説明

ラベリングシステム

【課題】刷品位がよいラベルを低コストで作製することができ、また、必要なときに必要な数量を作製することができるラベリングシステムを提供する。
【解決手段】ラベリングシステム1は、加熱により粘着性を発現し加熱前の温度に低下後にも粘着性を維持するフィルム粘着材層が、片面に設けられたラミネートフィルム3を供給するフィルム供給部30と、印刷紙2を供給する印刷紙供給部10と、フィルム供給部30が供給したラミネートフィルム3を加熱するヒートローラ41と、ヒートローラ41が加熱したラミネートフィルム3と、印刷紙供給部10が供給した印刷紙2とを、加熱により粘着性を発現したラミネートフィルム3のフィルム粘着材層によって接合して接合シート4を形成するラミネート部50と、ラミネート部50によって形成された接合シート4を、瓶Wに貼付するラベル貼付部100とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、必要なときに必要な数量のラベルを作製するのに適したラベリングシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷面の表面にラミネートフィルムを貼り付けて、ラベルを作製するラミネ−タがあった(例えば特許文献1)。
しかし、従来のラミネータは、製品に貼り付けるためのラベルを印刷品位よく作製しようすると高コストになり、また、必要なときに必要な数量を作製するのに適さなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−243659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、印刷品位がよいラベルを低コストで作製することができ、また、必要なときに必要な数量を作製することができるラベリングシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような解決手段により、課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【0006】
第1の発明は、加熱により粘着性を発現し加熱前の温度に低下後にも粘着性を維持する粘着材層(3b)が、片面に設けられたラミネートフィルム(3)を供給するラミネートフィルム供給部(30)と、シート基材(2)を供給するシート基材供給部(10)と、前記ラミネートフィルム供給部が供給した前記ラミネートフィルムを加熱するラミネートフィルム加熱部(41)と、前記ラミネートフィルム加熱部が加熱した前記ラミネートフィルムと、前記シート基材供給部が供給したシート基材とを、加熱により粘着性を発現した前記ラミネートフィルムの粘着材層によって接合して接合シート(4,204,304)を形成するラミネート部(50)と、前記ラミネート部によって形成された前記接合シートを、被着物(W)に貼付する貼付部(100)と、を備えるラベリングシステムである。
第2の発明は、第1の発明のラベリングシステムにおいて、前記シート基材供給部(10)は、染料系インクによって前記シート基材(2)に印刷するインクジェット方式印刷部(12)を備えること、を特徴とするラベリングシステムである。
第3の発明は、第2の発明のラベリングシステムにおいて、前記シート基材(2)は、前記被着物(W)に貼付される面に、加熱により粘着性を発現し加熱前の温度に低下後にも粘着性を維持する粘着材層(2b)を有し、前記ラミネートフィルム加熱部(41)が加熱したラミネートフィルム(3)を冷却する冷却部(42)を備え、前記ラミネート部(50)は、前記冷却部が冷却した前記ラミネートフィルムと、前記シート基材(2)とを接合して前記接合シート(4,204,304)を形成し、前記接合シートを加熱して、前記シート基材の前記粘着材層の粘着性を発現する接合シート加熱部(90)を備え、前記貼付部(100)は、加熱により粘着性が発現した前記シート基材の前記粘着材層(2b)によって、前記ラミネート部によって接合された前記接合シートを前記被着物(W)に貼付すること、を特徴とするラベリングシステムである。
第4の発明は、第1から第3までのいずれかの発明のラベリングシステムにおいて、前記ラミネート部(50)によって接合された前記接合シート(4,204,304)を貼付するサイズに切断する切断部(60,80,285)を備えること、を特徴とするラベリングシステムである。
第5の発明は、第4の発明のラベリングシステムにおいて、前記切断部は、前記接合シート(4,204,304)を前記接合シートの送り方向(X)に沿って切断する送り方向切断部(60,285)と、前記接合シートを前記接合シートの送り方向とは直交する方向である直交方向(Y)に沿って切断する直交方向切断部(80)とを備えること、を特徴とするラベリングシステムである。
第6の発明は、第5の発明のラベリングシステムにおいて、前記送り方向切断部は、前記接合シートを前記送り方向に沿って切断する第1切断部(60)と、前記第1切断部よりも前記送り方向下流側(X1)に設けられ、前記第1切断部とは異なる前記直交方向(Y)の位置で、接合シート(204,304)を前記送り方向に沿って切断して、その切断した範囲において、前記接合シートの前記直交方向の長さを、前記第1切断部が切断した長さよりも小さくする第2切断部(285)とを備えること、を特徴とするラベリングシステムである。
