説明

ロータリーバルブ及びその組立体

【課題】ロータとステータとの圧接面に隙間を生じさせないで駆動系の回転運動をステータに伝達でき、高精度の同心度を確保できるロータリーバルブ及びその組立体を提供する。
【解決手段】中心に位置するコモンポート22及び中心周りに位置する複数のポート23を有し、ハウジング11の一端側に固定されるステータ21と、コモンポート22とポート23のうち選択された一つとを連通させる溝32を有し、ハウジング11の途中に、押圧状態で保持されるロータ31と、ハウジング11の他端側に回転自在に支持され、ロータ31を回転させる駆動軸41とを具備する。この駆動軸41は、ロータ31の中心から突設される第1軸42と、ハウジング11の他端側に回転自在に支持される第2軸43とに分割される。第1軸42と第2軸43とは、回転力を伝達しスラスト力を伝達しない面接触により連結させる連結部46を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータとステータとから構成され、コモンポートと複数のポートとの間で流体を振り分けるロータリーバルブ及びその組立体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のロータリーバルブとしては、下記の特許文献1,2に開示されるものが知られている。この特許文献1に開示のロータリーバルブは、ハウジングと、中心に位置するコモンポート及び前記中心の周りに位置する複数のポートを有し、前記ハウジングの一端側に固定されるステータと、前記コモンポートと前記複数のポートとを連通させる溝を有し、前記ハウジングの途中に、前記固定部材の前記中心に一致するように回転可能に支持されると共に前記固定部材に対して押圧状態で保持されるロータと、前記ハウジングの他端側に回転自在に支持され、前記回転体を回転させる駆動軸とを具備する構造である。
【0003】
そして、前記ロータと前記駆動軸とが一体に取り付けられ、前記駆動軸がモータ等の駆動系に連結される構造となっている。
【特許文献1】特開2005−54913号公報
【特許文献2】特開2005−76858号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記構造のロータリーバルブにあっては、前記ロータと前記駆動軸とが一体に取り付けられ、前記駆動軸がモータ等の駆動系に連結される構造である。そのため、前記ロータと前記駆動軸との同軸度にズレがない状態で取り付けられていないと、ステータとの圧接面に隙間が生じ、これにより流体のリークを生じさせる恐れがある。
【0005】
本発明は上記問題を鑑みなされたものであって、その目的とするところは、ロータとステータとの圧接面に隙間を生じさせないで駆動系の回転運動をステータに伝達でき、高精度の同心度を保持できるロータリーバルブ及びその組立体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明1のロータリーバルブは、ハウジングと、中心に位置する第1ポート及び前記中心の周りに位置する複数の第2ポートを有し、前記ハウジングの一端側に固定される固定部材と、前記第1ポートと前記第2ポートのうち選択された一つとを連通させる溝を有し、前記ハウジングの途中に、前記固定部材の前記中心に一致するように回転可能に支持されると共に前記固定部材に対して押圧状態で保持される回転体と、前記ハウジングの他端側に回転自在に支持され、前記回転体を回転させる駆動軸とを具備するロータリーバルブにおいて、前記駆動軸は、前記回転体の中心から突設される第1軸と、前記ハウジングの他端側に回転自在に支持される第2軸とに分割され、前記第1軸と前記第2軸とは、回転力を伝達しスラスト力を伝達しない面接触により連結されていることを特徴とする。
この構成によると、回転体から突設する第1軸と、ハウジングに回転自在に支持される第2軸とに分割されているため、第2軸の回転軸周りのブレが第1軸に伝達されない。また、前記第1軸と前記第2軸とは、回転力を伝達しスラスト力を伝達しない面接触により連結されているため、駆動系の回転力を第2軸から第1軸へと正確に伝えながら、第2軸のブレは第1軸に伝わらない。さらに、回転体は第2軸と分割された状態でハウジングに回転自在に支持されるため、回転体のハウジングを基準とした同心度が確保される。
