説明

レジスト用重合体およびレジスト組成物

本発明のレジスト用重合体は、シアノ基を有する特定の構成単位と酸脱離性基を有する構成単位とラクトン骨格を有する特定の構成単位とを含有するものであり、DUVエキシマレーザーリソグラフィー、電子線リソグラフィー等においてレジスト樹脂として用いた場合に高感度、高解像度であり、レジストパターン形状が良好であり、ラインエッジラフネスの発生、マイクロゲルの生成が少ない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、レジスト用重合体およびレジスト組成物に関し、特に、エキシマレーザーあるいは電子線を使用する微細加工に好適な化学増幅型レジスト組成物に関する。
【背景技術】
近年、半導体素子や液晶素子の製造における微細加工の分野においては、リソグラフィー技術の進歩により急速に微細化が進んでいる。その微細化の手法としては、一般に、照射光の短波長化が用いられ、具体的には、従来のg線(波長:438nm)、i線(波長:365nm)に代表される紫外線からDUV(Deep Ultra Violet)へと照射光が変化してきている。
現在では、KrFエキシマレーザー(波長:248nm)リソグラフィー技術が市場に導入され、さらなる短波長化を図ったArFエキシマレーザー(波長:193nm)リソグラフィー技術も導入されようとしている。さらに、次世代の技術として、Fエキシマレーザー(波長:157nm)リソグラフィー技術が研究されている。また、これらとは若干異なるタイプのリソグラフィー技術として、電子線リソグラフィー技術についても精力的に研究されている。
このような短波長の照射光あるいは電子線に対する高解像度のレジストとして、光酸発生剤を含有する「化学増幅型レジスト」が提唱され、現在、この化学増幅型レジストの改良および開発が精力的に進められている。
照射光の短波長化に対応して、レジストに使用される樹脂もその構造が変化してきている。例えば、KrFエキシマレーザーリソグラフィーにおいては、波長248nmの照射光に対して透明性の高いポリヒドロキシスチレンや、その水酸基を酸解離性の溶解抑制基で保護したものが用いられる。しかし、ArFエキシマレーザーリソグラフィーにおいては、上記樹脂は波長193nmの照射光に対する透明性が必ずしも十分とはいえず、使用できない場合が多い。
そのため、ArFエキシマレーザーリソグラフィーにおいて使用されるレジスト樹脂として、波長193nmの光に対して透明なアクリル系樹脂が注目されている。このようなアクリル系樹脂としては、例えば、エステル部にアダマンタン骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルとエステル部にラクトン骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの共重合体が特開平10−319595号公報、特開平10−274852号公報等に開示されている。
しかしながら、これらのアクリル系樹脂は、レジスト樹脂として使用した場合、形成されるレジストパターン形状が十分に良好とは必ずしも言えず、レジストパターンを断面から見た際の形状が凸状あるいは凹状となり、被加工基板への正確なパターン転写ができないことがある。また、レジスト組成物中に含まれる樹脂が経時的に凝集してマイクロゲルと呼ばれる不溶分が発生し、レジストパターンに抜けが発生することにより、回路の断線や欠陥などを生じることもある。
また、近年、半導体装置の製造において、基板のサイズが直径200mmから300mmへと大型化している。しかし、このような大きな基板面内においては、形成されるレジストパターンサイズにバラツキが生じやすい場合がある。
さらに、半導体素子製造ラインにおいては、PEB(露光後加熱)処理などのベークが施されるが、ベークユニット(ベーク装置)間で熱処理温度(PEB温度)に数℃程度の差が生じることがあり、この温度差の影響を受けて、形成されるレジストパターンサイズが使用するベークユニットごとに異なってしまう場合がある。そのため、PEB温度依存性の小さいレジストパターンが求められている。
一方、シアノ基を有する構成単位を含有する樹脂を含有する化学増幅型レジスト組成物は、例えば、特開2002−244295号公報、特開2000−258915号公報、特開2002−268222号公報、特開2001−264982号公報等に開示されている。特開2002−244295号公報においては、樹脂中の酸により脱離する基(酸解離性基)に含まれる脂環式炭化水素基の置換基としてシアノ基が挙げられている。特開2000−258915号公報には、シアノ基含有重合単位は、極性置換基であるシアノ基の存在により、基板との接着性を確保し、レジストのドライエッチング耐性の向上に寄与すると記載されている。特開2002−268222号公報には、シアノ基を有する特定の構成単位を含有する樹脂を用いることにより、ラインエッジラフネスを改善できることが記載されている。特開2001−264982号公報には、シアノ基を有する特定の構成単位する樹脂を用いることによりFエキシマレーザー波長である157nmに対する透過性を向上できることが記載されている。
しかしながら、上記の公報に記載されている、シアノ基を有する構成単位を含有する樹脂を含有するレジスト組成物では、エキシマレーザーでのパターニング、その後の現像処理によって生成するレジストパターンの側壁荒れ、すなわちラインエッジラフネスの発生を十分には抑制できず、さらなる細線化に対応する際には回路幅が不均一になったり、回路自体が断線したりすることがあり、半導体製造工程での歩留まりの低下を招く恐れがある。
また、特開平1−100145号公報には、優れた光学的性質、低吸湿性および耐熱性を有する光学材料として有用な重合体の原料となるアクリル系単量体として、置換基としてシアノ基を有する脂環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル誘導体が開示されている。また、特開平1−100145号公報には、この(メタ)アクリル酸エステル系誘導体は、単独で、もしくは、それと(メタ)アクリル酸やそのエステルなど他の不飽和化合物との共重合体とすることができると記載されている。
特開平2−193958号公報には、置換基としてシアノ基を有する脂環式骨格を有するメタクリル酸エステルが開示されている。特開平2−189313号公報には、上記の特開平2−193958号公報に記載のメタクリル酸エステルを含む単量体組成物、あるいは、上記の特開平2−193958号公報に記載のメタクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸エステルとを含む単量体組成物を重合させた熱可塑性樹脂が開示されている。また、特開平2−189313号公報には、この熱可塑性樹脂は耐熱性、透明性および耐吸湿性に優れ、接着剤、塗料、繊維処理剤、離型剤、樹脂改質剤、選択性透過膜等の用途に有用であると記載されている。
また、特開平2−216632号公報には、シアノ基を有する構成単位を含有する重合体が光ディスク基板の用途に有用であることが記載されている。また、特開平2−211401号公報には、シアノ基を有する構成単位を含有する重合体が光学部品および光学素子としての用途に有用であることが記載されている。また、特開平1−92206号公報には、シアノ基を有する構成単位を含有する重合体が光ディスク、プラスチックレンズなどの材料として有用であることが記載されている。
さらに、米国特許第6,165,678号明細書には、ArFエキシマレーザー(波長:193nm)リソグラフィー等において使用される、感度および解像度に優れたレジスト組成物として、極性部分を含む基を有する構成単位と酸により脱離する基を有する構成単位とを含有する(メタ)アクリル系共重合体と、光酸発生剤とを含有するレジスト組成物が記載されており、極性部分(極性基)の1つとして、シアノ基、ラクトンが挙げられている。また、米国特許第6,165,678号明細書の実施例には、パントラクトンメタクリレート、イソボルニルメタクリレートおよびメタクリル酸を重合した重合体(Example 3)と、5−(4−)シアノ−2−ノルボルニルメタクリレート、2’−アセトキシエチルメタクリレート、1−ブチルメタクリレートおよびメタクリル酸を重合した重合体(Example 4)と、5−(4−)シアノ−2−ノルボルニルメタクリレート、メタクリロニトリル、t−ブチルメタクリレートおよびメタクリル酸を重合した重合体(Example 5)と、5−(4−)シアノ−2−ノルボルニルメタクリレート、t−ブチルメタクリレートおよびメタクリル酸を重合した重合体(Example 6)とが記載されている。
しかしながら、上記の米国特許第6,165,678号明細書には、シアノ基を有する構成単位と、酸脱離性基を有する構成単位と、ラクトン骨格を有する構成単位とを含有するレジスト用重合体は記載されていない。上記の米国特許第6,165,678号明細書の実施例に記載されているレジスト組成物は、形成されるレジストパターン形状が良好であり、ラインエッジラフネスの発生が少なく、マイクロゲルの生成も少ないものとは必ずしも言えない。
また、特開平11−352694号公報には、少なくとも1個の自体脱離能を有するニトリル基を含有する部分を有している保護基により保護されたアルカリ可溶性基を含有し、かつ前記アルカリ可溶性基が酸により脱離して当該共重合体をアルカリ可溶性とならしめる構成単位、脂環式炭化水素を含む保護基により保護されたアルカリ可溶性基を含有し、かつ前記アルカリ可溶性基が酸により脱離して当該共重合体をアルカリ可溶性とならしめる構造を有する構成単位、および、ラクトン構造を有する保護基により保護されたアルカリ可溶性基を含有し、かつ前記アルカリ可溶性基が酸により脱離して当該共重合体をアルカリ可溶性とならしめる構造を有する構成単位を有する酸感応性重合体と、酸発生剤とを含んでなる化学増幅型レジスト材料が開示されている。特開平11−352694号公報の実施例には、シアノ基を有する構成単位として2−メチル−1−プロピオニトリルシクロヘキシルメタクリレートを含有する重合体(例4、例5、例6、例7)、シアノ基を有する構成単位として2−エチル−1−プロピオニトリルシクロヘキシルメタクリレートを含有する重合体(例8)が記載されている。
しかしながら、上記の特開平11−352694号公報の実施例に記載されている重合体は、シアノ基を有する構成単位の安定性が必ずしも十分ではなく、レジスト樹脂として用いた場合に物性が変化することがあり、取扱いが難しいことがある。また、上記の特開平11−352694号公報の実施例に記載されているレジスト組成物は、ドライエッチング耐性が必ずしも十分ではない。
また、2003年4月25日に公開された特開2003−122007号公報には、シアノ基を有する構成単位と、脂環ラクトン構造を有する構成単位と、脂環式炭化水素基を有する構成単位とを含有する樹脂と、光酸発生剤とを含有するポジ型レジスト組成物が開示されている。特開2003−122007号公報には、脂環ラクトン構造を有する構成単位として、シクロヘキサンラクトン、ノルボルナンラクトンまたはアダマンタンラクトンを有する構成単位が挙げられており、より具体的には、以下のもの等が挙げられている。

さらに、上記の特開2003−122007号公報には、レジスト組成物に使用する樹脂は、さらにラクトン構造を有する構成単位を含有することもできると記載されており、ラクトン構造を有する構成単位として、具体的には、以下のもの等が挙げられている。

しかしながら、上記の特開2003−122007号公報に記載されている、脂環ラクトン構造を有する構成単位としてシクロヘキサンラクトンまたはノルボルナンラクトンを有する構成単位と、シアノ基を有する構成単位と、脂環式炭化水素基を有する構成単位とを含有する重合体を含有するレジスト組成物は、形成されるレジストパターン形状が十分に良好とは必ずしも言えない。また、脂環ラクトン構造を有する構成単位としてアダマンタンラクトンを有する構成単位と、シアノ基を有する構成単位と、脂環式炭化水素基を有する構成単位とを含有する重合体は、通常、高価であり、また、有機溶媒への溶解性に優れているとは必ずしも言えない。
【発明の開示】
本発明は、DUVエキシマレーザーリソグラフィーあるいは電子線リソグラフィー等においてレジスト樹脂として用いた場合に、高感度、高解像度であり、レジストパターン形状が良好であり、ラインエッジラフネスの発生が少なく、マイクロゲルの生成も少ないレジスト用重合体、レジスト組成物、および、このレジスト組成物を用いたパターン製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、例えば、直径300mm以上の大きな基板においても基板面内で均一なレジストパターンサイズを得ることができ、レジストパターンのPEB温度依存性の小さいレジスト用重合体、レジスト組成物、および、このレジスト組成物を用いたパターン製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、下記式(1)で表される構成単位と、酸脱離性基を有する構成単位と、下記式(4−1)、(4−2)、(4−3)、(4−5)、(4−6)および(4−10)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される、ラクトン骨格を有する構成単位とを含有するレジスト用重合体に関する。

(式(1)中、R01は水素原子またはメチル基を表し、R02は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、Zは、エステル結合している炭素原子およびシアノ基の結合した炭素原子とともに、環式炭化水素基を構成する原子団を表し、pは1〜4の整数を表す。
ただし、pが2以上の場合には、シアノ基が同一の炭素原子に結合していることも、異なる炭素原子に結合していることも含む。)

(式(4−1)中、R41は水素原子またはメチル基を表し、R401、R402はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基または炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基を表すか、あるいは、R401とR402とが一緒になって−O−、−S−、−NH−または炭素数1〜6のメチレン鎖[−(CH−(jは1〜6の整数を表す)]を表し、iは0または1を表し、Xは、置換基としてヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基、シアノ基およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基またはアミノ基を表し、n5は0〜4の整数を表し、mは1または2を表す。なお、n5が2以上の場合にはXとして複数の異なる基を有することも含む。
式(4−2)中、R42は水素原子またはメチル基を表し、R201、R202はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基または炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基を表す。AとAとは一緒になって−O−、−S−、−NH−または炭素数1〜6のメチレン鎖[−(CH−(kは1〜6の整数を表す)]を表す。Xは、置換基としてヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基、シアノ基およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基またはアミノ基を表し、n6は0〜4の整数を表す。なお、n6が2以上の場合にはXとして複数の異なる基を有することも含む。
式(4−3)中、R43は水素原子またはメチル基を表し、R203、R204はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基または炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基を表し、A、Aはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基または炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基を表すか、あるいは、AとAとが一緒になって−O−、−S−、−NH−または炭素数1〜6のメチレン鎖[−(CH−(lは1〜6の整数を表す)]を表す。Xは、置換基としてヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基、シアノ基およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基またはアミノ基を表し、n7は0〜4の整数を表す。なお、n7が2以上の場合にはXとして複数の異なる基を有することも含む。
式(4−5)中、R45は水素原子またはメチル基を表し、R、Rはそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜8の直鎖または分岐アルキル基を表し、R、R62、R72はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表す。Y12、Y22、Y32はそれぞれ独立に−CH−または−CO−O−を表し、そのうち少なくとも一つは−CO−O−を表す。Xは、置換基としてヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基、シアノ基およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基またはアミノ基を表し、n9は0〜4の整数を表す。なお、n9が2以上の場合にはXとして複数の異なる基を有することも含む。
式(4−6)中、R46は水素原子またはメチル基を表し、R10は水素原子または炭素数1〜8の直鎖または分岐アルキル基を表し、R53、R63、R73はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表す。Y13、Y23、Y33はそれぞれ独立に−CH−または−CO−O−を表し、そのうち少なくとも一つは−CO−O−を表す。X10は、置換基としてヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基、シアノ基およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基またはアミノ基を表し、n10は0〜4の整数を表す。なお、n10が2以上の場合にはX10として複数の異なる基を有することも含む。
式(4−10)中、R91、R92、R93、R94はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基または炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基を表すか、あるいは、R91とR92とが一緒になって−O−、−S−、−NH−または炭素数1〜6のメチレン鎖[−(CH−(tは1〜6の整数を表す)]を表し、m1は1または2を表す。)
なお、式(4−1)、式(4−2)、式(4−3)、式(4−5)および式(4−6)において、X、X、X、XおよびX10で置換される位置は、環状構造のどの位置であってもよい。
なお、この重合体において、式(1)で表される構成単位は、全て同じである必要はなく、2種以上が混在するものであってもよい。酸脱離性基を有する構成単位も、全て同じである必要はなく、2種以上が混在するものであってもよい。ラクトン骨格を有する構成単位も、全て同じである必要はなく、2種以上が混在するものであってもよい。すなわち、構成単位(4−1)、(4−2)、(4−3)、(4−5)、(4−6)および(4−10)は、それぞれ、全て同じである必要はなく、2種以上が混在するものであってもよい。
また、この重合体において、各構成単位は任意のシーケンスを取り得る。したがって、この重合体は、ランダム共重合体であっても、交互共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。
また、本発明は、上記式(1)中のR02が水素原子である上記レジスト用重合体に関する。
また、本発明は、上記式(1)中のZが、エステル結合している炭素原子およびシアノ基の結合した炭素原子とともに、橋かけ環式炭化水素基を構成する原子団を表す上記レジスト用重合体に関する。
また、本発明は、上記式(1)中のR02が水素原子であり、Zが、エステル結合している炭素原子およびシアノ基の結合した炭素原子とともに、橋かけ環式炭化水素基を構成する原子団を表し、pが1である上記レジスト用重合体に関する。
また、本発明は、前記環式炭化水素基が、環式テルペン炭化水素、アダマンタン環、テトラシクロドデカン環、ジシクロペンタン環およびトリシクロデカン環からなる群より選ばれる骨格を有する上記レジスト用重合体に関する。
また、本発明は、前記環式炭化水素基が、ノルボルナン環を有する上記レジスト用重合体に関する。
また、本発明は、上記式(1)で表される構成単位が、下記式(2)で表される構成単位である上記レジスト用重合体に関する。

(式(2)中、R01は水素原子またはメチル基を表す。)
なお、この重合体において、式(2)で表される構成単位は、全て同じである必要はなく、2種以上が混在するものであってもよい。
また、本発明は、上記式(1)で表される構成単位が、下記式(1−1)で表される構成単位である上記レジスト用重合体に関する。

(式(1−1)中、R01は水素原子またはメチル基を表し、R03は水素原子または炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐アルキル基を表す。A01、A02はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐アルキル基を表すか、あるいは、A01とA02とが一緒になって−O−、−S−、−NH−または炭素数1〜6のアルキレン鎖を表す。)
なお、この重合体において、式(1−1)で表される構成単位は、全て同じである必要はなく、2種以上が混在するものであってもよい。
また、本発明は、上記式(1)中のpが1であり、シアノ基が、エステル結合している炭素原子に隣接する炭素原子に結合している上記レジスト用重合体に関する。
また、本発明は、上記式(1)で表される構成単位が、下記式(1−2)で表される構成単位である上記レジスト用重合体に関する。

