルアミノ”および“ジアルキルアミノ”は、アルキル−NH−および(アルキル)N−をそれぞれ示す。
用語“アルカノイルアミノ”は、アルキル−C(O)−NH−を示す。
用語“アルキルチオ”は、アルキル−S−を示す。
用語“アルキルアミノチオカルボニル”は、アルキル−NHC(S)−を示す。
【0018】
用語“トリアルキルシリル”は、(アルキル)Si−を示す。
用語“トリアルキルシリルオキシ”は、(アルキル)SiO−を示す。
用語“アルキルチオノ”は、アルキル−S(O)−を示す。
用語“アルキルスルホニル”は、アルキル−S(O)−を示す。
用語“アルコキシカルボニル”は、アルキル−O−C(O)−を示す。
用語“アルコキシカルボニルオキシ”は、アルキル−O−C(O)O−を示す。
【0019】
用語“カルバモイル”は、アルキル−NHC(O)−、(アルキル)NC(O)−、アリール−NHC(O)−、アルキル(アリール)−NC(O)−、ヘテロアリール−NHC(O)−、アルキル(ヘテロアリール)−NC(O)−、アラルキル−NHC(O)−およびアルキル(アラルキル)−NC(O)−を示す。
用語“アリール”は、6個から12個の炭素原子を有する単環式または二環式芳香族性炭化水素基、例えばフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、ビフェニルおよびジフェニル基を示し、それらは各々、要すれば、1個から4個の置換基、例えばアルキル、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルカノイル、アルカノイルオキシ、要すれば置換されていて良いアミノ、チオール、アルキルチオ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルボキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルキルチオノ、アルキル−およびアリールスルホニル、スルホンアミド、ヘテロシクロイル(heterocycloyl)などにより置換されていて良い。
【0020】
用語“単環式アリール”は、アリールに記載のように、要すれば置換されていて良いフェニルを示す。
用語“アラルキル”は、アルキル基を介して直接的に結合したアリール基、例えばベンジルを示す。
用語“アラルキルチオ”は、アラルキル−S−を示す。
用語“アラルコキシ”は、アルコキシ基を介して直接的に結合したアリール基を示す。
【0021】
用語“アリールスルホニル”は、アリール−S(O)−を示す。
用語“アリールチオ”は、アリール−S−を示す。
用語“アロイル”は、アリール−C(O)−を示す。
用語“アロイルアミノ”は、アリール−C(O)−NH−を示す。
用語“アリールオキシカルボニル”は、アリール−O−C(O)−を示す。
【0022】
用語“ヘテロシクリル”または“ヘテロシクロ”は、要すれば置換されていて良い、完全に飽和または不飽和の、芳香族性または非芳香族性環状基を示し、例えば、それらは4〜7員の単環式、7〜12員の二環式、または10〜15員の三環式環系であり、それらは少なくとも1個の炭素原子含有環中に少なくとも1個のヘテロ原子を有する。ヘテロ原子を含むヘテロ環式基の各環は、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択される1、2または3個のヘテロ原子を有していて良く、ここで、窒素および硫黄ヘテロ原子は、要すれば酸化されていても良い。ヘテロ環式基は、ヘテロ原子または炭素原子で結合されていて良い。
【0023】
単環式ヘテロ環式基の例には、ピロリジニル、ピロリル、ピラゾリル、オキセタニル、ピラゾリニル、イミダゾリル、トリアゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソキサゾリニル、イソキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、フリル、テトラヒドロフリル、チエニル、オキサジアゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロロジニル、2−オキソアゼピニル、アゼピニル、4−ピペリドニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニル・スルホキシド、チアモルホリニル・スルホン、1,3−ジオキソランおよびテトラヒドロ−1,1−ジオキソチエニルなどが含まれる。
【0024】
二環式ヘテロ環式基の例には、インドリル、ジヒドロインドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾチアジニル、キヌクリジニル、キノリニル、テトラヒドロキノリニル、デカヒドロキノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロイソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフリル、クロモニル、クマリニル、ベンゾピラニル、シンノリニル(cinnolinyl)、キノキサリニル、インダゾリル、ピロロピリジル、フロピリジニル(例えば、フロ[2,3−c]ピリジニル、フロ[3,2−b]−ピリジニル]またはフロ[2,3−b]ピリジニル)、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロキナゾリニル(例えば、3,4−ジヒドロ−4−オキソ−キナゾリニル)、フタラジニルなどが含まれる。
【0025】
三環式ヘテロ環式基の例には、カルバゾルイル、ジベンゾアゼピニル、ジチエノアゼピニル、ベンズインドリル、フェナントロリニル、アクリジニル、フェナントリジニル、フェノキサジニル(phenoxazinyl)、フェノトアジニル(phenothiazinyl)、キサンテニル、カルボリニルなど含まれる。
【0026】
用語“ヘテロシクリル”は、置換ヘテロ環式基を含む。置換ヘテロ環式基は、以下:
(a)アルキル;
(b)ヒドロキシ(または保護ヒドロキシ);
(c)ハロ;
(d)オキソ(すなわち、=O);
(e)要すれば置換されていて良いアミノ、アルキルアミノまたはジアルキルアミノ;
(f)アルコキシ;
(g)シクロアルキル;
(h)カルボキシ;
(i)ヘテロシクロオキシ;
(j)アルコキシカルボニル、例えば非置換低級アルコキシカルボニル;
(k)メルカプト;
(l)ニトロ;
(m)シアノ;
(n)スルホンアミド、スルホンアミドアルキル、スルホンアミドアリールまたはスルホンアミドジアルキル;
(o)アルキルカルボニルオキシ;
(p)アリールカルボニルオキシ;
(q)アリールチオ;
(r)アリールオキシ;
(s)アルキルチオ;
(t)ホルミル;
(u)カルバモイル;
(v)アラルキル;または
(w)アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノまたはハロで置換されたアリール、
から成る群から選択される1、2または3個の置換基で置換されたヘテロ環式を示す。
【0027】
用語“ヘテロシクロオキシ”は、酸素架橋を介して結合したヘテロ環式基を示す。
用語“ヘテロアリール”は、芳香族性ヘテロ環、例えば、単環式または二環式アリール、例えばピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、フリル、チエニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフリルなどを示し;要すれば、例えば、低級アルキル、低級アルコキシまたはハロにより置換されていて良い。
【0028】
用語“ヘテロアリールスルホニル”は、ヘテロアリール−S(O)−を示す。
用語“ヘテロアロイル”は、ヘテロアロイル−C(O)−を示す。
用語、“ヘテロアラルキル”は、アルキル基を介して結合しているヘテロアリール基を示す。
【0029】
本発明の任意の化合物の薬学的に許容される塩は、塩基と形成される塩、すなわち、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリおよびアルカリ土類金属塩などのカチオン塩、ならびに、アンモニウム、トリメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、およびトリス(ヒドロキシメチル)−メチルアンモニウム塩などのアンモニウム塩、およびアミノ酸との塩を示す。
【0030】
同様に、ピリジルまたはオキサゾリルなどの塩基性基が構造の一部を構成する限り、無機酸、有機カルボン酸および有機スルホン酸、例えば、塩酸、マレイン酸およびメタンスルホン酸などと形成されるもののような酸付加塩が可能である。
【0031】
本発明の任意の化合物のプロドラッグ誘導体とは、投与後、いくつかの化学的または生理学的方法(例えば、生理学的pHにされた後にかまたは酵素作用を介して、プロドラッグが親化合物に変換される)によりインビボで親化合物を放出する該化合物の誘導体である。プロドラッグ誘導体の例には、例えば、遊離カルボン酸のエステル、ならびにチオール、アルコールまたはフェノールのS−アシルおよびO−アシル誘導体(ここでアシルは、本明細書に記載の意味を有する)である。当技術分野で通常使用される、親カルボン酸、例えば、低級アルキルエステル、シクロアルキルエステル、低級アルケニルエステル、ベンジルエステル、例えばω−(アミノ、モノまたはジ低級アルキルアミノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル)−低級アルキルエステルなどのモノまたはジ置換低級アルキルエステル、例えばピバロイルオキシメチルエステルなどのα−(低級アルカノイルオキシ、低級アルコキシカルボニルまたはジ−低級アルキルアミノカルボニル)−低級アルキルエステルなどから、生理学的条件下で加溶媒分解により変換可能な薬学的に許容されるエステル誘導体が、好ましい。
【0032】
本発明の化合物は、置換基の性質に依存して、1個またはそれ以上の不斉中心を有し得る。得られたジアステレオ異性体、光学異性体、すなわちエナンチオマー、および幾何異性体は、本発明に包含される。
【0033】
本明細書中上記のとおり、本発明は、式(I)のフェニル酢酸誘導体、それを含む医薬組成物、かかる化合物の製造方法、および治療的有効量の本発明の化合物またはその医薬組成物の投与により、PPAR活性により仲介される状態を処置する方法を提供する。
【0034】

【化4】

[式中、Lは、以下:
【化5】

および
【化6】

〔式中、Rは、水素、要すれば置換されていて良いアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはシクロアルキルであり;
は、水素、ヒドロキシ、オキソ、要すれば置換されていて良いアルキル、アリール、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、アルキルチオ、アリールチオまたはアラルキルチオであり;
は、水素であるか;または
結合したRおよびRは、それらが結合している炭素原子と一体となって、縮合した5〜7員環を形成するアルキレンであるか;または
結合したRおよびRは、それらが結合している炭素原子間の結合であり;
nが、1であり;
は、水素であるか;または
結合したYおよびRは、それらが結合している炭素原子間の結合であり;
4aは、水素であるか;または
結合したR4aおよびYは、それらが結合している炭素原子間の結合であり;
R”は、水素、要すれば換されていて良いアルキル、アルコキシまたはハロゲンであり;
mは、1であり;
は、水素であり;
4bは、水素であるか;または
結合したR4bおよびYは、それらが結合している炭素原子間の結合である〕
からなる群から選択されるラジカルであり;
【0035】
RおよびR’は、独立して、水素、ハロゲン、要すれば置換されていて良いアルキル、アルコキシ、アラルキルまたはヘテロアラルキルであるか;または
RおよびR’が互いに隣接する炭素原子に結合している限り、結合したRおよびR’は、それらが結合している炭素原子と一体となって、要すれば置換されていて良い縮合した5〜6員の芳香族環またはヘテロ芳香環を形成するか;または
Zは、結合、OまたはSであり;
pは、1から8の整数であり;
Qは、結合であるか;または
Qは、−O(CH−または−S(CH−〔式中、rは、0または1から8の整数である〕であるか;または
Qは、−C(O)NR−〔式中、Rは、水素、要すれば置換されていて良いアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキルである〕であるか;または
Qは、−NR−、−NRC(O)−、−NRC(O)NR−または−NRC(O)O−〔式中、Rは、水素、要すれば置換されていて良いアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり;
は、水素、アルキルまたはアラルキルである〕であり;
【0036】
Wは、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アラルキルまたはヘテロアラルキルであるか;または
WおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、8〜12員の二環式環を形成し、それらは要すれば置換されていて良いかまたは酸素、窒素および硫黄から選択される他のヘテロ原子を含んでいて良く;
は、−C(R−、O、Sまたは−NR10−〔式中、Rは、水素または低級アルキルであり;
10は、水素または低級アルキルである〕である];
である式(I)の化合物、またはその光学異性体;または、その光学異性体の混合物;または、その薬学的に許容される塩が好ましい。
【0037】
が、水素であるかまたは要すれば置換されていて良いアルキルであり;
およびRが、水素であり;
およびYが、水素であり;
4aおよびR4bが、水素であり;
RおよびR’が、独立して水素、ハロゲン、要すれば置換されていて良いC1−6アルキルまたはC1−6アルコキシであり;
pが、1から5の整数であり;
Qが、結合であるか;または
Qが、−O(CH−または−S(CH−〔式中、rが、0または1である〕であるか;または
Qが、−C(O)NR−〔式中、Rが、水素または低級アルキルである〕であるか;または
Qが、−NR−、−NRC(O)−、−NRC(O)NR−または−NRC(O)O−〔式中、Rが、水素または要すれば置換されていて良いアルキルであり;
が、水素またはアルキルである〕であり;
が、−C(R−、O、Sまたは−NR10−〔式中、Rが、水素またはメチルであり;
10が水素である〕である]
で示される式(IA)の化合物、またはその光学異性体;または、その光学異性体の混合物;または、その薬学的に許容される塩が好ましい。
【0038】
R、R’およびR”が、水素であり;
Qが、結合であるか;または
Qが、−O(CH−または−S(CH−〔式中、rが0である〕であるか;または
Qが、−NR−、−NRC(O)−、−NRC(O)NR−または−NRC(O)O−〔式中、Rが、水素または要すれば置換されていて良い低級アルキルである〕であり;
Wが、シクロアルキル、アリールまたはヘテロシクリルである、
で示される式(IA)の化合物、またはその光学異性体;または、その光学異性体の混合物;または、その薬学的に許容される塩がより好ましい。
【0039】
ラジカルLの不斉中心が(R)配置である、式(IA)の化合物;または、その薬学的に許容される塩が最も好ましい。
式(IA)の化合物[式中、Xが、−C(R−〔式中、Rがメチルである〕である];または、その光学異性体;または、その光学異性体の混合物;または、その薬学的に許容される塩もまた、最も好ましい。
【0040】

