レーダー助成式のカテーテルの案内および制御のための装置および方法
備えられることができる器具としては、カテーテル、ガイドワイヤ、レーザーおよびバルーンのような二次器具がある。磁性チップは2つの機能を行なう。第1に、例えば、レーダー範囲ファインダーまたはレーダー撮像装置のようなレーダー装置を使用することによりチップの位置および配向が定められる。レーダー装置の組込みにより、CGCI装置は、外科法中、患者に埋め込まれた外科器具の位置、配向および回転を正確に検出する。1つの実施の形態では、レーダーにより発生された像は、例えば、X線、蛍光透視、超音波、MRI、CAT−走査などのような作動室像設備で表示されている。1つの実施の形態では、像は、6自由度(6−DOF)センサにより捜し出された基準点マークの助成で同期化される。レーダーおよび6−DOFセンサと組合されたCGCI装置によれば、患者の身体の外側に適切な磁場を加えることにより、器具チップを引いたり、押したり、回したり、所望位置に強制的に保持したりし得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者内のカテーテルの位置を定めるためにレーダー装置を使用しながら、カテーテルおよびカテーテル形式の装置のような侵襲医療装置を案内し、操向し且つ前進させる装置および技術に関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテル法は、代表的には、侵襲装置を切り口または身体開口部に挿入することにより行われる。ガイドワイヤおよびバルーンのような二次的な器具が、しばしば、医療処置が行なわれようとする領域までカテーテルに沿って前進される。これらの処置は、身体の外側に留まっている近位端部を押したり、回転させたり、或いは他の方法で操ったりすることにより侵襲装置の遠位端部を手動で前進させることに頼っている。リアルタイムX線撮像は、処置中に侵襲装置の遠位端部の位置を定めるための一般的な方法である。操りは、遠位端部が診断または治療処置が行なわれようようとする目標領域に達するまで継続する。この技術は、外科医/オペレータ側の優れた技能を必要とする。かかる技能は、長い訓練期間および長期の実地後にしか達成されない。高い程度の手の器用さも必要とされる。
【0003】
身体内の所望の位置へカテーテルを前進させる際に伴う難点のため、多くの診断および治療処置は、しばしば、ガイドワイヤを用いている。このガイドワイヤは、まず、心臓または動脈の中へ前進され、そして特定のカテーテルのための軌道およびガイドとして役立つ。例えば、この技術は、カテーテルを左心室の中へ前進させるのに使用され、大動脈狭窄症を検査するときに特に重要である。狭められた弁開口部を横切ることは、オペレータにとって難題である。同様に、ガイドワイヤは、しばしば、冠状動脈の中へ障害プラークを横切って操られる。例えば、バルーン、レーザー、ステントなどを担持している治療カテーテルが、ガイドワイヤ上で前進され、そしてプラークの部位に設置される。次いで、狭められ部位は、バルーンを膨らましたり、レーザービームを作動させたり、或いはステントを設置したりすることによって開口される。ときには、動脈は、曲りくねっており、激しく狭められており、プラークは、不規則であり、石灰化されているか、或いは動脈を全く閉塞している。これらの場合、狭められた部位を超えてガイドワイヤを設置することは、非常に困難であり、しばしば、不成功になる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、侵襲装置を案内し、操向し、前進させ、そしてそれらの位置を捜し出し、そしてそれらの位置を正確に制御するための、3次元撮像を行なうための、およびX線または他のイオン化させる放射線の使用を最小にするための装置および方法の実質的および不満足な必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、従来の装置ほどには訓練および技能を必要としない磁気的カテーテル案内/制御装置を提供することにより前記の問題および他処置問題を解決している。1つの実施の形態では、レーダー装置が身体の内側のカテーテルの遠位端部の位置を定めるのに使用され、かくしてX線のようなイオン化放射線の使用を最小にするか或いは除去する。変更例として、カテーテル案内装置は、オペレータに追加の画像を与えるためにX線装置(または他の撮像装置)との組合せで使用されることができる。しかも、オペレータおよび制御装置に位置フィードバックを与えるためにカテーテルチップを捜し出すのに、磁気的カテーテル案内装置に使用される磁気装置が使用されることもできる。1つの実施の形態では、磁気的に応答性にカテーテルチップを所望の方向に所望の量だけ移動させるのに十分な強さおよび配向の磁場を生じるために、磁場源が使用される。
【0006】
1つの実施の形態は、外科医/オペレータが患者の身体の内側にカテーテル正確に活比較的容易に位置決めすることができるカテーテル案内/制御装置を含む。このカテーテル案内/制御装置は、カテーテルチップを正しい位置に維持することができる。1つの実施の形態は、動脈を通してカテーテルの遠位端部を操向し、且つプラークおよび他の障害物を通してカテーテルチップを強制的に前進させることができるカテーテル案内/制御装置を含む。1つの実施の形態は、患者およびスタッフに対するX線照射を著しく減少させてカテーテルチップの位置を表示するカテーテル案内/制御装置を有する。1つの実施の形態は、使用がより直感的であって、より簡単であり、3次元におけるカテーテルチップの位置を表示し、チップを所望に応じて引いたり、押したり、回したり或いは保持したりするためにカテーテルチップのところで力を加え、そしてチップをプラークまたは他の障害物を通って前進させるのを助けるために調整可能な周波数および振幅でチップの振動または脈動運動を生じることが可能であるカテーテル案内/制御装置を含む。1つの実施の形態は、チップが出会う障害物を示すためにオペレータの制御時に触感フィードバックを供給する。
【0007】
1つの実施の形態では、カテーテル案内制御/撮像(GCI)装置により、外科医は、カテーテルを前進させて正確に位置決めし、カテーテルの遠位端部の位置を捜し出すためにレーダー装置を使用することにより3次元におけるカテーテルの位置を見ることができる。1つの実施の形態では、レーダーデータは、X線画像と組み合わされてレーダーおよびX線データを有する複合表示を生じることができる。1つの実施の形態では、レーダー装置は、合成開口レーダーを有する。1つの実施の形態では、レーダー装置は、超広域幅レーダーを有する。1つの実施の形態では、レーダー装置は、インパルスレーダーを備えている。
【0008】
1つの実施の形態では、この装置は、患者の身体内の実際の、すなわち、物理的なカテーテルチップの前進の表示であることに加えて、カテーテルチップとの位置関係を有する「仮想のチップ」と呼ばれる使用者入力装置を有している。仮想のチップは、外科医/オペレータにより操られることができ、そして実際のチップが障害物に出会う場合に適切な軸において触感フィードバックを外科医に送るように設計されている操作桿と同様な物理的組立体を含む。換言すると、仮想のチップは、外科医が患者の身体を通して実際のカテーテルチップを案内することができる操作桿型装置を含む。実際のカテーテルチップが障害物に出会うと、仮想のチップは、触感力フィードバックを外科医に供給して障害物の存在を示す。
【0009】
1つの実施の形態では、物理的カテーテルチップ(カテーテルの遠位端部)は、患者の身体の外側に発生される磁場に対して応答する永久磁石を有している。外部磁場は、チップを引いたり、押したり、回したり、そして所望の位置に保持したりする。当業者は、永久磁石が電磁石により取って代わられるか、或いは増強されることができることを認めるであろう。
【0010】
1つの実施の形態では、物理的カテーテルチップ(カテーテルの遠位端部)は、永久磁石および2つの圧電性リング、即ち半導体ポリマーリングを有しており、レーダー装置がリングから生じる共振信号の第2高調波を検出するようになっている。
【0011】
1つの実施の形態では、GCI装置は、6つの自由度(6−DOF)を有するセンサを用いることにより像同期化技術を使用しており、それにより走固性基準画面の形成を可能にしている。
【0012】
1つの実施の形態では、GCI装置の電磁回路は、磁気回路の効率を高めるように強磁性物質(例えば、フェライト物質を使用してC−アーム幾何構成を有している。
【0013】
1つの実施の形態では、GCI装置は、カテーテルチップを効率的に押したり、引いたり、回転させたりするのに使用される磁場を制御するために種々の電磁石に供給される電流を計算するのに数値変換を使用している。
【0014】
1つの実施の形態では、GCI装置は、カテーテルチップを検出し、身体の器官を移動させ、そしてそれらの運動を同期化するように構成されたUWBインパルスレーダーおよび6−DOFセンサを有している。
【0015】
1つの実施の形態では、GCI装置は、カテーテルチップを押したり、引いたり、回転させたりするのに必要とされる電力要件を減じる位置および配向へ電磁石の極を移動させるために自動化機構によりジンバル運動される。
【0016】
1つの実施の形態では、GCI装置は、電気生理学的(EP)処置中、ペースメーカーの埋込みを行なうために使用される。
【0017】
1つの実施の形態では、GCI装置は、器官の動きを補償するために案内制御および撮像を行なうように、カテーテルチップおよび1つまたはそれ以上の基準点マークに対する身体内の移動器官(例えば、心臓、肺など)の位置を測定し、報告し且つ確認し、それにより身体を通してカテーテルを操る外科医の仕事を簡単化するためにレーダーまたは他のセンサを使用している。
【0018】
1つの実施の形態では、オペレータ制御は、患者の身体の外側に加えられる磁力を調整することによりカテーテルチップの位置を制御するサーボシステムに位置/配向指令入力情報を供給する。実際のチップの位置および配向の測定は、レーダー装置を有する知覚装置および6−DOFセンサを介して行われる。この測定値は、フィードバックをサーボシステムおよびオペレータインターフェースに送るために使用される。1つの実施の形態では、サーボシステムは、身体部分または心臓のような器官の動的位置を補償し、それにより実際のチップが鼓動する心臓と実質的に一致して移動するように応答を代償する補正入力情報を受ける。
【0019】
1つの実施の形態では、カテーテル案内装置の作動は、下記の如くである。i)オペレータは、仮想チップの物理的位置を調整する、ii)仮想チップの位置の変化が、コード化され、そしてレーダー装置および6−DOFセンサからのデータと共に制御装置へ供給される、iii)制御装置は、サーボシステム指令を発生させ、これらの指令は、サーボシステム制御装置へ送られる。iv)サーボシステム制御装置は、サーボ機構を作動して電磁石クラスタの距離および角度を変え、そして電磁石を付勢して患者の身体内の実際の磁性カテーテルチップの位置を変えることにより1つまたはそれ以上に電磁石クラスタの位置を調整する、v)次いで、実際のカテーテルチップの新たな位置が、レーダー装置により感知され、複数の基準点マークの位置が、6−DOFセンサにより感知され、それによりカテーテルの位置を蛍光透視および/または他の撮像様式により生じられた像に同期化して重畳する、vi)フィードバックをサーボシステム制御装置およびオペレータインターフェースへ供給し、そして患者の内部身体構造体に対する実際のカテーテルチップの表示像を更新する。
【0020】
オペレータは、仮想チップの位置に対する更なる調整を行なうことができ、次々の工程iiないしviが繰返される。1つの実施の形態では、実際のカテーテルチップがその経路において障害物または抵抗に出会うと、サーボシステム制御装置からのフィードバックにより指令ロジックを生じる。この指令ロジックは、仮想のカテーテルチップに物理的に連結されているステップモータを制御するために使用される。ステップモータオペレータにより感じられることができる適切な方向に抵抗を生じるように係合され、かくして、触感フィードバックが使用者に送られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
一般に、カテーテル法は、侵襲装置を切り口または身体開口部に挿入することにより行なわれる。ガイドワイヤおよびバルーンのような二次器具が、しばしば、医療処置が行なわれようとする領域まで一次カテーテルを通して或いはそれを超えて前進される。これらの処置は、侵襲装置の遠位端部を、診断または治療処置が行なわれようとする目的領域に達するまで前進させることに依存している。
【0022】
図1は、オペレータインターフェース500と、カテーテル案内/撮像(CGI)装置503と、外科設備502(例えば、カテーテルチップ377など)と、1つまたはそれ以上の使用者入力装置900と、患者390とを含む外科装置1500のシステムブロック図である。使用者入力装置900は、外科医がカテーテルチップ377の動作および配向を制御するために指令入力を行なうために、操作桿、マウス、キーボード、バーチャルチップ405および他の装置のうちの1つまたはそれ以上を有することができる。CGI装置503は、コントローラ501と、撮像/同期化モジュール701とを有している。この図は種々の機能ユニットと、オペレータインターフェース500、補助設備502および患者390との間の全体関係を示している。1つの実施の形態では、GCI装置コントローラ501は、図7と関連して本明細書で更に説明するようにカテーテルの遠位端部の実際の先端位置(AT)を算出する。バーチャルチップ405および撮像/同期化モジュール701からのデータを使用して、GGI装置コントローラ501は、実際の先端位置(AT)と所望の先端位置(DP)との差である位置誤差を定める。1つの実施の形態では、コントローラ501は、位置誤差を最小にするために選択される方向にカテーテルチップを移動させるように電磁石を制御する。1つの実施の形態では、GCI装置501は、図7および図11と関連して説明するように、VT405に力フィードバックを送ることにより触知フィードバックをオペレータに送る。
【0023】
図1Aは、GCI装置503の1つの具体例を表す外科装置用の装置800のブロック図である。この装置800は、コントローラ501と、レーダー装置950と、位置センサ960と、(任意に)ジンバル式運動機構970とを有している。1つの実施の形態では、センサ960は、図10と関連して説明するように、6自由度(6−DOF)センサを含む。レーダー装置950は、超広域幅レーダー、インパルスレーダー、連続波(CW)レーダー、周波数変調CW(FM−CW)レーダー、パルス−ドプラーレーダーなどとして構成されることができる。1つの実施の形態では、レーダー装置950は、フェーズアレーアンテナを有している。1つの実施の形態では、レーダー装置950は、レーダー像を生じるために合成開口レーダー(SAR)処理を使用する。1つの実施の形態では、レーダー装置950は、例えば、米国特許第5,774,091号(その全体において参照によりここに組入れられる)に記載のような超広域幅レーダーを有している。1つの実施の形態では、レーダー950は、カテーテルチップの位置を確認するためにレーダー範囲ファインダーとして構成されている。6−DOFセンサ960は患者に設置された基準マーク(基準点マーク)の位置を捜し出すように構成されている。基準マークの位置に関するデータが、例えば、像捕獲同期化のために使用されることができる。自動化ジンバル式運動制御機構970のより、図2Kと関連して説明するように、電磁石が患者390に対して移動される。
【0024】
カテーテルチップの位置を確認するためのレーダーの使用は、蛍光透視、超音波、ホール効果センサ、磁気歪センサまたはSQUIDの使用を上回って有利である。レーダーは、リアルタイムの高解像度、高忠実度の信号をもたらす正確な動位置鮮明度をもたらすことができる。レーダーは、強い磁場と適合性である。範囲測定の自己校正は、移行時間またはドプラー処理に基づくことができる。更に、レーダーは、胸郭、骨構造体などのような「硬い」表面(これらの表面は測定を邪魔しないか、或いは測定精度を妨げないので)を無視しながら、カテーテルの位置の測定を行なえる。また、器官の移動および変位(肺拡張および胸郭変位ならびに拡張または収縮中の心臓出力)は、レーダー信号の調整または補正を必要としない。レーダーは、移動の存在において使用されることができる。何故なら、心臓移動およびカテーテル動力学が0.1Hzないし2Hzで起こるかぎり、50Hzまたはそれ以上のサンプリング速度で、約1GHzより高いレーダー突発放射が使用されることができる。
【0025】
レーダーの使用は、絵図を転換し、そしてそれを座標データセットに変えるために、コンピュータ集中処理を必要とする蛍光透視、超音波、ホール効果センサ、磁気歪技術またはSQUIDのような高価な様式と通常関連される複雑な像捕獲技術の必要性を低減する。移動中のカテーテルチップおよび器官の位置データ同期化は、レーダーの使用により容易に利用可能である。更に、レーダーは、身体および身体の構造体に位置するカテーテルの詳細な像を現わすためにフェーズドアレーまたは合成開口処理について使用されることができる。1つの実施の形態では、レーダー装置は、高い解像度の掃引範囲ゲートを持つ超広域幅(UWB)レーダーを有する。1つの実施の形態では、送信アンテナの近傍でレシーバに誘発される響き音および他の収差を効果的に除去するために、異なるサンプリングレシーバが使用される。X線装置の場合のように、レーダー装置は、骨構造体のようなバリアの背後に位置荻目された障害物または物体の存在を検出することができる。脂肪組織、筋肉組織、水などのような異なる誘電率を有する異なる物質の存在は、減衰変化により検出され且つ識別されることができる。レーダーからの出力は、心臓内向に存在する他のカテーテルの空間位置を検出しながら、電気生理学(EP)研究に使用される多数のカテーテルのような同様なユニットと相関関係付けられることができる。レーダー装置は、身体構造体、カテーテルチップおよび器官の3−D合成レーダー像を生じるためにフェーズドアレーアンテナおよび/またはSARを使用することができる。
【0026】
(レーダー装置950を有する)CGI装置に対する患者の位置は、6−DOFセンサ960を使用して複数の基準点マークの位置を捜し出すことにより定められることができる。しかも、1つの実施の形態では、センサ960からのデータは、レーダーからのカテーテル位置データが撮像装置により生じられる像と重畳されることができるように、身体を撮像装置に対して位置決めするために使用される。レーダーおよび6−DOFセンサがカテーテルチップを走固性画面に対して正確に位置決めすることができることにより、患者に対する磁石の極の位置を最適にし、かくしてカテーテルチップを操るのに必要とされる動力を減少させるように、CGCI電磁石クラスタをジンバル装置970により移動させ得る。
【0027】
図2、図2Aおよび図2Bは、花状構造またはクラスタに構成された6つのコイル901ないし906を備えているGCI装置503に使用される電磁石の極構成を示している。コイル901ないし903は、C字状アーム391の頂部に設けられたクラスタ920として構成されており、コイル904ないし906は、C字状アーム391の底部に設けられたクラスタ930として構成されている。上方クラスタ920を形成している3つのコイル901、902、903は、底部の3つのコイル904、905、906と同様に、互いに対して120度だけ更に変位されている。また、C字状アーム391の頂部のところのクラスタ920のコイルは、図2Bに示されているように、上方に傾動されているC字状アーム391の底部のところのコイルと同様に、15ないし20度の角度でいくらか下方に傾動されている。C字状アーム391の支持組立体は、クラスタ920とクラスタ930との間の磁場回路を閉じるように構成されている。C字状アーム391の頂部のところのクラスタ920は、底部クラスタに対して60度の角度だけ回転されている。クラスタ920とクラスタ930との間には、操作テーブル389が設けられている。
【0028】
図2Bにおいて、C字状アーム391の頂部のところのコイルは、時計方向に901、902、903として印されており、底部のコイルは、半時計方向に904、905、906として印されている。コイル901、903は、対として作用し、X軸対のコイルとして示されており、コイル902、904は、他の対として作用し、Y軸対のコイルとして示されており、コイル905、906は、第3の対として作用し、Z軸対のコイルとして示されている(この配置では、X、YおよびZのコイル軸は直交していない)。
【0029】
図2、図2Aおよび図2Bに示されているクラスタ構成によれば、Z軸の電磁石905、906が利用可能な接近空間を妨げないので、医師が患者に相対的に自由に接近し得る。図9は、2平面リングを使用している別の実施の形態を示している。図2および図9の実施の形態は、X線、CAT走査、超音波などのような撮像技術に対処するのに有用である。図9に示されている構成によれば、2重X線源を有する2平面機構の使用による立体的な像を使用し得る。図2、図2Aおよび図2Bは、コンピュータ断層X線写真装置および/または撮像装置と適合性である幾何学的構造を示している。図9と、図2、図2Aおよび図2Bとに示されている構成は、作動インターフェース設備500、外科医療設備502およびGCI装置501の取付けの際に利点をもたらす。
【0030】
図2Cは、コイル901ないし906用の駆動装置のブロック図である。コントローラ530は、X軸演算増幅器911に供給される所望のX軸駆動信号を算出する。X軸演算増幅器の出力が、電流増幅器910に供給される。この電流増幅器910は、電流を供給してコイル901および903を直列に駆動する。変更例として、コイル901、903は、並列に(図示せず)駆動されることができる。コントローラ530は、Y軸演算増幅器913に供給される所望のY軸駆動信号を算出する。Y軸演算増幅器の出力が電流増幅器912に供給される。この電流増幅器912は、電流を供給してコイル902および903を直列に駆動する。変更例として、コイル902、904は、並列に(図示せず)駆動されることができる。コントローラ530は、Z軸演算増幅器915に供給される所望のZ軸駆動信号を算出する。Z軸演算増幅器の出力が電流増幅器914に供給される。この電流増幅器914は、電流を供給してコイル905および906を直列に駆動する。変更例として、コイル905、906は、並列に(図示せず)駆動されることができる。電源899が、電力を増幅器910ないし915に供給する。
