説明

低温半導体製造装置

本発明の一形態において、本発明の半導体製造システムは、不活性ガスが吸気及び排気できる真空ハウジングと、システム内に配置された多数の蒸着チャンバとを含む。本発明の装置は基板222、支え電極224、基板電源236、ガス吸入口232、質量流量計233、ガス供給源28、真空ポンプシステム234、ポンピングポート236、磁石102、104、106、108、ターゲット110、120、電子制限区域130及び電源140を含む。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低温で半導体デバイスを製造するシステム及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種の半導体製造ステップは低温で行われることを必要とする。例えば、強誘電性薄膜を高集積デバイスに付着する場合に、従来の工程は相対的に低い温度で膜を精密処理して形成するのに要求される薄膜表面上の緻密性及び均等性のような多様な条件を十分に充足させる強誘電性薄膜を提供できない。
【0003】
USP第5,000,834号(特許文献1)は低温で磁気記録ヘッド上に薄膜を形成するフェースターゲットスパッタリング(face target sputtering)と知られた真空蒸着技法を開示している。そのようなスパッタリング方法はPMMAで製作された基板上に薄膜を形成するのに広く使われるが、その理由は基板とその方法により形成される薄膜との親和性があるためである。スパッタリング方法により形成される希土類遷移金属合金の非晶質薄膜は消去可能な光磁気記録媒体に付着される。そのようなスパッタリング方法は次のように遂行される。まず、グロー放電(glow discharge)により形成されたアルゴン(Ar)のような不活性ガスの陽イオンを負極またはターゲット側に加速させた後に、その陽イオンをターゲットに衝突させる。そのようなイオン砲撃の結果、中性原子及びイオンがそれら間の運動量の交換に起因してターゲットの表面から真空チャンバへ移動する。結果的に、遊離したりスパッタリングされた原子及びイオンが真空チャンバの中に配置された、あらかじめ選択された基板上に蒸着されることになる。
【0004】
USP第6,156,172号(特許文献2)はプラズマ発生ユニットと、対向ターゲット型スパッタリング装置を構成するためにプラズマ空間を基板ホルダーと組合させたコンパクトな構成を開示しているが、対向ターゲット型スパッタリング装置はその内部にスパッタリングガスが供給され、閉鎖真空容器の外壁プレート上に装着されるボックス型プラズマユニットを形成する装置と、ボックス型プラズマユニット内に互いに離隔して対向するように配置され、各々がそのスパッタリングの表面を備える一対以上のターゲットと、ターゲットの5個の平面を支持したりそれらから離隔した、あらかじめ決まった空間を限定するようにボックス型プラズマユニットを提供する一対の対向ターゲットと3個のプレート型部材を支持し、真空封入体が備えられた真空容器の外壁上に除去可能に装着できるフレーム構造物と、冷却管を備えるターゲットホルダーと、ターゲットの表面からスパッタリングを起こすターゲット用電源と、それぞれの対のターゲットの周りに配置されて対向ターゲットのスパッタリングの表面に垂直な方向に延びる少なくとも一つの磁場を発生させる永久磁石と、ターゲットホルダーを備えた永久磁石を受容するために、フレーム構造物上に除去可能に装着される装置と、真空容器内のスパッタリングプラズマユニットの流出口空間付近の位置にある基板ホルダーとを含む。フレーム構造物と連繋してターゲットの背面と磁石の容器の両者を全て冷却させる冷却装置からなった、そのような統合された構成はスパッタリング装置のコンパクト性を向上させる。
【特許文献1】USP第5,000,834号
【特許文献2】USP第6,156,172号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一形態において、本発明の半導体製造システムは、不活性ガスが吸気及び排気できる真空ハウジングと及びシステム内に配置された多数の蒸着チャンバを含む。
【0006】