【化7】

[式中、
は、水素または要すれば置換されていて良いアルキルであり;
Zは、結合、OまたはSであり;
pは、1から3の整数であり;
Qは、結合、OまたはSであるか;または
Qは、−NRC(O)−〔式中、
は、水素または要すれば置換されていて良い低級アルキルである〕であり;
Wは、アリールまたはヘテロシクリルであり;
は、−C(R−、O、Sまたは−NH−〔式中、
は、水素またはメチルである〕である]
である式(IA)の化合物、またはその光学異性体;または、その光学異性体の混合物;または、その薬学的に許容される塩もまた、最も好ましい。
【0041】
Zが、OまたはSであり;
pが、2または3の整数であり;
Qが、OまたはSであり;
Wが:
【化8】

から成る群から選択される、
式(IB)の化合物、またはその光学異性体;または、その光学異性体の混合物;または、その薬学的に許容される塩が好ましい。
【0042】
Zが、結合、OまたはSであり;
pが、1または2の整数であり;
Qが、結合であり;
Wが:
【化9】

から成る群から選択される、
式(IB)の化合物(Aグループと称する)、またはその光学異性体;または、その光学異性体の混合物;または、その薬学的に許容される塩もまた、好ましい。
【0043】
Zが、Oであり;
pが、1であり;
が、−C(R−〔式中、Rがメチルである〕であり;
Wが:
【化10】

から成る群から選択される、
Aグループの化合物、またはその光学異性体;または、その光学異性体の混合物;または、その薬学的に許容される塩が、好ましい。
【0044】
ラジカルLの不斉中心が(R)配置である、Aグループの化合物;または、その薬学的に許容される塩が、さらに好ましい。
【0045】
Zが、OまたはSであり;
pが、2であり;
Qが、結合であり;
Wが:
【化11】

から成る群から選択される、
式(IB)の化合物、またはその光学異性体;または、その光学異性体の混合物;または、その薬学的に許容される塩もまた、好ましい。
【0046】
Zが、結合であり;
pが、1であり;
Qが、−NRC(O)−〔式中、Rが、水素またはメチルである〕であり;
Wが:
【化12】

から成る群から選択される、
式(IB)の化合物、またはその光学異性体;または、その光学異性体の混合物;または、その薬学的に許容される塩もまた、好ましい。
【0047】

【化13】

[式中、
は、水素または要すれば置換されていて良いアルキルであり;
Zは、結合、OまたはSであり;
pは、1から3の整数であり;
Qは、結合、OまたはSであるか;または
Qは、−NRC(O)−〔式中、
は、水素または要すれば置換されていて良い低級アルキルである〕であり;
Wは、アリールまたはヘテロシクリルであり;
は、−C(R−、O、Sまたは−NH−〔式中、Rは、水素またはメチルである〕である]
である式(IA)の化合物、またはその光学異性体;または、その光学異性体の混合物;または、その薬学的に許容される塩もまた、最も好ましい。
【0048】
Zが、OまたはSであり;
Pが、2または3の整数であり;
Qが、OまたはSであり;
Wが:
【化14】

から成る群から選択される、
式(IC)の化合物、またはその光学異性体;または、その光学異性体の混合物;または、その薬学的に許容される塩が、好ましい。
【0049】
Zが結合、OまたはSであり;
pが、1または2の整数であり;
Qが結合であり;
Wが:
【化15】

から成る群から選択される、
式(IC)の化合物(Bグループと称する)、またはその光学異性体;または、その光学異性体の混合物;または、その薬学的に許容される塩もまた、好ましい。
【0050】
Zが、Oであり;
pが、1であり;
が、−C(R−〔式中、Rがメチルであり〕であり;
Wが:
【化16】

から成る群から選択される、
Bグループの化合物、またはその光学異性体;または、その光学異性体の混合物;または、その薬学的に許容される塩が、好ましい。
【0051】
ラジカルLの不斉中心が(R)配置である、Bグループの化合物;または、その薬学的に許容される塩が、さらに好ましい。
【0052】
Zが、OまたはSであり;
pが、2であり;
Qが、結合であり;
Wが:
【化17】

から成る群から選択される、
式(IC)の化合物、またはその光学異性体;または、その光学異性体の混合物;または、その薬学的に許容される塩もまた、好ましい。
【0053】
Zが、結合であり;
pが、1であり;
Qが、−NRC(O)−〔式中、Rが、水素またはメチルである〕であり;
Wが:
【化18】

から成る群から選択される、
式(IC)の化合物、またはその光学異性体;または、その光学異性体の混合物;または、その薬学的に許容される塩もまた、好ましい。
【0054】
本発明の特定の態様は、以下:
(R)−1−{2−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニルスルファニルカルボニル]−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸−1−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]エステル;
(R)−1−{2−メチル−2−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−{2−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−{2−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−(2−{3−[2−(4−カルバモイルフェニル)−5−メチル−オキサゾール−4−イルメトキシ]−フェニル}−2−メチル−プロピオニル)−ピロリジン−2−カルボン酸;
【0055】
(R)−1−(2−{3−[2−(4−シアノ−フェニル)−5−メチル−オキサゾール−4−イルメトキシ]フェニル}−2−メチル−プロピオニル)−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−(2−{3−[2−(4−クロロ−3−フルオロ−フェニル)−5−メチル−オキサゾール−4−イル−メトキシ]−フェニル}−2−メチル−プロピオニル)−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−{2−メチル−2−[4−({メチル−[2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アセチル]−アミノ}−メチル)−フェニル]−プロピオニル}−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−(2−{3−[2−(4−フルオロ−フェニル)−5−メチル−オキサゾール−4−イルメトキシ]−4−メトキシ−フェニル}−2−メチル−プロピオニル)−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−(2−{3−[2−(4−クロロ−フェニル)−5−メチル−オキサゾール−4−イルメトキシ]−フェニル}−
2−メチル−プロピオニル)−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−{2−メチル−2−[3−(5−メチル−2−p−トリル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−[2−(4−{2−[2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アセチルアミノ]−エチル}−フェニル)−アセチル]−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−(2−メチル−2−{3−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−フェニル}−プロピオニル)−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−(2−{3−[2−(4−フルオロ−フェニル)−5−メチル−オキサゾール−4−イルメトキシ]−フェニル}−2−メチル−プロピオニル)−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−(2−{3−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−アセチル)−ピロリジン−2−カルボン酸;
【0056】
(R)−1−[2−(3−{[(4−メチル−5−フェニル−チアゾール−2−カルボニル)−アミノ]−メチル}−フェニル)−アセチル]−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−[2−メチル−2−(3−{[(4−メチル−2−フェニル−チアゾール−5−カルボニル)−アミノ]−メチル}−フェニル)−プロピオニル]−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−[2−(3−{[(4−メチル−2−フェニル−チアゾール−5−カルボニル)−アミノ]−メチル}−フェニル)−アセチル]−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−{2−[3−(1−ベンジル−4−エチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメトキシ)−フェニル]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−(2−{3−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−アセチル)−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−(2−{3−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−フェニル}−アセチル)−ピロリジン−2−カルボン酸;
(S)−1−{2−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−{2−[3−(4−メチル−ベンジルオキシ)−フェニル]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−{2−メチル−2−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−プロピオニル}−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸;
【0057】
(R)−1−(2−{3−[2−(4−カルバモイル−フェニル)−5−メチル−オキサゾール−4−イルメトキシ]−フェニル}−2−メチル−プロピオニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸;
(R)−1−(2−{3−[2−(4−クロロ−3−フルオロ−フェニル)−5−メチル−オキサゾール−4−イルメトキシ]−フェニル}−2−メチル−プロピオニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸;
(R)−1−(2−{3−[2−(4−シアノ−フェニル)−5−メチル−オキサゾール−4−イルメトキシ]−フェニル}−2−メチル−プロピオニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸;
(R)−1−(2−{3−[2−(4−フルオロ−フェニル)−5−メチル−オキサゾール−4−イルメトキシ]−4−メトキシ−フェニル}−2−メチル−プロピオニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸;
(R)−1−{2−メチル−2−[3−(5−メチル−2−p−トリル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−プロピオニル}−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸;
(R)−1−(2−メチル−2−{3−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−フェニル}−プロピオニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸;
(R)−1−(2−{3−[2−(4−クロロ−フェニル)−5−メチル−オキサゾール−4−イルメトキシ]−フェニル}−
2−メチル−プロピオニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸;および、
(R)−1−(2−{3−[2−(4−フルオロ−フェニル)−5−メチル−オキサゾール−4−イルメトキシ]−フェニル}−2−メチル−プロピオニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸;
または、その光学異性体;または、その光学異性体の混合物;または、その薬学的に許容される塩である。
【0058】
式(I)[式中、Xは、−C(R−〔式中、Rは本明細書に記載の意味を有する〕を示す]の化合物を、式
【化19】

[式中、RおよびR’は、本明細書に記載の意味を有し、X’は、本明細書に記載のXを示すか、またはX’は、Xと言い換えられる基であり、そしてXは、−C(R−〔式中、Rは、本明細書に記載の意味を有する〕である]
で示されるカルボン酸の活性誘導体と、式
【化20】

または
【化21】

〔式中、R、R、R、R4a、Y、n、R”、R4b、Yおよびmは、本明細書に記載の意味を有する〕
で示されるアミンを反応させることにより製造することができ、式
【化22】