(式(1−2)中、R01は水素原子またはメチル基を表し、R04、R05、R06、R07はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐アルキル基を表すか、あるいは、R04、R05、R06、R07の2つが一緒になって炭素数1〜6のアルキレン鎖を表す。)
なお、この重合体において、式(1−2)で表される構成単位は、全て同じである必要はなく、2種以上が混在するものであってもよい。
また、本発明は、前記ラクトン骨格を有する構成単位が、上記式(4−1)、(4−2)、(4−3)および(4−10)からなる群より選ばれる少なくとも1種である上記レジスト用重合体に関する。
なお、この重合体において、構成単位(4−1)、(4−2)、(4−3)および(4−10)は、それぞれ、全て同じである必要はなく、2種以上が混在するものであってもよい。
また、本発明は、上記式(1)で表される構成単位の比率が合計で5〜30モル%であり、酸脱離性基を有する構成単位の比率が合計で30〜60モル%であり、ラクトン骨格を有する構成単位の比率が合計で30〜60モル%である上記レジスト用重合体に関する。
また、本発明は、前記酸脱離性基を有する構成単位が、脂環式骨格を有する上記レジスト用重合体に関する。なお、脂環式骨格を有する構成単位とは、環状の炭化水素基を1個以上有する構造を有する構成単位である。
また、本発明は、前記酸脱離性基を有する構成単位が、下記式(3−1−1)、(3−2−1)および(3−3−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種である上記レジスト用重合体に関する。

(式(3−1−1)中、R31は水素原子またはメチル基を表し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、Xは、置換基としてヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基またはアミノ基を表し、n1は0〜4の整数を表す。なお、n1が2以上の場合にはXとして複数の異なる基を有することも含む。
式(3−2−1)中、R32は水素原子またはメチル基を表し、R、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基を表し、Xは、置換基としてヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基またはアミノ基を表し、n2は0〜4の整数を表す。なお、n2が2以上の場合にはXとして複数の異なる基を有することも含む。
式(3−3−1)中、R33は水素原子またはメチル基を表し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、Xは、置換基としてヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基またはアミノ基を表し、n3は0〜4の整数を表し、qは0または1を表す。なお、n3が2以上の場合にはXとして複数の異なる基を有することも含む。)
なお、式(3−1−1)、式(3−2−1)および式(3−3−1)において、X、XおよびXで置換される位置は、環状構造のどの位置であってもよい。
なお、この重合体において、構成単位(3−1−1)、(3−2−1)および(3−3−1)は、それぞれ、全て同じである必要はなく、2種以上が混在するものであってもよい。
また、本発明は、前記酸脱離性基を有する構成単位が、下記式(3−5)で表される構成単位である上記レジスト用重合体に関する。

(式(3−5)中、R35は水素原子またはメチル基を表す。)
なお、この重合体において、構成単位(3−5)は、全て同じである必要はなく、2種以上が混在するものであってもよい。
また、本発明は、上記式(1)で表される構成単位の少なくとも1種と、上記式(3−1−1)、(3−2−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、上記式(4−1)、(4−2)、(4−3)、(4−5)、(4−6)および(4−10)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位とを含有する上記レジスト用重合体に関する。
なお、この重合体において、式(1)で表される構成単位と、式(3−1−1)、(3−2−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、式(4−1)、(4−2)、(4−3)、(4−5)、(4−6)および(4−10)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位とは、それぞれ、全て同じである必要はなく、2種以上が混在するものであってもよい。また、この重合体において、各構成単位は任意のシーケンスを取り得る。したがって、この重合体は、ランダム共重合体であっても、交互共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。
また、本発明は、上記式(1)で表される構成単位の少なくとも1種と、上記式(3−1−1)、(3−2−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、上記式(4−1)、(4−2)、(4−3)および(4−10)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位とを含有する上記レジスト用重合体に関する。
なお、この重合体において、式(1)で表される構成単位と、式(3−1−1)、(3−2−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、式(4−1)、(4−2)、(4−3)および(4−10)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位とは、それぞれ、全て同じである必要はなく、2種以上が混在するものであってもよい。また、この重合体において、各構成単位は任意のシーケンスを取り得る。したがって、この重合体は、ランダム共重合体であっても、交互共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。
また、本発明は、上記式(2)および(1−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、上記式(3−1−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、下記式(4−7)で表される構成単位の少なくとも1種とを含有する上記レジスト用重合体に関する。

(式(4−7)中、R47は水素原子またはメチル基を表す。)
なお、この重合体において、式(2)および式(1−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、式(3−1−1)、式(3−3−1)および式(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、式(4−7)で表される構成単位とは、それぞれ、全て同じである必要はなく、2種以上が混在するものであってもよい。また、この重合体において、各構成単位は任意のシーケンスを取り得る。したがって、この重合体は、ランダム共重合体であっても、交互共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。
また、本発明は、上記式(2)および(1−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位の比率が合計で5〜30モル%であり、上記式(3−1−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位の比率が合計で30〜60モル%であり、上記式(4−7)で表される構成単位の比率が合計で30〜60モル%である上記レジスト用重合体に関する。
また、本発明は、上記式(2)および(1−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、上記式(3−1−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、下記式(4−8)で表される構成単位の少なくとも1種とを含有する上記レジスト用重合体に関する。

(式(4−8)中、R48は水素原子またはメチル基を表す。)
なお、この重合体において、式(2)および式(1−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、式(3−1−1)、式(3−3−1)および式(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、式(4−8)で表される構成単位とは、それぞれ、全て同じである必要はなく、2種以上が混在するものであってもよい。また、この重合体において、各構成単位は任意のシーケンスを取り得る。したがって、この重合体は、ランダム共重合体であっても、交互共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。
また、本発明は、上記式(2)および(1−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位の比率が合計で5〜30モル%であり、上記式(3−1−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位の比率が合計で30〜60モル%であり、上記式(4−8)で表される構成単位の比率が合計で30〜60モル%である上記レジスト用重合体に関する。
また、本発明は、上記式(2)および(1−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、上記式(3−1−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、下記式(4−11)で表される構成単位の少なくとも1種とを含有する上記レジスト用重合体に関する。

(式(4−11)中、R411は水素原子またはメチル基を表す。)
なお、この重合体において、式(2)および式(1−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、式(3−1−1)、式(3−3−1)および式(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、式(4−11)で表される構成単位とは、それぞれ、全て同じである必要はなく、2種以上が混在するものであってもよい。また、この重合体において、各構成単位は任意のシーケンスを取り得る。したがって、この重合体は、ランダム共重合体であっても、交互共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。
また、本発明は、上記式(2)および(1−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位の比率が合計で5〜30モル%であり、上記式(3−1−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位の比率が合計で30〜60モル%であり、上記式(4−11)で表される構成単位の比率が合計で30〜60モル%である上記レジスト用重合体に関する。
また、本発明は、上記式(2)および(1−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、上記式(3−1−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、下記式(4−9)で表される構成単位の少なくとも1種とを含有する上記レジスト用重合体に関する。

(式(4−9)中、R49は水素原子またはメチル基を表す。)
なお、この重合体において、式(2)および式(1−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、式(3−1−1)、式(3−3−1)および式(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、式(4−9)で表される構成単位とは、それぞれ、全て同じである必要はなく、2種以上が混在するものであってもよい。また、この重合体において、各構成単位は任意のシーケンスを取り得る。したがって、この重合体は、ランダム共重合体であっても、交互共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。
また、本発明は、上記式(2)および(1−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位の比率が合計で5〜30モル%であり、上記式(3−1−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位の比率が合計で30〜60モル%であり、上記式(4−9)で表される構成単位の比率が合計で30〜60モル%である上記レジスト用重合体に関する。
また、本発明は、上記式(2)および(1−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、上記式(3−1−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、上記式(4−2)および(4−3)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位とを含有する上記レジスト用重合体に関する。
なお、この重合体において、式(2)および式(1−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、式(3−1−1)、式(3−3−1)および式(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、式(4−2)および式(4−3)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位とは、それぞれ、全て同じである必要はなく、2種以上が混在するものであってもよい。また、この重合体において、各構成単位は任意のシーケンスを取り得る。したがって、この重合体は、ランダム共重合体であっても、交互共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。
また、本発明は、上記式(2)および(1−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位の比率が合計で5〜30モル%であり、上記式(3−1−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位の比率が合計で30〜60モル%であり、上記式(4−2)および(4−3)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位の比率が合計で30〜60モル%である上記レジスト用重合体に関する。
また、本発明は、上記式(1)で表される構成単位の少なくとも1種と、上記式(3−1−1)、(3−2−1)および(3−3−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、上記式(4−7)および(4−8)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位とを含有する上記レジスト用重合体に関する。
なお、この重合体において、式(1)で表される構成単位と、式(3−1−1)、式(3−2−1)および式(3−3−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、式(4−7)および式(4−8)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位とは、それぞれ、全て同じである必要はなく、2種以上が混在するものであってもよい。また、この重合体において、各構成単位は任意のシーケンスを取り得る。したがって、この重合体は、ランダム共重合体であっても、交互共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。
また、本発明は、上記式(1)で表される構成単位の比率が合計で5〜30モル%であり、上記式(3−1−1)、(3−2−1)および(3−3−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位の比率が合計で30〜60モル%であり、上記式(4−7)および(4−8)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位の比率が合計で30〜60モル%である上記レジスト用重合体に関する。
また、本発明は、上記式(2)で表される構成単位の少なくとも1種と、上記式(3−1−1)で表される構成単位の少なくとも1種と、上記式(4−8)で表される構成単位の少なくとも1種とを含有する上記レジスト用重合体に関する。
なお、この重合体において、式(2)で表される構成単位と、式(3−1−1)で表される構成単位と、式(4−8)で表される構成単位とは、それぞれ、全て同じである必要はなく、2種以上が混在するものであってもよい。また、この重合体において、各構成単位は任意のシーケンスを取り得る。したがって、この重合体は、ランダム共重合体であっても、交互共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。
また、本発明は、上記式(2)で表される構成単位の比率が合計で5〜30モル%であり、上記式(3−1−1)で表される構成単位の比率が合計で30〜60モル%であり、上記式(4−8)で表される構成単位の比率が合計で30〜60モル%である上記レジスト用重合体に関する。
また、本発明は、さらに、下記式(3−1−2)および(3−4)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位を含有する上記レジスト用重合体に関する。

(式(3−1−2)中、R31は水素原子またはメチル基を表し、R11は水素原子を表し、Xは、置換基としてヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基、シアノ基およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基またはアミノ基を表し、n1は0〜4の整数を表す。なお、n1が2以上の場合にはXとして複数の異なる基を有することも含む。
式(3−4)中、R34は水素原子またはメチル基を表し、Xは、置換基としてヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基またはアミノ基を表し、n4は0〜4の整数を表す。なお、n4が2以上の場合にはXとして複数の異なる基を有することも含む。)
なお、式(3−1−2)および式(3−4)において、XおよびXで置換される位置は、環状構造のどの位置であってもよい。
なお、この重合体において、構成単位(3−1−2)および(3−4)は、それぞれ、全て同じである必要はなく、2種以上が混在するものであってもよい。
また、本発明は、質量平均分子量が1,000〜100,000である上記レジスト用重合体に関する。
また、本発明は、質量平均分子量が5,000〜8,000である上記レジスト用重合体に関する。
また、本発明は、さらに、連鎖移動剤に由来する構成単位を含有する上記レジスト用重合体に関する。
なお、この重合体において、連鎖移動剤に由来する構成単位は、それぞれ、全て同じである必要はなく、2種以上が混在するものであってもよい。
また、本発明は、重合することにより目的とする重合体の構成単位となる単量体を含む溶液を重合容器中に滴下しながら重合を行うことにより製造される上記レジスト用重合体に関する。
また、本発明は、上記レジスト用重合体を含有するレジスト組成物に関する。
また、本発明は、上記レジスト用重合体と、光酸発生剤とを含有する化学増幅型レジスト組成物に関する。
また、本発明は、さらに、含窒素化合物を含有する上記化学増幅型レジスト組成物に関する。
また、本発明は、上記レジスト組成物を被加工基板上に塗布する工程と、250nm以下の波長の光で露光する工程と、現像液を用いて現像する工程とを有するパターン製造方法に関する。
また、本発明は、露光に用いる光が、ArFエキシマレーザーである上記パターン製造方法に関する。
また、本発明は、上記レジスト組成物を被加工基板上に塗布する工程と、電子線で露光する工程と、現像液を用いて現像する工程とを有するパターン製造方法に関する。
本発明のレジスト用重合体は、前記式(1)で表される構成単位と、酸脱離性基を有する構成単位と、前記式(4−1)、(4−2)、(4−3)、(4−5)、(4−6)および(4−10)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される、ラクトン骨格を有する構成単位とを含有する。ここで「酸脱離性基」とは、酸の作用により分解または脱離する基のことをいう。
前記式(1)で表される構成単位としては、中でも、ノルボルナン環を有するものが好ましく、前記式(2)で表される構成単位がより好ましい。
また、ラクトン骨格を有する構成単位としては、中でも、前記式(4−1)で表される構成単位、前記(4−2)で表される構成単位、前記(4−3)で表される構成単位、前記(4−10)で表される構成単位が好ましい。
なお、前述の通り、前記式(1)で表される構成単位は、全て同じである必要はなく、2種以上が混在するものであってもよい。酸脱離性基を有する構成単位、および、ラクトン骨格を有する構成単位も、それぞれ、全て同じである必要はなく、2種以上が混在するものであってもよい。また、この重合体において、各構成単位は任意のシーケンスを取り得る。したがって、この重合体は、ランダム共重合体であっても、交互共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。
本発明のレジスト用重合体は、前記式(1)で表される、シアノ基含有環式炭化水素基を有する構成単位と、酸脱離性基を有する構成単位と、前記式(4−1)、(4−2)、(4−3)、(4−5)、(4−6)および(4−10)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される、ラクトン骨格を有する構成単位とを含有することにより、従来のレジスト用重合体と比較して、高感度、高解像度が損なわれることなく、形成されるレジストパターンの形状が良好になり、基板との密着性が向上し、ラインエッジラフネスの発生およびマイクロゲルの生成も抑制される。
また、本発明のレジスト用重合体を用いることにより、直径300mm以上の大きな基板においても基板面内で均一なレジストパターンサイズを得ることもできる。また、形成されるレジストパターンはPEB温度によってあまり変わらない、すなわち、所謂PEB温度依存性の小さいものとすることもできる。
上記のような本発明の効果を得るためには、前記式(1)で表される構成単位、酸脱離性基を有する構成単位、前記式(4−1)、(4−2)、(4−3)、(4−5)、(4−6)および(4−10)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される、ラクトン骨格を有する構成単位すべてが必須である。これらの構成単位いずれか1つでも欠くと、優れた効果を得ることはできない。
【発明を実施するための最良の形態】
1.本発明のレジスト用重合体に用いるシアノ基含有単量体
本発明のレジスト用重合体の前記式(1)で表される構成単位は、下記式(5)で表されるシアノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル誘導体に由来する。つまり、本発明のレジスト用重合体は、下記式(5)で表されるシアノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル誘導体を含むモノマー組成物を共重合して得られるものである。下記式(5)で表される(メタ)アクリル酸エステル誘導体は、1種であっても、2種以上の混合物であってもよい。

(式(5)中、R01は水素原子またはメチル基を表し、R02は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、Zは、エステル結合している炭素原子およびシアノ基の結合した炭素原子とともに、環式炭化水素基を構成する原子団を表し、pは1〜4の整数を表す。
ただし、pが2以上の場合には、シアノ基が同一の炭素原子に結合していることも、異なる炭素原子に結合していることも含む。)
なお、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸とメタクリル酸の総称である。
式(5)中、R02は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。アルキル基は、直鎖状であっても、分岐していてもよい。このようなアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などが挙げられる。R02としては、中でも、有機溶媒への溶解性の点から、水素原子またはメチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。また、重合体の安定性、取扱いの容易さの点からも、水素原子が特に好ましい。
式(5)中、Zは、エステル結合している炭素原子およびシアノ基の結合した炭素原子とともに、環式炭化水素基、好ましくは橋かけ環式炭化水素基を構成する原子団を表す。環式炭化水素基の炭素数は特に限定されないが、7〜20が好ましい。この環式炭化水素基は、シアノ基以外に、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基、アミノ基などが挙げられる。
式(5)中のZとしては、レジストに必要とされるドライエッチング耐性が高い点から、エステル結合している炭素原子およびシアノ基の結合した炭素原子とともに、橋かけ環式炭化水素基を構成する原子団であることが好ましい。
式(5)中のZとしては、例えば、ノルボルナン環などの環式テルペン炭化水素、アダマンタン環、テトラシクロドデカン環、ジシクロペンタン環、トリシクロデカン環、デカヒドロナフタレン環、ポリヒドロアントラセン環、ショウノウ環、コレステリック環等を有する原子団が挙げられる。Zとしては、レジストに必要とされるドライエッチング耐性が高い点から、ノルボルナン環などの環式テルペン炭化水素、アダマンタン環、テトラシクロドデカン環、ジシクロペンタン環またはトリシクロデカン環を有する原子団が好ましく、下記式(11−1)で表されるノルボルナン環、下記式(11−2)で表されるテトラシクロドデカン環または下記式(11−3)で表されるアダマンタン環を有する原子団がより好ましい。中でも、他の単量体との共重合性に優れる点から、ノルボルナン環を有する原子団が特に好ましい。

式(5)中、pは環式炭化水素基が有するシアノ基の数を表し、1〜4の整数である。pは、感度および解像度の点から、1または2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
pが2以上の場合、シアノ基は同一の炭素原子に結合していてもよく、異なる炭素原子に結合していてもよいが、金属表面等への密着性の点から、異なる炭素原子に結合していることが好ましい。
シアノ基の置換位置は特に限定されないが、例えば、Zがノルボルニル環の場合、5位が(メタ)アクリロイル基で置換されていれば、シアノ基の置換位置は2位および/または3位であることが好ましい。
上記式(5)で表される単量体として、具体的には、下記式(6−1)〜(6−16)で表される単量体が挙げられる。なお、式(6−1)〜(6−16)中、Rは水素原子またはメチル基を表す。

