説明

マルチビーム光源装置、光走査装置、及び、画像形成装置

【課題】 リードフレーム上に発光チップを実装した半導体レーザユニットを用いて、装置を大型化することなく、記録速度の高速化及び記録密度の高密度化に対応した光源装置を得る。
【解決手段】 リードフレーム102及びリードフレーム102上に実装された複数の発光チップ101を有する半導体レーザアレイ100と、半導体レーザアレイ100が載置された駆動回路基板200と、半導体レーザアレイ100からの光をカップリングするカップリングレンズ300と、を備えたマルチビーム光源装置。リードフレーム102は放熱部を有し、放熱部は駆動回路基板200に固定され、駆動回路基板200は切欠き部201を有し、切り欠き部201にカップリングレンズ300が当接し固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル書込光学系、更に詳しくは、デジタル複写機、プリンタ、ファクシミリなどのデジタル出力機器におけるマルチビーム光源装置、光走査装置、及び、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、レーザプリンタやデジタル複写機などの画像形成装置では、記録速度の高速化および記録密度の高密度化の要求に対応して、複数のレーザビームで感光体の被走査面上を同時に走査するマルチビーム走査装置が採用されている。このようなマルチビーム走査装置に用いられるマルチビーム光源装置として、従来から種々のものが用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1または2に記載されているように、CAN(缶)パッケージ型の半導体レーザ光源がある。これは、円筒状のパッケージ本体(ヒートシンク)の中央に立設したマウント部の側面に発光チップが実装され、表面側に突出したリードの先端とボンディングにより接続されている半導体レーザ光源である。
【0004】
CANパッケージ型の半導体レーザ光源では、円筒状のヒートシンクの外周を基準として半導体レーザの姿勢が保持されている。そのため、光源の配置や射出軸の方向を規定することができ、複数の光源がカップリングレンズの光軸から偏心して配置されていても、各光源からの光ビームの被走査面における結像状態を均一にすることができるという利点がある。
【0005】
また、特許文献3に記載されているように、リードフレーム上に発光チップが実装された半導体レーザ光源がある。このような半導体レーザ光源では、リードフレームに延設されるリード端子が平面上に配列されるため、ビーム数が増えても扁平に拡張するだけで済むという利点がある。
【0006】
また、特許文献4及び5に記載されているように、半導体レーザが駆動回路基板の実装面に対し射出軸が鉛直方向になるように実装されている半導体レーザ光源がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
半導体レーザ光源では、ビーム数が増加すると、リード端子の本数が増加するが、CANパッケージ型の半導体レーザ光源では、例えば4ビーム以上となると、増加したリード端子をCANパッケージ内に収容することは難しい。また、ワイヤボンディングの配線長も長くなることで、ワイヤ間の短絡や破断が起こりやすくなる恐れがある。
【0008】
リードフレーム上に発光チップが実装された半導体レーザ光源では、ビーム数を増加させつつカップリングレンズと複数の光源との配置精度を維持することは難しい。また、各光源からの複数のビームスポットが被走査面上で記録密度に応じた所定の副走査ピッチとなるように、副走査ピッチを調整可能な構成でなければならないが、この半導体レーザ光源では、ビーム数を増加させつつそれを実現させることは難しい。
【0009】
半導体レーザが駆動回路基板の実装面に対し射出軸が鉛直方向になるように実装されている半導体レーザ光源においては、マルチビーム化により基板が大型化するとともに、光走査装置の厚み方向のスペースが必要となって、光走査装置の薄型化を阻害してしまう。
【0010】
このように、従来の種々の半導体レーザ光源においては、マルチビーム化を実現しつつ、ビームスポットの副走査ピッチの調整と半導体レーザ光源の軽量小型化を実現することは困難であった。そして、従来の半導体レーザ光源を用いるマルチビーム光源装置、光走査装置、及び、画像形成装置では、装置の小型化を実現しつつ、記録速度の高速化及び記録密度の高密度化を実現することは困難であった。
【0011】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであって、リードフレーム上に発光チップを実装した半導体レーザユニットを用いて、装置を大型化することなく、記録速度の高速化及び記録密度の高密度化に対応した光源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)本発明は、複数のリード端子を有するリードフレーム、前記リードフレーム上に実装された複数の半導体レーザ光源、及び、前記半導体レーザ光源の周囲において前記リードフレームと一体的に設けられ前記半導体レーザ光源を保護する樹脂枠、を有するフレームパッケージ型の半導体レーザアレイと、前記半導体レーザアレイが載置され前記半導体レーザ光源を駆動する駆動回路基板と、前記半導体レーザアレイからの光をカップリングするカップリングレンズと、を備えたマルチビーム光源装置において、前記リードフレームは前記樹脂枠との当接部分の外側に進展した放熱部を有し、前記放熱部は前記駆動回路基板に略密着した状態で前記駆動回路基板に固定され、前記駆動回路基板は、前記半導体レーザ光源の射出軸に略平行な、少なくとも1つの取付け面を有するレンズ位置調整固定部を有し、前記レンズ位置調整固定部の前記取付け面に前記カップリングレンズが当接し固定されていることを最も主要な特徴とする。
