説明

作業車両

【課題】走行機体にオイルクーラをコンパクトに配置できるものでありながら、前記オイルクーラの組立作業性及びメンテナンス作業性等を向上できるようにした作業車両を提供するものである。
【解決手段】エンジン及び油圧式無段変速機等を搭載した走行機体に、前記油圧式無段変速機等の作動油を冷却するためのパイプ式オイルクーラを設置してなる作業車両において、前記走行機体のオペレータ搭乗用の床板の下方に、前記パイプ式オイルクーラを配置し、前記床板に対して略平行に、前記パイプ式オイルクーラの蛇行形パイプ部を延設しているものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農作業に使用されるトラクタ又は土木作業に使用されるホィルローダ等の作業車両において、走行車輪に走行動力を伝達するための油圧式無段変速機等の油圧装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一般に、前記したトラクタ又はホィルローダ等の作業車両において、左右の走行車輪に動力伝達するに際しては、前記作業車両における走行機体に搭載したエンジンから動力伝達されるミッションケースの変速機構を介して左右の走行車輪に対して出力するように構成している。
【0003】
この場合、従来の作業車両においては、その走行機体にクラッチハウジング及びミッションケースを配設し、このミッションケースに油圧式無段変速機及び変速ギヤ機構を設け、前記無段変速機に前記エンジンからの動力を入力し、前記無段変速機から前記変速ギヤ機構を介して前記走行車輪に動力伝達するという構成にしている (例えば、特許文献1参照)。また、前記エンジンの前方に突出させた前部シャーシに、前記走行機体に搭載した前記無段変速機等の油圧機器の作動油を冷却するためのオイルクーラを配置する技術も公知である(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−211776号公報
【特許文献2】特開2001−163064号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来技術は、左右一対の前記前部シャーシの間に前記オイルクーラをコンパクトに配置できたが、左右の前記前部シャーシの間に前記オイルクーラ及びその油管接続部等が組み付けられていたから、前記オイルクーラの組立及び分解作業が面倒であった。例えば左右の前記前部シャーシ間の前記オイルクーラを脱着する場合、作業者が前記前部シャーシの下から上向き姿勢になって、前記オイルクーラの取外し及び取付け作業、または前記油管の分離または接続作業等を行う必要がある。そのため、前記オイルクーラを取外す際に、前記オイルクーラ内の作動油が前記作業者に漏下する等の問題がある。また、作業者が前記前部シャーシの上から前記オイルクーラを取外す場合、前記オイルクーラの上方側の前記前部シャーシに組み付けられている部品も取外す必要があった。
【0005】
本発明の目的は、前記走行機体に前記オイルクーラをコンパクトに配置できるものでありながら、前記オイルクーラの組立作業性及びメンテナンス作業性等を向上できるようにした作業車両を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明の作業車両における動力伝達装置は、エンジン及び油圧式無段変速機等を搭載した走行機体に、前記油圧式無段変速機等の作動油を冷却するためのパイプ式オイルクーラを設置してなる作業車両において、前記走行機体のオペレータ搭乗用の床板の下方に、前記パイプ式オイルクーラを配置し、前記床板に対して略平行に、前記パイプ式オイルクーラの蛇行形パイプ部を延設しているものである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の作業車両において、前記床板の後側よりその前側を高く形成し、前記床板の傾斜に沿わせて前記蛇行形パイプ部を延設して、前記蛇行形パイプ部の後側よりその前側を高く形成しているものである。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の作業車両において、前記走行機体の側方の前記蛇行形パイプ部の近傍に、前記床板を支持するためのステップフレームを介して、オイルフィルタを配置しているものである。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の作業車両において、前記走行機体の左右側方に前記ステップフレームを突設し、左右いずれか一方の前記ステップフレームに高圧用オイルフィルタを配置し、他方の前記ステップフレームに低圧用オイルフィルタを配置し、前記低圧用オイルフィルタを設けた側と同じ側の前記エンジンの側面に油圧ポンプを配置し、前記低圧側オイルフィルタに低圧用配管を介して前記油圧ポンプを接続し、前記油圧ポンプを設けた側と同じ側の前記走行機体の側面に沿わせて前記低圧用配管を延設しているものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明によれば、エンジン及び油圧式無段変速機等を搭載した走行機体に、前記油圧式無段変速機等の作動油を冷却するためのパイプ式オイルクーラを設置してなる作業車両において、前記走行機体のオペレータ搭乗用の床板の下方に、前記パイプ式オイルクーラを配置し、前記床板に対して略平行に、前記パイプ式オイルクーラの蛇行形パイプ部を延設しているものであるから、前記床板の下方のスペースを利用して、前記パイプ式オイルクーラをコンパクトに配置できる。