【0031】
3つのチャンネルX、Y、Z用の信号は、図2Dに示され、要素Vjx、Viy、Vjzを有するベクトルV923として表されることができる。オペレータは、1つまたはそれ以上の軸における移動を指令するために仮想チップ405のような使用者入力装置900を使用する。使用者入力装置900からの信号は、計算モジュール922に供給される。閉ループシステムでは、レーダーセンサ950のようなセンサからのチップ位置データもまた計算モジュール922に供給される。開ループシステムでは、チップ位置データは、必ずしも供給されるとは限らない。計算モジュール922は、位置データを変換し、そして3つの軸用の3つの信号のマトリックスについて逆演算(inverse operation)を行う。計算モジュール922は、計算モジュール922の出力が、M−逆倍V(M−inverse V)であるように、位置ベクトルV923に927として図2Fおよび図2Gに示されているマトリックスM−逆(matrix M−inverse)を掛ける。ここで、Mは、コイル901ないし906のクラスタの特性マトリックス(characteristic matrix)925である。計算モジュール922からの変換されたX、Y、Z出力が、それぞれの増幅器911、913、915に供給されて磁場を発生させ、それによりカテーテルチップをオペレータにより指令された方向に移動させる。開ループシステムにおける入力情報の変換が、図2Hにブロック図で示されており、この図では、入力信号V931が、M−逆(Mchar Inverse)モジュール932に供給される。モジュール932は、マトリックス積M−逆およびベクトルVを計算して変換座標ベクトルを生じる。変換座標ベクトルは、増幅器アレー935に供給され、この増幅器アレー935は、コイル901ないし906に対する夫々の電流に供給される出力電流を生じる。コイル901ないし906は、その結果の磁場ベクトルB933を生じる。磁場ベクトルB933は、カテーテルチップの移動を引起こし、それにより医師の手の移動を適切な信号に変換し、かくしてカテーテルチップを所望の位置へ移動させる。
【0032】
図2Kは、レーダー装置950、6−DOFセンサ960およびジンバル式運動機構970をC字状アーム391、クラスタ920、930および作動テーブル389と関連して示している。運動機構970は、電磁石901ないし906の作動のための電力要件を最適にする(例えば、低減する)ために、磁石クラスタ920を移動させてこれを配向させるように構成されている。図2Kに示されている機械的構成によれば、GCI装置503は、例えば、コンピュータ数値制御(CNC)設備のような自動化機構部分970を使用して運動制御され、且つジンバル式運動される。自動化されたジンバル式運動/コンピュータ制御式の機構970の使用は、装置のための全体電力要件をかなり低減し、それにより少ない電力で所望の磁場の強さを達成することができる。1つの実施の形態では、所望の磁場の強さは少なくとも0.3テスラである。
【0033】
図2Kおよび図2Lは、所望の磁場の強さを維持しながら、コイル用の最適な電力設定を達成するように、下方電磁石クラスタ930に対する上方電磁石クラスタ920の距離を調整するために、自動化されたジンバル式/コンピュータ制御式の機構970を使用することを示している。この処置は、まず、レーダー装置950の使用により電磁石に対するカテーテルチップ377の位置を見つけ、そして6−DOFセンサ960の使用によりカテーテルチップ377の位置を、フィデューシャルマーク700Axないし700Bx(基準マーク700Axないし700Bxとも称される)と同期化することにより達成される。基準マーク700Axないし700Bxは、基準点を設けるために患者に設置される。この構成は、蛍光透視または他の撮像装置により発生される像702に(図7と関連して説明するように)数学的多様体701を発生させる。P1により印されているカテーテルチップ377の実際の位置(AP)981と、外科医により設定され、P2により印されている所望の位置(DP)982との間には、距離がある。2つの座標P1、P2間の距離は、位置誤差(PE)983である。次いで、力Fおよび結果の電磁場Bが、図2Cないし図2Hと関連して説明するように、GCIコントローラ501により算出される。この方法は、コントローラ501がコイル901ないし906用の必要な電流Iへ変換する位置誤差(PE)983を求める。次いで、コントローラ501は、下方電磁石クラスタ930に対する上方電磁石クラスタ920の距離r971および角度θ984を変化させ、その一方、機構970は、GCI装置503の性能のための最適な電力設定を達成するために、下方電磁石クラスタ930に対する上方電磁石クラスタ920の距離rおよび角度θ984を設定するようにジンバル式運動され、制御される。クラスタ930に対するクラスタ920の位置がコントローラによって設定されると、コントローラは、電磁石に算出された電流Iを供給してカテーテルチップ377の所望の移動を生じる。GCI装置501用の最適な電力設定を達成するように電磁石クラスタ930に対する電磁石クラスタ920の距離rおよび角度θ984を調整するこの手順は、以下の式(1)により示されている線積分により説明されることができ、その際、「C」曲線985上の任意の点P(x、y、z)におけるカテーテルチップ377の位置を示すベクトルr=ix、jy+k2に関して関数を積分することによって空間における点P(Pは患者390におけるカテーテルチップ377の位置座標である)が算出される。「C」曲線985は、点P1(カテーテルチップ377の実際の位置(AP)981)と、点P2(オペレータ/外科医により設定される所望の位置982)との間に形成される線積分である。次いで、「C」曲線985は、距離に対して積分されて、カテーテルチップ377をP1からP2まで移動させるのに必要である力Fを算出する。これらの2つの点、チップの実際の位置(AP)および所望の位置(DP)に隣接している線積分、は、以下のごとくである。
【数1】
【0034】
力Fおよび結果の電磁場Bは、カテーテルチップ377を押したり、引っ張ったり、回転させたりしてその所望に位置へもたらすために最適な電力設定を達成するように最適な電流要件Iに対応する。かくして、唯一の変数は、ジンバルが距離r971の値を変化させる場合の電流ベクトルIである。
【0035】
図3は、レーダー装置950の1つの具体例として使用されることができるレーダー装置1000のブロック図である。図3に示されているレーダー装置1000は、送信/受信アンテナ要素および無線周波数(RF)モジュール1150を有するフェーズドアレーレーダーモジュール1100を有している。レーダー装置1000は、フェーズドアレー1100と、増幅器1101と、A/D変換器1102と、高速フーリエ変換モジュール1103と、マイクロコントローラ1105とを有している。更に、この装置は、RAM1112の形態のメモリモジュールと、ROM1111の形態のルックアップ表とを有している。1つの具体例は、音声通信/警報モジュール1110と、1組の制御スイッチ1109と、ディススプレー1108とを有している。レーダー装置1000により発生されたデータは、通信ポート1113を経てGCI装置501に供給される。
【0036】
レーダー装置1000は、フェーズドアレーを有しており、そしてカテーテルチップ377を検出するためにマイクロ波撮像式時空(MIST)ビーム形成を使用する。アンテナまたはアンテナアレーが、患者の身体の比較的近くに持っていかれ、超広域幅(UWB)信号が、各アンテナから順次送信される。レーダーエコーとして受信される反射された後方散乱信号は、そのエネルギを位置の関数として撮像するように設計されているレーダーユニットの時空ビーム形成器に通される。ビーム形成器は、周波数依存伝播作用を補償しならが、後方散乱信号を背景クラッターおよびノイズと識別するように後方散乱信号を空間的に収束させる。正常な組織および(サマリウム−コバルトSmCo5またはネオジム−鉄−ホウ素NdFeBなどのような強磁性体から形成される)カテーテルチップ377の誘電特性間の顕著な差異は、興味ある領域では、正常な組織をカテーテルチップ377と識別するのに十分なる、像における後方散乱エネルギレベルであり、検出および識別性をもたらす。身体組織界面(例えば、皮膚層)からの後方散乱に起因する受信信号における人為結果を除去するのに、データ適合性アルゴリズムが使用される。生物学的組織に対する背景誘電率情報と対比されるカテーテルチップの既知の誘電率を含む1つまたはそれ以上のルックアップ表が、レーダー像における特徴を確認するために使用されることができる。
【0037】
生物学的組織におけるカテーテルチップ377のマイクロ波検出のための物理的基本原理は、身体組織の誘電特性対カテーテルチップ377の識別特性の差異に基づいている。生物学的組織の誘電値対カテーテルチップの誘電値の差異は、増幅され、濾過され、そして測定される。その結果、カテーテルチップ377は、誘電特性に対して、共通するサイズの生物学的組織に対して異なるマイクロ波散乱横断面を有しており、これは、レシーバにより記録され、そして2つの媒体間の顕著な差異をもって(図5Aに示されている)モニタ325に絵表示を与えるように処理される非常に異なる後方散乱エネルギにより示されている。レーダー装置1000により発生されるカテーテルチップ377の絵図は、位置サーボフィードバックループによる使用のためにGCIコントローラ501に連結されたX線蛍光透視像およびその座標データセットに重畳されることができる。従って、マイクロ波撮像式時空(MIST)ビーム形成は、背景が生物学的組織であるかぎり、カテーテルチップ377からの後方散乱エネルギを検出するために使用される。
【0038】
レーダー装置1000は、生物学的組織に埋め込まれるカテーテルチップ377のような種々のマイクロ波散乱体の存在および位置を検出する。時空ビーム形成器は、アレーにおける各アンテナが低パワーの超広域幅(UWB)信号を生物学的組織に送信することを推定する。UWB信号は、時間変域インパルスとして物理的に、或いは掃引周波数入力情報を使用することによって合成的に発生されることができる。1つの実施の形態では、レーダー装置1000は、周波数依存性伝播作用を補償しながら、正常な組織およびノイズの異種混交状態により引起こされるクラッターを識別するようにカテーテルチップ377の後方散乱信号を収束させるビーム形成器を使用する。時空ビーム形成器は、まず、目標位置からの返信を整合させるために受信信号を時間移動させることによって、この空間的焦点を達成する。フェーズドアレーレーダー1000の1つの具体例は、アンテナキャビティにドープしている高誘電体のような有限インパルス応答(FIR)フィルタの帯域を形成して基準信号を形成する(ドープは興味ある装置に対してである)。アンテナチャンネルからの信号は、合計されてビーム形成器の出力を生じる。受信信号の向上をもたらし、且つ受信信号のエネルギを誘電特性対身体組織の散乱背景ノイズの関数として計算し、それによりこのような信号の合成表示を与えるために、FIRフィルタにおける衡法のような技術が、サビッツキー−ゴレイ円滑化フィルタのような「最小2乗フィッティング」技術とともに使用されることができる。この装置は、生物学的組織およびカテーテルチップ377により反射されたエネルギの差を識別し、そしてかかるエネルギ差を基準点マーク700Axないし700Bxに対する位置および座標の関数として表示し、それにより後方散乱信号の強さに比例する像を形成することができ、この像は、更に、基準点マークの走固性画面に対するカテーテルチップ377の位置座標および配向を計算する際にGCIコントローラ501により使用される。走固性画面に対するカテーテルチップ377の座標設定の形成と、蛍光透視画面702との前記像の同期化との詳細を図5Aと関連して更に説明する。1つの実施の形態では、レーダーモジュール1000は、カテーテル、ガイドワイヤ、電極などのような種々の種類の器具の分別をもたらすように、ガイドワイヤ379および/または圧電性リング951、952を備えたカテーテル953のような医療処置の使用されることが知られている特定の物体の様々な誘電特性をレーダーセンサ950により識別するためにルックアップ表1111にある濾過技術を使用するFFTアルゴリズム1103を使用する。
【0039】
図3Aは、切換え可能なダイオード(ポリアセチレン)のような、ジルコン酸−チタン酸鉛(PZT)および/または分子共役ポリマーのような1つまたは2つの圧電性リング951.952が埋め込まれたカテーテルチップ377の図式表示図である。リング951、952により発生される第二高調波は、材料の非線形性により第二高調波における確認可能な返信識別特性をもたらす。基本調波(例えば、5MHz)がレーダーにより送信されるかぎり、第二高調波は、レーダー装置1000により容易に識別可能である。レーダー装置1000は、(サマリウム−コバルトSmCo5またはネオジム−鉄−ホウ素NdFeBのような強磁性体から形成される)カテーテルチップと、PZTリング951、952とを識別することができる。カテーテルチップ377からの信号返信とPZTリング951、952とを織別可能であることにより、レーダー装置1000は、身体組織から受信された背景クラッターを濾過し、そしてリング951、952の位置および配向と、カテーテルチップ377の位置座標とを認識することができる。チップ377およびPZT951、952の2つの異なる誘電特性および電気特性を使用する技術は、独特であって、レーダー装置1000により容易に認識されるレーダー識別特性をカテーテルチップ377に与える。
【0040】
更に、図3Aは、2つのPZTリング951、952に対するカテーテルチップ377の位置座標および配向を検出するために送受信アンテナを有するレーダー装置1000が如何に使用されるかを示している。常駐マイクロコントローラ1105により、レーダー装置1000およびその関連FFTフィルタ1103により幾何学的操りが用いられる。図6Bに示されているように、カテーテルのような装置には、磁気的応答性のチップ377が設けられている、1つの実施の形態では、チップ377は永久磁石を有している。この永久磁石の極性は、2つのPZTリングにより示され、この場合、北極はPZTリング952により示され、カテーテル376の半可撓性部分が更なるPZTリング952で示されている高磁性体の遠位端部は、高磁性の南極を示している。レーダー装置1000は、高磁性カテーテルチップ377を照明するエネルギの突発を送信する。カテーテルチップ377からの返信信号は、レーダーにより受信され、その位置は、エネルギの飛行時間を観測することにより記録され、それによりカテーテルチップ377の位置を3次元空間における位置座標として定める。2つのPZTリング951、952を使用することにより、レーダー検出器1000は、また、カテーテルチップ377の位置座標に関して第2の圧電性リング951に対するPZTリング952の測定値をもたらすように、2つのPZTリングに対してチップ377の位置を識別することが可能である。レーダー検出器1000は、入射波に対して第二高調波を発生させる材料の非線形特性によりPZTリング952、951からの返信信号を識別することができる。基本周波数および第二高調波の強さを比較することによって、レーダー装置1000は、高強磁体377に対する2つのPZTリングの位置および配向を識別し、それによりカテーテルチップ377の位置および配向を与えることができる。
【0041】
図3B、図5Aおよび図5Bは、レーダー検出器1000の使用により、および基準画面に対する移動のようなカテーテルの動力学のための基準画面を形成するために基準点マーク700Ax、700Bxを使用して、カテーテルチップの位置および配向を測定する技術を示している。図3Bおよび図5Bに示されているように、基準点マーク700Ax、700Bxは、多様体701を形成する。マーク700Ax、700Bxの位置は、6−DOFセンサにより測定される。
【0042】
図4は、6−DOFセンサ960の1つの具体例である6−DOFセンサ装置2100のブロック図である。この装置2100は、走固性画面を規定するために患者の身体に位置決めされた基準点マーク700A1、700A2、700A3、700A4、700B1、700B2、700B3、700B4の位置を測定するための6−DOF光センサ装置2100およびその関連電子機器を有している。図5Aに示されているように、基準点マーク700A1、700A2、700A3、700A4、700B1、700B2、700B3、700B4は、カテーテルチップ377の位置とのビデオモニター325に示されている像702の同期化701を許容する。6−DOF光センサ2100を図10と関連してより詳細に説明する。装置2000は、6−DOF光センサ2100と、計装増幅器2101と、A/D変換器2102と、高速フーリエ変換モジュール2103と、マイクロコントローラ2105とを有している。1つの具体例は、音声伝達/警報モジュール2110と、1組の制御スイッチ2109と、ディススプレー2108とを有している。6−DOFセンサ2000により発生されたデータは、通信ポート2113を経てGCI装置501に供給される。
【0043】
図5Aは、撮影血管造影設備502へのGCI装置501の一般的接続を示している。撮影血管造影設備502は、オペレータインターフェース設備500を介してGCI装置501で接続されている。動脈管系の撮影血管造影像が、カテーテルチップ377の位置がこの像に重畳された状態でビデオモニター325に示されている。便宜上、本説明では、像は、限定としてではなく、ここでは、蛍光透視像と称されるが、限定されないが、X線撮像、蛍光透視、超音波撮像、MRICAT−走査、PET−走査、レーダー撮像などを含めて、身体構造体の像を生じることができる任意の技術により像を生じることができることは理解されるであろう。これらの像の表示は、基準マークを備え、且つビデオモニター325に示されている像702のカテーテルチップ377との同期化701を可能にする走固性画面を探し出すように、患者の身体390に位置決めされた6−DOFセンサおよびその随伴基準点マーク700A1、700A2、700A3、700A4、700B1、700B2、700B3、700B4の使用により同期化される。
【0044】
図5Aは、患者の身体390に位置決めされた6−DOFセンサ2000および基準点マーク700A1、700A2、700A3、700A4、700B1、700B2、700B3、700B4を使用して、レーダー装置950から得られるカテーテル377の像720および合成像が如何にモニタ325に互いに重畳されて同期化されるかを示している。更に、図5Aは、走固性画面701の形成を、これに対するカテーテルチップ377の位置描写を援助して示している。この方法は、近似立方体として形成され、6−DOFセンサ2100により検出される基準点マークを使用している。多様体701として形成された全データセットは、1組の像702と、カテーテルチップ377のレーダー像データ(例えば、レーダー装置1000からのデータ)と、基準点マーク700Axないし700Bxと含んでいる。
【0045】
レーダー装置950により捕獲されたカテーテルチップ377またはガイドワイヤ379の像の同期化は、デジタルで表示され且つ像702と動的に接続される基準点マークに重畳される。これは、蛍光透視像702に重畳され、そして本解剖学的構造に対する興味ある領域と一致して移動する1つの組合せ多様体701を生じるようになされる。例えば、鼓動している心臓およびその心臓出力、肺拡張および収縮、または患者の痙攣のこれらすべてが、カテーテルチップおよび問題としての身体器官との間の一致した実質的な運動を達成するように動的に捕獲され、相互に関連されることができる。
【0046】
図5Aは、更に、仮想で示されているように発生された蛍光透視/超音波像702に基準点マーク700A1、700A2、700A3、700A4、700B1、700B2、700B3、700B4を重畳する像獲得技術を示している。用意されたスキームが、像702に対するカテーテルチップの動的位置を確認する。基準点マーク700Ax、700Bxにより、且つ6−DOFセンサ2000を利用して形成された基準画面701は、走固性画面701に対するカテーテルチップの位置を定める。更に、幾何学的投射技術を用いることによって、この方法は、カテーテルチップ377に対する同期化像獲得を行い、それにより動的式における基準点マーク700Ax、700Bxおよびカテーテルチップ377の両方に対する像702の重畳をもたらし、従って、図5Aに701として示されている基準画面で位置規定を示す。
【0047】
図5Aは、同期化アルゴリズム701の使用を示しており、それにより、基準点マーク700A1、700A2、700A3、700A4、700B1、700B2、700B3、700B4により形成された空間は、n−次元空間により表されており、この空間では、基準点マーク700Ax、700Bxの各々は、ベクトルfi{f1、f2…fn}により示されており、また、レーダー1000により得られるカテーテルチップ377の位置データは、関数gi{g1、g2…gn}により示されている。n−次元空間におけるベクトルf、gの長さは、以下の式(2)により定められる。
【数2】
【0048】
空間における合計は、以下の式(3)の積分により得られる。
【数3】
【0049】
更に、n−次元空間における点f(基準点マーク)とg(カテーテルチップ377の位置)との間の距離は、以下の式(4)であり、かくして、式(5)となる。
【数4】
【数5】
【0050】
この結果は、関数f(t)およびg(t)の平方偏差である。700Ax、700Bxのベクトル規定fiと、カテーテルチップ377のベクトル規定giとの間の角度は、式(6)により示され、かくしてfi、giが直交しているので式(8)、式(7)で示されている。
【数6】
【数7】
【数8】
【0051】
