説明

ポリ(5,5’−ビス(チオフェン−2−イル)−ベンゾ[2,1−b;3,4−b’]ジチオフェン)、及び半導体ポリマーを加工可能な高機能溶液としてのその使用方法

繰り返し単位として、式(I)
【化1】


(但し、
Rが、a)C1-20アルキル基、b)C2-20アルケニル基、c)C2-20アルキニル基、d)C1-20アルコキシ基、e)−Y−C3-10シクロアルキル基、f)−Y−C6-14アリール基、g)−Y−3−12員のシクロヘテロアルキル基、又はh)−Y−5−14員のヘテロアリール基から独立して選ばれ、
ここで、C1-20アルキル基、C2-20アルケニル基、C2-20アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C6-14アリール基、3−12員のシクロヘテロアルキル基、及び5−14員のヘテロアリール基は、任意に1−4個のR1基で置換されていても良く、
1が、a)S(O)m−C1-20アルキル基、b)S(O)m−OC1-20アルキル基、c)S(O)m−OC6-14アリール基、d)C(O)−OC1-20アルキル基、e)C(O)−OC6-14アリール基、f)C1-20アルキル基、g)C2-20アルケニル基、h)C2-20アルキニル基、i)C1-20アルコキシ基、j)C3-10シクロアルキル基、k)C6-14アリール基、l)3−12員のシクロヘテロアルキル基、又はm)5−14員のヘテロアリール基から独立して選ばれ、
Yが、二価のC1-6アルキル基、又は共有結合から選ばれ;及び
mが、0、1又は2から独立して選ばれる、)
の基を含み、及び数平均分子量Mnが、5000〜200000g/molの範囲であることを特徴とするポリ(5,5’−ビス(チオフェン−2−イル)−ベンゾ[2,1−b;3,4−b’]ジチオフェン)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリ(5,5’−ビス(チオフェン−2−イル)−ベンゾ[2,1−b;3,4−b’]ジチオフェン)、及び半導体ポリマーを加工可能な高機能溶液としてのその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
20世紀後半の(マイクロ)エレクトロニクスの発展の大きな基礎的事項は、無機電極、絶縁材、及び半導体に基づく電界効果トランジスター(FET)である。これらの材料は、信頼があり、非常に効果的で、そしてその性能は、公知のムーアの法則に従い、周期的に増している。シリコン技術に匹敵するというよりは、分子及びポリマー性材料に基づく有機FET(OFET)には、低−機能記憶素子、及び光電子工学の装置、例えばアクティブマトリックス有機発光ダイオードデキスプレーのピクセル装置、及びスイッチング装置、RFIDタグ、スマート−IDタグ、及びセンサーに大規模な用途が見出される。
【0003】
幾つかの伝導性、又は半導性の有機ポリマーの発達の結果、活性層、従って、半導体としての、薄いフィルム状のトランジスター(OTFTs)への用途が、益々注目を集めるようになっている。
【0004】
OTFTs中の有機半導体の使用は、今日使用される無機半導体に対して、有利な点を幾つか有している。これらは、如何なる形態(ファイバーからフィルム)にも加工可能であり、低コストで製造可能であり、そして質量が軽い。しかしながら、重要な有利性は、大気圧で、ポリマー基材上に、溶液から層を沈殿させることによって(例えば、印刷技術によって)、半導体要素の全体を製造することがで、FETsが安価に製造できることである。
【0005】
電子デバイスの性能は、実質的に、半導体材料中の電荷担体の可動度(モビリティ)、及びオン状態とオフ状態の間の割合(オン/オフ割合)に依存している。従って、理想的な半導体は、スイッチ−オフした状態で、最小限の伝導度を有し、そしてスイッチ−オンした状態で、最大の電荷担体の可動度を有している(10-3cm2-1-1を超える可動度、102を超えるオン/オフ割合)。更に、半導体材料は、酸化に対して比較的安定である必要があり、すなわち、十分に高いイオン化ポテンシャルを有している必要がある。この理由は、その酸化による劣化は、要素の性能を低下させるからである。
【0006】
特許文献1(EP1510535A1)には、可動度が3・3-10又は1.7・10-2cm2-1-1で、オン/オフ割合が約106である、ポリチエノ(2,3−b)チオフェンが記載されている。WO2006/094645A1には、1個以上のセレノフェン−2,5−ジイル、及び1個以上のチオフェン−2,5−ジイル基を有するポリマーが記載されており、一方、WO2006/131185には、ポリチエノ(3,4−d)チアゾールが開示されており、そして特許文献2(US2005/0082525A1)には、ベンゾ(1,2−b,4,5−b’)ジチオフェンが開示されている。
【0007】
特許文献3(WO2007/105386)には、以下の繰り返し単位:
【0008】
【化1】

を有し、及び質量平均分子量(モル質量)が、105g/mol以下の置換されたベンゾ[2,1−b;3,4−b1]ジチオフェンのホモ−及びコポリマーが開示されている。両方とも、電荷担体が、10-5〜10-3cm2Vsの範囲の電荷担体可動性を示すことを報告している。
【0009】
更に、ビスチオフェン、
【0010】
【化2】

を有する(質量平均分子量が僅か4100g/molの)コポリマーが報告されている。この材料は、電界トランジスタ中で、その性能が非常に低い(可動度:1.6×10-5;オン/オフ割合:100)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】EP1510535A1
【特許文献2】US2005/0082525A1
【特許文献3】WO2007/105386
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、有機半導体材料として使用するための(合成が容易で、可動度が高く、酸化安定性が良好であり、そして加工処理が容易な)新しい化合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的は、繰り返し単位として、式(I)
【0014】
【化3】