【0013】
本発明においては特に限定されないが、前記レンズ位置調整固定部は、2つの前記取付け面を有し、前記カップリングレンズが2つの前記取付け面に挟持された状態で固定されていることが好ましい。
【0014】
また、本発明においては特に限定されないが、前記レンズ位置調整固定部は、前記駆動回路基板の端部に設けられた切り欠き部であって、2つの前記取付け面は、前記切り欠き部の、前記半導体レーザ光源の射出軸に略平行な2つの側面であることが好ましい。
【0015】
また、本発明においては特に限定されないが、前記レンズ位置調整固定部は、前記駆動回路基板に設けられた溝部であって、2つの前記取付け面は、前記溝部のうち、前記半導体レーザ光源の射出軸に略平行な2つの側面であることが好ましい。
【0016】
また、本発明においては特に限定されないが、前記駆動回路基板の前記半導体レーザアレイの載置面と、前記取付け面とのなす角度が鈍角となることが好ましい。
【0017】
また、本発明においては特に限定されないが、前記レンズ位置調整固定部は、前記駆動回路基板の端部から突出した取付け腕部を有し、前記取付け腕部には前記駆動回路基板の平面に対して垂直に立ち上がる立ち上げ部が設けられていて、前記立ち上げ部の前記半導体レーザ光源の射出軸に略平行な側面に前記カップリングレンズが固定されていることが好ましい。
【0018】
また、本発明においては特に限定されないが、前記駆動回路基板には、前記半導体レーザアレイを前記駆動回路基板に載置する際の位置決め、及び、前記マルチビーム光源装置本体の取り付け時の位置決めの基準となる位置決め手段が設けられていることが好ましい。
【0019】
また、本発明においては特に限定されないが、前記駆動回路基板が金属からなることが好ましい。
【0020】
また、本発明においては特に限定されないが、前記駆動回路基板には前記半導体レーザアレイの載置面とは異なる高さとなる段差部が設けられていて、前記段差部に前記レンズ位置調整固定部が設けられていることが好ましい。
【0021】
また、本発明においては特に限定されないが、前記駆動回路基板にアパーチャ部が設けられていることが好ましい。
【0022】
また、本発明においては特に限定されないが、前記駆動回路基板において、前記半導体レーザアレイの載置面とは反対側の面から突出した弾性変形可能な折り曲げ部が設けられていることが好ましい。
【0023】
また、本発明においては特に限定されないが、半導体レーザ光源からの光ビームの射出軸と略同軸を回転軸として、マルチビーム光源装置を回転可能に支持するための軸受け部が前記駆動回路基板に設けられていることが好ましい。
【0024】
(2)本発明はまた、マルチビーム光源装置と、前記マルチビーム光源装置からの光ビームを偏向走査する偏向手段と、偏向走査された前記光ビームを被走査面に結像する走査光学系と、を備えた光走査装置において、前記マルチビーム光源装置が上述したマルチビーム光源装置であることを主要な特徴とする。
【0025】
(3)本発明はまた、感光媒体の感光面に光走査装置による光走査を行って潜像を形成し、前記潜像を可視化して画像を得る画像形成装置であって、前記光走査装置は上述した光走査装置であることを主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、同一の駆動回路基板上に半導体レーザアレイとカップリングレンズが設けられているフレームパッケージ型の半導体レーザアレイを採用することで、装置の小型化を実現しつつ、記録速度の高速化及び記録密度の高密度化を実現することのできるマルチビーム光源装置、光走査装置、及び、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施例1に係るマルチビーム光源装置を示す斜視図である。
【図2】図1のマルチビーム光源装置の分解図である。
【図3】図1のマルチビーム光源装置に用いられるフレームパッケージ型の半導体レーザアレイを示す斜視図である。
【図4】図1のマルチビーム光源装置をγ度傾けて配置する様子を示す概略図である。
【図5】本発明の実施例1の変形例に係るマルチビーム光源装置を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施例2に係るマルチビーム光源装置を示す斜視図である。
【図7】図6のマルチビーム光源装置の分解図である。
【図8】本発明の実施例3に係るマルチビーム光源装置を示す斜視図である。
【図9】図8のマルチビーム光源装置の分解図である。
【図10】本発明の実施例3の変形例に係るマルチビーム光源装置を示す斜視図である。
【図11】本発明の実施例4に係るマルチビーム光源装置を示す斜視図である。
【図12】本発明の実施例5に係るマルチビーム光源装置を示す斜視図である。
【図13】本発明の実施例に係る光走査装置を示す概略斜視図である。
【図14】本発明の実施例に係る光走査装置を示す要部正面図である。
【図15】本発明の実施例に係る画像形成装置を示す概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
[マルチビーム光源装置]