前記形態の具現は次の記載内容中の一つ以上によりなされる。蒸着チャンバ中の一つは対向ターゲットスパッタリング装置である。蒸着チャンバは、互いに対向するように配置されてその間にプラズマ区域を形成するために前記真空チャンバの対向する両端部に位置する2つのターゲットプレートと、前記プラズマ区域に亘って反対極性の磁極が互いに対向するように配置されて、前記ターゲットプレート間の前記プラズマ区域に磁場を形成するために前記ターゲットプレートに各々隣接して配置される2つの磁石と、前記プラズマ区域に隣接するように配置されて合金薄膜が蒸着される基板を支持するための基板ホルダーと、前記基板ホルダーに連結された逆バイアス電源を含む。逆バイアス電源はDCまたはAD電力供給源である。ウエハを移動するためにロボットアームが利用される。チャンバ内にはまたマグネトロンが備えられる。チャックヒータがウエハ上に装着されることができる。ウエハ移動のために回転チャックが使われる。回転チャックを移動させて、ウエハを多数のチャンバに露出させるために線形モータが利用されることができる。各チャンバは視準された蒸着パターンを提供する。各チャンバは各チャンバの蒸着工程の間開放され、チャンバが蒸着工程を遂行しない際は閉められるドアを備える。各ドアは落下粒子を捕集するための妨害板を含む。チャンバは磁石を共有する。ハウジングポンプがハウジングから空気を排出する。各チャンバはまたチャンバポンプを含む。したがって、ハウジングから空気を排出するためのハウジングポンプと各チャンバ毎に一つずつのチャンバポンプにより互いに異なる、または、差動ポンプが形成される。可変電源がターゲットプレートを駆動するが、可変電源は各蒸着工程に合うように調節される。
【0007】
他の形態において、本発明に係る基板上に薄膜をスパッタリングする方法は、各々一つ以上のターゲットと膜形成表面部分と背面部分を備えた基板を備える多数の蒸着チャンバを提供するステップと、膜形成表面部分が基板表面部分に垂直に誘導される磁場内に置かれるように磁場を生成するステップと、基板の背面部分に逆バイアスをかけるステップと、材料を膜形成表面部分上にスパッタリングするステップと、を含む。
【0008】
本発明の長所は次のような一つ以上のものを含む。薄膜形成中の基板の温度が略室温の温度であり、工程所要時間が短い。薄膜がほとんど全体工程終始非常に低い温度で形成されるので、従来に蒸着方法を使用して以前に蒸着された他の素子を損傷させることがなく、高集積デバイスに適用して多数の素子を備えた付加の層を蒸着することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、添付の図面をより詳しく参照すれば、そこには半導体処理システムの構造図及び工程の論理フロー図が図示されているが、その図面を検討することによって、一層容易に分かるように、低温でメモリデバイスを蒸着するシステムが使われるはずである。
【0010】
図1は、半導体製造装置の一実施形態を示す図である。図1には本実施形態の反応器が概略的に図示されている。反応器10は電気的に接地された金属チャンバ14を含む。スパッタリングによりコーティングしようとするウエハまたは基板22はターゲット16と対向する受け台電極24上に支持される。その受け台電極24にはバイアス電源26が接続される。バイアス電源26は絶縁キャパシタを通じて受け台電極24にカップリングされたRFバイアス電源であるものが好ましい。そのようなバイアス電源は受け台電極24上に数十ボルト程度の負のDC磁気バイアス(self bias)(VB)を生成する。アルゴンのような工程ガスがガス供給源28から質量流れ制御器30を介して、そして、そこからガス流入口32を介してチャンバ内に供給される。真空ポンプシステム34はポンピングポート36を介してチャンバをポンピングする。
【0011】
FTSユニットはウエハ22と対向するように位置され、多数の磁石102、104、106、108を備える。第1ターゲット110は磁石102、104の間に位置される一方、第2ターゲットは磁石106、108の間に位置される。第1及び第2ターゲット110、120は電子限定区域130を形成する。電源140は正の電荷が第2ターゲット120に引き付けられるように磁石102乃至108とターゲット110、120に接続される。動作中に、ターゲット110、120が横に位置された一実施形態において、側方向ターゲット110、120に対して垂直に位置される基板150上に粒子がスパッタリングされる。基板150はターゲット110、120の平面に垂直に配置される。基板ホルダー152は基板150を支持する。
