説明

ホイール式建設機械

【課題】 アクスル装置の稼動時の負荷に応じて潤滑油を冷却できるようにして、アクスル装置の耐久性、信頼性等を向上する。
【解決手段】 ケーシング13のデフケース14内にはガイド部材43を設け、このガイド部材43は、デファレンシャル機構21のベベルリングギヤ26が回転駆動するときの回転力を利用し、ベベルリングギヤ26が掻き揚げる潤滑油38を冷却用の外部配管40に繋がる流入ポート41に向けて案内し、供給する構成としている。従って、ガイド部材43では、ベベルリングギヤ26の回転力を利用することにより潤滑油38を流入ポート41に積極的に供給することができる。しかも、デファレンシャル機構21のベベルリングギヤ26等が高速で回転する高負荷状態では、このベベルリングギヤ26の回転数に応じて外部配管40への潤滑油38の供給量を増大させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばアクスル装置を介して左,右のホイールを回転駆動するホイールローダ等のホイール式建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ホイール式建設機械としては、例えばホイールローダ等が知られている。このホイールローダは、後部車体の前側に前部車体が左,右方向に揺動可能に連結され、前部車体には、アーム、バケット等からなる作業装置が取付けられている。また、後部車体には、エンジン、トルクコンバータ、トランスミッション、油圧ポンプ等が搭載され、該エンジンの動力がトルクコンバータを介してトランスミッションに伝達されるようになっている。
【0003】
さらに、前,後の車体には、トランスミッションの出力軸にプロペラシャフトを介して接続されることにより左,右のホイールを回転駆動するアクスル装置が設けられ、該アクスル装置は、左,右方向の中間部に配置されたデファレンシャルケースと該デファレンシャルケースから左,右方向の外側に向けて延びた左,右のアクスルチューブとにより形成され内部に潤滑油が貯えられるケーシングと、該ケーシングのデファレンシャルケース内に設けられ前記駆動源に連結されたリングギヤを介して前記駆動源の回転力を前記左,右のホイールに分配するデファレンシャル機構と、前記ケーシングの各アクスルチューブ内を延びて先端側に取付けられた前記ホイールに前記デファレンシャル機構による回転を伝えるアクスルシャフトとにより大略構成されている。
【0004】
ここで、ホイールローダは、前進してバケットを土砂の山に突っ込み、大量の土砂と共にバケットを持ち上げて積み込むという作業を繰り返し行うものである。このため、ケーシング内に設けられたブレーキ機構によって頻繁に制動をかけているから、このブレーキ機構の摩擦熱によってケーシング内の温度が上昇し、シール部材やパッキンの寿命が短くなる虞がある。そこで、アクスル装置には、ケーシング内の潤滑油を冷却するための構成が設けられている。
【0005】
この潤滑油を冷却する構成には、ケーシング内にオイルクーラを設けたものがある(例えば、特許文献1参照)。また、ケーシング内に掻き上げた潤滑油の一部を溜め置くタンクを設け、このタンク内の潤滑油を外部配管を通じてアクスルチューブに流通させるときに、外気によって潤滑油を冷却する構成としたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−240821号公報
【特許文献2】特開2008−240822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述した特許文献1の発明のように、ケーシング内にオイルクーラを内蔵するためには、ケーシングを大きくする必要があり、アクスル装置全体が大型化するという問題がある。また、取付ける部品が多くなるから、組立作業性の低下、製造コストの上昇等を招くという問題がある。
【0008】
一方、特許文献2の発明では、ケーシング内のタンクに溜めた潤滑油を自重によって外部配管側に流通させる構成としている。この場合、冷却用の外部配管に流れ込む潤滑油の流量は常に一定であり、高速でリングギヤ等が回転する高負荷状態では、潤滑油が大きく温度上昇するから、このときの潤滑油を十分に冷却できなくなる虞がある。
【0009】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、アクスル装置の稼動時の負荷に応じて潤滑油を冷却することができ、アクスル装置の耐久性、信頼性等を向上できるようにしたホイール式建設機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によるホイール式建設機械は、駆動源を備えた車体と、該車体の下側に設けられ前記駆動源に接続されることにより左,右のホイールを回転駆動するアクスル装置とからなり、前記アクスル装置は、左,右方向の中間部に配置されたデファレンシャルケースと該デファレンシャルケースから左,右方向の外側に向けて延びた左,右のアクスルチューブとにより