【0007】
また、本発明2のロータリーバルブは、本発明1において、前記ハウジングは、前記固定部材を同心状に固定する第1ハウジングと、前記回転体を回転自在に保持するとともに、前記第2軸を回転自在に支持する第2ハンジングとからなり、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとが同心状に嵌合され、更に固定されることを特徴とする。
この構成によると、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとが同心状に嵌合するので、前記回転体と前記第2軸との同心度が正確に合わせられる。
【0008】
また、本発明3のロータリーバルブは、本発明2において、前記回転体は、第2ハウジングと前記第1軸との間に配設され、前記回転体に当接するスラスト軸受を介して、前記第2ハウジングに対して回転自在に支持され、このスラスト軸受の中心軸周りに、前記回転体を前記固定部材に向けて押圧するスプリングが配設されていることを特徴とする。
この構成によると、回転体がスラスト軸受を介して第2ハウジングに回転自在に支持され、このスラスト軸受の中心軸周りにスプリングが配設されているため、回転体は固定部材に押圧された状態で同心度を保って回転する
【0009】
また、本発明4のロータリーバルブは、本発明3において、前記第2ハウジングは、前記スプリングを保持するとともに、前記スラスト軸受の外周を支持するホルダーを有することを特徴とする。
この構成によると、第2ハウジングが、スラスト軸受及びスプリングが組み込まれたホルダーを有することにより、回転体が支持されるスラスト軸受は第2ハウジングに同心状に組み込まれる。
【0010】
また、請求項5のロータリーバルブは、発明1において、前記複数の第2ポートに対応する複数種類の液体をそれぞれ各第2ポートに供給し、前記第2ポートのうち選択された一つからの液体が前記第1ポートから送出されるようにしたことを特徴とする。
この構成によると、前記中心の周りに位置する複数の第2ポートの一つを選択して中心に位置する第1ポートに所望の液体を供給できる。
【0011】
また、本発明6のロータリーバルブ組立体は、本ロータリーバルブと駆動部とを継手を介して連結し、前記駆動部にロータリーエンコーダが取り付けられたロータリーバルブ組立体であって、
前記ロータリーバルブは、ハウジングと、中心に位置する第1ポート及び前記中心の周りに位置する複数の第2ポートを有し、前記ハウジングの一端側に固定される固定部材と、前記第1ポートと前記第2ポートのうち選択された一つとを連通させる溝を有し、前記ハウジングの途中に、前記固定部材の前記中心に一致するように回転可能に支持されると共に前記固定部材に対して押圧状態で保持される回転体と、前記ハウジングの他端側に回転自在に支持され、前記回転体を回転させる駆動軸とを具備し、前記駆動軸は、前記回転体の中心から突設される第1軸と、前記ハウジングの他端側に回転自在に支持される第2軸とに分割され、前記第1軸と前記第2軸とは、回転力を伝達しスラスト力を伝達しない面接触により連結されてなることを特徴とする。
この構成によると、回転体から突設する第1軸と、ハウジングに回転自在に支持される第2軸とに分割されているため、第2軸の回転軸周りのブレが第1軸に伝達されない。また、前記第1軸と前記第2軸とは、回転力を伝達しスラスト力を伝達しない面接触により連結されているため、駆動系の回転力を第2軸から第1軸へと正確に伝えながら、第2軸のブレは第1軸に伝わらない。また、回転体は第2軸と分割された状態でハウジングに回転自在に支持されるため、回転体のハウジングを基準とした同心度が確保される。更に、ロータリーバルブの駆動軸は駆動部と継手を介して連結されるため、駆動部の軸周りのブレが駆動軸により伝わりにくくなる。また、ロータリーエンコーダにより、駆動軸の回転制御は正確なものになる。
【発明の効果】
【0012】