[式中、R、R’、X’およびXは、式(IV)にて定義の意味を有し、Lは、以下:
【化23】

および
【化24】

〔式中、R、R、R、R4a、Y、n、R”、R4b、Yおよびmは、本明細書に上記の意味を有する〕
からなる群から選択されるラジカルである]
で示される化合物を得る。
【0059】
式(II’)および式(III’)のアミンを、本明細書に記載の方法またはその改良法により、または当技術分野で一般的に公知の方法により得ることができる。
【0060】
本明細書に記載の方法にて、例えば、式(IV)のカルボン酸に相当する、カルボン酸の活性誘導体は、酸塩化物、臭化物およびフッ化物、混合無水物、低級アルキルエステルおよびその活性化エステル、ならびに1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI)、O−(1,2−ジヒドロ−2−オキソ−1−ピリジル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロホウ酸塩などのカップリング剤により形成された付加物を含む。混合無水物は、好ましくは、ピバリン酸、またはエチルもしくはイソブチル類似体などの炭酸の低級アルキルヘミエステルなどに由来する。活性化エステルは、例えば、スクシンイミド、フタルイミドまたは4−ニトロフェニルエステルを含む。例えば、式(IV)のカルボン酸に相当するカルボン酸の活性誘導体と、例えば、式(II’)および式(III’)のアミンとの反応を、ジクロロメタン(DCM)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)またはテトラヒドロフラン(THF)などの不活性有機溶媒中、トリエチルアミン(TEA)、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)またはN−メチルモルホリン(NMM)などの塩基の存在下で行うことができる。式(IV)のカルボン酸は、本明細書に記載の方法を用いてか、または当技術分野で一般的に公知の方法により、その活性誘導体に変換され得る。
【0061】
式(I)[式中、Xは、O、Sまたは−NR10−〔式中、R10は、本明細書に記載の意味を有する〕である]の化合物を、DCM、DMFまたはTHFなどの不活性溶媒中、TEA、DIEAまたはNMMなどの塩基の存在下で、ホスゲン、またはその類似体などの試薬で処理することにより、例えば、まず、式(II’)または式(III’)のアミンを、式
【化25】

または
【化26】

[式中、R、R、R、R4a、Y、n、R”、R4b、Yおよびmは、本明細書に記載の意味を有する]
で示される塩化カルバモイルに変換することにより、製造することができる。
【0062】
その後、式(V)または(VI)の塩化カルバモイルを、式
【化27】

[式中、RおよびR’は、本明細書に記載の意味を有し、X’は、本明細書に記載のXを示すか、またはX’は、Xと言い換えられる基であり、そしてXは、O、Sまたは−NR10−〔式中、R10は、本明細書に記載の意味を有する〕である]
で示される化合物と、THFまたはDMFなどの有機溶媒中、カリウムまたは炭酸セシウムなどの塩基の存在下で反応させ、式(I’)[式中、Xは、O、Sまたは−NR10−〔式中、R10は、本明細書に記載の意味を有する〕である]の化合物を得ることができる。
【0063】
式(I’)[式中、X’は、本明細書に記載のXを示す]の化合物を、式(I’)[式中、X’は、Xと言い換えられる基である]の化合物から、本明細書に記載の方法またはその改良法を用いてか、または当技術分野で周知の方法を用いて得ることができる。例えば、式
【化28】

[式中、R、R’、XおよびLは、本明細書に記載の意味を有し、Zは、OまたはSであり、そしてPgは、ベンジル、例えばt−ブチルジメチルシリルなどのトリアルキルシリル、またはアシルなどの保護基を示す]
で示される化合物を、本明細書中の実施例に記載の方法により、または当技術分野で一般的に公知の条件を用いて、式
【化29】

[式中、R、R’、X、LおよびZは、式(Ia’)にて記載の意味を有する]
で示される化合物に変換することができる。
【0064】
その後、式(Ib’)の化合物を、式
【化30】

[式中、p、QおよびWは、本明細書に記載の意味を有し、Lgは、ヨウ化物、臭化物、塩化物またはトリフルオロメタンスルホン酸塩などの脱離基を示す]
で示されるアルキル化試薬で、THFまたはDMFなどの不活性溶媒中、炭酸カリウムまたは炭酸セシウムなどの塩基の存在下で処理し、式(I’)[式中、X’は、−Z−(CH−Q−W〔式中、Zは、OまたはSであり、そしてp、QおよびWは、本明細書に記載の意味を有する〕である]の化合物を形成することができる。
【0065】
好ましくは、式(VIII)のアルキル化試薬は、pが、2または3の整数であり、Qが、OまたはSであり、Lgが、塩化物または臭化物であり、そしてWが、
【化31】

である群から選択されるか、または式(VIII)のアルキル化試薬は、pが1または2であり、Qが結合であり、Lgが塩化物またはヨウ化物であり、そしてWが、
【化32】

である群から選択されるか、または式(VIII)のアルキル化試薬は、pが2であり、Qが結合であり、Lgが塩化物またはヨウ化物であり、そしてWが、
【化33】

である群から選択される。
【0066】
式(VIII)のアルキル化試薬は、本明細書に記載の方法またはその改良法を用いてか、または当技術分野で公知の方法を用いて製造され得、例えば、4−クロロメチル−5−メチル−2−フェニルオキサゾールおよび4−クロロメチル−5−メチル−2−[4−(トリフルオロメチル)−フェニル]−オキサゾールを、PCT国際特許出願番号WO 00/64888、またはJ. Med. Chem.,Vol. 43、pp. 995−1010 (2000)に記載の方法を用いて製造することができる。1−(3−ブロモ−プロポキシ)−4−フェノキシ−2−プロピル−ベンゼンを、PCT国際特許出願番号WO 00/78312に記載のとおりに製造することができる。
【0067】
好ましくは、式
【化34】

[式中、RおよびRは、独立して、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、トリフルオロメチルまたはアリールである]
である式(VIII)のアルキル化試薬を、式
【化35】

[式中、RおよびRは、式(VIIIa)について定義の意味を有する]
で示される化合物を、アセトニトリル中、オキシ塩化リン(POCl)などの塩素化剤で処理することにより製造することができる。その反応を、高化学収率および純度で式(VIIIa)のアルキル化試薬を得るため、すなわち、式(VIIIa)のアルキル化試薬を、高い位置選択性、好ましくは99%以上の選択性で本方法により得るために、アセトニトリル中で行うことが必要不可欠である。前記塩素化は、好ましくは、周囲温度、例えば室温(RT)で行われる。
【0068】
式(VIIIb)の化合物を、ガス状塩酸などの酸触媒、および酢酸エチルまたは酢酸、好ましくは氷酢酸などの有機溶媒の存在下で、式
【化36】

[式中、RおよびRは、式(VIIIa)について記載の意味を有する]
で示されるアルデヒドを、式
【化37】

の2,3−ブタジオンモノオキシムで縮合することにより製造することができ、式(VIIIb)[式中、RおよびRは、本明細書に上記の意味を有する]の化合物を得る。
【0069】
別法にて、式(Ib’)の化合物を、光延条件下、例えば、THFなどの有機溶媒中、トリフェニルホスフィンおよびアゾジカルボン酸ジエチルの存在下で、式
【化38】

[式中、p、QおよびWは、本明細書に記載の意味を有する]
で示されるアルコールで処理し、式(I’)[式中、X’は、−Z−(CH−Q−W〔式中、Zは、OまたはSであり、そしてp、QおよびWは、本明細書に記載の意味を有する〕である]の化合物を得る。式(VIII”)のアルコールを、本明細書に記載の方法またはその改良法により、または当技術分野で公知の方法により製造することができる。
【0070】
式(I’)[式中、X’は、−Z−(CH−Q−W〔式中、Zは結合であり、pおよびWは、本明細書に記載の意味を有し、そしてQは、OまたはSである〕である]の化合物を、例えば光延条件下で、例えば、式
【化39】

[式中、R、R’、p、XおよびLは、本明細書に記載の意味を有する]
で示される化合物を、式 W−OHのフェノールまたは式 W−SHのチオールで処理することにより得ることができ、式(I’)[式中、R、R’、XおよびLは、本明細書に記載の意味を有し、そしてX’は、−Z−(CH−Q−W〔式中、それぞれ、Zは結合であり、pおよびWは、本明細書に記載の意味を有し、そしてQは、OまたはSである〕である]の化合物を形成する。式(IX)の化合物を、本明細書に記載の方法またはその改良法により、または当技術分野で一般的公知の方法により製造することができる。
【0071】
別法にて、式(IX)のアルコールを、本明細書に記載の方法またはその改良法を用いてか、または当技術分野でよく知られた方法を用いて、式
【化40】

[式中、R、R’、p、XおよびLは、本明細書に記載の意味を有し、Lgは、ヨウ化物、塩化物、臭化物またはトリフルオロスルホン酸塩などの脱離基である]
で示される化合物に変換することができる。続いて、DMFまたはTHFなどの不活性溶媒中、カリウムまたは炭酸セシウムなどの塩基の存在下で、式(X)の化合物と、式 W−OHのフェノールまたは式 W−SHのチオールを反応させ、式(I’)[式中、R、R’、XおよびLは、本明細書に記載の意味を有し、X’は−Z−(CH−Q−W〔式中、それぞれ、Zは結合であり、pおよびWは、本明細書に記載の意味を有し、QはOまたはSである〕である]の化合物を得る。
【0072】
式(I’)[式中、R、R’、XおよびLは、本明細書に記載の意味を有し、X’は−Z−(CH−Q−W〔式中、Zは、−C(O)NR−であり、そしてR、p、QおよびWは、本明細書に記載の意味を有する〕である]の化合物を、式
【化41】

[式中、R、R’、XおよびLは、本明細書に記載の意味を有する]
で示されるカルボン酸に対応するカルボン酸の活性誘導体と、式
【化42】

[式中、R、p、QおよびWは、本明細書に記載の意味を有する]
で示されるアミン、またはその酸付加塩を反応させることにより製造することができる。式(XI)のカルボン酸および式(XII)のアミンを、本明細書に記載の方法またはその改良法を用いてか、または当技術分野で一般的に公知の方法を用いて製造することができる。
【0073】
同様に、式(I’)[式中、R、R’、XおよびLは、本明細書に記載の意味を有し、X’は、−Z−(CH−Q−W〔式中、Z、pおよびWは、本明細書に記載の意味を有し、Qは、−C(O)NR−{式中、Rは本明細書に記載の意味を有する}である〕である]の化合物を、式
【化43】

[式中、R、R’、X、L、Zおよびpは、本明細書に記載の意味を有する]
で示されるカルボン酸に対応するカルボン酸の活性誘導体と、式
【化44】

[式中、RおよびWは、本明細書に上記の意味を有する]
で示されるアミン、またはその酸付加塩を反応させることにより製造することができる。式(XIII)のカルボン酸および式(XIV)のアミンを、本明細書に記載の方法またはその改良法を用いてか、または当技術分野で公知の方法を用いて製造することができる。
【0074】
式(I’)[式中、R、R’、XおよびLは、本明細書に記載の意味を有し、X’は、−Z−(CH−Q−W〔式中、Z、pおよびWは、本明細書に記載の意味を有し、そしてQは、−NRC(O)−、−NRC(O)NR−または−NRC(O)O−{式中、RおよびRは、本明細書に記載の意味を有する}である〕である]の化合物を、DCM、DMFまたはTHFなどの不活性溶媒中、TEA、DIEAまたはNMMなどの塩基の存在下で、式
【化45】

