説明

低温ALDSiO2

【課題】一般的に、二酸化ケイ素を原子層堆積法によって堆積する方法であって、触媒としてピリジンを与えることによって、低温で堆積しつつ、水を酸化源として利用することができる方法を提供する。
【解決手段】基板を水にさらす前に、基板をピリジン浸漬プロセス320にさらし、更に、水をピリジンとともに別々のコンジットを通してチャンバに並流させ、チャンバに入る前の相互作用を減じる。変形例では、ピリジンをピリジンと反応しないシリコン前駆体とともに並流させてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明の実施態様は、一般的に、二酸化ケイ素を原子層堆積(ALD)によって堆積する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]半導体処理、フラットパネルディスプレイ処理、又は他の電子デバイス処理の分野において、気相堆積法は、材料を基板上に堆積するのに重要な役割を果たしてきた。電子デバイスの形状は縮小し続け、デバイスの密度は増大し続けているので、特徴部のサイズとアスペクト比は、より挑戦的になってきている。従って、材料のコンフォーマルな堆積によりこれらのデバイスを形成することがますます重要になってきている。
【0003】
[0003]従来の化学気相堆積(CVD)は、約0.15μmまでのデバイスの形状とアスペクト比でうまくいくことが分かっているが、より挑戦的なデバイス形状には代わりの堆積技術が要求される。非常に注目を受けている技術の1つは、ALDである。ALDプロセスの間、反応ガスが、基板を収容するプロセスチャンバ内に連続的に導入される。一般的に、第1の反応種が、プロセスチャンバ内に導入され、基板表面上に吸着する。次いで、第2の反応物が、プロセスチャンバ内に導入され、第1の反応種と反応して、堆積物質を形成する。各反応ガスの分配の間に、パージステップが行われることがある。パージステップは、キャリヤガスによる連続的なパージあるいは反応ガスの分配の間になされる不連続なパージで実施される。
【0004】
[0004]ALDによる二酸化ケイ素の形成は、当技術分野で知られている方法である。ALDによる二酸化ケイ素の形成において、シリコン前駆体がチャンバ内に導入され、その後酸化剤源が導入される。水を酸化剤源として用いるとき、水の穏やかな反応性のため、ALDプロセスは、典型的に、高温及びより長い露出時間を要求する。
【0005】
[0005]それゆえ、ALDにおいて低温で水を用いて二酸化ケイ素を堆積する方法及び装置が、当技術分野において必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
[0006]本発明は、一般的に二酸化ケイ素ALD法を含む。触媒としてピリジンを与えることによって、低温で堆積する間、水を酸化剤源として利用することができる。基板を水にさらす前に、基板をピリジン浸漬工程にさらすのがよい。更に、水をピリジンとともに別々のコンジットを通してチャンバに並流させ、チャンバに入る前の相互作用を減じるのがよい。変形例では、ピリジンをピリジンと反応しないシリコン前駆体とともに並流させてもよい。
【0007】
[0007]一実施態様では、本発明は二酸化ケイ素堆積法を含み、前記方法は、基板をチャンバ内に位置決めするステップと、基板をシリコン前駆体にさらすステップと、基板をピリジン浸漬液にさらすステップと、基板を酸化剤源にさらすステップと、を含む。
【0008】
[0008]他の実施態様では、本発明は、二酸化ケイ素堆積法を含み、前記方法は、基板をチャンバ内に位置決めするステップと、基板をシリコン前駆体にさらすステップと、基板を酸化剤源とピリジンにさらすステップであって、ピリジンと酸化剤源が別々の入口を通してチャンバ内に流れる前記ステップと、を含む。
【0009】
[0009]更に他の実施態様では、本発明は、二酸化ケイ素堆積法を含み、前記方法は、基板をチャンバ内に位置決めする方法と、基板をヘキサクロロジシランにさらすステップと、基板をHOとピリジンにさらすステップであって、ピリジンとHOが別々の入口を通してチャンバ内に流れる前記ステップと、を含む。
【0010】
[0010]本発明の上述した特徴を詳細に理解できるように、上記で簡単に要約した本発明のより詳細な記載を実施形態を参照して示し、実施形態の幾つかを添付図面に示す。しかしながら、添付図面は、本発明の典型的な実施形態のみを示し、それゆえ本発明の範囲を限定すると考えてはならず、本発明は他の効果的に等しい実施形態も含むことが留意されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1A】図1Aは、本発明の一実施形態による装置100の概略図である。
