説明

ルート検索装置

【課題】カーナビゲーション装置で目的地の設定を簡単に行う。
【解決手段】GPS搭載デジタルカメラ10で目的地を撮像する。デジタルカメラ10にセットされたメモリカード38に、撮像が行われた位置を示す撮像位置データ50を付加した画像ファイル40を記録する。メモリカード38をカーナビゲーション装置60にセットする。撮像位置抽出部86は、目的地に対応する画像ファイル40から撮像位置データ50を抽出する。ルート検索部80は、地図データ記憶部74に記憶されている道路地図データと、現在地位置データ算出部70及びGPSアンテナ72により取得される現在地位置データと、目的地位置を示す撮像位置データ50とに基づき、現在地から目的地までのルート検索を行う。目的地の住所や電話番号の入力が不要になるので、カーナビゲーション装置60で目的地の設定を簡単に行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現在地から所望の目的地までのルートを検索するルート検索装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、GPS(Global Positioning System)測位システムを利用して現在地の位置データを取得するカーナビゲーション装置を自動車に搭載することが一般的になっている(特許文献1参照)。カーナビゲーション装置は、ユーザが目的地となる施設や店舗の住所、電話番号などをリモコン等で入力することで目的地の設定が行われる。この設定が完了すると、カーナビゲーション装置は、現在地の位置データと、ハードディスクドライブ等に記録されている道路地図データとに基づいて、現在地から目的地までの走行ルートを検索して表示する。
【特許文献1】特開2002−271723号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、従来のカーナビゲーション装置では、目的地の住所や電話番号等が分からない場合や忘れてしまった場合に、目的地の設定ができないという問題がある。このため、目的地の設定を行うためには、ユーザが紙などに書き写された目的地の住所や電話番号等を見たり、正確に記憶したりする必要がある。また、目的地の住所や電話番号が分かっている場合でも、住所や電話番号等の入力には時間及び手間がかかってしまう。このため、簡単に目的地の設定を行えるカーナビゲーション装置の開発が強く望まれている。
【0004】
本発明は上記問題を解決するためのものであり、目的地の設定を簡単に行うことができるカーナビゲーション装置等のルート検索装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のルート検索装置は、現在地の位置を示す現在地位置データを取得する現在地位置データ取得部と、地図データを記憶する地図データ記憶部と、目的地を撮像して得られた画像データに前記目的地の位置を示す目的地位置データを付加した画像ファイルが入力される画像ファイル入力部と、前記画像ファイルより前記目的地位置データを抽出する位置データ抽出部と、前記現在地位置データ、前記地図データ、及び前記目的地位置データに基づき、前記現在地から前記目的地までのルートを検索するルート検索部とを備えることを特徴とする。
【0006】
前記画像ファイル入力部に複数の前記画像ファイルが入力されたときに、複数の前記画像ファイルに対応する複数の前記目的地の目的地画像が表示される表示部と、前記表示部に表示された前記目的地画像の中から、経由地となる前記目的地の前記目的地画像、及び最終目的地となる前記目的地の前記目的地画像を選択可能な目的地選択部とを備え、前記位置データ抽出部は、前記目的地選択部で選択された全ての前記目的地画像に対応する前記画像ファイルより前記目的地位置データを抽出するとともに、前記ルート検索部は、前記現在地位置データ、前記地図データ、及び前記位置データ抽出部で抽出された全ての前記目的地位置データに基づき、前記現在地から前記経由地を経て前記最終目的地に至るルートを検索することが好ましい。
【0007】
前記画像ファイルは、前記目的地を撮像して得られた前記画像データに対して、撮像が行われた位置を示す撮像位置データを前記目的地位置データとして付加可能な撮像装置により生成されることが好ましい。
【0008】