6−DOFセンサ2000のベクトル関数fiとしての位置データセットと、レーダー装置1000により発生され、ベクトル関数giにより示されているカテーテルチップ377の位置データセットとは、直交であり、それらの距離は、式(5)に示されている差により示され、その相対配向は、式(7)により示されている。従って、基準点マーク700Ax、700Bxに対するカテーテルチップ377の位置を定める多様体701は、角度に対するベクトル関数fiとベクトル関数giとの差であり、時間変域(time domain)Tにわたってマッピングされる。この場合、Tは{t1、t2…tn}である。要約すると、基準点マーク700Axないし700Bxにより形成された走固性画面に対してカテーテルチップ377を同期化する方法論により、GCIコントローラは、まず、閉サーボループ様式を与え、それにより外科医は、機械が「C」曲線985に沿って必要な数学的計算を行なうかぎり、実際の位置(AP=P1)に対する所望の位置(DP=P2)を設定することができる。2番目に、カテーテルチップ377に対する距離r971および角度θ984に関して、最適な電力設定が電磁石クラスタ920、930により発生される。
【0052】
図5Bは、ペースメーカー電極の埋込みを行いながらの、図5Aにおいて説明された装置を使用することを示している。更に、図5Bは、S.A.Node802、A.V.Node節803および心房室束804に対する領域に電極が図示のように設置された心臓ペースメーカー801の埋込みを示している。更に、右側および左側索枝805が示されている。ペースメーカーの埋込みは、心臓の律動または電気伝導の障害のある患者の生存のために必須である。この処置は、心臓腔壁部(心室または心房)における小さい電極の埋込みにより行なわれる。電極の他端部は、胸部の皮膚の下に埋め込まれて、心臓の律動を刺激するために刺激パルスを発生させる電子装置801に取付けられる。生命を脅かす振動の電気障害が電極自動埋込み可能な心臓細動除去器(AICD)により検出される場合、同様な装置が電気的ショックを加える。これらの電極は、蛍光透視法下で押込みおよび操りにより静脈を通して設置される。GCI装置501の使用によれば、CGI装置の使用によりペースメーカー801の電極を移送してそれらの適切な位置に設置するために、磁性チップ381を備えたガイドワイヤ379が使用される。基準点マーク700A1、700A2、700A3、700A4、700B1、700B2、700B3、700B4が適所にある状態で、医師は、図5Aに示されているように、レーダー1000からの位置データを使用し、且つ6−DOFセンサ2000を用いてガイドワイヤチップ381を確認する連続的な動的基準画面を得ながら、心臓腔を通してガイドワイヤ379を操縦する。しばしば、電極を適切な位置に設置するように操るのは困難であり、結果は、解剖学的構造の変化に因り次善である。コントローラ501の使用は、医師がガイドワイヤおよびペースメーカーの電極の動きを正確に操縦したり、案内したり、制御したり、撮像したりすることができないことに起因した妥協なしにペースメーカー801の電極を移動させ、押込み、そしてその所望の解剖学的位置に設置することが可能であるかぎり、このような複雑な操作を行う際に簡単性をもたらす。
【0053】
図6および図6Aは、GCI装置503とともに使用するためのカテーテル組立体375およびガイドワイヤ組立体379の斜視図である。カテーテル組立体375は、より剛性の応答性チップ377を曲りくねった経路を通して正確に操向し得るための高い可撓性を有する可撓性部分378へ延びているカテーテルボディ376を有する管状の器具である。磁性カテーテル組立体375は、GCI装置501との組合せで、診断および治療処置を行なうのに通常必要とされる多数の形状の必要性を減じるか或いは無くす。これは、従来のカテーテル法処置中、外科医は、しばしば、従来のカテーテルを所望位置まで案内する際に困難さに遭遇する。何故なら、この方法は、労力が高く、且つ例えば、心臓血管系の曲りくねった経路を通してカテーテルを操縦するために手の器用さに依存しているからである。かくして、外科医の仕事を助けるために、色々な大きさおよび形状の多数のカテーテルが外科医にとって利用可能である。何故なら、かかる仕事は患者内および患者間の自然の解剖学的変化に起因して異なる状況において異なる曲がり部を必要とするからである。GCI装置501を使用することにより、すべてでなくてもほとんどの患者に対して1つのカテーテルしか必要とされない。何故なら、カテーテル法処置は、外科医がカテーテルを準手探りで患者の身体390に押し入れることに頼ることなしに、仮想のチップ405の外科医の操りにより指令されるように、磁性カテーテル/ガイドワイヤ組立体375および/または379を患者の身体390内の所望位置まで案内する電気機械装置の助けで達成されるからである。磁性カテーテル/ガイドワイヤ組立体375および/または379は、曲りくねった経路を克服するのに必要とされる可撓性をもたらす。
【0054】
ガイドワイヤ組立体379は、ガイドワイヤボディ380および可撓性部分382を有しており、この可撓性部分382は、より剛性の応答性チップ381が曲りくねった経路を進むように鋭い曲がり部のまわりに正確に操向されるための高い可撓性を有している。カテーテル組立体375およびガイドワイヤ組立体379両方の応答性チップ377、381は、それぞれ、永久磁石のような磁性要素を有している。チップ377、381は、上方電磁クラスタ920および下方電磁クラスタ930により発生される外部磁束に応答する永久磁石を有している。
【0055】
カテーテル組立体375のチップ377は管状であり、ガイドワイヤ組立体379のチップ381は中実の円筒体である。カテーテル組立体375の応答性チップ377は、中に長さ方向に位置決めされた磁性要素の2つの端部により生じられる長さ方向極性配向を有する双極子である。ガイドワイヤ組立体379の応答性チップ381は、中に長さ方向に位置決めされた磁性要素377の2つの端部により生じられる長さ方向極性配向を有する双極子である。これらの双極子は、上方電磁クラスタ920および下方電磁クラスタ930がチップ377、381に作用してこれらをオペレータにより指令されるように所望位置まで一致して「引っ張る」ので、GCI装置501での応答性チップ377、381の両方の操りを可能にする。
【0056】
図6Bは、磁性チップおよび2つの圧電性リングを備えたカテーテルの図である。図6Bは、更に、カテーテル組立体953が図示のように位置決めされた半導電特性の追加の2つの圧電性リング、即ちポリマー951、952を備えていることを除いて、GCI装置503と共に使用されるべきカテーテル組立体953およびガイドワイヤ組立体379の追加改良を示している。レーダー装置950は、コントローラ501との組合せで、2つの圧電性リング、即ちポリマーを励起し、かくして磁石377の北極に対するカテーテルチップの回転手段をもたらすようにRF信号が放出されるカテーテルチップの追加の検出様式をもたらす。GCI装置503は、チップ377の回転角度を定めることができ、当業者に公知なより精巧なスキームでは、圧電性リング、即ちポリマー951、952は、図5Aおよび図5Bを参照して説明したように、走固性画面701に対するカテーテルチップ377の位置、配向および回転を定めるために追加の位置情報を与えることができる。
【0057】
図7は、実際のカテーテルチップ(AP)377の位置を定めるためのシステムコントローラ(SC)501により行なわれる論理的な計算の流れを示している。また、コントローラは、(レーダー装置950により測定された)カテーテルチップの位置データを(6−DOFセンサ960により測定された)基準点マークの位置データと組合わせて患者の身体におけるカテーテルチップの位置を定め、カテーテル位置を(利用可能であれば)像データと同期化する。
【0058】
1.コントローラ501は、X軸コントローラおよび増幅器(XCA)911、910、Y軸コントローラおよび増幅器(YCA)913、912およびZ軸コントローラおよび増幅器(ZCA)915、914の出力を抑制する。
【0059】
2.コントローラ501は、レーダー装置950からのデータを読取ってカテーテルチップ377の実際の位置(AP)981を確認する
3.コントローラ501は、外科医により向けられるようなカテーテルチップの新たな所望位置(DP)982のための使用者入力装置900からのデータを読取る。
【0060】
4.コントローラ501は、「C」曲線985についての数学的解答を行なう。
【0061】
5.コントローラ501は、走固性画面を形成する基準点マーク700AX、700Bxの位置を示す6−DOFセンサからのデータを読取る。
【0062】
6.コントローラ501は、像源502からのデジタル像データ702を得る。
【0063】
7.コントローラ501は、カテーテルチップ377の位置からのデータを6−DOFセンサから得られるデータと同期化し、そして組合せられたデータを多様体701の形態で配列する。
【0064】
8.コントローラ501は、多様体701を像源702から得られたデジタル像に重畳する。
【0065】
9.コントローラ501は、電磁石クラスタ920、930の最適な距離r971および角度θ984を計算し、それにより患者390の位置に対する電磁石クラスタ920、930の最適な電力設定を行なう。
【0066】
10.コントローラ501は、必要に応じて上記の工程1ないし9を繰返す。
【0067】
11.コントローラ501は、図2Lde曲線「C」985としても示され、式(PE=[AP−DP]により表される、カテーテルチップ377の実際の位置(AP)981と所望の位置(DP)982との差である誤差位置(PE)983を算出する。
【0068】
12.コントローラ501は、カテーテルチップ377の実際の位置と外科医により設定される所望の位置との間の移動を受入れる幾何学的配置を与えるように最適な電力設定アルゴリズムの方法を繰返す。
【0069】
13.GCIコントローラ501は、自動化ジンバル式運動/コンピュータ制御式装置970を使用して、情報電磁石クラスタ920を、電磁石装置のための最適な構成を得るようにして移動するように指令する。
【0070】
14.コントローラ501は、図2Cないし図2Hにより示されている処置により述べたように、補正された磁場をX軸コントローラおよび増幅器(XCA)911、910、Y軸コントローラおよび増幅器(YCA)913、912およびZ軸コントローラおよび増幅器(ZCA)915、914に入力し、そして実際のチップ377に生じられた磁場Bの3つの直交成分(Bx、By、Bz)から設定される5軸データを補間する。
【0071】
15.コントローラ501は、コイル901ないし906に適切な電流を設定するように、新たな所望の座標に対応する新たな所望の位置データ(DP)982をX軸コントローラおよび増幅器(XCA)911、910、Y軸コントローラおよび増幅器(YCA)913、912およびZ軸コントローラおよび増幅器(ZCA)915、914に送る。
【0072】
16.コントローラ501は、更に、心臓の位置、実際のカテーテルチップの位置(AP)981および多様体701としての基準点マークの種々の入力情報を動的に関連させるように、例えば、心電図(EKG)502からのゲーティングデータおよび基準点マーク700Axないし700Bxにより形成された走固性画面を含む像源702およびレーダー装置950からの心臓の位置(CP)を積分する。心臓の位置(CP)および肺のデータセットのようなデータは、心臓の鼓動および肺の運動に因り、動的であって、時間変数である。
【0073】
17.コントローラ501は、必要に応じて上記方法を繰返す。
【0074】
コントローラ501は、位置誤差(PE)983が任意の軸において所定の時刻の所定量を超えるなら、フィードバックデータを仮想のチップ(VT)405に送って触感フィードバックを与え、それによりカテーテルチップ377が遭遇する障害物をオペレータに知らせる。位置誤差(PE)983が、予定時間量内または前述の工程1ないし14のサイクル内でGCI装置501の正常な作動により除去されない場合、実際のカテーテルチップ377が障害物に出会ったようであると思われる。これは、操作桿に対する抵抗により発生されて仮想のチップ405のような使用者入力装置900のうちの1つまたはそれ以上に作用する触感フィードバックを介してオペレータにより感知される。
【0075】
図8は、CGCI装置における信号の流れの機能的ブロック図である。この図は、外科医によるカテーテルチップの直感的な操作桿型制御をもたらす仮想のチップ405の作動を示している。外科医は、患者の身体390内のカテーテルチップ377の同様な移動を引起こすように仮想のチップ405を所望の方向に押したり、引張たり、或いは回転させたりする。カテーテルチップ377が障害物に出会うなら、仮想のチップ405は、適切な軸における移動に対する抵抗の形態の触感フィードバックに伴って応答する。かくして、外科医は、実際のチップが前進しているものと「感じる」ことができおる。チップ405が解放されると、カテーテルチップ377は、その現在の位置に強制的に保持される。GCI501のシステムコントローラは、実際のチップ位置(AP)981を、多様体701から得られ、レーダー950および6−DOF銭さ60により発生される心臓位置データ(CP)と相関関係付けする。これらのデータセットは、補助設備502により発生された蛍光透視像702に重畳され、そして多様体701として形成された組合せ同期化チップ/X線画像でモニタ325に表示されている。3次元の実際のチップ位置(AP)981の表示は、APデータでもってリアルタイムで連続的に更新される。この表示をCPデータと重ねるために、X線画像の比較的少ない画面が使用される。APデータとCOデータとのこの相関関係は、合成像701に示されたX線およびレーダーデータが共通の基準点、つまり、基準点マーク700Axないし700Bxを有する(すなわち、両者は鼓動している心臓に対して静止している)ので、可能である。かくして、本技術は、心臓およびカテーテルチップ377を観察する優れた方法をもたらしながら、患者およびスタッフに対するX線照射を著しく減少させる。
【0076】
更に、図8は、(仮想のチップ405のような)使用者入力装置900を作動する外科医の手の動作が捕獲されて移動指令に変換される手順を示すことによってGCI装置501の作動を説明するものである。コイル901ないし906のための必要な電流を発生させるために、増幅器910を使用しながら、カテーテルチップ377を移動させるのに必要とされる電力対力の最適化がもたらされる。これらのコイルは、マックスウエルの式に従ってチップ377に発生される力/トルクに応答してカテーテルチップ377にB磁場を生じる。カテーテルチップ377の移動はレーダー装置950によりリアルタイムで監視され、チップ位置および配向の情報は、6−DOFセンサ2000の使用を介して基準点マーク700Axないし700Bxを使用した同期化方法701を介して表示され、それにより位置ならびに実際のチップにより発生された反映力/トルクをゲーティングする。この方法は、使用者入力装置900の使用によりオペレータの動作に応答するように連続的に反復する。図8により言及された上記手順は、当業者には明らかであって、直感的であり、図1ないし図7に更に詳細化されている。
【0077】
図4に示されているように、この方法は、下記の如く説明される。i)オペレータは、仮想のカテーテルチップ405の物理的位置を所望の位置へ調整する;ii)仮想のチップ405の位置の変化がコントローラ501においてコード化されてレーダー950から新たな位置データを生じ、これもまたコントローラ501に受信される;iii)コントローラ501は、指令を発生させ、これらの指令は、サーボシステム制御モジュールに送られる;iv)サーボシステム制御モジュールは、ジンバル/運動制御装置970を制御して電磁石クラスタの距離r971および角度θ984を変更することによりコイル901ないし906の位置を調整して電磁石クラスタ930に対する電磁石クラスタ920の位置を最適化する;v)電流がコイル901ないし906に送られて患者の身体390内の実際の磁性カテーテルチップ377の位置を変更する;vi)次いで、実際のカテーテルチップの新たな位置(AP)がレーダー装置950および6−DOFセンサ960により感知され、カテーテルの位置は、蛍光透視および/または他の撮像様式702により生じられた像に重畳される;vii)フィードバックがサーボシステム制御装置およびオペレータインターフェースの監視装置501に送られる。
【0078】
図9は、「C」アーム391のレイアウトとして図2に示されている構成と対照的に、2平面X線支持機構を使用している別の磁石装置を備えたGCI装置の使用を示している極構成374における電磁コイル132X、132Y、132Z、138X、138Y、138Zの構成を示している。更に、図9は、作動テーブル389と、患者390と、T軸エンコーダ394と、トラニオン388と、支持組立体385と、極支持体391.1と、G軸エンコーダ393と、X線源383と、光増幅器384とを含むGCI装置501を備えた要素間の全体関係を示している。この全体構成は、極構成374と称せられ、そして電磁石901ないし906がクラスタ920、930におけるトロイドの一部として構成されている「C」アーム手段391と対比される。図2、図2Aおよび図3Bにしめされる構造は、電磁場Bの強さが隙間の中心線に向かって増大しており、且つ勾配が隙間の縁部でピークになって、GCI501が図9に示されている2平面軸対称のレイアウトの使用により容易に得られるものではない葉状磁場構造を形成することができるので、有利である。GCI501は、図9に示されているもののような極構成において磁気的に結合されるカテーテルチップ377を押したり、引いたり、案内したりする利点をもたらすように、このような構成を組み入れている。
【0079】
極構成374を用いる場合、装置は、電磁石を付勢するに先立って必要とされる同位回転を算出するのに使用されるためのガントリー位置情報を装置に与えるT軸エンコーダ394およびG軸エンコーダ393を使用する。極構成374は、支持組立体385のためのトラスとして作用するトラニオン388を使用している。極支持体極構成391.1は、支持組立体385のG軸上で回動し、極組立体391.1は、モニタ325上の実際のカテーテルチップの位置と共に重畳されるX線像を生じるX線源383およびX線増幅器384を支持している。極支持体391.1は、適切な同軸構成における電磁石132X、132Y、132Z、138X、138Y、138Zのための取付け面をなしている。
【0080】
トラニオン388は、T軸387に心出しされている。T軸エンコーダ394は、T軸における支持組立体385の位置データをコード化するためにトラニオン388に機械的に連結されている。ジンバル軸(G軸)386は、極支持体391.1の中心点でT軸と交差している。この中心点は、X線視界の中心点と一致している。G軸エンコーダ393は、G軸386に沿って支持組立体385に機械的に連結されている。
【0081】
6−DOFセンサは、基準点マークに対する6自由度(DOF)の感知を行なう。6−DOFセンサは、レーザービームを発光し、マークの反射を検知することによりこの感知を達成する。センサの内側で、ビームは、分割され、3つの光ダイオードに差し向けられる。これらのダイオードからのアナログ信号は、デジタル化され、そして機械のための補正作用または出力位置の読取りを指令することができるコンピュータに供給される。
【0082】
図10は、ビーム2018をセンサの主光軸へ案内するためにレーザー源2012がミラー2014、2016を照明する6−DOFセンサを示している。ビームは、2つの負のレンズ(2020、2022)に通され、これらの負のレンズは、ビームを発散する。1つの実施の形態では、発散角度は、センサの面から約3.5cmのところで直径1cmのレーザースポットを生じるようにほぼ0.3ラジアン(半角)である。他の発散角度も同様に使用することができる。センサの視界は、所定の距離のところで発散角度およびスポットサイズを変える異なる負のレンズ202、2022を選択することにより変更されることができる。
【0083】
2つの基準点マーク、例えば、直径4mmのドット2024および1×1mmのバー2026が、非反射性のテープに設けられ、患者に付けられる。レーザー光は、マークから反射してセンサに戻る。ビームは発散性であるので、反射は、光が戻るときに面積が拡大されて、光のほとんどが小さい負のレンズのまわりを進み、その代わりに、比較的大きい収束レンズを通って進む。レンズ2019は、出射ビーム2018を通すために、その中心に穴を有しているが、発散反射ビームを平行化する焦点距離を有している。換言すると、レンズ2019の正の焦点距離は、ドット2024がセンサからの焦点距離の半分あたりに位置決めされる場合、ドット2024からの反射光の発散光線をセンサに平行に入射するように曲げることにより、レンズ2020、2022の負の焦点距離と同じである。平行化された反射ビームがセンサの中へ伝播し続けるとき、このビームは、帯域フィルタ2030を通る。このフィルタ2030は、レーザー光を通すが、他の波長では光を遮断する。センサの内側で、ドット2024からの光は、ビームスプリッタ2032により2つのビームに分割される。ビームの半分が横方向作用光ダイオード2034の中へ90度で反射される。ビームの他の半分は、ビームスプリッタを通り、収束レンズ2036に入り、ミラー2040、2041から離れ、そして他の光ダイオード2038上へ進む。
【0084】
バー26からの光もまた、フィルタ2030を通る。しかしながら、反射バー2026がドットに対して傾斜されているので、このバーから反射するレーザー光は、より大きい発散角度にある。このより大きい反射角度により、光は、フィルタ2030の異なる位置を通り、レンズ2019およびビームスプリッタをそれ、そして光ダイオードを照らす。レーザー以外の外部光源に対するセンサの感度を減少させるために、発光ダイオード2023が、制御された背景光を与えるようにセンサの内側に装着されることができる。
【0085】
3つの光ダイオード(2034、2038、2042)の各々は、センサおよび反射体(2024、2026)の相対位置に対する異なる感度を有していて、ソフトウエアの分離時に、6つの自由度のいずれかにおける任意の変化を描くことができる。光ダイオード2042は、バー2026とセンサ(Tz)との間の並進に対して、およびドット2024の表面と直角な軸(Rz)のまわりのセンサの回転に対して敏感である。バー2026は、センサがバー2026から規定の離隔距離にあるなら、バーの反射が光ダイオード2042の中心を照らすように傾斜されている。従って、光ダイオード2042の中心からのバーの反射のいずれの上下の逸脱も、バー(Yz)からのセンサの距離として算出されることができる。同様に、ドットの中心に対するバーの半径方向位置は、回転中心Rxの基準として使用されることができる。その結果、光ダイオード2042の中心からのバーの反射の右−左の逸脱が、ドットの直角軸(Rz)のまわりのセンサの回転として算出されることができる。
