説明

ワークの曲げ角度検出装置およびワークの曲げ加工機

【課題】上金型と下金型との協働によってワークの曲げ加工を行う曲げ加工機におけるワークの曲げ角度検出装置において、ワークの曲げ角度を精度よく測定することができるワークの曲げ角度検出装置を提供する。
【解決手段】上金型Pと下金型Dとの協働によってワークWの曲げ加工を行う曲げ加工機1に用いるワークWの曲げ角度検出装置2において、筐体9を備えこの筐体9が前記下金型Dの被接触部に接触し固定された状態で、前記ワークWの曲げ角度を検出可能な検出器本体3を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークの曲げ角度検出装置等に係り、特に、金型の側面を用いてワークの曲げ角度を測定するワークの曲げ角度検出装置、ワークの曲げ加工機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パンチとダイとの協働により曲げ加工されたワークの曲げ角度を測定する際に、ダイの幅方向の両側に各々設けられている検出器本体からシリンダ部を上方へ移動させて所定位置をワークの直線部分に当接せしめ、同時に前記シリンダ部において上方へ付勢されて上下移動可能に設けられている接触子をワークの直線部分に当接せしめ、この時の接触子の高さ位置を測長器により検出せしめて、前記所定部分と接触子の接触点までの高さの差および水平距離からワークの曲げ角度を検出するワークの曲げ加工装置が知られている(たとえば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−121215号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、前記従来のワークの曲げ加工装置では、ダイを下テーブル上端部に装着するためのダイ保持部材(ダイホルダ)上面におけるダイの幅方向の両側で、ダイの長手方向にガイドレールを各々設け、前記各ガイドレールに沿ってダイの長手方向に移動自在のスライダが設けられていると共に、これらのスライダの上に検出器本体が各々設けられているので、たとえば前記ガイドレールの真直精度が悪くなっていると、前記検出器本体がうねって移動する(たとえば、前記検出器本体の移動方向に延びた軸を中心にして僅かに回動するようにうねって移動する)ことになり、ワークの曲げ角度を精度よく測定することができない場合があるという問題がある。
【0004】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、上金型と下金型との協働によってワークの曲げ加工を行う曲げ加工機におけるワークの曲げ角度検出装置において、ワークの曲げ角度を精度よく測定することができるワークの曲げ角度検出装置を提供することを目的とする。また、前記ワークの曲げ角度検出装置を用いたワークの曲げ角度検出システム、ワークの曲げ加工機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、上金型と下金型との協働によってワークの曲げ加工を行う曲げ加工機に用いるワークの曲げ角度検出装置において、筐体を備え、この筐体が前記上金型もしくは前記下金型の被接触部に接触し固定された状態で、前記ワークの曲げ角度を検出可能な検出器本体を有するワークの曲げ角度検出装置である。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のワークの曲げ角度検出装置において、前記被接触部に前記検出器本体の筐体が接触し固定されているときの前記検出器本体の位置と、前記検出器本体が前記金型から最も離れたときの前記検出器本体の位置との間で、前記検出器本体を移動することが可能な第1の移動手段と、前記第1の移動手段によって前記検出器本体が前記金型から離れているときに、前記検出器本体を、前記ワークの曲げ線の方向に移動可能な第2の移動手段とを有するワークの曲げ角度検出装置である。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のワークの曲げ角度検出装置において、前記被接触部は、前記下金型の側面に形成されており、前記第1の移動手段は、前記検出器本体が前記下金型から最も離れている下方の離反位置から、前記被接触部に前記検出器本体の筐体が接触し固定される上方の接触位置へ、前記検出器本体を斜めに移動する手段であると共に、前記下方の離反位置側では、前記検出器本体を直線的に移動し、前記上方の接触位置側では、前記検出器本体が上昇する割合よりも前記検出器本体が水平方向で前記被接触部へ近づく割合が大きくなるように、前記検出器本体を移動する手段であるワークの曲げ角度検出装置である。
【0008】
請求項4に記載の発明は、製品情報に基づいてワークの曲げ順を決定する曲げ順決定手段と、前記製品情報に基づいて前記ワークの曲げに使用する金型を決定する金型決定手段と、前記製品情報に基づいて前記ワークの曲げに使用する金型のレイアウトを決定する金型レイアウト決定手段と、前記金型レイアウト決定手段で決定された金型の設置位置に対する、前記曲げ順決定手段で決定された前記ワークの曲げ順毎の前記ワークの位置を、ワーク位置情報として算出するワーク位置算出手段と、前記ワークの曲げ角度の検出位置を、前記曲げ順決定手段で決定された前記ワークの曲げ順毎に決定する角度検出位置決定手段とを有するワークの曲げ加工機である。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のワークの曲げ加工機において、前記ワークの曲げ加工を行うときに、前記ワークの曲げ線の延伸方向における前記ワークの位置をナビゲートするナビゲート手段を有するワークの曲げ加工機である。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項4または請求項5に記載のワークの曲げ加工機において、前記ワークの曲げ角度の検出を行うワークの曲げ角度検出装置が複数設けられており、前記各ワーク曲げ角度検出装置は、それぞれが独立して移動位置決め可能なように構成されていると共に、前記角度検出位置決定手段は、前記製品情報に基づいて、使用される前記ワーク曲げ角度検出装置の数量と位置とを決定するように構成されているワークの曲げ加工機である。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載のワークの曲げ加工機において、前記ワークの曲げ加工機のラムを起動するためのフットスイッチを備え、このフットスイッチは、前記ワーク位置算出手段で算出されたワークの位置に基づいて、移動位置決めされるように構成されているワークの曲げ加工機である。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項4〜請求項7のいずれか1項に記載のワークの曲げ加工機において、前記ワークの曲げ角度の検出を行うワークの曲げ角度検出装置は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載されたワークの曲げ角度検出装置であるワークの曲げ加工機である。
【0013】
請求項9に記載の発明は、請求項4〜請求項8のいずれか1項に記載のワークの曲げ加工機において、上金型を設置するための上テーブル、下金型を設置するための下テーブルの少なくともいずれかのテーブルには、クラウニング手段が複数設けられているワークの曲げ加工機である。
【発明の効果】
【0014】
請求項1〜請求項3に記載の発明によれば、ワークの曲げ角度を精度良く測定することができるという効果を奏する。
【0015】
また、請求項4〜請求項9に記載の発明によれば、効率良く製品を得ることができるワークの曲げ加工機を提供することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
[第1の実施形態]
まず、理解を容易にするために、ワークの曲げ加工機(プレスブレーキ)101の全体構成について概略的に説明する。
【0017】
図1は、下金型Dの長手方向から、ワーク曲げ加工機101の下金型Dやワークの曲げ角度検出装置(以下単に「曲げ角度検出装置」という場合がある。)2が設置されている部位を眺めた図である。
【0018】
ワークの曲げ加工機(以下、単に「曲げ加工機」という場合がある。)101は、図22に示すように、サイドフレームの上部側に上テーブル(ラム)110を備え、下部側に下テーブル105を備えている。上テーブル110の下側には、パンチホルダ106を介して上金型(パンチ)Pが装着され、下テーブル105の上側には、ダイホルダ107を介して下金型(ダイ)Dが装着されるようになっている。
【0019】
そして、上金型Pと下金型Dとの協働によって、薄い板状のワークWの曲げ加工を行うものである。すなわち、たとえば、図26に示す制御装置(ワーク曲げ加工機101全体を制御する制御装置)201の制御の下、上テーブル110をサイドフレーム108に対して油圧シリンダやサーボモータ等のアクチュエータ202を用いて移動し、前記上金型Pを前記下金型Dに対して移動し上金型Pと下金型Dとを互いに接近させることによって、薄い板状のワークWに曲げ加工を行うものである。
【0020】
ところで、前記曲げ加工機101においては、上金型Pは上方に位置し、下金型Dは下方に位置し、ワークWの曲げ線は、水平方向に延伸している。
【0021】
なお、前記曲げ加工機101では、下金型Dを固定し上金型Pのみを移動してワークWに折り曲げ加工を行うようになっているが、上金型Pを固定し下金型Dのみを移動してワークWに折り曲げを行うようにしてもよいし、上金型P下金型Dの両方を移動してワークWに折り曲げを行うようにしてもよい。すなわち、互いに離反している上金型Pと下金型Dとを互いに接近させてワークWに折り曲げを施すようになっていればよい。
【0022】
さらに、ワークWの曲げ線が鉛直方向やその他の方向(たとえば斜めの方向)に延伸するように、前記上金型Pや下金型Dを配置し、折り曲げ加工を行うようにしてもよい。
【0023】
また、曲げ加工機101では、オペレータがワークWを持って、ワークWへの曲げ加工を行うようになっている。
【0024】
ここで、説明の便宜のために、水平方向の一方向であって曲げ加工機101でワークWを折り曲げる際にワークWの折曲げ線が延伸する方向をx軸方向という場合がある。このx軸方向は、金型P、Dの長手方向と同じ方向であり、曲げ加工機101の左右方向であるともいえる。
【0025】
また、水平方向の他の一方向であって、前記x軸方向と直交する方向をy軸方向という場合がある。このy軸方向は、金型P、Dの幅方向と同じ方向であり、曲げ加工機101の前後方向であるともいえる。
【0026】
さらに、上下方向をz軸方向という場合がある。
【0027】
前記ワーク曲げ加工機101に用いられる曲げ角度検出装置102には、検出器本体103が設けられている。