前記画像ファイル入力部に入力される前記画像ファイルは、前記撮像装置で生成された前記画像ファイルをインターネットを介して取得したものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明のルート検索装置は、目的地の位置を示す目的地位置データを付加した画像ファイルが入力されたときに、前記画像ファイルから前記目的地位置データを抽出して、現在地の位置を示す現在地位置データと、地図データと、前記目的地位置データとに基づき、前記現在地から前記目的地までのルートの検索を行うようにしたので、従来のように目的地の住所や電話番号の入力を行わなくとも前記目的地の設定を簡単に行うことができる。その結果、前記目的地の設定を行う際に、前記目的地の住所や電話番号等を紙に書き写したり、記憶したりする必要もなくなる。
【0010】
また、複数の前記画像ファイルが入力されたときに、経由地となる前記目的地に対応する前記画像ファイル、及び最終目的地となる前記目的地に対応する前記画像ファイルより前記目的地位置データを抽出して、前記現在地から前記経由地を経て前記最終目的地に至るルートを検索するようにしたので、同様に経由地及び最終目的地の設定を簡単に行うことができる。
【0011】
また、前記画像ファイルは、インターネットを介して取得可能であるので、ユーザが所望の目的地の画像ファイルを有していない場合でも、この画像ファイルを容易に取得することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1に示すようなGPS搭載デジタルカメラ(以下、単にデジタルカメラという)10は、本発明の撮像装置に相当するものであり、詳しくは後述するカーナビゲーション装置で目的地設定を行うのに利用される。デジタルカメラ10は、メインコントローラ12、ROM14、RAM16、操作部18、GPSモジュール22、GPSアンテナ24、撮像部26、画像処理部28、圧縮伸張処理部30、メディアコントローラ32、カードスロット34、表示部36からなる。
【0013】
メインコントローラ12は、ROM14に記憶された制御用プログラムを作業用のメモリであるRAM16に読み出し、この制御プログラムに従ってデジタルカメラ10の各部を統括的に制御する。
【0014】
操作部18は、電源ボタン、レリーズボタン、モード切替ダイヤル等から構成される。この操作部18からの操作信号に基づき、メインコントローラ12は上述のカメラ10の各部の動作を制御する。被写体のフレーミングの後に、レリーズボタンが軽く押圧(半押し)されると、露出条件の決定(AE)、自動焦点調整(AF)などの各種撮影準備処理が施される。この状態でレリーズボタンがもう1度強く押圧(全押し)されると、決定された露出条件の下で一回の撮影が行われる。モードダイヤルが回動操作されると、静止画撮影を行う静止画撮影モード、撮影した画像を表示部36に表示する再生モード、及び各種設定を行う設定モードが選択的に切り替えられる。
【0015】
GPSモジュール22は、デジタルカメラ10のカメラ本体(図示せず)の上面に設けられたGPSアンテナ24に接続されている。GPSモジュール22は、GPSアンテナ24を介して複数のGPS衛星(図示せず)からの電波を受信することで、被写体の撮像が行われた位置を示す撮像位置データ(GPSデータ)を生成する。この撮像位置データは、緯度データと経度データとからなる。そして、GPSモジュール22で生成された撮像位置データは、RAM16に格納される。
【0016】
撮像部26は、撮影光学系、CCDイメージセンサ、A/Dコンバータなどからなり、被写体を撮像して得られた画像をデジタルデータ(CCD−RAWデータ)に変換して出力する。この撮像部26より出力されるCCD−RAWデータは、RAM16に一旦格納される。画像処理部28は、RAM16からCCD−RAWデータを読み出して、色補間処理、ホワイトバランス補正処理、ガンマ補正処理等の各種画像処理を施す。画像処理が施された画像データは、RAM16に再度格納される。
【0017】
圧縮伸張処理部30は、RAM16から読み出した画像データを所定のファイル形式(例えば、JPEG形式)に圧縮するとともに、GPSモジュール22で生成された撮像位置データをタグとして画像データに付加する。圧縮伸張処理部30で圧縮された画像データは、RAM16に再度格納される。また、圧縮伸張処理部30は、再生モード時などには圧縮された画像データの伸張処理を行う。
【0018】