【図1B】図1Bは、本発明の一実施形態によるインジェクタプレナム108a-cの概略図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態による堆積方法のフローチャート200である。
【図3】図3は、本発明の他の実施形態による堆積方法のフローチャート300である。
【図4】図4は、本発明の更に他の実施形態による堆積方法のフローチャート400である。
【図5】図5は、本発明の更に他の実施形態による堆積方法のフローチャート500である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0017]理解を容易にするために、可能な場合は、図面間で共通である同一要素を示すために、同一の符号を用いた。一実施形態に開示された要素は、特に記載することなしに他の実施形態に有益に利用することができることを意図する。
【0013】
[0018]本発明は、一般的に二酸化ケイ素ALD法を含む。ピリジンを触媒として与えることによって、低温で堆積する間、水を酸化源として利用することができる。基板を水にさらす前に、基板をピリジン浸漬工程にさらす。更に、チャンバに入る前の相互作用を減じるために水を別々のコンジットを通してピリジンとともにチャンバに並流させる。変形例では、ピリジンは、ピリジンと反応しないシリコン前駆体とともに並流してもよい。
【0014】
[0019]図1Aは、本発明の一実施形態による装置100の概略図である。装置100は、真空チャンバ102を含む。装置100は、基板104が配置される1以上のサセプタ106を収容するバッチ装置100であるのがよい。一実施形態では、装置100は単一基板104装置であるのがよい。処理量を増すために同時に1枚より多い基板104を処理するのが有益である。バッチ処理が提示する難題の1つは、ウエハ間の均一性を維持することである。
【0015】
[0020]前駆体をインジェクタプレナム108を通して装置100に供給する。インジェクタプレナム108は、プレナム壁110及びインジェクションプレート114を備え、これらは一緒にインジェクションプレナムチャンバ122を囲み、プレナムチャンバ122を構成する。インジェクションプレート114は、複数の孔116を有し、孔116を通して前駆体ガス、パージガス、及びキャリヤガスが真空チャンバ102内に流れる。インジェクションプレート114は、真空チャンバ102がインジェクタプレナム108の低圧側部112となるように、インジェクタプレナム108を真空チャンバ102から分離する。前駆体、パージガス、及びキャリヤガスを、コンジット118a-118cを通してインジェクタプレナム108に導入する。
【0016】
[0021]装置100は、排気プレナム124を通して排気することができる。排気プレナムは、排気プレナムチャンバ128を取り囲み、排気プレナムチャンバ128を構成する、排気プレート126及びプレナム壁130を備えるのがよい。複数の孔132が排気プレート126に存在するのがよい。ガスは、排気口136を通して排気プレナム124から排気される。
【0017】
[0022]付加的なガスをコンジット134を通して排気プレナム124に導入するのがよい。付加的なガスは、反応副生成物を軽減し又は転換することができ、さもなければ反応生成物が排気プレナム124及び真空チャンバ102の表面上に凝集する。スロットルバルブ138が、真空チャンバ102の圧力を制御することができる。
【0018】
[0023]ALDによって二酸化ケイ素を形成する場合、シリコン前駆体を装置100に分配する。シリコン含有材料を堆積するために有用なシリコン前駆体の例は、シラン、アルキルシラン、アミノシラン、アルキルアミノシラン、シラノール、又はアルコキシシランを含む。例えばシリコン前駆体は、(MeN)Si、(MeN)SiH、(MeN)SiH、(MeN)SiH、(EtN)Si、(EtN)SiH、(MeEtN)Si、(MeEtN)SiH、Si(NCO)、MeSi(NCO)、SiH、Si、SiCl、SiCl、MeSiCl、HSiCl、MeSiCl、HSiCl、MeSi(OH)、MeSi(OH)、(MeO)Si、(EtO)Si、又はこれらの誘導体を含む。シリコン前駆体として有用な他のアルキルアミノシラン化合物は、(RR’N)4-nSiH(R又はR’は独立して水素、メチル、エチル、プロピル、又はブチルであり、n=0-3である)を含む。