説明

モータ及びワイパ装置用モータ

【課題】配線構造を短く簡単にすることができるとともに、配線の防水性を容易且つ確実に確保することができるモータを提供する。
【解決手段】モータ1は、ヨークハウジング4と、ウォーム軸42及びウォームホイール43等を収容するギヤハウジング41と、ヨークハウジング4とギヤハウジング41との間に配設されブラシ10a,10bを保持するホルダ本体部7bを有するブラシホルダ7とを備える。ウォームホイール43の端面に設けられた可動導電プレートと摺接可能に設けられる固定コンタクト(コンタクト部材31〜33)はウォームホイール43の回転に応じて可動導電プレートと接触/非接触される。ギヤハウジング41のヨークハウジング側端部には、ギヤハウジング41の内部とヨークハウジング側とを連通する連通孔51dが形成され、固定コンタクトは連通孔51dを介してギヤハウジング41内に延出するようにブラシホルダ7に設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホイールギヤに設けられる可動導電プレートと該可動導電プレートに摺接可能に設けられる固定コンタクトとでスイッチング又は電気信号の取得が行われる機構を備えたモータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、モータとしては、アーマチャを有するモータ本体と減速機構を有するギヤ部とを備えるとともに、減速機構におけるホイールギヤの端面に所定の導電パターン形状を有する可動導電プレートを設け、ギヤ部のギヤハウジングに固定コンタクトを設けたものがある(例えば、特許文献1参照)。このようなモータでは、ホイールギヤの回転に応じて固定コンタクトが可動導電プレートと接触/非接触されることで、ホイールギヤの回転に応じたスイッチングが行われるため、例えば、ワイパ装置用モータとして使用することができる。即ち、このようなモータは、所謂自動定位置停止機構を備え、ワイパ(ワイパアーム及びブレード)を停止させるべくワイパスイッチをオフしたときに、直ちに(無条件で)停止させるのではなく、ワイパを車両ウインドウの所定の停止位置まで移動させて停止させることができる。
【特許文献1】実開平6−44371号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記(特許文献1)のモータでは、固定コンタクトの接続端子とアーマチャに給電するためのブラシに接続された接続端子とが共にギヤハウジングの外部に配置され、それら接続端子がギヤハウジングの外部に固定されるコネクタユニット(配線)にて接続されている。よって、コネクタユニットが部品点数を増加させたり組み付け工数を増加させてしまうなど配線構造が複雑であった。又、コネクタユニット(配線)がギヤハウジングの外部に設けられるため、固定コンタクトとブラシとを接続する配線が長くなってしまい、それら配線の防水に対する信頼性も低かった。
【0004】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、配線構造を短く簡単にすることができるとともに、配線の防水性を容易且つ確実に確保でき信頼性を高くすることができるモータ及びワイパ装置用モータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明では、アーマチャを収容するヨークハウジングと、前記アーマチャの回転を減速して伝達するための減速機構を収容するギヤハウジングと、前記ヨークハウジングと前記ギヤハウジングとの間に配設され、前記アーマチャに給電するためのブラシを保持するホルダ本体部を有するブラシホルダとを備え、前記減速機構はホイールギヤを含み、該ホイールギヤの端面には所定の導電パターン形状を有する可動導電プレートが設けられ、その可動導電プレートと摺接可能に設けられる固定コンタクトが前記ホイールギヤの回転に応じて前記可動導電プレートと接触/非接触されるモータであって、前記ギヤハウジングの前記ヨークハウジング側端部には、該ギヤハウジングの内部と前記ヨークハウジング側とを連通する連通孔が形成され、前記固定コンタクトは、前記ブラシホルダから前記連通孔を介して前記ギヤハウジング内に延出するように前記ブラシホルダに設けられた。
【0006】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のモータにおいて、前記ブラシホルダは、前記ヨークハウジング及び前記ギヤハウジングの外部に露出して外部制御装置が接続可能なコネクタ部を一体的に有している。
【0007】
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載のモータにおいて、前記減速機構は、前記アーマチャの回転軸線と同心で回転するウォーム軸と該ウォーム軸に噛合される前記ホイールギヤとのウォーム減速機構を有し、前記コネクタ部は、前記ウォーム軸に対して前記ホイールギヤの配置される側に配置された。
【0008】
請求項4に記載の発明では、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のモータにおいて、前記ヨークハウジングは、前記アーマチャの回転軸線に直交する方向で対向してそれぞれ磁石が内面に固定される一対の円弧状部と、前記円弧状部同士を連結する互いに平行な平面状部とを有しており、前記ホイールギヤの回転軸線は、前記平面状部の平面の直交線と平行に設定され、前記固定コンタクトは、前記平面状部の平面と平行な面上に並設された。
【0009】
