説明

モータ、およびこれを備えたウエハ搬送ロボット

【課題】 回転子側の永久磁石からモータ外部へ漏洩する磁束を低減したモータを提供する。
【解決手段】 永久磁石5の軸方向の両側に配置され且つ回転子ヨーク6と磁気的に結合された磁性体リング1a、1bを追加すると共に、電機子コア3の軸方向の長さを前記磁性体リング1a及び1bと対向する位置までの長さとし、更に、前記磁性体リング1a、1bはそれぞれ前記永久磁石5の軸方向端面から磁性体リング1a、1bまでの距離Aが前記電機子コア3の内周面と前記永久磁石5の表面との間の距離Bと等しくなる位置に設けられ、前記磁性体リング1a、1bの外周面は前記永久磁石5の表面の延長面となるような寸法にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はモータに関し、特に半導体製造装置等で用いられるウエハ搬送ロボットにおけるアーム動作のためのモータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の半導体製造装置等で用いられるウエハ搬送ロボットにおけるアーム駆動のためのモータの軸方向断面図を図6に、径方向断面図を図7に示す。
図において、2はフレーム、3は電機子コア、4はコイル、5は永久磁石、6は回転子ヨーク、7はアダプタ、8は軸受、9はシャフト、10はブラケット、11は磁気センサ、12はスリットディスクである。
回転子側には磁性体の回転子ヨーク6の外周面に界磁用の永久磁石5が隣り合う磁極が互いに異極となるように円周方向に固着されており、上記回転子ヨーク6はアダプタ7によってシャフト9に固着されており、前記シャフト9は軸受8により固定子側のブラケット10に対して回転自在に支承されている。
また、固定子側には電機子コア3の内周面にコイル4が通電時の電気的位相によって決定された間隔及び相順をもって円周方向に配置されており、前記コイル4の内周面と前記永久磁石5の表面との間には所定のラジアル方向のクリアランスが存在する。
更に、前記電機子コア3はフレーム2に嵌合されており、前記フレーム2は前記ブラケット10に連結されている。
かかるモータは、上記コイル4への通電によって発生する起磁力が連続的に変化することで作られる回転磁界と回転子側の界磁永久磁石5による磁束との電磁作用により、回転子ヨーク6が回転するようになっている。
また、固定子と回転子との相対的な速度及び位置を検出する手段として、固定子側に磁気センサ11が配置されるとともに、回転子側に前記磁気センサ11と所定のギャップを介して対向する位置に前記ギャップ及び回転方向と垂直なスリットが回転方向に所定の等間隔で設けられている磁性体からなるスリットディスク12が配置される。
前記スリットディスク12の回転に伴なう磁気抵抗のスリットピッチ毎の周期的な変化を前記磁気センサ11で検出し、図示しない信号処理回路を介してスリットピッチに応じた検出信号が出力されるようになっている。
上述のようなモータは、前記シャフト9の軸端に図示しないアームが取り付けられ、前記シャフト9の回転によりアームが旋回動作する。
また、上述のようなモータが軸方向に2段構成をとると共に、それぞれのシャフトが同心軸構造とし、2軸のアームを相互に回転することで伸縮・旋回ができるようになったものもある。(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第2761438号公報(図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の半導体製造装置等で用いられるウエハ搬送ロボットにおけるアーム駆動のためのモータでは、永久磁石5による磁束の大部分(主磁束)は図8に示すように、コイル4を貫通し電機子コア3の中を通り、隣接する磁極が逆向きの永久磁石5の部分へと流れ、回転子ヨーク6の中を通ってもとの永久磁石に戻ってくるような閉ループを形成するが、磁束の一部は図9に示すように軸方向の両側に漏洩する。