第7の発明は、第6の発明のラベリングシステムにおいて、前記貼付部は、前記第1切断部(60)によって作製されたラベルである大ラベル(205A,305A)と、前記第2切断部(285)によって、前記直交方向(Y)の長さが前記大ラベルよりも小さく作製された小ラベル(205B,305B)とを貼付可能であり、前記被着物(W)を前記直交方向に移動して、前記大ラベルを貼付する大ラベル貼付位置と、前記小ラベルを貼付し前記大ラベル貼付位置とは異なる位置である小ラベル貼付位置とに配置する被着物駆動部(305)を備えること、を特徴とするラベリングシステム。
【0007】
第8の発明は、ラミネートフィルム(3)を供給するラミネートフィルム供給部(30)と、シート基材(2)を供給するシート基材供給部(10)と、前記ラミネートフィルム供給部が供給した前記ラミネートフィルムと、前記シート基材供給部が供給した前記シート基材とを接合して接合シート(204,304)を形成するラミネート部(50)と、前記ラミネート部によって接合された前記接合シートを貼付するサイズに切断する切断部とを備え、前記切断部は、前記接合シートを前記接合シートの送り方向に沿って切断する送り方向切断部と、前記接合シートを前記接合シートの送り方向とは直交する方向である直交方向に沿って切断する直交方向切断部(80)とを備え、前記送り方向切断部は、前記接合シートを前記送り方向に沿って切断する第1切断部(60)と、前記第1切断部よりも前記送り方向下流側に設けられ、前記第1切断部とは異なる前記直交方向の位置で、接合シートを前記送り方向に沿って切断して、その切断した範囲において、前記接合シートの前記直交方向の長さを、前記第1切断部が切断した長さよりも小さくする第2切断部(285)とを備えること、を特徴とするラベリングシステムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、ラミネートフィルムを加熱して粘着材層の粘着性を発現させて、シート基材に接合して接合シートを形成する。このため、ラミネートフィルムは、供給される前では粘着性を有していないので、セパレータ等が不要でありコストを低減することができる。これによって、本発明は、ラベルを作製するためのコストを低減することができる。
【0009】
(2)本発明は、染料系インクによってシート基材に印刷するインクジェット方式印刷部を備えるので、必要なときに必要な数量だけ印刷して、ラベリングすることに適している。また、顔料系インクによるインクジェット方式の印刷やレーザ方式による印刷等よりも高品位な印刷をすることができ、かつ、これにラミネートすることによって、染料系インクの欠点である耐水性、耐汚損性を向上することができる。
【0010】
(3)本発明は、インクジェット方式で印刷するのでシート基材を加熱することがない。このため、加熱により粘着性を発現する粘着材層をシート基材にも設け、被着物に貼付する直前で加熱して、被着物に貼付することができる。また、加熱したラミネートフィルムを冷却する冷却部を備えるので、ラミネートフィルムの熱の影響によってシート基材の粘着材層の粘着性が発現することがない。これによって、シート基材は、加熱により粘着性を発現する粘着材層を利用することができ、セパレータ等が不要でありコストを低減することができる。
【0011】
(4)本発明は、接合シートを切断する切断部を備えるので、ロール状にしたラミネートフィルム及びシート基材を供給することができるため、コストを低減することができる。
(5)本発明は、接合シートを送り方向に沿って切断する送り方向切断部と、直交方向に沿って切断する直交方向切断部と、を備えるので、ラベルの直交方向及び送り方向の大きさを、それぞれ所望の大きさにすることができる。
【0012】
(6)本発明は、送り方向切断部が、第1切断部と、接合シートの直交方向の長さを、第1切断部が切断した長さよりも小さくする第2切断部とを備えるので、同じ製造工程において、直交方向の長さが異なるラベルを作製することができる。
(7)本発明は、被着物を直交方向に移動して、大ラベル貼付位置と小ラベル貼付位置とに配置するので、大ラベル、小ラベル毎に被着物を貼付位置に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1実施形態のラベリングシステム1の内部構造を上側から示す図である。
【図2】第1実施形態のラベリングシステム1の内部構造を正面(手前側Y1)から示す図である。
【図3】第1実施形態の本体20の一部の構造を正面から拡大して示す図である。
【図4】第1実施形態のラミネート部50近傍の構造を正面から模式的に示す図である。
【図5】第2実施形態のラベリングシステム201の下流側の内部構造を示す図である。
【図6】第2実施形態の大接合シート204A及び小接合シート204Bを表面から見た図、第2実施形態の大ラベル205A及び小ラベル205Bの貼付位置を説明する図である。
【図7】第3実施形態の大接合シート304A及び小接合シート304Bを表面から見た図、第3実施形態の大ラベル305A及び小ラベル305Bの貼付位置を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態のラベリングシステム1の内部構造を上側から示す図である。
図2は、第1実施形態のラベリングシステム1の内部構造を正面(手前側Y1)から示す図である。
図3は、第1実施形態の本体20の一部の構造を正面から拡大して示す図である。
図4は、第1実施形態のラミネート部50近傍の構造を正面から模式的に示す図である。
図1、図2に示すように、第1実施形態のラベリングシステム1は、制御部1Aと、印刷紙供給部10(シート基材供給部)と、本体20とを備えている。
制御部1Aは、ラベリングシステム1を統括制御する装置であり、例えば、CPU(中央演算装置)を備える制御部本体と、その駆動プログラムとを記憶する記憶部とから構成される。制御部1Aは、各検出部の出力に基づいて、各モータ、ヒータ等を制御して、このラベリングシステム1の各機能を可能にしている。
