説明

マイクロ反応器を製造するためのプロセスとリフォーマとしてのその使用

プレコート法を用いて触媒が装填された通路を有するマイクロ構造化反応器を製造するために、次の方法工程で構成される方法がもたらされた、即ち、a)結合領域及び、通路が形成された通路領域を有した反応体層を作ること、b)結合領域において、少なくとも一つの結合層を反応体層上に着けること、c)反応体層に通路領域において触媒を装填すること、及びd)反応体層を結合することであるが、反応体層に触媒が装填される前に結合層が着けられ、且つ遮蔽される。その結果、製造中に触媒の有効性が影響されないことを保証する。反応器は特にメタン及びメタノールリフォーマとして用いられ得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒に続く通路を備えて構成される化学反応器を製造する方法、並びに、本発明に従って製造された反応器の炭化水素及びアルコールリフォーマとしての使用に関する。
【背景技術】
【0002】
プロセス及びエンジニアリングの両方に関し、高まる小型化及び効率的なエネルギーマネジメントの必要性の結果、化学反応器の構成部品及びシステム(システム統合)の設計において、微細(マイクロ)構造化反応器、熱交換器及び冷却器(マイクロ構造化構成部品)が研究及び開発プロジェクトの両方において用いられており、かつ、第一産業プロセスにおいてすら使用開始されている。マイクロ構造化構成部品は、一般的に微細な構造体によって特徴付けられた薄い金属箔の積み重ねから構成されている。非常に微細な溝を備えた構成部品は、構造化金属シートを結合することによって得られる。金属シートは、ドライエッチング、湿式化学的ディープエッチングまたは機械的マイクロ製造によって構造化されても良い。
【0003】
【特許文献1】DE 198 25 102 C2
【特許文献2】DP 1 415 748 A2
【特許文献3】EP 1 198 344 B1
【特許文献4】DE 197 08 472 C2
【非特許文献1】ジェー・エム・トーマス(J. M. Thomas)、ダブリュ・ジェイ・トーマス(W. J. Thomas)、「不均一触媒の原理と応用(Principles and Practice of Heterogeneous Catalysis)」、化学出版(Verlag Chemie)、バインハイム(Weinheim)、1997年
【非特許文献2】ダブリュ・エールフェルト(W. Ehrfeld)、ヴィ・ヘッセル(V. Hessel)、エイチ・ロウェ(H. Loewe)、「マイクロリアクター(Microreactors)」、ウイリー-VCH出版(WILEY-VCH Verlag)、2000年
【非特許文献3】DIN 8505
【非特許文献4】DVS 報告(レポート)132、DVS出版、1990年
【0004】
通常、構造化金属シートにはカバーと底板が備えられ、かつ、圧縮構成部品部分に組み立てられる。構成部品部分がかようにして構成される場合、最も高い熱及びパワー交換が、最小の構成部品容量によって成し遂げられ得る、その際、構成部品におけるフローコンディション(流れ条件)は選択的に調節可能であり、かつ、微細溝内において恒温条件が実現される。
【0005】
典型的には50〜2000μmの範囲の溝深さを有するこの構造体は、例えばドライエッチングによって、湿式化学的ディープエッチングによって、レーザービームによって、LIGA方法によって、放電加工、又は機械的マイクロ製造によって、製造されても良い。反応器は例えばシリコンチップ技術の手法を用いて製造されても良い(様々な層を結合するために、示された典型的な結合条件は450℃、750V:陽極接合)。これら構成部品の構造化層、即ち、主部品用シート金属には、最終的にはカバーと底板が備えられ、かつ、圧縮構成部品部分に結合される。入口及び出口領域の接合のために、二つかそれ以上の通路が好ましくはカバー板にエッチングされ、穿孔され、又はレーザー照射される。
【0006】
マイクロ構造化反応器は典型的に、反応物質が適切な接合部を介して入る入口領域を有し、かつ、そこから全ての溝にわたって均一に分散し、かつ、溝内に生じた生成物はそこから出口領域を通って反応器を出るようにもたらされる。溝は触媒によって被覆されても良い。これら溝並びにこれら溝間のウェブの幾何学的形状及び配列はこのようにして設計され、それによって流体力学、熱伝達、及び圧力損失は互いに最適な比を有し、上記比は各用途によって規定される。構成部品の内部構造は最小表面積において最大の熱及びパワー交換を可能にし、一方で流れ条件が特に調節可能であり、かつ高い恒温が溝内で広がる。この恒温は、流体溝内において、反応性に逆に作用する又は用いられた触媒を不活性にすらするかもしれないホット及びコールドスポットと参照されるものの回避において大いに必要条件となる。ホット及びコールドスポットを回避することに加え、従来の反応器と比較して、反応器稼動中の、より厳密な温度制御の可能性が望まない副反応を抑制し、選択性又は製品生産量を高め、かつ、最終的には化学反応の利益を顕著に増大するという結果ももたらす。それに加え、炭化によって生じたような触媒システム上の析出物は、この温度制御によって回避され得る。
【0007】
その上、マイクロ構造化反応器内の迅速な熱散逸が、高められた安全基準を確保し得る。従って、激しい発熱反応が爆発限界以内にさえも制御され得る。また、短い熱反応時間によって、上記反応器のシステムは特に、流量及び温度のような反応条件を迅速に変更することを必要とする動的プロセスに適している。
【0008】
全ての化学産業製造プロセスの90%以上が触媒を用いて実施している(非特許文献1)。これは特にガス相反応に用いられている。この大きな数字に鑑みて、実際に未だ解決されていない問題は、工業規模におけるマイクロ構造化反応器内の触媒反応を上手く進めるための方法を見出すことにある。
【0009】
従来の反応器を充填するために、固体吸着床反応器の触媒吸着床内の本体中に入れられる、触媒活性ペレット、ボール、ラシヒリング、バールサドル、粉体等が市販されている。特に短い停滞時間での反応のために、触媒メッシュ、大抵は貴金属メッシュが用いられる。市販のコーティング及び触媒のこれら形状は、マイクロ構造化反応器には使えない又は条件付で使用可能である。このことは、例えば溝詰まりの危険性、圧触損失の増大、不均一な流体プロファイル、その結果生じる不均一な濃度及び温度プロファイル並びに、ホット/コールドスポットの出現によるものであって、これらは全て触媒に与えられた形状によるものである。これが、マイクロ構造化反応器がとりわけ、物理蒸着法(PVD)又は化学蒸着法(CVD)、湿式含浸又は析出(非特許文献2)によって特に薄い触媒層を形成するために、薄め塗膜(スラリーコーティング)と解釈されるもの、又は、ゾル−ゲル法を用いることによって被覆される理由である。全ての被覆方法は、反応器が結合された後に触媒で反応溝を充填することのみによっており、このプロセスは以降、ポストコート(post-coat)と参照されるが、触媒は入口及び出口接合部を装着することを含む反応器の完成(品)のみにおける溝内に触媒が導入されることを意味している。ここで用いられる懸濁液及び乳濁液の粘度は、それらが詰まるのを防ぐために用いられる反応器の溝に必要な最小直径を制限する。用いられる触媒の量及び分布均一性は、一旦反応器が装着されると、もはや非破壊的な制御には従わない。従って入口及び出口領域も触媒によって汚染され、又は、完全に被覆すらされ、それによって反応が不十分に起こったり、又は、構造化された反応器核の外側で起こり続ける。このことは、より劣った温度制御という結果となり得、その結果より劣った反応制御、望まない副反応、及び転化の減少及び選択性の減少という結果となり得る。従って微小構造技術の利点は大いに失われる。
【0010】