【0012】
ターゲット110、120は2つの直四角形状の負極ターゲットが互いに対向してそれら間にプラズマ限定区域130を形成するように反応器10内に位置される。そうすると、対向ターゲット110、120の背面に接触されるように設置された磁石により対向ターゲット平面間の空間の外部を垂直に覆いかぶせる磁場が発生する。対向ターゲット110、120は負極として使われて、遮蔽プレートは正極として使われて、その正極/負極は直流DC電源140の出力端子に接続される。また、真空容器と遮蔽プレートが正極に接続される。
【0013】
圧力下で、電源からの電力が印加されながら対向ターゲット110、120の間の空間130にスパッタリングプラズマが形成される。磁場は対向ターゲット110、120の表面と垂直な方向に延びる周辺区域の周りで発生するので、対向ターゲット110、120の表面からスパッタリングされる高エネルギー電子が対向ターゲット110、120の間の空間内に限定されて、その空間130内で衝突によりガス等のイオン化を増大させる。スパッタリングガスのイオン化速度は基板22上での薄膜の蒸着速度に相応し、それで、電子が対向ターゲットの間の空間130内に限定されることにより高速蒸着が具現されることになる。基板22は対向ターゲット110、120の間のプラズマ空間から絶縁されるように配置される。
【0014】
プラズマ空間からのプラズマの衝突回数が非常に少なく、ターゲット平面からの熱放射量が非常に小さいので、基板22上への膜蒸着が低温範囲で処理されることになる。典型的な対向ターゲット型のスパッタリング方法はマグネトロン(magnetron)スパッタリング方法に比べて低い温度で高速蒸着により強磁性材料を蒸着する優れる特性を有する。充分のターゲット電圧(VT)が印加される場合、アルゴンからプラズマが励起される。チャンバ胴体(chamber enclosure)は接地される。チャックまたは受け台24へのRF電源26はウエハとチャンバとの間に効果的なDC"逆バイアス"を起こす。そのようなバイアスは負であるので、低速電子を反発させる。
【0015】
図2は図1の装置での例示的な電子分布を示す図である。電子分布は標準マクスウェル分布曲線に従う。低エネルギー電子は2つの特徴を有する。即ち、低エネルギー電子は多数であり、蒸着された原子と非弾性衝突をする傾向があって、結果的に蒸着の間、非晶質化される。高エネルギー電子は逆バイアスがかかった遮蔽物を通じて出てくるが、顕著なエネルギー伝達無しに原子から效果的に飛び出す。そのような高エネルギー電子は結合をなす方式に影響を及ぼさない。特に、これは高エネルギー電子が原子の近くで大変少ない時間だけを過ごす反面に、低エネルギー電子が原子の近くでより多くの時間を過ごして結合をなすことを妨害するためである。
【0016】
正のバイアスがかかった大型遮蔽物の存在はプラズマに、特に受け台電極24に密接なプラズマに影響を及ぼす。その結果、特にRFバイアス電源により受け台24上に形成されるDC磁気バイアスは従来の大型接地遮蔽物から更に正になることができる。即ち、DC磁気バイアスが典型的な用途で負になることより少なく負になることができる。そのようなDC磁気バイアスの変化は正のバイアスがかかった遮蔽物がプラズマから電子を枯渇させることによって、プラズマ及びそれによる受け台電極を更に正になるようにするという事実から始まったことと見なされる。
【0017】
図3はFTSシステムの他の実施形態を示す図である。本実施形態では、ウエハ200がチャンバ210内に位置される。ウエハ200はロボットアーム220を使用してチャンバ210内に移動する。ロボットアーム220はウエハ200をウエハチャック230上に置く。ウエハチャック230はチャックモータ240により移動する。 一つ以上のチャックヒータ250は処理の間、ウエハ200を加熱する。
【0018】
付加的に、ウエハ200はヒータ250とマグネトロン260間に位置される。マグネトロン260は高効率マイクロ波エネルギー源としての役割をする。一実施形態では、マイクロ波マグネトロンが一定の磁場を形成して回転電子空間電荷を生成する。そのような空間電荷は多数のマイクロ波共振空洞と相互作用してマイクロ波の放射を発生させる。図1の発生器26のような逆バイアス発生器に一つの電気ノード270が提供される。