且つ、前記床板の支持機構等を利用して、前記パイプ式オイルクーラの取付け構造を簡単に構成できる。また、大きく開放された前記床板の一側外方に作業者が位置して、前記パイプ式オイルクーラの組立作業または分解作業等を実行でき、前記パイプ式オイルクーラの組立作業性及びメンテナンス作業性等を向上できるものである。
【0011】
請求項2に係る発明によれば、前記床板の後側よりその前側を高く形成し、前記床板の傾斜に沿わせて前記蛇行形パイプ部を延設して、前記蛇行形パイプ部の後側よりその前側を高く形成しているものであるから、例えば前進方向に移動する作業において、その移動によって発生する風を、前記床板の前側から前記蛇行形パイプ部に向けて効率よく取り込むことができ、且つ前進側の移動に対して前記蛇行形パイプ部の空気抵抗を大きく形成でき、前記蛇行形パイプ部の冷却効率を向上できるものである。
【0012】
請求項3に係る発明によれば、前記走行機体の側方の前記蛇行形パイプ部の近傍に、前記床板を支持するためのステップフレームを介して、オイルフィルタを配置しているものであるから、前記床板の下方のスペースを利用して前記蛇行形パイプ部及び前記オイルフィルタ及びそれらの接続用の配管等をコンパクトに設置でき、例えば高剛性の前記ステップフレームに前記パイプ式オイルクーラ及び前記オイルフィルタ等を簡単に支持できるものである。
【0013】
請求項4に係る発明によれば、前記走行機体の左右側方に前記ステップフレームを突設し、左右いずれか一方の前記ステップフレームに高圧用オイルフィルタを配置し、他方の前記ステップフレームに低圧用オイルフィルタを配置し、前記低圧用オイルフィルタを設けた側と同じ側の前記エンジンの側面に油圧ポンプを配置し、前記低圧側オイルフィルタに低圧用配管を介して前記油圧ポンプを接続し、前記油圧ポンプを設けた側と同じ側の前記走行機体の側面に沿わせて前記低圧用配管を延設しているものであるから、前記走行機体をはさんで、前記低圧用オイルフィルタと、前記高圧用オイルフィルタとを、大きく離間させて配置できる。そのため、前記低圧用オイルフィルタの組立またはメンテナンス作業と、前記高圧用オイルフィルタの組立またはメンテナンス作業とを、作業者が意識的に区別して実行でき、それらの組立またはメンテナンス作業性を向上できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を、作業車両としての農作業用トラクタに適用した場合の図面について説明する。図1はトラクタの側面図、図2は同走行機体の平面図、図3は同走行機体の後半部の拡大平面図、図4は同走行機体のステップフレームの周辺部の拡大平面図、図5はオペレータが操作するペダル等の斜視図、図6はミッションケース及びミッション前面ケースの断面側面図、図7はミッション前面ケースの前面説明図、図8は油圧回路図、図9は低圧ラインフィルタ及び高圧ラインフィルタ等の側方下方からの斜視図である。
【0015】
図1乃至図2に示されるように、トラクタ1は、走行機体2を左右一対の前車輪3と同じく左右一対の後車輪4とで支持し、前記走行機体2の前部に搭載したエンジン5にて前記両後車輪4及び両前車輪3を駆動することにより、前後進走行するように構成されている。走行機体2は、前バンパ6及び前車軸ケース7を有するエンジンフレーム8と、エンジン5から出力された動力を継断するためのメインクラッチ9を有するクラッチハウジング10と、エンジン5の回転を適宜変速して前記両後車輪4及び両前車輪3に伝達するためのミッションケース11と、クラッチハウジング10にミッションケース11を連結するためのミッション前面ケース12と、クラッチハウジング10の外側面から外向きに突出するように着脱可能に装着される左右一対のステップフレーム13とからなる。
【0016】
なお、エンジンフレーム8の後端側がエンジン5の左右外側面に連結されている。エンジン5の後面側にはクラッチハウジング10の前面側が連結されている。クラッチハウジング10の後面側には、ミッション前面ケース12を介してミッションケース11の前面側が連結されている。また、前車軸ケース7は、進行方向に貫通させたローリング軸254を介して、エンジンフレーム8に連結されている(図9参照)。したがって、左右の前車輪3の接地圧に差が生じた場合、前車軸ケース7がローリング軸254回りに回動し、左右の前車輪3が上下動して、左右の前車輪3の接地圧が略等しく維持されることになる。
【0017】