[式中、R、R’、X、L、Z、pおよびRは、本明細書に記載の意味を有する]
で示されるアミンと、カルボン酸、イソシアネートまたはクロロギ酸エステルそれぞれの活性誘導体などのN−誘導体化試薬と反応することにより得ることができる。式(XV)のアミンを、本明細書に記載の方法またはその改良法を用いてか、または当技術分野で一般的に公知の方法を用いて製造することができる。
【0075】
好ましくは、N−誘導体化剤は、式
【化46】

で示されるカルボン酸の活性誘導体である。
【0076】
式(I’)〔式中、R、R’、X、LおよびX’は、本明細書に記載の意味を有し、そしてRは、要すれば置換されていて良いアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはシクロアルキルである〕の化合物を、本明細書に記載の反応条件またはその改良条件を用いてか、または当技術分野で公知の方法を用いて、式(I’)〔式中、Rは、水素である〕の化合物に変換することができ、例えば、式(I’)〔式中、Rは、メチルまたはエチルなどの低級アルキルである〕の化合物を、メタノール、エタノール、1,4−ジオキサンまたはTHFなどの極性溶媒中、ナトリウム、リチウムまたは水酸化カリウムなどの水性塩基で処理し、式(I’)〔式中、R、R’、X、LおよびX’は、本明細書に記載の意味を有し、Rは水素である〕の化合物を得ることができる。
【0077】
本明細書に記載の方法で本発明の化合物に変換される出発化合物および中間体において、アミノ、チオール、カルボキシルおよびヒドロキシ基などの存在する官能基は、要すれば、有機合成化学で一般的な、通常の保護基により保護されていて良い。保護アミノ、チオール、カルボキシルおよびヒドロキシ基は、分子構成の破壊または他の望まれない副反応が起こることなしに、穏やかな条件下で遊離アミノ、チオール、カルボキシルおよびヒドロキシ基に変換され得る基である。
【0078】
保護基の導入の目的は、所望の化学変化を実行するために用いた条件下での反応成分との望まれない反応から官能基を保護することである。特定の反応についての保護基の必要性および選択は、当業者に公知であり、保護される官能基(ヒドロキシル基、アミノ基など)の性質、その置換基が一部を成す分子の構造および安定性、ならびに反応条件に依存して変わる。
【0079】
これらの条件に合うよく知られている保護基およびそれらの導入および除去は、例えば、McOmieの、「Protective Groups in Organic Chemistry」、Plenum Press、London、NY (1973);および、GreeneおよびWutsらの、「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley and Sons、Inc.,NY (1999)に記載されている。
【0080】
上記の反応は、標準的な方法により、希釈剤(好ましくは、例えば試薬に対して不活性であり、その溶媒である)、ならびに触媒、縮合剤または記載の他の剤のそれぞれの存在下または不存在下で、および/または不活性雰囲気下、低温、室温(RT)または高温にて、好ましくは、用いる溶媒の沸点かまたはその付近で、そして大気圧または加圧下で行われる。好ましい溶媒、触媒および反応条件は、付した実施例に記載されている。
【0081】
本発明はさらに、任意の段階で得られる中間生成物を出発物質として用い、そして残りの工程を行うか、または出発物質を、上記反応条件下インサイチュで形成するか、または上記反応成分を、それらの塩または光学的に純粋な対掌体の形態で用いる、本発明の任意の変法を含む。
【0082】
本発明の化合物および中間体はまた、それ自体一般的に公知の方法により、互いに変換され得る。
【0083】
本発明はまた、すべての新規の出発物質およびその製造方法にも関する。
【0084】
出発物質および方法の選択に依存して、前記化合物は、例えば、実質的に純粋な幾何(シスまたはトランス)異性体、光学異性体(対掌体)、ラセミ体またはそれらの混合物などの、可能性のある異性体またはその混合物のうち1種の形態であり得る。上記の可能性のある異性体またはその混合物は、本発明の範囲内である。
【0085】
すべての得られる異性体の混合物を、構成物の物理化学的相違に基づき、例えば、クロマトグラフィーにより、および/または分別晶出により、純粋な幾何体または光学異性体、ジアステレオ異性体、ラセミ体に分離することができる。
【0086】
すべての得られる最終生成物または中間体のラセミ体を、既知の方法、例えば、光学的に活性な酸または塩基で得られるそのジアステレオ異性体塩の分離、および光学的に活性な酸性または塩基性化合物の遊離により、光学対掌体に分けることができる。故に、上記カルボン酸中間体を、例えば、D−またはL−(アルファ−メチルベンジルアミン、シンコニジン、シンコニン、キニーネ、キニジン、エフェドリン、デヒドロアビエチルアミン、ブルシンまたはストリキニーネ)−塩の分別晶出により、その光学的対掌体に分けることができる。ラセミ生成物を、キラルクロマトグラフィー、例えば、キラル吸着剤を用いた高速液体クロマトグラフィーによっても分けることができる。
【0087】
最後に、本発明の化合物を、遊離型でかまたは塩形成基が存在するならばその塩のどちらかで得る。
【0088】
本発明の酸性化合物は、例えば、アルカリ金属水酸化物水溶液、有利には、低級アルカノールなどのエーテルまたはアルコール溶媒の存在下で、薬学的に許容される塩基との塩に変換され得る。後者の溶液からは、その塩は、エーテル、例えば、ジエチルエーテルで沈殿され得る。得られた塩は、酸で処理することにより遊離化合物に変換され得る。これらまたは他の塩は、得られた化合物の精製にも用いられ得る。
【0089】
塩基性基を有する本発明の化合物は、酸付加塩、とりわけ薬学的に許容される塩に変換され得る。これらは、例えば、鉱酸、例えば硫酸、リン酸またはハロゲン化水素酸などの無機酸;または、例えばハロゲンにより非置換または置換された(C−C)−アルカンカルボン酸、例えば酢酸など、例えばシュウ酸、コハク酸、マレイン酸またはフマル酸などの飽和または不飽和ジカルボン酸、例えばグリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸またはクエン酸などのヒドロキシ−カルボン酸、例えばアスパラギン酸またはグルタミン酸などのアミノ酸などの有機カルボン酸;または、例えば、メタンスルホン酸などの(C−C)−アルキル−スルホン酸などの有機スルホン酸;または、例えば、ハロゲンにより非置換かまたは置換されたアリールスルホン酸で、形成される。塩酸、メタンスルホン酸およびマレイン酸と形成された塩が好ましい。
【0090】
遊離化合物および塩形態の前記化合物の密接な関係を考慮すると、化合物とは、この文脈上言及されるときはいつも、対応する塩も意図する。ただし、そのようなものが、本状況下で可能であるかまたは適切であるときに限る。
【0091】
化合物(その塩を含む)はまた、その水和物の形態で得られ、またはその結晶化に使用した他の溶媒を含み得る。
【0092】
本発明の医薬組成物は、PPAR受容体、特にPPARαにより仲介される状態の処置のために、ヒトを含む哺乳動物に対して経口投与または経直腸投与などの経腸的投与、経皮投与または非経腸投与に好適である。かかる状態には、脂質代謝異常、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、高トリグリセリド血症、心不全、心筋梗塞、血管疾患、心臓血管疾患、高血圧、肥満症、炎症、関節炎、癌、アルツハイマー病、皮膚疾患、呼吸器疾患、眼疾患、IBD、潰瘍性大腸炎、クローン病、ならびに1型および2型糖尿病、およびX症候群などの耐糖能異常、高血糖およびインスリン耐性が関与する状態が含まれる。該医薬組成物は、有効量の薬理学的に活性な本発明の化合物を、単独でかまたは1個もしくはそれ以上の薬学的に許容される担体と組み合わせて含む。
【0093】
薬理学的に活性な本発明の化合物は、その有効量を、経腸的または非経腸的使用のどちらかに適した賦形剤または担体と結合してかまたは混合して含む医薬組成物の製造に用いられ得る。活性成分を、a)希釈剤、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよび/またはグリシン;b)潤滑剤、例えば、シリカ、滑石、ステアリン酸、そのマグネシウムまたはカルシウム塩および/またはポリエチレングリコール、と共に含む錠剤およびゼラチンカプセルが好ましく、錠剤については、c)結合剤、例えば、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、デンプン糊、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよび/またはポリビニルピロリドン;所望であれば、d)崩壊剤、例えば、デンプン、寒天、アルギン酸もしくはそのナトリウム塩、または発泡混合物;および/またはe)吸収剤、着色剤、香料および甘味料も含む。注入可能組成物は、好ましくは、等張水溶液または懸濁液であり、そして坐剤は、有利には、脂肪性乳濁液または懸濁液から製造される。該組成物は、滅菌し得、および/または保存剤、安定剤、湿潤剤または乳化剤などのアジュバント、溶解促進剤、浸透圧を調整するための塩および/または緩衝液を含み得る。さらに、それらは、他の治療的に有益な物質も含み得る。該組成物を、活性成分を約0.1−75%、好ましくは約1−50%含んで、常套的な混合法、造粒法またはコーティング法それぞれにより製造する。
【0094】
経皮適用に適した組成物は、治療的有効量の本発明の化合物を担体と共に含む。有利な担体には、宿主の皮膚の通過を助ける吸収可能な薬理学的に許容される溶媒が含まれる。特徴的には、経皮デバイス(transdermal device)は、裏当て部分(backing member)、前記化合物を要すれば担体と共に含む貯蔵部分、要すれば長時間にわたって制御速度および規定割合で宿主の皮膚へ化合物を送達するための速度制御バリアー、ならびに皮膚に当該デバイスを固定する手段を含む、包帯(bandage)の形態である。
【0095】
本発明は、治療的有効量の本発明の化合物を、1個またはそれ以上の薬学的に許容される担体と組み合わせて含む、医薬組成物を提供する。
【0096】
故に、本発明は、PPARにより仲介される状態、好ましくは、脂質代謝異常、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、高トリグリセリド血症、心不全、心筋梗塞、血管疾患、心臓血管疾患、高血圧、肥満症、炎症、関節炎、癌、アルツハイマー病、皮膚疾患、呼吸器疾患、眼疾患、IBD、潰瘍性大腸炎、クローン病、ならびに1型および2型糖尿病、およびX症候群などの耐糖能異常、高血糖およびインスリン耐性が関与する状態の処置のための、上記の医薬組成物を提供する。
【0097】
前記医薬組成物は、単独でかまたは他の治療剤との組合せで、例えば、当技術分野で報告されているそれぞれの治療的有効用量での組合せで、上記の治療上有効量の本発明の化合物を含む。かかる治療薬には、インスリン、インスリン誘導体およびミメティクス;スルホニル尿素などのインスリン分泌促進薬、例えば、グリピジド、グリブリドおよびアマリール;マグリチナイドなどのインスリン分泌促進性スルホニル尿素受容体リガンド、例えば、ナテグリニドおよびレパグリニド;PTP−112などのタンパク質チロシン脱リン酸化酵素−1B(PTP−1B)阻害剤などのインスリン増感剤;GW−0791、AGN−194204などのSB−517955、SB−4195052、SB−216763、NN−57−05441、NN−57−05445またはRXRリガンドなどのGSK3(グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3)阻害剤;T−1095などのナトリウム依存性グルコース共輸送体阻害剤;BAY R3401などのグリコーゲンホスホリラーゼA阻害剤;メトホルミンなどのビグアニド;アカルボースなどのアルファ−グルコシダーゼ阻害剤;GLP−1(グルカゴン様ペプチド−1)、エキセンディン−4などのGLP−1類似体、およびGLP−1ミメティクス;LAF237などのDPPIV(ジペプチジル・ペプチダーゼIV)阻害剤;3−ヒドロキシ−3−メチル−グルタリルコエンザイムA(HMG−CoA)還元酵素阻害剤、例えば、ロバスタチン、ピタバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、メバスタチン、ベロスタチン、フルバスタチン、ダルバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチンおよびリバスタチン、スクアレン合成酵素阻害剤またはFXR(ファルネソイドX受容体)およびLXR(肝臓X受容体)リガンド、コレスチラミン、フィブラート、ニコチン酸およびアスピリンなどの抗高脂血症剤;オルリスタット(orlistat)などの抗肥満症剤;血圧降下剤、例えば、エタクリン酸、フロセミドおよびトルセミドなどのループ利尿薬;ベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、フォシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリノドプリル、キナプリル、ラミプリルおよびトランドラプリルなどのアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤;ジゴキシンなどのNa−K−ATPase膜ポンプの阻害剤;中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤;オマパトリラート、サムパトリラト(sampatrilat)およびファシドトリルなどのACE/NEP阻害剤;カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、テルミサルタンおよびバルサルタンなどのアンジオテンシンIIアンタゴニスト、特にバルサルタン;アセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、ビソプロロール、メトプロロール、ナドロール、プロプラノロール、ソタロールおよびチモロールなどのβ−アドレナリン受容体ブロッカー;ジゴキシン、ドブタミンおよびミルリノンなどの強心剤;アムロジピン、ベプリジル、ジルチアゼム、フェロジピン、ニカルジピン、ニモジピン、ニフェジピン、ニソルジピンおよびベラパミルなどのカルシウムチャネルブロッカー;アルドステロン受容体アンタゴニストおよびアルドステロン合成酵素阻害剤が含まれる。他の特定の抗糖尿病化合物は、Patel Mona (Expert Opin Investig Drugs. 2003 Apr;12(4):623-33) により、図1〜7において記載されており、これらを出典明示により本願の一部とする。本発明の化合物は、他の活性成分と同時、前または後に、同時に個別的にまたは別の経路でまたは同一の医薬製剤中で一緒に投与され得る。