他のアルコキシシランは、一般化学式(RO)4-nSiL、R=メチル、エチル、プロピル、又はブチル、L=H、OH、F、Cl、Br、又はI及びこれらの混合物)によって記載することができる。また、本発明の幾つかの実施形態において高級シランをシリコン前駆体として用いるのがよい。高級シランは、同一出願人に譲渡された米国特許出願公開第2004/0224089号(この開示内容は本願明細書に全体で援用されている)に開示される。幾つかの実施形態では、シリコン前駆体は、トリス(ジメチルアミノ)シラン((MeN)SiH又はトリスDMAS)、テトラキス(ジメチルアミノ)シラン((MeN)Si又はTDMAS)又は他のジアルキルアミノシランを含み、他の実施形態では、シリコン前駆体は、シラン(SiH)を含む。更に他の実施形態では、シリコン前駆体はヘキサクロロジシラン(HCDS)を含む。
【0019】
[0024]ALD法で二酸化ケイ素を形成するための酸化源は、酸素(O)、オゾン(O)、酸素原子(O)、過酸化水素(H)、亜酸化窒素(NO)、一酸化窒素(NO)、五酸化二窒素(N)、二酸化窒素(NO)、水(HO)、これらの誘導体又はこれらの組み合わせを含む。例示的実施形態では、酸化源は水(HO)を含む。
【0020】
[0025]水を酸化源として用いる場合、触媒を供給して、ALDを触媒が存在しないときに起こるよりも高速且つ低温で進めることができる。用いることができる触媒の例は、アンモニアとピリジンを含む。ピリジンと水は、相互作用する。それゆえ、水とピリジンが同一の入力コンジットを通してチャンバに一緒に並流するとき、水及びピリジンは、チャンバに達する前に相互作用する。水及びピリジンが相互作用する場合、ピリジンは、もはや触媒として効果的に機能せず、従って、ALD堆積速度は増大しない。
【0021】
[0026]チャンバに達する前の水とピリジンの相互作用を防ぐために、ピリジン及び水をインジェクタプレナムを分離する別々の供給コンジットを用いてチャンバに並流させるのがよい。図1Bは、本発明の一実施形態によるインジェクタプレナム108a-cの概略図である。図1Bに示すように、各コンジット118a-118cは、別々のインジェクタプレナム108a-108cに供給される。そのため、ピリジンと水がチャンバに達するまでピリジン-水相互作用を防止することができる。
【0022】
[0027]HCDSのようなシリコン前駆体は、ピリジンと相互作用しない。それゆえ、シリコン前駆体とピリジンは、同一のコンジットとインジェクタプレナムを用いてチャンバに並流させることができる。一実施形態では、ピリジンとシリコン前駆体は、同一のコンジットとインジェクタプレナムを用いてチャンバに流すことができる。他の実施形態では、ピリジン及びシリコン前駆体を、別々のコンジット及びインジェクタプレナムを用いてチャンバに流してもよい。
【0023】
[0028]ピリジンと水を別々のインジェクタプレナム及びコンジットを用いてチャンバに並流させる代わりとして、水をチャンバに導入する前に基板をピリジン浸漬液にさらす。ピリジン浸漬は、他の前駆体又は水のような酸化剤を導入することなしに基板をピリジンにさらすことを含む。基板は、基板をピリジンで飽和させるのに十分な時間、ピリジンにさらすのがよい。一実施形態では、ピリジン浸漬は、10秒を超えて行う。ピリジン浸漬を行うことによって、十分な触媒がチャンバ内及び基板表面に存在することができ、水前駆体を導入するとき、触媒が確実に存在するようにする。ピリジンが既にチャンバ内にあるので、水がチャンバに達する前に、水と相互作用することによって全てのピリジンが消費されることはない。ピリジン浸漬を行う場合、付加的なピリジンを酸化剤及びシリコン前駆体と並流させるのがよい。一実施形態では、ピリジン浸漬を行い、シリコン前駆体及び続いて水をチャンバに分配するとき、ピリジンをチャンバ内に流し続ける。他の実施形態では、ピリジン浸漬を行い、水分配及びシリコン前駆体分配中、ピリジン分配を停止する。ピリジンにより、ほぼ室温から約160℃までのような低温で反応を生じることができる。一実施形態では、温度は約75℃である。
【0024】
[0029]図2は、本発明の一実施形態による堆積方法のフローチャート200である。最初に、1以上の基板をプロセスチャンバ内に配置することができる(ステップ210)。次いで基板をピリジン浸漬液にさらすことができる(ステップ220)。ピリジン浸漬は、少なくとも10秒間行う。ピリジン浸漬に続いて、HCDSをチャンバに導入し、ピリジンをチャンバ内に流し続ける(ステップ230)。変形例では、ピリジン流を、ピリジン浸漬の後、停止し、次いでHCDSとともにチャンバ内に導入するのがよい。
