説明

一定体積への粉末組成物の圧密化方法

本発明は粉末組成物の圧密化方法に関し、粉末組成物をある低減した体積まで圧密化した後、固まった圧密化製品が得られるまで、該組成物を一定体積に保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末組成物、特に弾性または熱可融性(thermofusible)を有する組成物の圧密化(圧粉化)方法に関する。
【背景技術】
【0002】
輸送、取扱いおよび使用が容易という理由で、圧密化製品にする流れが高まっている。即ち、多くの分野で、元は粉末形態の材料を、それらの輸送、取扱いおよび使用を容易かつ確実にするために圧密化製品(圧密化生成物)に変換することが追求されている。
【0003】
しかし、材料の種類によっては、産業的な活用のために十分な速度で粉末を圧密化することは、その粉末の化学組成および物理的性質のために特に困難となる場合がある。実際、或る種の粉末は強い弾性変形成分含んでいるか、および/または圧密化により発生する機械的応力の作用下で固体からペースト状、場合によっては液状にまで状態の変化を生ずることがある。これらの特徴は、従来技術の標準的な圧密化方法に従ったこれらの粉末の圧密化により得られた製品の不安定さを引き起こす:すなわち、得られた製品は不安定で脆く、使用した圧密化力が低い時には摩損を受けることがある。反対に、使用した圧密化力が高い場合には、得られた製品が裂け目または接着結合現象を有するため、脆さの点で満足できない。
【0004】
例えば、粉末形態の植物性材料の産業上の活用を可能する十分な速度での圧密化は、これらの粉末を構成する天然植物の化学組成のために特に困難である。実際、このような粉末中に存在する植物性化合物類は、例えば、セルロース、ヘミセルロース、リグニンといった強い弾性変形成分を有するポリマーまたは高度に異質の天然ポリマーの混合物を含んでいる。しかし、事前に粉砕され、粉末形態で得られる天然植物性材料を主成分とする、圧密化されたコンパクトな生成物または製品が存在することは有用であろう。
【0005】
上述した作用を制限するために、これらの粉末に賦形剤を添加することが提案されるかもしれない。しかし、特に食品産業の分野では、これらの賦形剤は摂取可能なものでなければならない。賦形剤は、これが添加される食品の味または作用を変質させてはならない。より一般的には、その食品の最初の処方を複雑化することに頼らなければならない手法は常に望ましくない。
【発明の概要】
【0006】
従って、輸送と取扱いが容易にするために、弾性、熱可融性、さらには、より一般的には圧密化の作用下で状態が変化する傾向を有する粉末を工業的に圧密化して、安定性と強度を備えた圧密化製品を得るための方法が求められている。
【0007】
従って、課題は粉末が圧密化されたコンパクトな製品を開発することである。本出願人は、予想外にも、一定圧力ではなく一定体積で粉末を圧密化すると、耐性とその特性の保持の両面で十分な性能を示す製品を得ることが可能になることを見出した。
【0008】
本発明に係る方法では、有利には、弾性または熱可融性を有する粉末から圧密化製品を得ることが可能となる。
有利には、本発明に係る方法では、この種の製品の通常の取扱い操作中に良好な一体性(固まり性)を有する圧密化製品を提供することが可能である。
【0009】
本発明の別の利点は、弾性または熱可融性成分を有する粉末組成物から高い生産性で多数の圧密化製品を製造することができることである。
特に有利な手法では、本発明に係る方法は、その味覚特性を変質させずに食品用の粉末組成物の圧密化が可能となることである。
【0010】
よって、本発明の目的は、下記工程を含む、粉末組成物からの所定体積の固まった圧密化製品の製造方法である:
a)初期体積の粉末組成物を閉じられた空間(密閉空間)に入れ、
b)前記粉末組成物を前記所定体積より小さいか、それに等しい圧密化体積になるまで圧密化し、
c)保持力が少なくとも10%低減するまで前記組成物をこの圧密化体積に保持し、
d)体積の拘束を解放し、
e)所定体積の固まった圧密化製品を得る。
【0011】
有利には、本発明に係る方法では、粉末組成物は弾性および/または熱可融性を有する少なくとも1種の粉末を含有する。
1好適態様において、前記粉末組成物は10〜3000ミクロン、好ましくは100〜1500ミクロンの範囲内の粒度を有する粒子からなる。
【0012】