以下、本発明に係るマルチビーム光源装置の各実施例について、図を用いて説明する。
【0029】
<実施例1>
本発明の実施例1に係るマルチビーム光源装置は、図1及び図2に示すように、駆動回路基板200に半導体レーザアレイ100とカップリングレンズ300が固定されて構成されている。
【0030】
半導体レーザアレイ100は、図3に示すように、リードフレーム102上に複数の発光チップ101が活性層と平行な接合面で実装され、樹脂枠103で覆われた所謂フレームパッケージの構成をなす。
【0031】
発光チップ101は、半導体レーザ光源であって、リードフレーム102と平行な平面内に配置され、各発光チップ101からの光ビームはリードフレーム102と平行に射出される。2ch以上のマルチビーム半導体レーザでも発光チップ101の分だけリード端子104が増加するだけで、他の構成は同様である。
【0032】
リードフレーム102は、複数の発光チップ101の配列中心を通る射出軸105に対して対称な形状をなし、射出軸105に平行な端辺102a、102bと、光軸方向の突き当て端102cを有する。また、リードフレーム102のうち、端辺102a、102bの周辺部、及び、突き当て端102cの周辺部は、樹脂枠103との当接面の外側に突出し、放熱板となっている。リードフレーム102にはリード端子104が延設され、発光源である複数の発光チップ101やフォトダイオード(不図示)とワイヤボンディングにより各々接続がなされ独立に駆動可能としている。
【0033】
樹脂枠103は、樹脂よりなる平面形状が略コ字状の部材であり、その解放部分より発光チップ101からの光ビームが外部に射出可能となるように、発光チップ101の周辺を覆い保護しつつ、リードフレーム102と一体的に設けられている。
【0034】
このような構成の半導体レーザアレイ100は、金属ベースのプリント基板である駆動回路基板200に実装され、リードフレーム102の端辺102a、102b、及び、リード端子104において半田付けされ、駆動回路基板200に固定されている。
【0035】
駆動回路基板200には、マルチビーム半導体レーザ100の駆動素子、コネクタ(共に不図示)等が実装され、半導体レーザアレイ100を駆動する回路パターンが形成されている。また、駆動回路基板200には、カップリングレンズ300の光軸方向の位置を調整しつつ固定するためのレンズ位置調整固定部として、一端が解放した長孔状の切欠き部201が形成されている。
【0036】
切欠き部201は、略コ字状をしていて、射出軸105に略平行な2つの長辺201a、201b、及び、それらの間にあり射出軸と略垂直な短辺201cにより形成されている。2つの長辺201a、201b間の距離である切欠き部201の溝幅Wは、後述するカップリングレンズ300がこの2つの長辺201a、201b間に載置された状態においてマルチビーム半導体レーザ100の射出軸105とカップリングレンズ300の光軸とが略同軸に配置されるように設計されている。
【0037】
カップリングレンズ300は円筒状のレンズであり、その外周部301が、上述した切欠き部201の長辺201a、201bに当接した状態で、コバ部、すなわち外周面とのすき間に接着剤400を充填して接着固定されている。カップリングレンズ300の接着固定は、射出軸105と直交する面内でのカップリングレンズ300の配置と、カップリングレンズ300から射出した光ビームが平行光束となるように、光軸方向の配置が調節されて行われる。
【0038】
また、上述した構成を主に備えるマルチビーム光源装置を組み立てる際の各部品の配置精度を向上させるため、駆動回路基板200には、基準孔202、203が設けられている。駆動回路基板200は、この基準孔202、203を基準にして不図示の部品実装装置上に固定される。そして、半導体レーザアレイ100は、リードフレーム102の端辺102a、102bや突き当て端102c等を利用して、駆動回路基板200の実装面上に高精度に位置決めされて実装される。このように、基準孔202、203は、駆動回路基板200に半導体レーザアレイ100を実装する際の、実装面と平行な面内での傾きを規定する位置決め手段として機能する。これにより、マルチビーム光源装置の組立時に、長辺201a、201bを、半導体レーザアレイ100の射出軸105に略平行で対称な直線とすることができる。
【0039】
また、基準孔202、203は、光走査装置(後述)にマルチビーム光源装置1を組み付けるときの基準としても利用することができる。マルチビーム光源装置を不図示の光走査装置の筐体上に基準孔202、203を用いて位置決めし、取付孔205、206を通じてネジ(不図示)で固定することで、マルチビーム光源装置を光走査装置の所定の取り付け位置に精度よく配置することができる。
【0040】
ここで、後述の図13に示すような、ポリゴンミラー、走査レンズ、折り返しミラー等が不図示のハウジングに収容される光走査装置における、本実施例に係るマルチビーム光源装置を用いた走査ピッチ調整について説明する。
【0041】
図4に示すように、結像光学系の副走査方向の全系倍率をm、複数の発光源からの光ビームによる隣接するビームスポット間の副走査方向ピッチをp、発光源の隣接間隔をd、そして、光走査装置に締結固定されたマルチビーム光源装置1の複数の発光チップ101の主走査方向に対する傾き(以下、「配列角度」と称する。)をγ度とすると、以下の式が成り立つ。
γ=sin−1(p/m/d)
【0042】