上記式(5)で表される単量体としては、中でも、ドライエッチング耐性の点から、上記式(6−1)で表される単量体、上記式(6−3)で表される単量体、上記式(6−4)で表される単量体、上記式(6−6)で表される単量体が好ましく、上記式(6−1)で表される単量体、上記式(6−4)で表される単量体、上記式(6−6)で表される単量体がより好ましく、他の単量体との共重合性に優れる点から、上記式(6−1)で表される単量体が特に好ましい。
また、本発明のレジスト用重合体の前記式(1)で表される構成単位として、前記式(1−1)で表される構成単位が挙げられる。前記式(1−1)で表される構成単位は、下記式(5−1)で表されるシアノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル誘導体に由来する。つまり、前記式(1−1)で表される構成単位を含有するレジスト用重合体は、下記式(5−1)で表されるシアノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル誘導体を含むモノマー組成物を共重合して得られるものである。下記式(5−1)で表される(メタ)アクリル酸エステル誘導体は、1種であっても、2種以上の混合物であってもよい。

(式(5−1)中、R01は水素原子またはメチル基を表し、R03は水素原子または炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐アルキル基を表す。A01、A02はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐アルキル基を表すか、あるいは、A01とA02とが一緒になって−O−、−S−、−NH−または炭素数1〜6のアルキレン鎖を表す。)
式(5−1)中、R03は水素原子または炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐アルキル基を表す。R03としては、他の単量体との共重合性に優れる点から、エチル基、メチル基、水素原子が好ましく、メチル基がより好ましい。
式(5−1)中、A01、A02はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐アルキル基を表すか、あるいは、A01とA02とが一緒になって−O−、−S−、−NH−または炭素数1〜6のアルキレン鎖を表す。AとA02としては、溶剤への溶解性に優れる点から、A01とA02とがともに水素原子であることが好ましく、ドライエッチング耐性に優れる点から、A01とA02とが一緒になって−CH−または−CH−CH−を形成していることが好ましい。
上記式(5−1)で表される単量体として、具体的には、下記式(6−17)〜(6−18)で表される単量体が挙げられる。なお、式(6−17)〜(6−18)中、Rは水素原子またはメチル基を表す。

また、本発明のレジスト用重合体の前記式(1)で表される構成単位として、式(1)中のpが1であり、シアノ基が、エステル結合している炭素原子に隣接する炭素原子に結合しているものも挙げられる。エステル結合している炭素原子と、シアノ基の結合した炭素原子との結合は、通常、単結合である。
この場合、式(1)中のZとしては、他の単量体との共重合性に優れる点から、シクロヘキサン環を有する原子団が好ましい。また、式(1)中のZとしては、レジストに必要とされるドライエッチング耐性が高い点から、橋かけ環式炭化水素基を有する原子団が好ましい。Zとしては、シクロヘキサン環を有する原子団、アダマンタン環を有する原子団、ショウノウ環を有する原子団、ノルボルナン環を有する原子団、ピナン環を有する原子団が特に好ましい。
このようなシアノ基を1つ有し、エステル結合している炭素原子に隣接する炭素原子にシアノ基が結合している前記式(1)で表される構成単位としては、前記式(1−2)で表される構成単位が好ましい。前記式(1−2)で表される構成単位は、下記式(5−2)で表されるシアノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル誘導体に由来する。つまり、前記式(1−2)で表される構成単位を含有するレジスト用重合体は、下記式(5−2)で表されるシアノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル誘導体を含むモノマー組成物を共重合して得られるものである。下記式(5−2)で表される(メタ)アクリル酸エステル誘導体は、1種であっても、2種以上の混合物であってもよい。

(式(5−2)中、R01は水素原子またはメチル基を表し、R04、R05、R06、R07はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐アルキル基を表すか、あるいは、R04、R05、R06、R07の2つが一緒になって炭素数1〜6のアルキレン鎖を表す。)
式(5−2)中、R04、R05、R06、R07はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐アルキル基を表すか、あるいは、R04、R05、R06、R07の2つが一緒になって炭素数1〜6のアルキレン鎖を表す。R04、R05、R06、R07としては、他の単量体との共重合性に優れる点から、R04、R05、R06、R07は全て水素原子であることが好ましい。また、R04、R05、R06、R07としては、ドライエッチング耐性に優れる点から、R04とR07とが一緒になって−CH−または−CH−CH−を形成していることが好ましい。
上記式(5−2)で表される単量体として、具体的には、下記式(6−19)〜(6−20)で表される単量体が挙げられる。なお、式(6−19)〜(6−20)中、Rは水素原子またはメチル基を表す。

このような上記式(5)で表されるシアノ基含有(メタ)アクリル酸エステル誘導体は、例えば、下記の工程(I)あるいは(II)にて製造することができる。下記の工程(I)は、上記式(6−1)で表される単量体の製造工程を、下記の工程(II)は、上記式(6−17)で表される単量体の製造工程を示しているが、その他の上記式(5)で表される単量体も同様にして製造することができる。

原料である(メタ)アクリロニトリル、シクロペンタジエン、2−メトキシブタジエン、(メタ)アクリル酸およびその誘導体などは公知の方法で製造することができ、また、市販品を使用することもできる。
(メタ)アクリロニトリルとシクロペンタジエンあるいは2−メトキシブタジエンとの環化付加反応は、公知の方法にて容易に進行するが、必要に応じてルイス酸などの触媒を使用し、無溶媒またはメタノールなどの溶媒中で行うことが好ましい。
アクリル酸あるいはメタクリル酸の不飽和結合への付加反応は、好ましくは酸触媒を使用し、無溶媒またはトルエンなどの溶媒中で、過剰のアクリル酸あるいはメタクリル酸を使用して行うことが好ましい。この付加反応において使用される酸触媒は特に限定されないが、塩酸、硫酸、硝酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸などが挙げられる。酸触媒としては、中でも、反応速度の点から、硫酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸が好ましく、トリフルオロメタンスルホン酸がより好ましい。
上記反応の生成物は、いくつかの構造異性体、幾何異性体、光学異性体を含む場合があるが、本発明においては、2種以上の異性体の混合物を用いてもよいし、精製していずれかの異性体を単独で用いてもよい。本発明においては、異性体の混合物のまま重合反応に使用することができる。また、反応中間体を含んでいてもそのまま重合反応に使用することができる。上記反応の生成物は、必要に応じて、単蒸留、薄膜蒸留、再結晶あるいはカラムクロマトグラフィーなどによって精製してもよい。
また、上記式(5−2)で表されるシアノ基含有(メタ)アクリル酸エステル誘導体は、例えば、下記の工程(III)にて製造することができる。下記の工程(III)は、上記式(6−19)で表される単量体の製造工程を示しているが、その他の上記式(5−2)で表される単量体も同様にして製造することができる。なお、式(III)中、Rは水素原子またはメチル基を表す。

原料であるシクロヘキセンオキシドなどのエポキシドは公知の方法で製造することができ、また、市販品を使用することもできる。
本製造方法においては、まず、エポキシドとシアノ化剤とを反応させてβ−シアノヒドリンを合成する。このシアノ化反応において使用されるシアノ化剤としては、シアン化水素、シアン化ナトリウム、シアン化カリウム、トリメチルシリルシアン、アセトンシアンヒドリンなどが挙げられる。シアノ化剤としては、中でも、安全性の点から、シアン化ナトリウム、シアン化カリウム、トリメチルシリルシアンが好ましく、また、安価である点から、シアン化水素、シアン化ナトリウム、シアン化カリウムが好ましい。また、このシアノ化反応は、酸性条件下でも、アルカリ性条件下でも進行する。本製造方法においては、反応速度の点から、シアノ化剤としてシアン化カリウムを使用し、アルカリ性条件下でシアノ化反応を行うことが好ましい。
得られたβ−シアノヒドリンは、蒸留、カラムクロマトグラフィーなどの公知の方法によって精製してもよいし、精製せずにそのまま次の反応に用いることもできる。
次に、β−シアノヒドリンを(メタ)アクリル酸エステル化する。β−シアノヒドリンの(メタ)アクリル酸エステル化反応は、エステル化、エステル交換などの公知の方法によって行うことができる。この(メタ)アクリル酸エステル化反応において使用されるエステル化剤としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸塩化物、(メタ)アクリル酸無水物、(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。エステル化剤としては、中でも、反応速度の点から、(メタ)アクリル酸塩化物、(メタ)アクリル酸無水物が好ましい。また、この(メタ)アクリル酸エステル化反応では、必要に応じて、ルイス酸などの触媒を使用してもよい。
上記反応の生成物は、いくつかの構造異性体、幾何異性体、光学異性体を含む場合があるが、本発明においては、2種以上の異性体の混合物を用いてもよいし、精製していずれかの異性体を単独で用いてもよい。本発明においては、異性体の混合物のまま重合反応に使用することができる。また、反応中間体を含んでいてもそのまま重合反応に使用することができる。上記反応の生成物は、必要に応じて、蒸留、カラムクロマトグラフィーなどの公知の方法によって精製してもよい。
また、上記式(6−18)で表されるシアノ基含有(メタ)アクリル酸エステル誘導体は、例えば、下記の工程(IV)にて製造することができる。

原料であるシアノノルボルネンは、上記の工程(I)と同様の方法で製造することができる。
本製造方法においては、まず、シアノノルボルネンのエポキシ化反応を行う。このシアノノルボルネンのエポキシ化反応では、一般に、シアノノルボルネンと酸化剤とを反応させる。使用される酸化剤としては、過酸化水素、過酢酸、過安息香酸、m−クロロ過安息香酸などが挙げられる。酸化剤としては、中でも、取り扱いが容易である点から、過酸化水素が好ましく、また、反応性に優れる点から、m−クロロ過安息香酸が好ましい。
次に、エポキシドの開環反応を行う。このエポキシドの開環反応は、一般に、酸性条件下または塩基性条件下で行われる。また、必要に応じてルイス酸などの触媒を使用してもよい。本製造方法においては、反応性に優れる点から、塩基性条件下で、メタノールまたは金属メトキシドを付加させる(反応させる)方法が好ましい。
得られた化合物は、蒸留、カラムクロマトグラフィーなどの公知の方法によって精製してもよいし、精製せずにそのまま次の反応に用いることもできる。
次の(メタ)アクリル酸エステル化反応は、前記の方法、すなわちβ−シアノヒドリンの(メタ)アクリル酸エステル化反応と同様の方法などによって行うことができる。
上記反応の生成物は、いくつかの構造異性体、幾何異性体、光学異性体を含む場合があるが、本発明においては、2種以上の異性体の混合物を用いてもよいし、精製していずれかの異性体を単独で用いてもよい。本発明においては、異性体の混合物のまま重合反応に使用することができる。また、反応中間体を含んでいてもそのまま重合反応に使用することができる。上記反応の生成物は、必要に応じて、蒸留、カラムクロマトグラフィーなどの公知の方法によって精製してもよい。
2.本発明のレジスト用重合体
本発明のレジスト用重合体は、上記式(5)で表されるシアノ基含有(メタ)アクリル酸エステル誘導体1種以上と、酸脱離性基を有する単量体1種以上と、ラクトン骨格を有する単量体1種以上とを含むモノマー組成物を共重合して得られるものであり、上記式(1)で表される構成単位と、酸脱離性基を有する構成単位と、ラクトン骨格を有する構成単位とを含有する。
また、好ましい本発明のレジスト用重合体は、上記式(6−1)および/または(6−17)で表されるシアノ基含有(メタ)アクリル酸エステル誘導体1種以上と、酸脱離性基を有する単量体1種以上と、ラクトン骨格を有する単量体1種以上とを含むモノマー組成物を共重合して得られるものであり、特に好ましい本発明のレジスト用重合体は、上記式(6−1)で表されるシアノ基含有(メタ)アクリル酸エステル誘導体1種以上と、酸脱離性基を有する単量体1種以上と、ラクトン骨格を有する単量体1種以上とを含むモノマー組成物を共重合して得られるものであり、上記式(2)で表される構成単位と、酸脱離性基を有する構成単位と、ラクトン骨格を有する構成単位とを含有する。
なお、本発明のレジスト用重合体は、上記式(2)で表される構成単位以外の上記式(1)で表される構成単位1種以上と、上記式(2)で表される構成単位1種以上とを含有していてもよい。
また、本発明のレジスト用重合体において、各構成単位は任意のシーケンスを取り得る。したがって、この重合体は、ランダム共重合体であっても、交互共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。
本発明のレジスト用重合体中の上記式(1)で表される構成単位(上記式(2)で表される構成単位および上記式(1−1)で表される構成単位も含む)の比率は、レジストパターン形状が良好である点から、合計で、5モル%以上が好ましく、10モル%以上がより好ましい。また、本発明のレジスト用重合体中の上記式(1)で表される構成単位(上記式(2)で表される構成単位および上記式(1−1)で表される構成単位も含む)の比率は、感度および解像度の点から、合計で、30モル%以下が好ましく、25モル%以下がより好ましい。
本発明のレジスト用重合体中の酸脱離性基を有する構成単位の比率は、感度および解像度の点から、合計で、30モル%以上が好ましく、35モル%以上がより好ましい。また、本発明のレジスト用重合体中の酸脱離性基を有する構成単位の比率は、金属表面等への密着性の点から、合計で、60モル%以下が好ましく、50モル%以下がより好ましい。
本発明のレジスト用重合体中のラクトン骨格を有する構成単位の比率は、金属表面等への密着性の点から、合計で、30モル%以上が好ましく、35モル%以上がより好ましい。また、本発明のレジスト用重合体中のラクトン骨格を有する構成単位の比率は、感度および解像度の点から、合計で、60モル%以下が好ましく、50モル%以下がより好ましい。
酸脱離性基を有する構成単位について説明する。
酸脱離性基は、酸の作用により分解または脱離する基であれば特に限定されず、例えば、下記式(12−1)〜(12−9)で表される基が挙げられる。

(式(12−1)中、R101は炭素数4〜20の三級アルキル基を表し、sは0〜10の整数を表す。
式(12−2)中、R102、R103はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜18の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基を表し、R104は炭素数1〜20のヘテロ原子を含んでもよい一価の炭化水素基を表すか、あるいは、R102とR103、R102とR104、または、R103とR104はそれらが結合している炭素原子とともに環状の炭化水素基を表す。
式(12−3)中、R105、R106、R107はそれぞれ独立に炭素数1〜18の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基を表すか、あるいは、R105とR106、R105とR107、または、R106とR107はそれらが結合している炭素原子とともに環状の炭化水素基を表す。
式(12−4)中、R108、R109、R110はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表す。あるいは、R108とR109、R108とR110、または、R109とR110はそれらが結合している炭素原子とともに環状の炭化水素基を表す。ただし、R108、R109、R110のうち、少なくとも2つは水素以外の基を表す。A101は単環もしくは多環の置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基を表す。
式(12−5)中、R111、R112はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表し、R113はアルキル基またはアリール基を表す。あるいは、R111とR112、R111とR113、または、R112とR113はそれらが結合している炭素原子、酸素原子とともに環状の炭化水素基または脂肪族複素環を表す。ただし、R111、R112、R113のうち、少なくとも2つは水素以外の基を表す。A102は単環もしくは多環の置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基を表す。
式(12−6)中、R114、R115、R116はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表す。あるいは、R114とR115、R114とR116、または、R115とR116はそれらが結合しているケイ素原子とともに脂肪族複素環を表す。ただし、R114、R115、R116のうち、少なくとも2つは水素以外の基を表す。A103は単環もしくは多環の置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基を表す。
式(12−7)中、R117、R118、R119はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表す。あるいは、R117とR118、R117とR119、または、R118とR119はそれらが結合している炭素原子とともに環状の炭化水素基を表す。ただし、R117、R118、R119のうち、少なくとも2つは水素以外の基を表す。A104は単環もしくは多環の置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基を表す。
式(12−8)中、R120、R121はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表し、R122はアルキル基またはアリール基を表す。あるいは、R120とR121、R120とR122、または、R121とR122はそれらが結合している炭素原子、酸素原子とともに環状の炭化水素基または脂肪族複素環を表す。ただし、R120、R121、R122のうち、少なくとも2つは水素以外の基を表す。A105は単環もしくは多環の置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基を表す。
式(12−9)中、R123、R124、R125はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表す。あるいは、R123とR124、R123とR125、または、R124とR125はそれらが結合しているケイ素原子とともに脂肪族複素環を表す。ただし、R123、R124、R125のうち、少なくとも2つは水素以外の基を表す。A106は単環もしくは多環の置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基を表す。)
式(12−1)中、R101は炭素数4〜20、好ましくは炭素数4〜15の三級アルキル基を表し、sは0〜10の整数である。
式(12−1)で表される基として、具体的には、tert−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニルメチル基、tert−アミロキシカルボニル基、tert−アミロキシカルボニルメチル基、1,1−ジエチルプロピルオキシカルボニル基、1,1−ジエチルプロピルオキシカルボニルメチル基、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニル基、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニルメチル基、1−エチル−2−シクロペンテニルオキシカルボニル基、1−エチル−2−シクロペンテニルオキシカルボニルメチル基、1−エトキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロフラニルオキシカルボニルメチル基などが挙げられる。
式(12−2)中、R102、R103は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基を表す。このようなアルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−エチルシクロヘキシル基、n−オクチル基などが挙げられる。
式(12−2)中、R104は炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10の酸素原子等のヘテロ原子を含んでもよい一価の炭化水素基を表す。R104としては、直鎖状、分岐状または環状のアルキル基、これらの水素原子の一部が水酸基、アルコキシ基、オキソ基、アミノ基、アルキルアミノ基などに置換されたものが挙げられる。
また、R102とR103、R102とR104、R103とR104は互いに結合して環を形成していてもよく、この場合には、R102、R103、R104は炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10の酸素原子等のヘテロ原子を含んでもよいアルキレン基である。
式(12−2)で表される基として、具体的には、テトラヒドロフラン−2−イル基、2−メチルテトラヒドロフラン−2−イル基、テトラヒドロピラン−2−イル基、2−メチルテトラヒドロピラン−2−イル基や、下記に示す基などが挙げられる。

式(12−2)で表される基としては、中でも、エトキシエチル基、ブトキシエチル基、エトキシプロピル基が好ましい。
式(12−3)中、R105、R106、R107は、それぞれ独立に、炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基を表す。このようなアルキル基としては、式(12−2)中のR102、R103と同様のものが挙げられる。
また、R105とR106、R105とR107、R106とR107は互いに結合して環を形成していてもよい。
式(12−3)で表される基として、具体的には、tert−ブチル基、tert−アミル基、トリエチルカルビル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロペンチル基、1−エチルノルボルニル基、2−(2−メチル)アダマンチル基、2−(2−エチル)アダマンチル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−イソプロピル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−シクロヘキシル−イソプロピル基などが挙げられる。また、下記式(13−1)〜(13−17)で表される基なども挙げられる。