別の好適態様において、工程a)で処理される粉末組成物の量は0.5〜600グラム、好ましくは0.5〜100グラム、より好ましくは1〜50グラムの範囲内である。
好ましくは、圧密化体積は、粉末組成物の初期体積の20〜95%、好ましくは粉末組成物の初期体積の30〜75%の範囲内である。
【0013】
有利には、工程b)の圧密化に必要な時間は1〜3000ミリ秒、より有利には10〜1500ミリ秒の範囲内である。
有利には、工程c)において圧密化体積に粉末組成物を保持するのに必要な時間は、100〜2500ミリ秒、より有利には150〜1500ミリ秒の範囲内である。
【0014】
有利には、工程d)において体積拘束を解放するのに必要な時間は10〜1000ミリ秒、より有利には15〜500ミリ秒の範囲内である。
1好適態様において、本発明に係る方法の工程c)において保持力は10〜60%低減する。
【0015】
本発明の目的はまた、本発明に係る方法により得られた圧密化製品である。
本発明に係る方法は、特に弾性または熱可融性を有する少なくとも1種の粉末を含有する粉末組成物の圧密化に適している。本発明に係る方法はまた、圧密化中に状態が変化する、例えば、固体状態からペースト状または液体状態に移行する傾向を有する粉末組成物の圧密化にも適している。それらは含水量(湿気分)の高い粉末組成物であってもよい。
【0016】
「弾性」とは、その形状またはその体積を、圧縮または拡張により失ったあとに部分的または完全に回復する特性を有する材料を意味する。
「熱可融性」とは、熱の作用下で流体になる材料を意味する。
【0017】
1態様において、本発明に係る方法に適用される粉末組成物は、弾性または熱可融性の性質を有する粉末からなるか、または混合物を構成する少なくとも1種の粉末が弾性または熱可融性の性質を有する粉末である粉末混合物からなる。
【0018】
本発明の特定の1態様において、本方法は、植物性材料を主成分とする粉末組成物の圧密化を可能にする。
本方法は、コーヒー、茶もしくはチコリまたはハーブティーを作ることができる植物成分、例えば、タイム、ローズマリー、リンデン、チョウセンニンジン、イチョウ、マージョラム、ミント、バーベナ、ショウガ、野生ヤマイモ類、マンネンロウ(Rosmarinus officinalis)族由来の植物、並びにそれらの混合物といった植物成分に対して適用しうる。
【0019】
本発明に適用される植物は、一般に粒状または破砕もしくは粉砕された葉の形態をとり、場合により周知の1種または2種以上の予備処理を経ている。
本発明に係る方法は、特に、セルロース、ヘミセルロース、リグニンおよびそれらの混合物といった材料に適用されうる。本発明はまた、木材繊維、藻類、茶、香りハーブ、植物茎の乾燥粉砕物、コンポスト、ドライフラワーにも適用されうる。
【0020】
本発明の別の特定の態様によると、本圧密化方法は特に、炭水化物、脂質および/またはタンパク質を含有するあらゆる種類の食品粉末の圧密化に適している。
本発明の別の態様では、本方法は、洗濯用洗剤の種類の組成物の圧密化に適用される。
【0021】
この種の組成物は、典型的には下記成分を含有する:金属イオン封鎖剤、アルカリ剤、漂白剤、アニオン性、カチオン性または非イオン性界面活性剤(一般に液状、固体形態、ゼオライト、ベントナイトもしくはクレー担持)、漂白剤活性化剤、酵素、バースト剤(bursting agent)、香料用バインダー、染料、消泡剤、蛍光増白剤、弾性を有するセルロース系のバースト剤を始めとする転色(dye transfer)防止剤、バインダー、例えば、固体ポリエチレングリコール、SDS系の固体界面活性剤、または熱可融性挙動を有するベントナイトに担持された固体界面活性剤。
【0022】
一般に、本発明に係る方法は、任意の種類の材料を圧密化するのに適しているが、より具体的には、弾性または熱可融性を有する粉末組成物の形態の材料の圧密化に適している。
【0023】
本発明に係る方法では、粉末組成物から固まり状の圧密化製品を得ることができる。本発明に係る方法では、初期体積の粉末を、ある圧密化体積にまで体積が縮小するように圧密化し、次いで所定時間のあいだ変動可能な保持力の手段によって粉末をこの一定体積に保持する。圧密化体積を一定に保持する間に必要な保持力は次第に低減する。
【0024】