形成され内部に潤滑油が貯えられるケーシングと、該ケーシングのデファレンシャルケース内に設けられ前記駆動源に連結されたリングギヤを介して前記駆動源の回転力を前記左,右のホイールに分配するデファレンシャル機構と、前記ケーシングの各アクスルチューブ内を延びて先端側に取付けられた前記ホイールに前記デファレンシャル機構による回転を伝えるアクスルシャフトと、前記ケーシングの外面に沿って設けられた外部配管と、前記デファレンシャルケースに開口して設けられ前記デファレンシャルケース内の潤滑油を前記外部配管に流入させる流入ポートと、該流入ポートよりも低い位置で前記アクスルチューブに開口して設けられ前記外部配管から前記アクスルチューブ内に潤滑油を流出させる流出ポートとを備えてなる。
【0011】
そして、上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記ケーシングのデファレンシャルケース内には、前記デファレンシャル機構のリングギヤの回転力により該リングギヤが掻き揚げる潤滑油を前記流入ポートに向けて案内し、供給するガイド部材を設ける構成としたことにある。
【0012】
請求項2の発明は、前記ケーシングのデファレンシャルケースは、上側に開口部を有する本体ケースと、該本体ケースの開口部を閉塞する蓋体とにより構成し、前記ガイド部材は、前記蓋体の下面に設ける構成としたことにある。
【0013】
請求項3の発明は、前記ガイド部材は、前記デファレンシャル機構のリングギヤの歯車外周面と前記流入ポートとの間に位置する連結部と、該連結部から前記リングギヤの歯車外周面を挟んで配置された一対の集油枠とによりV字状ないしU字状に形成し、前記連結部には、前記流入ポートに対向する位置に前記各集油枠によって集められた潤滑油を供給する供給口を設ける構成としたことにある。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、ケーシングのデファレンシャルケース内の潤滑油は、流入ポートに流れ込み、外部配管内を流通して流出ポートからアクスルチューブ内に流出される。このときに、外部配管は、車体が走行するときに風を当てることにより、内部を流通する潤滑油の熱を大気中に放出して該潤滑油を冷却することができる。アクスルチューブ内に流入した冷えた潤滑油は、デファレンシャルケースに向けて流れ、その途中に設けられているブレーキ機構、減速機構等を冷却することができる。
【0015】
ここで、デファレンシャルケース内にはガイド部材を設けているから、デファレンシャル機構のリングギヤが掻き揚げた潤滑油は、ガイド部材によって外部配管の流入ポートに向けて供給することができる。しかも、ガイド部材では、リングギヤの回転力を利用することにより潤滑油を流入ポートに積極的に供給することができる。従って、デファレンシャル機構のリングギヤ等が高速で回転する高負荷状態では、このリングギヤの回転数に応じて外部配管への潤滑油の供給量を増大させることができる。
【0016】
この結果、高負荷運転によって潤滑油の温度が上昇した場合には、外部配管への潤滑油の供給量を増大させることができ、運転状況に応じて潤滑油を効果的に冷却することができる。これにより、潤滑油、シール部材、パッキン等の寿命を延ばすことができ、アクスル装置の耐久性、信頼性等を向上することができる。また、アクスルチューブからデファレンシャルケースに流れる潤滑油の流量も増大するから、例えば高負荷運転によって負担が大きくなるブレーキ機構等も冷えた潤滑油によって確実に冷却することができる。
【0017】
請求項2の発明によれば、ガイド部材を蓋体の下面に設けることにより、ケース本体に対して蓋体を取付け、取外しするときに、一緒にガイド部材を取付け、取外しすることができる。この構成では、既存の蓋体の下面にガイド部材を取付けるだけで、デファレンシャルケースに対して所定の位置にガイド部材を設けることができる。
【0018】
請求項3の発明によれば、リングギヤの歯車外周面を挟むV字状ないしU字状の集油枠は、リングギヤが掻き上げて飛散した潤滑油を効率よく集めることができ、多くの潤滑油を連結部側に供給することができる。しかも、連結部には、リングギヤの回転力(遠心力)を利用し、掻き上げた潤滑油を供給口に向け積極的に流通させることができるから、該供給口から外部配管の流入ポートに多くの潤滑油を流し込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係るホイールローダを示す正面図である。
【図2】図1中の前側アクスル装置を前方から拡大して示す左側面図である。
【図3】図2の前側アクスル装置を示す平面図である。
【図4】前側アクスル装置を図2中の矢示IV−IV方向からみた要部拡大の断面図である。
【図5】前側アクスル装置の内部構造を図2中の矢示V−V方向からみた要部拡大の断面図である。
【図6】リングギヤによって潤滑油を掻き上げている前側アクスル装置を図4中の矢示VI−VI方向からみた断面図である。