(式中、R24、R251、R252はそれぞれ独立に炭素数1〜6の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基を表す。R26、R27はそれぞれ独立に水素原子、ヘテロ原子を含んでもよい一価の炭化水素基またはヘテロ原子を介してもよい一価の炭化水素基を表す。この場合、ヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子などが挙げられ、−OH、−OR28、−O−、−S−、−S(=O)−、−NH、−NHR28、−N(R28、−NH−、−NR28−などの形態で含有または介在することができる。R28は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基を表す。)
24、R251、R252として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
26、R27としては、水素原子の他には、直鎖状、分岐状または環状のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基などが挙げられ、具体的には、メチル基、ヒドロキシメチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、メトキシ基、メトキシメトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基などが挙げられる。
式(12−4)中、R108、R109、R110は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表す。
アルキル基は、直鎖状であっても、分岐状であってもよい。アルキル基の炭素数は特に限定されないが、1〜18が好ましく、1〜10がより好ましい。また、シクロアルキル基の炭素数は特に限定されないが、1〜18が好ましく、1〜10がより好ましい。このようなアルキル基、シクロアルキル基としては、式(12−3)中のR105、R106、R107と同様のものが挙げられる。
アルケニル基の炭素数は特に限定されないが、2〜4が好ましい。このようなアルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、アリル基、ブテニル基などが挙げられる。
アリール基の炭素数は特に限定されないが、6〜14が好ましい。このようなアリール基としては、フェニル基、キシリル基、トルイル基、クメニル基、ナフチル基、アントラセニル基などが挙げられる。
また、R108とR109、R108とR110、R109とR110は互いに結合して環を形成していてもよい。このような環を形成した基としては、式(12−3)中のR105とR106、R105とR107、R106とR107と同様のものが挙げられる。
式(12−4)中、A101は単環もしくは多環の置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基を表す。この2価の芳香族炭化水素基の炭素数は特に限定されないが、6〜14が好ましい。このような2価の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、キシリル基、トルイル基、クメニル基、ナフチル基、アントラセニル基などが挙げられる。また、置換基としては、水酸基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ニトロ基、シアノ基、メチル基・エチル基・プロピル基・イソプロピル基・n−ブチル基・sec−ブチル基・n−ペンチル基・n−ヘキシル基・シクロプロピル基・シクロプロピルメチル基・シクロブチル基・シクロペンチル基・シクロヘキシル基等のアルキル基、メトキシ基・エトキシ基・ヒドロキシエトキシ基・プロポキシ基・ヒドロキシプロポキシ基・n−ブトキシ基・イソブトキシ基・sec−ブトキシ基・t−ブトキシ基等のアルコキシ基、メトキシカルボニル基・エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、ベンジル基・フェネチル基・クミル基等のアラルキル基、アラルキルオキシ基、ホルミル基・アセチル基・ブチリル基・ベンゾイル基・シアナミル基・バレリル基等のアシル基、ブチリルオキシ基等のアシロキシ基、上記のアルケニル基、ビニルオキシ基・プロペニルオキシ基・アリルオキシ基・ブテニルオキシ基等のアルケニルオキシ基、上記のアリール基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアリールオキシカルボニル基などが挙げられる。
式(12−5)中、R111、R112は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表す。式(12−5)中、R111、R112は、式(12−4)中のR108、R109、R110と同様のものであり、好ましいものも同様である。
式(12−5)中、R113はアルキル基またはアリール基を表す。
アルキル基は、直鎖状であっても、分岐状であってもよい。アルキル基の炭素数は特に限定されないが、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましい。このようなアルキル基としては、式(12−2)中のR102、R103と同様のものが挙げられる。
アリール基の炭素数は特に限定されないが、6〜14が好ましい。このようなアリール基としては、フェニル基、キシリル基、トルイル基、クメニル基、ナフチル基、アントラセニル基などが挙げられる。
また、R111とR112、R111とR113、R112とR113は互いに結合して環を形成していてもよく、この場合には、R111、R112、R113は、好ましくは炭素数1〜18、より好ましくは炭素数1〜10の酸素原子等のヘテロ原子を含んでもよいアルキレン基である。このような環を形成した基としては、式(12−2)中のR102とR103、R102とR104、R103とR104と同様のものが挙げられる。
式(12−5)中、A102は単環もしくは多環の置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基を表す。式(12−5)中、A102は、式(12−4)中のA101と同様のものであり、好ましいものも同様である。
式(12−6)中、R114、R115、R116は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表す。式(12−6)中、R114、R115、R116は、式(12−4)中のR108、R109、R110と同様のものであり、好ましいものも同様である。
式(12−6)中、A103は単環もしくは多環の置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基を表す。式(12−6)中、A103は、式(12−4)中のA101と同様のものであり、好ましいものも同様である。
式(12−7)中、R117、R118、R119は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表す。式(12−7)中、A104は単環もしくは多環の置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基を表す。式(12−7)中、R117、R118、R119、A104は、それぞれ、式(12−4)中のR108、R109、R110、A101と同様のものであり、好ましいものも同様である。
式(12−8)中、R120、R121は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表す。式(12−8)中、R122はアルキル基またはアリール基を表す。式(12−8)中、A105は単環もしくは多環の置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基を表す。式(12−8)中、R120、R121、R122、A105は、それぞれ、式(12−5)中のR111、R112、R113、A102と同様のものであり、好ましいものも同様である。
式(12−9)中、R123、R124、R125は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表す。式(12−9)中、A106は単環もしくは多環の置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基を表す。式(12−9)中、R123、R124、R125、A106は、それぞれ、式(12−6)中のR114、R115、R116、A103と同様のものであり、好ましいものも同様である。
酸脱離性基は、レジストに必要とされるドライエッチング耐性が高い点から、脂環式骨格を有することが好ましく、具体的には、式(12−3)で表される基として例示した上記式(13−1)〜(13−17)で表される基が好ましい。
酸脱離性基を有する好ましい構成単位としては、例えば、下記式(7−1)〜(7−4)で表される構成単位が挙げられる。

(式(7−1)〜(7−4)中、R81〜R84は、それぞれ、水素原子またはメチル基を表す。)
これらの中では、レジストに必要とされるドライエッチング耐性が高い点から、上記式(7−3)で表される構成単位、上記式(7−4)で表される構成単位がより好ましい。
上記式(7−1)〜(7−4)で表される構成単位は、それぞれ、下記式(8−1)〜(8−4)で表される単量体を共重合することによって得られる。

(式(8−1)〜(8−4)中、R81〜R84は、それぞれ、水素原子またはメチル基を表す。)
酸脱離性基を有する構成単位としては、レジストに必要とされるドライエッチング耐性が高い点から、脂環式骨格を有する構成単位であることが好ましい。脂環式骨格を有する構成単位とは、環状の炭化水素基を1個以上有する構造を有する構成単位である。このような構成単位は、通常、環状の炭化水素基が酸の作用により脱離する基である。
酸脱離性基を有する構成単位としては、レジストに必要とされるドライエッチング耐性が高い点から、前記式(3−1−1)で表される構成単位、前記式(3−2−1)で表される構成単位、前記式(3−3−1)で表される構成単位が特に好ましい。
式(3−1−1)中のRとしては、感度および解像度の点から、メチル基、エチル基、イソプロピル基が好ましい。
式(3−1−1)中のn1は、ドライエッチング耐性が高い点から、0であることが好ましい。
式(3−2−1)中のR、Rとしては、感度および解像度の点から、メチル基、エチル基、イソプロピル基が好ましい。
式(3−2−1)中のn2は、ドライエッチング耐性が高い点から、0であることが好ましい。
式(3−3−1)中のRとしては、感度および解像度の点から、メチル基、エチル基、イソプロピル基が好ましい。
式(3−3−1)中のn3は、ドライエッチング耐性が高い点から、0であることが好ましい。
式(3−3−1)中のqは、ドライエッチング耐性が高い点から、1であることが好ましい。
酸脱離性基を有する構成単位を重合体に導入するためには、酸脱離性基を有する単量体を共重合すればよい。酸脱離性基を有する単量体は、1種、あるいは、必要に応じて2種以上を組み合わせて使用することができる。
酸脱離性基を有する単量体として、具体的には、下記式(9−1)〜(9−18)、(9−23)で表される単量体が挙げられる。式(9−1)〜(9−18)、(9−23)中、Rは水素原子またはメチル基を表す。

酸脱離性基を有する単量体としては、中でも、感度および解像度の点から、上記式(9−1)で表される単量体、上記式(9−2)で表される単量体、上記式(9−5)で表される単量体、上記式(9−16)で表される単量体、上記式(9−23)で表される単量体あるいはこの幾何異性体、および、これらの光学異性体がより好ましく、上記式(9−1)で表される単量体、上記式(9−2)で表される単量体が特に好ましい。なお、上記式(9−23)で表される単量体は、脂環式骨格を有する構成単位ではないが、高い感度および解像度が得られる点から好ましい。
また、酸脱離性基を有する構成単位としては、下記に示すものも挙げられる。

(式中、R80は酸脱離性基を表す。)
ラクトン骨格を有する構成単位について説明する。
ラクトン骨格を有する構成単位が酸により脱離する保護基を有している場合、より優れた感度を有する。また、ラクトン骨格を有する構成単位が高い炭素密度、つまり構成単位中の全原子数に対する炭素原子数の割合が高い場合、より優れたドライエッチング耐性を有する。
本発明において、ラクトン骨格を有する構成単位は、上記式(4−1)、(4−2)、(4−3)、(4−5)、(4−6)および(4−10)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位である。その他のラクトン骨格を有する構成単位は含有しないことが好ましい。
ラクトン骨格を有する構成単位としては、感度あるいはドライエッチング耐性の点から、前記式(4−1)で表される構成単位、前記式(4−2)で表される構成単位、前記式(4−3)で表される構成単位、前記式(4−5)で表される構成単位、前記式(4−6)で表される構成単位、前記式(4−10)で表される構成単位が好ましい。
式(4−1)中のn5は、ドライエッチング耐性が高い点から、0であることが好ましい。
式(4−1)中のmは、感度および解像度の点から、1であることが好ましい。
式(4−2)中のA、Aとしては、有機溶媒への溶解性が高い点から、−O−が好ましい。
式(4−2)中のR201、R202としては、有機溶媒への溶解性が高い点から、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基が好ましい。
式(4−2)中のn6は、ドライエッチング耐性が高い点から、0であることが好ましい。
式(4−3)中のA、Aとしては、ドライエッチング耐性が高い点から、−CH−が好ましく、有機溶媒への溶解性が高い点から、−O−が好ましい。
式(4−3)中のR203、R204としては、有機溶媒への溶解性が高い点から、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基が好ましい。
式(4−3)中のn7は、ドライエッチング耐性が高い点から、0であることが好ましい。
式(4−5)中のR、Rとしては、感度および解像度の点から、メチル基、エチル基、イソプロピル基が好ましい。
式(4−5)中のR52、R62、R72としては、有機溶媒への溶解性が高い点から、水素原子が好ましい。
式(4−5)中のY12、Y22、Y32としては、金属表面等への密着性が高い点から、一つが−CO−O−であり、残りの二つが−CH−であることが好ましい。
式(4−5)中のn9は、ドライエッチング耐性が高い点から、0であることが好ましい。
式(4−6)中のR10としては、感度および解像度の点から、メチル基、エチル基、イソプロピル基が好ましい。
式(4−6)中のR53、R63、R73としては、有機溶媒への溶解性が高い点から、水素原子が好ましい。
式(4−6)中のY13、Y23、Y33としては、金属表面等への密着性が高い点から、一つが−CO−O−であり、残りの二つが−CH−であることが好ましい。
式(4−6)中のn10は、ドライエッチング耐性が高い点から、0であることが好ましい。
式(4−10)中、R91、R92、R93、R94としては、有機溶媒への溶解性が高い点から、水素原子、メチル基が好ましい。
式(4−10)中のm1は、感度および解像度の点から、1であることが好ましい。
ラクトン骨格を有する構成単位としては、中でも、有機溶媒への溶解性が高く、安価である点から、前記式(4−1)で表される構成単位、前記(4−2)で表される構成単位、前記(4−3)で表される構成単位、前記(4−10)で表される構成単位が好ましい。高い感度が得られ、安価である点からは、前記式(4−1)で表される構成単位が特に好ましい。ドライエッチング耐性が高い点からは、前記(4−2)で表される構成単位、前記(4−3)で表される構成単位が特に好ましい。熱安定性に優れ、安価である点からは、前記式(4−10)で表される構成単位が特に好ましい。
ラクトン骨格を有する構成単位を重合体に導入するためには、ラクトン骨格を有する単量体を共重合すればよい。ラクトン骨格を有する単量体は、1種、あるいは、必要に応じて2種以上を組み合わせて使用することができる。
ラクトン骨格を有する単量体としては、例えば、δ−バレロラクトン環を有する(メタ)アクリル酸誘導体、γ−ブチロラクトン環を有する(メタ)アクリル酸誘導体、多環式ラクトンを有する(メタ)アクリル酸誘導体、および、これらの化合物のラクトン環上に置換基を有する誘導体が挙げられる。
ラクトン骨格を有する単量体として、具体的には、下記式(10−1)〜(10−20)、(10−22)〜(10−24)、(10−41)で表される単量体が挙げられる。式(10−1)〜(10−20)、(10−22)〜(10−24)、(10−41)中、Rは水素原子またはメチル基を表す。

ラクトン骨格を有する単量体としては、中でも、感度の点から、上記式(10−1)で表される単量体、上記式(10−2)で表される単量体、上記式(10−41)で表される単量体、および、その光学異性体がより好ましく、ドライエッチング耐性の点から、上記式(10−6)で表される単量体、上記式(10−10)で表される単量体、上記式(10−14)で表される単量体、上記式(10−18)で表される単量体、および、これらの幾何異性体、光学異性体がより好ましく、レジスト溶媒への溶解性の点から、上記式(10−7)で表される単量体、上記式(10−11)で表される単量体、上記式(10−15)で表される単量体、上記式(10−19)で表される単量体、および、これらの幾何異性体、光学異性体がより好ましい。
さらに、ラクトン骨格を有する単量体として、下記式(10−25)〜(10−40)、(10−44)〜(10−50)で表される単量体も挙げられる。式(10−25)〜(10−40)、(10−44)〜(10−50)中、Rは水素原子またはメチル基を表す。



これらの中でも、有機溶媒への溶解性が高い点から、上記式(10−25)で表される単量体、および、その幾何異性体、光学異性体が好ましい。
さらに、ラクトン骨格を有する単量体として、下記式(10−51)〜(10−60)で表される単量体も挙げられる。

これらの中でも、有機溶媒への溶解性が高い点から、上記式(10−55)で表される単量体、上記式(10−56)で表される単量体、上記式(10−57)で表される単量体、および、上記式(10−58)で表される単量体が好ましく、上記式(10−58)で表される単量体がより好ましい。
本発明のレジスト用重合体は、さらに、上記以外の構成単位を含有していてもよい。すなわち、本発明のレジスト用重合体は、上記式(5)で表されるシアノ基含有(メタ)アクリル酸エステル誘導体、酸脱離性基を有する単量体、および、上記式(4−1)、(4−2)、(4−3)、(4−5)、(4−6)および(4−10)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表されるラクトン骨格を有する単量体以外の共重合可能な他の単量体を共重合したものであってもよい。
本発明のレジスト用重合体は、例えば、酸脱離性基を有しない、脂環式骨格を有する構成単位を含有することができる。脂環式骨格を有する構成単位とは、環状の炭化水素基を1個以上有する構造を有する構成単位である。この脂環式骨格を有する構成単位は、1種としても、2種以上としてもよい。
脂環式骨格を有する構成単位を含有するレジスト用重合体は、ドライエッチング耐性に優れている。さらには、これらの構成単位が水酸基を有している場合、より優れたレジストパターン形状が得られる。
脂環式骨格を有する構成単位としては、レジストに必要とされるドライエッチング耐性が高い点から、下記式(3−1−2)で表される構成単位、下記式(3−4)で表される構成単位が好ましい。

(式(3−1−2)中、R31は水素原子またはメチル基を表し、R11は水素原子を表し、Xは、置換基としてヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基、シアノ基およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基またはアミノ基を表し、n1は0〜4の整数を表す。なお、n1が2以上の場合にはXとして複数の異なる基を有することも含む。
式(3−4)中、R34は水素原子またはメチル基を表し、Xは、置換基としてヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基またはアミノ基を表し、n4は0〜4の整数を表す。なお、n4が2以上の場合にはXとして複数の異なる基を有することも含む。)
なお、式(3−1−2)および式(3−4)において、XおよびXで置換される位置は、環状構造のどの位置であってもよい。
式(3−1−2)中のn1は、ドライエッチング耐性が高い点から、0であることが好ましく、レジストパターン形状が良好である点から、1であることが好ましい。
n1が1以上の場合、Xとしては、レジストパターン形状が良好である点から、ヒドロキシ基であることが好ましい。
式(3−4)中のn4は、ドライエッチング耐性が高い点から、0であることが好ましく、レジストパターン形状が良好である点から、1であることが好ましい。
n4が1以上の場合、Xとしては、レジストパターン形状が良好である点から、ヒドロキシ基であることが好ましい。
脂環式骨格を有する構成単位を重合体に導入するためには、脂環式骨格を有する単量体を共重合すればよい。脂環式骨格を有する単量体は、1種、あるいは、必要に応じて2種以上を組み合わせて使用することができる。
脂環式骨格を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタジエニル、および、これらの化合物の環式炭化水素基上に置換基を有する誘導体が好ましい。
脂環式骨格を有する単量体として、具体的には、下記式(9−19)〜(9−22)で表される単量体が挙げられる。式(9−19)〜(9−22)中、Rは水素原子またはメチル基を表す。