【0098】
コード番号、一般名または商品名により同定される活性成分の構造は、標準的概論“The Merck Index”の現行版、またはデータベース、例えば、Patents International(例えば、IMS World Publications)から入手され得る。これらの対応する内容を、参照により本願の一部とする。
【0099】
従って、本発明は、治療上有効量の本発明の化合物を、好ましくは抗糖尿病剤、抗高脂血症剤、抗肥満症剤、血圧降下剤または強心剤から選択され、最も好ましくは上記の抗糖尿病剤または抗高脂血症剤から選択される、治療上有効量の他の治療薬と組み合わせて含む医薬組成物を提供する。
【0100】
本発明はさらに、医薬として使用するための上記の医薬組成物に関する。
【0101】
故に、本発明は、PPARにより仲介される状態、好ましくは、脂質代謝異常、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、高トリグリセリド血症、心不全、心筋梗塞、血管疾患、心臓血管疾患、高血圧、肥満症、炎症、関節炎、癌、アルツハイマー病、皮膚疾患、呼吸器疾患、眼疾患、IBD、潰瘍性大腸炎、クローン病、ならびに1型および2型糖尿病、およびX症候群などの耐糖能異常、高血糖およびインスリン耐性が関連する状態を処置するための医薬の製造を目的とした、上記の医薬組成物または組合せの使用に関する。
【0102】
約50−70kgの哺乳動物に対する単位用量は、約1mgから1000mg、有利には約5−500mgの活性成分を含み得る。活性成分の治療的有効用量は、温血動物(哺乳動物)の種類、体重、年齢および個々の状態、投与の形態、ならびに関与する化合物に依存して変化する。
【0103】
本発明の化合物は、PPARに結合し、故に、PPARにより仲介される状態の処置に用いられ得る。それ故に、かかる化合物は、脂質代謝異常、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、高トリグリセリド血症、心不全、心筋梗塞、血管疾患、心臓血管疾患、高血圧、肥満症、炎症、関節炎、癌、アルツハイマー病、皮膚疾患、呼吸器疾患、眼疾患、IBD、潰瘍性大腸炎、クローン病、ならびに1型および2型糖尿病、およびX症候群などの耐糖能異常、高血糖およびインスリン耐性が関与する状態の処置に治療的に用いられ得る。
【0104】
故に、本発明はまた、医薬として使用するための式(I)の化合物;PPARにより仲介される状態の予防および/または処置のための医薬組成物の製造のための式(I)の化合物の使用;および、遊離形態もしくは薬学的に許容される塩形態の式(I)の化合物を、薬学的に許容される希釈剤または担体と共に含む、PPARにより仲介される状態で使用するための医薬組成物、に関する。
【0105】
さらに、本発明は、PPARにより仲介される状態の予防および/または処置のための方法を提供し、それは、治療上有効量の本発明の化合物を投与することを含む。
【0106】
上記に従い、本発明はまた、例えば本明細書に記載のすべての方法に使用するための、少なくとも1個の他の治療剤(好ましくは、抗糖尿病剤、抗高脂血症剤、抗肥満剤、抗高血圧剤または強心剤から選択される)を含む少なくとも1個の医薬組成物と、同時にまたは連続して使用するための、遊離形態または薬学的に許容される塩形態の式(I)の化合物を含む治療的組合せ、例えば、キット、複数部分のキットを提供する。キットは、その投与のための取扱説明書を含んでいてよい。
【0107】
同様に、本発明は、以下:構成要素(i)と(ii)の2つの個別のユニットの形態の、(i)本発明の医薬組成物;および(ii)抗糖尿病剤、抗肥満剤、抗高血圧剤、強心剤もしくは抗高脂血症剤、またはその薬学的に許容される塩から選択される化合物を含む医薬組成物、を含む複数部分のキットを提供する。
【0108】
同様に、本発明は、遊離形態または薬学的に許容される塩形態の治療上有効量の式(I)の化合物、および第2の医薬物質(当該第2の医薬物質は、例えば、上記のような、抗糖尿病剤、抗肥満剤、抗高血圧剤、強心剤または抗高脂血症剤である)の共投与、例えば、同時投与または連続投与を含む、上記の方法を提供する。
【0109】
好ましくは、本発明の化合物は、それを必要としている哺乳動物に投与される。
好ましくは、本発明の化合物は、PPAR活性、具体的には、PPARα活性の調節に応答する疾患の処置に使用される。
【0110】
好ましくは、PPAR活性に関連する状態は、脂質代謝異常、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、高トリグリセリド血症、心不全、心筋梗塞、血管疾患、心臓血管疾患、高血圧、肥満症、炎症、関節炎、癌、アルツハイマー病、皮膚疾患、呼吸器疾患、眼疾患、IBD、潰瘍性大腸炎、クローン病、ならびに1型および2型糖尿病、およびX症候群などの耐糖能異常、高血糖およびインスリン耐性が関連する状態から選択される。
【0111】
最後に、本発明は、式(I)の化合物を、治療上有効量の抗糖尿病剤、抗肥満剤、抗高血圧剤、強心剤または抗高脂血症剤と併用して投与することを含む、方法または使用を提供する。
【0112】
終わりに、本発明は、本明細書に記載の医薬組成物の形態で式(I)の化合物を投与することを含む、方法または使用を提供する。
【0113】
本明細書を通して、および特許請求の範囲において使用されている用語「処置」は、当業者に公知のすべての種々の形態または様式の処置を含み、そして特に、予防的、治療的、進行の遅延および緩和的処置を含む。
【0114】
上記の特性は、有利には哺乳動物、例えば、マウス、ラット、イヌ、サルまたは単離された臓器、組織およびそれらの調製物を用いるインビトロおよびインビボ試験で実証される。該化合物は、溶液、例えば、好ましくは水溶液の形態にてインビトロで、そして経腸的、非経腸的、有利には静脈内に、例えば、懸濁液または水溶液としてインビボで用いられ得る。インビトロでの用量は、約10−5モル濃度から10−10モル濃度の範囲であり得る。インビボでの治療的有効用量は、投与の経路に依存して、約1から500mg/kg、好ましくは約5から100mg/kgの範囲であり得る。
【0115】
本発明の化合物の活性を、以下の方法または当技術分野で十分に記載されている方法により測定することができる:
【0116】
PPARα、PPARδおよびPPARγ受容体へのインビトロでの機能的結合は、以下により決定される:
【0117】
PPARα、PPARδおよびPPARγ受容体に対する機能的結合分析は、コアクチベーター−依存性受容体リガンド分析(CARLA)(Kreyらの、「Fatty Acids, Eicosanoids, and Hypolipidemic Agents Identified as Ligands of Peroxisome Proliferator-Activated Receptors by Coactivator−Dependent Receptor Ligand Assay」、Molecular Endocrinology、Vol. 11、pp. 779−791 (1997)を参照のこと)の変法である。本CARLA分析は、既報のTR−FRET検出法を使用する(Hemmila、「LANCE: Homogeneous Assay Platform for HTS」、J. Biomol. Screening、Vol. 4、pp. 303−307 (1999); Mathis、「HTRF Technology」、J. Biomol. Screening、Vol. 4、pp. 309−313 (1999)を参照のこと)。すべての分析には、3nMの、hPPARαリガンド結合ドメイン(LBD)(アミノ酸167−468)(GST−hPPARαLBD)、GST−hPPARδLBD(アミノ酸139−442)またはGST−hPPARγLBD(アミノ酸175−476)のいずれかのグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)融合タンパク質;3nMのEu−標識抗GST抗体(Wallac);30nMのビオチン化ステロイド受容体コアクチベーター−1(SRC−1)ペプチド(N−末端ビオチン化ペプチド、CPSSHSSLTERHKILHRLLQEGSPS(SRC−1のアミノ酸676−700に由来));および、10nMのストレプトアビジン標識アロフィコシアニン(APC;Prozyme)が含まれる。PPAR LBDへのリガンドの結合は、LBDの立体構造を変化させ、ビオチン化SRC−1ペプチドの結合を可能とする。このことは、Eu−標識抗GST抗体およびストレプトアビジン−標識APCを近接近させ、故に蛍光エネルギー移行を容易にする。ビオチン化SRC−1ペプチドは、標準的な固相ペプチド合成法により製造される。GST−PPAR LBDは、18℃にて標準的発現条件を用いて、大腸菌株BL21(DE3)中pGEXベクター(Amersham Pharmacia)で発現される。いくつかの場合には、GST−PPAR LBDは、groESLと共発現される。GST融合タンパク質は、製造業者の記載した方法を用いて、グルタチオンセファロース親和性カラム(Amersham Pharmacia)で精製される。50mMトリス pH7.4、50mM KCl、0.1% BSAおよび1mM DTT(ジチオスレイトール)を含む分析緩衝液。前記分析は、25μLの最終用量で黒色の半領域(black half area)96−ウェルプレートで行う。すべての成分を混合後、反応混合物を、RTで3時間放置後、Wallacベクター2プレートリーダー(665nMおよび620nMでのシグナルの割合を測定)でTR−FRET(時間分解蛍光共鳴エネルギー転移)シグナルを読み込む。EC50値を、4個のパラメータロジスティック方程式を用いて、エクセル拡張プログラムXLフィット(ID Business Solutions、Guildford、Surrey、UK)で測定する。
【0118】
グルコースおよびインスリンのインビボにおける活性の低下を、以下のとおり測定することができる:
【0119】
11週齢の成熟したオスのC57BL ob/obマウス(Jackson Lab、Bar Harbor、ME)を、逆光サイクル室(午後6:00から午前6:00まで点灯)で1ケージに6匹ずつ飼育し、そしてピュリーナ齧歯類飼料および水を自由に利用できるようにする。1日目に、尾血試料を午前8:00に採取し、血漿グルコース濃度を測定する。動物を、無作為に対照および化合物群とする。その群の血漿グルコース値の平均を調和させた。その後、動物に、ビヒクル(0.5% カルボキシメチル−セルロースと0.2% トゥイーン−80)またはビヒクル中の化合物(30mg/kgで)を経口投与する。マウスに、全3日間、毎日投与する。4日目に、基礎血液試料を採取する。血漿試料を、YSI2700 デュアルチャネル生化学分析器(Yellow Springs Instrument Co.,Yellow Springs、OH)を用いてグルコース濃度を、そしてELISA分析を用いてインスリン濃度を、分析する。
【0120】
本発明の例として、実施例9の化合物は、PPARα受容体結合分析で約3nMのEC50、およびPPARγ受容体結合分析で約1800nMのEC50を示す。
【0121】
以下の実施例は、本発明を説明することを意図するものであり、その範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。温度は、摂氏である。特記しない限り、すべての蒸発を、減圧下、好ましくは約10から100mmHgで行う。最終生成物、中間体および出発物質の構造を、標準的な分析方法、例えば、微量分析および分光学的特性、例えば、MS、IRおよびNMRにより確認する。使用する略語は、当技術分野で慣用的なものである。
【0122】
実施例1
(R)−1−{2−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボン酸
【化47】