【0028】
前記検出器本体103は、筐体109を備えている。そして、この筐体109が前記曲げ加工を行う前記各金型P、Dの部位近傍に存在する前記下金型Dの被接触部(所定の部位に形成される被接触部)に接触し固定された状態で、前記検出器本体103が、前記ワークWの曲げ角度を検出するようになっている。
【0029】
前記検出器本体103は、前記ワークWの曲げ線の方向で離れている少なくとも2つの被接触部で前記下金型Dに接触し固定され、または、前記ワークWの曲げ線の方向に並んで前記曲げ加工機101に設置された各下金型(金型レイアウトを構成している各下金型)の被接触部に接触し固定され、前記ワークWの曲げ角度を検出可能なようになっている。
【0030】
前記曲げ角度検出装置102についてより詳しく説明する。
【0031】
前記曲げ角度検出装置102は、前記各金型P、Dの幅方向の両側に設けられ、ワークの曲げ角度検出システム104を構成している。ここでは、前記下金型Dの幅方向の一方の側であるオペレータ側に設けられたワークの曲げ角度検出装置102について説明する。
【0032】
前記ワークの曲げ角度検出装置102には、第1の移動手段111が設けられている。この第1の移動手段111によって、前記下金型Dの前記被接触部に前記検出器本体103の筐体109が接触し固定されているときの前記検出器本体103の位置PS1と、前記検出器本体103が前記下金型Dから最も離れたときの前記検出器本体103の位置PS3との間で、前記検出器本体103を移動することが可能になっている。
【0033】
なお、前記被接触部に前記検出器本体103の筐体109が接触している状態では、前記第1の移動手段111によって前記検出器本体103の筐体109が前記被接触部に押圧され、前記検出器本体103の筐体109が前記被接触部に対して移動できないようになっている。
【0034】
また、前記ワークの曲げ角度検出装置102には、前記第1の移動手段111によって前記検出器本体103が前記下金型Dから最も離れているときに(位置PS3のところの位置しているときに)、前記被接触部とは異なる他の被接触部に、前記検出器本体103の筐体109を接触させ固定すべく、前記検出器本体103を、前記ワークWの曲げ線の方向(前記下金型Dの長手方向の成分を含む方向であってもよい)に移動可能な第2の移動手段113が設けられている。
【0035】
前記ワークの曲げ角度検出装置102では、曲げ加工機101に1組の金型を設置しワークWに対して曲げ加工を行っているときに、前記ワークWの曲げ線の方向に前記第2の移動手段113を用いて検出器本体103を移動し、前記1組の金型に形成され前記ワークWの曲げ線の方向で離れている少なくとも2つの被接触部(下金型Dに形成されている被接触部)に、前記検出器本体103を接触し固定して、前記ワークWの曲げ角度を測定している。
【0036】
なお、1組の金型を使用するのではなく、ワークWの曲げ線の方向に複数の金型のセット(下金型と上金型のセット)を配置して(セット金型を配置して)金型レイアウトを構成し、前記ワークWの曲げ線の方向に前記第2の移動手段113を用いて前記検出器本体103を移動し、前記金型レイアウトを構成している各下金型の被接触部に前記検出器本体103を接触し固定して、前記各金型毎(セット金型毎)に、前記ワークWの曲げ角度を測定するようにしてもよい。
【0037】
前記金型レイアウトは、1つのワークWに対して複数の曲げ加工を施す等複雑な曲げ加工を施す場合に、使用されるものである。
【0038】
前記ワークの曲げ角度検出装置102についてさらに詳しく説明する。
【0039】
図2は、オペレータ側に設けられたワークの曲げ角度検出装置102の概略構成を示す斜視図であり、図3は、図2におけるIII矢視を示す図である。
【0040】
オペレータ側に設けられたワークの曲げ角度検出装置102を構成している検出器本体103の筐体109が接触する被接触部は、前記下金型Dの側面(鉛直方向と前記下金型Dの長手方向に展開している面)の上部に形成されている。
【0041】
前記第1の移動手段111は、前記検出器本体103が前記下金型Dから最も離れている下方の離反位置PS3から、前記被接触部に前記検出器本体103の筐体109が接触し固定される上方の接触位置PS1へ、前記検出器本体103を斜めに移動するものである。
【0042】
また、前記第1の移動手段111は、前記下方の離反位置PS3側では、前記検出器本体103を前記上方の位置PS1の方向に向かって斜め上方に直線的に移動し、前記上方の接触位置PS1側では、前記検出器本体103が上昇する割合よりも前記検出器本体103が水平方向で前記被接触部へ近づく割合が大きくなるように前記検出器本体103を移動するようになっており、さらには、前記接触位置PS1の近傍では、ほぼ水平方向に前記検出器本体103を移動するようになっている(図1参照)。
【0043】
前記第1の移動手段111についてより詳しく説明する。
【0044】
前記第1の移動手段111は、図2に示すように、前記第2の移動手段113によって前記ワークWの曲げ線の延伸方向(x軸方向)へ移動自在な移動部材115に対し、前記ワークWの曲げ線に対して平行に延伸している(前記x軸方向に延伸している)軸CL1を中心にして回動自在なベース部材117を備えている。
【0045】
また、前記第1の移動手段111には、支持部材119が設けられている。
【0046】
前記支持部材119は、長い棒状に形成されており、この支持部材119の長手方向の一端部側では、前記検出器本体103の筐体109が、前記ワークWの曲げ線に対して平行に延伸している(前記x軸方向に延伸している)軸CL3を中心にして回動自在に支持されている。
【0047】
また、前記支持部材119は、前記検出器本体103を前記下金型Dに接近させもしくは前記下金型Dから離すべく前記ベース部材117に対し前記支持部材119の長手方向に直線的に移動自在になっている。なお、前記支持部材119の長手方向の軸は、前記ワークWの曲げ線に対して垂直な平面上に存在している。
【0048】
前記支持部材119の長手方向の他端部側には、円柱形状のローラ121が設けられている。このローラ121は、前記ワークWの曲げ線に対して平行に延伸している(前記x軸方向に延伸している)軸CL5を中心にして前記支持部材119に対して回動自在になっている。
【0049】
前記移動部材115には、ローラガイド部材123が一体的に設けられている。このローラガイド部材123は、前記ローラ121の外周部と接触しころがり待遇をなしている。そして、前記下方の離反位置PS3側では前記検出器本体103を直線的に移動させ前記上方の接触位置PS1側では前記検出器本体103が上昇する割合よりも前記検出器本体103が水平方向で前記被接触部位へ近づく割合が大きくなるように前記検出器本体103を移動させるべく、前記支持部材119をガイドするものである。
【0050】
また、前記第1の移動手段111には、前記支持部材119の位置にかかわらず、前記ローラ121が前記ローラガイド部材123に接触するように、前記支持部材119を付勢する付勢手段125が設けられている。この付勢手段125は、たとえば圧縮コイルバネ127で構成されており、前記移動部材115と前記支持部材119との間で前記支持部材119を付勢するようになっている。
【0051】
より詳しく説明すると、前記支持部材119は、この長手方向の中間部でリニアベアリング(図示せず)を介して前記ベース部材117に対して直線的に移動自在に支持されている。前記圧縮コイルバネ127は、前記支持部材119の他端部(前記ローラ121が設けられている端部)と、前記リニアベアリングで支持されている部位との間で、前記支持部材119を一方向へ付勢している。この付勢によって前記ベース部材117の回動中心軸CL1を回動中心にして前記支持部材119に回転モーメント(x軸方向に延びた軸を中心にしたモーメント)がかかり、前記ローラ121が前記ローラガイド部材123に付勢され接触するようになっている。
【0052】
さらに、前記ローラガイド部材123の、前記ローラ121の外周に接触して前記ローラ121をガイドするガイド部位129は、前記圧縮コイルバネ127で付勢されている部位から離れたところ(下方側)では、直線状に形成されており(図3の部位129Aを参照)、前記圧縮コイルバネ127で付勢されている部位の近傍(上方側)では、前記直線状部位とつながって凹状に形成されている(図3の部位129Bを参照)ことにより、前記離反位置PS3側では前記検出器本体103が直線的に移動し、前記接触位置PS1側では前記検出器本体103が上昇する割合よりも前記検出器本体103が水平方向で前記被接触部位へ近づく割合が大きくなるように前記検出器本体103が移動する。
【0053】
また、前記第1の移動手段111には、前記支持部材119を移動するためのアクチュエータが設けられている。
【0054】
前記アクチュエータは、空気圧シリンダ等の流体圧シリンダ131で構成されている。この流体圧シリンダ131の長手方向と前記支持部材119の長手方向とが互いにほぼ一致するように、前記流体圧シリンダ131の筐体131Aが前記ベース部材117に一体的に設けられていることにより、前記ベース部材117(前記支持部材119)と同じ軸CL1を回動中心にして、前記流体圧シリンダ131が回動するようになっている。前記流体圧シリンダ131のピストンロッド131Bの先端部側の部位は、前記支持部材119の一端部側の部位で前記支持部材119に一体的に接続されている。
【0055】
なお、前記ローラガイド部材123は、薄い板状の素材を折り曲げ加工等することにより形成されており、前記流体圧シリンダ131等を覆うカバーを兼ねている。
【0056】
前記第2の移動手段113は、x軸方向に長く延びて前記ダイホルダ107に一体的に設けられたレール133と、このレール133に対して移動自在に係合しているベアリング135とを備え、このベアリング135に、前記移動部材115が一体的に設けられている。
【0057】
また、前記ベアリング135や前記移動部材115は、図示しないアクチュエータ(モータや流体圧シリンダ等)によって、x軸方向に移動位置決め自在になっている。
【0058】
次に、前記検出器本体103について詳しく説明する。
【0059】
図4は、検出器本体103の概略構成を示す図であり、前記検出器本体103をx軸方向から眺めた図である。
【0060】
図5は、図4におけるIV矢視を示す図である。
【0061】
前記検出器本体103は、前記筐体109に対して直線的に移動する2つの接触子137、139を備えており、これらの各接触子137、139が前記筐体109に対して相対的に移動して前記ワークWに接触し、この接触したときにおける前記各接触子137、139間の変位量に基づいて、前記ワークWの曲げ角度を検出するように構成されている。
