説明

リヤホイールハウス部構造

【課題】比較的簡易な構成で、シートの車両後方へ向けて車幅方向内側への移動をスムーズにすることができるリヤホイールハウス部構造を得る。
【解決手段】リヤホイールハウスインナ32の車室14内側にはホイールハウストリム34が設けられており、ホイールハウストリム34の傾斜壁部34Aは、リヤホイールハウスインナ32の前部32Aを覆って車両後方へ向けて車幅方向内側に傾斜している。また、ホイールハウストリム34の前部側では車室内側に貼り付けられたカーペット36がこの傾斜壁部34Aを含む部位に沿って設けられており、カーペット36は、車両後方側へ移動するシート16との接触時に、シート16の変位に対する摩擦抵抗を低減させてシート16の車両後方へ向けて車幅方向内側への移動を促進する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リヤホイールハウスインナが車室内側に向けて膨出したリヤホイールハウス部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両室内においては、シートがフロアに対して前後左右方向や上下軸回りの回転方向に移動可能に配設されている場合がある(例えば、特許文献1参照)。このようなシートは、種々の方向や場所に移動することができるようになっている。
【特許文献1】特開平10−181393号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このようなシートでは、例えば、リヤホイールハウスインナを回避するようにスライドさせる複雑な機構がないと、シートをスムーズに車両後方へ向けて車幅方向内側へ移動させることができない。
【0004】
本発明は、上記事実を考慮して、比較的簡易な構成で、シートの車両後方へ向けて車幅方向内側への移動をスムーズにすることができるリヤホイールハウス部構造を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載する本発明のリヤホイールハウス部構造は、車両後部における車幅方向両側に配置され、車室内側に向けて膨出したリヤホイールハウスインナと、前記リヤホイールハウスインナの車室内側に設けられ、前記リヤホイールハウスインナの前部を覆って車両後方へ向けて車幅方向内側に傾斜した傾斜壁部を備えた内装部材と、前記内装部材の前部側で前記傾斜壁部を含む部位に沿って設けられ、車両後方側へ移動する乗員着座用のシートとの接触時に前記シートの変位に対する抵抗を低減させて前記シートの車両後方へ向けて車幅方向内側への移動を促進する移動促進手段と、を有する。
【0006】
請求項1に記載する本発明のリヤホイールハウス部構造によれば、リヤホイールハウスインナの車室内側には内装部材が設けられており、内装部材の傾斜壁部は、リヤホイールハウスインナの前部を覆って車両後方へ向けて車幅方向内側に傾斜している。また、内装部材の前部側では移動促進手段がこの傾斜壁部を含む部位に沿って設けられているので、車両後方側へ移動する乗員着座用のシートと移動促進手段との接触時に、シートは、傾斜壁部の傾斜方向に沿って誘導される。このとき、移動促進手段は、シートの変位に対する抵抗を低減させてシートの車両後方へ向けて車幅方向内側への移動を促進する。このため、シートは、車両後方側へ移動して移動促進手段に接触すると、この移動促進手段によって車両後方へ向けて車幅方向内側へスムーズに移動する。
【0007】
請求項2に記載する本発明のリヤホイールハウス部構造は、請求項1記載の構成において、前記移動促進手段は、前記内装部材の車室内側に配設され、車両後方側へ移動する前記シートとの接触時に前記シートの変位に対する摩擦抵抗を低減させる布状体によって構成されている。
【0008】
請求項2に記載する本発明のリヤホイールハウス部構造によれば、布状体は、内装部材の車室内側に配設され、車両後方側へ移動するシートとの接触時にシートの変位に対する摩擦抵抗を(布状体がない場合よりも)低減させる。このため、シートは、車両後方側へ移動して布状体に接触すると、この布状体によって車両後方へ向けて車幅方向内側へ低摩擦で移動する。
【0009】
請求項3に記載する本発明のリヤホイールハウス部構造は、請求項1記載の構成において、前記移動促進手段は、前記内装部材に取り付けられ、車両後方側へ移動する前記シートとの接触時に前記シートからの荷重によって回転可能な回転体によって構成されている。
【0010】
