説明

一次転写ローラ昇降機構及びそれを備えた画像形成装置

【課題】簡単な構成で非画像形成モード、モノクロモード及びカラーモードを切り替える一次転写ローラ昇降機構及びそれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】複数のローラに巻回された転写ベルト8に沿って設けられた感光体ドラム10(y、m、c、k)に対し転写ベルト8の下部走行面8aの反対側に配置された一次転写ローラ25(y、m、c、k)の両端に係合すべく、2本のラック部材64が設けられ、一端が押し螺旋バネ67に係合し、下部歯65に歯欠きピニオン66の歯66aが噛合し又は歯欠き部66bが滑接する。歯欠き部66bの滑接で全ての一次転写ローラ25が係合部63の水平面63bに乗り上げて転写ベルト8から離間し、歯66aが下部歯65に噛合して回転すると一次転写ローラ25kのみが係合部63から外れて降下してモノクロモードになり、更なる回転で残りの一次転写ローラ25も係合部63から外れてカラーモードになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、簡単な構成で非画像形成モード、モノクロモード、及びカラーモードを切り替える一次転写ローラ昇降機構及びそれを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トナーを用いて電子写真方式でトナー像を感光体上に形成し、このトナー像をベルトに一次転写し、その一次転写画像を用紙に二次転写し、この転写トナー像を定着器で用紙に定着してモノクロ又はフルカラーの画像を形成する画像形成装置が知られている。
【0003】
一般に、モノクロモードではブラックトナーのトナー像を現像して担持する感光体ドラムに対応する一次転写ローラを転写ベルトに当接させ、残るイエロー、マゼンタ、シアンのトナー像を現像する感光体ドラムに対応する3個の一次転写ローラは転写ベルトから離隔する。
【0004】
そして、カラーモードでは、ブラックトナーに対応する一次転写ローラを転写ベルトに当接させたまま、更にイエロー、マゼンタ、シアンのトナーに対応する3個の一次転写ローラを転写ベルトに当接させる。
【0005】
また稼動休止時の非画像形成モードでは、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの全てのトナーに対応する4個の一次転写ローラを転写ベルトから離隔させる。この3種類のモードに対応して各一次転写ローラを転写ベルトに離接させる機構が必要となる。
【0006】
その機構として、従来、例えばブラックトナー対応の一次転写ローラ(以下、K対応転写ローラという)と、イエロー、マゼンタ、シアンのトナー対応の一次転写ローラ(以下、YMC対応転写ローラという)を個別のリンク機構を設けて各一次転写ローラを転写ベルトに離接させる方法が提案されている。(例えば、特許文献1参照。)
【0007】
また、個々の一次転写ローラに駆動源にリンクするガイド部材とトリガを配置し、K対応転写ローラとYMC対応転写ローラを、それぞれ個々に移動させて、転写ベルトに離接させる方法も提案されている。(例えば、特許文献2参照。)
【0008】
また、一つの回転カムの動きによって、K対応転写ローラのリンク部材とYMC対応転写ローラのリンク部材を駆動して、モノクロモードとカラーモードを切り替える方法も提案されている。(例えば、特許文献3参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−163795号公報
【特許文献2】特開2001−318508号公報
【特許文献3】特開2003−057911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記の特許文献1〜3は、いずれも、1つ又は2つのカムに係合するYMC対応転写ローラを動かすリンク部と、K対応転写ローラを動かすリンク部とが別々の部品構成によって構成されている。そのため、部品点数が多く、装置本体の小形化を阻害すると共に、コスト上昇の要因ともなっている。
【0011】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであって、簡単な構成で非画像形成モード、モノクロモード、及びカラーモードを切り替える一次転写ローラ昇降機構及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の一次転写ローラ昇降機構は、並設される複数の感光体ドラムと、複数の支持ローラに巻回され上記複数の感光体ドラムに沿って配設され、所定の感光体ドラム上に形成されたトナー画像を一次転写し、この一次転写されたトナー画像を二次転写部において搬送中の画像形成媒体に二次転写する転写ベルトと、上記感光体ドラムと上記転写ベルトとを接触させるべく、上記複数の感光体ドラムに対応し上記転写ベルトを挟んで反対側において上下に移動自在に配置される複数の一次転写ローラと、上記複数の一次転写ローラの各転写ローラの両端に選択的に係合する係合部と、ギア部とを有し上記並設方向に移動自在なラック部材と、該ラック部材を上記移動方向の一方に付勢する付勢部材と、上記ラック部材のギア部と噛合する歯欠けギアと、該歯欠けギアを回転駆動制御し該回転駆動制御に伴う上記ラック部材の移動に基づいて、上記複数の感光体ドラムの全てを上記中間転写ベルトと接触させる第一位置と、上記複数の感光体ドラムのうちの一つの感光体ドラムを上記中間転写ベルトと接触させる第二位置と、上記複数の感光体ドラムの全てを上記中間転写ベルトと非接触とさせる第三位置とに、上記複数の一次転写ローラの各々を選択的に移動させる駆動制御部と、を備えるように構成される。