【0062】
より詳しく説明すると、前記検出器本体103は、概観が直方体状に形成された筐体109を備えている。前記筐体109は、この幅方向が前記下金型Dの長手方向とほぼ一致するように設けられている。
【0063】
前記筐体109は、この厚さ方向(下金型Dに接触したときに前記ダイの幅方向と一致する方向)の一端部側で、前述したように前記支持部材119に回動自在に支持されている。また、前記筐体109の厚さ方向の他端部側の面には、前記下金型Dの被接触部に接触する接触面141が設けられている、この接触面141は、前記筐体109の長手方向(下金型ダイDに接触したときに前記ダイの高さ方向と一致する方向)の上側と下側とに設けられている。換言すれば、前記接触面141の上下方向の中間部には凹部が形成されている。したがって、前記第1の移動手段111によって前記検出器本体103が前記被接触部に接触した場合、安定した状態で、前記検出器本体103の筐体109が前記被接触部に接触する。なお、前記接触面141は、前記筐体109の幅方向の両端部側でも分かれて形成されている。
【0064】
前記筐体109の内部には、第1の接触子137が前記筐体109に対して前記筐体109の長手方向へ移動自在に設けられている。また、前記筐体109の内部には、第2の接触子139が前記第1の接触子137と同様に前記筐体109に対して前記筐体109の長手方向へ移動自在に設けられている。前記各接触子137、139は、前記筐体109の厚さ方向に並んで設けられており、前記第1の接触子137が前記筐体109の厚さ方向の一端部側(前記支持部材119が係合している側)に配置され、前記第2の接触子139が、前記筐体109の厚さ方向の他端部側(下金型Dに接触する側)に配置されている。
【0065】
より詳しく説明すると、前記第1の接触子137は、前記筐体109の内壁に一体的に設けられている第1のリニアベアリングに対して移動自在に係合している第1のレールで構成されており、前記第2の接触子139は、前記第1の接触子に対して一体的に設けられている第2のリニアベアリングに対して移動自在に係合している第2のレールで構成されていることにより、前記各接触子137、139は、前記筐体109に対して移動自在になっている。
【0066】
また、前記筐体109と前記第1の接触子137との間には、弾性体の例である第1の圧縮コイルバネ143が設けられており、前記第1の接触子137が前記筐体109の上方部から突出するように、前記第1の接触子137を付勢している。
【0067】
さらに、前記第1の接触子137と前記第2の接触子139との間には、弾性体の例である第2の圧縮コイルバネ145が設けられており、前記第2の接触子139が前記筐体109の上方部から突出するように、前記第2の接触子139を付勢している。なお、前記第1の圧縮コイルバネ143のバネ定数は前記第2の圧縮コイルバネ145のバネ定数よりも大きくなっている。
【0068】
また、前記第1の接触子137と前記第2の接触子139との間には、前記第1の接触子137と前記第2の接触子139との間の相対的な位置関係を測定可能な測定手段の例であるリニアスケール147が設けられている。
【0069】
そして、図4に示すように、検出器本体103の筐体109が、前記下金型Dに接触したときに、前記筐体109の長手方向が上下方向になり、前記筐体109の厚さ方向が前記下金型Dの幅方向になり、前記筐体109の幅方向が前記下金型Dの長手方向になると共に、前記各接触子137、139の先端部がワークWに接触し、ワークWに押されて前記筐体109内の方向(下方向)に移動するようになっている。
【0070】
そして、図4に二点鎖線で示すように前記ワークWが折り曲げられると、前記第1の接触子137の上端の肩部と前記第2の接触子139の上端の肩部とが前記ワークWに接触し、前記第1の接触子137に対する前記第2の接触子139の移動量L1が前記リニアスケール147によって測定される。
【0071】
前記移動量L1は、たとえば、前記第1の接触子137の上端の肩部と前記第2の接触子139の状態の肩部とが同じ高さに存在しているときを「0」とし、前記第1の接触子137の上端の肩部の高さ(筐体109の上端からの高さ)L3から、前記第1の接触子137の上端の肩部よりも下方に位置している前記第2の接触子139の肩部の高さ(筐体109の上端からの高さ)L5を引くことによって求められる。
【0072】
なお、たとえば、前記第1の接触子137を構成している第1のレールと前記第2のベアリングとの間に絶縁体(図示せず)を挟み込むことによって、前記各接触子137、139がワークWに接触していない状態では、前記各接触子同士137、139が互いに電気的に絶縁されているようにし、鋼等の金属材料で構成されたワークWに前記各接触子137、139が接触し前記各接触子137、139が互いに電気的に導通したときをトリガーとして、前記第1の接触子137に対する前記第2の接触子139の移動量(高さの差)が測定されるようにしてもよい。
【0073】
ここで、前記各接触子137、139間の距離(前記筐体109の厚さ方向における距離)L7は、既知であるので、前記各接触子137、139間の距離と前記第1の接触子137に対する前記第2の接触子139の移動量L1とにより、ワークWの曲げ角度θ11が、次の式f1によって求められる(式f1;θ11=arctan(L1/L7)。
【0074】
ところで、前記検出器本体103は2つの接触子を備えているが、3つ以上の接触子を備えていてもよい。換言すれば少なくとも2つの接触子を備えていればよい。そして、各接触子のうちの少なくとも2つの接触子間の変位量に基づいて、前記ワークWの曲げ角度を検出するように構成してもよい。
【0075】
また、前記第1の接触子137と前記第2の接触子139との間に設けられている圧縮コイルバネ145を削除し、代わりに前記筐体109と前記第2の接触子139と間に圧縮コイルバネを設け、前記第2の接触子139を付勢してもよく、また、前記筐体109に対する前記第1の接触子137の位置を1つ目のリニアスケールで測定し、前記筐体109に対する前記第2の接触子139の位置を2つ目のリニアスケールで測定し、前記1つの目のリニアスケールの測定置と前記2つ目のリニアスケールの測定値との差を用いて、前記第1の接触子137に対する前記第2の接触子139の移動量を求めてもよい。
【0076】
ここまで、オペレータ側に設けられたワークの曲げ角度検出装置102について説明したが、前述したように、前記曲げ加工機101のバックゲージ側(反オペレータ側)には、オペレータ側に設けられた前記ワークの曲げ角度検出装置102と同様に構成されたワークの曲げ角度検出装置102が設けられている(図2参照)。
【0077】
ただし、前記下金型Dの幅方向の一方の側であるオペレータ側に設けられたワークの曲げ角度検出装置102のオペレータ側検出器本体103を移動する前記第1の移動手段111は、前記下金型Dの幅方向の他方の側であるバックゲージ側に設けられたワークの曲げ角度検出装置102のバックゲージ側検出器本体103を移動する前記第1の移動手段111よりも、急勾配で前記検出器本体103を移動するように構成されている。
【0078】
換言すれば、図2に示すように、前記下金型Dの幅方向の一方の側であるバックゲージ側に設けられたバックゲージ側検出器本体103が前記下金型Dから最も離れたときの前記検出器本体103の筐体109の位置が、前記下金型Dの幅方向の他方の側であるオペレータ側に設けられたオペレータ側検出器本体103が前記下金型Dから最も離れたときの検出器本体103の筐体109の位置よりも、前記下金型Dの幅方向で前記下金型Dから離れた位置にあるように構成されている。
【0079】
前記バックゲージ側検出器本体103が前記下金型Dの被接触部位に接触しているときの前記検出器本体103の筐体109の位置と、前記オペレータ側検出器本体103が前記下金型Dの被接触部位に接触しているときの前記検出器本体103の筐体109の位置とは、高さ方向においてほぼ同じ位置になるように構成されている。
【0080】
また、前述したように、オペレータ側検出器本体103で求めたワークWの曲げ角度θ11と、バックゲージ側検出器本体103で求めたワークWの曲げ角度θ13とにより、ワークの実際の曲げ角度θ15を求めることができる(図4参照)。前記曲げ角度θ15は、次に示す式f3によって求められる(式f3;θ15=180°−θ11−θ13
次に、前記曲げ加工機101の動作について説明する。
【0081】
前記曲げ加工機101や曲げ角度検出装置102は、前記制御装置の制御の下で動作する。
【0082】
図6、図7は、前記曲げ加工機101の動作を示すフローチャートである。
【0083】
ここでは、金型レイアウトを用いて、ワークWを曲げる場合の動作を説明する。
【0084】
まず、ステップS101では、CAD情報を用いて、ワークWの曲げ順、金型、金型レイアウトを手動または自動にて決定し、各工程毎にD値(曲げ加工するときのダイDとパンチPとの間の距離)とL値(ワークWを突き当てるバックゲージの位置)を手動または自動にて算出する。
【0085】
ステップS103では、各曲げ工程毎に、所定加工位置(金型ステーションのワークWの位置)への曲げ角度検出装置102の位置を決定する。すなわち、ワークWの曲げ線の方向に存在している前記被接触部の位置を決定する。
【0086】
ステップS105では、段取り終了後加工が開始され、ステップS107では、ステップS103にて決定している位置へ、前記第2の移動手段113によって、検出器本体103を移動する。
【0087】
ステップS109では、ラム(上テーブル)が下降を開始し、ステップS111ではパンチPとワークWの上面とが互いに接触したか否か(パンチPがピンチングポイントまで下降したか否か)を、たとえば、前記ラムの位置を検出可能なリニアセンサ(図示せず)によって検出し判断する。
【0088】
ステップS111で、パンチPがピンチングポイントまで下降したと判断した場合には、ステップS113で、ラムの下降を一時停止する。
【0089】
ステップS115では、前記第1の移動手段111の流体圧シリンダ(たとえばエアーシリンダ)131をオンし、ピストンロッド131BをダイDの方向へ伸張させ、前記検出器本体103の筐体109を前記ダイDの被接触部に接触させて、前記筐体109を固定する。
【0090】
なお、ピストンロッド131BをダイDの方向へ伸張すると、前記支持部材119は、前記検出器本体103が下方の離反位置PS3側にあるときには前記移動部材115に対して斜め上方に直線的に移動し、前記検出器本体103が上方の接触位置PS1側にあるときには前記移動部材115に対して斜め上方に直線的に移動すると共に前記中心軸CL1を回動中心にして前記検出器本体103を支持している側が下方に移動するように旋回する。
