レンズ系、光学機器、レンズ系の製造方法
【課題】内焦方式及び偏心レンズ群を両立させ、小型で高い結像性能を有するレンズ系とこれを有する光学機器、レンズ系の製造方法を提供すること。
【解決手段】複数のレンズ群で構成され、最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群は正屈折力を有し、最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群は、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う合焦レンズ群Gfと、光軸に垂直な方向の成分を持つように移動することが可能な偏心レンズ群Gsとを有し、合焦レンズ群Gfは偏心レンズ群Gsの像側に配置されるレンズ系。
【解決手段】複数のレンズ群で構成され、最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群は正屈折力を有し、最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群は、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う合焦レンズ群Gfと、光軸に垂直な方向の成分を持つように移動することが可能な偏心レンズ群Gsとを有し、合焦レンズ群Gfは偏心レンズ群Gsの像側に配置されるレンズ系。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ系とこれを有する光学機器、レンズ系の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等に適したレンズ系が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−234102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のレンズ系では、最も物体側のレンズ群で合焦する構成の場合、レンズ系が大型化するという問題がある。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、内焦方式及び偏心レンズ群を両立させ、小型で高い結像性能を有するレンズ系とこれを有する光学機器、レンズ系の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、複数のレンズ群で構成され、最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群は正屈折力を有し、前記最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群は、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う合焦レンズ群と、光軸に垂直な方向の成分を持つように移動することが可能な偏心レンズ群とを有し、前記合焦レンズ群は前記偏心レンズ群の像側に配置されることを特徴とするレンズ系を提供する。
【0007】
また、本発明は、前記レンズ系を有することを特徴とする光学機器を提供する。
【0008】
また、本発明は、複数のレンズ群で構成され、最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群は正屈折力を有するレンズ系の製造方法であって、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う合焦レンズ群と、光軸に垂直な方向の成分を持つように移動することが可能な偏心レンズ群とを前記最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群に配置し、前記合焦レンズ群を前記偏心レンズ群の像側に配置することを特徴とするレンズ系の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、内焦方式及び偏心レンズ群を両立させ、小型で高い結像性能を有するレンズ系とこれを有する光学機器、レンズ系の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1実施例に係るレンズ系の構成を示す断面図である。
【図2】第1実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図3】第1実施例に係るレンズ系の近距離合焦状態(撮影倍率−0.01倍)での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図4】第1実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態のレンズシフト状態(0.2mm)でのコマ収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図5】第2実施例に係るレンズ系の構成を示す断面図である。
【図6】第2実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図7】第2実施例に係るレンズ系の近距離合焦状態(撮影倍率−0.01倍)での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図8】第2実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態のレンズシフト状態(0.2mm)でのコマ収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図9】第3実施例に係るレンズ系の構成を示す断面図である。
【図10】第3実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図11】第3実施例に係るレンズ系の近距離合焦状態(撮影倍率−0.01倍)での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図12】第3実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態のレンズシフト状態(0.2mm)でのコマ収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図13】第4実施例に係るレンズ系の構成を示す断面図である。
【図14】第4実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図15】第4実施例に係るレンズ系の近距離合焦状態(撮影倍率−0.01倍)での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図16】第4実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態のレンズシフト状態(0.2mm)でのコマ収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図17】第5実施例に係るレンズ系の構成を示す断面図である。
【図18】第5実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図19】第5実施例に係るレンズ系の近距離合焦状態(撮影倍率−0.01倍)での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図20】第5実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態のレンズシフト状態(0.2mm)でのコマ収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図21】第6実施例に係るレンズ系の構成を示す断面図である。
【図22】第6実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図23】第6実施例に係るレンズ系の近距離合焦状態(撮影倍率−0.01倍)での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図24】第6実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態のレンズシフト状態(0.2mm)でのコマ収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図25】第7実施例に係るレンズ系の構成を示す断面図である。
【図26】第7実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図27】第7実施例に係るレンズ系の近距離合焦状態(撮影倍率−0.01倍)での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図28】第7実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態のレンズシフト状態(0.2mm)でのコマ収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図29】第8実施例に係るレンズ系の構成を示す断面図である。
【図30】第8実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態での諸収差図を示す。
【図31】第8実施例に係るレンズ系の近距離合焦状態(撮影倍率−0.01倍)での諸収差図を示す。
【図32】第8実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態のレンズシフト状態(0.2mm)でのコマ収差図を示す。
【図33】第1実施例に係るレンズ系を備えたカメラの構成を示す図である。
【図34】本願のレンズ系の製造方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本願の一実施形態に係るレンズ系について説明する。
【0012】
本実施形態に係るレンズ系は、複数のレンズ群で構成され、最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群は正屈折力を有し、最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群は、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う合焦レンズ群と、光軸に垂直な方向の成分を持つように移動することが可能な偏心レンズ群とを有し、合焦レンズ群は偏心レンズ群の像側に配置される構成である。なお、偏心レンズ群とは、シフトレンズ群またはチルトレンズ群を示す。
【0013】
偏心レンズ群の像側に合焦レンズ群を配置することにより、偏心レンズ群の偏心時に発生したコマ収差や像面湾曲の劣化を無限遠状態から近距離撮影状態まで合焦レンズ群で良好に緩和することが可能である。
【0014】
また、本実施形態に係るレンズ系は、広角端状態から望遠端状態への変倍に際し、最も物体側のレンズ群と最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群との間隔が変化し、最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群が物体側へ移動することが望ましい。
【0015】
最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群は、被写体の像を拡大する作用をなし、広角端状態から望遠端状態に向かうに従い、最も物体側のレンズ群と最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群との間隔を変化させることにより拡大率を高めて、焦点距離を変化させることが可能である。
【0016】
また、本実施形態に係るレンズ系は、最も物体側のレンズ群は負屈折力を有することが望ましい。
【0017】
最も物体側のレンズ群を負屈折力とすることで、ズーミングに伴う像面の変動を補正することが可能である。
【0018】
また、本実施形態に係るレンズ系は、最も物体側のレンズ群と最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群とは隣接していることが望ましい。
【0019】
最も物体側のレンズ群と最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群を隣接させることにより、変倍時のコマ収差及び像面湾曲の性能劣化を抑制することが可能である。
【0020】
また、本実施形態に係るレンズ系は、合焦レンズ群と偏心レンズ群の間に開口絞りが配置されることが望ましい。
【0021】
像シフト可能なレンズ群は、レンズシフト時の性能劣化を最低限に抑えるために、ズーミングの際に、軸外光束が光軸の近くを通過する絞りに近いレンズ群でレンズシフトを行うことで結像性能を良好に保つことが可能である。また合焦レンズ群を開口絞りの近くに配置することで、無限遠から至近距離までのフォーカシング時における像面変動を抑制することが可能である。
【0022】
また、本実施形態に係るレンズ系は、偏心レンズ群の物体側と像側の少なくとも一方には、補助レンズ群を有することが望ましい。
【0023】
補助レンズ群を配置することにより、レンズシフト時の防振時の偏心コマ発生の抑制や像面湾曲の劣化を緩和することが可能である。
【0024】
また、本実施形態に係るレンズ系は、以下の条件式(1)を満足することが望ましい。
(1) −11.00<fa/fs<11.00
但し、faは補助レンズ群の焦点距離、fsは偏心レンズ群の焦点距離である。
【0025】
条件式(1)は、補助レンズ群と偏心レンズ群の焦点距離比について適切な範囲を規定するための条件式である。
【0026】
条件式(1)の上限値を上回った場合、偏心レンズ群の屈折力が強くなってしまい、偏心レンズ群の光軸に垂直方向の位置制御が困難となってしまう。結果として、偏心コマやコマ収差の補正が困難となってしまい、好ましくない。
【0027】
逆に、条件式(1)の下限値を下回った場合、偏心レンズ群の屈折力が弱くなってしまい、所望の像シフト量を得るのに、より多くのレンズシフト量が必要となってしまう。また、コマ収差や像面湾曲の補正不足となってしまい、好ましくない。
【0028】
なお、実施形態の効果を確実にするために、条件式(1)の上限値を9.22にすることが好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(1)の上限値を7.35にすることが更に好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(1)の上限値を5.48にすることが更に好ましい。
【0029】
また、実施形態の効果を確実にするために、条件式(1)の下限値を−9.18にすることが好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(1)の下限値を−7.35にすることが更に好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(1)の下限値を−5.48にすることが更に好ましい。
【0030】
また、本実施形態に係るレンズ系は、以下の条件式(2)を満足することが望ましい。
(2) 0.05<|f/ff|<0.65
但し、fはレンズ全系の焦点距離、ffは合焦レンズ群の焦点距離である。
【0031】
条件式(2)は、レンズ全系の焦点距離と合焦レンズ群の焦点距離の比について適切な範囲を規定するための条件式である。
【0032】
条件式(2)の上限値を上回った場合、合焦レンズ群の屈折力が強くなってしまい、合焦レンズ群の光軸上の位置制御が困難となってしまう。また、無限遠から近距離撮影時の像面湾曲やコマ収差の変動が大きくなってしまい、好ましくない。
【0033】
逆に、条件式(2)の下限値を下回った場合、合焦レンズ群の屈折力が弱くなってしまい、合焦レンズ群の移動量が多大に必要となってしまう。また、コマ収差や像面湾曲の補正不足となってしまい、好ましくない。
【0034】
なお、実施形態の効果を確実にするために、条件式(2)の上限値を0.60にすることが好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(2)の上限値を0.54にすることが更に好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(2)の上限値を0.48にすることが更に好ましい。
【0035】
また、実施形態の効果を確実にするために、条件式(2)の下限値を0.09にすることが好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(2)の下限値を0.12にすることが更に好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(2)の下限値を0.16にすることが更に好ましい。
【0036】
また、本実施形態に係るレンズ系は、以下の条件式(3)を満足することが望ましい。
(3) 0.05<|fγ|<2.75
但し、fγは合焦レンズ群の像面移動係数(合焦レンズ群の移動量に対する像面の移動量の比率)である。
【0037】
条件式(3)は、合焦レンズ群の像面移動係数について適切な範囲を規定するための条件式である。
【0038】
条件式(3)の上限値を上回った場合、合焦レンズ群の屈折力が弱くなってしまい、合焦レンズ群の光軸上の位置制御が困難となってしまう。また、コマ収差や像面湾曲の補正不足となってしまい、好ましくない。
【0039】
逆に、条件式(3)の下限値を下回った場合、合焦レンズ群の屈折力が強くなってしまい、合焦レンズ群単体で球面収差及びコマ収差が発生してしまう。更には近距離撮影時の性能劣化が大きくなってしまい、好ましくない。
【0040】
なお、実施形態の効果を確実にするために、条件式(3)の上限値を2.55にすることが好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(3)の上限値を2.30にすることが更に好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(3)の上限値を2.00にすることが更に好ましい。
【0041】
また、実施形態の効果を確実にするために、条件式(3)の下限値を0.15にすることが好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(3)の下限値を0.25にすることが更に好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(3)の下限値を0.45にすることが更に好ましい。
【0042】
また、本実施形態に係るレンズ系は、以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
(4) 0.05<|fw/ff|<0.65
但し、fwは広角端状態におけるレンズ全系の焦点距離、ffは合焦レンズ群の焦点距離である。
【0043】
条件式(4)は、広角端状態におけるレンズ全系の焦点距離と合焦レンズ群の焦点距離の比について適切な範囲を規定するための条件式である。
【0044】
条件式(4)の上限値を上回った場合、合焦レンズ群の屈折力が強くなってしまい、合焦レンズ群の光軸上の位置制御が困難となってしまう。また、無限遠から近距離撮影時の像面湾曲やコマ収差の変動が大きくなってしまい、好ましくない。
【0045】
逆に、条件式(4)の下限値を下回った場合、合焦レンズ群の屈折力が弱くなってしまい、合焦レンズ群の移動量が多大に必要となってしまう。また、コマ収差や像面湾曲の補正不足となってしまい、好ましくない。
【0046】
なお、実施形態の効果を確実にするために、条件式(4)の上限値を0.60にすることが好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(4)の上限値を0.54にすることが更に好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(4)の上限値を0.48にすることが更に好ましい。
【0047】
また、実施形態の効果を確実にするために、条件式(4)の下限値を0.09にすることが好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(4)の下限値を0.12にすることが更に好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(4)の下限値を0.16にすることが更に好ましい。
【0048】
また、本実施形態に係るレンズ系は、以下の条件式(5)を満足することが望ましい。
(5) 0.05<|fγw|<2.75
但し、fγwは合焦レンズ群の広角端状態における像面移動係数(合焦レンズ群の移動量に対する像面の移動量の比率)である。
【0049】
条件式(5)は、合焦レンズ群の広角端状態における像面移動係数について適切な範囲を規定するための条件式である。
【0050】
条件式(5)の上限値を上回った場合、合焦レンズ群の屈折力が弱くなってしまい、合焦レンズ群の光軸上の位置制御が困難となってしまう。また、コマ収差や像面湾曲の補正不足となってしまい、好ましくない。
【0051】
逆に、条件式(5)の下限値を下回った場合、合焦レンズ群の屈折力が強くなってしまい、合焦レンズ群単体で球面収差及びコマ収差が発生してしまう。更には近距離撮影時の性能劣化が大きくなってしまい、好ましくない。
【0052】
なお、実施形態の効果を確実にするために、条件式(5)の上限値を2.55にすることが好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(5)の上限値を2.30にすることが更に好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(5)の上限値を2.00にすることが更に好ましい。
【0053】
また、実施形態の効果を確実にするために、条件式(5)の下限値を0.15にすることが好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(5)の下限値を0.25にすることが更に好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(5)の下限値を0.45にすることが更に好ましい。
【0054】
また、本実施形態に係るレンズ系は、以下の条件式(6)を満足することが望ましい。
(6) −4.00<ff/fs<4.00
但し、ffは合焦レンズ群の焦点距離、fsは偏心レンズ群の焦点距離である。
【0055】
条件式(6)は、合焦レンズ群と偏心レンズ群の焦点距離比について適切な範囲を規定するための条件式である。
【0056】
条件式(6)の上限値を上回った場合、合焦レンズ群の屈折力が弱くなってしまい、合焦レンズ群の光軸上の位置制御が困難となってしまう。また、コマ収差や像面湾曲の補正不足となってしまい、好ましくない。また、偏心レンズ群の屈折力が強くなってしまい、偏心レンズ群の光軸に垂直方向の位置制御が困難となってしまう。結果として、偏心コマやコマ収差の補正が困難となってしまい、好ましくない。
【0057】