A.(R)−1−[2−(3−ヒドロキシ−フェニル)−アセチル]−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステル
10mLのDCM中、3−ヒドロキシフェニル酢酸(1.52g、10.0mmol)の懸濁液に、L−プロリン・メチルエステル塩酸塩(1.80g、10.0mmol)を加え、続いてTEA(1.67mL、12mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、1.17g、10mmol)、およびEDCI(1.92g、10mmol)を加える。混合物を、RTで4日間攪拌する。酢酸エチルおよび水を加え、そして有機層を分け、塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして濃縮する。粗混合物を、ヘキサン:酢酸エチル(1:2)で溶出しながら、フラッシュ・クロマトグラフィー(シリカゲル)により精製し、(R)−1−[2−(3−ヒドロキシ−フェニル)−アセチル]−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステルを油状物として得る。
【0123】
B.(R)−1−{2−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステル
標題A化合物、(R)−1−[2−(3−ヒドロキシ−フェニル)−アセチル]−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステル(1.0g、3.61mmol)の10mLのDMF溶液に、炭酸カリウム(0.60g、4.33mmol)を加え、続いて4−クロロメチル−5−メチル−2−フェニル−オキサゾール(0.75g、3.61mmol)を加える。混合物を、24時間RTで撹拌し、酢酸エチルと水の間に分配する。有機層を分け、そして塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、そしてヘキサン:酢酸エチル(3:7)で溶出しながらフラッシュ・クロマトグラフィー(シリカゲル)により精製し、(R)−1−{2−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステルを得る。
【0124】
C.(R)−1−{2−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボン酸
標題B化合物、(R)−1−{2−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステル(1.3g、2.9mmol)の25mLのメタノール溶液に、RTで、1N 水酸化ナトリウム水溶液(8.7mL)を加える。混合物を20時間撹拌し、そして酢酸エチルで洗浄する。水相を1N 塩酸水溶液(HCl)で酸性化し、酢酸エチルで溶出し、塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして濃縮し、油状物を得る。粗生成物を、酢酸エチル→酢酸エチル:酢酸(2:1)で溶出しながら、フラッシュ・クロマトグラフィー(シリカゲル)により精製し、(R)−1−{2−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボン酸を泡状物として得る:MS m/z 419.1[M−1]
【0125】
実施例2
(R)−1−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニルスルファニルカルボニル]−ピロリジン−2−カルボン酸
【化48】

A.(R)−1−クロロカルボニル−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステル
DCM(40mL)中、(R)−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステル塩酸塩(4.0g、22.3mmol)およびTEA(9.02g、89.2mmol)の撹拌溶液に、トリホスゲン(8.0g、26.8mmol)を0℃で加える。反応混合物を徐々にRTまで温め、そして3時間撹拌する。反応混合物をDCMで希釈し、水および塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。粗生成物を、ヘキサン中、20%酢酸エチルを用いて、Biotage 40Mカラムにより精製し、(R)−1−クロロカルボニル−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステルを透明な油状物として得る。
【0126】
B.(R)−1−[3−(t−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニルスルファニルカルボニル]−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステル
無水THF(20mL)中、水素化ナトリウム(0.25g、6.3mmol)の撹拌懸濁液に、3−(t−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−ベンゼンチオール(1.3g、5.22mmol)をRTで加える。10分後、標題A化合物、(R)−1−クロロカルボニル−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステル(1.1g、5.22mmol)を加え、そして反応物を24時間撹拌する。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして減圧下で濃縮する。粗生成物を、ヘキサン中、25%酢酸エチルを用いてBiotage 40Mカラムにより精製し、(R)−1−[3−(t−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル−スルファニルカルボニル]−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステルを透明油状物として得る。
【0127】
C.(R)−1−(3−ヒドロキシ−フェニルスルファニルカルボニル)−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステル
標題B化合物、(R)−1−[3−(t−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニルスルファニル−カルボニル]−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステル(1.5g、3.66mmol)のフラスコに、RTで、1M n−テトラブチル・フッ化アンモニウム(14.6mL、14.6mmol)のTHF溶液を加え、そして反応物を4時間撹拌する。反応混合物を減圧下で濃縮し、酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮する。粗(R)−1−(3−ヒドロキシ−フェニルスルファニルカルボニル)−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステルを、さらなる精製なしに次の工程に用いる。
【0128】
D.(R)−1−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニルスルファニルカルボニル]−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステル
DMF(25mL)中、標題C化合物、1−(3−ヒドロキシ−フェニルスルファニルカルボニル)−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステル(1.1g、3.73mmol)および炭酸カリウム(0.78g、5.59mmol)の撹拌溶液に、4−クロロメチル−5−メチル−2−フェニル−オキサゾール(0.78g、3.73mmol)をRTで加える。反応混合物を16時間撹拌する。撹拌をさらに3時間40℃で継続する。反応混合物をRTまで冷まし、酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして減圧下で濃縮する。粗生成物を、ヘキサン中、25%酢酸エチルを用いてBiotage 40Mカラムで精製し、(R)−1−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニルスルファニルカルボニル]−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステルを透明な、重油として得る。
【0129】
E.(R)−1−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニルスルファニルカルボニル]−ピロリジン−2−カルボン酸
メタノール(15mL)中、標題D化合物、(R)−1−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニルスルファニルカルボニル]−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステル(1.5g、3.22mmol)の撹拌溶液に、水(10mL)中、水酸化ナトリウム(0.26g、6.44mmol)をRTで加える。反応混合物を4時間撹拌する。反応混合物を減圧下で濃縮し、水に注ぎ、水層を分け、酢酸エチルで2度洗浄し、濃HClで酸性化し、そして酢酸エチルで3度溶出する。合わせた酢酸エチル溶出物を濃縮し、1:1 メチル−t−ブチルエーテルおよびヘキサンで粉砕し、(R)−1−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニルスルファニルカルボニル]−ピロリジン−2−カルボン酸を白色固体として得る。
【0130】
実施例3
(R)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸−1−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]エステル
【化49】

A.酢酸−3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニルエステル
DMF(40mL)中、酢酸−3−ヒドロキシフェニルエステル(5.0g、32.86mmol)および炭酸カリウム(6.8g、49.3mmol)の撹拌溶液に、4−クロロメチル−5−メチル−2−フェニル−オキサゾール(6.8g、32.86mmol)をRTで加える。反応混合物を3時間RTで撹拌し、続いて、24時間70℃で撹拌する。反応混合物をRTまで冷まし、酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして減圧下で濃縮する。粗生成物を、ヘキサン中、20%酢酸エチルを用いてBiotage 40Mカラムで精製し、酢酸−3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニルエステルを透明油状物として得る。
【0131】
B.3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェノール
メタノール(15mL)中、標題A化合物、酢酸−3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニルエステル(3.92g、12.14mmol)の撹拌溶液に、水(15mL)中、水酸化ナトリウム(0.97g、24.27mmol)をRTで加える。反応混合物を4時間撹拌する。反応混合物減圧下で濃縮し、水に注ぎ、水層を分け、酢酸エチルで2度洗浄し、濃HClで酸性化し、そして酢酸エチルで3度溶出する。合わせた酢酸エチル溶出物を、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして減圧下で濃縮し、3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェノールを白色固体として得る。
【0132】
C.(R)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸−2−エチルエステル−1−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]エステル
無水THF(25mL)中、水素化ナトリウム(0.24g、5.83mmol)の撹拌懸濁液に、標題B化合物、3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェノール(1.4g、4.87mmol)をRTで加える。10分後、実施例2の標題A化合物、(R)−1−クロロカルボニル−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステル(1.0g、4.87mmol)を加え、反応物を5時間撹拌する。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。粗生成物を、ヘキサン中、25%酢酸エチルを用いてBiotage 40Mカラムで精製し、(R)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸−2−エチルエステル−1−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]エステルを透明油状物として得る。
【0133】
D.(R)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]エステル
メタノール(20mL)中、標題C化合物、(R)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸−2−エチルエステル−1−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]エステル(1.4g、3.11mmol)の撹拌溶液に、水(5mL)中、水酸化ナトリウム(0.25g、6.22mmol)をRTで加える。反応混合物を4時間撹拌する。反応混合物を減圧下で濃縮し、水に注ぎ、水層を分け、酢酸エチルで2度洗浄し、濃HClで酸性化し、そして酢酸エチルで3度溶出する。合わせた酢酸エチル溶出物を濃縮し、そして1:1のメチル−t−ブチルエーテルおよびヘキサンで粉砕し、(R)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸 1−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]エステルを白色固体として得る。
【0134】
実施例4
(R)−1−{2−メチル−2−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ピロリジン−2−カルボン酸
【化50】