【図7】ケーシング、デファレンシャル機構、ブレーキ機構、ガイド部材等を図6中の矢示VII−VII方向からみた要部拡大の断面図である。
【図8】単体のガイド部材を後側からみた外観斜視図である。
【図9】単体のガイド部材を前側からみた外観斜視図である。
【図10】単体のガイド部材の平面図である。
【図11】変形例によるガイド部材を図9と同様位置からみた外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態に係るホイール式建設機械の代表例として、ホイールローダを例に挙げ、図1ないし図10に従って詳細に説明する。
【0021】
図1において、1はホイール式建設機械としてのホイールローダで、該ホイールローダ1は、後部車体2と、該後部車体2の前側に左,右方向に揺動可能に連結された前部車体3と、前記後部車体2、前部車体3の左,右両側に設けられた後ホイール4、前ホイール5(右側のみ図示)と、前記前部車体3の前側に俯仰動可能に設けられた作業装置6と、後述のアクスル装置11,12とにより大略構成されている。
【0022】
ここで、後部車体2には、駆動源となるエンジン7、トルクコンバータ8、トランスミッション9、図示しない油圧ポンプ等が搭載されている。トランスミッション9は、プロペラシャフト9A,9Bを介してアクスル装置11,12に接続されている。後部車体2の上側には、オペレータが搭乗するキャブ10が設けられている。
【0023】
11は後部車体2の下側に位置して設けられた後側アクスル装置で、この後側アクスル装置11は、左,右方向に延びて形成され、その左,右の両端部に後ホイール4が取付けられている。
【0024】
一方、12は前部車体3の下側に位置して設けられた前側アクスル装置で、この前側アクスル装置12は、後側アクスル装置11と同様に、左,右方向に延びて形成され、その左,右の両端部に前ホイール5が取付けられている。
【0025】
ここで、後側アクスル装置11と前側アクスル装置12とは、ほぼ同様に構成されているから、前側アクスル装置12の構成について詳細に説明し、後側アクスル装置11の構成の説明は省略するものとする。
【0026】
前側アクスル装置12は、プロペラシャフト9Bに接続されることにより左,右の前ホイール5を回転駆動するものである。また、前側アクスル装置12は、図2、図3等に示すように、後述のケーシング13、デファレンシャル機構21、遊星歯車減速機構27、アクスルシャフト32、ブレーキ機構33、外部配管40、流入ポート41、流出ポート42、ガイド部材43等により構成されている。
【0027】
13は前側アクスル装置12の外形をなすケーシングである。このケーシング13は、左,右方向の中間部に位置し、デファレンシャル機構21等を収容するデファレンシャルケース14(以下、デフケース14という)と、該デフケース14の左,右両側に取付けられ、内部に後述の遊星歯車減速機構27、アクスルシャフト32等が配置された左,右のアクスルチューブ18とにより大略構成されている。さらに、デフケース14は、図6、図7に示すように、後述の本体ケース15と蓋体16とにより構成されている。
【0028】
15はデフケース14の本体部分を構成する本体ケースで、該本体ケース15は、上側が開口部15Aとなった断面U字状の箱状体として形成されている。本体ケース15の左,右両側には、円環状の隔壁15Bが縮径して形成され、この隔壁15Bには、アクスルチューブ18から戻される潤滑油38を流通させるための開口(図示せず)が設けられている。これにより、本体ケース15内は、中央のギヤ室15Cと左,右両側のブレーキ室15Dとに仕切られている。また、本体ケース15の後側には、図5に示すように、トランスミッション9側に突出するように突出筒15Eが設けられ、該突出筒15E内には、後述の入力軸19が配置されている。
【0029】
16は本体ケース15の上側を閉塞する蓋体で、該蓋体16は、図3に示すように、略長方形状の板体として形成されている。この蓋体16は、その周囲が本体ケース15の開口部15Aに多数本のボルト17により取付け、取外し可能に取付けられている。蓋体16の下面16Aには、図7に示すように、略中央に位置して後述のガイド部材43が複数本のボルト17を用いて取付けられている。さらに、蓋体16の右側寄り位置には、下向きに突出するように筒状の呼吸弁取付ポート16Bが設けられ、該呼吸弁取付ポート16Bには、後述の呼吸弁39が接続される。
【0030】
18はデフケース14の左,右両側に取付けられた左,右のアクスルチューブを示している。該各アクスルチューブ18は、内部に後述の遊星歯車減速機構27、アクスルシャフト32等が配置されるもので、左,右方向に延びる筒状体として形成されている。各アクスルチューブ18は、その基端側がデフケース14を構成する本体ケース15の左,右の端部にボルト止めされ、これにより、アクスルチューブ18の基端側の内部は、遊星歯車減速機構27を収容する減速機構室18Aとなっている。
【0031】