逆に、条件式(6)の下限値を下回った場合、合焦レンズ群の屈折力が強くなってしまい、合焦レンズ群単体で球面収差及びコマ収差が発生してしまう。更には近距離撮影時の性能劣化が大きくなってしまい、好ましくない。また、偏心レンズ群の屈折力が弱くなってしまい、所望の像シフト量を得るのに、より多くのレンズシフト量が必要となってしまう。また、コマ収差や像面湾曲の補正不足となってしまい、好ましくない。
【0058】
なお、実施形態の効果を確実にするために、条件式(6)の上限値を3.32にすることが好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(6)の上限値を2.66にすることが更に好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(6)の上限値を2.00にすることが更に好ましい。
【0059】
また、実施形態の効果を確実にするために、条件式(6)の下限値を−3.34にすることが好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(6)の下限値を−2.67にすることが更に好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(6)の下限値を−2.00にすることが更に好ましい。
【0060】
また、本実施形態に係るレンズ系は、以下の条件式(7)を満足することが望ましい。
(7) 0.00<(d1−2)/ft<1.50
但し、d1−2は、レンズ全系の最も物体側のレンズの像側のレンズ面から、その直後のレンズの物体側のレンズ面までの光軸上空気間隔、ftは望遠端状態におけるレンズ全系の焦点距離である。
【0061】
条件式(7)は、レンズ全系の最も物体側のレンズの像側のレンズ面から、その直後のレンズの物体側のレンズ面までの光軸上空気間隔に関する条件式である。
【0062】
条件式(7)の上限値を上回った場合、レンズ全系の最も物体側のレンズの像側のレンズ面から、その直後のレンズの物体側のレンズ面までの光軸上空気間隔が大きくなってしまう。結果として、レンズ全系の最も物体側のレンズ群が厚肉化してしまう。結果として、コマ収差及び像面湾曲の十分な補正が困難となってしまい、好ましくない。
【0063】
逆に、条件式(7)の下限値を下回った場合、最も物体側のレンズの屈折力が弱くなってしまい、歪曲収差及びズーミングによる像面湾曲の補正が不十分となってしまい、好ましくない。
【0064】
なお、実施形態の効果を確実にするために、条件式(7)の上限値を1.30にすることが好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(7)の上限値を1.15にすることが更に好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(7)の上限値を1.00にすることが更に好ましい。
【0065】
また、実施形態の効果を確実にするために、条件式(7)の下限値を0.04にすることが好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(7)の下限値を0.09にすることが更に好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(7)の下限値を0.13にすることが更に好ましい。
【0066】
また、本実施形態に係るレンズ系は、偏心レンズ群は非球面を有することが望ましい。
【0067】
この構成により、偏心レンズ群単体で発生する球面収差及びコマ収差を良好に補正し、特に偏心によるコマ収差の性能低下を軽減することができる。
【0068】
なお、本実施形態に係るレンズ系は、高変倍ズームレンズで発生しがちな手ブレ等に起因する像ブレによる撮影の失敗を防ぐために、レンズ系のブレを検出するブレ検出系と駆動手段とをレンズ系に組み合わせ、レンズ系を構成するレンズ群のうち1つのレンズ群の全体または一部を偏心レンズ群として偏心させることが可能である。つまり、ブレ検出系により検出されたレンズ系のブレに起因する像ブレ(像面位置の変動)を補正するように、駆動手段により偏心レンズ群を駆動し、像をシフトさせることが可能である。上述のように、本実施形態に係るレンズ系は、いわゆる防振光学系として機能させることが可能である。
【0069】
(実施例)
以下、本実施形態に係る各実施例について図面を参照しつつ説明する。
【0070】
(第1実施例)
図1は、第1実施例に係るレンズ系の構成を示す断面図である。
【0071】
図1に示すように、第1実施例に係るレンズ系は、光軸に沿って物体側から順に、負屈折力を有する第1レンズ群G1と、正屈折力を有する第2レンズ群G2とから構成され、広角端状態Wから望遠端状態Tへの変倍に際し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が減少するように、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2が移動する。
【0072】
第1レンズ群G1は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と、両凹レンズL12と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13とから構成されている。第1レンズ群G1の最も物体側に位置する負メニスカスレンズL11は、像面I側に非球面を形成した非球面レンズである。
【0073】
第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と両凸レンズL22との接合正レンズと、開口絞りSと、両凸レンズL23と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL24との接合正レンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL25と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL26と両凸レンズL27との接合正レンズとから構成されている。第2レンズ群G2の最も物体側に位置する負メニスカスレンズL21は、物体側に非球面を形成した非球面レンズである。第2レンズ群G2の最も像面I側に位置する両凸レンズL27は、像面I側に非球面を形成した非球面レンズである。
【0074】
像面Iは、不図示の撮像素子上に形成され、該撮像素子はCCDやCMOS等から構成されている(以降の実施例についても同様である)。
【0075】
第2レンズ群G2の群内に配置された開口絞りSは、広角端状態Wから望遠端状態Tへの変倍に際し、第2レンズ群G2と一体に物体側へ移動する。
【0076】
両凸レンズL23と負メニスカスレンズL24との接合正レンズは合焦レンズ群Gfであり、合焦レンズ群Gfを物体側に移動させることにより、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う。
【0077】
負メニスカスレンズL21と両凸レンズL22との接合正レンズは偏心レンズ群Gsであり、偏心レンズ群Gsを光軸に略垂直な方向に移動させることにより、手ぶれ補正(防振)を行う。
【0078】
負メニスカスレンズL25と、負メニスカスレンズL26と両凸レンズL27との接合正レンズとは、負屈折力を有する補助レンズ群Gaである。
【0079】
以下の表1に第1実施例に係るレンズ系の諸元値を掲げる。
【0080】
表中の(面データ)において、物面は物体面、面番号は物体側からの面の番号、rは曲率半径、dは面間隔、ndはd線(波長λ=587.6nm)における屈折率、νdはd線(波長λ=587.6nm)におけるアッベ数、(可変)は可変面間隔、(絞り)は開口絞りS、像面は像面Iをそれぞれ表している。なお、空気の屈折率nd=1.00000は記載を省略している。また、曲率半径r欄の「∞」は平面を示している。
【0081】
(非球面データ)において、非球面は以下の式で表される。
X(y)=(y2/r)/[1+[1−κ(y2/r2)]1/2]
+A4×y4+A6×y6+A8×y8+A10×y10
ここで、光軸に垂直な方向の高さをy、高さyにおける光軸方向の変位量(各非球面の頂点の接平面から各非球面までの光軸に沿った距離)をX(y)、基準球面の曲率半径(近軸曲率半径)をr、円錐係数をκ、n次の非球面係数をAnとする。なお、「E-n」は「×10−n」を示し、例えば「1.234E-05」は「1.234×10−5」を示す。また、各非球面は、(面データ)において、面番号の右側に「*」を付して示している。
【0082】
(各種データ)において、ズーム比はレンズ系の変倍比、Wは広角端状態、Mは中間焦点距離状態、Tは望遠端状態、fは焦点距離、FNOはFナンバー、2ωは画角(単位:「°」)、Yは像高、TLはレンズ系全長、Bfはバックフォーカス、diは面番号iでの可変面間隔値を表している。
【0083】
(合焦レンズ群移動量データ)において、Wは広角端状態、Mは中間焦点距離状態、Tは望遠端状態、fは焦点距離、ΔFxは近距離撮影時の合焦レンズ群の移動量を表している(なお、物体側への移動を正とする)。
【0084】
(ズームレンズ群データ)は、各レンズ群の始面番号とレンズ群の焦点距離をそれぞれ示す。
【0085】
(条件式対応値)は、各条件式の対応値をそれぞれ示す。
【0086】
なお、以下の全ての諸元値において、掲載されている焦点距離f、曲率半径r、面間隔dその他の長さ等は、特記の無い場合一般に「mm」が使われるが、光学系は比例拡大または比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。また、単位は「mm」に限定されること無く他の適当な単位を用いることもできる。さらに、これらの記号の説明は、以降の他の実施例においても同様とし説明を省略する。
【0087】
(表1)
(面データ)
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 18.6779 1.30 1.85135 40.10
2* 7.8525 7.25
3 -94.6821 1.00 1.83481 42.72
4 34.1506 0.31
5 18.6651 2.51 1.86074 23.06
6 78.9142 (可変)
7* 18.1125 1.30 1.83441 37.28
8 12.2772 1.76 1.59319 67.87
9 -2494.0282 3.99
10(絞り) ∞ 1.00
11 23.3375 1.67 1.74400 44.78
12 -19.5626 1.00 1.67270 32.11
13 -219.6865 2.59
14 106.9379 1.53 1.80486 24.73
15 28.0039 1.36
16 352.0524 0.83 1.79952 42.24
17 10.0128 2.17 1.69350 53.20
18* -38.1016 (Bf)
像面 ∞
(非球面データ)
第2面
κ = 0.6460
A4 = 1.2719E-05
A6 = 5.3251E-07
A8 = -4.7392E-09
A10 = 4.5963E-11
第7面
κ = -1.0893
A4 = 3.0467E-05
A6 = 9.8555E-08
A8 = -1.0556E-08
A10 = 2.2926E-10
第18面
κ = 1.0000
A4 = 6.6102E-05
A6 = 5.9125E-08
A8 = 3.8159E-08
A10 = -1.1681E-09
(各種データ)
ズーム比 2.825
W M T
f = 10.30 17.30 29.10
FNO = 3.31 4.22 5.78
2ω = 77.59 49.65 30.52
Y = 7.96 7.96 7.96
TL = 73.80 67.53 72.19
Bf = 18.7255 26.4381 39.4394
d6 23.5020 9.5180 1.1743
(合焦レンズ群移動量データ)
W M T
f = 10.3000 17.3000 29.0999
ΔFx = 0.0669 0.0967 0.1445
(ズームレンズ群データ)
群 始面 焦点距離
1 1 −17.9744
2 7 19.8044
(条件式対応値)
fw=10.3000
ft=29.0999
ff=26.0978
fs=36.6504
fa=−98.3425
d1−2=7.2500
fγw=1.5400
(1) fa/fs=−2.6833
(4) |fw/ff|=0.3947
(5) |fγw|=1.5400
(6) ff/fs=0.7121
(7) (d1−2)/ft=0.2491
【0088】
図2は、第1実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0089】
図3は、第1実施例に係るレンズ系の近距離合焦状態(撮影倍率−0.01倍)での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0090】
図4は、第1実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態のレンズシフト状態(0.2mm)でのコマ収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0091】
各収差図において、FNOはFナンバー、Aは半画角(単位:「°」)、NAは開口数、H0は物体高(単位:「mm」)をそれぞれ示す。そして非点収差図において、実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面をそれぞれ示す。
【0092】
なお、以降の実施例においても同様の記号を使用し、以降の説明を省略する。
【0093】
各収差図から、第1実施例に係るレンズ系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
【0094】
(第2実施例)
図5は、第2実施例に係るレンズ系の構成を示す断面図である。
【0095】
図5に示すように、第2実施例に係るレンズ系は、光軸に沿って物体側から順に、負屈折力を有する第1レンズ群G1と、正屈折力を有する第2レンズ群G2とから構成され、広角端状態Wから望遠端状態Tへの変倍に際し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が減少するように、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2が移動する。
【0096】
第1レンズ群G1は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と、両凹レンズL12と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL14とから構成されている。第1レンズ群G1の最も物体側に位置する負メニスカスレンズL11は、像面I側に非球面を形成した非球面レンズである。
【0097】
第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL22との接合正レンズと、開口絞りSと、両凸レンズL23と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL24との接合正レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL25と、両凹レンズL26と両凸レンズL27との接合負レンズとから構成されている。第2レンズ群G2の最も物体側に位置する負メニスカスレンズL21は、物体側に非球面を形成した非球面レンズである。第2レンズ群G2の偏心レンズ群Gsの像面I側に位置する正メニスカスレンズL25は、物体側に非球面を形成した非球面レンズである。第2レンズ群G2の最も像面I側に位置する両凸レンズL27は、像面I側に非球面を形成した非球面レンズである。
【0098】
第2レンズ群G2の群内に配置された開口絞りSは、広角端状態Wから望遠端状態Tへの変倍に際し、第2レンズ群G2と一体に物体側へ移動する。
【0099】
正メニスカスレンズL25は合焦レンズ群Gfであり、合焦レンズ群Gfを物体側に移動させることにより、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う。
【0100】
両凸レンズL23と負メニスカスレンズL24との接合正レンズは偏心レンズ群Gsであり、偏心レンズ群Gsを光軸に略垂直な方向に移動させることにより、手ぶれ補正(防振)を行う。
【0101】
負メニスカスレンズL21と正メニスカスレンズL22との接合正レンズは補助レンズ群Gaである。
【0102】
以下の表2に第2実施例に係るレンズ系の諸元値を掲げる。
【0103】
(表2)
(面データ)
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 16.2784 1.30 1.85135 40.10
2* 8.9447 5.30
3 -301.3986 1.00 1.88300 40.76
4 12.6615 1.06
5 18.9306 1.56 1.76346 26.38
6 27.0707 1.36
7 18.2904 2.18 1.86074 23.06
8 58.5517 (可変)
9* 16.7318 1.39 1.85135 40.10
10 11.1081 1.81 1.58090 57.73
11 676.4968 4.01
12(絞り) ∞ 1.00
13 134.3575 1.83 1.75197 47.49
14 -10.0350 1.00 1.83781 31.56
15 -34.0385 1.80
16* 13.9946 1.35 1.77377 47.17
17 24.7571 2.13
18 -54.0166 0.80 1.89370 35.17
19 9.5527 1.80 1.73077 40.50
20* -53.9739 (Bf)
像面 ∞
(非球面データ)
第2面
κ = 0.1601
A4 = 9.1340E-05
A6 = 4.5205E-07
A8 = 5.5818E-09
A10 = -2.4977E-11
第9面
κ = -3.5386
A4 = 1.0402E-04
A6 = -8.0989E-07
A8 = 1.5095E-08
A10 = -1.1446E-10
第16面
κ = -0.0568
A4 = 1.5624E-04
A6 = 1.5318E-06
A8 = 1.2547E-08
A10 = 0.0000E+00
第20面
κ = 1.0000
A4 = 1.9868E-04
A6 = 1.8409E-06
A8 = 9.4693E-08
A10 = -1.4396E-09
(各種データ)
ズーム比 2.825
W M T
f = 10.30 17.30 29.10
FNO = 3.51 4.14 5.77
2ω = 78.05 49.64 30.55
Y = 7.96 7.96 7.96
TL = 74.56 70.81 77.93
Bf = 20.7334 29.3225 43.8013
d8 21.1546 8.8150 1.4524
(合焦レンズ群移動量データ)
W M T
f = 10.3000 17.3001 29.1002
ΔFx = 0.0672 0.0808 0.0889
(ズームレンズ群データ)
群 始面 焦点距離
1 1 −16.0000
2 9 19.6321
(条件式対応値)
fw=10.3000
ft=29.1002
ff=39.4493
fs=49.2923
fa=37.5001
d1−2=5.2957
fγw=1.5310
(1) fa/fs=0.7608
(4) |fw/ff|=0.2611
(5) |fγw|=1.5310
(6) ff/fs=0.8003
(7) (d1−2)/ft=0.1820
【0104】
図6は、第2実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0105】
図7は、第2実施例に係るレンズ系の近距離合焦状態(撮影倍率−0.01倍)での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0106】
図8は、第2実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態のレンズシフト状態(0.2mm)でのコマ収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0107】
各収差図から、第2実施例に係るレンズ系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
【0108】
(第3実施例)
図9は、第3実施例に係るレンズ系の構成を示す断面図である。
【0109】
図9に示すように、第3実施例に係るレンズ系は、光軸に沿って物体側から順に、負屈折力を有する第1レンズ群G1と、正屈折力を有する第2レンズ群G2とから構成され、広角端状態Wから望遠端状態Tへの変倍に際し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が減少するように、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2が移動する。
【0110】
第1レンズ群G1は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL12と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL14とから構成されている。第1レンズ群G1の最も物体側に位置する負メニスカスレンズL11は、像面I側に非球面を形成した非球面レンズである。
【0111】
第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL22との接合正レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23と、開口絞りSと、両凸レンズL24と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL25との接合正レンズと、両凹レンズL26と両凸レンズL27との接合負レンズとから構成されている。第2レンズ群G2の最も物体側に位置する負メニスカスレンズL21は、物体側に非球面を形成した非球面レンズである。第2レンズ群G2の開口絞りSの物体側に位置する正メニスカスレンズL23は、物体側に非球面を形成した非球面レンズである。第2レンズ群G2の最も像面I側に位置する両凸レンズL27は、像面I側に非球面を形成した非球面レンズである。
【0112】
第2レンズ群G2の群内に配置された開口絞りSは、広角端状態Wから望遠端状態Tへの変倍に際し、第2レンズ群G2と一体に物体側へ移動する。
【0113】
両凹レンズL26と両凸レンズL27との接合負レンズは合焦レンズ群Gfであり、合焦レンズ群Gfを像面I側に移動させることにより、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う。
【0114】
両凸レンズL24と負メニスカスレンズL25との接合正レンズは偏心レンズ群Gsであり、偏心レンズ群Gsを光軸に略垂直な方向に移動させることにより、手ぶれ補正(防振)を行う。