メディアコントローラ32は、カードスロット34にセットされたメモリカード38に対する画像データ(ファイル)の記録、及び読み出しを制御する。このメディアコントローラ32は、RAM16に格納された画像データをメモリカード38に記録する。また、メディアコントローラ32は、再生モード時などには、メモリカード38に記録されている画像データを読み出す。
【0019】
表示部36は、図示は省略するが、LCD(液晶ディスプレイ)と、LCDドライバとから構成される。LCDドライバには、RAM16から読み出された2フレーム分のCCD−RAWデータが格納されるVRAM(図示せず)が接続されている。VRAMには、CCD−RAWデータの書き込みと読み出しとが並行して行われる。LCDドライバは、VRAMから読み出したCCD−RAWデータをアナログのコンポジット信号に変換し、これをLCDにスルー画像として表示する。また、LCDドライバは、圧縮伸張処理部30で伸張された画像データを、LCDに再生画像として表示する。
【0020】
静止画撮影モード時に、レリーズボタン18の全押しされて撮影が実行されると、決定された露出量に基づいて静止画撮影が行われ、これにより得られたCCD−RAWデータがRAM16に格納される。また、これと同時に、GPSモジュール22で生成された撮像位置データはRAM16に格納される。次いで、RAM16に格納されたCCD−RAWデータは、画像処理部28により各種画像処理が施された後、画像データとしてRAM16に再度格納される。そして、RAM16に格納された画像データは、圧縮伸張処理部30で圧縮されるとともに、撮像位置データがタグとして付加された後、RAM16に格納される。RAM16に格納された画像データは、メディアコントローラ32によりメモリカード38に記録される。
【0021】
図2のメモリカード38のディレクトリ構造に示すように、ルートディレクトリ「Root」の下には、「IM_1」、「IM_2」、・・・「IM_n」のサブディレクトリが作成されている。各サブディレクトリ「IM_1」〜「IM_n」には、撮影した各被写体の画像データが書き込まれた画像ファイル40が複数記録される。
【0022】
画像ファイル40は、本画像データ42と、サムネイル画像データ44と、画像付帯情報(タグ情報)46とから構成される。本画像データ42は、ユーザが設定した画素数、例えばXGA:1024×764画素のJPEG圧縮静止画データである。サムネイル画像データ44は、例えば160×120画素のJPEG圧縮静止画データであり、本画像データ42をリサイズした後、JPEG圧縮して生成される。
【0023】
画像付帯情報46には、撮影日時や撮影条件(露光条件、シャッタースピードなど)などが記録されたExifデータ48や、上述の撮像位置データ(GPSデータ)50などが含まれている。上述したように、撮像位置データ50は、緯度データ及び経度データから構成される。
【0024】
このように、デジタルカメラ10(図1参照)で被写体を撮像して得られた画像ファイル40(本画像データ42)には、撮像が行われた位置、つまり、被写体の位置を示す撮像位置データ50が付加されている。従って、このデジタルカメラ10で観光名所、施設、店舗等を撮像すれば、画像ファイル40には観光名所、施設、店舗等の位置を示す撮像位置データ50が付加される。このため、以下で説明するカーナビゲーション装置60では、目的地(観光名所、施設、店舗等)をデジタルカメラ10で撮像して得られた画像ファイル40に付加されている撮像位置データ(目的地位置データ)を利用してルート検索を行う。
【0025】
図3に示すカーナビゲーション装置60は、本発明のルート検索装置に相当するものであり、図示しない自動車内に取り付けられている。このカーナビゲーション装置60は、メインコントローラ62と、ROM64と、RAM66と、操作部68と、現在地位置データ算出部70と、GPSアンテナ72と、地図データ記憶部74と、LCDドライバ76と、液晶ディスプレイ(LCD)78と、ルート検索部80と、メモリカードスロット82と、メディアコントローラ84と、撮像位置データ抽出部86とから構成される。
【0026】
メインコントローラ62は、ROM64に記憶された制御用プログラムを作業用のメモリであるRAM66に読み出し、この制御プログラムに従ってカーナビゲーション装置60の各部を統括的に制御する。操作部68は、目的地の設定・選択やカーナビゲーション装置60の各種設定を行うのに用いられる。メインコントローラ62は、操作部68からの操作信号に基づき、カーナビゲーション装置60の各部の動作を制御する。