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本発明の画像形成装置は、上記一次転写ローラ昇降機構を備えて構成される。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、簡単な構成で非画像形成モード、モノクロモード、及びカラーモードを切り替える一次転写ローラ昇降機構及びそれを備えた画像形成装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例1に係る一次転写ローラ昇降機構を備えたフルカラーの画像形成装置(プリンタ)の内部構成を説明する断面図である。
【図2】(a)は実施例1に係る一次転写ローラ昇降機構を備えたプリンタの外観斜視図、(b)はその画像形成部の現像装置及びトナー供給部のリザーブタンクとトナーカートリッジを分かりやすくそれぞれ1個のみ取り上げて転写ベルトと共に模式的に示す斜視図である。
【図3】実施例1に係る一次転写ローラ昇降機構を備えたプリンタの制御装置を含む回路ブロック図である。
【図4】(a),(b),(c),(d)は実施例1に係る一次転写ローラ昇降機構において非画像形成モード、モノクロモード、及びカラーモードにおける一次転写ローラの昇降動作を説明する図である。
【図5】実施例2に係る一次転写ローラ昇降機構を備えたプリンタの内部構成を簡略に示す図である。
【図6】実施例2に係る一次転写ローラ昇降機構において非画像形成モード、モノクロモード、及びカラーモードにおける一次転写ローラの昇降動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0017】
図1は、本発明の実施例1に係る一次転写ローラ昇降機構を備えたフルカラーの画像形成装置(以下、単にプリンタという)の内部構成を説明する断面図である。
【0018】
図1に示すプリンタ1は、電子写真式で二次転写方式のタンデム型のカラー画像形成装置であり、画像形成部2、転写ベルトユニット3、トナー供給部4、給紙部5、ベルト式定着ユニット6、及び両面印刷用搬送ユニット7で構成されている。
【0019】
上記画像形成部2は、転写ベルトユニット3の転写ベルト8の下部走行面8aに接して同図の右から左へ4個の現像装置9(9k、9c、9m、9y)を多段式に並設して構成される。この画像形成部2は、図1に示す印刷実行時位置から、それより下方の保守位置に、昇降可能にプリンタ1本体のフレームに保持されている。
【0020】
上記4個の現像装置9のうち上流側(図の左側)の3個の現像装置9c、9m及び9yは、それぞれ減法混色の三原色であるシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の色トナーによるモノカラー画像を形成し、現像装置9kは、主として文字や画像の暗黒部分等に用いられるブラック(K)トナーによるモノクロ画像を形成する。
【0021】
上記の各現像装置9は、画像を現像するトナーの色を除き全て同じ構成である。したがって、以下イエロー(Y)のトナー用の現像装置9yを例にしてその構成を説明する。
【0022】
現像装置9は、最上部に感光体ドラム10を備えている。この感光体ドラム10は、その周面が例えば有機光導電性材料で構成されている。この感光体ドラム10の周面に接して又は近傍を取り巻いて、クリーナ11、帯電ローラ12、光書込ヘッド13、及び現像器14の現像ローラ15が配置されている。
【0023】
現像器14は、外部を覆う筐体16、内部に設けられた隔壁17、現像ローラ15、第1の攪拌搬送スクリュー18、及び第2の攪拌搬送スクリュー19を備えている。第1及び第2の攪拌搬送スクリュー18及び19は、特には図示しないが、スクリュー軸と、このスクリュー軸と一体に構成されて回転するフィンから成る。
【0024】
この現像器14には、トナー供給部4のリザーブタンク20から、同図にK、C、M、Yで示すブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のいずれかのトナーが供給される。
【0025】
転写ベルトユニット3は、本体装置のほぼ中央で図の左右方向に扁平なループ状になって延在する無端状の上述した転写ベルト8と、この転写ベルト8を掛け渡されて転写ベルト8を図の矢印aで示す反時計回り方向に循環移動させる駆動ローラ21と従動ローラ22を備えている。
【0026】
転写ベルトユニット3は、更に、駆動ローラ21の上方で転写ベルト8を掛け渡されている二次転写バックアップローラ23を備えている。二次転写バックアップローラ23には、転写ベルト8を介して二次転写ローラ24が圧接して、二次転写部を形成している。
【0027】
上記の転写ベルト8には、一次転写ローラ25がユニットと一体に組み込まれている。一次転写ローラ25は感光体ドラム10に対し転写ベルト8の循環移動方向下流側にややシフトした位置で転写ベルト8を挟むように配置されている。
【0028】
