説明

光エレクトロニクス送信器又は受信器モジュールのためのシリコンパッケージ

光エレクトロニクスパッケージ(104)は、ベース層(202)、スペーサ層(204)、及びMEMS微小ステージを含む光学MEMS層(206)を有する。ベース層(202)はパッケージ(104)全体を支持し、パッケージ内の光素子及びその他の素子に電気信号と電力とを送達する経路を備えている。加えて、ベース層(202)はパッケージ(104)内で発生した熱を逃がす熱伝達路を備えている。ベース層(202)はその上に配置又は形成された様々な光素子及び電子素子を含んでいる。スペーサ層は光素子を囲んでおり、パッケージを密閉している。光エレクトロニクスパッケージ(104)の最後の要素は、スペーサ層(204)及びベース層(202)の上方の光学MEMS層(206)である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、光エレクトロニクスデバイスに関し、具体的には、他を排除するものではないが、光エレクトロニクスモジュール用の微小電気機械(MEMS)実装に関する。
【背景技術】
【0002】
光エレクトロニクス部品の急速なスケールアップ、及び光エレクトロニクス部品を大量生産することの困難さは、高帯域遠隔通信機器に今後予想される要求に応える上での主要な課題として認識されてきている。現在、例えば10Gb/sのレーザ送信器及び受信器などの光エレクトロニクスモジュールは、所謂“バタフライパッケージ”にて製造されている。バタフライパッケージは数多くの機能を組み込むことを可能にするが、大きく且つ製造する上で高コストである。なぜなら、その組立ては自動化しにくく、数多くの組立て機能が手作業で行われなければならないからである。
【0003】
コストを低減し且つ自動組立てを容易にするため、産業界は今日、TO(Transistor Outline)キャンパッケージとして知られる新たなパッケージ規格を採用している。これは、より低いデータ速度(1-2Gbs)の機器からの既存技術を活用したパッケージである。これはバタフライパッケージに対して幾つかの改善を提供するが、高帯域幅の機器に適用されるとき、TOキャンパッケージは、高い光カップリング効率及び低い熱冷却能力のような幾つかの性能及び機能的限界に悩まされる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、光エレクトロニクスモジュール用のMEMSパッケージを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に従った光エレクトロニクス装置は、ベース層;前記ベース層上に配置された1つ以上の光素子;及び前記ベース層の上方に吊された光学層であり、前記光素子の少なくとも1つの上方に配置された可動光学素子を含む光学層を有する。
【0006】
本発明の他の一態様に従った光エレクトロニクス装置は、ベース層;前記ベース層上に配置され、1つ以上の光素子を含むフォトニック層;前記ベース層と前記フォトニック層との間に挟まれた熱電材料;前記ベース層上に配置され、前記フォトニック層を囲む開口を含むスペーサ層;及び前記ベース層の上方に吊され、可動光学素子を含む光学層を有する。
【0007】
本発明の一態様に従った方法は、ベース層を形成する工程;前記ベース層上に1つ以上の光素子を配置する工程;及び前記ベース層上の前記光素子の上方に、可動光学素子を含む光学層を吊す工程を有する。
【0008】
本発明の他の一態様に従った方法は、ベース層を形成する工程;フォトニック層上に1つ以上の光素子を配置する工程;前記ベース層と前記フォトニック層との間に熱電材料を挟む工程;前記フォトニック層を囲むスペーサ層を前記ベース層上に形成する工程;及び可動光学素子を含む光学層を前記スペーサ層上に配置する工程を有する。
【0009】
本発明の他の一態様に従った方法は、ベース層;前記ベース層上に配置された1つ以上の光素子;及び前記ベース層の上方に位置付けられた、可動光学素子を含む光学層;を有する光エレクトロニクスパッケージに、光ファイバを取り付ける段階;並びに前記1つ以上の光素子と前記光ファイバとの間の信号結合を、前記可動光学素子の位置を調整することによって最適化する段階を有する。
【0010】
本発明の一態様に従ったシステムは、少なくとも1つの電気信号源;前記少なくとも1つの電気信号源に接続されたマルチプレクサ;前記マルチプレクサに結合された光エレクトロニクスパッケージであり:ベース層;前記ベース層上に搭載された1つ以上の光素子;及び前記ベース層上に配置された、可動光学素子を含む光学層;を有する光エレクトロニクスパッケージ;並びに光ファイバが前記光エレクトロニクスパッケージに接続され、且つ前記1つ以上の光素子に光学的に結合されることができるように、前記光エレクトロニクスパッケージに取り付けられたレセプタクルを有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
添付の図面を参照しながら本発明の非限定的且つ非排他的な実施形態について説明する。図面全体を通して、特に断らない限り、似通った部分には似通った参照符号を付すこととする。図は、特に断らない限り、縮尺通りには描かれていない。
【0012】
ここでは、光エレクトロニクスモジュールの微小電気機械(MEMS)実装を含む装置、プロセス及びシステムの実施形態について説明する。以下の説明においては、本発明の実施形態の完全な理解を提供するために多数の具体的詳細事項が説明される。しかしながら、当業者に理解されるように、本発明はそれら具体的詳細事項の1つ又は複数を用いずに実施されてもよいし、あるいは他の方法、部品、材料などを用いて実施されてもよい。また、周知の構造、材料又は処理については、本発明の範囲に包含されるとはいえ、詳細には説明しないこととする。
【0013】
この明細書全体を通して、“一実施形態”又は“ある実施形態”への言及は、その実施形態に関連して述べられる特定の特徴、構造又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。故に、以下の記載において“一実施形態において”又は“ある実施形態において”という言いまわしが現れることは、必ずしも、全てが同一の実施形態について言及しているわけではない。また、特定の特徴、構造又は特性は、1つ又は複数の実施形態において如何なる好適な手法で組み合わせられてもよい。