【0015】
(但し、
Rが、a)C1-20アルキル基、b)C2-20アルケニル基、c)C2-20アルキニル基、d)C1-20アルコキシ基、e)−Y−C3-10シクロアルキル基、f)−Y−C6-14アリール基、g)−Y−3−12員のシクロヘテロアルキル基、又はh)−Y−5−14員のヘテロアリール基から独立して選ばれ、
ここで、C1-20アルキル基、C2-20アルケニル基、C2-20アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C6-14アリール基、3−12員のシクロヘテロアルキル基、及び5−14員のヘテロアリール基は、任意に1−4個のR1基で置換されていても良く、
1が、a)S(O)m−C1-20アルキル基、b)S(O)m−OC1-20アルキル基、c)S(O)m−OC6-14アリール基、d)C(O)−OC1-20アルキル基、e)C(O)−OC6-14アリール基、f)C1-20アルキル基、g)C2-20アルケニル基、h)C2-20アルキニル基、i)C1-20アルコキシ基、j)C3-10シクロアルキル基、k)C6-14アリール基、l)3−12員のシクロヘテロアルキル基、又はm)5−14員のヘテロアリール基から独立して選ばれ、
Yが、二価のC1-6アルキル基、又は共有結合から選ばれ;及び
mが、0、1又は2から独立して選ばれる、)
の基を含み、及び数平均分子量Mnが、5000〜200000g/molの範囲であることを特徴とするポリ(5,5’−ビス(チオフェン−2−イル)−ベンゾ[2,1−b;3,4−b’]ジチオフェン)によって達成される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】OFET構造の4つの一般的なタイプを示した図である。
【図2】真空中で測定した、デバイスの移動(transfer)及び出力(out put)プロットを例示した図である。
【図3】環境条件で測定した、移動(右側、Vsd=−10V、−60V)及び出力(左側、Vsg=0、−10、−20、−30、−40、−50、−60V)プロットを例示した図である。
【図4】ITO/PEDOT−PSS/D:A/Ag光電池デバイス(光起電装置)の、AM1.5をシミュレートした図である。図4aは、mA/cm2の電流密度を、Vで示した電圧に対してプロットした図、図4bは、%で示した外部量子効率(EQE)を、nmで示した波長に対してプロットした図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
好ましいポリ(5,5’−ビス(チオフェン−2−イル)−ベンゾ[2,1−b;3,4−b’]ジチオフェン)は、式(I)の繰り返し単位を有し、
Rが、上述したa)C1-20アルキル基、d)C1-20アルコキシ基、f)−Y−C6-14アリール基から独立して選ばれ、
ここで、C1-20アルキル基、及びC6-14アリール基は、任意に1−4個のR1基で置換されていても良く、及び
1が、d)−C(O)−OC1-20アルキル基、e)−C(O)−OC6-14アリール基、f)C1-20アルキル基、i)C1-20アルコキシ基、k)C6-14アリール基から独立して選ばれる、
ものである。
【0018】
より好ましい繰り返し単位は、式(I)、
(但し、
Rが、上述したa)C1-20アルキル基、d)C1-20アルコキシ基から独立して選ばれ、
ここで、C1-20アルキル基、又はC1-20アルコキシ基は、任意に1−4個のR1基で置換されていても良く、及び
1が、f)C1-20アルキル基、i)C1-20アルコキシ基から独立して選ばれる、)
のものである。
【0019】
特に好ましい繰り返し単位は、式(I)、
(但し、
Rが、上述したa)C1-20アルキル基から独立して選ばれ、
ここで、C1-20アルキル基は、任意に1−4個のR1基で置換されていても良く、及び
1が、f)C1-20アルキル基から独立して選ばれる、)
のものである。
【0020】
特に好ましい置換基Rは、任意に1−4個のR1基(但し、R1がH又はC1−C6アルキル基である)で置換されたC6-20アルキル基である。
【0021】
本発明のポリ(5,5’−ビス(チオフェン−2−イル)−ベンゾ[2,1−b;3,4−b’]ジチオフェン)の有利な点は、電界効果タンジスタにおける電荷担体の可動度が相当に(大きく)増加することである。
【0022】
数平均分子量(モル質量)Mnは、10.000〜100.000g・molの範囲が好ましい。
【0023】
「アルケニル」は、1個以上の炭素−炭素二重結合を有する直鎖状の又は枝分かれしたアルキル基を意味する。例は、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ブタジエニル、ペンタジエニル及びヘキサジエニル基である。1個以上の炭素−炭素二重結合は、内部の(例えば2−ブテン中)、又は末端の(例えば、1−ブテン中)のものが可能である。種々の実施の形態の中で、アルケニル基は、2〜20個の炭素原子を有することができる。ある実施の形態では、アルケニル基は、ここに開示されているように置換されることが可能である。アルケニル基は、通常、他のアルケニル基、アルキル基、又はアルキニル基で置換されない。
【0024】
「アルキニル」は、1つ以上の三重炭素−炭素結合を有する、直鎖の、又は枝分れした基を意味する。例は、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニルを含む。1つ以上の三重炭素−炭素結合は、内部のもの(例えば、2−ブチン中)、又は末端のもの(例えば、1−ブチン)が可能である。種々の実施の形態では、アルキニル基は、2〜20個の炭素原子を有することができる。ある実施の形態では、アルキニル基は、ここに開示されているように置換されることができる。アルキニル基は、通常、他のアルキニル基、アルキル基、又はアルケニル基では置換されない。
【0025】
「シクロアルキル」は、環化したアルキル、アルケニル、及びアルキニル基を含む非−芳香族炭素環式の基を意味する。好ましいシクロアルキル基は、3〜10個の炭素原子を有することができる。シクロアルキル基は、単環式(例えばシクロヘキシル)、又は多環式(例えば、縮合した、架橋した、及び/又はスピロ環系)であることができ、炭素原子は、環系の内側又は外側に位置していて良い。シクロアルキル基の任意の適切な環位置は、定義された化学的構造に共有結合することができる。シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプタトリエニル、ノルボルニル、ノルピニル、ノルカリル、アダマンチル、及びスピロ[4.5]デカニル基、及びそのホモログ(同族体)、異性体、及びこれらに類似するものである。シクロアルキル基は、ここに開示されているように置換されることができる。
【0026】
「ヘテロ原子」は、炭素又は水素以外の任意の元素の原子を意味し、そして例えば、窒素、酸素、シリコン、硫黄、リン及びセレニウムを含む。
【0027】
「シクロヘテロアルキル」は、O、S、Se、N、P及びSiから選ばれる(例えばO、S及びN)少なくとも1個のリングヘテロ原子を含み、そして任意に、1つ以上の二重又は三重結合を含む非−芳香族シクロアルキル基を意味する。シクロヘテロアルキル基は、3〜12個のリング原子を有することができる。シクロヘテロアルキル環内の1個以上のN、P、S又はSe原子(例えば、N又はS)は、酸化されても良い(例えば、モルホリン N−オキシド、チオモルホリン S−オキシド、チオモルホリン S,S−ジオキシド)。シクロヘテロアルキル基の窒素、又はリン原子は、置換基、特に、アルキル基を有することができる。シクロヘテロアルキル基は、1個以上のオキソ基、例えば、オキソピペリジル、イキソオキサゾリジル、ジオキソ−(1H,3H)−ピリミジル、オキソ−2(1H)−ピリジル、及びこれらに類似するものを含むこともできる。好ましいシクロヘレロアルキルは、特に、モルホリニル、チオモルホリニル、ピラニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、オキサゾリジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピロリジニル、ピロリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ピペリジニル、ピペラジニルを含む。シクロヘテロアルキル基は、置換されていても、置換されていなくても良い。
【0028】
「アリール」は、芳香族単環式の炭化水素環系、又は2個以上の芳香族炭化水素環が一緒に縮合(すなわち、共通する結合を有する)しているか、又は少なくとも1個の芳香族炭化水素環が1個以上のシクロアルキル及び/又はシクロヘテロアルキル環と縮合している、多環式環系を意味する。アリール基は、その環系(該環系は、複数の縮合した環を含むことができる)の中に、6個〜14個の炭素原子を有することができる。炭素環式の環のみを1個以上有する好ましいアリール基は、フェニル、1−ナフチル(二環式)、2−ナフチル(二環式)、アントラセニル(三環式)、フェナンスレニル(三環式)を含む。少なくとも1個の芳香族炭素環式の環が、1個以上のシクロアルキル及び/又はシクロヘテロアルキル環と縮合(fuse)している、好ましい多環式の環は、特に、シクロペンタン(すなわち、5,6−二環式シクロアルキル/芳香族環系)、シクロヘキサン(すなわち、6,6−二環式シクロアルキル/芳香族環系)、イミダゾリン(すなわち、5,6−二環式シクロヘテロアルキル/芳香族環系である、ベンズイミダゾリニル基)、及びピラン(すなわち、6,6−二環式シクロヘテロアルキル/芳香族環系である、クロメニル基)のベンゾ誘導体を含む。更なる好ましいアリール基は、ベンゾジオキサニル、ベンゾジオキソイル、クロマニル、インドリニル基、及びこれらに類似するものである。ある実施の形態では、アリール基は、ここに開示されているように置換することができる。ある実施の形態では、アリール基は、1つ以上のハロゲン置換基を有することができ、そして「ハロアリール」基と称することができる。ペルハロアリール基、すなわち、全ての水素原子がハロゲン原子で置換されたアリール基(例えば、−C65)は、「ハロアリール」の定義内に含まれる。所定の実施の形態では、アリール基は、他のアリール基と置換され、そしてビアリール基と称することができる。ビアリール基内のアリール基のそれぞれは、置換されることも、置換されないことも可能である。
【0029】
「ヘテロアリール」は、少なくとも1つの環ヘテロ原子を含む単環式、又は多環式の環系を意味する。ヘテロ原子は、好ましくは、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)、シリコン(Si)、及びセレニウム(Se)から選ばれるが、多環式環は、これらに限定されるものではない。多環式ヘテロアリール基は、相互に縮合(融合)した2個以上のヘテロアリール環、及び1個以上の芳香族炭素環式環、非−芳香族炭素環式環、及び/又は非−芳香族シクロヘテロアルキル環と縮合した、単環式ヘテロアリール環を含む。ヘテロアリール基は、5〜14個の環原子を有し、そして1〜5個の環ヘテロ原子を含むことができる。ヘテロアリール基の特定の例は、例えば、以下に示す、5−又は6−員の単環式、及び5−6二環式系を含む:
【0030】
【化4】