また、それ以外の共重合可能な他の単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸n−プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸i−プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸n−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸i−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸t−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−n−プロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシ−n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸1−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸2,2,3,3−テトラフルオロ−n−プロピル、(メタ)アクリル酸2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル、α−(トリ)フルオロメチルアクリル酸メチル、α−(トリ)フルオロメチルアクリル酸エチル、α−(トリ)フルオロメチルアクリル酸2−エチルヘキシル、α−(トリ)フルオロメチルアクリル酸n−プロピル、α−(トリ)フルオロメチルアクリル酸i−プロピル、α−(トリ)フルオロメチルアクリル酸n−ブチル、α−(トリ)フルオロメチルアクリル酸i−ブチル、α−(トリ)フルオロメチルアクリル酸t−ブチル、α−(トリ)フルオロメチルアクリル酸メトキシメチル、α−(トリ)フルオロメチルアクリル酸エトキシエチル、α−(トリ)フルオロメチルアクリル酸n−プロポキシエチル、α−(トリ)フルオロメチルアクリル酸i−プロポキシエチル、α−(トリ)フルオロメチルアクリル酸n−ブトキシエチル、α−(トリ)フルオロメチルアクリル酸i−ブトキシエチル、α−(トリ)フルオロメチルアクリル酸t−ブトキシエチル等の直鎖または分岐構造を持つ(メタ)アクリル酸エステル;
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−ヒドロキシスチレン、p−t−ブトキシカルボニルヒドロキシスチレン、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシスチレン、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシスチレン、p−t−ペルフルオロブチルスチレン、p−(2−ヒドロキシ−i−プロピル)スチレン等の芳香族アルケニル化合物;
アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸およびカルボン酸無水物;
エチレン、プロピレン、ノルボルネン、テトラフルオロエチレン、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、塩化ビニル、エチレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ビニルピロリドン等
が挙げられる。これらの単量体は、必要に応じて1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
他の単量体は、本発明の効果を大きく損なわない範囲内で用いることができる。通常、他の単量体は、単量体成分全体に対して20モル%以下の範囲で用いることが好ましい。
本発明のレジスト用重合体において、上記式(1)で表される構成単位としては上記式(2)および上記式(1−1)で表される構成単位からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、酸脱離性基を有する構成単位としては上記式(3−1−1)、上記式(3−3−1)および上記式(3−5)で表される構成単位からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、ラクトン骨格を有する構成単位としては上記式(4−2)、上記式(4−3)、下記式(4−7)、下記式(4−8)、下記式(4−9)および下記式(4−11)で表される構成単位からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
本発明のレジスト用重合体としては、中でも、レジストパターン形状、ラインエッジラフネスおよびマイクロゲルの抑制、感度、解像度および金属表面等への密着性、有機溶剤への溶解性が高い点から、上記式(2)および(1−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、上記式(3−1−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、下記式(4−7)で表される構成単位の少なくとも1種とを含有する重合体が好ましい。

(式(4−7)中、R47は水素原子またはメチル基を表す。)
なお、この重合体において、式(2)および(1−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、式(3−1−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、式(4−7)で表される構成単位とは、それぞれ、全て同じである必要はなく、上記のような一般式で示されるものであれば2種以上が混在するものであってもよい。また、この重合体において、各構成単位は任意のシーケンスを取り得る。したがって、この重合体は、ランダム共重合体であっても、交互共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。
重合体中の上記式(2)および(1−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位の比率は、レジストパターン形状、ラインエッジラフネスおよびマイクロゲル抑制の点から、合計で5〜30モル%が好ましい。また、重合体中の上記式(3−1−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位の比率は、感度および解像度の点から、合計で30〜60モル%が好ましい。また、重合体中の上記式(4−7)で表される構成単位の比率は、金属表面等への密着性および有機溶剤への溶解性が高い点から、合計で30〜60モル%が好ましい。
また、本発明のレジスト用重合体としては、中でも、レジストパターン形状、ラインエッジラフネスおよびマイクロゲルの抑制、感度、解像度および金属表面等への密着性、有機溶剤への溶解性が高い点から、上記式(2)および(1−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、上記式(3−1−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、下記式(4−8)で表される構成単位の少なくとも1種とを含有する重合体が好ましい。

(式(4−8)中、R48は水素原子またはメチル基を表す。)
なお、この重合体において、式(2)および(1−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、式(3−1−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、式(4−8)で表される構成単位とは、それぞれ、全て同じである必要はなく、上記のような一般式で示されるものであれば2種以上が混在するものであってもよい。また、この重合体において、各構成単位は任意のシーケンスを取り得る。したがって、この重合体は、ランダム共重合体であっても、交互共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。
重合体中の上記式(2)および(1−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位の比率は、レジストパターン形状、ラインエッジラフネスおよびマイクロゲル抑制の点から、合計で5〜30モル%が好ましい。また、重合体中の上記式(3−1−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位の比率は、感度および解像度の点から、合計で30〜60モル%が好ましい。また、重合体中の上記式(4−8)で表される構成単位の比率は、金属表面等への密着性および有機溶剤への溶解性が高い点から、合計で30〜60モル%が好ましい。
また、本発明のレジスト用重合体としては、中でも、レジストパターン形状、ラインエッジラフネスおよびマイクロゲルの抑制、感度、解像度および金属表面等への密着性、有機溶剤への溶解性が高い点から、上記式(2)および(1−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、上記式(3−1−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、下記式(4−11)で表される構成単位の少なくとも1種とを含有する重合体が好ましい。

(式(4−11)中、R411は水素原子またはメチル基を表す。)
なお、この重合体において、式(2)および(1−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、式(3−1−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、式(4−11)で表される構成単位とは、それぞれ、全て同じである必要はなく、上記のような一般式で示されるものであれば2種以上が混在するものであってもよい。また、この重合体において、各構成単位は任意のシーケンスを取り得る。したがって、この重合体は、ランダム共重合体であっても、交互共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。
重合体中の上記式(2)および(1−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位の比率は、レジストパターン形状、ラインエッジラフネスおよびマイクロゲル抑制の点から、合計で5〜30モル%が好ましい。また、重合体中の上記式(3−1−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位の比率は、感度および解像度の点から、合計で30〜60モル%が好ましい。また、重合体中の上記式(4−11)で表される構成単位の比率は、金属表面等への密着性および有機溶剤への溶解性が高い点から、合計で30〜60モル%が好ましい。
また、本発明のレジスト用重合体としては、中でも、レジストパターン形状、ラインエッジラフネスおよびマイクロゲルの抑制、感度、解像度および金属表面等への密着性、有機溶剤への溶解性が高い点から、上記式(2)および(1−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、上記式(3−1−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、下記式(4−9)で表される構成単位の少なくとも1種とを含有する重合体が好ましい。