mを1.5〜2、pを1200dpiに相当する走査ピッチに合わせて21.2μm、dを50μmとすると、γは12.2°〜16.4°となる。すなわち、このような光走査装置において1200dpiに相当する走査ピッチに調整するためには、マルチビーム光源装置が主走査方向に対してこの角度だけ傾けられて、光走査装置に配置されればよい。
【0043】
マルチビーム光源装置を本実施例の構成とすることで、光走査装置内におけるマルチビーム光源装置の取り付け角度を調整するだけで容易にビーム成形、調整を行うことができる。
【0044】
また、同一の駆動回路基板上に半導体レーザアレイとカップリングレンズが設けられているため、周囲の温度変化に対する半導体レーザアレイとカップリングレンズの相対的な固定位置の変動を抑え、光ビームの安定性を高めることができる。
【0045】
また、CANパッケージ型の半導体レーザ光源に比べて構造が簡単なフレームパッケージ型の半導体レーザアレイを採用することで、CANパッケージ型よりもビーム数の増加にコストをかけずに容易に対応できるとともに、より小さい環境負荷で高速、高密度化を図ることができる。
【0046】
また、基準孔を設けたことにより、レーザ光の射出軸の方向が確実に規定することができる。
【0047】
また、射出軸に直交する面内で発光チップの配列角度の調整が容易に行えるため、従来のCANパッケージ型の半導体レーザアレイを用いた場合と同様に、被走査面上でのピッチ調整を容易に行うことができる。
【0048】
また、複数の発光チップの発光に伴う発熱を、リードフレームの放熱板を通して金属ベースの駆動回路基板から逃がすことができるため、放熱効果を高めることができ、マルチビーム光源装置の熱によるクロストークや寿命の劣化を低減し、発光安定性を高めることができる。
【0049】
また、フレームパッケージ型のマルチビーム光源装置から射出される光の一部が駆動回路基板で遮られることなく、カップリングレンズの射出軸方向の位置を調整した上で確実に固定し、駆動回路基板と一体化することができる。
【0050】
なお、本実施例においては、駆動回路基板のうち半導体レーザアレイが載置される面と、切り欠き部201の長辺211a、211bを形成する面とがなす角度は略垂直であるが、本発明においてはこれに限られず、他の態様を採用することが可能である。
【0051】
例えば、図5に示すように、駆動回路基板のうち半導体レーザアレイが載置される面と、切り欠き部201の長辺211a、211bを形成する面とがなす角度を、鈍角となるように構成しても良い。
【0052】
円筒状のカップリングレンズ300を傾斜面で受けることで、カップリングレンズ300を接着固定する際に、傾斜面とカップリングレンズ300との接線の両側にフィレットが確実に形成され、接着強度を高めることができ、カップリングレンズ300を安定して固定することができる。
【0053】
なお、本実施例においては、基準孔202、203が複数設けられていたが、本発明においてはこれに限らず、種々の態様を採用することができる。例えば、基準孔を設けず、切欠き部201の長辺201a、201bの一部を実装時の位置決め手段として利用しても良い。また、駆動回路基板200の外周部の長辺204と平行に長孔状の切欠き部を形成し、この切欠き部、及び、駆動回路基板200の外周部の長辺204を、実装時の位置決め手段、及び、光走査装置に光源装置を組み付けるときの基準として利用しても良い。
また、本実施例においてはレンズ位置調整固定部として切欠き部を設けたが、本発明においてはこれに限らず、長孔状のレンズ位置調整固定部としても良い。このような態様によっても、本実施例と同様の効果を得ることができる。
【0054】
<実施例2>
本発明の実施例2に係るマルチビーム光源装置を、図6及び図7に示す。実施例2に係るマルチビーム光源装置は、駆動回路基板の構成を除いて実施例1に係るマルチビーム光源装置の構成と同じであるため、重複する部分の説明は省略する。
【0055】
駆動回路基板220には、カップリングレンズ300の位置調整固定部として、立ち曲げ部221が形成されている。
【0056】
立ち曲げ部221は、駆動回路基板220のうち、レーザ光が射出される方向の端部から突出した突出部224の側部を略垂直に立ち上げて形成されている。
【0057】
駆動回路基板220は、その端辺222、223を基準にして図示しない部品実装装置上に固定されるとともに、半導体レーザアレイ100のリードフレーム102の端辺102a、102b、及び突き当て端102c等を利用して、駆動回路基板220上に高精度に位置決めされて実装される。これにより、立ち曲げ部221のカップリングレンズの装着面221aと、半導体レーザアレイ100の射出軸105とを、略平行にすることができる。また、駆動回路基板220の外周部の端辺222、223は、光走査装置に光源装置を組み付けるときの基準端面としても利用する。なお、本実施例と異なる他の態様として、装着面221aを半導体レーザアレイ100の実装時の位置決め手段としてもよい。
【0058】
カップリングレンズ300は、その外周部301が立ち曲げ部221の装着面221aに当接しつつ、コバ部とのすき間に接着剤400を充填して接着固定され、接着面221aとカップリングレンズ300との接線を挟むように、接着剤400のフィレットが形成される。
【0059】
立ち曲げ部221の装着面221aは、カップリングレンズ300をこれに接着固定したときに、半導体レーザアレイ100の射出軸105と、カップリングレンズ300の光軸とが略同軸に配置されるように設計されている。そして、カップリングレンズ300は、カップリングレンズ300の射出軸105と直交する面内での配置と、光軸方向の配置とが調節されて接着固定される。こうして、カップリングレンズ300から射出した光ビームを平行光束とすることができる。
