説明

モータユニットおよび記録ディスク駆動装置

【課題】記録ディスクの取り付け時におけるベース部の変形を抑制する。
【解決手段】モータユニットのモータ1では、ベースプレート21が、ステータ部2のロータ部3側とは反対側において周囲から突出する突出部217を備える。突出部217の突出面2171は、中心軸J1に垂直であり、かつ、中心軸J1を中心とする円環状である。突出部217の突出面2171は、突出部217の周囲に貼付されることにより突出部217の周囲に形成された穴部211を塞ぐシール部材212の下側の表面2121よりも下側に突出する。モータユニットでは、記録ディスクの取り付け時にロータハブ31およびスリーブユニット22を介してスリーブ取付部216に加えられる下向きの荷重が突出面2171全体により支持されるため、記録ディスクの取り付け時におけるベースプレート21のスリーブ取付部216近傍の変形を抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動式のモータを含むモータユニット、および、モータユニットを備える記録ディスク駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ハードディスク装置等の記録ディスク駆動装置は、記録ディスクを回転駆動するスピンドルモータ(以下、「モータ」という。)を備えており、近年の記録ディスク駆動装置の小型化に伴い、駆動源であるモータについても小型化および薄型化が要求されている。このようなモータでは、小型化および薄型化等の観点から、フレキシブル回路基板や銘板等のシート状部材が、モータ底部の外面(すなわち、ベース部の電機子が取り付けられる側とは反対側の面)に貼付されることがある。
【0003】
例えば、特許文献1では、ベースハウジングに設けられた貫通穴である収容開口にステータ(電機子)のコイルの下部を収容し、ベースハウジングの外面側からフレキシブル回路基板および表示プレート(銘板)を貼付して収容開口を塞ぐことにより、モータを小型化および薄型化する技術が開示されている。
【特許文献1】特開平11−275782号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、モータに記録ディスクが取り付けられる際には通常、治具上に載置されたモータのロータハブ上に記録ディスクが載置され、クランパによりロータハブにネジ止めされる。このとき、ロータハブには下向きの荷重が加わり、モータの軸受が治具表面に向けて押圧される。
【0005】
モータの底面に貼付されるフレキシブル回路基板が軸受を中心とする円環状である場合、このようなモータを治具上に載置すると、治具の表面には主にフレキシブル回路基板が当接し、ベース部の軸受が設けられる部位は治具の表面から上方に離間してしまう。このモータに記録ディスクが取り付けられる場合、ベース部の軸受が設けられる部位が、ロータハブに加えられる荷重により変形してしまい(すなわち、下向きに曲がってしまい)、ロータハブのベース部からの高さや平行度が変化して記録ディスクのヘッドに対する相対位置がずれてしまう可能性がある。
【0006】
また、小型のモータでは、フレキシブル回路基板をベース部底面の所定の位置に貼付することが容易ではないため、フレキシブル回路基板の貼付時の位置決めを容易に行い、貼付作業の効率を向上することも求められている。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、ベース部底面へのシート状部材の貼付作業の効率向上を目的としており、記録ディスクの取り付け時におけるベース部の変形を抑制することも目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、電動式のモータを含むモータユニットであって、情報を記録する記録ディスクの回転に用いられ、軸受機構を介して所定の中心軸を中心にロータ部がステータ部に対して回転するモータと、前記記録ディスクを内部空間に収容するハウジングの少なくとも一部であるハウジング部材とを備え、前記ロータ部が、前記記録ディスクが載置される載置面を有するロータハブと、前記ロータハブに取り付けられて前記中心軸の周囲に配置される界磁用磁石とを備え、前記ステータ部が、前記界磁用磁石との間で前記中心軸を中心とするトルクを発生する電機子と、前記ハウジング部材と共有されるとともに前記電機子が取り付けられるベース部とを備え、前記ベース部または前記ベース部の中央の位置に固定される部材が、前記ステータ部の前記ロータ部側とは反対側において、前記中心軸に垂直であり、かつ、前記中心軸を中心とする円形若しくは円環状の平面、または、前記中心軸を中心とする円周方向に配列された3つ以上の平面が周囲から突出する突出部を備え、前記ベース部が、前記突出部の周囲に貼付されたシート状部材を備える。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のモータユニットであって、前記突出部の前記平面が、前記シート状部材の表面と同一の平面上に位置する、または、前記シート状部材の前記表面よりも突出する。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のモータユニットであって、前記中心軸方向に関して前記突出部が前記シート状部材の前記表面よりも突出する距離が、10μm以下である。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載のモータユニットであって、前記ベース部が、前記中心軸を中心として前記ロータ部に向かって突出する略円筒状であるとともに前記軸受機構のスリーブユニットが挿入されるスリーブ取付部をさらに備え、前記スリーブ取付部の先端と前記スリーブユニットの外周に形成された突起部とが係合する。