エンジン5はボンネット14にて覆われる。また、クラッチハウジング10の上面には、操縦コラム15が立設されている。前記両前車輪3を左右に動かすことによってかじ取りするようにした操縦ハンドル16が操縦コラム15の上面側に配置されている。ミッションケース11の上面には、操縦座席17が配置されている。左右一対のステップフレーム13の上面には、平坦な床板18がそれぞれ設けられている。両前車輪3は、前車軸ケース7を介してエンジンフレーム8に取付けられている。また、両後車輪4は、図3にも示す如く、前記ミッションケース11に対して、当該ミッションケース11の外側面から外向きに突出するように着脱可能に装着される後車軸ケース11aを介して取付けられている。なお、両後車輪4の上面側は、左右のリヤフェンダ4aにて覆われている。
【0018】
前記ミッションケース11の上面には、前記走行機体2の後部に連結される耕うん機等の作業機19を昇降動するための油圧式の作業機用昇降機構20が着脱可能に取付けられている。さらに、前記ミッションケース11の後側面には、作業機19に駆動力を伝えるためのPTO軸21が後向きに突出するように設けられている。作業機19は、ミッションケース11の後部に、一対の左右のロワーリンク22及び1本のトップリンク23からなる3点リンク機構24を介して連結されている。作業機用昇降機構20の左右のリフトアーム20aが左右のロワーリンク22に連結され、作業機用昇降機構20を作動させた場合、作業機19が昇降動することになる。
【0019】
ミッション前面ケース12の前側面には、後述する静油圧式無段変速機(HST)25が配置されている。静油圧式無段変速機25は、クラッチハウジング10の後部に内設されている。メインクラッチ9から後ろ向きに突出する主動軸26を介して、前記エンジン5の回転を無段変速機25に伝達し、次いで、無段変速機25からの出力を後述する副変速ギヤ機構59にて適宜変速して、後述する後車輪用差動ギヤ機構61を介して前記両後車輪4及び両前車輪3に伝達することになる。一方、主動軸26からの前記エンジン5の回転は、PTO伝動軸62a及びPTOワンウェイクラッチ62bを介してPTO出力用減速ギヤ機構62に伝達され、そのPTO出力用減速ギヤ機構62にて適宜減速されて、PTO軸21に伝達されることになる。
【0020】
次に、図4及び図5を参照して、操縦座席17のオペレータが操作する操縦部の構造を説明する。操縦座席17の前方の床板から突出する操縦コラム15より左方には、メインクラッチ9を切断作動するためのクラッチペダル31が配置されている。クラッチペダル31には、メインクラッチ9を切断させるクラッチ切り機構31aと、メインクラッチ9を接続状態に維持するクラッチ入りバネ31bとが連結されて、クラッチ入りバネ31bによってクラッチペダル31が初期位置に維持されることになる。
【0021】
一方、操縦コラム15より右方には、左右の後車輪制動用ブレーキ機構32を作動させる単一のブレーキペダル33と単一の駐車ブレーキレバー34とが配置されている。ブレーキペダル33及び駐車ブレーキレバー34には、左右のブレーキロッド32aを介して左右の後車輪制動用ブレーキ機構32が連結されて、ブレーキペダル33の操作によってブレーキ機構32が作動し、左右の後車輪4が制動されることになる。また、駐車ブレーキレバー34の操作によってブレーキペダル33が踏込み位置に維持され、オペレータがブレーキペダル33から足を離しても、後車輪4の制動が継続されることになる。
【0022】
なお、クラッチハウジング10の底部の外側には、ブレーキ操作軸受部261が鋳造加工にて一体的に形成されている。ブレーキ操作軸受部261には、ブレーキ操作軸262が回動自在に軸支されている(図6参照)。ブレーキペダル33にブレーキ操作軸262を介して左右のブレーキロッド32aを連結している。また、ブレーキ操作軸262にはクラッチペダル31のペダルアーム基部を回動可能に被嵌している(図5参照)。
【0023】
また、操縦コラム15より右方には、無段変速機25の変速操作用トラニオンアーム35を作動させる前進ペダル36及び後進ペダル37と、前進ペダル36を操作位置に維持するクルーズレバー38とが配置されている。前進ペダル36及び後進ペダル37には、変速リンク機構35aを介してトラニオンアーム35が連結され、前進ペダル36または後進ペダル37の足踏み操作によって無段変速機25が前進側の変速動作または後進側の変速動作を行うことになる。
【0024】
図6及び図7を参照して、クラッチハウジング10、ミッション前面ケース12、ミッションケース11の構造を説明する。クラッチハウジング10の内部は、前後に分割するようにハウジング内壁50にて仕切られて、クラッチハウジング10の内部にハウジング前室51及びハウジング後室52が形成されている。ミッション前面ケース12の内部は、前後に分割するように前面壁53にて仕切られて、ミッション前面ケース12の内部に前面ケース前室54及び前面ケース後室55が形成されている。ミッションケース11の内部は、前後に分割するようにミッション内壁56にて仕切られて、ミッションケース11の内部にミッション前室57及びミッション後室58が形成されている。
【0025】