【0027】
現在地位置データ算出部70は、自動車のダッシュボード(図示せず)上に設置されたGPSアンテナ72に接続されている。現在地位置データ算出部70は、GPSアンテナ72と共に本発明の現在地位置データ取得部を構成するものである。この現在地位置データ算出部70は、GPSアンテナ72を介して複数のGPS衛星(図示せず)からの電波を受信して、自動車の現在置を示す現在地位置データ(緯度・経度)を算出する。これら現在地位置データ算出部70及びGPSアンテナ72により、自動車の現在地位置データをリアルタイムに取得することができる。この現在地位置データは、メインコントローラ62に入力される。
【0028】
地図データ記憶部74は、道路地図データが記憶されたハードディスクドライブや、道路地図データが記憶された記憶メディアがセットされたCD−ROMドライブ、DVD−ROMドライブなどである。メインコントローラ62は、現在地位置データ算出部70より入力された現在地位置データに基づいて、現在地付近の道路地図データを地図データ記憶部74より読み出す。次いで、メインコントローラ62は、LCDドライバ76を介して、LCD78上に地図画像90(図5参照)を表示する。また、メインコントローラ62は、LCDドライバ76を介して、LCD78に表示された地図画像90上に現在地を示すアイコン92(図5参照)を表示させる。
【0029】
ルート検索部80は、メインコントローラ62に入力された現在地位置データと、詳しくは後述する目的地の位置データとに基づき、現在地から目的地までのルートを検索する。
【0030】
本発明の画像ファイル入力部に相当するメモリカードスロット82(図8参照)には、上述のメモリカード38がセットされる。このメモリカード38には、目的地(観光名所、施設、店舗等)となる被写体をデジタルカメラ10で撮像して得られた画像ファイル40が記録されている。メディアコントローラ84は、メモリカード38に記録されている画像ファイル40の読み出しを制御する。
【0031】
メモリカードスロット82にメモリカード38がセットされると、メディアコントローラ84によりメモリカード38内の各画像ファイル40が読み出されて、RAM66に一時的に格納される。そして、メインコントローラ62は、RAM66に格納された各画像ファイル40からサムネイル画像データ44(図2参照)を読み出す。次いで、メインコントローラ62は、LCDドライバ76を介して、LCD78に表示されている地図画像90(図5参照)をサムネイル画像96(図4参照)の一覧表示に切り替える。
【0032】
図4に示すように、LCD78にサムネイル画像96の一覧が表示されたら、ユーザは、本発明の目的地選択部に相当する操作部68(図3参照)を操作してカーソル98を移動させる。そして、ユーザは、カーソル98を目的地となるサムネイル画像96に合わせたら、操作部68を操作して目的地となるサムネイル画像96を決定する。
【0033】
図3に示すように、撮像位置データ抽出部86は、目的地となるサムネイル画像96が決定されたら、このサムネイル画像96に対応する画像ファイル40より撮像位置データ50(図4参照)を抽出する。これにより、目的地の緯度データ及び経度データが得られる。この目的地の位置データとなる撮像位置データ50は、メインコントローラ62に入力される。そして、メインコントローラ62に撮像位置データ50が入力されたら、上述のルート検索部80よるルート検索が開始される。
【0034】
ルート検索部80は、メインコントローラ62に入力された現在地位置データと撮像位置データ50とに基づき、現在地から目的地までのルート検索を行う。そして、ルート検索部80は、ルート検索の検索結果をメインコントローラ62に入力する。
【0035】
図5に示すように、メインコントローラ62は、LCD78の表示を上述の地図画像90に切り替えた後、この地図画像90上に現在地位置を示すアイコン92と、目的地を示すアイコン100と、現在地から目的地までの走行ルート102とを表示させる。ユーザは、地図画像90上に表示される走行ルート102に従って自動車を運転することで、設定された目的地に到達することができる。
【0036】