【0115】
正メニスカスレンズL23は補助レンズ群Gaである。
【0116】
以下の表3に第3実施例に係るレンズ系の諸元値を掲げる。
【0117】
(表3)
(面データ)
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 18.4021 1.30 1.85135 40.10
2* 9.4660 5.19
3 106.6621 1.00 1.88300 40.76
4 12.4920 1.75
5 18.3528 1.77 1.84666 23.78
6 28.9480 0.65
7 17.1399 2.08 1.80809 22.79
8 32.7787 (可変)
9* 15.0062 0.80 1.83441 37.28
10 9.9310 1.70 1.74100 52.67
11 36.5917 4.24
12* 20.2806 1.24 1.58913 61.25
13 519.9944 0.80
14(絞り) ∞ 1.00
15 33.1718 2.09 1.61720 54.01
16 -13.7000 1.00 1.74077 27.78
17 -47.2996 0.81
18 ∞ 1.00
19 -12.0144 0.80 1.83400 37.16
20 10.7146 3.37 1.73077 40.50
21* -14.3627 (Bf)
像面 ∞
(非球面データ)
第2面
κ = -0.8688
A4 = 2.2426E-04
A6 = -1.1858E-07
A8 = 2.0865E-09
A10 = 0.0000E+00
第9面
κ = 1.5382
A4 = -4.3414E-05
A6 = 1.8507E-08
A8 = -3.1873E-08
A10 = 9.2225E-10
第12面
κ = 1.0000
A4 = 6.9511E-05
A6 = 8.0932E-07
A8 = -2.7525E-09
A10 = 0.0000E+00
第21面
κ = 1.0000
A4 = 7.5377E-05
A6 = 6.6313E-07
A8 = 0.0000E+00
A10 = 0.0000E+00
(各種データ)
ズーム比 2.825
W M T
f = 10.30 17.30 29.10
FNO = 3.57 4.27 5.80
2ω = 77.45 49.72 30.58
Y = 7.96 7.96 7.96
TL = 74.59 69.93 76.27
Bf = 19.7396 28.1183 42.2423
d8 22.2705 9.2305 1.4500
(合焦レンズ群移動量データ)
W M T
f = 10.3000 17.3001 29.1002
ΔFx = -0.0718 -0.0883 -0.0984
(ズームレンズ群データ)
群 始面 焦点距離
1 1 −16.6530
2 9 19.9329
(条件式対応値)
fw=10.3000
ft=29.0999
ff=−52.4471
fs=40.0000
fa=35.7888
d1−2=5.1881
fγw=−1.4369
(1) fa/fs=0.8947
(4) |fw/ff|=0.1964
(5) |fγw|=1.4369
(6) ff/fs=−1.3112
(7) (d1−2)/ft=0.1783
【0118】
図10は、第3実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0119】
図11は、第3実施例に係るレンズ系の近距離合焦状態(撮影倍率−0.01倍)での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0120】
図12は、第3実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態のレンズシフト状態(0.2mm)でのコマ収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0121】
各収差図から、第3実施例に係るレンズ系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
【0122】
(第4実施例)
図13は、第4実施例に係るレンズ系の構成を示す断面図である。
【0123】
図13に示すように、第4実施例に係るレンズ系は、光軸に沿って物体側から順に、負屈折力を有する第1レンズ群G1と、正屈折力を有する第2レンズ群G2とから構成され、広角端状態Wから望遠端状態Tへの変倍に際し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が減少するように、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2が移動する。
【0124】
第1レンズ群G1は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と、両凹レンズL12と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13とから構成されている。第1レンズ群G1の最も物体側に位置する負メニスカスレンズL11は、両面に非球面を形成した非球面レンズである。第1レンズ群G1の両凹レンズL12は、像面I側に非球面を形成した非球面レンズである。
【0125】
第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL21と、開口絞りSと、両凸レンズL22と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL23との接合正レンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL24と両凸レンズL25との接合正レンズと、像面I側に凸面を向けた正メニスカスレンズL26と、像面I側に凸面を向けた負メニスカスレンズL27とから構成されている。第2レンズ群G2の最も像面I側に位置する負メニスカスレンズL27は、像面I側に非球面を形成した非球面レンズである。
【0126】
第2レンズ群G2の群内に配置された開口絞りSは、広角端状態Wから望遠端状態Tへの変倍に際し、第2レンズ群G2と一体に物体側へ移動する。
【0127】
負メニスカスレンズL24と両凸レンズL25との接合正レンズは合焦レンズ群Gfであり、合焦レンズ群Gfを物体側に移動させることにより、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う。
【0128】
正メニスカスレンズL21は偏心レンズ群Gsであり、偏心レンズ群Gsを光軸に略垂直な方向に移動させることにより、手ぶれ補正(防振)を行う。
【0129】
正メニスカスレンズL26と、負メニスカスレンズL27とは、正屈折力を有する補助レンズ群Gaである。
【0130】
以下の表4に第4実施例に係るレンズ系の諸元値を掲げる。
【0131】
(表4)
(面データ)
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1* 65.6582 1.80 1.76802 49.23
2* 11.1606 10.60
3 -41.8065 3.20 1.76802 49.23
4* 17.5136 3.80
5 14.4408 2.30 1.92286 20.88
6 23.0940 (可変)
7 13.2190 1.50 1.75500 52.32
8 37.9290 1.60
9(絞り) ∞ 1.50
10 21.6826 6.50 1.49782 82.56
11 -9.3713 1.00 1.88300 40.77
12 -50.0183 1.42
13 11.9486 1.20 1.90366 31.31
14 7.9899 2.50 1.49782 82.56
15 -409.7597 1.25
16 -5817.7134 1.80 1.49782 82.56
17 -17.3100 0.40
18 -13.7854 1.20 1.76802 49.23
19* -21.3255 (Bf)
像面 ∞
(非球面データ)
第1面
κ = 11.2695
A4 = 6.5208E-08
A6 = 4.5111E-09
A8 = 0.0000E+00
A10 = 0.0000E+00
第2面
κ = -0.6591
A4 = 0.0000E+00
A6 = 0.0000E+00
A8 = 0.0000E+00
A10 = 0.0000E+00
第4面
κ = 2.7380
A4 = 1.5432E-04
A6 = 3.8186E-07
A8 = 0.0000E+00
A10 = 0.0000E+00
第19面
κ =-21.6774
A4 = -1.3542E-04
A6 = 5.0739E-06
A8 = -6.2280E-08
A10 = 0.0000E+00
(各種データ)
ズーム比 1.828
W M T
f = 6.90 9.50 12.61
FNO = 3.62 4.52 5.77
2ω = 98.83 79.61 63.97
Y = 7.96 7.96 7.96
TL = 70.23 68.58 69.98
Bf = 14.6644 19.2561 24.7483
d6 11.9986 5.7487 1.6581
(合焦レンズ群移動量データ)
W M T
f = 6.9000 9.5000 12.6100
ΔFx = 0.1039 0.1452 0.2194
(ズームレンズ群データ)
群 始面 焦点距離
1 1 −9.4458
2 7 16.6813
(条件式対応値)
fw=6.9000
ft=12.6100
ff=35.2637
fs=26.1912
fa=101.5495
d1−2=10.6000
fγw=0.6637
(1) fa/fs=3.8772
(4) |fw/ff|=0.1957
(5) |fγw|=0.6637
(6) ff/fs=1.3464
(7) (d1−2)/ft=0.8406
【0132】
図14は、第4実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0133】
図15は、第4実施例に係るレンズ系の近距離合焦状態(撮影倍率−0.01倍)での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0134】
図16は、第4実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態のレンズシフト状態(0.2mm)でのコマ収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0135】
各収差図から、第4実施例に係るレンズ系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
【0136】
(第5実施例)
図17は、第5実施例に係るレンズ系の構成を示す断面図である。
【0137】
図17に示すように、第5実施例に係るレンズ系は、光軸に沿って物体側から順に、負屈折力を有する第1レンズ群G1と、正屈折力を有する第2レンズ群G2とから構成され、広角端状態Wから望遠端状態Tへの変倍に際し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が減少するように、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2が移動する。
【0138】
第1レンズ群G1は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL12と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13とから構成されている。第1レンズ群G1の最も物体側に位置する負メニスカスレンズL11は、像面I側に非球面を形成した非球面レンズである。
【0139】
第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と両凸レンズL22との接合正レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23と、開口絞りSと、両凹レンズL24と、両凸レンズL25と両凹レンズL26との接合負レンズと、両凸レンズL27とから構成されている。第2レンズ群G2の両凹レンズL24は、像面I側に非球面を形成した非球面レンズである。第2レンズ群G2の最も像面I側に位置する両凸レンズL27は、像面I側に非球面を形成した非球面レンズである。
【0140】
第2レンズ群G2の群内に配置された開口絞りSは、広角端状態Wから望遠端状態Tへの変倍に際し、第2レンズ群G2と一体に物体側へ移動する。
【0141】
正メニスカスレンズL23は合焦レンズ群Gfであり、合焦レンズ群Gfを物体側に移動させることにより、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う。
【0142】
負メニスカスレンズL21と両凸レンズL22との接合正レンズは偏心レンズ群Gsであり、偏心レンズ群Gsを光軸に略垂直な方向に移動させることにより、手ぶれ補正(防振)を行う。
【0143】
両凹レンズL24と、両凸レンズL25と両凹レンズL26との接合負レンズと、両凸レンズL27とは、負屈折力を有する補助レンズ群Gaである。
【0144】
以下の表5に第5実施例に係るレンズ系の諸元値を掲げる。
【0145】
(表5)
(面データ)
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 25.0000 1.80 1.77377 47.17
2* 8.2000 5.44
3 195.9606 0.80 1.75500 52.32
4 27.4972 1.32
5 16.4792 2.39 1.84666 23.78
6 33.0474 (可変)
7 48.1225 0.80 1.80810 22.76
8 29.9061 1.89 1.65160 58.55
9 -48.2389 2.96
10 9.6847 1.93 1.60300 65.44
11 26.0017 1.00
12(絞り) ∞ 1.30
13 -34215.1520 0.80 1.82080 42.71
14* 16.7358 1.76
15 20.3058 1.72 1.49700 81.54
16 -90.6802 0.80 1.83400 37.16
17 17.5527 0.44
18 12.3817 2.16 1.66910 55.42
19* -74.1839 (Bf)
像面 ∞
(非球面データ)
第2面
κ = 0.6129
A4 = 1.9233E-05
A6 = 1.4470E-07
A8 = 1.3914E-09
A10 = 1.5950E-12
第14面
κ = 0.1365
A4 = -3.4023E-05
A6 = 1.6026E-06
A8 = -2.1064E-07
A10 = 7.1553E-09
第19面
κ = -8.5088
A4 = 2.4559E-04
A6 = 2.7667E-06
A8 = -3.1696E-08
A10 = 4.6513E-10
(各種データ)
ズーム比 2.825
W M T
f = 10.30 18.75 29.10
FNO = 3.64 4.59 5.86
2ω = 78.83 46.51 30.69
Y = 7.96 7.96 7.96
TL = 73.78 67.23 71.78
Bf = 20.0062 29.3544 40.8045
d6 23.7984 7.8948 1.0000
(合焦レンズ群移動量データ)
W M T
f = 10.3000 18.7500 29.1000
ΔFx = 0.0603 0.0996 0.1542
(ズームレンズ群データ)
群 始面 焦点距離
1 1 −18.1260
2 7 20.0528
(条件式対応値)
fw=10.3000
ft=29.1000
ff=24.5020
fs=40.2798
fa=−149.0129
d1−2=5.4400
fγw=1.7079
(1) fa/fs=−3.6994
(4) |fw/ff|=0.4204
(5) |fγw|=1.7079
(6) ff/fs=0.6083
(7) (d1−2)/ft=0.1869
【0146】
図18は、第5実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0147】
図19は、第5実施例に係るレンズ系の近距離合焦状態(撮影倍率−0.01倍)での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0148】
図20は、第5実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態のレンズシフト状態(0.2mm)でのコマ収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0149】
各収差図から、第5実施例に係るレンズ系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
【0150】
(第6実施例)
図21は、第6実施例に係るレンズ系の構成を示す断面図である。
【0151】
図21に示すように、第6実施例に係るレンズ系は、光軸に沿って物体側から順に、負屈折力を有する第1レンズ群G1と、正屈折力を有する第2レンズ群G2とから構成され、広角端状態Wから望遠端状態Tへの変倍に際し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が減少するように、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2が移動する。
【0152】
第1レンズ群G1は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と、両凹レンズL12と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL14とから構成されている。第1レンズ群G1の最も物体側に位置する負メニスカスレンズL11は、像面I側に非球面を形成した非球面レンズである。
【0153】
第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と両凸レンズL22との接合正レンズと、開口絞りSと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL24と、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL25と両凹レンズL26との接合負レンズと、両凸レンズL27とから構成されている。第2レンズ群G2の正メニスカスレンズL24は、像面I側に非球面を形成した非球面レンズである。第2レンズ群G2の最も像面I側に位置する両凸レンズL27は、像面I側に非球面を形成した非球面レンズである。
【0154】
第2レンズ群G2の群内に配置された開口絞りSは、広角端状態Wから望遠端状態Tへの変倍に際し、第2レンズ群G2と一体に物体側へ移動する。
【0155】
正メニスカスレンズL24は合焦レンズ群Gfであり、合焦レンズ群Gfを物体側に移動させることにより、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う。
【0156】
負メニスカスレンズL21と両凸レンズL22との接合正レンズは偏心レンズ群Gsであり、偏心レンズ群Gsを光軸に略垂直な方向に移動させることにより、手ぶれ補正(防振)を行う。
【0157】
正メニスカスレンズL23は、補助レンズ群Gaである。
【0158】
以下の表6に第6実施例に係るレンズ系の諸元値を掲げる。
【0159】
(表6)
(面データ)
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 21.5900 1.80 1.77377 47.17
2* 8.3834 5.81
3 -330.2204 0.80 1.75500 52.32
4 20.4287 0.90
5 34.6426 1.58 1.69895 30.13
6 56.8065 0.20
7 17.3398 2.42 1.80518 25.42
8 40.5926 (可変)
9 38.9358 0.80 1.84666 23.78
10 20.3696 2.02 1.64000 60.08
11 -52.1553 3.41
12(絞り) ∞ 0.40
13 8.7558 2.14 1.60300 65.44
14 11.3294 2.22
15 25.7295 1.53 1.77377 47.17
16* 836.1941 1.70
17 -63.5509 1.90 1.49700 81.54
18 -10.3135 0.80 1.83481 42.71
19 12.9668 0.50
20 13.3653 2.59 1.66910 55.42
21* -20.7258 (Bf)
像面 ∞
(非球面データ)
第2面
κ = 0.6895
A4 = 2.9268E-06
A6 = 5.0186E-08
A8 = 2.0720E-09
A10 = -2.1936E-11
第16面
κ = 11.0000
A4 = 1.1167E-05
A6 = 1.2804E-06
A8 = -9.7386E-08
A10 = 2.7299E-09
第21面
κ = 3.1942
A4 = 1.5565E-04
A6 = 1.5752E-06
A8 = 1.9610E-08
A10 = 9.0671E-11
(各種データ)
ズーム比 2.825
W M T
f = 10.30 18.75 29.10
FNO = 3.64 4.57 5.86
2ω = 78.82 46.27 30.58
Y = 7.96 7.96 7.96
TL = 75.78 69.22 73.78
Bf = 18.4425 27.8042 39.2710
d8 23.8288 7.9040 1.0000
(合焦レンズ群移動量データ)
W M T
f = 10.3000 18.7500 29.1000
ΔFx = 0.0661 0.0871 0.1004
(ズームレンズ群データ)
群 始面 焦点距離
1 1 −18.1250
2 9 20.0807
(条件式対応値)
fw=10.3000
ft=29.1000
ff=34.2797
fs=42.2410
fa=48.6750
d1−2=5.8071
fγw=1.5555
(1) fa/fs=1.1523
(4) |fw/ff|=0.3005
(5) |fγw|=1.5555
(6) ff/fs=0.8115
(7) (d1−2)/ft=0.1996
【0160】
図22は、第6実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0161】
図23は、第6実施例に係るレンズ系の近距離合焦状態(撮影倍率−0.01倍)での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0162】
図24は、第6実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態のレンズシフト状態(0.2mm)でのコマ収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0163】