ハウジング後室52と前面ケース前室54とによって形成された閉鎖空間には、前面壁53の前側に配置された無段変速機25が内設されている。前面ケース後室55とミッション前室57とによって形成された閉鎖空間には、副変速ギヤ機構59及び前車輪駆動機構60が内設されている。ミッション後室58の内部には、後車輪用差動ギヤ機構61及びPTO出力用減速ギヤ機構62が内設されている。また、ハウジング後室52及び前面ケース前室54に無段変速機25が内設され、上述したミッション前面ケース12の前面壁53に無段変速機25が複数のボルトによって着脱可能に固設されている。
【0026】
なお、ミッション前面ケース12の前面壁53には、前面ケース前室54と前面ケース後室55とを連通したPTO伝動用の貫通孔が形成されている。無段変速機25の後面側から後方の前面ケース後室55内にPTO駆動軸231が突出されている。前面ケース後室55の内部において、PTO駆動軸231の後端側が、PTO伝動軸62aの前端側に、カップリング232を介して、軸芯線方向に着脱可能に連結されている。
【0027】
次に、無段変速機25の主変速構造について説明する。無段変速機25は、変速用油圧ポンプ63と、この油圧ポンプ63にて作動する変速用油圧モータ64とからなる(図7参照)。ハウジング前室51には、ハウジング内壁50の貫通穴50aを介して無段変速機25の変速入力軸65の前端側が突出されている。その変速入力軸65の前端側には、カップリング66を介して主動軸26が連結されている。前面ケース後室55の内部には、無段変速機25の主変速出力軸67が突出されている。その主変速出力軸67には、スプラインを介して主変速出力ギヤ68が被嵌されている。副変速ギヤ機構59のカウンタ軸69にはカウンタ入力ギヤ70が被嵌されている。主変速出力ギヤ68にはカウンタ入力ギヤ70が歯合されている。主変速出力軸67からの無段変速出力は、主変速出力ギヤ68及びカウンタ入力ギヤ70を介して、カウンタ軸69に伝えられることになる。
【0028】
次に、副変速ギヤ機構59について説明する。カウンタ軸69には、副変速用1速(低速)カウンタギヤ71と、副変速用2速(中速)カウンタギヤ72とが一体的に形成されている。また、カウンタ軸69には、副変速用3速(高速)カウンタギヤ73がスプラインを介して被嵌されている。また、副変速ギヤ機構59には、1速カウンタギヤ71に噛合させる副変速用1速出力ギヤ74と、2速カウンタギヤ72に噛合させる副変速用2速出力ギヤ75と、3速カウンタギヤ73に噛合させる副変速用3速出力ギヤ76とが備えられている。副変速ギヤ機構59の副変速出力軸77には、1速出力ギヤ74及び3速出力ギヤ76が回転自在に被嵌されている。副変速出力軸77には、この軸線方向にスライド可能で一体的に回転する副変速スライダ78がスプラインを介して被嵌されている。2速出力ギヤ75が副変速スライダ78に一体的に形成されている。
【0029】
したがって、副変速スライダ78を副変速シフタ79の操作によって移動させることにより、2速出力ギヤ75が2速カウンタギヤ72に噛合されることになる。一方、1速出力ギヤ74または3速出力ギヤ76には、1速用クラッチ爪80または3速用クラッチ爪81を介して副変速スライダ78が副変速レバー(図示省略)の操作にて選択的に連結される。即ち、副変速出力軸77の回転は、1速出力ギヤ74及び2速出力ギヤ75及び3速出力ギヤ76によって低速・中速・高速の3段階に変速されることになる。
【0030】
一方、副変速出力軸77の後端側は、ミッション後室58に突出されている。また、副変速出力軸77の後端側には、後車輪用差動ギヤ機構61に回転力を伝えるためのピニオンギヤ82が一体的に形成されている。副変速出力軸77からの動力は、ピニオンギヤ82及び差動ギヤ機構61を介して左右の後車輪4に伝えられることになる。
【0031】
次に、前車輪駆動機構60について説明する。副変速出力軸77の前端側には、四駆用小径ギヤ83及び四駆用大径ギヤ84を介して前車輪駆動機構60の前車輪用駆動取出し軸85が連結されている。前面ケース後室55に突出した前車輪用駆動取出し軸85の後端側には、回転自在に被嵌させる四駆用大径ギヤ84と、該四駆用大径ギヤ84を前車輪用駆動取出し軸85に係脱可能に係止するための前車輪用出力クラッチ86とが配置されている。なお、前車輪用駆動取出し軸85の中間部及び後端側は前面壁53に支持されている。
【0032】
また、前車輪用駆動取出し軸85の前端側は、前面ケース前室54の内部に突出されている。前車輪用駆動取出し軸85の前端側には、前車輪用伝動軸88の後端側が連結されている。前車輪用伝動軸88の前端側が走行機体2の前側に向けて延長されて、前車輪用伝動軸88の前端側から前車軸ケース7を介して前車輪3に駆動力が伝えられることになる。前車輪用伝動軸88には、合成樹脂パイプ製のシャフトカバー89が被嵌され、前車輪用伝動軸88がシャフトカバー89にて保護されることになる。
【0033】
図7に示されるように、無段変速機25と変速リンク機構35aとの間に後述する前車輪用駆動取出し軸85を配置している。即ち、油圧式無段変速機25は、正面視で走行機体2の右側方に向けて傾斜させてミッション前面ケース12に固設しているから、油圧式無段変速機25の右側面と変速リンク機構35aとの間のミッション前面ケース12に、前車輪用駆動取出し軸85を設置するためのスペースを簡単に確保できる。