結合処理を実施した後に反応器内に触媒を導入する他の理由は、これまで作られたマイクロ構造化反応器を製造する全ての方法のために用いられた反応器を最終的に不可逆的に接合(結合)するための技術は、さもなければ触媒を破壊する又はひどく影響するであろう技術であったからである。見つけられた唯一の代替は、結合するためではなく、反応器を互いにネジで取り付けるためのものである。研究室スケールにおいて、ゆるく積層された又は機械的に保持された箔が触媒と共に導入されている固いハウジングから作られたマイクロ構造化反応器が用いられている。通常これら反応器は機械的ネジ止めによって装着される。一つの利点は、分離している箔がハウジングを破壊することなく迅速に交換可能であるということである。主な不利益は漏れの危険性であって、危険物の潜在的な漏れ、並びにより劣った熱的結合に影響を与える。この理由で、このように結合された反応器においてはシールが必要であって、上記シールは使用可能な温度範囲を著しく制限する。また、熱的結合及びその結果として、総金属(ネジ止めではない)反応器における熱分布及びこれを基にしてプロセス制御が著しく改善される。
【0011】
上記理由から、組立前に反応溝内に触媒を導入するための様々な試みが成された。かかる方法はポストコート(post-coat)とは対照的にプレコート(pre-coat)と参照される。
【0012】
反応器内に触媒を詰め込むためのプレコート法は、被覆厚み、触媒量、析出の均一性及び位置に関して、着けられた触媒層の厳密な品質管理を可能にする。その上、触媒による入口及び出口領域の汚染を防ぐ。適切な結合処理が用いられる場合に初めて微細構造体が温度に影響され易い(感温性の)触媒を詰め込まれ得る。これは、微細構造技術への均一な触媒装着の広い分野を開く。感温性触媒使用のための必須条件は、触媒の温度安定性に合った結合温度であり、一方で反応器の温度安定性が化学的転化を実施するのに十分であることを確保しなければならないことである。
【0013】
しかし、現在のところ実施において好んで使用されているマイクロ構造化反応器を結合する全ての方法は、処理条件及び/または用いられる添加剤(例えばフラックス剤)を理由として、触媒を装着するためのプレコート法を不可能にしている。
【0014】
拡散溶接は、(例えば1000℃の)高い結合温度、高い圧力、並びに結合中に良好な真空度を必要とする。良好な真空度は、結合されるべき構成部品の表面における酸化物の形成を最小化するために用いられる、というのは、酸化物層は首尾の良い結合に著しく影響するであろうからである。この方法の他の不利益は、長い保持及び処理時間である。必要とされる高い温度は、プレコート感温性触媒にとって拡散溶接の使用を全く不適切にする。現在の認識によると、これら条件下では高温触媒と認められたものさえも不活性化される又はそれらの活性が著しく影響される。
【0015】
特許文献1は、圧縮触媒反応器を製造する方法を記載している。この方法は、結合前の触媒装着と、構成部品を結合するための半田付けを含む。本発明の方法と比較して、特許文献1は通路溝内及びウェブ上に結合層を装着することを教示してはいない。ウェブを横切る結合の欠如は、様々な反応体層のより劣った熱的カップリングという結果を大抵もたらす。反応体層間の熱伝導の妨害は、総金属微細構造構成部品における大きな方法利点である恒温を妨げる、それによって反応器内反応内での温度制御を限りなく低くすることになる。様々な通路溝間で横漏れが更に出現し得、かかる漏れは望まない混合及び反応を引き起こす。このことが選択性及び収率の損失を起こすかもしれない。外側からの締め付けを確保するために、様々な反応体層が互いに積み重ねられる前に、境界が単純に折り曲げられる。半田箔を用いる特許文献1に記載された結合処理がガス密結合を確保していないということから、これは必要である。その上、半田箔の使用は通路溝の詰まりを生じるかもしれない。
【0016】
接着結合は所望の温度耐性を十分に満たさず、且つ構成部品の熱伝導に著しく影響する。また、添加剤、溶剤又は接着結合自身が用いられる触媒と相互作用する。
【0017】
更に、接着剤の不均一な塗布によって溝が詰まる危険性は非常に高い。
【0018】
真空又は不活性ガス雰囲気に於いて実施される熱結合法としての軟蝋付けづけ(soft soldering)は、大きなスケールにおいて用いられる。そのために微細構造体上で用いられる半田箔又はペーストは、溝が詰まる原因となり、それによって微細構造構成部品の結合におけるそれらの使用は、適切ではない。また、フラックス剤の添加は、微細溝の半田ギャップ内におけるそれの蓄積のために腐食を生じ得、短すぎる温度分布(温度プロファイル、temperature profile)又はフラックス剤の誤った化学組成が穴をあける原因となったり、且つその上、複雑で費用の高い排水及び空気の浄化によってのみ限りなく低くされるかもしれない環境への高い影響を伴う。更にまた、フラックス剤とベース材料の合金添加物とのあいだの望まない反応が生じるかもしれなく、それによって首尾の良い結合を妨げる。商売被覆された反応器の製造におけるフラックス剤の使用は、触媒を不活性化するかもしれない。
【0019】
反応制御及び高い安全基準に関する上記利点に加え、微細構造構成部品は以下の重要な技術要件に合致すべきである。
1.溝の間と外界に対しての両方における、十分な気密度、
2.十分な耐圧性又は強度、
3.用いられる媒体に対する十分な耐食性、
4.十分な温度耐性、
5.自由で(開放された)、幾何学的に均一な流体溝。
【0020】
製造方法に出された主な要求は、以下のように要約され得る。
1.全体的なシステム又は外縁を構成する図形に対する高い柔軟性と順応性、
2.本明細書に係るデザインにおける高い柔軟性、
3.低コストの工業用大量生産に対する拡張性、
4.結合方法がプレコートの可能性を実現しなければならないこと、
5.触媒活性が影響されてはいけないこと。
【0021】
これらの要求全てと合致するであろう、低温及び高温用途用の触媒被覆したマイクロ反応器を製造するための工業的スケールに適した低コストな方法は、これまで無かった。これまで微細構造反応器は、非触媒反応を実施するために殆んど例外的に用いられてきた、というのは、全構成部品を製造する方法と共に用いられ得る溝を被覆するための有力な技術が存在しなかったからです。
【0022】
マイクロ構造化構成部品を製造するために適した、微細構造構成部品層を組み立てる穏やかな方法が特許文献2に記載された。この文献は、とりわけ溶融拡散方法を述べている。この方法は、半田の幾つかの元素が互いに混ざり合い、それによって金属間化合物相を形成する半田づけ方法を引用して理解される。部分的半田層の組成及び厚みは、結合中に初期の共融混合物(共晶)が形成されるほかに、例えばそのようにして適合されても良い。従って非常に低い融解温度が初期に成し遂げられる。様々な部分的半田層間の半田元素の相互混合に関して、融点は半田付け処理の間に段階的に高い値に転じる。結合を焼き戻すことによって、この方法に係る堅固な半田結合が段階的に得られ、半田層が溶け始める初期融点よりも著しく高い融点を上記半田結合は有する。その結果、非常に低い半田付け温度において半田付けが生じ得る。このことは、特に様々な構成部品層の非常に穏やかな処理を可能とし、それによって熱負荷を受けた個々の層の歪みが特に除去され得る。
【0023】
また、特許文献3は様々な構成部品層を結合する前に溝壁に触媒をつける、微細構成部品を製造する方法を示している。この文献によると、溝が最初に形成される。この目的で
、銅箔が構造化カバー層(フォトレジスト層、スクリーン印刷ラッカー層、穴のあいた箔又は金属レジスト層)によって覆われる。このようにして溝領域は覆われないか又は露出されたままである。むき出しの領域において銅層は例えばFeCl3/HCl溶液によってエッチングされ、それによって形成されるべき溝に相当する凹部がこれら領域において形成される。次に、触媒が溝壁上にのみ形成される。溝内の触媒はその後、もう一つのカバー層によって覆われる。そこへ次に、カバー層が選択的に除去される。それから結合層が露出した領域に析出されても良い。カバー層が溝から取り除かれた後に、このようにして作られた幾つかの層が半田付けによって結合される。製造中の触媒の有効性は、完全に除去されなければ著しく低下することが判明した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