各収差図から、第6実施例に係るレンズ系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
【0164】
(第7実施例)
図25は、第7実施例に係るレンズ系の構成を示す断面図である。
【0165】
図25に示すように、第7実施例に係るレンズ系は、光軸に沿って物体側から順に、負屈折力を有する第1レンズ群G1と、正屈折力を有する第2レンズ群G2と、正屈折力を有する第3レンズ群G3とから構成され、広角端状態Wから望遠端状態Tへの変倍に際し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が減少するように、また第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との空気間隔が減少するように、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2と第3レンズ群G3が移動する。
【0166】
第1レンズ群G1は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と、両凹レンズL12と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13とから構成されている。第1レンズ群G1の最も物体側に位置する負メニスカスレンズL11は、像面I側に非球面を形成した非球面レンズである。
【0167】
第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と両凸レンズL22との接合正レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23と、開口絞りSと、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL24と両凹レンズL25との接合負レンズとから構成されている。第2レンズ群G2の正メニスカスレンズL24は、物体側に非球面を形成した非球面レンズである。
【0168】
第3レンズ群G3は、光軸に沿って物体側から順に、両凸レンズL31と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL32と両凸レンズL33との接合負レンズとから構成されている。第3レンズ群G3の両凸レンズL31は、像面I側に非球面を形成した非球面レンズである。
【0169】
第2レンズ群G2の群内に配置された開口絞りSは、広角端状態Wから望遠端状態Tへの変倍に際し、第2レンズ群G2と一体に物体側へ移動する。
【0170】
正メニスカスレンズL23は合焦レンズ群Gfであり、合焦レンズ群Gfを物体側に移動させることにより、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う。
【0171】
負メニスカスレンズL21と両凸レンズL22との接合正レンズは偏心レンズ群Gsであり、偏心レンズ群Gsを光軸に略垂直な方向に移動させることにより、手ぶれ補正(防振)を行う。
【0172】
正メニスカスレンズL24と両凹レンズL25との接合負レンズは、補助レンズ群Gaである。
【0173】
以下の表7に第7実施例に係るレンズ系の諸元値を掲げる。
【0174】
(表7)
(面データ)
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 25.0000 1.80 1.74330 49.32
2* 8.5722 5.23
3 -31.9974 0.80 1.49700 81.54
4 25.7099 0.15
5 16.2678 2.16 1.84666 23.78
6 33.0579 (可変)
7 27.3560 0.80 1.79504 28.69
8 12.7778 2.62 1.60300 65.44
9 -27.7840 3.04
10 10.6214 2.34 1.60300 65.44
11 28.5797 1.86
12(絞り) ∞ 1.10
13* -27.4165 1.37 1.82115 24.06
14 -17.0648 0.80 1.75500 52.32
15 21.3149 (可変)
16 18.9858 2.05 1.67790 54.89
17* -30.4460 0.15
18 155.5536 0.80 1.85026 32.35
19 12.8042 2.38 1.60300 65.44
20 -74.1840 (Bf)
像面 ∞
(非球面データ)
第2面
κ = 0.8028
A4 = -2.1183E-06
A6 = -2.6605E-09
A8 = 1.1966E-09
A10 = -3.0855E-11
第13面
κ = -7.4148
A4 = 2.7745E-05
A6 = -2.0384E-06
A8 = -2.7176E-07
A10 = -9.6003E-09
第17面
κ = 0.2983
A4 = 1.5880E-04
A6 = 1.8851E-06
A8 = -5.0971E-08
A10 = 8.8426E-10
(各種データ)
ズーム比 2.825
W M T
f = 10.30 18.75 29.10
FNO = 3.64 4.23 5.86
2ω = 78.78 46.56 30.67
Y = 7.96 7.96 7.96
TL = 66.55 62.74 68.78
Bf = 15.4801 25.2812 36.7848
d6 17.8651 5.8489 1.0000
d15 3.7597 2.1640 1.5500
(合焦レンズ群移動量データ)
W M T
f = 10.3000 18.7500 29.1000
ΔFx = 0.0719 0.1246 0.1964
(ズームレンズ群データ)
群 始面 焦点距離
1 1 −15.3542
2 7 26.5552
3 16 19.4757
(条件式対応値)
fw=10.3000
ft=29.1000
ff=26.7219
fs=28.4536
fa=−15.9679
d1−2=5.2284
fγw=1.4308
(1) fa/fs=−0.5612
(4) |fw/ff|=0.3855
(5) |fγw|=1.4308
(6) ff/fs=0.9391
(7) (d1−2)/ft=0.1797
【0175】
図26は、第7実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0176】
図27は、第7実施例に係るレンズ系の近距離合焦状態(撮影倍率−0.01倍)での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0177】
図28は、第7実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態のレンズシフト状態(0.2mm)でのコマ収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0178】
各収差図から、第7実施例に係るレンズ系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
【0179】
(第8実施例)
図29は、第8実施例に係るレンズ系の構成を示す断面図である。
【0180】
図29に示すように、第8実施例に係るレンズ系は、単焦点レンズであり、光軸に沿って物体側から順に、負屈折力を有する第1レンズ群G1と、正屈折力を有する第2レンズ群G2とから構成されている。
【0181】
第1レンズ群G1は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と、両凹レンズL12と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13とから構成されている。第1レンズ群G1の最も物体側に位置する負メニスカスレンズL11は、像面I側に非球面を形成した非球面レンズである。
【0182】
第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と両凸レンズL22との接合正レンズと、開口絞りSと、両凸レンズL23と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL24との接合正レンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL25と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL26と両凸レンズL27との接合正レンズとから構成されている。第2レンズ群G2の最も物体側に位置する負メニスカスレンズL21は、物体側に非球面を形成した非球面レンズである。第2レンズ群G2の最も像面I側に位置する両凸レンズL27は、像面I側に非球面を形成した非球面レンズである。
【0183】
両凸レンズL23と負メニスカスレンズL24との接合正レンズは合焦レンズ群Gfであり、合焦レンズ群Gfを物体側に移動させることにより、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う。
【0184】
負メニスカスレンズL21と両凸レンズL22との接合正レンズは偏心レンズ群Gsであり、偏心レンズ群Gsを光軸に略垂直な方向に移動させることにより、手ぶれ補正(防振)を行う。
【0185】
負メニスカスレンズL25と、負メニスカスレンズL26と両凸レンズL27との接合正レンズとは、負屈折力を有する補助レンズ群Gaである。
【0186】
以下の表8に第8実施例に係るレンズ系の諸元値を掲げる。なお、条件式対応値の条件式(7)のftは、レンズ全系の焦点距離fと同じである。
【0187】
(表8)
(面データ)
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 18.6779 1.30 1.85135 40.10
2* 7.8525 7.25
3 -94.6821 1.00 1.83481 42.72
4 34.1506 0.31
5 18.6651 2.51 1.86074 23.06
6 78.9142 23.50
7* 18.1125 1.30 1.83441 37.28
8 12.2772 1.76 1.59319 67.87
9 -2494.0282 3.99
10(絞り) ∞ 1.00
11 23.3375 1.67 1.74400 44.78
12 -19.5626 1.00 1.67270 32.11
13 -219.6865 2.59
14 106.9379 1.53 1.80486 24.73
15 28.0039 1.36
16 352.0524 0.83 1.79952 42.24
17 10.0128 2.17 1.69350 53.20
18* -38.1016 18.73
像面 ∞
(非球面データ)
第2面
κ = 0.6460
A4 = 1.2719E-05
A6 = 5.3251E-07
A8 = -4.7392E-09
A10 = 4.5963E-11
第7面
κ = -1.0893
A4 = 3.0467E-05
A6 = 9.8555E-08
A8 = -1.0556E-08
A10 = 2.2926E-10
第18面
κ = 1.0000
A4 = 6.6102E-05
A6 = 5.9125E-08
A8 = 3.8159E-08
A10 = -1.1681E-09
(各種データ)
f = 10.30
FNO = 3.31
2ω = 77.59
Y = 7.96
TL = 73.80
(合焦レンズ群移動量データ)
f = 10.3000
ΔFx = 0.0669
(条件式対応値)
f=10.3000
ff=26.0978
fs=36.6504
fa=−98.3425
d1−2=7.2500
fγ=1.5400
(1) fa/fs=−2.6833
(2) |f/ff|=0.3947
(3) |fγ|=1.5400
(6) ff/fs=0.7121
(7) (d1−2)/ft=0.7039
【0188】
図30は、第8実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態での諸収差図を示す。
【0189】
図31は、第8実施例に係るレンズ系の近距離合焦状態(撮影倍率−0.01倍)での諸収差図を示す。
【0190】
図32は、第8実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態のレンズシフト状態(0.2mm)でのコマ収差図を示す。
【0191】
各収差図から、第8実施例に係るレンズ系は、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
【0192】
以上のように、本実施形態によれば、内焦方式及び偏心レンズ群を両立させ、広画角かつ小型で高い結像性能を有するレンズ系を提供することができる。
【0193】
次に、本実施形態に係るレンズ系を搭載したカメラについて説明する。なお、第1実施例に係るレンズ系を搭載した場合について説明するが、他の実施例でも同様である。
【0194】
図33は、第1実施例に係るレンズ系を備えたカメラの構成を示す図である。
【0195】
図33において、カメラ1は、撮影レンズ2として第1実施例に係るレンズ系を備えたデジタル一眼レフカメラである。カメラ1において、不図示の物体(被写体)からの光は、撮影レンズ2で集光されて、クイックリターンミラー3を介して焦点板4に結像される。そして焦点板4に結像されたこの光は、ペンタプリズム5中で複数回反射されて接眼レンズ6へ導かれる。これにより撮影者は、被写体像を接眼レンズ6を介して正立像として観察することができる。
【0196】
また、撮影者によって不図示のレリーズボタンが押されると、クイックリターンミラー3が光路外へ退避し、不図示の被写体からの光は撮像素子7へ到達する。これにより被写体からの光は、撮像素子7によって撮像されて、被写体画像として不図示のメモリに記録される。このようにして、撮影者はカメラ1による被写体の撮影を行うことができる。
【0197】
カメラ1に撮影レンズ2として第1実施例に係るレンズ系を搭載することにより、高い性能を有するカメラを実現することができる。
【0198】
以下、本願のレンズ系の製造方法の概略を説明する。
【0199】
図34は、本願のレンズ系の製造方法を示す図である。
【0200】
本願のレンズ系の製造方法は、複数のレンズ群で構成され、最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群は正屈折力を有するレンズ系の製造方法であって、図34に示すステップS1,S2を含むものである。
【0201】
ステップS1:無限遠物体から近距離物体への合焦を行う合焦レンズ群と、光軸に垂直な方向の成分を持つように移動することが可能な偏心レンズ群とを最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群に配置する。
【0202】
ステップS2:合焦レンズ群を偏心レンズ群の像側に配置する。
【0203】
本願のレンズ系の製造方法によれば、内焦方式及び偏心レンズ群を両立させ、小型で高い結像性能を有するレンズ系を製造することができる。
【0204】
なお、以下に記載の内容は、光学性能を損なわない範囲で適宜採用可能である。
【0205】
実施例では、2群、3群構成を示したが、4群等の他の群構成にも適用可能である。また、最も物体側にレンズまたはレンズ群を追加した構成や、最も像側にレンズまたはレンズ群を追加した構成でも構わない。また、レンズ群とは、変倍時に変化する空気間隔で分離された、少なくとも1枚のレンズを有する部分を示す。
【0206】
単独または複数のレンズ群、または部分レンズ群を光軸方向に移動させて、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う合焦レンズ群としても良い。前記合焦レンズ群は、オートフォーカスにも適用でき、オートフォーカス用の(超音波モータ等を用いた)モータ駆動にも適している。特に、第2レンズ群の少なくとも一部を合焦レンズ群とするのが好ましい。
【0207】
また、レンズ群または部分レンズ群を光軸に垂直な方向の成分を持つように移動させ、または、光軸を含む面内方向に回転移動(揺動)させて、手ブレによって生じる像ブレを補正する偏心レンズ群としても良い。特に、第2レンズ群の少なくとも一部を偏心レンズ群とするのが好ましい。
【0208】
また、レンズ面は、球面または平面で形成されても、非球面で形成されても構わない。
【0209】
レンズ面が球面または平面の場合、レンズ加工及び組立調整が容易になり、加工及び組立調整の誤差による光学性能の劣化を防げるので好ましい。また、像面がずれた場合でも描写性能の劣化が少ないので好ましい。
【0210】
レンズ面が非球面の場合、非球面は、研削加工による非球面、ガラスを型で非球面形状に形成したガラスモールド非球面、ガラスの表面に樹脂を非球面形状に形成した複合型非球面のいずれの非球面でも構わない。また、レンズ面は回折面としても良く、レンズを屈折率分布型レンズ(GRINレンズ)あるいはプラスチックレンズとしても良い。
【0211】
また、開口絞りは第2レンズ群中に配置されるのが好ましいが、開口絞りとしての部材を設けずに、レンズ枠でその役割を代用しても良い。
【0212】
また、各レンズ面には、フレアやゴーストを軽減し高コントラストの高い光学性能を達成するために、広い波長域で高い透過率を有する反射防止膜を施しても良い。
【0213】
また、本実施形態のレンズ系は、変倍比が2〜5程度である。
【0214】
また、本実施形態のレンズ系は、第1レンズ群が正のレンズ成分を1つと負のレンズ成分を2つ、または正のレンズ成分を2つと負のレンズ成分を2つ有するのが好ましい。また、第1レンズ群は、物体側から順に、負負正または負負正正の順番にレンズ成分を、空気間隔を介在させて配置するのが好ましい。
【0215】
また、本実施形態のレンズ系は、第2レンズ群が少なくとも正のレンズ成分を1つと負のレンズ成分を1つ有するのが好ましい。
【0216】
また、本実施形態に係るレンズ系(ズームレンズor単焦点レンズ)は、最も像側に配置されるレンズ成分の像側面から像面までの光軸上の距離(バックフォーカス)が最も小さい状態で、10〜30mm程度とするのが好ましい。
【0217】
また、本実施形態に係るレンズ系(ズームレンズor単焦点レンズ)は、像高を5〜12.5mmとするのが好ましく、5〜9.5mmとするのがより好ましい。
【0218】
なお、本発明を分かり易く説明するために実施形態の構成要件を付して説明したが、本発明はこれに限定されるものでない。
【符号の説明】
【0219】
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
Gf 合焦レンズ群
Gs 偏心レンズ群
Ga 補助レンズ群
S 開口絞り
L11 負メニスカスレンズ
I 像面
1 カメラ
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ系とこれを有する光学機器、レンズ系の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等に適したレンズ系が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−234102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のレンズ系では、最も物体側のレンズ群で合焦する構成の場合、レンズ系が大型化するという問題がある。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、内焦方式及び偏心レンズ群を両立させ、小型で高い結像性能を有するレンズ系とこれを有する光学機器、レンズ系の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、複数のレンズ群で構成され、最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群は正屈折力を有し、前記最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群は、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う合焦レンズ群と、光軸に垂直な方向の成分を持つように移動することが可能な偏心レンズ群とを有し、前記合焦レンズ群は前記偏心レンズ群の像側に配置されることを特徴とするレンズ系を提供する。
【0007】
また、本発明は、前記レンズ系を有することを特徴とする光学機器を提供する。
【0008】
また、本発明は、複数のレンズ群で構成され、最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群は正屈折力を有するレンズ系の製造方法であって、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う合焦レンズ群と、光軸に垂直な方向の成分を持つように移動することが可能な偏心レンズ群とを前記最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群に配置し、前記合焦レンズ群を前記偏心レンズ群の像側に配置することを特徴とするレンズ系の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、内焦方式及び偏心レンズ群を両立させ、小型で高い結像性能を有するレンズ系とこれを有する光学機器、レンズ系の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1実施例に係るレンズ系の構成を示す断面図である。
【図2】第1実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図3】第1実施例に係るレンズ系の近距離合焦状態(撮影倍率−0.01倍)での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図4】第1実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態のレンズシフト状態(0.2mm)でのコマ収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図5】第2実施例に係るレンズ系の構成を示す断面図である。
【図6】第2実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図7】第2実施例に係るレンズ系の近距離合焦状態(撮影倍率−0.01倍)での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図8】第2実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態のレンズシフト状態(0.2mm)でのコマ収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図9】第3実施例に係るレンズ系の構成を示す断面図である。
