説明

作業機械のエンジン制御

【課題】負荷解除時においてエンジンの調速制御の遅れによる過剰な燃料の噴射を防止するエンジン制御装置を提供すること。
【解決手段】
エンジンの目標回転数と実回転数の回転偏差を算出するメインコントローラと、エンジンの実回転数と制御目標エンジンの実回転数と回転数偏差が大きくなれば、その偏差量に応じて上記ポンプ容量制御手段を駆動し、可変容量型油圧ポンプの吐出流量を減少させて、馬力制限制御を行ういわゆるスピードセンシング制御機構とを備え、メインコントローラは、操作量検出手段で検出した操作レバーの操作量に基づきアクチュエータの要求流量を演算するとともに、検出したポンプ吐出圧力とアクチュエータ要求流量とによりポンプ吸収トルクを演算し、演算したポンプ吸収トルクの予測値が目標とするトルク以下になった場合に、エンジンの燃料噴射量を減量側に調整することを特徴とするエンジン制御装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧作業機のエンジン制御装置、詳しくは、油圧ポンプの斜板を制御し吐出流量を減少させることで、ポンプ吸収トルクをエンジン最大出力トルク以下に制限する、いわゆる馬力制限機構を有するエンジン制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
油圧作業機においては、掘削作業などの各種作業中に油圧アクチュエータに過大な負荷が加わった場合でも、油圧ポンプの吸収トルクがエンジンの最大出力トルクを超えてエンジンストールしないように、油圧ポンプの斜板を制御し吐出流量を減少させることで、ポンプ吸収トルクをエンジン最大出力トルク以下に制限する、いわゆる馬力制限機構を有する。
【0003】
上記馬力制限機構の中でも、過大な負荷により油圧ポンプの吸収トルクが増加した際のエンジンの回転数低下を検出し、エンジン回転数の低下量に応じて油圧ポンプの吐出量を減少させ、油圧ポンプの吸収トルクの最大値を制限する制御方式であるいわゆるスピードセンシング制御が知られている。そのスピードセンシング制御として特許文献1及び特許文献2に記載の公知技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭55−12245号公報
【特許文献2】特開昭58−88480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、従来技術である上記特許文献に記載の発明においては、油圧作業機での掘削作業中に、バケットの爪が堅い岩盤に当たるなどして油圧アクチュエータの圧力が上昇した場合には、ポンプの斜板を減量側に制御し、油圧ポンプの吸収トルクがエンジンの出力トルクを超えないようにしてエンジンストールを防止する。その場合にエンジン回転数はスピードセンシング制御での目標回転数に調速され、エンジン出力トルクも目標トルクとなる。
【0006】
一方、スピードセンシング制御が作動している高い負荷状態から、操作レバーを中立に戻して作業を停止するなど低い負荷状態に移った場合に、エンジン回転数はエンジンの出力トルク特性線に従い調速され、トルクが減少した分だけエンジン回転が増加する。油圧負荷の減少が急激な場合は、エンジンの調速制御の遅れにより、油圧ポンプの吸収トルクが減少した後でも不要な燃料を噴射しつづけるため無駄な燃料消費が発生していた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、請求項1に記載の発明は、電子制御エンジンと、電子制御エンジンによって駆動される一以上の可変容量型油圧ポンプと、可変容量型油圧ポンプからの圧油によって駆動される複数の油圧アクチュエータと、可変容量型油圧ポンプからの圧油を油圧アクチュエータに分配する複数の方向切換弁とを搭載した作業機械において、上記可変容量型油圧ポンプの斜板角度を制御可能とするポンプ容量制御手段と、ポンプ容量制御手段を駆動するパイロット圧を調圧可能なパイロット圧制御手段を設けると共に、上記エンジンの制御目標回転数を設定する目標回転数設定手段と、エンジンの実回転数を検出するエンジン回転数検出手段とを有し、目標回転数設定手段による制御目標回転数とエンジン