【0025】
[0030]HCDSの導入後に、パージガスをチャンバ内に導入することによって、チャンバをパージすることができる(ステップ240)。用いることができるパージガスの例は、アルゴンのような不活性ガスを含む。一実施形態では、パージガスは窒素を含むのがよい。チャンバを排気して、パージガス及びチャンバ内に存在する全ての残留HCDSとピリジンを除去することができる。一実施形態では、パージステップのみ行い、排気は行わない。変形例では、パージステップを除去し、チャンバを排気してHCDS及びピリジンを除去してもよい。一実施形態では、パージガス導入の前と後の両方で排気を行うのがよい。他の実施形態では、パージ及び排気の両方を繰り返すのがよい。排気及び/又はパージは、複数回行うのがよい。更に他の実施形態では、パージ及び排気を、1つのステップに結合してもよい。
【0026】
[0031]排気及び/又はパージに続いて、基板を第2のピリジン浸漬液にさらすことができる(ステップ250)。第2のピリジン浸漬は、上述した第1のピリジン浸漬に示される同一の処理条件下で行う。ピリジン浸漬に続いて、HOをチャンバに導入し、ピリジンをチャンバ内に流し続ける(ステップ260)。変形例では、ピリジン流を、ピリジン浸漬の後に停止し、次いでHOとともにチャンバ内に導入するのがよい。ピリジンが浸漬ステップから既にチャンバ内に存在するので、触媒として働くための十分なピリジンが存在する。基板をHOにさらすことに続いて、第2の排気及び/又はパージサイクル(ステップ270)を上述した条件下で行うのがよい。
【0027】
[0032]チャンバを排気及び/又はパージした後、SiO層の厚さを測定して所定のSiO厚さに達しているか決定する(ステップ280)。もし、所定の厚さに達していなかったならば、堆積シーケンスを繰り返す。もし、所定の厚さに達していれば、次いで処理を終了する(ステップ290)。
【0028】
[0033]図3は、本発明の他の実施形態による堆積方法のフローチャート300である。最初に、1以上の基板をプロセスチャンバ内に配置する(ステップ310)。次いで基板をピリジン浸漬液にさらす(ステップ320)。ピリジン浸漬は、少なくとも10秒間行うのがよい。ピリジン浸漬に続いて、HCDSをチャンバに導入し、ピリジンはチャンバに分配されない(ステップ330)。変形例では、ピリジン流を、ピリジン浸漬の後に停止し、次いでHCDSとともにチャンバ内に導入するか又はピリジンを分配し続けてもよい。
【0029】
[0034]HCDSの導入後、上述したようにチャンバをパージ及び/又は排気するのがよい(ステップ340)。排気及び/又はパージに続いて、基板を第2のピリジン浸漬液にさらすことができる(ステップ350)。第2のピリジン浸漬は、上述した第1のピリジン浸漬に示される同一の処理条件下で行う。ピリジン浸漬に続いて、ピリジンの流れを停止し、HOをチャンバに導入することができる(ステップ360)。基板をHOにさらすことに続いて、第2の排気及び/又はパージサイクル(ステップ370)を上述した条件下で行うのがよい。
【0030】
[0035]チャンバを排気及び/又はパージした後、SiO層の厚さを測定して所定のSiO厚さに達しているか決定する(ステップ380)。もし、所定の厚さに達していなかったならば、堆積シーケンスを繰り返す。もし、所定の厚さに達していれば、次いで処理を終了する(ステップ390)。
【0031】
[0036]図4は、本発明の更に他の実施形態による堆積方法のフローチャート400である。最初に、1以上の基板をプロセスチャンバ内に配置することができる(ステップ410)。次いで基板をHCDS及びピリジンにさらすことができる(ステップ420)。HCDS及びピリジンの導入後、上述した方法で、パージガスをチャンバ内に導入することによってチャンバをパージすることができる(ステップ430)。
【0032】
[0037]排気及び/又はパージに続いて、基板をHO及びピリジンの同時導入にさらすことができる(ステップ440)。HOとピリジンは、異なるコンジットラインを通して、また、異なる入口を通してチャンバ内に並流する。異なるコンジットと異なる入口を利用することによって、HOとピリジンは、チャンバに達するまで互いにさらされない。もしピリジンとHOを同一のコンジットを通して並流させるならば、ピリジンとHOはチャンバに達する前に相互作用する。HOとピリジンが、チャンバに入る前に相互作用する場合、触媒としてのピリジンの効果が減じられるので、触媒が使い物にならなくなる。
【0033】