一次転写ローラ25は、下方を循環移動するベルト表面にトナー像を直接転写(一次転写)する。転写ベルト8は、そのトナー像を更に用紙に転写(二次転写)すべく、二次転写ローラ24が転写ベルト8を介して二次転写バックアップローラ23に圧接する二次転写部まで搬送する。
【0029】
本例のプリンタ1の画像形成処理モードには、非画像形成モード、モノクロモード、及びカラーモードの3種類の処理モードがある。非画像形成モードは、装置本体の稼動が休止又は停止しているときの処理モードである。このとき4個全ての一次転写ローラが転写ベルト8から離隔する。
【0030】
モノクロモードは、ブラック(K)トナーによるモノクロ画像のみを形成する処理モードである。このとき、現像装置9kのみが駆動され、現像装置9kに対応する一次転写ローラ25が降下して、転写ベルト8を現像装置9kの感光体ドラム10に当接させる。
【0031】
このとき、残る他の現像装置9y、9m、9cは休止しており、これらの感光体ドラム10に対応する3個の一次転写ローラ25は上昇位置にあり、転写ベルト8を現像装置9y、9m、9cに対応する感光体ドラム10から離隔させている。
【0032】
カラーモードは、ブラック(K)トナーと、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色トナーによるフルカラーの画像を形成する処理モードである。このとき、現像装置9k、9c、9m、9yの4個の感光体ドラム10に対応する一次転写ローラ25が降下して、転写ベルト8を現像装置9k、9c、9m、9yの4個の感光体ドラム10に当接させる。
【0033】
上記の非画像形成モード、モノクロモード、及びカラーモードの3種類の処理モードに対応して4個の一次転写ローラを昇降させるのは、後述する一次転写昇降機構の制御によって行われる。
【0034】
また、転写ベルト8には、従動ローラ22に掛け渡されている表面に当接してベルトクリーナ26が配置されている。ベルトクリーナ26の下方にはベルトクリーナ26が転写ベルト8から除去した廃トナーを収容する廃トナー回収容器27が着脱自在に配置されている。
【0035】
トナー供給部4は、転写ベルト8の上部走行面の上方に配置されている前述した4個のリザーブタンク20と、これらのリザーブタンク20の上にそれぞれ着脱自在に配置されたトナー補充用のトナーカートリッジ28で構成される。
【0036】
4個のトナーカートリッジ28は、それぞれブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のトナーを収容し、4個のリザーブタンク20は、それぞれ上に装着されているトナーカートリッジ28からトナーを補充される。
【0037】
これら4個のリザーブタンク20は、後述するトナー供給路(図1では転写ベルトユニット3の向う側に隠れて見えない)により対応する現像装置9の現像器14と連結されている。
【0038】
このトナー供給部4は、特には図示しないが、図1に示す印刷実行時位置から、それより上方の保守位置に、昇降可能にプリンタ1本体のフレームに保持されている。
【0039】
このトナー供給部4の左方には、ベルトクリーナ26の左方から従動ローラ22の上方にかけて2つの電装部29が配設されている。電装部29には、複数の電子部品からなる制御装置が搭載された回路基盤が装着されている。
【0040】
給紙部5は、上下2段に配置された2個の給紙カセット31(31a、31b)を備えている。2個の給紙カセット31の給紙口(図の右方)近傍には、それぞれ用紙取出ローラ32、給送ローラ33、捌きローラ34、待機搬送ローラ対35が配置されている。
【0041】
待機搬送ローラ対35の用紙搬送方向(図の鉛直上方向)には、前述した二次転写部が形成されている。この二次転写部の下流(図では上方)側にはベルト式熱定着ユニット6が配置されている。
【0042】
ベルト式熱定着ユニット6の更に下流側には、定着後の用紙をベルト式熱定着ユニット6から搬出する搬出ローラ対36、及びその搬出される用紙を装置上面に形成されている排紙トレー37に排紙する排紙ローラ対38が配設されている。
【0043】
両面印刷用搬送ユニット7は、外面(図の右方外側面)がプリンタ1の内部を側面から外部に開放又は遮蔽する開閉部材を兼ねている。
【0044】
この両面印刷用搬送ユニット7は、排紙ローラ対38の直前から図の右横方向に分岐する開始返送路39a、それから下方に曲がる中間返送路39b、更に左横方向に曲がって最終的に返送用紙を反転させる終端返送路39cを有する返送路39を備えている。
【0045】
また、返送路39の途中には、5組の返送ローラ対41(41a、41b、41c、41d、41e)が配置されている。上記終端返送路39cの出口は、給紙部5の下方の給紙カセット31bに対応する待機搬送ローラ対35への搬送路に合流している。
【0046】
図2(a)は、上記のプリンタ1の外観斜視図、図2(b)は画像形成部2の現像装置9及びトナー供給部4のリザーブタンク20とトナーカートリッジ28を、分かりやすくそれぞれ1個のみ取り上げ、転写ベルト8と共に模式的に示す斜視図である。尚、図2(a),(b)には図1と同一の構成部分には図1と同一の番号を付与して示している。
【0047】
