説明

マイクロストリップアンテナ

【課題】本発明は、小型の指向性制御可能なマイクロストリップアンテナの提供を目的とする。
【解決手段】給電素子である給電パッチ14と、給電パッチ14と電磁結合する非励振素子である複数の非励振パッチ15から構成される第1の非励振パッチ群とが共に設けられた表面を有する第1の誘電体基板11と、第1の誘電体基板11の表面と対向する表面を有する第1の誘電体基板であって、該対向する表面に、給電パッチ14と少なくとも電磁結合する非励振素子である複数の非励振パッチ25から構成される第2の非励振パッチ群が設けられた第2の誘電体基板21と、第1の誘電体基板11の裏面に設けられ、第1の非励振パッチ群に含まれる非励振パッチ15に装荷されるリアクタンス可変回路40とを備える、マイクロストリップアンテナ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リアクタンス可変回路を備えるマイクロストリップアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パッチ型のマイクロストリップアンテナとして、アンテナの放射主軸に対して直角であって、相互に直交するP軸・Q軸の軸線上の方向に1個または複数個の線状もしくは帯状の非励振素子をパッチ周縁の外側に近接して設け、パッチの共振モードの方向をP軸とし、前記P軸線上の方向に設けた非励振素子は誘電体基板に垂直な素子であり、前記Q軸線上の方向に設けた非励振素子は、誘電体基板面に平行して誘電体基板面から離して、P軸方向に延在して配置した水平な素子もしくは前記水平素子の中心を誘電体基板面に接地したT型の素子であることを特徴とするマイクロストリップアンテナが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、アンテナの指向性を制御可能なアンテナ構造体として、給電素子と少なくとも1本の無給電素子とが所定の間隔をおいて配置され、それらの素子がループ型若しくは逆F型からなるとともに、無給電素子は、可変リアクタンス素子を含み、電気長が変更できる構成とされていることを特徴とするアンテナ構造体が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
さらに、マイクロ波やミリ波帯の送受信に用いられる平面アンテナとして、地導体と、誘電体と、複数の放射素子とその放射素子に接続された給電線路とを形成した給電基板と、誘電体と、その放射素子に対応する位置にスロットを複数形成した地導体とを、この順に積層配置して構成したものが知られている(例えば、特許文献3参照)。このように、積層配置にすることによって、アンテナの低背化が可能となる。
【特許文献1】特公平6−82977号公報
【特許文献2】特開2005−252406号公報
【特許文献3】特開平11−27033号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、マイクロストリップアンテナにおいて、非励振素子に接続されたリアクタンス可変回路によってリアクタンスを変えることによってアンテナの指向性を制御する場合、リアクタンス可変回路の設置場所によっては、マイクロストリップアンテナが全体として大きくなり、マイクロストリップアンテナを採用することによる小型化のメリットを生かすことができない。
【0006】
そこで、本発明は、小型の指向性制御可能なマイクロストリップアンテナの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係るマイクロストリップアンテナは、
給電素子である給電パッチと、該給電パッチと電磁結合する非励振素子である複数の非励振パッチから構成される第1の非励振パッチ群とが共に設けられた表面を有する第1の誘電体基板と、
前記第1の誘電体基板の表面と対向する表面を有する第2の誘電体基板であって、該対向する表面に、前記給電パッチと少なくとも電磁結合する非励振素子である複数の非励振パッチから構成される第2の非励振パッチ群が設けられた第2の誘電体基板と、
前記第1の誘電体基板の裏面に設けられ、前記第1の非励振パッチ群に含まれる非励振パッチに装荷されるリアクタンス可変回路とを備えるものである。
【0008】
ここで、前記第1の誘電体基板の表面と前記第2の誘電体基板の表面とが対向する対向方向で前記第2の非励振パッチ群に含まれる非励振パッチを投影した各投影領域が、前記給電パッチと前記第1の非励振パッチ群に含まれる非励振パッチの少なくともいずれか一方に重なる部分を有するとよい。
【0009】
また、前記各投影領域には、前記給電パッチのみに重なる部分を有するものと前記第1の非励振パッチ群に含まれる非励振パッチのみに重なる部分を有するものとが含まれると好適である。