回転数検出手段による実回転数との回転偏差を算出して、回転数偏差が大きくなれば、その偏差量に応じて上記ポンプ容量制御手段を駆動し、可変容量型油圧ポンプの吐出流量を減少させてスピードセンシング制御を実施するメインコントローラと、上記可変容量型油圧ポンプの吐出圧力を検出するポンプ圧力検出手段と、操作レバーの操作量を検出する操作量検出手段とを備え、上記メインコントローラは、操作量検出手段で検出した操作レバーの操作量に基づきアクチュエータの要求流量を演算するとともに、検出したポンプ吐出圧力とアクチュエータ要求流量とによりポンプ吸収トルクを演算し、演算したポンプ吸収トルクの予測値が目標とするトルク以下になった場合に、エンジンの燃料噴射量を減量側に調整することを特徴とするエンジン制御装置である。
【発明の効果】
【0008】
(1)請求項1記載の本発明では、操作レバーの操作量を検出してアクチュエータの要求流量を算出するとともに、油圧ポンプの吐出圧力を検出する。検出したポンプ吐出圧力とアクチュエータの要求流量値より、油圧ポンプの吸収トルクを算出する。また、同時に油圧吸収トルクの時間変化率も算出し、算出(予測)したポンプ吸収トルクの時間変化率が0になったトルクを目標値にして、エンジンの燃料噴射量を目標トルク相当まで減少させる。これによりエンジン調速制御の遅れにより発生する無駄な燃料をあらかじめカットオフする。
【0009】
このように、馬力制限制御が作動するような高い負荷状態から、低い負荷状態に移った場合に、エンジンの調速制御の遅れにより発生する無駄な燃料をカットオフすることで燃費低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施形態におけるエンジン制御装置の全体構成を示したブロック図である。
【図2】この発明の実施形態におけるエンジン制御装置のフィードフォワード制御のフローを示したフローチャートである。
【図3】この発明の実施形態におけるエンジン制御装置のブームの操作レバーの操作量とアクチュエータの要求流量との関係を示すグラフである。
【図4】この発明の実施形態におけるエンジン制御装置のアームの操作レバーの操作量とアクチュエータの要求流量との関係を示すグラフである。
【図5】この発明の実施形態におけるエンジン制御装置のアクチュエータ要求流量より予測したポンプの吸収トルクの変化率を示すグラフである。
【図6】この発明の実施形態におけるエンジン制御装置のエンジン回転数とエンジン出力トルクとの関係を示すグラフである。
【図7】この発明の実施形態におけるエンジン制御装置のエンジン回転数とエンジン燃料噴射量特性との関係を示すグラフである。
【図8】この発明の実施形態におけるエンジン制御装置のフィードフォワード制御を実施する油圧負荷解除時のエンジン回転数またはポンプ吸収トルクの関係を示すグラフである。
【図9】従来技術における油圧負荷解除時のエンジン回転数またはポンプ吸収トルクの関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本実施形態における作業機械のエンジン制御装置10は、図1に示すように、基本的構造として、電子制御エンジン11と、電子制御エンジン11によって駆動されるひとつ以上の可変容量型油圧ポンプ14と、可変容量型油圧ポンプ14からの圧油によって駆動される複数の油圧アクチュエータ15と、可変容量型油圧ポンプ14からの圧油を油圧アクチュエータ15に分配する複数の方向切換弁であるコントロールバルブ16とを搭載している。
【0012】
また、エンジン制御装置10は、図1に示すように、上記可変容量型油圧ポンプ14の斜板角度を制御可能とするポンプ容量制御手段であるレギュレータ20と、レギュレータ20を駆動するパイロット圧を調圧可能なパイロット圧制御手段である電磁比例弁21を設けている。
【0013】
電子制御エンジン11は、エンジンEとエンジンEの燃料噴射を制御するECU12(エンジンコントロールユニット)を有する。エンジンEは、例えば、ディーゼルエンジンで構成される内燃機関であり、可変容量型油圧ポンプ14に出力軸23を介して動力を伝達することで、その可変容量型油圧ポンプ14から圧油を吐出させる。
【0014】