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のモータユニットであって、前記突出部が、前記スリーブ取付部の前記先端とは反対側の端部を含む部位に設けられる。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載のモータユニットであって、前記突出部が、前記スリーブユニットの一部である。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載のモータユニットであって、前記電機子が、前記中心軸を中心に放射状に配置された複数のティースと、前記複数のティースに導線を巻回することにより設けられた複数のコイルとを備え、前記突出部の前記周囲に前記複数のコイルの一部が収容される穴部が形成され、前記穴部が前記シート状部材により塞がれる。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載のモータユニットであって、前記シート状部材が、前記中心軸を中心とする円環状である。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載のモータユニットであって、前記ベース部の厚さが、0.1mm以上1.5mm以下である。
【0017】
請求項10に記載の発明は、請求項1ないし9のいずれかに記載のモータユニットであって、前記軸受機構が、流体動圧を利用するものである。
【0018】
請求項11に記載の発明は、記録ディスク駆動装置であって、情報を記録する記録ディスクと、前記記録ディスクを回転する請求項1ないし10のいずれかに記載のモータユニットと、前記記録ディスクに対する情報の読み出しおよび/または書き込みを行うアクセス部と、前記モータユニットの前記ハウジング部材と共に前記記録ディスク、前記モータユニットの前記モータ、および、前記アクセス部を内部空間に収容するハウジングを形成する他のハウジング部材とを備える。
【発明の効果】
【0019】
本発明では、シート状部材の貼付時の位置決めを容易に行うことができる。請求項2ないし6の発明では、記録ディスクの取り付け時におけるベース部の変形を抑制することができる。請求項7の発明では、モータユニットを薄型化することができる。請求項10の発明では、流体動圧を利用する軸受機構において、ラジアル方向の軸受剛性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電動式のスピンドルモータ1(以下、「モータ1」という。)を備える記録ディスク駆動装置60の内部構成を示す図である。記録ディスク駆動装置60はハードディスク装置であり、情報を記録する円板状の記録ディスク62、記録ディスク62に対する情報の書き込みおよび(または)読み出しを行うアクセス部63、記録ディスク62を保持して回転する電動式のモータ1、並びに、記録ディスク62、アクセス部63およびモータ1を内部空間110に収容するハウジング61を備える。
【0021】
図1に示すように、ハウジング61は、上部に開口を有するとともにモータ1およびアクセス部63が内側の底面に取り付けられる無蓋箱状の第1ハウジング部材611、並びに、第1ハウジング部材611の開口を覆うことにより内部空間110を形成する板状の第2ハウジング部材612を備える。記録ディスク駆動装置60では、減圧環境下において第1ハウジング部材611に第2ハウジング部材612が接合されてハウジング61が形成され、密閉された内部空間110は塵や埃が極度に少ない清浄な空間とされる。
【0022】
記録ディスク62は、モータ1の上側に載置されてクランパ621によりモータ1に固定される。アクセス部63は、記録ディスク62に近接して情報の書き込みおよび読み出しを磁気的に行うヘッド631、ヘッド631を支持するアーム632、並びに、アーム632を移動させることによりヘッド631と記録ディスク62との相対的位置を変更するヘッド移動機構633を有する。これらの構成により、ヘッド631は回転する記録ディスク62に近接した状態で記録ディスク62の所要の位置にアクセスし、情報の書き込みおよび読み出しを行う。
【0023】
記録ディスク駆動装置60では、記録ディスク62の回転に用いられるモータ1、および、モータ1が取り付けられる第1ハウジング部材611が半製品であるモータユニット10として取り扱われる。
【0024】
図2は、ディスク駆動用のモータ1の構成を示す縦断面図である。図2では、モータ1の中心軸J1を含む面における断面を示すが、切断面よりも奥側に位置する構成についても、その一部を破線にて描いている。
【0025】
図2に示すように、モータ1は、固定組立体であるステータ部2、および、回転組立体であるロータ部3を備えており、ロータ部3は、潤滑油による流体動圧を利用した軸受機構を介して中心軸J1を中心にステータ部2に対して回転可能に支持される。以下の説明では、便宜上、中心軸J1に沿ってロータ部3側を上側、ステータ部2側を下側として説明するが、中心軸J1は必ずしも重力方向と一致する必要はない。
【0026】
ロータ部3は、ロータ部3の各部を保持するロータハブ31、および、ロータハブ31に取り付けられて中心軸J1の周囲に配置される界磁用磁石34を備える。ロータハブ31は、ステンレス等により一体的に形成されており、中心軸J1を中心とする略円筒状であって下側(すなわち、ステータ部2側)に突出するシャフト311、シャフト311の上端部から中心軸J1に対して垂直に広がる略円板状の円板部312、円板部312の外縁において下側に突出する略円筒状の円筒部313、および、円筒部313の外周にて記録ディスク62が載置される略円環状のディスク載置面315を備える。シャフト311の下側の先端部には、略円板状のスラストプレート314が取り付けられる。