【0010】
また、前記第1の非励振パッチ群に含まれる非励振パッチが、前記給電パッチに関して対称に配置されると好ましい。また、前記第1の非励振パッチ群が、方形状の前記給電パッチの周囲に配置された複数の非励振パッチから構成されるとよく、前記第1の非励振パッチ群には、前記給電パッチの対角方向に該対角の外側に配置された複数の非励振パッチが含まれてもよいし、前記給電パッチの対辺の外側に配置された複数の非励振パッチが含まれてもよい。
【0011】
また、前記リアクタンス可変回路が、前記給電パッチの対辺の外側に配置された複数の非励振パッチに装荷されてもよいし、前記給電パッチの周囲に配置された全非励振パッチに装荷されてもよい。
【0012】
また、前記第1の誘電体基板と前記第2の誘電体基板との間に、前記給電パッチ及び前記第1の非励振パッチ群と前記第2の非励振パッチ群とを絶縁するスペーサであって前記第1及び第2の誘電体基板より誘電率が低いスペーサを備えると好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、指向性制御可能なマイクロストリップアンテナを小型化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。図1は、本発明の一実施形態であるマイクロストリップアンテナ100の模式的な構造図である。マイクロストリップアンテナ100は、その指向性を電気的に制御可能なエスパーアンテナである。マイクロストリップアンテナ100は、給電素子である正方形の給電パッチ14と、給電パッチ14と電磁結合する非励振素子である8つの正方形の非励振パッチ15(15A,B,C,D,F,G,H,I)とが共に設けられた表面を有する第1の誘電体基板11と、給電パッチ14と少なくとも電磁結合する非励振素子である9つの正方形の非励振パッチ25(25A〜I)が設けられた表面を有する第2の誘電体基板21と、非励振パッチ15に装荷されるリアクタンス可変回路40(図1に示されるリアクタンス可変回路40は、非励振パッチ15Dに装荷されたもの)とを備える。
【0015】
なお、図1において、X方向及びY方向は、誘電体基板11の表面(給電パッチ14の表面)に平行な方向であり、互いに直交する方向である。すなわち、X方向及びY方向は、給電パッチ14の放射主軸の方向(Z方向)に対して直角である。図1の場合、Y方向は給電パッチ14の辺14d(14c)に平行な方向であり、X方向は辺14d(14c)に垂直な方向である。
【0016】
誘電体基板11の表面には給電パッチ14が形成され、誘電体基板11の裏面には銅箔等の導電材によって導電性の地板12が形成されている。放射素子である給電パッチ14への給電は、誘電体基板11の裏面側から行われ、13はその給電点である。給電点13は、例えば、誘電体基板11の表面側と裏面側とを結ぶピン構造をしている。給電点13及びそのピンは、地板12には電気的に接続されていない。すなわち、誘電体基板11の裏側の給電部は、その裏側の給電部の僅かな周囲を除いて、銅箔等の導電材で覆われている。給電点13は、Y方向では給電パッチ14の中心に位置し、X方向では給電パッチ14の一方の辺側にずれて位置する(図1では、辺14c側にずれている)。したがって、X方向が、共振電流が流れる方向であって、共振モードの方向である。
【0017】
8つの非励振パッチ15A〜Iは、第1の非励振パッチ群として、一定の配列規則に従って配置される。給電パッチ14の四辺のうちの対辺14a,14bの外側に配置された非励振パッチ15Dと15Fが、給電パッチ14に関してY方向に対称に配置される。給電パッチ14の対辺14c,14dの外側に配置された非励振パッチ15Bと15Hが、給電パッチ14に関してX方向に対称に配置される。また、給電パッチ14の対角方向に該対角の外側に配置された非励振パッチ15Aと15Iが、給電パッチ14に関して対角方向に対称に配置される。給電パッチ14の対角方向に配置された15Cと15Gについても同様である。これらの非励振パッチは、方形の給電パッチ14の重心に対して点対称である。
【0018】