ここで、各アクスルチューブ18は、デフケース14側となる基端側から前ホイール5側となる先端側に向け漸次細くなるように形成されている。具体的には、アクスルチューブ18の基端側は、減速機構室18Aを覆う大径筒部18Bとなり、該大径筒部18Bよりも先端側は前部車体3側に取付けられる箱形状の取付部18Cとなり、取付部18Cよりも先端側はアクスルシャフト32が通る小径筒部18Dとなっている。この小径筒部18Dの位置は、稼動時の発熱源となるデファレンシャル機構21、ブレーキ機構33等から離れているから、潤滑油38が低い温度に抑えられている。
【0032】
アクスルチューブ18は、デフケース14側から前ホイール5側に向け漸次細くなるように形成しているから、後述する外部配管40等を通じて小径筒部18Dに供給される潤滑油38は、小径筒部18D、取付部18C、大径筒部18B間の高低差によってデフケース14側に流して戻すことができる。
【0033】
19は本体ケース15の突出筒15E内に各軸受20を介して回転可能に設けられた入力軸である。この入力軸19は、外部に突出したフランジ部19Aがプロペラシャフト9Bに接続されている。入力軸19の内部側には、ベベルギヤからなるピニオンギヤ19Bが設けられている。
【0034】
21は本体ケース15のギヤ室15C内に収容されたデファレンシャル機構で、該デファレンシャル機構21は、トランスミッション9の出力軸の回転力を左,右の前ホイール5に分配するものである。即ち、デファレンシャル機構21は、本体ケース15の各隔壁15Bに軸受20を介して左,右方向を軸線として回転可能に支持されたギヤケース22と、該ギヤケース22内に固定されたスパイダ22Aに回転可能に設けられた複数のピニオンギヤ23と、該各ピニオンギヤ23と噛合う2個のサイドギヤ24と、一端側が該サイドギヤ24とスプライン結合され、他端側がアクスルシャフト32に向けて左,右方向に延びた2本の回転軸25とにより大略構成されている。
【0035】
さらに、ギヤケース22の外周側には、例えば左,右方向の左端部に位置して取付フランジ22Bが拡径して設けられ、該取付フランジ22Bには、ベベルリングギヤ26が取付けられている。
【0036】
ここで、26はデファレンシャル機構21の一部を構成するベベルリングギヤである。このベベルリングギヤ26は、入力軸19のピニオンギヤ19Bに噛合することによりトランスミッション9と連結されている。ベベルリングギヤ26は、本体ケース15のギヤ室15Cの左側寄りに配置され、ギヤケース22の取付フランジ22Bにボルト止めされている。さらに、ベベルリングギヤ26の外径寸法は、周囲の歯車外周面26Aがギヤ室15Cの内面と所定の隙間をもって離間する大きさとなっている。これにより、ベベルリングギヤ26は、半分程度まで潤滑油38に浸かっており、回転駆動されたときにはギヤ室15内の潤滑油38を掻き揚げることができる。
【0037】
このように構成されたデファレンシャル機構21は、トランスミッション9による回転力が入力軸19(ピニオンギヤ19B)、ベベルリングギヤ26を介してギヤケース22に伝わると、各ピニオンギヤ23、サイドギヤ24を介して左,右の回転軸25を適宜に回転駆動するものである。
【0038】
27は左,右のアクスルチューブ18の減速機構室18A内に設けられた遊星歯車減速機構で、該各遊星歯車減速機構27は、回転軸25の回転を減速して後述のアクスルシャフト32に伝達するものである。また、各遊星歯車減速機構27は、回転軸25の他端側に一体形成されたサンギヤ28と、アクスルチューブ18の内周側に固着して設けられたリングギヤ29と、前記サンギヤ28とリングギヤ29とに噛合する複数のプラネットギヤ30(1個のみ図示)と、該各プラネットギヤ30を回転可能に支持するキャリア31とにより大略構成されている。
【0039】
32は左,右のアクスルチューブ18内に回転可能に設けられたアクスルシャフトで、該各アクスルシャフト32は、基端側がキャリア31にスプライン結合されている。一方、各アクスルシャフト32の先端側は、アクスルチューブ18から突出し、その端部には前ホイール5が取付けられている。
【0040】
33はデフケース14の左,右のブレーキ室15D内に設けられたブレーキ機構で、該各ブレーキ機構33は、例えば湿式多板型のブレーキ機構として構成されている。また、ブレーキ機構33は、回転軸25の外周側にハブ34を介してスプライン結合された複数枚のブレーキディスク35と、該ブレーキディスク35に対面して本体ケース15に回転不能に取付けられたブレーキプレート36と、外部からの油圧力によって前記ブレーキプレート36をブレーキディスク35に押付けるピストン37とにより大略構成されている。
【0041】
そして、各ブレーキ機構33は、例えばブレーキペダル(図示せず)を足踏み操作し、油圧力によってピストン37を移動させることにより、ブレーキプレート36をブレーキディスク35に押付けることにより摩擦力で制動力を発生し、前ホイール5にブレーキをかけるものである。
【0042】