【0014】
図1は、光学組立体100の一実施形態を例示している。光学組立体100は、微小電気機械(MEMS)光学部品を含む多層光エレクトロニクスパッケージ104の一実施形態を含んでいる。光エレクトロニクスパッケージ104が他の光学部品と通信することを可能にするため、光学組立体100は光エレクトロニクスパッケージ104に装着可能なレセプタクル102を含んでいる。レセプタクル102は、該レセプタクル102に装着されることが可能な光ファイバコネクタを用いて光ファイバ(図示せず)をパッケージ104内の光部品に装着する方法を提供し、故に、上記の光部品を他のデバイスと光通信できる状態にさせている。光エレクトロニクスパッケージ104は送信器又は受信器の何れにもすることができ、故に、その他の光学部品との間で信号の送信又は受信を行うことができる。
【0015】
図2は、光エレクトロニクスパッケージ104の部品の一実施形態を例示している。光エレクトロニクスパッケージ104は、ベース層202、スペーサ層204、及びMEMS微小ステージを有する光学MEMS層206を有している。ベース層202は、パッケージ104全体を支持しており、且つパッケージ内の光素子及びその他の素子に電気信号及び電力を送達するために介される経路をもたらしている。加えて、ベース層202はパッケージ104内で発生した熱を逃す熱伝達路をもたらしている。
【0016】
図示された実施形態においては、ベース層202はその上に配置又は形成された様々な光素子及び電子素子を含んでいる。ベース層202はその上に配置された様々な光素子及び電子素子を支持し、それら光素子及び電子素子への電気接続をもたらしている。スペーサ層204はベース層202の頂部に取り付けられる。スペーサ層は光素子を囲み、パッケージを密閉する。スペーサ層204はまた、信号及び/又は電力を光学MEMS層206に供給する電気配線などを提供するものである。加えて、スペーサ層は光学MEMS層206をベース層内の光素子の上方に吊し、ベース層上の光部品と、例えば光学MEMS層206に含まれるレンズ等の可動光学素子の頂点との間に、特定の既知の間隔を設ける。また、スペーサ層はパッケージの密閉封止を介してパッケージの内部と外部との間の電気接続を確実にし得る。
【0017】
光エレクトロニクスパッケージ104の最後の素子は、スペーサ層204及びベース層202の上方に形成された光学MEMS層206である。一部の実施形態において、光学MEMS層206はパッケージ104の密閉封止された部分内に配置されてもよいが、他の実施形態においては、光学MEMS層は密閉封止された部分の外側に配置されてもよい。ベース層202、スペーサ層204及び光学MEMS層206の実施形態の詳細について、図3乃至7に関連して以下にて説明する。
【0018】
図3及び4は、ベース層202の実施形態の詳細を例示している。ベース層202は概して長方形であり、基板302上に形成されている。一実施形態においては、基板302はシリコンから成るが、他の実施形態においては、その他の材料、又は材料のその他の組み合わせも使用され得る。
【0019】
基板302上には様々な光部品及び電子部品が配置されている。図示された実施形態においては、端面発光型レーザダイオード306が基板302上に取り付けられており、また、レーザダイオードから放射されたレーザビームを調整したり導いたりするために、例えばレンズ308及び反射鏡310等の様々な他の能動又は受動光学素子も基板上に取り付けられている。1つ以上のワイヤボンディングパッド(図示せず)が、ワイヤが場合によって電力、電気信号又はそれらの双方をベース層上の電子部品及び光部品に供給するための接続点を設けている。例示された実施形態は、使用され得る光素子の単なる1つの組み合わせであり、他の実施形態においては、より多い、より少ない、あるいは異なる光素子が使用され得る。例えば、異なる実施形態においては、端面発光型レーザは発光ダイオード(LED)で置き換えられ得る。他の実施形態においては、端面発光型レーザは縦型面発光レーザ(例えば、VCSEL)で置き換えられることができ、この場合、例えば反射鏡310等の素子は除去されることが可能である。
【0020】
封止リング304が基板302の周囲又はその近傍に形成されている。封止リング304は領域306と電気配線308の大部分とを囲んでいる。封止リング304の目的は、ベース層202とスペーサ層204との間の間隔の制御を可能にすること、及びスペーサ層204が後にベース層202上に置かれたときにベース層202がスペーサ層204と密閉封止を形成する(図7参照)ことを可能にすることである。一実施形態において、封止リング304は金で形成されてもよいが、他の実施形態においては、封止リング304は、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、金(Au)、白金(Pt)、又はこれらの金属の組み合わせ若しくは合金のような、複数の異なる金属層で形成されてもよい。更なる実施形態においては、異なるバリエーションのシリコン材料、シリコン以外の材料、又はシリコンと非シリコン材料との組み合わせが使用されてもよい。
【0021】
図4は更に、ベース層202の実施形態の構成を例示している。図示された実施形態においては、レーザダイオード306は光学素子308の方向にレーザビームを放射する。この光学素子308はこの実施形態においてはレンズであるが、他の実施形態においては異なる光学素子とし得る。レンズ308はレーザから出射されたビームを平行にし、その平行ビームを反射鏡310の方へと導く。反射鏡310は平行レーザビームの方向を約90°変化させ、故に、レーザビームの方向をベース層202の面から外に変化させる。他の実施形態においては、当然ながら、ビームの方向を約90°以外の角度だけ変化させるように反射鏡を用いることも可能である。光学層208(図5及び6に関連して後述される)が平面内にあるとき、平行ビームは光ファイバ404の端面に撃ち込まれるように可動光学素子402によって集光される。可動光学素子402は動くことができるので、図1に示されるように光ファイバがレセプタクル102を介してパッケージ104に接続されるとき、可動光学素子402はレーザダイオード306と光ファイバ404との間の光カップリングを最適化するように動かされることができる。上述のように、他の実施形態においては、より多い、より少ない、あるいは異なる光素子が用いられ得る。例えば、異なる一実施形態においては、端面発光型レーザは発光ダイオード(LED)で置き換えられ得る。あるいは、端面発光型レーザは縦型面発光レーザ(例えば、VCSEL)で置き換えられることができ、この場合、例えば反射鏡310等の素子は除去されることが可能である。