従って本発明の課題は、従来技術方法の不利益を除去すること、より具体的には技術的要求及び生産方法に従って触媒を装填されたマイクロ構造化反応器を製造することを可能にする、マイクロ構造化反応器の製造方法を見つけ出すことである。このようにして、マイクロ構造化反応器は均一に触媒作用を及ぼされる反応においても用いられ得る。その上、製造方法はマイクロ構造化構成部品を製造するための、低コスト工業化移行の可能性を約束しなければならない。最終的には、それは炭化水素及びアルコールリフォーマとして、特にメタン及びメタノールリフォーマとして用いられ得るマイクロ構造化反応器を製造する方法を見つけ出すことに照準を定めている。そうして作られた反応器は、様々な用途とりわけ特に自動車用途用に、小さく、軽量でコンパクトであるべきである。製造方法は自動化され且つ拡張性があるべきである。よって、方法は高WHSV(毎時重量空間速度:触媒質量[g]あたりの反応器内の転化材料[g]量×反応器の稼働時間[h])を有する反応器を製造するために用いられるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記課題は請求項1に記載された方法を用いることによって、及び請求項23に記載されたこの方法を用いて製造された反応器を用いることによって成し遂げられる。本発明の好ましい実施形態は従属請求項に記載している。
【0026】
本発明の方法は、マイクロ又はミリ構造化構成部品(反応器)層、より具体的には金属シート及から構成され、且つ触媒を装填された通路特に溝を備えて構成されるマイクロ構造化反応器を製造するために用いられる。反応器は、好ましくは触媒作用を及ぼされる反応を実施するために使用される。
【0027】
本発明の方法を用いて製造される反応器は、特に炭化水素リフォーム(改質)、より具体的にはメタンリフォームにおいて、及びアルコールリフォーム、より具体的にはメタノールリフォームにおいて用いられ得る。高純度水素ガス又は高純度合成ガスがこれら方法によって生産され得る。
【0028】
反応器内の通路には、プレコート手法を用いて触媒が装填される。この目的で、以下の方法工程を含む方法が用いられる。
a.反応体層を作ること、この反応体層は、多数の反応体層がそこを介して互いに結合される結合領域を有し、通路が形成される通路領域を有し、ならびに適宜電子構成部品を収容することを目的としている領域のような他の領域を有する、
b.(少なくとも)結合領域において反応体層上に少なくとも一つの結合層を析出すること、
c.反応体層内の通路領域に触媒を装填すること、及び
d.反応体層を結合すること。
【0029】
本発明によると、結合層は反応体層に触媒が装填される前に析出される。結合層を構成している部分は、半田(軟半田)または蝋付け(硬蝋付け)層又は補助結合層であっても良い。非特許文献3によると、(蝋付け)半田(蝋付け(硬)半田又は(軟)半田)層は、半田付け/蝋付けの間にそれが溶解し、よってベース材料を濡らすことによって特徴付けられている。実施温度は、(蝋付け)半田層の融解温度よりも高く、(蝋付け)半田層は一つ又は多数の化学元素から構成されても良い。補助結合層は、結合中は溶解しないこと、即ち実施温度はその融点よりも低くなるように選択されることによって特徴付けられている。
【0030】
反応体層に触媒を装填する前に、結合層は結合領域内において遮蔽される。その結果、触媒は、結合領域に設けられた結合層とは接触できない。遮蔽に用いられるマスクは、結合する前、及び反応体層に触媒が装填された後に除去される。
【0031】
最初に結合層を析出することによって、及び次に反応体層に触媒を装填することのみによって、触媒は、結合層を形成するために必要な方法工程によって全く影響されないで存在し得る。反応体層に触媒を装填した後のみに結合層が形成される場合は、不利益となることが判明した、即ちこの場合、結合層が触媒上に析出するのを防ぐために、通路領域の触媒が被覆されるようにもたらすべきである。試験は、触媒活性が著しく作用される、もっと不利な場合は影響される、又は、それをラッカー乃至他のカバーによって被覆するために用いられる方法によってその有効性がむしろ消されることが示された。かかる場合、触媒活性における逆の作用が、例えばラッカー又は他のカバーを触媒から除去するために用いられる化学物質によるためかもしれない。このことが、一旦結合層がつけられると、反応体層が触媒を装填されるのみである理由である。触媒装填の直後が可能であるならば、反応体層は、レジスト又は保護ラッカーを除去した後に重ねられ且つ結合されても良い。
【0032】
工業スケールでの液密で且つ耐食性のある反応器を製造することが可能となるような、様々な構成部品層の組織だった結合を確保するために、結合層が触媒によって影響されないことを確認することが有利であることが更に判明した。この点で、特許文献3はこれを目的として溝壁に触媒層を形成することのみを教示している。このことを成し遂げるために、この文献に従って触媒層は、最初に溝内に形成される。それから、結合領域に配置された、前もって着けられたカバー層は、結合層を形成するために、反応体層上の領域から選択的に除去される。既に示されたように、しかしながらこの文献に示された方法は、触媒活性を影響することなく保持するということにも適していない。本発明に従って反応体層に触媒を装填する前に既に結合層を形成することによって及びそれをカバーマスクによって遮蔽することによってのみ、一方では触媒の有効性が影響されることを防ぎ、他方では触媒が結合層につけられるのを防ぐことが可能となるだろう。反応体層に触媒を装填することに引き続き、カバーマスクは湿式化学薬品又は乾燥除去によって結合層から除去され得る。
【0033】
好ましい実施形態において、少なくとも一つの結合層が、結合領域内のみにおいて、又は反応体層の全表面に渡って析出される。第一の場合、通路領域は結合層の無い状態に保たれ、一方で第二の場合のように結合層が反応体層の全表面につけられる時は通路領域も結合層で覆われ、それによって後者の場合、触媒は通路領域内の結合層上に析出される。この場合、結合層はバリヤコーティングとして、或いは触媒と反応体層の材料との間の接着剤として用いられても良い。
【0034】
反応体層上の通路領域において、凹部、より好ましくは深い溝が、好ましくは層内に形成される。代替として、凹部は反応体層上に金属が沈着することによって形成されても良い。一旦上記層が互いに積み重ねられ且つ結合されて、上記凹部が反応体層内に通路を形成する。反応体層内のこれら凹部は、結合層を析出する前又は後のいずれに形成されても良い。その後、凹部に触媒が装填される。結合層が析出された後のみに反応体層内に凹部が形成される場合、結合層が反応体層の全表面に渡ってつけられるのならば結合層全体に渡ってそれらが形成されなければならない。この目的で、結合層は、反応体層を作っているベース材料の除去の為に用いられるのと同様の方法を用いることによって、除去されても良い。この方法の変形では、凹部を形成すること及び結合層を着けることの両方に対してたった一つの単式構造化法を用いること、例えばたった一つの金属マスクによっても十分である。この場合に結合層が結合領域内の反応体層上にのみ析出されるならば、結合層は、それに続く凹部の形成中に蝕刻(エッチング)レジストとして用いられても良く、それによって他の構造化法はこの場合にも必要ではない。他方で、凹部は結合層が着けられる前に既に形成されても良い。しかしこれにおいては、二つの異なる構造化法が、凹部を形成するため及び結合層を析出するために用いられなければならない、というのはこれら二つの工程が別々に実施されるからである。しかしながら、結合層が反応体層の結合領域においてのみ析出するように予定されている場合には、これだけが必要となる。対照的に、結合層が凹部の形成後、反応体層の全表面上に析出するように予定されている場合には、つまり、ならびに凹部内にそれが析出する意図を意味している場合には、結合層は更なる構造化を必要としない。結局、結合層は、適切に選択されていれば、触媒と反応体層が作られているベース材料との間の接着層としても用いられ得る。