ECU12は、エンジンEの回転数などに応じて燃料噴射量及びタイミングを制御する装置である。すなわち、ECU12は、燃料噴射量やタイミングを電子制御するプログラムが内蔵されたCPUや燃料噴射制御のマップなどを記憶するROM、その他の電子部品を備えている。
【0015】
エンジンEには実回転数を検出するエンジン回転数検出手段13が配設されており、このエンジン回転数検出手段13で検出したエンジンEの実回転数に基づいて、エンジンEが目標回転数で回転できるようにECU12に指令を出している。
【0016】
また、ECU12には、目標回転数設定手段であるアクセルセンサ22を電気的に接続しており、アクセルレバーやアクセルペダル等の操作位置をアクセルセンサ22で検出して、エンジンEへの燃料噴射量や噴射タイミングを制御可能としている。
【0017】
可変容量型油圧ポンプ14は、ポンプ容量制御手段としてのレギュレータ20の作動により、そのポンプの斜板角度を変更することでポンプ吐出流量を制御可能としている。また、レギュレータ20の作動は、パイロット圧制御手段としての電磁比例弁21による制御圧力により変更可能としている。電磁比例弁21は、下記のメインコントローラ24からの制御電流により駆動可能としている。
【0018】
油圧アクチュエータ15は、可変容量型油圧ポンプ14から吐出された圧油がコントロールバルブ16を介して分配して供給されることにより駆動可能としている。油圧アクチュエータ15としては、例えば、ブームシリンダ、アームシリンダ、バケットシリンダである。また、可変容量型油圧ポンプ14から吐出された圧油により、油圧モータを駆動可能としている。
【0019】
圧力センサ17は、可変容量型油圧ポンプ14から吐出する圧油の圧力を検出するようにしている。検出した圧力センサ17の情報は下記のメインコントローラ24に送信される。
【0020】
操作レバー18は、油圧作業機のオペレータシート近傍に配設され、その操作量に応じて、可変容量型油圧ポンプ14における斜板角度を変更することにより、可変容量型油圧ポンプ14からの作動油の吐出方向及び吐出量を調節するように構成されている。また、操作レバー18の操作量を検出する操作量検出手段19(圧力センサまたはポテンショメータ)を有する。
【0021】
さらに、本実施形態におけるエンジン制御装置10はメインコントローラ24を有する。メインコントローラ24は、アクセルセンサ22で設定したエンジンEの制御目標回転数と、エンジン回転数検出手段13で検出したエンジンEの実回転数との情報を受け取り、その回転偏差を算出するようにしている。
【0022】
そして、メインコントローラ24は、エンジンEの実回転数と制御目標回転数の回転数偏差が大きくなれば、その偏差量に応じて上記ポンプ容量制御手段を駆動し、可変容量型油圧ポンプ14の吐出流量を減少させて、馬力制限制御であるスピードセンシング制御を実施するようにしている。また、メインコントローラ24は、ECU12に燃料減量指令を出すようにしている。
【0023】
メインコントローラ24は、油圧作業機のエンジンEやレギュレータ20などの電子制御を行う部材であり、油圧回路を電子制御するプログラムが内蔵されたCPUや今回の可変容量型油圧ポンプ14の吐出に関するマップなどを記憶するROM、その他の電子部品を備えている。
【0024】
図9は、上記従来技術の問題を説明する説明図であり、油圧負荷の高い状態から低い状態に移る際(油圧負荷解除)のエンジン回転数またはポンプ吸収トルクの関係を示すグラフである。
【0025】
図9に示すように、スピードセンシング制御が作動する高い負荷状態から急激に負荷を減少させると、エンジンの調速制御の遅れが生じて、油圧ポンプの吸収トルクが減少した後でも不要な燃料を噴射しつづけるため無駄な燃料消費が発生していた。図9に示すグラフで高負荷作業から低負荷作業に移行したときに、過剰燃料による回転アップにより急峻な立ち上がりを有していた。
【0026】
また、油圧負荷の解除により、エンジン回転が上昇し、低負荷作業時のエンジン回転数に落ち着くまでのエンジン調速制御の遅れにより、過剰に燃料を噴射する過剰燃料噴射期間が大きかった。
【0027】