【0031】
(但し、Tが、O、S、NH、N−アルキル、N−アリール、N−(アリールアルキル)(例えば、N−ベンジル)、SiH2、SiH−(アルキル)、Si(アルキル)2、SiH−(アリールアルキル)、SiH−(アリールアルキル)2、又はSi(アルキル)(アリールアルキル)である。)。このようなヘテロアリール環を含む例は、ピロリル、フリル、チエニル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアゾリル、テトラゾイル、ピラゾイル、イミダゾイル、イソチアゾイル、チアゾイル、チアジアゾイル、イソキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、キノリル、2−メチルキノイル、イソキノリル、キノキサリル、キナゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾイル、ベンズイソチアゾイル、ベンズイソキサゾリル、ベンズオキサジアゾリル、ベンズオキサゾリル、シノリニル、1H−インダゾリル、2H−インダゾリル、インドリジニル、イソベンゾフリル、ナフチリジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、オキサゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、イミダゾピリジニル、フロピリジニル、チエノピリジニル、ピリドピリミジニル、ピリドピラジニル、ピリドピリダジニル、チエノチアゾリル、チエノキサゾリル、チエノイミダゾリル基、及びこれらに類似するものを含む。ヘテロアリール基の更なる例は、4,5,6,7−テトラヒドロインドリル、テトラヒドロキノリニル、ベンゾチエノピリジニル、ベンゾフロピリジニル基、及びこれらに類似するものを含む。ある実施の形態では、ヘテロアリール基は、ここに開示したように置換することができる。
【0032】
Rは、特に好ましくは、直鎖状又は枝分れした、C6−C20アルキル、例えばn−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ヘプタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル、n−ノナデシル、n−イソシル、1−メチルペンチル、1−メチルヘキシル、2−メチルペンチル、2−エチルヘキシル、及び2,7−ジメチルオクチルである。特に好ましいものは、2,6−ジメチルオキシ、1−エチルヘキシル、1−メチルヘキシル、2−エチルペンチル、2−メチルヘキシル、n−デシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、及び2−エチルヘキシルで、n−ドデシルが最も好ましい。
【0033】
「可動度」又は「モビリティ」は、電界等の外部の刺激によって誘導された荷電担体、例えばp−タイプ半導体材料の場合ホール(又は正電荷の単位)、及びn−タイプ半導体材料の場合には、電子が、電解の影響下に材料内を移動する速度の測定(値)を意味する。
【0034】
本発明は、更に、本発明に従うコポリマーを、特に、光学、電子光学、又は電子部品中の半導体又は電荷輸送材料として、特に、平坦なビジュアルディスプレーユニット中の、薄いフィルム状のトランジスターとして、又はラジオ周波数識別タグ(RFIDタグ)のために、又は有機発光ダイオード(OLEDs)のための半導体成分(例えばエレクトロルミネッセントディスプレー又は液晶ディスプレー用のバックライティング)、光電池成分用に、又はセンサーに、電池中の電極材料、光導波路として、電子写真用途、例えば電子写真レコードのために使用する方法を提供する。
【0035】
本発明は、更に、本発明に従うポリマーを含む、光学、電気光学、又は電子部品を提供する。このような成分は、例えばFETs、集積回路(ICs)、TFTs、OLEDs又は配向層であっても良い。
【0036】
本発明に従うポリマーは、半導体として特に適切である。この理由は、これらが、この目的のために必要とされる可動度を有しているからである。
【0037】
ポリマーは、従来技術から公知なように、幾つかの基によってエンドキャップ(末端キャップ)されていても良い。好ましいエンドキャップは、H、置換された又は無置換のフェニル、又は置換された又は無置換のチオフェンであるが、これらに限られるものではない。
【0038】
本発明に従うポリ(5,5’−ビス(チオフェン−2−イル)−ベンゾ[2,1−b;3,4−b’]ジチオフェン)は、既に知られている方法で製造することができる。好ましい合成手段については後述する。
【0039】
【化5】

【0040】
この場合、Rは、C6−C20アルキルである。
【0041】
【化6】

【0042】
[2,2’]ビチオフェニル−3,3’−ジカルバルデヒドの、チオフェン−3−カルバルデヒドから製造が、M.C.Gallazzi,F.Toscano,D.Paganuzzi,C.Bertarelli,A.Farina,G.Zotti,Macrol.Chem.Phys.2001,202,2074に記載されている。
【0043】
【化7】

【0044】
ベンゾ[2,1−b;3,4−b’]ジチオフェンの、[2,2’]ビチオフェニル−3,3’−ジカルバルヒドからの製造が、S.Toshida,M.Fujii,Y.Aso,T.Otsubo,F.Ogura,J.Org.Chem.1994,59,3077に記載されている。
【0045】
【化8】

【0046】
5,5’−ビス(トリメチルスタンニル)ベンゾ−2,2’−ジチオフェンは、t−ブチルリチウムを、無水THF中のベンゾ[2,1−b;3,4−b’]ジチオフェンに加えること(これにより、沈澱物が形成される)によって製造することができる。懸濁物には、トリメチルチンクロリドを固体として加えることができる。
【0047】
【化9】