【0035】
とりわけ以下の方法が、触媒を微細(マイクロ)溝に導入するために用いられている、つまり、塗布、ドクターブレード法、はねかけ、塗りつけ、スクリーン印刷、分配又は同様の塗布技術によって、選択的に(即ち、反応体層の特定の領域内のみ)又は全表面上に導入する。触媒は、薄め塗膜(wash-coat)法を用いて反応体層上に好ましくは着けられる。薄め塗膜法は一般的に知られている。それは、触媒を水又はアルコールのような液体でスラリー化すること、及び反応体層を上記スラリーと接触するようにもたらすことから構成される。スラリーは、少なくとも一つの触媒キャリヤ又はその前駆体、少なくとも一つの触媒金属又はその前駆体、ならびに分散剤及び他の添加剤を含む。触媒キャリヤは例えば、ゼオライト、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、及び希土類の酸化物、スピネル、酸化アルミニウム、又は混合された酸化物であっても良い。触媒金属は例えば、元素周期律のVIIIA群又はIB群の金属、つまりFe, Co, Ni, Ru, Rh, Pd, Os, Ir, Pt, Cu, Ag, Au又はこれら元素の混合物であっても良い。大抵の場合、触媒は3つの成分から構成される、即ち、不活性キャリヤ(Al2O3、TiO2、ZrO2及び他の類似酸化物)、触媒キャリヤの一部でもある促進剤(ZnO、CeO2及び及び他の類似酸化物)、及び触媒活性種(大抵の場合Cu又はPd)である。上記のように、特に結合領域において、触媒被覆されるように予定していない、又は触媒被覆することを許可していない反応体層の領域は、類似のカバーで、例えばカバー細片で、保護ラッカーで、シールを有する保護装置で、又はレジスト等で保護される(遮蔽される)か、例えばそれらは機械的に、ふき取りによって又は研磨によって洗浄されても良い。しかしこれら後者の方法は工業的スケールにおける製造には適していない、というのは、結合領域からの触媒の選択的機械除去中に、触媒が少なくとも部分的に凹部から除去される危険性が存在するからである。同時に、触媒が結合領域から完全に除去されることを確実にしなければならない。反応器の将来的な特徴によると、異なった触媒が異なる構造化反応体層に着けられても良く、それによって吸熱及び発熱反応が例えば一つの反応器内で組み合わされても良い。反応体層に触媒が装填された後、カバーが結合領域から除去される。
【0036】
薄め塗膜法によって析出された触媒スラリーは最後に、好ましくは半田/蝋付け温度より低い温度で乾燥され、次に、触媒に対して利益となる、最大可能な内部表面及び自由にアクセス可能な触媒中心部を備えた触媒キャリヤの、穴のあいた構造を得るために焼成される。スラリーは、好ましくは反応体層を結合する前に乾燥される。乾燥状態において、薄め塗膜層は凹部に強く接着するはずである。乾燥された触媒スラリーは、反応体層の結合中に好ましくは詳細されても良い、というのは溶媒と添加剤が乾燥されたスラリー中にまだ残っているので結合のために使われる温度において蒸発するのである。所望の穴のあいた触媒構造体がこのようにして形成される。プレコート法を用いて触媒がつけられるので、それは特徴付けられ得るし、且つ、凹部内の被膜厚み及び分散の均一性が、更なる処理の前にチェックされて決定され得る。
【0037】
本発明の方法を用いて製造されたマイクロ又はミリ構造化構成部品は、金属、セラミック又はポリマーベース材料から作られても良い。反応体層が金属から作られている構成部品が好ましく、例えばアルミニウム、鋼、好ましくはステンレス鋼、ニッケル、より好ましくはニッケル超合金、即ち少なくとも28wt.%のニッケル含有量を有するニッケルベース合金、チタン、銅、タンタル、及びこれら金属が互いに一緒になった及び/または他の金属及び半金属を有する合金から作られた構成部品が好ましい。例えば珪素を有するアルミニウム合金、クロム及びニッケルを有するニッケル合金、及びアルミニウムを混合されたステンレス鋼が特に良く適している。反応体層は、例えばカバーとして用いられ得る珪素及びガラスパネルから更に構成されても良い。α−Al2O3がセラミックの選択肢である。
【0038】
反応体層の通路領域に触媒を装填する前に、酸化物材料で作られた層が通路領域内に形成されても良い。この酸化物材料は、より具体的には触媒と反応体層との間の接触をもたらし、それによって触媒が凹部内に接着して結合される。かかるタイプの酸化物中間層は、反応体層が作られているベース材料が、酸化物であるか又はアルミニウム及びその合金のような酸化物表面を形成する場合に特に適している。特に有利な酸化物材料は、酸化アルミニウム、シリカ及びケイ酸塩、アルモシリケート(alumosilicate)、二酸化チタン、及び二酸化ジルコニウムから構成される群から選択される。
【0039】
凹部を作り出す方法は、例えば特許文献4に記載されている。この文献によると、特にプリント回路基板(サブトラクティブ法、セミアディティブ法、アディティブ法)を製造するためとしても知られている方法が用いられ得る。より具体的には、かかるタイプの方法はメッキ法及びエッチング法である。特許文献4によると、凹部は例えばサブトラクティブ法に係る以下の方法工程を用いて形成されても良い。即ち、a)フォトレジスト層、スクリーン印刷ラッカー層、又は通路領域において反応体層を露出したままにする他のカバー層によって反応体層の金属表面に流体溝構造体を形成すること、及びb)無電解及び/または電気化学的エッチングによって反応体層の露出領域から少なくとも部分的に金属を除去することである。凹部は、エッチングで金属を取り去ることによって作られる。サブトラクティブ法の他の変更方法によると、凹部は上記方法の方法工程a)の後に以下の方法工程を実施することによって形成されても良い。つまりb)エッチング耐性金属層を反応体層の露出表面上に無電解及び/または電気化学的に析出すること、c)完全にカバー層を除去すること、及びd)無電解及び/または電気化学的エッチングによって反応体層の金属を少なくとも部分的に除去すること、よって凹部を形成する。この場合、カバー層は、反応体層上の通路領域を露出したままにはせず、その代わりにそれらを覆うように構造化され、もっと正確に言えば、結合領域を露出したままにする。アディティブ法によると、凹部はサブトラクティブ法の方法工程a)の後に、続く次の方法工程を実施することによって形成されても良い。即ち、b)反応体層の露出表面上に金属層を析出すること。この場合、凹部間のウェブが金属メッキによって作られる。この目的で、カバー層は、通路領域に相当するのではなく、むしろ結合領域に相当する、反応体層の領域を露出したままにしなければならない。一旦凹部が形成されると、各カバー層は除去されても良い。フォトレジストが用いられるならば、それは反応体層の全表面に塗布され、それから露出され、方法に従って、つまりネガティブ又はポジティブイメージを用いて、次に反応体層の部分を露出することによって現像される。
【0040】
これら方法で用いられた遮蔽技術は、新しいデザインを実現することにおける高い柔軟性、及び期限経過通知(short notice)で変更された要求輪郭にそのデザインを迅速に適合することを可能にする。しかしながら構造化は、ミリング、スタンピング、パンチング、放電加工、レーザーアブレーション、ドライエッチング法、機械的マイクロ生産などによって機械的にも生じえる。反応体層に用いられる金属シート又は他の箔は、このようにして選択的に片側に又は両側に構造化され得る。
【0041】