図2(a) に示すように、プリンタ1には、前方に前扉42が備えられ、右側面には上部に取っ手43が付いている開閉部材44が備えられている。開閉部材44には図1に示した両面印刷用搬送ユニット7が一体化されている。
【0048】
このプリンタ1は、図1に示したように、用紙に直接トナー像を転写する方式ではなく、待機搬送ローラ対35により二次転写部まで鉛直方向に搬送される用紙に転写ベルト8を介してトナー像を転写する方式となっている。
【0049】
したがって、用紙ジャム等の不具合はキット類の配設部では発生しないので、図1の左側に集中するキット類などの消耗品の着脱の操作は、図2(a)に示す前扉42を開いて、キット類を長手方向(前扉方向)に入れ替え操作するように構成されている。
【0050】
また、このプリンタ1は、同様に二次転写部まで鉛直方向に搬送される用紙に転写ベルト8を介してトナー像を転写し、更に鉛直方向に用紙を搬送して転写トナー像を用紙に定着する方式となっている。
【0051】
したがって、用紙の搬送路に発生する用紙ジャム等の不具合を回復するメンテナンス処理時には、図2(a)に示すように、右側の開閉部材44を開放するのみで対処できるようになっている。
【0052】
図2(b)に示すトナーカートリッジ28は、同図(a)に示すプリンタ1本体に対し前面方向に、すなわち図2(b)の両方向矢印bで示すように、リザーブタンク20に対して着脱自在である。転写ベルトユニット3も同様にプリンタ1本体に対し前面方向に着脱自在である。
【0053】
トナーカートリッジ28とリザーブタンク20の間には、図2(b)では陰になって見えないが、トナーカートリッジ28がリザーブタンク20に装着されたとき、リザーブタンク20と連通して、リザーブタンク20にトナーを補充するためのトナー補充口が形成されている。
【0054】
また、トナーカートリッジ28のスクリュー軸には、外部からカートリッジモータ45が係合し、リザーブタンク20のスクリュー軸には、外部からリザーブタンクモータ46が係合している。トナーカートリッジ28のスクリュー軸とフィンからなるトナー補給機構は、内部のトナーを上記のトナー補充口まで搬送する。
【0055】
リザーブタンク20のスクリュー軸とフィンからなるトナー補給機構は、トナーカートリッジ28からトナー補充口を介して補充されるトナーをリザーブタンク20と現像器14を連結するトナー補給路47の上端開口部まで搬送する。トナー補給路47は、転写ベルトユニット3の後方に回り込んで配置され、現像器14に連結されている。
【0056】
図3は、前述した非画像形成モード、モノクロモード、及びカラーモードの3種類の処理モードに対応する一次転写ローラ昇降機構を備えた上記のプリンタ1の制御装置を含む回路ブロック図である。
【0057】
図3に示すように回路ブロックは、CPU(central processing unit)50を中心にして、このCPU50に、それぞれデータバスを介してインターフェイスコントローラ(I/F_CONT)51及びプリンタコントローラ(PR_CONT)52が接続されている。このPR_CONT52にはプリンタ印字部53が接続されている。
【0058】
また、CPU50には、ROM(read only memory)54、EEPROM(electrically erasable programmable ROM)55、本体操作部の操作パネル56、及び各部に配置されたセンサからの出力が入力されるセンサ部57が接続されている。ROM54には、システムプログラムが記憶され、CPU50は、このシステムプログラムに従って各部を制御して処理を行う。
【0059】
すなわち、各部において、先ず、I/F_CONT51は、例えばパーソナルコンピュータ等のホスト機器から供給される印字データをビットマップデータに変換し、フレームメモリ58に展開する。
【0060】
フレームメモリ58は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)ごとに記憶エリアが設定されており、各色のデータが対応するエリアに展開される。これら展開されたデータはPR_CONT52に出力され、PR_CONT52からプリンタ印字部53に出力される。
【0061】
プリンタ印字部53は、エンジン部であり、PR_CONT52からの制御の下で、図1に示した転写ベルトユニット3の転写ベルト8の回転駆動などを行うベルト駆動部58への駆動出力を制御する。
【0062】
更にプリンタ印字部53は、用紙取出ローラ32〜排紙ローラ対38、感光体ドラム10、定着装置6の加熱ローラ等の回転駆動される各部からなる搬送機構を駆動する搬送機構駆動部59への駆動出力を制御する。
【0063】
更にプリンタ印字部53は、帯電ローラ12、光書込ヘッド13、一次転写ローラ25等の被駆動部を有する画像形成部のプロセス負荷、二次転写ローラ24を含む回転駆動系等への電圧印加を行う印加電圧出力部61の出力を制御する。
【0064】
更にプリンタ印字部53は、非画像形成モード、モノクロモード、及びカラーモードの3種類の処理モードに対応する一次転写昇降機構の歯欠けギアを駆動する歯欠ギア駆動部62への駆動出力を制御する。
【0065】
そして、PR_CONT52から出力されたブラック(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の各色の印字データは、プリンタ印字部53からそれぞれ対応する図1に示した光書込ヘッド13に供給される。