【0022】
上述のベース層202の動作は送信器に典型的なものであるが、ベース層の受信器の実施形態も構築されることができる。受信器の実施形態においては、レーザダイオード306は光検出器で置き換えられ、ファイバ404中を進行する信号がファイバ端面から放出され、可動光学素子402によって平行にされるように、信号の向きが逆にされる。そして、平行にされた信号は反射鏡310に向けて約90°方向を変えられ、光学素子308に向けて導かれる。そして、光学素子308は入射信号を光検出器へと集光する。上述の送信器でのように、受信器の他の実施形態は、より多い、より少ない、あるいは異なる部品を含み得る。
【0023】
図5及び6は、MEMS微小ステージを有する光学MEMS層206の一実施形態の詳細を例示している。図5は、MEMS微小ステージ構成の一実施形態の上面図を例示しており、このMEMS微小ステージ構成は、ここではX/−X及びY/−Y方向と参照する2つの可動度を実現するように適応されている。例示された実施形態においては、何れの可動度も平行移動であるが、他の実施形態においては、可動度は平行移動、回転、又はそれらの双方を含んでいてもよい。例示されるように、光学MEMS層206は基板510上に形成された様々な素子を含んでいる。基板510は、以下に限られないがシリコン、シリコン・オン・インシュレータ等を含む広範囲にわたる基板材料で形成されていてもよい。ステージ516は、以下に限られないがセラミック材料、又はシリコンのような半導体材料を含む広範囲にわたる材料で形成されていてもよい。
【0024】
基板510上に形成された素子は、可動光学素子402、及び図示のように互いに結合された微小駆動部502a乃至502dを含む駆動構成を含んでいる。以下にて一層詳細に説明されるように、微小駆動部502a乃至502dは可動光学素子402に2つの可動度、すなわち、X/−X方向の第1の可動度及びY/−Y方向の第2の可動度を提供するために、選択的に互いに協働するように適応されている。具体的には、例えば微小駆動部502b-502c、微小駆動部502a-502d、微小駆動部502a-502c、又は微小駆動部502a-502dといった微小駆動部502a乃至502dの対は、例えばXとY/−Y、−XとY/−Y、YとX/−X、又は−YとX/−Xといった2つの可動度をもたらすように相補的に作動され得る。
【0025】
光学MEMS層206は更にステージ516を含んでおり、ステージ516の上には可動光学素子402が配置されている。可動光学素子402はステージ516上に一体的に形成されていてもよいし、あるいはステージ516に取り付けられていてもよい。光学素子402は、少なくとも1つの可動度が所望される場合(平行移動又は回転)、如何なる微小物体であってもよい。光学素子402の例には、以下に限られないが、レンズ、ミラー、回折素子などが含まれる。この実施形態では、光学MEMS層206は、光学素子402がX/−X方向又はY/−Y方向の何れにも如何なる距離も動かされていないときに実質的に基板510の中心に配置されるように設計されている。理解を容易にするため、この位置を“初期”位置と呼ぶことにする。代替実施形態においては、“初期”位置は中心を外れていてもよい。
【0026】
光学MEMS層206はまた、ステージ516が取り付けられた柔軟な吊り梁(suspension beam)512a-512bを含んでおり、吊り梁512a-512bにはステージ516(ひいては、可動光学素子402)が取り付けられている。この実施形態では、柔軟な吊り梁512a-512bは実質的に細長く且つ湾曲した形状をしている。さらに、微小駆動部502c及び502dは柔軟な吊り梁512a-512bの一端に結合されている一方で、微小駆動部502c及び502dは柔軟な吊り梁512a-512bの他端に結合されている。上述のように、光学素子402は柔軟な吊り梁512a-512bに取り付けられており、柔軟な吊り梁512a-512bは、例えば柔軟性を有する1つ以上の金属又はそれらの合金から成る1つ以上の層を有し得る。このような金属には、以下に限られないが、銅(Cu)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、金(Au)、銀(Ag)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、シリコン(Si)等が含まれる。結果として、柔軟な吊り梁512a-512bは、光学素子402に+Y方向への或る距離の可動性を提供するように圧縮されたり、あるいは光学素子402に−Y方向への或る距離の可動性を提供するように拡張(伸張)されたりしてもよい。
【0027】
微小駆動部502b及び502cは、柔軟な吊り梁512a-512bひいては可動光学素子402を動かすために、協調してX方向に或る距離だけ、相補的に作動されるように適応されている。同様に、微小駆動部502a及び502dは、柔軟な吊り梁512a-512bひいては可動光学素子402を動かすために、−X方向に或る距離だけ、相補的に作動されるように適応されている。同様に、微小駆動部502a及び502cは、柔軟な吊り梁512a-512bを圧縮し、可動光学素子402をY方向に或る距離だけ移動させるために、相補的に作動されるように適応されており、一方、微小駆動部502b及び502dは、柔軟な吊り梁512a-512bを拡張し、可動光学素子402を−Y方向に或る距離だけ移動させるために、相補的に作動されるように適応されている。
【0028】