そこで、本実施形態におけるエンジン制御装置10では、メインコントローラ24が、操作量検出手段で検出した操作レバーの操作量に基づき油圧アクチュエータ15の要求流量を演算するとともに、検出したポンプ吐出圧力とアクチュエータ要求流量とによりポンプ吸収トルクを演算し、演算した油圧ポンプ吸収トルクの予測値が目標とするトルク以下になった場合に、メインコントローラ24からの指令により、エンジンの燃料噴射量を減量側に調整するフィードフォワード制御を実施可能としている。
【0028】
すなわち、操作レバー18の操作量を検出して油圧アクチュエータ15の要求流量を算出するとともに、可変容量型油圧ポンプ14の吐出圧力を検出し、その検出したポンプ吐出圧力と油圧アクチュエータ15の要求流量値より、可変容量型油圧ポンプ14のポンプ吸収トルクを算出する。
【0029】
また、同時にポンプ吸収トルクの時間変化率も算出し、算出(予測)したポンプ吸収トルクの時間変化率が0になったトルクを目標値にして、エンジンの燃料噴射量を目標トルク相当まで減少させる。これによりエンジン調速制御の遅れにより発生する無駄な燃料をあらかじめカットオフする。
【0030】
以下、本実施形態におけるフィードフォワード制御のフローの詳細について説明する。
【0031】
図2のS101工程に示すように、フィードフォワード制御では、まず、操作レバー18の操作量を操作量検出手段19により検出する。ここで、操作レバー18の操作量は、図3及び図4に示すような特性を示している。
【0032】
図3は、ブームの操作レバー18の操作量と油圧アクチュエータ15の要求流量との関係を示すグラフである。図3に示すように、ブームレバーの操作量(=センサ出力)に応じて油圧アクチュエータ15の要求流量は増える傾向にある。
【0033】
図4は、アームの操作レバー18の操作量と油圧アクチュエータ15の要求流量との関係を示すグラフである。図4に示すように、アームレバーの操作量(=センサ出力)に応じて油圧アクチュエータ15の要求流量は増える傾向にある。
【0034】
図2のS102工程に示すように、上記のような特性を有する操作レバー18で、レバーの操作量に基づいて油圧アクチュエータ15の要求流量を算出する。すなわち、レバーの操作量を操作量検出手段19で、図3及び図4に示す特性を利用して、メインコントローラ24で油圧アクチュエータ15の要求流量を算出する。
【0035】
また、図2のS103工程に示すように、現在吐出しているポンプ吐出圧力を圧力センサ17で検出する。その情報はメインコントローラ24に送信される。
【0036】
さらに、図2のS104工程に示すように、メインコントローラ24は、検出したポンプ吐出圧力と油圧アクチュエータ15の要求流量値より、可変容量型油圧ポンプ14のポンプ吸収トルクを算出する。すなわち、メインコントローラ24が、ポンプ吐出圧力と油圧アクチュエータ15の要求流量値に基づいて可変容量型油圧ポンプ14のポンプ吸収トルクを算出する。
【0037】
ポンプ吸収トルク予測値Tは以下の式を用いて算出することができる。
【数1】


ここで、aは、定数、
Tは、エンジン出力トルク予測値(=ポンプ吸収トルク)(Nm)、
Pは、ポンプ吐出圧力(MPa)、
N:エンジン回転数(min-1)、
Qは、ポンプ吐出流量(=アクチュエータ要求流量)(L/min)
である。
【0038】
そして、図2のS105工程に示すように、メインコントローラ24は、上記算出したポンプ吸収トルクの変化率を算出する。図5は、図8に示すグラフのA部を拡大したものであり、アクチュエータ要求流量より予測したポンプ吸収トルクの変化率を示すグラフである。
【0039】
図5に示すように、アクチュエータ要求流量より予測したポンプ吸収トルクが油圧負荷解除開始してからフィードフォワード制御のエンジン目標トルクになるまで、所定単位時間によるポンプ吸収トルクの変化率を以下の式により計算する。
【0040】
【数2】

【0041】
そして、図2のS106工程に示すように、ポンプ吸収トルクの変化率が0を超える場合(Noの場合)には、上記S101工程からの工程を繰り返す。これに対して、図2のS107工程に示すように、ポンプ吸収トルクの変化率が0以下である場合(Yesの場合)には、そのときのポンプ吸収トルクを算出する。