【0019】
図3のシステムでは、2つのターゲットプレートが互いに対向するように、チャンバ210の内部の両端に固定された2つのターゲットホルダー上に連結されて配置される。ターゲットホルダー間にターゲットプレートの表面とほとんど垂直に磁場を生成するようにターゲットホルダー内に一対の永久磁石が受納される。ウエハ200は磁場(プラズマ区域を限定することになる)に密接に、好ましくは、それと対向するように配置される。電圧の印加により2つのターゲットプレートから放出される電子は磁場のため、ターゲットプレート間に限定されてプラズマ区域を形成するように不活性ガスのイオン化を増進させる。プラズマ区域に存在する不活性ガスの陽イオンはターゲットプレート側に加速される。不活性ガスの加速された粒子及びそのイオンによるターゲットプレートに対する砲撃はプレートを形成する材料の原子が放出されるようにする。薄膜が配置されるウエハ200はプラズマ区域の周りに置かれるので、磁場によるプラズマ区域の効果的な限定のため、そのような高エネルギー粒子及びイオンが薄膜の平面に対する砲撃は防止される。逆バイアスRF電源はウエハ200とチャンバ210との間に効果的なDC"逆バイアス"を起こす。そのようなバイアスは負であるので、低速電子を反発させる。
【0020】
図4は、第2半導体製造装置の一実施形態を示す図である。図4のシステムでは、多重1次元蒸着供給源(deposition sources)が蒸着チャンバ内に積層される。蒸着供給源の積層はウエハ移動量を減少させながら蒸着均一性を顕著に増大させる。ウエハ300は移送チャンバ430を通じて移動するロボットアーム420を使用してチャンバ410内に挿入される。ウエハ300はそのウエハ上に位置されるチャックヒータ(ら)450を備えた回転式チャック440上に位置される。線形モータ460はチャックを多数の蒸着チャンバ470を通じて移動させる。
【0021】
図4B−4Cは、蒸着チャンバ470をより詳細に示している。一実施形態によれば、磁石はチャンバ同士間に共有される。基板への開口部に落下粒子とその他の物質を捕集するための妨害板(baffle)480を備える点において、チャンバ470は視準型デザイン(collimated design)を有する。一具現例において、妨害板480は直線形端部(straight edge)を有する。他の具現例では、妨害板480は向上した粒子捕集のために角が立った端部(angled edge)を有する。磁石490はチャンバ470の長手方向に配置されてチャンバ同士間に共有されることができる。付加的に、システムポンプ34(図1参照)の他に各チャンバ470がポンプ(図示していない)を備える。したがって、互いに異なるまたは差動の(differential)ポンプシステムが配置される。共通の電源500が各蒸着段(deposition stages)間に共有される。
【0022】
蒸着チャンバ中の一つは、対向ターゲットスパッタリング装置である。蒸着チャンバは、互いに対向するように配置されてその間にプラズマ区域を形成するために前記蒸着チャンバの対向する両端部に位置する2つのターゲットプレートと、前記プラズマ区域に亘って反対極性の磁極が互いに対向するように配置されて前記ターゲットプレート間の前記プラズマ区域に磁場を形成するために前記ターゲットプレートに各々隣接して配置される2つの磁石と、前記プラズマ区域に隣接するように配置されて合金薄膜が蒸着される基板を支持するための基板ホルダーと、前記基板ホルダーに連結された逆バイアス電源を含む。逆バイアス電源はDCまたはAD電力供給源である。ウエハを移動するためにロボットアームが利用される。チャンバ内にはまたマグネトロンが備えられる。チャックヒータがウエハ上に装着されることができる。ウエハ移動のために回転チャックが使われる。回転チャックを移動させて、ウエハを多数のチャンバに露出させるために線形モータが利用されることができる。各チャンバは視準された蒸着パターンを提供する。各チャンバは各チャンバの蒸着工程の間開放され、チャンバが蒸着工程を遂行しない際は閉められるドアを備える。各ドアは落下粒子を捕集するための妨害板を含む。チャンバは磁石を共有する。ハウジングポンプがハウジングから空気を排出する。各チャンバはまたチャンバポンプを含む。したがって、ハウジングから空気を排出するためのハウジングポンプと各チャンバ毎に一つずつのチャンバポンプにより互いに異なる、または、差動ポンプが形成される。可変電源がターゲットプレートを駆動するが、可変電源は各蒸着工程に合うように調節される。