【0034】
したがって、進行方向に向かって走行機体2の右側に配置された変速リンク機構35aと、油圧式無段変速機25の右側に配置したトラニオンアーム35の下端側とを、互いに接近させて、クラッチハウジング10の右側壁を挟んで対向させて配設できる。且つ、油圧式無段変速機25の右側面とトラニオンアーム35の上端側とを互いに接近でき、油圧式無段変速機25にトラニオンアーム35を支持するためのトラニオン軸を短尺に形成できることになる。
【0035】
図8を参照して、本実施形態のトラクタ1の油圧回路200を説明する。エンジン5の回転力により作動する作業機用油圧ポンプ94及びチャージ用油圧ポンプ95を備える。チャージ用油圧ポンプ95は、パワーステアリング用の操向制御弁201を介して操縦ハンドル16によるパワーステアリング用の複動式の操向油圧シリンダ202に接続する。また、作業機用油圧ポンプ94は、作業機用昇降機構20における単動式の昇降油圧シリンダ203に作動油を供給するための昇降用油圧切換弁204に接続している。
【0036】
したがって、オペレータがポジションレバー205を操作して、昇降用油圧切換弁204を切換えて、昇降油圧シリンダ203を作動させ、リフトアーム20aを回動させることにより、ロワーリンク22を介して作業機19が上昇または下降されることになる。
【0037】
図8に示すように、上述した油圧無段変速機25の可変容量形の変速用油圧ポンプ63と、この油圧ポンプ63から吐出される高圧の作動油にて作動する定容量形の変速用油圧モータ64とは、閉ループ油路207を介してそれらの吸入側及び吐出側が接続されている。変速入力軸65を介して駆動される変速用油圧ポンプ63の斜板208を、前進ペダル36または後進ペダル37または主変速レバー(図示省略)にて角度調節することにより、変速用油圧モータ64を介して駆動される主変速出力軸67の回転数が変更されることになる。
【0038】
上述した油圧回路200には、図8に示すように、リリーフ弁や流量調整弁、チェック弁、オイルクーラ、オイルフィルタ等を備えている。作業機用油圧ポンプ94及びチャージ用油圧ポンプ95の吸入側には、低圧ラインフィルタ209を介して、作動油タンクとしてのミッションケース11の内部のストレーナ210を接続させる。チャージ用油圧ポンプ95の吐出側には、パワーステアリング用の操向制御弁201を配置したチャージ油路211が接続されている。チャージ油路211は、操向制御弁201、及びチェック弁212,213等を介して、閉ループ油路207に接続される。エンジン5を作動中、チャージ用油圧ポンプ95からの作動油が閉ループ油路207に常に補充されることになる。
【0039】
図8に示されるように、パワーステアリング用の操向制御弁201のタンクポート側と閉ループ油路207とは、チャージ油路211によって接続されている。操向制御弁201と閉ループ油路207とを接続する途中のチャージ油路211中には、パイプ式オイルクーラ214と、当該オイルクーラ214の下流側に接続される高圧ラインフイルタ215とが配置されている。高圧ラインフイルタ215の下流側と、チェック弁212,213との間のチャージ油路211を、リリーフ弁216を介してミッションケース11に接続させている。チャージ用油圧ポンプ95から閉ループ油路207に供給するためのチャージ油路211の作動油が余った場合、チャージ油路211の作動油がリリーフ弁216を介してミッションケース11に戻されることになる。
【0040】
即ち、ミッションケース11の内部の作動油は、チャージ用油圧ポンプ95、パイプ式オイルクーラ214、高圧ラインフイルタ215、及びリリーフ弁216を介して、ミッションケース11の内部とチャージ油路211とに循環されることになる。したがって、ミッションケース11の内部の作動油は、チャージ油路211の途中のパイプ式オイルクーラ214によって適宜温度に冷却され、且つ高圧ラインフイルタ215によって除塵され、ミッションケース11の内部に戻されることになる。
【0041】
図2及び図10に示されるように、上述した低圧ラインフイルタ209は、進行(前進)方向に向かって機体左側の左ステップフレーム13の下面側に、取付け座板217及びフィルタ取付ブラケット209aを介して着脱可能に配置されている。上述した高圧ラインフイルタ215は、進行(前進)方向に向かって機体右側の右ステップフレーム13の下面側に、取付け座280及びフィルタ取付ブラケット218を介して着脱可能に配置されている。
【0042】
また、上述した作業機用油圧ポンプ94及びチャージ用油圧ポンプ95は、進行(前進)方向に向かって機体左側の左エンジンフレーム8近傍のエンジン5の外側面に配置したポンプケース219に内蔵されている。ポンプケース219内の作業機用油圧ポンプ94及びチャージ用油圧ポンプ95は、エンジン5によって駆動されることになる。
【0043】