【0027】
ステータ部2は、ステータ部2の各部を保持するベース部であるベースプレート21、ロータ部3を回転可能に支持する軸受機構の一部である略円筒状のスリーブユニット22、および、スリーブユニット22の周囲にてベースプレート21に取り付けられるとともに界磁用磁石34との間で中心軸J1を中心とする回転力(トルク)を発生する電機子24を備える。
【0028】
ベースプレート21は、第1ハウジング部材611(図1参照)の一部であり、アルミニウム、アルミニウム合金、または、磁性もしくは非磁性の鉄の板状部材をプレス加工することにより第1ハウジング部材611の他の部位と一体的に形成される。換言すれば、モータユニット10では、ベースプレート21が、モータ1と第1ハウジング部材611とにより共有される。
【0029】
電機子24は、圧入または接着によりベースプレート21に上側から取り付けられており、2枚の珪素鋼板を積層してなるコア241、および、コア241の所定の部位に設けられる複数のコイル242を備える。コア241を形成する珪素鋼板のそれぞれの厚さは0.1〜0.35mmとされ、好ましくは、0.2mmとされる。
【0030】
図3は、コア241を示す平面図である。図3に示すように、コア241は、中心軸J1を中心に放射状に配置された複数(本実施の形態では9つ)のティース243、および、複数のティース243の外周側から複数のティース243を支持する(すなわち、各ティース243の中心軸J1から遠い側の端部を連結して支持する)円環状の支持リング244を備える。コア241を形成する各珪素鋼板では、複数のティース243および支持リング244のそれぞれに対応する部位が一体的に形成されているため、複数のティース243および支持リング244は磁気的に接続されている。
【0031】
各ティース243は、中心軸J1側の端部(すなわち、支持リング244とは反対側の端部)において中心軸J1を中心とする円周方向に広がる磁石対向部245を備える。図2に示すように、モータ1では、各ティース243が中心軸J1側で上側に折り曲げられており、磁石対向部245が界磁用磁石34の外周面に対向することにより、電機子24と界磁用磁石34との間に効率的にトルクを発生させることができる。
【0032】
コイル242は、ティース243に導線を2層に巻回することにより形成され、導線の径は0.05〜0.3mm(より好ましくは0.1mm)とされる。各コイル242からの導線は、隣接するティース243の間に形成される渡り線係止用のフック247を介して図2および図3に示す回路基板248へと導かれ、回路基板248の電極に半田にて接合される。なお、図3では、回路基板248を破線にて示す。
【0033】
図4は、ベースプレート21を示す平面図である。図4に示すように、ベースプレート21は略円板状であり、ベースプレート21の上面から上側に突出する3つの電機子支持部214を備える。電機子支持部214は、中心軸J1を中心とする円周上において等間隔に配列され、ベースプレート21に取り付けられる電機子24の支持リング244(図3参照)に当接して電機子24を下側から支持する。なお、3つの電機子支持部214は、ベースプレート21のプレス加工による成形時に成形される。
【0034】
ベースプレート21の中央部には、図2および図4に示すように、中心軸J1を中心としてロータ部3に向かって上向きに突出する略円筒状のスリーブ取付部216が設けられる。図2に示すように、スリーブユニット22は、シャフト311が挿入される略円筒状のスリーブ221、および、スリーブ221の外周に接着剤等により固定される略円筒状のスリーブハウジング222を備え、スリーブ取付部216に挿入されてベースプレート21に取り付けられる。
【0035】
スリーブハウジング222の上部には、スリーブユニット22の外周に沿って中心軸J1に対して外側に突出する突起部であるフランジ部224が一体的に形成されており、スリーブユニット22の取り付け時には、フランジ部224のベースプレート21側の部位223とベースプレート21のスリーブ取付部216の先端とが上下方向に関して係合する。また、スリーブユニット22の下端側の開口は、略円板状のシールキャップ23により閉塞され、これにより、ベースプレート21のスリーブ取付部216の下側の開口215が、スリーブハウジング222およびシールキャップ23により閉塞される。
【0036】
図4に示すように、ベースプレート21では、スリーブ取付部216の周囲の複数のティース243(図2参照)に対応する領域に、ベースプレート21を上下に貫通する複数(本実施の形態では9つ)の穴部211が形成される。スリーブ取付部216および穴部211の周囲におけるベースプレート21の厚さは、記録ディスク62の取り付け時の荷重やモータ1の駆動時の振動等によるベースプレート21の変形を防止するという観点からは0.1mm以上とされることが好ましく、また、モータ1の薄型化という観点からは1.5mm以下とされることが好ましい。ベースプレート21の厚さは、0.3mm以上0.8mm以下とされることがより好ましく、本実施の形態では、0.4mmとされる。
【0037】
図2に示すように、ベースプレート21に電機子24が取り付けられた状態においては、ベースプレート21の各穴部211に、対応するティース243に設けられたコイル242の下部が挿入されており、コイル242のベースプレート21側の端面(すなわち、下面)が、中心軸J1方向に関してベースプレート21の上下両側の主面の間に位置する。換言すれば、複数のコイル242のそれぞれの一部が、ベースプレート21の下面よりも下側に突出することなく、ベースプレート21の対応する穴部211に収容される。ステータ部2では、コイル242が挿入された穴部211に接着剤210が充填されており、コイル242が固定されるとともに穴部211が封止される。なお、図2では、図の理解を容易にするために接着剤210の図示を省略し、接着剤210が充填される位置に符号のみを付している。