【0086】
対照的に、光ダイオード2038は、以下に説明するように、XおよびY軸(Rx、Ry)のまわりの傾動に対して最も敏感である。レーザービームが反射性基準マーク2024に当るときに発散するので、負のレンズ2014、2016では、センサが負のレンズ2014、2016のまわりに傾動されるときでも、反射されたビームは、中心のところ以外、多く戻り、すなわち、戻り光は、センサの傾動にかかわらず、基準ドットの表面と直交してセンサに入射する。光が傾動の前のように戻るが、光ダイオード2038の位置は、センサの傾動に伴って変化する。その結果、傾動中、反射された光の未変化収束に対する光ダイオード2038の運動が、X軸およびY軸(Rx、Ry)のまわりの傾動に対する感度をもたらす。レンズの性質のため、ダイオード2038は、反射体2024の純粋な並進に対して敏感でない。何故なら、レンズは、光線がどこから来るかにかかわらず、すなわち、マークがどこで並進されるかにかかわらず、同じ点までこのレンズを通るすべての平行な光線を収束するからである。
【0087】
光ダイオード2034の場合、ビームスプリッタ2032は、経路にレンズが無くても光を反射させる。その結果、ダイオード2038と異なって、ダイオード2034は、基準ドット(Tx、Ty)に対するセンサの横方向並進に対して敏感である。光ダイオード34は、傾動に対しても敏感であるが、この効果は、光ダイオード38からの情報を使用してソフトウエアで解除されることができる。同様に、光ダイオード42の他の2つの光ダイオードとのいずれの接続もソフトウエアで解除されることができる。
【0088】
ダイオードからのアナログデータは、アナログ−デジタル変換器でデジタル化され、そして3つの光ダイオードの各々からの2つのチャンネルとして処理するためのコンピュータに供給される。この形態では、データは、チャンネルの2つ以外すべてが、1つより多い運動についての情報を有するので、すなわち、チャンネルが接続されているので、6つの軸のまわりの純粋な運動を表さない。この情報は、6つの自由度すべてについて運動の純粋な測定に分離されることができる。この分離は、各光ダイオードが異なる情報をもたらすので、可能である。光ダイオード38は、X軸およびY軸(RxおよびRy)のまわりの傾動に対してのみ敏感である。従って、これらのチャンネルからの電圧読み値は、他の運動に対する感度(接続)なしでこれらの軸における純粋な傾動を表す。対照的に、光ダイオード34は、XおよびY(Tx、Ty,Rx,Ry)のまわりの運動、回転および並進の4つの線に対して敏感である。しかしながら、光ダイオード38からの任意の電圧読み値を引くことによって、光ダイオード34の傾動感度が無効にされ、残りの電圧がXおよびY(Tx、Ty)のまわりの唯一の並進を表している。同様に、光ダイオード42は、6つの自由度すべてに対して敏感である。しかし、他の2つの光ダイオードからの電圧を引くことにより、残りの電圧はZ軸(Tz、Rz)のまわりの唯一の回転および並進を表している。
【0089】
6つのチャンネルすべてが分離された後、データがオペレータに表示されたり、および/またはCGI装置に供給されたりすることができる。
【0090】
6−DOFセンサは、6つの自由度すべてをトラッキングすることが可能である。レーザービームが発散するので、マークからの反射は、光ダイオードで拡大されて、精度を高める。この利点は、高解像度のA/D変換器との組合せで、並進を検出するミクロン精度および配向を検出するミリラジアン精度をもたらす。異なる光学では、視界が減じられて精度を向上させるができるか、或いはその逆である。マークは、身体の外径に一致し、従って身体における反射性マークの位置決めは、オペレータまたは簡単な3軸コンピュータ制御式機械により行なわれることができる3−DOF仕事(Tx、Ty、Rz)である。6−DOFセンサは、非接触および非表面依存性である。光センサの場合、これは身体に物理的に接触しない。6−DOFセンサは、カメラではなく横方向作用光ダイオードを使用している。光ダイオードがカメラより小さいので、6−DOFセンサは、カメラ系装置より比較的小さい。
【0091】
図11は、仮想のチップ405の使用者入力装置の能力を示す斜視図である。仮想のチップ405は、カテーテルチップ377の位置、配向および回転を制御するために外科医が入力を行なえる多軸操作桿方装置である。仮想のチップ405は、X入力部3400と、Y入力部3404と、Z入力部3402と、カテーテルチップの位置を制御するためのファイ回転入力部3403とを有している。更に、仮想のチップ405は、チップ回転入力部3405およびチップ上昇入力部3404を有している。前述のように、外科医は、仮想のチップ405を操り、仮想のチップ405は、外科医の動きをコントローラ501に伝達する。次いで、コントローラ501は、コイルに電流を発生させて実際のカテーテルチップ377が仮想のチップ405の運動に追従するようにカテーテルチップ377の運動を行う。1つの実施の形態では、仮想のチップ405は、カテーテルチップ377が障害物に出会ったことの触感指示をもたらすように力フィードバックをオペレータに与えるために種々のモータおよび/アクチュエータ(例えば、永久磁石モータ/アクチュエータ、ステップモータ、リニアモータ、圧電モータ、リニアアクチュエータなど)を含む。
【0092】
先の説明は多くの特殊性を含んでいるが、これは、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではなく、本発明の例示を単に示すものである。かくして、例えば、基準点マーク(フィデューシャルマーク)の位置を感知するセンサは、実施の形態では6−DOFセンサとして説明されている。当業者は、基準マークの位置を感知することができる他の光センサ(例えば、カメラ)が同様に使用されることができることを認めるであろう。しかも、基準点マークの位置を検出するのに、レーダー、超音波源などのような非光センサが使用されることができる。1つの実施の形態では、レーダー装置950は、レーダー反射性基準点マークを検出するのに、6−DOFセンサ960の代わりに使用されることができる。
【0093】
多くの他処置変形例が、本発明の範囲内で可能である。例えば、電磁石の変調は、チップの振動または脈動運動が交差プラークを助成するようにして制御されることができる。応答性チップは、永久磁石ではなく、電磁石であることができる。身体の外側の磁場が、永久磁石により発生されることができる。外部の磁場の制御は、磁場発生装置を手動で管理することにより達成されることができる。チップのまわりに巻かれたコイルが印加時変磁場に応答するようにすることにより、関連された磁性効果を伴うAC誘発が使用されることができる。キュリー温度が身体温度の数度以内である材料が、適切な温度を有する流体で洗浄することによる選択的なチップ制御のための磁束スイッチとして使用されることができ、静電現象が、磁性効果を高めることができる。人造知能が、指令入力情報を生じるためのオペレータ制御に取って代わることができ、エキスパートシステムが、代わりをするか、或いはオペレータ入力を高める。この装置は、心臓以外の種々の身体の内腔または器官を培養するのに使用されることができる。この装置は、卵収穫および胚埋込みのような人間および動物用手順に使用されることができる。応答性チップは、先例の無い操縦性で内部構造体の検視を行なうためにコヒーレント光ファイバ束に取付けられることができ、案内式カテーテルを使用して造粒化源を腫瘍に直接供給することにより、内部放射性同位体治療が正確に行なわれることができる。内部組織のサンプルが、大外科手術なしで得られることができ、応答性チップを備えた光ファイバ光導体が、レーザー光を大外科手術なしで特定の内部位置へ供給するように正確に位置決めされることができる。かくして、本発明の範囲は、請求項によってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】オペレータインターフェースと、カテーテル案内装置と、外科設備(例えば、案内されるべきカテーテル)と、撮像/同期化手順と、患者を含む外科装置の高レベルシステムブロック図である。
【図1A】カテーテル案内装置と、レーダー装置と、6−DOFセンサと、ジンバル運動機構とを有するGCI外科処置に使用するための撮像モジュールのブロック図である。
【図2】電磁石の極構成を示す直交表示図である。
【図2A】C−アームと共に磁気回路を構成する電磁石のクラスタ状配置における極構成を示す図である。
【図2B】コイル、アームおよびテーブル、レーダーおよび6−DOFセンサの幾何学的レイアウトの図である。
【図2C】電磁石コイルを駆動するための装置のブロック図である。
【図2D】GCI装置を形成するベクトルのマトリックスの図である。
【図2E】GCI装置における特性マトリックスの図である。
【図2F】上記図2Eに示されている逆特性マトリックスの図である。
【図2G】特性マトリックスと、GCI装置に使用される逆特性マトリックスとの積の図である。
【図2H】図2Gの論理フロー図である。
【図2I】磁石クラスタ、レーダー装置および光センサを示す正面図である。
【図2J】磁石クラスタ、レーダー装置、光センサ、C−アームおよび作動テーブルを示す側面図である。
【図2K】レーダー装置、光センサ、およびC−アームの頂部におけるジンバル運動機構を示す図である。
【図2L】カテーテルチップの実際の位置(AP)および所望の位置(DP)の「C」曲線表示図である。
【図3】カテーテルの位置を測定するためのレーダーフェーズドアレーレーダーモジュールおよびその関連電子機器のブロック図である。
【図3A】カテーテルチップの位置および配向を確認する際のレーダー装置の使用を示す図である。
【図3B】フィデューシャルマークの領域におけるカテーテルを捜し出すことを示す図である。
【図4】フィデューシャルマークの位置および像捕獲の同期化を測定するための6−DOFセンサおよびその関連電子機器のブロック図である。
【図5A】撮影血管造影設備を備えたGCI装置の使用において、基準点マークおよび6−DOFセンサを使用して、蛍光透視像およびレーダーデータからのカテーテルの合成像が如何に同期化されるかを示す図である。
【図5B】ペースメーカー電極の埋込みを行ないながら、図5Aに示されている装置を使用することを示す図である。
【図6】CGCI装置に使用するためのカテーテル組立体およびガイドワイヤ組立体の斜視図である。
【図6A】CGCI装置に使用するためのカテーテル組立体およびガイドワイヤ組立体の斜視図である。
【図6B】磁性チップおよび2つの圧電性リングを備えたカテーテルの図である。
【図7】レーダー装置および6−DOFセンサを有するGCI装置の計算論理フローの図式図である。
【図8】CGCI装置における信号フローの機能的ブロック図である。
【図9】2平面2重X線装置により生じられる立体像との組合せでのカテーテル案内装置の使用を示す図である。
【図10】6−DOFセンサの1つの具体例を示す図である。
【図11】仮想のチップである使用者入力装置の能力を示す斜視図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者内のカテーテルの位置を定めるためにレーダー装置を使用しながら、カテーテルおよびカテーテル形式の装置のような侵襲医療装置を案内し、操向し且つ前進させる装置および技術に関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテル法は、代表的には、侵襲装置を切り口または身体開口部に挿入することにより行われる。ガイドワイヤおよびバルーンのような二次的な器具が、しばしば、医療処置が行なわれようとする領域までカテーテルに沿って前進される。これらの処置は、身体の外側に留まっている近位端部を押したり、回転させたり、或いは他の方法で操ったりすることにより侵襲装置の遠位端部を手動で前進させることに頼っている。リアルタイムX線撮像は、処置中に侵襲装置の遠位端部の位置を定めるための一般的な方法である。操りは、遠位端部が診断または治療処置が行なわれようようとする目標領域に達するまで継続する。この技術は、外科医/オペレータ側の優れた技能を必要とする。かかる技能は、長い訓練期間および長期の実地後にしか達成されない。高い程度の手の器用さも必要とされる。
【0003】
身体内の所望の位置へカテーテルを前進させる際に伴う難点のため、多くの診断および治療処置は、しばしば、ガイドワイヤを用いている。このガイドワイヤは、まず、心臓または動脈の中へ前進され、そして特定のカテーテルのための軌道およびガイドとして役立つ。例えば、この技術は、カテーテルを左心室の中へ前進させるのに使用され、大動脈狭窄症を検査するときに特に重要である。狭められた弁開口部を横切ることは、オペレータにとって難題である。同様に、ガイドワイヤは、しばしば、冠状動脈の中へ障害プラークを横切って操られる。例えば、バルーン、レーザー、ステントなどを担持している治療カテーテルが、ガイドワイヤ上で前進され、そしてプラークの部位に設置される。次いで、狭められ部位は、バルーンを膨らましたり、レーザービームを作動させたり、或いはステントを設置したりすることによって開口される。ときには、動脈は、曲りくねっており、激しく狭められており、プラークは、不規則であり、石灰化されているか、或いは動脈を全く閉塞している。これらの場合、狭められた部位を超えてガイドワイヤを設置することは、非常に困難であり、しばしば、不成功になる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、侵襲装置を案内し、操向し、前進させ、そしてそれらの位置を捜し出し、そしてそれらの位置を正確に制御するための、3次元撮像を行なうための、およびX線または他のイオン化させる放射線の使用を最小にするための装置および方法の実質的および不満足な必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、従来の装置ほどには訓練および技能を必要としない磁気的カテーテル案内/制御装置を提供することにより前記の問題および他処置問題を解決している。1つの実施の形態では、レーダー装置が身体の内側のカテーテルの遠位端部の位置を定めるのに使用され、かくしてX線のようなイオン化放射線の使用を最小にするか或いは除去する。変更例として、カテーテル案内装置は、オペレータに追加の画像を与えるためにX線装置(または他の撮像装置)との組合せで使用されることができる。しかも、オペレータおよび制御装置に位置フィードバックを与えるためにカテーテルチップを捜し出すのに、磁気的カテーテル案内装置に使用される磁気装置が使用されることもできる。1つの実施の形態では、磁気的に応答性にカテーテルチップを所望の方向に所望の量だけ移動させるのに十分な強さおよび配向の磁場を生じるために、磁場源が使用される。
【0006】
1つの実施の形態は、外科医/オペレータが患者の身体の内側にカテーテル正確に活比較的容易に位置決めすることができるカテーテル案内/制御装置を含む。このカテーテル案内/制御装置は、カテーテルチップを正しい位置に維持することができる。1つの実施の形態は、動脈を通してカテーテルの遠位端部を操向し、且つプラークおよび他の障害物を通してカテーテルチップを強制的に前進させることができるカテーテル案内/制御装置を含む。1つの実施の形態は、患者およびスタッフに対するX線照射を著しく減少させてカテーテルチップの位置を表示するカテーテル案内/制御装置を有する。1つの実施の形態は、使用がより直感的であって、より簡単であり、3次元におけるカテーテルチップの位置を表示し、チップを所望に応じて引いたり、押したり、回したり或いは保持したりするためにカテーテルチップのところで力を加え、そしてチップをプラークまたは他の障害物を通って前進させるのを助けるために調整可能な周波数および振幅でチップの振動または脈動運動を生じることが可能であるカテーテル案内/制御装置を含む。1つの実施の形態は、チップが出会う障害物を示すためにオペレータの制御時に触感フィードバックを供給する。
【0007】
1つの実施の形態では、カテーテル案内制御/撮像(GCI)装置により、外科医は、カテーテルを前進させて正確に位置決めし、カテーテルの遠位端部の位置を捜し出すためにレーダー装置を使用することにより3次元におけるカテーテルの位置を見ることができる。1つの実施の形態では、レーダーデータは、X線画像と組み合わされてレーダーおよびX線データを有する複合表示を生じることができる。1つの実施の形態では、レーダー装置は、合成開口レーダーを有する。1つの実施の形態では、レーダー装置は、超広域幅レーダーを有する。1つの実施の形態では、レーダー装置は、インパルスレーダーを備えている。
【0008】
1つの実施の形態では、この装置は、患者の身体内の実際の、すなわち、物理的なカテーテルチップの前進の表示であることに加えて、カテーテルチップとの位置関係を有する「仮想のチップ」と呼ばれる使用者入力装置を有している。仮想のチップは、外科医/オペレータにより操られることができ、そして実際のチップが障害物に出会う場合に適切な軸において触感フィードバックを外科医に送るように設計されている操作桿と同様な物理的組立体を含む。換言すると、仮想のチップは、外科医が患者の身体を通して実際のカテーテルチップを案内することができる操作桿型装置を含む。実際のカテーテルチップが障害物に出会うと、仮想のチップは、触感力フィードバックを外科医に供給して障害物の存在を示す。
【0009】
1つの実施の形態では、物理的カテーテルチップ(カテーテルの遠位端部)は、患者の身体の外側に発生される磁場に対して応答する永久磁石を有している。外部磁場は、チップを引いたり、押したり、回したり、そして所望の位置に保持したりする。当業者は、永久磁石が電磁石により取って代わられるか、或いは増強されることができることを認めるであろう。
【0010】
1つの実施の形態では、物理的カテーテルチップ(カテーテルの遠位端部)は、永久磁石および2つの圧電性リング、即ち半導体ポリマーリングを有しており、レーダー装置がリングから生じる共振信号の第2高調波を検出するようになっている。
【0011】
1つの実施の形態では、GCI装置は、6つの自由度(6−DOF)を有するセンサを用いることにより像同期化技術を使用しており、それにより走固性基準画面の形成を可能にしている。
【0012】
1つの実施の形態では、GCI装置の電磁回路は、磁気回路の効率を高めるように強磁性物質(例えば、フェライト物質を使用してC−アーム幾何構成を有している。
【0013】
1つの実施の形態では、GCI装置は、カテーテルチップを効率的に押したり、引いたり、回転させたりするのに使用される磁場を制御するために種々の電磁石に供給される電流を計算するのに数値変換を使用している。
【0014】
1つの実施の形態では、GCI装置は、カテーテルチップを検出し、身体の器官を移動させ、そしてそれらの運動を同期化するように構成されたUWBインパルスレーダーおよび6−DOFセンサを有している。
【0015】
1つの実施の形態では、GCI装置は、カテーテルチップを押したり、引いたり、回転させたりするのに必要とされる電力要件を減じる位置および配向へ電磁石の極を移動させるために自動化機構によりジンバル運動される。
【0016】
1つの実施の形態では、GCI装置は、電気生理学的(EP)処置中、ペースメーカーの埋込みを行なうために使用される。
【0017】
1つの実施の形態では、GCI装置は、器官の動きを補償するために案内制御および撮像を行なうように、カテーテルチップおよび1つまたはそれ以上の基準点マークに対する身体内の移動器官(例えば、心臓、肺など)の位置を測定し、報告し且つ確認し、それにより身体を通してカテーテルを操る外科医の仕事を簡単化するためにレーダーまたは他のセンサを使用している。
【0018】
1つの実施の形態では、オペレータ制御は、患者の身体の外側に加えられる磁力を調整することによりカテーテルチップの位置を制御するサーボシステムに位置/配向指令入力情報を供給する。実際のチップの位置および配向の測定は、レーダー装置を有する知覚装置および6−DOFセンサを介して行われる。この測定値は、フィードバックをサーボシステムおよびオペレータインターフェースに送るために使用される。1つの実施の形態では、サーボシステムは、身体部分または心臓のような器官の動的位置を補償し、それにより実際のチップが鼓動する心臓と実質的に一致して移動するように応答を代償する補正入力情報を受ける。
【0019】
1つの実施の形態では、カテーテル案内装置の作動は、下記の如くである。i)オペレータは、仮想チップの物理的位置を調整する、ii)仮想チップの位置の変化が、コード化され、そしてレーダー装置および6−DOFセンサからのデータと共に制御装置へ供給される、iii)制御装置は、サーボシステム指令を発生させ、これらの指令は、サーボシステム制御装置へ送られる。iv)サーボシステム制御装置は、サーボ機構を作動して電磁石クラスタの距離および角度を変え、そして電磁石を付勢して患者の身体内の実際の磁性カテーテルチップの位置を変えることにより1つまたはそれ以上に電磁石クラスタの位置を調整する、v)次いで、実際のカテーテルチップの新たな位置が、レーダー装置により感知され、複数の基準点マークの位置が、6−DOFセンサにより感知され、それによりカテーテルの位置を蛍光透視および/または他の撮像様式により生じられた像に同期化して重畳する、vi)フィードバックをサーボシステム制御装置およびオペレータインターフェースへ供給し、そして患者の内部身体構造体に対する実際のカテーテルチップの表示像を更新する。
【0020】
オペレータは、仮想チップの位置に対する更なる調整を行なうことができ、次々の工程iiないしviが繰返される。1つの実施の形態では、実際のカテーテルチップがその経路において障害物または抵抗に出会うと、サーボシステム制御装置からのフィードバックにより指令ロジックを生じる。この指令ロジックは、仮想のカテーテルチップに物理的に連結されているステップモータを制御するために使用される。ステップモータオペレータにより感じられることができる適切な方向に抵抗を生じるように係合され、かくして、触感フィードバックが使用者に送られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