方形状の各非励振パッチ15は、自身以外の他の非励振パッチ15及び放射器である給電パッチ14との間で電磁結合が取れる位置に配置される。例えば、給電パッチ14の各辺に対向して設けられた非励振パッチ15B,D,F,Hは、それぞれの対向する給電パッチ14の縁部である辺から互いに等距離に位置し、給電パッチ14の各頂点に対向して対角方向に設けられた非励振パッチ15A,C,G,Iは、それぞれの対向する給電パッチ14の頂点から互いに等距離に位置する。一の非励振パッチと給電パッチ14との間又は一の非励振パッチと他の非励振パッチとの間において、各パッチの辺はそれと隣接して対向するパッチの辺と平行である。また、例えば、マイクロストリップアンテナ100が受信する電磁波の波長をλとすると、給電パッチ14の辺とそれに対向する非励振パッチの辺との対向方向の間隔(例えば、給電パッチ14の辺14aと辺14aに対向する非励振パッチ15Dの辺15DbとのY方向の間隔)は、0.05λ以上0.5λ以下に設定されるとよい。このように、給電パッチ14の周囲に非励振パッチ15を配列することによって、給電パッチ14に平行な平面(X−Y平面)内の方向での電磁結合を強化することができる。
【0019】
一方、誘電体基板21の表面(図上、誘電体基板21の下面に配置されているため、点線で表示)には非励振パッチ25が形成される。9つの非励振パッチ25A〜25Iは、第2の非励振パッチ群として、一定の配列規則に従って配置される。誘電体基板21上の隣接する非励振パッチ25同士の間隔は、上述の誘電体基板11上の隣接するパッチ同士の間隔と略等しい。誘電体基板11の表面と誘電体基板21の表面とが対向する対向方向(図上、上下方向)で非励振パッチ25を投影した各投影領域が、給電パッチ14と非励振パッチ15A〜Iの少なくともいずれか一方に重なる部分を有する。
【0020】
対向方向で非励振パッチ25Eを投影した投影領域は、非励振パッチ15には重ならずに給電パッチ14のみに重なる。対向方向で非励振パッチ25Aを投影した投影領域は、給電パッチ14や非励振パッチ15B〜Iには重ならずに非励振パッチ15Aのみに重なる。同様に、対向方向で非励振パッチ25Bを投影した投影領域など、第2の非励振パッチ群に属する一の非励振パッチを投影した投影領域についても、第1の非励振パッチ群に属し且つ当該一の非励振パッチと対向方向に対置関係にある一の非励振パッチのみに重なる。このように、上下の基板のそれぞれの表面を重ね合わせることによって、上下のパッチが対向する。
【0021】
図1には図示していないが、誘電体基板11と誘電体基板21との間に、給電パッチ14及び第1の非励振パッチ群と第2の非励振パッチ群とを絶縁するスペーサを備える。図3は、マイクロストリップアンテナ100の側面図である。誘電体基板11と誘電体基板21を絶縁するため、誘電体基板11及び誘電体基板21より誘電率が低いスペーサ31を備える。スペーサ31の厚さを変更することによって、上下の基板のパッチが接触せずに、給電パッチ14と非励振パッチ25との電磁結合の結合度や非励振パッチ15と非励振パッチ25との電磁結合の結合度を調整することができる。また、スペーサ31を設けることによって、上下の基板間の距離を一定に安定して保つことができる。スペーサ31の具体例として、発泡スチロール等の緩衝材が挙げられる。
【0022】
また、マイクロストリップアンテナ100の指向性を制御するために、リアクタンス可変回路が備えられる。図2は、非励振パッチ15に接続されるリアクタンス可変回路の一例である。非励振パッチ15は、リアクタンス可変回路と接続されることにより、指向性を変化させることができる。非励振パッチ15のそれぞれに、このリアクタンス可変回路40が設けられる。リアクタンス可変回路40は、抵抗51、第1の誘導素子53、第2の誘導素子55の順番で入力端子dcから出力端子RFに向けて直列に接続され、抵抗51と第1の誘導素子53との中間点と接地点との間に容量素子52が設けられ、第1の誘導素子53と第2の誘導素子55との中間点と接地点との間にバラクタ54が設けられた、回路である。リアクタンス可変回路40は、入力端子dcから入力される直流電圧値に応じてバラクタ54の特性を変化させることで、リアクタンスを変化させる回路である。出力端子RFが非励振素子に接続される。このリアクタンスの値に応じて、非励振素子は導波器になるため(又は、反射器になるため)、マイクロストリップアンテナ100の指向性を変化させることができる。
【0023】
リアクタンス可変回路40は、例えば、給電パッチ14に対してX方向に位置する非励振パッチ15Bと15Hに電気的に接続される。これによって、X方向の指向性を精度良く制御することができる。また、リアクタンス可変回路40は、例えば、給電パッチ14に対してY方向に位置する非励振パッチ15Dと15Fに電気的に接続される。これによって、Y方向の指向性を精度良く制御することができる。これらを組み合わせることによって、X方向とY方向の指向性を共に精度良く制御することができる。そして、給電パッチ14の周囲の全ての非励振パッチ(図1では、8つ)にリアクタンス可変回路40を取り付けることによって、指向性の方向を全方向で精度よく制御できる。
【0024】