【0048】
3−アルキルチオフェンの、3−ブロモチオフェンからの製造が、C.Van Pham,H.B.Mark,H.Zimmer,Synth.Comm.1986,16,689に記載されている。
【0049】
【化10】

【0050】
4,4’−ジアルキル−5,5’−ジブロモ−2,2’−ジチオフェンの、3−アルキルチオフェンからの、4,4’−ジアルキルジチオフェンを介した製造が、J.H.Wan,J.C.Feng,G.A.Wen,W.Wei,Q.L.Fan,C.M.Wang,H.Y.Wang,R.Zhu,X.D.Yuan,C.H.Huang,W.Huang,J.Org.Chem.2006,71,7124に記載されている。
【0051】
【化11】

【0052】
ポリ(5,5’−ビス(3−ドデシルチオフェン−2−イル)−ベンゾ[2,1−b;3,4−b’]ジチオフェン)が、5,5’−ビス(トリメチルスタンニル)ベンゾ−[2,1−b;3,4−b’]ジチオフェン、及び4,4’−ジアルキル−5,5’−ジブロモ−2,2’−ジチオフェンから、トリ−o−トリルホスフィン及びPd2(dba)3(dba=dibenzylidene acetone)の存在下に製造される。
【0053】
コポリマーは、クロスカップリング反応、例えばStille又はSuzuki反応(該反応では、アリールジハライドが、塩基と少量の金属触媒の存在下に、有機スズ化合物又はボロン酸ジエステル/ボロン酸と反応する)を介して合成することができる。代表例では、反応は、溶媒又は溶媒の混合物中で、20℃〜150℃の温度で行われる。
【0054】
高分子量(高モル質量)のポリマーの合成にとって必要なことは、高純度、及び従って、使用するモノマーの適切な精製法である。モノマー(すなわち、5,5’−ジハロ−2,2’−ジチオフェン、及び5,5’−ビス(トリアルキル)ベンゾチオフェン)の純度は、通常、>99%である。5,5’−ビス(トリメチルスタンニル)ベンゾ−2,2’−ジチオフェン)の高い純度は、アセトニトリルから低温で、再結晶化を繰り返すことによって得ることができる。この精製は、無色の針状晶の状態のモノマーを生成する。
【0055】
4,4’−アルキル−5,5’−ジブロモ−2,2’−ジチオフェンモノマーは、カラムクロマトグラフィー(n−ヘキセン,シリカ)による精製と、次のエチルアセテートからの再結晶化の繰り返しにとよって、非常に高い純度で得ることができる。
【0056】
99%を相当に下回るモノマーを使用すると、ポリマーの分子量(モル質量)が相当に低くなる。
【0057】
第2に重要な要因は、モノマー割合(比率)の調節である。等モルの混合物は、上述した分子量をもたらす。
【0058】
1:1モノマー混合物の濃度を調節することによって、分子量は、再現可能な方法で得ることができる。15〜20kg/molの高い平均分子量を得るために、モノマーの最適な合計濃度は、10〜20質量%の範囲である。
【0059】
本発明は、本発明に従うポリマーの酸化状態と還元状態の両方を含む。電子が不足しても、過剰であっても、高い伝導性を有する非局在化イオンの形成がもたらされる。これは、通常のドーパントをドープすることによって行うことができる。ドーパント(dopant)及びドーピング(添加)工程は、通常の知識であり、そして例えば、EP−A0528662、US5198153、又はWO96/21659から公知である。適切なドーピング工程は、例えば、ドーピングガスを使用したドーピング、ドーパントを含む溶液中での、熱拡散による、及びドーパントの半導体材料中へのイオン転移による電気化学的なドーピングを含む。
【0060】
電荷担体として電子を使用する場合、ハロゲン(例えば、I2、Cl2、Br2、ICI、ICI3、IBr及びIF)、ルイス酸(例えば、PF5、AsF5、SbF5、BF3、BCl3、SbCl5、BBr3及びSO3)、無機酸(例えば、HF、HCl、HNO3、H2SO4、HClO4、FSO3H及びClSO3H)、有機酸、又はアミノ酸、遷移金属化合物(例えば、FeCl3、FeOCl、Fe(ClO43、Fe(4−CH364SO33、TiCl4、ZrCl4、HfCl4、NbF5、NbCl5、TaCl5、MoF5、MoCl5、WF5、WCl6、UF6、及びLnCl3(但し、Lnはランタノイド)、アニオン(例えば、Cl-、Br-、I-、I3-、HSO4-、SO42-、NO3-、ClO4-、BF4-、PF6-、AsF6-、SbF6-、FeCl4-、Fe(CN)63-、及びアリール−SO3-等の異なるスルホン酸のアニオン)を使用することが好ましい。荷電担体としてホールを使用する場合、ドーパントとしては、例えば、カチオン(例えば、H+、Li+、Na+、K+、Rb+、及びCs+)、アルキル金属(例えば、Li、Na、K、Rb及びCs)、アルカリ土類金属(例えば、Ca、Sr、及びBa)、O2、XeOF4、(NO2+)(SbF6-)、(NO2+)(SbCl6-)、(NO2+)(BF4-)、AgClO4、H2IrCl6、La(NO33、FSO2OOSO2F、Eu、アセチルクロライン、R4+、R46+、R6As+、及びR3+、(但し、Rはアルキル基である)である。
【0061】
本発明に従うコポリマーの導電形態は、有機導電体、例えば電荷注入層、及び有機発光ダイオード内のITO平坦化層、フラットスクリーン、及びタッチスクリーン、帯電防止フィルム、印刷サーキット、及びキャパシタとして使用することができるが、これらに限られるものではない。
【0062】
本発明に従うコポリマーは、光学、エレクトロニック、及び半導体材料に使用することができ、特に、電界効果トランジスタ(FETs)中の電荷輸送材料として、例えば、集積回路(ICs)の成分として、IDタグ又はTFTsとして使用することができる。この替わりに、これらは、エレクトロルミネセントディスプレー中の有機発光ダイオード(OLEDs)に、又はバックライティングとして、例えば液晶ディスプレー(LCDs)として、光起電の用途に、又はセンサーに、電子写真記録、及び他の半導体用途に使用することができる。
【0063】
本発明に従うコポリマーは、溶解度が良好であるので、これらを溶液として基材(substrate)に施すことができる。従って層は、費用のかからない方法、例えばスピン−被覆で施すことができる。
【0064】
適切な溶媒、又は溶媒混合物は、例えば、アルカン、芳香族化合物、特にそのフッ素化誘導体を含む。
【0065】
FETs(FETの複数形)、及び半導体を含む他の成分、例えばダイオードは、IDタグに、又は信憑性(信頼性)を示すための、及び価値のある物品、例えば銀行券、クレジットカード、証明書(identity document)、例えばIDカード、又は運転免許証、又は金銭的に有利な他の書面、例えばゴム印、郵便切手、又はチケットの偽造を防ぐためのセキュリティラベルに有利に使用することができる。
【0066】
この替わりに、本発明に従うポリマーは、有機発光ダイオード(OLEDs)に、例えば、ディスプレーに、又は液晶ディスプレー(LCDs)のバックライティングとして使用することができる。典型的には、OLEDsは、複数層構造を有する。発光層は、通常、1層以上の電子−、及び/又はホール−輸送層の間に配置される。電界が施される場合、電子又はホールは、発光層(emitting layer)の方向に移動することができ、発光層内で、励起への組み換え、及び次の発光化合物の発光が行われる。ポリマー、材料、及び層は、その電気的及び光学的特性に従い、1種以上の輸送層、及び/又は発光層中に用途が見出される。化合物、材料、又は層がエレクトロルミネセントであるか、又はエレクトロルミネセント基又は化合物を有する場合、これらは発光層のために特に適切である。
【0067】
OLEDsに使用するための、適切なポリマーの処理(加工)と同様に、その選択は通常の知識であり、そして例えば、Synthetic Materials,111−112(2000)31−34又はJ.Appl.Phys.,88(2000)7124−7128に記載されている。
【0068】
種々の溶液処理技術からの沈殿を含む、種々の沈殿技術が、有機半導体と共に使用された。例えば、多くの印刷電気工学が、インクジェット印刷に焦点を合わしている。このことの主な理由は、この技術は、フィーチャーポジションと複数層のレジストレーションについて、より良好な制御を提供するからである。インクジェット印刷は、非接触法で、(接触印刷技術と比較して)予め形成されたマスターを必要としないという利点を、インク排出のデジタル制御と一緒に有しており、これにより、ドロップ−オン−デマンドの印刷が提供される。マイクロディスペンシングは、印刷の他の非接触法である。しかしながら、接触印刷技術は、非常に速いロール−ツー−ロール処理に適切である。例えば、接触印刷技術は、スクリーン−印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、リトグラフ印刷、パッド印刷、及びマイクロ接触印刷を含むが、これらに限られるものではない。ここで使用されているように、「印刷」は、非接触法、例えばインクジェット印刷、マイクロディスペンシング及びこれらに類似するもの、及び接触法、例えばスクリーン−印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、リトグラフ印刷、パッド印刷、マイクロ接触印刷、及びこれらに類似するものを含む。他の溶液処理技術は、例えば、スピンコーティング、ドロップ−キャスティング、ゾーンキャスティング、ディップキャスティング、ブレードキャスティング、又はスプレイングを含む。