【図10】第3実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図11】第3実施例に係るレンズ系の近距離合焦状態(撮影倍率−0.01倍)での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図12】第3実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態のレンズシフト状態(0.2mm)でのコマ収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図13】第4実施例に係るレンズ系の構成を示す断面図である。
【図14】第4実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図15】第4実施例に係るレンズ系の近距離合焦状態(撮影倍率−0.01倍)での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図16】第4実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態のレンズシフト状態(0.2mm)でのコマ収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図17】第5実施例に係るレンズ系の構成を示す断面図である。
【図18】第5実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図19】第5実施例に係るレンズ系の近距離合焦状態(撮影倍率−0.01倍)での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図20】第5実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態のレンズシフト状態(0.2mm)でのコマ収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図21】第6実施例に係るレンズ系の構成を示す断面図である。
【図22】第6実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図23】第6実施例に係るレンズ系の近距離合焦状態(撮影倍率−0.01倍)での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図24】第6実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態のレンズシフト状態(0.2mm)でのコマ収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図25】第7実施例に係るレンズ系の構成を示す断面図である。
【図26】第7実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図27】第7実施例に係るレンズ系の近距離合焦状態(撮影倍率−0.01倍)での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図28】第7実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態のレンズシフト状態(0.2mm)でのコマ収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【図29】第8実施例に係るレンズ系の構成を示す断面図である。
【図30】第8実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態での諸収差図を示す。
【図31】第8実施例に係るレンズ系の近距離合焦状態(撮影倍率−0.01倍)での諸収差図を示す。
【図32】第8実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態のレンズシフト状態(0.2mm)でのコマ収差図を示す。
【図33】第1実施例に係るレンズ系を備えたカメラの構成を示す図である。
【図34】本願のレンズ系の製造方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本願の一実施形態に係るレンズ系について説明する。
【0012】
本実施形態に係るレンズ系は、複数のレンズ群で構成され、最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群は正屈折力を有し、最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群は、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う合焦レンズ群と、光軸に垂直な方向の成分を持つように移動することが可能な偏心レンズ群とを有し、合焦レンズ群は偏心レンズ群の像側に配置される構成である。なお、偏心レンズ群とは、シフトレンズ群またはチルトレンズ群を示す。
【0013】
偏心レンズ群の像側に合焦レンズ群を配置することにより、偏心レンズ群の偏心時に発生したコマ収差や像面湾曲の劣化を無限遠状態から近距離撮影状態まで合焦レンズ群で良好に緩和することが可能である。
【0014】
また、本実施形態に係るレンズ系は、広角端状態から望遠端状態への変倍に際し、最も物体側のレンズ群と最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群との間隔が変化し、最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群が物体側へ移動することが望ましい。
【0015】
最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群は、被写体の像を拡大する作用をなし、広角端状態から望遠端状態に向かうに従い、最も物体側のレンズ群と最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群との間隔を変化させることにより拡大率を高めて、焦点距離を変化させることが可能である。
【0016】
また、本実施形態に係るレンズ系は、最も物体側のレンズ群は負屈折力を有することが望ましい。
【0017】
最も物体側のレンズ群を負屈折力とすることで、ズーミングに伴う像面の変動を補正することが可能である。
【0018】
また、本実施形態に係るレンズ系は、最も物体側のレンズ群と最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群とは隣接していることが望ましい。
【0019】
最も物体側のレンズ群と最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群を隣接させることにより、変倍時のコマ収差及び像面湾曲の性能劣化を抑制することが可能である。
【0020】
また、本実施形態に係るレンズ系は、合焦レンズ群と偏心レンズ群の間に開口絞りが配置されることが望ましい。
【0021】
像シフト可能なレンズ群は、レンズシフト時の性能劣化を最低限に抑えるために、ズーミングの際に、軸外光束が光軸の近くを通過する絞りに近いレンズ群でレンズシフトを行うことで結像性能を良好に保つことが可能である。また合焦レンズ群を開口絞りの近くに配置することで、無限遠から至近距離までのフォーカシング時における像面変動を抑制することが可能である。
【0022】
また、本実施形態に係るレンズ系は、偏心レンズ群の物体側と像側の少なくとも一方には、補助レンズ群を有することが望ましい。
【0023】
補助レンズ群を配置することにより、レンズシフト時の防振時の偏心コマ発生の抑制や像面湾曲の劣化を緩和することが可能である。
【0024】
また、本実施形態に係るレンズ系は、以下の条件式(1)を満足することが望ましい。
(1) −11.00<fa/fs<11.00
但し、faは補助レンズ群の焦点距離、fsは偏心レンズ群の焦点距離である。
【0025】
条件式(1)は、補助レンズ群と偏心レンズ群の焦点距離比について適切な範囲を規定するための条件式である。
【0026】
条件式(1)の上限値を上回った場合、偏心レンズ群の屈折力が強くなってしまい、偏心レンズ群の光軸に垂直方向の位置制御が困難となってしまう。結果として、偏心コマやコマ収差の補正が困難となってしまい、好ましくない。
【0027】
逆に、条件式(1)の下限値を下回った場合、偏心レンズ群の屈折力が弱くなってしまい、所望の像シフト量を得るのに、より多くのレンズシフト量が必要となってしまう。また、コマ収差や像面湾曲の補正不足となってしまい、好ましくない。
【0028】
なお、実施形態の効果を確実にするために、条件式(1)の上限値を9.22にすることが好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(1)の上限値を7.35にすることが更に好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(1)の上限値を5.48にすることが更に好ましい。
【0029】
また、実施形態の効果を確実にするために、条件式(1)の下限値を−9.18にすることが好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(1)の下限値を−7.35にすることが更に好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(1)の下限値を−5.48にすることが更に好ましい。
【0030】
また、本実施形態に係るレンズ系は、以下の条件式(2)を満足することが望ましい。
(2) 0.05<|f/ff|<0.65
但し、fはレンズ全系の焦点距離、ffは合焦レンズ群の焦点距離である。
【0031】
条件式(2)は、レンズ全系の焦点距離と合焦レンズ群の焦点距離の比について適切な範囲を規定するための条件式である。
【0032】
条件式(2)の上限値を上回った場合、合焦レンズ群の屈折力が強くなってしまい、合焦レンズ群の光軸上の位置制御が困難となってしまう。また、無限遠から近距離撮影時の像面湾曲やコマ収差の変動が大きくなってしまい、好ましくない。
【0033】
逆に、条件式(2)の下限値を下回った場合、合焦レンズ群の屈折力が弱くなってしまい、合焦レンズ群の移動量が多大に必要となってしまう。また、コマ収差や像面湾曲の補正不足となってしまい、好ましくない。
【0034】
なお、実施形態の効果を確実にするために、条件式(2)の上限値を0.60にすることが好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(2)の上限値を0.54にすることが更に好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(2)の上限値を0.48にすることが更に好ましい。
【0035】
また、実施形態の効果を確実にするために、条件式(2)の下限値を0.09にすることが好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(2)の下限値を0.12にすることが更に好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(2)の下限値を0.16にすることが更に好ましい。
【0036】
また、本実施形態に係るレンズ系は、以下の条件式(3)を満足することが望ましい。
(3) 0.05<|fγ|<2.75
但し、fγは合焦レンズ群の像面移動係数(合焦レンズ群の移動量に対する像面の移動量の比率)である。
【0037】
条件式(3)は、合焦レンズ群の像面移動係数について適切な範囲を規定するための条件式である。
【0038】
条件式(3)の上限値を上回った場合、合焦レンズ群の屈折力が弱くなってしまい、合焦レンズ群の光軸上の位置制御が困難となってしまう。また、コマ収差や像面湾曲の補正不足となってしまい、好ましくない。
【0039】
逆に、条件式(3)の下限値を下回った場合、合焦レンズ群の屈折力が強くなってしまい、合焦レンズ群単体で球面収差及びコマ収差が発生してしまう。更には近距離撮影時の性能劣化が大きくなってしまい、好ましくない。
【0040】
なお、実施形態の効果を確実にするために、条件式(3)の上限値を2.55にすることが好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(3)の上限値を2.30にすることが更に好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(3)の上限値を2.00にすることが更に好ましい。
【0041】
また、実施形態の効果を確実にするために、条件式(3)の下限値を0.15にすることが好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(3)の下限値を0.25にすることが更に好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(3)の下限値を0.45にすることが更に好ましい。
【0042】
また、本実施形態に係るレンズ系は、以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
(4) 0.05<|fw/ff|<0.65
但し、fwは広角端状態におけるレンズ全系の焦点距離、ffは合焦レンズ群の焦点距離である。
【0043】
条件式(4)は、広角端状態におけるレンズ全系の焦点距離と合焦レンズ群の焦点距離の比について適切な範囲を規定するための条件式である。
【0044】
条件式(4)の上限値を上回った場合、合焦レンズ群の屈折力が強くなってしまい、合焦レンズ群の光軸上の位置制御が困難となってしまう。また、無限遠から近距離撮影時の像面湾曲やコマ収差の変動が大きくなってしまい、好ましくない。
【0045】
逆に、条件式(4)の下限値を下回った場合、合焦レンズ群の屈折力が弱くなってしまい、合焦レンズ群の移動量が多大に必要となってしまう。また、コマ収差や像面湾曲の補正不足となってしまい、好ましくない。
【0046】
なお、実施形態の効果を確実にするために、条件式(4)の上限値を0.60にすることが好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(4)の上限値を0.54にすることが更に好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(4)の上限値を0.48にすることが更に好ましい。
【0047】
また、実施形態の効果を確実にするために、条件式(4)の下限値を0.09にすることが好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(4)の下限値を0.12にすることが更に好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(4)の下限値を0.16にすることが更に好ましい。
【0048】
また、本実施形態に係るレンズ系は、以下の条件式(5)を満足することが望ましい。
(5) 0.05<|fγw|<2.75
但し、fγwは合焦レンズ群の広角端状態における像面移動係数(合焦レンズ群の移動量に対する像面の移動量の比率)である。
【0049】
条件式(5)は、合焦レンズ群の広角端状態における像面移動係数について適切な範囲を規定するための条件式である。
【0050】
条件式(5)の上限値を上回った場合、合焦レンズ群の屈折力が弱くなってしまい、合焦レンズ群の光軸上の位置制御が困難となってしまう。また、コマ収差や像面湾曲の補正不足となってしまい、好ましくない。
【0051】
逆に、条件式(5)の下限値を下回った場合、合焦レンズ群の屈折力が強くなってしまい、合焦レンズ群単体で球面収差及びコマ収差が発生してしまう。更には近距離撮影時の性能劣化が大きくなってしまい、好ましくない。
【0052】
なお、実施形態の効果を確実にするために、条件式(5)の上限値を2.55にすることが好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(5)の上限値を2.30にすることが更に好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(5)の上限値を2.00にすることが更に好ましい。
【0053】
また、実施形態の効果を確実にするために、条件式(5)の下限値を0.15にすることが好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(5)の下限値を0.25にすることが更に好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(5)の下限値を0.45にすることが更に好ましい。
【0054】
また、本実施形態に係るレンズ系は、以下の条件式(6)を満足することが望ましい。
(6) −4.00<ff/fs<4.00
但し、ffは合焦レンズ群の焦点距離、fsは偏心レンズ群の焦点距離である。
【0055】
条件式(6)は、合焦レンズ群と偏心レンズ群の焦点距離比について適切な範囲を規定するための条件式である。
【0056】
条件式(6)の上限値を上回った場合、合焦レンズ群の屈折力が弱くなってしまい、合焦レンズ群の光軸上の位置制御が困難となってしまう。また、コマ収差や像面湾曲の補正不足となってしまい、好ましくない。また、偏心レンズ群の屈折力が強くなってしまい、偏心レンズ群の光軸に垂直方向の位置制御が困難となってしまう。結果として、偏心コマやコマ収差の補正が困難となってしまい、好ましくない。
【0057】
逆に、条件式(6)の下限値を下回った場合、合焦レンズ群の屈折力が強くなってしまい、合焦レンズ群単体で球面収差及びコマ収差が発生してしまう。更には近距離撮影時の性能劣化が大きくなってしまい、好ましくない。また、偏心レンズ群の屈折力が弱くなってしまい、所望の像シフト量を得るのに、より多くのレンズシフト量が必要となってしまう。また、コマ収差や像面湾曲の補正不足となってしまい、好ましくない。
【0058】
なお、実施形態の効果を確実にするために、条件式(6)の上限値を3.32にすることが好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(6)の上限値を2.66にすることが更に好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(6)の上限値を2.00にすることが更に好ましい。
【0059】
また、実施形態の効果を確実にするために、条件式(6)の下限値を−3.34にすることが好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(6)の下限値を−2.67にすることが更に好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(6)の下限値を−2.00にすることが更に好ましい。
【0060】
また、本実施形態に係るレンズ系は、以下の条件式(7)を満足することが望ましい。
(7) 0.00<(d1−2)/ft<1.50
但し、d1−2は、レンズ全系の最も物体側のレンズの像側のレンズ面から、その直後のレンズの物体側のレンズ面までの光軸上空気間隔、ftは望遠端状態におけるレンズ全系の焦点距離である。
【0061】
条件式(7)は、レンズ全系の最も物体側のレンズの像側のレンズ面から、その直後のレンズの物体側のレンズ面までの光軸上空気間隔に関する条件式である。
【0062】
条件式(7)の上限値を上回った場合、レンズ全系の最も物体側のレンズの像側のレンズ面から、その直後のレンズの物体側のレンズ面までの光軸上空気間隔が大きくなってしまう。結果として、レンズ全系の最も物体側のレンズ群が厚肉化してしまう。結果として、コマ収差及び像面湾曲の十分な補正が困難となってしまい、好ましくない。
【0063】
逆に、条件式(7)の下限値を下回った場合、最も物体側のレンズの屈折力が弱くなってしまい、歪曲収差及びズーミングによる像面湾曲の補正が不十分となってしまい、好ましくない。
【0064】
なお、実施形態の効果を確実にするために、条件式(7)の上限値を1.30にすることが好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(7)の上限値を1.15にすることが更に好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(7)の上限値を1.00にすることが更に好ましい。
【0065】
また、実施形態の効果を確実にするために、条件式(7)の下限値を0.04にすることが好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(7)の下限値を0.09にすることが更に好ましい。また、実施形態の効果を更に確実にするために、条件式(7)の下限値を0.13にすることが更に好ましい。
【0066】
また、本実施形態に係るレンズ系は、偏心レンズ群は非球面を有することが望ましい。
【0067】
この構成により、偏心レンズ群単体で発生する球面収差及びコマ収差を良好に補正し、特に偏心によるコマ収差の性能低下を軽減することができる。
【0068】
なお、本実施形態に係るレンズ系は、高変倍ズームレンズで発生しがちな手ブレ等に起因する像ブレによる撮影の失敗を防ぐために、レンズ系のブレを検出するブレ検出系と駆動手段とをレンズ系に組み合わせ、レンズ系を構成するレンズ群のうち1つのレンズ群の全体または一部を偏心レンズ群として偏心させることが可能である。つまり、ブレ検出系により検出されたレンズ系のブレに起因する像ブレ(像面位置の変動)を補正するように、駆動手段により偏心レンズ群を駆動し、像をシフトさせることが可能である。上述のように、本実施形態に係るレンズ系は、いわゆる防振光学系として機能させることが可能である。
【0069】
(実施例)
以下、本実施形態に係る各実施例について図面を参照しつつ説明する。
【0070】
(第1実施例)
図1は、第1実施例に係るレンズ系の構成を示す断面図である。
【0071】
図1に示すように、第1実施例に係るレンズ系は、光軸に沿って物体側から順に、負屈折力を有する第1レンズ群G1と、正屈折力を有する第2レンズ群G2とから構成され、広角端状態Wから望遠端状態Tへの変倍に際し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が減少するように、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2が移動する。
【0072】
第1レンズ群G1は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と、両凹レンズL12と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13とから構成されている。第1レンズ群G1の最も物体側に位置する負メニスカスレンズL11は、像面I側に非球面を形成した非球面レンズである。
【0073】
第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と両凸レンズL22との接合正レンズと、開口絞りSと、両凸レンズL23と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL24との接合正レンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL25と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL26と両凸レンズL27との接合正レンズとから構成されている。第2レンズ群G2の最も物体側に位置する負メニスカスレンズL21は、物体側に非球面を形成した非球面レンズである。第2レンズ群G2の最も像面I側に位置する両凸レンズL27は、像面I側に非球面を形成した非球面レンズである。