【0038】
ベースプレート21は、複数の穴部211をベースプレート21の電機子24が取り付けられる側とは反対側(すなわち、下側)から塞ぐシート状のシール部材212(例えば、フレキシブル回路基板や銘板)を備える。シール部材212は、中心軸J1を中心とする円環状であり、ベースプレート21の下側の主面に粘着剤層(または、接着剤層)を介して貼付される。本実施の形態では、シール部材212の厚さと粘着剤層の厚さの合計が、約70μmとされる。
【0039】
図5は、モータ1の一部(図2の左半分)を拡大して示す縦断面図である。図5に示すように、ベースプレート21は、スリーブ取付部216の下側の開口215の外周において、ステータ部2のロータ部3側とは反対側(すなわち、下側)にて周囲から突出する突出部217を備える。突出部217の下側の平面(以下、「突出面」という。)2171は、中心軸J1に垂直であり、かつ、中心軸J1を中心とする円環状である。ベースプレート21では、突出部217が、スリーブ取付部216のスリーブユニット22と係合する側の先端とは反対側の端部(すなわち、スリーブ取付部216の下端部であり、開口215を形成する部位)を含む部位に設けられる。
【0040】
図5に示すように、突出部217の突出面2171は、突出部217の周囲に貼付されることにより突出部217の周囲に形成された穴部211を塞ぐシール部材212の下側の表面2121よりも下側に突出する。中心軸J1方向に関して突出部217がシール部材212の表面2121よりも突出する距離D1は、モータ1の薄型化という観点からは10μm以下とされることが好ましい。なお、図5では、突出部217の突出量を実際よりも大きく描いている(図9および図10についても同様)。
【0041】
次に、モータ1のロータ部3をステータ部2に回転可能に支持する流体動圧を利用した軸受機構について説明する。図5に示すように、モータ1では、ロータハブ31の円板部312の下面とスリーブハウジング222の上側の端面との間、スリーブ221の内周面とシャフト311の外周面との間、スリーブ221の下側の端面とスラストプレート314の上面との間、スラストプレート314の下面とシールキャップ23の上面との間、および、スリーブハウジング222のフランジ部224の外周面とロータハブ31の円筒部313の内周面との間に微小な間隙が設けられる。以下、これらの間隙をそれぞれ、「上部間隙41」、「側部間隙42」、「第1下部間隙43」、「第2下部間隙44」、「外側間隙45」という。これらの間隙には潤滑油が連続して充填され、いわゆるフルフィル構造の軸受機構が構成される。
【0042】
スリーブハウジング222のフランジ部224の外周面は、その外径が下側に向かって漸次減少する傾斜面とされ、フランジ部224の外周面に対向するロータハブ31の円筒部313の内周面の内径は一定とされる。これにより、外側間隙45における潤滑油の界面は、毛管現象および表面張力によりメニスカス状となってテーパシールが形成され、外側間隙45がオイルバッファとしての役割を果たして潤滑油の流出が防止される。
【0043】
スリーブハウジング222の上側の端面、および、スリーブ221の下側の端面には、ロータ部3の回転時に潤滑油に対して中心軸J1側に向かう圧力を発生させるための溝(例えば、スパイラル状の溝)が形成されており、上部間隙41および第1下部間隙43によりスラスト動圧軸受部が構成される。
【0044】
また、側部間隙42の互いに対向する面には、潤滑油に流体動圧を発生させるための溝(例えば、中心軸J1の向く方向に関して、スリーブ221の内周面の上下に設けられたヘリングボーン溝等)が形成されており、側部間隙42によりラジアル動圧軸受部が構成される。
【0045】
モータ1では、流体動圧を利用する軸受機構によりロータ部3を潤滑油を介して非接触にて支持することにより、ロータ部3を高精度、かつ、低騒音にて回転することができる。特に、フルフィル構造の軸受機構では、軸受内部に空気が介在しないため、潤滑油内に発生した気泡に起因するシャフト311とスリーブ221との異常接触や、軸受内部の空気が膨張することによる潤滑油の漏れ等が一層抑制される。
【0046】
このように、モータ1では、スリーブユニット22(すなわち、スリーブ221およびスリーブハウジング222)、ロータハブ31並びにシールキャップ23の間に形成される間隙(すなわち、上部間隙41、側部間隙42、第1下部間隙43、第2下部間隙44および外側間隙45)に、流体である潤滑油が充填されており、ロータ部3の回転時には、潤滑油による流体動圧を利用してロータ部3が支持される。そして、ロータ部3が中心軸J1を中心としてステータ部2に対して回転駆動されることより、ロータ部3に取り付けられる記録ディスク62(図1参照)が回転駆動される。
【0047】
モータユニット10に記録ディスク62が取り付けられる際には、モータユニット10は下側の面を取付治具の載置面上に当接させつつ取付治具上に保持され、記録ディスク62がロータハブ31のディスク載置面315に対して押圧される。本実施の形態に係るモータユニット10では、以上に説明したように、ベースプレート21が、中心軸J1を中心とする円環状の突出面2171を有する突出部217を備え、突出面2171が、突出部217の周囲に貼付されたシール部材212の表面2121よりも下側に突出するため、取付治具の載置面には突出部217の突出面2171が当接する。これにより、記録ディスク62の取り付け時にロータハブ31およびスリーブユニット22を介してスリーブ取付部216に加えられる下向きの荷重が突出面2171全体により支持されるため、スリーブ取付部216近傍に過剰な力がかかった場合にベースプレート21が下向きに曲がってしまうことが防止される。このように、モータユニット10では、記録ディスク62の取り付け時におけるベースプレート21のスリーブ取付部216近傍の変形を抑制し、ロータハブ31のディスク載置面315が所定の位置から変位することを抑制することができる。