【0069】
電気装置、光学装置、及び光電工学装置、例えば、電界効果トランジスタ(例えば、薄いフィルム状のトランジスタ)、光電池、有機発光ダイオード(OLEDs)、補足的な酸化金属セミコンダクター(CMOSs)、補足的なインバーター、Dフリップ−フロップ、整流器、及びリングオシレータを含む、種々の製造品(これらは、ここに開示された化合物を使用する)は、これらを製造する方法として、本教示の範囲内である。
【0070】
本教示は、従って、半導体材料を製造する方法を更に提供する。本方法は、溶媒又は溶媒混合物等の液体媒体中に溶解又は分散した、ここに開示された1種以上の化合物を含む組成物を製造し、この組成物を基材上に施して半導体前駆体を得、そして半導体前駆体を処理(例えば、加熱)して、ここに開示された化合物を含む半導体材料(例えば薄いフィルム状の半導体)を得る、ことを含むことができる。種々の実施の形態で、液体媒体は、有機溶媒、無機溶媒、例えば水、又はこれらの組み合わせである。ある実施の形態では、組成物は更に、洗浄剤、分散剤、結合剤、相溶剤、硬化剤、開始剤、保湿剤、消泡剤、湿潤剤、pH変性剤、バイオサイド、及び静菌薬から独立して選ばれる1種以上の添加剤を含むことができる。例えば、界面活性剤、及び/又は他のポリマー(例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ−アルファ−メチルスチレン、ポリイソブテン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、及びこれらに類似するもの)を、分散剤、結合剤、相溶剤、及び/又は消泡剤として含むことができる。ある実施の形態では、沈殿工程は、インクジェット印刷、及び種々の接触印刷技術(例えば、スクリーン−印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、パッド印刷、リトグラフ印刷、フレキソ印刷、及びマイクロ接触印刷)を含む印刷によって行うことができる。他の実施の形態では、沈殿工程は、スピンコーティング、ドロップ−キャスティング、ゾーン−キャスティング、ディップコーティング、ブレードコーティング又はスプレイングによって行うことができる。
【0071】
本教示(teaching)は、更に、製造品、例えば、ここに記載された種々のデバイス(該デバイスは、本教示の半導体材料、及び基材成分及び/又は誘電成分を有する複合体を含む)を提供する。基材成分は、ドープされたシリコン、インジウムチンオキシド(ITO)、ITO−被覆ガラス、ITO−被覆ポリイミド、又は他のプラスチック、アルミニウム又は他の金属(単体、又はポリマー又は他の基材上に被覆された状態)、ドープされたポリチオフェン、及びこれらに類似するものから選ぶことができる。誘電体成分は、無機誘電体材料、例えば、種々の酸化物(例えば、SiO2、Al23、HfO2)、有機誘電材料、例えば種々のポリマー性材料(例えば、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリハロエチレン、ポリアクリレート)、及び自己集合した(self-assembled)超格子/自己集合したナノ誘電体(SAS/SAND)材料(例えば、Yoon,M−H.et al.,PNAS,102(13):4678−4682(2005)に記載、この全ての記載は、これにより、ここに導入される)、及びハイブリッド有機/無機誘電性材料(例えば、U.S.Patent Application Serial No.11/642,504に記載、この全ての記載は、これにより、ここに導入される)から製造することができる。ある実施の形態では、誘電性成分は、U.S.Patent Application Serial No.11/315,076、60/816,952、及び60/861,308(これらの文献は、これにより、その全てがここに導入される)に記載された、架橋されたポリマーブレンドを含むことができる。複合体は、1つ以上の電気接触部分を有することができる。ソース、ドレイン、及びゲートの電極のための適切な材料は、金属(例えば、Au、Al、Ni、Cu)、透明な導電酸化物(例えば、ITO、IZO、ZITO、GZO、GIO、GITO)、及び導電ポリマー(例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン) ポリ(スチレンスルホネート)(PEDOT:PSS)、ポリアニリン(PANI)、ポリピロール(PPy))を含む。ここに記載された1種以上の組成物は、種々の有機性の電気、光学、及び光電子工学のデバイス、例えば有機性の薄いフィルム状のトランジスタ(OTFTs)、特に、有機性の電界効果タランジスタ(OFETs)、及びセンサー、キャパシター、単極回路、補足回路(例えば、インバーター回路)、及びこれらに類似するものの中で、具体化することができる。
【0072】
本教示の材料が有用な、他の製造品は、光電池、又は太陽電池である。本教示の成分は、光学的な吸収、及び/又は非常に積極的にシフトされた還元ポテンシャルを示し、このような用途に望ましいものとしている。従って、ここに記載された物質は、(p−nインジェクションを形成する隣接するn−タイプ半導体材料を含む)光電池設計のp−タイプの半導体として使用することができる。化合物は、(基材の上に沈殿して複合体を形成することができる)薄いフィルム状の半導体の状態が可能である。本教示のデバイスへの少量の分子の利用は、当業者の知識の範囲内である。
【0073】
従って、本教示の他の局面は、本教示の半導体材料を組み込む、有機電界効果トランジスタを作る方法に関する。本教示の半導体材料は、トップ−ゲート トップ−コンタクトキャパシタ構造、トップ−ゲート ボトム−コンタクトキャパシタ構造、ボトム−ゲート トップ−コンタクトキャパシタ構造、及びボトム−ゲート ボトム−コンタクトキャパシタ構造を含む、種々のタイプの有機電界効果トランジスタを作るために、使用することができる。図1には、OFET構造の4つの一般的なタイプを示す:トップ−コンタクト ボトム−ゲート構造(a)、ボトム−コンタクト ボトム−ゲート構造(b)、ボトム−コンタクト トップ−ゲート構造(c)、及びトップ−コンタクト トップ−ゲート構造(d)。図1に示すように、OFETは、誘電体層(例えば、図1a、1b、1c、及び1dの8,8’、8”、及び83’にそれぞれ示したようなもの)、半導体層(例えば、図1a、1b、1c、及び1dの6,6’、6”、及び63’にそれぞれ示したようなもの)、ゲートコンタクト(例えば、図1a、1b、1c、及び1dの10,10’、10”、及び103’にそれぞれ示したようなもの)、基材(例えば、図1a、1b、1c、及び1dの12,12’、12”、及び123’にそれぞれ示したような層)、及びソースとドレインコンタクト(例えば、図1a、1b、1c、及び1dの2,2’、2”、23’及び4,4’、4”、及び43’にそれぞれ示したような層)を含むことができる。(ここで、上記、符号、23’、43’、63’、83’、103’、123’は、図1dでは、符号2’’’、4’’’、6’’’、8’’’、10’’’、及び12’’’に対応する。)
【0074】
ある実施の形態では、OTFTデバイスは、ドープされたシリコン基材上の本化合物で、SiO2を誘電体として使用して、トップ−コンタクトの形状(ジオメトリ)に作ることができる。特定の実施の形態では、本教示の材料を少なくとも導入する、活性な半導体層は、室温で、又は温度を上昇させて沈殿させることができる。他の実施の形態では、本教示の化合物を少なくとも導入する、活性な半導体層は、ここに記載したように、スピン−コーティング又は印刷で施すことができる。トップ−コンタクトデバスのために、シャドーマスクを使用して、金属性コンタクトを、フィルムの頂部にパターン化することができる。
【0075】
全ての量的なデータ(百分率、ppm、等)は、他に記載が無ければ、質量、混合物の合計質量に基づく。
【0076】
ここに引用した全ての文献は、これにより、本願(本願明細書)に導入される。全ての量的なデータ(百分率、ppm、等)は、他に記載が無ければ、質量、混合物の合計質量に基づく。
【実施例】
【0077】
実施例1
5,5’−ビス(トリメチルスタンニル)ベンゾ−2,2’−ジチオフェンの製造
【0078】
【化12】