A.[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−酢酸メチルエステル
DMF(60mL)中、(3−ヒドロキシ−フェニル)−酢酸メチルエステル(4.26g、25.66mmol)および炭酸カリウム(7.1g、51.33mmol)の撹拌溶液に、4−クロロメチル−5−メチル−2−フェニル−オキサゾール(5.33g、25.66mmol)をRTで加える。反応混合物を、16時間40℃で撹拌し、続いて16時間60℃で撹拌する。反応混合物をRTまで冷却し、酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして減圧下で濃縮する。粗生成物を、ヘキサン中25%酢酸エチルを用いてBiotage 40Mカラムで精製し、[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−酢酸メチルエステルを白色固体として得る。
【0135】
B.2−メチル−2−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−プロピオン酸メチルエステル
無水テトラヒドロフラン(40mL)中、水素化ナトリウム(2.2g、54.75mmol)の撹拌懸濁液に、標題A化合物、[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−酢酸メチルエステル(6.15g、18.25mmol)のTHF溶液(20mL)をRTで滴下する。1時間後、ヨードメタン(6.0g、41.97mmol)を滴下し、反応物を16時間撹拌する。その後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。粗生成物を、ヘキサン中15%酢酸エチルを用いてBiotage 40Mカラムで精製し、2−メチル−2−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−プロピオン酸メチルエステルを透明油状物として得る。
【0136】
C.2−メチル−2−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−プロピオン酸
メタノール(30mL)中、標題B化合物、2−メチル−2−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−プロピオン酸メチルエステル(3.45g、9.45mmol)の撹拌溶液に、水(10mL)中、水酸化ナトリウム(1.51g、37.81mmol)をRTで加える。反応混合物を70℃で4時間撹拌する。反応混合物を濃縮し、水に注ぎ、水層を分け、酢酸エチルで2度洗浄し、濃HClで酸性化し、そして酢酸エチルで3度溶出する。合わせた酢酸エチル溶出物を、硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして濃縮し、2−メチル−2−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−プロピオン酸を白色固体として得る。
【0137】
D.(R)−1−{2−メチル−2−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステル
DCM(50mL)中、(R)−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステル塩酸塩(1.7g、9.4mmol)、TEA(1.0g、10.3mmol)および標題C化合物、2−メチル−2−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−プロピオン酸(3.0g、8.55mmol)の撹拌溶液に、EDCI(2.0g、10.3mmol)および1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt、1.2g、8.55mmol)をRTで加える。反応混合物を、48時間撹拌する。反応混合物を、酢酸エチルで希釈し、2N HCl水溶液、水、2N 水酸化ナトリウム水溶液、水および塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして減圧下で濃縮する。粗生成物を、ヘキサン中、35%酢酸エチルを用いてBiotage 40Mカラムで精製し、(R)−1−{2−メチル−2−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステルを透明油状物として得る。
【0138】
E.(R)−1−{2−メチル−2−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ピロリジン−2−カルボン酸
メタノール(25mL)中、標題D化合物、(R)−1−{2−メチル−2−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステル(0.47g、0.99mmol)の撹拌溶液に、水(5mL)中、水酸化ナトリウム(0.16g、3.95mmol)をRTで加える。反応混合物を16時間撹拌する。反応混合物を減圧下で濃縮し、水に注ぎ、水層を分け、酢酸エチルで2度洗浄し、濃HClで酸性化し、そして酢酸エチルで3度溶出する。合わせた酢酸エチル溶出物を乾燥させ、濃縮し、(R)−1−{2−メチル−2−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ピロリジン−2−カルボン酸を白色固体として得る:MS m/z 447.3[M−1]
【0139】
以下の化合物は、上記で説明されるように作製される。
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【表6】



【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

[式中、Lは、以下:
【化2】

および
【化3】

〔式中、Rは、水素、要すれば置換されていて良いアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはシクロアルキルであり;
は、水素、ヒドロキシ、オキソ、要すれば置換されていて良いアルキル、アリール、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、アルキルチオ、アリールチオまたはアラルキルチオであり;
は、水素であるか;または
結合したRおよびRは、それらが結合している炭素原子と一体となって、縮合した5〜7員環を形成するアルキレンであるか;または
結合したRおよびRは、それらが結合している炭素原子間の結合であり;
nは、0または1もしくは2の整数であり;
は、水素であるか;または
結合したYおよびRは、それらが結合している炭素原子間の結合であり;
4aは、水素であるか;または
結合したR4aおよびYは、それらが結合している炭素原子間の結合であり;
R”は、水素、要すれば置換されていて良いアルキル、アルコキシまたはハロゲンであり;
mは、1または2の整数であり;
は、水素であり;
4bは、水素であるか;または
結合しているR4bおよびYは、それらが結合している炭素原子間の結合である〕
からなる群から選択されるラジカルであり;
RおよびR’は、独立して、水素、ハロゲン、要すれば置換されていて良いアルキル、アルコキシ、アラルキルまたはヘテロアラルキルであるか;または
RおよびR’が互いに隣接した炭素原子と結合している限り、結合したRおよびR’は、それらが結合している炭素原子と一体となって、要すれば置換されていて良い縮合した5〜6員の芳香族環またはヘテロ芳香環を形成しているか;または
R−CおよびR’−Cは、独立して、窒素により置換されていて良く;
は、−Z−(CH−Q−W〔式中、
Zは、結合、O、S、S(O)またはS(O)であるか;または
Zは、−C(O)NR−{式中、
は、水素、アルキルまたはアラルキルである}であり;
pは、1から8の整数であり;
Qは、結合であるか;または
Qは、−O(CH−または−S(CH−{式中、
rは、0または1から8の整数である}であるか;または
Qは、−O(CH1−8O−、−S(CH1−8O−、−S(CH1−8S−または−C(O)−であるか;または
Qは、−C(O)NR−{式中、
は、水素、要すれば置換されていて良いアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキルである}であるか;または
Qは、−NR−、−NRC(O)−、−NRC(O)NR−または−NRC(O)O−{式中、
は、水素、要すれば置換されていて良いアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり;
は、水素、アルキルまたはアラルキルである}であり;
Wは、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アラルキルまたはヘテロアラルキルであるか;または
WおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、8〜12員の二環式環を形成し、それらは、要すれば置換されていて良いか、または酸素、窒素および硫黄から選択される他のヘテロ原子を含んでいて良い〕であり;
は、−C(R−、O、Sまたは−NR10−〔式中、
は、水素または低級アルキルであり;
10は、水素、アルキルまたはアラルキルである〕であり;
ただし、ZがOであり、pが1であり、Qが結合であり、Xが、−C(R−〔ここで、Rは、水素である〕であり、そしてXが、4位に位置するとき、Wは2−メチルキノリン−4−イルではなく;または、Zが結合であり、pが1であり、Qが結合であり、Xが−NR10−〔式中、R10は水素である〕であり、そしてXが、4位に位置するとき、Wは2−ブチル−4−クロロ−5−ヒドロキシメチルイミダゾール−1−イルではない]
で示される化合物、またはその光学異性体;またはその光学異性体の混合物;またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】

【化4】

[式中、Lは、以下:
【化5】

および
【化6】

〔式中、Rは、水素、要すれば置換されていて良いアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはシクロアルキルであり;
は、水素、ヒドロキシ、オキソ、要すれば置換されていて良いアルキル、アリール、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、アルキルチオ、アリールチオまたはアラルキルチオであり;
は、水素であるか;または
結合したRおよびRは、それらが結合している炭素原子と一体となって、縮合した5〜7員環を形成するアルキレンであるか;または
結合したRおよびRは、それらが結合している炭素原子間の結合であり;
nは、1であり;
は、水素であるか;または
結合したYおよびRは、それらが結合している炭素原子間の結合であり;
4aは、水素であるか;または
結合したR4aおよびYは、それらが結合している炭素原子間の結合であり;
R”は、水素、要すれば置換されていて良いアルキル、アルコキシまたはハロゲンであり;
mは、1であり;
は、水素であり;
4bは、水素であるか;または
結合したR4bおよびYは、それらが結合している炭素原子間の結合である〕
からなる群から選択されるラジカルであり;
RおよびR’は、独立して、水素、ハロゲン、要すれば置換されていて良いアルキル、アルコキシ、アラルキルまたはヘテロアラルキルであるか;または
RおよびR’が互いに隣接する炭素原子に結合している限り、結合したRおよびR’は、それらが結合している炭素原子と一体となって、要すれば置換されていて良い縮合した5〜6員の芳香族環またはヘテロ芳香環を形成しているか;または
Zは、結合、OまたはSであり;
pは、1から8の整数であり;
Qは結合であるか;または
Qは、−O(CH−または−S(CH−〔式中、rが、0または1から8の整数である〕であるか;または
Qは、−C(O)NR−〔式中、Rが、水素、要すれば置換されていて良いアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキルである〕であるか;または
Qは、−NR−、−NRC(O)−、−NRC(O)NR−または−NRC(O)O−〔式中、Rは、水素、要すれば置換されていて良いアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり;
は、水素、アルキルまたはアラルキルである〕であり;
Wは、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アラルキルまたはヘテロアラルキルであるか;または
WおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、8〜12員の二環式環を形成し、それらは要すれば置換されていて良いかまたは酸素、窒素および硫黄から選択される他のヘテロ原子を含んでいて良く;
は、−C(R−、O、Sまたは−NR10−〔式中、Rは、水素または低級アルキルであり;
10は、水素または低級アルキルである〕である];
で示される請求項1記載の化合物、またはその光学異性体;または、その光学異性体の混合物;または、その薬学的に許容される塩。
【請求項3】
が、水素であるか、または要すれば置換されていて良いアルキルであり;
およびRが、水素であり;
およびYが、水素であり;
4aおよびR4bが、水素であり;
RおよびR’が、独立して、水素、ハロゲン、要すれば置換されていて良いC1−6アルキルまたはC1−6アルコキシであり;
pが、1から5の整数であり;
Qが、結合であるか;または
Qが、−O(CH−または−S(CH−〔式中、rが、0または1である〕であるか;または
Qが、−C(O)NR−〔式中、Rは、水素または低級アルキルである〕であるか;または
Qが、−NR−、−NRC(O)−、−NRC(O)NR−または−NRC(O)O−〔式中、Rは、水素または要すれば置換されていて良いアルキルであり;
は、水素またはアルキルである〕であり;
が、−C(R−、O、Sまたは−NR10−〔式中、Rは、水素またはメチルであり;
10は水素である〕である、
請求項2記載の化合物、またはその光学異性体;または、その光学異性体の混合物;または、その薬学的に許容される塩。
【請求項4】
R、R’およびR”が、水素であり;
Qが、結合であるか;または
Qが、−O(CH−または−S(CH−〔式中、rが0である〕であるか;または
Qが、−NR−、−NRC(O)−、−NRC(O)NR−または−NRC(O)O−〔式中、Rが、水素または要すれば置換されていて良い低級アルキルである〕であり;
Wが、シクロアルキル、アリールまたはヘテロシクリルである、
請求項3記載の化合物、またはその光学異性体;または、その光学異性体の混合物;または、その薬学的に許容される塩。
【請求項5】
ラジカルLの不斉中心が(R)配置である、請求項4記載の化合物;または、その薬学的に許容される塩。
【請求項6】
が、−C(R−〔式中、Rがメチルである〕である、請求項4記載の化合物;または、その薬学的に許容される塩;または、その光学異性体;または、その光学異性体の混合物。
【請求項7】

【化7】

[式中、
は、水素または要すれば置換されていて良いアルキルであり;
Zは、結合、OまたはSであり;
pは、1から3の整数であり;
Qは、結合、OまたはSであるか;または
Qは、−NRC(O)−〔式中、
は、水素または要すれば置換されていて良い低級アルキルである〕であり;
Wは、アリールまたはヘテロシクリルであり;
は、−C(R−、O、Sまたは−NH−〔式中、
は、水素またはメチルである〕である]
で示される請求項4記載の化合物、またはその光学異性体;または、その光学異性体の混合物;または、その薬学的に許容される塩。
【請求項8】
Zが、OまたはSであり;
pが、2または3の整数であり;
Qが、OまたはSであり;
Wが:
【化8】