【0074】
像面Iは、不図示の撮像素子上に形成され、該撮像素子はCCDやCMOS等から構成されている(以降の実施例についても同様である)。
【0075】
第2レンズ群G2の群内に配置された開口絞りSは、広角端状態Wから望遠端状態Tへの変倍に際し、第2レンズ群G2と一体に物体側へ移動する。
【0076】
両凸レンズL23と負メニスカスレンズL24との接合正レンズは合焦レンズ群Gfであり、合焦レンズ群Gfを物体側に移動させることにより、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う。
【0077】
負メニスカスレンズL21と両凸レンズL22との接合正レンズは偏心レンズ群Gsであり、偏心レンズ群Gsを光軸に略垂直な方向に移動させることにより、手ぶれ補正(防振)を行う。
【0078】
負メニスカスレンズL25と、負メニスカスレンズL26と両凸レンズL27との接合正レンズとは、負屈折力を有する補助レンズ群Gaである。
【0079】
以下の表1に第1実施例に係るレンズ系の諸元値を掲げる。
【0080】
表中の(面データ)において、物面は物体面、面番号は物体側からの面の番号、rは曲率半径、dは面間隔、ndはd線(波長λ=587.6nm)における屈折率、νdはd線(波長λ=587.6nm)におけるアッベ数、(可変)は可変面間隔、(絞り)は開口絞りS、像面は像面Iをそれぞれ表している。なお、空気の屈折率nd=1.00000は記載を省略している。また、曲率半径r欄の「∞」は平面を示している。
【0081】
(非球面データ)において、非球面は以下の式で表される。
X(y)=(y2/r)/[1+[1−κ(y2/r2)]1/2]
+A4×y4+A6×y6+A8×y8+A10×y10
ここで、光軸に垂直な方向の高さをy、高さyにおける光軸方向の変位量(各非球面の頂点の接平面から各非球面までの光軸に沿った距離)をX(y)、基準球面の曲率半径(近軸曲率半径)をr、円錐係数をκ、n次の非球面係数をAnとする。なお、「E-n」は「×10−n」を示し、例えば「1.234E-05」は「1.234×10−5」を示す。また、各非球面は、(面データ)において、面番号の右側に「*」を付して示している。
【0082】
(各種データ)において、ズーム比はレンズ系の変倍比、Wは広角端状態、Mは中間焦点距離状態、Tは望遠端状態、fは焦点距離、FNOはFナンバー、2ωは画角(単位:「°」)、Yは像高、TLはレンズ系全長、Bfはバックフォーカス、diは面番号iでの可変面間隔値を表している。
【0083】
(合焦レンズ群移動量データ)において、Wは広角端状態、Mは中間焦点距離状態、Tは望遠端状態、fは焦点距離、ΔFxは近距離撮影時の合焦レンズ群の移動量を表している(なお、物体側への移動を正とする)。
【0084】
(ズームレンズ群データ)は、各レンズ群の始面番号とレンズ群の焦点距離をそれぞれ示す。
【0085】
(条件式対応値)は、各条件式の対応値をそれぞれ示す。
【0086】
なお、以下の全ての諸元値において、掲載されている焦点距離f、曲率半径r、面間隔dその他の長さ等は、特記の無い場合一般に「mm」が使われるが、光学系は比例拡大または比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。また、単位は「mm」に限定されること無く他の適当な単位を用いることもできる。さらに、これらの記号の説明は、以降の他の実施例においても同様とし説明を省略する。
【0087】
(表1)
(面データ)
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 18.6779 1.30 1.85135 40.10
2* 7.8525 7.25
3 -94.6821 1.00 1.83481 42.72
4 34.1506 0.31
5 18.6651 2.51 1.86074 23.06
6 78.9142 (可変)
7* 18.1125 1.30 1.83441 37.28
8 12.2772 1.76 1.59319 67.87
9 -2494.0282 3.99
10(絞り) ∞ 1.00
11 23.3375 1.67 1.74400 44.78
12 -19.5626 1.00 1.67270 32.11
13 -219.6865 2.59
14 106.9379 1.53 1.80486 24.73
15 28.0039 1.36
16 352.0524 0.83 1.79952 42.24
17 10.0128 2.17 1.69350 53.20
18* -38.1016 (Bf)
像面 ∞
(非球面データ)
第2面
κ = 0.6460
A4 = 1.2719E-05
A6 = 5.3251E-07
A8 = -4.7392E-09
A10 = 4.5963E-11
第7面
κ = -1.0893
A4 = 3.0467E-05
A6 = 9.8555E-08
A8 = -1.0556E-08
A10 = 2.2926E-10
第18面
κ = 1.0000
A4 = 6.6102E-05
A6 = 5.9125E-08
A8 = 3.8159E-08
A10 = -1.1681E-09
(各種データ)
ズーム比 2.825
W M T
f = 10.30 17.30 29.10
FNO = 3.31 4.22 5.78
2ω = 77.59 49.65 30.52
Y = 7.96 7.96 7.96
TL = 73.80 67.53 72.19
Bf = 18.7255 26.4381 39.4394
d6 23.5020 9.5180 1.1743
(合焦レンズ群移動量データ)
W M T
f = 10.3000 17.3000 29.0999
ΔFx = 0.0669 0.0967 0.1445
(ズームレンズ群データ)
群 始面 焦点距離
1 1 −17.9744
2 7 19.8044
(条件式対応値)
fw=10.3000
ft=29.0999
ff=26.0978
fs=36.6504
fa=−98.3425
d1−2=7.2500
fγw=1.5400
(1) fa/fs=−2.6833
(4) |fw/ff|=0.3947
(5) |fγw|=1.5400
(6) ff/fs=0.7121
(7) (d1−2)/ft=0.2491
【0088】
図2は、第1実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0089】
図3は、第1実施例に係るレンズ系の近距離合焦状態(撮影倍率−0.01倍)での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0090】
図4は、第1実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態のレンズシフト状態(0.2mm)でのコマ収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0091】
各収差図において、FNOはFナンバー、Aは半画角(単位:「°」)、NAは開口数、H0は物体高(単位:「mm」)をそれぞれ示す。そして非点収差図において、実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面をそれぞれ示す。
【0092】
なお、以降の実施例においても同様の記号を使用し、以降の説明を省略する。
【0093】
各収差図から、第1実施例に係るレンズ系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
【0094】
(第2実施例)
図5は、第2実施例に係るレンズ系の構成を示す断面図である。
【0095】
図5に示すように、第2実施例に係るレンズ系は、光軸に沿って物体側から順に、負屈折力を有する第1レンズ群G1と、正屈折力を有する第2レンズ群G2とから構成され、広角端状態Wから望遠端状態Tへの変倍に際し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が減少するように、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2が移動する。
【0096】
第1レンズ群G1は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と、両凹レンズL12と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL14とから構成されている。第1レンズ群G1の最も物体側に位置する負メニスカスレンズL11は、像面I側に非球面を形成した非球面レンズである。
【0097】
第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL22との接合正レンズと、開口絞りSと、両凸レンズL23と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL24との接合正レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL25と、両凹レンズL26と両凸レンズL27との接合負レンズとから構成されている。第2レンズ群G2の最も物体側に位置する負メニスカスレンズL21は、物体側に非球面を形成した非球面レンズである。第2レンズ群G2の偏心レンズ群Gsの像面I側に位置する正メニスカスレンズL25は、物体側に非球面を形成した非球面レンズである。第2レンズ群G2の最も像面I側に位置する両凸レンズL27は、像面I側に非球面を形成した非球面レンズである。
【0098】
第2レンズ群G2の群内に配置された開口絞りSは、広角端状態Wから望遠端状態Tへの変倍に際し、第2レンズ群G2と一体に物体側へ移動する。
【0099】
正メニスカスレンズL25は合焦レンズ群Gfであり、合焦レンズ群Gfを物体側に移動させることにより、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う。
【0100】
両凸レンズL23と負メニスカスレンズL24との接合正レンズは偏心レンズ群Gsであり、偏心レンズ群Gsを光軸に略垂直な方向に移動させることにより、手ぶれ補正(防振)を行う。
【0101】
負メニスカスレンズL21と正メニスカスレンズL22との接合正レンズは補助レンズ群Gaである。
【0102】
以下の表2に第2実施例に係るレンズ系の諸元値を掲げる。
【0103】
(表2)
(面データ)
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 16.2784 1.30 1.85135 40.10
2* 8.9447 5.30
3 -301.3986 1.00 1.88300 40.76
4 12.6615 1.06
5 18.9306 1.56 1.76346 26.38
6 27.0707 1.36
7 18.2904 2.18 1.86074 23.06
8 58.5517 (可変)
9* 16.7318 1.39 1.85135 40.10
10 11.1081 1.81 1.58090 57.73
11 676.4968 4.01
12(絞り) ∞ 1.00
13 134.3575 1.83 1.75197 47.49
14 -10.0350 1.00 1.83781 31.56
15 -34.0385 1.80
16* 13.9946 1.35 1.77377 47.17
17 24.7571 2.13
18 -54.0166 0.80 1.89370 35.17
19 9.5527 1.80 1.73077 40.50
20* -53.9739 (Bf)
像面 ∞
(非球面データ)
第2面
κ = 0.1601
A4 = 9.1340E-05
A6 = 4.5205E-07
A8 = 5.5818E-09
A10 = -2.4977E-11
第9面
κ = -3.5386
A4 = 1.0402E-04
A6 = -8.0989E-07
A8 = 1.5095E-08
A10 = -1.1446E-10
第16面
κ = -0.0568
A4 = 1.5624E-04
A6 = 1.5318E-06
A8 = 1.2547E-08
A10 = 0.0000E+00
第20面
κ = 1.0000
A4 = 1.9868E-04
A6 = 1.8409E-06
A8 = 9.4693E-08
A10 = -1.4396E-09
(各種データ)
ズーム比 2.825
W M T
f = 10.30 17.30 29.10
FNO = 3.51 4.14 5.77
2ω = 78.05 49.64 30.55
Y = 7.96 7.96 7.96
TL = 74.56 70.81 77.93
Bf = 20.7334 29.3225 43.8013
d8 21.1546 8.8150 1.4524
(合焦レンズ群移動量データ)
W M T
f = 10.3000 17.3001 29.1002
ΔFx = 0.0672 0.0808 0.0889
(ズームレンズ群データ)
群 始面 焦点距離
1 1 −16.0000
2 9 19.6321
(条件式対応値)
fw=10.3000
ft=29.1002
ff=39.4493
fs=49.2923
fa=37.5001
d1−2=5.2957
fγw=1.5310
(1) fa/fs=0.7608
(4) |fw/ff|=0.2611
(5) |fγw|=1.5310
(6) ff/fs=0.8003
(7) (d1−2)/ft=0.1820
【0104】
図6は、第2実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0105】
図7は、第2実施例に係るレンズ系の近距離合焦状態(撮影倍率−0.01倍)での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0106】
図8は、第2実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態のレンズシフト状態(0.2mm)でのコマ収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0107】
各収差図から、第2実施例に係るレンズ系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
【0108】
(第3実施例)
図9は、第3実施例に係るレンズ系の構成を示す断面図である。
【0109】
図9に示すように、第3実施例に係るレンズ系は、光軸に沿って物体側から順に、負屈折力を有する第1レンズ群G1と、正屈折力を有する第2レンズ群G2とから構成され、広角端状態Wから望遠端状態Tへの変倍に際し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が減少するように、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2が移動する。
【0110】
第1レンズ群G1は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL12と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL14とから構成されている。第1レンズ群G1の最も物体側に位置する負メニスカスレンズL11は、像面I側に非球面を形成した非球面レンズである。
【0111】
第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL22との接合正レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23と、開口絞りSと、両凸レンズL24と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL25との接合正レンズと、両凹レンズL26と両凸レンズL27との接合負レンズとから構成されている。第2レンズ群G2の最も物体側に位置する負メニスカスレンズL21は、物体側に非球面を形成した非球面レンズである。第2レンズ群G2の開口絞りSの物体側に位置する正メニスカスレンズL23は、物体側に非球面を形成した非球面レンズである。第2レンズ群G2の最も像面I側に位置する両凸レンズL27は、像面I側に非球面を形成した非球面レンズである。
【0112】
第2レンズ群G2の群内に配置された開口絞りSは、広角端状態Wから望遠端状態Tへの変倍に際し、第2レンズ群G2と一体に物体側へ移動する。
【0113】
両凹レンズL26と両凸レンズL27との接合負レンズは合焦レンズ群Gfであり、合焦レンズ群Gfを像面I側に移動させることにより、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う。
【0114】
両凸レンズL24と負メニスカスレンズL25との接合正レンズは偏心レンズ群Gsであり、偏心レンズ群Gsを光軸に略垂直な方向に移動させることにより、手ぶれ補正(防振)を行う。
【0115】
正メニスカスレンズL23は補助レンズ群Gaである。
【0116】
以下の表3に第3実施例に係るレンズ系の諸元値を掲げる。
【0117】
(表3)
(面データ)
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 18.4021 1.30 1.85135 40.10
2* 9.4660 5.19
3 106.6621 1.00 1.88300 40.76
4 12.4920 1.75
5 18.3528 1.77 1.84666 23.78
6 28.9480 0.65
7 17.1399 2.08 1.80809 22.79
8 32.7787 (可変)
9* 15.0062 0.80 1.83441 37.28
10 9.9310 1.70 1.74100 52.67
11 36.5917 4.24
12* 20.2806 1.24 1.58913 61.25
13 519.9944 0.80
14(絞り) ∞ 1.00
15 33.1718 2.09 1.61720 54.01
16 -13.7000 1.00 1.74077 27.78
17 -47.2996 0.81
18 ∞ 1.00
19 -12.0144 0.80 1.83400 37.16
20 10.7146 3.37 1.73077 40.50
21* -14.3627 (Bf)
像面 ∞
(非球面データ)
第2面
κ = -0.8688
A4 = 2.2426E-04
A6 = -1.1858E-07
A8 = 2.0865E-09
A10 = 0.0000E+00
第9面
κ = 1.5382
A4 = -4.3414E-05
A6 = 1.8507E-08
A8 = -3.1873E-08
A10 = 9.2225E-10
第12面
κ = 1.0000
A4 = 6.9511E-05
A6 = 8.0932E-07
A8 = -2.7525E-09
A10 = 0.0000E+00
第21面
κ = 1.0000
A4 = 7.5377E-05
A6 = 6.6313E-07
A8 = 0.0000E+00
A10 = 0.0000E+00
(各種データ)
ズーム比 2.825
W M T
f = 10.30 17.30 29.10
FNO = 3.57 4.27 5.80
2ω = 77.45 49.72 30.58
Y = 7.96 7.96 7.96
TL = 74.59 69.93 76.27
Bf = 19.7396 28.1183 42.2423
d8 22.2705 9.2305 1.4500
(合焦レンズ群移動量データ)
W M T
f = 10.3000 17.3001 29.1002
ΔFx = -0.0718 -0.0883 -0.0984
(ズームレンズ群データ)
群 始面 焦点距離
1 1 −16.6530
2 9 19.9329
(条件式対応値)
fw=10.3000
ft=29.0999
ff=−52.4471
fs=40.0000
fa=35.7888
d1−2=5.1881
fγw=−1.4369
(1) fa/fs=0.8947
(4) |fw/ff|=0.1964
(5) |fγw|=1.4369
(6) ff/fs=−1.3112
(7) (d1−2)/ft=0.1783
【0118】
図10は、第3実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0119】
図11は、第3実施例に係るレンズ系の近距離合焦状態(撮影倍率−0.01倍)での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0120】
図12は、第3実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態のレンズシフト状態(0.2mm)でのコマ収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0121】
各収差図から、第3実施例に係るレンズ系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
【0122】
(第4実施例)
図13は、第4実施例に係るレンズ系の構成を示す断面図である。
【0123】
図13に示すように、第4実施例に係るレンズ系は、光軸に沿って物体側から順に、負屈折力を有する第1レンズ群G1と、正屈折力を有する第2レンズ群G2とから構成され、広角端状態Wから望遠端状態Tへの変倍に際し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が減少するように、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2が移動する。
【0124】
第1レンズ群G1は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と、両凹レンズL12と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13とから構成されている。第1レンズ群G1の最も物体側に位置する負メニスカスレンズL11は、両面に非球面を形成した非球面レンズである。第1レンズ群G1の両凹レンズL12は、像面I側に非球面を形成した非球面レンズである。
【0125】
第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL21と、開口絞りSと、両凸レンズL22と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL23との接合正レンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL24と両凸レンズL25との接合正レンズと、像面I側に凸面を向けた正メニスカスレンズL26と、像面I側に凸面を向けた負メニスカスレンズL27とから構成されている。第2レンズ群G2の最も像面I側に位置する負メニスカスレンズL27は、像面I側に非球面を形成した非球面レンズである。