38はケーシング13内に貯留された潤滑油(図6、図7参照)で、この潤滑油38は、各ギヤ19B,23,24,26,28,29、30、各スプライン結合部、軸受20等を潤滑、冷却するものである。ここで、本体ケース15の各隔壁15B、ブレーキ機構33の各ブレーキディスク35のように潤滑油38の流れを妨げる部材には、流通用の開口(図示せず)が形成され、この開口により潤滑油38を対流させ、一部分の潤滑油38だけが温度上昇するのを防止している。
【0043】
39は蓋体16の呼吸弁取付ポート16Bにチューブ39Aを介して取付けられた呼吸弁である(図2、図7参照)。この呼吸弁39は、ケーシング13の内部と外部との間で空気を呼吸させることにより、該ケーシング13内の圧力が大きく変動するのを防止している。
【0044】
次に、ケーシング13内に貯留された潤滑油38を冷却するために、前側アクスル装置12に設けられた冷却構造について説明する。
【0045】
40はケーシング13の外面に沿って設けられた左,右の外部配管である(図2、図3参照)。この左,右の外部配管40は、ホイールローダ1の走行方向として最も多い前進走行したときに、外気(走行風)が多く当たるように、ケーシング13の前側位置に配設されている。各外部配管40は、内部を流通する潤滑油38の熱を外気中に放出し、潤滑油38を冷却するものであるから、熱伝導性の良好な金属配管により形成されている。各外部配管40は、左,右方向の中央側に位置する上流端がデフケース14の上側寄りに位置して後述の流入ポート41に取付けられ、左,右方向の外側に位置する下流端がアクスルチューブ18の小径筒部18Dに位置して後述の流出ポート42に取付けられている。
【0046】
41は本体ケース15の前面部の上側位置に取付けられた流入ポートを示している。この流入ポート41は、1個の入口と2個の出口を有するT字継手として形成されている。流入ポート41は、デファレンシャル機構21のベベルリングギヤ26の前側に配置され、入口側となる円筒状のねじ部41Aが本体ケース15に螺合されている。このときに、図6に示すように、ねじ部41Aの開口部41Bは、後述するガイド部材43の供給口48に対向して後向きに開口することにより、このガイド部材43の供給口48から供給される潤滑油38を効率よく流入させることができる。一方、2個の出口部分には、外部配管40の上流端がそれぞれ取付けられている。
【0047】
42は左,右のアクスルチューブ18の前面部にそれぞれ取付けられた流出ポートを示している。この左,右の流出ポート42は、ほぼ直角に折れ曲がったL字継手として形成されている。各流出ポート42は、流入ポート41よりも低い位置、即ち、アクスルチューブ18の小径筒部18Dの上,下方向中間部に取付けられている。
【0048】
これにより、流入ポート41に流入した潤滑油38は、自重によって外部配管40を下流側へと流れ、流出ポート42からアクスルチューブ18の小径筒部18D内に流出される。このときに、潤滑油38は、アクスルチューブ18内の潤滑油38と混ぜられることで、さらに冷却することができる。
【0049】
次に、上述した前側アクスル装置12の冷却構造による冷却性能を、デファレンシャル機構21の動作状況に応じて高めるための構成について、図4、図6ないし図10に従って説明する。
【0050】
43はケーシング13のデフケース14内に設けられたガイド部材を示している。このガイド部材43は、デファレンシャル機構21のベベルリングギヤ26の上側部分を囲むように蓋体16の下面16Aに取付けられている。ガイド部材43は、デファレンシャル機構21の動作状況、即ち、ベベルリングギヤ26の回転数が高い場合には、潤滑油38の冷却性能を高めるものである。具体的には、ガイド部材43は、デファレンシャル機構21のベベルリングギヤ26の回転力により、該ベベルリングギヤ26が掻き揚げる潤滑油38を、流入ポート41の開口部41Bに向けて案内し、供給するものである。
【0051】
ガイド部材43は、図8ないし図10に示すように、所定の形状に切出した板材を折り曲げたり、固着することにより形成されている。ガイド部材43は、前側に位置する台形状の連結部44と、該連結部44から左,右方向に離れた状態で後側に延びた左集油枠45、右集油枠46とによりV字状ないしU字状に形成されている。左,右の集油枠45,46間は、ベベルリングギヤ26を配置するための長方形状の切欠き溝47となり、該切欠き溝47の前側への延長線上には、連結部44の奥部(前部)に位置して供給口48が形成されている。
【0052】
ガイド部材43の連結部44は、ベベルリングギヤ26の歯車外周面26Aと流入ポート41との間に配置されるもので、先細りとなった前端部44Aを流入ポート41のねじ部41A先端に近接することができる(図6参照)。
【0053】
左集油枠45は、ベベルリングギヤ26の左側に配置されるもので、下面板45A、側面板45Bおよび上面板45Cにより断面コ字状に形成されている。短冊状の下面板45Aは、図7に示すように、デファレンシャル機構21のギヤケース22に設けられた取付フランジ22Bを避けるために、図8、図9のように、後側が高くなるように角度αをもって傾斜している。この下面板45Aの前下がりの傾斜は、該下面板45A上に集めた潤滑油38を効率よく前側の連結部44側に流すことができる。