請求項5に記載の発明では、請求項4に記載のモータにおいて、前記固定コンタクトは、複数のコンタクト部材を備え、該コンタクト部材が互いに略平行に延びて並設された。
請求項6に記載の発明では、請求項4又は5に記載のモータにおいて、前記コネクタ部は、前記ヨークハウジングの外部において前記円弧状部の側方に配置され、且つ、前記平面状部の対向間距離の範囲内に収まるように前記コネクタ部の外郭形状が設定されている。
【0010】
請求項7に記載の発明では、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のモータにおいて、前記固定コンタクトは、前記ヨークハウジングと前記ギヤハウジングとが対向して突き合わされる突き合わせ領域内で前記ブラシホルダに支持された。
【0011】
請求項8に記載の発明では、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のモータは、前記ギヤハウジングに軸支され、前記減速機構により減速された前記アーマチャの回転が伝達されて出力する出力軸に、払拭面を払拭するワイパが連結されるものであるワイパ装置用モータを要旨とする。
【0012】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、可動導電プレートに摺接する固定コンタクトがブラシホルダに設けられるため、電気部品がブラシホルダに集約されることになり、固定コンタクトがブラシに接続される場合であっても、固定コンタクトがブラシと共に外部制御装置に接続される場合であっても、その配線構造を簡単にすることができる。しかも、固定コンタクトは、ギヤハウジングのヨークハウジング側端部に形成された連通孔を介して前記ブラシホルダからギヤハウジング内に延出するように設けられるため、固定コンタクトとブラシとを接続する配線を短くすることができるとともに、その配線の防水性を容易且つ確実に確保することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、ブラシホルダは、ヨークハウジング及びギヤハウジングの外部に露出して外部制御装置が接続可能なコネクタ部を一体的に有しているため、更に電気部品がブラシホルダに集約されることになり、ブラシや固定コンタクトやコネクタの配線構造を簡単にすることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、コネクタ部は、ウォーム軸に対してホイールギヤの配置される側に配置されるため、ホイールギヤの可動導電プレートと摺接可能に設けられる固定コンタクトをウォーム軸と交差しないようにホイールギヤ側に設ける構成としながら、コネクタ部と固定コンタクトとの距離を短くすることができる。よって、例えば、固定コンタクトを容易に配設することができるとともに、固定コンタクトとコネクタ部とを接続する配線を短くすることができる。又、例えば、固定コンタクトをホルダ本体部とコネクタ部との間に設けることができ、ブラシホルダを小型化することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、ヨークハウジングは平面状部の対向方向(平面の直交線方向)に薄型であり、ホイールギヤの回転軸線が平面状部の平面の直交線と平行に設定されることで、ホイールギヤを収容するギヤハウジングもヨークハウジングの薄型方向に薄型とすることができる。しかも、固定コンタクトは、平面状部の平面と平行な面上に並設されるため、前記薄型方向の厚さの増加を抑制することができる。又、平面状部の平面と平行な方向は、比較的広い配置スペースを確保できるので、各固定コンタクトの互いの絶縁を容易に確保することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、固定コンタクトは、複数のコンタクト部材を備え、そのコンタクト部材が互いに略平行に延びて並設されるため、それら固定コンタクトをコンパクトにまとめることができ、前記連通孔の大きさを小さくしながらも容易に貫通させることができる。よって、ギヤハウジング(連通孔)の設計を容易としながら、ブラシホルダとギヤハウジングとを容易に組み付けることが可能となる。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、コネクタ部は、前記円弧状部の側方に配置され、且つ、前記平面状部の対向方向(平面の直交線方向)の外郭が前記平面状部の対向間範囲内に収まるように設定されるため、コネクタ部がモータの薄型化を阻害してしまうことがない。
【0018】
請求項7に記載の発明によれば、固定コンタクトは、ヨークハウジングとギヤハウジングとが対向して突き合わされる突き合わせ領域内でブラシホルダに支持されるため、固定コンタクトの位置精度の低下を抑制することができるとともに、固定コンタクトの防水性を容易に確保することができる。詳しくは、ヨークハウジングとギヤハウジングとが対向して突き合わされる突き合わせ領域内においてはブラシホルダが挟持されるため、その変形が低減される。そして、固定コンタクトは、前記突き合わせ領域内でブラシホルダに支持されるため、前記突き合わせ領域外で支持された場合(挟持されず熱などにより自由変形し易い)に比べて、その位置精度の低下が抑制されることになる。又、ヨークハウジングとギヤハウジングとが対向して突き合わされる突き合わせ領域内においてはブラシホルダが外部に露出し難い構成となるとともに、一般的には元々防水構造が適用される部分である。そして、固定コンタクトは、前記突き合わせ領域内でブラシホルダに支持されるため、前記突き合わせ領域外で支持された場合(例えば別途、防水構造が必要)に比べて、その防水性を容易に確保することができる。