この軸方向の両側への漏洩磁束は微小ではあるが、磁気的に遮蔽されていないので、磁束が狭い範囲で閉じにくく、モータ外部の広範囲にまで漏洩磁束が広がるため、その結果、磁気センサ11が誤動作を起こしたり、磁場の影響が問題となる装置環境(電子ビーム、プラズマ等に近い環境)で使用される場合に悪影響を及ぼすという問題があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、磁気センサを誤動作させることが無く、磁場の影響が問題となる装置環境においても問題なく使用することができるように、永久磁石からの漏洩磁束がモータ外部の広範囲にまで広がることを防止することができるウエハ搬送ロボットにおけるモータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したのである。
請求項1記載の発明は、モータに係り、円筒状をした磁性体の回転子ヨーク6と、前記円筒状の回転子ヨーク6の円筒外周面にそれぞれ隣り合う磁極が互いに異極となるように取付けられた複数の界磁用の永久磁石5と、前記回転子ヨーク6をアダプタ7を介して固着しているシャフト9と、前記シャフト9を軸受8を介して回転自在に支承している固定子側のブラケット10と、前記ブラケット10に連結される円筒状のフレーム2と、前記円筒状のフレーム2の円筒内周面に嵌合される円筒状をした電機子コア3と、前記電機子コア3の円筒内周面に、通電時の電気的位相によって決定された間隔及び相順をもって円周方向に配置されると共に前記永久磁石5の表面との間にラジアル方向のクリアランスを設けて配置される複数のコイル4と、を備えたモータであって、前記永久磁石5の軸方向の両側から前記永久磁石5を挟むように前記永久磁石5と所定の間隔をあけて2枚の環状磁性体リング1a、1bを前記回転子ヨーク6に機械的かつ磁気的に結合し、前記永久磁石5からの漏洩磁束が前記環状磁性体リング1a、1bを通過するようにしたことを特徴としている。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のモータにおいて、前記電機子コア3の軸方向の長さを、前記2枚の環状磁性体リング1a及び1b間の距離の長さとしたことを特徴としている。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のモータにおいて、前記環状磁性体リング1a、1bがそれぞれ前記永久磁石5の前記環状磁性体リング1a、1b側の端面から環状磁性体リング1a、1bまでの距離Aが、前記電機子コア3の内周面と前記永久磁石5の表面との間の距離Bと等しくなる位置に設けられていることを特徴としている。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載のモータにおいて、前記環状磁性体リング1a、1bの外周端部が前記永久磁石5の表面の延長面まで延びていることを特徴としている。
【0005】
請求項5記載の発明は、モータに係り、円板状をした磁性体の回転子ヨーク6と、前記円板状の回転子ヨーク6の表面にそれぞれ隣り合う磁極が互いに異極となるように取付けられた複数の界磁用の永久磁石5と、前記回転子ヨーク6をアダプタ7を介して固着しているシャフト9と、前記シャフト9を軸受8を介して回転自在に支承している固定子側のブラケット10と、前記ブラケット10に設けられた円板状の電機子コア3と、前記電機子コア3の表面に、通電時の電気的位相によって決定された間隔及び相順をもって円周方向に配置されると共に前記永久磁石5の表面との間に軸方向のクリアランスを設けて配置される複数のコイル4と、を備えたモータであって、前記永久磁石5の半径方向の両側から前記永久磁石5を挟むように前記永久磁石5と所定の間隔をあけて、内径のそれぞれ異なる2個の管状磁性体リング1c、1dを前記回転子ヨーク6に機械的かつ磁気的に結合し、前記永久磁石5からの漏洩磁束が前記管状磁性体リング1c、1dを通過するようにしたことを特徴としている。
請求項6記載の発明は、請求項5項記載のモータにおいて、前記電機子コア3の半径方向の長さを、前記2個の管状磁性体リング1c、1d間の距離の長さとしたことを特徴としている。
請求項7記載の発明は、請求項5又は6項記載のモータにおいて、前記永久磁石5の前記管状磁性体リング1c、1d側の端面から前記管状磁性体リング1c、1dまでの距離Cが、前記電機子コア3と前記永久磁石5の対向面間の距離Dと等しくなる位置に、前記管状磁性体リング1c、1dがそれぞれ設けられていることを特徴としている。
請求項8記載の発明は、請求項5〜7のいずれか1項記載のモータにおいて、前記管状磁性体リング1c、1dの管先端部が前記永久磁石5の前記コイル4表面の延長面まで延びていることを特徴としている。