一旦微細構造体が作られると、結合及び/又は腐食防止層として機能層が造られる、上記機能層は一つ又は多数の個々の層から構成され、且つ選択的位置または全表面の電気化学的又は化学的析出によって造り上げられる。結合層が部分的に析出される場合、結合層を備えた、被覆されていない又は被覆されてはいけない基板のこれら領域は例えばカバー細片を、保護ラッカーを、シールを有するカバー装置を、レジスト等を用いて保護される。結合領域において選択的に結合層を着けるために、溝内でフォトレジスト又は電気的に非伝導性であるコーティングが好ましくは選択される。半田が部分的に析出されるのではなく、通路領域を含む全表面に析出される場合、その代わりにもう一つの方法工程で触媒が通路領域内の結合層上に着けられる。
【0042】
反応体層を作るために使われるベース材料に、触媒材料に、及び反応器の使用目的に応じて、二つの結合変更が原則的に区別され得る、つまり一方では100〜450℃(軟半田)の好ましい温度範囲における半田付け、他方では450〜1400℃(硬半田)の好ましい温度範囲における蝋付けである。
【0043】
部分的な又は全表面の電気化学的又は化学的析出によって異なる組成を有する層から、結合層は造り上げられる。析出に先んじて、マイクロ構造化反応体層、好ましくは、銅、タンタル、アルミニウム、鋼、好ましくはステンレス鋼、ニッケル、特にニッケル超合金、つまり少なくとも28wt.%のニッケル含有量を有するニッケルベース合金、チタンから作られた、及びこれら金属が互いに一緒になった、及び他の金属及び半金属と一緒になった合金から作られた金属シートは最初に、脱脂及び酸洗い工程を含む適した化学的前処理によって不純物や表面酸化物を取り除かれる。
【0044】
第一の好ましい実施形態において、結合層は少なくとも一つの高融点及び少なくとも一つの低融点部分(蝋付け)半田層から形成される。低融点のそれを備えた高融点部分(蝋付け)半田層の組み合わせ元素は特に、結合処理中に形成されるべき所望の金属間相の化学量論を考慮に入れながら選択されても良い。熱が投入され且つ圧力が負荷される場合、初期の溶融混合物がこの場合最初に形成し、それによって結合処理の完了における(蝋付け)半田継ぎ目の融解温度と等しい温度よりも低い温度で半田付け/蝋付けを可能にする。(蝋付け)半田システム及びそれによって半田付け/蝋付けパラメータを選択又は構成することによって、結合処理はこれと共に触媒の最大許容温度より低い温度での結合を可能とし、それによって触媒の熱不可逆的不活性化が防がれ、結合継ぎ目の温度安定性が後の、反応器の稼動温度において維持される。
【0045】
少なくとも一つの高融点部分(蝋付け)半田層は、好ましくは銀、金、ニッケル及び銅で構成される群から選択された一つの金属から作られる。少なくとも一つの低融点部分(蝋付け)半田層は、好ましくはスズ、インジウム及びビスマスで構成される群から選択された一つの金属から作られる。特により好ましい実施形態において、高融点部分(蝋付け)半田層は銀から作られ、且つ低融点部分(蝋付け)半田層はスズから作られる。結合層は、たった一つの結合相手の、一つの表面又は、二つの結合相手の複数の表面上に着けられても良い。
【0046】
特に結合が低温度範囲(軟半田)で実施される場合、多機能バリヤコーティング、好ましくは1〜20μm範囲の厚みのモリブデン、マンガン、鉄、鉄/リン合金、レニウム、ロジウム、プラチナ、パラジウム、ニッケル又はニッケル/リン合金から作られたコーティングは、結合層が着けられるよりも前に、反応体層に更に直接着けられても良い。このバリヤコーティングは、反応体層の表面における凹凸を平滑にし、更なる相を析出するために均一なベース、酸化物形成に抗した有効な保護をもたらし、且つ半田付け/蝋付け中に溶融相を濡らすのを助ける。熱が投入される場合、それは反応体層のベース材料と硬い結合を形成し、それによって接着剤としてのその機能において、マイクロ構造化構成部品の十分な圧力安定性及び剛率のためのベース(基礎)を形成する。バリヤコーティングとして、それは最終的には結合層の構成成分が反応体層のベース材料内へ拡散すること又はその逆を防ぐことを意図している。その結果、溶融相は枯渇されるようになるかもしれず、且つ望ましくない相互作用が生じる及び/又は結合継ぎ目領域において脆性相が形成されるかもしれない。ある場合において、これは結合に影響を与える。バリヤコーティングが通路領域内にも着けられる場合、同様のことが、ベース材料の構成成分と通路内の触媒との間の相互作用に対して当てはまる。バリヤコーティングは、より具体的には、モリブデン、マンガン、クロム、パラジウム、鉄、ニッケル及び、鉄及び/またはニッケルとリンとの合金で構成される群から選択された少なくとも一つの金属から作られても良い。
【0047】
5μmのNi(バリヤコーティング)、8μmのAg(第一部分(蝋付け)半田層)、及び3μmのSn(第二部分(蝋付け)半田層)の層順序によって、非常に有利な実施形態が成し遂げられることが判明した。
【0048】
第一の好ましい実施形態によると、高融点金属の層が、好ましくは着けられた多機能バリヤコーティング及び、次に低融点金属が1〜10μm範囲の被覆厚みにおいて着けられた後、また活性化工程の後に、好ましくは1〜20μm範囲の被覆厚みにおいて着けられる。
【0049】
多機能バリヤコーティングの使用が必要ではない特殊な場合は、結合層は、反応体層のベース材料の、前処理及び化学的活性化後の部分的又は全表面化学的又は電気化学的析出によって、直接造り上げられても良い。
【0050】
マイクロ構造化され、且つ片側又は両側を(蝋付け)半田被覆および触媒被覆された反応体層は、次に、隣接した層間に結合材料を配置された積層物を形成するように、重ねあわされる。多機能バリヤコーティングが使われる場合、(蝋付け)半田はバリヤコーティング間の(「限定した」)空間内に、反応体層として使われるベース材料との直接的な接触の無いように制限される。(蝋付け)半田システム及び半田付け/蝋付けパラメータの適切な選択は、触媒を着けるためのプレコート法を用いることを可能にする。結局、真空において又は不活性ガス雰囲気において、温度及び圧力負荷下で積層物は結合され、好ましくは半田付け/蝋付けされる。
【0051】
同時に触媒は焼成される。半田付け/蝋付け温度及び邁進圧力の他に、更に重要な処理パラメーターは、真空度、加熱速度、保持時間及び冷却時間である。これら処理パラメーターの的確な知識が、半田付け(蝋付け)工程中に金属間反応を支配的に且つ選択的に作用するためには必須である。
【0052】
個々の反応体層の均一で全表面に渡る結合を確保するために、温度及び被覆厚みの関数としての最小圧力が、互いに半田付け/蝋付けされるべき積層物上に均一に加えられなければならない。互いに半田付け/蝋付けされるべき表面の接触を改良し、その結果としての相互拡散、この故に金属間相形成の他に、脆化相形成が、邁進圧力(非特許文献4)によって有利に影響され得る。脆化相が生じることを防ぐことは、将来的な強度、耐食性及び熱伝導に対して極めて重大な要因の一つである。
【0053】
反応体層を結合する際の触媒の穏やかな処理を可能とするために、これらは溶融拡散法を用いて好ましくは結合される。この方法によって、一つ又は二つの(蝋付け)半田層が互いに結合されうべき部品間に作られ、結合は(蝋付け)半田材料の融点を超えた温度まで加熱される。(蝋付け)半田材料と反応体層のベース材料との相互拡散を可能にするために、結合はより長い時間加熱される。二つの異なる(蝋付け)半田金属または合金が用いられる場合、二つの金属又は合金の溶融混合物も形成されるかもしれない。この溶融拡散半田付け/蝋付け方法は、(蝋付け)半田継ぎ目が非常に均一で、高い腐食安定性および高い強度を示すという結果をもたらす。(蝋付け)半田が全表面上に析出される場合は、金属間相の組成は、同時に通路の内側を腐食から保護するように選択され得る。
【0054】