【0019】
請求項8に記載の発明によれば、ワイパ装置用モータにおいて、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の発明の効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、配線構造を短く簡単にすることができるとともに、配線の防水性を容易且つ確実に確保でき信頼性を高くすることができるモータ及びワイパ装置用モータを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を車両におけるワイパ装置(詳しくはリヤワイパ装置)用のモータ1に具体化した一実施の形態を図1〜図9に従って説明する。図1に示すように、モータ1は、モータ本体2と、ギヤ部3とを備えている。
【0022】
モータ本体2は、図2に示すように、略有底筒状に形成されたヨークハウジング(以下、単にヨークという)4と、該ヨーク4内面に固定された一対の磁石5と、該ヨーク4内に収容されるとともに回転可能に支持されるアーマチャ(電機子)6とを備えている。本実施の形態のヨーク4は、アーマチャ6の軸直交方向(回転軸線に直交する方向)で対向してそれぞれ前記磁石5が内面に固定される一対の円弧状部4a(図1及び図2参照)と、円弧状部4a同士を連結する互いに平行な平面状部4b(図1参照)とを有している。即ち、ヨーク4は、所謂扁平型であって、平面状部4bの対向方向(平面の直交線方向)に薄型とされている。又、ヨーク4の開口部には、径方向外側に延びるフランジ部4cが形成されている。
【0023】
そして、ヨーク4の開口部には、ブラシホルダ7が設けられる。ブラシホルダ7は、図2〜図5に示すように、電気絶縁性を有する樹脂材料にて成型された樹脂製のブラシホルダ樹脂体7aを備え、ブラシホルダ樹脂体7aは、ホルダ本体部7bと、フランジ部7c(図4参照)と、延出部7dと、コネクタ部7eと、コンタクトベース部7fとが一体形成されてなる。ホルダ本体部7bは、前記ヨーク4の開口部内に略収容されるように形成されている。ホルダ本体部7bの中央孔には軸受8(図2参照)が保持され、該軸受8にはアーマチャ6における回転軸9の先端側が回転可能に支持される。又、ホルダ本体部7bにおけるヨーク4の内部側にはアーマチャ6に給電するためのブラシ10a,10bが保持され、該ブラシ10a,10bは前記回転軸9に固定された整流子11に押圧接触されている。フランジ部7cは、前記ホルダ本体部7bにフランジ状に延出されている。又、延出部7dは、フランジ部7cの一部からヨーク4の一方の円弧状部4aの外側に向けて(ヨーク4の一方の円弧状部4aから回転軸9の径方向外方に向けて)延出されている。
【0024】
コネクタ部7eは、前記延出部7dの先端に設けられている。本実施の形態のコネクタ部7eは、前記アーマチャ6の軸方向(回転軸線方向であって、図2中、上方向)から図示しない外部コネクタが嵌着可能に形成されている。即ち、コネクタ部7eは、前記アーマチャ6の軸方向(図2中、上方向)が開口した略有底四角筒状(断面コ字形状)に形成されている。又、本実施の形態のコネクタ部7eは、ヨーク4の円弧状部4aの側方に配置され、且つ、図7に模式的に示すように、コネクタ部7eの外郭Gの形状が平面状部4bの対向方向(平面の直交線方向)において平面状部4bの対向間距離の範囲T内に収まるように設定されている。
【0025】
コンタクトベース部7fは、ホルダ本体部7bとコネクタ部7eとの間であって、前記延出部7dと対応した位置からヨーク4の開口方向(図2及び図4中、下方向)に延出して形成されている。コンタクトベース部7fは、図5に示すように、前記平面状部4b(図1参照)の平面の直交線(直交する線)方向に薄い薄板状に形成され、前記アーマチャ6の軸中心Xよりも一方の平面状部4b側(一対の平面状部4bの内の一方に近い側であって、図5中、下側)に配置されている。
【0026】
又、ブラシホルダ7において、ブラシホルダ樹脂体7aには、図5に示すように、導電性の金属板にて形成される複数(本実施の形態では5つ)のターミナル21〜25が、その一部が露出した状態で埋設されるようにインサート成形されている。
【0027】
第1電源用(高電位電源用)のターミナル21は、その一端が前記コネクタ部7eから外部に露出し、その他端がホルダ本体部7b側まで延びてホルダ本体部7bに搭載されたコンデンサ26(図3参照)の第1端子に接続されるとともにホルダ本体部7bに搭載されたチョークコイル27(図3参照)を介して前記ブラシ10aに接続されている。
【0028】
第2電源用(低電位電源用)のターミナル22は、その一端が前記コネクタ部7eから外部に露出し、その他端がホルダ本体部7b側まで延びて該ホルダ本体部7bに搭載されたブレーカ28の第1端子に接続されている。このターミナル22には、その一端と他端との間にコンタクト用端子22aが(分岐するように)形成されている。コンタクト用端子22aは、前記コンタクトベース部7fの先端側まで延び、その先端には起立部22b(図6参照)が形成されている。尚、このコンタクト用端子22aは、前記アーマチャ6の軸方向に沿って延びている。又、コンタクト用端子22aは、その板厚方向が前記平面状部4b(図1参照)の平面の直交線方向と一致するように(平板方向が平面状部4bと平行になるように)設定されている。又、起立部22bは、屈曲されることでコンタクトベース部7fの外部(一対の平面状部4bの内の他方に近い側であって、図5及び図6中、上側)に突出するように形成されている。又、図6では、後述する割りかしめが施された起立部22bを図示している。