印刷紙供給部10は、印刷紙2に印刷して、印刷した印刷紙2を本体20に順次供給する装置である。印刷紙供給部10は、印刷紙保持部11と、インクジェット方式印刷部12とを備えている。
印刷紙保持部11は、ロール状にされた印刷紙2を回転可能に保持する部分である。
インクジェット方式印刷部12は、印刷紙保持部11から送られてきた印刷紙2に、染料系インクによって印刷可能なインクジェット方式の印刷機である。インクジェット方式印刷部12は、染料系インクによって印刷することによって、顔料系インクによるインクジェット方式の印刷やレーザ方式による印刷等よりも高品位な印刷をすることができる。印刷によって形成された層を、以下印刷層2c(図4参照)という。
ラベリングシステム1は、印刷層2cの表面にラミネートすることによって、染料系インクの欠点である耐水性や耐汚損性を向上することができる。また、ラベリングシステム1は、インクジェット方式印刷部12によって、必要なときに必要な数量だけ印刷紙2に印刷できるので、利便性がよい。
【0015】
図4に示すように、印刷紙2は、基材2aとして上質紙等が用いられる。
印刷紙2は、上側Z2の表面が印刷される面であり下側Z1の裏面が被着物である瓶W(図1、図2参照)に貼付される面である。この裏面側には、印刷紙粘着材層2bが設けられている。
印刷紙粘着材層2bは、常温(5〜35℃程度)の状態では粘着性を有しておらず、常温(5〜35℃程度)の状態から加熱することによって粘着性を発現し、その後、加熱前の常温の状態まで温度が低下しても粘着性を維持する粘着材によって構成されている。このような粘着材は、例えば、ダイセル化学工業株式会社製の商品名「エコブリック5640」等のアクリル系粘着材を用いることができる。
なお、インクジェット方式印刷部12は、インクジェット方式であるので、印刷紙粘着材層2bを加熱することがないため、印刷工程において、印刷紙粘着材層2bの粘着性が発現することはない。
【0016】
図1、図2に示すように、本体20は、弛み吸収部21と、フィルム供給部30と、フィルム加熱冷却部40と、ラミネート部50と、送り方向切断部60と、送り部70と、送りモータ75と、直交方向断部80と、接合シート加熱部90と、ラベル貼付部100とを備えている。
【0017】
図2に示すように、弛み吸収部21は、印刷紙供給部10と本体20との間で発生する印刷紙2の弛みを吸収する部分である。弛み吸収部21は、下側Z1に付勢されたローラを備え、印刷紙2を下側Z1に引っ張るようにして、印刷紙2の弛みを吸収している。
【0018】
図3に示すように、フィルム供給部30は、ラミネートフィルム3を供給するための部分である。フィルム供給部30は、ロール保持部31と、ローラ32とを備えている。
ロール保持部31は、ロール状にされたラミネートフィルム3を、回転可能に保持する部分である。
ローラ32は、ロール保持部31のラミネートフィルム3を、ラミネート部50のヒートローラ41(後述する)に案内するローラである。
【0019】
フィルム加熱冷却部40は、フィルム供給部30から供給されるラミネートフィルム3を、加熱後冷却する部分である。フィルム加熱冷却部40は、ヒートローラ41(ラミネートフィルム加熱部)と、フィルム冷却ファン42(冷却部)とを備えている。
ヒートローラ41は、フィルム供給部30から供給されるラミネートフィルム3を、加熱するローラである。ヒートローラ41は、奥行方向Yの軸回りに回転可能に支持されている。
【0020】
図4に示すように、ラミネートフィルム3は、フィルム基材3aとして、例えば透明なPP(ポリプロピレン)フィルムが用いられる。そして、フィルム基材3aのうち印刷紙2に接合される側の面に、フィルム粘着材層3bが設けられる。このフィルム粘着材層3bは、印刷紙粘着材層2bと同様に、加熱により粘着性を発現し温度が低下しても粘着性を維持する粘着材によって構成されている。
図3に示すように、ヒートローラ41は、ラミネートフィルム3を、例えば70℃以上に加熱することによって、フィルム粘着材層3bの粘着性を発現させる。ローラ32がラミネートフィルム3を案内することによって、ヒートローラ41は、ラミネートフィルム3がその外周面のほぼ半分程度まで巻き掛けられている。これによって、ヒートローラ41は、ラミネートフィルム3に広い面積で接して、ラミネートフィルム3を確実に加熱することができる。
【0021】
フィルム冷却ファン42は、ヒートローラ41が加熱したラミネートフィルム3を冷却するファンである。ラミネートフィルム3を冷却する理由は、ラミネートフィルム3が加熱された状態で印刷紙2に接合されると、ラミネートフィルム3の熱の影響によって、印刷紙粘着材層2bの粘着性までもが発現してしまうので、これを防止するためである。従って、フィルム冷却ファン42は、接合時に印刷紙粘着材層2bの粘着性が発現しない程度まで、ラミネートフィルム3を冷却できればよい。
【0022】
ラミネート部50は、ラミネートフィルム3と印刷紙2とを、加熱により粘着性を発現したフィルム粘着材層3bによって接合して接合シート4を作製する部分である。ラミネート部50は、ラミネート部上ローラ51と、ラミネート部下ローラ52とを備えている。
【0023】
ラミネート部上ローラ51は、圧縮コイルばね51aによって下側Z1に付勢されるニップローラである。ラミネート部上ローラ51は、印刷紙2及びラミネートフィルム3をラミネート部下ローラ52の間に挟み込んで加圧して、ラミネートフィルム3を印刷紙2の印刷層2cの表面に対してラミネートする。
ラミネート部下ローラ52は、接合シート4を作製するとともに、回転駆動されることによって、接合シート4を左側X1に送り出すローラである。
