説明

ポーラスシリコンの製造方法

【課題】シリコン基体の破損、損傷を生ずることなく安定に生産でき、かつアスペクト比が高い細孔が得られ、面積の大きいものであっても容易に生産できる高規則性ポーラスシリコンの製造方法を提供すること。
【解決手段】ポーラスアルミナ膜2をシリコン基体1の表面に固定してドライエッチングを行い、前記シリコン基体1の表面に前記ポーラスアルミナ膜2の細孔と同じ配列の窪み3を形成し、次いで前記シリコン基体1を陽極としてフッ化水素酸を含む水溶液中で電解エッチングを行い、前記窪み3を選択的に溶解して細孔を形成し、ポーラスシリコン4を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細な規則細孔配列を有するポーラスシリコンの製造方法に関し、特に、細孔のアスペクト比(細孔深さ/細孔径の比)が高く、大きな面積のものでも効率よく生産できるポーラスシリコンの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
微細な細孔を有する多孔質材料として知られる陽極酸化ポーラスアルミナは、円柱状の微細な細孔が膜面に対して垂直に直行したホールアレー構造を有する。通常の陽極酸化ポーラスアルミナでは、細孔がランダムに配列した構造であるが、最適化された条件下で陽極酸化を行えば、細孔配列を次第に規則化させることが可能である。細孔配列の規則化は、ポーラスアルミナ膜が成長する皮膜下面で起こるが、アルミナ膜を選択的に除去することで、残されたアルミニウム地金の表面に、規則細孔配列に対応した窪みの配列を得ることができる。アルミニウム地金を再度陽極酸化することで、これらの窪み位置で細孔が発生し、膜の表面から細孔が規則配列したポーラスアルミナを得ることができる(非特許文献1)。また、陽極酸化に先立ち、規則的な突起配列を有するモールドを用いてアルミニウム表面に機械的に窪み配列を形成する、所謂インプリントプロセスを行えば、各窪みが陽極酸化初期の細孔発生の開始点として作用することから、細孔が理想配列した陽極酸化ポーラスアルミナが製作でき、触媒、センサー、電子・光学デバイス等への応用がはかられている(非特許文献2)。
【0003】
このような多孔質材料として、ポーラスシリコンも電子デバイス等への応用が期待できることから、細孔が規則配列したポーラスシリコンの製法として、上記のようなインプリントプロセスを用いて、シリコン表面に機械的に窪みを形成した後に電解エッチングを施し、窪みを起点として微細な細孔を形成してポーラスシリコンを得る手法が提案されている(非特許文献3)。また、別法として、シリコンの表面にアルミニウムを蒸着させた後、陽極酸化を施して、アルミニウムを微細な細孔を有するポーラスアルミナに変換させ、このポーラスアルミナをマスクとし、電解エッチングすることによりポーラスシリコンを形成することも提案されている(非特許文献4)。
【0004】
シリコンは、リチウムイオン二次電池の現行の負極である炭素系材料と比較して理論容量が10倍以上高いことから、充放電容量の大幅な向上が期待される材料である。しかし、充放電に伴う体積の膨張と収縮が激しく、その際の微粉化によりサイクル特性が低下してしまう問題がある。上記のような細孔配列の規則性に優れたポーラスシリコンを負極とすると、体積の膨張・収縮が緩和される可能性があることから、サイクル特性の向上が期待できる。
【0005】
しかしながら、上記のようなシリコンの製造方法において、インプリントプロセスを用いた場合、インプリント時に印加する圧力が非常に大きくなり、シリコン基体の破損や、シリコンへのインプリントで使用される、高価なSiC製のモールドの劣化が生じ易いことから、大量生産には不向きである。さらに、プレス圧が面積に比例する上、面精度も必要とすることから、大面積での生産が困難という問題がある。また、アルミナ膜をマスクとしてシリコン基体を電解エッチングする非特許文献4の方法では、フッ化水素酸の電解液中でアルミナ膜が容易に溶解され消失してしまうことから、アスペクト比の高い細孔を形成できず、例えばリチウムイオン二次電池に用いた場合、多孔質構造の利点が十分に発揮できないという問題ある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Japanese Journal of Applied Physics, 35, 126−129 (1996).
