説明

二酸化チタンを含有する複合材

本発明の対象は、二酸化チタンを含有する複合材、その製造方法および該複合材の使用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の対象は、二酸化チタンを含有する複合材、その製造方法および該複合材の使用である。
【0002】
慣用の、添加剤とも呼ばれる充填剤および顔料の適用から、ポリマー系では、充填剤もしくは顔料の粒子と、ポリマーマトリックスとの間の相互作用の種類および強度が複合材の特性に影響を与えることが公知である。適切な表面変性によって、粒子とポリマーマトリックスとの間の相互作用を変性することができ、ひいてはポリマーマトリックス中の充填剤と顔料とからなる系(以下では複合材とも呼ぶ)の特性を変化させることができる。表面変性の慣用の種類は、アルコキシアルキルシランの使用下での粒子表面の官能化である。表面変性は、粒子とマトリックスとの相容性を高めることに役立つ。さらに官能基の適切な選択によって、マトリックスへの粒子の結合も達成することができる。
【0003】
ポリマー材料の機械的特性を改善するための第二の可能性は、超微粒子の使用である。US−B−6667360は、1〜100nmの粒径を有するナノ粒子を1〜50質量%含有するポリマー複合材を開示している。ナノ粒子として、金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物、金属炭化物、金属フッ化物および金属塩化物が提案されるが、この場合、これらの粒子の表面は変性されていない。ポリマーマトリックスとして、エポキシド、ポリカーボネート、シリコーン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリオレフィン、合成プラスチック、ポリウレタン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリフェニレン、酸化物、ポリケトンおよびコポリマーならびにこれらの混合物があげられる。US−B−6667360に開示されている複合材は、充填剤を含有していないポリマーと比較して、改善された機械的特性、特に引っ張り特性および耐引掻性を有している。
【0004】
従来技術に記載されている、充填剤により変性された複合材のもう1つの欠点は、多くの適用にとって不十分なその機械的特性である。
【0005】
本発明の課題は、従来技術の欠点を克服することである。
【0006】
本発明の特別な課題は、従来技術からの複合材と比較して明らかに改善された曲げ弾性率、曲げ強さ、引張弾性率、引張強さ、亀裂抵抗、破壊靱性、衝撃強さおよび摩耗率を有する複合材を提供することである。
【0007】
これは、複合材料の特定の適用、たとえば自動車分野、航空機または飛行機の分野において極めて重要である。たとえば滑り軸受け、歯車、またはローラーおよびプランジャー被覆における摩耗率の低減が望ましい。まさにこれらの部材は、長い寿命を有しているべきであり、従って装置の耐用期間の延長につながるべきである。たとえばPA6、PA66またはPETからなる合成繊維では、引裂強さを改善することができる。
【0008】
意外にも前記課題は本発明による主請求項に記載の特徴を有する複合材によって解決された。有利な実施態様は、従属請求項において特徴付けられている。
【0009】
意外にも、350nmより小さい微結晶サイズd50(デバイ・シェラー法により測定)を有する、沈降表面変性二酸化チタンを使用する場合にも、ポリマー複合材の機械的および摩擦学的特性が著しく改善された。驚くべきことに、粒子とマトリックスとの間の物理的な結合は、複合材の機械的および摩擦学的特性の改善に特に有利に作用する。
【0010】
本発明による複合材は、ポリマーマトリックスと、0.1〜60質量%の、350nm未満の平均微結晶サイズd50(デバイ・シェラー法により測定)を有する沈降二酸化チタン粒子を含有する。有利には、微結晶サイズd50は、200nm未満であり、特に有利には3〜50nmである。二酸化チタン粒子は、球形もしくは棒状の形態を有していてもよい。
【0011】
さらに本発明による複合材は、当業者に公知の成分、たとえば鉱物質充填剤、ガラス繊維、安定化剤、加工助剤((保護系とも呼ばれる)、たとえば分散助剤、離型剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤など)、顔料、難燃剤(たとえば水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、水酸化マグネシウムなど)、加硫促進剤、加硫遅延剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、硫黄、過酸化物および/または可塑剤を含有していてもよい。
【0012】
本発明による複合材はたとえばさらに鉱物質充填剤および/またはガラス繊維を80質量%まで、有利には10〜80質量%まで、安定化剤および加工助剤(たとえば分散助剤、離型剤、酸化防止剤など)を10質量%まで、有利には0.05〜10質量%まで、顔料を10質量%まで、および難燃剤(たとえば水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、水酸化マグネシウム)を40質量%まで含有していてもよい。