【0029】
第1固定コンタクト用のターミナル23は、その一端が前記コネクタ部7eから外部に露出し、その他端が前記コンタクト用端子22aと平行であって同様に配設されるコンタクト用端子23aとされている。又、このコンタクト用端子23aの先端(最先端)には前記起立部22bと同様の起立部23b(図4参照)が形成されている。
【0030】
第2固定コンタクト用のターミナル24は、その一端が前記コネクタ部7eから外部に露出し、その他端が前記コンタクト用端子22aと平行であって同様に配設されるコンタクト用端子24aとされている。又、このコンタクト用端子24aの先端(最先端)には前記起立部22bと同様の起立部24b(図4参照)が形成されている。尚、本実施の形態における各コンタクト用端子22a〜24aの各先端(各起立部22b〜24b)は、図4に示すように、アーマチャ6の軸直交方向に対して傾斜して並ぶように設定されている。
【0031】
中間接続用のターミナル25は、ホルダ本体部7bに配置され、その一端が前記コンデンサ26(図3参照)の第2端子に接続され、その他端が前記ブレーカ28の第2端子に接続され、さらにその中間部がホルダ本体部7bに搭載されたチョークコイル29(図3参照)を介して前記ブラシ10bに接続されている。
【0032】
又、ブラシホルダ7には、各コンタクト用端子22a〜24aの各先端、即ち各起立部22b〜24bにそれぞれ電気的に接続固定されるコンタクト部材31〜33が設けられている。詳しくは、本実施の形態の各コンタクト部材31〜33は、同一形状に形成されている(品番が1つである)。コンタクト部材31〜33は、ばね性(弾性)を有する導電性の金属板にて形成され、貫通孔31a〜33a(図4及び図6参照)が形成された基端部31b〜33bと、基端部31b〜33bから(屈曲されて)傾斜して延びる傾斜部31c〜33cと、傾斜部31c〜33cの先端に形成される接触部31d〜33dとからなる。そして、各コンタクト部材31〜33は、その貫通孔31a〜33aに前記起立部22b〜24bがそれぞれ貫通され、該起立部22b〜24bが割りかしめされることにより(図6参照)、起立部22b〜24bに対して固定されている。尚、コンタクトベース部7fにおける起立部22b〜24bと対応した位置であって、該起立部22b〜24bが起立(突出)する方向の反対方向には、起立部22b〜24bとコンタクト部材31〜33とを固定するための(本実施の形態では、割りかしめを行う際に底を受ける治具を挿入するための)加工用孔7g(図6参照)が形成されている。又、各コンタクト部材31〜33は、互いに平行に延びるように並設されている。又、本実施の形態では、コンタクト用端子22a〜24aとコンタクト部材31〜33とが固定コンタクトを構成し、それらは前記平面状部4bの平面と平行な面上に並設されることになる。
【0033】
又、ブラシホルダ7(ブラシホルダ樹脂体7a)には、シール材34が設けられている。詳しくは、シール材34は、エラストマよりなる。シール材34は、図3〜図5に示すように、フランジ部7c及び延出部7d等を略覆うように設けられる。
【0034】
ギヤ部3は、図1及び図2に示すように、ギヤハウジング41と、ウォーム軸42と、ホイールギヤとしてのウォームホイール43と、サブギヤ部材としてのセクタギヤ44と、間隔保持プレート45と、出力軸46とを備える。尚、本実施の形態では、ウォーム軸42とウォームホイール43とがアーマチャ6の回転を減速して伝達するための減速機構及びウォーム減速機構を構成している。
【0035】
ギヤハウジング41は、前記アーマチャ6の軸直交方向(一対の平面状部4bの内の他方に近い側であって、図2中、紙面手前方向)に開口した収容凹部51aが形成されたハウジング本体51と、前記収容凹部51aを覆うように固定されるカバー52(図2中、一部のみ図示)とを有する。
【0036】
ハウジング本体51は、導電性材料であるアルミニウム合金のダイキャスト製品である。そして、ハウジング本体51は、前記収容凹部51aの外壁の一部であるヨーク4側端部が前記ヨーク4の開口部(フランジ部4c)と対応した形状の固定部51bとされている。そして、ハウジング本体51は、その固定部51bとヨーク4のフランジ部4cとでブラシホルダ7のフランジ部7cを(シール材34を介して)挟むように、固定部51bがヨーク4のフランジ部4cに突き合わされてねじ止めされている。つまり、ヨーク4とギヤハウジング41との連結固定においてブラシホルダ7が突き当て状態で組み付けられている。又、ハウジング本体51の固定部51bには、前記回転軸9と対応した位置に、収容凹部51aの内部とヨーク4側とを連通する中央孔51c(図7参照)が形成されている。又、ハウジング本体51の固定部51bには、前記コンタクトベース部7fと対応した位置に、収容凹部51aの内部とヨーク4側とを連通する連通孔51d(図7参照)が形成されている。即ち、ヨーク4とブラシホルダ7とハウジング本体51(ギヤハウジング41)とを組み付けた状態では、中央孔51cから回転軸9の先端部が収容凹部51aの内部(ギヤハウジング41内)に延出され、連通孔51dからコンタクトベース部7f(固定コンタクト)が収容凹部51aの内部(ギヤハウジング41内)に延出される。
【0037】