【非特許文献2】Applied Physics Letters, 71, 2770−2772 (1997).
【非特許文献3】Advanced Materials、17、1293−1295 (2005)
【非特許文献4】Electrochemistry Communications、7、953−956 (2005)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、シリコン基体の破損、損傷を生ずることなく安定に生産でき、かつアスペクト比が高い細孔が得られ、面積の大きいものであっても容易に生産できる高規則性ポーラスシリコンの製造方法を提供すること、さらに、この製造方法により得られた高規則性ポーラスシリコンを用いて、高性能のリチウムイオン電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、本発明の(1)「ポーラスアルミナ膜をシリコン基体表面に固定してドライエッチングを行い、前記シリコン基体の表面に前記ポーラスアルミナ膜の細孔と同じ配列の窪みを形成し、次いで前記シリコン基体を陽極としてフッ化水素酸を含む水溶液中で電解エッチングを行い、前記窪みを選択的に溶解して、細孔を形成することを特徴とするポーラスシリコンの製造方法」、
(2)「前記ポーラスシリコンの細孔が、1以上のアスペクト比(細孔深さ/細孔径の比)を有することを特徴とする前記(1)に記載のポーラスシリコンの製造方法」、
(3)「細孔配列を規則化させたポーラスアルミナをシリコン基体表面に固定してドライエッチングを行うことを特徴とする前記(1)または(2)に記載のポーラスシリコンの製造方法」、
(4)「ポーラスアルミナ膜の平均細孔間隔が80nmから250nmの範囲にあることを特徴とする前記(1)乃至(3)いずれかに記載のポーラスシリコンの製造方法」、
(5)「ドライエッチングが、イオンビームによって行われることを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれかに記載のポーラスシリコンの製造方法」、
(6)「ドライエッチング後、シリコン基体表面に固定したポーラスアルミナ膜を除去し、次いでシリコン基体を陽極としてフッ化水素酸を含む水溶液中で電解エッチングを行うことを特徴とする前記(1)乃至(5)のいずれかに記載のポーラスシリコンの製造方法」、
(7)「前記電解エッチングにより細孔を形成した後、シリコン基体の裏面を除去して、前記細孔を貫通孔化させることを特徴とする前記(1)乃至(6)のいずれかに記載のポーラスシリコンの製造方法」、
(8)「前記(1)乃至(7)のいずれかの方法で製造されたポーラスシリコン」、
(9)「前記(1)乃至(7)のいずれかの方法で製造されたポーラスシリコンを電極としたリチウムイオン電池」、
により達成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明のポーラスシリコンの製造方法によれば、電解エッチングによる細孔の形成に先立ち、エッチングの出発点となるシリコン基体表面の窪みの形成を、ポーラスアルミナをマスクとしてドライエッチングで行なうので、従来のインプリントプロセスの課題であった、シリコン基体やモールドの破損、損傷を生ずることなく安定した生産が可能であり、面積の大きいもであっても容易に生産できる。また、電解エッチングに際し、ポーラスアルミナをマスクとする必要がないため、アスペクト比が高い細孔の形成が容易であり、貫通孔を有するポーラスシリコンも、電解エッチング後に、シリコン基体の底部を除去するだけで形成できるため、容易に生産できる。
【0010】
細孔が規則配列した陽極酸化ポーラスアルミナは容易に作成することができる。これをマスクとしてシリコン基体のドライエッチングを行うことにより、ポーラスアルミナの細孔の配列を忠実に反映した窪みがシリコン表面に形成されるため、アスペクト比が1以上の細孔が規則配列したポーラスシリコンを容易に得ることができる。
【0011】