【0060】
本実施例に係るマルチビーム光源装置は、実施例1に係るマルチビーム光源装置と同様に、複数の発光チップの配列角度を所定の角度に設定して、光走査装置に締結固定される。
【0061】
実施例2に係るマルチビーム光源装置の構成を採用することで、フレームパッケージ型の半導体レーザから射出される光の一部が駆動回路基板で遮られることを防止することができる。
【0062】
また、カップリングレンズの射出軸方向の位置を調整した上でそれを確実に固定し、駆動回路基板と一体化することができる。
【0063】
また、カップリングレンズを接着固定する際に、当接面とカップリングレンズの接線の両側にフィレットが確実に形成され、接着強度を高めることができ、カップリングレンズの固定の安定性を高めることができる。
【0064】
<実施例3>
本発明の実施例3に係るマルチビーム光源装置を、図8及び図9に示す。実施例3に係るマルチビーム光源装置は、駆動回路基板の構成を除いて実施例1に係るマルチビーム光源装置の構成と同じであるため、重複する部分の説明は省略する。
【0065】
駆動回路基板230には、半導体レーザアレイ100の実装面と高さの異なる段差として形成された折曲げ段差部231が設けられている。折り曲げ段差部231の略中央には、駆動回路基板230の長い端辺233と平行に、カップリングレンズ300の位置調整固定部である、長孔232が設けられている。折り曲げ段差部231の長孔232の長辺232a、232bは、後述する半導体レーザアレイ100の射出軸105に略平行であり、かつ、射出軸105を挟んで対称な位置となっている。
【0066】
駆動回路基板230は、その外周部の端辺233、234を基準として図示しない部品実装装置上に高精度の位置決めされて固定される。そして、半導体レーザアレイ100はリードフレーム102の端辺102a、102b、及び突き当て端102c等を利用して、駆動回路基板230上に高精度に位置決めされて実装される。また、駆動回路基板230の外周部の端辺233、234は、光走査装置にマルチビーム光源装置を組み付けるときの基準端面としても機能する。
【0067】
カップリングレンズ300は、その外周部が、長孔の長辺232a、232bに当接され、コバ部とのすき間に接着剤400を充填して接着固定される。
【0068】
折り曲げ段差部231の段差の高さhと、長孔232の長辺232a、232b間の距離(溝幅)Wは、半導体レーザアレイ100の射出軸105と、カップリングレンズ300の光軸とが略同軸に配置されるように設計されている。そして、カップリングレンズ300は、射出軸105と直交する面内での配置と、カップリングレンズ300から射出した光ビームが平行光束となるように光軸方向の配置を調節して接着固定される。
【0069】
本実施例に係るマルチビーム光源装置は、実施例1に係るマルチビーム光源装置と同様に、複数の発光チップの配列角度を所定の角度となるように傾けられ、光走査装置に締結固定される。
【0070】
実施例3に係るマルチビーム光源装置の構成を採用することで、フレームパッケージ型の半導体レーザから射出される光の一部が駆動回路基板で遮られることを効果的に防止することができる。
【0071】
また、カップリングレンズの射出軸方向の位置を調整した上でそれを確実に固定し、駆動回路基板と一体化することができる。
【0072】
また、長孔の一端を開放している場合よりも、カップリングレンズ搭載部の強度を高めることができ、振動、衝撃等の外乱による半導体レーザとカップリングレンズの相対的な固定位置の変動を効果的に抑えることができる。
【0073】
なお、本実施例の態様とは異なり、図10に示すように、駆動回路基板240の折り曲げ段差部241に続けて、立ち曲げ部247を設け、ビーム整形用のアパーチャ248を設けても良い。アパーチャと基板とを一体的に構成することで、カップリングレンズの位置調整固定部の機械的強度を高めるとともに、部品削減による低コスト化を図ることができる。
【0074】
<実施例4>
本発明の実施例4に係るマルチビーム光源装置を、図11に示す。実施例4に係るマルチビーム光源装置は、駆動回路基板の構成を除いて実施例1に係るマルチビーム光源装置の構成と同じであるため、重複する部分の説明は省略する。
【0075】
本実施例に係るマルチビーム光源装置の駆動回路基板250には、傾斜設置用の折り曲げ部257、258が設けられている。折り曲げ部257、258は、半導体レーザユニット100の射出軸105と直交する面内の角度を規定するための部材である。ネジを用いてマルチビーム光源装置を光走査装置内に取り付けるときに、ネジの締め付けに伴う折り曲げ部の弾性変形を利用して、マルチビーム光源装置の複数の発光源の傾き量を微調整することができる。
【0076】
マルチビーム光源装置を本実施例のような構成とすることで、ビームピッチの微調整を容易にすることができる。また、光源装置周辺の温度変化に伴い、周辺部材が熱膨張することでマルチビーム光源装置の相対的な位置が変化し、ビーム位置が変化してしまうという問題に対しても、折り曲げ部の弾性変形を利用してそれを効果的に防止し、ビーム位置安定性を高めることができる。
【0077】
<実施例5>