【0013】
本発明による複合材はたとえば二酸化チタンを0.1〜60質量%、鉱物質充填剤および/またはガラス繊維を0〜80質量%、安定化剤および加工助剤(たとえば分散助剤、離型剤、酸化防止剤など)を0.05〜10質量%、顔料を0〜10質量%、難燃剤(たとえば水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、水酸化マグネシウムなど)を0〜40質量%含有していてもよい。
【0014】
ポリマー複合材は、熱可塑性樹脂、高性能プラスチックまたはエポキシ樹脂からなっていてもよい。熱可塑性材料としてたとえばポリエステル、ポリアミド、PET、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、これらのコポリマーおよびブレンド、ポリカーボネート、PMMA、またはポリ塩化ビニルが適切である。高性能プラスチックとして、PTFE、フッ素・熱可塑性樹脂(たとえばFEB、PFAなど)、PVDF、ポリスルホン(たとえばPES、PSU、PPSUなど)、ポリエーテルイミド、液晶ポリマーおよびポリエーテルケトンが適切である。さらにエポキシ樹脂がポリマーマトリックスとして適切である。
【0015】
本発明による複合材は沈降表面変性二酸化チタンを0.1〜60質量%、鉱物質充填剤および/またはガラス繊維を0〜80質量%、安定化剤および加工助剤(たとえば分散助剤、離型剤、酸化防止剤など)を0.05〜10質量%、顔料を0〜10質量%、難燃剤(たとえば水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、水酸化マグネシウム)を0〜40質量%含有していてもよい。
【0016】
本発明によれば、無機および/または有機表面変性された超微細二酸化チタン粒子を使用することができる。
【0017】
超微細二酸化チタンの無機表面変性は、一般に次の元素:アルミニウム、アンチモン、バリウム、カルシウム、セリウム、塩素、コバルト、鉄、リン、炭素、マンガン、酸素、硫黄、珪素、窒素、ストロンチウム、バナジウム、亜鉛、スズおよび/またはジルコニウムの化合物もしくは塩を少なくとも2種類含有する化合物からなる。たとえばケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウムおよび硫酸アルミニウムがあげられる。
【0018】
超微細二酸化チタンの無機表面処理は水性スラリー中で行われる。反応温度はこの場合、有利には50℃を越えるべきではない。懸濁液のpH値は、たとえばNaOHを使用して9より高い範囲のpH値に調整する。次いで強力な撹拌下で、後処理薬品(無機化合物)、有利には水溶性の無機化合物、たとえばアルミニウム、アンチモン、バリウム、カルシウム、セリウム、塩素、コバルト、鉄、リン、炭素、マンガン、酸素、硫黄、ケイ素、窒素、ストロンチウム、バナジウム、亜鉛、スズおよび/またはジルコニウムの化合物または塩を添加する。pH値および後処理薬品の量は、本発明によれば、後処理薬品が完全に水中で溶解して存在しているように選択する。後処理薬品が懸濁液中に均質に分散されるように、懸濁液を強力に、有利には少なくとも5分間攪拌する。次の工程で、懸濁液のpH値を低下させる。この場合、pH値は徐々に、かつ強力な撹拌下で低下させることが有利であることが判明している。特に有利にはpH値を、10〜90分以内に、5〜8の値に低下させる。これに引き続き、本発明によれば、熟成時間、有利には約1時間の熟成時間が続く。この場合、温度は50℃を超えるべきではない。次いで水性懸濁液を洗浄し、かつ乾燥させる。超微細の表面変性された二酸化チタンを乾燥させるために、たとえば噴霧乾燥、凍結乾燥および/または粉砕乾燥が考えられる。乾燥法に依存して、乾燥した粉末のその後の粉砕が必要な場合がある。粉砕は、自体公知の方法によって実施することができる。
【0019】
本発明によれば以下の化合物が有機表面変性剤として特に適切である:ポリエーテル、シラン、ポリシロキサン、ポリカルボン酸、脂肪酸、ポリエチレングリコール、ポリエステル、ポリアミド、ポリアルコール、有機ホスホン酸、チタン酸塩、ジルコン酸塩、アルキルスルホン酸塩および/またはアリールスルホン酸塩、アルキル硫酸塩および/またはアリール硫酸塩、アルキルリン酸エステルおよび/またはアリールリン酸エステル。
【0020】
有機表面変性二酸化チタンの製造は、自体公知の方法により実施することができる。
【0021】
これは、水相または溶剤含有相中での表面変性である。他方、有機成分は直接的な噴霧およびその後の混合/粉砕によって粒子表面上に施与することができる。
【0022】
本発明によれば、適切な有機化合物を強力な撹拌下に、かつ/または分散の間に、二酸化チタン懸濁液に添加することができる。この場合、有機変性は化学吸着/物理吸着によって粒子の表面と結合している。
【0023】
有機化合物として、スルホン酸アルキルおよび/またはスルホン酸アリール、硫酸アルキルおよび/または硫酸アリール、アルキルリン酸エステルおよび/またはアリールリン酸エステルの群から選択される化合物、またはこれらの化合物の少なくとも2種からなる混合物が適しており、その際、前記アルキル基またはアリール基は官能基により置換されていてもよい。有機化合物は、場合により官能基を有する脂肪酸であってもよい。このような化合物の少なくとも2種からなる混合物も使用することができる。