さらに、ドライエッチングにイオンビーム方式を用いると、ポーラスアルミナマスクの細孔底部で露出したシリコン基体にエッチング源が到達しやすいことから、ポーラスアルミナの細孔配列に対応する窪みを正確にシリコン基体に形成することができ、このようにアスペクト比が1以上の細孔が規則配列したポーラスシリコンは、特にリチウムイオン電池に用いた場合、体積の膨張・収縮が緩和され、サイクル特性が向上するので、性能の高いリチウムイオン電池を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る方法におけるプロセスの基本概念を示す概念図である。
【図2】インプリントプロセスによるポーラスアルミナマスクの製造方法の図である。
【図3】自己規則化プロセスによるポーラスアルミナマスクの製造方法の概念図である。
【図4】実施例1で得られたポーラスシリコン表面のSEM像である。
【図5】実施例2で得られたポーラスシリコン表面のSEM像である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明における、シリコンのドライエッチング、電解エッチングのプロセスの基本的な概念を模式的に示したもので、シリコン基体1の表面に細孔を有するポーラスアルミナ2を固定した後、ポーラスアルミナ2の上からイオンビームを照射する。このイオンビームの照射により、アルミナ2の細孔に対応する部位のシリコン基体表面に、ポーラスアルミナ2の細孔とほぼ同じ開口、配列の窪み3形成される。
【0014】
ポーラスアルミナ2のマスクを除去後、窪み3が形成されたシリコン基体1を陽極として、フッ化水素酸を含む電解液中で電解する。この電解により、窪み底部が選択的に溶解され、細孔に成長してポーラスシリコン4が形成される。
【0015】
このような基本プロセスにおいて、マスクとなる細孔を有するポーラスアルミナは、いずれの方法で作製されてもよいが、電圧を一定とした陽極酸化により形成すると、細孔の直行性が良好となるので好ましい。中でも、細孔配列が規則化した高規則ポーラスアルミナを形成する手法としては、インプリントプロセスと自己規則化プロセスが挙げられる。
【0016】
図2は、インプリントプロセスによるポーラスアルミナマスクの製造方法の概念図であり、表面に配列が規則化した所定の突起パターンを有するモールド6を板状あるいはシート状のアルミニウム基体5の上に置き、このモールド6に荷重を加え、アルミニウム基体5の表面にモールド6の突起パターンと同じパターンの窪み配列7を形成する。このように窪み配列7を形成したアルミニウム基体5を陽極酸化することで、窪みを基点として微細な細孔を形成した高規則ポーラスアルミナ8を得る。次いで、底部のアルミニウムを溶解除去し、バリアー層で細孔の片側が塞がれた薄膜状のポーラスアルミナ9を得た後、さらに、このポーラスアルミナ9の底部を除去して、貫通細孔を有するポーラスアルミナ10を得る。
【0017】
図3は、自己規則化プロセスによるポーラスアルミナマスクの製造方法の概念図を示したもので、板状あるいはシート状のアルミニウム基体11を陽極酸化し、所定の深さまでポーラスアルミナ層12を形成した後、そのポーラスアルミナ層12を除去する。このポーラスアルミナ層12の除去により、表面に窪み配列13を有するアルミニウム基体11となる。このアルミニウム基体11を、上記のインプリントプロセスと同様に陽極酸化処理し、窪みを基点として微細な細孔を形成した高規則ポーラスアルミナ14を得る。次いで、底部のアルミニウムを溶解除去し、バリアー層で細孔の片側が塞がれた薄膜状のポーラスアルミナ15を得た後、さらに、このポーラスアルミナ15の底部を除去して、貫通細孔を有するポーラスアルミナ16を得る。
【0018】
ここで、自己組織化プロセスの際の陽極酸化の化成電圧は、電解液としてシュウ酸を用いた場合は、30V〜45V、硫酸では、10V〜30V、リン酸では、180V〜220Vで行うことが好ましい。
【0019】
このようにして形成されたポーラスアルミナは、図1に示すように、シリコン基体上に固定し、次いでドライエッチングを行い、シリコン基体の表面に窪みを形成する。
【0020】