一方、図2及び図9に示されるように、上述した操向制御弁201は、クラッチハウジング10の上面に配置したパワーステアリング用のユニットケース220に内設されている。チャージ油路211の一部を形成する第1高圧配管221は、機体左側の左エンジンフレーム8に沿って延設されて、チャージ用油圧ポンプ95と操向制御弁201とに接続される。また、作業機用油圧ポンプ94及びチャージ用油圧ポンプ95の吸込み側に、低圧用配管222を介してミッションケース11の内部のストレーナ210を接続する。低圧用配管222は、機体左側の左エンジンフレーム8等の走行機体2の左側に沿って延設されている。低圧用配管222の延設途中には、低圧フィルタ209が接続されている。
【0044】
なお、図2及び図8に示されるように、エンジン5の前方のエンジンフレーム8の上面には、水冷用のラジエータ226が載置されている。エンジン5の前面部には冷却フアン227が配置され、当該冷却フアン227の吸気作用により、走行車体2の前側の外気が、ラジエータ226を介して、エンジン5側に取り込まれる。即ち、ラジエータ226等が、前記冷却フアン227によってラジエータ226等の前側から取り込んだ外部からの空気によって冷却されることになる。一方、図13に示されるように、パワーステアリング用のユニットケース220に立設したハンドルポスト16aの上端側に操縦ハンドル16が配置されている。
【0045】
次に、図9乃至図14を参照して、本発明の実施形態としてのパイプ式オイルクーラ214の取付け構造を説明する。図12及び図14に示されるように、上述したステップフレーム13に配置された床板18の下面側には、上述したパイプ式オイルクーラ214が配置されている。パイプ式オイルクーラ214は、オイルクーラ本体としての蛇行形パイプ部263を有する。蛇行形パイプ部263の下面に取付フレーム271を固設する。また、ミッションケース11の側面から外側方に向けてLチャンネル形の略水平な設置台266を突出させ、ステップフレーム13と略平行に設置台266を配置し、ステップフレーム13と設置台266とに取付フレーム271の両端側をボルト273にて締結する。
【0046】
即ち、、走行機体2のオペレータ搭乗用のステップとしての床板18の下方で、ステップフレーム13と設置台266との間のスペースに、パイプ式オイルクーラ214が配置される。蛇行形パイプ部263は、床板18の略平坦な下面に対して略平行に延設されている。したがって、左右一対のパイプ式オイルクーラ214は、ミッションケース11の左右両側方に左右の設置台266及びボルト273等によって着脱可能に組み付けられることになる。なお、床板18の前端側はステップフレーム13に着脱可能に連結され、床板18の後端側はミッションケース11の側面の受台275に着脱可能に連結されている。
【0047】
図14に示されるように、床板18は、その前端側が後端側より高くなるように、前高後低形に傾斜した姿勢で、ステップフレーム13及び設置台266に設置されている。床板18の傾斜角度θと蛇行形パイプ部263の取付け角度とを略一致させている。即ち、床板18の後側よりその前側を高く形成し、床板18の傾斜角度θに沿わせて蛇行形パイプ部263を延設して、蛇行形パイプ部263の後側よりその前側を高く形成している。したがって、前進方向に移動する作業において、その移動によって発生する風を、床板18の前側から蛇行形パイプ部263に向けて効率よく取り込むことができ、且つ前進側の移動に対して蛇行形パイプ部263の空気抵抗を大きくすることになる。
【0048】
図12及び図14に示されるように、操向制御弁201に、第2高圧配管223を介して、進行方向(前進方向)に向かって走行機体2の左側のパイプ式オイルクーラ214の一端側(前端側)を接続する。左側のパイプ式オイルクーラ214の他端側(後端側)に、接続パイプ279を介して、進行方向(前進方向)に向かって走行機体2の右側のパイプ式オイルクーラ214の一端側(後端側)を接続する。右側のパイプ式オイルクーラ214の他端側(前端側)に、第3高圧配管224を介して、高圧ラインフイルタ215の注入ポート側を接続する。高圧ラインフイルタ215の排出ポート側に、第4高圧配管225を介して、無段変速機25(閉ループ油路207)を接続する。なお、第2高圧配管223、第3高圧配管224、及び第4高圧配管225は、第1高圧配管221と同様に、チャージ油路211の一部を形成する。
【0049】
図2、図9に示されるように、高圧ラインフィルタ215を配置した側と反対側の前記ステップフレーム13の下側に低圧ラインフィルタ209を配置し、低圧ラインフィルタ209を設けた側と同じ側のエンジン5の側面のポンプケース219内にチャージ用油圧ポンプ95を配置し、低圧ラインフィルタ209に低圧側油管としての低圧用配管222を介してチャージ用油圧ポンプ95を接続し、チャージ用油圧ポンプ95を設けた側と同じ側の走行機体2の側面に沿わせて低圧用配管222を延設している。したがって、走行機体2の前後方向に向けて低圧用配管222を略直線的に延設でき、低圧用配管222の配管構造を簡単に構成できる。
【0050】