一般に、カテーテル法は、侵襲装置を切り口または身体開口部に挿入することにより行なわれる。ガイドワイヤおよびバルーンのような二次器具が、しばしば、医療処置が行なわれようとする領域まで一次カテーテルを通して或いはそれを超えて前進される。これらの処置は、侵襲装置の遠位端部を、診断または治療処置が行なわれようとする目的領域に達するまで前進させることに依存している。
【0022】
図1は、オペレータインターフェース500と、カテーテル案内/撮像(CGI)装置503と、外科設備502(例えば、カテーテルチップ377など)と、1つまたはそれ以上の使用者入力装置900と、患者390とを含む外科装置1500のシステムブロック図である。使用者入力装置900は、外科医がカテーテルチップ377の動作および配向を制御するために指令入力を行なうために、操作桿、マウス、キーボード、バーチャルチップ405および他の装置のうちの1つまたはそれ以上を有することができる。CGI装置503は、コントローラ501と、撮像/同期化モジュール701とを有している。この図は種々の機能ユニットと、オペレータインターフェース500、補助設備502および患者390との間の全体関係を示している。1つの実施の形態では、GCI装置コントローラ501は、図7と関連して本明細書で更に説明するようにカテーテルの遠位端部の実際の先端位置(AT)を算出する。バーチャルチップ405および撮像/同期化モジュール701からのデータを使用して、GGI装置コントローラ501は、実際の先端位置(AT)と所望の先端位置(DP)との差である位置誤差を定める。1つの実施の形態では、コントローラ501は、位置誤差を最小にするために選択される方向にカテーテルチップを移動させるように電磁石を制御する。1つの実施の形態では、GCI装置501は、図7および図11と関連して説明するように、VT405に力フィードバックを送ることにより触知フィードバックをオペレータに送る。
【0023】
図1Aは、GCI装置503の1つの具体例を表す外科装置用の装置800のブロック図である。この装置800は、コントローラ501と、レーダー装置950と、位置センサ960と、(任意に)ジンバル式運動機構970とを有している。1つの実施の形態では、センサ960は、図10と関連して説明するように、6自由度(6−DOF)センサを含む。レーダー装置950は、超広域幅レーダー、インパルスレーダー、連続波(CW)レーダー、周波数変調CW(FM−CW)レーダー、パルス−ドプラーレーダーなどとして構成されることができる。1つの実施の形態では、レーダー装置950は、フェーズアレーアンテナを有している。1つの実施の形態では、レーダー装置950は、レーダー像を生じるために合成開口レーダー(SAR)処理を使用する。1つの実施の形態では、レーダー装置950は、例えば、米国特許第5,774,091号(その全体において参照によりここに組入れられる)に記載のような超広域幅レーダーを有している。1つの実施の形態では、レーダー950は、カテーテルチップの位置を確認するためにレーダー範囲ファインダーとして構成されている。6−DOFセンサ960は患者に設置された基準マーク(基準点マーク)の位置を捜し出すように構成されている。基準マークの位置に関するデータが、例えば、像捕獲同期化のために使用されることができる。自動化ジンバル式運動制御機構970のより、図2Kと関連して説明するように、電磁石が患者390に対して移動される。
【0024】
カテーテルチップの位置を確認するためのレーダーの使用は、蛍光透視、超音波、ホール効果センサ、磁気歪センサまたはSQUIDの使用を上回って有利である。レーダーは、リアルタイムの高解像度、高忠実度の信号をもたらす正確な動位置鮮明度をもたらすことができる。レーダーは、強い磁場と適合性である。範囲測定の自己校正は、移行時間またはドプラー処理に基づくことができる。更に、レーダーは、胸郭、骨構造体などのような「硬い」表面(これらの表面は測定を邪魔しないか、或いは測定精度を妨げないので)を無視しながら、カテーテルの位置の測定を行なえる。また、器官の移動および変位(肺拡張および胸郭変位ならびに拡張または収縮中の心臓出力)は、レーダー信号の調整または補正を必要としない。レーダーは、移動の存在において使用されることができる。何故なら、心臓移動およびカテーテル動力学が0.1Hzないし2Hzで起こるかぎり、50Hzまたはそれ以上のサンプリング速度で、約1GHzより高いレーダー突発放射が使用されることができる。
【0025】
レーダーの使用は、絵図を転換し、そしてそれを座標データセットに変えるために、コンピュータ集中処理を必要とする蛍光透視、超音波、ホール効果センサ、磁気歪技術またはSQUIDのような高価な様式と通常関連される複雑な像捕獲技術の必要性を低減する。移動中のカテーテルチップおよび器官の位置データ同期化は、レーダーの使用により容易に利用可能である。更に、レーダーは、身体および身体の構造体に位置するカテーテルの詳細な像を現わすためにフェーズドアレーまたは合成開口処理について使用されることができる。1つの実施の形態では、レーダー装置は、高い解像度の掃引範囲ゲートを持つ超広域幅(UWB)レーダーを有する。1つの実施の形態では、送信アンテナの近傍でレシーバに誘発される響き音および他の収差を効果的に除去するために、異なるサンプリングレシーバが使用される。X線装置の場合のように、レーダー装置は、骨構造体のようなバリアの背後に位置荻目された障害物または物体の存在を検出することができる。脂肪組織、筋肉組織、水などのような異なる誘電率を有する異なる物質の存在は、減衰変化により検出され且つ識別されることができる。レーダーからの出力は、心臓内向に存在する他のカテーテルの空間位置を検出しながら、電気生理学(EP)研究に使用される多数のカテーテルのような同様なユニットと相関関係付けられることができる。レーダー装置は、身体構造体、カテーテルチップおよび器官の3−D合成レーダー像を生じるためにフェーズドアレーアンテナおよび/またはSARを使用することができる。
【0026】
(レーダー装置950を有する)CGI装置に対する患者の位置は、6−DOFセンサ960を使用して複数の基準点マークの位置を捜し出すことにより定められることができる。しかも、1つの実施の形態では、センサ960からのデータは、レーダーからのカテーテル位置データが撮像装置により生じられる像と重畳されることができるように、身体を撮像装置に対して位置決めするために使用される。レーダーおよび6−DOFセンサがカテーテルチップを走固性画面に対して正確に位置決めすることができることにより、患者に対する磁石の極の位置を最適にし、かくしてカテーテルチップを操るのに必要とされる動力を減少させるように、CGCI電磁石クラスタをジンバル装置970により移動させ得る。
【0027】
図2、図2Aおよび図2Bは、花状構造またはクラスタに構成された6つのコイル901ないし906を備えているGCI装置503に使用される電磁石の極構成を示している。コイル901ないし903は、C字状アーム391の頂部に設けられたクラスタ920として構成されており、コイル904ないし906は、C字状アーム391の底部に設けられたクラスタ930として構成されている。上方クラスタ920を形成している3つのコイル901、902、903は、底部の3つのコイル904、905、906と同様に、互いに対して120度だけ更に変位されている。また、C字状アーム391の頂部のところのクラスタ920のコイルは、図2Bに示されているように、上方に傾動されているC字状アーム391の底部のところのコイルと同様に、15ないし20度の角度でいくらか下方に傾動されている。C字状アーム391の支持組立体は、クラスタ920とクラスタ930との間の磁場回路を閉じるように構成されている。C字状アーム391の頂部のところのクラスタ920は、底部クラスタに対して60度の角度だけ回転されている。クラスタ920とクラスタ930との間には、操作テーブル389が設けられている。
【0028】
図2Bにおいて、C字状アーム391の頂部のところのコイルは、時計方向に901、902、903として印されており、底部のコイルは、半時計方向に904、905、906として印されている。コイル901、903は、対として作用し、X軸対のコイルとして示されており、コイル902、904は、他の対として作用し、Y軸対のコイルとして示されており、コイル905、906は、第3の対として作用し、Z軸対のコイルとして示されている(この配置では、X、YおよびZのコイル軸は直交していない)。
【0029】
図2、図2Aおよび図2Bに示されているクラスタ構成によれば、Z軸の電磁石905、906が利用可能な接近空間を妨げないので、医師が患者に相対的に自由に接近し得る。図9は、2平面リングを使用している別の実施の形態を示している。図2および図9の実施の形態は、X線、CAT走査、超音波などのような撮像技術に対処するのに有用である。図9に示されている構成によれば、2重X線源を有する2平面機構の使用による立体的な像を使用し得る。図2、図2Aおよび図2Bは、コンピュータ断層X線写真装置および/または撮像装置と適合性である幾何学的構造を示している。図9と、図2、図2Aおよび図2Bとに示されている構成は、作動インターフェース設備500、外科医療設備502およびGCI装置501の取付けの際に利点をもたらす。
【0030】
図2Cは、コイル901ないし906用の駆動装置のブロック図である。コントローラ530は、X軸演算増幅器911に供給される所望のX軸駆動信号を算出する。X軸演算増幅器の出力が、電流増幅器910に供給される。この電流増幅器910は、電流を供給してコイル901および903を直列に駆動する。変更例として、コイル901、903は、並列に(図示せず)駆動されることができる。コントローラ530は、Y軸演算増幅器913に供給される所望のY軸駆動信号を算出する。Y軸演算増幅器の出力が電流増幅器912に供給される。この電流増幅器912は、電流を供給してコイル902および903を直列に駆動する。変更例として、コイル902、904は、並列に(図示せず)駆動されることができる。コントローラ530は、Z軸演算増幅器915に供給される所望のZ軸駆動信号を算出する。Z軸演算増幅器の出力が電流増幅器914に供給される。この電流増幅器914は、電流を供給してコイル905および906を直列に駆動する。変更例として、コイル905、906は、並列に(図示せず)駆動されることができる。電源899が、電力を増幅器910ないし915に供給する。
【0031】
3つのチャンネルX、Y、Z用の信号は、図2Dに示され、要素Vjx、Viy、Vjzを有するベクトルV923として表されることができる。オペレータは、1つまたはそれ以上の軸における移動を指令するために仮想チップ405のような使用者入力装置900を使用する。使用者入力装置900からの信号は、計算モジュール922に供給される。閉ループシステムでは、レーダーセンサ950のようなセンサからのチップ位置データもまた計算モジュール922に供給される。開ループシステムでは、チップ位置データは、必ずしも供給されるとは限らない。計算モジュール922は、位置データを変換し、そして3つの軸用の3つの信号のマトリックスについて逆演算(inverse operation)を行う。計算モジュール922は、計算モジュール922の出力が、M−逆倍V(M−inverse V)であるように、位置ベクトルV923に927として図2Fおよび図2Gに示されているマトリックスM−逆(matrix M−inverse)を掛ける。ここで、Mは、コイル901ないし906のクラスタの特性マトリックス(characteristic matrix)925である。計算モジュール922からの変換されたX、Y、Z出力が、それぞれの増幅器911、913、915に供給されて磁場を発生させ、それによりカテーテルチップをオペレータにより指令された方向に移動させる。開ループシステムにおける入力情報の変換が、図2Hにブロック図で示されており、この図では、入力信号V931が、M−逆(Mchar Inverse)モジュール932に供給される。モジュール932は、マトリックス積M−逆およびベクトルVを計算して変換座標ベクトルを生じる。変換座標ベクトルは、増幅器アレー935に供給され、この増幅器アレー935は、コイル901ないし906に対する夫々の電流に供給される出力電流を生じる。コイル901ないし906は、その結果の磁場ベクトルB933を生じる。磁場ベクトルB933は、カテーテルチップの移動を引起こし、それにより医師の手の移動を適切な信号に変換し、かくしてカテーテルチップを所望の位置へ移動させる。
【0032】
図2Kは、レーダー装置950、6−DOFセンサ960およびジンバル式運動機構970をC字状アーム391、クラスタ920、930および作動テーブル389と関連して示している。運動機構970は、電磁石901ないし906の作動のための電力要件を最適にする(例えば、低減する)ために、磁石クラスタ920を移動させてこれを配向させるように構成されている。図2Kに示されている機械的構成によれば、GCI装置503は、例えば、コンピュータ数値制御(CNC)設備のような自動化機構部分970を使用して運動制御され、且つジンバル式運動される。自動化されたジンバル式運動/コンピュータ制御式の機構970の使用は、装置のための全体電力要件をかなり低減し、それにより少ない電力で所望の磁場の強さを達成することができる。1つの実施の形態では、所望の磁場の強さは少なくとも0.3テスラである。
【0033】
図2Kおよび図2Lは、所望の磁場の強さを維持しながら、コイル用の最適な電力設定を達成するように、下方電磁石クラスタ930に対する上方電磁石クラスタ920の距離を調整するために、自動化されたジンバル式/コンピュータ制御式の機構970を使用することを示している。この処置は、まず、レーダー装置950の使用により電磁石に対するカテーテルチップ377の位置を見つけ、そして6−DOFセンサ960の使用によりカテーテルチップ377の位置を、フィデューシャルマーク700Axないし700Bx(基準マーク700Axないし700Bxとも称される)と同期化することにより達成される。基準マーク700Axないし700Bxは、基準点を設けるために患者に設置される。この構成は、蛍光透視または他の撮像装置により発生される像702に(図7と関連して説明するように)数学的多様体701を発生させる。P1により印されているカテーテルチップ377の実際の位置(AP)981と、外科医により設定され、P2により印されている所望の位置(DP)982との間には、距離がある。2つの座標P1、P2間の距離は、位置誤差(PE)983である。次いで、力Fおよび結果の電磁場Bが、図2Cないし図2Hと関連して説明するように、GCIコントローラ501により算出される。この方法は、コントローラ501がコイル901ないし906用の必要な電流Iへ変換する位置誤差(PE)983を求める。次いで、コントローラ501は、下方電磁石クラスタ930に対する上方電磁石クラスタ920の距離r971および角度θ984を変化させ、その一方、機構970は、GCI装置503の性能のための最適な電力設定を達成するために、下方電磁石クラスタ930に対する上方電磁石クラスタ920の距離rおよび角度θ984を設定するようにジンバル式運動され、制御される。クラスタ930に対するクラスタ920の位置がコントローラによって設定されると、コントローラは、電磁石に算出された電流Iを供給してカテーテルチップ377の所望の移動を生じる。GCI装置501用の最適な電力設定を達成するように電磁石クラスタ930に対する電磁石クラスタ920の距離rおよび角度θ984を調整するこの手順は、以下の式(1)により示されている線積分により説明されることができ、その際、「C」曲線985上の任意の点P(x、y、z)におけるカテーテルチップ377の位置を示すベクトルr=ix、jy+k2に関して関数を積分することによって空間における点P(Pは患者390におけるカテーテルチップ377の位置座標である)が算出される。「C」曲線985は、点P1(カテーテルチップ377の実際の位置(AP)981)と、点P2(オペレータ/外科医により設定される所望の位置982)との間に形成される線積分である。次いで、「C」曲線985は、距離に対して積分されて、カテーテルチップ377をP1からP2まで移動させるのに必要である力Fを算出する。これらの2つの点、チップの実際の位置(AP)および所望の位置(DP)に隣接している線積分、は、以下のごとくである。
【数1】
【0034】
力Fおよび結果の電磁場Bは、カテーテルチップ377を押したり、引っ張ったり、回転させたりしてその所望に位置へもたらすために最適な電力設定を達成するように最適な電流要件Iに対応する。かくして、唯一の変数は、ジンバルが距離r971の値を変化させる場合の電流ベクトルIである。
【0035】
図3は、レーダー装置950の1つの具体例として使用されることができるレーダー装置1000のブロック図である。図3に示されているレーダー装置1000は、送信/受信アンテナ要素および無線周波数(RF)モジュール1150を有するフェーズドアレーレーダーモジュール1100を有している。レーダー装置1000は、フェーズドアレー1100と、増幅器1101と、A/D変換器1102と、高速フーリエ変換モジュール1103と、マイクロコントローラ1105とを有している。更に、この装置は、RAM1112の形態のメモリモジュールと、ROM1111の形態のルックアップ表とを有している。1つの具体例は、音声通信/警報モジュール1110と、1組の制御スイッチ1109と、ディススプレー1108とを有している。レーダー装置1000により発生されたデータは、通信ポート1113を経てGCI装置501に供給される。
【0036】
レーダー装置1000は、フェーズドアレーを有しており、そしてカテーテルチップ377を検出するためにマイクロ波撮像式時空(MIST)ビーム形成を使用する。アンテナまたはアンテナアレーが、患者の身体の比較的近くに持っていかれ、超広域幅(UWB)信号が、各アンテナから順次送信される。レーダーエコーとして受信される反射された後方散乱信号は、そのエネルギを位置の関数として撮像するように設計されているレーダーユニットの時空ビーム形成器に通される。ビーム形成器は、周波数依存伝播作用を補償しならが、後方散乱信号を背景クラッターおよびノイズと識別するように後方散乱信号を空間的に収束させる。正常な組織および(サマリウム−コバルトSmCo5またはネオジム−鉄−ホウ素NdFeBなどのような強磁性体から形成される)カテーテルチップ377の誘電特性間の顕著な差異は、興味ある領域では、正常な組織をカテーテルチップ377と識別するのに十分なる、像における後方散乱エネルギレベルであり、検出および識別性をもたらす。身体組織界面(例えば、皮膚層)からの後方散乱に起因する受信信号における人為結果を除去するのに、データ適合性アルゴリズムが使用される。生物学的組織に対する背景誘電率情報と対比されるカテーテルチップの既知の誘電率を含む1つまたはそれ以上のルックアップ表が、レーダー像における特徴を確認するために使用されることができる。
【0037】
生物学的組織におけるカテーテルチップ377のマイクロ波検出のための物理的基本原理は、身体組織の誘電特性対カテーテルチップ377の識別特性の差異に基づいている。生物学的組織の誘電値対カテーテルチップの誘電値の差異は、増幅され、濾過され、そして測定される。その結果、カテーテルチップ377は、誘電特性に対して、共通するサイズの生物学的組織に対して異なるマイクロ波散乱横断面を有しており、これは、レシーバにより記録され、そして2つの媒体間の顕著な差異をもって(図5Aに示されている)モニタ325に絵表示を与えるように処理される非常に異なる後方散乱エネルギにより示されている。レーダー装置1000により発生されるカテーテルチップ377の絵図は、位置サーボフィードバックループによる使用のためにGCIコントローラ501に連結されたX線蛍光透視像およびその座標データセットに重畳されることができる。従って、マイクロ波撮像式時空(MIST)ビーム形成は、背景が生物学的組織であるかぎり、カテーテルチップ377からの後方散乱エネルギを検出するために使用される。
【0038】
レーダー装置1000は、生物学的組織に埋め込まれるカテーテルチップ377のような種々のマイクロ波散乱体の存在および位置を検出する。時空ビーム形成器は、アレーにおける各アンテナが低パワーの超広域幅(UWB)信号を生物学的組織に送信することを推定する。UWB信号は、時間変域インパルスとして物理的に、或いは掃引周波数入力情報を使用することによって合成的に発生されることができる。1つの実施の形態では、レーダー装置1000は、周波数依存性伝播作用を補償しながら、正常な組織およびノイズの異種混交状態により引起こされるクラッターを識別するようにカテーテルチップ377の後方散乱信号を収束させるビーム形成器を使用する。時空ビーム形成器は、まず、目標位置からの返信を整合させるために受信信号を時間移動させることによって、この空間的焦点を達成する。フェーズドアレーレーダー1000の1つの具体例は、アンテナキャビティにドープしている高誘電体のような有限インパルス応答(FIR)フィルタの帯域を形成して基準信号を形成する(ドープは興味ある装置に対してである)。アンテナチャンネルからの信号は、合計されてビーム形成器の出力を生じる。受信信号の向上をもたらし、且つ受信信号のエネルギを誘電特性対身体組織の散乱背景ノイズの関数として計算し、それによりこのような信号の合成表示を与えるために、FIRフィルタにおける衡法のような技術が、サビッツキー−ゴレイ円滑化フィルタのような「最小2乗フィッティング」技術とともに使用されることができる。この装置は、生物学的組織およびカテーテルチップ377により反射されたエネルギの差を識別し、そしてかかるエネルギ差を基準点マーク700Axないし700Bxに対する位置および座標の関数として表示し、それにより後方散乱信号の強さに比例する像を形成することができ、この像は、更に、基準点マークの走固性画面に対するカテーテルチップ377の位置座標および配向を計算する際にGCIコントローラ501により使用される。走固性画面に対するカテーテルチップ377の座標設定の形成と、蛍光透視画面702との前記像の同期化との詳細を図5Aと関連して更に説明する。1つの実施の形態では、レーダーモジュール1000は、カテーテル、ガイドワイヤ、電極などのような種々の種類の器具の分別をもたらすように、ガイドワイヤ379および/または圧電性リング951、952を備えたカテーテル953のような医療処置の使用されることが知られている特定の物体の様々な誘電特性をレーダーセンサ950により識別するためにルックアップ表1111にある濾過技術を使用するFFTアルゴリズム1103を使用する。