【0024】
たとえば次のものを使用することができる:アルキルスルホン酸塩、ナトリウムポリビニルスルホネート、ナトリウム−N−アルキルベンゼンスルホネート、ナトリウムポリスチレンスルホネート、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、ナトリウムラウリルスルフェート、ナトリウムセチルスルフェート、ヒドロキシアミンスルフェート、トリエタノールアンモニアラウリルスルフェート、リン酸モノエチルモノベンジルエステル、リチウムペルフロロオクタンスルホネート、12−ブロモ−1−ドデカンスルホン酸、ナトリウム−10−ヒドロキシ−1−デカンスルホネート、ナトリウム−カラゲナン、ナトリウム−10−メルカプト−1−セタンスルホネート、ナトリウム−16−セタン(1)スルフェート、オレイルセチルアルコールスルフェート、オレイン酸スルフェート、9,10−ジヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、オレイン酸。
【0025】
有機変性された二酸化チタンは、提供される水性ペーストの形で直接使用するか、または使用の前に乾燥することができる。この乾燥は自体公知の方法により実施することができる。この乾燥のために、特に対流乾燥器、噴霧乾燥器、粉砕乾燥器、凍結乾燥器および/または脈動乾燥器の使用が提供される。しかし、他の乾燥器も本発明によれば同様に使用可能である。乾燥方法に依存して、引き続き乾燥した粉末を粉砕することが必要となることがある。この粉砕は自体公知の方法により実施することができる。
【0026】
本発明によれば、表面変性された二酸化チタン粒子は場合により、1もしくは複数の官能基、たとえば1もしくは複数のヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、ビニル基、メタクリレート基および/またはイソシアネート基、チオール基、アルキルチオカルボキシレート基、ジスルフィド基および/またはポリスルフィド基を有する。
【0027】
官能基を介して二酸化チタン粒子に結合しており、かつ別の官能基を介してポリマーマトリックスと相互作用する表面変性剤が有利である。
【0028】
表面変性剤は化学的に、および/または物理的に粒子表面に結合していてよい。化学結合は共有結合であっても、イオン結合であってもよい。物理的な結合として、双極子−双極子力またはファン・デル・ワールス力による結合が可能である。有利であるのは、共有結合を介した、または物理的な双極子−双極子結合を介した表面変性剤の結合である。
【0029】
本発明によれば、表面変性された二酸化チタン粒子は、表面変性剤によりポリマーマトリックスへ部分的に、または完全に化学結合および/または物理結合する能力を有する。化学結合種として、共有結合およびイオン結合が適切である。物理的な結合種として、双極子−双極子力またはファン・デル・ワールス力による結合が適切である。
【0030】
有利には本発明による複合材を製造するためにまず、二酸化チタンを有利に5〜80質量%含有するマスターバッチを製造することができる。次いでこのマスターバッチを、粗製ポリマーのみによって希釈するか、または調製物の別の成分と混合し、かつ場合により再度分散させることができる。
【0031】
本発明による複合材を製造するために、二酸化チタンをまず有機物質、特にポリオール、ポリグリコール、ポリエーテル、ジカルボン酸およびこれらの誘導体、AH塩、カプロラクタム、パラフィン、リン酸エステル、ヒドロキシカルボン酸エステル、セルロース、スチレン、メチルメタクリレート、有機ジアミド、エポキシ樹脂および可塑剤(特にDOP、DIDP、DINP)に混入し、かつ分散させる方法を選択することもできる。二酸化チタンが添加されたこの有機物質は次いで、複合材を製造するための出発材料として使用することができる。
【0032】
マスターバッチ中での、もしくは有機物質中での二酸化チタンの分散のために、慣用の分散法を、特に溶融押出機、溶解機、3本ロール、ボールミル、ビーズミル、揺動ミル、超音波または混練機を使用する慣用の分散法を使用することができる。特に有利であるのは、揺動ミルまたはd<1.5mmのビーズ直径を有するビーズミルの使用である。
【0033】
本発明による複合材は意外にも、優れた機械的および摩擦学的特性を有している。充填剤を含有していないポリマーと比較して、本発明による複合材は、明らかに改善された曲げ弾性率、曲げ強さ、引張弾性率、引張強さ、亀裂抵抗、破壊靱性、衝撃強さ、および摩耗率を有する。
【0034】
本発明の対象は、具体的には次の通りである:
少なくとも1の熱可塑性樹脂、少なくとも1の高性能プラスチックおよび/または少なくとも1のエポキシ樹脂および沈殿され、その微結晶サイズd50が、350nm未満、有利には200nm未満であり、かつ有利には3〜50nm未満である表面変性二酸化チタンからなり、該二酸化チタンは無機および/または有機表面変性されていてよい複合材(以下では二酸化チタン複合材と呼ぶ)、