一実施形態においては、微小駆動部502a乃至502dの各々は、少なくとも2つの部分を含む櫛形駆動部であり、該少なくとも2つの部分の内の少なくとも1つは他方に向かって直線的に移動できるように適応されている。様々な実施形態において、他方の部分は対応するバネ513a乃至513dを介して基板510に固定されている。さらに、様々な実施形態において、可動部は静電的に、すなわち、駆動部が電気的にエネルギー供給されると、固定部に向かって直線的に移動される。移動量は微小駆動部が電気的にエネルギー供給される強さの関数である。従って、2つの協働する微小駆動部を異なる強さで相補的に作動させることにより、二方向への動作を実現することができる。様々な実施形態において、微小駆動部502a乃至502dの各々は同一又は異なる強さで独立して作動させられてもよい。なお、所望される強さの差は、この差を有する相異なる強さで一対の微小駆動部を作動させることによって達成されてもよい。これには、2つの微小駆動部の一方をこの差に等しい強さで作動させ、且つ他方の微小駆動部をゼロの強さで“作動”させることも含む。従って、請求項中を含め、ここで使用される“相補的な作動”という用語は、微小駆動部の1つをゼロの強さで“作動”させる、“ゼロ”形態の“作動”をも含むものである。
【0029】
様々な実施形態において、光学MEMS層206は更に、微小駆動部502a乃至502dが結合される多数のバネ513a乃至513dを含んでいてもよい。バネ513a乃至513dは基板510に取り付けられてもよい。また、この実施形態では、バネ513a乃至513dは細長い形状であり、微小駆動部502a乃至502dに実質的に平行に配置される。バネ513a乃至513dは、以下に限られないが先に柔軟な梁に関して列挙された金属を含む、柔軟性を有する金属又は合金から成る1つ以上の層で形成されていてもよい。
【0030】
さらに、図6は、光学MEMS層206の実施形態の断面図を例示している。この図に示されるように、光学MEMS層206は更に、ステージ516の下方に電極522を備えていてもよい。電極522は静電的にステージ516を引き付けるように適応されており、それにより、ステージ516及び光学素子402が所望の動作位置に移動された後に、ステージ516ひいては光学素子402を適所に保持あるいはロックする保持機能又はロック機能を提供する。特に、保持動作及びロック動作は組立後、あるいは光エレクトロニクスパッケージ104の組立の実質的な完了後に行われてもよい。他の実施形態においては、ステージ516を引き付け、それにより、ステージ516及び光学素子402が所望の動作位置/箇所に移動された後に、ステージ516ひいては光学素子402を適所に保持あるいはロックするように、電極522に加えて、あるいは代えて、基板の1つ又は複数の領域がエネルギー供給されてもよい。更に他の実施形態においては、保持機能又はロックダウン機能は、以下に限られないが電磁気、圧電バイモルフ、熱バイモルフ及びこれらに類するものを含む他の物理原理を用いて達成されてもよい。
【0031】
適所に保持あるいはロックする機能は、可動光学素子402との関連において、光学素子が所望の動作位置、例えば、光源及び光ファイバと位置整合された位置、に移動された後に光学素子を適所に保持あるいはロックするのに特に有用である。先述のように、この動作は組立後、あるいは光エレクトロニクス組立体104の実質的な完了後に行われてもよい。さらに、この保持又はロックは、しばらく動作された後の時点において、素子の再位置合わせを容易にするために、可動光学素子402を再び可動状態にするように解除されてもよい。そして、可動光学素子402は再位置合わせの後に再びロックされてもよい。このロック解除及び再位置合わせは、動作要件の変更によって、あるいは動作中に素子の位置がずれることによって望まれることがある。このロック解除、再位置合わせ、及び再ロックは必要に応じて何度でも繰り返され得る。
【0032】
図7は、組み立てられた形態の光エレクトロニクスパッケージ104の実施形態を例示している。レーザ306、光学素子308、及び反射鏡310を含む光素子がベース層202上に位置付けられている。スペーサ層204は、光素子を囲んでおり、密閉封止が作り出されるように封止リング304に接触して、ベース層202上に位置付けられている。光学MEMS層206は、光素子の上方に吊られるように、スペーサ層204上に位置付けられている。スペーサ層204と封止リング304との間に形成された密閉封止により、全ての光素子がパッケージ104内に密閉され、封止される。
【0033】
図8は、光エレクトロニクス組立体800の代替実施形態を例示している。光学組立体800は多層光エレクトロニクスパッケージ804を含んでおり、パッケージ804は、微小電気機械(MEMS)部品、及び該パッケージ804内の光素子の温度を制御するために使用可能な熱電冷却器(TEC)を含んでいる。光エレクトロニクスパッケージ804が他の光学部品と通信することを可能にするため、光学組立体800は光エレクトロニクスパッケージ804に装着可能なレセプタクル802を含んでいる。レセプタクル802は、該レセプタクル802に装着されることが可能な光ファイバコネクタを用いて光ファイバ(図示せず)をパッケージ804内の光部品に装着する方法を提供し、故に、上記の光部品を他のデバイスと光通信できる状態にさせている。光エレクトロニクスパッケージ804は送信器又は受信器の何れにもすることができ、故に、その他の光学部品との間で信号の送信又は受信を行うことができる。
【0034】
図9は、光エレクトロニクスパッケージ804の部品の一実施形態を例示している。光エレクトロニクスパッケージ804は、ベース層902、フォトニック層904、スペーサ層906、及び光学層908を有している。ベース層902は、パッケージ804全体を支持しており、且つパッケージ内の光素子及びその他の素子に電気信号及び電力を送達するために介される経路をもたらしている。加えて、ベース層902はパッケージ内で発生した熱を逃す熱伝達路をもたらしている。
【0035】