【0054】
側面板45Bの前側位置には、台形状の連結部44に沿って右側に屈曲したガイド板45Dが設けられ、このガイド板45Dは、下面板45A上を流れる潤滑油38を供給口48に向けて案内するものである。上面板45Cには、例えば溶接ナットを用いた3個の雌ねじ穴45Eが形成されている。
【0055】
一方、右集油枠46は、ベベルリングギヤ26の右側に配置されるもので、下面板46A、側面板46Bおよび上面板46Cにより断面コ字状に形成されている。下面板46Aは、図7等に示すように、ベベルリングギヤ26が掻き上げた潤滑油38を広範囲に亘って集めるため、ほぼ水平で後側に広がるように三角形状に形成されている。側面板46Bは、三角形状の下面板46Aに沿って前側に向け左側に傾斜している。これにより、側面板46Bは、下面板46A上を流れる潤滑油38を供給口48に向けて案内することができる。上面板46Cには、例えば溶接ナットを用いた3個の雌ねじ穴46Dが形成されている。
【0056】
さらに、供給口48は、連結部44の前端部44Aを左集油枠45のガイド板45Dと右集油枠46の側面板46Bによって狭めることにより、流入ポート41の開口部41Bに対向する位置に形成されている。これにより、供給口48は、前記各集油枠45,46によって集められた潤滑油38を流入ポート41の開口部41Bに供給することができる。
【0057】
ガイド部材43は、各集油枠45,46の上面板45C,46Cを蓋体16の下面16Aに当接し、この状態で該蓋体16に挿通した各ボルト17を雌ねじ穴45E,46Dに螺着することにより、蓋体16の下面16Aの左側寄りに取付けることができる。ガイド部材43が取付けられた蓋体16を本体ケース15の開口部15Aに取付けることにより、ガイド部材43をデファレンシャルケース14内の所定位置に配設することができる。
【0058】
詳しくは、ガイド部材43は、切欠き溝47にデファレンシャル機構21のベベルリングギヤ26を配置することにより、該ベベルリングギヤ26の歯車外周面26Aと流入ポート41のねじ部41Aとの間に連結部44を配置することができる。また、左集油枠45の下面板45Aと右集油枠46の下面板46Aは、ベベルリングギヤ26の歯車外周面26Aを挟んで配置することができる。これにより、ベベルリングギヤ26が掻き揚げて各集油枠45,46によって集められた潤滑油38は、供給口48から流入ポート41の開口部41Bに供給することができる。
【0059】
しかも、前進走行するときには、デファレンシャル機構21のベベルリングギヤ26が図6中の矢示A方向に回転するから、このベベルリングギヤ26が掻き上げた潤滑油38は、前側に向けて飛ばすことができる。これにより、ベベルリングギヤ26の回転力を利用して供給口48、流入ポート41の開口部41Bに向けて潤滑油38を強制的に供給することができる。従って、ベベルリングギヤ26が高速回転している場合には、多くの潤滑油38を流入ポート41側に供給することができ、潤滑油38の冷却性能を高めることができる。
【0060】
ここで、ガイド部材43の右集油枠46は、ベベルリングギヤ26と蓋体16の呼吸弁取付ポート16Bとの間を遮るように配置しているから、ベベルリングギヤ26の回転によって掻き上げられた潤滑油38が呼吸弁取付ポート16Bに付着するのを阻止でき、呼吸弁39からの潤滑油38の漏洩を防止することができる。
【0061】
本実施の形態によるホイールローダ1は上述の如き構成を有するもので、次に、その動作について説明する。
【0062】
キャブ10に搭乗したオペレータは、周囲のレバー、ペダル類(いずれも図示せず)を操作して走行用のトランスミッション9を作動し、このトランスミッション9の出力軸の回転力をプロペラシャフト9B、入力軸19、デファレンシャル機構21、左,右の遊星歯車減速機構27を介してそれぞれのアクスルシャフト32に伝達する。これにより、各アクスルシャフト32に接続された左,右の前ホイール5を回転駆動することができる。同様に、トランスミッション9の出力軸の回転を、プロペラシャフト9Aから後側アクスル装置11に伝えることにより、左,右の後ホイール4を回転駆動することができる。
【0063】
このように、前,後のホイール5,4を回転駆動することにより、作業現場に向けてホイールローダ1を走行させることができる。この走行時に左,右いずれかの方向に曲がった場合には、デファレンシャル機構21の各ピニオンギヤ23が自転しつつ各サイドギヤ24に回転力を伝達する。これにより、例えば左方向に曲がるときには、内輪側となる左側のホイール5,4の回転数を、外輪側となる右側のホイール5,4の回転数よりも低下させることができ、内,外のホイール5,4間の回転数差によってスムーズに曲がることができる。
【0064】