[0038]基板をHOにさらすことに続いて、第2の排気及び/又はパージサイクル(ステップ450)を上述した条件下で行うのがよい。チャンバを排気及び/又はパージした後、SiO層の厚さを測定して所定のSiO厚さに達しているか決定することができる(ステップ460)。もし、所定の厚さに達していなかったならば、堆積シーケンスを繰り返す。もし、所定の厚さに達していれば、次いで処理を終了する(ステップ470)。
【0034】
[0039]図5は、本発明の更に他の実施形態による堆積方法のフローチャート500である。最初に、1以上の基板をプロセスチャンバ内に配置することができる(ステップ510)。次いで基板をピリジン浸漬液にさらすことができる(ステップ520)。ピリジン浸漬は、少なくとも10秒間行うのがよい。ピリジン浸漬に続いて、HCDSをチャンバに導入し、ピリジンをチャンバ内に流し続ける(ステップ530)。変形例では、ピリジン流を、ピリジン浸漬の後、停止し、次いでHCDSとともにチャンバ内に導入してもよい。HCDSの導入後、上述したようにチャンバをパージ及び/又は排気することができる(ステップ540)。
【0035】
[0040]排気及び/又はパージに続いて、基板を第2のピリジン浸漬にさらすのがよい(ステップ550)。第2のピリジン浸漬は、上述した第1のピリジン浸漬に示される同一の処理条件下で行う。ピリジン浸漬に続いて、HOをチャンバに導入し、ピリジンをチャンバ内に流し続ける(ステップ560)。変形例では、ピリジン浸漬の後、ピリジン流を止め、次いでHOとともにチャンバ内に導入する。一実施形態では、ピリジン及びHOを図4に関して上述した別々のコンジットを通して供給する。基板をHOへさらすことに続いて、第2の排気及び/又はパージサイクル(ステップ570)を上述した条件下で行うのがよい。
【0036】
[0041]チャンバを排気及び/又はパージした後、SiO層の厚さを測定して所定のSiO厚さに達しているか決定することができる(ステップ580)。もし、所定の厚さに達していなかったならば、堆積シーケンスを繰り返す。もし、所定の厚さに達していれば、次いで処理を終了する(ステップ590)。
【0037】
[0042]基板の処理について述べるとき、複数の基板を処理できることが理解されなければならない。例えば、約2枚の基板、約25枚の基板、約50枚の基板、又は約100枚の基板をバッチチャンバ内で処理することができる。更に、ピリジン浸漬は約1秒から約90分間、又は約1分から約20分間行うのがよい。変形例では、ピリジン浸漬を約30秒から約60分間、又は約20分から約40分間行ってもよい。更に他の変形例では、ピリジン浸漬を約1分から約40分間行ってもよい。
【0038】
[0043]ピリジン浸漬を与え及び/又はピリジンとHOを別々のコンジットラインを通して並流させることによって、ピリジンが触媒として確実に働くのに十分なピリジンがチャンバ、従って基板表面に達する。HO酸化雰囲気で触媒としてピリジンを利用することによって、SiOALDを160℃未満で増大した速度で行うことができる。
【0039】
[0044]上記は本発明の実施形態に関するが、本発明の基本的な範囲から逸脱することなしに本発明の他の及び更なる実施形態を構成することができ、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって決定される。
【符号の説明】
【0040】
100…装置、102…真空チャンバ、104…基板、106…サセプタ、108…インジェクタプレナム、108a…インジェクタプレナム、108b…インジェクタプレナム、108c…インジェクタプレナム、110…プレナム壁、112…低圧側部、114…インジェクションプレート、116…孔、118a…コンジット、118b…コンジット、118c…コンジット、118d…コンジット、120…ガスフロー、122…注入プレナムチャンバ、124…排気プレナム、126…排気プレート、128…排気プレナムチャンバ、130…プレナム壁、132…孔、134…コンジット、136…排気ポート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化ケイ素堆積方法であって、
(a)少なくとも1枚の基板をチャンバ内に位置決めするステップと、
(b)該少なくとも1枚の基板をシリコン前駆体にさらすステップと、
(c)該少なくとも1枚の基板をピリジン浸漬液にさらすステップと、
(d)該少なくとも1枚の基板を酸化源にさらすステップと、
を含む方法。
【請求項2】