【0023】
図4A−4Bのシステムは多数の一次元スパッタ蒸着チャンバを提供する。図4Cに示すように、ターゲットプレートの電圧を可変することにより各パターンが調節されることができる。各チャンバは一連の材料を蒸着することができる。線形モータ460にウエハ300を移動することにより2次元カバレッジが得られる。また、このシステムは同一なチャンバで多層蒸着を遂行することができるので、汚染を最小化し、蒸着スループットを増加させることができる。
【0024】
ここに、図4Dを見れば、半導体製造装置の第2実施形態が図示されている。本実施形態では、チャック500がチャンバの内部に位置する。チャック500はウエハ502を支持する。チャンバは真空ベローズ(bellows)510を備える。チャック500はウエハ502とチャック500を振り子のような方式で回転させるウエハ回転子520により駆動される。また、チャック500は上下移動を提供する線形モータ530によっても駆動される。多数の供給源540乃至544は、ウエハ502上に材料の蒸着を行う。
【0025】
図4Dのシステムは、均一な蒸着のために3つの供給源を過ぎるウエハ502の線形移動を有する。このシステムは、ウエハを支持し、振り子が振動する際にウエハをターゲットから一定の垂直距離を置いたままで維持させるためのジョイントされた振り子を備える。側方向線形アームを備えたシステムではチャック500が重みがあって、ウエハ、ヒータ、RF逆バイアス回路を支持し、アームが揺れないように非常に厚い支持アームを必要とするので、本システムは側方向線形アームを備えたシステムより一層安定である。また、側方向線形アームを備えたシステムで線形アームは供給源から離れて延びなければならないので装備が大型になる結果をもたらしたはずである。本具現例では、アームがチャックの下に着席され、その結果、装備の部品が小型化され、併せてアームが多い重量を支持する必要がなくなる。振り子を利用すれば、揺れるだけでなく、少なくとも4フィートの装備の大きさを有する長い線形アームの使用が不要になる。チャックが側方でなく、下方から支持されるので、振り子がウエハをはるかに安定的に維持することができる。
【0026】
本発明の一実施形態において、2次元蒸着カバー区域を得るための工程が次のようなステップからなる。
【0027】
使用者から希望する2次元パターンを受けるステップ;チャックを選択された蒸着チャンバに移動させるステップ;2次元パターンに沿って線形モータと回転チャックを作動させるステップ;現ウエハを次の蒸着チャンバに移動させるステップ;次のウエハを現チャンバ内に至るようにして工程を繰り返すステップ。
【0028】
図5は図1のシステムで製造された例示的なデバイスのSEMイメージを示す図であり、図6は図5のSEMイメージの一部の拡大図である。図5のデバイスは低温(400℃未満)で製造された。図5の底には酸化物層(20nm厚さ)がある。酸化物層上には本場合にチタニウム層(24nm厚さ)である金属層がある。その金属層上には本場合に白金(Pt)界面層(約5nm)である界面層がある。最後に、結晶質PCMO層(79nm厚さ)が上段に形成される。本層にある粒状物(grains)が底から上段側に若干傾いて延びることを見ることができる。図6はTi金属層、Pt界面層及びPCMO粒状物をより詳細に示す拡大図である。
【0029】
1つの逆バイアス電源を言及したが、多数の逆バイアス電源を使用することができる。そのような電源は互いに別個に制御されることができる。供給される電気エネルギーも別個に制御されることができる。したがって、形成される薄膜成分を毎回のスパッタリング配置工程で容易に制御できることになる。また、対向ターゲット型スパッタリング装置(FTS)の使用により、膜の厚さ方向に薄膜の造成を変更することができる。
【0030】
本説明で採用された各種の用語は互いに交換できることに留意しなければならない。したがって、本発明の前述した説明は例示的なものであり、限定的なものではない。当業者には、本明細書の見地で追加の修正をすることが自明である。