図示された実施形態においては、ベース層902上にフォトニック層904が形成されており、フォトニック層904はその上に様々な光素子及び電子素子を含んでいる。フォトニック層904はその上に配置された様々な光素子及び電子素子を支持し、ベース層上に含まれる電気接続に加えて、あるいは代えて、電気接続をもたらしている。フォトニック層904はまた、光素子及び電子素子の温度が制御可能にされるように熱電冷却器(TEC)を形成するために、ベース層に結合させて使用され得る。
【0036】
スペーサ層906はベース層902上に形成される。スペーサ層はベース層を囲み、ベース層とパッケージの残りの部分との間を熱的に分離する。加えて、スペーサ層はフォトニック層904上の光部品と、例えば光学MEMS層908に含まれるレンズ等の光学素子の頂点との間に、特定の既知の間隔を設ける。また、スペーサ層はパッケージの密閉封止を介してパッケージの内部と外部との間の電気接続を確実にする。
【0037】
このパッケージ804の実施形態の最後の素子は、スペーサ層906及びフォトニック層904の上方に配置された光学MEMS層908である。一部の実施形態において、光学MEMS層908はパッケージ804の密閉封止された部分内に配置されてもよいが、他の実施形態においては、光学MEMS層は密閉封止された部分の外側に配置されてもよい。光学MEMS層908は構成的に、図2に関連して説明された光学MEMS層206と同様である。従って、光学MEMS層908の構成の詳細については更には説明しない。ベース層902、フォトニック層904、及びスペーサ層906の実施形態の詳細について、図10乃至16に関連して以下にて説明する。
【0038】
図10及び11は、ベース層902の実施形態の詳細を例示している。ベース層902は概して長方形の形状をしており、基板1002上に形成されている。一実施形態においては、基板1002はシリコンから成るが、他の実施形態においては、その他の材料、又は材料のその他の組み合わせも使用され得る。基板1002上の領域1006は、フォトニック層904がベース層上に配置されるときに該フォトニック層904を受け取るように指定されている。領域1006へのフォトニック層の配置に先立って、領域1006内の基板1002表面に薄膜熱電材料1010が堆積又は事前形成される。一実施形態において、薄膜熱電材料はスパッタにより設けられるが、他の実施形態においては、例えば化学的又は物理的気相堆積などの異なるプロセスが使用され得る。後にフォトニック層904が領域1006に配置されたとき、薄膜熱電材料1010はベース層902とフォトニック層904との間に挟まれ、微小な熱電冷却器(TEC)を形成する。ベース層902とフォトニック層904との間に形成されたTECはベース層への熱伝達を促進し、一部の実施形態において、フォトニック層及びその上の部品の温度を制御するために有用である。例えば、フォトニック層904が、温度の影響を受けやすい出力波長を有するレーザを含んでいる場合、TECはレーザ温度の優れた制御を可能にし、レーザ出力が所望の波長に維持されることを確実にするために使用され得る。温度を制御可能であることが不要な、光エレクトロニクスパッケージ804の他の実施形態においては、薄膜熱電材料1010を省略することによりTECは除去されることができる。冷却が不要な更に他の実施形態においては、フォトニック層は省略可能であり、光部品は直接的にベース層上に配置し、フォトニック層を本質的にベース層に融合させることができる。
【0039】
基板1002の表面には、領域1006の近傍から基板1002の周囲近傍に導かれた1つ以上の電気配線1008が形成されている。一実施形態において、この電気配線は標準的なメタライゼーション技術を用いて金属で形成され得るが、例えば電気配線が導電性の非金属で形成される場合には、当然ながら異なる技術も用いられ得る。電気配線1008は基板1002の表面に備えられてもよいし、あるいは例えば金属充填ビアのように基板の内部に延在されてもよい。電気配線1008は、後に、領域1006に形成されたTEC(存在する場合)に電力を、さらにはフォトニック層904上の光学部品及び電子部品に電力及び電気信号などを供給するために使用され得る。
【0040】
封止リング1004が基板1002の周囲又はその近傍に形成されている。封止リング1004は領域1006と電気配線1008の大部分とを囲んでいる。封止リング1004の目的は、ベース層902とスペーサ層906との間の間隔の制御を可能にすること、及びスペーサ層が後にベース層上に置かれたときにベース層がスペーサ層906と密閉封止を形成することを可能にすることである。一実施形態において、封止リング1004はシリコンで形成されてもよいが、他の実施形態においては、封止リング1004は異なるバリエーションのシリコン材料、シリコン以外の材料、又はシリコンと非シリコン材料との組み合わせが使用されてもよい。
【0041】
図12及び13はともにフォトニック層904の実施形態の詳細を例示している。フォトニック層904は基板1202を含んでいる。基板1202は、図示された実施形態においてはシリコンから成るが、他の実施形態においては他の材料から成り得る。フォトニック層904上には様々な光素子及び電子素子が形成あるいは配置されている。図示された実施形態においては、端面発光型レーザダイオード1204が基板1202上に形成されており、また、レーザダイオード1204から放射されたレーザビームを調整したり導いたりするために、例えば反射鏡1208等の様々な他の能動又は受動光学素子が基板上に形成されている。1つ以上のワイヤボンディングパッド1212がベース層上に形成されており、ワイヤが場合によって電力、電気信号又はそれらの双方をベース層上の電子部品及び光部品に供給するための接続点を設けている。電気配線(図示せず)はワイヤボンディングパッドから関連部品へと通じている。例えば抵抗、キャパシタ、電圧調整器などの更なる電子部品又は光部品1214及び1216も、フォトニック層904上に形成され、その上の適当な部品に接続され得る。
【0042】