上記のロータリーバブル及びその組立体は、駆動軸のブレが回転体に伝わりにくくするとともに、固定部材に対する回転体が高精度の同心度を維持して回転できるようにしている。そのため、回転体と固定部材の圧接面(シール面)の密着性が向上し、流体のリークを防止することができる。とくに、中心に位置する第1ポートと前記中心の周りに位置する複数の第2ポートの一つを選択して連通させる場合、残りの第2ポートへのリークを確実に防止できるので、有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ、本発明に係るロータリーバルブ及びその組立体の実施形態例について説明する。
図1は、ロータリーバルブの断面図、図2は、図1のA−A線から見たステータの上面図、図3は、図1のB−B線から見た軸同士の連結部の断面図である。
【0014】
図1に示すように、ロータリーバルブ10は、ハウジング11と、ハウジング11に固定されたステータ(固定部材)21と、ハウジングに回転自在に支持されたロータ(回転体)31と、ロータ31を回転駆動する駆動軸41とを具備する。
【0015】
ステータ21は、ハウジング11の一端側に固定される。このステータ21の圧接面には、回転中心に位置する一つのコモンポート(第1ポート)22と,前記回転中心の周りの同心円上に位置する複数のポート(第2ポート)23とが開口している。図示例では、複数のポート23として三つの場合が図示されるが、その数は、2以上の任意の数である。
【0016】
ロータ31は、ハウジング11の軸方向の途中にステータ21の中心と一致するように回転自在に支持される。ロータ31の圧接面には、前記コモンポート22と前記複数のポート23の一つとを連通させるスロット状の溝32が設けられている。
【0017】
ステータ21の圧接面とロータ31の圧接面とは、ステータ21に対してロータ31を押圧することにより、面によるシール面を構成する。図示例では、このシール面の周囲に環状溝24が配設されている。もしシール面を経たリークが発生した場合には、リークした液体はこの環状溝24を経て外部に排出できるようになっている。
【0018】
図2に示すように、複数のポート23に対応する複数種類の液体をそれぞれのポート23に供給する。そして、ステータ21のコモンポート22とステータ21の選択された一つのポート23とが、ロータ31の溝32を介して連通する。それにより、選択された一つのポート23からの液体をコモンポート22から送出させる。図示例では、試薬1がポート23を経てコモンポート2に至り、分析装置に供給される。ロータ31の回転により、流路が切り換えられ、特定の試薬を分析装置に供給することができる。また、試薬の廃棄に用いられる場合には、特定の試薬が、分析装置に代わる廃棄装置に接続される。ステータ21の圧接面とロータ31の圧接面との面シールが確実であると、外周のポート23同士のリークは発生しない。
【0019】
ロータ31を回転駆動する駆動軸41は、ロータ31の中心から突設される短い第1軸42と、この第1軸42に連結される長い第2軸43とに分割されている。第2軸43はハウジング11の他端側に回転自在に支持される。この第1軸42と第2軸43との連結部46は、第1軸42の半円状の切欠き部42aと第2軸の半円状の切欠き部43aとを軸方向に隙間εを有する状態で重ね合わせ、第1軸42の切欠き部42aと第2軸の切欠き部43aとが面接触するようにして形成されている。この面接触の状態は、図3に例示される。なお、半円状とは完全な半円ではなく、図示のように一方に偏る半円であってもよい。
【0020】
図1のように、第1軸42の切欠き部42aと第2軸43の切欠き部43aとは、軸方向の隙間を有して連結されているため、軸方向のスラスト力は伝達されない。図2のように、第1軸42の切欠き部42aと第2軸43の切欠き部43aとが面接触しているため、回転力は遊びが無い状態で伝達される。また、第2軸43の軸周りのブレは面接触の角度が変わるだけで、伝達されない。
【0021】
ハウジング11は、互いに同心状に嵌合される第1ハウジング12と第2ハウジング13とからなる。第1ハウジング12は、カップ状となっている。第2ハウジング13は円筒状となっている。この円筒状の第2ハウジング13をカップ状の第1ハウジング12に嵌め込むことにより、両者は同心状に嵌合される。