該堆積方法が、原子層堆積法である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該少なくとも1枚の基板をパージガスにさらすステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
該少なくとも1枚の基板をシリコン前駆体にさらすステップが、少なくとも1枚の基板をシリコン前駆体とピリジンにさらすステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
該少なくとも1枚の基板をシリコン前駆体にさらす前に該基板をピリジン浸漬液にさらすステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
該少なくとも1枚の基板を酸化源にさらすステップが、該少なくとも1枚の基板を酸化源とピリジンにさらすステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
該酸化源と該ピリジンが別々の入口を通して該チャンバ内に流れる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
該シリコン前駆体が、ヘキサクロロジシランを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
該酸化剤がHOを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
(b)-(d)を少なくとも1回繰り返すステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
二酸化ケイ素堆積方法であって、
(a)少なくとも1枚の基板をチャンバ内に位置決めするステップと、
(b)該少なくとも1枚の基板をシリコン前駆体にさらすステップと、
(c)該少なくとも1枚の基板を酸化源とピリジンにさらすステップであって、該ピリジンと該酸化源が別々の入口を通してチャンバ内に流れる前記ステップと、
を含む前記方法。
【請求項12】
該堆積方法が、原子層堆積法である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
該少なくとも1枚の基板をパージガスにさらすステップを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
該少なくとも1枚の基板をシリコン前駆体にさらすステップが、少なくとも1枚の基板をシリコン前駆体とピリジンにさらすステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
該シリコン前駆体と該ピリジンが、別々の入口を通してチャンバ内に流れる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
該シリコン前駆体がヘキサクロロジシランを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
該酸化源がHOを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
(b)及び(c)のステップを少なくとも1回繰り返すステップを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
該少なくとも1枚の基板をシリコン前駆体にさらす前に該少なくとも1枚の基板をピリジン浸漬液にさらすステップを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
二酸化ケイ素堆積方法であって、
(a)少なくとも1枚の基板をチャンバ内に位置決めするステップと、
(b)該少なくとも1枚の基板をヘキサクロロジシランにさらすステップと、
(c)該少なくとも1枚の基板をHOとピリジンにさらすステップであって、ピリジンとHOが別々の入口を通して該チャンバ内に流れる前記ステップと、
を含む前記方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−142611(P2012−142611A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−86105(P2012−86105)
【出願日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【分割の表示】特願2007−292395(P2007−292395)の分割
【原出願日】平成19年11月9日(2007.11.9)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】