ここで、収容凹部51aは一対の平面状部4bの内の他方に近い側であって、図2中、紙面手前方向に開口することから、一対の平面状部4bの内の一方に近い側であって、図2中、紙面奥側に配置されるコンタクトベース部7f(固定コンタクト)は、(ウォームホイール43よりも)収容凹部51aの底部側に配置されることになる。又、ハウジング本体51の収容凹部51aの底部におけるコンタクトベース部7fと対応した位置にはコンタクトベース部7fと当接する当接面S(図6参照)が形成されている。本実施の形態の当接面Sは、コンタクトベース部7fにおける加工用孔7gより先端側に形成されている。よって、コンタクトベース部7fは、加工用孔7gより先端側がハウジング本体51の当接面Sに当接されることになる。尚、ハウジング本体51の加工用孔7gと対応した位置には、(当接面Sに対して)凹部が形成されることになり、その凹部にて空隙Kが形成されることになる。
【0038】
又、前記固定コンタクト(コンタクト用端子22a〜24aとコンタクト部材31〜33)は、ヨーク4とギヤハウジング41(ハウジング本体51)とが対向して突き合わされる突き合わせ領域H(図2参照)内でブラシホルダ7(コンタクトベース部7f)に支持されることになる。尚、本実施の形態における突き合わせ領域Hは、アーマチャ6の軸方向から見てヨーク4におけるフランジ部4cの外縁にて囲まれる領域と同じであって、図2では前記平面状部4bの平面に沿った方向のみについての領域(範囲)に符号(H)を付している。
【0039】
前記収容凹部51aは、内部でそれぞれ連通したウォーム収容部51e、ホイール収容部51f、及び出力軸収容部51g等を有する。
ウォーム収容部51eは、前記回転軸9の延長線上に延びて形成され、その内部にウォーム軸42を回転可能に支持する。このウォーム軸42は、ジョイント53によって回転軸9と一体回転可能に連結される。
【0040】
ホイール収容部51fは、ウォーム収容部51eに対して前記コネクタ部7eの配置される側に形成され、その内部にウォームホイール43を回転可能に支持する。このウォームホイール43は、その一部がウォーム軸42と噛合される。又、このウォームホイール43は、その回転軸線が前記平面状部4bの平面の直交線と平行に設定されている。又、このウォームホイール43の一端面(収容凹部51aの底部側の面)には、図8に示すように、所定の導電パターン形状を有する可動導電プレート54が設けられている。そして、この可動導電プレート54(詳しくは、可動導電プレート54を含むウォームホイール43の一端面)には、コンタクト部材31〜33の接触部31d〜33dが(コンタクト部材31〜33のばね性により)押圧接触されて摺接可能とされる。そして、公知のパターン形状である前記所定の導電パターン形状により、コンタクト部材31〜33の接触部31d〜33dは、ウォームホイール43の回転(回転角度)に応じて可動導電プレート54と接触/非接触されることになる。
【0041】
出力軸収容部51gは、ウォーム収容部51eに対して前記コネクタ部7eの配置されない側(ホイール収容部51fの反対側)に形成され、その中心には外部に筒状に延びる出力軸支持部51h(図1参照)が形成されている。そして、出力軸46は、その基端部が出力軸収容部51g内部に配置されるとともにその先端部が外部に突出するように、出力軸支持部51hに回転可能に支持される。尚、出力軸46の先端部には、払拭面を払拭するワイパ(リヤワイパ)W(図1中、模式的に図示する)が固定される。
【0042】
そして、ウォームホイール43と出力軸46とは、セクタギヤ44及び間隔保持プレート45とによって駆動連結される。詳しくは、セクタギヤ44は、金属板よりなり、その基端部がウォームホイール43の中心から変位した位置に回転可能に連結され、その先端部に形成されたギヤ部44aが出力軸46の基端部に形成されたギヤ部46aに噛合される。尚、セクタギヤ44は、ウォームホイール43よりも収容凹部51aの開口側(図2中、紙面手前側)に配置される。又、間隔保持プレート45は、金属板よりなり、その一端部がセクタギヤ44におけるギヤ部44aのギヤ中心に回転可能に連結され、その他端部が出力軸46の基端部に回転可能に連結される。即ち、間隔保持プレート45は、ギヤ部44aのギヤ中心と出力軸46との軸線間隔(距離)を保持する。尚、間隔保持プレート45は、セクタギヤ44よりも収容凹部51aの開口側(図2中、紙面手前側)に配置される。よって、ウォームホイール43が回転すると、セクタギヤ44(及び間隔保持プレート45)の作用によって出力軸46(ワイパW)が往復回動されワイパWによって払拭面が往復払拭される。
【0043】
次に、上記モータ1が車両に組み付けられ、コネクタ部7eに車両側の外部コネクタが嵌着された際の電気的な構成を図9に従って説明する。
コネクタ部7eで露出された前記ターミナル21,23,24は、車両運転席に設けられた切換スイッチ61にそれぞれ接続され、ターミナル22はグランドに接続されている。又、コネクタ部7eで露出された前記ターミナル24は電源E(車両のバッテリ)に接続されている。尚、本実施の形態では、切換スイッチ61、グランド、及び電源Eが外部制御装置を構成している。
【0044】
切換スイッチ61は、モータ1を停止させるための停止位置P1と、モータ1を作動させるための作動位置P2とを有する。そして、切換スイッチ61は、停止位置P1においては、ターミナル21とターミナル23とを接続する。又、切換スイッチ61は、作動位置P2においては、ターミナル21と電源E(車両のバッテリ)とを接続する。
【0045】
このように配線されたモータ1では、切換スイッチ61が作動位置P2に切換えられると、ブラシ10aが電源Eに接続されるため、モータ1は作動する。即ち、出力軸46(ワイパW)が往復回動され、ワイパWにて払拭動作が行われる。
【0046】