【0066】
光書込ヘッド13は印字データに基づいて感光体ドラム10に光書き込みを行って静電潜像を形成し、この静電潜像を現像ローラ15が現像(トナー像化)する。現像されたトナー像は一次転写ローラ25によって転写ベルト8に一次転写される。
【0067】
転写ベルト8に一次転写されたトナー像は二次転写部で用紙に転写される。用紙に転写されたトナー像は、ベルト式定着ユニット6において熱と圧力を加えられて用紙に定着される。トナー像を定着された用紙は排紙トレー37に排出される。
【0068】
図4(a),(b),(c),(d)は、上記構成のプリンタ1が有する一次転写ローラ昇降機構における非画像形成モード、モノクロモード、及びカラーモードの3種類の処理モードに対応する一次転写ローラ25の昇降動作を説明する図である。
【0069】
尚、図4(a),(b),(c),(d)には、図1及び図2と同一の構成部分には図1及び図2と同一の番号を付与して示している。また、構成が分かり易いように、現像装置9y、9m、9c、9kに対応する感光体ドラム10及び一次転写ローラ25を、それぞれ10y、10m、10c、10k、及び25y、25m、25c、25kで示している。
【0070】
図4(a)には、図1に示した構成のうち、並設される複数(本例では4個)の感光体ドラム10(10y、10m、10c、10k)と、複数の支持ローラ(駆動ローラ21、従動ローラ22、二次転写バックアップローラ23)に巻回された転写ベルト8を示している。
【0071】
転写ベルト8は、4個の感光体ドラム10に沿って配設され、所定の感光体ドラム10上に形成されたトナー画像を、所定の感光体ドラム10に対応する一次転写ローラ25によって、下部走行面8aに一次転写される。
【0072】
前述したように、転写ベルト8に一次転写されたトナー像は二次転写部で用紙に転写され、転写されたトナー像はベルト式定着ユニット6で用紙に定着され、トナー像を定着された用紙は排紙トレー37に排出される。
【0073】
この処理工程において、感光体ドラム10と転写ベルト8とを接触させるべく、4個の感光体ドラム10に対応し転写ベルト8を挟んで反対側において、4個の一次転写ローラ25が上下に移動自在に配置されている。
【0074】
これら4個の一次転写ローラ25の両端には、図4(b),(c),(d)に示すように、所定の一次転写ローラ25の両端に選択的に係合する係合部63を有する2本(図4(b),(c),(d)では図の紙面手前方向の1本のみ示す)のラック部材64が配置されている。
【0075】
ラック部材64の歯65には、歯欠きピニオン66の歯66aが噛合し又は歯欠き部(歯無し部)66bが滑接する。図4(b)はラック部材64の歯65に歯欠きピニオン66の歯欠き部66bが滑接している状態を示している。
【0076】
ラック部材64には、ラック部材64を移動方向の一方(図4(b),(c),(d)では右方向)に付勢する付勢手段としての押し螺旋バネ67が係合している。
【0077】
図4(b)に示すように、ラック部材64の歯65から、歯欠きピニオン66の歯66aが外れて、歯65に歯欠き部66bが滑接している状態では、ラック部材64は押し螺旋バネ67の付勢力によって最右端部の位置に移動し、不図示のストッパに当接して停止している。
【0078】
ラック部材64の係合部63が形成されている上面64aは、感光体ドラム10の最上部よりもやや低い位置に設定されている。そして係合部63は、付勢されて移動する方向を向く前面は傾斜面63aを形成し、その傾斜面63aに続く後方はそれぞれ所定の長さの水平面63bを形成している。
【0079】
ラック部材64が図4(b)に示すように最右端部に移動しているときは、4個の係合部63の水平面63bに、4個の一次転写ローラ25が全て乗り上げている。つまり転写ベルト8の下部走行面8aの裏面8bから離隔している。
【0080】
したがって、転写ベルト8の下部走行面8aも、図4(a)に示す4個の感光体ドラム10から離隔している。この状態が非画像形成モードにおける一次転写ローラ25の設定状態である。
【0081】
この状態から、制御装置の歯欠ギア駆動部62が、図4(c)に示すように、歯欠きピニオン66を、矢印cで示すように、反時計回り方向に所定の角度回転駆動する。これにより先ず歯欠きピニオン66の歯66aがラック部材64の歯65に噛合する。
【0082】
更に歯欠きピニオン66が所定の角度まで回転することにより、ラック部材64の歯65を介してラック部材64を、押し螺旋バネ67の押し付勢力に抗して、図の左方向に、矢印dで示すように、所定の距離だけ移動させる。
【0083】
これにより、一次転写ローラ25kの両端が、係合部63の水平面63bを右方向に滑動し、更に傾斜面63aを下方に滑動して係合部63から外れる。
【0084】
係合部63が形成されているラック部材64の上面64aは感光体ドラム10の最上部よりも低い位置に設定されているので、係合部63から外れた一次転写ローラ25kは、図4(c)に示すように、転写ベルト8の下部走行面8aの裏面8bに圧接する。
【0085】
このとき、残りの他の一次転写ローラ25y、25m、25cの両端がいずれもラック部材64の係合部63の水平面63bの上に載っているように、水平面63bの大きさが予め設定されている。この状態がモノクロモードにおける一次転写ローラ25の設定状態である。