【0091】
また、前記検出器本体103は、筐体109が前記下金型Dの側面に接触する際、前記中心軸CL3を回動中心にして前記支持部材119に対して回動し前記下金型Dの側面にならう。
【0092】
ステップS117では、ラムの再下降が開始され、ワークWの曲げ下降が開始される。前記各接触子137、139が前記ワークWの曲げに追従する。
【0093】
ステップS119では、ラムの位置が所定のD値になったか否かを検出し、ラムの位置が所定のD値になったときには、ステップS121で、前記検出器本体103を用いて前記ワークWの曲げ角度を検出する。
【0094】
ステップS123では、ワークWの曲げ角度が所定の値になったか否かを検出し、所定の曲げ角度になっていない場合には、ステップS125にて、D値を補正し、ステップS117に戻り、所定の曲げ角度になった場合には、ステップS127に至る。
【0095】
ステップS127では、ラムの下降を停止し、ラムを上昇させている。そして次の他の金型により前記ワークWの曲げ加工が行われる場合には、ステップS103に戻り、次の他の金型により前記ワークWの曲げ加工を行わない場合は、前記ワークWへの曲げ加工を終了する。
【0096】
なお、前記動作では、ダイDの幅方向の両側に設けられている各曲げ角度検出装置102を用いてワークWの曲げ角度を検出しているものとする。
【0097】
すなわち、前記ステップS115〜S125に示す動作では、第1の検出器本体(オペレータ側曲げ角度検出装置102の検出器本体103の筐体109を、前記曲げ加工を行う前記各金型の部位近傍に存在する前記前記下金型Dの一方の側の側面に接触し固定して、前記ワークWの一方の側の曲げ角度を検出すると共に、第2の検出器本体(バックゲージ側曲げ角度検出装置102の検出器本体103)の筐体109を、前記曲げ加工を行う前記各金型の部位近傍に存在する前記下金型Dの他方の側の側面に接触し固定して、前記ワークWの他方の側の曲げ角度を検出している。
【0098】
続いて、前記曲げ角度の検出結果により、前記ワークWの曲げ角度を測定し、前記測定された前記ワークWの曲げ角度に応じて、前記下金型Dと前記上金型Pとの間の距離(D値)を補正している。
【0099】
ところで、前記動作では、金型レイアウトを用いてワークを曲げる場合について説明したが、1組の金型を用いて、ワークWを曲げ、ワークWの曲げ線方向でワークWの曲げ角度を検出するようにしてもよい。
【0100】
この場合、前記ステップS119において、ワークの曲げ線の方向で離れた複数の被接触部(1つの下金型に形成されている被接触部)に、検出器本体103の筐体109を接触させて、ワークWの曲げ角度を検出すればよい。
【0101】
曲げ加工機101によれば、検出器本体103の筐体109が、前記曲げ加工を行う前記各金型の部位近傍に存在する前記下金型Dの被接触部に接触し固定された状態で、前記ワークWの曲げ角度を検出するので、ワークWの曲げ角度を精度よく測定することができる。
【0102】
より詳しく説明すると、前記被接触部が存在している前記下金型Dの側面は、前記ワークWに接触して折曲げを行う下金型の「V」字状の部位をたとえば研削加工によって形成する際の加工基準になるので、前記「V」字状の部位に対する位置精度が良くなっており、この精度が良くなっている前記下金型Dの側面に検出器本体103の筐体109が接触してワークWの曲げ角度を測定するので、ワークWの曲げ角度を精度よく測定することができる。
【0103】
また、曲げ加工機101によれば、前記検出器本体103が、前記ワークWの曲げ線の方向で離れている少なくとも2つの被接触部で下金型Dに接触し固定されて、ワークWの曲げ角度を測定し、または、前記検出器本体103が、前記ワークWの曲げ線の方向に並んで前記曲げ加工機101に設置された各下金型Dの被接触部に接触し固定されて、ワークWの曲げ角度を測定するので、すなわち、検出器本体103の筐体109が精度良く加工されている下金型Dの側面に接触し固定された状態でワークWの曲げ角度を測定するので、従来のように、ガイドレールの精度が良くない等の理由により、前記検出器本体103がワークWの曲げ線の方向に精度良く移動できない場合であっても、曲げ角度検出装置102の構成を煩雑にすることなく、ワークWの曲げ角度を精度よく測定することができる。
【0104】
また、曲げ加工機101によれば、前記第1の移動手段111は、前記下方の離反位置PS3側では、前記検出器本体103を直線的に移動し、前記上方の接触位置PS1側では、前記検出器本体103が上昇する割合よりも前記検出器本体103が水平方向で前記被接触部へ近づく割合が大きくなるように、前記検出器本体103を移動するようになっているので、下金型Dやダイホルダ107との干渉を避けつつ検出器本体103を移動することができる。また、前記接触位置PS1の近傍でほぼ水平方向に前記検出器本体103を移動するようにすれば、下金型Dの幅が変化しても、ほぼ同じ高さの部位(下金型Dの側面の部位)に検出器本体103の筐体109を接触させてワークWの曲げ角度を検出することができるので、下金型Dの幅にかかわらずワークWの曲げ角度を正確に測定することができる。
【0105】
さらに、曲げ加工機101によれば、ワークWの曲げ角度検出装置を、前記金型P、Dの幅方向の両側に備えているので、前述したように、ワークWの実際の曲げ角度θ15を求めることができる。
【0106】
また、曲げ加工機101によれば、オペレータ側検出器本体103が、バックゲージ側検出器本体103よりも、急勾配で移動するように構成されているので、曲げ加工機の形態や使い勝手に合せて検出器本体103を的確に移動することができる。
【0107】
すなわち、オペレータ側では、検出器本体103を急勾配で移動させているので、オペレータ側の曲げ角度検出装置102がオペレータ側に突出する量を小さくすることができ、使い勝手がよくなる。
【0108】
一方、バックゲージ側では、下金型Dを保持するための保持機構149がダイホルダ107の側部に設けられているので(図2参照)、前記保持機構149との干渉を避けつつ、検出器本体103を移動させることができる。
【0109】
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係る曲げ加工機は、検出器本体が、光を用いて前記ワークWとは被接触の状態で前記ワークWクの曲げ角度を検出するように構成されている点が、前記第1の実施形態に係る曲げ加工機101とは異なり、その他の点は、前記第1の実施形態に係る曲げ加工機101とほぼ同様に構成されほぼ同様に効果を奏する。
【0110】
ここで、第2の実施形態に係る検出器本体4について説明する。
【0111】
図10には、曲げ角度検出装置102において、検出器本体4を構成するセンサヘッド3と筐体2とが示されている。前記筐体2は、前記第1の実施形態に係る曲げ加工機101の検出器本体103の筐体109とほぼ同様に構成され、支持部材19に回動自在に支持されている。
【0112】
図11(A)、(B)を参照するに、前記センサヘッド3の前面7の中央には、この前面7に直交する方向(垂直な方向)へ検出光であるレーザ光BMを発する光源である投光器9が設けられている。また、前記センサヘッド3の前面7において前記投光器9を挟んで等距離の位置に、光学センサである第一受光器11および第二受光器13が設けられている。すなわち、前記光源9と複数の光学センサ11、13は、光源9から照射されるレーザ光BMの光軸を含む同一平面内に配置してあり、センサヘッド3は上記平面内において(x軸方向に延びた軸RCを回動中心にして)、前記筐体19に対して回動可能に設けられている。
【0113】
なお、本例においては、光源9を間にして光学センサ11、13は等距離の対称位置に設けてあるが、上記光学センサ11、13は必ずしも対称位置に限るものではなく、光源9を間にして互に反対位置に位置し、光源9から各光学センサ11、13までの距離が予め知っていれば、各光学センサ11、13を利用してワークWの曲げ角度検出に使用し得るものである。
【0114】
図13を併せて参照するに、前述の回転軸RCは、投光器9から発せられるレーザ光BMの光軸と同軸上にあってこのレーザ光BMに直交し、且つこのレーザ光BMの光軸、投光器9、前記第一受光器11および第二受光器13を含む平面に垂直に設けてある。そして、センサヘッド3は、図示省略の駆動装置によりこのような回転軸RC回りに回動するようになっている。
【0115】
次に、図8を参照して、折曲げ機(曲げ加工機)用角度検出装置102の制御系統の機能構成について説明する。第一受光器11および第二受光器13は各々プリアンプ15、17を介して受光器切換スイッチ19に接続されており、この受光器切換スイッチ19により第一受光器11または第二受光器13からの受光信号が選択される。
【0116】
この選択された受光信号は、バンドパスフィルタ21により所定の幅の周波数の信号のみ通過させてアンプ23により増幅して同期読取回路25に入力される。
【0117】
この同期読取回路25では、投光器9からのレーザ光BMの投光との同期をはかって第一受光データメモリ27または第二受光データメモリ29に受光データをメモリし、この受光データに基づいてピーク値検出部31が受光信号のピーク値を検出して、回動角度検出器33がセンサヘッド3の回動角度を算出することにより、角度算出部35がワークWの折曲げ角度を求める。
【0118】
すなわち、プレスブレーキ等の折曲げ加工機(曲げ加工機)を制御する制御装置から曲げ加工が完了した旨の信号を受けると、計測制御部37は受光器切換スイッチ19に受光器選択信号を発して第一受光器11または第二受光器13を選択して、所定の回転角度だけセンサヘッド3を回転させることによりワンステップ駆動を行わしめ、同期読取回路25にワンステップ駆動完了信号を発して、受光データのサンプリングとセンサヘッド3の回動角度の同期をはかる。同期読取回路25の同期は変調器39での変調信号との同期である。
【0119】
次に、図11および図12を参照して、ワークWの曲げ角度2・θを検出する原理について説明する。
【0120】
図11(A)を参照するに、センサヘッド3が図に示されるように回動角度がθ1となる位置に回動すると、投光器9からワークWの表面に照射されたレーザ光BMが反射して、第一受光器11により受光される反射光量が最大になる。図11(B)を参照するに、同様にしてセンサヘッド3の回動角度がθ2となる位置に回動すると第二受光器13により受光されるレーザ光BMの反射光量が最大になる。なお、図11(A)(B)においては、基準となる角度が0度(すなわち水平)の場合について図示している。
【0121】