熱可塑性プラスチックとして、ポリエステル、ポリアミド、PET、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、そのコポリマーおよびブレンド、ポリカーボネート、PMMAまたはPVCが使用されている二酸化チタン複合材、
高性能プラスチックとして、PTFE、フッ素系熱可塑性樹脂(たとえばFEP、PFAなど)、PVDF、ポリスルホン(たとえばPES、PSU、PPSUなど)、ポリエーテルイミド、液晶ポリマーおよびポリエーテルケトンが使用されている二酸化チタン複合材、
熱硬化性樹脂として、エポキシ樹脂が使用されている二酸化チタン複合材、
複合材が、熱可塑性樹脂12〜99.8質量%、沈殿した表面変性二酸化チタン0.1〜60質量%、鉱物質充填剤および/またはガラス繊維0〜80質量%、酸化防止剤0.05〜10質量%、有機金属失活剤0〜2.0質量%、加工助剤0〜2.0質量%(特に分散助剤、カップリング剤)、顔料0〜10質量%、および難燃剤0〜40質量%(たとえば水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、水酸化マグネシウムなど)を含有する二酸化チタン複合材、
複合材が高性能プラスチック12〜99.9質量%、沈降表面変性二酸化チタン0.1〜60質量%、鉱物質充填剤および/またはガラス繊維0〜80質量%、加工助剤(特に分散助剤、カップリング剤)0〜5.0質量%、顔料0〜10質量%を含有する二酸化チタン複合材。
【0035】
複合材が、エポキシ樹脂20〜99.9質量%、沈降表面変性二酸化チタン0.1〜60質量%、鉱物質充填剤および/またはガラス繊維0〜80質量%、加工助剤0〜10質量%、顔料0〜10質量%、および水酸化アルミニウム0〜40質量%を含有する二酸化チタン複合材。
【0036】
複合材中の沈降表面変性二酸化チタンの割合が、0.1〜60質量%、有利には0.5〜30質量%、特に有利には1.0〜20質量%である二酸化チタン複合材、
二酸化チタンが無機および/または有機表面変性を有する二酸化チタン複合材、
超微細二酸化チタンの無機表面変性が、以下の元素を少なくとも2種類を含有する化合物からなる二酸化チタン複合材:アルミニウム、アンチモン、バリウム、カルシウム、セリウム、塩素、コバルト、鉄、リン、炭素、マンガン、酸素、硫黄、ケイ素、窒素、ストロンチウム、バナジウム、亜鉛、スズおよび/またはジルコニウムの化合物または塩、
有機表面変性が、1もしくは複数の以下の成分からなる二酸化チタン複合材:シラン、シロキサン、ポリシロキサン、ポリカルボン酸、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリエチレングリコール、ポリアルコール、脂肪酸、有利には不飽和脂肪酸、ポリアクリレート、有機ホスホン酸、チタン酸塩、ジルコニウム酸塩、スルホン酸アルキルおよび/またはスルホン酸アリール、硫酸アルキルおよび/または硫酸アリール、アルキルリン酸エステルおよび/またはアリールリン酸エステル、
表面変性が、1もしくは複数の以下の官能基を有する二酸化チタン複合材:ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、ビニル基、メタクリレート基、および/またはイソシアネート基、チオール基、アルキルチオカルボキシレート基、ジスルフィド基および/またはポリスルフィド基、
表面変性が、共有結合により粒子表面に結合している二酸化チタン複合材、
表面変性が、イオン結合により粒子表面に結合している二酸化チタン複合材、
表面変性が、物理的な相互作用により粒子表面に結合している二酸化チタン複合材、
表面変性が、双極子−双極子もしくはファン・デル・ワールスの相互作用により粒子表面に結合している二酸化チタン複合材、
表面変性された二酸化チタン粒子がポリマーマトリックスと結合する二酸化チタン複合材、
二酸化チタン粒子とポリマーマトリックスとの間に化学結合が存在する二酸化チタン複合材、
二酸化チタン粒子とポリマーマトリックスとの間の化学結合が、共有結合および/またはイオン結合である二酸化チタン複合材
二酸化チタン粒子とポリマーマトリックスとの間に物理的な結合が存在する二酸化チタン複合材、
二酸化チタン粒子とポリマーマトリックスとの間の物理的な結合が、双極子−双極子結合(キーソン)、誘導された双極子−双極子結合(デバイ)または分散性結合(ファン・デル・ワールス)である二酸化チタン複合材、
二酸化チタン粒子とポリマーマトリックスとの間に物理的な結合および化学結合が存在する二酸化チタン複合材、
二酸化チタン複合材の製造方法:
まずマスターバッチを製造し、かつ粗製ポリマーで該マスターバッチを希釈することにより二酸化チタン複合材が得られ、その際、該マスターバッチは、二酸化チタン5〜80質量%、有利には二酸化チタン15〜60質量%を含有する二酸化チタン複合材の製造方法、
二酸化チタンを含有するマスターバッチを、粗製ポリマーで希釈し、かつ有利には引き続き分散を行う二酸化チタン複合材の製造方法、
マスターバッチを調製物のその他の成分と、1工程もしくは複数の工程で混合し、かつ有利にはその後に分散を行う二酸化チタン複合材の製造方法、