本発明では、窪みは浅くてもよいので、シリコンのエッチングができればいずれも方法でも適用できるが、イオンビーム、中でもArイオンビームを用いると、Arイオンは2〜6KVと低エネルギーで、基体に対し垂直に近い状態で照射できるため、シリコン表面に容易に窪みを形成することができる。また、反応性ガスとして、トリフルオロメタン (CHF)のようなハロゲン系のガスをAr等の不活性ガスで希釈したイオンエッチングも好適に用いることができる。さらに、ポーラスアルミナの貫通孔化処理を行わず、バリアー層といわれる薄い酸化皮膜によって細孔の片側が塞がれた状態のポーラスアルミナをシリコン基体に固定し、ドライエッチング時にバリアー層の除去とシリコン基体表面の窪み形成を同時に行うことも可能である。
【0021】
表面に窪みが形成されたシリコン基体は、裏面に銅などの導通層を蒸着し、マスクであるポーラスアルミナ膜を除去した後に、陽極として電解エッチングを行う。
【0022】
電解エッチングは、表面に形成した窪みでシリコンが優先的に溶解すればどのような条件でも構わないが、電解浴として3〜10wt%のフッ化水素酸(HF)水溶液を用い、電流密度1〜5mA/cm、浴温0〜10℃で行うことが好ましい。また、ドライエッチングのマスクとして使用するポーラスアルミナはフッ化水素酸を含む電解液中で容易に溶解するため、アルミナマスクをシリコン基体に固定したまま電解液に浸漬し、マスクを溶解した後に電解エッチングを行うことも、さらには、アルミナマスクを固定したまま電解エッチングを開始することも可能である。
【0023】
このように細孔が形成されたポーラスシリコンは、所望により、底部を切削のような機械的手段あるいは化学的手段により除去することにより、貫通細孔を有するポーラスシリコンを得ることができる。
【実施例】
【0024】
以下に、本発明を実施例に基づいて説明する。
【実施例1】
【0025】
インプリントプロセスにより細孔周期200nm、孔径約120nmの陽極酸化ポーラスアルミナを作製した。
まず、200nm周期で三角格子状に規則配列した突起を表面に有するSiC製のモールドを、厚さ約300μmのアルミニウムの表面に押し当て、表面に窪み配列を転写した。次いで、このアルミニウムを0.5重量%のシュウ酸水溶液中に浸漬し、浴温16℃、電圧80Vで陽極酸化し、膜厚約600nmのポーラスアルミナを形成した。リン酸水溶液に浸漬して細孔径を拡大した後、ヨウ素のメタノール飽和溶液に浸漬してアルミニウム地金を選択的に溶解し、細孔周期200nm、孔径約120nmのポーラスアルミナの薄膜を得た。
これを、厚さ0.5mm、抵抗率約0.01Ωの(100)配向単結晶シリコンの表面に固定し、アルゴンビームエッチング装置(盟和フォーシス社製AT865)を用い、印加電圧5kV、4mAとし、ビームの照射を60分間行ない、ポーララスアルミナの貫通孔化とシリコン表面への窪み配列の形成を行った。次いで、ポーラスアルミナ膜を除去した後、シリコン裏面に銅を蒸着し、これを陽極として0℃の液温で、3重量%のフッ化水素酸水溶液中で5mA/cmの電流密度で電解エッチングを10分間実施した。得られた構造を走査型電子顕微鏡で観察したところ、図4に示す、細孔周期200nm、細孔径約130nm、細孔深さ約2μm(アスペクト比15)のポーラスシリコンが形成されたことが確認された。
【実施例2】
【0026】
自己規則化プロセスにより細孔周期100nm、細孔径約60nmの陽極酸化ポーラスアルミナを作製した。
まず、0.3Mのシュウ酸水溶液中に厚さ300μmのアルミニウムを浸漬し、浴温16℃、電圧40Vで16時間陽極酸化し、厚さ約100μmのポーラスアルミナ膜を形成した。クロム酸とリン酸の混合水溶液中でこのポーラスアルミナ膜を溶解除去し、同じ条件で5分間の陽極酸化を実施し、厚さ約400nmのポーラスアルミナ膜を得た。リン酸水溶液に浸漬して細孔径を拡大した後、ヨウ素のメタノール飽和溶液に浸漬して地金のアルミニウムを選択的に溶解し、細孔周期100nm、細孔径約60nmのポーラスアルミナ薄膜を得た。
これを、厚さ0.5mm、抵抗率約0.01Ωの(100)配向単結晶シリコンの表面に固定し、アルゴンビームエッチング装置(盟和フォーシス社製AT865)を用い、印加電圧5kV、4mAとし、ビームの照射を60分間行ない、ポーララスアルミナの貫通孔化とシリコン表面への窪み配列の形成を行なった。ポーラスアルミナを除去後、シリコン裏面に銅を蒸着し、これを陽極として0℃の液温で、10重量%のフッ化水素酸水溶液中で5mA/cmの電流密度で電解エッチングを10分間実施した。得られた構造を走査型電子顕微鏡で観察したところ、図5に示す、細孔周期100nm、細孔径約60nm、細孔深さ約4μm(アスペクト比67)のポーラスシリコンが形成されたことが確認された。