【0079】
250mg(1.3mmol)のベンゾ[2,1−b;3,4−b’]ジチオフェンを、アルゴン下に、10mlの無水THF中に溶解した。この溶液を、−78℃にまで冷却し、そして2.3mlのt−ブチルリチウム(3.9mmol、3eq)を加え、白色の沈殿物を形成した。懸濁液を更に2時間、−78℃で攪拌し、900mg(4.5mmol)のトリメチルチンクロリドを固体として加えた。この溶液を一晩、徐々に室温にまで温めた。30mlのメチレンクロリドをこの溶液に加え、重炭酸ナトリウムで抽出し、乾燥し、そして溶媒を蒸発させた。残留物をアセトニトリルから、4℃で3回結晶化させ、無色の針状物(300mg、44%)を得た。Mp=87℃;MS(FD、8kV)m/z 516.1g/mol−計算:C16222Sn2のために515.9g/mol 1H−NMR(250 MHz、CD2Cl2、RT):δ7.74(s,2H)、δ7.53(s,2H)、δ0.45(s,18H);13C−NMR(62.5 MHz、CD2Cl2、RT):δ138.9、138.8、138.3、133.3、120.1、−8.0
【0080】
実施例2
4,4’−ジアルキル−5,5’−ジブロモ−2,2’−ジチオフェンの、3−アルキルチオフェンからの、4,4’−ジアルキルジチオフェンを介した製造を、J.H.Wan,J.C.Feng,G.A.Wen,W.Wei,Q.L.Fan,C.M.Wang,H.Y.Wang,R.Zhu,X.D.Yuan,C.H.Huang,W.Huang,J.Org.Chem.2006,71,7124に記載されているように行った。
【0081】
モノマーを>99%の純度で得るために、4,4’−ジアルキル−5,5’−ジブロモ−2,2’−ジチオフェンをカラムクロマトグラフィ(n−ヘキサン、Silica)で精製し、そしてエチルアセテートから3回結晶化し、結晶性の生成物を得た。
【0082】
実施例3
ポリ(5,5’−ビス(3−ドデシルチオフェン−2−イル)−ベンゾ[2,1−b;3,4−b’]ジチオフェン)の製造
【0083】
【化13】

【0084】
103.17mg(0.2mmol)の5,5’−ビス(トリメチルスタンニル)ベンゾ−2,2’−ジチオフェン及び132.14mg(0.2mmol)の4,4’−ジドデシル−5,5’−ジブロモ−2,2’−ジチオフェンを、2mlの無水の1,2−ジクロロベンゼンに、アルゴン下に溶解した。5mg(16μmol)のトリ−o−トリルホスフィン及び4mg(4mmol)のPd2(dba)3を加えた。得られた混合物を、3日間、140℃に加熱した。この溶液を、1,2−ジクロロベンゼンで希釈し、そしてメタノール中で沈殿させた。ろ過の後、ポリマーをメタノール中で2回再沈殿させ、そして乾燥させた。120mgの赤色の固体が得られた(87%)。GPC(1,2,4−トリクロロベンゼン、135℃)分析で、Mn=21000g/mol及びMw=54000g/molが(標準ポリスチレンに対して)得られた。1H−NMR(500 MHz、80℃、1,2,4−トリクロロベンゼン−d3)δ7.79(s,2H)、δ7.59(s,2H)、δ7.29(s,2H)、δ3.09(t,J=6.8Hz,4H)、δ1.96(quin,J=6.7Hz,4H)、δ1.65(quin,J=6.9Hz,4H)、δ1.54(quin,J=6.7Hz,4H)、δ1.5−1.3(m,28H)、δ1.01(t,J=6.8Hz,6H)
【0085】
実施例4
ポリ(5,5’−ビス(3−ドデシルチオフェン−2−イル)−ベンゾ[2,1−b;3,4−b’]ジチオフェン)の製造
【0086】
【化14】