【0048】
なお、突出部217の突出面2171が、シール部材212の表面2121と同一の平面上に位置する場合(すなわち、図5に示す距離D1が約0μmである場合)であっても、主に突出面2171が取付治具の載置面に当接するため、記録ディスク62の取り付け時におけるベースプレート21の変形を抑制することができる。
【0049】
このように、ベースプレート21の変形を抑制することができる上記構造は、ロータ部3に向かって突出するとともにスリーブユニット22と係合するスリーブ取付部216を備えることにより記録ディスク62の取り付け時にベースプレート21に荷重が加わりやすいモータユニット10に特に適している。また、ベースプレート21の厚さが0.1mm以上1.5mm以下と薄く、小さな荷重によってもベースプレート21の変形が発生しやすいモータユニット10(例えば、記録ディスク62のサイズが1インチ型以下である小型のモータユニット)に特に適している。
【0050】
図6は、記録ディスク62の取り付け時においてロータハブ31に加えられる荷重とディスク載置面315の中心軸J1方向の変位量との関係を示す図である。また、図7は、ベースプレート921に突出部が設けられていないモータユニットのモータ91の一部を比較例として示す縦断面図であり、図8は、比較例のモータユニットについて、記録ディスクの取り付け時にロータハブ931に加えられる荷重とディスク載置面9315の中心軸J2方向の変位量との関係を比較例として示す図である。図6および図8に示すディスク載置面の変位量は、下向きの変位を正とする。また、図8では、2つの比較例のモータユニットについて計測したディスク載置面9315の変位量を示す。
【0051】
図7に示すように、比較例のモータユニットでは、ベースプレート921に突出部が設けられていないため、取付治具の載置面には円環状のシール部材9212のみが当接し、ベースプレート921のスリーブ取付部9216近傍は載置面から離間した状態となる。このため、記録ディスクの取り付け時にスリーブ取付部9216近傍に過剰な力がかかり、ベースプレート921のスリーブ取付部9216近傍が下向きに曲がってしまい、ロータハブ931のディスク載置面9315が下向きに変位する。図8に示すように、例えば、取付荷重が1kgfの場合、ディスク載置面9315の変位量は22〜25μm程度になる。
【0052】
これに対して、本実施の形態に係るモータユニット10では、図6に示すように、ロータハブ31のディスク載置面315の変位量は、取付荷重が1kgfの場合で約2μmであり、取付荷重が3kgfの場合であっても約10μmと非常に小さい。モータユニット10では、記録ディスク62の取り付け時におけるベースプレート21の変形を抑制し、ディスク載置面315の変位を抑制することができるため、記録ディスク62のアクセス部63に対する相対位置のずれを防止しつつ記録ディスク62を位置精度良くモータユニット10のモータ1に取り付けることができる。
【0053】
モータユニット10では、ベースプレート21の中央部に周囲から突出する突出部217が設けられることにより、突出部217の周囲にシール部材212を貼付する際に、シール部材212の位置決めを突出部217を基準として容易に行うことができる。その結果、モータユニット10の製造を簡素化して生産性を向上することができる。また、モータユニット10では、シール部材212が円環状とされることにより、複数に分割されているシール部材を貼付する場合に比べてベースプレート21への貼付を容易に行うことができ、さらに、突出部217を基準とした位置決めもより容易に行うことができる。特に、ベースプレート21に穴部211が設けられている場合には、穴部211を容易に封止することもできる。
【0054】
また、モータユニット10では、ベースプレート21にコイル242の一部が収容される穴部211が形成されることにより、モータユニット10を薄型化することができる。既述のように、モータユニット10の薄型化の観点からは、中心軸J1方向に関して突出部217がシール部材212の表面2121よりも突出する距離D1は、10μm以下とされることが好ましい。
【0055】
モータユニット10では、ベースプレート21の中央部(すなわち、軸受機構の下方)に突出部217が設けられるため、ベースプレート21のスリーブ取付部216近傍の変形を防止しつつ軸受機構(すなわち、シャフト311およびスリーブユニット22)の中心軸J1方向の長さを長くすることができる。これにより、流体動圧を利用する軸受機構において、ラジアル動圧軸受部(すなわち、側部間隙42)の有効長(または、軸受スパン)を長くしてラジアル方向の軸受剛性を高めることができる。このように、モータユニット10は、流体動圧を利用する軸受機構を備えるモータユニットに特に適している。
【0056】
次に、本発明の第2の実施の形態に係るモータユニットについて説明する。図9は、第2の実施の形態に係るモータユニットのモータ1aの一部を拡大して示す縦断面図である。図9に示すように、モータ1aでは、ステータ部2の下側に設けられる突出部217aが、図5に示すモータ1とは異なる位置に設けられる。その他の構成は図2ないし図5と同様であり、以下の説明において同符号を付す。
【0057】