(式(4−9)中、R49は水素原子またはメチル基を表す。)
なお、この重合体において、式(2)および(1−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、式(3−1−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、式(4−9)で表される構成単位とは、それぞれ、全て同じである必要はなく、上記のような一般式で示されるものであれば2種以上が混在するものであってもよい。また、この重合体において、各構成単位は任意のシーケンスを取り得る。したがって、この重合体は、ランダム共重合体であっても、交互共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。
重合体中の上記式(2)および(1−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位の比率は、レジストパターン形状、ラインエッジラフネスおよびマイクロゲル抑制の点から、合計で5〜30モル%が好ましい。また、重合体中の上記式(3−1−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位の比率は、感度および解像度の点から、合計で30〜60モル%が好ましい。また、重合体中の上記式(4−9)で表される構成単位の比率は、金属表面等への密着性および有機溶剤への溶解性が高い点から、合計で30〜60モル%が好ましい。
また、本発明のレジスト用重合体としては、中でも、レジストパターン形状、ラインエッジラフネスおよびマイクロゲルの抑制、感度、解像度および金属表面等への密着性、ドライエッチング耐性が高い点から、上記式(2)および(1−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、上記式(3−1−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、上記式(4−2)および(4−3)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位とを含有する重合体が好ましい。
なお、この重合体において、式(2)および(1−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、式(3−1−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、式(4−2)および(4−3)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位とは、それぞれ、全て同じである必要はなく、上記のような一般式で示されるものであれば2種以上が混在するものであってもよい。また、この重合体において、各構成単位は任意のシーケンスを取り得る。したがって、この重合体は、ランダム共重合体であっても、交互共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。
重合体中の上記式(2)および(1−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位の比率は、レジストパターン形状、ラインエッジラフネスおよびマイクロゲル抑制の点から、合計で5〜30モル%が好ましい。また、重合体中の上記式(3−1−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位の比率は、感度および解像度の点から、合計で30〜60モル%が好ましい。また、重合体中の上記式(4−2)および(4−3)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位の比率は、金属表面等への密着性およびドライエッチング耐性が高い点から、合計で30〜60モル%が好ましい。
本発明のレジスト用重合体の質量平均分子量は特に限定されないが、ドライエッチング耐性およびレジスト形状の点から、1,000以上であることが好ましく、2,000以上であることがより好ましく、4,000以上であることが特に好ましい。また、本発明のレジスト用重合体の質量平均分子量は、レジスト溶液に対する溶解性および解像度の点から、100,000以下であることが好ましく、50,000以下であることがより好ましく、30,000以下であることが特に好ましい。また、含有するラクトン骨格を有する構成単位の種類によっては、例えば、2−exo−メタクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−5−オン(OTNMAとも言う。)に由来する構成単位である場合は、レジスト用重合体の質量平均分子量は、レジスト溶液に対する溶解性およびレジストパターン形状の点から、8,000以下であることがさらに好ましい。
また、前述の通り、近年は、直径300mm以上の大きな基板においても基板面内でバラツキの少ない、均一なレジストパターンサイズを得ることができ、PEB温度依存性の小さいレジスト用重合体が求められている。
この点からは、レジスト用重合体の質量平均分子量は、5,000以上8,000以下であることが好ましく、その上限が7,000以下であることがより好ましい。
また、この点からは、本発明のレジスト用重合体として、中でも、上記式(1)で表される構成単位の少なくとも1種と、上記式(3−1−1)、(3−2−1)および(3−3−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、上記式(4−7)および(4−8)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位とを含有する重合体が好ましい。このような重合体は、通常のリソグラフィーにおいて、PEB温度依存性が特に小さく、直径300mm以上の大きな基板においても基板面内でバラツキが特に少ない、均一なレジストパターンサイズを得ることができる。
なお、この重合体において、式(1)で表される構成単位と、式(3−1−1)、(3−2−1)および(3−3−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、式(4−7)および(4−8)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位とは、それぞれ、全て同じである必要はなく、上記のような一般式で示されるものであれば2種以上が混在するものであってもよい。また、この重合体において、各構成単位は任意のシーケンスを取り得る。したがって、この重合体は、ランダム共重合体であっても、交互共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。
重合体中の上記式(1)で表される構成単位の比率は、合計で5〜30モル%が好ましい。また、重合体中の上記式(3−1−1)、(3−2−1)および(3−3−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位の比率は、合計で30〜60モル%が好ましい。また、重合体中の上記式(4−7)および(4−8)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位の比率は、合計で30〜60モル%が好ましい。構成単位の比率をこの範囲にすることにより、さらに高い本発明の効果が得られる。
中でも、上記式(2)で表される構成単位の少なくとも1種と、上記式(3−1−1)で表される構成単位の少なくとも1種と、上記式(4−8)で表される構成単位の少なくとも1種とを含有する重合体が好ましい。このような重合体は、通常のリソグラフィーにおいて、PEB温度依存性がさらに小さく、直径300mm以上の大きな基板においても基板面内でさらに均一なレジストパターンサイズを得ることができる。
なお、この重合体においても、式(2)で表される構成単位と、式(3−1−1)で表される構成単位と、式(4−8)で表される構成単位とは、それぞれ、全て同じである必要はなく、上記のような一般式で示されるものであれば2種以上が混在するものであってもよい。また、この重合体において、各構成単位は任意のシーケンスを取り得る。したがって、この重合体は、ランダム共重合体であっても、交互共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。
この場合も、重合体中の上記式(2)で表される構成単位の比率は、合計で5〜30モル%が好ましい。また、重合体中の上記式(3−1−1)で表される構成単位の比率は、合計で30〜60モル%が好ましい。また、重合体中の上記式(4−8)で表される構成単位の比率は、合計で30〜60モル%が好ましい。構成単位の比率をこの範囲にすることにより、さらに高い本発明の効果が得られる。
この重合体において、上記式(3−1−1)で表される構成単位としては、中でも、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート等の2−低級アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートに由来する構成単位が好ましい。
さらに、重合時に連鎖移動剤を用いることにより、重合体に連鎖移動剤に由来する構成単位を含有させることができる。連鎖移動剤に由来する構成単位を含有する本発明のレジスト用重合体は、さらに高い本発明の効果を有することもある。
この場合に好適な連鎖移動剤として、具体的には、1−ブタンチオール、1−オクタンチオール(n−オクチルメルカプタン)、シクロヘキサンチオール、2−ブタンチオール、1−デカンチオール、1−テトラデカンチオール、2−メチル−1−プロパンチオール、2−メルカプトエタノール、1−チオグリセロールなどが挙げられる。
この場合、通常、本発明のレジスト用重合体を製造する際の連鎖移動剤の使用量は、重合に使用する単量体全量に対して0.001モル%以上が好ましく、0.1モル%以上がより好ましく、1モル%以上が特に好ましい。また、本発明のレジスト用重合体を製造する際の連鎖移動剤の使用量は、重合に使用する単量体全量に対して5モル%以下が好ましく、2モル%以下がより好ましい。
なお、本発明の重合体は、共重合体の場合、ランダム共重合体であっても、交互共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。
3.本発明のレジスト用重合体の製造方法
本発明のレジスト用重合体は、通常、重合開始剤の存在下で、上記式(5)で表されるシアノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル誘導体1種以上と、酸脱離性基を有する単量体1種以上と、ラクトン骨格を有する単量体1種以上とを含むモノマー組成物を共重合して得られる。このような重合開始剤を使用する重合では、まず重合開始剤のラジカル体が生じ、このラジカル体を起点として単量体の連鎖重合が進行する。
本発明のレジスト用重合体の製造に用いられる重合開始剤としては、熱により効率的にラジカルを発生するものが好ましい。このような重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等のアゾ化合物;2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン等の有機過酸化物などが挙げられる。また、ArFエキシマレーザー(波長:193nm)リソグラフィーにおいて使用されるレジスト用重合体を製造する場合、得られるレジスト用重合体の光線透過率(波長193nmの光に対する透過率)をできるだけ低下させない点から、用いる重合開始剤としては、分子構造中に芳香環を有しないものが好ましい。さらに、重合時の安全性等を考慮すると、用いる重合開始剤としては、10時間半減期温度が60℃以上のものが好ましい。
本発明のレジスト用重合体を製造する際には、連鎖移動剤を使用してもよい。連鎖移動剤を使用することにより、低分子量の重合体を製造する場合に重合開始剤の使用量を少なくすることができ、また、得られる重合体の分子量分布を小さくすることができる。分子量分布が狭くなることは、高分子量の重合体の生成が少なくなることに起因しており、レジストに用いた場合にレジスト溶媒への溶解性がさらに向上し、また、マイクロゲルやディフェクトの生成が減少するため好ましい。
好適な連鎖移動剤としては、例えば、1−ブタンチオール、2−ブタンチオール、1−オクタンチオール、1−デカンチオール、1−テトラデカンチオール、シクロヘキサンチオール、2−メチル−1−プロパンチオール、2−メルカプトエタノール、1−チオグリセロールなどが挙げられる。
重合反応においては成長末端にラジカルを持つ重合体が生じるが、連鎖移動剤を使用すると、この成長末端のラジカルが連鎖移動剤の水素を引き抜き、成長末端が失活した重合体になる。一方、水素を引き抜かれた連鎖移動剤はラジカルを持った構造、すなわちラジカル体になり、このラジカル体が起点となって再び単量体が連鎖重合していく。そのため、得られた重合体の末端には連鎖移動残基が存在する。ArFエキシマレーザー(波長:193nm)リソグラフィーにおいて使用されるレジスト用重合体を製造する場合、得られるレジスト用重合体の光線透過率(波長193nmの光に対する透過率)をできるだけ低下させない点から、用いる連鎖移動剤としては、芳香環を有しないものが好ましい。
重合開始剤の使用量は、特に限定されないが、共重合体の収率を高くさせる点から、共重合に使用する単量体全量に対して0.3モル%以上が好ましく、共重合体の分子量分布を狭くさせる点から、共重合に使用する単量体全量に対して30モル%以下が好ましい。さらに、重合開始剤の使用量は、共重合に使用する単量体全量に対して0.1モル%以上がより好ましく、1モル%以上が特に好ましい。
連鎖移動剤の使用量は、特に限定されないが、共重合体の分子量分布を狭くさせる点から、共重合に使用する単量体全量に対して0.001モル%以上が好ましく、0.1モル%以上がより好ましく、また、共重合体をレジスト組成物として使用する際の感度および解像度や金属表面などへの密着性などのレジスト性能を低下させない点から、共重合に使用する単量体全量に対して30モル%以下が好ましい。また、本発明のレジスト用重合体を製造する際の連鎖移動剤の使用量は、共重合に使用する単量体全量に対して5モル%以下がより好ましく、2モル%以下が特に好ましい。
本発明の重合体を製造する方法は特に限定されないが、一般に溶液重合で行われ、単量体を重合容器中に滴下する滴下重合と呼ばれる重合方法が好ましい。中でも、組成分布および/または分子量分布の狭い重合体が簡便に得られる点から、重合することにより目的とする重合体の構成単位となる単量体(単量体のみであっても、単量体を有機溶剤に溶解させた溶液であってもよい)を重合容器中に滴下しながら重合を行う滴下重合と呼ばれる重合方法により本発明の重合体を製造することが好ましい。
滴下重合法においては、例えば、有機溶剤をあらかじめ重合容器に仕込み、所定の重合温度まで加熱した後、単量体および重合開始剤、必要に応じて連鎖移動剤を有機溶剤に溶解させた単量体溶液を、重合容器内の有機溶剤中に滴下する。単量体は有機溶剤に溶解させずに滴下してもよく、その場合、重合開始剤と必要に応じて連鎖移動剤とを単量体に溶解させた溶液を有機溶剤中に滴下する。また、有機溶剤をあらかじめ重合容器内に仕込まずに単量体を重合容器中に滴下してもよい。
また、単量体、重合開始剤、連鎖移動剤はそれぞれ単独または任意の組み合わせで滴下することができる。
滴下重合法における重合温度は特に限定されないが、通常、50〜150℃の範囲内であることが好ましい。
滴下重合法において用いられる有機溶剤としては、用いる単量体、重合開始剤および得られる重合体、さらに連鎖移動剤を使用する場合はその連鎖移動剤のいずれをも溶解できる溶剤が好ましい。このような有機溶媒としては、例えば、1,4−ジオキサン、イソプロピルアルコール、アセトン、テトラヒドロフラン(以下「THF」とも言う。)、メチルエチルケトン(以下「MEK」とも言う。)、メチルイソブチルケトン(以下「MIBK」とも言う。)、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下「PGMEA」とも言う。)、乳酸エチルなどが挙げられる。
有機溶剤中に滴下する単量体溶液の単量体濃度は特に限定されないが、5〜50質量%の範囲内であることが好ましい。
なお、重合容器に仕込む有機溶剤の量は特に限定されず、適宜決めればよい。通常は、共重合に使用する単量体全量に対して30〜700質量%の範囲内で使用する。
溶液重合等の方法によって製造された重合体溶液は、必要に応じて、1,4−ジオキサン、アセトン、THF、MEK、MIBK、γ−ブチロラクトン、PGMEA、乳酸エチル等の良溶媒で適当な溶液粘度に希釈した後、メタノール、水等の多量の貧溶媒中に滴下して重合体を析出させる。この工程は一般に再沈殿と呼ばれ、重合溶液中に残存する未反応の単量体や重合開始剤等を取り除くために非常に有効である。これらの未反応物は、そのまま残存しているとレジスト性能に悪影響を及ぼす可能性があるので、できるだけ取り除くことが好ましい。再沈殿工程は、場合により不要となることもある。その後、その析出物を濾別し、十分に乾燥して本発明の重合体を得る。また、濾別した後、乾燥せずに湿粉のまま使用することもできる。
また、製造された共重合体溶液はそのまま、または適当な溶剤で希釈してレジスト組成物として使うこともできる。その際、保存安定剤などの添加剤を適宜添加してもよい。
4.本発明のレジスト組成物
本発明のレジスト組成物は、上記のような本発明のレジスト用重合体を溶剤に溶解したものである。また、本発明の化学増幅型レジスト組成物は、上記のような本発明のレジスト用重合体および光酸発生剤を溶剤に溶解したものである。本発明のレジスト用重合体は、1種を用いても、2種以上を併用してもよい。なお、溶液重合等によって得られた重合体溶液から重合体を分離することなく、この重合体溶液をそのままレジスト組成物に使用すること、あるいは、この重合体溶液を適当な溶剤で希釈してレジスト組成物に使用することもできる。
本発明のレジスト組成物において、本発明のレジスト用重合体を溶解させる溶剤は目的に応じて任意に選択されるが、溶剤の選択は樹脂の溶解性以外の理由、例えば、塗膜の均一性、外観あるいは安全性などからも制約を受けることがある。
溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン等の直鎖もしくは分岐鎖ケトン類;シクロペンタノン、シクロヘキサノン等の環状ケトン類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルアセテート類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のジエチレングリコールアルキルエーテル類;酢酸エチル、乳酸エチル等のエステル類;n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、シクロヘキサノール、1−オクタノール等のアルコール類;1,4−ジオキサン、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。これらの溶剤は、1種を用いても、2種以上を併用してもよい。
溶剤の含有量は、通常、レジスト用重合体(本発明の重合体)100質量部に対して200質量部以上であり、300質量部以上であることがより好ましい。また、溶剤の含有量は、通常、レジスト用重合体(本発明の重合体)100質量部に対して5000質量部以下であり、2000質量部以下であることがより好ましい。
本発明のレジスト用重合体を化学増幅型レジストに使用する場合は、光酸発生剤を用いることが必要である。
本発明の化学増幅型レジスト組成物に含有される光酸発生剤は、化学増幅型レジスト組成物の酸発生剤として使用可能なものの中から任意に選択することができる。光酸発生剤は、1種を用いても、2種以上を併用してもよい。
このような光酸発生剤としては、例えば、オニウム塩化合物、スルホンイミド化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、キノンジアジド化合物、ジアゾメタン化合物等が挙げられる。光酸発生剤としては、中でも、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等のオニウム塩化合物が好ましく、具体的には、トリフェニルスルホニウムトリフレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムナフタレンスルホネート、(ヒドロキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウムトルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフレート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、p−メチルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、トリ(tert−ブチルフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート等が挙げられる。
光酸発生剤の含有量は、選択された光酸発生剤の種類により適宜決められるが、通常、レジスト用重合体(本発明の重合体)100質量部に対して0.1質量部以上であり、0.5質量部以上であることがより好ましい。光酸発生剤の含有量をこの範囲にすることにより、露光により発生した酸の触媒作用による化学反応を十分に生起させることができる。また、光酸発生剤の含有量は、通常、レジスト用重合体(本発明の重合体)100質量部に対して20質量部以下であり、10質量部以下であることがより好ましい。光酸発生剤の含有量をこの範囲にすることにより、レジスト組成物の安定性が向上し、組成物を塗布する際の塗布むらや現像時のスカム等の発生が十分に少なくなる。
さらに、本発明の化学増幅型レジスト組成物には、含窒素化合物を配合することもできる。含窒素化合物を含有させることにより、レジストパターン形状、引き置き経時安定性などがさらに向上する。つまり、レジストパターンの断面形状が矩形により近くなり、また、レジスト膜を露光し、露光後加熱(PEB)して、次の現像処理までの間に数時間放置されることが半導体の量産ラインではあるが、そのような放置(経時)したときにレジストパターンの断面形状の劣化の発生がより抑制される。
含窒素化合物は、公知のものいずれも使用可能であるが、アミンが好ましく、中でも、第2級低級脂肪族アミン、第3級低級脂肪族アミンがより好ましい。
ここで「低級脂肪族アミン」とは、炭素数5以下のアルキルまたはアルキルアルコールのアミンのことをいう。
第2級低級脂肪族アミン、第3級低級脂肪族アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリペンチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられる。含窒素化合物としては、中でも、トリエタノールアミンなどの第3級アルカノールアミンがより好ましい。
含窒素化合物は、1種を用いても、2種以上を併用してもよい。
含窒素化合物の含有量は、選択された含窒素化合物の種類などにより適宜決められるが、通常、レジスト用重合体(本発明の重合体)100質量部に対して0.01質量部以上であることが好ましい。含窒素化合物の含有量をこの範囲にすることにより、レジストパターン形状をより矩形にすることができる。また、含窒素化合物の含有量は、通常、レジスト用重合体(本発明の重合体)100質量部に対して2質量部以下であることが好ましい。含窒素化合物の含有量をこの範囲にすることにより、感度の劣化を小さくすることができる。
また、本発明の化学増幅型レジスト組成物には、有機カルボン酸、リンのオキソ酸、または、その誘導体を配合することもできる。これらの化合物を含有させることにより、含窒素化合物の配合による感度劣化を防止することができ、また、レジストパターン形状、引き置き経時安定性などがさらに向上する。
有機カルボン酸としては、例えば、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好ましい。
リンのオキソ酸、または、その誘導体としては、例えば、リン酸、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステル等のリン酸およびそれらのエステルのような誘導体;ホスホン酸、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステル等のホスホン酸およびそれらのエステルのような誘導体;ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸等のホスフィン酸およびそれらのエステルのような誘導体などが挙げられ、中でも、ホスホン酸が好ましい。
これらの化合物(有機カルボン酸、リンのオキソ酸、または、その誘導体)は、1種を用いても、2種以上を併用してもよい。
これらの化合物(有機カルボン酸、リンのオキソ酸、または、その誘導体)の含有量は、選択された化合物の種類などにより適宜決められるが、通常、レジスト用重合体(本発明の重合体)100質量部に対して0.01質量部以上であることが好ましい。これらの化合物の含有量をこの範囲にすることにより、レジストパターン形状をより矩形にすることができる。また、これらの化合物(有機カルボン酸、リンのオキソ酸、または、その誘導体)の含有量は、通常、レジスト用重合体(本発明の重合体)100質量部に対して5質量部以下であることが好ましい。これらの化合物の含有量をこの範囲にすることにより、レジストパターンの膜減りを小さくすることができる。
なお、含窒素化合物と有機カルボン酸、リンのオキソ酸、または、その誘導体との両方を本発明の化学増幅型レジスト組成物に含有させることもできるし、いずれか片方のみを含有させることもできる。
さらに、本発明のレジスト組成物には、必要に応じて、界面活性剤、その他のクエンチャー、増感剤、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤等の各種添加剤を配合することもできる。これらの添加剤は、当該分野で公知のものであればいずれも使用可能である。また、これらの添加剤の配合量は特に限定されず、適宜決めればよい。
本発明のレジスト用共重合体は、金属エッチング用、フォトファブリケーション用、製版用、ホログラム用、カラーフィルター用、位相差フィルム用等のレジスト組成物として使用してもよい。
5.本発明のパターン製造方法
次に、本発明のパターン製造方法の一例について説明する。
最初に、パターンを形成するシリコンウエハー等の被加工基板の表面に、本発明のレジスト組成物をスピンコート等により塗布する。そして、このレジスト組成物が塗布された被加工基板は、ベーキング処理(プリベーク)等で乾燥し、基板上にレジスト膜を形成する。
次いで、このようにして得られたレジスト膜に、フォトマスクを介して、250nm以下の波長の光を照射する(露光)。露光に用いる光は、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザーまたはFエキシマレーザーであることが好ましく、特にArFエキシマレーザーであることが好ましい。また、電子線で露光することも好ましい。
露光後、適宜熱処理(露光後ベーク、PEB)し、基板をアルカリ現像液に浸漬して、露光部分を現像液に溶解除去する(現像)。アルカリ現像液は公知のものいずれを用いてもよい。そして、現像後、基板を純水等で適宜リンス処理する。このようにして被加工基板上にレジストパターンが形成される。
通常、レジストパターンが形成された被加工基板は、適宜熱処理(ポストベーク)してレジストを強化し、レジストのない部分を選択的にエッチングする。エッチングを行った後、レジストは、通常、剥離剤を用いて除去される。
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、各実施例、比較例中「部」とあるのは、特に断りのない限り「質量部」を示す。
また、以下のようにして製造した重合体の物性等を測定した。
<レジスト用重合体の質量平均分子量>
約20mgのレジスト用重合体を5mLのテトラヒドロフランに溶解し、0.5μmメンブランフィルターで濾過して試料溶液を調製し、この試料溶液を東ソー製ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した。この測定は、分離カラムは昭和電工社製、Shodex GPC K−805L(商品名)を3本直列にしたものを用い、溶剤はテトラヒドロフラン、流量1.0mL/min、検出器は示差屈折計、測定温度40℃、注入量0.1mLで、標準ポリマーとしてポリスチレンを使用して測定した。
<レジスト用重合体の平均共重合組成比(モル%)>
H−NMRの測定により求めた。この測定は、日本電子(株)製、GSX−400型FT−NMR(商品名)を用いて、約5質量%のレジスト用重合体試料の重水素化クロロホルム、重水素化アセトンあるいは重水素化ジメチルスルホキシドの溶液を直径5mmφの試験管に入れ、測定温度40℃、観測周波数400MHz、シングルパルスモードにて、64回の積算で行った。
また、製造した重合体を用い、以下のようにしてレジスト組成物を調製し、その物性等を測定した。
<レジスト組成物の調製>
製造したレジスト用重合体100部と、光酸発生剤であるトリフェニルスルホニウムトリフレート2部と、溶剤であるPGMEA700部とを混合して均一溶液とした後、孔径0.1μmのメンブランフィルターで濾過し、レジスト組成物溶液を調製した。
<レジストパターンの形成>
調製したレジスト組成物溶液をシリコンウエハー上にスピンコートし、ホットプレートを用いて120℃、60秒間プリベークを行い、膜厚0.4μmのレジスト膜を形成した。次いで、ArFエキシマレーザー露光機(波長:193nm)を使用して露光した後、ホットプレートを用いて120℃、60秒間露光後ベークを行った。次いで、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を用いて室温で現像し、純水で洗浄し、乾燥してレジストパターンを形成した。
<感度>
0.16μmのライン・アンド・スペースパターンのマスクが0.16μmの線幅に転写される露光量(mJ/cm)を感度として測定した。
<解像度>
上記露光量で露光したときに解像されるレジストパターンの最小寸法(μm)を解像度とした。
<ラインエッジラフネス>
マスクにおける0.20μmのレジストパターンを再現する最小露光量により得られた0.20μmのレジストパターンの長手方向の側端5μmの範囲について、日本電子製、JSM−6340F型電界放射形走査型電子顕微鏡(商品名)により、パターン側端があるべき基準線からの距離を50ポイント測定し、標準偏差を求めて3σを算出した。この値が小さいほど良好な性能であることを示す。
<レジストパターン形状>
上記の0.20μmのレジストパターンの垂直方向の断面について、日本電子製、JSM−6340F型電界放射形走査型電子顕微鏡(商品名)により観察し、その断面形状が長方形となっているものを○、凸状あるいは凹状となっているものを×として評価した。
<マイクロゲル量>
調製したレジスト組成物溶液について、調液直後の溶液中のマイクロゲルの数(マイクロゲル初期値)と、4℃で1週間放置した後の溶液中のマイクロゲルの数(経時後のマイクロゲルの数)とをリオン製パーティクルカウンターにて測定した。そして、マイクロゲル初期値とともに、(経時後のマイクロゲルの数)−(マイクロゲル初期値)で計算されるマイクロゲル増加数を評価した。
なお、ここでは、レジスト組成物溶液1mL中に存在する0.25μm以上の粒径を有するマイクロゲルの数を測定した。
【実施例1】
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAと言う。)34.0部を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン(以下、HGBMAと言う。)14.6部、2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン(以下、MAdMAと言う。)22.5部、2−または3−シアノ−5−ノルボルニルメタクリレート(以下、CNNMAと言う。)3.7部、PGMEA61.2部およびジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(以下、DAIBと言う。)2.08部を混合した単量体溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。次いで、得られた反応溶液を約30倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物の沈殿(共重合体A−1)を得た。沈殿物に残存する単量体を取り除くために、得られた沈殿を濾別し、重合に使用した単量体に対して約30倍量のメタノール中で沈殿を洗浄した。そして、この沈殿を濾別し、減圧下50℃で約40時間乾燥した。
得られた共重合体A−1の各物性を測定した結果を表1に示す。
【実施例2】
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、テトラヒドロフラン(以下、THFと言う。)37.9部を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を70℃に上げた。8−または9−アクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3−オン(以下、OTDAと言う。)20.9部、2−メタクリロイルオキシ−2−エチルアダマンタン(以下、EAdMAと言う。)18.8部、2−または3−シアノ−5−ノルボルニルアクリレート(以下、CNNAと言う。)5.7部、THF68.2部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBNと言う。)1.80部および2−メルカプトエタノール0.24部を混合した単量体溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、70℃で1時間保持した。次いで、得られた反応溶液を約30倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物の沈殿(共重合体A−2)を得た。以降の操作は実施例1と同様にして共重合体A−2を得た。
得られた共重合体A−2の各物性を測定した結果を表1に示す。
【実施例3】
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA22.4部およびγ−ブチロラクトン9.7部を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。2−exo−メタクリロイルオキシ−4,8−ジオキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−5−オン(以下、ONLMAと言う。)21.5部、4−メタクリロイルオキシ−4−エチル−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン(以下、EDMAと言う。)23.0部、CNNMA4.1部、PGMEA79.4部、γ−ブチロラクトン34.0部、DAIB0.70部およびn−オクチルメルカプタン0.58部を混合した単量体溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。次いで、得られた反応溶液を約30倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物の沈殿(共重合体A−3)を得た。以降の操作は実施例1と同様にして共重合体A−3を得た。
得られた共重合体A−3の各物性を測定した結果を表1に示す。
【実施例4】
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA30.8部およびγ−ブチロラクトン3.4部を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。α−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン(以下、GBLMAと言う。)12.6部、MAdMA21.1部、下記式(20−12)で表される1−シアノ−2−シクロヘキシルメタクリレート(以下、CNCMAと言う。)7.0部、

PGMEA55.4部、γ−ブチロラクトン6.2部およびAIBN1.64部を混合した単量体溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。次いで、得られた反応溶液を約30倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物の沈殿(共重合体A−4)を得た。以降の操作は実施例1と同様にして共重合体A−4を得た。
得られた共重合体A−4の各物性を測定した結果を表1に示す。
【実施例5】
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA30.8部およびγ−ブチロラクトン3.4部を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。GBLMA12.6部、MAdMA21.1部、CNNMA7.4部、PGMEA55.4部、γ−ブチロラクトン6.2部およびAIBN1.64部を混合した単量体溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。次いで、得られた反応溶液を約30倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物の沈殿(共重合体A−5)を得た。以降の操作は実施例1と同様にして共重合体A−5を得た。
得られた共重合体A−5の各物性を測定した結果を表1に示す。
【実施例6】
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA37.7部を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。OTDA18.2部、MAdMA15.9部、1−アクリロイルオキシ−3−ヒドロキシアダマンタン(以下、HAdAと言う。)4.4部、CNNMA6.2部、PGMEA67.9部、AIBN1.64部およびn−オクチルメルカプタン0.58部を混合した単量体溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。次いで、得られた反応溶液を約30倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物の沈殿(共重合体A−6)を得た。以降の操作は実施例1と同様にして共重合体A−6を得た。
得られた共重合体A−6の各物性を測定した結果を表1に示す。
【実施例7】
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA28.2部およびγ−ブチロラクトン7.1部を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。HGBMA12.2部、EAdMA22.3部、CNNMA7.8部、PGMEA50.8部、γ−ブチロラクトン12.7部およびAIBN1.96部を混合した単量体溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。次いで、得られた反応溶液を約30倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物の沈殿(共重合体A−7)を得た。以降の操作は実施例1と同様にして共重合体A−7を得た。
得られた共重合体A−7の各物性を測定した結果を表1に示す。
【実施例8】
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA38.2部を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。8−または9−メタクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3−オン(以下、OTDMAと言う。)17.5部、MAdMA20.6部、CNNMA7.8部、PGMEA68.8部、AIBN1.80部およびn−オクチルメルカプタン0.44部を混合した単量体溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。次いで、得られた反応溶液を約30倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物の沈殿(共重合体A−8)を得た。以降の操作は実施例1と同様にして共重合体A−8を得た。
得られた共重合体A−8の各物性を測定した結果を表1に示す。
【実施例9】
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA37.5部を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。OTDA18.2部、EAdMA18.4部、CNNA8.4部、PGMEA67.4部、AIBN1.96部およびn−オクチルメルカプタン0.58部を混合した単量体溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。次いで、得られた反応溶液を約30倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物の沈殿(共重合体A−9)を得た。以降の操作は実施例1と同様にして共重合体A−9を得た。
得られた共重合体A−9の各物性を測定した結果を表1に示す。
【実施例10】
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA37.7部を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。OTDA18.2部、EAdMA16.9部、1−メタクリロイルオキシアダマンタン(以下、AdMAと言う。)4.4部、CNNA5.7部、PGMEA67.8部およびAIBN4.26部を混合した単量体溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。次いで、得られた反応溶液を約30倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物の沈殿(共重合体A−10)を得た。以降の操作は実施例1と同様にして共重合体A−10を得た。
得られた共重合体A−10の各物性を測定した結果を表2に示す。
【実施例11】
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA35.1部を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。GBLMA14.6部、MAdMA22.5部、2,2,3,3−テトラシアノ−5−ノルボルニルメタクリレート(以下、TCNMAと言う。)5.0部、PGMEA63.2部およびDAIB2.30部を混合した単量体溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。次いで、得られた反応溶液を約30倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物の沈殿(共重合体A−11)を得た。以降の操作は実施例1と同様にして共重合体A−11を得た。
得られた共重合体A−11の各物性を測定した結果を表2に示す。
【実施例12】
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA38.5部を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。OTDA18.2部、EAdMA18.4部、2−または3−シアノ−5−メチル−5−ノルボルニルメタクリレート(以下、CMNMAと言う。)9.6部、PGMEA69.3部、AIBN1.96部およびn−オクチルメルカプタン0.58部を混合した単量体溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。次いで、得られた反応溶液を約30倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物の沈殿(共重合体A−12)を得た。以降の操作は実施例1と同様にして共重合体A−12を得た。
得られた共重合体A−12の各物性を測定した結果を表2に示す。
【実施例13】
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA41.7部を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。下記式(20−1)で表される単量体および(20−2)で表される単量体の混合物(以下、DOLMAと言う。)21.6部、