【0031】
本発明を単に例示的なことに過ぎないし、限定的なことに解析されてはならない特定の例により説明した。本発明はディジタル電子回路またはコンピュータハードウェア、ファームウエア、ソフトウェアで具現でき、かつ、それらを組合させて構築されることができる。
【0032】
製造装備を制御する本発明の装置はコンピュータプロセッサーによる実行のためにコンピュータで読取可能な格納デバイスに有形的に具現されるコンピュータプログラム製品で具現されることもできる。また、本発明の方法ステップは入力データを動作させて出力を発生させることによって、本発明の機能を遂行するプログラムを実行させるコンピュータプロセッサーにより行なわれることができる。適合したプロセッサーは、例えば、汎用マイクロプロセッサーと特殊用マイクロプロセッサーの両者を全て含む。コンピュータプログラム命令を有形的に具現するのに適合した格納デバイスはあらゆる形態の非揮発性メモリを含むが、その非揮発性メモリは、たとえそれに限るのではないが、EPROM、EEPROM及びフラッシュデバイス等のような半導体メモリデバイスと、磁気ディスク(固定型、フロッピー型及び削除可能型)と、テープのようなその他の磁気媒体と、CD−ROMディスク等のような光媒体と、光磁気デバイスとを含む。前述したものの中のいずれも、特殊設計された注文型集積回路(ASICs)または適切にプログラムされたフィールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGAs)で補充されたりそれに統合されたりすることができる。
【0033】
本発明の好ましい形態を添付の図面に図示して本明細書で説明したが、当業者にはそのような好ましい形態の変更が自明であるので、本発明を図示されて説明されたそのような特定の形態に限定されることと解析してはならない。したがって、本発明の範囲は次の請求の範囲及びその均等物により決まることになる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】半導体製造装置の一実施形態を示す図である。
【図2】図2装置の例示的な電子分布図である。
【図3】FTSシステムの他の実施形態を示す図である。
【図4A】第2半導体製造装置の一実施形態を示す図である。
【図4B】第2半導体製造装置の一実施形態を示す図である。
【図4C】第2半導体製造装置の一実施形態を示す図である。
【図4D】第2半導体製造装置の他の一実施形態を示す図である。
【図5】図1のシステムで製造された例示的なデバイスの横断面図のSEMイメージを示す図である。
【図6】図5のSEMイメージの一部の拡大図である。
【符号の説明】
【0035】
110、120 ターゲット
200、502 ウエハ
220 ロボットアーム
230 ウエハチャック
240 チャックモータ
250 チャックヒータ
260 マグネトロン
420 ロボットアーム
430 移送チャンバ
440 回転式チャック
450 チャックヒータ
460 線形モータ
470 蒸着チャンバ
500 チャック
502 ウエハ
510 真空ベローズ
520 ウエハ回転子
530 線形上下移動モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不活性ガスが吸気及び排気できる真空ハウジングと、
多数の蒸着チャンバと、
を含むことを特徴とする半導体製造システム。
【請求項2】
前記蒸着チャンバ中の一つは対向ターゲットスパッタリング装置であることを特徴とする請求項1に記載の半導体製造システム。
【請求項3】
前記蒸着チャンバは、
互いに対向するように配置されて、その間にプラズマ区域を形成するために前記真空チャンバの対向する両端部に位置する2つのターゲットプレートと、
前記プラズマ区域に亘って反対極性の磁極が互いに対向するように配置されて前記ターゲットプレート間の前記プラズマ区域に磁場を形成するために前記ターゲットプレートに各々隣接して配置される2つの磁石と、
前記プラズマ区域に隣接するように配置されて合金薄膜が蒸着される基板を支持するための基板ホルダーと、
前記基板ホルダーに連結された逆バイアス電源と、
を含むことを特徴とする請求項2に記載の半導体製造システム。
【請求項4】