【0022】
第1ハウジング12のカップ状の底に、円板状のステータ21を嵌め込む。このステータ21は、図示されない位置決めピンにより第1ハウジング12に同心状に位置決めされる。そして、第2ハウジング13を第1ハウジング12に嵌め込むと、第2ハウジング13の端面でステータ21が押し込まれて固定される。このステータ21を同心状に固定するための第1ハウジング12と第2ハウジング13との嵌合状態は、雄ネジと雌ネジとの螺合を介して行われる。図示例では両ハウジング12,13間の回り止めのために止めネジ15が用いられている。なお、第2ハウジング13の端面とステータ21との間には、環状のシール25が配設されている。
【0023】
第2ハウジング13は、ステータ21の側から同心状に嵌めることができるホルダー14を更に有する。この第2ハウジング13のうちホルダー14が無い側(ハウジング11の他端側)に、駆動軸41の第2軸43が、ラジアル軸受44,45を介して回転自在に支持されている。この第2軸43と第2ハウジング13とのホルダー14の側に、シール26が配設されている。
【0024】
ホルダー14の中には、ロータ31の側から、スラスト軸受33、バネ受け部材34、スプリング35が収納されている。スラスト軸受33の外周がホルダー14の内周面に嵌まるが、スプリング35の押圧により、軸方向に移動できる程度の嵌合で支持されている。また、スラスト軸受33の内周側は、ロータ31から突設する第1軸42の外周に嵌合される。また、スラスト軸受33のスラスト面はロータ31に直接載るように配設されている。
【0025】
このホルダー14に組み込まれる構造により、ロータ31は、ホルダー14即ちハウジング11の同心を保持した状態で、ステータ21に押圧されながら、回転自在に保持される。そして、このステータ21の第1軸42は、駆動軸41の第2軸41から分割され、回転力だけが伝わるようになっている。
【0026】
上述した構造のロータリーバルブの組立は以下のように好適に行われる。
第1ハウジング12にステータ21を嵌め込み、ピン等で位置決めする。
第2ハウジング13に第2軸43を差し込み、ラジアル軸受44,45により回転自在に支持する。
ホルダー14内に、スプリング35、バネ受け部材34、スラスト軸受33を嵌め込む。更に、スラスト軸受33の内周にロータ31から突設された第1軸42を嵌め込む。これにより、ロータ31を第2ハウジング13に対して同心状態で回転自在であるとともに、軸方向押圧自在に保持するホルダー14の部分組立体を形成する。
【0027】
つぎに、ホルダー14の部分組立体を、第2ハウジング13に差し込む。このとき、第1軸42と第2軸43との回転位相を合わせ、図3のような面接触による連結部46を形成する。
【0028】
さらに、ロータ31も組み込まれた第2ハウジング13を、ステータ21が組み込まれた第1ハウジング12に嵌め込み、第2ハウジング13の端がステータ21に当たる状態にしてから止めネジ15等で両ハウジング同士が固定される。このとき、ロータ31は、スラスト軸受33を介してステータ21の中心に一致するように回転可能に支持されると共に、スプリング35を介してステータ21に対して押圧状態で保持される。
【0029】
つぎに、上述した構成のロータリーバルブ10による流路の切り換え動作を説明する。図3のように、試薬1と分析装置とが連通する状態から、試薬3と分析装置とが連通する状態に切り換える場合の動作を例にして説明する。図1の第2軸43を図示されない駆動系により、角度αだけ回転させる。すると、第2軸43の回転力は連結部46を介して第1軸42に伝達される。連結部46は軸方向に隙間εがある面接触で形成されているため、スラスト力は伝達されず、回転力だけが伝達される。スラスト力が伝わらないため、ステータ21に対するロータ31の押圧には何らの影響を与えない。
【0030】
このような流路切り換えが行われるため、ステータ21に対してロータ31がスプリング35とスラスト軸受33とを介して同心状に押圧される状態が確保されたままになる。すなわち、ステータ21とロータ31の圧接面同士の面シールが確保され、リークの無い状態での流路切り換えが行われる。