【0087】
103.17mg(0.2mmol)の5,5’−ビス(トリメチルスタンニル)ベンゾ−2,2’ジチオフェン及び120.92mg(0.2mmol)の4,4’−ジデシル−5,5’−ジブロモ−2,2’−ジチオフェンを、2mlの無水の1,2−ジクロロベンゼン中に、アルゴン下に溶解した。5mg(16μmol)トリ−o−トリルホスフィン及び4mg(4mmol)Pd2(dba)3を加えた。得られた混合物を3日間、140℃に加熱した。この溶液を1,2−ジクロロベンゼンで希釈し、そしてメタノール中で沈殿させた。ろ過の後、ポリマーをメタノール中で2回沈殿させ、そして高度の真空中で乾燥させた。100mgの赤色の固体が得られた(79%)。GPC(1,2,4−トリクロロベンゼン、135℃)分析で、Mn=13kg/mol及びMw=29g/molが(標準ポリスチレンに対して)得られた。1H−NMR(500 MHz、100℃、1,2−ジクロロベンゼン−d4)δ7.65(s,2H)、δ7.46(s,2H)、δ7.17(s,2H)、δ2.93(t,J=7.6Hz,4H)、δ1.79(quin,J=7.3Hz,4H)、δ1.47(quin,J=7.2Hz,4H)、δ1.37(quin,J=6.5Hz,4H)、δ1.5−1.3(m,20H)、δ0.85(t,J=6.6Hz,6H)
【0088】
実施例5
ポリ(5,5’−ビス(3−テトラデシルチオフェン−2−イル)−ベンゾ[2,1−b;3,4−b1]ジチオフェン)の製造
【0089】
【化15】

【0090】
103.7mg(0.2mmol)の5,5’−ビス(トリメチルスタンニル)ベンゾ−2,2’−ジチオフェン及び143.36mg(0.2mmol)の4,4’−ジテトラデシル−5,5’−ジブロモ−2,2’−ジチオフェンを、5mg(16μmol)のトリ−o−トリルホスフィン及び4mg(4mmol)のPd2(dba)3と、2mlの無水の1,2−ジクロロベンゼン中で、上述のように反応させた。
【0091】
上述したものと同様の後処理を行った後、135mg(91%)の赤色の固体が得られた。GPC(1,2,4−トリクロロベンゼン、135℃)分析で、Mn=20kg/mol及びMw=44g/molが(標準ポリスチレンに対して)得られた。1H−NMR(500 MHz、100℃、1,2−ジクロロベンゼン−d4)δ7.66(s,2H)、δ7.46(s,2H)、δ7.18(s,2H)、δ2.93(t,J=6.9Hz,4H)、δ1.79(quin,J=6.7Hz,4H)、δ1.48(quin,J=6.5Hz,4H)、δ1.38(quin,J=6.5Hz,4H)、δ1.5−1.3(m,36H)、δ0.85(t,J=6.6Hz,6H)
【0092】
実施例6
ポリ(5,5’−ビス(3−ヘキサデシルチオフェン−2−イル)−ベンゾ[2,1−b;3,4−b’]ジチオフェン)の製造
【0093】
【化16】

【0094】
103.7mg(0.2mmol)の5,5’−ビス(トリメチルスタンニル)ベンゾ−2,2’−ジチオフェン及び154.58mg(0.2mmol)の4,4’−ジヘキサデシル−5,5’−ジブロモ−2,2’−ジチオフェンを、5mg(16μmol)のトリ−o−トリホスフィン及び4mg(4mmol)のPd2(dba)3と、2mlの無水の1,2−ジクロロベンゼン中で、上述のように反応させた。
【0095】
上述したものと同様の後処理を行った後、140mg(87%)の赤色の固体が得られた。GPC(1,2,4−トリクロロベンゼン、135℃)分析で、Mn=16kg/mol及びMw=34g/molが(標準ポリスチレンに対して)得られた。1H−NMR(500 MHz、100℃、1,2−ジクロロベンゼン−d4)δ7.66(s,2H)、δ7.47(s,2H)、δ7.17(s,2H)、δ2.94(t,J=7.2Hz,4H)、δ1.80(quin,J=7.1Hz,4H)、δ1.46(quin,J=6.8Hz,4H)、δ1.38(quin,J=6.5Hz,4H)、δ1.5−1.3(m,44H)、δ0.85(t,J=6.5Hz,6H)
【0096】
実施例7
FETデバイスの製造及び測定I
有機電解効果タランジスタ(OFETs)は、電流−電圧応答の評価を介して、材料の電荷輸送の特性の詳細な分析を可能にする、単純なデバイス構造を提供する。OFETの機能は、ソース(source)とドレイン(drain)電極の間の半導体導電性を、ゲート電圧の関数として調節することである。ソースとドレインが、半導体フィルムの頂部に蒸着されている、トップ−コンタクト/ボトム−ゲート構造デバイスが、この例で使用される。OFET構造は、ポリマー伝導可能にアクセスするように選ばれるが、この材料クラスの使用に限定されるものではない。
【0097】
製造され、及びこの例で研究されたデバイスのために、ゲートは、高度にドープされたシリコンであり、誘電体は、厚さが300−nmのSiO2フィルムであった。半導体ポリマー性フィルムは、o−ジクロロベンゼン(1mg/mL)中の、実施例3に従い製造されたポリマーの溶液を、蒸気−n−オクチルトリクロロシラン−処理された基材上に、1000rpmの速度で、スピン−コーティングすることにより製造される。トップ−コンタクトTFTsは、半導体の薄いフィルム上にAu(3×10-6Torr、0.1Å/s、〜100nmの厚さ)を、シャドーマスクを介して蒸着させることによって作られ、これにより、チャンネル幅が25〜200□mで、長さが約1〜5mmのチャンネルを有するデバイスが得られた。電気的な測定は、環境で、Keithley 2612を使用して行なわれた。Vgに対するIdの移動プロットを使用し、全てのデバイスのための、飽和可動度(saturation mobility)、しきい電圧、及び電流オン−オフ割合を計算した。(シリーズを横切って)電気的特性を比較するために、Vdのために全てのパラメータを計算し、デバイスが飽和範囲内(Vd>Vg)で運転されていることを確保した。図2は、真空中で測定した、このようなデバイスの移動(transfer)及び出力(out put)プロットを例示している。キャリヤーの可動性(可動度)は、環境条件(周囲条件)で、5×10-2cm2/Vs及びIon/Ioff>104であった。
【0098】
【表1】

【0099】
図3は、環境条件で測定した、移動(右側、Vsd=−10V、−60V)及び出力(左側、Vsg=0、−10、−20、−30、−40、−50、−60V)プロットを例示している。
【0100】
実施例8
FETデバイスの製造及び測定II
全てのデバイスのために、厚さが200nmの熱的に成長した二酸化シリコン層を有する、大量にドープしたシリコンウエハーを基材(サブストレート)として使用した。ヘキサメチルジシラザンを、ガス相から120℃で、沈澱(沈着)させた。半導体ポリマー性フィルムを、実施例3〜6に従い製造したポリマーの、5mg/mlの1,2−ジクロロベンゼン溶液(厚さ約47.5nm)を、スピン−コーティング(3000rpm、60s)することにより製造した。基材を100℃で30分、焼きなまし(anneal)、及び徐々に冷却(1℃/min)した後、半導体の薄いフィルム上に、シャドーマスクを介して、金を蒸着させること(3×10−6バール、1Å/s、〜100nmの厚さ)によって、長さが25〜75μmで、幅が約0.5〜1.5mm(W/L=20)のチャンネルを有するデバイスを得、これにより、ソール及びドレイン電極を作成した。全ての製造と、Keithley 4200半導体分析器を使用した電気的な測定は、黄色光中の窒素環境下に行なわれた。
【0101】
デバイスの性能は、ウエハーの5箇所の異なる個所で測定し、平均値と標準偏差を以下の表1にまとめた。
【0102】
【化17】