MAdMA20.6部、CNNMA7.8部、PGMEA75.0部、AIBN1.32部およびn−オクチルメルカプタン0.44部を混合した単量体溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。次いで、得られた反応溶液を約30倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物の沈殿(共重合体A−13)を得た。以降の操作は実施例1と同様にして共重合体A−13を得た。
得られた共重合体A−13の各物性を測定した結果を表2に示す。
【実施例14】
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA31.6部を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。下記式(20−3)で表される2−メチレン−4,4−ジメチル−4−ブタノリド(以下、DMMBと言う。)9.1部、

MAdMA21.1部、CNNMA7.8部、PGMEA56.9部、DAIB1.84部およびn−オクチルメルカプタン0.30部を混合した単量体溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。次いで、得られた反応溶液を約30倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物の沈殿(共重合体A−14)を得た。以降の操作は実施例1と同様にして共重合体A−14を得た。
得られた共重合体A−14の各物性を測定した結果を表2に示す。
【実施例15】
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA28.6部およびγ−ブチロラクトン7.2部を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。下記式(20−4)で表される単量体(以下、BLEMAと言う。)15.0部、

MAdMA20.1部、CNNMA7.8部、PGMEA51.6部、γ−ブチロラクトン12.9部、AIBN1.32部およびn−オクチルメルカプタン0.38部を混合した単量体溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。次いで、得られた反応溶液を約30倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物の沈殿(共重合体A−15)を得た。以降の操作は実施例1と同様にして共重合体A−15を得た。
得られた共重合体A−15の各物性を測定した結果を表2に示す。
【実施例16】
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA27.1部を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。GBLMA13.9部、tert−ブチルメタクリレート(以下、TBMAと言う。)12.8部、CNNMA5.7部、PGMEA48.7部、AIBN1.32部およびn−オクチルメルカプタン0.18部を混合した単量体溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。次いで、得られた反応溶液を約30倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物の沈殿(共重合体A−16)を得た。以降の操作は実施例1と同様にして共重合体A−16を得た。
得られた共重合体A−16の各物性を測定した結果を表2に示す。
【実施例17】
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA29.0部を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。BLEMA16.2部、TBMA12.8部、CNNMA5.7部、PGMEA52.1部、AIBN1.32部およびn−オクチルメルカプタン0.14部を混合した単量体溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。次いで、得られた反応溶液を約30倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物の沈殿(共重合体A−4)を得た。以降の操作は実施例1と同様にして共重合体A−17を得た。
得られた共重合体A−17の各物性を測定した結果を表2に示す。
【実施例18】
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA40.0部を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。下記式(20−5)で表される単量体(以下、MOTDMAと言う。)19.2部、

MAdMA20.6部、CNNMA8.2部、PGMEA71.9部およびAIBN1.32部およびn−オクチルメルカプタン0.26部を混合した単量体溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。次いで、得られた反応溶液を約30倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物の沈殿(共重合体A−18)を得た。以降の操作は実施例1と同様にして共重合体A−18を得た。
得られた共重合体A−18の各物性を測定した結果を表2に示す。
【実施例19】
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA27.1部およびγ−ブチロラクトン11.6部を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。OTDMA18.4部、MAdMA19.2部、CNNMA4.1部、HAdMA4.7部、PGMEA48.7部、γ−ブチロラクトン20.9部、AIBN0.98部およびn−オクチルメルカプタン0.62部を混合した単量体溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。次いで、得られた反応溶液を約30倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物の沈殿(共重合体A−19)を得た。以降の操作は実施例1と同様にして共重合体A−19を得た。
得られた共重合体A−19の各物性を測定した結果を表3に示す。
【実施例20】
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA32.8部を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。下記式(20−6)で表される単量体(以下、MCLMAと言う。)18.3部、

TBMA11.6部、CNNMA9.4部、PGMEA59.0部、AIBN1.14部およびn−オクチルメルカプタン0.26部を混合した単量体溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。次いで、得られた反応溶液を約30倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物の沈殿(共重合体A−20)を得た。以降の操作は実施例1と同様にして共重合体A−20を得た。
得られた共重合体A−20の各物性を測定した結果を表3に示す。
【実施例21】
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA39.1部を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。OTDMA14.6部、MAdMA23.4部、下記式(20−7)で表される単量体(以下、MCCMAと言う。)8.9部、

PGMEA70.4部、AIBN1.32部およびn−オクチルメルカプタン0.36部を混合した単量体溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。次いで、得られた反応溶液を約30倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物の沈殿(共重合体A−21)を得た。以降の操作は実施例1と同様にして共重合体A−21を得た。
得られた共重合体A−21の各物性を測定した結果を表3に示す。
【実施例22】
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA35.2部およびγ−ブチロラクトン8.8部を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。下記式(20−8)で表される単量体および(20−9)で表される単量体の混合物(以下、DOLAMAと言う。)23.5部、

MAdMA21.5部、CNNMA7.8部、PGMEA63.4部、γ−ブチロラクトン15.9部、AIBN1.32部およびn−オクチルメルカプタン0.50部を混合した単量体溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。次いで、得られた反応溶液を約30倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物の沈殿(共重合体A−22)を得た。以降の操作は実施例1と同様にして共重合体A−22を得た。
得られた共重合体A−22の各物性を測定した結果を表3に示す。
【実施例23】
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA26.1部およびγ−ブチロラクトン11.2部を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。2−exo−メタクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−5−オン(以下、OTNMAと言う。)17.3部、MAdMA19.2部、CNNMA8.2部、PGMEA46.9部、γ−ブチロラクトン20.1部、AIBN1.48部およびn−オクチルメルカプタン0.58部を混合した単量体溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。次いで、得られた反応溶液を約30倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物の沈殿(共重合体A−23)を得た。以降の操作は実施例1と同様にして共重合体A−23を得た。
得られた共重合体A−23の各物性を測定した結果を表3に示す。
【実施例24】
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA27.0部およびγ−ブチロラクトン6.8部を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。GBLMA13.6部、MAdMA18.7部、CNNMA8.2部、PGMEA48.6部、γ−ブチロラクトン12.2部、AIBN1.32部およびn−オクチルメルカプタン1.02部を混合した単量体溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。次いで、得られた反応溶液を約30倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物の沈殿(共重合体A−24)を得た。以降の操作は実施例1と同様にして共重合体A−24を得た。
得られた共重合体A−24の各物性を測定した結果を表3に示す。
【実施例25】
単量体溶液中のn−オクチルメルカプタンの量を0.58部とした以外は実施例24と同様にして共重合体A−25を得た。
得られた共重合体A−25の各物性を測定した結果を表3に示す。
【実施例26】
単量体溶液中のn−オクチルメルカプタンの量を0.38部とした以外は実施例24と同様にして共重合体A−26を得た。
得られた共重合体A−26の各物性を測定した結果を表3に示す。
【実施例27】
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA39.1部を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。OTDMA14.6部、MAdMA23.4部、下記式(20−13)で表される単量体(以下、CNNAMAと言う。)9.4部、

PGMEA70.4部、AIBN1.32部およびn−オクチルメルカプタン0.36部を混合した単量体溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。次いで、得られた反応溶液を約30倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物の沈殿(共重合体A−27)を得た。以降の操作は実施例1と同様にして共重合体A−27を得た。
得られた共重合体A−27の各物性を測定した結果を表3に示す。
<比較例1>
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA34.0部を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。HGBMA16.0部、MAdMA24.8部、PGMEA61.2部およびDAIB2.08部を混合した単量体溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。次いで、得られた反応溶液を約30倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物の沈殿(共重合体B−1)を得た。以降の操作は実施例1と同様にして共重合体B−1を得た。
得られた共重合体B−1の各物性を測定した結果を表4に示す。
<比較例2>
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA22.8部およびγ−ブチロラクトン9.8部を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。ONLMA20.2部、EDMA19.7部、1−メタクリロイルオキシ−3−ヒドロキシアダマンタン(以下、HAdMAと言う。)9.0部、PGMEA79.8部、γ−ブチロラクトン34.2部、DAIB0.70部およびn−オクチルメルカプタン0.58部を混合した単量体溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。次いで、得られた反応溶液を約30倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物の沈殿(共重合体B−2)を得た。以降の操作は実施例1と同様にして共重合体B−2を得た。
得られた共重合体B−2の各物性を測定した結果を表4に示す。
<比較例3>
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA35.0部およびγ−ブチロラクトン10.9部を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。OTNMA24.9部、EAdMA21.8部、PGMEA63.0部、γ−ブチロラクトン7.0部およびAIBN3.94部を混合した単量体溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。次いで、得られた反応溶液を約30倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物の沈殿(共重合体B−3)を得た。以降の操作は実施例1と同様にして共重合体B−3を得た。
得られた共重合体B−3の各物性を測定した結果を表4に示す。
<比較例4>
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、2’−アセトキシエチルメタクリレート(以下、AEMAと言う。)8.9部、1−ブチルメタクリレート(以下、BMAと言う。)9.0部、CNNMA14.0部、メタクリル酸(以下、MAAと言う。)4.45部、イソプロパノール109.2部、AIBN1.96部およびn−オクチルメルカプタン0.58部を混合した単量体溶液を全量入れ、攪拌しながら湯浴の温度を60℃に上げた。その後、60℃で5.5時間保持し、重合させた。次いで、得られた反応溶液を6Lのヘキサン中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物の沈殿(共重合体B−4)を得た。沈殿物に残存する単量体を取り除くために、得られた沈殿を濾別し、300mLのヘキサンで5回洗浄した。そして、この沈殿を濾別し、減圧下50℃で約40時間乾燥した。
得られた共重合体B−4の各物性を測定した結果を表4に示す。
<比較例5>
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA36.6部を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。下記式(20−10)で表される単量体(以下、CLMAと言う。)15.5部、

MAdMA20.6部、CNNMA7.8部、PGMEA65.9部、AIBN1.80部およびn−オクチルメルカプタン0.44部を混合した単量体溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。次いで、得られた反応溶液を約30倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物の沈殿(共重合体B−5)を得た。以降の操作は実施例1と同様にして共重合体B−5を得た。
得られた共重合体B−5の各物性を測定した結果を表4に示す。
<参考例1>
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA26.4部およびγ−ブチロラクトン11.3部を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。OTNMA17.3部、MAdMA19.2部、CNNMA4.1部、HAdMA4.7部、PGMEA47.6部、γ−ブチロラクトン20.4部、AIBN0.98部およびn−オクチルメルカプタン0.62部を混合した単量体溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。次いで、得られた反応溶液を約30倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物の沈殿(共重合体B−6)を得た。以降の操作は実施例1と同様にして共重合体B−6を得た。
得られた共重合体B−6の各物性を測定した結果を表4に示す。
<参考例2>
単量体溶液中のn−オクチルメルカプタンの量を0.14部とした以外は実施例23と同様にして共重合体B−7を得た。
得られた共重合体B−7の各物性を測定した結果を表4に示す。




本発明のレジスト用重合体を用いたレジスト組成物(実施例1〜27)は、十分な感度および解像度を備えた上に、優れたレジストパターン形状を有し、ラインエッジラフネスの点にも優れ、また、レジスト溶液中でのマイクロゲルの生成も少なかった。
一方、シアノ基を有する構成単位を含有しない比較例1の重合体を用いたレジスト組成物は、ラインエッジラフネスの点で劣っており、レジスト溶液中でのマイクロゲル生成も多く確認された。
シアノ基を有する構成単位を含有しない比較例2の重合体を用いたレジスト組成物は、レジストパターン形状の点で劣っていた。
シアノ基を有する構成単位を含有しない比較例3の重合体を用いたレジスト組成物は、レジストパターン形状とラインエッジラフネスの点で劣っており、レジスト溶液中でのマイクロゲル生成も多く確認された。
ラクトン骨格を有する構成単位を含有しない比較例4の重合体を用いたレジスト組成物は、レジストパターン形状とラインエッジラフネスの点で劣っていた。
含有するラクトン骨格を有する構成単位が本発明のレジスト用重合体と異なる比較例5の重合体を用いたレジスト組成物は、レジストパターン形状の点で劣っていた。
また、実施例19と、含有するラクトン骨格を有する構成単位が異なる参考例1とを比較すると、実施例19で得られる重合体を用いたレジスト組成物は、レジストパターン形状の点で優れており、レジスト溶液中でのマイクロゲル生成も少なく確認された。
また、実施例23と、質量平均分子量が異なる参考例2とを比較すると、実施例23で得られる重合体を用いたレジスト組成物は、レジスト溶液中でのマイクロゲル生成が少なく確認された。
【実施例28】
実施例24で得られたレジスト用重合体(共重合体A−24)100部と、光酸発生剤であるp−メチルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート2部およびトリ(tert−ブチルフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート0.8部と、含窒素化合物であるトリエタノールアミン0.25部とを、γ−ブチロラクトン25部、および、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと乳酸エチルとの混合物(質量比8:2)900部に溶解し、ポジ型レジスト組成物溶液を調製した。
次いで、スピンナーを用いて、有機系反射防止膜組成物(ブリュワーサイエンス社製、商品名「ARC−29A」)をシリコンウエハー(直径:200mm)上に塗布し、ホットプレート上で215℃、60秒間焼成して乾燥させ、膜厚77nmの有機系反射防止膜を形成した。
そして、スピンナーを用いて、調製したポジ型レジスト組成物溶液を有機系反射防止膜上に塗布し、ホットプレート上で125℃、90秒間プリベークして乾燥させ、膜厚250nmのレジスト膜を形成した。次いで、ArF露光装置(ニコン社製、NSR−S302;NA(開口数)=0.60、2/3輪帯)を用い、マスクパターン(バイナリー)を介して、ArFエキシマレーザー(波長:193nm)をレジスト膜に照射した。その後、ホットプレートを用いて125℃、90秒間露光後ベーク(PEB)を行った。次いで、23℃で30秒間、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液でパドル現像し、20秒間、純水で洗浄し、乾燥してレジストパターンを形成した。
得られた130nmのマスクが130nmに転写される露光量(30mJ/cm)で露光したときのラインアンドスペースパターンと、トレンチパターンの解像力は、それぞれ、121nm、127nmであり、ともに良好な形状であった。
また、ウエハー上に形成されたトレンチパターンの最大寸法と最小寸法を求めたところ、それぞれ128nm、125nmであり、その差は非常に小さかった。
また、PEB温度を125℃から120℃および130℃に変えた以外は上記と同様にしてレジストパターン(トレンチパターン)を形成した。そして、それぞれのPEB温度で形成されたレジストパターンの平均寸法を求め、その値から単位温度あたりのレジストパターンサイズの変化量を求めたところ、1.0nm/℃であり、非常に小さかった。
【実施例29】
実施例24で得られたレジスト用重合体(共重合体A−24)の代わりに、実施例25で得られたレジスト用重合体(共重合体A−25)を用いた以外は実施例28と同様にしてレジストパターンを形成した。
得られた130nmのマスクが130nmに転写される露光量(30mJ/cm)で露光したときのラインアンドスペースパターンと、トレンチパターンの解像力は、それぞれ、119nm、130nmであり、ともに良好な形状であった。
また、ウエハー上に形成されたトレンチパターンの最大寸法と最小寸法を求めたところ、それぞれ128nm、131nmであり、その差は非常に小さかった。
また、PEB温度を125℃から120℃および130℃に変えた以外は上記と同様にしてレジストパターン(トレンチパターン)を形成した。そして、それぞれのPEB温度で形成されたレジストパターンの平均寸法を求め、その値から単位温度あたりのレジストパターンサイズの変化量を求めたところ、1.5nm/℃であり、非常に小さかった。
【実施例30】
実施例24で得られたレジスト用重合体(共重合体A−24)の代わりに、実施例26で得られたレジスト用重合体(共重合体A−26)を用いた以外は実施例28と同様にしてレジストパターンを形成した。
得られた130nmのマスクが130nmに転写される露光量(30mJ/cm)で露光したときのラインアンドスペースパターンと、トレンチパターンの解像力は、それぞれ、123nm、130nmであり、ともに良好な形状であった。
また、ウエハー上に形成されたトレンチパターンの最大寸法と最小寸法を求めたところ、それぞれ131nm、128nmであり、その差は非常に小さかった。
また、PEB温度を125℃から120℃および130℃に変えた以外は上記と同様にしてレジストパターン(トレンチパターン)を形成した。そして、それぞれのPEB温度で形成されたレジストパターンの平均寸法を求め、その値から単位温度あたりのレジストパターンサイズの変化量を求めたところ、1.8nm/℃であり、非常に小さかった。
本発明のレジスト用重合体を用いたレジスト組成物(実施例28〜30)は、十分な感度および解像度を備えた上に、形成されるレジストパターンの形状にも優れ、さらには、形成されるレジストパターンのウエハー面内均一性の点にも優れ、また、レジストパターンのPEB温度依存性も小さかった。直径200mmの基板において上記のような優れた結果が得られており、本発明のレジスト用重合体を用いたレジスト組成物(実施例28〜30)は、例えば、直径300mm以上の大きな基板においても基板面内で十分に均一なレジストパターンサイズを得ることができる。
<比較例6>
実施例24で得られたレジスト用重合体(共重合体A−24)の代わりに、次の下記式(20−11)で表される共重合体(質量平均分子量(Mw)8,800、分子量分布(Mw/Mn)1.79)を用い、PEB温度を125℃から130℃に変えた以外は実施例28と同様にしてレジストパターンを形成した。