第1工程は、初期体積の粉末組成物を拘束された閉じられた密閉空間内に配置することからなる。閉じられた空間は、圧密化製品に対する所要の形状に依存してある特定の形状を有することができる。粉末組成物の初期体積とは、閉じられた空間内に配置されるような圧密化より前のばらばらの状態の粉末の体積を意味する。
【0025】
次いで、粉末組成物に対してその体積がある圧密化体積に縮小するまで圧密化を行う。圧密化体積は粉末組成物の初期体積より小さい。好ましくは、圧密化体積は粉末組成物の初期体積の20〜95%の範囲内であり、より好ましくは粉末組成物の初期体積の30〜75%の範囲内である。この体積縮小率またはこの圧密化率は、本発明に係る方法に適用される粉末組成物の嵩密度に依存する。
【0026】
さらに、この圧密化体積は、圧密化製品の所定体積より小さいか、またはそれに等しい。圧密化製品の所定体積とは、圧密化製品の最終体積、従って得たいと意図する体積を意味する。実際、粉末組成物は特に弾性である場合、体積の拘束を解放すると、生成物の拡張(膨張)が起こるかもしれない。典型的には、圧密化体積は圧密化製品の所定体積、すなわち、最終体積の50〜100%となる。この値は本質的に粉末組成物を構成する材料の弾性に依存する。
【0027】
次の工程では、粉末組成物を圧密化体積に対応する一定体積に保持する。一定の圧密化体積を保持する時間は、満足すべき圧密化製品を得るのに必須である。この保持時間は実験的に決めることができる。
【0028】
粉末組成物は強度を有し、従って、一定の圧密化体積を保持するのに保持力を加えることが必要である。この工程中、粉末組成物の強度は次第に低減する。従って、圧密化体積を一定に保持するのに必要な保持力も付随して低減する。一定の圧密化体積を保持する間のこの保持力とその変化を測定することにより、組成物をこの一定の保持体積に保持しなければならない時間を決めることができる。経時的な保持力の測定は当業者に公知の方法に従って行うことができる。すなわち、経時的な保持力の測定により、ある粉末組成物の圧縮曲線を定めることができる。この圧縮曲線は、各粉末組成物ごとに、その弾性または熱可融性特性に応じて、さらにはその含水量に応じて、特異的な固有のものとなる。
【0029】
有利には、本出願人は、一定の圧密化体積を保持するための力は、その粉末組成物の抵抗力が少なくとも10%だけ低減するまでは少なくとも続けなければならないことを見出した。
【0030】
すなわち、一定圧密化体積での組成物の保持は、それに必要な保持力が少なくとも10、20、30、40、50または60%低減するまで続ける。
本発明の別の利点は、圧密化材料の変質を引き起こすような高い保持力を加える必要がないことである。例えば、食品粉末の場合、本発明に係る方法では、圧密化製品の味覚特性は保持されうる。一般に、出発材料の特性が保持される。好ましくは、本発明に係る方法の過程では、粉末組成物を構成する材料の「過剰圧縮」、過大滲出、液状化または状態の変化は全くまたはほとんど起こらない。
【0031】
典型的には、一定の圧密化体積を保持するのに必要な初期保持力は、10〜100kN、好ましくは20〜80kN、より好ましくは20〜60kN、さらに好ましくは20〜50kNの範囲内であり、この保持力は、当然ながら、一体の圧密化体積を保持する間に次第に低減する。
【0032】
好ましくは一定の圧密化体積を保持する時間は、圧密化に要する時間や拘束の解放に要する時間より長い。
その後、本方法は、上記の保持力と体積の拘束を解放し、そして固まった圧密化製品を回収することで終了する。
【0033】
本発明に従った圧密化は、圧密化すべき材料を包囲する所定長さの1つ又は2つの壁面(パンチと呼ばれることもある)にわたる変位により加えられた力を伝える圧密化(または成形)システムを用いて好ましくは行われる。
【0034】
本発明に係る有利な1態様は、カム・プレスの適用からなる。すなわち、カム・プレスでは、閉じ込め空間の壁面の変位が、その移動がカムにより決まる連結ロッドによって決められるため、油圧プレスの使用を試みる場合より本発明の効果がずっとより容易に得られる。
【0035】
この種のプレス機は、有利には、一端または両端にパンチを備えた、押出機型のチューブを備えている。
本発明は、抵抗力のある安定した圧密化製品、従って、取扱いと貯蔵が容易な圧密化製品の製造を可能にする。
【0036】
有利には、得られた各最終製品(圧密化製品)は下記の特性を有する:
・質量が0.5〜600グラム、好ましくは0.5〜100グラム、有利には1〜50グラムの範囲内;