【0103】
【表2】

【0104】
太陽電池デバイスの製造及び測定
パターン化したITOサブストレートを、最初に超音波浴槽中で、アセトンとイソプロピルで洗浄し、次に酸素プラズマで、10分間、洗浄処理した。次に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)ポリ(スチレンスルホネート)(PEDOT:PSS)(Baytron(登録商標)P von H.C.Starck)の伝導層を、水溶液から約40nmの厚さでスピン−キャスト(5000rpm)した。基材を150℃で10分間、空気中で乾燥させ、そして次に、光活性層をスピンキャストするために、グローブボックス中に移動させた。次に、ポリベンゾジチオフェン(8mg/mL)及び[70][6,6]−フェニル−C61−ブチル酸メチルエステル(PCBM)(16mg/mL)を含むジクロロベンゼン溶液を、PEDOT:PSS層の頂部に、700rpmでスピン−キャストした。次に銀層(約100nm)を、カソードから、マスクを介して表面上に蒸着させた。沈澱後の焼なましを、グローブ−ボックス内で、2分ごとに、段階的に行った。ダバイスの効果面積(effective area)は、エッチ処理したITOと頂部電極の間の重なりで定義して、約6mm2であった。これらの面積の正確な値を、顕微鏡と計算で測定した。入射光線を、レンズを介して、各デバイスの効果面積上に集中させた。電流−波長曲線をKeithley 236 Source−Measure Unitを使用して記録した。300〜800nmの単色光を、TRIAX 180モノムロメータを介して供給する光源として、タングステンハロゲンランプを使用した。入射光の強度を、調整したシリコンダイオードを使用して測定した。最大の強度は、約600nmで、1W/m2であった。光学2色性フィルムと組み合わせた、575Wの金属ハロゲンランプを使用した(全反射AM1.5Gに近いスペクトル分散を形成する)ソーラーシミュレータ(Lichttechnik,Germany)から太陽光線を得た。光の強度は1000W/m2に調整した。
【0105】
提供者(donor)としての、ポリベンゾジチオフェンに基づく、バルク−ヘテロジャンクション太陽電池、及び受体(acceptor)としての[70]PCBMは、沈澱後の段階的な焼きなましで、AM1.5をシミュレートした、1000W/m2の太陽照明の下、2.68%の電力変換効率を示し、そして、短絡回路電流Isc=8.53mA/cm2、開回路電圧Voc=0.67V、及び充填比(fill factor)FF=0.46であった。27%の最も高い外部量子効率(EQE)が、420nmで達成された(図4)。
【0106】
図4a,bに、ITO/PEDOT−PSS/D:A/Ag光電池デバイス(光起電装置)の、AM1.5をシミュレートした、1000W/m2の太陽照明下の、電流密度−電圧曲線(a)及びEQE−波長曲線(b)を示す。図4aに、mA/cm2の電流密度を、Vで示した電圧に対してプロットした。図4bに、%で示した外部量子効率(EQE)を、nmで示した波長に対してプロットした。
【図1a】

【図1b】

【図1c】

【図1d】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
繰り返し単位として、式(I)
【化1】

(但し、
Rが、a)C1-20アルキル基、b)C2-20アルケニル基、c)C2-20アルキニル基、d)C1-20アルコキシ基、e)−Y−C3-10シクロアルキル基、f)−Y−C6-14アリール基、g)−Y−3−12員のシクロヘテロアルキル基、又はh)−Y−5−14員のヘテロアリール基から独立して選ばれ、
ここで、C1-20アルキル基、C2-20アルケニル基、C2-20アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C6-14アリール基、3−12員のシクロヘテロアルキル基、及び5−14員のヘテロアリール基は、任意に1−4個のR1基で置換されていても良く、
1が、a)S(O)m−C1-20アルキル基、b)S(O)m−OC1-20アルキル基、c)S(O)m−OC6-14アリール基、d)C(O)−OC1-20アルキル基、e)C(O)−OC6-14アリール基、f)C1-20アルキル基、g)C2-20アルケニル基、h)C2-20アルキニル基、i)C1-20アルコキシ基、j)C3-10シクロアルキル基、k)C6-14アリール基、l)3−12員のシクロヘテロアルキル基、又はm)5−14員のヘテロアリール基から独立して選ばれ、
Yが、二価のC1-6アルキル基、又は共有結合から選ばれ;及び
mが、0、1又は2から独立して選ばれる、)
の基を含み、及び数平均分子量Mnが、5000〜200000g/molの範囲であることを特徴とするポリ(5,5’−ビス(チオフェン−2−イル)−ベンゾ[2,1−b;3,4−b’]ジチオフェン)。
【請求項2】
請求項1に記載のポリマーを、半導体、又は電荷輸送材料として、薄いフィルム状のトランジスター(TFTs)として、又は有機発光ダイオード(OLEDs)のための半導体成分に、光電池成分にために、又はセンサーに、電池中の電極材料として、光導波路として、又は電子写真の用途のために使用する方法。
【請求項3】
請求項1に記載のポリマーの1種以上を、液体媒体中に溶解した状態、又は分散した状態で含む組成物。
【請求項4】
請求項1に記載のポリマーの1種以上を含む薄いフィルム状の半導体。
【請求項5】
基材と、請求項4に記載の薄いフィルム状の半導体を含む複合体。
【請求項6】
請求項1に記載のポリマーを液体媒体中に溶解させ、溶液を形成し、該溶液を基材上に施し、そして溶媒を除去して、薄いフィルム状の半導体を基材上に形成することを含む、請求項5に記載の複合体を製造する方法。
【請求項7】
溶液が、スピンコーティング、ドロップコーティング、ディップコーティング、又は印刷によって施されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
請求項4に記載の薄いフィルム状の半導体、又は請求項5に記載の複合体を含む、電界効果トランジスタデバイス。
【請求項9】
請求項4に記載の薄いフィルム状の半導体、又は請求項5に記載の複合体を含む、光起電装置。
【請求項10】
請求項4に記載の薄いフィルム状の半導体、又は請求項5に記載の複合体を含む、有機発光ダイオードデバイス。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−526631(P2011−526631A)
【公表日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−515388(P2011−515388)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際出願番号】PCT/EP2009/057984
【国際公開番号】WO2010/000669
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【出願人】(506209857)マクス−プランク−ゲゼルシャフト、ツール、フェルデルング、デァ、ヴィセンシャフテン、イー、ファウ (5)
【Fターム(参考)】