また、誘電体基板11の表面側に設置された非励振パッチ15と誘電体基板11の裏側に設置されたリアクタンス可変回路40は、誘電体基板11の貫通孔を通る導線を介して、互いに電気的に接続される。図3には、貫通孔11B,D,Hが示されている。リアクタンス可変回路40を非励振パッチ15の配置面と反対の面に配置することによって、アンテナの放射に妨害とならず、リアクタンス可変回路の配置によるアンテナの放射特性への影響を抑えることができる。また、上下の基板を重ねることによって電磁結合を強化しているため、リアクタンス可変回路の配置による当該上下方向の電磁結合の強化に対する影響を抑えることができる。
【0025】
したがって、マイクロストリップアンテナ100は、リアクタンス可変回路を設けたとしても、小型化しやすく、指向性を精度良く制御可能な良好なアンテナ特性を得ることができる。例えば、基板11,21及びスペーサ31の厚さをそれぞれ0.8mmとすると、マイクロストリップアンテナ100の全高は2.4mmとなるため、低背化することができる。また、基板11,12の誘電率を大きくすることによって、更なる小型化を図ることができる。そして、小型化により電磁界結合が弱くなったとしても、給電素子の周囲に非励振素子を多く配置することによって、その分を補うことができる。
【0026】
また、マイクロストリップアンテナ100は、特に、車外の通信設備や放送設備と送受信又は受信を無線でするための車載アンテナ装置としての使用に適している。低背化しているため、車両の外板等の車体に設置しやすい。この場合の車載アンテナ装置は、例えば、人や自転車などの自車周辺の障害物などを検知するためのアンテナとして使用されると好適である。また、車載アンテナ装置は、例えば、人や自転車などの自車周辺の障害物に関する検知情報や車両周辺情報、車両登録情報、音声情報、画像情報、通話情報、車車間通信情報、ETC用通信情報、テレビ放送波などのデータを受信又は送受信するために用いられると好適である。特に、マイクロ波やミリ波の周波数帯で使用されると好適であり、例えば、2.4GHz帯や5.8GHz帯での周波数帯での使用が可能である。
【0027】
図4は、本発明の一実施形態であるマイクロストリップアンテナ200の構成図である。図1と同様の構成については、その説明を省略する。マイクロストリップアンテナ200は、方形状の給電パッチ14と、給電パッチ14と電磁結合する4つの方形状の非励振パッチ15(15B,D,F,H)とが共に設けられた表面を有する誘電体基板11と、給電パッチ14及び他の非励振パッチと電磁結合する4つの方形状の非励振パッチ25(25B,D,F,H)が設けられた表面を有する誘電体基板21と、非励振パッチ15に装荷されるリアクタンス可変回路40とを備える。
【0028】
誘電体基板11の表面と誘電体基板21の表面とが対向する対向方向(図上、上下方向)で非励振パッチ25を投影した各投影領域が、給電パッチ14と非励振パッチ15B,D,F,Hの少なくともいずれか一方に重なる部分を有する。非励振パッチ25Bと非励振パッチ25Hは、誘電体基板21の中央の方向に近接させて配置することによって、給電パッチ14と非励振パッチ25B,Hとの間の電磁結合を密にすることができる。
【0029】
対向方向で非励振パッチ25Bを投影した投影領域は、給電パッチ14と非励振パッチ15Bに重なる。対向方向で非励振パッチ25Hを投影した投影領域は、給電パッチ14と非励振パッチ15Hに重なる。対向方向で給電パッチ25Dを投影した投影領域は、対向方向に対置関係にある非励振パッチ15Dのみに重なり、対向方向で給電パッチ25Fを投影した投影領域は、対向方向に対置関係にある非励振パッチ15Fのみに重なる。
【0030】
このように、第2の非励振パッチ群に属する非励振パッチの投影領域が給電パッチと非励振パッチの両方に重なるようにすることによって、第2の非励振パッチ群に属する非励振パッチの数を減らすことができる。すなわち、下側基板のパッチの数(給電パッチを含めて)と上側基板のパッチの数は必ずしも等しくする必要はない。
【0031】
リアクタンス可変回路の配置は、図1のアンテナ100の上述の場合と同様である。例えば、リアクタンス可変回路40は、例えば、給電パッチ14に対してX方向に位置する非励振パッチ15Bと15Hに電気的に接続される。これによって、非励振パッチ15Bから15Hの間の180°の指向性を精度良く制御することができる。
【0032】
したがって、マイクロストリップアンテナ200は、リアクタンス可変回路を設けたとしても、小型化しやすく、指向性を精度良く制御可能な良好なアンテナ特性を得ることができる。
【0033】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0034】
