説明

マイクロリソグラフィ露光装置のための照明システム

【課題】マイクロリソグラフィ露光装置用の照明システムのための向上した集光装置を提供すること。
【解決手段】マイクロリソグラフィ露光装置の照明システムは瞳平面54を視野平面62に変換するための集光装置601を有する。集光装置601は、薄い平面状プレートL11として形成される第1のレンズ、非球面凹面の後面を有する負のメニスカス・レンズとして形成される第2のレンズL12、第3のレンズL13は非球面凸面の後面を有する正のメニスカス・レンズ、、第4のレンズL14はやはり非球面凸面の後面を有する両凸面レンズ、第5のレンズL15は凹面の後面を備えた正のメニスカス・レンズ、第6のレンズL16は平凹面レンズ、最終段レンズである第7のレンズL17はわずかに凹面の前面を備えた正のメニスカス・レンズで構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互引用)
本出願は、2005年4月26日に出願された米国特許仮出願第60/674691号の米国特許法第119条(e)の(1)の下での利益を主張するものである。
【0002】
本発明は概してマイクロリソグラフィ投影露光装置のための照明システムに関する。そのような装置は集積回路や他の微細構造デバイスの製造に使用される。より詳細には本発明はそのような照明システムのための集光装置に関し、これは瞳平面を視野絞りが配置される視野平面に変換する。本発明はまた、視野絞りをマスク平面上に結像させる視野絞り対物レンズに関する。
【背景技術】
【0003】
マイクロリソグラフィ(フォトリソグラフィとも称される)は集積回路、液晶ディスプレイ、その他の微細構造デバイスの製作のための技術である。さらに特定すると、マイクロリソグラフィの工程はエッチングの工程と組み合わせて基板、例えばシリコン・ウェハの上に形成された薄膜にフィーチャをパターン化するために使用される。製作の各々の層で、ウェハは最初に遠紫外(DUV)光などの放射に感光性の材料であるフォトレジストでコーティングされる。次に、最上層にフォトレジストを備えたウェハが投影露光装置内でマスクを通して投影光に露光される。このマスクはフォトレジスト上に投影される回路パターンを含む。露光の後、フォトレジストが現像されることでマスクに含まれた回路パターンに対応する像を作り出す。次いで、エッチング工程がこの回路パターンをウェハ上の薄膜積層の中に転写する。最後に、フォトレジストが除去される。
【0004】
投影露光装置は通常では照明システム、マスク位置合わせステージ、投影対物レンズ、ウェハ位置合わせステージを有する。照明システムはフォトレジスト上に投影されるべきマスクの領域を照明する。
【0005】
普通、照明システムは光学的ラスタ素子が配置される瞳平面を含む。光学的ラスタ素子はマスク上で照明される領域の幾何学形状に影響を与える。瞳平面内の光強度分布はマスクに入射する投影光の角度分布を決定する。瞳平面内の光強度分布を変えるために、様々な光学素子、例えばアキシコン素子または屈折性光学素子が照明システム内で使用される。
【0006】
普通では複数のレンズを含む集光装置が瞳平面を視野平面に変換する。これは集光装置が無限遠で配置される被写体を視野平面上に結像させることを意味する。複数の調節可能なブレードを含む視野絞りが視野平面に配置されることがある。視野絞りはマスク上で照明される領域のくっきりした縁部を確実にする。この目的のために、視野絞り対物レンズが視野絞りを、マスクが配置されるマスク平面上に結像させる。
【0007】
照明システムは、確実に、マスク平面内を極めて一様な放射照度にしなければならない。放射照度の均一性は任意の方向の1mmにわたる放射照度の相対的変化の観点で表現される。マスク平面内の放射照度のこの勾配は、0.1%/mmより低いある値を超えてはならず、または0.015%/mmものより低いある値を超えてはならない。
【0008】
さらに、照明システムは後に続く投影対物レンズの主光線分布に整合する射出瞳内の主光線分布を作り出さなければならない。普通、主光線がコリメートされること、すなわち射出瞳が無限遠で配置されることが望ましい。このケースでは、照明システムは像側でテレセントリックであると称される。
【0009】
極めて進歩した照明システムの他の特性は優れた極平衡(pole balance)である。極平衡は瞳平面内の強度分布をマスク平面内の角度分布に正しく変換する照明システムの能力を意味する。例えば、完全な対称性を備えた瞳平面内で2つの極のみが照明される場合、完全な極平衡(PB=0)はマスク平面内の任意の点における放射照度が両方の極からの等しい寄与から結果として生じることを意味する。双極照明のケースにおいてPB≠0であれば、結像点上の一方の側から入射する光線が他方の側から入射する光線よりも強力である。
【0010】
照明システムの集光装置によって満たされなければならず、極平衡に密接に関連する他の特性は正弦条件が満たされる程度である。正弦条件に従うと瞳平面内の光軸からの距離は視野平面内の入射角度の正弦に比例する。理想的には、すべての入射角度について、およびすべての結像点についてもやはり正弦条件が完全に満たされる。
【0011】
これらの特性が、短い全長を有し、かつ小さい直径を備えて最終段レンズとマスク平面との間で或る一定の最小距離を維持するレンズ群を有する照明システムで達成されなければならない。
【0012】
これらの厳しい仕様を満足させることは、光均質化ロッドを有さない照明システムでは一層困難になっている。例えば米国特許第6285443号明細書から知られているそのようなロッドは照明光束を均質にするために使用される。このロッドは照明光束の偏光状態を維持しないので、その使用は偏光制御を伴わない照明システムに限定される。
【0013】
米国特許第6583937B1号明細書から、5個のレンズを有するロッド不在の照明システムの集光装置が知られている。この集光装置の第1の表面は非球面である。
【0014】
米国特許出願公開第2002/0171944A1号明細書は4個のレンズ、すなわち非球面の凹面前面を有する負のメニスカス・レンズ、2個の両凸面レンズ、および非球面の凸面後面を有する平凸面レンズを含むロッド不在の照明システム開示している。
【0015】
米国特許第6680803B2号明細書は合計9個のレンズを含むロッド不在の照明システムのための視野絞り対物レンズを開示している。
【0016】
DE19653983A1から、7個のレンズのみを含んで少なくとも3つの非球面表面を備えた別の視野絞り対物レンズが知られている。一実施形態では、この対物レンズは0.3mrad未満のテレセントリック誤差を保証する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】米国特許第6285443号明細書
【特許文献2】米国特許第6583937B1号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2002/0171944A1号明細書
【特許文献4】米国特許第6680803B2号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
マイクロリソグラフィ露光装置用の照明システムのための向上した集光装置を提供することが本発明の第1の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0019】
この目的は複数の連続したレンズを含むレンズ群を有する集光装置によって達成される。これらのレンズは軸上の結像点に集光装置によって焦点が合わされる光束がレンズ群の各々のレンズの中に集中できるように配列される。レンズ群のうちの少なくとも1つのレンズは凹面の表面を有する。
【0020】
本出願の背景では、「レンズ」という用語は単一屈折率の光学素子を意味し、これらは曲面または平面の表面を有してもよい。
【0021】
本発明による集光装置は小さいテレセントリック誤差、優れた極平衡、正弦条件からの極めて小さい偏差、小さい放射照度の勾配、15mmを超える大きい光学的幾何学的線束を有する。
【0022】
概して、集光装置の小さいテレセントリック誤差は、視野絞り対物レンズもまたその被写体側でテレセントリックである場合には有利である。しかしながら、この対物レンズが大幅に非テレセントリックであるケースがある。このとき、集光装置は射出瞳における主光線の方向が後に続く視野絞り対物ンズの入射瞳における主光線の方向に可能な限り密接に一致するように設計される可能性が高い。これらの方向の間の偏向は1mradの小ささであると見込まれる。
【0023】
集光装置と視野絞り対物レンズを有するマイクロリソグラフィ露光装置用の向上した照明システムを提供することが本発明のさらなる目的である。
【0024】
このさらなる目的は集光装置の残存瞳収差を少なくとも部分的に補正する視野絞り対物レンズを備えた照明システムによって達成される。
【0025】
そのような照明システムを設計するとき、集光装置と視野絞り対物レンズの設計を各々の構成要素に関して分離せず、集光装置と視野絞り対物レンズから成る全体的な光学的サブシステムに関して最適化することが好都合であると見込まれる。一方で集光装置の光学特性、他方で視野絞りの光学特性を適切に調節することによって、特にテレセントリック誤差の視野絞り平面における或る一定の光学特性からの偏差、マスク平面内で要求される光学特性からの偏差を2または4の大きさでさえあってもよい因数で許容することが可能である。同様の考慮が視野絞り平面とマスク平面内のスポット径に当てはまる。このスポットは、前段の瞳平面が平行光束によって横切られる場合の視野平面内の照射される領域である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】照明システムと投影対物レンズを有する投影露光装置の、遠近法で見た単純化された図である。