二酸化チタンをまず有機物質、特にポリオール、ポリグリコール、ポリエーテル、ジカルボン酸およびこれらの誘導体、AH塩、カプロラクタム、パラフィン、リン酸エステル、ヒドロキシカルボン酸エステル、セルロース、スチレン、メチルメタクリレート、有機ジアミド、エポキシ樹脂、および可塑剤(特にDOP、DIDP、DINP)中に混合し、かつ分散させる二酸化チタンの複合材の製造方法、
二酸化チタンが添加された有機物質を、複合材を製造するための出発材料として使用する二酸化チタン複合材の製造方法、
マスターバッチ中もしくは有機物質中での二酸化チタンの分散は、慣用の分散法、特に溶融押出機、溶解機、3本ロール、ボールミル、ビーズミル、揺動ミル、超音波または混練機を使用して実施する二酸化チタン複合材の製造方法、
二酸化チタンの分散のために有利には揺動ミルまたはビーズミルを使用する二酸化チタン複合材の製造方法、
二酸化チタンの分散のために有利にはビーズミルを使用し、その際、該ビーズは、有利には1.5mm未満、特に有利には1.0mm未満、とりわけ有利には0.3mm未満の直径dを有する二酸化チタン複合材の製造方法、
改善された機械的特性および改善された摩擦学的特性を有する二酸化チタン複合材、
表面変性された二酸化チタン粒子の使用によって強度および靱性が同時に改善される二酸化チタン複合材、
曲げ試験または引張試験において強度および靱性の改善を観察することができる二酸化チタン複合材、
改善された衝撃強さおよび/または改善されたノッチ付衝撃強さを有する二酸化チタン複合材、
耐摩耗性が、表面変性された二酸化チタン粒子の使用によって改善される二酸化チタン複合材、
耐引掻性が、表面変性された二酸化チタン粒子の使用によって改善される二酸化チタン複合材、
応力亀裂抵抗性が、表面変性された二酸化チタン粒子の使用によって改善される二酸化チタン複合材、
クリープ抵抗性の改善を観察することができる二酸化チタン複合材、
成形体、半製品、フィルムまたは繊維を製造するための、特に射出成形部材、吹き込み成形部材または繊維を製造するための出発材料としての二酸化チタン複合材の使用、
有利に改善された引裂強さを有する繊維の形の二酸化チタン複合材の使用、
自動車、航空機または宇宙航空学の分野のための部材のため、特に滑り軸受け、歯車、ローラーまたはプランジャー被覆の形での二酸化チタン複合材の使用、
たとえば注型法で部材を製造するための、接着剤としての、工業用フロアリングとしての、コンクリート被覆としての、コンクリート補修としての、腐食防止用被覆としての、電気部品またはその他の物品を注型するための、金属管を修復するための、美術における担体材料としての、または木製テラリウムを封止するための二酸化チタン複合材の使用、
本発明を、次の実施例によって詳細に説明するが、しかし、本発明はこれに限定されるものではない:
無機表面変性二酸化チタンの製造:
平均一次粒子の直径d50が14nm(TEM試験による結果)の超微細二酸化チタン粒子の6.5質量%の水性懸濁液3.7kgを、撹拌下で40℃に加熱した。10%の水酸化ナトリウム溶液で懸濁液のpH値を12に調節する。強力な撹拌下に、ケイ酸ナトリウムの水溶液(284gSiO2/L)14.7ml、硫酸アルミニウム溶液(75gAl23/L)51.9ml、およびアルミン酸ナトリウム溶液(275gAl23/L)9.7mlを、12.0のpH値を維持しながら、同時に懸濁液に添加する。該懸濁液を強力な撹拌下にさらに10分間均質化する。引き続き、pH値を、ゆっくり、有利には60分以内に、5%の硫酸の添加によって7.5のpH値に調整する。同様に温度40℃で10分間の熟成時間がこれに続く。次いで該懸濁液を導電率が100μS/cm未満になるまで洗浄し、かつ引き続き噴霧乾燥する。
【0037】
実施例1:
出発材料として、14nmの微結晶サイズd50を有する沈降表面変性二酸化チタンを使用する。二酸化チタン表面は、無機および有機表面変性されている。無機表面変性は、アルミニウムと酸素との化合物からなる。有機表面変性は、ポリアルコールからなる。ポリアルコールは、二酸化チタンの表面変性と物理的に相互作用する。ポリアミド中で、ポリアルコールの残留しているOH基は、ポリアミドのカルボニル基(−C=O)と双極子−双極子相互作用を開始してもよい。
【0038】
まず、押出成形によりポリアミド66中の記載の二酸化チタンから15体積%の複合材を製造する。この材料から、曲げ強さ(DIN EN ISO 178)、引張強さ(DIN EN ISO 527)、衝撃強さ(ASTM E399−90)およびクリープひずみ(DIN EN ISO 899−1)を試験するための試験体を製造する。試験の結果は、第1表および第2表に記載されている。表面変性二酸化チタンの使用により、充填剤を含有していないポリアミド66と比較して、曲げ強さ、曲げ弾性率、衝撃強さ、引張強さ、およびクリープひずみが明らかに改善された。
【0039】
【表1】

【0040】
【表2】

【0041】
実施例2:
例1からの15体積%の複合材を、押出によって0.5〜7.0体積%の粒子含有率に希釈した。この複合材および15体積%の複合材から、シャルピーによるノッチ付衝撃強さ(DIN EN ISO179)を試験するための試験体を製造した。ノッチ付衝撃強さの試験結果は、図1に記載されている。複合材のノッチ付衝撃強さは、充填剤を含有していないポリアミド66と比較して著しく向上している。意外にも、0.5〜2.0体積%の極めて低い粒子含有率は、最も高いノッチ付衝撃強さにつながる。