そして、切換スイッチ61が作動位置P2から停止位置P1に切換えられると、ブラシ10aと電源Eとの(直接の)接続が絶たれるとともに、ブラシ10aとターミナル23(コンタクト部材32)とが接続される。
【0047】
このとき、ウォームホイール43と一体回転する可動導電プレート54が所定角度位置(コンタクト部材31とコンタクト部材32とを接続する位置)にあると、ブラシ10aに接続されたターミナル23は、コンタクト部材31,32を介してグランドに接続される(図9参照)ため、モータ1は停止する。
【0048】
又、このとき、ウォームホイール43と一体回転する可動導電プレート54が、前記所定角度位置になく、コンタクト部材32とコンタクト部材33とを接続する位置にあると、ブラシ10aに接続されたターミナル23はコンタクト部材32,33を介して電源Eに接続される。よって、モータ1は作動が継続される。そして、ウォームホイール43と一体回転する可動導電プレート54が、前記所定角度位置まで回転すると、ブラシ10aに接続されたターミナル23は、コンタクト部材31,32を介してグランドに接続される(図9参照)ため、モータ1は停止する。即ち、切換スイッチ61が停止位置P1に切換えられると、コンタクト部材31〜33(接触部31d〜33d)が可動導電プレート54に接触/非接触することで検出される回転位置情報により可動導電プレート54(ウォームホイール43)が前記所定角度位置で自動的に停止することになる。
【0049】
そして、可動導電プレート54(ウォームホイール43)が、前記所定角度位置にあるとき(図9に示す状態にあるとき)、ワイパWは、リヤウインドウの例えば下端に沿った所定の停止位置となるように設定されている。よって、切換スイッチ61を作動位置P2から停止位置P1に切換えると、ワイパWは、リヤウインドウの下端に沿った所定の停止位置で自動的に停止する。
【0050】
次に、上記実施の形態の特徴的な作用効果を以下に記載する。
(1)固定コンタクト(コンタクト用端子22a〜24a及びコンタクト部材31〜33)はブラシホルダ7に設けられるため、ブラシ10a,10b等と共に電気部品がブラシホルダ7に集約されることになる。よって、例えば、コンタクト用端子22a及びコンタクト部材31がブラシ10bに接続される場合であっても、その配線構造をブラシホルダ7に設けたターミナル22,25のみとすることができ、簡単にすることができる。又、例えば、コンタクト用端子22a〜24a及びコンタクト部材31〜33がブラシ10a,10bと共に外部制御装置(切換スイッチ61、グランド、及び電源E)に接続される場合であっても、その配線構造をブラシホルダ7に設けたターミナル21〜25のみとすることができ、簡単にすることができる。
【0051】
しかも、固定コンタクト(コンタクト用端子22a〜24a及びコンタクト部材31〜33)は、ブラシホルダ7からギヤハウジング41(ハウジング本体51)のヨーク4側端部に形成された連通孔51dを介してギヤハウジング41(収容凹部51a)内に延出するように設けられる。よって、コンタクト用端子22a及びコンタクト部材31とブラシ10bとを接続する配線(ターミナル22,25)をギヤハウジングの外部に設けた場合(従来)に比べて短くすることができるとともに、その配線の防水性を容易且つ確実に確保することができる。
【0052】
(2)ブラシホルダ7は、ヨーク4及びギヤハウジング41の外部に露出して外部コネクタ、即ち外部制御装置(切換スイッチ61、グランド、及び電源E)が接続可能なコネクタ部7eを有するため、更に電気部品がブラシホルダ7に集約されることになる。よって、コネクタ部をブラシホルダと別体で設ける場合に比べて、ブラシ10a,10bや固定コンタクトやコネクタ部7eの(各端子の)配線構造をブラシホルダ7に設けたターミナル21〜25のみとすることができ簡単にすることができる。特に、ターミナル21〜25を埋設すべくインサート成形してブラシホルダ7を形成することにより(ターミナル21〜25をブラシホルダ樹脂体7aでモールドすることにより)、これら各ターミナル21〜25の電気絶縁性をより確実に確保することができる。
【0053】
(3)コネクタ部7eは、ウォーム軸42に対してウォームホイール43の配置される側に配置される。よって、ウォームホイール43の可動導電プレート54と摺接可能に設けられる固定コンタクト(コンタクト用端子22a〜24a及びコンタクト部材31〜33)をウォーム軸42と交差しないようにウォームホイール43側に設ける構成としながら、コネクタ部7eと固定コンタクトとの距離を短くすることができる。よって、例えば、固定コンタクトをウォーム軸42と交差しないように容易に配設することができるとともに、固定コンタクトとコネクタ部7eとを接続する配線(ターミナル22〜24)を短くすることができる。又、例えば、固定コンタクトをホルダ本体部7bとコネクタ部7eとの間に設けることができ、ブラシホルダ7を小型化することができる。
【0054】
(4)ヨーク4は平面状部4bの対向方向(平面の直交線方向)に薄型であり、ウォームホイール43の回転軸線が平面状部4bの平面の直交線と平行に設定されることで、ウォームホイール43を収容するギヤハウジング41もヨーク4の薄型方向に薄型とすることができる。しかも、固定コンタクト(コンタクト用端子22a〜24a及びコンタクト部材31〜33)は、平面状部4bの平面と平行な面上に並設されるため、前記薄型方向の厚さの増加を抑制することができる。又、平面状部4bの平面と平行な方向は、比較的広い配置スペースを確保できるので、各固定コンタクトの互いの絶縁を容易に確保することができる。
【0055】