また、本実施形態のカーナビゲーション装置60では、複数の目的地を設定することができる。この場合には、LCD78にサムネイル画像96(図4参照)の一覧が表示された時に、操作部68を操作して最終目的地のサムネイル画像96を最初に決定する。次いで、操作部68を操作して経由する目的地(経由地)のサムネイル画像96を決定する。これら最終目的地及び経由地のサムネイル画像96が決定されたら、撮像位置データ抽出部86は、対応する画像ファイル40から撮像位置データ50を抽出してメインコントローラ62に入力する。
【0037】
ルート検索部80は、メインコントローラ62に入力された現在地位置データと、最終目的地の撮像位置データ50と、経由地の撮像位置データ50とに基づき、目的地から経由地を経て最終目的地に至るルートの検索を行う。そして、ルート検索部80は、同様にルート検索結果をメインコントローラ62に入力する。
【0038】
図6に示すように、メインコントローラ62は、現在地位置を示すアイコン92と、経由地を示すアイコン100aと、最終目的地を示すアイコン100bと、現在地から経由地までの走行ルート102aと、経由地から最終目的地までの走行ルート102bとを地図画面90上に表示させる。ユーザは、地図画像90上に表示される走行ルート102a,102bに従って自動車を運転することで、経由地を経由して最終目的地に到達することができる。なお、本実施形態では経由地が一箇所しか選択されていないが、経由地は複数選択することができる。
【0039】
次に、図7に示すフローチャートを用いて、カーナビゲーション装置60のルート検索処理について説明を行う。自動車(図示せず)のエンジン始動に連動してカーナビゲーション装置60の電源がONされると、現在地位置データ算出部70は、GPSアンテナ72を介して複数のGPS衛星(図示せず)からの電波を受信することで、自動車の現在地位置データを算出してメインコントローラ62に入力する。
【0040】
メインコントローラ62は、入力された現在地位置データに基づいて地図データ記憶部74を検索し、この地図データ記憶部74から現在地付近の道路地図データを読み出す。そして、メインコントローラ62は、LCDドライバ76を介して、LCD78上に地図画像90を表示するとともに、この地図画像90上に自動車の現在地を示すアイコン92を表示させる(図5参照)。
【0041】
次いで、ユーザは、カードスロット82にメモリカード38を挿入する。このメモリカード38には、目的地(観光名所、施設、店舗等)となる被写体を上述のデジタルカメラ10で撮像して得られた画像ファイル40が予め記録されている。メモリカード38がカードスロット82に挿入されると、メディアコントローラ84によりメモリカード38から各画像ファイル40が読み出されて一時的にRAM66に格納される。そして、メインコントローラ62は、RAM66に格納されている画像ファイル40からサムネイル画像データ44を読み出し、LCDドライバ76を介して、LCD78の表示をサムネイル画像96の一覧表示に切り替える(図4参照)。
【0042】
LCD78にサムネイル画像96の一覧が表示されたら、ユーザは、操作部68を操作して目的地のサムネイル画像96を決定する。なお、経由地を設定する場合には、ユーザは、最終目的地のサムネイル画像96を決定した後で、経由地のサムネイル画像96を決定すればよい。そして、目的地のサムネイル画像96が決定されると、撮像位置データ抽出部86は、サムネイル画像96に対応する画像ファイル40から撮像位置データ50を抽出してメインコントローラ62に入力する。
【0043】
ルート検索部80は、メインコントローラ62に入力された撮像位置データ50及び現在地位置データに基づき、現在地から目的地までのルートを検索する。また、経由地が設定されている場合には、現在地から経由地を経由して最終目的地に至るルートを検索する。そして、ルート検索部80は、ルート検索が完了したら検索結果をメインコントローラ62に入力する。
【0044】
メインコントローラ62は、LCD78の表示を上述の地図画像90に切り替えた後、ルート検索結果に基づき、地図画像90上に現在地を示すアイコン92と、目的地を示すアイコン100と、現在地から目的地までの走行ルート102とを表示させる(図5参照)。また、例えば経由地が一箇所設定されている場合には、地図画像90上に経由地を示すアイコン100aと、最終目的地を示すアイコン100bと、現在地から経由地までの走行ルート102aと、経由地から最終目的地までの走行ルート102bとが表示される。これにより、ユーザは、地図画像90上に表示される走行ルート102(102a,102b)に従って自動車を運転することで、目的地(経由地及び最終目的地)に到達することができる。