図13は、フォトニック層904の実施形態の構成及び動作を例示している。図示された実施形態においては、レーザダイオード1204は反射鏡1208の方向にレーザビームを放射する。反射鏡1208はレーザビームの方向を約90°変化させ、故に、レーザビームの方向をフォトニック層904の面から外に変化させる。他の実施形態においては、当然ながら、ビームの方向を約90°以外の角度だけ変化させるように反射鏡を用いることも可能である。光学MEMS層908(図5及び6に関連して上述された)が平面内にあるとき、反射鏡1208から反射されたレーザビームは、光ファイバ1304の端面に撃ち込まれるように可動光学素子402によって集光される。光学MEMS層908内の可動光学素子402は動くことができるので、図8に示されるように光ファイバがレセプタクル802を介してパッケージ804に接続されるとき、可動光学素子402はレーザダイオード1204と光ファイバ1304との間の光カップリングを最適化するように動かされることができる。図には示されていないが、他の実施形態においては、レーザから放出されるとき及び/又は反射鏡1208で反射された後のレーザビームを調整する(例えば、平行にする、あるいは集光する)ために、例えばレンズ等の更なる光学素子が使用され得る。例示された実施形態は、使用され得る光素子の単なる1つの組み合わせであり、他の実施形態においては、より多い、より少ない、あるいは異なる光素子が使用され得る。例えば、異なる実施形態においては、レーザダイオードは端面発光型レーザ又は発光ダイオード(LED)で置き換えられ得る。他の実施形態においては、端面発光型レーザは縦型面発光レーザ(例えば、VCSEL)で置き換えられることができ、この場合、例えば反射鏡1208等の素子は除去されることが可能である。
【0043】
上述のフォトニック層904の動作は送信器に典型的なものであるが、フォトニック層の受信器の実施形態も構築されることができる。受信器の実施形態においては、レーザダイオード1204は光検出器で置き換えられ、ファイバ1304中を進行する信号がファイバ端面から放出され、可動光学素子402によって平行にされるように、信号の向きが逆にされる。そして、平行にされた信号は反射鏡1208に向けて90°方向を変えられ、光検出器1204に向けられる。送信器でのように、可動光学素子402は動くことができるので、図8に示されるように光ファイバがレセプタクル802を介してパッケージ804に接続されるとき、可動光学素子402は光ファイバ1304と光検出器1204との間の光カップリングを最適化するように動かされることができる。図には示されていないが、他の実施形態においては、反射鏡1208で反射される前及び/又は後のレーザビームを調整する(例えば、平行にする、あるいは集光する)ために、例えばレンズ等の更なる光学素子が使用され得る。
【0044】
図14及び15は、スペーサ層906の一実施形態の詳細を例示している。図14は、スペーサ層906が基板1402を含んでいることを示している。基板1402は図示された実施形態においてはシリコンから成るが、他の実施形態においては他の材料から成り得る。一実施形態において、基板1402の厚さはフォトニック層904の基板1202の厚さと同程度であるが、他の実施形態においては、基板1402の厚さはフォトニック層904の全体の厚さと比較して大きい、小さい、あるいは同一とすることができる。
【0045】
この基板内の開口1404はフォトニック層を収容し、それを囲むように設計されている。すなわち、開口1404の長さ及び幅はフォトニック層904の長さ及び幅に対して大きく、あるいは等しくなるように選定されている。封止リング1406が開口1404を囲むように形成されている。一実施形態において、封止リング1406はシリコンで形成されてもよいが、他の実施形態においては、封止リング1406は異なるバリエーションのシリコン材料、シリコン以外の材料、又は様々な材料の組み合わせで形成されてもよい。封止リング1406は、光学MEMS層908が後にベース層上に形成されるときに、光学MEMS層908がスペーサ層906と密閉封止を形成することを可能にする。ベース層902とスペーサ層906との間の密閉封止を形成する封止リング1004、及びスペーサ層906と光学MEMS層908との間の密閉封止を形成する封止リング1406を用いることにより、ベース層は外部から密閉封止され、故に、フォトニック層904上の光素子は汚染や湿気などから保護される。
【0046】
図15はスペーサ層906の構成、特に、複数の電極配線1408の位置付け及び経路付けを例示している。電気配線1408は開口1404のエッジから基板1402のエッジまで延在している。封止リング1406が光学層と密閉封止を形成することを確保するため、電気配線1408はほぼ開口1404のエッジから封止リング1406の内側エッジまで延在している。配線1408は、封止リングに到達する手前で、基板1402の底面の一対のノッチ1410へと基板を通して経路付けられている。ノッチ1410の形状は実質的にV字型(又は円筒形)の突出部1412を生じさせている。配線は突出部1412の表面に沿って形成されており、封止リング1406の外側で基板1402の頂部に再び浮上している。そして、電気配線1408は封止リング1406の外側からほぼ基板1402のエッジまで連続的に延在し、その一方で、封止リング1406が密閉封止を維持できることを確実にしている。電気配線はベース層上の素子に電力又は信号を供給するとともに、スペーサ層906上に形成されることになる光学MEMS層908に電力を供給するために使用される。一実施形態において、配線の各々をベース層上の対応するワイヤボンディングパッド1212に接続するために、ワイヤボンディングが使用され得る。
【0047】
図16は、組み立てられた形態の光エレクトロニクスパッケージ804の実施形態を例示している。フォトニック層904が、熱電材料1010の層をフォトニック層とベース層との間に挟み込みながら、ベース層902上に位置付けられている。スペーサ層906は、フォトニック層904を囲んでおり、密閉封止が作り出されるように封止リング1004に接触して、ベース層上に位置付けられている。光学MEMS層908は、可動光学素子402が光素子の上方になるように、スペーサ層上に位置付けられている。光学MEMS層908は、スペーサ層の開口を囲む封止リング1406上に置かれ、密閉封止を作り出している。スペーサ層と封止リング1004との間に形成された密閉封止と、光学MEMS層908と封止リング1406との間に形成された密閉封止とにより、フォトニック層ひいてはその上の全ての光素子がパッケージ804内に密閉され、封止される。