【0042】

【0043】
実施例3:
出発材料として、14nmの微結晶サイズd50を有する沈降表面変性二酸化チタンを使用する。二酸化チタン表面は、無機および有機表面変性されている。無機表面変性は、アルミニウムと酸素との化合物からなる。有機表面変性は、ポリアルコールからなる。ポリアルコールは、二酸化チタンの表面変性と物理的に相互作用する。
【0044】
ポリマーマトリックスとして、Leuna−Harze社の市販のエポキシ樹脂Epilox A 19−03を使用する。硬化剤として、Vantico社のアミン硬化剤HY2954を使用する。
【0045】
まず粉末状の二酸化チタンを、溶解機による分散下に、液状のエポキシ樹脂へ14体積%の含有率で混合する。この前分散の後で、該混合物を揺動ミルにより2500回転/分の回転数で90分間分散させる。ビーズとして、1mmの二酸化ジルコニウムビーズを使用する。このバッチを、純粋な樹脂と混合して、硬化剤の添加後に、二酸化チタン2体積%もしくは10体積%を含有する複合材が得られる。複合材の硬化は乾燥室中で行う。
【0046】
実施例4:
以下に記載する、例3からの複合材の機械的試験のために、定義された寸法の試験体を製造する。機械的特性の決定は、注型板から精密ソーで作成した試験体を用いて、DIN EN ISO178による3点曲げ試験により行う。80×10×4mm2の寸法の少なくとも5つの試験体を、2mm/分の試験速度で、室温で試験する。
【0047】
破壊靱性KIc(ASTM E399−90)の測定は、Compact Tension(CT)試験体を用いて0.1mm/分の試験速度で行う。CT試験体では、安全カミソリによる制御された衝撃により、シャープな亀裂が生じた。このことにより、臨界応力度を測定するための亀裂の先端において、必要とされる平面ひずみ状態が生じる。
【0048】
曲げ試験および破壊靱性の試験の結果は第3表に記載されている。本発明による複合材は、純粋な樹脂と比較して、著しく改善された特性を示す。充填剤を含有していない純粋な樹脂と比較して、曲げ強さは11%、曲げ弾性率はそれどころか45%改善することができた。破壊靱性は約40%向上した。
【0049】
【表3】

【0050】
実施例5:
例3の複合材から、寸法4×4×20mm3の試験体(ピン)をソー切断する。これらの試験体を、モデル試験装置「ブロックおよびリング」(図2)を用いて、その摩擦による摩耗に基づいて実施し、摩擦学的な特性決定を行う。摩擦試験の際に、直径60mmを有し、その表面に、粗さを高めるための粒度240の研磨紙が接着されて変性された100Cr6鋼からなる、研磨されたニードルを備えた内輪を摩耗輪として使用する。試験の開始前に、スチールリングをアセトンで清浄化して、妨げとなる油または汚れの残留物を排除する。試験体を同様に清浄化し、かつその初期測定値mAを精密はかりで測定した。摩耗試験を実施するために、試験体を一定の表面圧pで、一定の回転速度で回転している摩耗輪の相応する接触面に押しつける。定義された質量を有するおもりにより、レバーアームを介して所望の接触圧もしくは法線力FNが生じる。全ての試験は、室温で、かつ試験時間30秒で実施し、その際、表面圧pは系統的に変化させる。統計学的な理由から、それぞれの材料の4つの試験体を試験する。試験の終了後に、摩耗によって条件付けられた、試験体の質量の低下Δmを測定する。ここから以下の式により比摩耗率Wsを計算する:
【数1】

【0051】
Δm:質量の低下、
ρ:比重、
v:摩耗輪の回転速度、
t:運転時間、
N:法線力。
【0052】
図3は、測定された摩耗率を、接触圧の関数として示している。接触圧とは無関係に、本発明による複合材(Epilox A19−03/TiO2 2体積%、およびEpilox A19−03/TiO2 10体積%)の摩耗率は、純粋な樹脂の摩耗率よりも明らかに低い。総じて、40%までの改善を達成することができる。
【0053】

【0054】

【0055】
実施例6:
出発材料として、14nmの微結晶サイズd50を有する沈降表面変性二酸化チタンを使用する。二酸化チタン表面は、無機および有機表面変性されている。無機表面変性は、アルミニウムと酸素との化合物からなる。有機表面変性剤は、エポキシシランからなり、これはポリマーマトリックスへの共有結合を形成することができる。
【0056】
ポリマーマトリックスとして、Leuna−Harze社の市販のエポキシ樹脂Epilox A 19−03を使用する。硬化剤として、Vantico社のアミン硬化剤HY2954を使用する。
【0057】
まず粉末状の二酸化チタンを、溶解機による分散下に、液状のエポキシ樹脂へ14体積%の含有率で混合する。この前分散の後で、該混合物を揺動ミルにより2500回転/分の回転数で90分間分散させる。ビーズとして、1mmの二酸化ジルコニウムビーズを使用する。このバッチを、純粋な樹脂と混合して、硬化剤の添加後に、二酸化チタン2体積%もしくは10体積%を含有する複合材が得られる。複合材の硬化は、乾燥室中で行う。
【0058】
実施例7:
以下に記載する、例6からの複合材の機械的試験のために、定義された寸法の試験体を製造する。試験体の製造および試験体の機械的な試験は、例4と同様に行う。