【0126】
第2レンズ群G2の群内に配置された開口絞りSは、広角端状態Wから望遠端状態Tへの変倍に際し、第2レンズ群G2と一体に物体側へ移動する。
【0127】
負メニスカスレンズL24と両凸レンズL25との接合正レンズは合焦レンズ群Gfであり、合焦レンズ群Gfを物体側に移動させることにより、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う。
【0128】
正メニスカスレンズL21は偏心レンズ群Gsであり、偏心レンズ群Gsを光軸に略垂直な方向に移動させることにより、手ぶれ補正(防振)を行う。
【0129】
正メニスカスレンズL26と、負メニスカスレンズL27とは、正屈折力を有する補助レンズ群Gaである。
【0130】
以下の表4に第4実施例に係るレンズ系の諸元値を掲げる。
【0131】
(表4)
(面データ)
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1* 65.6582 1.80 1.76802 49.23
2* 11.1606 10.60
3 -41.8065 3.20 1.76802 49.23
4* 17.5136 3.80
5 14.4408 2.30 1.92286 20.88
6 23.0940 (可変)
7 13.2190 1.50 1.75500 52.32
8 37.9290 1.60
9(絞り) ∞ 1.50
10 21.6826 6.50 1.49782 82.56
11 -9.3713 1.00 1.88300 40.77
12 -50.0183 1.42
13 11.9486 1.20 1.90366 31.31
14 7.9899 2.50 1.49782 82.56
15 -409.7597 1.25
16 -5817.7134 1.80 1.49782 82.56
17 -17.3100 0.40
18 -13.7854 1.20 1.76802 49.23
19* -21.3255 (Bf)
像面 ∞
(非球面データ)
第1面
κ = 11.2695
A4 = 6.5208E-08
A6 = 4.5111E-09
A8 = 0.0000E+00
A10 = 0.0000E+00
第2面
κ = -0.6591
A4 = 0.0000E+00
A6 = 0.0000E+00
A8 = 0.0000E+00
A10 = 0.0000E+00
第4面
κ = 2.7380
A4 = 1.5432E-04
A6 = 3.8186E-07
A8 = 0.0000E+00
A10 = 0.0000E+00
第19面
κ =-21.6774
A4 = -1.3542E-04
A6 = 5.0739E-06
A8 = -6.2280E-08
A10 = 0.0000E+00
(各種データ)
ズーム比 1.828
W M T
f = 6.90 9.50 12.61
FNO = 3.62 4.52 5.77
2ω = 98.83 79.61 63.97
Y = 7.96 7.96 7.96
TL = 70.23 68.58 69.98
Bf = 14.6644 19.2561 24.7483
d6 11.9986 5.7487 1.6581
(合焦レンズ群移動量データ)
W M T
f = 6.9000 9.5000 12.6100
ΔFx = 0.1039 0.1452 0.2194
(ズームレンズ群データ)
群 始面 焦点距離
1 1 −9.4458
2 7 16.6813
(条件式対応値)
fw=6.9000
ft=12.6100
ff=35.2637
fs=26.1912
fa=101.5495
d1−2=10.6000
fγw=0.6637
(1) fa/fs=3.8772
(4) |fw/ff|=0.1957
(5) |fγw|=0.6637
(6) ff/fs=1.3464
(7) (d1−2)/ft=0.8406
【0132】
図14は、第4実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0133】
図15は、第4実施例に係るレンズ系の近距離合焦状態(撮影倍率−0.01倍)での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0134】
図16は、第4実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態のレンズシフト状態(0.2mm)でのコマ収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0135】
各収差図から、第4実施例に係るレンズ系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
【0136】
(第5実施例)
図17は、第5実施例に係るレンズ系の構成を示す断面図である。
【0137】
図17に示すように、第5実施例に係るレンズ系は、光軸に沿って物体側から順に、負屈折力を有する第1レンズ群G1と、正屈折力を有する第2レンズ群G2とから構成され、広角端状態Wから望遠端状態Tへの変倍に際し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が減少するように、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2が移動する。
【0138】
第1レンズ群G1は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL12と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13とから構成されている。第1レンズ群G1の最も物体側に位置する負メニスカスレンズL11は、像面I側に非球面を形成した非球面レンズである。
【0139】
第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と両凸レンズL22との接合正レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23と、開口絞りSと、両凹レンズL24と、両凸レンズL25と両凹レンズL26との接合負レンズと、両凸レンズL27とから構成されている。第2レンズ群G2の両凹レンズL24は、像面I側に非球面を形成した非球面レンズである。第2レンズ群G2の最も像面I側に位置する両凸レンズL27は、像面I側に非球面を形成した非球面レンズである。
【0140】
第2レンズ群G2の群内に配置された開口絞りSは、広角端状態Wから望遠端状態Tへの変倍に際し、第2レンズ群G2と一体に物体側へ移動する。
【0141】
正メニスカスレンズL23は合焦レンズ群Gfであり、合焦レンズ群Gfを物体側に移動させることにより、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う。
【0142】
負メニスカスレンズL21と両凸レンズL22との接合正レンズは偏心レンズ群Gsであり、偏心レンズ群Gsを光軸に略垂直な方向に移動させることにより、手ぶれ補正(防振)を行う。
【0143】
両凹レンズL24と、両凸レンズL25と両凹レンズL26との接合負レンズと、両凸レンズL27とは、負屈折力を有する補助レンズ群Gaである。
【0144】
以下の表5に第5実施例に係るレンズ系の諸元値を掲げる。
【0145】
(表5)
(面データ)
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 25.0000 1.80 1.77377 47.17
2* 8.2000 5.44
3 195.9606 0.80 1.75500 52.32
4 27.4972 1.32
5 16.4792 2.39 1.84666 23.78
6 33.0474 (可変)
7 48.1225 0.80 1.80810 22.76
8 29.9061 1.89 1.65160 58.55
9 -48.2389 2.96
10 9.6847 1.93 1.60300 65.44
11 26.0017 1.00
12(絞り) ∞ 1.30
13 -34215.1520 0.80 1.82080 42.71
14* 16.7358 1.76
15 20.3058 1.72 1.49700 81.54
16 -90.6802 0.80 1.83400 37.16
17 17.5527 0.44
18 12.3817 2.16 1.66910 55.42
19* -74.1839 (Bf)
像面 ∞
(非球面データ)
第2面
κ = 0.6129
A4 = 1.9233E-05
A6 = 1.4470E-07
A8 = 1.3914E-09
A10 = 1.5950E-12
第14面
κ = 0.1365
A4 = -3.4023E-05
A6 = 1.6026E-06
A8 = -2.1064E-07
A10 = 7.1553E-09
第19面
κ = -8.5088
A4 = 2.4559E-04
A6 = 2.7667E-06
A8 = -3.1696E-08
A10 = 4.6513E-10
(各種データ)
ズーム比 2.825
W M T
f = 10.30 18.75 29.10
FNO = 3.64 4.59 5.86
2ω = 78.83 46.51 30.69
Y = 7.96 7.96 7.96
TL = 73.78 67.23 71.78
Bf = 20.0062 29.3544 40.8045
d6 23.7984 7.8948 1.0000
(合焦レンズ群移動量データ)
W M T
f = 10.3000 18.7500 29.1000
ΔFx = 0.0603 0.0996 0.1542
(ズームレンズ群データ)
群 始面 焦点距離
1 1 −18.1260
2 7 20.0528
(条件式対応値)
fw=10.3000
ft=29.1000
ff=24.5020
fs=40.2798
fa=−149.0129
d1−2=5.4400
fγw=1.7079
(1) fa/fs=−3.6994
(4) |fw/ff|=0.4204
(5) |fγw|=1.7079
(6) ff/fs=0.6083
(7) (d1−2)/ft=0.1869
【0146】
図18は、第5実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0147】
図19は、第5実施例に係るレンズ系の近距離合焦状態(撮影倍率−0.01倍)での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0148】
図20は、第5実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態のレンズシフト状態(0.2mm)でのコマ収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0149】
各収差図から、第5実施例に係るレンズ系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
【0150】
(第6実施例)
図21は、第6実施例に係るレンズ系の構成を示す断面図である。
【0151】
図21に示すように、第6実施例に係るレンズ系は、光軸に沿って物体側から順に、負屈折力を有する第1レンズ群G1と、正屈折力を有する第2レンズ群G2とから構成され、広角端状態Wから望遠端状態Tへの変倍に際し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が減少するように、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2が移動する。
【0152】
第1レンズ群G1は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と、両凹レンズL12と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL14とから構成されている。第1レンズ群G1の最も物体側に位置する負メニスカスレンズL11は、像面I側に非球面を形成した非球面レンズである。
【0153】
第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と両凸レンズL22との接合正レンズと、開口絞りSと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL24と、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL25と両凹レンズL26との接合負レンズと、両凸レンズL27とから構成されている。第2レンズ群G2の正メニスカスレンズL24は、像面I側に非球面を形成した非球面レンズである。第2レンズ群G2の最も像面I側に位置する両凸レンズL27は、像面I側に非球面を形成した非球面レンズである。
【0154】
第2レンズ群G2の群内に配置された開口絞りSは、広角端状態Wから望遠端状態Tへの変倍に際し、第2レンズ群G2と一体に物体側へ移動する。
【0155】
正メニスカスレンズL24は合焦レンズ群Gfであり、合焦レンズ群Gfを物体側に移動させることにより、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う。
【0156】
負メニスカスレンズL21と両凸レンズL22との接合正レンズは偏心レンズ群Gsであり、偏心レンズ群Gsを光軸に略垂直な方向に移動させることにより、手ぶれ補正(防振)を行う。
【0157】
正メニスカスレンズL23は、補助レンズ群Gaである。
【0158】
以下の表6に第6実施例に係るレンズ系の諸元値を掲げる。
【0159】
(表6)
(面データ)
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 21.5900 1.80 1.77377 47.17
2* 8.3834 5.81
3 -330.2204 0.80 1.75500 52.32
4 20.4287 0.90
5 34.6426 1.58 1.69895 30.13
6 56.8065 0.20
7 17.3398 2.42 1.80518 25.42
8 40.5926 (可変)
9 38.9358 0.80 1.84666 23.78
10 20.3696 2.02 1.64000 60.08
11 -52.1553 3.41
12(絞り) ∞ 0.40
13 8.7558 2.14 1.60300 65.44
14 11.3294 2.22
15 25.7295 1.53 1.77377 47.17
16* 836.1941 1.70
17 -63.5509 1.90 1.49700 81.54
18 -10.3135 0.80 1.83481 42.71
19 12.9668 0.50
20 13.3653 2.59 1.66910 55.42
21* -20.7258 (Bf)
像面 ∞
(非球面データ)
第2面
κ = 0.6895
A4 = 2.9268E-06
A6 = 5.0186E-08
A8 = 2.0720E-09
A10 = -2.1936E-11
第16面
κ = 11.0000
A4 = 1.1167E-05
A6 = 1.2804E-06
A8 = -9.7386E-08
A10 = 2.7299E-09
第21面
κ = 3.1942
A4 = 1.5565E-04
A6 = 1.5752E-06
A8 = 1.9610E-08
A10 = 9.0671E-11
(各種データ)
ズーム比 2.825
W M T
f = 10.30 18.75 29.10
FNO = 3.64 4.57 5.86
2ω = 78.82 46.27 30.58
Y = 7.96 7.96 7.96
TL = 75.78 69.22 73.78
Bf = 18.4425 27.8042 39.2710
d8 23.8288 7.9040 1.0000
(合焦レンズ群移動量データ)
W M T
f = 10.3000 18.7500 29.1000
ΔFx = 0.0661 0.0871 0.1004
(ズームレンズ群データ)
群 始面 焦点距離
1 1 −18.1250
2 9 20.0807
(条件式対応値)
fw=10.3000
ft=29.1000
ff=34.2797
fs=42.2410
fa=48.6750
d1−2=5.8071
fγw=1.5555
(1) fa/fs=1.1523
(4) |fw/ff|=0.3005
(5) |fγw|=1.5555
(6) ff/fs=0.8115
(7) (d1−2)/ft=0.1996
【0160】
図22は、第6実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0161】
図23は、第6実施例に係るレンズ系の近距離合焦状態(撮影倍率−0.01倍)での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0162】
図24は、第6実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態のレンズシフト状態(0.2mm)でのコマ収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0163】
各収差図から、第6実施例に係るレンズ系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
【0164】
(第7実施例)
図25は、第7実施例に係るレンズ系の構成を示す断面図である。
【0165】
図25に示すように、第7実施例に係るレンズ系は、光軸に沿って物体側から順に、負屈折力を有する第1レンズ群G1と、正屈折力を有する第2レンズ群G2と、正屈折力を有する第3レンズ群G3とから構成され、広角端状態Wから望遠端状態Tへの変倍に際し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が減少するように、また第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との空気間隔が減少するように、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2と第3レンズ群G3が移動する。
【0166】
第1レンズ群G1は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と、両凹レンズL12と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13とから構成されている。第1レンズ群G1の最も物体側に位置する負メニスカスレンズL11は、像面I側に非球面を形成した非球面レンズである。
【0167】
第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と両凸レンズL22との接合正レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23と、開口絞りSと、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL24と両凹レンズL25との接合負レンズとから構成されている。第2レンズ群G2の正メニスカスレンズL24は、物体側に非球面を形成した非球面レンズである。
【0168】
第3レンズ群G3は、光軸に沿って物体側から順に、両凸レンズL31と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL32と両凸レンズL33との接合負レンズとから構成されている。第3レンズ群G3の両凸レンズL31は、像面I側に非球面を形成した非球面レンズである。
【0169】
第2レンズ群G2の群内に配置された開口絞りSは、広角端状態Wから望遠端状態Tへの変倍に際し、第2レンズ群G2と一体に物体側へ移動する。
【0170】
正メニスカスレンズL23は合焦レンズ群Gfであり、合焦レンズ群Gfを物体側に移動させることにより、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う。
【0171】
負メニスカスレンズL21と両凸レンズL22との接合正レンズは偏心レンズ群Gsであり、偏心レンズ群Gsを光軸に略垂直な方向に移動させることにより、手ぶれ補正(防振)を行う。
【0172】
正メニスカスレンズL24と両凹レンズL25との接合負レンズは、補助レンズ群Gaである。
【0173】
以下の表7に第7実施例に係るレンズ系の諸元値を掲げる。
【0174】
(表7)
(面データ)
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 25.0000 1.80 1.74330 49.32
2* 8.5722 5.23
3 -31.9974 0.80 1.49700 81.54
4 25.7099 0.15
5 16.2678 2.16 1.84666 23.78
6 33.0579 (可変)
7 27.3560 0.80 1.79504 28.69
8 12.7778 2.62 1.60300 65.44
9 -27.7840 3.04
10 10.6214 2.34 1.60300 65.44
11 28.5797 1.86
12(絞り) ∞ 1.10
13* -27.4165 1.37 1.82115 24.06
14 -17.0648 0.80 1.75500 52.32
15 21.3149 (可変)
16 18.9858 2.05 1.67790 54.89
17* -30.4460 0.15
18 155.5536 0.80 1.85026 32.35
19 12.8042 2.38 1.60300 65.44
20 -74.1840 (Bf)
像面 ∞
(非球面データ)
第2面
κ = 0.8028
A4 = -2.1183E-06
A6 = -2.6605E-09
A8 = 1.1966E-09
A10 = -3.0855E-11
第13面
κ = -7.4148
A4 = 2.7745E-05
A6 = -2.0384E-06
A8 = -2.7176E-07
A10 = -9.6003E-09
第17面
κ = 0.2983
A4 = 1.5880E-04
A6 = 1.8851E-06
A8 = -5.0971E-08
A10 = 8.8426E-10
(各種データ)
ズーム比 2.825
W M T
f = 10.30 18.75 29.10
FNO = 3.64 4.23 5.86
2ω = 78.78 46.56 30.67
Y = 7.96 7.96 7.96
TL = 66.55 62.74 68.78
Bf = 15.4801 25.2812 36.7848
d6 17.8651 5.8489 1.0000
d15 3.7597 2.1640 1.5500
(合焦レンズ群移動量データ)
W M T
f = 10.3000 18.7500 29.1000
ΔFx = 0.0719 0.1246 0.1964
(ズームレンズ群データ)
群 始面 焦点距離
1 1 −15.3542
2 7 26.5552
3 16 19.4757
(条件式対応値)
fw=10.3000
ft=29.1000