・圧密化率のレベルが20〜95%、好ましくは30%以上の範囲内;
・硬さが20〜500kN、好ましくは25kN以上の範囲内。
【0037】
1好適態様において、本発明の固まった圧密化製品は、トローチ剤または錠剤の形状をとる。
1特定態様において、この圧密化製品の気孔率(空隙率)は5〜80%、好ましくは70%以下である。一部の用途では、水中で容易に崩壊する圧密化製品とすることが有利である。これは、例えば、製品の気孔率をある範囲とすることにより得ることができる。
【0038】
以下の実施例および図面は制限として示すものではなく、本発明を例示し、いかに適用しうるかを示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】実施例1のコーヒーの圧縮曲線。
【図2】実施例2のコーヒーの圧縮曲線。
【図3】実施例3のコーヒーの圧縮曲線。
【図4】実施例10のコーヒーの圧縮曲線。
【図5】実施例11の洗剤処方の圧縮曲線。
【図6】実施例12のセルロースの圧縮曲線。
【図7】実施例13の塩の圧縮曲線。
【実施例】
【0040】
実施例1
平均粒度が1mmで、120℃に20分間保持した後の揮発分減量が4%の、焙煎および粉砕されたコーヒー粉を、制御された一体体積を達成することができる圧密化システムによって圧密化する。粉末7gを、その初期体積の30%にまで0.4秒以内に縮小させ、この体積を0.85秒間保持する。密度が0.76g/cm3の円筒形の平たい錠剤が得られる。この錠剤は、120℃に20分間保持した後の揮発分減量が4%;20℃、40メガパスカル下での油分滲出量が0.05%;20℃、100メガパスカル下での油分滲出量が0.25%である。横断方向直径に沿って50ニュートンの力を加えたところ、錠剤は損傷しない。5個の同様な錠剤を1.5mの高さから落下させたところ、破損による減量は30%超であるが、別の錠剤5個を1mの高さから落下させると、減量はわずか3%にすぎない。
【0041】
実施例2〜9
実施例1を異なる操作条件下で繰り返す。これらの条件と得られた結果を、実施例1のそれらとともに、下の表1に示す。表示しない残りの条件および結果は実施例1と同様である。
【0042】
【表1】

【0043】
実施例10
平均粒度が1mmで、120℃に20分間保持した後の揮発分減量が3.3%の、焙煎および粉砕されたコーヒー粉を、制御された一体体積を達成することができる圧密化システムによって圧密化する。この圧密化に使用したパンチは直径32mmでチャンファ(面取り)のついた丸形パンチである。このコーヒー粉末7gを、27.3mmの充填高さにした圧密化室に導入する。最終圧縮高さを8.3mmに設定したので、体積縮小率は70%となる。この圧縮高さを800ミリ秒間保持する。測定された最大の力は40kNであり、保持力は800ミリ秒の保持時間後にはわずか20kNとなる。従って、これから、凝集した錠剤を得るために保持時間を確保する必要があることが推論されうる。本例の場合、輸送可能な凝集性のある錠剤を得るための最低保持時間は400ミリ秒である。400ミリ秒で、得られた力は30kNである。この保持力の低下は25%に等しい。
【0044】
実施例11
ユーロタブ(登録商標)社からの30458という表示の洗濯用洗剤処方を、輸送可能な凝集性のある錠剤を得るために一定体積を保持する時間をとる必要があるか否かを検査するために試験する。この試験のために、洗濯洗剤錠剤用の標準的なパンチである、面取りのある直径45mmの丸形パンチを使用する。この30458の処方組成物40グラムを、38mmの充填高さにした圧密化室に導入する。最終圧縮高さを18mmに設定したので、体積縮小率は53%となる。この圧縮高さを800ミリ秒間保持する。測定された力の最大値は31.5kNであり、800ミリ秒の保持時間後にはわずか18kNとなる。従って、これから、凝集した錠剤を得るために保持時間を確保する必要があることが推論されうる。本例の場合、輸送可能な凝集性のある錠剤を得るための最低保持時間は100ミリ秒である。112ミリ秒で得られた力は28kNである。この保持力の低下は11%に等しい。
【0045】
【表2】

【0046】
実施例12