前記逆バイアス電源はDC電源またはAC電源であることを特徴とする請求項3に記載の半導体製造システム。
【請求項5】
ウエハを移動するためのロボットアームを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体製造システム。
【請求項6】
前記チャンバにカップリングされたマグネトロンを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体製造システム。
【請求項7】
ウエハ上に装着されたチャックヒータを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体製造システム。
【請求項8】
ウエハを移動するための回転チャックを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体製造システム。
【請求項9】
回転チャックを移動させ、ウエハを多数のチャンバに露出させるための線形モータを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体製造システム。
【請求項10】
前記各チャンバが視準された蒸着パターンを提供することを特徴とする請求項1に記載の半導体製造システム。
【請求項11】
前記各チャンバが各チャンバの蒸着工程の間開放され、チャンバが蒸着工程を遂行しない時は閉められるドアを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体製造システム。
【請求項12】
前記各ドアが落下粒子を捕集するための妨害板を含むことを特徴とする請求項11に記載の半導体製造システム。
【請求項13】
前記チャンバが磁石を共有することを特徴とする請求項1に記載の半導体製造システム。
【請求項14】
前記ハウジングから空気を排出するためのハウジングポンプを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体製造システム。
【請求項15】
前記各チャンバがチャンバポンプを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体製造システム。
【請求項16】
側方でなく、下方から支持されるチャックを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体製造システム。
【請求項17】
ウエハを支持し、振り子が振動する際にウエハをターゲットから一定な垂直距離を置いたままで維持させるためのジョイントされた振り子を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体製造システム。
【請求項18】
各々一つ以上のターゲットと、膜形成表面部分と背面部分を備えた基板を備えた多数の蒸着チャンバを提供するステップと、
前記膜形成表面部分が前記基板の表面部分に垂直に誘導される磁場内に置かれるように磁場を生成するステップと、
前記基板の背面部分に逆バイアスをかけるステップと、
材料を前記膜形成表面部分上にスパッタリングするステップと、
を含むことを特徴とする基板上への薄膜スパッタリング方法。
【請求項19】
振り子を使用してウエハを振動させるステップを更に含むことを特徴とする請求項18に記載の基板上への薄膜スパッタリング方法。
【請求項20】
側方向でなく、むしろ下方からチャックを支持するステップを更に含むことを特徴とする請求項18に記載の基板上への薄膜スパッタリング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−507603(P2007−507603A)
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526969(P2006−526969)
【出願日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【国際出願番号】PCT/US2004/029989
【国際公開番号】WO2005/028699
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(506089385)グローバル シリコン ネット コーポレイション (2)
【Fターム(参考)】