図12には、このときのセンサヘッド3の回動角度に対する反射光の受光量の変化が示されており、一般的にセンサヘッド3の傾き角度が基準角度θ(図11に示された例はθ=0度の場合である)に対して、反時計回り方向へθ1の時に第一受光器11による受光量が最大となり、またセンサヘッド3の傾き角度が基準角度θに対して時計回り方向へθ2の時に第二受光器13による受光量が最大となることがわかる。
【0122】
第一受光器11および第二受光器13は、前述のように投光器9から等距離に設けられているので、図12において第一受光器11の受光量が最大となる時のセンサヘッド3の水平位置(すなわち、θ=0)からの回動角度θ1と、第二受光器13の受光量が最大となる時のセンサヘッド3の水平位置からの回動角度θ2との中間位置において、レーザ光BMが折曲げ加工されたワークWに対して垂直に投光されることになる。これより、折曲げられたワークWの角度θは、θ=(θ1+θ2)/2より得られる。ここで、θ1およびθ2において、例えば時計回り方向を正に、反時計回り方向を負と採るものとする。
【0123】
次に、図9に図8および図13を併せて参照して、前述の角度検出装置102を用いてワークWの折り曲げ角度を求める方法の手順について説明する。
【0124】
まず、角度検出動作を開始すると(ステップSS)、曲げ加工中に図示省略の移動装置によりセンサヘッド3を曲げ線に平行に計測位置へ移動させる(ステップS1)。目標曲げ角度2・θに対してθ−α(図13参照)だけセンサヘッド3を回転軸RC回りに回転させて角度検出動作の準備をしておく(ステップS2)。ここで、目標曲げ角度θを設定する際に、スプリングバック量を考慮しておき、θ±αの間に確実にワークWが入るように設定しておく。
【0125】
曲げ加工が完了したら(ステップS3)、計測制御部37が第一受光器選択信号を受光器切換スイッチ19に出力して第一受光器11を選択する(ステップS4)。計測開始角度であるθ−α位置にあるセンサヘッド3を図示省略の回転駆動装置により時計回り方向へ所定の角度ごとにワンステップづつ回転させる(ステップS5)。このとき、計測制御部37から同期読取回路25へワンステップ駆動完了信号を発し、センサヘッド3の回転と同期して第一受光器11の受光量を計測して第一受光データメモリ27にデータを格納する(ステップS6)。
【0126】
センサヘッド3の回動角度がθ+αに達するまでステップ5以降の工程を繰り返し、θ+αに達したら(ステップS7)、計測制御部37が受光器切換スイッチ19に第二受光器選択信号を出力して第二受光器13を選択する(ステップS8)。ここで、αの値は投光器9と第一および第二受光器11、13との距離およびセンサヘッド3と測定するワークWとの距離等により設定されるが、例えば10度程度に設定される。
【0127】
第一受光器11による測定のためθ+α位置に回転移動したセンサヘッド3を回転駆動装置により反時計回り方向へ所定の角度ごとにワンステップづつ回転させる(ステップS9)。このとき、計測制御部37から同期読取回路25へワンステップ駆動完了信号を発し、センサヘッド3の回転と同期して第二受光器13の受光量を計測して第二受光データメモリ29にデータを格納する(ステップS10)。
【0128】
センサヘッド3の回動角度がθ−αに達するまで前記ステップ9以降の工程を繰り返し、θ−αに達したら(ステップS11)、第一受光データメモリ27に記憶されているデータ列から、ピーク値検出部31が第一受光器11による受光量のピーク値を検索する(ステップS12)。同様にして、第二受光データメモリ29に記憶されているデータ列から第二受光器による受光量のピーク値を検索する(ステップS13)。
【0129】
このようにして得られた第一受光器11のピーク値に対応するセンサヘッド3の角度θ1および第二受光器13のピーク値に対応するセンサヘッド3の角度θ2から、角度算出部35がワークWの折曲げ角度θを算出して(ステップS14)、角度検出動作を完了する(ステップSE)。
【0130】
また、前述の説明においては、第1の受光器11の受光量がピーク値を示したときのセンサヘッド3の回転位置と第2の受光器13の受光量がピーク値を示したときのセンサヘッド3の回転位置との中間位置を算出することによってワークWの折曲げ角度を検出しているが、第1、第2の受光器11、13の受光量が互に等しくなるセンサヘッド13の回転位置を検出し、この回転位置に基いてワークWの折曲げ角度を検出することができる。
【0131】
上述の場合、投光器9からワークWへ照射されたレーザの反射光を第1、第2の受光器11、13によって同時に検出し、かつ第1、第2の受光器11、13の検出値が等しくなったか否かを比較する比較手段を設け、この比較手段の比較結果が等しくなるようにモータを正逆回転する構成とすることによって容易に実施することができる。
【0132】
図14〜図18は、他の実施の形態例を示すものである。
【0133】
図16において、筐体2に、角度検出装置51のセンサヘッド53が回動自在に設けられている。
【0134】
図14を併せて参照するに、前記センサヘッド53では、光源57から発せられたレーザ光BMをコリメータ59により平行光線とし、ビームスプリッタ61を透過して被検出物であるワークWに検出光を照射する。
【0135】
一方、ワークWに当たって反射してきた反射光RBMは、ビームスプリッタ61により方向を変えられ、さらに反射鏡63で方向を変えられて光学フィルタ65およびフォトダイオードのような光学センサとしてのディテクタ67により所定の領域の光のみを選別して電気信号に変換して受光信号として送られる。
【0136】
このようにして得られた受光信号は、バンドパスフィルタ69により所定の幅の周波数の信号のみ通過させてアンプ71により増幅して同期読取回路73に入力され、変調器75を介して送られてくる光源57からのレーザ光BMの照射の信号により同期を図っている。
【0137】
同期読取回路73によりレーザ光BMの照射と同期している受光信号は、比較器77に送られ、最大の受光信号を選んで最大受光量検出部としての最大値メモリ59に記憶されると共に、センサヘッド53を回動させるためのサーボモータMに設けられているエンコーダのごとき回動角度検出器81に送られ、このときのセンサヘッド53の回動角度を検出して最大受光量角度検出部であると共に角度算出部である角度メモリ83に記憶するようになっている。
【0138】
すなわち、プレスブレーキを制御する制御装置から曲げ加工が完了した旨の信号を駆動回路85が受けると、モータMを制御して所定の回転角度だけセンサヘッド53を回転させることによりワンステップ駆動を行わしめ、同時に比較器77にワンステップ駆動完了信号を発してセンサヘッド53の回動角度と同期してその時の受光信号をそれ以前の受光信号と比較して、最大の受光信号を最大値メモリ79に記憶すると共に、センサヘッド53の回動角度を角度メモリ83に記憶する。
【0139】
次に、図17を参照して、ワークWの曲げ角度2・θを検出する原理について説明する。
【0140】
センサヘッド53から、曲げ加工が完了したワークWに対して検出光であるレーザ光BMが照射されると、ワークWの表面に対する入射角度に応じてセンサヘッド53により受光される反射光の光量が変化する。このことから、ワークWの曲げ加工の完了後、目標曲げ角度2・θに対して±α(ここで、αは例えば5〜10度程度が採用され得る)の範囲でセンサヘッド53を回動させながらレーザ光BMを照射して、センサヘッド53が受光する受光量の分布を求める。
【0141】
図17を参照するに、センサヘッド53からワークWの表面に垂直にレーザ光BMが発せられた場合には同じ経路をたどって反射光RBMがセンサヘッド53により受光されることは明らかである。
【0142】
図18を併せて参照するに、前述のようにして求めた受光量の分布においては、ワークWに垂直にレーザ光BMが照射されたときに最大ピークが得られることから、最大ピークに対応するセンサヘッド53の回動角度を求めて、この回動角度を基にしてワークWの曲げ角度θとして検出する。ここで、曲げ角度は、θの2倍となることは言うまでもない。
【0143】
次に、図15に基づいて、前述の折曲げ機用角度検出装置51を用いてワークWの曲げ上げ角度を求める方法の手順について説明する。
【0144】
角度検出動作を開始すると(ステップSS)、曲げ加工の動作中にセンサヘッド53を曲げ線と平行に計測位置まで移動させ(ステップSS1)、モータMにより目標曲げ角度2・θに対して回転軸回りにθ−αだけセンサヘッド53を回動させて計測開始に備える(ステップSS2)。また、最大値メモリ79および角度メモリ83をゼロクリアする(ステップSS3)。
【0145】
曲げ加工が完了したか否かを判断し(ステップSS4)、完了したならば計測に移る。センサヘッド53からワークWに照射されたレーザ光BMの反射光RBMを受光し、受光量を計測する(ステップSS5)。計測された受光量をそれまでの最大値と比較して(ステップSS6)、それまでの最大値よりも大きい場合には最大値メモリ79を今回検出した受光量で更新し、同時に角度メモリ83を今回のセンサヘッド53の回動角度で更新する(ステップSS7)。
【0146】
一方、ステップSS6において、計測された受光量がそれまでの最大値よりも大きくない場合におよびステップSS7において最大値を更新した後、センサヘッド53の回動角度がθ+αか否かを判断し(ステップSS8)、小さい場合にはセンサヘッド53をワンステップ回動させてステップSS5に戻り、以降の手順を繰り返す(ステップSS9)。
【0147】
センサヘッド53の回動角度がθ+αに至った場合には、角度メモリ83に記憶されている回動角度からワークWの曲げ角度2・θを算出して(ステップSS10)、角度検出動作を終了する(ステップSE)。
【0148】
なお、前述の実施の形態においては、センサヘッド53をダイベース(ダイホルダ)55上で曲げ線方向に移動可能且つ回動可能に設けたが、プレスブレーキのベッドに上下移動、前後移動可能に取付けることも可能である。これにより、さらに広範囲の曲げ角度の計測に対応することができる。
【0149】
また、計測値を全て記憶して計測終了後に記憶したデータ別に曲線当てはめを行い、その曲線から最大受光量が得られた角度を算出する方法もある。この方法ではセンサヘッド53の計測回動角度以下の精度で角度計測が可能になる。また、本説明ではパンチ、ダイによる加圧状態での計測になっているが、計測時の状態はこれに限られるものではない。
【0150】
なお、ワーク表面の状態によって反射率が小さい場合には、例えば適宜の反射テープを貼るなど適宜の処理を行うことによって容易に対応することができ、ワークの表面状態に影響されることなく実施し得るものである。
【0151】
本発明は前述したごとき実施例に限るものではなく、適宜の変更を行うことによってはその他の態様でも実施し得るものである。例えば投光器と受光器に代えて適宜の電磁波や超音波を送信する送信器と受信器とを用いた構成とすることも可能である。
【0152】