【図2】図1に示された照明システムを通る単純化された子午線断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態による集光装置を通る子午線断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態による集光装置を通る子午線断面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態による集光装置を通る子午線断面図である。
【図6】本発明の第4の実施形態による集光装置を通る子午線断面図である。
【図7】本発明の第5の実施形態による集光装置を通る子午線断面図である。
【図8】集光装置とこれに続く視野絞り対物レンズを通る子午線断面図である。
【図9】図8に示された視野絞り対物レンズに関する代替例の実施形態を通る子午線断面図である。
【図10】図1に示された照明システムの他の実施形態であって散乱光を遮蔽するために様々な選択肢の位置に配置される隔膜を有する実施形態を通る単純化された子午線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の様々な特徴および利点は添付の図面と関連させて取り入れられる以下の詳しい説明を参照してさらに容易に理解されることが可能である。
【0028】
図1は投影露光装置10の遠近法で見た極度に単純化された図であり、投影光束を作り出すための照明システム12を有する。この投影光束は微細構造18を含むマスク16上の視野14を照明する。この実施形態では、照明される視野14は環形の断片の形状である。しかしながら、照明される視野14の他の形状も同様に考慮される。
【0029】
投影対物レンズ20は照明される視野14の中の構造18を基板24上に堆積された感光性の層22、例えばフォトレジストの上に結像させる。この実施形態ではシリコン・ウェハとして実現される基板24は、感光層22の最上面が投影対物レンズ20の像平面内で正確に位置付けられるようにウェハ・ステージ(図示せず)上に配置される。マスク16はマスク・ステージ(図示せず)によって投影対物レンズ20の物体平面内で位置決めされる。投影対物レンズ20は1未満の倍率を有するので、照明される視野14の中の構造18の縮小された像14’が感光層22の上に投影される。
【0030】
投影中に、マスク16と基板24はY方向と一致する走査方向に沿って移動する。このようにして、照射される視野14は照明される視野14よりも大きい構造化された領域が連続的に投影されるようにマスク16全域にわたって走査する。そのようなタイプの投影露光装置はしばしば「ステップ・アンド・スキャン・ツール」または単純に「スキャナ」と称される。マスク16と基板24の速度の比は投影対物レンズ20の倍率に等しい。投影対物レンズ20が像を逆にする場合、マスク16と基板24は逆方向に移動し、これは図1に矢印A1とA2で示される。しかしながら、本発明はマスク16と基板24が投影中に移動しないステッパ・ツールに使用されることもやはり可能である。
【0031】
図示された実施形態では、照明される視野14は投影対物レンズ20の光軸26に対して中心に置かれない。そのような軸外の照明される視野14は或る一定のタイプの投影対物レンズ20、例えば1つまたは複数のトランケーテッド(truncated)・ミラーを有する対物レンズで必要になることがある。
【0032】
図2は図1に示された照明システム12のさらに詳細な子午線断面である。明瞭にするために、図2の図解もやはり大幅に単純化されており、縮尺通りではない。これは、多様な光学ユニットが極めて少ない光学素子のみで表現されているという意味を特に含む。実際では、これらのユニットは極めて多くのレンズや他の光学素子を含む。
【0033】
照明システム12はハウジング28、および図示された実施形態ではエキシマレーザ30として実現される光源を有する。エキシマレーザ30は約193nmの波長を有する投影光を発射する。他の波長、例えば248nmまたは157nmもやはり考慮される。
【0034】
エキシマレーザ30によって発射される投影光はビーム拡大ユニット32に入り、ここで光束が拡大される。ビーム拡大ユニット32を通過した後、投影光は第1の光学的ラスタ素子34に入射する。第1の光学的ラスタ素子34は異なる特性を有する他の光学的ラスタ素子で容易に置き換えられることができるように第1の交換ホルダ36内に受け入れられる。第1の光学的ラスタ素子34は、図示された実施形態では、発散が導入されるように各々の入射光線を偏向させる1つまたは複数の回折格子を含む。これは、光学的ラスタ素子34上の各々の場所で光が或る一定の角度範囲内で回折することを意味する。この範囲は、例えば−3°から+3°に広がることもある。図2では、これは2つの発散光線38、40へと分割される軸方向光線に関して図式的に表わされる。第1の光学的ラスタ素子34はこのようにして投影光の角度分布を変え、後に続く瞳平面内の局所的強度分布に影響を与える。他の種類の光学的ラスタ素子、例えばマイクロレンズ・アレイが代替として、または追加的に使用されることもある。
【0035】
第1の光学的ラスタ素子34は対物レンズ44の物体平面42内で位置決めされ、これはズーム・レンズ群46、および対向する円錐面を有するアキシコン素子50、52の対48で示される。両方のアキシコン素子50、52が接触していれば、アキシコン対48は平行平面の表面を有するプレートの効果を有する。両方の素子50、52が離されれば、アキシコン素子50、52の間の間隔は結果として放射状に外方向の光エネルギーの移動につながる。アキシコン素子はそれ自体当該技術で知られているので、本願明細書ではこれらはさらに詳しく述べられないであろう。
【0036】
参照番号54は対物レンズ44の射出瞳平面を示す。マイクロレンズ・アレイから成る第2の光学的ラスタ素子56は対物レンズ44の射出瞳平面54の中、または近傍に位置決めされる第2の交換ホルダ58内に受け入れられる。150mm未満の直径を有することが好ましい第2の光学的ラスタ素子56は各々のポイントで発散を導入し、マスク16上の照明される視野14の幾何学に影響を与える。第2の光学的ラスタ素子56によって導入される発散は入射する光線38、40に関する発散光線38a、38bと40a、40bで図2に図式的に表わされる。照射される視野14が図1に示されるような湾曲したスリットを有していれば、第2の光学的ラスタ素子56の出口側の開口数はX方向で0.28から0.35の範囲、Y方向で0.07から0.09の範囲にあるであろう。
【0037】
第2の光学的ラスタ素子56から発散する発散光線38a、38b、および40a、40bは単純化するために単一のレンズ素子で図2に表わされる集光装置60に入る。集光装置60の様々な実施形態が下記で図3から8を参照してさらに詳しく説明されるであろう。
【0038】
集光装置60の入射瞳平面は対物レンズ44の射出瞳平面54と一致する。集光装置60の像平面62は視野平面であり、これに近接して視野絞り64が位置決めされる。視野絞り対物レンズ66は視野絞り64をマスク16が位置決めされるマスク平面68上に結像させる。視野絞り64は少なくともY方向に沿って延びる短い横方向側部に関して、照明される視野14のくっきりした縁部を保証する。
【0039】
以下では集光装置60の様々な実施形態が図3から8を参照して述べられるであろう。
【0040】
図3は全体として601で示される集光装置60の第1の実施形態の子午線断面を示している。瞳平面54内に配置された開口絞りASは第2の光学的ラスタ素子56の周縁で形成されてもよい。集光装置601の瞳は約125mmの直径を有する。集光装置601は瞳を約110mmの直径を有する視野にフーリエ変換する。集光装置601の全体としての焦点距離は約208mmであり、像側の開口数は約0.3である。これらの値は下記でさらに述べられる他の実施形態にもやはり当てはまる。
【0041】
瞳平面54の直ぐ後方で、石英ガラスで作られた薄い平面状プレートL11として形成される第1のレンズが位置決めされる。薄いプレートL11はそれ自体で集光装置601の光学特性に実質的に寄与しない。しかしながら、これはグレーフィルタ、拡散面、または横切る光線の偏光の状態を選択的に変えるように設計された構造体などを支持することが可能である。特定の用途に応じて、第1の機能素子を支持するプレートL11が他の機能素子を支持するプレートL11’で置き換えられることも可能である。そのような機能素子が全く必要とされなければ、プレートL11は完全に省かれてもよい。これは図3に示された光学設計のわずかな変更を伴うのみである。
【0042】
プレートL11の後方で、非球面凹面の後面を有する負のメニスカス・レンズとして形成される第2のレンズL12が配置される。第3のレンズL13は非球面凸面の後面を有する正のメニスカス・レンズである。第4のレンズL14はやはり非球面凸面の後面を有する両凸面レンズである。第5のレンズL15は凹面の後面を備えた正のメニスカス・レンズである。第6のレンズL16は平凹面レンズである。集光装置601の最終段レンズである第7のレンズL17はわずかに凹面の前面を備えた正のメニスカス・レンズである。
【0043】
示された実施形態では、第2のレンズL12と第3のレンズL13のみがCaF2でできている。集光装置601の他のすべてのレンズは石英ガラスでできている。この材料選択はコストと耐久力の点で見ると良い妥協案である。もちろん他の材料も想定され、少しの設計の変更を必要とするのみである。例えば、第2のレンズL12と第3のレンズL13が他の立方晶系結晶材料、例えばBaF2、SrF2、LiF2、またはCa1-XBaX2でできていてもよく、その他のレンズが他のガラスでできていてもよく、全部のレンズがCaF2でできていてもよい。
【0044】
表1は集光装置601のレンズ・データを含む。最初の縦列は光が集光装置601を通って瞳平面54から視野平面62へと伝搬する順に集光装置601の全レンズの表面番号S#を記載している。2番目の縦列は各々の表面S#について曲率の半径(mm)を記載している。3番目の縦列は光軸26に沿った連続する表面間の間隔(mm)を記載している。4番目の縦列は1とは異なる屈折率を有するすべての媒質の材料を示す。5番目の縦列はレンズの1/2直径を記載し、6番目の縦列は4番目の縦列に記載された材料の露光波長λ=193.38nmにおける屈折率を含む。
【0045】
【表1】