【0059】
曲げ試験および破壊靱性の試験の結果は第4表に記載されている。本発明による複合材は、純粋な樹脂と比較して、著しく改善された特性を示す。
【0060】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーマトリックス中の充填剤および顔料からなる複合材において、二酸化チタン、少なくとも1の熱可塑性樹脂、高性能プラスチックおよび/またはエポキシ樹脂を含有し、その際、二酸化チタンの微結晶サイズd50は、350nm未満、有利には200nm未満、および特に有利には3〜50nm未満であり、かつ二酸化チタンは無機および/または有機表面変性されていてもよいことを特徴とする、ポリマーマトリックス中の充填剤および顔料からなる複合材。
【請求項2】
熱可塑性樹脂として、少なくとも1のポリエステル、ポリアミド、PET、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、そのコポリマーおよび/またはブレンド、ポリカーボネート、PMMAおよび/またはポリ塩化ビニルを、または熱可塑性樹脂として、これらの熱可塑性樹脂の少なくとも2種類の混合物を選択することを特徴とする、請求項1記載の複合材。
【請求項3】
高性能プラスチックとして、少なくとも1のPTFE、フッ素系熱可塑性樹脂(たとえばFEP、PFAなど)、PVDF、ポリスルホン(たとえばPES、PSU、PPSUなど)、ポリエーテルイミド、液晶ポリマー、および/またはポリエーテルケトンを、または高性能プラスチックとして、これらの高性能プラスチックの少なくとも2種類の混合物を選択することを特等とする、請求項1または2記載の複合材。
【請求項4】
複合材が、熱可塑性樹脂を12〜99.8質量%、二酸化チタンを0.1〜60質量%、鉱物質充填剤および/またはガラス繊維を0〜80質量%、酸化防止剤を0.05〜10質量%、有機金属失活剤を0〜2.0質量%、加工助剤(特に分散剤、カップリング剤など)を0〜2.0質量%、顔料を0〜10質量%、および難燃剤(たとえば水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、水酸化マグネシウムなど)を0〜40質量%含有していることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の複合材。
【請求項5】
複合材が、高性能プラスチックを12〜99.9質量%、二酸化チタンを0.1〜60質量%、鉱物質充填剤および/またはガラス繊維を0〜80質量%、加工助剤(特に分散剤、カップリング剤)を0〜5.0質量%、顔料を0〜10質量%含有していることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の複合材。
【請求項6】
複合材が、エポキシ樹脂20〜99.9質量%、二酸化チタン0.1〜60質量%、鉱物質充填剤および/またはガラス繊維0〜80質量%、加工助剤0〜10質量%、顔料0〜10質量%、および水酸化アルミニウム0〜40質量%を含有することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の複合材。
【請求項7】
複合材中の二酸化チタンの割合が、0.1〜60質量%、有利には0.5〜30質量%、特に有利には1.0〜20質量%であることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の複合材。
【請求項8】
二酸化チタンが少なくとも1の無機および/または有機化合物により表面変性されていることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の複合材。
【請求項9】
二酸化チタンに対する無機化合物の質量割合が、0.1〜50.0質量%、有利には1.0〜10.0質量%であることを特徴とする、請求項8記載の複合材。
【請求項10】
無機化合物が、水溶性アルミニウム、アンチモン、バリウム、カルシウム、セリウム、塩素、コバルト、鉄、リン、炭素、マンガン、酸素、硫黄、ケイ素、窒素、ストロンチウム、バナジウム、亜鉛、スズおよび/またはジルコニウムの化合物または塩から選択されていることを特徴とする、請求項8または9記載の複合材。
【請求項11】
有機化合物が、1もしくは複数の次の化合物:シラン、シロキサン、ポリシロキサン、ポリカルボン酸、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリエチレングリコール、ポリアルコール、脂肪酸、有利には不飽和脂肪酸、ポリアクリレート、有機ホスホン酸、チタネート、ジルコネート、アルキルスルホネートおよび/またはアリールスルホネート、アルキルスルフェートおよび/またはアリールスルフェート、アルキルリン酸エステルおよび/またはアリールリン酸エステル、から選択されていることを特徴とする、請求項8から10までのいずれか1項記載の複合材。
【請求項12】
表面変性が、1もしくは複数の以下の官能基:ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシ基、エポキシ基、ビニル基、メタクリレート基、および/またはイソシアネート基、チオール基、アルキルチオカルボキシレート基、ジスルフィド基および/またはポリスルフィド基、を有することを特徴とする、請求項8から10までのいずれか1項記載の複合材。