例えば、上述の実施例において、給電パッチ14への給電方式を、位相をずらした2点給電方式、又は縮退分離素子を使用した1点給電方式とすることによって、直線偏波に限らず、円偏波を制御することができる。
【0035】
また、給電パッチ14と非励振パッチ15,25は、正方形に限らず、各パッチ同士が電磁結合可能な位置関係にあってアンテナの要求機能を満たす限り、長方形、平行四辺形、ひし形、台形などの方形状でもよく、四辺以上の辺を有する多角形の形状でもよい。また、給電パッチ14の面積と非励振パッチ15,25の面積は、各パッチ同士が電磁結合可能な位置関係にあってアンテナの要求機能を満たす限り、互いに等しくても異なっていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施形態であるマイクロストリップアンテナ100の構成図である。
【図2】非励振素子に接続されるリアクタンス可変回路の一例である。
【図3】マイクロストリップアンテナ100の側面図である。
【図4】本発明の一実施形態であるマイクロストリップアンテナ200の構成図である。
【符号の説明】
【0037】
11,21 誘電体基板
12 地板
13 給電点
14 給電パッチ
15,25 非励振パッチ
31 スペーサ
40 リアクタンス可変回路
100,200 マイクロストリップアンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給電素子である給電パッチと、該給電パッチと電磁結合する非励振素子である複数の非励振パッチから構成される第1の非励振パッチ群とが共に設けられた表面を有する第1の誘電体基板と、
前記第1の誘電体基板の表面と対向する表面を有する第2の誘電体基板であって、該対向する表面に、前記給電パッチと少なくとも電磁結合する非励振素子である複数の非励振パッチから構成される第2の非励振パッチ群が設けられた第2の誘電体基板と、
前記第1の誘電体基板の裏面に設けられ、前記第1の非励振パッチ群に含まれる非励振パッチに装荷されるリアクタンス可変回路とを備える、マイクロストリップアンテナ。
【請求項2】
前記第1の誘電体基板の表面と前記第2の誘電体基板の表面とが対向する対向方向で前記第2の非励振パッチ群に含まれる非励振パッチを投影した各投影領域が、前記給電パッチと前記第1の非励振パッチ群に含まれる非励振パッチの少なくともいずれか一方に重なる部分を有する、請求項1に記載のマイクロストリップアンテナ。
【請求項3】
前記各投影領域には、前記給電パッチのみに重なる部分を有するものと前記第1の非励振パッチ群に含まれる非励振パッチのみに重なる部分を有するものとが含まれる、請求項2に記載のマイクロストリップアンテナ。
【請求項4】
前記第1の非励振パッチ群に含まれる非励振パッチが、前記給電パッチに関して対称に配置される、請求項2又は3に記載のマイクロストリップアンテナ。
【請求項5】
前記第1の非励振パッチ群が、方形状の前記給電パッチの周囲に配置された複数の非励振パッチから構成される、請求項2から4のいずれか一項に記載のマイクロストリップアンテナ。
【請求項6】
前記第1の非励振パッチ群には、前記給電パッチの対角方向に該対角の外側に配置された複数の非励振パッチが含まれる、請求項5に記載のマイクロストリップアンテナ。
【請求項7】
前記第1の非励振パッチ群には、前記給電パッチの対辺の外側に配置された複数の非励振パッチが含まれる、請求項5又は6に記載のマイクロストリップアンテナ。
【請求項8】
前記リアクタンス可変回路が、前記給電パッチの対辺の外側に配置された複数の非励振パッチに装荷される、請求項7に記載のマイクロストリップアンテナ。
【請求項9】
前記リアクタンス可変回路が、前記給電パッチの周囲に配置された全非励振パッチに装荷される、請求項8に記載のマイクロストリップアンテナ。
【請求項10】
前記第1の誘電体基板と前記第2の誘電体基板との間に、前記給電パッチ及び前記第1の非励振パッチ群と前記第2の非励振パッチ群とを絶縁するスペーサであって前記第1及び第2の誘電体基板より誘電率が低いスペーサを備える、請求項1から9のいずれか一項に記載のマイクロストリップアンテナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−284088(P2009−284088A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−132305(P2008−132305)
【出願日】平成20年5月20日(2008.5.20)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】