この場合、図8、図14の構成において、光学系の構成に関する構成を、電磁波や超音波に代えたことに対応した構成に変更するものであり、角度検出装置の構成は、検出波を被測定物に発する送信源を間にして互に反対位置に前記被測定物からの反射波を受信する複数のセンサを備えると共に前記送信源と各センサとが配置された平面内において正逆方向へ回動自在の角度センサと、所定の基準位置に対する前記角度センサの回動角度を検出する回動角度検出器と、前記光学センサにより受信された前記反射波のピーク値を検出するピーク値検出部と、このピーク値検出部により検出されたピーク値に対応すべく前記回動角度検出器により検出された角度センサの回動角度に基づいて被測定物の角度を演算する角度算出部と、を備えた構成となる。
【0153】
また、検出波を被測定物に発する送信源を中心とする対称位置に前記被測定物からの反射波を受信する少なくとも一対のセンサを備えると共に前記送信源と各センサとが配置された平面内において正逆方向へ回動自在の角度センサと、所定の基準位置に対する前記角度センサの回動角度を検出する回動角度検出器と、前記一対の各センサにより受信された前記反射波の強度が互に等しくなるときに前記回動角度検出器により検出された角度センサの回動角度に基づいて被測定物の角度を演算する角度算出部と、を備えてなる構成となるものである。
【0154】
また、さらに、検出波を被検出物に発する送信源および被検出物からの反射波を受信するセンサを有すると共に被検出物の曲げ線に平行な回転軸回りに回動自在の角度センサと、所定の基準位置に対する前記角度センサの回動角度を検出する回動角度検出器と、前記センサにより受信された前記反射波のピーク値を検出するピーク値検出部と、このピーク値検出部によりピーク値が得られた時の角度センサの回動角度を検出する角度検出部と、この角度検出部により得られた回動角度から被検出物の角度を算出する角度算出部と、を備えてなる構成となるものである。
【0155】
そして、角度センサは、被測定物へ検出波を照射するための送信源と、前記被測定物からの反射波を受信するセンサとを備えてなる角度センサにおいて、前記送信源を間にして互に反対位置に複数のセンサを備えてなる構成となるものである。
【0156】
ところで、前記各実施形態では、検出器本体の筐体を下金型に接触させ固定してワークの曲げ角度を検出する場合について説明したが、検出器本体の筐体を上金型に接触させ固定してワークの曲げ角度を検出するように構成してもよい。
【0157】
ところで、図19(ワークWの曲げ状態を示す図)に示すように、ダイDの中心CL7とパンチPの中心CL9とが僅かにずれている場合(Δεだけずれている場合)であって、ワークWの曲げ角度αがダイDの「V」字状の溝の角度θよりも大きい場合には、前記ずれΔεをほぼ保ったままの状態で曲げ加工がなされるので、ダイDの中心線CL9におけるワークWの一方の側の曲げ角度α1と、ダイDの中心線CL9におけるワークWの他方の側の曲げ角度α2とは、互いが等しくならず、角度α1と角度α2との差が大きくなってしまう。
【0158】
そこで、ワークWの正確な曲げ角度を測定しようとするならば、曲げ角度検出装置(曲げ角度測定装置)102をダイDの一方の側の設け一方の側の曲げ角度α1を測定しこの測定した値を2倍するのではなく、曲げ角度検出装置102をダイDの両側(y軸方向における両側)に設け、両側の各角度α1、α2を測定し(たとえば、図19の「δ1」、「δ2」を測定し)各角度α1、α2の和を求め、ワークWの曲げ角度αを求める必要がある。
【0159】
一方、ダイDの中心CL7とパンチPの中心CL9とが僅かにずれている場合であっても、図20に示すように、ワークWの曲げ角度αがダイDの「V」字状の溝の角度θに近づいた場合(角度θと角度αとが互いにほぼ等しくなった場合)には、前記ずれΔεは、ワークWを曲げる際の加圧力でパンチPがダイDに倣うことによりほとんどなくなる。したがって、曲げ角度検出装置102をダイDの一方の側にのみ設け、角度α1のみを検出し、この検出した角度α1を2倍することにより、ワークWの曲げ角度を求めるようにしてもよい。
【0160】
ところで、曲げ角度検出装置102によれば、筐体109をダイDに接触させてワークWの曲げ角度を測定しているので、図21に示すように、ダイDやパンチPの中心軸CL11が、鉛直方向の軸CL13に対して僅かな角度Δθずれていても、特許文献1(特開2001−121215号公報)のワークの曲げ加工装置とは異なり、ダイDの一方の側の曲げ角度を測定するだけでも、ワークWの曲げ角度を正確に測定することができる。
【0161】
[ワークの曲げ加工機]
ここで、ワークの曲げ角度検出装置102が使用されるワークの曲げ加工機101について説明するが、ワークの曲げ加工機101において必ずしもワークの曲げ角度検出装置102と同様の装置を使用する必要はなく、他の構成のワークの曲げ角度検出装置、たとえば、特許文献1(特開2001−121215号公報)に示すようなワークの曲げ角度検出装置を採用してもよい。
【0162】
ワークの曲げ加工機101は、前述したように構成されている(図22、図23を参照)共に、複数対の金型をセットすることでいわゆるステップベンドを行うことが可能なようになっている。また、ワークの曲げ加工機101には、さらに、バックゲージBG、ナビゲート部材206、1つまたは複数のワークの曲げ角度検出装置(BI)102、フットスイッチ208が設けられている。
【0163】
バックゲージBGは、ワークWに曲げ加工を施す際に、ワークWのy軸方向の位置決めをすべくオペレータがワークWを突き当てるものである。ナビゲート部材206は、ワークWに曲げ加工を施す際に、ワークWのx軸方向の位置決めをすべくオペレータがワークWを突き当てるものである。フットスイッチ208は、ワークの曲げ加工機101のラムを起動するためのスイッチである。
【0164】
ここで、理解を容易にするために、「ピンチングポイント」、「D値」、「スプリングバック量を見込んだ最終追い込みD値(最終D値)」、「仮曲げのD値」について説明しておく。
【0165】
「ピンチングポイント」とは、ワークWがダイDとパンチPとで挟まれ始めたときの状態である。この状態では、ワークWはほとんど変形していないが、パンチPとダイDとで挟まれることにより僅かな力がワークWに加わっているので、ワークWはダイDとパンチPとにほぼ固定されている。
【0166】
「D値」とは、ダイDの「V」字状の溝の最深部から、パンチPの先端部までの距離である。したがって、D値は、ワークWを折り曲げる際のパンチPとダイDとの距離の変化により変化する。
【0167】
「スプリングバック量を見込んだ最終追い込みD値(最終D値)」とは、たとえば折り曲げ角度90°の製品を製作する場合におけるワークWのスプリングバック量が1°であるとすると、最終D値は、ワークを89°曲げるに要するD値ということになる。
【0168】
「仮曲げのD値」とは、ワークWの曲げ角度が、最終D値における曲げ角度よりも僅かに大きいときのD値であり、たとえば折り曲げ角度90°の製品を製作する場合における最終D値が、ワークWを89°曲げるに要するD値である場合、仮曲げのD値は、ワークWを91°曲げるに要するD値ということになる。
【0169】
また、ワークの曲げ加工機101には、図26に示す制御装置201が設けられている。この制御装置201には、たとえば、CPU203、記憶手段(記憶部)205、入力手段(入力部)207、出力手段(出力部)209、曲げ順決定手段(曲げ順決定部)211、金型決定手段(金型決定部)213、金型レイアウト決定手段(金型レイアウト決定部)215、ワーク位置算出手段(ワーク位置算出部)217、角度検出位置決定手段(BI位置決定部)219、ナビゲート部材位置決定手段(ナビゲート位置決定部)221、バックゲージ位置算出手段(バックゲージ位置算出部)223、フットスイッチ位置決定手段(フットスイッチ位置決定部)225、ラム駆動制御手段(ラム駆動制御部)227、クラウニング制御手段(クラウニング制御部)229を備えて構成されている。
【0170】
さらに、制御装置201には、最終D値算出手段、バックゲージ駆動位置決め手段、角度検出装置駆動位置決め手段等(いずれも図示せず)が設けられている。
【0171】
入力部207は、たとえば、ネットワークを介してまたはCD等の記憶媒体を用いて、ワークWから製造される製品の形態等に関する情報(製品情報)を入力するものである。出力部209は、たとえばLCDで構成されている表示手段等を備えて構成されている。記憶部205は、CPU203の動作プログラムや制御装置201が動作する場合に必要な情報等を格納するためのものである。
【0172】
曲げ順決定部211は、入力部207で入力した製品情報に基づいてワークWの曲げ順を決定するものであり、金型決定部213は、前記製品情報に基づいてワークWの曲げに使用する金型(単数もしくは複数の金型;通常は複数の金型)を決定するものである。
【0173】
金型レイアウト決定部215は、製品情報に基づいてワークWの曲げに使用する金型のレイアウトを決定するものであり、ワーク位置算出部217は、金型レイアウト決定部251で決定された金型の設置位置に対する、曲げ順決定部211で決定されたワークWの曲げ順毎のワークWの位置を、ワーク位置情報として算出するものである。
【0174】
前記最終D値算出手段は、前記製品情報に基づいて、曲げ順決定部211で決定されたワークWの曲げ順毎の最終D値を算出するものであり、バックゲージ位置算出部223は、前記製品情報に基づいて、曲げ順決定部211で決定されたワークWの曲げ順毎のバックゲージBGの位置を、バックゲージ位置情報として算出するものである。
【0175】
前記バックゲージ駆動位置決め手段は、バックゲージ位置算出部223により算出されたバックゲージ位置情報に基づき、サーボモータ等のアクチュエータでバックゲージBGを所定の位置に駆動位置決めするものである。BI位置決定部219は、ワークWを曲げ加工しているときにワークWの曲げ角度を検出するワークの曲げ角度検出装置(BI;Bending Indicater)102の位置(ワークWの曲げ線の延伸方向におけるワークWの曲げ角度の検出位置)を、曲げ順決定部211で決定されたワークWの曲げ順毎に決定するものである。
【0176】
前記角度検出装置駆動位置決め手段は、BI位置決定部219により決定された検出位置情報に基づいて、サーボモータ等のアクチュエータでワークの曲げ角度検出装置102を所定の位置に駆動位置決めするためのものである。
【0177】
なお、ワークの曲げ加工機101には、複数のワークの曲げ角度検出装置102が設けられており、各ワークの曲げ角度検出装置102は、これらのそれぞれに設けられたサーボモータ等の各アクチュエータで、それぞれが独立して、x軸方向で移動位置決めすることができるようになっている。
【0178】