【0024】
送り方向切断部60は、接合シート4を送り方向(左右方向X)に沿って切断して、奥行方向Yの長さを所望の長さにする部分である。送り方向切断部60は、2つのナイフ61と、ローラ62,63とを備えている。
2つのナイフ61は、奥行方向Yの位置を調整できるようになっている(図2参照)。これによって、送り方向切断部60は、作製するラベルの種類に応じて、ラベルの左右方向Xの長さを調整することができる。
ローラ62,63は、接合シート4がナイフ61によって切断される場合に、接合シート4が上側Z2に弛まないように押さえるためのものである。
【0025】
ローラ62,63は、ナイフ61の右側X2及び左側X1に設けられている。
送り部70は、送り方向切断部60から送られてきた接合シート4を、さらに左側X1に送り出す部分である。
送り部70は、送り部上ローラ71と送り部下ローラ72との間に接合シート4を挟み込んで送り出す部分である。送り部上ローラ71は、圧縮コイルばね71aによって下側Z1に付勢されるニップローラである。
送り部下ローラ72は、送りモータ75によって回転駆動される。送り部下ローラ72の周速度は、ラミネート部下ローラ52の周速度よりも速い。これは、送り部70及びラミネート部50の間の接合シート4に対して引っ張るように力を加えて、接合シート4を切断時に確実に保持するためである。
【0026】
送りモータ75は、ラミネート部下ローラ52及び送り部下ローラ72を回転駆動するDCモータ等である。送りモータ75は、ローラチェーン75aを介して、ラミネート部下ローラ52及び送り部下ローラ72を回転駆動する。
なお、ラミネートフィルム3は、ロール状では粘着性が発現しておらず、かつ、印刷紙粘着材層2bは、接合シート加熱部90によって加熱される前には、粘着性が発現していない。このため、送りモータ75は、小さい駆動力でこれらを送り出すことができ、安定した送り駆動をすることができる。
【0027】
直交方向断部80は、接合シート4を送り方向(左右方向X)とは直交する方向である直交方向(奥行方向Y)に沿って切断して、左右方向Xの長さを所望の長さにする部分である。直交方向断部80は、奥行方向Yに延在するように配置された上刃及び下刃(図示せず)と、これらを駆動するモータ82と備えている。そして、モータ82が、上刃及び下刃を回転駆動することよって、接合シート4を奥行方向Yに沿って切断する。
直交方向断部80は、上刃及び下刃を駆動するタイミングが変更できるようになっており、作製するラベルの種類に応じて、ラベルの左右方向Xの長さを調整することができる。
【0028】
ラベリングシステム1は、送り方向切断部60及び直交方向断部80の切断位置を調整することによって、奥行方向Y及び左右方向Xの大きさが異なる色々なサイズのラベルを作製できる。これよって、ロール状の印刷紙2及びラミネートフィルム3のサイズの制約を少なくでき、利便性を向上することができる。また、ラベリングシステム1は、印刷紙2及びラミネートフィルム3をロール状にしたものを利用できる。ロール状にしたものは、枚葉状にしたものよりも材料費が低いので、ラベリングシステム1は、低コストでラベルを作製することができる。
【0029】
図1、図2に示すように、接合シート加熱部90は、送り部70から送られてきた切断された状態の接合シート4を加熱して、印刷紙粘着材層2bの粘着性を発現する部分である。接合シート加熱部90は、3つのヒータ91と、ファン92と、排気部93と、6つのゴムベルト94と、ゴムベルト回転ローラ95とを備えている。
【0030】
ヒータ91は、電力を加えられることによって発熱する軸体であり、接合シート4を送り出す高さである基準位置Aよりも下側Z1に配置されている。
ファン92は、ヒータ91の下側Z1に配置されている。ファン92は、上側Z2に向けて送風して、ヒータ91に温められた空気を接合シート4の下側Z1に当てる。これによって、温風が印刷紙粘着材層2bに当たり、印刷紙粘着材層2bの粘着性が発現する。
排気部93は、ファン92によって送られた空気がこもらないようにする装置である。排気部93は、基準位置Aよりも上側Z2に配置されている。排気部93は、空気を上側Z2に送る排気ファン93aを備え、接合シート4の上側Z2の空気を上側Z2に逃がすようになっている。これによって、ヒータ91によって新たに温められた空気が、ファン92によって接合シート4の下側Z1に到達しやすくなる。
【0031】
ゴムベルト94は、回転駆動されることによって、接合シート4を左側X1に送り出すベルトである。ゴムベルト94は、右回りに回転駆動されており、その下側Z1の部分が接合シート4の上側Z2の表面に接することによって、接合シート4を送り出す。ゴムベルト94は、接合シート加熱部90の左右方向Xのほぼ全域に渡って設けられており、接合シート4が風圧によって上側Z2に弛まないように押さえることができる。これによって、ゴムベルト94は、接合シート4のしわ等を防止することができる。
ゴムベルト回転ローラ95は、ゴムベルト94を回転駆動するローラである。ゴムベルト回転ローラ95は、ゴムベルト94が巻き掛けられており、DCモータ(図示せず)の駆動力が伝達されて回転駆動される。
【0032】
このように、ラベリングシステム1は、接合シート加熱部90によって接合シート4を加熱して印刷紙粘着材層2bの粘着性を発現し、接合シート4を瓶Wに対して貼付可能な形態(以下「ラベル5」という)にする。
なお、接合シート4を左側X1に送り出す駆動方法は、熱を排気等できるものであればよく、ゴムベルト94を用いたものに限定されない。例えば、多孔スチールベルトと、これに噛み合うローラ等を利用してもよい。
【0033】