【0046】
【表2】

【0047】
非球面の表面は縦列1に星印で示される。表2はこれらの表面について円錐係数kおよび非球面係数A、B、C、およびDに関する値を含む。光軸26に平行する表面ポイントの高さzは
【0048】
【数1】

で与えられ、ここでhは光軸26からの半径方向の距離であり、cはそれぞれの表面の曲率である。
【0049】
図3の影付き部分は視野平面62内の軸上結像点72に向かって集束する同軸光束70を表わす。同軸光束70の形状は破線で示されて光軸26に平行に開口絞りASを通過する周縁の光線74によって決定される。
【0050】
別の破線の対は光軸26からの最大高さ(すなわち距離)hmaxを有する結像点77に向かって集束する周縁の光束76を示す。周縁光束76の中心は瞳平面54内で光軸26に交差し、周縁結像点77において視野平面62を通過する主光線78によって形成される。
【0051】
レンズL14、L15、L16、L17は同軸光束70が集束する連続的なレンズの群を形成する。この群は3つの凹面表面、すなわちレンズL15とL16の後面およびレンズL17の前面を含む。それとは別に、この群は負の屈折力を有するレンズ、すなわちレンズL16を含む。これは集光装置601の特性的特徴であり、下記で表3を参照して検討される優れた光学特性に寄与する。
【0052】
図3に示された集光装置601では、レンズL13とL14の非球面表面は瞳関連収差を補正することに寄与する。レンズL12の第1の非球面表面は球面収差を補正するために主に使用される。
【0053】
表3は、集光装置60の様々な実施形態の光学品質を特徴付け、マイクロリソグラフィ露光装置の照明システムにおけるその使用にとって不可欠である様々な量の一覧表を含む。表3の縦列1は図3を参照して上記で述べられた集光装置601に関するこれらの量のための値を含む。
【0054】
【表3】