図10、図13及び図14を参照して、オイルフィルタとしての高圧ラインフィルタ215の取付け構造を説明する。上述したステップフレーム13の後面側に側面視L形の取付け座板280の垂直端側を熔接にて固設する。ステップフレーム13から後方に向けて突出した取付け座板280の水平端側の下面に、フィルタ取付ブラケット218の略水平な上面をボルト281にて着脱可能に締結する。ステップとしてのステップフレーム13の下面側に、取付け座板280を介して、フィルタ取付ブラケット218の略水平な上面を連結している。
【0051】
図10に示されるように、フィルタ取付ブラケット218の進行方向に向かって左側面の注入ポート282に、上述した第3高圧配管224の一端側を連結する。フィルタ取付ブラケット218の上面側の排出ポート284に、上述した第4高圧配管225の一端側を連結する。フィルタ取付ブラケット218の底部にドレンポート286を形成し、該ドレンポート286にボルト形ドレンキャップ287を着脱可能に螺着している。
【0052】
図14に示されるように、高圧ラインフィルタ215は、第3高圧配管224からの作動油をろ過するための円筒形のフィルタ本体215aを着脱可能に内蔵している。フィルタ取付ブラケット218の略円形の正面側に、横向き姿勢の高圧ラインフィルタ215を着脱可能に螺着している。ステップフレーム13の下面と、フィルタ本体215aの円筒形の中心線とを、側面視で略平行に形成している。なお、走行機体2の前後方向の中心線に対し、フィルタ本体215aの円筒形の中心線が略平行になるように、高圧ラインフィルタ215にフィルタ本体215aを内蔵している。
【0053】
図14に示されるように、フィルタ取付ブラケット218に固設した高圧ラインフィルタ215の底部よりドレンポート286が低い位置に配置されて、ドレンポート286からドレンキャップ287を離脱した場合、高圧ラインフィルタ215内の作動油と、オイルクーラ214内の作動油の一部がドレンポート286から流出することになる。したがって、フィルタ本体215aを交換する場合、高圧ラインフィルタ215を外す前に、高圧ラインフィルタ215内の作動油をドレンポート286から抜取ることによって、高圧ラインフィルタ215を外した際に、高圧ラインフィルタ215内の作動油が漏下することがない。また、フィルタ本体215aの交換作業と、高圧ラインフィルタ215内の作動油をドレンポート286から抜取る抜取り作業とを、ステップフレーム13の機外側方の略同じ場所で行える。前記交換作業と抜取り作業と、オイルクーラ214のメンテナンス作業等とを、作業者が殆ど移動することなく実行できる。作業者が前記抜取り作業を忘れて、前記交換作業が行われるのを防止できる。
【0054】
なお、高圧ラインフィルタ215の底部は、クラッチハウジング10等の走行機体2の底部より高いから、湿田の耕耘作業等において、高圧ラインフィルタ215より先に走行機体2の底部が接地し、走行機体2の底部によって高圧ラインフィルタ215の底部が保護される。また、高圧ラインフィルタ215より蛇行形パイプ部263を高い位置で、ステップフレーム13の上下幅内に蛇行形パイプ部263を配置して、湿田の泥土等に蛇行形パイプ部263が突入して損傷するのを防いでいる。
【0055】
上記の記載及び図11ないし図14から明らかなように、エンジン5及び油圧式無段変速機25等を搭載した走行機体2に、油圧式無段変速機25等の作動油を冷却するためのパイプ式オイルクーラ214を設置してなる作業車両において、走行機体2のオペレータ搭乗用の床板18の下方に、パイプ式オイルクーラ214を配置し、床板18に対して略平行に、パイプ式オイルクーラ214の蛇行形パイプ部263を延設しているものであるから、床板18の下方のスペースを利用して、パイプ式オイルクーラ214をコンパクトに配置できる。且つ、床板18の支持機構等を利用して、パイプ式オイルクーラ214の取付け構造を簡単に構成できる。また、大きく開放された床板18の一側外方に作業者が位置して、パイプ式オイルクーラ214の組立作業または分解作業等を実行でき、パイプ式オイルクーラ214の組立作業性及びメンテナンス作業性等を向上できる。
【0056】
上記の記載及び図14から明らかなように、床板18の後側よりその前側を高く形成し、床板18の傾斜に沿わせて蛇行形パイプ部263を延設して、蛇行形パイプ部263の後側よりその前側を高く形成しているものであるから、例えば前進方向に移動する圃場の耕耘作業等において、その移動によって発生する風を、床板18の前側から蛇行形パイプ部263に向けて効率よく取り込むことができ、且つ前進側の移動に対して蛇行形パイプ部263の空気抵抗を大きく形成でき、蛇行形パイプ部263の冷却効率を向上できる。
【0057】
上記の記載及び図10、図12、図14から明らかなように、走行機体2の側方の前記蛇行形パイプ部263の近傍に、床板18を支持するためのステップフレーム13を介して、オイルフィルタとしての高圧ラインフィルタ215を配置しているものであるから、床板18の下方のスペースを利用して蛇行形パイプ部263及び高圧ラインフィルタ215及びそれらの接続用の配管等をコンパクトに設置でき、例えば高剛性のステップフレーム13にパイプ式オイルクーラ214及び高圧ラインフィルタ215等を簡単に支持できる。