【0039】
図3Aは、切換え可能なダイオード(ポリアセチレン)のような、ジルコン酸−チタン酸鉛(PZT)および/または分子共役ポリマーのような1つまたは2つの圧電性リング951.952が埋め込まれたカテーテルチップ377の図式表示図である。リング951、952により発生される第二高調波は、材料の非線形性により第二高調波における確認可能な返信識別特性をもたらす。基本調波(例えば、5MHz)がレーダーにより送信されるかぎり、第二高調波は、レーダー装置1000により容易に識別可能である。レーダー装置1000は、(サマリウム−コバルトSmCo5またはネオジム−鉄−ホウ素NdFeBのような強磁性体から形成される)カテーテルチップと、PZTリング951、952とを識別することができる。カテーテルチップ377からの信号返信とPZTリング951、952とを織別可能であることにより、レーダー装置1000は、身体組織から受信された背景クラッターを濾過し、そしてリング951、952の位置および配向と、カテーテルチップ377の位置座標とを認識することができる。チップ377およびPZT951、952の2つの異なる誘電特性および電気特性を使用する技術は、独特であって、レーダー装置1000により容易に認識されるレーダー識別特性をカテーテルチップ377に与える。
【0040】
更に、図3Aは、2つのPZTリング951、952に対するカテーテルチップ377の位置座標および配向を検出するために送受信アンテナを有するレーダー装置1000が如何に使用されるかを示している。常駐マイクロコントローラ1105により、レーダー装置1000およびその関連FFTフィルタ1103により幾何学的操りが用いられる。図6Bに示されているように、カテーテルのような装置には、磁気的応答性のチップ377が設けられている、1つの実施の形態では、チップ377は永久磁石を有している。この永久磁石の極性は、2つのPZTリングにより示され、この場合、北極はPZTリング952により示され、カテーテル376の半可撓性部分が更なるPZTリング952で示されている高磁性体の遠位端部は、高磁性の南極を示している。レーダー装置1000は、高磁性カテーテルチップ377を照明するエネルギの突発を送信する。カテーテルチップ377からの返信信号は、レーダーにより受信され、その位置は、エネルギの飛行時間を観測することにより記録され、それによりカテーテルチップ377の位置を3次元空間における位置座標として定める。2つのPZTリング951、952を使用することにより、レーダー検出器1000は、また、カテーテルチップ377の位置座標に関して第2の圧電性リング951に対するPZTリング952の測定値をもたらすように、2つのPZTリングに対してチップ377の位置を識別することが可能である。レーダー検出器1000は、入射波に対して第二高調波を発生させる材料の非線形特性によりPZTリング952、951からの返信信号を識別することができる。基本周波数および第二高調波の強さを比較することによって、レーダー装置1000は、高強磁体377に対する2つのPZTリングの位置および配向を識別し、それによりカテーテルチップ377の位置および配向を与えることができる。
【0041】
図3B、図5Aおよび図5Bは、レーダー検出器1000の使用により、および基準画面に対する移動のようなカテーテルの動力学のための基準画面を形成するために基準点マーク700Ax、700Bxを使用して、カテーテルチップの位置および配向を測定する技術を示している。図3Bおよび図5Bに示されているように、基準点マーク700Ax、700Bxは、多様体701を形成する。マーク700Ax、700Bxの位置は、6−DOFセンサにより測定される。
【0042】
図4は、6−DOFセンサ960の1つの具体例である6−DOFセンサ装置2100のブロック図である。この装置2100は、走固性画面を規定するために患者の身体に位置決めされた基準点マーク700A1、700A2、700A3、700A4、700B1、700B2、700B3、700B4の位置を測定するための6−DOF光センサ装置2100およびその関連電子機器を有している。図5Aに示されているように、基準点マーク700A1、700A2、700A3、700A4、700B1、700B2、700B3、700B4は、カテーテルチップ377の位置とのビデオモニター325に示されている像702の同期化701を許容する。6−DOF光センサ2100を図10と関連してより詳細に説明する。装置2000は、6−DOF光センサ2100と、計装増幅器2101と、A/D変換器2102と、高速フーリエ変換モジュール2103と、マイクロコントローラ2105とを有している。1つの具体例は、音声伝達/警報モジュール2110と、1組の制御スイッチ2109と、ディススプレー2108とを有している。6−DOFセンサ2000により発生されたデータは、通信ポート2113を経てGCI装置501に供給される。
【0043】
図5Aは、撮影血管造影設備502へのGCI装置501の一般的接続を示している。撮影血管造影設備502は、オペレータインターフェース設備500を介してGCI装置501で接続されている。動脈管系の撮影血管造影像が、カテーテルチップ377の位置がこの像に重畳された状態でビデオモニター325に示されている。便宜上、本説明では、像は、限定としてではなく、ここでは、蛍光透視像と称されるが、限定されないが、X線撮像、蛍光透視、超音波撮像、MRICAT−走査、PET−走査、レーダー撮像などを含めて、身体構造体の像を生じることができる任意の技術により像を生じることができることは理解されるであろう。これらの像の表示は、基準マークを備え、且つビデオモニター325に示されている像702のカテーテルチップ377との同期化701を可能にする走固性画面を探し出すように、患者の身体390に位置決めされた6−DOFセンサおよびその随伴基準点マーク700A1、700A2、700A3、700A4、700B1、700B2、700B3、700B4の使用により同期化される。
【0044】
図5Aは、患者の身体390に位置決めされた6−DOFセンサ2000および基準点マーク700A1、700A2、700A3、700A4、700B1、700B2、700B3、700B4を使用して、レーダー装置950から得られるカテーテル377の像720および合成像が如何にモニタ325に互いに重畳されて同期化されるかを示している。更に、図5Aは、走固性画面701の形成を、これに対するカテーテルチップ377の位置描写を援助して示している。この方法は、近似立方体として形成され、6−DOFセンサ2100により検出される基準点マークを使用している。多様体701として形成された全データセットは、1組の像702と、カテーテルチップ377のレーダー像データ(例えば、レーダー装置1000からのデータ)と、基準点マーク700Axないし700Bxと含んでいる。
【0045】
レーダー装置950により捕獲されたカテーテルチップ377またはガイドワイヤ379の像の同期化は、デジタルで表示され且つ像702と動的に接続される基準点マークに重畳される。これは、蛍光透視像702に重畳され、そして本解剖学的構造に対する興味ある領域と一致して移動する1つの組合せ多様体701を生じるようになされる。例えば、鼓動している心臓およびその心臓出力、肺拡張および収縮、または患者の痙攣のこれらすべてが、カテーテルチップおよび問題としての身体器官との間の一致した実質的な運動を達成するように動的に捕獲され、相互に関連されることができる。
【0046】
図5Aは、更に、仮想で示されているように発生された蛍光透視/超音波像702に基準点マーク700A1、700A2、700A3、700A4、700B1、700B2、700B3、700B4を重畳する像獲得技術を示している。用意されたスキームが、像702に対するカテーテルチップの動的位置を確認する。基準点マーク700Ax、700Bxにより、且つ6−DOFセンサ2000を利用して形成された基準画面701は、走固性画面701に対するカテーテルチップの位置を定める。更に、幾何学的投射技術を用いることによって、この方法は、カテーテルチップ377に対する同期化像獲得を行い、それにより動的式における基準点マーク700Ax、700Bxおよびカテーテルチップ377の両方に対する像702の重畳をもたらし、従って、図5Aに701として示されている基準画面で位置規定を示す。
【0047】
図5Aは、同期化アルゴリズム701の使用を示しており、それにより、基準点マーク700A1、700A2、700A3、700A4、700B1、700B2、700B3、700B4により形成された空間は、n−次元空間により表されており、この空間では、基準点マーク700Ax、700Bxの各々は、ベクトルfi{f1、f2…fn}により示されており、また、レーダー1000により得られるカテーテルチップ377の位置データは、関数gi{g1、g2…gn}により示されている。n−次元空間におけるベクトルf、gの長さは、以下の式(2)により定められる。
【数2】
【0048】
空間における合計は、以下の式(3)の積分により得られる。
【数3】
【0049】
更に、n−次元空間における点f(基準点マーク)とg(カテーテルチップ377の位置)との間の距離は、以下の式(4)であり、かくして、式(5)となる。
【数4】
【数5】
【0050】
この結果は、関数f(t)およびg(t)の平方偏差である。700Ax、700Bxのベクトル規定fiと、カテーテルチップ377のベクトル規定giとの間の角度は、式(6)により示され、かくしてfi、giが直交しているので式(8)、式(7)で示されている。
【数6】
【数7】
【数8】
【0051】
6−DOFセンサ2000のベクトル関数fiとしての位置データセットと、レーダー装置1000により発生され、ベクトル関数giにより示されているカテーテルチップ377の位置データセットとは、直交であり、それらの距離は、式(5)に示されている差により示され、その相対配向は、式(7)により示されている。従って、基準点マーク700Ax、700Bxに対するカテーテルチップ377の位置を定める多様体701は、角度に対するベクトル関数fiとベクトル関数giとの差であり、時間変域(time domain)Tにわたってマッピングされる。この場合、Tは{t1、t2…tn}である。要約すると、基準点マーク700Axないし700Bxにより形成された走固性画面に対してカテーテルチップ377を同期化する方法論により、GCIコントローラは、まず、閉サーボループ様式を与え、それにより外科医は、機械が「C」曲線985に沿って必要な数学的計算を行なうかぎり、実際の位置(AP=P1)に対する所望の位置(DP=P2)を設定することができる。2番目に、カテーテルチップ377に対する距離r971および角度θ984に関して、最適な電力設定が電磁石クラスタ920、930により発生される。
【0052】
図5Bは、ペースメーカー電極の埋込みを行いながらの、図5Aにおいて説明された装置を使用することを示している。更に、図5Bは、S.A.Node802、A.V.Node節803および心房室束804に対する領域に電極が図示のように設置された心臓ペースメーカー801の埋込みを示している。更に、右側および左側索枝805が示されている。ペースメーカーの埋込みは、心臓の律動または電気伝導の障害のある患者の生存のために必須である。この処置は、心臓腔壁部(心室または心房)における小さい電極の埋込みにより行なわれる。電極の他端部は、胸部の皮膚の下に埋め込まれて、心臓の律動を刺激するために刺激パルスを発生させる電子装置801に取付けられる。生命を脅かす振動の電気障害が電極自動埋込み可能な心臓細動除去器(AICD)により検出される場合、同様な装置が電気的ショックを加える。これらの電極は、蛍光透視法下で押込みおよび操りにより静脈を通して設置される。GCI装置501の使用によれば、CGI装置の使用によりペースメーカー801の電極を移送してそれらの適切な位置に設置するために、磁性チップ381を備えたガイドワイヤ379が使用される。基準点マーク700A1、700A2、700A3、700A4、700B1、700B2、700B3、700B4が適所にある状態で、医師は、図5Aに示されているように、レーダー1000からの位置データを使用し、且つ6−DOFセンサ2000を用いてガイドワイヤチップ381を確認する連続的な動的基準画面を得ながら、心臓腔を通してガイドワイヤ379を操縦する。しばしば、電極を適切な位置に設置するように操るのは困難であり、結果は、解剖学的構造の変化に因り次善である。コントローラ501の使用は、医師がガイドワイヤおよびペースメーカーの電極の動きを正確に操縦したり、案内したり、制御したり、撮像したりすることができないことに起因した妥協なしにペースメーカー801の電極を移動させ、押込み、そしてその所望の解剖学的位置に設置することが可能であるかぎり、このような複雑な操作を行う際に簡単性をもたらす。
【0053】
図6および図6Aは、GCI装置503とともに使用するためのカテーテル組立体375およびガイドワイヤ組立体379の斜視図である。カテーテル組立体375は、より剛性の応答性チップ377を曲りくねった経路を通して正確に操向し得るための高い可撓性を有する可撓性部分378へ延びているカテーテルボディ376を有する管状の器具である。磁性カテーテル組立体375は、GCI装置501との組合せで、診断および治療処置を行なうのに通常必要とされる多数の形状の必要性を減じるか或いは無くす。これは、従来のカテーテル法処置中、外科医は、しばしば、従来のカテーテルを所望位置まで案内する際に困難さに遭遇する。何故なら、この方法は、労力が高く、且つ例えば、心臓血管系の曲りくねった経路を通してカテーテルを操縦するために手の器用さに依存しているからである。かくして、外科医の仕事を助けるために、色々な大きさおよび形状の多数のカテーテルが外科医にとって利用可能である。何故なら、かかる仕事は患者内および患者間の自然の解剖学的変化に起因して異なる状況において異なる曲がり部を必要とするからである。GCI装置501を使用することにより、すべてでなくてもほとんどの患者に対して1つのカテーテルしか必要とされない。何故なら、カテーテル法処置は、外科医がカテーテルを準手探りで患者の身体390に押し入れることに頼ることなしに、仮想のチップ405の外科医の操りにより指令されるように、磁性カテーテル/ガイドワイヤ組立体375および/または379を患者の身体390内の所望位置まで案内する電気機械装置の助けで達成されるからである。磁性カテーテル/ガイドワイヤ組立体375および/または379は、曲りくねった経路を克服するのに必要とされる可撓性をもたらす。
【0054】
ガイドワイヤ組立体379は、ガイドワイヤボディ380および可撓性部分382を有しており、この可撓性部分382は、より剛性の応答性チップ381が曲りくねった経路を進むように鋭い曲がり部のまわりに正確に操向されるための高い可撓性を有している。カテーテル組立体375およびガイドワイヤ組立体379両方の応答性チップ377、381は、それぞれ、永久磁石のような磁性要素を有している。チップ377、381は、上方電磁クラスタ920および下方電磁クラスタ930により発生される外部磁束に応答する永久磁石を有している。
【0055】
カテーテル組立体375のチップ377は管状であり、ガイドワイヤ組立体379のチップ381は中実の円筒体である。カテーテル組立体375の応答性チップ377は、中に長さ方向に位置決めされた磁性要素の2つの端部により生じられる長さ方向極性配向を有する双極子である。ガイドワイヤ組立体379の応答性チップ381は、中に長さ方向に位置決めされた磁性要素377の2つの端部により生じられる長さ方向極性配向を有する双極子である。これらの双極子は、上方電磁クラスタ920および下方電磁クラスタ930がチップ377、381に作用してこれらをオペレータにより指令されるように所望位置まで一致して「引っ張る」ので、GCI装置501での応答性チップ377、381の両方の操りを可能にする。
【0056】
図6Bは、磁性チップおよび2つの圧電性リングを備えたカテーテルの図である。図6Bは、更に、カテーテル組立体953が図示のように位置決めされた半導電特性の追加の2つの圧電性リング、即ちポリマー951、952を備えていることを除いて、GCI装置503と共に使用されるべきカテーテル組立体953およびガイドワイヤ組立体379の追加改良を示している。レーダー装置950は、コントローラ501との組合せで、2つの圧電性リング、即ちポリマーを励起し、かくして磁石377の北極に対するカテーテルチップの回転手段をもたらすようにRF信号が放出されるカテーテルチップの追加の検出様式をもたらす。GCI装置503は、チップ377の回転角度を定めることができ、当業者に公知なより精巧なスキームでは、圧電性リング、即ちポリマー951、952は、図5Aおよび図5Bを参照して説明したように、走固性画面701に対するカテーテルチップ377の位置、配向および回転を定めるために追加の位置情報を与えることができる。
【0057】
図7は、実際のカテーテルチップ(AP)377の位置を定めるためのシステムコントローラ(SC)501により行なわれる論理的な計算の流れを示している。また、コントローラは、(レーダー装置950により測定された)カテーテルチップの位置データを(6−DOFセンサ960により測定された)基準点マークの位置データと組合わせて患者の身体におけるカテーテルチップの位置を定め、カテーテル位置を(利用可能であれば)像データと同期化する。
【0058】
1.コントローラ501は、X軸コントローラおよび増幅器(XCA)911、910、Y軸コントローラおよび増幅器(YCA)913、912およびZ軸コントローラおよび増幅器(ZCA)915、914の出力を抑制する。
【0059】
2.コントローラ501は、レーダー装置950からのデータを読取ってカテーテルチップ377の実際の位置(AP)981を確認する
3.コントローラ501は、外科医により向けられるようなカテーテルチップの新たな所望位置(DP)982のための使用者入力装置900からのデータを読取る。
【0060】
4.コントローラ501は、「C」曲線985についての数学的解答を行なう。
【0061】
5.コントローラ501は、走固性画面を形成する基準点マーク700AX、700Bxの位置を示す6−DOFセンサからのデータを読取る。
【0062】
6.コントローラ501は、像源502からのデジタル像データ702を得る。
【0063】
7.コントローラ501は、カテーテルチップ377の位置からのデータを6−DOFセンサから得られるデータと同期化し、そして組合せられたデータを多様体701の形態で配列する。
【0064】
8.コントローラ501は、多様体701を像源702から得られたデジタル像に重畳する。
【0065】
9.コントローラ501は、電磁石クラスタ920、930の最適な距離r971および角度θ984を計算し、それにより患者390の位置に対する電磁石クラスタ920、930の最適な電力設定を行なう。
【0066】
10.コントローラ501は、必要に応じて上記の工程1ないし9を繰返す。
【0067】
11.コントローラ501は、図2Lde曲線「C」985としても示され、式(PE=[AP−DP]により表される、カテーテルチップ377の実際の位置(AP)981と所望の位置(DP)982との差である誤差位置(PE)983を算出する。
【0068】
12.コントローラ501は、カテーテルチップ377の実際の位置と外科医により設定される所望の位置との間の移動を受入れる幾何学的配置を与えるように最適な電力設定アルゴリズムの方法を繰返す。
【0069】
13.GCIコントローラ501は、自動化ジンバル式運動/コンピュータ制御式装置970を使用して、情報電磁石クラスタ920を、電磁石装置のための最適な構成を得るようにして移動するように指令する。
【0070】
14.コントローラ501は、図2Cないし図2Hにより示されている処置により述べたように、補正された磁場をX軸コントローラおよび増幅器(XCA)911、910、Y軸コントローラおよび増幅器(YCA)913、912およびZ軸コントローラおよび増幅器(ZCA)915、914に入力し、そして実際のチップ377に生じられた磁場Bの3つの直交成分(Bx、By、Bz)から設定される5軸データを補間する。
【0071】
15.コントローラ501は、コイル901ないし906に適切な電流を設定するように、新たな所望の座標に対応する新たな所望の位置データ(DP)982をX軸コントローラおよび増幅器(XCA)911、910、Y軸コントローラおよび増幅器(YCA)913、912およびZ軸コントローラおよび増幅器(ZCA)915、914に送る。
【0072】
16.コントローラ501は、更に、心臓の位置、実際のカテーテルチップの位置(AP)981および多様体701としての基準点マークの種々の入力情報を動的に関連させるように、例えば、心電図(EKG)502からのゲーティングデータおよび基準点マーク700Axないし700Bxにより形成された走固性画面を含む像源702およびレーダー装置950からの心臓の位置(CP)を積分する。心臓の位置(CP)および肺のデータセットのようなデータは、心臓の鼓動および肺の運動に因り、動的であって、時間変数である。
【0073】
17.コントローラ501は、必要に応じて上記方法を繰返す。
【0074】
コントローラ501は、位置誤差(PE)983が任意の軸において所定の時刻の所定量を超えるなら、フィードバックデータを仮想のチップ(VT)405に送って触感フィードバックを与え、それによりカテーテルチップ377が遭遇する障害物をオペレータに知らせる。位置誤差(PE)983が、予定時間量内または前述の工程1ないし14のサイクル内でGCI装置501の正常な作動により除去されない場合、実際のカテーテルチップ377が障害物に出会ったようであると思われる。これは、操作桿に対する抵抗により発生されて仮想のチップ405のような使用者入力装置900のうちの1つまたはそれ以上に作用する触感フィードバックを介してオペレータにより感知される。
【0075】