モータ1aでは、スリーブユニット22のスリーブハウジング222の一部(すなわち、下端部)が、ステータ部2のロータ部3側とは反対側(すなわち、下側)において周囲から突出する突出部217aとなる。換言すれば、ベースプレート21の中央の位置に固定される部材であるスリーブユニット22が、突出部217aを備える。突出部217aの突出面2171は、中心軸J1に垂直であり、かつ、中心軸J1を中心とする円環状である。
【0058】
図9に示すように、突出部217aの突出面2171は、突出部217aの周囲に貼付される円環状のシール部材212の表面2121よりも下側に突出する。中心軸J1方向に関して突出部217aがシール部材212の表面2121よりも突出する距離D2は、モータ1aの薄型化という観点からは10μm以下とされることが好ましい。
【0059】
モータ1aでは、第1の実施の形態と同様に、スリーブユニット22がスリーブ取付部216に挿入されてベースプレート21に取り付けられる際に、スリーブユニット22のフランジ部224が、ロータ部3に向かって突出するスリーブ取付部216の先端と係合する。また、ベースプレート21のスリーブ取付部216の周囲には、複数のティース243に対応する領域にベースプレート21を上下に貫通する穴部211が形成され、コイル242の一部が穴部211に収容されるとともに接着剤により穴部211が封止される。スリーブ取付部216および穴部211の周囲におけるベースプレート21の厚さは、0.1mm以上1.5mm以下(より好ましくは、0.3mm以上0.8mm以下)とされる。モータ1aの軸受機構も、第1の実施の形態と同様に、流体動圧を利用するものである。
【0060】
以上に説明したように、第2の実施の形態に係るモータユニットでは、モータ1aのスリーブユニット22が、中心軸J1を中心とする円環状の突出面2171を有する突出部217aを備え、突出面2171が、突出部217の周囲に貼付されたシール部材212の表面2121よりも下側に突出する。したがって、ロータハブ31への記録ディスクの取り付け時において、取付治具の載置面には、スリーブユニット22の一部である突出部217aの突出面2171が当接する。これにより、記録ディスクの取り付け時にロータハブ31に加えられる下向きの荷重は、スリーブユニット22(の突出面2171)により支持されるため、ベースプレート21のスリーブ取付部216近傍に過剰な力がかかってベースプレート21が下向きに曲がってしまうことが防止される。
【0061】
このように、第2の実施の形態に係るモータユニットでは、第1の実施の形態と同様に、記録ディスクの取り付け時におけるベースプレート21のスリーブ取付部216近傍の変形を抑制し、ロータハブ31のディスク載置面315が所定の位置から変位することを抑制することができる。その結果、記録ディスクを位置精度良くモータユニットに取り付けることができる。なお、突出部217aの突出面2171が、シール部材212の表面2121と同一の平面上に位置している場合であっても、記録ディスクの取り付け時におけるベースプレート21のスリーブ取付部216近傍の変形を抑制することができる(以下の実施の形態についても同様)。
【0062】
ベースプレート21の変形を抑制することができる第2の実施の形態に係る構造は、第1の実施の形態と同様に、ロータ部3に向かって突出するとともにスリーブユニット22と係合するスリーブ取付部216を備えるモータユニットに適しており、ベースプレート21の厚さが0.1mm以上1.5mm以下と薄く、小さな荷重によってもベースプレート21の変形が発生しやすいモータユニットに適している。
【0063】
第2の実施の形態に係るモータユニットでは、第1の実施の形態と同様に、シール部材212の貼付時の位置決めを突出部217aを基準として容易に行うことができ、モータユニットの生産性を向上することができる。また、シール部材212が円環状とされることにより、シール部材212の貼付時の位置決めおよびベースプレート21への貼付を容易に行うことができる。さらに、ベースプレート21に穴部211が設けられている場合には、穴部211を容易に封止することもできる。
【0064】
また、第2の実施の形態に係るモータユニットでは、穴部211にコイル242の一部を収容することにより、モータユニットを薄型化することができる。さらに、流体動圧を利用する軸受機構において、軸受機構の中心軸J1方向の長さを長くすることにより、ラジアル動圧軸受部の有効長(または、軸受スパン)を長くしてラジアル方向の軸受剛性を高めることができる。このように、第2の実施の形態に係るモータユニットは、流体動圧を利用する軸受機構を備えるモータユニットに特に適している。
【0065】
次に、本発明の第3の実施の形態に係るモータユニットについて説明する。図10は、第3の実施の形態に係るモータユニットのモータ1bの一部を拡大して示す縦断面図である。図10に示すように、モータ1bでは、ベースプレート21のスリーブ取付部216の下端部を含む部位(すなわち、円環状のシール部材212の内側のエッジよりも中心軸J1側の部位)、スリーブユニット22のスリーブハウジング222の下端部、および、シールキャップ23が、ステータ部2の下側に設けられる突出部217bとなる。
【0066】
突出部217bの突出面2171は、中心軸J1に垂直であり、かつ、中心軸J1を中心とする円形であり、図10に示すように、突出部217bの周囲に貼付されるシール部材212の表面2121よりも下側に突出する。中心軸J1方向に関して突出部217bがシール部材212の表面2121よりも突出する距離D3は、モータ1bの薄型化という観点からは10μm以下とされることが好ましい。
【0067】