ff=26.7219
fs=28.4536
fa=−15.9679
d1−2=5.2284
fγw=1.4308
(1) fa/fs=−0.5612
(4) |fw/ff|=0.3855
(5) |fγw|=1.4308
(6) ff/fs=0.9391
(7) (d1−2)/ft=0.1797
【0175】
図26は、第7実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0176】
図27は、第7実施例に係るレンズ系の近距離合焦状態(撮影倍率−0.01倍)での諸収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0177】
図28は、第7実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態のレンズシフト状態(0.2mm)でのコマ収差図を示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態をそれぞれ示す。
【0178】
各収差図から、第7実施例に係るレンズ系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
【0179】
(第8実施例)
図29は、第8実施例に係るレンズ系の構成を示す断面図である。
【0180】
図29に示すように、第8実施例に係るレンズ系は、単焦点レンズであり、光軸に沿って物体側から順に、負屈折力を有する第1レンズ群G1と、正屈折力を有する第2レンズ群G2とから構成されている。
【0181】
第1レンズ群G1は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と、両凹レンズL12と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13とから構成されている。第1レンズ群G1の最も物体側に位置する負メニスカスレンズL11は、像面I側に非球面を形成した非球面レンズである。
【0182】
第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と両凸レンズL22との接合正レンズと、開口絞りSと、両凸レンズL23と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL24との接合正レンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL25と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL26と両凸レンズL27との接合正レンズとから構成されている。第2レンズ群G2の最も物体側に位置する負メニスカスレンズL21は、物体側に非球面を形成した非球面レンズである。第2レンズ群G2の最も像面I側に位置する両凸レンズL27は、像面I側に非球面を形成した非球面レンズである。
【0183】
両凸レンズL23と負メニスカスレンズL24との接合正レンズは合焦レンズ群Gfであり、合焦レンズ群Gfを物体側に移動させることにより、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う。
【0184】
負メニスカスレンズL21と両凸レンズL22との接合正レンズは偏心レンズ群Gsであり、偏心レンズ群Gsを光軸に略垂直な方向に移動させることにより、手ぶれ補正(防振)を行う。
【0185】
負メニスカスレンズL25と、負メニスカスレンズL26と両凸レンズL27との接合正レンズとは、負屈折力を有する補助レンズ群Gaである。
【0186】
以下の表8に第8実施例に係るレンズ系の諸元値を掲げる。なお、条件式対応値の条件式(7)のftは、レンズ全系の焦点距離fと同じである。
【0187】
(表8)
(面データ)
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 18.6779 1.30 1.85135 40.10
2* 7.8525 7.25
3 -94.6821 1.00 1.83481 42.72
4 34.1506 0.31
5 18.6651 2.51 1.86074 23.06
6 78.9142 23.50
7* 18.1125 1.30 1.83441 37.28
8 12.2772 1.76 1.59319 67.87
9 -2494.0282 3.99
10(絞り) ∞ 1.00
11 23.3375 1.67 1.74400 44.78
12 -19.5626 1.00 1.67270 32.11
13 -219.6865 2.59
14 106.9379 1.53 1.80486 24.73
15 28.0039 1.36
16 352.0524 0.83 1.79952 42.24
17 10.0128 2.17 1.69350 53.20
18* -38.1016 18.73
像面 ∞
(非球面データ)
第2面
κ = 0.6460
A4 = 1.2719E-05
A6 = 5.3251E-07
A8 = -4.7392E-09
A10 = 4.5963E-11
第7面
κ = -1.0893
A4 = 3.0467E-05
A6 = 9.8555E-08
A8 = -1.0556E-08
A10 = 2.2926E-10
第18面
κ = 1.0000
A4 = 6.6102E-05
A6 = 5.9125E-08
A8 = 3.8159E-08
A10 = -1.1681E-09
(各種データ)
f = 10.30
FNO = 3.31
2ω = 77.59
Y = 7.96
TL = 73.80
(合焦レンズ群移動量データ)
f = 10.3000
ΔFx = 0.0669
(条件式対応値)
f=10.3000
ff=26.0978
fs=36.6504
fa=−98.3425
d1−2=7.2500
fγ=1.5400
(1) fa/fs=−2.6833
(2) |f/ff|=0.3947
(3) |fγ|=1.5400
(6) ff/fs=0.7121
(7) (d1−2)/ft=0.7039
【0188】
図30は、第8実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態での諸収差図を示す。
【0189】
図31は、第8実施例に係るレンズ系の近距離合焦状態(撮影倍率−0.01倍)での諸収差図を示す。
【0190】
図32は、第8実施例に係るレンズ系の無限遠合焦状態のレンズシフト状態(0.2mm)でのコマ収差図を示す。
【0191】
各収差図から、第8実施例に係るレンズ系は、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
【0192】
以上のように、本実施形態によれば、内焦方式及び偏心レンズ群を両立させ、広画角かつ小型で高い結像性能を有するレンズ系を提供することができる。
【0193】
次に、本実施形態に係るレンズ系を搭載したカメラについて説明する。なお、第1実施例に係るレンズ系を搭載した場合について説明するが、他の実施例でも同様である。
【0194】
図33は、第1実施例に係るレンズ系を備えたカメラの構成を示す図である。
【0195】
図33において、カメラ1は、撮影レンズ2として第1実施例に係るレンズ系を備えたデジタル一眼レフカメラである。カメラ1において、不図示の物体(被写体)からの光は、撮影レンズ2で集光されて、クイックリターンミラー3を介して焦点板4に結像される。そして焦点板4に結像されたこの光は、ペンタプリズム5中で複数回反射されて接眼レンズ6へ導かれる。これにより撮影者は、被写体像を接眼レンズ6を介して正立像として観察することができる。
【0196】
また、撮影者によって不図示のレリーズボタンが押されると、クイックリターンミラー3が光路外へ退避し、不図示の被写体からの光は撮像素子7へ到達する。これにより被写体からの光は、撮像素子7によって撮像されて、被写体画像として不図示のメモリに記録される。このようにして、撮影者はカメラ1による被写体の撮影を行うことができる。
【0197】
カメラ1に撮影レンズ2として第1実施例に係るレンズ系を搭載することにより、高い性能を有するカメラを実現することができる。
【0198】
以下、本願のレンズ系の製造方法の概略を説明する。
【0199】
図34は、本願のレンズ系の製造方法を示す図である。
【0200】
本願のレンズ系の製造方法は、複数のレンズ群で構成され、最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群は正屈折力を有するレンズ系の製造方法であって、図34に示すステップS1,S2を含むものである。
【0201】
ステップS1:無限遠物体から近距離物体への合焦を行う合焦レンズ群と、光軸に垂直な方向の成分を持つように移動することが可能な偏心レンズ群とを最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群に配置する。
【0202】
ステップS2:合焦レンズ群を偏心レンズ群の像側に配置する。
【0203】
本願のレンズ系の製造方法によれば、内焦方式及び偏心レンズ群を両立させ、小型で高い結像性能を有するレンズ系を製造することができる。
【0204】
なお、以下に記載の内容は、光学性能を損なわない範囲で適宜採用可能である。
【0205】
実施例では、2群、3群構成を示したが、4群等の他の群構成にも適用可能である。また、最も物体側にレンズまたはレンズ群を追加した構成や、最も像側にレンズまたはレンズ群を追加した構成でも構わない。また、レンズ群とは、変倍時に変化する空気間隔で分離された、少なくとも1枚のレンズを有する部分を示す。
【0206】
単独または複数のレンズ群、または部分レンズ群を光軸方向に移動させて、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う合焦レンズ群としても良い。前記合焦レンズ群は、オートフォーカスにも適用でき、オートフォーカス用の(超音波モータ等を用いた)モータ駆動にも適している。特に、第2レンズ群の少なくとも一部を合焦レンズ群とするのが好ましい。
【0207】
また、レンズ群または部分レンズ群を光軸に垂直な方向の成分を持つように移動させ、または、光軸を含む面内方向に回転移動(揺動)させて、手ブレによって生じる像ブレを補正する偏心レンズ群としても良い。特に、第2レンズ群の少なくとも一部を偏心レンズ群とするのが好ましい。
【0208】
また、レンズ面は、球面または平面で形成されても、非球面で形成されても構わない。
【0209】
レンズ面が球面または平面の場合、レンズ加工及び組立調整が容易になり、加工及び組立調整の誤差による光学性能の劣化を防げるので好ましい。また、像面がずれた場合でも描写性能の劣化が少ないので好ましい。
【0210】
レンズ面が非球面の場合、非球面は、研削加工による非球面、ガラスを型で非球面形状に形成したガラスモールド非球面、ガラスの表面に樹脂を非球面形状に形成した複合型非球面のいずれの非球面でも構わない。また、レンズ面は回折面としても良く、レンズを屈折率分布型レンズ(GRINレンズ)あるいはプラスチックレンズとしても良い。
【0211】
また、開口絞りは第2レンズ群中に配置されるのが好ましいが、開口絞りとしての部材を設けずに、レンズ枠でその役割を代用しても良い。
【0212】
また、各レンズ面には、フレアやゴーストを軽減し高コントラストの高い光学性能を達成するために、広い波長域で高い透過率を有する反射防止膜を施しても良い。
【0213】
また、本実施形態のレンズ系は、変倍比が2〜5程度である。
【0214】
また、本実施形態のレンズ系は、第1レンズ群が正のレンズ成分を1つと負のレンズ成分を2つ、または正のレンズ成分を2つと負のレンズ成分を2つ有するのが好ましい。また、第1レンズ群は、物体側から順に、負負正または負負正正の順番にレンズ成分を、空気間隔を介在させて配置するのが好ましい。
【0215】
また、本実施形態のレンズ系は、第2レンズ群が少なくとも正のレンズ成分を1つと負のレンズ成分を1つ有するのが好ましい。
【0216】
また、本実施形態に係るレンズ系(ズームレンズor単焦点レンズ)は、最も像側に配置されるレンズ成分の像側面から像面までの光軸上の距離(バックフォーカス)が最も小さい状態で、10〜30mm程度とするのが好ましい。
【0217】
また、本実施形態に係るレンズ系(ズームレンズor単焦点レンズ)は、像高を5〜12.5mmとするのが好ましく、5〜9.5mmとするのがより好ましい。
【0218】
なお、本発明を分かり易く説明するために実施形態の構成要件を付して説明したが、本発明はこれに限定されるものでない。
【符号の説明】
【0219】
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
Gf 合焦レンズ群
Gs 偏心レンズ群
Ga 補助レンズ群
S 開口絞り
L11 負メニスカスレンズ
I 像面
1 カメラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のレンズ群で構成され、最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群は正屈折力を有し、
前記最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群は、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う合焦レンズ群と、光軸に垂直な方向の成分を持つように移動することが可能な偏心レンズ群とを有し、
前記合焦レンズ群は前記偏心レンズ群の像側に配置されることを特徴とするレンズ系。
【請求項2】
広角端状態から望遠端状態への変倍に際し、前記最も物体側のレンズ群と前記最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群との間隔が変化し、前記最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群が物体側へ移動することを特徴とする請求項1に記載のレンズ系。
【請求項3】
前記最も物体側のレンズ群は負屈折力を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のレンズ系。
【請求項4】
前記最も物体側のレンズ群と前記最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群とは隣接していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のレンズ系。
【請求項5】
前記合焦レンズ群と前記偏心レンズ群の間に開口絞りが配置されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のレンズ系。
【請求項6】
前記偏心レンズ群の物体側と像側の少なくとも一方には、補助レンズ群を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のレンズ系。
【請求項7】
以下の条件を満足することを特徴とする請求項6に記載のレンズ系。
−11.00<fa/fs<11.00
但し、
fa:前記補助レンズ群の焦点距離
fs:前記偏心レンズ群の焦点距離
【請求項8】
以下の条件を満足することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のレンズ系。
0.05<|f/ff|<0.65
但し、
f:レンズ全系の焦点距離
ff:前記合焦レンズ群の焦点距離
【請求項9】
以下の条件を満足することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のレンズ系。
0.05<|fγ|<2.75
但し、
fγ:前記合焦レンズ群の像面移動係数
【請求項10】
以下の条件を満足することを特徴とする請求項2から7のいずれか1項に記載のレンズ系。
0.05<|fw/ff|<0.65
但し、
fw:広角端状態におけるレンズ全系の焦点距離
ff:前記合焦レンズ群の焦点距離
【請求項11】
以下の条件を満足することを特徴とする請求項2から7と10のいずれか1項に記載のレンズ系。
0.05<|fγw|<2.75
但し、
fγw:前記合焦レンズ群の広角端状態における像面移動係数
【請求項12】
以下の条件を満足することを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載のレンズ系。
−4.00<ff/fs<4.00
但し、
ff:前記合焦レンズ群の焦点距離
fs:前記偏心レンズ群の焦点距離
【請求項13】
以下の条件を満足することを特徴とする請求項2から12のいずれか1項に記載のレンズ系。
0.00<(d1−2)/ft<1.50
但し、
d1−2:レンズ全系の最も物体側のレンズの像側のレンズ面から、その直後のレンズの物体側のレンズ面までの光軸上空気間隔
ft:望遠端状態におけるレンズ全系の焦点距離
【請求項14】
前記偏心レンズ群は非球面を有することを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載のレンズ系。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか1項に記載のレンズ系を有することを特徴とする光学機器。
【請求項16】
複数のレンズ群で構成され、最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群は正屈折力を有するレンズ系の製造方法であって、
無限遠物体から近距離物体への合焦を行う合焦レンズ群と、光軸に垂直な方向の成分を持つように移動することが可能な偏心レンズ群とを前記最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群に配置し、
前記合焦レンズ群を前記偏心レンズ群の像側に配置することを特徴とするレンズ系の製造方法。
【請求項1】
複数のレンズ群で構成され、最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群は正屈折力を有し、
前記最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群は、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う合焦レンズ群と、光軸に垂直な方向の成分を持つように移動することが可能な偏心レンズ群とを有し、
前記合焦レンズ群は前記偏心レンズ群の像側に配置されることを特徴とするレンズ系。
【請求項2】
広角端状態から望遠端状態への変倍に際し、前記最も物体側のレンズ群と前記最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群との間隔が変化し、前記最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群が物体側へ移動することを特徴とする請求項1に記載のレンズ系。
【請求項3】
前記最も物体側のレンズ群は負屈折力を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のレンズ系。
【請求項4】
前記最も物体側のレンズ群と前記最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群とは隣接していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のレンズ系。
【請求項5】
前記合焦レンズ群と前記偏心レンズ群の間に開口絞りが配置されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のレンズ系。
【請求項6】
前記偏心レンズ群の物体側と像側の少なくとも一方には、補助レンズ群を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のレンズ系。
【請求項7】
以下の条件を満足することを特徴とする請求項6に記載のレンズ系。
−11.00<fa/fs<11.00
但し、
fa:前記補助レンズ群の焦点距離
fs:前記偏心レンズ群の焦点距離
【請求項8】
以下の条件を満足することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のレンズ系。
0.05<|f/ff|<0.65
但し、
f:レンズ全系の焦点距離
ff:前記合焦レンズ群の焦点距離
【請求項9】
以下の条件を満足することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のレンズ系。
0.05<|fγ|<2.75
但し、
fγ:前記合焦レンズ群の像面移動係数
【請求項10】
以下の条件を満足することを特徴とする請求項2から7のいずれか1項に記載のレンズ系。
0.05<|fw/ff|<0.65
但し、
fw:広角端状態におけるレンズ全系の焦点距離
ff:前記合焦レンズ群の焦点距離
【請求項11】
以下の条件を満足することを特徴とする請求項2から7と10のいずれか1項に記載のレンズ系。
0.05<|fγw|<2.75
但し、
fγw:前記合焦レンズ群の広角端状態における像面移動係数
【請求項12】
以下の条件を満足することを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載のレンズ系。
−4.00<ff/fs<4.00
但し、
ff:前記合焦レンズ群の焦点距離
fs:前記偏心レンズ群の焦点距離
【請求項13】
以下の条件を満足することを特徴とする請求項2から12のいずれか1項に記載のレンズ系。
0.00<(d1−2)/ft<1.50
但し、
d1−2:レンズ全系の最も物体側のレンズの像側のレンズ面から、その直後のレンズの物体側のレンズ面までの光軸上空気間隔
ft:望遠端状態におけるレンズ全系の焦点距離
【請求項14】
前記偏心レンズ群は非球面を有することを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載のレンズ系。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか1項に記載のレンズ系を有することを特徴とする光学機器。
【請求項16】
複数のレンズ群で構成され、最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群は正屈折力を有するレンズ系の製造方法であって、
無限遠物体から近距離物体への合焦を行う合焦レンズ群と、光軸に垂直な方向の成分を持つように移動することが可能な偏心レンズ群とを前記最も物体側のレンズ群の像側にあるレンズ群に配置し、
前記合焦レンズ群を前記偏心レンズ群の像側に配置することを特徴とするレンズ系の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【公開番号】特開2011−107269(P2011−107269A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−260145(P2009−260145)
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
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