請求項3に記載する本発明のリヤホイールハウス部構造によれば、内装部材に取り付けられた回転体は、車両後方側へ移動するシートとの接触時にシートからの荷重によって回転する。このため、シートは、車両後方側へ移動して回転体に接触すると、この回転体の回転によって車両後方に向けて車幅方向内側へスムーズに移動する。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、本発明に係る請求項1に記載のリヤホイールハウス部構造によれば、比較的簡易な構成で、シートの車両後方へ向けて車幅方向内側への移動をスムーズにすることができるという優れた効果を有する。
【0012】
請求項2に記載のリヤホイールハウス部構造によれば、布状体によってシートを車両後方へ向けて車幅方向内側へ低摩擦で移動させることができるという優れた効果を有する。
【0013】
請求項3に記載のリヤホイールハウス部構造によれば、回転体の回転によってシートを車両後方へ向けて車幅方向内側へスムーズに移動させることができるという優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
[第1実施形態]
本発明の第1の実施形態に係るリヤホイールハウス部構造について図1〜図4を用いて説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印INは車両幅方向内側を示している。
【0015】
図1には、本実施形態に係るリヤホイールハウス部構造10が適用された車両12の左側半分の模式的な平面図が示されている。図1に示されるように、例えば、ミニバン等の自動車の車両12における車室14内には、スライド移動可能な乗員着座用のシート16が配設されている。なお、図1では、図を簡略化するために、車室14内において車両前後方向に複数列並べられたシートのうち、二列目シートの車両左側に配置されたシート16のみを図示している。
【0016】
図2には、車両後部12A側における車両左側が車室14内側から見た状態の斜視図にて示され、図3には、シート16が車両後方斜め外側から見た状態の斜視図にて示されている。図2及び図3に示されるように、シート16は、シート本体18を備えている。シート本体18の下部は、乗員が着座するシートクッション18Aとされている。このシートクッション18Aの後端部には、シートバック18Bが傾倒可能に支持されている。シートバック18Bは、乗員の背もたれとして利用されるようになっている。シートバック18Bの上端部には、ヘッドレスト18Cが上下動可能に支持されている。ヘッドレスト18Cは、乗員の頭部を支持するようになっている。また、シートクッションの側部には、サイドカバー18Dが配設されている。サイドカバー18Dの後端上部は、シートクッション18Aとシートバック18Bとの連結部を覆っている。
【0017】
また、図4に示されるように、シート16は、回動機構20A、横スライド機構20B、及び前後スライド機構20Cを備えている。シート本体18は、回動機構20Aによってフロア22に対して水平方向に回動可能に支持されると共に、横スライド機構20B及び前後スライド機構20Cによってフロア22に対して車幅方向及び車両前後方向にスライド可能に支持されている。
【0018】
また、シート16は、ロック機構20Dを備えている。ロック機構20Dは、回動機構20A、横スライド機構20B、及び前後スライド機構20Cの各々を、調整不能なロック状態と、調整可能なロック解除状態とに切り替えられるように構成されている。本実施形態では、シート16は、ロック機構20Dによって、回動機構20A、横スライド機構20B、及び前後スライド機構20Cを同時にロック解除状態にすることも可能である。これにより、シート16は、種々の方向や場所に移動することができるようになっている。なお、シート16には、ロック機構20Dをロック状態とロック解除状態とに切り替えるためのレバーとしてシート操作レバー(図示省略)が設けられている。
【0019】
図2に示されるように、シート16の車幅方向外側には、リヤドア24が配設されている。リヤドア24の開口縁には、リヤドアオープニングトリム26が取り付けられている。
【0020】
図1に示されるように、標準位置にある(実線で示す)シート16の略車両後方側には、リヤホイールハウスインナ32が設けられている。リヤホイールハウスインナ32は、金属製のパネルで構成されて車両後部12Aにおける車幅方向両側に配置され、車室14内側に向けて膨出して略半円筒状とされている。図3に示されるリヤホイールハウスインナ32は、リヤホイールハウスアウタ(図示省略)と共にリヤホイールハウス30を構成しており、車両前後方向に延在する車体骨格部材(図示省略)に下端縁部が接合されると共にクォータパネル38(図4参照)に外周部側が接合されている。これによって、リヤホイールハウスインナ32は、車両下方側にリヤタイヤ配設空間を形成してリヤタイヤ28(図4参照)の車両上方側を覆っている。