図8は、CGCI装置における信号の流れの機能的ブロック図である。この図は、外科医によるカテーテルチップの直感的な操作桿型制御をもたらす仮想のチップ405の作動を示している。外科医は、患者の身体390内のカテーテルチップ377の同様な移動を引起こすように仮想のチップ405を所望の方向に押したり、引張たり、或いは回転させたりする。カテーテルチップ377が障害物に出会うなら、仮想のチップ405は、適切な軸における移動に対する抵抗の形態の触感フィードバックに伴って応答する。かくして、外科医は、実際のチップが前進しているものと「感じる」ことができおる。チップ405が解放されると、カテーテルチップ377は、その現在の位置に強制的に保持される。GCI501のシステムコントローラは、実際のチップ位置(AP)981を、多様体701から得られ、レーダー950および6−DOF銭さ60により発生される心臓位置データ(CP)と相関関係付けする。これらのデータセットは、補助設備502により発生された蛍光透視像702に重畳され、そして多様体701として形成された組合せ同期化チップ/X線画像でモニタ325に表示されている。3次元の実際のチップ位置(AP)981の表示は、APデータでもってリアルタイムで連続的に更新される。この表示をCPデータと重ねるために、X線画像の比較的少ない画面が使用される。APデータとCOデータとのこの相関関係は、合成像701に示されたX線およびレーダーデータが共通の基準点、つまり、基準点マーク700Axないし700Bxを有する(すなわち、両者は鼓動している心臓に対して静止している)ので、可能である。かくして、本技術は、心臓およびカテーテルチップ377を観察する優れた方法をもたらしながら、患者およびスタッフに対するX線照射を著しく減少させる。
【0076】
更に、図8は、(仮想のチップ405のような)使用者入力装置900を作動する外科医の手の動作が捕獲されて移動指令に変換される手順を示すことによってGCI装置501の作動を説明するものである。コイル901ないし906のための必要な電流を発生させるために、増幅器910を使用しながら、カテーテルチップ377を移動させるのに必要とされる電力対力の最適化がもたらされる。これらのコイルは、マックスウエルの式に従ってチップ377に発生される力/トルクに応答してカテーテルチップ377にB磁場を生じる。カテーテルチップ377の移動はレーダー装置950によりリアルタイムで監視され、チップ位置および配向の情報は、6−DOFセンサ2000の使用を介して基準点マーク700Axないし700Bxを使用した同期化方法701を介して表示され、それにより位置ならびに実際のチップにより発生された反映力/トルクをゲーティングする。この方法は、使用者入力装置900の使用によりオペレータの動作に応答するように連続的に反復する。図8により言及された上記手順は、当業者には明らかであって、直感的であり、図1ないし図7に更に詳細化されている。
【0077】
図4に示されているように、この方法は、下記の如く説明される。i)オペレータは、仮想のカテーテルチップ405の物理的位置を所望の位置へ調整する;ii)仮想のチップ405の位置の変化がコントローラ501においてコード化されてレーダー950から新たな位置データを生じ、これもまたコントローラ501に受信される;iii)コントローラ501は、指令を発生させ、これらの指令は、サーボシステム制御モジュールに送られる;iv)サーボシステム制御モジュールは、ジンバル/運動制御装置970を制御して電磁石クラスタの距離r971および角度θ984を変更することによりコイル901ないし906の位置を調整して電磁石クラスタ930に対する電磁石クラスタ920の位置を最適化する;v)電流がコイル901ないし906に送られて患者の身体390内の実際の磁性カテーテルチップ377の位置を変更する;vi)次いで、実際のカテーテルチップの新たな位置(AP)がレーダー装置950および6−DOFセンサ960により感知され、カテーテルの位置は、蛍光透視および/または他の撮像様式702により生じられた像に重畳される;vii)フィードバックがサーボシステム制御装置およびオペレータインターフェースの監視装置501に送られる。
【0078】
図9は、「C」アーム391のレイアウトとして図2に示されている構成と対照的に、2平面X線支持機構を使用している別の磁石装置を備えたGCI装置の使用を示している極構成374における電磁コイル132X、132Y、132Z、138X、138Y、138Zの構成を示している。更に、図9は、作動テーブル389と、患者390と、T軸エンコーダ394と、トラニオン388と、支持組立体385と、極支持体391.1と、G軸エンコーダ393と、X線源383と、光増幅器384とを含むGCI装置501を備えた要素間の全体関係を示している。この全体構成は、極構成374と称せられ、そして電磁石901ないし906がクラスタ920、930におけるトロイドの一部として構成されている「C」アーム手段391と対比される。図2、図2Aおよび図3Bにしめされる構造は、電磁場Bの強さが隙間の中心線に向かって増大しており、且つ勾配が隙間の縁部でピークになって、GCI501が図9に示されている2平面軸対称のレイアウトの使用により容易に得られるものではない葉状磁場構造を形成することができるので、有利である。GCI501は、図9に示されているもののような極構成において磁気的に結合されるカテーテルチップ377を押したり、引いたり、案内したりする利点をもたらすように、このような構成を組み入れている。
【0079】
極構成374を用いる場合、装置は、電磁石を付勢するに先立って必要とされる同位回転を算出するのに使用されるためのガントリー位置情報を装置に与えるT軸エンコーダ394およびG軸エンコーダ393を使用する。極構成374は、支持組立体385のためのトラスとして作用するトラニオン388を使用している。極支持体極構成391.1は、支持組立体385のG軸上で回動し、極組立体391.1は、モニタ325上の実際のカテーテルチップの位置と共に重畳されるX線像を生じるX線源383およびX線増幅器384を支持している。極支持体391.1は、適切な同軸構成における電磁石132X、132Y、132Z、138X、138Y、138Zのための取付け面をなしている。
【0080】
トラニオン388は、T軸387に心出しされている。T軸エンコーダ394は、T軸における支持組立体385の位置データをコード化するためにトラニオン388に機械的に連結されている。ジンバル軸(G軸)386は、極支持体391.1の中心点でT軸と交差している。この中心点は、X線視界の中心点と一致している。G軸エンコーダ393は、G軸386に沿って支持組立体385に機械的に連結されている。
【0081】
6−DOFセンサは、基準点マークに対する6自由度(DOF)の感知を行なう。6−DOFセンサは、レーザービームを発光し、マークの反射を検知することによりこの感知を達成する。センサの内側で、ビームは、分割され、3つの光ダイオードに差し向けられる。これらのダイオードからのアナログ信号は、デジタル化され、そして機械のための補正作用または出力位置の読取りを指令することができるコンピュータに供給される。
【0082】
図10は、ビーム2018をセンサの主光軸へ案内するためにレーザー源2012がミラー2014、2016を照明する6−DOFセンサを示している。ビームは、2つの負のレンズ(2020、2022)に通され、これらの負のレンズは、ビームを発散する。1つの実施の形態では、発散角度は、センサの面から約3.5cmのところで直径1cmのレーザースポットを生じるようにほぼ0.3ラジアン(半角)である。他の発散角度も同様に使用することができる。センサの視界は、所定の距離のところで発散角度およびスポットサイズを変える異なる負のレンズ202、2022を選択することにより変更されることができる。
【0083】
2つの基準点マーク、例えば、直径4mmのドット2024および1×1mmのバー2026が、非反射性のテープに設けられ、患者に付けられる。レーザー光は、マークから反射してセンサに戻る。ビームは発散性であるので、反射は、光が戻るときに面積が拡大されて、光のほとんどが小さい負のレンズのまわりを進み、その代わりに、比較的大きい収束レンズを通って進む。レンズ2019は、出射ビーム2018を通すために、その中心に穴を有しているが、発散反射ビームを平行化する焦点距離を有している。換言すると、レンズ2019の正の焦点距離は、ドット2024がセンサからの焦点距離の半分あたりに位置決めされる場合、ドット2024からの反射光の発散光線をセンサに平行に入射するように曲げることにより、レンズ2020、2022の負の焦点距離と同じである。平行化された反射ビームがセンサの中へ伝播し続けるとき、このビームは、帯域フィルタ2030を通る。このフィルタ2030は、レーザー光を通すが、他の波長では光を遮断する。センサの内側で、ドット2024からの光は、ビームスプリッタ2032により2つのビームに分割される。ビームの半分が横方向作用光ダイオード2034の中へ90度で反射される。ビームの他の半分は、ビームスプリッタを通り、収束レンズ2036に入り、ミラー2040、2041から離れ、そして他の光ダイオード2038上へ進む。
【0084】
バー26からの光もまた、フィルタ2030を通る。しかしながら、反射バー2026がドットに対して傾斜されているので、このバーから反射するレーザー光は、より大きい発散角度にある。このより大きい反射角度により、光は、フィルタ2030の異なる位置を通り、レンズ2019およびビームスプリッタをそれ、そして光ダイオードを照らす。レーザー以外の外部光源に対するセンサの感度を減少させるために、発光ダイオード2023が、制御された背景光を与えるようにセンサの内側に装着されることができる。
【0085】
3つの光ダイオード(2034、2038、2042)の各々は、センサおよび反射体(2024、2026)の相対位置に対する異なる感度を有していて、ソフトウエアの分離時に、6つの自由度のいずれかにおける任意の変化を描くことができる。光ダイオード2042は、バー2026とセンサ(Tz)との間の並進に対して、およびドット2024の表面と直角な軸(Rz)のまわりのセンサの回転に対して敏感である。バー2026は、センサがバー2026から規定の離隔距離にあるなら、バーの反射が光ダイオード2042の中心を照らすように傾斜されている。従って、光ダイオード2042の中心からのバーの反射のいずれの上下の逸脱も、バー(Yz)からのセンサの距離として算出されることができる。同様に、ドットの中心に対するバーの半径方向位置は、回転中心Rxの基準として使用されることができる。その結果、光ダイオード2042の中心からのバーの反射の右−左の逸脱が、ドットの直角軸(Rz)のまわりのセンサの回転として算出されることができる。
【0086】
対照的に、光ダイオード2038は、以下に説明するように、XおよびY軸(Rx、Ry)のまわりの傾動に対して最も敏感である。レーザービームが反射性基準マーク2024に当るときに発散するので、負のレンズ2014、2016では、センサが負のレンズ2014、2016のまわりに傾動されるときでも、反射されたビームは、中心のところ以外、多く戻り、すなわち、戻り光は、センサの傾動にかかわらず、基準ドットの表面と直交してセンサに入射する。光が傾動の前のように戻るが、光ダイオード2038の位置は、センサの傾動に伴って変化する。その結果、傾動中、反射された光の未変化収束に対する光ダイオード2038の運動が、X軸およびY軸(Rx、Ry)のまわりの傾動に対する感度をもたらす。レンズの性質のため、ダイオード2038は、反射体2024の純粋な並進に対して敏感でない。何故なら、レンズは、光線がどこから来るかにかかわらず、すなわち、マークがどこで並進されるかにかかわらず、同じ点までこのレンズを通るすべての平行な光線を収束するからである。
【0087】
光ダイオード2034の場合、ビームスプリッタ2032は、経路にレンズが無くても光を反射させる。その結果、ダイオード2038と異なって、ダイオード2034は、基準ドット(Tx、Ty)に対するセンサの横方向並進に対して敏感である。光ダイオード34は、傾動に対しても敏感であるが、この効果は、光ダイオード38からの情報を使用してソフトウエアで解除されることができる。同様に、光ダイオード42の他の2つの光ダイオードとのいずれの接続もソフトウエアで解除されることができる。
【0088】
ダイオードからのアナログデータは、アナログ−デジタル変換器でデジタル化され、そして3つの光ダイオードの各々からの2つのチャンネルとして処理するためのコンピュータに供給される。この形態では、データは、チャンネルの2つ以外すべてが、1つより多い運動についての情報を有するので、すなわち、チャンネルが接続されているので、6つの軸のまわりの純粋な運動を表さない。この情報は、6つの自由度すべてについて運動の純粋な測定に分離されることができる。この分離は、各光ダイオードが異なる情報をもたらすので、可能である。光ダイオード38は、X軸およびY軸(RxおよびRy)のまわりの傾動に対してのみ敏感である。従って、これらのチャンネルからの電圧読み値は、他の運動に対する感度(接続)なしでこれらの軸における純粋な傾動を表す。対照的に、光ダイオード34は、XおよびY(Tx、Ty,Rx,Ry)のまわりの運動、回転および並進の4つの線に対して敏感である。しかしながら、光ダイオード38からの任意の電圧読み値を引くことによって、光ダイオード34の傾動感度が無効にされ、残りの電圧がXおよびY(Tx、Ty)のまわりの唯一の並進を表している。同様に、光ダイオード42は、6つの自由度すべてに対して敏感である。しかし、他の2つの光ダイオードからの電圧を引くことにより、残りの電圧はZ軸(Tz、Rz)のまわりの唯一の回転および並進を表している。
【0089】
6つのチャンネルすべてが分離された後、データがオペレータに表示されたり、および/またはCGI装置に供給されたりすることができる。
【0090】
6−DOFセンサは、6つの自由度すべてをトラッキングすることが可能である。レーザービームが発散するので、マークからの反射は、光ダイオードで拡大されて、精度を高める。この利点は、高解像度のA/D変換器との組合せで、並進を検出するミクロン精度および配向を検出するミリラジアン精度をもたらす。異なる光学では、視界が減じられて精度を向上させるができるか、或いはその逆である。マークは、身体の外径に一致し、従って身体における反射性マークの位置決めは、オペレータまたは簡単な3軸コンピュータ制御式機械により行なわれることができる3−DOF仕事(Tx、Ty、Rz)である。6−DOFセンサは、非接触および非表面依存性である。光センサの場合、これは身体に物理的に接触しない。6−DOFセンサは、カメラではなく横方向作用光ダイオードを使用している。光ダイオードがカメラより小さいので、6−DOFセンサは、カメラ系装置より比較的小さい。
【0091】
図11は、仮想のチップ405の使用者入力装置の能力を示す斜視図である。仮想のチップ405は、カテーテルチップ377の位置、配向および回転を制御するために外科医が入力を行なえる多軸操作桿方装置である。仮想のチップ405は、X入力部3400と、Y入力部3404と、Z入力部3402と、カテーテルチップの位置を制御するためのファイ回転入力部3403とを有している。更に、仮想のチップ405は、チップ回転入力部3405およびチップ上昇入力部3404を有している。前述のように、外科医は、仮想のチップ405を操り、仮想のチップ405は、外科医の動きをコントローラ501に伝達する。次いで、コントローラ501は、コイルに電流を発生させて実際のカテーテルチップ377が仮想のチップ405の運動に追従するようにカテーテルチップ377の運動を行う。1つの実施の形態では、仮想のチップ405は、カテーテルチップ377が障害物に出会ったことの触感指示をもたらすように力フィードバックをオペレータに与えるために種々のモータおよび/アクチュエータ(例えば、永久磁石モータ/アクチュエータ、ステップモータ、リニアモータ、圧電モータ、リニアアクチュエータなど)を含む。
【0092】
先の説明は多くの特殊性を含んでいるが、これは、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではなく、本発明の例示を単に示すものである。かくして、例えば、基準点マーク(フィデューシャルマーク)の位置を感知するセンサは、実施の形態では6−DOFセンサとして説明されている。当業者は、基準マークの位置を感知することができる他の光センサ(例えば、カメラ)が同様に使用されることができることを認めるであろう。しかも、基準点マークの位置を検出するのに、レーダー、超音波源などのような非光センサが使用されることができる。1つの実施の形態では、レーダー装置950は、レーダー反射性基準点マークを検出するのに、6−DOFセンサ960の代わりに使用されることができる。
【0093】
多くの他処置変形例が、本発明の範囲内で可能である。例えば、電磁石の変調は、チップの振動または脈動運動が交差プラークを助成するようにして制御されることができる。応答性チップは、永久磁石ではなく、電磁石であることができる。身体の外側の磁場が、永久磁石により発生されることができる。外部の磁場の制御は、磁場発生装置を手動で管理することにより達成されることができる。チップのまわりに巻かれたコイルが印加時変磁場に応答するようにすることにより、関連された磁性効果を伴うAC誘発が使用されることができる。キュリー温度が身体温度の数度以内である材料が、適切な温度を有する流体で洗浄することによる選択的なチップ制御のための磁束スイッチとして使用されることができ、静電現象が、磁性効果を高めることができる。人造知能が、指令入力情報を生じるためのオペレータ制御に取って代わることができ、エキスパートシステムが、代わりをするか、或いはオペレータ入力を高める。この装置は、心臓以外の種々の身体の内腔または器官を培養するのに使用されることができる。この装置は、卵収穫および胚埋込みのような人間および動物用手順に使用されることができる。応答性チップは、先例の無い操縦性で内部構造体の検視を行なうためにコヒーレント光ファイバ束に取付けられることができ、案内式カテーテルを使用して造粒化源を腫瘍に直接供給することにより、内部放射性同位体治療が正確に行なわれることができる。内部組織のサンプルが、大外科手術なしで得られることができ、応答性チップを備えた光ファイバ光導体が、レーザー光を大外科手術なしで特定の内部位置へ供給するように正確に位置決めされることができる。かくして、本発明の範囲は、請求項によってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】オペレータインターフェースと、カテーテル案内装置と、外科設備(例えば、案内されるべきカテーテル)と、撮像/同期化手順と、患者を含む外科装置の高レベルシステムブロック図である。
【図1A】カテーテル案内装置と、レーダー装置と、6−DOFセンサと、ジンバル運動機構とを有するGCI外科処置に使用するための撮像モジュールのブロック図である。
【図2】電磁石の極構成を示す直交表示図である。
【図2A】C−アームと共に磁気回路を構成する電磁石のクラスタ状配置における極構成を示す図である。
【図2B】コイル、アームおよびテーブル、レーダーおよび6−DOFセンサの幾何学的レイアウトの図である。
【図2C】電磁石コイルを駆動するための装置のブロック図である。
【図2D】GCI装置を形成するベクトルのマトリックスの図である。
【図2E】GCI装置における特性マトリックスの図である。
【図2F】上記図2Eに示されている逆特性マトリックスの図である。
【図2G】特性マトリックスと、GCI装置に使用される逆特性マトリックスとの積の図である。
【図2H】図2Gの論理フロー図である。
【図2I】磁石クラスタ、レーダー装置および光センサを示す正面図である。
【図2J】磁石クラスタ、レーダー装置、光センサ、C−アームおよび作動テーブルを示す側面図である。
【図2K】レーダー装置、光センサ、およびC−アームの頂部におけるジンバル運動機構を示す図である。
【図2L】カテーテルチップの実際の位置(AP)および所望の位置(DP)の「C」曲線表示図である。
【図3】カテーテルの位置を測定するためのレーダーフェーズドアレーレーダーモジュールおよびその関連電子機器のブロック図である。
【図3A】カテーテルチップの位置および配向を確認する際のレーダー装置の使用を示す図である。
【図3B】フィデューシャルマークの領域におけるカテーテルを捜し出すことを示す図である。
【図4】フィデューシャルマークの位置および像捕獲の同期化を測定するための6−DOFセンサおよびその関連電子機器のブロック図である。
【図5A】撮影血管造影設備を備えたGCI装置の使用において、基準点マークおよび6−DOFセンサを使用して、蛍光透視像およびレーダーデータからのカテーテルの合成像が如何に同期化されるかを示す図である。
【図5B】ペースメーカー電極の埋込みを行ないながら、図5Aに示されている装置を使用することを示す図である。
【図6】CGCI装置に使用するためのカテーテル組立体およびガイドワイヤ組立体の斜視図である。
【図6A】CGCI装置に使用するためのカテーテル組立体およびガイドワイヤ組立体の斜視図である。
【図6B】磁性チップおよび2つの圧電性リングを備えたカテーテルの図である。
【図7】レーダー装置および6−DOFセンサを有するGCI装置の計算論理フローの図式図である。
【図8】CGCI装置における信号フローの機能的ブロック図である。
【図9】2平面2重X線装置により生じられる立体像との組合せでのカテーテル案内装置の使用を示す図である。
【図10】6−DOFセンサの1つの具体例を示す図である。
【図11】仮想のチップである使用者入力装置の能力を示す斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁場に対して応答性であって、患者の身体に挿入されるように構成された遠位端部を有しているカテーテル様器具の移動を制御するための装置であって、
身体の外側に磁場を発生させるための磁場源と、
身体に対して前記磁場源を配向されるためのジンバル装置と、
前記遠位端部の位置を測定するためのレーダー装置と、
複数の基準点マークの位置を測定するためのセンサ装置と、
前記遠位端部を移動させる指令を入力するための使用者入力装置と、
前記使用者入力装置、前記レーダー装置および前記センサ装置からの入力情報に応答して前記磁場を制御するためのシステムコントローラと、を具備している装置。
【請求項2】