ラベル貼付部100は、接合シート加熱部90から送られてきたラベル5を、瓶Wに貼付する装置である。ラベル貼付部100は、鉛直位置調整部101と、瓶回転部102と、ラベル押し当てローラ104とを備えている。
鉛直位置調整部101は、瓶Wの大きさ(外径)に応じて、瓶回転部102の鉛直方向Zの位置を調整する部分である。作業者は、鉛直位置調整部101を操作することによって、瓶Wの最も高い位置つまりラベル5が貼付される位置が、基準位置Aになるように調整することができる。
【0034】
瓶回転部102は、瓶Wを回転軸が奥行方向Yになるように、回転駆動する装置である。瓶回転部102は、2つの瓶回転ローラ102aと、瓶回転ローラ駆動部102bとを備えている。
瓶回転ローラ102aは、回転軸が奥行方向Yになるように配置される。2つの瓶回転ローラ102aの間には、瓶Wが載置されるようになっている。左側X1に配置された瓶回転ローラ102aが右回りに回転駆動され、一方、右側X2に配置された瓶回転ローラ102aが左回りに回転駆動されることにより、瓶Wが左回りに回転する。
瓶回転ローラ駆動部102bは、DCモータ102cと、DCモータ102cの駆動力を瓶回転ローラ102aに伝達するローラチェーンとを備えている。
ラベル押し当てローラ104は、上側Z2からラベル5を瓶Wに押し当てて、ラベル5を瓶Wに貼付するローラである。
【0035】
次に、ラベリングシステム1の動作について説明する。
最初に、図1、図2に示すように、印刷紙供給部10は、染料系インクによって印刷紙2にインクジェット印刷をして、印刷紙2を本体20に供給する。
本体20は、弛み吸収部21によって、印刷紙供給部10と本体20との間の印刷紙2の弛みを吸収しながら、印刷紙2を左側X1に送っていく。
図3に示すように、一方、ラミネート部50は、ヒートローラ41によって、フィルム供給部30から供給されるラミネートフィルム3を加熱して、フィルム粘着材層3bの粘着性を発現した後、フィルム冷却ファン42によって、ラミネートフィルム3を冷却する。
【0036】
図4に示すように、ラミネート部上ローラ51及びラミネート部下ローラ52は、印刷紙2とラミネートフィルム3とを接合して接合シート4を作製する。
図3に示すように、送り方向切断部60及び直交方向断部80は、接合シート4をラベル5のサイズに切断する。なお、直交方向断部80が接合シート4を切断したとき、接合シート4のうち余分な部分は、切断されて下側Z1に落下する。
【0037】
図1、図2に示すように、接合シート加熱部90は、送り部70から送られてきた切断された接合シート4を加熱して、印刷紙粘着材層2bの粘着性を発現する。
ラベル貼付部100は、瓶Wを回転させながら、接合シート加熱部90から送られてきたラベル5を、印刷紙粘着材層2bの粘着力によって瓶Wに貼付する。
作業者は、ラベル5が瓶Wに貼付されると、新たな瓶Wをラベル貼付部100に配置するという作業を繰り返す。なお、この作業は、ロボット等によって行ってもよい。
【0038】
ラベリングシステム1は、上記動作を繰り返して、ロール状の印刷紙2及びラミネートフィルム3からラベル5を順次作製して、瓶Wに順次貼付することができる。
【0039】
なお、ラベリングシステム1は、印刷紙供給部10にインクジェット方式印刷部12を備えずに、予めオフセット印刷等によって印刷した基材を供給してラミネートをしてもよい。
しかし、この場合には、ある程度の数量(例えば1000枚等以上)加工しなければ、コストが高くなってしまう。また、オフセット印刷等は、特殊な印刷装置が必要であるのでコストが高く、さらに、外注に依頼する場合等には、印刷内容の変更等に手間がかかり利便性が悪い。これに対して、インクジェット方式印刷部12は、市場から安価に購入でき、染料系インクによって印刷することによって、十分な品位を得ることができるし、印刷内容の変更等をパーソナルコンピュータ等から容易に行うことができるので、利便性が非常によい。
【0040】
また、ラベリングシステム1は、印刷紙2として、印刷紙粘着材層2bの代わりに、既に粘着性を有する粘着材をセパレータで保護するタイプのものを利用することもできる。
しかし、セパレータ付の印刷紙は、通常、シリコン等が塗布されておりコストが高い。これに対して、ラベリングシステム1は、印刷紙2のセパレータが不要であるので、材料費を低減でき、低コストでラベル5を作製することができる。ラミネートフィルム3のフィルム粘着材層3bについても同様である。
なお、ラベリングシステム1は、印刷紙2及びラミネートフィルム3の両方に、加熱によって粘着性を発現する粘着材を利用するために、フィルム冷却ファン42等を設けて、接合時に印刷紙粘着材層2bの粘着性が発現しないように工夫されている。
【0041】
以上説明したように、ラベリングシステム1は、高品位で耐汚損性の高いラベル5を、必要なときに必要な数量だけ低コストで作製して、瓶W等の被着物に貼付することができる。
【0042】
(第2実施形態)
次に、本発明を適用したラベリングシステムの第2実施形態について説明する。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
図5は、第2実施形態のラベリングシステム201の下流側の内部構造を示す図である。
図5(a)は、ラベリングシステム201を上側から示す図である。
図5(b)は、ラベリングシステム201を正面から示す図である。
図6(a)は、第2実施形態の大接合シート204A及び小接合シート204Bを表面から見た図である。
図6(b)は、第2実施形態の大ラベル205A及び小ラベル205Bの貼付位置を説明する図である。
【0043】