請求項9記載の発明は、ウエハ搬送ロボットに係り、請求項1〜8のいずれか1項記載のモータを用いたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によると、回転子の永久磁石5から発生する漏洩磁束が狭い範囲で閉ループを形成するようになるので、モータ外部の広範囲にまで漏洩磁束が広がらなくなり、磁気センサ11が誤動作することが無く、磁場の影響が問題となる装置環境で使用される場合においても悪影響を及ぼすことが無いウエハ搬送ロボットにおけるモータを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
【実施例1】
【0008】
本発明の第1の実施例における半導体製造装置等で用いられるウエハ搬送ロボットにおけるアーム駆動のためのモータの軸方向断面図を図1に、径方向断面図を図2に示す。
図において1は環状(中空円板状)磁性体リング、2は円筒状のフレーム、3は円筒状の電機子コア、4はコイル、5は永久磁石、6は円筒状の回転子ヨーク、7はアダプタ、8は軸受、9はシャフト、10はブラケット、11は磁気センサ、12はスリットディスクである。
本実施例が特許文献1と異なる部分は、従来のモータに、永久磁石5の軸方向の両側に配置されるとともに回転子ヨーク6とボルト締めや接着などの方法で磁気的に結合された環状磁性体リング1a、1bを追加した部分である。
【0009】
さらに、本発明により、電機子コア3の軸方向の長さを前記環状磁性体リング1a及び1bと対向する位置までの長さとしている。言い換えれば、電機子コア3の軸方向の長さを2枚の環状磁性体リング1a及び1bの間の距離の長さとしている。
さらに、前記環状磁性体リング1a、1bは、それぞれ前記永久磁石5の軸方向端面から磁性体リング1a、1bまでの距離Aが前記電機子コア3の内周面と前記永久磁石5の表面との間の距離Bと等しくなる位置に設けられている。
また、前記磁性体リング1a、1bの外周面は前記永久磁石5の表面と同じ面となるような寸法にしている。すなわち、環状磁性体リング1a、1bの外周端部は永久磁石5の表面の延長面まで延びている。
以上の構成により、主磁束を不必要に拾うことが無く、漏洩磁束のみが環状磁性体リング1a、1bを通りやすくなる。
【0010】
モータの動作原理は従来例と同じであり、永久磁石5による主磁束の流れも従来例と同様である。すなわち、半導体製造装置等で用いられるウエハ搬送ロボットにおけるアーム駆動のためのモータでは、永久磁石5による磁束の大部分(主磁束)は図3に示すように、コイル4を貫通し電機子コア3の中を通り、隣接する磁極が逆向きの永久磁石5の部分へと流れ、回転子ヨーク6の中を通ってもとの永久磁石に戻ってくるような閉ループを形成する。そして、従来例では磁束の一部が図9に示すように軸方向の両側に漏洩していたが、本発明によれば、図4に示すように、本発明により設けられた環状磁性体リング1a、1b及び電機子コア3の前記環状磁性体リング1a及び1bと対向する両端部分を通る閉ループを形成するので、磁束が狭い範囲で閉じるようになる。
これにより、磁気センサ11を永久磁石5や回転子ヨーク6に接近させても漏洩磁束の影響を受けることが無くなる。
更に、漏洩磁束がモータ外部の広範囲にまで及ばなくなるので、磁場の影響が問題となる装置環境で使用される場合においても悪影響を及ぼすことが無くなる。
【実施例2】
【0011】
本発明の第2の実施例における半導体製造装置等で用いられるウエハ搬送ロボットにおけるアーム駆動のためのモータの軸方向断面図を図5に示す。
図5(a)において、1は管状(軸方向に短いパイプ状)磁性体リング、2はフレーム、3は円板状の電機子コア、4はコイル、5は永久磁石、6は円板状の回転子ヨーク、7はアダプタ、8は軸受、9はシャフト、10はブラケット、11は磁気センサ、12はスリットディスクである。
本実施例が第1の実施例と異なる部分は、第1の実施例の環状磁性体リング1a、1bに替えて管状磁性体リング1c、1dを永久磁石5の半径方向の両側に配置したことである。
そして、電機子コア3の半径方向の長さを前記管状磁性体リング1c及び1dと対向する位置までの長さとした部分である。すなわち、電機子コア3の半径方向の長さを、前記2個の管状磁性体リング1c、1d間の距離の長さとしたことである。
さらに、前記管状磁性体リング1c、1dは、それぞれ前記永久磁石5の半径方向端面から管状磁性体リング1c、1dまでの距離Cが前記電機子コア3と前記永久磁石5の対向面間の距離Dと等しくなる位置に設けられている。