また、走行時には、ブレーキペダル(図示せず)を操作することにより、ブレーキ機構33によってアクスルシャフト32に制動力を発生し、減速または停車することができる。一方、走行しつつ作業装置6を操作することにより、土砂の積み込み作業等を行うことができる。
【0065】
ここで、トランスミッション9の出力軸の回転力を各ホイール4,5に伝えるアクスル装置11,12は、ブレーキ機構33の摩擦熱等によって温度上昇を生じる。そこで、例えば前側アクスル装置12を例に挙げ、潤滑油38の冷却方法について説明する。
【0066】
デフケース14内で温度上昇した潤滑油38は、回転するベベルリングギヤ26によって掻き揚げられ、ガイド部材43によって流入ポート41に向けて案内される。このときに、ベベルリングギヤ26の回転力を利用することで、潤滑油38を前側、即ち、流入ポート41に向けて強制的に供給することができる。これにより、各外部配管40では多くの潤滑油38を流通させることができ、潤滑油38の熱を空気中に放出して潤滑油38を効果的に冷却することができる。
【0067】
各外部配管40を通ってアクスルチューブ18の小径筒部18D内に流出した潤滑油38は、アクスルチューブ18内を高低差によってデフケース14側に流れて戻される。このときには、冷却された潤滑油38によってデファレンシャル機構21、遊星歯車減速機構27、ブレーキ機構33等を冷却することができる。
【0068】
かくして、本実施の形態によれば、ケーシング13のデフケース14内にガイド部材43を設けることにより、デファレンシャル機構21のベベルリングギヤ26が回転駆動するときの回転力を利用し、該ベベルリングギヤ26が掻き揚げる潤滑油38を冷却用の外部配管40に繋がる流入ポート41に向けて案内し、供給する構成としている。
【0069】
従って、デファレンシャル機構21のベベルリングギヤ26が掻き揚げた潤滑油38は、ガイド部材43によって外部配管40に向けて供給することができる。また、ガイド部材43では、ベベルリングギヤ26の回転力を利用することにより潤滑油38を流入ポート41に積極的に供給することができる。しかも、デファレンシャル機構21のベベルリングギヤ26等が高速で回転する高負荷状態では、このベベルリングギヤ26の回転数に応じて外部配管40への潤滑油38の供給量を増大させることができる。
【0070】
この結果、高負荷運転によってデフケース14内の潤滑油38の温度が上昇した場合には、外部配管40への潤滑油38の供給量を増大させることができ、稼動状況に応じて潤滑油38を効果的に冷却することができる。これにより、潤滑油38、シール部材、パッキン等の寿命を延ばすことができ、前側アクスル装置12の耐久性、信頼性等を向上することができる。また、アクスルチューブ18内をデフケース14に向けて流れる潤滑油38の流量も増大するから、例えば高負荷運転によって負担が大きくなるブレーキ機構33等も冷えた潤滑油38によって確実に冷却することができる。
【0071】
また、ガイド部材43は、デフケース14の蓋体16の下面16Aに設けているから、本体ケース15に対して蓋体16を取付け、取外しするときに、一緒にガイド部材43を取付け、取外しすることができる。この構成では、既存の蓋体16の下面16Aにガイド部材43を取付けるだけで、デフケース14に対して所定の位置にガイド部材43を容易に設けることができる。
【0072】
一方、ガイド部材43には、ベベルリングギヤ26の歯車外周面26Aを挟むV字状ないしU字状の集油枠45,46を設けているから、該各集油枠45,46によってベベルリングギヤ26が掻き上げて飛散した潤滑油38を効率よく集めることができ、多くの潤滑油38を連結部44側に供給することができる。このときに、連結部44には、ベベルリングギヤ26の回転力(遠心力)を利用し、掻き上げた潤滑油38を供給口48に向け積極的に流通させることができるから、該供給口48から外部配管40へと続く流入ポート41に多くの潤滑油38を流し込むことができる。
【0073】
さらに、ガイド部材43の右集油枠46は、呼吸弁39が取付けられる蓋体16の呼吸弁取付ポート16Bとデファレンシャル機構21のベベルリングギヤ26との間を遮る位置に配置しているから、ベベルリングギヤ26の回転によって掻き上げられた潤滑油38が呼吸弁取付ポート16Bに付着するのを阻止でき、呼吸弁39からの潤滑油38の漏洩を防止することができる。
【0074】
なお、実施の形態では、ガイド部材43の左集油枠45の下面板45Aを前下がりに傾斜して設け、右集油枠46の下面板46Aをほぼ水平に設けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図11に示す変形例のように構成してもよい。即ち、ガイド部材43′は、左集油枠45の下面板45Aとほぼ同様に、右集油枠46′の下面板46A′を角度αで前下がりに傾斜して設ける構成としている。この場合、右集油枠46′の下面板46A′は、集めた潤滑油38を傾斜を利用して供給口48側に流すことができ、外部配管40への潤滑油38の供給量を増大することができる。