【0058】
上記の記載及び図2、図9、図10から明らかなように、走行機体2の左右側方にステップフレーム13を突設し、左右いずれか一方のステップフレーム13に高圧用オイルフィルタとしての高圧ラインフィルタ215を配置し、他方のステップフレーム13に低圧用オイルフィルタとしての低圧ラインフィルタ209を配置し、低圧ラインフィルタ209を設けた側と同じ側のエンジン5の側面にチャージ用油圧ポンプ95を配置し、低圧ラインフィルタ209に低圧用配管222を介してチャージ用油圧ポンプ95を接続し、チャージ用油圧ポンプ95を設けた側と同じ側の走行機体2の側面に沿わせて低圧用配管222を延設しているものであるから、走行機体2をはさんで、低圧ラインフィルタ209と、高圧ラインフィルタ215とを、大きく離間させて配置できる。そのため、低圧ラインフィルタ209の組立またはメンテナンス作業と、高圧ラインフィルタ215の組立またはメンテナンス作業とを、作業者が意識的に区別して実行でき、それらの組立またはメンテナンス作業性を向上できる。なお、走行機体2の前後方向に向けて低圧用配管222を略直線的に延設でき、低圧用配管222の設置構造を簡単に構成できる。
【0059】
なお、上述した蛇行形パイプ部263は、銅合金または鉄合金またはアルミニューム合金等の熱伝導性の金属パイプにて形成している。また、金属パイプにて形成した第1乃至第4高圧配管221,223,224,225、の直径に比べ、合成樹脂パイプまたは金属パイプまたはそれらの各パイプの組合せにて形成する低圧用配管222の直径を約2倍以上の大きさに形成している。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】トラクタの全体側面図である。
【図2】トラクタの走行機体の平面図である。
【図3】同走行機体の後半部の拡大平面図である。
【図4】同走行機体のステップフレームの周辺部の拡大平面図である。
【図5】オペレータが操作するペダル等の斜視図である。
【図6】ミッションケース及びミッション前面ケースの断面側面図である。
【図7】ミッション前面ケースの前面説明図である。
【図8】油圧回路図である。
【図9】低圧ラインフィルタ及び高圧ラインフィルタ等の側方下方からの斜視図である。
【図10】低圧ラインフィルタ及び高圧ラインフィルタ等の後方上方からの斜視図である。
【図11】オイルクーラ及び高圧ラインフィルタ等の平面図である。
【図12】図11の拡大平面図である。
【図13】オイルクーラ及び高圧ラインフィルタ等の側面図である。
【図14】図12の拡大側面図である。
【符号の説明】
【0061】
2 走行機体
5 エンジン
13 ステップフレーム
18 床板
25 油圧式無段変速機
95 チャージ用油圧ポンプ
209 低圧ラインフィルタ(低圧用オイルフィルタ)
214 パイプ式オイルクーラ
215 高圧ラインフィルタ(高圧用オイルフィルタ)
222 低圧用配管(低圧側油管)
263 蛇行形パイプ部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン及び油圧式無段変速機等を搭載した走行機体に、前記油圧式無段変速機等の作動油を冷却するためのパイプ式オイルクーラを設置してなる作業車両において、
前記走行機体のオペレータ搭乗用の床板の下方に、前記パイプ式オイルクーラを配置し、
前記床板に対して略平行に、前記パイプ式オイルクーラの蛇行形パイプ部を延設していることを特徴とする作業車両。
【請求項2】
前記床板の後側よりその前側を高く形成し、前記床板の傾斜に沿わせて前記蛇行形パイプ部を延設して、前記蛇行形パイプ部の後側よりその前側を高く形成していることを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
【請求項3】
前記走行機体の側方の前記蛇行形パイプ部の近傍に、前記床板を支持するためのステップフレームを介して、オイルフィルタを配置していることを特徴とする請求項2に記載の作業車両。
【請求項4】
前記走行機体の左右側方に前記ステップフレームを突設し、左右いずれか一方の前記ステップフレームに高圧用オイルフィルタを配置し、他方の前記ステップフレームに低圧用オイルフィルタを配置し、前記低圧用オイルフィルタを設けた側と同じ側の前記エンジンの側面に油圧ポンプを配置し、前記低圧側オイルフィルタに低圧用配管を介して前記油圧ポンプを接続し、前記油圧ポンプを設けた側と同じ側の前記走行機体の側面に沿わせて前記低圧用配管を延設していることを特徴とする請求項3に記載の作業車両。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−112285(P2007−112285A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−305595(P2005−305595)
【出願日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】