【実施例3】
【0027】
実施例2で作製したポーラスシリコンを作用極とし、セパレーターを挟んでリチウム箔と対向させた。別のリチウム箔を参照極とし、エチレンカーボネート:ジエチルカーボネートの比が1:1の溶媒を用いた濃度1Mの過塩素酸リチウム電解液中で掃引速度0.5mVs−1、掃引範囲+0.01Vから+1.5Vで50サイクルの充放電実験を行ったところ、50サイクル実施後も充放電容量が低下しないことが確認された。
【符号の説明】
【0028】
1…シリコン基体
2…ポーラスアルミナ
3…窪み
4…ポーラスシリコン
5…アルミニウム基体
6…モールド
7…窪み配列
8…高規則ポーラスアルミナ
9…バリアー層で細孔の片側が塞がれたポーラスアルミナ
10…貫通細孔を有するポーラスアルミナ
11…アルミニウム基体
12…ポーラスアルミナ層
13…窪み配列
14…高規則ポーラスアルミナ
15…バリアー層で細孔の片側が塞がれたポーラスアルミナ
16…貫通細孔を有するポーラスアルミナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポーラスアルミナ膜をシリコン基体表面に固定してドライエッチングを行い、前記シリコン基体の表面に前記ポーラスアルミナ膜の細孔と同じ配列の窪みを形成し、次いで前記シリコン基体を陽極としてフッ化水素酸を含む水溶液中で電解エッチングを行い、前記窪みを選択的に溶解して、細孔を形成することを特徴とするポーラスシリコンの製造方法。
【請求項2】
前記ポーラスシリコンの細孔が、1以上のアスペクト比(細孔深さ/細孔径の比)を有することを特徴とする請求項1に記載のポーラスシリコンの製造方法。
【請求項3】
細孔配列を規則化させたポーラスアルミナをシリコン基体表面に固定してドライエッチングを行うことを特徴とする請求項1または2に記載のポーラスシリコンの製造方法。
【請求項4】
ポーラスアルミナ膜の平均細孔間隔が80nmから250nmの範囲にあることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のポーラスシリコンの製造方法。
【請求項5】
ドライエッチングが、イオンビームによって行われることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のポーラスシリコンの製造方法。
【請求項6】
ドライエッチング後、シリコン基体表面に固定したポーラスアルミナ膜を除去し、次いでシリコン基体を陽極としてフッ化水素酸を含む水溶液中で電解エッチングを行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のポーラスシリコンの製造方法。
【請求項7】
前記電解エッチングにより細孔を形成した後、シリコン基体の裏面を除去して、前記細孔を貫通孔化させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のポーラスシリコンの製造方法。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかの方法で製造されたポーラスシリコン。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれかの方法で製造されたポーラスシリコンを電極としたリチウムイオン電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−251647(P2010−251647A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−101931(P2009−101931)
【出願日】平成21年4月20日(2009.4.20)
【出願人】(305027401)公立大学法人首都大学東京 (385)
【Fターム(参考)】