【0075】
また、実施の形態では、駆動源をエンジン7、動力伝達機構をトルクコンバータ8、トランスミッション9により構成し、このトランスミッション9を各アクスル装置11,12に連結する構成とした場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えばトルクコンバータ8、トランスミッション9を廃止し、エンジン7の出力軸に油圧ポンプを設け、この油圧ポンプと油圧モータで油圧閉回路を構成し、油圧モータの出力軸を無段の動力伝達機構を介して各アクスル装置11,12に接続する構成としてもよい。
【0076】
一方、実施の形態では、前側アクスル装置12のケーシング13の外面に外部配管40等を設け、ケーシング13内にガイド部材43を設けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、後側アクスル装置11のケーシングに外部配管やガイド部材を設ける構成としてもよい。
【0077】
さらに、実施の形態では、ホイール式建設機械としてトランスミッション9と前,後のホイール5,4との間にアクスル装置12,11を備えたホイールローダ1を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば前,後にホイールを有する油圧ショベル、鉱山用大型ダンプトラック、トラクタ等の他のホイール式建設機械にも広く適用できるものである。また、油圧モータと後ホイールとの間にアクスル装置を備えたロードローラ等に適用してもよい。
【符号の説明】
【0078】
1 ホイールローダ(ホイール式建設機械)
2 後部車体
3 前部車体
4 後ホイール
5 前ホイール
7 エンジン(駆動源)
8 トルクコンバータ
9 トランスミッション
11 後側アクスル装置
12 前側アクスル装置
13 ケーシング
14 デファレンシャルケース
15 本体ケース
15A 開口部
16 蓋体
16A 下面
16B 呼吸弁取付ポート
18 アクスルチューブ
21 デファレンシャル機構
26 ベベルリングギヤ
32 アクスルシャフト
38 潤滑油
39 呼吸弁
40 外部配管
41 流入ポート
41A ねじ部
41B 開口部
42 流出ポート
43,43′ ガイド部材
44 連結部
45 左集油枠
46,46′ 右集油枠
47 切欠き部
48 供給口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源を備えた車体と、該車体の下側に設けられ前記駆動源に接続されることにより左,右のホイールを回転駆動するアクスル装置とからなり、
前記アクスル装置は、左,右方向の中間部に配置されたデファレンシャルケースと該デファレンシャルケースから左,右方向の外側に向けて延びた左,右のアクスルチューブとにより形成され内部に潤滑油が貯えられるケーシングと、該ケーシングのデファレンシャルケース内に設けられ前記駆動源に連結されたリングギヤを介して前記駆動源の回転力を前記左,右のホイールに分配するデファレンシャル機構と、前記ケーシングの各アクスルチューブ内を延びて先端側に取付けられた前記ホイールに前記デファレンシャル機構による回転を伝えるアクスルシャフトと、前記ケーシングの外面に沿って設けられた外部配管と、前記デファレンシャルケースに開口して設けられ前記デファレンシャルケース内の潤滑油を前記外部配管に流入させる流入ポートと、該流入ポートよりも低い位置で前記アクスルチューブに開口して設けられ前記外部配管から前記アクスルチューブ内に潤滑油を流出させる流出ポートとを備えてなるホイール式建設機械において、
前記ケーシングのデファレンシャルケース内には、前記デファレンシャル機構のリングギヤの回転力により該リングギヤが掻き揚げる潤滑油を前記流入ポートに向けて案内し、供給するガイド部材を設ける構成としたことを特徴とするホイール式建設機械。
【請求項2】
前記ケーシングのデファレンシャルケースは、上側に開口部を有する本体ケースと、該本体ケースの開口部を閉塞する蓋体とにより構成し、前記ガイド部材は、前記蓋体の下面に設ける構成としてなる請求項1に記載のホイール式建設機械。
【請求項3】
前記ガイド部材は、前記デファレンシャル機構のリングギヤの歯車外周面と前記流入ポートとの間に位置する連結部と、該連結部から前記リングギヤの歯車外周面を挟んで配置された一対の集油枠とによりV字状ないしU字状に形成し、前記連結部には、前記流入ポートに対向する位置に前記各集油枠によって集められた潤滑油を供給する供給口を設ける構成としてなる請求項1または2に記載のホイール式建設機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−202535(P2012−202535A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−70315(P2011−70315)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】