以下では表3に記載された様々な量が簡単に説明されて検討されるであろう。
【0055】
横列1に記載された像側の開口数NAiは一方で集光装置601と視野平面62との間の媒質の屈折率と、他方で最大開口角度との積として決められる。図3においてこの角度は光軸26と、視野平面62を通過するときの周縁光線74との間で形成される。
【0056】
表3の横列2に記載される幾何光学的線束は像側の開口数NAiと最大結像高さhmaxとの積として定義される。幾何光学的線束が大きくなると共に、マイクロリソグラフィの露光ツールに普及する厳しい仕様に合致する光学系を得ることがますます困難になる。
【0057】
表3の横列3は実施形態1から5による集光装置の物体側でのテレセントリック誤差を記載している。テレセントリック誤差は主光線、すなわち主光線78のような瞳平面54内で光軸に交差する光線と視野平面62内の光軸26との間に形成される最大角度に関係する。物体側で完全にテレセントリックである光学系では、すべての主光線に関してこの角度は0°に等しい。これは主光線が物体平面内でコリメートされることを意味する。
【0058】
表3の横列4は瞳平面54に最も近い非球面表面の近接性Pfirstに関連する。球面収差を補正するための非球面表面の効果は瞳平面からの距離が小さくなるにつれて増大するので、この近接性Pfirstは示性数である。
【0059】
近接性Pfirstは周縁結像点77に入射する主光線78の高さhcrに対する同軸光束70の周縁光線74の最大高さhmrの比として定義される。高さhmrとhcrは光軸26とそれぞれの光線が瞳平面54に最も近い非球面表面を貫通する点との間の距離を意味する。図3では、これはレンズL12の後面である。この比Pfirstが大きくなるほど非球面表面は瞳平面54に近く位置する。
【0060】
表3の横列5は視野平面62に最も近い非球面表面の近接性の特性である量Plastに関する値を含む。瞳関連収差を補正するための非球面表面の効果は視野平面からの距離が小さくなるにつれて増大するので、この近接性Plastもやはり示性数である。
【0061】
近接性Plastは1/Pfirst=hcr/hmrとして定義される。したがってPlastに関する大きい値は、最終段の非球面表面が視野平面62に密接した近傍に配置されることを示す。
【0062】
表3の横列6は正弦条件からの偏差Δdに関連する。正弦条件偏差Δdは
sin(α)=p/((1+Δx)・f)
で定義される。ここで、fは集光装置601の焦点距離であり、αは視野平面62内の任意の照明結像点に入射する光線の入射角度であり、pは集光装置の光軸26と光線が瞳平面54を通過する瞳点との間の距離である。瞳平面54内の軸上の点についてはp=0であり、結果として直角入射につながる。瞳の直径上の瞳点についてはp=pmaxであり、αもまたその最大値αmaxを有する(図3参照)。理想では、すべての入射角度について、およびすべての結像点についてもやはり正弦条件が完全に満たされる(すなわちΔx=0)。
【0063】
表3から見られ得るように、集光装置601は特にテレセントリック誤差と正弦条件に関する限り、優れた光学品質を有する。それとは別に、集光装置601は極めて良好な極平衡と放射照度の小さい勾配を有する。正弦条件偏差|Δx|=0.004は正弦条件偏差Δx>0.02を有する従来式の集光装置と比較されるべき優れた値である。
【0064】
それとは別に、集光装置601は極めて良好な極平衡を有し、かつ放射照度の小さい勾配を有する。さらに特定すると、集光装置601はx方向(走査に交差する方向)に沿って極めて一様な放射照度分布I(x)を視野平面62内に作り出す。これは比ΔImax/I(x)によって表現されることが可能であり、ここでΔImaxはx方向に沿った放射照度の最大ばらつきを意味する。集光装置601やこれ以降に述べられる集光装置で、選択される照明設定に関係無く比ΔImax/I(x)は0.5%未満である。y方向に沿って、他の理由で、例えばパルス量子化効果を削減するために不均一な放射照度分布が意図的に作り出されることもある。
【0065】
図4は集光装置60の第2の実施形態を示しており、これは全体として602で示される。レンズ・データと非球面定数はそれぞれ表4と5に与えられる。
【0066】
【表4】

【0067】
【表5】

【0068】
集光装置602は図3に示された集光装置601のプレートL11と同様の機能を有する2枚の薄いプレートL21、L28を含み、かつ非球面の前面を有する正のメニスカス・レンズL22を含む。後に続くレンズL23は殆ど同一の曲率を備えた表面を有するメニスカス・レンズである。レンズL24は殆ど平面状の前面と非球面の後面を備えた正のレンズである。レンズL25は、ここでも再び、正の屈折力を有するメニスカス・レンズである。レンズL26は負の両凹面レンズであり、レンズL27は平凹面レンズである。参照番号L28は、上述のプレートL11またはL21と同様の機能を有するが視野平面62の極めて近くに配置されるという違いを伴った別の平坦プレートを示す。したがってプレートL28は視野平面内または密接した近傍で変えられるべき特性を操作するために使用されることが可能である。
【0069】
レンズL24からL28は同軸光束702が集束するレンズの群を形成する。このレンズの群の中に、3つの凹面表面と1つの負のレンズすなわちレンズL26がある。表3から見られ得るように、集光装置602の光学特性は図3に示された集光装置601の光学特性に匹敵する。
【0070】
集光装置601および先行技術の知られている集光装置に比べて集光装置602のさらなる利点は(プレートL21は別にして)1つのレンズすなわちレンズL22のみがあってこれが開口絞りASに密接に近接して配置されることである。さらに正確に述べると、レンズL23の前面の物体側頂点86は、比hmr/hcrが1.7よりも小さくなるような大きい距離で瞳平面54から間隔を置かれる。
【0071】
これは以下の理由で有利である。瞳平面が一様に照明されない場合、例えば双極設定が使用される場合、瞳平面の直ぐ近傍に配置されるレンズに特に高い強度が生じることがある。石英ガラスまたは他の従来式のレンズ材料はそのような高い強度の存在下で大幅に劣化するという難点があるので、CaF2または類似した立方晶系結晶をレンズ材料として使用することがしばしば有利であり、なぜならばCaF2はDUV投影光に関して一層高い透過率を有し、高い光強度によって引き起こされる劣化に弱くないからである。他方で、CaF2は極めて高価な材料であり、したがってそれが不可欠でないケースへのその使用は制限されるべきである。
【0072】
1つのレンズ、ここではレンズL22のみが瞳平面に密接に近接して配置される場合、この1つのレンズに対してのみCaF2をレンズ材料として選択すれば十分である。すべての他のレンズL23からL28は石英ガラスまたは他の比較的安価な材料でもよい。なぜならばこれらは瞳平面から比較的遠くに離れており、したがって前述の劣化に晒されないからである。
【0073】
第1の実施形態に匹敵する光学特性を得るために、集光装置602は3つのみではなく4つの非球面表面を必要とする。
【0074】
図5は第3の実施形態による集光装置603を通る子午線方向の断面を示している。レンズ・データと非球面定数はそれぞれ表6および7に与えられる。
【0075】
集光装置603は光学設計と光学特性(表3参照)の両方の観点で集光装置602に匹敵する。しかしながら、レンズL23とL24が連結されて単一で厚いメニスカス・レンズL33を形成する。プレートL31と最初の薄いメニスカス・レンズL32のみがCaF2または類似した材料でできている。集光装置603のすべての他の光学素子は石英ガラスなどの従来式のレンズ材料でできている。
【0076】
【表6】

【0077】
【表7】

【0078】
第2の湾曲レンズすなわちレンズL33の前面の頂点88は比hmr/hcrが1.4よりも小さくなるような大きい開口絞りASからの距離で配置される。これは、レンズL33が瞳平面近傍の高い強度に起因する寿命劣化を被る危険を冒すことなく石英ガラスで作られることを可能にするように瞳平面から十分に遠く離れていることを意味する。
【0079】
図6は第4の実施形態による集光装置604を通る子午線方向の断面を示している。レンズ・データおよび非球面定数はそれぞれ表8および9に与えられる。
【0080】
【表8】

【0081】
【表9】

【0082】
集光装置604は光学設計と光学特性(表3参照)の両方の観点で実施形態2、3それぞれによる集光装置602、603に匹敵する。集光装置604の厚いメニスカス・レンズL44は集光装置603のレンズL34とL35の組合せとして想定されることが可能である。したがって、集光装置604は8つの湾曲表面のみを必要とし、これらのうちから4つの表面は非球面である。第2の湾曲レンズ(レンズL43)の頂点90における比hmr/hcrは約1.3の低さである。
【0083】
図7は第5の実施形態による集光装置605を通る子午線方向の断面を示している。レンズ・データと非球面定数はそれぞれ表10と11に与えられる。
【0084】
【表10】