もう一つの好ましい実施形態において、反応体層及び介在させる結合層の配列は、結合するために結合層材料の融解温度より低い温度まで加熱されても良い。この場合、結合層は(蝋付け)半田層とは考えられない、というのは(蝋付け)半田層が結合中に溶解し、それによって結合相手を濡らすと一般的に理解されているからである。この場合、結合層は補助結合層である。この場合同様に、反応体層間のみっせうした結合を成し遂げるために、結合層は、好ましくは、リン、ホウ素及び炭素で構成される群から選択された、一つの非金属及び/又は一つの半金属を含む。この場合、更に結合層は、好ましくは、銀、銅、金、パラジウム、亜鉛、ニッケル、鉄、コバルト、クロム及びマンガンから構成される群から選択された少なくとも一つの遷移金属を含む。半金属又は非金属元素、ならびにベース材料の元素は、結合地帯における濃度が均一になるまで、固体状態の反応において相互拡散する。それによって一つの物から成る構造体が発生し得る、すなわち結合処理の完了において作られた結合地帯の断面において結合継ぎ目が見えないのである。
【0055】
上記方法変更は反応体層の穏やかな処理を可能とする、というのは結合温度ができるだけ低くなるように選択することが可能であるからである。上記結合方法によって得られた結合継ぎ目は、高い均一性、高い腐食安定性及び高い強度を表す。理想的に一つのものから成る構造体が形成され、つまりサンプルの適切な処理後ですら断面顕微鏡写真において結合継ぎ目が見えないのである。析出された結合層の厚みは、0.2〜100μm、好ましくは1〜40μmの範囲であることが好ましい。溶融相の量を制御することによって、通路が(蝋付け)半田によって遮断されないことが確保される。結合温度が結合材料の融解温度よりも低くなるようにセットされる結合方法が用いられる場合に、溝が結合材料によって詰まることは不可能である。
【0056】
高温範囲の化学反応における用途用に、450〜1400℃の温度範囲の結合処理も、プレコート法を用いることによる触媒コーティングを備えた反応器を製造する可能性をもたらしている。本発明の方法はまた、反応器の形状安定性及び圧力安定性において課された特に高い要求に従うことも確保するかもしれない。バリヤコーティングはまた、蝋付け(硬半田付け)に用いられ得る、それらは軟半田付けに対して記載されたものと類似の方法を可能にする、その結果、続くより高い再融解温度と組み合わせられた、より低い結合温度を可能にする。
【0057】
結合層は、好ましくは1〜3層で作り上げら。元素及び/又は合金の組み合わせは、所望の溶融混合物混合比の量的部分において、ここで必ずしも選択されない。硬/高温半田付けを用いた概念処理手順は、実質的には軟半田付け法と違わない。
【0058】
触媒が、反応体層のベース材料の元素と潜在的におもわしくない反応をするならば、拡散バリヤは少なくとも通路領域内に形成されても良い。このバリヤは例えばニッケル、ニッケル/リン合金、鉄/リン合金、金、レニウム、ロジウム、プラチナ及びパラジウムで作られても良い。バリヤコーティング及び結合層が全表面上に析出されるならば、(蝋付け)半田システムは次に拡散バリヤ上に析出される。そうでなければ、拡散バリヤは不要かもしれない。結合層は、より具体的には銀、銅、鉄/リン合金、ニッケル/リン合金、ニッケル/ホウ素合金、ニッケル/炭素合金、炭素、コバルト、金、パラジウム、マンガン、クロム、及び亜鉛から作られても良い。結合層の全被覆厚みは、1〜40μm、好ましくは1〜10μmの範囲に、好ましくは存在する。この厚みは、通路が(蝋付け)半田によって遮断されず、且つ非常に高い熱伝導が保証されることを確保する。(蝋付け)半田が全表面上に析出されるならば、(蝋付け)半田の組成は、同時に通路の内部を腐食から保護するようにも選択され得る。圧力は、反応体層積層体の精密な固定、及び層間の全表面接触を確保するように負荷されなくてはならない。
【0059】
反応物供給及び生成物排出のための連結部は、金属又はプラスチック材料のいずれで作られても良い。反応体層のベース材料が金属で作られる場合は、連結部は同一の材料で作られても良い。結合された反応器は、好ましくは、半田付け/蝋付け、糊付け、又はネジ止めによってカバープレート上に配置されても良い。
【0060】
以下に記載の図は、本発明のより良い理解をもたらすために用いられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0061】
図1は、結合領域及び通路内に結合層の析出を有する、本発明の方法の概略フロー図を示している。
【0062】
反応体層1が、Aで概略的に図示されている。この層1は、金属シートのような単一の材料から、又はコアのような材料の両側に金属層を備えたような層状材料から作られても良い。第一方法工程において、通路、この場合は凹部、より具体的には反応溝としてのトレンチ2が反応体層材料1内に形成される。蒸気方法の一つがこの目的で使われ得る。図のBは、最初に、結合層3が続いて結合領域及び通路内に着けられることを示している。図のCによると、反応体層1は次に、結合領域内のみでフォトレジスト又はラッカー層のようなカバー4で覆われる。その後、反応体層1には、凹部2内において触媒5が装填される(図のC)。触媒5がカバー4上にも析出されたとしても、カバー4と共に反応体層から除去されるので、最終的には結合領域内の結合層3及び通路内の触媒層5は露出される。反応体層1は、図のDに従って積層され、結合されて一つの構成部品6になる、その際触媒5は同時に焼成される7。そのようなタイプの反応体層が交互に積層(重ね合わされ)され、且つ構造化されていない層又は触媒で被覆されていない層と共に結合されても良く、反応媒体のための入口及び出口を備えたカバープレートが積層体のいずれかの端面表面に備えられる。
【0063】
図2は結合領域内のみに結合層の析出を備えた、本発明の方法の概略フロー図を示す。
【0064】
出発材料は、通路2’を備えたベース材料1’である。これは図2のA’に相当する。結合領域内のみに結合層3’を作るために、図のB’に従って、通路2’は次にカバー4’で次に被覆され、それによって続く結合層の析出中に結合層3’が通路2’に入り込むのを防ぐ。結合層3’は結合領域内のみに配置される。カバー4’を除去した後、次にもう一つのカバーが、次の方法工程において触媒5’が析出された結合層上に着くのを防ぐために装着される。こうして作られた中間体は、図2のC’に記載の反応体層に相当する。それから触媒が乾燥され、保護ラッカー又はレジストが除去され、且つ多数のかかる反応体層1’が積層され且つ結合されて構成部品6’となる。このようにして触媒5’は焼成される7’。
【0065】
以下の実施例は、本発明のより良い理解をもたらすために用いられる。
【実施例1】
【0066】
AlMg3で作られたメタノール蒸気リフォーム用マイクロ構造化反応器
AlMg3で作られた金属シートが、フォトリソグラフィー及び化学的エッチングによって構造化された。この目的で、特許文献4に記載の方法の一つが用いられた。各反応体層に対し、0.5mm×0.23mmの断面を有する63の溝が金属シートに形成された。一つの金属シートの、溝の総容量は294mm3であった。カバープレート及び底プレートが、反応体積層体を終結するために作られた。反応体結合のための通し穴がカバープレートにあけられた。
【0067】
結合領域及び通路上に結合層を着ける前に、反応体シートは洗浄され且つ前処理された。この操作は、以下の個々の工程から構成された、即ち1)脱脂、2)酸洗い、3)亜鉛酸塩酸処理(かかる工程及びそれによる必要な化学薬品はこの従来技術において一般的に知られている)。均一な亜鉛酸塩層が前処理の最後の工程において生成された後、結合層の金属析出が、以下の処理手順に従って始められた。即ち1)5μmのニッケル(化学的又は電気メッキを用いることによって)、2)前置銀(pre-silver)(電気メッキを用いることによって)、3)8μmの銀(電気メッキを用いることによって)、4)3μmのスズ(電気メッキを用いることによって)であった。
【0068】
これら方法工程ならびにそれによる必要な化学薬品も、上記従来技術において一般的に知られている。
【0069】