【0086】
次に、図4(c)の状態から、制御装置の歯欠ギア駆動部62が、図4(d)に示すように、歯欠きピニオン66を、矢印eで示すように、反時計回り方向に所定の角度だけ回転駆動する。
【0087】
歯欠きピニオン66の歯66aが所定の角度回転したことに応じて、矢印fで示すように、ラック部材64が、押し螺旋バネ67の押し付勢力に抗して、図の左方向に、更に所定の距離だけ移動する。
【0088】
これにより、一次転写ローラ25y、25m、25cの各両端が、係合部63の水平面63bを右方向に滑動し、更に傾斜面63aを下方に滑動して係合部63から外れ、図4(d)に示すように、転写ベルト8の下部走行面8aの裏面8bに圧接する。
【0089】
このとき、既に転写ベルト8の裏面8bに圧接していた一次転写ローラ25kは、そのままの位置にとどまっている。したがって、4個の一次転写ローラ25y、25m、25c、25kが全て転写ベルト8の裏面8bに圧接した状態となる。この状態がカラーモードにおける一次転写ローラ25の設定状態である。
【0090】
尚、制御装置の歯欠ギア駆動部62において、歯欠きピニオン66を図4(d)の矢印eの反対方向、図4(c)の矢印cの反対方向と順次回転させていけば、図4(d)のカラーモードから、図4(c)のモノクロモード、更に図4(b)の非画像形成モードに容易に移行できることは言うまでもない。
【0091】
このように、ラック部材64は、歯欠きピニオン66の回転により感光体ドラム10の並設方向に移動自在に構成され、4個の一次転写ローラ25を、係合部63によって昇降させることができる。
【0092】
すなわち、ラック部材64と歯欠きピニオン66という少ない部品点数の構成によって一次転写ローラの非画像形成位置(全離隔位置)、モノクロ位置、カラー位置の3つの位置を切り替えることができる。
【0093】
尚、ラック部材64の移動量は、駆動制御部の駆動モータの駆動パルスと歯欠きピニオン66の回転角度との関係で決めてもよく、またフォトセンサ等の位置検出器によってラック部材64の位置を検出して決めるようにしてもよい。
【実施例2】
【0094】
図5は、実施例2に係る一次転写ローラ昇降機構を備えたプリンタの内部構成を簡略に示す図である。図5に示すプリンタ70は、駆動ローラ71と従動ローラ72に掛け渡された転写ベルト73が矢印gで示すように反時計回り方向に循環移動する。
【0095】
転写ベルト73の循環移動する上部走行面73aの上方に、4個の画像形成ユニット74(74k、74c、74m、74y)が配置され、これらの感光体ドラム75が転写ベルト73の循環移動方向に沿って並設されている。
【0096】
そして、これらの感光体ドラム75に対応し、転写ベルト73を挟んで反対側において上下に移動自在に一次転写ローラ76が配置されている。
【0097】
このプリンタ70は転写ベルト73の上部走行面73aにトナー像を一次転写するいわゆる上面転写方式と呼ばれる形式のプリンタであり、一次転写ローラ76は画像形成時に上昇し、非画像形成時に下降する構成となっている。
【0098】
図6(a),(b)は、上記構成における本例のプリンタの一次転写ローラ昇降機構において非画像形成モード、モノクロモード、及びカラーモードにおける一次転写ローラ76の昇降動作を説明する図である。
【0099】
尚、図6(a),(b)に示す一次転写ローラ昇降機構77は、プリンタ70の転写ベルト73の上走行部と下走行部の間に配設される。また、図6(a),(b)には、図7に示した画像形成ユニット74(74k、74c、74m、74y)に対応する一次転写ローラ76をそれぞれ76k、76c、76m、76yで示している。
【0100】
また、前後のラック部材78(78a、78b)は、移動方向と係合部の向きが反対になっているだけで、動作は同様であるので、図では見易い後方のラック部材78aを中心にして以下説明を進める。
【0101】
ラック部材78aは、上面79に、一次転写ローラ76との係合部81(81k、81c、81m、81y)を備えている。ラック部材78aの内側の側面82には、図では定かに見えないが側面歯が形成されている。ラック部材78aの移動方向後端部には押し付勢力を有する螺旋バネ83が係合している。
【0102】
前後のラック部材78(78a、78b)の間には、大径の歯欠けギア84が配置されている。歯欠けギア84の円周部には、所定の間隔で歯84aと歯欠け部(歯無し部)84bが形成されている。
【0103】
図6(a)は、歯欠けギア84が、歯84aをラック部材78(78a、78b)の側面歯に噛合させて矢印hで示す時計回り方向に回転し、ラック部材78を矢印iで示す移動方向(図では右方)一杯に移動させた状態を示す図である。
【0104】
4個全ての一次転写ローラ76がラック部材78aの4個全ての係合部81から外れて降下し、ラック部材78aの上面79により支持されている。この状態が4個の一次転写ローラ76が全て転写ベルト73から離隔している非画像形成モードの状態である。
【0105】
この状態から、歯欠けギア84が矢印hと反対方向、つまり反時計回り方向に所定角度だけ回転すると、ラック部材78aが距離Bだけ矢印iと反対方向に移動する。
【0106】
この移動により、特には図示しないが、ブラックトナーの感光体ドラム75に対応する一次転写ローラ76kが係合部81kに乗り上げて、転写ベルト73をブラックトナーの感光体ドラム75に当接させる。