前記システムコントローラは、閉ループフィードバックサーボシステムを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記レーダー装置は、インパルスレーダーを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記遠位端部は、1つまたはそれ以上の磁石を備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記システムコントローラは、位置誤差を算出し、そして、この位置誤差を減じる方向に前記遠位端部を移動させるように前記磁場源を制御する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記システムコントローラは、前記遠位端部の位置誤差を1組の基準点マークで積分する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記システムコントローラは、前記遠位端部の位置を蛍光透視像と同期化させる、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
オペレータインターフェースユニットを更に具備している請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記システムコントローラは、器官の動的位置を補償し、それにより前記遠位端部が前記器官と実質的に一致して移動するように、前記磁場に対する前記遠位端部の応答を代償させる、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記器官の動的位置に関する補正データを与えるように、補助装置により、補正入力情報が発生され、また、前記補正データは、前記遠位端部が前記器官と実質的に一致して移動するように、前記システムコントローラの応答を代償させるために前記レーダー装置からの測定データと組み合わされる、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記補助装置は、X線装置、超音波装置およびレーダー装置のうちの少なくとも1つよりなる、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記使用者入力装置は、使用者制御入力を許容するための仮想チップ制御装置よりなる、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
力フィードバックを受ける仮想のチップを更に具備している請求項1に記載の装置。
【請求項14】
X軸コントローラおよび増幅器と、
Y軸コントローラおよび増幅器と、
Z軸コントローラおよび増幅器と、を更に具備している請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記センサ装置は、6−DOFセンサを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記レーダー装置は、フェーズドアレーを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記システムコントローラは、X軸コントローラ、Y軸コントローラおよびZ軸コントローラの作動を連繋し、また、前記使用者入力装置は仮想チップを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記仮想チップは、触感フィードバックをオペレータに供給する、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記仮想チップは、前記遠位端部の実際の位置と、前記遠位端部の所望の位置と間の位置誤差に応じて触感フィードバックをオペレータに供給する、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記システムコントローラは、前記遠位端部を前記仮想チップの移動に追従させる、請求項17に記載の装置。
【請求項21】
前記レーダー装置は、前記遠位端部により生じられる第2高調波を測定するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
仮想チップコントローラを更に具備しており、この仮想チップコントローラは、触感フィードバック応答制御情報を仮想チップに出力する、請求項1に記載の装置。
【請求項23】
前記システムコントローラは、カテーテルチップの前記遠位端部の位置誤差を減じるように前記磁場を制御するために、前記レーダー装置および6−DOFセンサからのデータを少なくとも部分的に使用して、カテーテルチップの前記遠位端部の位置誤差を算出するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項24】
前記システムコントローラは、フィードバックデータを前記使用者入力装置に供給することによって触感フィードバック応答を開始させる、請求項1に記載の装置。
【請求項25】
身体に挿入されるべき遠位端部を有する器具の移動を制御する方法であって、
外部磁場を発生させることにより前記遠位端部に力を加えることと、
前記遠位端部を所望の方向に移動させるように前記力を調整することと、
レーダーにより前記遠位端部の位置を捜し出すことと、を具備している方法。
【請求項26】
前記遠位端部が身体中を移動するのに従って、実質的にリアルタイムで前記遠位端部の視覚表示を変更させることを更に具備している請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記外部磁場を生じるように1つまたはそれ以上の電磁石を制御することを更に具備している請求項25に記載の方法。
【請求項28】
複数の基準点マークを位置決めし、そしてこれらマークを身体の少なくとも一部のリアルタイムの像上の位置と同期化させることを更に具備している請求項25に記載の方法。
【請求項29】
所望の位置と比較して前記遠位端部の現在位置を定めることを更に具備している請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記遠位端部の前記現在位置を定めることは、
前記コントローラを介して動的心臓位置を入力することと、
前記現在位置を前記心臓位置の関数として算出することと、
を備えている請求項25に記載の方法。
【請求項31】
前記遠位端部の位置誤差を計算することを更に具備している請求項25に記載の方法。
【請求項32】
前記位置誤差が特定の最小値より大きいときに、前記X軸コントローラ、前記Y軸コントローラおよび前記Z軸コントローラのうちの少なくとも1つへの変調入力情報のデューテイサイクルおよび極性のうちの少なくとも1つを変えることを更に具備している請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記位置誤差が少なくとも1つの軸に沿った所定量を超える場合に、触感フィードバックを生じさせることを更に具備している請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記システムコントローラは、器具の前記遠位端部を、その位置が仮想チップからの位置データに対応するように移動させる、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
身体に挿入されるべき遠位端部を有する器具の移動を制御するための装置であって、
C−アームにクラスタ状に構成されて磁気回路を形成し、且つ磁場を発生させる磁場源と、
前記磁場に対して応答性である遠位端部を有する器具と、
前記遠位端部のまわりに配置された1つまたはそれ以上の圧電性リングと、
前記器具の遠位端部の位置を制御するように位置/指令入力情報を与えるために前記磁場を調整するためのシステムコントローラと、
前記遠位端部の位置を測定するためのレーダー装置と、を具備している装置。
【請求項36】
前記磁力を調整するために、前記システムコントローラから前記位置/指令入力情報を受信する閉サーボループシステムを更に具備している、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記遠位端部を位置させるためのレーダー装置を更に具備している請求項35に記載の装置。
【請求項38】
前記システムコントローラは、前記磁場源が前記磁場を形成して前記遠位端部を所望位置まで移動させるために夫々のトルクおよび関連電流を算出するように構成されている、請求項35に記載の装置。
【請求項39】
前記システムコントローラは、前記遠位端部が身体内の器官と実質的に一致して移動するように、前記器官の動きを補正する閉サーボループ回路をなしている、請求項36に記載の装置。
【請求項40】
器官の動きについてのデータが、前記動きに関する動的データを与える補助装置により発生され、前記動的データは、走固性画面を規定する複数の基準点マークの測定位置と組み合わされる、請求項39に記載の装置。
【請求項41】
前記補助装置は、蛍光透視撮像装置および超音波撮像装置のうちの少なくとも1つ、またはレーダー撮像装置よりなる、請求項40に記載の装置。
【請求項42】
仮想チップを更に具備しており、この仮想チップの一部の少なくとも移動により、前記システムコントローラが、前記遠位端部を対応して移動させるように前記磁場源を制御する、請求項35に記載の装置。
【請求項43】
所望の磁場の強さを生じさせるのに必要とされる電流を低減するために、前記磁場源の部分を移動させるための機械的装置を更に具備している請求項35に記載の装置。
【請求項44】
前記システムコントローラは、前記レーダー装置からの少なくとも位置データと、6−DOFセンサからの基準点マーク位置とを使用して、走固性画面に対する前記遠位端部の位置を計算する、請求項43に記載の装置。
【請求項1】
磁場に対して応答性であって、患者の身体に挿入されるように構成された遠位端部を有しているカテーテル様器具の移動を制御するための装置であって、
身体の外側に磁場を発生させるための磁場源と、
身体に対して前記磁場源を配向されるためのジンバル装置と、
前記遠位端部の位置を測定するためのレーダー装置と、
複数の基準点マークの位置を測定するためのセンサ装置と、
前記遠位端部を移動させる指令を入力するための使用者入力装置と、
前記使用者入力装置、前記レーダー装置および前記センサ装置からの入力情報に応答して前記磁場を制御するためのシステムコントローラと、を具備している装置。
【請求項2】
前記システムコントローラは、閉ループフィードバックサーボシステムを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記レーダー装置は、インパルスレーダーを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記遠位端部は、1つまたはそれ以上の磁石を備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記システムコントローラは、位置誤差を算出し、そして、この位置誤差を減じる方向に前記遠位端部を移動させるように前記磁場源を制御する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記システムコントローラは、前記遠位端部の位置誤差を1組の基準点マークで積分する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記システムコントローラは、前記遠位端部の位置を蛍光透視像と同期化させる、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
オペレータインターフェースユニットを更に具備している請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記システムコントローラは、器官の動的位置を補償し、それにより前記遠位端部が前記器官と実質的に一致して移動するように、前記磁場に対する前記遠位端部の応答を代償させる、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記器官の動的位置に関する補正データを与えるように、補助装置により、補正入力情報が発生され、また、前記補正データは、前記遠位端部が前記器官と実質的に一致して移動するように、前記システムコントローラの応答を代償させるために前記レーダー装置からの測定データと組み合わされる、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記補助装置は、X線装置、超音波装置およびレーダー装置のうちの少なくとも1つよりなる、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記使用者入力装置は、使用者制御入力を許容するための仮想チップ制御装置よりなる、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
力フィードバックを受ける仮想のチップを更に具備している請求項1に記載の装置。
【請求項14】
X軸コントローラおよび増幅器と、
Y軸コントローラおよび増幅器と、
Z軸コントローラおよび増幅器と、を更に具備している請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記センサ装置は、6−DOFセンサを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記レーダー装置は、フェーズドアレーを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記システムコントローラは、X軸コントローラ、Y軸コントローラおよびZ軸コントローラの作動を連繋し、また、前記使用者入力装置は仮想チップを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記仮想チップは、触感フィードバックをオペレータに供給する、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記仮想チップは、前記遠位端部の実際の位置と、前記遠位端部の所望の位置と間の位置誤差に応じて触感フィードバックをオペレータに供給する、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記システムコントローラは、前記遠位端部を前記仮想チップの移動に追従させる、請求項17に記載の装置。
【請求項21】
前記レーダー装置は、前記遠位端部により生じられる第2高調波を測定するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
仮想チップコントローラを更に具備しており、この仮想チップコントローラは、触感フィードバック応答制御情報を仮想チップに出力する、請求項1に記載の装置。
【請求項23】
前記システムコントローラは、カテーテルチップの前記遠位端部の位置誤差を減じるように前記磁場を制御するために、前記レーダー装置および6−DOFセンサからのデータを少なくとも部分的に使用して、カテーテルチップの前記遠位端部の位置誤差を算出するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項24】
前記システムコントローラは、フィードバックデータを前記使用者入力装置に供給することによって触感フィードバック応答を開始させる、請求項1に記載の装置。
【請求項25】
身体に挿入されるべき遠位端部を有する器具の移動を制御する方法であって、
外部磁場を発生させることにより前記遠位端部に力を加えることと、
前記遠位端部を所望の方向に移動させるように前記力を調整することと、
レーダーにより前記遠位端部の位置を捜し出すことと、を具備している方法。
【請求項26】
前記遠位端部が身体中を移動するのに従って、実質的にリアルタイムで前記遠位端部の視覚表示を変更させることを更に具備している請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記外部磁場を生じるように1つまたはそれ以上の電磁石を制御することを更に具備している請求項25に記載の方法。
【請求項28】
複数の基準点マークを位置決めし、そしてこれらマークを身体の少なくとも一部のリアルタイムの像上の位置と同期化させることを更に具備している請求項25に記載の方法。
【請求項29】
所望の位置と比較して前記遠位端部の現在位置を定めることを更に具備している請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記遠位端部の前記現在位置を定めることは、
前記コントローラを介して動的心臓位置を入力することと、
前記現在位置を前記心臓位置の関数として算出することと、
を備えている請求項25に記載の方法。
【請求項31】
前記遠位端部の位置誤差を計算することを更に具備している請求項25に記載の方法。
【請求項32】
前記位置誤差が特定の最小値より大きいときに、前記X軸コントローラ、前記Y軸コントローラおよび前記Z軸コントローラのうちの少なくとも1つへの変調入力情報のデューテイサイクルおよび極性のうちの少なくとも1つを変えることを更に具備している請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記位置誤差が少なくとも1つの軸に沿った所定量を超える場合に、触感フィードバックを生じさせることを更に具備している請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記システムコントローラは、器具の前記遠位端部を、その位置が仮想チップからの位置データに対応するように移動させる、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
身体に挿入されるべき遠位端部を有する器具の移動を制御するための装置であって、
C−アームにクラスタ状に構成されて磁気回路を形成し、且つ磁場を発生させる磁場源と、
前記磁場に対して応答性である遠位端部を有する器具と、
前記遠位端部のまわりに配置された1つまたはそれ以上の圧電性リングと、
前記器具の遠位端部の位置を制御するように位置/指令入力情報を与えるために前記磁場を調整するためのシステムコントローラと、
前記遠位端部の位置を測定するためのレーダー装置と、を具備している装置。
【請求項36】
前記磁力を調整するために、前記システムコントローラから前記位置/指令入力情報を受信する閉サーボループシステムを更に具備している、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記遠位端部を位置させるためのレーダー装置を更に具備している請求項35に記載の装置。
【請求項38】
前記システムコントローラは、前記磁場源が前記磁場を形成して前記遠位端部を所望位置まで移動させるために夫々のトルクおよび関連電流を算出するように構成されている、請求項35に記載の装置。
【請求項39】
前記システムコントローラは、前記遠位端部が身体内の器官と実質的に一致して移動するように、前記器官の動きを補正する閉サーボループ回路をなしている、請求項36に記載の装置。
【請求項40】
器官の動きについてのデータが、前記動きに関する動的データを与える補助装置により発生され、前記動的データは、走固性画面を規定する複数の基準点マークの測定位置と組み合わされる、請求項39に記載の装置。
【請求項41】
前記補助装置は、蛍光透視撮像装置および超音波撮像装置のうちの少なくとも1つ、またはレーダー撮像装置よりなる、請求項40に記載の装置。
【請求項42】
仮想チップを更に具備しており、この仮想チップの一部の少なくとも移動により、前記システムコントローラが、前記遠位端部を対応して移動させるように前記磁場源を制御する、請求項35に記載の装置。
【請求項43】
所望の磁場の強さを生じさせるのに必要とされる電流を低減するために、前記磁場源の部分を移動させるための機械的装置を更に具備している請求項35に記載の装置。
【請求項44】
前記システムコントローラは、前記レーダー装置からの少なくとも位置データと、6−DOFセンサからの基準点マーク位置とを使用して、走固性画面に対する前記遠位端部の位置を計算する、請求項43に記載の装置。
【図1】
【図1A】
【図2】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図2G】
【図2H】
【図2I】
【図2J】
【図2K】
【図2L】
【図3】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図1A】
【図2】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図2G】
【図2H】
【図2I】
【図2J】
【図2K】
【図2L】
【図3】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2007−512855(P2007−512855A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−536768(P2006−536768)
【出願日】平成16年10月20日(2004.10.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/034784
【国際公開番号】WO2005/042053
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(505018245)マグネテックス・インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月20日(2004.10.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/034784
【国際公開番号】WO2005/042053
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(505018245)マグネテックス・インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
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