もう一つの処理工程において、乾燥フィルムフォトレジスト(DuPont R PM 110)がラミネートされ、構造化され、且つ構造化された金属シートの両側に現像された、それによって、溝を除く結合層の全ての領域が覆われた。
【0070】
次に、適切な触媒粉末(Sued-Chemie AG, ドイツのG66-MR)が、1wt.%の分散剤を含むイソプロパノールで75wt.%に懸濁された。粉砕(ミリング)後、触媒の平均粒子サイズは1〜5μmであった。最終的に、懸濁液は超音波砕解機によって10分間均質化処理された。
【0071】
触媒懸濁液は、それからエアガンで金属シートの構造体化面の表面上に着けられ、100℃で1時間乾燥された。
【0072】
もう一つの処理工程において、乾燥フィルムフォトレジストは湿式化学的手法を用いて除去された、金属シートは脱イオン水で洗浄され、且つ100℃で1時間乾燥された。触媒装填は各金属シートに対して23mgであり、触媒の平均被覆厚みは20μmであった。
【0073】
5つのマイクロ構造化され、(蝋付け)半田及び触媒被覆された金属シートが、次に、一つの積層体を形成するようにカバープレート及び底プレートと共に重ねあわされた、その際(蝋付け)半田がそれらの間に介在された。真空オーブンが、所望の半田/蝋付け温度である290℃まで、加熱速度30K/minで加熱された。それからその温度は30分間保持された。4.5MPaの圧力が、全半田付け/蝋付け処理の間積層体上にかけられた。冷却期間が90分間続いたが、その際積極的な冷却は施されなかった。触媒と反応体の結合との焼成が同時に行われた。
【0074】
メタノールリフォーム処理の有効性は以下のように解析された。
【0075】
次の関係が、水素発生量、即ちメタノール転化を計算するために導き出された。
【数1】

ここで、H2outml/minは、ガスクロマトグラフによって測定された、反応器出口における水素流量である。H2out[%]は、ガスクロマトグラフによって測定された、反応器出口におけるガス混合物(アルゴンを含む)中の水素濃度である。Arin[ml/min]は反応器を通り抜けるアルゴン流量である。CH3OHin[ml/min]は、反応器内のメタノール蒸気の流量である。H2Oin[ml/min]は、反応器内の水蒸気流量である。
【0076】
【数2】

ここで、H2[%]は、メタノール/水に関する水素収率、つまりメタノール転化率である。
【0077】
これら式は、メタノール水リフォームのための反応式に基づいている。
【化1】

【0078】
実施試験中の遊離体流量は100ml/minであり、組成は各々33mol%のメタノール、水及び不活性ガスであった。
【0079】
図3は、従来の固体吸着床反応器を用いることによって、本発明の方法によって作られたマイクロ反応器と比較した時の、反応温度の関数とするメタノールリフォームの結果である。
【実施例2】
【0080】
Nicrofer 3220Hで作られ且つ800℃で結合された、メタン蒸気リフォーム用マイクロ構造化反応器
Nicrofer 3220Hから作られた金属シートがフォトリソグラフィー及び化学的エッチングによって構造化された。この目的で、特許文献4に記載の方法の一つが使われた。各反応体層に対し、0.5mm×0.25mmの断面及び28mmの長さを有する21の溝が金属シートにおいて形成された。一つの金属シートの、溝の総容積は115mm3であった。また、反応体積層体を終結するために、カバープレート及び底プレートが作られた。反応体結合のための通し穴が、カバープレートにおいてあけられた。
【0081】
結合領域及び通路上に結合層を着ける前に、反応体シートは洗浄され且つ前処理された。この手法は次の個々の工程から構成された。つまり、1)脱脂、2)酸洗い、3)電解脱脂、4)エッチング洗浄/酸洗い、であった。最後の前処理工程において、結合層の金属析出は、次の処理手順に従って開始された。即ち、1)Ni-ストライクめっき、2)10〜14wt.%のリンを有するニッケル/リン合金(化学的に)、であった。これら方法工程ならびにそれによって必要とされた化学薬品もまた、従来技術において一般的に知られている。
【0082】
もう一つの処理工程において、乾燥フィルムフォトレジスト(DuPont R PM 110)がラミネートされ、構造化され、構造化された金属シートの両側に現像され、それによって、溝を除く結合層の全ての領域が覆われた。
【0083】
次に、適切な触媒粉末(ICIの46-8M)が一つの分散剤(1wt.%)の補助によって水に懸濁されて、且つ計量分配装置を用いて溝内に移された。金属シートは100℃で1時間乾燥された。
【0084】
もう一つの処理工程において、乾燥フィルムフォトレジストは湿式化学手法によって除去され、金属シートは脱イオン水で洗浄され、且つ100℃で1時間乾燥された。触媒装填は、各金属シートに対して13mgであった。
【0085】
補助結合層及び触媒で被覆された二つのマイクロ構造化金属シートは、次に一つの積層体を形成するようにカバープレート及び底プレートと共に重ねあわされた、その際、補助結合層がその間に介在された。真空オーブンが、所望の結合温度である800℃まで、加熱速度25K/minで加熱された。次に、温度は4時間保持された。全結合処理の間、10kgの重りが積層体上に置かれた。冷却期間は60分間続いた。触媒及び反応器の結合の焼成は、同時に行われた。
【0086】
反応温度800℃及びモル蒸気/メタン比3におけるメタン蒸気リフォーム用マイクロ構造化反応器の実施データを表1及び図4(遊離体流量200ml・min-1において)にまとめた。比較のために、従来の固体吸着床反応器内の、同一の触媒の活性が、同一の処理条件下において、図6に示されている。実施例2の反応器及び従来の固体吸着床反応器、両者とも同一の触媒を備えている、のメタン転化が比較できるが、生成物流体中のCO/CO2比は著しく異なっていた。理論データとの比較は、実施例2の反応器は熱力学的平衡状態において作用することを示した。
【0087】
【表1】

モル蒸気/メタン比3、反応温度800℃及び異なる遊離体流量を有する、実施例2及び3のマイクロ構造化メタン蒸気リフォーマのメタン転化を示す。
【実施例3】
【0088】
Nicrofer 3220Hから作られ、且つ1100℃で結合された、メタン蒸気リフォーム用マイクロ構造化反応器
この反応器を製造するための処理手順は、この反応器が1100℃で1時間結合されたことを除いて実施例2で記載されたものと同様である。この温度は、この材料Nicrofer 3220Hによって拡散溶接するために典型的に用いられる温度と同一である。
【0089】
メタン蒸気リフォーム用マイクロ構造化反応器の実施データを表1及び図5にまとめた。
【0090】
以下のことが証明された。
1.本発明の方法に従うと、800℃で結合された反応器(実施例2)の処理能力は、同一の作用点における遊離体転化に関して、1100℃で結合された反応器(実施例3)の処理能力を著しく上回る。本発明の方法に従う結合温度の低下を明らかにすることを可能にしたこれは、触媒活性において、及びその結果として構成部品の総処理能力において、好ましい影響を直接的に有する。
2.実施例2の反応器の、生成物流体中のCO/CO2比は、熱力学的平衡状態と等しい。熱力学平衡状態内範囲で稼動することは、遊離体流体の収量に関して工程管理の最適条件効率を改善する。それと比較して、従来の固体吸着床反応器における同一触媒は、同一の稼動パラメータ下において熱力学的平衡状態からは程遠いCO/CO2比を有する、よって、本発明の方法に従って作られた実施例2の反応器よりも低い効率及び処理能力を表す。
【0091】
ここに記載された実施例及び実施形態は図示を目的としているだけであり、その見地における様々な修正及び変更が理解される、並びに、本明細書に記載された特徴の組み合わせは、当業者に示唆され、かつ、記載された発明の精神と範囲に、及び、添付された請求項の範囲内に含まれるであろう。全てのここに引用された、出版物、特許、及び特許明細書は、引用文献に組み込まれている。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】結合領域及び通路内に結合層の析出を有する、本発明の方法の概略フロー図である。