【0031】
また、長いことに加えて、その両端がラジアル軸受44,45で支持される第2軸43は、ラジアル軸受44,45の隙間に起因して回転時に軸ブレを発生させる。この軸ブレは駆動系の外力により大きくなる。しかし、ロータ31から突設された第1軸42は、連結部46を介してこの第2軸43に連結されるため、この軸ブレも伝達されない。何故ならば、ステータ21に対してロータ31がスプリング35とスラスト軸受33とを介して強力に押圧されている。その押圧力は軸ブレによる外力より遥かに大きいので、第2軸43の軸ブレは遮断される。
【0032】
また、連結部46は、図3のような面接触で形成されているため、回転力を伝達する際の遊びが発生しにくい。そのため、駆動系の回転が正確にロータ31に伝達され、ロータ31の回転に誤差を生じにくくなる。すなわち、ロータ31の回転制御も正確に行われる。
【0033】
さらに、このようなロータリーバルブ10を組み込んだ好適なロータリーバルブ組立体1を、図4により説明する。
【0034】
図4において、ロータリーバルブ組立体1は、上述したロータリーバルブ10と駆動部2とをフレキシブルジョイント(継手)3を介して連結し、駆動部2にロータリーエンコーダ4が取り付けられて構成される。ロータリーバルブ10と駆動部2とのフレキシブルジョイント3を介しての連結は、アタッチメント51を用いて行われる。
【0035】
アタッチメント51は、第1支持板52と第2支持板53とを取付部54で一体にしたものである。全体として側面視でコの字状となっている。第1支持板52と第2支持板53には、それぞれ第1穴52aと第2穴53aが同心状に対向して開けられている。また、取付部54は、ボルト穴54aを介して装置の適切な部分に組立体全体として取り付けられるようになっている。
【0036】
第1支持板52の第1穴52aにロータリーバルブ10の第2ハウジング13の外周を嵌め込む。そして、第1ハウジング12の端を第1支持52の側面に当てて、ボルト締め等でロータリーバルブ10を固定する。第2支持板53の第2穴53aに駆動部2の出力側嵌合部を嵌め込む。そして、ボルト締め等で駆動部2を固定する。このとき、ロータリーバルブ10の第2駆動軸43の端と、駆動部2の出力軸2aとは、フレキシブルジョント3を介して連結される。
【0037】
駆動部2の回転機構には、ロータリーエンコーダ4がその回転を伝達できるように取り付けられている。このロータリーエンコーダ4により、駆動部2は制御された正確な回転が可能であり、所定の角度だけ駆動軸2aを回転させることができる。
【0038】
このような構造のロータリーバルブ組立体1にあっては、駆動部2の駆動軸2aとロータリーバルブ10の第2軸43とがフレキシブルジョイント3を介して連結されるため、駆動系からの第2軸43への回転力以外の外力が伝わりにくくなり、第2軸43の軸ブレが減少する。これにより、ロータリーバルブ10におけるロータ31とステータ21との圧接面での面シールがより確実なものになる。
【0039】
また、駆動部2により第2軸43の回転がロータリーエンコーダ4により正確となるため、ロータリーバルブ10におけるロータ31とステータ21との間の流路の切り換えもより確実なものになる。
【0040】
なお、本発明を好適な実施の形態に基づいて説明したが、本発明はその趣旨を超えない範囲において変更が可能である。
例えば、図1のロータリーバルブ10において、第2ハウジング13は、ホルダー14を有しない一体ものとすることができる。組立が不便になるものの、ロータ31とステータ21との同心度確保はより優れたものになる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、医療用分析装置、成分分析装置、DNA合成装置等のように、試薬の供給、廃棄に際して利用され、装置の小型化、配管の少数化のために用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本実施形態例に係るロータリーバルブの断面図である。
【図2】図1のA−A線から見たステータの上面図である。
【図3】図1のB−B線から見た軸同士の連結部の断面図である。