また、前記管状磁性体リング1c、1dの先端面は前記永久磁石5の表面と同じ面となるような寸法にしている。すなわち、管状磁性体リング1c、1dの管先端部が永久磁石5の表面の延長面まで延びている。
以上の構成により、従来例では磁束の一部が図9に示すように軸方向の両側に漏洩していたが、本発明によれば、図5(b)に示すように、本発明により設けられた管状磁性体リング1c、1d及び電機子コア3の管状磁性体リング1c、1dと対向する両端部分を通る閉ループを形成するので、磁束が狭い範囲で閉じるようになる。
これにより、磁気センサ11を永久磁石5や回転子ヨーク6に接近させても漏洩磁束の影響を受けることが無くなる。
更に、漏洩磁束がモータ外部の広範囲にまで及ばなくなるので、磁場の影響が問題となる装置環境で使用される場合においても悪影響を及ぼすことが無くなる。
【0012】
なお、本発明の実施例において、磁性体リング1a、1b及び1c、1dは回転子ヨーク6にボルト締めや接着などの方法で磁気的に結合された例を示したが、磁性体リング1a、1b及び1c、1dと回転子ヨーク6は一体のものとなっていても構わない。
また、本実施例において回転子、固定子及びセンサ部の取付け位置、取付け方法について一例を示したが、本実施例で示した取付け方法、取付け位置に限定されることはなく、他の取付け方法、取付け位置でも構わない。
また、本実施例においてシャフト9は中空構造となっているが、中実構造でも構わない。
また、本実施例において永久磁石について隣り合う磁極が互いに異極となる複数の磁石を用いた例を示したが、1つの磁石に多極着磁したものを用いても構わない。
【0013】
このように、本発明によれば、従来例において前記永久磁石の回転方向及び前記コイルと永久磁石間のクリアランスと直交する方向の両側へ漏洩していた磁束が磁性体リング及び電機子コアの前記磁性体リングと対向する両端部分を通る閉ループを形成するようになるので、モータ外部の広範囲にまで漏洩磁束が広がらなくなり、磁気センサが誤動作することが無く、磁場の影響が問題となる装置環境で使用される場合においても悪影響を及ぼすことが無い用途におけるモータを提供することができる。特に、電子ビームによる露光装置のような微弱な磁界の変動が許されない場所では露光中は磁場変動を生じさせないために従来はウエハ搬送ロボットの動作を停止させる必要があったが、本発明によれば、露光中(プロセス中)でも動作可能となるので、装置全体のスループットを大幅に向上させることができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0014】
本発明は、ウエハ搬送ロボットにおけるモータに限らず、微弱な磁界の変動が許されない他の用途のロボットにも適用できる。
また、ウエハ搬送ロボットにおけるモータに限らず、一般的な回転子に界磁極を持った回転型モータにも微弱な磁界の変動が許されないそれの用途に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例を示すウエハ搬送ロボットにおけるアーム動作のためのモータ構造の軸方向断面図である。
【図2】本発明の実施例を示すウエハ搬送ロボットにおけるアーム動作のためのモータ構造の径方向断面図である。
【図3】本発明のモータにおける主磁束の磁束線図である。
【図4】本発明のモータにおける永久磁石の軸方向両側に広がる磁束の磁束線図である。
【図5】本発明の他の実施例を示すウエハ搬送ロボットにおけるアーム動作のためのモータ構造の軸方向断面図である。
【図6】従来例のウエハ搬送ロボットにおけるアーム動作のためのモータ構造の軸方向断面図である。
【図7】従来例のウエハ搬送ロボットにおけるアーム動作のためのモータ構造の径方向断面図である。
【図8】従来例のモータにおける主磁束の磁束線図である。
【図9】従来例のモータにおける永久磁石の軸方向両側に広がる磁束の磁束線図である。
【符号の説明】
【0016】
1a、1b 環状磁性体リング
1c、1d 管状磁性体リング
2 フレーム
3 電機子コア
4 コイル
5 永久磁石
6 回転子ヨーク
7 アダプタ
8 軸受
9 シャフト
10 ブラケット
11 磁気センサ
12 スリットディスク
距離A 永久磁石5の軸方向端面から磁性体リング1a、1bまでの距離
距離B 電機子コア3の内周面と永久磁石5の表面との間の距離