第3の実施の形態に係るモータユニットでは、記録ディスクの取り付け時の下向きの荷重が突出部217bの突出面2171全体にて支持されるため、第1の実施の形態と同様に、記録ディスク62の取り付け時におけるベースプレート21のスリーブ取付部216近傍の変形を抑制することができる。その結果、記録ディスクを位置精度良くモータユニットに取り付けることができる。また、第1の実施の形態と同様に、シール部材212の貼付時の位置決めを突出部217bを基準として容易に行うことができ、モータユニットの生産性を向上することができる。なお、スリーブハウジング222の下端部およびシールキャップ23上にのみ、突出面2171が形成されてもよい。
【0068】
次に、本発明の第4の実施の形態に係るモータユニットについて説明する。図11は、第4の実施の形態に係るモータユニットのベースプレート21aを示す底面図である。図11に示すように、第4の実施の形態に係るモータユニットでは、ベースプレート21aのスリーブ取付部216と複数の穴部211との間の領域に、中心軸J1を中心とする円周方向にほぼ等間隔にて配列された3つの突出部217cが設けられる。突出部217cは、ベースプレート21aのプレス加工による成形と同時に成形される。
【0069】
突出部217cの3つの突出面2171は、中心軸J1に垂直であり、かつ、中心軸J1を中心とする円周方向にほぼ等間隔にて配列され、突出部217cの周囲に貼付されるシール部材212の表面2121(図5参照)よりも下側に突出する。中心軸J1方向に関して突出部217cがシール部材212の表面2121よりも突出する距離は、10μm以下とされることが好ましい。
【0070】
第4の実施の形態に係るモータユニットでは、記録ディスクの取り付け時の下向きの荷重が3つの突出部217cの突出面2171にて支持されるため、第1の実施の形態と同様に、記録ディスクの取り付け時におけるベースプレート21aのスリーブ取付部216近傍の変形を抑制することができる。その結果、記録ディスクを位置精度良くモータユニットに取り付けることができる。また、第1の実施の形態と同様に、シール部材212(図5参照)の貼付時の位置決めを突出部217cを基準として容易に行うことができ、モータユニットの生産性を向上することができる。
【0071】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【0072】
上記実施の形態に係るモータユニットの軸受機構では、スリーブ221とスリーブハウジング222とが一体的に形成されてもよい。軸受機構は、例えば、空気を流体とした、いわゆるエア動圧軸受を用いてもよい。このような場合であっても、本発明と同様の作用、効果を得ることができる。また、軸受機構は、必ずしも流体動圧を利用するものである必要はなく、例えば、ボールベアリングであってもよい。
【0073】
上記実施の形態では、ベースプレートに形成された9つの穴部211のそれぞれに、1つのコイル242の下部が収容されるが、1つの穴部211に複数のコイル242が収容されてもよい。例えば、ベースプレートに3つの穴部が形成され、各穴部に3つのコイル242の下部が収容されてもよい。また、穴部211に代えてコイル242の下部が収容される凹部(例えば、中心軸J1を中心とする円環状の凹部)がベースプレートに設けられてもよい。
【0074】
突出部の周囲に貼付されるシール部材212は、ベースプレートへの貼付を容易に行うという観点からは円環状とされることが好ましいが、必要に応じて他の様々な形状とされてもよく、複数のシール部材が突出部の周囲に貼付されてもよい。
【0075】
シール部材212の貼付時の位置決めを容易に行うという観点のみからは、図12に示すように、モータ1cのベースプレート21の中央に周囲から突出する突出部217dが設けられていればよく、突出部217dの突出面2171がシール部材212の表面2121よりも上側(すなわち、ロータ部3側)に位置していてもよい。なお、突出面2171がシール部材212の表面よりも上側に位置する場合であっても、突出面2171と表面2121との中心軸J1方向の距離D4が、シール部材212とベースプレート21との間の粘着剤層2122の厚さより十分に小さい場合には、記録ディスクの取り付け時の下向きの荷重により粘着剤層2122が圧縮されて薄くなり、突出面2171が取付治具の載置面に当接して荷重を支持するため、記録ディスクの取り付け時におけるベースプレート21のスリーブ取付部216近傍の変形を抑制することができる。
【0076】
突出部の突出面2171は、ベースプレートのスリーブ取付部216近傍の部位の下面、スリーブユニット22のスリーブハウジング222の下面、および、シールキャップ23の下面のうちのいずれか2つにより構成されてもよい。
【0077】
上記実施の形態に係るモータユニットのモータは、必ずしも界磁用磁石34が電機子24の中心軸J1側に配置された、いわゆる、インナーロータ型である必要はなく、界磁用磁石34が電機子24の外側に配置されたアウターロータ型であってもよい。また、第1ハウジング部材611は、少なくともハウジング61の一部であればよく、例えば、ハウジング61そのものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】第1の実施の形態に係る記録ディスク駆動装置の内部構成を示す図である。
【図2】モータの構成を示す縦断面図である。
【図3】コアを示す平面図である。
【図4】ベースプレートを示す平面図である。
【図5】モータの一部を示す拡大図である。
【図6】ロータハブに加えられる荷重とディスク載置面の変位量との関係を示す図である。
【図7】比較例のモータの一部を示す拡大図である。
【図8】ロータハブに加えられる荷重とディスク載置面の変位量との関係を示す図である。
【図9】第2の実施の形態に係るモータの一部を示す拡大図である。