図5に示すように、ラベリングシステム201は、送り方向第2切断部285(第2切断部)と、ラベル貼付部300とを備えている。
送り方向第2切断部285は、送り方向切断部60(第1切断部)よりも左側X1(送り方向下流側)であって、直交方向断部80よりも右側X2(送り方向上流側)に配置されている。送り方向第2切断部285は、ナイフ286と、駆動軸287と、スプロケット288とを備えている。
【0044】
ナイフ286は、手前側Y1及び奥側Y2にそれぞれ設けられている。ナイフ286は、接合シート204に対して切り込みを入れる切込み位置(図5(b)中に実線で示す)と、切り込みを入れない退避位置(図5(b)中に2点鎖線で示す)との間で回転駆動される。ナイフ286は、奥行方向Yにおける配置が調整可能である。これによって、ナイフ286は、送り方向切断部60が切断した接合シート204を、接合シート204の送り駆動によって、送り方向切断部60とは異なる奥行方向Yの位置で、さらに送り方向(左右方向X)に沿って切断して、奥行方向Yの長さを所望の長さにする。
【0045】
駆動軸287は、ナイフ286を奥行方向Yの軸回りに回転可能に保持する軸体である。
スプロケット288は、駆動軸287の一端に設けられている。スプロケット288は、ローラチェーン(図示せず)に接続されており、ナイフ286及び駆動軸287を回転駆動する。
上記構成によって、送り方向第2切断部285は、後述する切断範囲204bの範囲において、ナイフ286を切込み位置に駆動して、送り方向切断部60が切断した接合シート204の奥行方向Yの長さを、さらに異なる長さにすることができる。
なお、ナイフ286の駆動方法は、ナイフ286の刃を接合シート204に入れて切断できる位置と、その位置から退避できる方法であればいずれの方法でもよく、スプロケット288及びローラチェーンを用いた方法には限定されない。例えば、ソレノイド等を用いて、ナイフ286を上下方向に駆動してもよい。
【0046】
図6(a)に示すように、送り方向第2切断部285は、ナイフ286を回転駆動した切断した範囲204bにおいて、接合シート204の奥行方向Yの長さを、送り方向切断部60のみによって切断された範囲204aよりも、小さくすることができる。これによって、送り方向第2切断部285は、送り方向第2切断部285のみが切断した大接合シート204Aと、送り方向第2切断部285がさらに切断した小接合シート204Bとを作製する。
【0047】
図5に示すように、ラベル貼付部300は、瓶駆動部305(被着物駆動部)を備えている。
瓶駆動部305は、瓶保持部306と、ピニオン307と、モータ308とを備えている。
瓶保持部306は、瓶Wをその長手方向が奥行方向Yになるように押さえ保持する部材である。瓶保持部306は、スライダ306aによって、奥行方向Yに移動可能に基部300aに支持されている。瓶保持部306は、左側X1の側面にラック306b(平歯車)が設けられている。
ピニオン307(小歯車)は、ラック306bと噛み合って、モータ308の駆動力伝達装置として、ラックアンドピニオン型の回転直線運動変換機構を構成する。
モータ308は、瓶保持部306を駆動する駆動力を付与するDCモータである。モータ308の回転軸には、ピニオン307が設けられ、ピニオン307を鉛直方向Zの軸回りに回転駆動する。
瓶駆動部305は、上記構成によって、モータ308の駆動力を瓶保持部306に伝達して、瓶保持部306を奥行方向Yに駆動する。
なお、瓶駆動部305は、光学センサ、リミットスイッチ等の検出部(図示せず)を備えており、その出力に基づいて、奥行方向Yにおける瓶Wの配置を検出することができる。
【0048】
次に、ラベリングシステム201の動作について説明する。
図5に示すように、送り方向切断部60は、ラミネート部50が作製した接合シート204を、奥行方向Yに沿って切断する。
送り方向第2切断部285は、送り方向切断部60によって切断された接合シート204に対して、さらに左右方向Xに沿って切断する。
直交方向断部80は、送り方向第2切断部285から送られてきた接合シート204に対して、奥行方向Yに沿って切断する。
【0049】
図6(a)に示すように、上記工程が終了した時点で、左右方向Xにおいて、接合シート204は、切断範囲204aでは、送り方向切断部60のみによって、切断線204e,204fに沿って切断される。一方、切断範囲204bでは、さらに送り方向第2切断部285によって、切断線204e,204fに加えて、切断線204g,204hに沿って切断される。
一方、奥行方向Yにおいて、接合シート204は、直交方向断部80bによって、切断線204g,204hの端部を通る切断線204c,204dに沿って切断される。
これによって、ラベリングシステム201は、奥行方向Yの長さが異なる大接合シート204A、小接合シート204B(図6(b)参照)を同時に作製することができる。
【0050】
なお、図6(a)に示すように、作製する大接合シート204A、小接合シート204Bの切断範囲204a,204bに応じて、左右方向Xの長さを変える場合には、直交方向断部80の切断位置を変えればよい。この場合、直交方向断部80の上刃及び下刃の駆動タイミングを、大接合シート204A、小接合シート204Bに応じて、予め設定しておけばよい。
又は、例えば、送り量を光学センサ、ローラの回転数を検出するセンサ等を設け、その検出に基づいて、制御部1Aが、切断範囲204a,204bに応じて、直交方向断部80の駆動タイミングを変化させればよい。
切断された余分な部分204G,204H等は、下側Z1に落下する。
【0051】