から成る群から選択される、
請求項7記載の化合物、またはその光学異性体;または、その光学異性体の混合物;または、その薬学的に許容される塩。
【請求項9】
Zが、結合、OまたはSであり;
pが、1または2の整数であり;
Qが、結合であり;
Wが:
【化9】

から成る群から選択される、
請求項7記載の化合物、またはその光学異性体;または、その光学異性体の混合物;または、その薬学的に許容される塩。
【請求項10】
Zが、Oであり;
pが、1であり;
が、−C(R−〔式中、Rがメチルである〕であり;
Wが:
【化10】

から成る群から選択される、
請求項9記載の化合物、またはその光学異性体;または、その光学異性体の混合物;または、その薬学的に許容される塩。
【請求項11】
ラジカルLの不斉中心が(R)配置である、請求項10記載の化合物;または、その薬学的に許容される塩。
【請求項12】
Zが、OまたはSであり;
pが、2であり;
Qが、結合であり;
Wが:
【化11】

から成る群から選択される、
請求項7記載の化合物、またはその光学異性体;または、その光学異性体の混合物;または、その薬学的に許容される塩。
【請求項13】
Zが、結合であり;
pが、1であり;
Qが、−NRC(O)−〔式中、Rが、水素またはメチルである〕であり;
Wが:
【化12】

から成る群から選択される、
請求項7記載の化合物、またはその光学異性体;または、その光学異性体の混合物;または、その薬学的に許容される塩。
【請求項14】

【化13】

[式中、
は、水素または要すれば置換されていて良いアルキルであり;
Zは、結合、OまたはSであり;
pは、1から3の整数であり;
Qは、結合、OまたはSであるか;または
Qは、−NRC(O)−〔式中、
は、水素または要すれば置換されていて良い低級アルキルである〕であり;
Wは、アリールまたはヘテロシクリルであり;
は、−C(R−、O、Sまたは−NH−〔式中、Rは、水素またはメチルである〕である]
で示される請求項4記載の化合物、またはその光学異性体;または、その光学異性体の混合物;または、その薬学的に許容される塩。
【請求項15】
Zが、OまたはSであり;
Pが、2または3の整数であり;
Qが、OまたはSであり;
Wが:
【化14】

から成る群から選択される、
請求項14記載の化合物、またはその光学異性体;または、その光学異性体の混合物;または、その薬学的に許容される塩。
【請求項16】
Zが結合、OまたはSであり;
pが、1または2の整数であり;
Qが結合であり;
Wが:
【化15】

から成る群から選択される、
請求項14記載の化合物、またはその光学異性体;または、その光学異性体の混合物;または、その薬学的に許容される塩。
【請求項17】
Zが、Oであり;
pが、1であり;
が、−C(R−〔式中、Rがメチルである〕であり;
Wが:
【化16】

から成る群から選択される、
請求項16記載の化合物、またはその光学異性体;または、その光学異性体の混合物;または、その薬学的に許容される塩。
【請求項18】
前記ラジカルLの不斉中心が(R)配置である、請求項17記載の化合物;または、その薬学的に許容される塩。
【請求項19】
Zが、OまたはSであり;
pが、2であり;
Qが、結合であり;
Wが:
【化17】

から成る群から選択される、
請求項14記載の化合物、またはその光学異性体;または、その光学異性体の混合物;または、その薬学的に許容される塩。
【請求項20】
Zが、結合であり;
pが、1であり;
Qが、−NRC(O)−〔式中、Rが、水素またはメチルである〕であり;
Wが:
【化18】

から成る群から選択される、
請求項14記載の化合物、またはその光学異性体;または、その光学異性体の混合物;または、その薬学的に許容される塩。
【請求項21】
(R)−1−{2−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニルスルファニルカルボニル]−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸−1−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]エステル;
(R)−1−{2−メチル−2−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−{2−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−{2−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−(2−{3−[2−(4−カルバモイルフェニル)−5−メチル−オキサゾール−4−イルメトキシ]−フェニル}−2−メチル−プロピオニル)−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−(2−{3−[2−(4−シアノ−フェニル)−5−メチル−オキサゾール−4−イルメトキシ]フェニル}−2−メチル−プロピオニル)−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−(2−{3−[2−(4−クロロ−3−フルオロ−フェニル)−5−メチル−オキサゾール−4−イル−メトキシ]−フェニル}−2−メチル−プロピオニル)−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−{2−メチル−2−[4−({メチル−[2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アセチル]−アミノ}−メチル)−フェニル]−プロピオニル}−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−(2−{3−[2−(4−フルオロ−フェニル)−5−メチル−オキサゾール−4−イルメトキシ]−4−メトキシ−フェニル}−2−メチル−プロピオニル)−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−(2−{3−[2−(4−クロロ−フェニル)−5−メチル−オキサゾール−4−イルメトキシ]−フェニル}−
2−メチル−プロピオニル)−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−{2−メチル−2−[3−(5−メチル−2−p−トリル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−プロピオニル}−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−[2−(4−{2−[2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アセチルアミノ]−エチル}−フェニル)−アセチル]−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−(2−メチル−2−{3−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−フェニル}−プロピオニル)−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−(2−{3−[2−(4−フルオロ−フェニル)−5−メチル−オキサゾール−4−イルメトキシ]−フェニル}−2−メチル−プロピオニル)−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−(2−{3−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エチル]−フェニル}−アセチル)−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−[2−(3−{[(4−メチル−5−フェニル−チアゾール−2−カルボニル)−アミノ]−メチル}−フェニル)−アセチル]−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−[2−メチル−2−(3−{[(4−メチル−2−フェニル−チアゾール−5−カルボニル)−アミノ]−メチル}−フェニル)−プロピオニル]−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−[2−(3−{[(4−メチル−2−フェニル−チアゾール−5−カルボニル)−アミノ]−メチル}−フェニル)−アセチル]−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−{2−[3−(1−ベンジル−4−エチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメトキシ)−フェニル]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−(2−{3−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−アセチル)−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−(2−{3−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−フェニル}−アセチル)−ピロリジン−2−カルボン酸;
(S)−1−{2−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−{2−[3−(4−メチル−ベンジルオキシ)−フェニル]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボン酸;
(R)−1−{2−メチル−2−[3−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−プロピオニル}−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸;
(R)−1−(2−{3−[2−(4−カルバモイル−フェニル)−5−メチル−オキサゾール−4−イルメトキシ]−フェニル}−2−メチル−プロピオニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸;
(R)−1−(2−{3−[2−(4−クロロ−3−フルオロ−フェニル)−5−メチル−オキサゾール−4−イルメトキシ]−フェニル}−2−メチル−プロピオニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸;
(R)−1−(2−{3−[2−(4−シアノ−フェニル)−5−メチル−オキサゾール−4−イルメトキシ]−フェニル}−2−メチル−プロピオニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸;
(R)−1−(2−{3−[2−(4−フルオロ−フェニル)−5−メチル−オキサゾール−4−イルメトキシ]−4−メトキシ−フェニル}−2−メチル−プロピオニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸;
(R)−1−{2−メチル−2−[3−(5−メチル−2−p−トリル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−フェニル]−プロピオニル}−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸;
(R)−1−(2−メチル−2−{3−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−フェニル}−プロピオニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸;
(R)−1−(2−{3−[2−(4−クロロ−フェニル)−5−メチル−オキサゾール−4−イルメトキシ]−フェニル}−2−メチル−プロピオニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸;および
(R)−1−(2−{3−[2−(4−フルオロ−フェニル)−5−メチル−オキサゾール−4−イルメトキシ]−フェニル}−2−メチル−プロピオニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸;
から選択される、請求項1記載の化合物、またはその光学異性体;または、その光学異性体の混合物;または、その薬学的に許容される塩。
【請求項22】
ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)を活性化する方法であって、治療的有効量の請求項1の化合物を、それを必要とする哺乳動物に投与することを含む、方法。
【請求項23】
PPARにより仲介される状態を処置する方法であって、治療的有効量の請求項1の化合物を、それを必要とする哺乳動物に投与することを含む、方法。
【請求項24】
該化合物を、治療的有効量のインスリン、インスリン誘導体またはミメティクス;インスリン分泌促進薬;インスリン分泌促進性スルホニル尿素受容体リガンド;インスリン増感剤;ビグアニド;アルファ−グルコシダーゼ阻害剤;GLP−1、GLP−1類似体またはミメティクス;DPPIV阻害剤;HMG−CoA還元酵素阻害剤;スクワレン合成酵素阻害剤;FXRまたはLXRリガンド;コレスチラミン;フィブラート;ニコチン酸またはアスピリンと組み合わせて投与することを含む、請求項23記載の方法。
【請求項25】
脂質代謝異常、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、高トリグリセリド血症、心不全、心筋梗塞、血管疾患、心臓血管疾患、高血圧、肥満症、炎症、関節炎、癌、アルツハイマー病、皮膚疾患、呼吸器疾患、眼疾患、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎およびクローン病、X症候群、ならびに1型および2型糖尿病を処置するための方法であって、治療的有効量の請求項1の化合物を、それを必要とする哺乳動物に投与することを含む、方法。
【請求項26】
治療的有効量の請求項1の化合物を、1個またはそれ以上の薬学的に許容される担体と共に含む、医薬組成物。
【請求項27】
治療的有効量の請求項1の化合物を、治療的有効量のインスリン、インスリン誘導体またはミメティクス;インスリン分泌促進薬;インスリン分泌促進性スルホニル尿素受容体リガンド;インスリン増感剤;ビグアニド;アルファ−グルコシダーゼ阻害剤;GLP−1、GLP−1類似体またはミメティクス;DPPIV阻害剤;HMG−CoA還元酵素阻害剤;スクワレン合成酵素阻害剤;FXRまたはLXRリガンド;コレスチラミン;フィブラート;ニコチン酸;または、アスピリンと共に含む、医薬組成物。
【請求項28】
脂質代謝異常、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、高トリグリセリド血症、心不全、心筋梗塞、血管疾患、心臓血管疾患、高血圧、肥満症、炎症、関節炎、癌、アルツハイマー病、皮膚疾患、呼吸器疾患、眼疾患、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎およびクローン病、X症候群、ならびに1型および2型糖尿病を処置するための、請求項26または27記載の医薬組成物。
【請求項29】
医薬としての使用のための、請求項26または27記載の医薬組成物。
【請求項30】
PPAR活性が関連する状態の処置のための医薬を製造するための、請求項26または27記載の医薬組成物の使用。
【請求項31】
PPAR活性が関連する状態の処置のための医薬組成物を製造するための、請求項1記載の化合物の使用。
【請求項32】
前記PPAR活性が関係する状態が、脂質代謝異常、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、高トリグリセリド血症、心不全、心筋梗塞、血管疾患、心臓血管疾患、高血圧、肥満症、炎症、関節炎、癌、アルツハイマー病、皮膚疾患、呼吸器疾患、眼疾患、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎およびクローン病、X症候群、ならびに1型および2型糖尿病から選択される、請求項30または31記載の使用。
【請求項33】
医薬としての使用のための、請求項1記載の化合物。

【公表番号】特表2007−501263(P2007−501263A)
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−529884(P2006−529884)
【出願日】平成16年5月19日(2004.5.19)
【国際出願番号】PCT/EP2004/005434
【国際公開番号】WO2004/103995
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】