(5)固定コンタクトは、略平行(コンタクト用端子22a〜24a同士は平行であって、コンタクト部材31〜33同士も平行)に延びるように並設されるため、それら固定コンタクトをコンパクトにまとめることができ、連通孔51dの大きさを小さくしながらも容易に貫通させることができる。よって、ギヤハウジング41(ハウジング本体51)の設計を容易としながら、ブラシホルダ7とギヤハウジング41(ハウジング本体51)とを容易に組み付けることが可能となる。
【0056】
(6)コネクタ部7eは、ヨーク4の円弧状部4aの側方に配置され、且つ、図7に模式的に示すように、その外郭Gの形状が平面状部4bの対向方向(平面の直交線方向)において平面状部4bの対向間距離の範囲T内に収まるように設定されるため、コネクタ部7eがモータ1の薄型化を阻害してしまうことがない。
【0057】
(7)固定コンタクト(コンタクト用端子22a〜24a及びコンタクト部材31〜33)は、ヨーク4とギヤハウジング41(ハウジング本体51)とが対向して突き合わされる突き合わせ領域H(図2参照)内でブラシホルダ7(コンタクトベース部7f)に支持される。よって、固定コンタクトの位置精度の低下を抑制することができるとともに、固定コンタクトの防水性を容易に確保することができる。詳しくは、前記突き合わせ領域H内においてはブラシホルダ7がヨーク4とギヤハウジング41とに挟持されるため、その変形が低減される。そして、固定コンタクトは、突き合わせ領域H内でブラシホルダ7(コンタクトベース部7f)に支持されるため、突き合わせ領域Hの外側で支持された場合(挟持されず熱などにより自由変形し易い)に比べて、その位置精度の低下が抑制されることになる。その結果、コンタクト部材31〜33の接触部31d〜33dによる回転位置情報の検出精度の低下、即ち誤検出が抑制される。又、前記突き合わせ領域H内においてはブラシホルダ7のホルダ本体部7bが外部から閉鎖された空間内に配置された構成となる。したがって、アーマチャ6へ給電するための電気部品が配置されたホルダ本体部7bは、外部から閉鎖された空間内に配置された防水構造が適用されている。そして、固定コンタクトは、突き合わせ領域H内でブラシホルダ7(コンタクトベース部7f)に支持されるため、突き合わせ領域H外で支持された場合(例えば別途、防水構造が必要)に比べて、その防水性を容易に確保することができる。
【0058】
上記実施の形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施の形態では、コンタクト用端子22a〜24a及びコンタクト部材31〜33が固定コンタクトを構成するとしたが、連通孔51dから(連通孔51dを介して)ギヤハウジング41(収容凹部51a)内に延出するようにブラシホルダ7に設けられれば、他の構成で固定コンタクトを構成してもよい。例えば、ターミナル22〜24におけるコンタクト用端子22a〜24aから連続してコンタクト部材31〜33と対応する部分を一体で形成し、それらを固定コンタクトとしてもよい。このようにすると、部品点数が低減される。又、例えば、コンタクト用端子22a〜24aとコンタクト部材31〜33と対応する部分のみを一体の固定コンタクトとし、その固定コンタクトを前記ギヤハウジング41(収容凹部51a)の外部でコンタクト用端子22a〜24aが形成されていないターミナル22〜24に接続する構成に変更してもよい。
【0059】
・上記実施の形態では、ブラシホルダ7は、コネクタ部7eを有するとしたが、これに限定されず、コネクタ部をブラシホルダ(ホルダ本体部)と別体で設けてもよい。
・上記実施の形態では、コネクタ部7eは、ウォーム軸42に対してウォームホイール43の配置される側に配置される好ましい構成としたが、これに限定されず、コネクタ部7eとウォームホイール43とがウォーム軸42を挟んで(反対側に)配置されるようにしてもよい。
【0060】
・上記実施の形態では、車両用ドア内に配置されるリヤワイパ装置のリヤワイパモータとして好ましいヨーク4が所謂扁平型のものとしたが、これに限定されず、真円型のものに変更してもよい。
【0061】
・上記実施の形態では、固定コンタクトは、略平行(コンタクト用端子22a〜24a同士は平行であって、コンタクト部材31〜33同士も平行)に延びるように並設されるとしたが、これに限定されず、異なる方向に延びるように設けてもよい。又、各コンタクト部材31〜33は、同一形状(品番が1つ)としたが、これに限定されず、例えば、長さが異なるものとする等、異なる形状のものに変更してもよい。
【0062】
・上記実施の形態では、コネクタ部7eは、ヨーク4における円弧状部4aの側方に配置されるとしたが、これに限定されず、例えば、ヨーク4における平面状部4bの側方(一対の平面状部4bの対向方向)に配置してもよい。又、コネクタ部7eは、平面状部4bの対向方向の外郭Gが平面状部4bの対向間距離の範囲T内に収まるように設定されるとしたが、これに限定されず、ヨーク4における円弧状部4aの側方に配置された場合であっても前記対向間距離の範囲Tから突出するように設定してもよい。
【0063】
・上記実施の形態では、突き合わせ領域Hの外周部合わせ面にシール材34を配置したが、ホルダ本体部7bは外部から閉鎖された空間内に配置された防水構造が適用されているので防水性が高く、モータ1の配置環境によってはシール材34を省略してもよい。
【0064】