そして、BI位置決定部219は、前記製品情報に基づいて、曲げ順決定部211で決定されたワークWの曲げ順毎に、使用されるワーク曲げ角度検出装置102の数量と位置とを決定するように構成されている。
【0179】
たとえば、ワークWのx軸方向の長さが所定の値Axよりも長い場合には、ワークWのx軸方向の両端部と中央部との3箇所(3つのワーク曲げ角度検出装置102)で、ワークWの曲げ角度を測定し、ワークWのx軸方向の長さが所定の値Ax以下でありかつ所定の値Bx(前記値Axよりも短い値)よりも長い場合には、ワークWのx軸方向の両端部の2箇所(2つのワーク曲げ角度検出装置102)でワークWの曲げ角度を測定し、ワークWのx軸方向の長さが所定の値Bx以下の場合には、1箇所でワークWの曲げ角度を測定するように、ワーク曲げ角度検出装置102を配置するものである。さらに、ワークWにおける曲げ角度測定位置に穴等の成形物が存在し、その位置で曲げ角度を測定することができない場合には、測定位置の修正をBI位置決定部219が行うようになっている。
【0180】
制御装置201のラム駆動制御部227は、CPU203の制御の下、前記最終D値算出手段により算出された最終D値に基づいて、曲げ順決定部211で決定されたワークWの曲げ順毎に、ラムを駆動するアクチュエータ202を制御するようになっている。
【0181】
ナビゲート手段を構成するナビゲート部材206は、詳しい説明は省略するが、たとえば、特開2004−160547号公報の第4の実施形態に記載されている曲げ加工機のナビゲート機構に使用されているものと同様に構成されている。そして、ワークWの曲げ加工を行うときに、曲げ順決定部211で決定されたワークWの曲げ順毎に、ワークWの曲げ線の延伸方向におけるワークWの位置を、オペレータにナビゲートするようになっている。
【0182】
このように構成されていることにより、オペレータは次にどこの加工ステーション(金型)でワークWへの曲げ加工を行えばよいのかを容易に理解することができる。
【0183】
なお、ナビゲート部材206は、たとえば、前記第2の移動手段113のレール133に係合して、制御装置201の制御の下、サーボモータ等のアクチュエータで、ワークの曲げ角度検出装置102とは別個に、移動位置決め自在になっている。
【0184】
また、ナビゲート部材に代えて、特開2004−160547号公報の第1の実施形態〜第3の実施形態に記載されているものをナビゲート手段として採用してもよい。
【0185】
また、ワークの曲げ加工機101には、たとえば、特開2005−319515号公報に記載されているフットスイッチと同様なフットスイッチ208が設けられている。このフットスイッチ208は、リニアベアリング等でガイドされサーボモータ等のアクチュエータで駆動され、ワークWの曲げ線の延伸方向(x軸方向)で移動位置決め自在になっている。このフットスイッチ208は、ワーク位置算出部217で算出されたワークWの位置に基づいて、曲げ順決定部211で決定されたワークWの曲げ順毎に、移動位置決めされるように構成されている。
【0186】
さらに、ワークの曲げ加工機101には、たとえば、特開2005−230882号公報に記載されているクラウニング装置と同様な複数のクラウニング手段231、ワークWの曲げ線の延伸方向に細かいピッチ(たとえば、レイアウトされた金型のそれぞれに少なくとも2つのクラウニング手段231が作用するピッチ;レイアウトされた金型のそれぞれの長手方向の寸法内に少なくとも2つのクラウニング手段231が存在するピッチ)でならんで設けられている(図31参照)。ワークの曲げ加工機101では、下テーブル105とダイホルダ107との間に各クラウニング手段231を設けてあるが、上テーブル110とパンチホルダ106との間に各クラウニング手段231を設けてもよいし、下テーブル105と上テーブル110との両方に各クラウニング手段231を設けてもよい。
【0187】
図31(a)を参照して、前記クラウニング手段231について簡単に説明すると、クラウニング手段231は、下金型ホルダー107に一体的に設けられた第1の部材233と、この第1の部材233に係合し、サーボモータ等のアクチュエータで前記第1の部材233と下テーブル105に対して回転自在になっている第2の部材235とを備えて構成されている。
【0188】
前記各部材233、235は、たとえば、特開2005−230882号公報の図3に示すように回転くさび機構を備えて構成されている。この回転くさび機構は、傾斜した接合面を備えた第2の部材235の上に、対応する(面接触する)傾斜した接合面を備えた第1の部材233を設けて構成されている。
【0189】
また、図31(a)に示すように、x軸方向における各クラウニング手段231の間には、流体圧シリンダ237が設けられている。そして、流体圧シリンダ237を駆動することにより、下テーブル105に対して下金型ホルダー107が接近または離反する方向に移動するようになっている。
【0190】
そして、制御装置201のクラウニング制御部229の制御の下、流体圧シリンダ237で、下金型ホルダー107を上方に移動しておいて、第1の部材233を回転位置決めし各クラウニング手段231を適宜の高さにし、この後、流体圧シリンダ237で、下金型ホルダー107を下方に移動すれば、図31(a)に破線や二点鎖線で示すように、下金型ホルダー107(ダイD)が僅かに変形し、適宜のクラウニングを行うことができる。この際、下金型ホルダー107を下方に移動する各流体圧シリンダ237の力の大きさを個々に制御可能になっていることが望ましい。
【0191】
なお、図31の(b)に示すように、各クラウニング手段231の両端部に、流体圧シリンダ237を設けてもよく、さらには、各クラウニング手段231の間に流体圧シリンダ237を間引きして適宜設けてもよい。
【0192】
次に、ワークの曲げ加工機101の動作について説明する。
【0193】
ワークの曲げ加工機101では、前述したようにまた図22に示すように、x軸方向に複数の金型PDを設置しておいて、ワークWに順次曲げ加工を行う(たとえば図22の左から右に向かって順に曲げ加工を行う)いわゆるステップベンドを行うものとする。
【0194】
まず、図24で示すように、x軸方向の寸法が比較的大きいワークWに曲げ加工を行う場合について、図29を参照しつつ説明する。
【0195】
ステップS201において、CAD等から入力部207を介して製品情報を受け取り、ステップS203において、曲げ順決定部211、金型決定部213、金型レイアウト決定部215でワークWの曲げ順、曲げに使用する各金型、これらの各金型のレイアウトを決定する。このレイアウトにしたがって、オペレータは各金型P、Dを図22や図28に示すように曲げ加工機101にセットする。
【0196】
続いて、ステップS205において、ワークWの各曲げ工程毎に(ワークWの曲げ順毎に)、CPU203等を用いてD値、L値を求め、ステップS207において、ワークWの各曲げ工程毎に、ワーク位置算出部217、ナビゲート部材位置決定部221、BI位置決定部219、バックゲージ位置算出部223、フットスイッチ位置決定部225で、ナビゲート部材206の位置、ワークの曲げ角度検出装置102の使用数量や位置、バックゲージBGの位置、フットスイッチ208の位置を算出する。
【0197】
そして、これらの算出されたものを、図27に示すように、出力部209の表示手段に表示する。図27に示す表は、曲げ順「1、2、3・・・」、各曲げ順で使用される金型「A、B、C・・・」、図28に示すような各金型の位置「L」、各ワークWの曲げ角度検出装置102の位置「L、L、L・・・」、最終D値、L値、ナビゲート部材206の位置「L」を表示してある。なお、前記各表示に加えてバックゲージBGの位置やフットスイッチ208の位置等を表示するようにしてもよい。たとえば、バックゲージBGが2つ使用される場合、フットスイッチ208は、通常では、x軸方向において2つのバックゲージBGの間の中央に位置決めされるようになっている。
【0198】
なお、図27に示されている各値を、前記表示手段に設けられているタッチパネルでオペレータが選択し、「10キー」等を用いて修正することができるものとする。さらには、図27に示されている各値を、制御装置201で演算して求めるのではなく、最初からオペレータが入力するようにしてもよい。
【0199】
次に、ステップS209で、1つ目の曲げ工程のために、ナビゲート部材206、各曲げ角度検出装置102、フットスイッチ208、バックゲージBGを移動位置決めする。なお、この状態では、各曲げ角度検出装置102の検出器本体103は、ワークWの角度検出位置よりも下方に位置している。続いて、ステップS211で、オペレータがバックゲージBG、ナビゲート部材206にワークWを突き当てて設置する。この設置した状態で、オペレータはフットスイッチ208を操作するとラムが下降する(S213)。
【0200】
ラムが下降しピンチングポイントに達すると(S215)、ラムが一旦停止しナビゲート部材206、バックゲージが退避し(S217)、ラムが更に下降しワークWへの曲げを行い(S219)、仮曲げ位置(仮曲げのD値)までパンチが達したら(S221)、ラムを停止し、検出器本体103をワークWの角度検出位置である上方に移動し、ワークの曲げ角度検出装置102でワークの曲げ角度を検出する(S223)。
【0201】
続いて、ステップS225で、ラムを僅かに上昇させワークWにかかっている荷重を取り除き(除荷し)、除荷後のワークWの曲げ角度をワークの曲げ角度検出装置102で測定し、ステップS229で、ワークWのスプリングバック(SB)量を検出する。
【0202】
次に、前記検出したSB量に基づいて、ワークWの新目標角度(新しい最終D値;修正された最終D値)を算出し(S231)、ラムを更に下降し、ラム(パンチP)が修正された最終D値に達した場合には(S235)、1つ目の曲げ加工を終了する。続いて、ステップS209に戻り、2つ目以降の曲げ工程を総ての曲げ加工が終了するまで同様に順次実行する。
【0203】
次に、図25を示すように、x軸方向の寸法が比較的小さいワークWに曲げ加工を行う場合について、図30を参照しつつ説明する。
【0204】
図30に示す動作では、ステップS209の動作に代えて、ステップS309の動作が実行され、S232の動作に代えて、ステップS332の動作が実行される点が、図29に示す動作と異なる。
【0205】
ステップS309では、ナビゲート部材206、バックゲージBG、フットスイッチ208の移動位置決めをするが、各曲げ角度検出装置102はナビゲート部材206との干渉を避けるため、各曲げ角度検出装置102は移動位置決めされることなくx軸方向で退避している。
【0206】
そして、ステップS323で、各曲げ角度検出装置102をx軸方向で移動位置決めし、ワークWの曲げ角度を測定する。
【0207】