【図4】本実施形態例に係るロータリーバルブ組立体の全体斜視図である。
【符号の説明】
【0043】
1 ロータリーバルブ組立体
2 駆動部
3 フレキシブルジョンイト(継手)
4 ロータリーエンコーダ
10 ロータリーバルブ
11 ハウジング
12 第1ハウジング
13 第2ハウジング
14 ホルダー
21 ステータ
22 コモンポート(第1ポート)
23 ポート(第2ポート)
31 ロータ
32 溝
33 スラスト軸受
35 スプリング
41 駆動軸
42 第1軸
43 第2軸
46 連結部
51 アタッチメント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
中心に位置する第1ポート及び前記中心の周りに位置する複数の第2ポートを有し、前記ハウジングの一端側に固定される固定部材と、
前記第1ポートと前記第2ポートのうち選択された一つとを連通させる溝を有し、前記ハウジングの途中に、前記固定部材の前記中心に一致するように回転可能に支持されると共に前記固定部材に対して押圧状態で保持される回転体と、
前記ハウジングの他端側に回転自在に支持され、前記回転体を回転させる駆動軸とを具備するロータリーバルブにおいて、
前記駆動軸は、前記回転体の中心から突設される第1軸と、前記ハウジングの他端側に回転自在に支持される第2軸とに分割され、
前記第1軸と前記第2軸とは、回転力を伝達しスラスト力を伝達しない面接触により連結されていることを特徴とするロータリーバルブ。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記固定部材を同心状に固定する第1ハウジングと、前記回転体を回転自在に保持するとともに、前記第2軸を回転自在に支持する第2ハンジングとからなり、
前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとが同心状に嵌合され、更に固定される請求項1に記載のロータリーバルブ。
【請求項3】
前記回転体は、第2ハウジングと前記第1軸との間に配設され、前記回転体に当接するスラスト軸受を介して、前記第2ハウジングに対して回転自在に支持され、
このスラスト軸受の中心軸周りに、前記回転体を前記固定部材に向けて押圧するスプリングが配設されている請求項2に記載のロータリーバルブ。
【請求項4】
前記第2ハウジングは、前記スプリングを保持するとともに、前記スラスト軸受の外周を支持するホルダーを有する請求項3に記載のロータリーバルブ。
【請求項5】
前記複数の第2ポートに対応する複数種類の液体をそれぞれ各第2ポートに供給し、前記第2ポートのうち選択された一つからの液体が前記第1ポートから送出されるようにした請求項1に記載のロータリーバルブ。
【請求項6】
ロータリーバルブと駆動部とを継手を介して連結し、前記駆動部にロータリーエンコーダが取り付けられたロータリーバルブ組立体であって、
前記ロータリーバルブは、
ハウジングと、
中心に位置する第1ポート及び前記中心の周りに位置する複数の第2ポートを有し、前記ハウジングの一端側に固定される固定部材と、
前記第1ポートと前記第2ポートのうち選択された一つとを連通させる溝を有し、前記ハウジングの途中に、前記固定部材の前記中心に一致するように回転可能に支持されると共に前記固定部材に対して押圧状態で保持される回転体と、
前記ハウジングの他端側に回転自在に支持され、前記回転体を回転させる駆動軸とを具備し、
前記駆動軸は、前記回転体の中心から突設される第1軸と、前記ハウジングの他端側に回転自在に支持される第2軸とに分割され、
前記第1軸と前記第2軸とは、回転力を伝達しスラスト力を伝達しない面接触により連結されてなることを特徴とするロータリーバルブ組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−85496(P2007−85496A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−277181(P2005−277181)
【出願日】平成17年9月26日(2005.9.26)
【出願人】(000166247)古野電気株式会社 (441)
【Fターム(参考)】