【0085】
【表11】

【0086】
2枚の平坦プレートL51、L55は別として集光装置605は3個のレンズすなわち薄い両凸面レンズL52、厚い両凸面レンズL53、厚い負のメニスカス・レンズL54のみを含む。レンズL53とL54の後面のみが非球面である。第2のレンズの前面の頂点は92で示される。
【0087】
レンズL52はCaF2でできており、それに対して他の2個のレンズL53、L54は石英ガラスでできている。ここでも再び、他の材料は同様に意図される。
【0088】
表3から見られるように、集光装置605の特に単純な設計は結果として、実施形態1から4に比べてわずかに劣っている光学特性につながる。しかしながら、先行技術で知られている集光装置に比べると集光装置605はそれでもなお放射照度の勾配に関してはるかにより良い値を有する。
【0089】
図8は第6の実施形態による集光装置606と視野絞り対物レンズ666を通る子午線方向の断面を示している。レンズ・データと非球面定数はそれぞれ表12と13に与えられている。非球面表面は縦列1に星印で示される。
【0090】
集光装置606は図3に示された集光装置601のプレートL11と同様の機能を有する2枚の平坦プレートL61とL66を含む。集光装置606は非球面凸面の前面を有する薄い正のメニスカス・レンズL62、非球面凸面の後面を有する厚い正のメニスカス・レンズL63、非球面凸面の前面を有する厚い正のメニスカス・レンズL64、非球面凸面の前面を有する厚い負のメニスカス・レンズL65をさらに含む。
【0091】
集光装置606の第1の湾曲レンズL62は瞳平面54に密接に近接して位置付けられる。瞳平面54への集光装置606の最初の非球面表面の近接性Pfirstは約4.5である。結果として、この表面は球面収差を効果的に補正することが可能である。小さい球面収差のせいで、集光装置606は瞳平面54を横切る平行光束を、1.2mm未満のスポット径を有する視野絞り平面62内のスポット上に焦点を合わせる。
【0092】
【表12】

【0093】
瞳平面54へのレンズL62の近接性の結果として、最終的に材料の劣化という結果につながりかねない高い投影光強度が局所的に生じる可能性が高い。そのような劣化を防止するために、示された実施形態ではレンズL62はCaF2または200nm未満の投影光波長に関して極めて高い透過率を有する他の光学材料で作られる。しかしながら、レンズL62を瞳平面54からさらに遠くに位置付けることもやはり可能である。これは最大光強度を減少させ、それにより、意図される波長範囲でさらに高い吸収を有する材料でレンズL62が作られることが可能となる。照明システム12の光源30が200nmを超える波長を備えた投影光を作り出す場合、SiO2などの従来式の光学材料が代わりに使用されることが可能である。レンズL62を瞳平面52から遠くへ移動させることは集光装置606の設計の些少の変更のみを意味するが、スポット径を大きくする。
【0094】
【表13】

【0095】
視野平面62内のスポット径が1.2mmの値を大幅に超えることが許される場合、レンズL62は完全に省かれてもよい。このケース(図示せず)では、集光装置606は(プレートL61とL66は別にして)3個の厚いメニスカス・レンズL63、L64、L65のみを含む。
【0096】
視野絞り対物レンズ666は視野平面62内に配置された視野絞り64をマスク平面68上に結像させる。示された実施形態では、視野絞り対物レンズ666は弱く湾曲したのみの後面を備えた第1の負の両凹面レンズL661を含む。レンズL661の後方に、非球面凹面の前面を有する厚い正のメニスカス・レンズL662が配置される。視野絞り対物レンズ666は非球面の前面を有する両凸面レンズL663、非球面の後面を有する両凸面レンズL664、非球面の後面を有する両凸面レンズL665、正のメニスカス・レンズL666、負のメニスカス・レンズL667をさらに含む。
【0097】
視野絞り対物レンズ666の最初の4個のレンズL661からL664は視野平面62を視野絞り対物レンズ666の瞳平面67に変換する。最終の3個のレンズL665、L666、L667は、視野絞り対物レンズ666の瞳平面67をマスク平面68に変換する。
【0098】
視野絞り平面62に最も近く位置付けられる湾曲光学表面、すなわちレンズL65の後面とレンズL661の前面は両方共に凹面である。さらに特定すると、これらの表面は視野平面62上の軸上の点に対して殆ど同心である。これは、各々の凹面表面の湾曲の中心が視野平面62内のこの軸上の点と少なくともある程度一致することを意味する。両方の表面について、曲率の半径はそれぞれの表面の視野平面62からの軸方向の距離から1.75未満で逸脱する。概して、この比が2.5の値を超えなければこれは好都合である。さらに、曲率の半径は両方の隣り合う表面に関して同様の規模を有する。示された実施形態では、これらの規模は15%未満だけ異なる。
【0099】
表12によると、視野平面62とレンズL661との間の軸方向距離は53.4233mmである。曲率の半径は約133mmを超えてはならない。これは小さい入射角度、したがって一層少ない光学収差を保証する。
【0100】
しかしながら、そのような設計は少なくとも小型の従来式の照明設定に関して増大した二重反射比を生じさせる可能性が高い。二重反射比は、マスク16の前面で反射され、視野絞り対物レンズ666へと逆に戻って伝搬し、マスク16に入射するように再度光学面で反射され、それによってマスク16上の強度の均一性を妨害する光の量に関係する。しかしながら、二重反射された光は視野絞り対物レンズ666の瞳平面67全域にわたって配分され、それにより、瞳平面67内に配置される適切な隔膜69によって取り除かれることが可能である。そのような隔膜69は二重反射される光の強度を約1オーダーまたは2オーダーの規模でさえ削減することを可能にする。照明設定が瞳平面67内の隔膜69によって調節されることも(やはり)ある場合、隔膜69の位置およびその開口の直径はシミュレーションによって決定されなければならない。
【0101】
図8に示された実施形態では、視野絞り対物レンズ666の最初のレンズL661は両凹面である。しかしながら、これは凹凸面レンズで形成されることもやはり可能である。これは視野絞り平面62と視野絞り対物レンズ666との間の作動距離が大きくされると有利である。作動距離が大きくなるほどレンズL661の前面の曲率の半径も視野平面62に関するその軸方向距離に一層近づく。しかしながら大きい作動距離は視野平面62の近くに配置される最初の3個のレンズL661、L662、L663の増大した開口部という結果にもやはりつながる。これはコストを増大させ、それにより、一方では大きい作動距離と他方ではコストとの間で妥協点が見出されなければならない。
【0102】
視野絞り対物レンズ666の最初のレンズL661における周縁光線の小さい高さのせいで、このレンズは少量の球面収差とコマ収差のみを導入する。
【0103】
視野絞り対物レンズ666の中の瞳平面67はコマ収差と斜めの球面収差に関して補正される。非点収差の補正は不必要である。隔膜69は周縁光線とコマ光線が互いに交差する正接焦点面内に配置される。マスク平面68内の0.4mm未満の小さいスポット径にもかかわらず、隔膜69が大幅な量の光を抑えればテレセントリック、均一性、楕円率の視野依存性効果が観測されることもある。これらの効果を削減するために、隔膜69はその幾何学的位置から最大+/−0.5mmで軸方向に移動させられてもよい。
【0104】
瞳平面67内の隔膜69は普通では照明システム12の最大開口数NAに関して設計される。開口数をさらに小さい値へと減少させるために、隔膜69の開口径が変えられてもよく、かつ/または隔膜69の位置が光軸26に沿って移動させられてもよい。
【0105】
視野絞り対物レンズ666の最終段レンズL667の負の屈折力の絶対値は前段のレンズL666の正の屈折力の値よりも大きい。これは球面瞳収差の過剰補正を生じさせる。正のレンズL666上の主光線の一層大きい高さの結果として、レンズL666とL667の組合せの全体的な屈折力はそれでもなお正である。
【0106】
図9は全体として666’で示される視野絞り対物レンズに関する代替策の設計を示している。視野絞り対物レンズ666’のレンズ・データと非球面定数は表14と15にそれぞれ与えられる。非球面表面は縦列1内に星印で示される。
【0107】
図9に示された視野絞り対物レンズ606’と図8に示された視野絞り対物レンズ606との間の主な違いは視野絞り対物レンズ666の最終の3個のレンズL665からL667が2個のレンズL665’とL666’で置き換えられていることである。レンズL665’は非球面の後面を有する両凸面レンズである。レンズL665’の正の屈折力は図8に示された視野絞り対物レンズ666のレンズL665とL666の組合せの正の屈折力に殆ど等しい。最終段の湾曲レンズL666’は図8に示された実施形態のレンズL666と同様に負のメニスカス・レンズである。
【0108】
【表14】