【0107】
このとき、ラック部材78aの移動量Bは、残り3個の一次転写ローラ76c、76m、76yから係合部81c、81m、81yの傾斜面の下端までの距離よりもやや大きく設定されている。
【0108】
したがって、残り3個の一次転写ローラ76c、76m、76yは、係合部81c、81m、81yに乗り上げることなく、ラック部材78aの上面79に支持された状態を維持している。この状態が、モノクロモードである。
【0109】
この状態から、歯欠けギア84が更に矢印hと反対方向、すなわち図6(b)の矢印j方向(時計回り方向)に所定角度だけ回転する。これに対応して、ラック部材78aが距離Cだけ矢印k方向に移動する。
【0110】
上記のラック部材78aの移動距離Cは、一次転写ローラ76c、76m、76yがラック部材78aの傾斜面の下端から水平面に乗り上げることが出来る距離であり、且つ、一次転写ローラ76kが先に水平面に乗り上げた位置から移動方向後端側に脱落しない距離である。
【0111】
これにより、図6(b)に示すように、4個全ての一次転写ローラ76k、76c、76m、76yが、転写ベルト73を、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエロートナーの感光体ドラム75に当接させる。この状態がカラーモードである。
【0112】
尚、制御装置の歯欠ギア駆動部62において、歯欠きギア84を図6(a)における説明および図6(b)における説明と順次逆に駆動制御するようにすれば、図6(b))のカラーモードから、モノクロモード、更に図6(a)の非画像形成モードに容易に移行できることは言うまでもない。
【0113】
尚、上述した実施例1又は2においては、モノクロモードとカラーモードにおけるラック部材の位置を、ラック部材の歯と歯欠きギアの歯の噛合の位置によって決めているが、装置本体の右方にあるカバーにストッパ部材を設けて位置決めするようにしてもよい。
【0114】
その場合は、カバーを開くことによってストッパが解除され、ラック部材が最右端部の位置に移動して非画像形成モードに設定される。カバーを閉じるとストッパがラック部材の右端部に当接して、ラック部材をモノカラー位置に設定する。
【0115】
この場合、歯欠きギアの歯はラック部材の歯から外れたままであり、カラーモードになるときのみ回転する。つまり、転写ベルトユニットが一旦装置本体に装着されると、一次転写ローラ昇降機構は、モノクロ位置とカラー位置との切替のみ行うことになる。
【0116】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明は特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
【0117】
並設される複数の感光体ドラムと、
複数の支持ローラに巻回され前記複数の感光体ドラムに沿って配設され、所定の感光体ドラム上に形成されたトナー画像を一次転写し、この一次転写されたトナー画像を二次転写部において搬送中の画像形成媒体に二次転写する転写ベルトと、
前記感光体ドラムと前記転写ベルトとを接触させるべく、前記複数の感光体ドラムに対応し前記転写ベルトを挟んで反対側において上下に移動自在に配置される複数の一次転写ローラと、
前記複数の一次転写ローラの各転写ローラの両端に選択的に係合する係合部と、ギア部とを有し前記並設方向に移動自在なラック部材と、
該ラック部材を前記移動方向の一方に付勢する付勢部材と、
前記ラック部材のギア部と噛合する歯欠けギアと、
該歯欠けギアを回転駆動制御し該回転駆動制御に伴う前記ラック部材の移動に基づいて、前記複数の感光体ドラムの全てを前記中間転写ベルトと接触させる第一位置と、前記複数の感光体ドラムのうちの一つの感光体ドラムを前記中間転写ベルトと接触させる第二位置と、前記複数の感光体ドラムの全てを前記中間転写ベルトと非接触とさせる第三位置とに、前記複数の一次転写ローラの各々を選択的に移動させる駆動制御部と、
を備えた、ことを特徴とする一次転写ローラ昇降機構。
[付記2]
【0118】
前記転写ベルトは、循環移動する下部移動面にトナー像を一次転写される転写ベルトであり、前記歯欠けギアは、各ラック部材のギア部にそれぞれ係合する歯欠けピニオンである、ことを特徴とする付記1記載の一次転写ローラ昇降機構。
[付記3]
【0119】
前記転写ベルトは、循環移動する上部移動面にトナー像を一次転写される転写ベルトであり、前記歯欠けギアは、各ラック部材の側面に形成されたギア部に直径方向の対向周面で係合する大径歯欠けギアである、ことを特徴とする付記1記載の一次転写ローラ昇降機構。
[付記4]
【0120】
付記1、2又は3記載の一次転写ローラ昇降機構を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【産業上の利用可能性】
【0121】
本発明は、簡単な構成で非画像形成モード、モノクロモード、及びカラーモードを切り替える画像形成装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0122】
1 フルカラー画像形成装置(プリンタ)
2 画像形成部
3 転写ベルトユニット
4 トナー供給部
5 給紙部
6 ベルト式定着ユニット