(式(20−11)中、n:m:l=40モル%:40モル%:20モル%である。)
得られた130nmのマスクが130nmに転写される露光量(22mJ/cm)で露光したときのラインアンドスペースパターンと、トレンチパターンの解像力は、それぞれ、126nm、130nmであり、ともに良好な形状であったが、ウエハー上に形成された各レジストパターンのサイズは実施例28〜30と比較してバラツキが多く、ウエハー面内均一性が悪かった。
また、PEB温度を130℃から135℃に変えた以外は上記と同様にしてレジストパターン(トレンチパターン)を形成した。そして、それぞれのPEB温度で形成されたレジストパターンの平均寸法を求め、その値から単位温度あたりのレジストパターンサイズの変化量を求めたところ、5.2nm/℃であり、実施例28〜30と比較して大きかった。
【産業上の利用可能性】
本発明のレジスト用重合体を用いたレジスト組成物は、高感度、高解像度であり、レジストパターン形状が良好であり、ラインエッジラフネスの発生が少なく、マイクロゲルの生成も少ないので、高精度の微細なレジストパターンを安定して形成することができる。そのため、本発明のレジスト用重合体を用いたレジスト組成物は、DUVエキシマレーザーリソグラフィーあるいは電子線リソグラフィー、特にArFエキシマレーザー(波長:193nm)を使用するリソグラフィーに好適に用いることができる。
また、本発明のレジスト用重合体を用いたレジスト組成物は、例えば、直径300mm以上の大きな基板においても基板面内で均一なレジストパターンサイズを得ることができ、レジストパターンのPEB温度依存性も小さい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で表される構成単位と、酸脱離性基を有する構成単位と、下記式(4−1)、(4−2)、(4−3)、(4−5)、(4−6)および(4−10)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される、ラクトン骨格を有する構成単位とを含有するレジスト用重合体。

(式(1)中、R01は水素原子またはメチル基を表し、R02は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、Zは、エステル結合している炭素原子およびシアノ基の結合した炭素原子とともに、環式炭化水素基を構成する原子団を表し、pは1〜4の整数を表す。
ただし、pが2以上の場合には、シアノ基が同一の炭素原子に結合していることも、異なる炭素原子に結合していることも含む。)

(式(4−1)中、R41は水素原子またはメチル基を表し、R401、R402はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基または炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基を表すか、あるいは、R401とR402とが一緒になって−O−、−S−、−NH−または炭素数1〜6のメチレン鎖[−(CH−(jは1〜6の整数を表す)]を表し、iは0または1を表し、Xは、置換基としてヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基、シアノ基およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基またはアミノ基を表し、n5は0〜4の整数を表し、mは1または2を表す。なお、n5が2以上の場合にはXとして複数の異なる基を有することも含む。
式(4−2)中、R42は水素原子またはメチル基を表し、R201、R202はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基または炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基を表す。AとAとは一緒になって−O−、−S−、−NH−または炭素数1〜6のメチレン鎖[−(CH−(kは1〜6の整数を表す)]を表す。Xは、置換基としてヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基、シアノ基およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基またはアミノ基を表し、n6は0〜4の整数を表す。なお、n6が2以上の場合にはXとして複数の異なる基を有することも含む。
式(4−3)中、R43は水素原子またはメチル基を表し、R203、R204はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基または炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基を表し、A、Aはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基または炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基を表すか、あるいは、AとAとが一緒になって−O−、−S−、−NH−または炭素数1〜6のメチレン鎖[−(CH−(lは1〜6の整数を表す)]を表す。Xは、置換基としてヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基、シアノ基およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基またはアミノ基を表し、n7は0〜4の整数を表す。なお、n7が2以上の場合にはXとして複数の異なる基を有することも含む。
式(4−5)中、R45は水素原子またはメチル基を表し、R、Rはそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜8の直鎖または分岐アルキル基を表し、R、R62、R72はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表す。Y12、Y22、Y32はそれぞれ独立に−CH−または−CO−O−を表し、そのうち少なくとも一つは−CO−O−を表す。Xは、置換基としてヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基、シアノ基およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基またはアミノ基を表し、n9は0〜4の整数を表す。なお、n9が2以上の場合にはXとして複数の異なる基を有することも含む。
式(4−6)中、R46は水素原子またはメチル基を表し、R10は水素原子または炭素数1〜8の直鎖または分岐アルキル基を表し、R53、R63、R73はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表す。Y13、Y23、Y33はそれぞれ独立に−CH−または−CO−O−を表し、そのうち少なくとも一つは−CO−O−を表す。X10は、置換基としてヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基、シアノ基およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基またはアミノ基を表し、n10は0〜4の整数を表す。なお、n10が2以上の場合にはX10として複数の異なる基を有することも含む。
式(4−10)中、R91、R92、R93、R94はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基または炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基を表すか、あるいは、R91とR92とが一緒になって−O−、−S−、−NH−または炭素数1〜6のメチレン鎖[−(CH−(tは1〜6の整数を表す)]を表し、m1は1または2を表す。)
【請求項2】
上記式(1)中のR02が水素原子である請求項1に記載のレジスト用重合体。
【請求項3】
上記式(1)中のZが、エステル結合している炭素原子およびシアノ基の結合した炭素原子とともに、橋かけ環式炭化水素基を構成する原子団を表す請求項1に記載のレジスト用重合体。
【請求項4】
上記式(1)中のR02が水素原子であり、
pが1である請求項1に記載のレジスト用重合体。
【請求項5】
上記式(1)中のZが、エステル結合している炭素原子およびシアノ基の結合した炭素原子とともに、橋かけ環式炭化水素基を構成する原子団を表し、
pが1である請求項1に記載のレジスト用重合体。
【請求項6】
上記式(1)中のR02が水素原子であり、
Zが、エステル結合している炭素原子およびシアノ基の結合した炭素原子とともに、橋かけ環式炭化水素基を構成する原子団を表し、
pが1である請求項1に記載のレジスト用重合体。
【請求項7】
前記環式炭化水素基が、環式テルペン炭化水素、アダマンタン環、テトラシクロドデカン環、ジシクロペンタン環およびトリシクロデカン環からなる群より選ばれる骨格を有する請求項1に記載のレジスト用重合体。
【請求項8】
上記式(1)中のR02が水素原子であり、
pが1である請求項7に記載のレジスト用重合体。
【請求項9】
前記環式炭化水素基が、ノルボルナン環を有する請求項7に記載のレジスト用重合体。
【請求項10】
上記式(1)中のR02が水素原子であり、
pが1である請求項9に記載のレジスト用重合体。
【請求項11】
上記式(1)で表される構成単位が、下記式(2)で表される構成単位である請求項1に記載のレジスト用重合体。

(式(2)中、R01は水素原子またはメチル基を表す。)
【請求項12】
上記式(1)で表される構成単位が、下記式(1−1)で表される構成単位である請求項1に記載のレジスト用重合体。

(式(1−1)中、R01は水素原子またはメチル基を表し、R03は水素原子または炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐アルキル基を表す。A01、A02はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐アルキル基を表すか、あるいは、A01とA02とが一緒になって−O−、−S−、−NH−または炭素数1〜6のアルキレン鎖を表す。)
【請求項13】
上記式(1)中のpが1であり、
シアノ基が、エステル結合している炭素原子に隣接する炭素原子に結合している請求項1に記載のレジスト用重合体。
【請求項14】
上記式(1)で表される構成単位が、下記式(1−2)で表される構成単位である請求項13に記載のレジスト用重合体。

(式(1−2)中、R01は水素原子またはメチル基を表し、R04、R05、R06、R07はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐アルキル基を表すか、あるいは、R04、R05、R06、R07の2つが一緒になって炭素数1〜6のアルキレン鎖を表す。)
【請求項15】
前記ラクトン骨格を有する構成単位が、上記式(4−1)、(4−2)、(4−3)および(4−10)からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のレジスト用重合体。
【請求項16】
上記式(1)で表される構成単位の比率が合計で5〜30モル%であり、
酸脱離性基を有する構成単位の比率が合計で30〜60モル%であり、
ラクトン骨格を有する構成単位の比率が合計で30〜60モル%である請求項1に記載のレジスト用重合体。
【請求項17】
前記酸脱離性基を有する構成単位が、脂環式骨格を有する請求項1に記載のレジスト用重合体。
【請求項18】
前記酸脱離性基を有する構成単位が、下記式(3−1−1)、(3−2−1)および(3−3−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項17に記載のレジスト用重合体。

(式(3−1−1)中、R31は水素原子またはメチル基を表し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、Xは、置換基としてヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基またはアミノ基を表し、n1は0〜4の整数を表す。なお、n1が2以上の場合にはXとして複数の異なる基を有することも含む。
式(3−2−1)中、R32は水素原子またはメチル基を表し、R、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基を表し、Xは、置換基としてヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基またはアミノ基を表し、n2は0〜4の整数を表す。なお、n2が2以上の場合にはXとして複数の異なる基を有することも含む。
式(3−3−1)中、R33は水素原子またはメチル基を表し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、Xは、置換基としてヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基またはアミノ基を表し、n3は0〜4の整数を表し、qは0または1を表す。なお、n3が2以上の場合にはXとして複数の異なる基を有することも含む。)
【請求項19】
前記酸脱離性基を有する構成単位が、下記式(3−5)で表される構成単位である請求項1に記載のレジスト用重合体。

(式(3−5)中、R35は水素原子またはメチル基を表す。)
【請求項20】
上記式(1)で表される構成単位の少なくとも1種と、上記式(3−1−1)、(3−2−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、上記式(4−1)、(4−2)、(4−3)、(4−5)、(4−6)および(4−10)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位とを含有する請求項1に記載のレジスト用重合体。
【請求項21】
上記式(1)で表される構成単位の少なくとも1種と、上記式(3−1−1)、(3−2−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、上記式(4−1)、(4−2)、(4−3)および(4−10)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位とを含有する請求項1に記載のレジスト用重合体。
【請求項22】
上記式(2)および(1−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、上記式(3−1−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、下記式(4−7)で表される構成単位の少なくとも1種とを含有する請求項1に記載のレジスト用重合体。

(式(4−7)中、R47は水素原子またはメチル基を表す。)
【請求項23】
上記式(2)および(1−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位の比率が合計で5〜30モル%であり、
上記式(3−1−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位の比率が合計で30〜60モル%であり、
上記式(4−7)で表される構成単位の比率が合計で30〜60モル%である請求項22に記載のレジスト用重合体。
【請求項24】
上記式(2)および(1−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、上記式(3−1−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、下記式(4−8)で表される構成単位の少なくとも1種とを含有する請求項1に記載のレジスト用重合体。

(式(4−8)中、R48は水素原子またはメチル基を表す。)
【請求項25】
上記式(2)および(1−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位の比率が合計で5〜30モル%であり、
上記式(3−1−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位の比率が合計で30〜60モル%であり、
上記式(4−8)で表される構成単位の比率が合計で30〜60モル%である請求項24に記載のレジスト用重合体。
【請求項26】
上記式(2)および(1−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、上記式(3−1−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、下記式(4−11)で表される構成単位の少なくとも1種とを含有する請求項1に記載のレジスト用重合体。

(式(4−11)中、R411は水素原子またはメチル基を表す。)
【請求項27】
上記式(2)および(1−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位の比率が合計で5〜30モル%であり、
上記式(3−1−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位の比率が合計で30〜60モル%であり、
上記式(4−11)で表される構成単位の比率が合計で30〜60モル%である請求項26に記載のレジスト用重合体。
【請求項28】
上記式(2)および(1−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、上記式(3−1−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、下記式(4−9)で表される構成単位の少なくとも1種とを含有する請求項1に記載のレジスト用重合体。

(式(4−9)中、R49は水素原子またはメチル基を表す。)
【請求項29】
上記式(2)および(1−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位の比率が合計で5〜30モル%であり、
上記式(3−1−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位の比率が合計で30〜60モル%であり、
上記式(4−9)で表される構成単位の比率が合計で30〜60モル%である請求項28に記載のレジスト用重合体。
【請求項30】
上記式(2)および(1−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、上記式(3−1−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、上記式(4−2)および(4−3)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位とを含有する請求項1に記載のレジスト用重合体。
【請求項31】
上記式(2)および(1−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位の比率が合計で5〜30モル%であり、
上記式(3−1−1)、(3−3−1)および(3−5)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位の比率が合計で30〜60モル%であり、
上記式(4−2)および(4−3)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位の比率が合計で30〜60モル%である請求項30に記載のレジスト用重合体。
【請求項32】
上記式(1)で表される構成単位の少なくとも1種と、上記式(3−1−1)、(3−2−1)および(3−3−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位と、上記式(4−7)および(4−8)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位とを含有する請求項1に記載のレジスト用重合体。
【請求項33】
上記式(1)で表される構成単位の比率が合計で5〜30モル%であり、
上記式(3−1−1)、(3−2−1)および(3−3−1)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位の比率が合計で30〜60モル%であり、
上記式(4−7)および(4−8)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位の比率が合計で30〜60モル%である請求項32に記載のレジスト用重合体。
【請求項34】
上記式(2)で表される構成単位の少なくとも1種と、上記式(3−1−1)で表される構成単位の少なくとも1種と、上記式(4−8)で表される構成単位の少なくとも1種とを含有する請求項1に記載のレジスト用重合体。
【請求項35】
上記式(2)で表される構成単位の比率が合計で5〜30モル%であり、
上記式(3−1−1)で表される構成単位の比率が合計で30〜60モル%であり、
上記式(4−8)で表される構成単位の比率が合計で30〜60モル%である請求項34に記載のレジスト用重合体。
【請求項36】
さらに、下記式(3−1−2)および(3−4)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構成単位を含有する請求項1に記載のレジスト用重合体。

(式(3−1−2)中、R31は水素原子またはメチル基を表し、R11は水素原子を表し、Xは、置換基としてヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基、シアノ基およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基またはアミノ基を表し、n1は0〜4の整数を表す。なお、n1が2以上の場合にはXとして複数の異なる基を有することも含む。
式(3−4)中、R34は水素原子またはメチル基を表し、Xは、置換基としてヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基またはアミノ基を表し、n4は0〜4の整数を表す。なお、n4が2以上の場合にはXとして複数の異なる基を有することも含む。)
【請求項37】
質量平均分子量が1,000〜100,000である請求項1に記載のレジスト用重合体。
【請求項38】
重合することにより目的とする重合体の構成単位となる単量体を含む溶液を重合容器中に滴下しながら重合を行うことにより製造される請求項1に記載のレジスト用重合体。
【請求項39】
請求項1に記載のレジスト用重合体を含有するレジスト組成物。
【請求項40】
請求項1に記載のレジスト用重合体と、光酸発生剤とを含有する化学増幅型レジスト組成物。
【請求項41】
さらに、含窒素化合物を含有する請求項40に記載の化学増幅型レジスト組成物。
【請求項42】
請求項39〜41のいずれかに記載のレジスト組成物を被加工基板上に塗布する工程と、250nm以下の波長の光で露光する工程と、現像液を用いて現像する工程とを有するパターン製造方法。
【請求項43】
露光に用いる光が、ArFエキシマレーザーである請求項42に記載のパターン製造方法。
【請求項44】
請求項39〜41のいずれかに記載のレジスト組成物を被加工基板上に塗布する工程と、電子線で露光する工程と、現像液を用いて現像する工程とを有するパターン製造方法。
【請求項45】
質量平均分子量が5,000〜8,000である請求項1に記載のレジスト用重合体。
【請求項46】
さらに、連鎖移動剤に由来する構成単位を含有する請求項45に記載のレジスト用重合体。
【請求項47】
請求項45に記載のレジスト用重合体を含有するレジスト組成物。
【請求項48】
請求項46に記載のレジスト用重合体を含有するレジスト組成物。
【請求項49】
請求項45に記載のレジスト用重合体と、光酸発生剤とを含有する化学増幅型レジスト組成物。
【請求項50】
請求項46に記載のレジスト用重合体と、光酸発生剤とを含有する化学増幅型レジスト組成物。
【請求項51】
さらに、含窒素化合物を含有する請求項49に記載の化学増幅型レジスト組成物。
【請求項52】
さらに、含窒素化合物を含有する請求項50に記載の化学増幅型レジスト組成物。
【請求項53】
請求項47〜52のいずれかに記載のレジスト組成物を被加工基板上に塗布する工程と、250nm以下の波長の光で露光する工程と、現像液を用いて現像する工程とを有するパターン製造方法。
【請求項54】
露光に用いる光が、ArFエキシマレーザーである請求項53に記載のパターン製造方法。
【請求項55】
請求項47〜52のいずれかに記載のレジスト組成物を被加工基板上に塗布する工程と、電子線で露光する工程と、現像液を用いて現像する工程とを有するパターン製造方法。

【国際公開番号】WO2004/067592
【国際公開日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【発行日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−504741(P2005−504741)
【国際出願番号】PCT/JP2004/000813
【国際出願日】平成16年1月29日(2004.1.29)
【出願人】(000006035)三菱レイヨン株式会社 (2,875)
【Fターム(参考)】