図5に示すように、接合シート加熱部90は、大接合シート204Aを加熱して粘着性を発現させて大ラベル205A(図6(b)参照)を作製し、一方、小接合シート204Bを加熱して粘着性を発現させて小ラベル205Bを作製する(図6(b)参照)。
これによって、ラベリングシステム201は、印刷紙2及びラミネートフィルム3から、奥行方向Yの長さが異なる大ラベル205A、小ラベル205Bを同時に作製することができる。
【0052】
ラベル貼付部300は、接合シート加熱部90から大ラベル205Aが送られてくると、瓶Wを回転駆動する。
図6(b−1)に示すように、ラベル貼付部300は、大ラベル205A及び小ラベル205Bの送り速度と瓶Wの周速度が同じになるように、瓶Wを回転駆動する。
最初に、ラベル貼付部300は、瓶駆動部305を制御して、載置された瓶Wを、大ラベル205Aを貼付する位置に対応した位置である大ラベル貼付位置に配置する。瓶Wの配置が終了すると、ラベル貼付部300は、送られてきた大ラベル205Aを、回転駆動している瓶Wに貼付する。
【0053】
ラベリングシステム201は、大ラベル205Aの貼付が終了すると、送りモータ75,接合シート加熱部90等の送り駆動を停止する。一方、ラベル貼付部300は、瓶Wの回転駆動を継続し(この場合、瓶Wを反転駆動してもよい)、瓶駆動部305を制御して、載置された瓶Wを、小ラベル205Bを貼付する位置に対応した位置である小ラベル貼付位置に配置する。
なお、大ラベル205Aの貼付が終了したことを判定するためには、瓶Wに貼付したラベル周方向の端部205A−1の位置を判定する光学センサ等を設け、その出力に基づいて、制御部201Aが判定すればよい。
【0054】
そして、図6(b−2)に示すように、瓶Wが小ラベル貼付位置に配置されると、ラベリングシステム201は、小ラベル205Bの送り駆動を再開する。これによって、ラベル貼付部300は、送られてきた小ラベル205Bを、回転駆動している瓶Wに貼付する。
ラベリングシステム201は、小ラベル205Bの貼付が終了すると、再び送り駆動を停止して、次に貼付される瓶Wが載置されまで待機する。
ラベリングシステム201は、上記動作を繰り返すことによって、大ラベル205A及び小ラベル205Bを、順次、瓶Wに貼付することができる。
【0055】
以上説明したように、ラベリングシステム201は、大ラベル205A及び小ラベル205Bを作製しながら瓶Wに貼付することができる。
【0056】
(第3実施形態)
次に、本発明を適用したラベリングシステムの第3実施形態について説明する。
図7(a)は、第3実施形態の大ラベル305A及び小ラベル305Bの貼付位置を説明する図である。
図7(b)は、第3実施形態の大接合シート304A及び小接合シート304Bの貼付位置を説明する図である。
なお、第3実施形態のラベリングシステムは、第2実施形態のラベリングシステム201と同様な構成であり、動作のみが異なる。
図7に示すように、本実施形態のラベルリングシステムは、直交方向断部80(図5参照)が、接合シート304を、切断線304i,304j,304k,304mに沿って切断するようになっている。作製された帯状の部分304I,304Kは、切断時に下側Z1(図5参照)に落下する。
【0057】
このため、送り方向切断部60の切断線304g,304hが、切断線304iよりも部分304I側にはみだしても、又は、切断線304kよりも部分304K側にはみだしても、下流側(右側X2)の大接合シート304Aを切断することがない。これによって、本実施形態のラベルリングシステムは、直交方向断部80及び送り方向第2切断部285の切断動作の精度を緩和することができる。
【0058】
また、本実施形態では、左右方向Xにおいて、大接合シート304A及び小接合シート304Bを組み合わせた長さL1と、瓶Wの円周の長さとが等しくなっている。さらに、奥行方向Yにおいて、大接合シート304A及び小接合シート304Bは、大ラベル305A及び小ラベル305Bの瓶Wの貼付位置に応じて、配置されている(図7(b)参照)。
このため、本実施形態のラベリングシステムは、大ラベル305A及び小ラベル305Bを瓶Wに貼付する場合に、送り駆動を停止することなく、かつ、瓶Wを奥行方向Yに駆動する必要がない。
【0059】
以上説明したように、第3実施形態のラベリングシステムは、直交方向断部80及び送り方向第2切断部285の切断動作の精度を緩和しても、品質を維持することができるので、工程管理等を容易にすることができる。
また、本実施形態のラベリングシステムは、ラベル貼付時の制御を簡単にすることができる。
【0060】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0061】
(変形形態)
(1)実施形態において、被着物は、瓶である例を示したが、これに限定されない。被着物は、ラベルが貼付可能な物であればよく、例えば、食品等が包装された物や、紙等でもよい。
【0062】
(2)第2実施形態において、ラベルの奥行方向の異なる2つのラベルを作成するために、2つの送り方向切断部及び送り方向第2切断部を設けた例を説明したが、これに限定されない。例えば、ナイフの奥行方向の配置を変更する駆動装置を設け、大ラベル、小ラベル毎に、ナイフを異なる位置に駆動することにより、1つの切断部をで、送り方向切断部及び送り方向第2切断部を兼用してもよい。
【符号の説明】
【0063】
1,201 ラベリングシステム
2 印刷紙
2b 印刷紙粘着材層
2c 印刷層
3 ラミネートフィルム
3b フィルム粘着材層
4 接合シート
5 ラベル
10 印刷紙供給部
12 インクジェット方式印刷部
20 本体
30 フィルム供給部
41 ヒートローラ
42 フィルム冷却ファン
50 ラミネート部
60 送り方向切断部