【図10】第3の実施の形態に係るモータの一部を示す拡大図である。
【図11】第4の実施の形態に係るベースプレートを示す平面図である。
【図12】モータの他の例を示す図である。
【符号の説明】
【0079】
1,1a〜1c モータ
2 ステータ部
3 ロータ部
10 モータユニット
21,21a ベースプレート
22 スリーブユニット
23 シールキャップ
24 電機子
31 ロータハブ
34 界磁用磁石
60 記録ディスク駆動装置
61 ハウジング
62 記録ディスク
63 アクセス部
110 内部空間
211 穴部
212 シール部材
216 スリーブ取付部
217,217a〜217d 突出部
224 フランジ部
242 コイル
243 ティース
315 ディスク載置面
611 第1ハウジング部材
612 第2ハウジング部材
2121 表面
2171 突出面
J1 中心軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動式のモータを含むモータユニットであって、
情報を記録する記録ディスクの回転に用いられ、軸受機構を介して所定の中心軸を中心にロータ部がステータ部に対して回転するモータと、
前記記録ディスクを内部空間に収容するハウジングの少なくとも一部であるハウジング部材と、
を備え、
前記ロータ部が、
前記記録ディスクが載置される載置面を有するロータハブと、
前記ロータハブに取り付けられて前記中心軸の周囲に配置される界磁用磁石と、
を備え、
前記ステータ部が、
前記界磁用磁石との間で前記中心軸を中心とするトルクを発生する電機子と、
前記ハウジング部材と共有されるとともに前記電機子が取り付けられるベース部と、
を備え、
前記ベース部または前記ベース部の中央の位置に固定される部材が、前記ステータ部の前記ロータ部側とは反対側において、前記中心軸に垂直であり、かつ、前記中心軸を中心とする円形若しくは円環状の平面、または、前記中心軸を中心とする円周方向に配列された3つ以上の平面が周囲から突出する突出部を備え、
前記ベース部が、前記突出部の周囲に貼付されたシート状部材を備えることを特徴とするモータユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のモータユニットであって、
前記突出部の前記平面が、前記シート状部材の表面と同一の平面上に位置する、または、前記シート状部材の前記表面よりも突出することを特徴とするモータユニット。
【請求項3】
請求項2に記載のモータユニットであって、
前記中心軸方向に関して前記突出部が前記シート状部材の前記表面よりも突出する距離が、10μm以下であることを特徴とするモータユニット。
【請求項4】
請求項2または3に記載のモータユニットであって、
前記ベース部が、前記中心軸を中心として前記ロータ部に向かって突出する略円筒状であるとともに前記軸受機構のスリーブユニットが挿入されるスリーブ取付部をさらに備え、
前記スリーブ取付部の先端と前記スリーブユニットの外周に形成された突起部とが係合することを特徴とするモータユニット。
【請求項5】
請求項4に記載のモータユニットであって、
前記突出部が、前記スリーブ取付部の前記先端とは反対側の端部を含む部位に設けられることを特徴とするモータユニット。
【請求項6】
請求項4に記載のモータユニットであって、
前記突出部が、前記スリーブユニットの一部であることを特徴とするモータユニット。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載のモータユニットであって、
前記電機子が、
前記中心軸を中心に放射状に配置された複数のティースと、
前記複数のティースに導線を巻回することにより設けられた複数のコイルと、
を備え、
前記突出部の前記周囲に前記複数のコイルの一部が収容される穴部が形成され、前記穴部が前記シート状部材により塞がれることを特徴とするモータユニット。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載のモータユニットであって、
前記シート状部材が、前記中心軸を中心とする円環状であることを特徴とするモータユニット。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載のモータユニットであって、
前記ベース部の厚さが、0.1mm以上1.5mm以下であることを特徴とするモータユニット。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載のモータユニットであって、
前記軸受機構が、流体動圧を利用するものであることを特徴とするモータユニット。
【請求項11】
記録ディスク駆動装置であって、
情報を記録する記録ディスクと、
前記記録ディスクを回転する請求項1ないし10のいずれかに記載のモータユニットと、
前記記録ディスクに対する情報の読み出しおよび/または書き込みを行うアクセス部と、
前記モータユニットの前記ハウジング部材と共に前記記録ディスク、前記モータユニットの前記モータ、および、前記アクセス部を内部空間に収容するハウジングを形成する他のハウジング部材と、
を備えることを特徴とする記録ディスク駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−238627(P2006−238627A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−50643(P2005−50643)
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【出願人】(000232302)日本電産株式会社 (697)
【Fターム(参考)】