【図2】結合領域内のみに結合層の析出を有する、本発明の方法の概略フロー図である。
【図3】Sued-Chemie (Sued-Chemie AG, ドイツ)触媒 G-66-MRで装填された固体吸着床反応器及び、同じ触媒のコーティングを備えられた実施例1のマイクロ構造反応器の、反応温度の関数としたときのメタノール転化率(単位はmol-1・s-1・gCATALYST-1)の依存関係を表す。
【図4】実施例2のマイクロ構造化メタン蒸気リフォーマの実施データである。
【図5】実施例3のマイクロ構造化メタン蒸気リフォーマの実施データである。
【図6】固体吸着床反応器内の触媒46-8M(ICI)の実施データである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次のa.〜d.の方法工程、即ち
a.結合領域、及び通路が形成されている通路領域を有する反応体層を作り、
b.結合領域において反応体層上に少なくとも一つの結合層を着け、
c.通路領域において反応体層に触媒を装填し、及び
d.反応体層を結合すること、
から構成される、触媒を装填した通路を有する反応器を製造する方法において、反応体層に触媒を装填する前に、結合領域において少なくとも一つの結合層が着けられ且つ遮蔽されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
少なくとも一つの結合層が結合領域内のみに、又は反応体層の全表面上に着けられることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
反応体層上への、少なくとも一つの結合層の装着後、反応体層上の通路領域内に凹部が形成され、且つ上記凹部に触媒が装填されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
凹部が、メッキ法を用いることによって、又は化学的エッチング、ミリング、スタンピング、又はパンチングによって形成されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
反応体層に装填する前に、少なくとも一つの結合層は結合領域においてカバーで遮蔽され、且つ、上記カバーが装填後に除去されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
触媒が薄め塗膜法を用いて着けられることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
触媒が反応体層の結合中に焼成されることを特徴とする、請求項1〜6のいずか一項に記載の方法。
【請求項8】
触媒が、少なくとも一つの触媒キャリヤ及び少なくとも一つの触媒金属を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
反応体層に触媒が装填される前に、酸化物材料の単層が、反応体層上の通路領域内に形成されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
酸化物材料が、酸化アルミニウム、シリカ、ケイ酸塩、アルモシリケート、二酸化チタン、及び二酸化ジルコニウムで構成される群から選択されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも一つの結合層が、半田層又は蝋付け半田層を構成することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
半田層又は蝋付け半田層が、少なくとも一つの高融点部分半田層又は高融点部分蝋付け半田層、及び少なくとも一つの低融点部分半田層又は低融点部分蝋付け半田層から構成されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも一つの高融点部分半田層又は高融点部分蝋付け半田層が、銀、金、ニッケル及び銅で構成される群から選択された、少なくとも一つの金属から作られることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも一つの低融点部分半田層又は低融点部分蝋付け半田層が、スズ、インジウム及びビスマスで構成される群から選択された、少なくとも一つの金属から作られることを特徴とする、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
高融点部分半田層又は高融点部分蝋付け半田層が銀で作られ、且つ低融点部分半田層又は低融点部分蝋付け半田層がスズで作られることを特徴とする、請求項12〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
反応体層が、溶融拡散半田付け法又は溶融拡散蝋付け法を用いて結合されることを特徴とする、請求項12〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
少なくとも一つの結合層が、補助結合層であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
補助結合層が、炭素、銀、銅、鉄、ニッケル、金、パラジウム、マンガン、クロム及び亜鉛で構成される群から選択された少なくとも一つの元素から、又は、ニッケル、鉄、コバルト、クロム及びマンガンで構成される群から選択された少なくとも一つの金属と、リン、ホウ素及び炭素で構成される群から選択された少なくとも一つの元素との合金から作られることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも一つの結合層が着けられる前に、結合領域において多機能バリヤコーティングが反応体層に着けられることを特徴とする、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
上記バリヤコーティングが、モリブデン、マンガン、鉄、鉄/リン合金、レニウム、ロジウム、プラチナ、パラジウム、ニッケル、及びニッケル/リン合金で構成される群から選択された少なくとも一つの金属から作られ、且つ1〜20μm範囲の厚みを有することを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
反応体層が金属から作られることを特徴とする、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
上記金属が、銅、タンタル、アルミニウム、ニッケル、チタン、及びそれらの合金、ならびにステンレス鋼で構成される群から選択されることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
請求項1〜22のいずれか一項に従って製造された反応器の、炭化水素及びアルコールリフォーマとしての使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−527350(P2009−527350A)
【公表日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−555713(P2008−555713)
【出願日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際出願番号】PCT/EP2007/001690
【国際公開番号】WO2007/096198
【国際公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(597075328)アトーテヒ ドイッチュラント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (33)
【Fターム(参考)】