80 直交方向切断部
90 接合シート加熱部
100,300 ラベル貼付部
204A,304A 大接合シート
204B,304A 小接合シート
205A,305A 大ラベル
205B,305B 小ラベル
285 送り方向第2切断部
286 ナイフ
305 瓶駆動部
306 瓶保持部
306a ラック
307 ピニオン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱により粘着性を発現し加熱前の温度に低下後にも粘着性を維持する粘着材層が、片面に設けられたラミネートフィルムを供給するラミネートフィルム供給部と、
シート基材を供給するシート基材供給部と、
前記ラミネートフィルム供給部が供給した前記ラミネートフィルムを加熱するラミネートフィルム加熱部と、
前記ラミネートフィルム加熱部が加熱した前記ラミネートフィルムと、前記シート基材供給部が供給したシート基材とを、加熱により粘着性を発現した前記ラミネートフィルムの粘着材層によって接合して接合シートを形成するラミネート部と、
前記ラミネート部によって形成された前記接合シートを、被着物に貼付する貼付部と、
を備えるラベリングシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のラベリングシステムにおいて、
前記シート基材供給部は、染料系インクによって前記シート基材に印刷するインクジェット方式印刷部を備えること、
を特徴とするラベリングシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のラベリングシステムにおいて、
前記シート基材は、前記被着物に貼付される面に、加熱により粘着性を発現し加熱前の温度に低下後にも粘着性を維持する粘着材層を有し、
前記ラミネートフィルム加熱部が加熱したラミネートフィルムを冷却する冷却部を備え、
前記ラミネート部は、前記冷却部が冷却した前記ラミネートフィルムと、前記シート基材とを接合して前記接合シートを形成し、
前記接合シートを加熱して、前記シート基材の前記粘着材層の粘着性を発現する接合シート加熱部を備え、
前記貼付部は、加熱により粘着性が発現した前記シート基材の前記粘着材層によって、前記ラミネート部によって接合された前記接合シートを前記被着物に貼付すること、
を特徴とするラベリングシステム。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のラベリングシステムにおいて、
前記ラミネート部によって接合された前記接合シートを貼付するサイズに切断する切断部を備えること、
を特徴とするラベリングシステム。
【請求項5】
請求項4に記載のラベリングシステムにおいて、
前記切断部は、
前記接合シートを前記接合シートの送り方向に沿って切断する送り方向切断部と、
前記接合シートを前記接合シートの送り方向とは直交する方向である直交方向に沿って切断する直交方向切断部とを備えること、
を特徴とするラベリングシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のラベリングシステムにおいて、
前記送り方向切断部は、
前記接合シートを前記送り方向に沿って切断する第1切断部と、
前記第1切断部よりも前記送り方向下流側に設けられ、前記第1切断部とは異なる前記直交方向の位置で、接合シートを前記送り方向に沿って切断して、その切断した範囲において、前記接合シートの前記直交方向の長さを、前記第1切断部が切断した長さよりも小さくする第2切断部とを備えること、
を特徴とするラベリングシステム。
【請求項7】
請求項6に記載のラベリングシステムにおいて、
前記貼付部は、
前記第1切断部によって作製されたラベルである大ラベルと、前記第2切断部によって、前記直交方向の長さが前記大ラベルよりも小さく作製された小ラベルとを貼付可能であり、
前記被着物を前記直交方向に移動して、前記大ラベルを貼付する大ラベル貼付位置と、前記小ラベルを貼付し前記大ラベル貼付位置とは異なる位置である小ラベル貼付位置とに配置する被着物駆動部を備えること、
を特徴とするラベリングシステム。
【請求項8】
ラミネートフィルムを供給するラミネートフィルム供給部と、
シート基材を供給するシート基材供給部と、
前記ラミネートフィルム供給部が供給した前記ラミネートフィルムと、前記シート基材供給部が供給した前記シート基材とを接合して接合シートを形成するラミネート部と、
前記ラミネート部によって接合された前記接合シートを貼付するサイズに切断する切断部とを備え、
前記切断部は、
前記接合シートを前記接合シートの送り方向に沿って切断する送り方向切断部と、
前記接合シートを前記接合シートの送り方向とは直交する方向である直交方向に沿って切断する直交方向切断部とを備え、
前記送り方向切断部は、
前記接合シートを前記送り方向に沿って切断する第1切断部と、
前記第1切断部よりも前記送り方向下流側に設けられ、前記第1切断部とは異なる前記直交方向の位置で、接合シートを前記送り方向に沿って切断して、その切断した範囲において、前記接合シートの前記直交方向の長さを、前記第1切断部が切断した長さよりも小さくする第2切断部とを備えること、
を特徴とするラベリングシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−274618(P2010−274618A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−131923(P2009−131923)
【出願日】平成21年6月1日(2009.6.1)
【出願人】(503061153)有限会社レオテクノ (6)
【Fターム(参考)】