本発明の実施例5に係るマルチビーム光源装置を、図12に示す。実施例5に係るマルチビーム光源装置は、駆動回路基板の構成を除いて実施例1に係るマルチビーム光源装置の構成と同じであるため、重複する部分の説明は省略する。
【0078】
本実施例に係るマルチビーム光源装置の駆動回路基板260には、半導体レーザアレイ100の射出軸105と略同軸においてマルチビーム光源装置を回転可能に支持するための、回転支持部267が設けられている。この回転支持部267は、半導体レーザアレイ100からのレーザ光の射出方向とは反対側の駆動回路基板260の端部から突出した突出部267aと、この突出部267aに連続して設けられ、射出軸105に垂直な平面における断面形状が略V字状となる軸受け部267bとにより構成されている。
【0079】
光走査装置側に設けられた図示しない支持軸が、この軸受け部267bのV字状の空間に挿入されると、軸受け部267b、及び、駆動回路基板260の表面とにより所定の押圧力で押圧される。この押圧力により駆動回路基板260が支持軸に回転可能に支持される。本実施例に係るマルチビーム光源装置は、この支持軸回りに回転することで、複数の発光源の配列角度を所定の角度に設定した後、光走査装置に締結固定される。
【0080】
このように、支持軸を中心に駆動回路基板が回転可能となっていることで、ビームピッチ調整を容易にすることができる。
【0081】
なお、本実施例においてはレンズ位置調整固定部として実施例1と同様の切欠き部を設けたが、本発明においてはこれに限らず、長孔状のレンズ位置調整固定部としても良い。また、実施例3と同様に、折曲げ段差部を設けた構成としても良い。
【0082】
上述したマルチビーム光源装置の各実施例において、駆動回路基板として、金属ベースのプリント基板が用いられているが、本発明においては必ずしも金属ベースのプリント基板である必要はない。ただし、放熱効果が大きい点、および、マルチビーム半導体レーザアレイを実装する際の基準孔、基準辺等を高精度に形成できる点で、金属ベースのプリント基板が好適である。
【0083】
[光走査装置]
本発明に係る光走査装置の実施例について、図13及び図14を用いて以下に説明する。
【0084】
本実施例に係る光走査装置は、回転方向に位相差を設けた2段の多面鏡式光偏向器へ入射する前の光学系で、光ビームを副走査方向(ポリゴンミラーの回転軸方向)に2分割し、2つの光源装置で4つの光導電性感光体上に光ビームを走査する光走査装置である。
【0085】
図13、図14において、符号1、2は、それぞれ、2chの半導体レーザアレイを基板上に実装した光源装置を示している。
【0086】
半導体レーザアレイからの光ビームは、カップリングレンズにより以後の光学系に適した光束形態(平行光束あるいは弱い発散性もしくは弱い収束性の光束)に変換される。カップリングレンズから射出し、所望の光束形態となった各光ビームは、光ビーム幅を規制するアパーチャの開口部を通過して整形されたのち、ハーフミラープリズムに入射し、ハーフミラープリズムの作用により副走査方向に2分割されてそれぞれが上下2本の光路1a、1bに分けられる。
【0087】
2本の光路1a、1bに分けられた光ビームはシリンドリカルレンズに入射し、シリンドリカルレンズの作用により副走査方向へ集光され、多面鏡式光偏向器3の偏向反射面近傍に、主走査方向に長い線像として結像する。図の煩雑を避けるため、2chのマルチビーム半導体レーザから放射された2本の光ビームを1本の光路で示している。なお、アパーチャ、ハーフミラープリズム、シリンドリカルレンズは不図示となっている。
【0088】
多面鏡式光偏向器3に入射し、偏向された光ビームは、走査結像光学系側へと射出される。多面鏡式光偏向器3は、図示のように上ポリゴンミラー3a、下ポリゴンミラー3bを回転軸方向に上下2段に積み重ねて一体とし、駆動モータにより回転軸の周りに回転されるようになっている。
【0089】
上ポリゴンミラー3a、下ポリゴンミラー3bは、この例において共に4面の偏向反射面を持つ同一形状のものであるが、上ポリゴンミラー3aの偏向反射面に対し、下ポリゴンミラー3bの偏向反射面が、回転方向へ所定角(本実施例では45度)ずれている。符号4a、4b、4c、4dは走査レンズ、符号5a、5a’、5b、5c、5c’、5dは、光路折り曲げミラーを示している。符号9K、9M、9C、9Yは光導電性感光体を示している。
【0090】
走査レンズ4aと、光路折り曲げミラー5a、5a’とは、多面鏡式光偏向器3の上ポリゴンミラー3aにより偏向される光源装置1からの2本の光ビームを、対応する光走査位置である光導電性感光体9M上に導光して、副走査方向に分離した2つの光スポットを形成する、1組の走査結像光学系を構成する。走査レンズ4bと光路折り曲げミラー5bとは、多面鏡式光偏向器3の下ポリゴンミラー3bにより偏向される光源装置1からの2本の光ビームを、対応する光走査位置である光導電性感光体9K上に導光して、副走査方向に分離した2つの光スポットを形成する、1組の走査結像光学系を構成する。また、これらの光スポットは主走査方向にも分離しているため、各感光体を光走査する2本の光ビームを個別的に検出して光走査開始の同期を光ビームごとに取ることができる。
【0091】
このようにして、多面鏡式光偏向器3の上ポリゴンミラー3aにより偏向される2本の光ビームは、光導電性感光体9Mをマルチビーム走査され、多面鏡式光偏向器3の下ポリゴンミラー3bにより偏向される2本の光ビームは、光導電性感光9K上をマルチビーム走査される。
【0092】