【0045】
目的地(経由地)に到達する前に、目的地(経由地)の変更が必要になった場合は、変更予定の目的地(経由地)を撮像して得られた画像ファイル40が記録されているメモリカード38をカードスロット82に挿入して、上述の目的地(経由地)の設定をやり直せばよい。
【0046】
以上のように本実施形態のカーナビゲーション装置60では、目的地をデジタルカメラ10で撮像して得られた画像ファイル40に付加されている撮像位置データ(目的地位置データ)を利用してルート検索を行っている。このため、目的地をデジタルカメラ10で撮像して得られた画像ファイル40があれば、従来のように目的地の住所や電話番号の入力を行わなくとも目的地(経由地)の設定を簡単に行うことができる。また、目的地の住所や電話番号等が分からない場合や忘れてしまった場合でも、目的地の設定を行うことができる。
【0047】
なお、上記実施形態のカーナビゲーション装置60でルート検索を行う場合には、ユーザが目的地の画像ファイル40を有していることが前提となっている。この際に、カーナビゲーション装置60によるルート検索が必要とされるのは、目的地が一度も行ったことのない場所である場合が多く、この場合にはユーザが目的地の画像ファイル40を有していない場合が多い。このため、ユーザがインターネット等を介して目的地の画像ファイル40を取得できるようにしてもよい。
【0048】
図8に示すように、デジタルカメラ10で目的地を撮像して得られた画像ファイル40を、インターネット110を介してユーザのパーソナルコンピュータ(PC)112に送信する。ユーザは、PC112で画像ファイル40を受信したら、この画像ファイル40をPC112のカードスロット112aに挿入されたメモリカード38にコピーする。次いで、ユーザは、画像ファイル40がコピーされたメモリカード38を、カーナビゲーション装置60のカードスロット82に挿入させる。これにより、カーナビゲーション装置60に目的地の画像ファイル40を読み込ませて目的地を設定することができる。なお、PC112の代わりにインターネット接続機能を有する携帯電話機やPDA等を用いてよい。
【0049】
また、目的地が観光名所、施設、店舗等の場合には、インターネット110上にホームページ(図示せず)が開設されている場合が多い。このため、目的地をデジタルカメラ10で撮像して得られた画像ファイル40をホームページ上からダウンロードできるようにしておく。これにより、ユーザがインターネット110を介して目的地の画像ファイル40をPC112にダウンロードすることができる。その結果、同様にしてカーナビゲーション装置60で目的地の設定を行うことができる。
【0050】
このように、ユーザが目的地の画像ファイル40を有していなくとも、インターネット110を介して目的地の画像ファイル40を取得することで、カーナビゲーション装置60で目的地の設定を行うことができる。
【0051】
なお、上記実施形態では、目的地を撮像して得られた画像データ(ファイル)に撮像位置データを付加可能な撮像装置としてGPS搭載デジタルカメラ10を例に挙げて説明を行ったが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、デジタルカメラ10の代わりに、GPS搭載のカメラ付き携帯電話機等の各種GPS搭載撮像装置を用いてもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、目的地の画像ファイル40が記録されたメモリカード38をカーナビゲーション装置60に挿入するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、デジタルカメラ10とカーナビゲーション装置60とに無線インターフェースを設けて両者を無線接続することで、デジタルカメラ10からカーナビゲーション装置60に画像ファイル40を送信するようにしてもよい。また、上述のPC112とカーナビゲーション装置60とに無線インターフェースを設けて両者を無線接続してもよい(図8参照)。この場合には、カーナビゲーション装置60に設けられた無線インターフェースが本発明の画像ファイル入力部となる。
【0053】