【0021】
図4に示されるように、リヤホイールハウスインナ32の車室14内側には、リヤホイールハウスインナ32を車室14内側から覆う樹脂製の内装部材としてのホイールハウストリム34(車室内装部材)が設けられている。ホイールハウストリム34は、車両後方へ向けて車幅方向内側に直線状に(換言すれば、シート16の前後スライド機構20Cによるスライド方向(車両前後方向)に対して斜めに)傾斜した傾斜壁部34Aを備えている。傾斜壁部34Aは、車両後方側へ移動するシート16との接触が想定される高さ位置及びその周辺部において、リヤホイールハウスインナ32の前部32Aを覆っている。また、車両前後方向線Lに対する傾斜壁部34Aの傾斜角度θ1は、車両前後方向線Lに対するリヤホイールハウスインナ32の前部32A(前壁部)の傾斜角度θ2よりも小さく(θ1<θ2となるように)設定されている。
【0022】
また、ホイールハウストリム34には、傾斜壁部34Aの後端部から概ね車両後方側へ向けて屈曲された屈曲部34Bが設けられている。屈曲部34BはR状に形成されている。屈曲部34Bの車両後方側は、傾斜壁部34Aに一体に連設された前後方向壁部34Cが略車両前後方向に延在している。また、ホイールハウストリム34の外周部は、固定手段(図示省略)によってクォータパネル38側やリヤホイールハウスアウタ(図示省略)の上部側等に固定されている。
【0023】
ホイールハウストリム34の前部側でホイールハウストリム34の車室内側には、移動促進手段としてのかつ布状体としてのカーペット36が接着剤等の貼付手段により貼り付けられて配設されている。図2及び図4に示されるように、カーペット36は、ある程度の厚みを有する毛織物で弾力性とクッション性を備えて略長方形状に形成され、ホイールハウストリム34の傾斜壁部34A及び前後方向壁部34Cの前側部位に沿って設けられている。
【0024】
ここで、カーペット36は、ガイド機構としての機能を有し、図1に示される車両後方側へ移動するシート16との接触時にシート16の変位に対して発生する摩擦抵抗(摺動抵抗)が、ホイールハウストリム34にシート16が直接接触する場合(すなわち、カーペット36がない場合)の摩擦抵抗(摺動抵抗)に比べて小さい素材で形成されている。そのため、カーペット36は、車両後方側へ移動するシート16との接触時にシート16の変位に対する抵抗(摩擦抵抗)を低減させてシート16の車両後方へ向けて車幅方向内側への移動を促進するようになっている。
【0025】
なお、本実施形態では、シート16がホイールハウストリム34上のカーペット36(カーペット設定エリア)に接触する部位(当る部位)は、図3に示される車幅方向外側のサイドカバー18Dの後部側の一部(斜線で示す当接エリア118)とされている。
【0026】
(作用・効果)
次に、上記実施形態の作用及び効果について説明する。
【0027】
図4に示されるように、リヤホイールハウスインナ32の車室14内側にはホイールハウストリム34が設けられており、ホイールハウストリム34の傾斜壁部34Aは、リヤホイールハウスインナ32の前部32Aを覆って車両後方へ向けて車幅方向内側に直線状に傾斜している。また、ホイールハウストリム34の前部側では車室内側に貼り付けられたカーペット36がこの傾斜壁部34Aを含む部位に沿って設けられているので、車両後方側へ移動するシート16とカーペット36との接触時に、シート16は、傾斜壁部34Aの傾斜方向に沿って誘導(案内)される。
【0028】
このとき、カーペット36は、シート16の変位に対する摩擦抵抗を(カーペット36がない場合よりも)低減させてシート16の車両後方へ向けて車幅方向内側への移動を促進する。このため、シート16は、車両後方側へ移動してカーペット36に接触すると、このカーペット36によって車両後方へ向けて車幅方向内側へ低摩擦でスムーズに移動する。
【0029】
ここで、補足すると、カーペット(36)を配設しないような対比構造では、シート(16)が樹脂製のホイールハウストリム(34)に直接接触してしまうため、シート(16)の変位に対する摩擦抵抗(摺動抵抗)を低減するのが難しい。また、前記対比構造では、シート(16)がホイールハウストリム(34)に繰り返し接触するとホイールハウストリム(34)に多数の傷が付けられ、また接触時には異音も発生することになる。これに対して、本実施形態に係るリヤホイールハウス部構造10では、ホイールハウストリム34上にカーペット36を配設することによって、これらの問題点を解消することもできる。
【0030】
以上説明したように、本実施形態に係るリヤホイールハウス部構造10によれば、比較的簡易な構成で、シート16の車両後方へ向けて車幅方向内側への移動をスムーズにすることができる。