ルッタンメール(Rettanmaier)(登録商標)社から市販のセルロースARBOCEL(登録商標) TF 415 を、輸送可能な凝集性のある錠剤を得るために一定体積を保持する時間をとる必要があるか否かを検査するために試験する。この試験のために、面取りのある直径32mmの丸形パンチを使用する。このセルロース(ARBOCEL TF 415)8.45グラムを、充填高さを28mmにした圧密化室に導入する。最終圧縮高さを9mmに設定したので、体積縮小率は68%となる。この圧縮高さを800ミリ秒間保持する。測定された力の最大値は21kNであり、800ミリ秒の保持時間後にはわずか8kNとなる。従って、これから、凝集した錠剤を得るために保持時間を確保する必要があることが推論されうる。本例の場合、輸送可能な凝集性のある錠剤を得るための最低保持時間は300ミリ秒である。300ミリ秒で得られた力は18kNである。この保持力の低下は14.3%に等しい。
【0047】
実施例13
塩化ナトリウム を、輸送可能な凝集性のある錠剤を得るために一定体積を保持する時間をとる必要があるか否かを検査するために試験する。この試験のために、面取りのある直径32mmの丸形パンチを使用する。この塩化ナトリウム20グラムを、18.3mmの充填高さにした圧密化室に導入する。最終圧縮高さを9.2mmに設定したので、体積縮小率は49.7%となる。この圧縮高さを800ミリ秒間保持する。測定された力の最大値は117kNであり、800ミリ秒の保持時間後には115kNとなる。従って、これから、凝集した錠剤を得るために保持時間を確保する必要があることが推論されうる。この保持力の低下は10%未満である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記工程を含むことを特徴とする、粉末組成物からの所定体積の固まった圧密化製品を製造する方法:
a)初期体積の粉末組成物を閉じられた空間に入れ、
b)前記粉末組成物を前記所定体積より小さいか、またはそれに等しい圧密化体積になるまで圧密化し、
c)保持力が少なくとも10%低減するまで前記組成物をこの圧密化体積に保持し、
d)体積の拘束を解放し、
e)所定体積の固まった圧密化製品を得る。
【請求項2】
前記粉末組成物が弾性または熱可融性を有する少なくとも1種の粉末を含有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記粉末組成物が10〜3000ミクロンの範囲内の粒度を有する粒子からなることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
工程a)で処理される粉末組成物の量が0.5〜100グラムの反応であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
圧密化体積が粉末組成物の初期体積の20〜95%の範囲内であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
工程b)の圧密化に必要な時間が1〜3000ミリ秒の範囲内であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
工程c)において前記粉末組成物を圧密化体積に保持する時間が100〜2500ミリ秒の範囲内であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
工程d)において体積拘束を解放するのに必要な時間が10〜1000ミリ秒の範囲内であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
工程c)において保持力が10〜60%低減することを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の方法により得られた製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−504796(P2011−504796A)
【公表日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−528410(P2010−528410)
【出願日】平成20年10月10日(2008.10.10)
【国際出願番号】PCT/EP2008/063597
【国際公開番号】WO2009/047322
【国際公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(509237055)
【氏名又は名称原語表記】EUROTAB
【Fターム(参考)】