距離C 永久磁石5の半径方向端面から管状磁性体リング1c、1dまでの距離
距離D 電機子コア3と永久磁石5の対向面間の距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状をした磁性体の回転子ヨークと、
前記円筒状の回転子ヨークの円筒外周面にそれぞれ隣り合う磁極が互いに異極となるように取付けられた複数の界磁用の永久磁石と、
前記回転子ヨークをアダプタを介して固着しているシャフトと、
前記シャフトを軸受を介して回転自在に支承している固定子側のブラケットと、
前記ブラケットに連結される円筒状のフレームと、
前記円筒状のフレームの円筒内周面に嵌合される円筒状をした電機子コアと、
前記電機子コアの円筒内周面に、通電時の電気的位相によって決定された間隔及び相順をもって円周方向に配置されると共に前記永久磁石の表面との間にラジアル方向のクリアランスを設けて配置される複数のコイルと、
を備えたモータであって、
前記永久磁石の軸方向の両側から前記永久磁石を挟むように前記永久磁石と所定の間隔をあけて2枚の環状磁性体リングを前記回転子ヨークに機械的かつ磁気的に結合し、前記永久磁石からの漏洩磁束が前記環状磁性体リングを通過するようにしたことを特徴とするモータ。
【請求項2】
前記電機子コアの軸方向の長さを、前記2枚の環状磁性体リング間の距離の長さとしたことを特徴とする請求項1記載のモータ。
【請求項3】
前記環状磁性体リングはそれぞれ前記永久磁石の前記環状磁性体リング側の端面から環状磁性体リングまでの距離が、前記電機子コアの内周面と前記永久磁石の表面との間の距離と等しくなる位置に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のモータ。
【請求項4】
前記環状磁性体リングの外周端部が前記永久磁石の表面の延長面まで延びていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のモータ。
【請求項5】
円板状をした磁性体の回転子ヨークと、
前記円板状の回転子ヨークの表面にそれぞれ隣り合う磁極が互いに異極となるように取付けられた複数の界磁用の永久磁石と、
前記回転子ヨークをアダプタを介して固着しているシャフトと、
前記シャフトを軸受を介して回転自在に支承している固定子側のブラケットと、
前記ブラケットに設けられた円板状の電機子コアと、
前記電機子コアの表面に、通電時の電気的位相によって決定された間隔及び相順をもって円周方向に配置されると共に前記永久磁石の表面との間に軸方向のクリアランスを設けて配置される複数のコイルと、
を備えたモータであって、
前記永久磁石の半径方向の両側から前記永久磁石を挟むように前記永久磁石と所定の間隔をあけて、内径のそれぞれ異なる2個の管状磁性体リングを前記回転子ヨークに機械的かつ磁気的に結合し、前記永久磁石からの漏洩磁束が前記管状磁性体リングを通過するようにしたことを特徴とするモータ。
【請求項6】
前記電機子コアの半径方向の長さを、前記2個の管状磁性体リング間の距離の長さとしたことを特徴とする請求項5記載のモータ。
【請求項7】
前記管状磁性体リングは、それぞれ前記永久磁石の前記管状磁性体リング側の端面から前記管状磁性体リングまでの距離が、前記電機子コアと前記永久磁石の対向面間の距離と等しくなる位置に設けられていることを特徴とする請求項5又は6記載のモータ。
【請求項8】
前記管状磁性体リングの管先端部が前記永久磁石の前記コイル表面の延長面まで延びていることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項記載のモータ。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項記載のモータを駆動機構として用いたことを特徴とするウエハ搬送ロボット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−314157(P2006−314157A)
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−135305(P2005−135305)
【出願日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(000006622)株式会社安川電機 (2,482)
【Fターム(参考)】