多面鏡式光偏向器3の上ポリゴンミラー3aと下ポリゴンミラー3bの偏向反射面は互いに回転方向に45度ずれているので、上ポリゴンミラー3aによる偏向光ビームが光導電性感光体9Mの光走査を行うとき、下ポリゴンミラー3bによる偏向光ビームは、光導電性感光体9Kには導光されない。また、下ポリゴンミラー3bによる偏向光ビームが光導電性感光体9Kの光走査を行うとき、上ポリゴンミラー3aによる偏向光ビームは、光導電性感光体9Mには導光されない。即ち、光導電性感光体9M、9Kの光走査は時間をずらして交互に行われることになる。
【0093】
そして、光導電性感光体9Mの光走査が行われるときは光源の光強度をマゼンタ画像の画像信号で変調し、光導電性感光体9Kの光走査が行われるときは光源の光強度を黒画像の画像信号で変調すれば、光導電性感光体9Mにはマゼンタ画像の静電潜像を、光導電性感光体9Kには黒画像の静電潜像を書込むことができる。
【0094】
同様に、右側部分の光源装置2から射出される2本の光ビームにより、光導電性感光体9Y、9Cがマルチビーム走査される。このマルチビーム走査の詳細については、光導電性感光体9K、9Mがマルチビーム走査される様子と同様であるため、説明は省略する。
【0095】
本実施例に係る光走査装置は、上述した各実施例に係るマルチビーム光源装置を用いているため、光走査の高速化及び高密度化を実現しつつ、光ビームの安定性を高めることができる。また、光走査装置を薄型化して環境負荷を低減した光走査装置を提供することができる。さらに、光走査装置の製造コストを低減することができる。
[画像形成装置]
本発明に係る画像形成装置の実施例について、図15を用いて以下に説明する。
【0096】
感光体ドラム9(YMCK)は、Y、M、C、Kの色ごとに設けられたドラム形状の像担持体であり、各感光体ドラム9は同一径を有している。また、この感光体ドラム9の周囲近傍には、ドラム回転方向に沿って、帯電装置10、現像装置12、中間転写ベルト13、ドラムクリーニング装置11、除電装置(不図示)が配設され、各感光体ドラム9は、中間転写ベルト13に等間隔で圧接されている。光走査装置からの書き込み用のレーザ光は、帯電装置10と現像装置12の間において感光体ドラム9上に照射される。
【0097】
帯電装置10(YMCK)は、感光体ドラム9ごとに非接触に配設されたローラ形状の装置であり、感光体ドラム9の表面を帯電させる。帯電装置10により帯電された感光体ドラム9表面に光走査装置から書き込み用のレーザ光が照射されると、感光体ドラム9上に各色に対応した静電潜像が形成される。
【0098】
現像装置12(YMCK)は、各感光体ドラム9に現像ローラを接触させて配設された装置であり、各色対応の感光体ドラム9に対応した色のトナー(現像剤)を保持している。作像時には、現像装置12が感光体ドラム9にトナーを供給し、感光体ドラム9に形成された静電潜像を現像する。静電潜像は、トナーで現像されることによりトナー像となる。
【0099】
ドラムクリーニング装置11(YMCK)は、各感光体ドラム9にブレード(クリーニングブレード)を接触させて配設された装置であり、中間転写ベルト13へのトナー像の転写後に感光体ドラム9上に残留している残留トナー・紙片等を除去・回収し、感光体ドラム9の表面をクリーニングする。
【0100】
また、ドラムクリーニング装置11と帯電装置10の間には不図示の除電装置が設けられている。この除電装置により、感光体ドラム9の表面の除電が行われる。
【0101】
中間転写ベルト13は、各感光体ドラム9の表面に形成された各色トナー像を順次重ね合わせて転写するための無端ベルトである。各色トナー像が順次重ね合わせられることで、中間転写ベルト9上にフルカラー画像が形成される。
【0102】
光学センサ14は、中間転写ベルト13に非接触に配設されていて、画像形成装置のメンテナンス用のテストパターンとして形成されるトナーパターンの検出を行う。
【0103】
転写ベルトクリーニング装置15は、中間転写ベルト13にブレード(クリーニングブレード)を接触させて配設された装置であり、給紙される記録紙へのトナー像の転写後に中間転写ベルト13上に残留している残留トナー、あるいは、トナーパターンを除去・回収し、中間転写ベルト13の表面をクリーニングする。
【0104】
転写ローラ16は、中間転写ベルト13上に形成されたカラー画像を、給紙トレイ19から搬送される記録紙上に転写するためのローラである。
【0105】
定着装置17は、記録紙上に転写されたカラー画像を記録紙に熱定着するための装置である。
【0106】
給紙ローラ18は、記録紙を給紙するためのローラである。
【0107】
給紙トレイ19は、記録紙を記録紙サイズ毎に格納するためのトレイである。
【0108】
排紙ローラ20は、カラー画像が熱定着された記録紙を、画像形成装置の機外に排紙するためのローラである。
【0109】
排紙トレイ21は、排紙された記録紙を載せるためのトレイである。
【0110】
なお、感光体ドラム9は、すべて同一の方向に回転する。また、中間転写ベルト13は、感光体ドラム9の回転方向とは逆の方向に回転し、転写ローラ16は中間転写ベルト13とは逆の方向(感光体ドラム9と同一の回転方向)に回転する。
【0111】
本実施例に係る画像形成装置は、上述した各実施例に係るマルチビーム光源装置を用いているため、画像形成の高速化及び高密度化を実現しつつ、光ビームの安定性を高めることができる。また、画像形成装置を小型、薄型化することができるとともに、環境負荷を低減した画像形成装置を提供することができる。さらに、画像形成装置の製造コストを低減することができる。