7 両面印刷用搬送ユニット
8 転写ベルト
8a 下部走行面
8b 裏面
9(9y、9m、9c、9k) 現像装置
10(10y、10m、10c、10k) 感光体ドラム
11 クリーナ
12 帯電ローラ
13 光書込ヘッド
14 現像器
15 現像ローラ
16 筐体
17 隔壁
15 現像ローラ
18 第1の攪拌搬送スクリュー
19 第2の攪拌搬送スクリュー
20 リザーブタンク
21 駆動ローラ
22 従動ローラ
23 二次転写バックアップローラ
24 二次転写ローラ
25(25y、25m、25c、25k) 一次転写ローラ
26 ベルトクリーナ
27 廃トナー回収容器
28 トナーカートリッジ
29 電装部
31(31a、31b) 給紙カセット
32 用紙取出ローラ
33 給送ローラ
34 捌きローラ
35 待機搬送ローラ対
36 搬出ローラ対
37 排紙トレー
38 排紙ローラ対
39 返送路
39a 開始返送路
39b 中間返送路
39c 終端返送路
41(41a、41b、41c、41d、41e) 返送ローラ対
42 前扉
43 取っ手
44 開閉部材
45 カートリッジモータ
46 リザーブタンクモータ
47 トナー補給路
50 CPU(central processing unit)
51 インターフェイスコントローラ(I/F_CONT)
52 プリンタコントローラ(PR_CONT)
53 プリンタ印字部
54 ROM(read only memory)
55 EEPROM(electrically erasable programmable ROM)
56 操作パネル
57 センサ部
58 ベルト駆動部
59 搬送機構駆動部
61 印加電圧出力部
62 歯欠ギア駆動部
63 係合部
64 ラック部材
64a 上面
65 歯
66 歯欠きピニオン
66a 歯
66b 歯欠き部(歯無し部)
67 押し螺旋バネ
70 プリンタ
71 駆動ローラ
72 従動ローラ
73 転写ベルト
74(74k、74c、74m、74y) 画像形成ユニット
75 感光体ドラム
76 一次転写ローラ
77 一次転写ローラ昇降機構
78(78a、78b) ラック部材
79 上面
81(81k、81c、81m、81y) 係合部
82 内側の側面
83 螺旋バネ
84 歯欠けギア
84a 歯
84b 歯欠け部(歯無し部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
並設される複数の感光体ドラムと、
複数の支持ローラに巻回され前記複数の感光体ドラムに沿って配設され、所定の感光体ドラム上に形成されたトナー画像を一次転写し、この一次転写されたトナー画像を二次転写部において搬送中の画像形成媒体に二次転写する転写ベルトと、
前記感光体ドラムと前記転写ベルトとを接触させるべく、前記複数の感光体ドラムに対応し前記転写ベルトを挟んで反対側において上下に移動自在に配置される複数の一次転写ローラと、
前記複数の一次転写ローラの各転写ローラの両端に選択的に係合する係合部と、ギア部とを有し前記並設方向に移動自在なラック部材と、
該ラック部材を前記移動方向の一方に付勢する付勢部材と、
前記ラック部材のギア部と噛合する歯欠けギアと、
該歯欠けギアを回転駆動制御し該回転駆動制御に伴う前記ラック部材の移動に基づいて、前記複数の感光体ドラムの全てを前記中間転写ベルトと接触させる第一位置と、前記複数の感光体ドラムのうちの一つの感光体ドラムを前記中間転写ベルトと接触させる第二位置と、前記複数の感光体ドラムの全てを前記中間転写ベルトと非接触とさせる第三位置とに、前記複数の一次転写ローラの各々を選択的に移動させる駆動制御部と、
を備えたことを特徴とする一次転写ローラ昇降機構。
【請求項2】
前記転写ベルトは、循環移動する下部移動面にトナー像を一次転写される転写ベルトであり、前記歯欠けギアは、各ラック部材のギア部にそれぞれ係合する歯欠けピニオンである、ことを特徴とする請求項1記載の一次転写ローラ昇降機構。
【請求項3】
前記転写ベルトは、循環移動する上部移動面にトナー像を一次転写される転写ベルトであり、前記歯欠けギアは、各ラック部材の側面に形成されたギア部に直径方向の対向周面で係合する大径歯欠けギアである、ことを特徴とする請求項1記載の一次転写ローラ昇降機構。
【請求項4】
請求項1、2又は3記載の一次転写ローラ昇降機構を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図3】
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【図5】
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【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−40986(P2013−40986A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176024(P2011−176024)
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(000104124)カシオ電子工業株式会社 (601)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】