【0109】
【表15】

【0110】
図8と9に示された実施形態は概して、集光装置606が最大1.2mradまでの一層大きいテレセントリック誤差を有するという点で前に述べられた実施形態とは異なる。この値は図3から6に示された実施形態の集光装置のテレセントリック誤差よりも大幅に大きい。これは、湾曲表面を備えた4個のみ、またはわずかに大きい球面収差が受容可能であれば3個のみのレンズが必要とされるという利点を有し、それに対して図3から5に示された実施形態は5個または6個の湾曲レンズを必要とする。
【0111】
しかしながら集光装置606のわずかに劣った光学特性は視野絞り対物レンズ666または666’によって十分に補償される。さらに正確に述べると、集光装置606と視野絞り対物レンズ666または666’から成るサブシステム全体はマスク平面68において0.3mrad未満のテレセントリック誤差を有する。これは16.4mmの幾何光学的線束を有する光学的サブシステムにとって極めて低い値である。したがって、マスク平面68におけるテレセントリック誤差、および同様に均一性と楕円率に関する極めて厳しい仕様でさえも図8、9に示された設計で十分に満たすことが可能である。
【0112】
したがって、集光装置と視野絞り対物レンズの設計を各々の構成要素に関して分離せず、集光装置と視野絞り対物レンズから成る全体的な光学的サブシステムに関して最適化することが好都合である。一方で集光装置、他方で視野絞り対物レンズの光学特性を適切に調節することによって、特にテレセントリック誤差のマスク平面68において必要とされる或る一定の光学特性からの偏差を2または4の大きさでさえあってもよい因数で許容することが可能である。同様の考慮が視野絞り平面62とマスク平面68内のスポット・サイズに当てはまる。この新たな手法によると、集光装置の残存瞳収差は受容されるが後に続く視野絞り対物レンズによって十分に補正される。
【0113】
隔膜69は二重反射光のみでなく、(場合によっては)前段の光学素子内で作り出された散乱光も遮蔽することができる。散乱光は主に不定の方向で投影光を散乱させる光学材料内の微小欠陥によって主に作り出される。照明システムのレンズの取付け台またはハウジングによって吸収される散乱光の部分は普通では些細な懸案事項である。しかしながら散乱光が最終的にマスクに到達するような方向に伝搬する場合、マスクに入射する投影光の強度と角度の分布に関して不均質を生じさせることもある。マスクに入射する散乱光の強度を減少させるために、隔膜69の開口は散乱光の大部分が隔膜69によって最終的に遮蔽され、したがってマスクに入射するのを阻止されるように決定されてもよい。
【0114】
散乱光が視野絞り対物レンズ666内に配置された隔膜69によって遮蔽される場合、投影光の角度分布(すなわち照明設定)が変えられる度に隔膜69の開口を再調節することが必要になるであろう。
【0115】
そのような再調節を避けるために、散乱を遮蔽するための隔膜を照明設定によって影響されない位置に配置することが有利である。これらの考え得る位置のいくつかは、図2に示された照明システム12に類似した照明システム12’を示す図10を参照して下記で述べられる。集光装置60の後に続く光学素子は示されないが、それに対して光源30と第1の光学的ラスタ素子34との間の追加的な部品類が概略で例示される。
【0116】
これらの追加的な部品類はレンズ110、112、屈曲用ミラーM1からM4、ビーム均質化ユニット114、偏光(解消)ユニット116を含むこともある。示された実施形態では、偏光(解消)ユニット116は偏光器または偏光解消器が交換ホルダの中に挿入されることが可能となるように構成される。
【0117】
散乱光を遮蔽するために使用される隔膜に関して考え得る1つの位置は、光源30、均質化ユニット114、中間のすべての部品類を含む照明システム12’の一部分の中である。この部分はときにはビーム供給モジュールと称される。示された実施形態では、均質化ユニット114の内側で隔膜に関して考え得る位置は69aで示される。
【0118】
隔膜69aは、開口の直径および/または幾何学形状が変えることができるように調節可能であってもよい。別々の機械的素子を使用するのではなく、隔膜は概して、光学素子の適切な表面に貼付されて投影光にとって不透明である材料で作られる層によって形成されてもよい。隔膜の開口の直径および/または幾何学形状を変えるために、異なる層を担持する光学素子を代替として使用してもよい。前述の見解は概して、本願明細書の背景にあるすべての隔膜に当てはまり、したがってビーム供給モジュールの中の位置に限定されない。
【0119】
散乱光を遮蔽するために使用される隔膜に関して考え得る他の位置は、偏光(解消)ユニット116である。ここでは隔膜69bは偏光(解消)ユニット116の前面に貼付された層で表わされる。
【0120】
散乱光を遮蔽するために使用される隔膜に関して考え得るさらなる位置は第1の光学的ラスタ素子34である。ここでも再び、隔膜69cは第1の光学的ラスタ素子34に貼付された層で表わされる。
【0121】
散乱光を遮蔽するために使用される隔膜に関して考え得るなおもさらなる位置は照明設定を変えるために移動させられることが可能な第1の光学素子の前段の場所の対物レンズ44の内部である。図10では、これはズーム・レンズ群44のうちの固定レンズ118と可動レンズ120との間に配置された隔膜69dで例示される。照明設定が変えられたとしても適合を必要とせず、それでもなお隔膜69dは多数の光学素子、すなわち光源30と隔膜69dとの間のすべての光学素子内に作り出される散乱光を遮蔽するので、この位置はおそらく最も好都合な位置である。
【0122】
照明システム12’内で散乱光を遮蔽するために複数の隔膜が使用されることもあることは理解されるべきである。他方で、そのような隔膜がいずれかの他の任意の照明システム、すなわちさらに上記で述べられた集光装置と視野絞り対物レンズとは無関係のシステム内で上記で検討された位置のうちの1つまたは複数で都合良く使用されることもあることは前述から明らかである。
【0123】
好ましい実施形態の以上の説明は例として与えられてきた。与えられた開示から、当業者は本発明および付随する利益を理解するのみでなく、開示された構造および方法に対する明白であって多様な変形形態および改変形態を見出すであろう。したがって、添付の特許請求項およびその等価事項によって定義される本発明の精神と範囲の中に入るものとしてすべてのそのような変形形態および改変形態を網羅するように出願人は求める。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロリソグラフィ露光装置(10)の照明システム(12)のための集光装置であって、瞳平面(54)を視野絞り(64)が配置される視野平面(62)に変換し、複数の連続したレンズを含むレンズ群(L14、L15、L16、L17;L24、L25、L26、L27、L28;L34、L35、L36、L37;L44、L45、L46;L53、L54、L55)を有し、
a)前記集光装置(601;602;603;604;605)によって軸上の結像点(72)に焦点を合わせられる光束(70)が前記レンズ群の各々のレンズの中で集束するように前記レンズが配置され、
b)前記レンズ群のうちの少なくとも1つのレンズ(L15、L16、L17;L25、L26;L34、L44、L45;L54)が凹面の表面を有する集光装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのレンズ(L16;L26;L35;L44)が負の屈折力を有する請求項1に記載の集光装置。
【請求項3】