【0048】
図17は、本発明を組み込んだシステム1700の一実施形態を概略的に例示している。システム1700は、光ファイバを介して光信号の送信及び受信の双方を行うことが可能な中継器である。中継器1700の送信部は、光ファイバ1706によって他の光学部品に結合されたレーザ1702を含んでいる。レーザはドライバ1710に結合されており、レーザ1702とドライバ1710との双方は制御器1714に結合されている。ドライバにはマルチプレクサ1716が結合され、マルチプレクサ1716には1つ又は複数の信号源(図示せず)が結合されている。中継器1700の受信部は、光ファイバ1708によって光信号源に結合された受信器1704を含んでいる。受信器1704はLIMユニット1712に結合されており、LIMユニット1712はデマルチプレクサ1718に結合されている。中継器1700において、レーザ1702、受信器1704、又はそれらの双方は、例えば上述のパッケージ104及び804等の光エレクトロニクスパッケージとし得る。システムの他の実施形態は、より多い、より少ない、あるいは異なる部品を含み得る。他の一実施形態においては、例えば、マルチプレクサ及びデマルチプレクサの一方又は双方は中継器のインターフェース規格に応じて省略され得る。
【0049】
動作において、マルチプレクサ1716は1つ又は複数の信号源(図示せず)から1つ又は複数の電気信号を受信する。マルチプレクサは受信した複数の信号を多重化し、多重化された信号をドライバ1710に送信する。制御器1714の制御下で、ドライバ1710及びレーザ1702は多重化された信号を光搬送波上に変調し、そして多重化された光信号が光ファイバ1706に撃ち込まれる。受信側では、受信器1704がファイバ1708から光信号を受信する。受信器1704及びLIMユニット1712は光電子変換を行って光信号を電気信号に変換する。そして、電気信号はデマルチプレクサに導かれ、逆多重化されたコンポーネント信号に分離される。そして、各コンポーネント信号はその宛先に伝送される。
【0050】
本発明の例示された実施形態についての上記記載は、要約書に記載された事項を含め、排他的なものではなく、本発明を開示された形態そのものに限定するものでもない。当業者に認識されるように、本発明の具体的な実施形態及び実施例はここでは例示目的で記載されたものであり、本発明の範囲を逸脱することなく様々な均等な変更が可能である。これらの変更が本発明に為されうるのは上記の詳細な説明を踏まえてのことである。
【0051】
添付の請求項にて使用される用語は、本発明を本明細書及び特許請求の範囲にて開示された具体的な実施形態に限定するものと解釈されるべきではない。むしろ、本発明の範囲は専ら、クレーム解釈の確立された原則に従って解釈されるべき添付の請求項によって決定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係る光エレクトロニクスパッケージの一実施形態を含む組立体の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示された光エレクトロニクスパッケージの実施形態を分解して示す斜視図である。
【図3】ベース層の一実施形態を示す平面図である。
【図4】図3のベース層の実施形態の断面図であり、ベース層と、該ベース層に対する光学MEMS層及び光ファイバの配置とを例示している。
【図5】本発明に係る光学MEMS層の一実施形態を示す平面図である。
【図6】図5の光学MEMS層の実施形態の断面図である。
【図7】組み立てられた状態での光エレクトロニクスパッケージの一実施形態を示す断面図である。
【図8】本発明に係る光エレクトロニクスパッケージの代替実施形態を含む組立体の一実施形態を示す斜視図である。
【図9】図8に示された光エレクトロニクスパッケージの代替実施形態を分解して示す斜視図である。
【図10】図8に示された光エレクトロニクスパッケージの代替実施形態とともに使用可能なベース層の代替実施形態を示す斜視図である。
【図11】図10に示されたベース層の代替実施形態の断面図である。
【図12】図8に示された光エレクトロニクスパッケージの代替実施形態とともに使用可能なフォトニック層の一実施形態を示す斜視図である。
【図13】図8に示された光エレクトロニクスパッケージの代替実施形態を示す断面図である。
【図14】図8に示された光エレクトロニクスパッケージの代替実施形態とともに使用可能なスペーサ層の代替実施形態を示す斜視図である。
【図15】図14に示されたスペーサ層の代替実施形態の断面を示す斜視図である。
【図16】組み立てられた状態での図8の光エレクトロニクスパッケージの代替実施形態を示す断面図である。
【図17】光エレクトロニクスパッケージの一実施形態を内蔵するシステムの一実施形態を例示する図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース層;
前記ベース層上に配置された1つ以上の光素子;及び
前記ベース層の上方に吊された光学層であり、前記光素子の少なくとも1つの上方に配置された可動光学素子を含む光学層;
を有する光エレクトロニクス装置。
【請求項2】
前記ベース層は、前記1つ以上の光素子を囲む封止リングを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記封止リングに接触し、前記1つ以上の光素子の周りに密閉封止を形成するスペーサ層を更に有する請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記光学層は、前記可動光学素子を搭載したMEMS微小ステージである、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ベース層と前記光学層との間にスペーサ層を更に有し、前記スペーサ層は前記光学層を前記ベース層の上方に吊している、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記ベース層は前記光素子を囲む封止リングを含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記1つ以上の光素子の周りに密閉封止が形成されるように、前記スペーサ層は前記ベース層の前記封止リングに接触し、且つ前記光学層は前記スペーサ層上に搭載されている、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記光学層は、前記密閉封止の内部になるように、前記スペーサ層の内部に搭載されている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