【請求項13】
表面変性された二酸化チタン粒子が、ポリマーマトリックスと結合する、請求項8から12までのいずれか1項記載の複合材。
【請求項14】
二酸化チタン粒子が、0.1μm以下、有利には0.05〜0.005μmの一次粒子の粒径d50を有することを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項記載の複合材。
【請求項15】
請求項1から14までのいずれか1項記載の複合材の製造方法において、二酸化チタンおよび1部の粗製ポリマーからマスターバッチを製造し、かつ該マスターバッチを粗製ポリマーにより、分散下で希釈することにより複合材を得ることを特徴とする、請求項1から14までのいずれか1項記載の複合材の製造方法。
【請求項16】
二酸化チタンと1部の粗製ポリマーからマスターバッチを製造し、かつ該マスターバッチを粗製ポリマーで希釈することにより複合材が得られ、その際、該マスターバッチは、二酸化チタンを5〜80質量%、有利には二酸化チタンを15〜60質量%含有することを特徴とする、請求項15記載の方法。
【請求項17】
マスターバッチを調製物のその他の成分と、1工程もしくは複数の工程で混合し、かつ有利にはその後に分散を行うことを特徴とする、請求項15または16記載の方法。
【請求項18】
二酸化チタンをまず、有機物質中に、特にアミン、ポリオール、スチレン、ホルムアルデヒド、およびその成形材料、ビニルエステル樹脂、ポリエステル樹脂またはシリコーン樹脂中に混入し、かつ分散させることを特徴とする、請求項15から17までのいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
二酸化チタンが添加された有機物質を、複合材の製造のための出発材料として使用することを特徴とする、請求項18記載の方法。
【請求項20】
マスターバッチ中での、もしくは有機物質中での二酸化チタンの分散を、慣用の分散法を使用して、特に溶融押出機、溶解機、3本ロール、ボールミル、ビーズミル、揺動ミル、超音波または混練機を使用して実施することを特徴とする、請求項15から19までのいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
二酸化チタンの分散を、有利には揺動ミルまたはビーズミル中で実施することを特徴とする、請求項15から20までのいずれか1項記載の方法。
【請求項22】
二酸化チタンの分散を、ビーズミル中で実施し、その際、1.5mm未満、特に有利には1.0mm未満、とりわけ有利には0.3mm未満の直径dを有するビーズを使用することを特徴とする、請求項15から21までのいずれか1項記載の方法。
【請求項23】
成形体、半製品、フィルムまたは繊維を製造するため、特に射出成形部材、吹き込み成形品または繊維を製造するための出発材料としての、請求項1から14までのいずれか1項記載の複合材の使用。
【請求項24】
自動車、航空機または宇宙航空学の分野のための部材のため、特に滑り軸受け、歯車、ローラーまたはプランジャー被覆の形での請求項1から14までのいずれか1項記載の複合材の使用。
【請求項25】
注型法で部材を製造するための、接着剤としての、工業用フロアリングとしての、コンクリート被覆としての、コンクリート補修としての、腐食防止用被覆としての、電気部品またはその他の物品を注型するための、金属管を修復するための、美術における担体材料としての、または木製テラリウムを封止するための、請求項1から14までのいずれか1項記載の複合材の使用。

【公表番号】特表2010−501710(P2010−501710A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−526075(P2009−526075)
【出願日】平成19年8月27日(2007.8.27)
【国際出願番号】PCT/EP2007/058894
【国際公開番号】WO2008/023076
【国際公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(501082864)ザッハトレーベン ヒェミー ゲゼルシヤフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (16)
【氏名又は名称原語表記】Sachtleben Chemie GmbH
【住所又は居所原語表記】Dr.−Rudolf−Sachtleben−Strasse 4, 47198 Duisburg, Germany
【出願人】(509055161)インスティテュート フュア フェアブントヴェルクシュトッフェ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (2)
【氏名又は名称原語表記】Institut fuer Verbundwerkstoffe GmbH
【住所又は居所原語表記】Erwin−Schroedinger−Strasse, Geb. 58, D−67663 Kaiserslautern, Germany
【Fターム(参考)】