ところで、従来のワークの曲げ加工機では、ワークに所定の曲げ加工を施して製品を得る場合、曲げ加工機の個々の動作(たとえば、ワークの曲げ角度を検出(計測)する動作)は自動化されているものの、全体的な動作が自動化されていないので、ワークを曲げ加工して製品を効率良く得ることが困難な場合がある。
【0208】
しかし、ワークの曲げ加工機101によれば、前述したように構成されているので、ワークを曲げ加工して製品を得る動作(金型やワーク位置の算出や曲げ角度の測定等を含む動作)が全体的に自動化されており、製品の生成におけるワーク曲げ加工機の全体動作においてオペレータの介在を必要とする度合いが従来よりも少なくなっている。したがって、従来のワークの曲げ加工機よりも効率良く製品を得ることができる。
【0209】
また、ワークの曲げ加工機101によれば、ナビゲート手段を備えているので、ワークWを曲げる際におけるワーク曲げ加工機101の横方向(ワークの曲げ線の延伸方向、x軸方向)におけるワークWの位置決めをすることが容易になっており、一層効率よく製品を得ることができる。
【0210】
また、ワークの曲げ加工機101によれば、製品情報に基づいてワーク曲げ角度検出装置102の数量と位置とを決定するように構成されているので、ワークWの曲げ加工時におけるワークWの曲げ角度をワークWの形態等に応じて正確に測定することができ、一層正確な曲げ加工を行うことができる。
【0211】
さらに、ワークの曲げ加工機101によれば、移動位置決め自在なフットスイッチ208を設けてあるので、ワークWの曲げ加工においてオペレータがフットスイッチ208を操作しやすくなっており、一層効率良くワークWの曲げ加工を行うことができる。
【0212】
なお、ワークWの曲げの形態によっては、前記ナビゲート手段を、このフットスイッチ208で構成してもよい。すなわち、オペレータが、位置決めされたフットスイッチ208の位置を目安にして、ワークWの折り曲げに使用する金型を認識すると共に、x軸方向でのワークの曲げ加工機101へのワークWの設置位置を見いだすようにしてもよい。
【0213】
また、ワークの曲げ加工機101によれば、複数のクラウニング手段231を備えているので、一層正確な形状のワークWの曲げ加工を行うことができる。なお、クラウニング手段231は、各金型の配列方向(ワークWの曲げ線の延伸方向;ワークの曲げ加工機101の横方向)に、多数並べて設けられているので、様々な形態のクラウニングを行うことができる。たとえば、単に中央部が凸になっているクラウニングだけではなく、x軸方向で凹凸を繰り返しているような形態のクラウニングを行うことができ、レイアウトされた各金型に応じた適切なクラウニングを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0214】
【図1】下金型の長手方向から、ワーク曲げ加工機の下金型やワークの曲げ角度検出装置が設置されている部位を眺めた図である。
【図2】オペレータ側に設けられたワークの曲げ角度検出装置の概略構成を示す斜視図である。
【図3】図2におけるIII矢視を示す図である。
【図4】検出器本体の概略構成を示す図であり、前記検出器本体をx軸方向から眺めた図である。
【図5】図4におけるIV矢視を示す図である。
【図6】前記曲げ加工機の動作を示すフローチャートである。
【図7】前記曲げ加工機の動作を示すフローチャートである。
【図8】折曲げ機用角度検出装置を示すブロック図である。
【図9】折曲げ機用角度検出方法の手順を示すフローチャートである。
【図10】センサヘッドの構造および動作を示す側面図である。
【図11】センサヘッドにおける検査光の動きを示す説明図である。
【図12】センサヘッドの回動角度に対する受光器による受光量の変化を示すグラフである。
【図13】角度検出装置におけるセンサヘッドの動作を示す説明図である。
【図14】折曲げ機用角度検出装置を示すブロック図である。
【図15】折曲げ機用角度検出方法の手順を示すフローチャートである。
【図16】センサヘッドの構造および動作を示す側面図である。
【図17】折曲げ機用角度検出方法およびその角度検出装置の原理を示す説明図である。
【図18】センサヘッドの回動角度に対する受光量の変化を示すグラフである。
【図19】ワークWの曲げ状態を示す図である。
【図20】ワークWの曲げ状態を示す図である。
【図21】ダイやパンチの中心軸が、鉛直方向の軸に対して僅かな角度ずれている状態を示す図である。
【図22】ワークの曲げ加工機の概略構成を示す正面図である。
【図23】ワークの曲げ加工機の概略構成を示す側面図である。
【図24】ダイ、ワーク、バックゲージ、ナビゲート部材、ワークの曲げ角度検出装置の位置関係を示す斜視図である。
【図25】ダイ、ワーク、バックゲージ、ナビゲート部材、ワークの曲げ角度検出装置の位置関係を示す斜視図である。
【図26】制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図27】制御装置の表示手段に表示される画面を示す図である。
【図28】金型レイアウトにおける各金型の位置、ナビゲート部材の位置、ワークの曲げ角度検出装置の位置関係を示す斜視図であり、図22と同様な方向から眺めた図である。
【図29】ワークの曲げ加工機の動作を示すフローチャートである。
【図30】ワークの曲げ加工機の動作を示すフローチャートである。
【図31】クラウニング手段を示す図である。
【符号の説明】
【0215】
101 曲げ加工機
102 角度検出装置
103、4 検出器本体
104 角度検出システム
105 下テーブル
109、2 筐体
110 上テーブル
111 第1の移動手段
113 第2の移動手段
137、139 接触子
201 制御装置
206 ナビゲート部材
208 フットスイッチ
211 曲げ順決定部
213 金型決定部
215 金型レイアウト決定部
217 ワーク位置算出部
219 BI位置決定部
221 ナビゲート部材位置決定部
225 フットスイッチ位置決定部
231 クラウニング手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上金型と下金型との協働によってワークの曲げ加工を行う曲げ加工機に用いるワークの曲げ角度検出装置において、
筐体を備え、この筐体が前記上金型もしくは前記下金型の被接触部に接触し固定された状態で、前記ワークの曲げ角度を検出可能な検出器本体を有することを特徴とするワークの曲げ角度検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載のワークの曲げ角度検出装置において、
前記被接触部に前記検出器本体の筐体が接触し固定されているときの前記検出器本体の位置と、前記検出器本体が前記金型から最も離れたときの前記検出器本体の位置との間で、前記検出器本体を移動することが可能な第1の移動手段と;
前記第1の移動手段によって前記検出器本体が前記金型から離れているときに、前記検出器本体を、前記ワークの曲げ線の方向に移動可能な第2の移動手段と;
を有することを特徴とするワークの曲げ角度検出装置。
【請求項3】
請求項2に記載のワークの曲げ角度検出装置において、
前記被接触部は、前記下金型の側面に形成されており、
前記第1の移動手段は、前記検出器本体が前記下金型から最も離れている下方の離反位置から、前記被接触部に前記検出器本体の筐体が接触し固定される上方の接触位置へ、前記検出器本体を斜めに移動する手段であると共に、前記下方の離反位置側では、前記検出器本体を直線的に移動し、前記上方の接触位置側では、前記検出器本体が上昇する割合よりも前記検出器本体が水平方向で前記被接触部へ近づく割合が大きくなるように、前記検出器本体を移動する手段であることを特徴とするワークの曲げ角度検出装置。
【請求項4】
製品情報に基づいてワークの曲げ順を決定する曲げ順決定手段と;
前記製品情報に基づいて前記ワークの曲げに使用する金型を決定する金型決定手段と;
前記製品情報に基づいて前記ワークの曲げに使用する金型のレイアウトを決定する金型レイアウト決定手段と;
前記金型レイアウト決定手段で決定された金型の設置位置に対する、前記曲げ順決定手段で決定された前記ワークの曲げ順毎の前記ワークの位置を、ワーク位置情報として算出するワーク位置算出手段と;
前記ワークの曲げ角度の検出位置を、前記曲げ順決定手段で決定された前記ワークの曲げ順毎に決定する角度検出位置決定手段と;
を有することを特徴とするワークの曲げ加工機。
【請求項5】
請求項4に記載のワークの曲げ加工機において、
前記ワークの曲げ加工を行うときに、前記ワークの曲げ線の延伸方向における前記ワークの位置をナビゲートするナビゲート手段を有することを特徴するワークの曲げ加工機。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載のワークの曲げ加工機において、
前記ワークの曲げ角度の検出を行うワークの曲げ角度検出装置が複数設けられており、前記各ワーク曲げ角度検出装置は、それぞれが独立して移動位置決め可能なように構成されていると共に、
前記角度検出位置決定手段は、前記製品情報に基づいて、使用される前記ワーク曲げ角度検出装置の数量と位置とを決定するように構成されていることを特徴とするワークの曲げ加工機。
【請求項7】
請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載のワークの曲げ加工機において、
前記ワークの曲げ加工機のラムを起動するためのフットスイッチを備え、このフットスイッチは、前記ワーク位置算出手段で算出されたワークの位置に基づいて、移動位置決めされるように構成されていることを特徴とするワークの曲げ加工機。
【請求項8】
請求項4〜請求項7のいずれか1項に記載のワークの曲げ加工機において、
前記ワークの曲げ角度の検出を行うワークの曲げ角度検出装置は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載されたワークの曲げ角度検出装置であることを特徴とするワークの曲げ加工機。
【請求項9】
請求項4〜請求項8のいずれか1項に記載のワークの曲げ加工機において、
上金型を設置するための上テーブル、下金型を設置するための下テーブルの少なくともいずれかのテーブルには、クラウニング手段が複数設けられていることを特徴とするワークの曲げ加工機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2006−205256(P2006−205256A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−356558(P2005−356558)
【出願日】平成17年12月9日(2005.12.9)
【出願人】(390014672)株式会社アマダ (548)
【Fターム(参考)】