ファイバースタブ又はファイバーピッグテイルを有するレセプタクルを更に有し、前記ファイバースタブが前記光学素子に実質的に位置合わせされるように、前記レセプタクルは前記光学層に結合している、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
ベース層;
前記ベース層上に配置され、1つ以上の光素子を含むフォトニック層;
前記ベース層と前記フォトニック層との間に挟まれた熱電材料;
前記ベース層上に配置され、前記フォトニック層を囲む開口を含むスペーサ層;及び
前記ベース層の上方に吊され、可動光学素子を含む光学層;
を有する光エレクトロニクス装置。
【請求項11】
前記ベース層は該ベース層を囲む封止リングを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記スペーサ層は前記開口を囲む封止リングを含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記スペーサ層は前記ベース層の封止リングに接触し、且つ前記光学層は前記スペーサ層の封止リングに接触し、前記ベース層の周りに密閉封止を形成している、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記光学層は前記フォトニック層に取り付けられ、前記スペーサ層は前記フォトニック層及び前記光学層を囲み且つ密閉封止している、請求項10に記載の装置。
【請求項15】
前記光学層は、前記可動光学素子を搭載したMEMS微小ステージである、請求項10に記載の装置。
【請求項16】
ベース層を形成する工程;
前記ベース層上に1つ以上の光素子を配置する工程;及び
前記ベース層上の前記光素子の上方に、可動光学素子を含む光学層を吊す工程;
を有する方法。
【請求項17】
前記光学層は、前記光学素子を搭載したMEMS微小ステージである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ベース層と前記光学層との間にスペーサ層を形成する工程を更に有し、前記スペーサ層は前記光学層を前記ベース層の上方に吊している、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
ベース層を形成する工程;
フォトニック層上に1つ以上の光素子を配置する工程;
前記ベース層と前記フォトニック層との間に熱電材料を挟む工程;
前記フォトニック層を囲むスペーサ層を前記ベース層上に形成する工程;及び
可動光学素子を含む光学層を前記スペーサ層上に配置する工程;
を有する方法。
【請求項20】
前記光学層は、前記光学素子を搭載したMEMS微小ステージである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記スペーサ層を前記ベース層上の封止リングに接触させて配置し、且つ前記光学層を前記スペーサ層上の封止リングに接触させて配置し、前記フォトニック層の周りに封止リングを形成する工程を更に有する請求項19に記載の方法。
【請求項22】
ベース層;
前記ベース層上に配置された1つ以上の光素子;及び
前記ベース層の上方に位置付けられた、可動光学素子を含む光学層;
を有する光エレクトロニクスパッケージに、光ファイバを取り付ける段階;並びに
前記1つ以上の光素子と前記光ファイバとの間の信号結合を、前記可動光学素子の位置を調整することによって最適化する段階;
を有する方法。
【請求項23】
前記光学層はMEMS微小ステージを有する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記可動光学素子の位置を調整することは、前記微小ステージ内の1つ以上のドライブに電流を供給することを有する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記光エレクトロニクスパッケージは熱電冷却器を含み、前記熱電冷却器を用いて前記フォトニック素子の温度を制御する段階を更に有する請求項22に記載の方法。
【請求項26】
少なくとも1つの電気信号源;
前記少なくとも1つの電気信号源に接続されたマルチプレクサ;
前記マルチプレクサに結合された光エレクトロニクスパッケージであり:
ベース層;
前記ベース層上に搭載された1つ以上の光素子;及び
前記ベース層上に配置された、可動光学素子を含む光学層;
を有する光エレクトロニクスパッケージ;並びに
光ファイバが前記光エレクトロニクスパッケージに接続され、且つ前記1つ以上の光素子に光学的に結合されることができるように、前記光エレクトロニクスパッケージに取り付けられたレセプタクル;
を有するシステム。
【請求項27】
前記光学層は、前記光学素子を搭載したMEMS微小ステージである、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記ベース層と前記光学層との間のスペーサ層を更に有する請求項26に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2008−527421(P2008−527421A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−549622(P2007−549622)
【出願日】平成17年12月23日(2005.12.23)
【国際出願番号】PCT/US2005/047380
【国際公開番号】WO2006/074048
【国際公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(593096712)インテル コーポレイション (931)
【Fターム(参考)】