【0031】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係るリヤホイールハウス部構造40について、図5を用いて説明する。図5には、本発明の第2の実施形態に係るリヤホイールハウス部構造40が水平断面図(第1の実施形態における図4に相当する断面図)にて示されている。この図に示されるように、リヤホイールハウス部構造40は、カーペット36(図4参照)に代えて、移動促進手段としてのかつ回転体としてのローラ42を備える点で、第1の実施形態に係るリヤホイールハウス部構造10とは異なる。他の構成は、第1の実施形態とほぼ同様の構成となっている。よって、第1の実施形態と実質的に同様の構成部については、同一符号を付して説明を省略する。
【0032】
図5に示されるように、ホイールハウストリム34には、傾斜壁部34Aから前後方向壁部34Cの前側部位にかけて孔部34Dが貫通形成されている。この孔部34D内には、ホイールハウストリム34の前部側で傾斜壁部34A及び前後方向壁部34Cの前側部位に沿って、複数のローラ42が配設されている。ローラ42は、ガイド機構としての機能を有し、その回転中心部に設けられた軸部42Aが車両上下方向を軸方向として配置されており、この軸部42Aがホイールハウストリム34に車両上下方向の軸回りに回転可能に取り付けられて(支持されて)いる。
【0033】
すなわち、ローラ42は、車両後方側へ移動するシート16との接触時にシート16からの荷重によって回転可能とされ、シート16から荷重を受けてシート16を車両後方へ向けて車幅方向内側へ移動させる方向(矢印R1方向)に回転するように設定されている。そのため、ローラ42は、車両後方側へ移動するシート16との接触時にシート16の変位に対する抵抗を低減させてシート16の車両後方へ向けて車幅方向内側への移動を促進するようになっている。
【0034】
このような構成によれば、シート16は、車両後方側へ移動してローラ42に接触すると、ローラ42の回転によって車両後方に向けて車幅方向内側へスムーズに移動する。このため、前述した第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0035】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態に係るリヤホイールハウス部構造50について、図6を用いて説明する。図6には、本発明の第3の実施形態に係るリヤホイールハウス部構造50が水平断面図(第1の実施形態における図4及び第2の実施形態における図5に相当する断面図)にて示されている。
【0036】
この図に示されるように、第3の実施形態に係るリヤホイールハウス部構造50は、移動促進手段としての回転体52を備える点が特徴である。回転体52は、複数のローラ42及びこれらのローラ42に巻き掛けられた無端ベルト54を含んで構成されている。他の構成は、第2の実施形態とほぼ同様の構成となっている。よって、第2の実施形態と実質的に同様の構成部については、同一符号を付して説明を省略する。
【0037】
図6に示されるように、傾斜壁部34A側に配設されるローラ42群と、前後方向壁部34Cの前側部位側に配設されるローラ42群とには、それぞれ無端ベルト54が巻き掛けられている。すなわち、ローラ42と無端ベルト54とを備えた回転体52は、ホイールハウストリム34の前部側で傾斜壁部34A及び前後方向壁部34Cの前側部位に沿って配設されている。回転体52は、ガイド機構としての機能を有し、車両後方側へ移動するシート16との接触時にシート16からの荷重によって回転可能とされ、シート16から荷重を受けた状態ではシート16を車両後方へ向けて車幅方向内側へ移動させる方向(矢印R2方向)に回転するように設定されている。そのため、回転体52は、車両後方側へ移動するシート16との接触時にシート16の変位に対する抵抗を低減させてシート16の車両後方へ向けて車幅方向内側への移動を促進するようになっている。このような構成によっても、前述した第2の実施形態と同様の作用及び効果が得られる。
【0038】
なお、本実施形態では、傾斜壁部34A側に配設されるローラ42群と、前後方向壁部34Cの前側部位側に配設されるローラ42群とに、それぞれ無端ベルト54が巻き掛けられているが、これらのローラ42に一本の無端ベルト54が巻き掛けられた構成としてもよい。ちなみに、この場合、無端ベルト54は、ホイールハウストリム34の屈曲部34B付近で湾曲することになるので、例えば、この湾曲部付近のローラ42(具体的には、傾斜壁部34A側に配設されるローラ42群のうちの最後部のローラ42、及び前後方向壁部34Cの前側部位側に配設されるローラ42群のうちの最前部のローラ42)の車幅方向外側に無端ベルト54を挟んで補助ローラを対向配置する構成とするのが好ましい。