なお、上記実施形態では、現在地から目的地までのルート検索を行うルート検索装置としてカーナビゲーション装置60を例に挙げて説明を行ったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばナビゲーション機能(ルート検索機能)を有する携帯電話機等の各種ルート検索装置に本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】デジタルカメラの電気的構成を示したブロック図である。
【図2】メモリカードに記録される画像ファイルを説明するための説明図である。
【図3】カーナビゲーション装置の電気的構成を示したブロック図である。
【図4】目的地のサムネイル画像が一覧表示されているカーナビゲーション装置のLCDの正面図である。
【図5】カーナビゲーション装置のLCDに表示され、現在地を示すアイコン、目的地を示すアイコン、現在地から目的地までの走行ルートが表示された地図画像の説明図である。
【図6】カーナビゲーション装置のLCDに表示され、現在地を示すアイコン、経由地を示すアイコン、最終目的地を示すアイコン、現在地から経由地を経て最終目的地に至る走行ルートが表示された地図画像の説明図である。
【図7】カーナビゲーション装置のルート検索処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】インターネットを介して目的地の画像ファイルを取得可能であることを説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0055】
10 GPS搭載デジタルカメラ
22 GPSモジュール
24 GPSアンテナ
38 メモリカード
40 画像ファイル
50 撮像位置データ
60 カーナビゲーション装置
62 メインコントローラ
70 現在地位置データ算出部
72 GPSアンテナ
74 地図データ記憶部
80 ルート検索部
86 撮像位置データ抽出部
90 地図画像
96 サムネイル画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在地の位置を示す現在地位置データを取得する現在地位置データ取得部と、
地図データを記憶する地図データ記憶部と、
目的地を撮像して得られた画像データに前記目的地の位置を示す目的地位置データを付加した画像ファイルが入力される画像ファイル入力部と、
前記画像ファイルより前記目的地位置データを抽出する位置データ抽出部と、
前記現在地位置データ、前記地図データ、及び前記目的地位置データに基づき、前記現在地から前記目的地までのルートを検索するルート検索部とを備えることを特徴とするルート検索装置。
【請求項2】
前記画像ファイル入力部に複数の前記画像ファイルが入力されたときに、複数の前記画像ファイルに対応する複数の前記目的地の目的地画像が表示される表示部と、
前記表示部に表示された前記目的地画像の中から、経由地となる前記目的地の前記目的地画像、及び最終目的地となる前記目的地の前記目的地画像を選択可能な目的地選択部とを備え、
前記位置データ抽出部は、前記目的地選択部で選択された全ての前記目的地画像に対応する前記画像ファイルより前記目的地位置データを抽出するとともに、
前記ルート検索部は、前記現在地位置データ、前記地図データ、及び前記位置データ抽出部で抽出された全ての前記目的地位置データに基づき、前記現在地から前記経由地を経て前記最終目的地に至るルートを検索することを特徴とする請求項1記載のルート検索装置。
【請求項3】
前記画像ファイルは、前記目的地を撮像して得られた前記画像データに対して、撮像が行われた位置を示す撮像位置データを前記目的地位置データとして付加可能な撮像装置により生成されることを特徴とする請求項1または2記載のルート検索装置。
【請求項4】
前記画像ファイル入力部に入力される前記画像ファイルは、前記撮像装置で生成された前記画像ファイルをインターネットを介して取得したものであることを特徴とする請求項3記載のルート検索装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−39628(P2008−39628A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−215456(P2006−215456)
【出願日】平成18年8月8日(2006.8.8)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】