・上記実施の形態では、リヤワイパ装置用のモータ1に具体化したが、これに限定されず、フロントワイパ装置用のモータ1に変更してもよい。又、この場合、例えば、セクタギヤ44及び間隔保持プレート45を備えず、出力軸がウォームホイール43と一体回転するモータとし、その出力軸が車両に設けたリンク機構を介してフロントワイパに連結されるものとしてもよい。又、ワイパ装置以外の装置(例えば、パワーウインドウ装置やサンルーフ装置)用のモータに変更してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本実施の形態におけるモータの斜視図。
【図2】本実施の形態におけるモータの要部断面図。
【図3】本実施の形態におけるブラシホルダの平面図。
【図4】本実施の形態におけるブラシホルダの側面図。
【図5】本実施の形態におけるブラシホルダの底面図。
【図6】本実施の形態におけるコンタクト用端子とコンタクト部材の接続部分を説明するための要部断面図。
【図7】本実施の形態におけるモータの模式図。
【図8】本実施の形態における可動導電プレートを説明するための説明図。
【図9】本実施の形態における電気的な構成を示す回路図。
【符号の説明】
【0066】
4…ヨークハウジング、4a…円弧状部、4b…平面状部、5…磁石、6…アーマチャ、7…ブラシホルダ、7b…ホルダ本体部、7e…コネクタ部、10a,10b…ブラシ、22a〜24a…固定コンタクトの一部を構成するコンタクト用端子、31〜33…固定コンタクトの一部を構成するコンタクト部材、41…ギヤハウジング、42…減速機構及びウォーム減速機構の一部を構成するウォーム軸、43…減速機構及びウォーム減速機構の一部を構成するウォームホイール(ホイールギヤ)、46…出力軸、51d…連通孔、54…可動導電プレート、61…外部制御装置の一部を構成する切換スイッチ、E…外部制御装置の一部を構成する電源、G…コネクタ部の外郭、H…突き合わせ領域、T…対向間距離の範囲、W…ワイパ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アーマチャを収容するヨークハウジングと、
前記アーマチャの回転を減速して伝達するための減速機構を収容するギヤハウジングと、
前記ヨークハウジングと前記ギヤハウジングとの間に配設され、前記アーマチャに給電するためのブラシを保持するホルダ本体部を有するブラシホルダとを備え、
前記減速機構はホイールギヤを含み、該ホイールギヤの端面には所定の導電パターン形状を有する可動導電プレートが設けられ、その可動導電プレートと摺接可能に設けられる固定コンタクトが前記ホイールギヤの回転に応じて前記可動導電プレートと接触/非接触されるモータであって、
前記ギヤハウジングの前記ヨークハウジング側端部には、該ギヤハウジングの内部と前記ヨークハウジング側とを連通する連通孔が形成され、
前記固定コンタクトは、前記ブラシホルダから前記連通孔を介して前記ギヤハウジング内に延出するように前記ブラシホルダに設けられたことを特徴とするモータ。
【請求項2】
請求項1に記載のモータにおいて、
前記ブラシホルダは、前記ヨークハウジング及び前記ギヤハウジングの外部に露出して外部制御装置が接続可能なコネクタ部を一体的に有していることを特徴とするモータ。
【請求項3】
請求項2に記載のモータにおいて、
前記減速機構は、前記アーマチャの回転軸線と同心で回転するウォーム軸と該ウォーム軸に噛合される前記ホイールギヤとのウォーム減速機構を有し、
前記コネクタ部は、前記ウォーム軸に対して前記ホイールギヤの配置される側に配置されたことを特徴とするモータ。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のモータにおいて、
前記ヨークハウジングは、前記アーマチャの回転軸線に直交する方向で対向してそれぞれ磁石が内面に固定される一対の円弧状部と、前記円弧状部同士を連結する互いに平行な平面状部とを有しており、
前記ホイールギヤの回転軸線は、前記平面状部の平面の直交線と平行に設定され、
前記固定コンタクトは、前記平面状部の平面と平行な面上に並設されたことを特徴とするモータ。
【請求項5】
請求項4に記載のモータにおいて、
前記固定コンタクトは、複数のコンタクト部材を備え、該コンタクト部材が互いに略平行に延びて並設されたことを特徴とするモータ。
【請求項6】
請求項4又は5に記載のモータにおいて、
前記コネクタ部は、前記ヨークハウジングの外部において前記円弧状部の側方に配置され、且つ、前記平面状部の対向間距離の範囲内に収まるように前記コネクタ部の外郭形状が設定されていることを特徴とするモータ。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のモータにおいて、
前記固定コンタクトは、前記ヨークハウジングと前記ギヤハウジングとが対向して突き合わされる突き合わせ領域内で前記ブラシホルダに支持されたことを特徴とするモータ。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のモータは、
前記ギヤハウジングに軸支され、前記減速機構により減速された前記アーマチャの回転が伝達されて出力する出力軸に、払拭面を払拭するワイパが連結されるものであることを特徴とするワイパ装置用モータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−94693(P2006−94693A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−183839(P2005−183839)
【出願日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(000101352)アスモ株式会社 (1,622)
【Fターム(参考)】