【0039】
[実施形態の補足説明]
なお、上記実施形態では、リヤホイールハウス部構造10、40、50は、シート16が回動機構20A、横スライド機構20B、及び前後スライド機構20Cを備えた車両12に適用されているが、リヤホイールハウス部構造は、シートが横スライド機構(20B)及び前後スライド機構(20C)を備えかつ回動機構(20A)を備えない車両に適用されてもよい。
【0040】
また、上記実施形態では、リヤホイールハウスインナ32の車室14内側にホイールハウストリム34が設けられ、ホイールハウストリム34の傾斜壁部34Aがリヤホイールハウスインナ32の前部32Aを覆って車両後方へ向けて車幅方向内側に傾斜しているが、例えば、リヤホイールハウスインナの車室内側に内装部材としてのクォータトリムの一部が設けられ、前記クォータトリムの一部を構成する傾斜壁部が、リヤホイールハウスインナの前部を覆って車両後方へ向けて車幅方向内側に傾斜していてもよい。
【0041】
さらに、上記実施形態では、布状体として毛織物のカーペット36を適用しているが、布状体は、例えば、不織布からなる布体等のような他の布状体としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るリヤホイールハウス部構造が適用された車両の左側半分を示す模式的な平面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るリヤホイールハウス部構造及びシートを車室内側から見た状態で示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態におけるリヤホイールハウスインナ及びシートを車両後方斜め外側から見た状態で示す斜視図である(リヤホイールハウスインナは二点鎖線で示す。)。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るリヤホイールハウス部構造を示す水平断面図である(図2の4−4線に沿った拡大断面図に相当する。)。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るリヤホイールハウス部構造を示す水平断面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係るリヤホイールハウス部構造を示す水平断面図である。
【符号の説明】
【0043】
10 リヤホイールハウス部構造
12A 車両後部
14 車室
16 シート
32 リヤホイールハウスインナ
32A リヤホイールハウスインナの前部
34 ホイールハウストリム(内装部材)
34A 傾斜壁部
36 カーペット(布状体(移動促進手段))
40 リヤホイールハウス部構造
42 ローラ(回転体(移動促進手段))
50 リヤホイールハウス部構造
52 回転体(移動促進手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両後部における車幅方向両側に配置され、車室内側に向けて膨出したリヤホイールハウスインナと、
前記リヤホイールハウスインナの車室内側に設けられ、前記リヤホイールハウスインナの前部を覆って車両後方へ向けて車幅方向内側に傾斜した傾斜壁部を備えた内装部材と、
前記内装部材の前部側で前記傾斜壁部を含む部位に沿って設けられ、車両後方側へ移動する乗員着座用のシートとの接触時に前記シートの変位に対する抵抗を低減させて前記シートの車両後方へ向けて車幅方向内側への移動を促進する移動促進手段と、
を有するリヤホイールハウス部構造。
【請求項2】
前記移動促進手段は、前記内装部材の車室内側に配設され、車両後方側へ移動する前記シートとの接触時に前記シートの変位に対する摩擦抵抗を低減させる布状体によって構成されている請求項1記載のリヤホイールハウス部構造。
【請求項3】
前記移動促進手段は、前記内装部材に取り付けられ、車両後方側へ移動する前記シートとの接触時に前記シートからの荷重によって回転可能な回転体によって構成されている請求項1記載のリヤホイールハウス部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−23535(P2010−23535A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−183519(P2008−183519)
【出願日】平成20年7月15日(2008.7.15)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】