前記負のレンズがメニスカス・レンズ(L44)である請求項2に記載の集光装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのレンズが正の屈折力を有するメニスカス・レンズ(L54)である請求項1に記載の集光装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのレンズ(L15、L16、L17;L25、L26;L34、L44、L45;L54)が前記視野平面(62)の最も近くに位置する4個の湾曲レンズのサブグループ内に含まれる先行する請求項のいずれかに記載の集光装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つのレンズ(L15、L16、L17;L25、L26;L34、L44、L45;L54)が前記視野平面(62)の最も近くに位置する3個の湾曲レンズのサブグループ内に含まれる請求項5に記載の集光装置。
【請求項7】
前記レンズ群が非球面の表面を有するレンズ(L12、L13、L14;L22、L24、L26;L32、L33、L34、L35;L42、L43、L44;L53、L54)を含む先行する請求項のいずれかに記載の集光装置。
【請求項8】
前記集光装置(601;602;603;604;605)がhmax・NAi>15mmである像側開口数NAiおよび最大像高さhmaxを有する請求項7に記載の集光装置。
【請求項9】
前記集光装置(601;602;603;604;605)が450mm未満の軸方向長さを有する先行する請求項のいずれかに記載の集光装置。
【請求項10】
マイクロリソグラフィ露光装置(10)の照明システム(12)のための集光装置であって、前記集光装置(601;602;603;604;605)が、
a)瞳平面(54)を視野絞り(64)が配置される視野平面(62)に変換し、
b)光軸(26)、hmax・NAi>15mmである像側開口数NAiと最大像高さhmax、および3mrad未満の光軸に対する像側のテレセントリック誤差を有する集光装置。
【請求項11】
0.5mrad未満の像側のテレセントリック誤差を有する請求項10に記載の集光装置。
【請求項12】
0.2mrad未満の像側のテレセントリック誤差を有する請求項11に記載の集光装置。
【請求項13】
前記光軸(26)上で前記視野平面(62)を横切る周縁光線(74)の高さ(hmr)に対する、前記光軸(26)から最大距離(hmax)で前記視野平面(62)を横切る主光線(78)の高さ(hcr)の比が1.5を超えるように前記視野平面(62)から距離を置いて位置決めされる像側の頂点を備えた非球面表面を有する請求項10から12のいずれかに記載の集光装置。
【請求項14】
前記比が1.9を超える請求項13に記載の集光装置。
【請求項15】
マイクロリソグラフィ露光装置(10)の照明システムであって、
a)瞳平面(54)と、
b)視野平面(62)と、
c)前記視野平面(62)内に配置された視野絞り(64)と、
d)前記視野平面(62)をマスク平面(68)に結像させ、主光線の物体側分布を備えた入射瞳を有する視野絞り対物レンズ(66)と、
e)前記瞳平面(54)を前記視野平面(62)に変換し、主光線の像側分布を備えた射出瞳を有し、光軸(26)、hmax・NAi>15mmである像側開口数NAi、最大像高さhmaxを有する集光装置(601;602;603;604;605)と
を有し、
前記視野絞り対物レンズ(66)の前記入射瞳内と前記集光装置(601;602;603;604;605)の前記射出瞳内の対応する主光線の方向が1mrad未満だけ異なる照明システム。
【請求項16】
前記視野絞り対物レンズ(66)の前記入射瞳内と前記集光装置(601;602;603;604;605)の前記射出瞳内の対応する主光線の前記方向が0.5mrad未満だけ異なる請求項15に記載の照明システム。
【請求項17】
前記視野絞り対物レンズ(66)の前記入射瞳内と前記集光装置(601;602;603;604;605)の前記射出瞳内の対応する主光線の前記方向が0.2mrad未満だけ異なる請求項16に記載の照明システム。
【請求項18】
前記光軸(26)上で前記視野平面(62)を横切る周縁光線(74)の高さ(hmr)に対する、前記光軸(26)から最大距離(hmax)で前記視野平面(62)を横切る主光線(78)の高さ(hcr)の比が1.5を超えるように前記視野平面(62)から距離を置いて位置決めされる像側の頂点を備えた非球面表面を有する請求項15から17のいずれかに記載の照明システム。
【請求項19】
前記比が1.9を超える請求項18に記載の照明システム。
【請求項20】
マイクロリソグラフィ露光装置(10)の照明システム(12)において瞳平面(54)を視野絞り(64)が配置される視野平面(62)に変換するための集光装置であって、前記集光装置(601;602;603;604;605)が
a)光軸(26)、hmax・NAi>15mmである像側開口数NAi、最大像高さhmaxを有し、
b)前記瞳表面(54)から順に、湾曲した第1のレンズ(L22;L32;L42;L52)と湾曲した第2のレンズ(L23、L33、L43;L53)を含み、前記光軸(26)から最大距離(hmax)で前記視野平面(62)を横切る主光線(78)の高さ(hcr)に対する、前記光軸(26)上で前記視野平面(62)を横切る周縁光線(749)の高さ(hmr)の比が1.8未満になるように前記瞳平面(54)から距離を置いて位置決めされる物体側の頂点(86;88;90;92)を前記第2のレンズが有する集光装置。
【請求項21】
前記比が1.4未満である請求項20に記載の集光装置。
【請求項22】
前記比が1.2未満である請求項21に記載の集光装置。
【請求項23】
前記第1のレンズ(L22;L32;L42;L52)が立方晶系結晶でできており、前記第2のレンズ(L23、L33、L43;L53)が石英ガラスでできている請求項20から22のいずれかに記載の集光装置。
【請求項24】
すべてのレンズが立方晶系結晶でできており、これのために前記光軸(26)から最大距離(hmax)で前記視野平面(62)を横切る主光線(78)の高さ(hcr)に対する、前記光軸(26)上で前記視野平面(62)を横切る周縁光線(749)の高さ(hmr)の比が2を超える請求項20から23のいずれかに記載の集光装置。
【請求項25】
前記比が3を超える請求項24に記載の集光装置。
【請求項26】
マイクロリソグラフィ露光装置(10)の照明システム(12)において瞳平面(54)を視野絞り(64)が配置される視野平面(62)に変換するための集光装置であって、条件
sin(α)=p/((1+Δx)・f)
が前記視野平面(62)内の任意の結像点に入射するいずれの任意の光線についても有効であり、ここでfは前記集光装置の焦点距離であり、αは前記結像点に入射する前記光線の入射の角度であり、pは前記集光装置の光軸と前記光線が前記瞳平面を通過する瞳点との間の距離であり、Δxは正弦条件からの偏差であって絶対値|Δx|≦0.018を有する集光装置。
【請求項27】
|Δx|≦0.01である請求項26に記載の集光装置。
【請求項28】
|Δx|≦0.005である請求項26に記載の集光装置。
【請求項29】
マイクロリソグラフィ露光装置(10)の照明システム(12)において瞳平面(54)を視野絞り(64)が配置される視野平面(62)に変換するための集光装置であって、前記集光装置(601;602;603;604;605)が
a)像側の開口数NAi<0.26と、
b)f<250mmの焦点距離fと、
c)瞳直径dp>120mmと、
d)視野直径df>100mmと、
e)前記露光装置の走査方向に対して直角であるX方向に沿って前記視野平面(62)内の放射照度I(x)の最大ばらつきΔImaxとを有し、ΔImax/I(x)が照明設定に関係無く1%未満である集光装置。
【請求項30】
ΔImax/I(x)<0.5%である請求項29に記載の集光装置。
【請求項31】