【符号の説明】
【0112】
100 半導体レーザアレイ
101 発光チップ
102 リードフレーム
102a 放熱板
102b、102c 端辺
103 樹脂枠
200、220 駆動回路基板
201 切欠き部
202、203 基準孔
221 立ち曲げ部
224 突出部
230 駆動回路基板
231 折り曲げ段差部
232 長孔
258 折り曲げ部
267 回転支持部
300 カップリングレンズ
400 接着剤
【先行技術文献】
【特許文献】
【0113】
【特許文献1】特開2000−105347号公報
【特許文献2】特開2003−031905号公報
【特許文献3】特開2006−222177号公報
【特許文献4】特開2006−072136号公報
【特許文献5】特開2003−283031号公報
【特許文献6】特開2007−324407号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のリード端子を有するリードフレーム、前記リードフレーム上に実装された複数の半導体レーザ光源、及び、前記半導体レーザ光源の周囲において前記リードフレームと一体的に設けられ前記半導体レーザ光源を保護する樹脂枠、を有するフレームパッケージ型の半導体レーザアレイと、
前記半導体レーザアレイが載置され前記半導体レーザ光源を駆動する駆動回路基板と、
前記半導体レーザアレイからの光をカップリングするカップリングレンズと、
を備えたマルチビーム光源装置において、
前記リードフレームは前記樹脂枠との当接部分の外側に進展した放熱部を有し、前記放熱部は前記駆動回路基板に略密着した状態で前記駆動回路基板に固定され、
前記駆動回路基板は、前記半導体レーザ光源の射出軸に略平行な、少なくとも1つの取付け面を有するレンズ位置調整固定部を有し、
前記レンズ位置調整固定部の前記取付け面に前記カップリングレンズが当接し固定されているマルチビーム光源装置。
【請求項2】
前記レンズ位置調整固定部は、2つの前記取付け面を有し、前記カップリングレンズが2つの前記取付け面に挟持された状態で固定されている請求項1記載のマルチビーム光源装置。
【請求項3】
前記レンズ位置調整固定部は、前記駆動回路基板の端部に設けられた切り欠き部であって、2つの前記取付け面は、前記切り欠き部の、前記半導体レーザ光源の射出軸に略平行な2つの側面である請求項2記載のマルチビーム光源装置。
【請求項4】
前記レンズ位置調整固定部は、前記駆動回路基板に設けられた溝部であって、2つの前記取付け面は、前記溝部のうち、前記半導体レーザ光源の射出軸に略平行な2つの側面である請求項2記載のマルチビーム光源装置。
【請求項5】
前記駆動回路基板の前記半導体レーザアレイの載置面と、前記取付け面とのなす角度が鈍角となる請求項2乃至4のいずれかに記載のマルチビーム光源装置。
【請求項6】
前記レンズ位置調整固定部は、前記駆動回路基板の端部から突出した取付け腕部を有し、前記取付け腕部には前記駆動回路基板の平面に対して垂直に立ち上がる立ち上げ部が設けられていて、前記立ち上げ部の前記半導体レーザ光源の射出軸に略平行な側面に前記カップリングレンズが固定されている請求項1記載のマルチビーム光源装置。
【請求項7】
前記駆動回路基板には、前記半導体レーザアレイを前記駆動回路基板に載置する際の位置決め、及び、前記マルチビーム光源装置本体の取り付け時の位置決めの基準となる位置決め手段が設けられている請求項1乃至6のいずれかに記載のマルチビーム光源装置。
【請求項8】
前記駆動回路基板が金属からなる請求項1乃至7のいずれかに記載のマルチビーム光源装置。
【請求項9】
前記駆動回路基板には前記半導体レーザアレイの載置面とは異なる高さとなる段差部が設けられていて、前記段差部に前記レンズ位置調整固定部が設けられている請求項1乃至8記載のいずれかに記載のマルチビーム光源装置。
【請求項10】
前記駆動回路基板にアパーチャ部が設けられている請求項1乃至9のいずれかに記載のマルチビーム光源装置。
【請求項11】
前記駆動回路基板において、前記半導体レーザアレイの載置面とは反対側の面から突出した弾性変形可能な折り曲げ部が設けられている請求項1乃至10のいずれかに記載のマルチビーム光源装置。
【請求項12】
半導体レーザ光源からの光ビームの射出軸と略同軸を回転軸として、マルチビーム光源装置を回転可能に支持するための軸受け部が前記駆動回路基板に設けられている請求項1乃至11のいずれかに記載のマルチビーム光源装置。
【請求項13】
マルチビーム光源装置と、
前記マルチビーム光源装置からの光ビームを偏向走査する偏向手段と、
偏向走査された前記光ビームを被走査面に結像する走査光学系と、
を備えた光走査装置において、前記マルチビーム光源装置が請求項1乃至12のいずれかに記載のマルチビーム光源装置である光走査装置。
【請求項14】
感光媒体の感光面に光走査装置による光走査を行って潜像を形成し、前記潜像を可視化して画像を得る画像形成装置であって、前記光走査装置は請求項13記載の光走査装置である画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−283228(P2010−283228A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−136480(P2009−136480)
【出願日】平成21年6月5日(2009.6.5)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】