【0042】
この後、図2のS108工程に示すように、図6に示すマップ上で、フィードフォワード制御におけるエンジン出力トルクの目標値(目標トルク)を設定する。すなわち、ポンプ吸収トルクの時間変化率(ΔTn/Δt)が0となったトルクを制御目標トルクとし、この目標トルクを図6に示すマップ上で算出する。
【0043】
そして、図2のS109工程に示すように、ポンプ吸収トルクより、図7に示すマップ上で目標となる燃料噴射量を算出する。図6に示すエンジン出力特性と図7に示すエンジン燃料噴射量特性とは密接不可分の関係にあることから、図6に示すマップ上でポンプ吸収トルクが導かれると、図7に示すマップ上で燃料噴射量を算出することが可能となる。
【0044】
最後に、図2のS110工程に示すように、上記算出した燃料噴射量になるようにECU12に燃料減量指令を出してエンジンEの燃料噴射制御を実施する。以上のようにして、一連のエンジン制御装置でのフィードフォワード制御を完了させる。
【0045】
このようにして、高負荷作業から低負荷作業に移行したときの適正なエンジン回転数になるように設定することができ、これにより、エンジン調速制御の遅れにより発生する無駄な燃料をあらかじめカットオフすることができる。
【0046】
図8は高負荷作業から低負荷作業に移行したときのエンジン回転数とポンプ吸収トルクの関係を示すグラフである。この図8に示すように、従来に比べて立ち上がりが急峻でなくなり、従来に比べて燃料噴射量を抑制することができる。また、従来に比べて、エンジン調速の遅れによる過剰燃料噴射期間を短くすることができる。
【符号の説明】
【0047】
E エンジン
10 エンジン制御装置
11 電子制御エンジン
12 ECU
13 エンジン回転数検出手段
14 可変容量型油圧ポンプ
15 油圧アクチュエータ
16 コントロールバルブ(複数の方向切換弁)
17 圧力センサ(ポンプ圧力検出手段)
18 操作レバー
19 操作量検出手段
20 レギュレータ(ポンプ容量制御手段)
21 電磁比例弁(パイロット圧制御手段)
22 アクセルセンサ(目標回転数設定手段)
23 出力軸
24 メインコントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子制御エンジンと、電子制御エンジンによって駆動される一以上の可変容量型油圧ポンプと、可変容量型油圧ポンプからの圧油によって駆動される複数の油圧アクチュエータと、可変容量型油圧ポンプからの圧油を油圧アクチュエータに分配する複数の方向切換弁とを搭載した作業機械において、
上記可変容量型油圧ポンプの斜板角度を制御可能とするポンプ容量制御手段と、ポンプ容量制御手段を駆動するパイロット圧を調圧可能なパイロット圧制御手段を設けると共に、
上記エンジンの制御目標回転数を設定する目標回転数設定手段と、エンジンの実回転数を検出するエンジン回転数検出手段とを有し、目標回転数設定手段による制御目標回転数とエンジン回転数検出手段による実回転数との回転偏差を算出して、回転数偏差が大きくなれば、その偏差量に応じて上記ポンプ容量制御手段を駆動し、可変容量型油圧ポンプの吐出流量を減少させてスピードセンシング制御を実施するメインコントローラと、
上記可変容量型油圧ポンプの吐出圧力を検出するポンプ圧力検出手段と、操作レバーの操作量を検出する操作量検出手段とを備え、
上記メインコントローラは、操作量検出手段で検出した操作レバーの操作量に基づきアクチュエータの要求流量を演算するとともに、検出したポンプ吐出圧力とアクチュエータ要求流量とによりポンプ吸収トルクを演算し、
演算したポンプ吸収トルクの予測値が目標とするトルク以下になった場合に、エンジンの燃料噴射量を減量側に調整することを特徴とするエンジン制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−202220(P2012−202220A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−64587(P2011−64587)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】