請求項1から14および20から30のいずれかに記載の集光装置(601;602;603;604;605)を有する、マイクロリソグラフィ露光装置(12)の照明システム(10)。
【請求項32】
前記瞳平面(54)内または密接した近傍に配置された光学的ラスタ素子(56)を含み、前記光学的ラスタ素子(56)が150mm未満の直径および0.28と0.35との間の出口側開口数を有する請求項31に記載の照明システム。
【請求項33】
前記視野平面(62)をマスク平面(68)上に結像させる視野絞り対物レンズ(66)を有する請求項31または32に記載の照明システム。
【請求項34】
前記視野絞り対物レンズ(66)が少なくとも部分的に前記集光装置(601;602;603;604;605)の残存瞳収差を補正する請求項33に記載の照明システム。
【請求項35】
請求項31から34のいずれかに記載の照明システム(12)と、前記マスク平面を感光層の上に結像させるための投影対物レンズとを有するマイクロリソグラフィ投影露光装置。
【請求項36】
a)前記投影対物レンズ(20)が主光線の物体側分布を備えた入射瞳を有し、
b)前記集光装置(601;602;603;604;605)が主光線の像側分布を備えた射出瞳平面を有し、
c)前記視野絞り対物レンズ(66)が主光線の像側分布を備えた射出瞳を有し、
d)前記視野絞り対物レンズの前記主光線の像側分布が、前記集光装置の前記主光線の像側分布がするよりも一層密接に前記投影対物レンズの前記主光線の物体側分布と一致する請求項35に記載の投影露光装置。
【請求項37】
マイクロリソグラフィ投影露光装置(10)の照明システム(12)であって、
a)瞳平面(54)と、
b)視野平面(62)と、
c)前記瞳平面(54)を前記視野平面に変換する集光装置(606)と、
d)前記視野平面(62)をマスク平面(68)上に結像させる視野絞り対物レンズ(666;666’)とを有し、前記視野絞り対物レンズ(666;666’)が少なくとも部分的に前記集光装置(606)の残存瞳収差を補正する照明システム。
【請求項38】
a)前記集光装置(606)が最大テレセントリック誤差角度αcを有し、
b)前記視野絞り対物レンズ(666;666’)が像側の最大テレセントリック誤差角度αo<0.8・αcを有する請求項37に記載の照明システム(12)。
【請求項39】
αo<0.5・αcである請求項38に記載の照明システム。
【請求項40】
αo<0.3・αcである請求項39に記載の照明システム。
【請求項41】
αo<0.5mradである請求項38から40のいずれかに記載の照明システム。
【請求項42】
前記視野絞り対物レンズ(666;666’)がhmax・NAi>15mmである像側開口数NAiおよび最大像高さhmaxを有する請求項37から41のいずれかに記載の照明システム。
【請求項43】
前記集光装置(606)が少なくとも4個のメニスカス・レンズ(L62、L63、L64、L65)を有する請求項37から42のいずれかに記載の照明システム。
【請求項44】
二重反射光および/または散乱光を遮蔽するための隔膜(69;69a;69b;69c;69d)を有する請求項37から43のいずれかに記載の照明システム。
【請求項45】
前記隔膜(69)が前記視野絞り対物レンズ(666;666’)の瞳平面(67)内または密接した近傍に位置付けられる請求項44に記載の照明システム。
【請求項46】
投影光が沿って伝搬する伝搬方向で見ると前記隔膜(69a;69b;69c)が、前記投影光の角度分布を変えるために調節可能であるいずれの光学素子(118、50、52)よりも前の位置に配置される請求項44または45に記載の照明システム。
【請求項47】
前記調節可能な光学素子(118、50、52)が光軸(26)に沿って移動可能である請求項46に記載の照明システム。
【請求項48】
前記調節可能な光学素子がズーム対物レンズ(46)のうちのレンズ(118)である請求項47に記載の照明システム。
【請求項49】
前記照明システム(12’)が、幾何光学的線束を増大させる第1の光学素子である光学的ラスタ素子(34)を含み、前記投影光が沿って伝搬する伝搬方向で見ると前記隔膜(69c)が前記光学的ラスタ素子(34)の前段に位置付けられる請求項44から48のいずれかに記載の照明システム。
【請求項50】
投影光を偏光(解消)するための偏光(解消)器(116)を有し、前記投影光が沿って伝搬する伝搬方向で見ると前記隔膜(69a;69b)が前記偏光(解消)器(116)の前段に位置付けられる請求項44から49のいずれかに記載の照明システム。
【請求項51】
前記隔膜(69a;69d)が可変の開口を有する請求項44から50のいずれかに記載の照明システム。
【請求項52】
前記隔膜(69a;69d)の開口を変えるための調節メカニズムを有する請求項51に記載の照明システム。
【請求項53】
前記隔膜(69b;69c)が、投影光にとって不透明であり、かつ投影光が通って伝搬するかまたは反射される光学素子(116;34)に貼付される層によって形成される請求項44から50のいずれかに記載の照明システム。
【請求項54】
a)前記集光装置(606)が、前記視野平面(62)の直ぐ隣に配置されてd1<r1<2.5・d1で曲率半径r1と前記視野平面からの軸方向距離d1を有する第1の凹面光学面を有し、
b)前記視野絞り対物レンズ(666;666’)が、前記視野平面(62)の直ぐ隣に配置されてd2<r2<2.5・d2で曲率半径r2と前記視野平面からの軸方向距離d2とを有する第2の凹面光学面を有する請求項37から53のいずれかに記載の照明システム。
【請求項55】
前記視野平面(62)からの前記視野絞り対物レンズ(666;666’)の作動距離が10mmと90mmの間である請求項54に記載の照明システム。
【請求項56】
前記曲率半径r1が80mmよりも大きい請求項54または55に記載の照明システム。
【請求項57】
前記曲率半径r2が80mmよりも大きい請求項54から56のいずれかに記載の照明システム。
【請求項58】
a)前記集光装置(606)が、前記瞳平面(54)に入るコリメートされた光束を1.2mm未満のスポット径を有する前記視野平面(62)内のスポットに焦点を合わせ、 b)前記視野絞り対物レンズ(64)が前記視野平面(62)内の点を0.4mm未満のスポット径を備えたスポットとしてマスク(16)上に結像させる請求項37から57のいずれかに記載の照明システム。
【請求項59】
請求項37から58のいずれかに記載の照明システム(12)を有する、マイクロリソグラフィ投影露光装置。
【請求項60】
微細構造のデバイスを製作するマイクロリソグラフィ方法であって、
a)感光層(22)を担持する基板(24)を供給する工程と、
b)前記感光層(22)上に結像させられるべき構造(18)を有するマスク(16)を供給する工程と、
c)請求項35もしくは36または請求項59に記載の投影露光装置(10)を供給する工程と、
d)前記マスク(16)の少なくとも一部を前記感光層(22)上に投影する工程とを含む方法。
【請求項61】
請求項60に記載の方法に従って製作される微細構造のデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−103724(P2012−103724A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−3823(P2012−3823)
【出願日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【分割の表示】特願2008−508146(P2008−508146)の分割
【原出願日】平成18年4月26日(2006.4.26)
【出願人】(503263355)カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー (435)
【Fターム(参考)】